説明

HIV−プロテアーゼ阻害剤製造の中間体及びHIV−プロテアーゼ阻害剤の製造方法

【課題】本発明は、HIV−プロテアーゼ阻害剤の製造に有用な化合物及び中間体、並びにHIV−プロテアーゼ阻害剤の製造方法を提供する。
【解決手段】HIV−プロテアーゼ阻害剤はHIV−プロテアーゼ酵素の生物活性を阻害又はブロックして、HIVウイルスの複製を終わらせる。これらの化合物は新規で発明性のある化合物及び中間体を用いて本発明の新規方法により製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する情報
本出願は、1996年9月5日出願の米国特許出願08/708,411号に基づき優先権を主張する。上記出願の全てを参照としてここに援用する。さらに、上記出願は以下の米国特許出願と関連する。
【0002】
米国特許出願番号 出願日
08/133,543 1993年10月7日
08/133,696 1993年10月7日
08/190,764 1994年2月2日
08/481,833 1995年6月7日
60/025,517 1996年9月5日
これらの米国特許出願のそれぞれもその全てを参照としてここに援用する。
【背景技術】
【0003】

HIV感染者の治療は近年で最も困難な生物医学的問題の一つである。効果のある新しい治療は、ヒト組織中におけるウイルスの素早い増殖を防止、又は阻害する方法に重点を置くものとして出現した。HIV−プロテアーゼ阻害剤はウイルスの鍵となる酵素経路を阻害し、その結果ウイルスの負荷を実質的に減少する。ウイルス負荷は免疫系の着実な衰退と、その結果ヒトの健康に有害な効果を及ぼす。以下の式7で示されるHIV−プロテアーゼ阻害剤であるネルフィナビルメシレート(nelfinavir mesylate)がHIV感染者に有効な治療となることが判明した。
【0004】
【化1】

【0005】
式7
ネルフィナビルメシレートは米国特許第5,484,926号(1996年1月16日発行)に開示されている。この特許の全てを本出願に参照として援用する。
【0006】
本発明者はネルフィナビルメシレート製造のためのいくつかの反応スキームに使用できる有用な中間体化合物を発見した。本発明者はまた、以下の式4のネルフィナビル遊離塩基からネルフィナビルメシレートを製造する新規な方法を発見した。
【0007】
【化2】

【0008】
ネルフィナビル遊離塩基も米国特許第5,484,926号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の概要
本発明の目的はHIV−プロテアーゼ阻害剤の製造に有用な化合物及び中間体、並びにHIV−プロテアーゼ阻害剤の製造方法を提供することである。このような阻害剤はHIV感染者の治療に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の側面では、本発明は以下の式3の化合物:
【0011】
【化3】

【0012】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0015】
【化5】

【0016】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない]
又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物に関する。
【0019】
本発明の様々な好ましい態様において、Rは−C(O)CH及び/又はXはハロゲン、好ましくはClである。
別の側面では本発明は、以下の式2の化合物:
【0020】
【化7】

【0021】
[式中、RはC−Cアルキル基;シクロアルキル基;ヘテロシクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;又は以下の式8の基:
【0022】
【化8】

【0023】
(式中、RはC−Cアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0024】
【化9】

【0025】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0026】
【化10】

【0027】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である]
又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物に関する。
【0028】
本発明はさらに、式2及び3の化合物の製造方法に関する。式2の化合物:
【0029】
【化11】

【0030】
の製造方法においては、以下の式1の化合物:
【0031】
【化12】

【0032】
を適当かつ十分な条件下に反応させてR保護基を導入して式2の化合物を形成する。この場合、RはC−Cアルキル基;シクロアルキル基;ヘテロシクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;又は以下の式8の基:
【0033】
【化13】

【0034】
(式中、RはC−Cアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式9の基:
【0035】
【化14】

【0036】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式10の基:
【0037】
【化15】

【0038】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である。
本発明は式3の化合物の製造方法を含む。
【0039】
【化16】

【0040】
この方法は、式1の化合物:
【0041】
【化17】

【0042】
に適当かつ十分な条件下に適当な保護基Rと脱離基Xとを導入することを含む。
この場合、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0043】
【化18】

【0044】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式9の基:
【0045】
【化19】

【0046】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0047】
【化20】

【0048】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない。上述したように、ある態様では、Rは−C(O)CH及び/又はXはハロゲン、好ましくはClである。
【0049】
先に定義した式3の化合物は式2の化合物からも製造できる。この反応は式2の化合物に脱離基Xを付加することによって進行する。この場合、式2は以下のように定義される:
【0050】
【化21】

【0051】
[Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0052】
【化22】

【0053】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0054】
【化23】

【0055】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0056】
【化24】

【0057】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である]。さらに、この場合、XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である。この方法では、Rが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない。
【0058】
本発明はさらに、HIV−プロテアーゼ阻害剤の製造方法に関する。本発明の方法により製造されるHIV−プロテアーゼ阻害剤の一つは以下の式4の化合物である:
【0059】
【化25】

【0060】
この方法では、式3の化合物:
【0061】
【化26】

【0062】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0063】
【化27】

【0064】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0065】
【化28】

【0066】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0067】
【化29】

【0068】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]
を適当かつ十分な条件下に反応させて式4の化合物を形成する。ここでも、この方法の好ましい一態様は、Rは−C(O)CH及び/又はXはハロゲン、好ましくはClである。
【0069】
先に定義した式4の化合物は式5の化合物:
【0070】
【化30】

【0071】
を脱保護し、これを十分な条件下で式3の化合物と反応させることによっても製造できる。この場合、式3の化合物は以下のものである:
【0072】
【化31】

【0073】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0074】
【化32】

【0075】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0076】
【化33】

【0077】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0078】
【化34】

【0079】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]。
【0080】
本発明の別の態様では、先に定義した式4の化合物を式3の化合物:
【0081】
【化35】

【0082】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0083】
【化36】

【0084】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0085】
【化37】

【0086】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0087】
【化38】

【0088】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]
を式6の化合物:
【0089】
【化39】

【0090】
と適当かつ十分な条件下で組み合わせることによって式4の化合物を製造することができる。
本発明はさらに、式7の化合物の製造方法に関する。ある態様では、式7の化合物:
【0091】
【化40】

【0092】
は、式4の化合物:
【0093】
【化41】

【0094】
を適当かつ十分な条件下で式7の化合物に変換することによって製造する。この方法では、式4の化合物から式7の化合物への変換は以下のようにして行う:
(a)式4の化合物を有機溶媒と接触させる;
(b)式4の化合物を、式7の化合物の生成に十分な条件下でメタンスルホン酸と接触させる;そして
(c)式7の化合物を噴霧乾燥する。本方法のより特定した態様では、有機溶媒はエタノールである。
【0095】
式4の化合物から式7の化合物を製造する別の方法では、以下の方法に従う:
(a)式4の化合物、適当な溶媒及びメタンスルホン酸を合わせて式7の化合物を形成し、式7の化合物は溶液中に溶解している;
(b)式7の化合物を含む溶液に第1の反溶剤(antisolvent)を加える;
(c)式7の化合物と第1の反溶剤を一緒に撹拌して固相と液相をもつ生成物を形成する;そして
(d)生成物を濾過し、第2の反溶剤で洗浄し、ここで第2の反溶剤は第1の反溶剤と同一又は異なっており、そして式7の固体最終生成物を得る。固体最終生成物を洗浄した後、適当な方法又は手段でこれを乾燥することができる。テトラヒドロフランを溶媒として使用し、ジエチルエーテルを少なくとも一つの反溶剤、好ましくは少なくとも第1の反溶剤として使用できる。
【0096】
本発明はまた、式2の化合物から(先に定義した)式4の化合物を製造する方法にも関する。この方法では式2の化合物を適当かつ十分な条件下で反応させて式4の化合物を形成する。この場合、式2の化合物は以下のように定義される:
【0097】
【化42】

【0098】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0099】
【化43】

【0100】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0101】
【化44】

【0102】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0103】
【化45】

【0104】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である]。
本発明のさらに別の態様は、先に定義した式7の化合物の製造方法に関する。この方法では、式5の化合物:
【0105】
【化46】

【0106】
を脱保護する。次いで、脱保護した式5の化合物を適当かつ十分な条件下で式3の化合物と反応させる。この場合、式3の化合物は以下のものと定義される:
【0107】
【化47】

【0108】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0109】
【化48】

【0110】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0111】
【化49】

【0112】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0113】
【化50】

【0114】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]。式3と式5の化合物の反応によって先に定義した式4の化合物が得られる。式4の化合物を次いで、例えば上述した方法のいずれかを用いて式7の化合物に変換する。
【0115】
発明の詳細な説明
本発明は、HIV−プロテアーゼ阻害剤の製造に有用な化合物及び中間体、該化合物及び中間体の製造方法、ならびにHIV−プロテアーゼ阻害剤の製造方法に関する。
【0116】
上述したように、本発明のある側面は、HIV−プロテアーゼ阻害剤の製造に有用な(例えば出発物質又は中間体として)化合物に関する。このような化合物の一つは本出願では以下の式3で示される:
【0117】
【化51】

【0118】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0119】
【化52】

【0120】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である);
以下の式9の基:
【0121】
【化53】

【0122】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である);あるいは以下の式10の基:
【0123】
【化54】

【0124】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;アジド、シアニド、イソシアネート及びイソチオシアネートを含むプソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したヒドロキシスクシンイミド又はヒドロキシベンゾトリアゾールを含むN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない]
及びその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物。好ましくはXはハロゲン、特にClである。
【0125】
本発明はまた、式2の新規化合物:
【0126】
【化55】

【0127】
[式中、RはC−Cアルキル基;シクロアルキル基;ヘテロシクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;又は以下の式8の基:
【0128】
【化56】

【0129】
(式中、RはC−Cアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である);以下の式9の基:
【0130】
【化57】

【0131】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である);あるいは以下の式10の基:
【0132】
【化58】

【0133】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である]
及びその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物に関する。
【0134】
が式8の基(ここでRはアルキルである)であるとき、Rは例えばアセテート、プロパノエート、ブタノエート、ピバロエート又はいずれかの関連アルキルエステル又はベンジルなどの基との混合炭酸塩でありうる。Rが式8の基であるときのRの別の例には、芳香族及びヘテロ芳香族酸のエステル、例えばベンゾエート、置換ベンゾエート、1−又は2−ナフトエート又は置換1−又は2−ナフトエート、又は置換された5−又は6−員環ヘテロ芳香族エステルを含む。RがアルキルであるときのRの例には、メチル、置換メチル、エチル、プロピル及びブチルを含む。Rが式9のシリルエーテルであるときのRの例には、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリフェニルシリル、及びアルキル基Rが単純アルキルとアリール基との組み合わせであるシリルエーテルを含む。Rが式10のアセタール又はケタールの一部であるときのRの例には、アセトニド、シクロヘキシリデンケタール、ベンジリデンアセタール、2−メトキシエトキシエチルアセタール、及びR及びRがアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであるときの関連アセタール及びケタールを含む。式2及び3のいくつかの好まし化合物及びその薬剤的に受容できる塩及び溶媒和物では、Rは−C(O)CHであり;言い換えると式8の基におけるRはCHである。
【0135】
本発明はさらに、式2,3,4の化合物(ネルフィナビル遊離塩基)及び7の化合物(ネルフィナビルメシレート)の種々の製造法に関する。式2及び3の化合物を用いるネルフィナビル遊離塩基の別の製造法が米国特許出願第08/708,607号(1996年9月5日出願:この出願の全てを参照としてここに援用する)に記載されている。式2及び3の化合物を用いる別の方法がJP 95-248183及びJP 95-248184(これらのそれぞれを全て参照としてここに援用する)。
【0136】
本明細書での使用には、以下の定義を適用する:
ここで使用する“アルキル”とは、置換された、または置換されていない、直鎖または分枝鎖の基をいい、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。“C−Cアルキル”とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを指す。代表的なC−Cアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオ−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどがある。“C−Cアルキル”という用語の定義には“C−Cアルキル”も含まれる。
【0137】
“シクロアルキル”とは、置換された、または置換されていない、飽和した、または部分的に飽和した、単環式または多環式の炭素環をいい、好ましくは環に5〜14個の炭素原子を有する。代表的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのような、3〜7個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する単環式の環がある。代表的なシクロアルキルはC−Cシクロアルキルであり、これは5〜7個の炭素原子を含有する飽和炭化水素環構造である。
【0138】
ここで使用する“アリール”とは、環に6、10、14、または18個の炭素原子を含有する、芳香族で一価の単環式、二環式、または三環式の基をいい、これらの基は置換されていなくても置換されていてもよく、また、これらの基には一またはそれ以上のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、またはヘテロアリール基(これらの基自体は、置換されていないか、または、一またはそれ以上の好適な置換基で置換されていてもよい)が縮合していてもよい。アリール基の例にはフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、フルオレン−2−イル、インダン−5−イルなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0139】
“ハロゲン”とは、塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素をいう。“ハロ”とはクロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨードをいう。
“炭素環”とは、置換された、もしくは置換されていない、芳香環、または、飽和した、もしくは部分的に飽和した、単環式の5〜7員環もしくは二環式の7〜10員環のような単環式もしくは多環式の5〜14員環をいい、環をなす原子は全て炭素である。
【0140】
“ヘテロ環アルキル基”とは、飽和した、または飽和していない、非芳香族で一価の単環式、二環式、または三環式の基をいい、それらは環をなす原子を3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個含有し、その中には窒素、酸素、および硫黄から選択されたヘテロ原子が1、2、3、4、または5個含まれ、置換された、または置換されていない基であり、そして、一またはそれ以上の、置換された、または置換されていないシクロアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基がそれらの基と縮合してもよい。ヘテロ環アルキル基の例にはアゼチジニル、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロ−2H−1,4−チアジニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル,1,4−ジオキサニル、1,3−オキサチオラニル,1,3−オキサチアニル、1,3−ジチアニル、アザビシロ(azabicylo)[3.2.1]オクチル、アザビシロ(azabicylo)[3.3.1]ノニル、アザビシロ(azabicylo)[4.3.0]ノニル、オキサビシロ(oxabicylo)[2.2.1]ヘプチル、1,5,9−トリアザシクロドデシルなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0141】
“ヘテロアリール”とは、芳香族で一価の単環式、二環式、または三環式の基をいい、それらは環をなす原子を5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個含有し、その中には窒素、酸素、および硫黄から選択されたヘテロ原子が1、2、3、4、または5個含まれ、置換された、または置換されていない基であり、そして、一またはそれ以上の、置換された、または置換されていないシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、またはアリール基がそれらの基と縮合してもよい。ヘテロアリール基の例にはチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、イソチアゾリル、フラザニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチエニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキシアリニル、キンゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、ベータ−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニルがあるが、それらに限定されるものではない。
【0142】
”アシル”という用語は、LC(O)L(式中、Lは単結合、−O又は−Nであり、さらにLは好ましくはアルキル、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ又は水素である)を表す。アルキル、アミノ及びアルコキシ基は置換されていてもよい。アシルの例としてはC−Cアルコキシカルボニルであり、これはカルボニル部分に結合した1−4個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐のアルコキシル鎖である。C−Cアルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどを含む。アシルの別の例には、Lが単結合であり、Lがアルコキシル、水素又はヒドロキシルであるカルボキシである。アシルのさらに別の例はN−(C−C)アルキルカルバモイル(Lが単結合であり、Lがアミノである)であり、これはカルバモイル部分の窒素原子に結合した1−4個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐のアルキル鎖である。N−(C−C)アルキルカルバモイル基の例としては、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル及びN−t−ブチルカルバモイルなどを含む。さらに別のアシルの例は、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイルであり、これは2つの直鎖又は分岐のアルキル鎖をもち、それぞれがカルバモイル部分の窒素原子に結合した1−4個の炭素原子をもつ。N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル基の例としては、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−エチルメチルカルバモイル、N,N−メチルプロピルカルバモイル、N,N−エチルイソプロピルカルバモイル、N,N−ブチルメチルカルバモイル及びN,N−sec−ブチルエチルカルバモイルなどを含む。
【0143】
適当な保護基は当業者に公知である。適当な保護基の例はT. Green & P. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis (2d ed. 1991)(参照としてここに援用する)に記載されている。
【0144】
本明細書中で使用する”アラルキル(aralkyl)”という用語は、結合点でsp混成している置換又は非置換基であり、この基とともに1又は複数の芳香族環ももつ、。
本明細書で使用する”プソイドハロゲン”の用語はアジド、シアニド、イソシアネート及びイソチオシアネートをいう。
【0145】
本明細書で使用する”N−ヒドロキシヘテロ環”の用語は、1又は複数の窒素ヘテロ環系の窒素原子とも結合する結合点に酸素原子をもつ置換及び非置換基をいう。このような基の例としては以下のものを含む:
【0146】
【化59】

【0147】
本明細書で使用する”アルキルエステル”の用語は、エステル化酸素と結合した基がアルキル基であるエステル基をいう。
本明細書で使用する”混合カーボネート”の用語は、以下の官能基:
【0148】
【化60】

【0149】
(式中、R及びRは独立にアルキル、アリール又はアラルキル基である)を含む化合物をいう。
本明細書で使用する”芳香族又はヘテロ芳香族酸のエステル”の用語は、安息香酸又は2−フランカルボン酸などのような、カルボキシル基が置換又は非置換の芳香族又はヘテロ芳香族環と直接結合したカルボン酸をいう。
【0150】
本明細書で使用する”DABCO”の用語は、試薬1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをいう。
本明細書で使用する”DBN”の用語は、試薬1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンをいう。
【0151】
本明細書で使用する”DBU”の用語は、試薬1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンをいう。
本明細書で使用する”シリルエーテル”の用語は、以下の基:
【0152】
【化61】

【0153】
(式中、R、R及びRは独立にアルキル、アリール又はアラルキル基である)をいう。
本明細書で使用する”ペルフルオルアルカンスルホネート”の用語は、1以上の水素がフッ素で置換されたアルカンスルホネートエステルをいう。
【0154】
本明細書で使用する”ビニルアルキルエーテル”の用語は、アルキル基と置換又は非置換オレフィン含有基とがエーテル性酸素に結合し、前記オレフィン含有基が二重結合炭素のうちの1つでエーテル性酸素と結合するエーテル基をいう。
【0155】
本明細書で使用する”アリールスルホン酸”の用語は、以下の式:
【0156】
【化62】

【0157】
(式中、Arは置換又は非置換の芳香族環である)の基をいう。
本明細書で使用する”脱離基”の用語は、置換反応において結合の開裂により分子から脱離する基をいう。脱離基の例にはハライド、アレンスルホネート、アルキルスルホネート及びトリフレートなどを含むがこれに限定されない。
【0158】
本明細書で使用する”アレンスルホネート”の用語は、アリールスルホン酸のエステルであるいずれかの置換又は非置換基をいう。
本明細書で使用する”アルキル又はアリールカルボジイミド”の用語は、式R−N=C=N−R(式中、R及びRは独立にアリール、アルキル又はアラルキルである)のいずれかの試薬をいう。
【0159】
本明細書で使用する”DMF”の用語は、溶媒N,N−ジメチルホルムアミドをいう。
本明細書で使用する”NMP”の用語は、溶媒N−メチル−2−ピロリジノンをいう。
本明細書で使用する”THF”の用語は、溶媒テトラヒドロフランをいう。
【0160】
本明細書で使用する”アルキルチオレート”の用語は、アルカンチオールの金属塩である置換又は非置換の化合物をいう。
本明細書で使用する”トリアルキルシリルハライド”の用語は、同一又は異なっていてよい3つのアルキル基をもつ珪素含有化合物をいう。
【0161】
本明細書で使用する”水素添加”の用語は、単結合が壊れて、以前結合していた原子に水素が結合するようになる反応をいう。
アルキルおよびアリールの置換基の例には、アリール、シクロアルキル、飽和したヘテロ環、および部分的に飽和したヘテロ環と同様、メルカプト、チオエーテル、ニトロ(NO)、アミノ、アリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、およびアシルがある。シクロアルキルの置換基の例には、アリールおよびアルキル、そして上でアルキルおよびアリールの置換基として挙げたものがある。
【0162】
代表的な置換されたアリールには、ハロ、ヒドロキシ、モノホリノ(C−C)アルコキシカルボニル、ピリジル(C−C)アルコキシカルボニル、ハロ(C−C)アルキル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、カルバモイル,N−(C−C)アルキルカルバモイル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、または式−(CH−Rの基(式中、aは1、2、3、または4であり;Rはヒドロキシ、C−Cアルコキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C−Cアルキルアミノ、またはジ(C−C)アルキルアミノである)からそれぞれ独立して選択される1個以上の置換基、好ましくは1〜3個の置換基で置換された、フェニルまたはナフチル環がある。
【0163】
別の置換されたアルキルはハロ(C−C)アルキルであり、これはそれに結合する1〜3個のハロゲン原子を有する、1〜4個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖のアルキルである。代表的なハロ(C−C)アルキル基にはクロロメチル、2−ブロモエチル、1−クロロイソプロピル,3−フルオロプロピル、2,3−ジブロモブチル、3−クロロイソブチル、ヨード−t−ブチル、トリフルオロメチルなどがある。
【0164】
別の置換されたアルキルはヒドロキシ(C−C)アルキルであり、これはそれに結合する1個の水酸基を有する、1〜4個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖のアルキルである。代表的なヒドロキシ(C−C)アルキル基にはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、4−ヒドロキシブチルなどがある。
【0165】
更に別の置換されたアルキルはC−Cアルキルチオ(C−C)アルキルであり、これはC−Cアルキルチオ基が結合した、直鎖または分枝鎖のC−Cアルキル基である。代表的なC−Cアルキルチオ(C−C)アルキル基にはメチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオプロピル、sec−ブチルチオメチルなどがある。
【0166】
更に別の置換されたアルキルはヘテロ環(C−C)アルキルであり、これはそれに結合する1個のヘテロ環を有する、1〜4個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖のアルキルである。代表的なヘテロ環(C−C)アルキル基にはピローリルメチル、キノリニルメチル、1−インドリルエチル、2−フリルエチル、3−チエン−2−イルプロピル、1−イミダゾリルイソプロピル、4−チアゾリルブチルなどがある。
【0167】
更に別の置換されたアルキルはアリール(C−C)アルキルであり、これはそれに結合する1個のアリール基を有する、1〜4個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖のアルキルである。代表的なアリール(C−C)アルキルにはフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−ナフチルプロピル、1−ナフチルイソプロピル、4−フェニルブチルなどがある。
【0168】
例えば、ヘテロ環アルキルおよびヘテロアリールはハロ、ハロ(C−C)アルキル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C−C)アルキルカルバモイル、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、または構造−(CH−Rを有する基(式中、aは1、2、3、または4であり、Rはヒドロキシ、C−Cアルコキシ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C−Cアルキルアミノ、またはジ(C−C)アルキルアミノである)からそれぞれ独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換することができる。
【0169】
置換されたヘテロ環アルキルの例には3−N−t−ブチルカルボキシアミドデカヒドロイソキノリニルおよび6−N−t−ブチルカルボキシアミドオクタヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジニルがあるが、それらに限定されるものではない。置換されたヘテロアリールの例には3−メチルイミダゾリル、3−メトキシピリジル、4−クロロキノリニル、4−アミノチアゾリル、8−メチルキノリニル、6−クロロキノキサリニル、3−エチルピリジル、6−メトキシベンズイミダゾリル、4−ヒドロキシフリル、4−メチルイソキノリニル、6,8−ジブロモキノリニル、4,8−ジメチルナフチル、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、N−メチル−キノリン−2−イル、2−t−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−イソキノリン−7−イルなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0170】
“薬剤的に許容しうる溶媒和物”とは、本発明の化合物の生物学的活性成分の生物学的有効性および性質を保持する溶媒和物を指す。
薬剤的に許容しうる溶媒和物の例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンを使用して調製した化合物があるが、それらに限定されるものではない。
【0171】
固形製剤の場合、本発明の化合物は、安定および準安定結晶性の形、そして等方性および非結晶性の形のような、種々の形であってもよいことは理解されるところであり、これらは全て本発明の範囲に含まれる。
【0172】
“薬剤的に許容しうる塩”とは、遊離の酸および塩基の生物学的有効性および性質を保持し、かつ、生物学的に、または他の意味で不適当ではない塩を指す。
薬剤的に許容しうる塩の例には硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩(methoxyenzoates)、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、Y−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、およびマンデル酸塩があるが、それらに限定されるものではない。
【0173】
本発明の化合物が塩基の場合、当該分野で知られる好適な方法により好ましい塩を調製してもよく、そのような方法は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、または、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸およびガラクツロン酸のようなピラノシジル酸、クエン酸および酒石酸のようなアルファ−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸およびグルタミン酸のようなアミノ酸、安息香酸およびケイ皮酸のような芳香族酸、p−トルエンスルホン酸およびエタンスルホン酸のようなスルホン酸などのような有機酸による遊離の塩基の処理を含む。
【0174】
本発明の化合物が酸の場合、当該分野で知られる好適な方法により好ましい塩を調製してもよく、そのような方法は、アミン(第一級、第二級、または第三級)、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物などのような、無機または有機塩基による遊離の酸の処理を含む。好適な塩の例には、グリシンおよびアルギニンのようなアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級、および第三級アミン、そして、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンのような環状アミンから誘導される有機塩と、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、およびリチウムから誘導される無機塩がある。
【0175】
少なくとも1個のキラル中心を含有する本発明の化合物は全て、単一の立体異性体、ラセミ化合物、および/または、鏡像異性体および/もしくはジアステレオマーの混合物として存在してもよい。そのような単一の立体異性体、ラセミ化合物、およびそれらの混合物は全て、本発明の範囲に含まれるものである。好ましくは、本発明の化合物は少なくとも90%の単一の異性体(80%の鏡像異性体またはジアステレオマー過剰)を含有する形態で使用され、より好ましくは少なくとも95%(90%の鏡像異性体またはジアステレオマー過剰)、更に好ましくは少なくとも97.5%(95%の鏡像異性体またはジアステレオマー過剰)、そして最も好ましくは少なくとも99%(98%の鏡像異性体またはジアステレオマー過剰)である。ここで単一の立体異性体とされる化合物は、単一の異性体を少なくとも90%含有する形態で使用される化合物をいう。
【0176】
本発明の化合物は以下に記載する本発明の新規方法により製造できる。さらに、これらの化合物は以下に記載する本発明の方法によりネルフィナビル遊離塩基及びネルフィナビルメシレートの製造に使用できる。
【0177】
3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸誘導体のネルフィナビル遊離塩基への変換の反応スキームは以下の通りである:
【0178】
【化63】

【0179】
酸1はLancaster Labs及び日本のSugai Chemical Industries, Ltd.から市販されている。酸1は、9Cの製造に関して米国特許第5,484,926号に記載の方法によっても得ることができる。
【0180】
がアシル基又は芳香族もしくはヘテロ芳香族酸のエステルであるときは、このようなタイプの反応に典型的な溶媒、例えばハロゲン化溶媒、エーテル、及び塩基と炭化水素などの中で、対応するアシルハライド又は無水物を用いて、Rを3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に導入することができる(工程1)。このような塩基は典型的には例えば金属ヒドロキシド、重炭酸塩及び炭酸塩などの無機塩基、又はアミンなどの有機塩基、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、DABCO、又は関連のジ−もしくはトリアルキルアミン、ならびにDBU及びDBNなどのアミン塩基である。この反応は室温以下から約100℃のいずれの温度でも実施できる。あるいは、無水物と組み合わせて用いるときは硫酸などの酸でエステル化を触媒できる。
【0181】
がエーテル基のときは、脱離基と結合した対応のR基を用いる条件を使用して、その後脱離基をはずすことによってRを導入できる。この反応は一般に普通に用いられる有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、又はその他のエーテル;酢酸エチル、メチル及びイソプロピルなどのエステル;ハロゲン化メタン及びエタン、クロロベンゼン及びその他のハロゲン化ベンゼンなどのハロゲン化溶媒;アセトニトリル及びプロピオニトリルなどのニトリル;エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、及び関連アルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン及び関連のアミド含有溶媒などの極性有機溶媒中で実施される。このような方法には塩基を通常伴う。塩基は典型的には金属ヒドロキシド、重炭酸塩及び炭酸塩などの無機、又はトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、DABCO又は関連のジ−もしくはトリアルキルアミン、ならびにDBUやDBNなどのアミジン塩基である。これらの反応は典型的には室温下から約100℃のいずれの温度でも実施できる。
【0182】
がシリルエーテルのときは、普通に用いられる有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、又はその他のエーテル;酢酸エチル、メチル及びイソプロピルなどのエステル;ハロゲン化メタン及びエタン、クロロベンゼン及びその他のハロゲン化ベンゼンなどのハロゲン化溶媒;アセトニトリル及びプロピオニトリルなどのニトリル;エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、及び関連アルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン及び関連のアミド含有溶媒中で、対応するシリルハライド又はペルフルオロアルカンスルホネートを用いて導入できる。このような方法には塩基を通常伴う。塩基は典型的には金属ヒドロキシド、重炭酸塩及び炭酸塩などの無機、又はトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、DABCO又は関連のジ−もしくはトリアルキルアミン、ならびにDBUやDBNなどのアミジン塩基である。
【0183】
がアセタール又はケタール基の一部であるときは、Rは上述したその他のアルキルハライドと同様の方法で対応するα−ハロエーテルでアルキル化することにより導入できる。あるいは、3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の対応するビニルアルキルエーテルへの酸促進付加を用いることができる。この反応は有機酸(例えばp−トルエンスルホン酸及び関連のアルキル及びアリールスルホン酸、トリフルオロ酢酸及び2以下のpKをもつ関連の有機カルボン酸)及び無機酸(例えば硫酸、塩酸、リン酸及び硝酸)のどちらで促進することもできる。
【0184】
工程2ではカルボン酸誘導体2の反応によってX基を導入する。式3のアシルハライドを無機ハロゲン化剤、例えば塩化もしくは臭化チオニル、三塩化もしくは臭化リン、五塩化もしくは臭化リン、又は有機ハロゲン化剤、例えば塩化オキサリルもしくはトリクロロイソイアヌル酸を用いて製造できる。この工程はDMF又は関連のアルキルアミドで触媒できる。
【0185】
式3のエステルは、酸クロリド(式3の化合物)を出発物質として、前記の有機又は無機塩基の存在下に所望のアルコールを組み合わせることによって種々の方法で製造することができる。あるいは、所望のアルコールの存在下で酸促進エステル化を行ってこのエステルを製造することもできる。スルホネートは通常、トリエチルアミンなどの有機アミン塩基の存在下に、非極性溶媒中、0℃以下の温度で、カルボン酸誘導体(式2の化合物)をアルキル又はアリールスルホニルクロリドと反応させることによって製造される。プソイドハロゲン誘導体は通常、塩基の存在下に、酸ハライド(式3の化合物)を無機プソイドハロゲンと反応させることによって得られる。ヘテロアリール誘導体(式2の化合物)も式3の酸ハライドから、アミン塩基の存在下に非極性溶媒中で特定のヘテロアリール化合物を用いることにより得られる。N−ヒドロキシヘテロ環誘導体は前記の式3の酸ハライドから製造でき、またアルキル又はアリールカルボジイミドと縮合剤としてのアミン塩基とを用いて製造することもできる。
【0186】
化合物3のアミン6とのカップリング(工程3)は、Xが何であるかによって種々の方法で行うことができる。遊離の酸を用いるとき(X=OH)は、ジシクロヘキシルカルボジイミド又は関連のジアルキルカルボジイミド,EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドの塩)又は関連の水溶性試薬を含むこのクラスでよく用いられる試薬のいずれかと、有機アミン塩基とを極性有機溶媒(例えばジオキサン、DMF、NMP及びアセトニトリル)中、N−ヒドロキシヘテロ環(ヒドロキシスクシンイミド又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルを含む)の存在下で用いるカルボジイミド法によってカップリングを行うことができる。Xがハロゲンもしくはプソイドハロゲンのときは、カップリングはよく用いられる有機溶媒中、例えばTHF;ジエチルエーテル、ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル又はその他のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン及びその他のケトン;酢酸エチル、メチル、イソプロピルなどのエステル;ハロゲン化メタン及びエタンなどのハロゲン化溶媒;クロロベンゼン及びその他のハロゲン化ベンゼン;アセトニトリル及びプロピオニトリルなどのニトリル;エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール及び関連アルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン及び関連のアミド含有溶媒などの極性有機溶媒中で行うことができる。しばしば塩基を用い、これには多数の無機塩基(例えば金属ヒドロキシド、重炭酸塩及び炭酸塩)又は有機塩基(例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、DABCO又は関連のジ−もしくはトリアルキルアミンのようなアミン、ならびにDBUやDBNなどのアミジン塩基)のいずれかを使用できる。
【0187】
保護基の除去は特定クラスの保護基を脱離する標準法のいずれかを用いて実施できる。エステル及び炭酸塩は通常、無機塩基(例えば金属ヒドロキシド、重炭酸塩及び炭酸塩)の水溶液もしくはアルコール溶液を用いて、周囲温度から100℃で除去される。エーテルは硼素のルイス酸化合物(例えばBBr及びBCl)、アルキルチオレート又はトリアルキルシリルハライドを用いて脱保護できる。ヘテロ原子と結合したベンジル基を含むエーテルもしくは炭酸塩保護基はパラジウム又はプラチナ触媒で水素化分解することにより除去できる。アセタールに基づく保護基は水性もしくはアルコール性酸性条件下に、ハロゲン化遷移金属もしくは第3族金属のハロゲン化物などのルイス酸で促進するか、あるいはプロトン性有機酸(例えばp−トルエンスルホン酸及び関連のアルキル及びアリールスルホン酸、トリフルオロ酢酸及びpK2以下の関連の有機カルボン酸)及び無機酸(例えば硫酸、塩酸、リン酸及び硝酸)で促進して除去することができる。シリルエーテル保護基の除去は、水性もしくはアルコール性の酸もしくは塩基で行うか、あるいはフッ化カリウムもしくはセシウムなどの無機フッ素源、又はフッ化テトラアルキルアンモニウム塩を用いて脱シリル化を促進するフッ素イオンの使用により行うことができる。
【0188】
ネルフィナビルメシレートは3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリド(酸クロリド)から製造できる。酸クロリドは対応の3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸から次の2工程で製造できる。
【0189】
【化64】

【0190】
酸クロリドの製造では、酸1をアセトキシ酸(式2の化合物)に変換して、次にこれを塩化チオニルで処理して3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドを良好な収率で得る。
【0191】
次に酸クロリドを古典的条件下でアミン6とカップリングして、以下のようにネルフィナビル遊離塩基を得る:
【0192】
【化65】

【0193】
酸クロリドをTHF中、周囲温度で30分トリエチルアミンの存在下にアミン6で処理して、次にアセテート基を水性塩基で加水分解することによりネルフィナビル遊離塩基を得る。この遊離塩基を以下に詳述する方法でネルフィナビルメシレートに変換できる。
【実施例】
【0194】
3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドからネルフィナビル遊離塩基の製造
製造法の概略
【0195】
【化66】

【0196】
3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドを得るには、3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を酢酸中、無水酢酸及び触媒量の硫酸とともにスラリー化した。水酸基のアセチル化は周囲温度で2時間以内に完了した。反応終了後に得られるスラリーを水に注ぎ、生成物を濾過で単離した。湿ったケーキを水に再スラリー化し、濾過で単離、真空乾燥した。HPLCで89−92%の見かけ純度を有する生成物を80−90%の収率で得た。粗製乾燥3−アセトキシ−2−メチル安息香酸を4容量の酢酸エチル中に還流しながら溶解した。得られる溶液を<70℃に冷却し、ヘキサン5容量を加えた。混合物を再度還流して、<10℃に1時間冷却した。スラリーを濾過し、濾液で反応器をリンスした。生成物を真空乾燥した。再結晶により、HPLC UVによる見かけ純度が89−92%から>98%に上がった。最大の単一不純物が4−5%から〜0.5%に減少した。生成物は3−アセトキシ−2−メチル安息香酸であった。
【0197】
3−アセトキシ−2−メチル安息香酸をメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)中にスラリー化して1.2当量の塩化チオニルと触媒量のジメチルホルムアミドで処理した。周囲温度で3時間後に反応は終了し褐色溶液を与えた。溶媒(MTBE)を真空蒸留で除去した。トルエンを加えて真空蒸留することにより残った塩化チオニルを除去した。得られる3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドをオイルとして直接得るか、又は<10℃でヘプタン2容量から結晶化することにより単離した。オイルとして単離したときには>100%収率で、またヘプタンから結晶化したときには82−85%の収率で生成物を得た。
【0198】
カップリング用の化合物6を得るためには、式5の化合物(以下の方法で製造)を、エタノールとNaOH水溶液の混合物中で還流してCBZ保護基を開裂することにより式6の化合物を得た。水とHClを加えてNaCOを溶解し、過剰のNaOHを中和すると二相の混合物が得られた。この混合物を冷却し、下層にある水相を除去した。トリエチルアミンと次にテトラヒドロフラン中の3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリド溶液を加えて式4の化合物のアセテートを得た。NaOH水溶液を加えて、混合物を加熱還流して式4の化合物を得た。混合物を周囲圧力で濃縮してテトラヒドロフラン、トリエチルアミン及びエタノールの大半を除去した。混合物を水と氷酢酸の加熱溶液中に加えて生成物を沈殿させた。さらに酸を加えてpHを調整し、熱いうちに固形物を濾過した。湿ったケーキを熱水でリンスし、乾燥すると粗製ネルフィナビル遊離塩基が得られた。
【0199】
この方法をさらに詳しく以下に記載する。
【0200】
3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の製造
【0201】
【化67】

【0202】
【表1】

【0203】
酢酸(8750mL)、3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(3500g)及び硫酸(70mL)を22リットルの反応器に入れた。反応器の内容物を撹拌して均一混合物を得た。混合物を36℃まで発熱した。無水酢酸(2390mL)を22リットルの反応器中の混合物に加えた。発熱により反応器内容物は36−44℃に温められた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した(反応内容物をゆっくり放置冷却した)。反応物を試験してTLCを用いて出発物質が完全に変換したかを調べた。反応混合物は反応終了時に一般に黄褐色スラリーであった。
【0204】
精製水(17500mL)を50Lの抽出器に加えて、22Lの反応器からの反応混合物をこの水に加えた。22Lの反応器を精製水(3500mL)でリンスして50L抽出器に入れた。反応混合物を真空濾過し、反応器と濾過ケーキとを精製水(3500mL)で洗浄した。湿った濾過ケーキを50L抽出器に移して、精製水(14000mL)を撹拌しながら加えて均一スラリーを得た。この再スラリー化した混合物を真空濾過し、反応器と濾過ケーキとを精製水(3500mL)で洗浄した。濾過ケーキをできるだけ乾燥した状態で取り出し、乾燥パンに移した。生成物を真空オーブン中、60−80℃、≧28mm Hgで12−72時間乾燥した。理論的収率:4466g。得られた実際の重量:3910g(87.6%)。HPLCアッセイ:89.4%又は87.7%。
【0205】
精製は以下のようにして行った。粗製3−アセトキシ−2−メチル安息香酸(先に得られた3910g)と酢酸エチル(16.0L)を50L反応器に入れた。反応器内容物を全ての固形物が溶液になるまで加熱還流(77℃)した。反応内容物を<70℃に冷却した。ヘキサン(19.5L)を反応器に加えた。反応内容物を再度加熱還流(69℃)し、次に混合物を<10℃で1時間冷却した。この工程で得られる冷却スラリーを真空濾過し、反応器を冷母液でリンスした。濾過ケーキをできるだけ乾燥した状態で取り出し、乾燥パンに移した。生成物を真空オーブン中、60−70℃、≧28mm Hgで12−72時間乾燥した。理論的収率:3910g。得られた実際の重量:3128g(80%)。この工程によりHPLC UV見かけ純度が89−92%から>98%に改善された。最大の単一不純物は4−6%から<1%に減少した。単離した生成物は黄褐色固体であった。H NMRδ:8.0(d, 1H), 7.3(重複m, 2H), 2.5(s, 3H), 2.3(s, 3H)。
【0206】
3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドの製造
【0207】
【化68】

【0208】
【表2】

【0209】
22L反応器を窒素でパージし、再結晶した3−アセトキシ−2−メチル安息香酸(3000g)、MTBE(12000ml)及びジメチルホルムアミド(60ml)を入れた。反応器内容物を撹拌して均一混合物を得た。塩化チオニル(1350ml)を反応器に加えた。この反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した(一般に反応完了には3時間以上を要しないが、混合物を便宜的により長時間保持してもよい)。反応溶液をビュッキ型回転エバポレータ(rotovap)に移して、反応物をトルエン(1500ml)でリンスした。浴温度を40−50℃に維持しながら溶液をできるだけ濃縮した。トルエン(6000ml)をこの濃縮溶液に加えた。トルエンを回転エバポレータで留去して過剰の塩化チオニルを除去した。濃縮物を再度22L反応器に戻して、ビュッキフラスコをヘプタン(6000ml)でリンスした。ヘプタン混合物を窒素下に<5℃まで冷却した。結晶混合物を<5℃に>30分維持した後、混合物を濾過し、濾過ケーキを冷ヘプタン(1500ml、<5℃)で洗浄した。濾過ケーキを真空オーブン中、15−20℃、≧28mm Hgで24時間乾燥すると黄褐色の顆粒状固体が得られた。理論的収率:3285g。得られた実際の重量:2704g(82.3%)。HPLCアッセイ97.51%。H NMRδ:8.1(d, 1H), 7.4(重複m, 2H), 2.4(s, 6H)。
【0210】
3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリドと化合物6からネルフィナビル遊離塩基への変換
反応スキーム
【0211】
【化69】

【0212】
工程A:化合物5から化合物6への変換
【0213】
【化70】

【0214】
コンデンサ、温度プローブ及び機械的撹拌器を備えた22Lの3頸丸底フラスコ(”RBF”)に、化合物5(1kg、97.7%、1.72モル、1.00当量)(以下の方法で製造できる)、エタノール(5L、95%)、NaOH(280ml、50%、5.33モル、3.1当量)及び水(2L、D1)を入れた。混合物を撹拌し加熱還流した(80−82℃)。全ての固形物を50℃で溶解すると透明な黄色溶液を得た。反応が進むとともに混合物はNaCO沈殿で濁ってきた(容量=8280ml)。脱保護をHPLCでモニターした。210分における分析では、式5の化合物の完全な消費、0.95%のオキサゾリジノン、36%のベンジルアルコール、及び62.5%の式6の化合物を示した。300分における分析では、0.34%のオキサゾリジノン、36%のベンジルアルコール、及び62.6%の式6の化合物を示した。混合物に水(1260ml)を加えて全ての固体を可溶化し、混合物を67℃に冷却した(容量=9540ml)。次にHCl(344ml、6N、2.06モル、1.2当量)を混合物に加えた。混合物を10分撹拌し、20分放置すると、2層を与えた(容量=9884ml)。下層のNaCO水溶液相を60℃で除去した。水相の容量は365mlでpHは14であった。透明黄色の上層のpHは10−10.5であった。上層を次の工程に直接用いた。
【0215】
工程B:化合物6から化合物4のアセテートへの変換
【0216】
【化71】

【0217】
【表3】

【0218】
工程Aからの溶液を25℃に冷却し、トリエチルアミン(360ml、2.58モル、1.50当量)を溶液に加えて、混合物を7℃に冷却した(pH=11.5−12.0)。混合物は23℃で濁ってきた(容量=9879ml)。この混合物を、3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリド(388.5g、98.8%、1.81モル、1.05当量)とテトラヒドロフラン(440ml)の混合物中に5分かけて加えた。THF(10ml)を用いて完全に移した。7.4℃の発熱が観察された。添加終了時に混合物は乳白色になった(容量=10717ml)。30分後におけるHPLC分析では、式6の化合物が<0.2%、式4の化合物の酢酸塩が77%、ベンジルアルコールが18.2%であり、エステルは存在しなかった。乳白色混合物を直接次の工程に用いた。
【0219】
工程C:化合物4の鹸化
【0220】
【化72】

【0221】
【表4】

【0222】
工程Bで得られた混合物にNaOH(50%、364ml、6.88モル、4.0当量)を加えた。乳白色混合物は透明となり、次いで濁った明るい茶色になった。混合物を20℃で35分撹拌した。HPLC分析ではベンジルアルコールが15.9%、化合物4が78.6%で酢酸塩はなかった(容量=11081ml)。混合物を加熱還流し、頭部温度が82℃になるまで常圧で蒸留して部分的に濃縮した。留去した容量は4275mlであった。混合物のpHは14であった。容量を測定した(6000ml)。
【0223】
温度プローブと機械撹拌機をつけた12Lの3頸丸底フラスコに水(5L)とHOAc(100mL)を入れた。溶液を54℃に加熱した(pH=2−2.5)(容量=5100ml)。上で得られた化合物4の混合物の半分(3L)をこの温かい酢酸水溶液に加えて細かい白色固体を沈殿させた。HOAc(19ml)でpHを7−7.5に調整し、温度は53℃であった(容量=8119ml)。固体を53℃で減圧で濾過した。濾過は迅速で容易に進行した。反応器と湿ったケーキを温かい(35℃)の水(2.5L)でリンスし、濾駅を集めた。湿ったケーキは15−20分吸引乾燥した。
【0224】
水(5L)とHOAc(100mL)を再度12Lの3頸丸底フラスコに入れた。溶液を41℃に加熱した(容量=5100ml)。化合物4の混合物の残り半分(3L)をこの温かい酢酸水溶液に加えて細かい白色固体を沈殿させた。HOAc(15ml)でpHを7−7.5に調整し、温度は44℃であった(容量=8115ml)。固体を53℃で減圧で濾過した。濾過は迅速で容易に進行した。反応器と湿ったケーキを温かい(35℃)の水(2.5L)でリンスし、濾駅を集めた。湿ったケーキは15−20分吸引乾燥した。
【0225】
得られた2つの湿ったケーキ(3587g)を60℃で90時間減圧乾燥すると、乾燥重量1075.38gの粗製化合物4を得た。理論的収量は977gである。
工程D:化合物4の精製
【0226】
【表5】

【0227】
コンデンサ、温度プローブ及び機械撹拌機をつけた12Lの3頸丸底フラスコに粗製化合物4(290g、92%、469ミリモル)、活性炭(Darco G-60
、44g)、アセトン(4305ml)及び水(870ml、Dl)を入れた。混合物を加熱還流(60−64℃)し、45分維持した(容量=5509ml)。熱スラリーを減圧でセライト(29g)濾過した。反応器と濾過ケーキをアセトン(200ml)でリンスし、透明な明るい黄色濾液を集めた。混合物を2.5時間かけて25℃まで撹拌しながらゆっくり放置冷却すると細かい白色固体が沈殿した(容量=5665ml)。白色スラリーを0−10℃に冷却し1時間維持した。固体を減圧で濾過し、湿ったケーキの表面で液体を吸引した。反応器と湿ったケーキを冷(0−10℃)アセトン/水混合物(2:1,300ml)でリンスした。湿ったケーキを単離真空とゴム栓でできるだけ吸引乾燥すると湿潤重量581gが得られた。生成物を65℃、真空で16時間乾燥すると乾燥重量221.61gの化合物4を得た。理論的収率は266.28gであった。HPLCとROI分析によるとそれぞれ99%及び0.14%であった。調整収率は82%。
【0228】
本発明はさらにネルフィナビル遊離塩基である化合物4からネルフィナビルメシレートである化合物7への新規変換方法に関する。この方法を、化合物5から化合物4の製造方法ならびに化合物5の製造方法を含めて以下に詳述する。
【0229】
化合物5の製造方法
【0230】
【化73】

【0231】
2S,3R-N-Cbz-3-アミノ-1-クロロフェニルスルファニルブタン-2-オール(Kaneka Corporationから入手するか、又は米国特許第5,484,926号に記載の方法で製造)1当量を十分量のメタノール、エタノール、イソプロパノール又はその他の低沸点アルコール溶媒中、20−45℃で撹拌する。イソプロパノールが好ましい溶媒である。やや少な目の(a slight subcess)水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどのアルカリ塩基を水溶液又は固体として、この混合物に撹拌しながら加える。10N水酸化ナトリウムが好ましい塩基である。エポキシド形成が完了するまで混合物を30分から24時間撹拌する。撹拌時間の完了した後、HClなどの酸を、そのまま又は反応溶媒に溶解して用いてpHを6−7に調整する。
【0232】
やや過剰量の3S,4aR,8aR-3-N-t-ブチルカルボキサミドデカヒドロイソキノリン(米国特許第5,256,783号記載の方法で製造できる:同特許の全てをここに参照として援用する)を乾燥固体又はスラリーとして反応物に加え、混合物を40℃から還流温度で12−24時間、あるいは反応が完了したと判断できるまで加熱する。あるいは、2S,3R-N-Cbz-3-アミノ-1-クロロフェニルスルファニルブタン-2-オールを反応器に入れるのと同時に3S,4aR,8aR-3-N-t-ブチルカルボキサミドデカヒドロイソキノリンを導入してもよい。上述したようにエポキシド形成を進行させる。この場合、反応物をpH6−7に中和するのではなく、一定量のプロトン酸を加えて残っている過剰の塩基を中和する。いずれの場合でも、反応物を真空で部分的に濃縮する。混合物を等量の水で希釈し、加熱還流する。あるいは、反応物を十分濃縮してアセトン又はその他のケトン溶媒を加える。混合物をこの時点で濾過し、等量の水を加えて混合物を加熱する。得られる混合物を撹拌しながら冷却する。得られるスラリーを濾過、水性溶媒で洗浄、乾燥すると化合物5が得られる。
【0233】
ネルフィナビル遊離塩基(化合物4)の製造方法
【0234】
【化74】

【0235】
前記の方法に加えて、化合物5をネルフィナビル遊離塩基(化合物4)に変換するのに以下の方法を用いることができる。
1当量の化合物5、過剰のアルカリ塩基(水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど)、及びアルコール性溶媒(メタノール、エタノール又はイソプロパノールなど)を混合してこれを撹拌しながら加熱還流する。50%苛性ソーダが好ましい塩基であり、イソプロパノールが好ましい溶媒である。塩基を溶解するために水を加えてもよい。反応が完了したと判断したら、混合物を30−35℃に冷却し、下の水相があるときにはこれを除去する。混合物を25℃以下に冷却し、過剰量の有機塩基(ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンなど)を加える。トリエチルアミンが好ましい塩基である。
【0236】
メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF又はその他のアルコール可溶性溶媒中の過剰量の3−アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリド溶液を冷混合物中に撹拌しながらゆっくり加える。THFが好ましい溶媒である。
【0237】
過剰量のアルカリ塩基(水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど)を加えて、混合物を40℃で撹拌しながら加熱還流する。50%苛性ソーダが好ましい塩基である。反応が完了したと判断したら、混合物を冷却して下の水相を除去する。
【0238】
反応混合物を真空で部分的に濃縮する。必要な場合には、混合物をアルコール性溶媒で希釈して撹拌できるようにする。メタノールが好ましい溶媒である。混合物を酸水溶液に加えてスラリーにする。HClが好ましい酸である。酸水溶液でpHを7−8に調整する。スラリーを濾過して水で洗浄する。湿ったケーキを再度水にスラリー化する。粗製生成物を乾燥(部分的又は完全に)して次の工程に使用する。
【0239】
乾燥又は湿った粗製生成物を活性炭の存在下にアセトン水溶液に還流しながら溶解する。熱混合物を濾過、水を加えて全混合物を撹拌しながら冷却するとスラリーを形成する。スラリーを濾過し、アセトン水溶液で洗浄、乾燥するとネルフィナビル遊離塩基が得られる。
【0240】
ネルフィナビル遊離塩基を製造するその他の方法は米国特許第5,484,926号及び同時継続中の”HIV−プロテアーゼ阻害剤及びHIV−プロテアーゼ阻害剤製造中間体の製造方法”と題するS. Babu, B. Borer, T. Remarchuk, R. Szendroi, K. Whitten, J. Basse, K. Albizatiが発明者である米国特許出願第08/708,607(1996年9月5日出願:その全てをここに参照として援用する)に開示されている。
【0241】
ネルフィナビル遊離塩基を噴霧乾燥してネルフィナビルメシレートを得る方法
【0242】
【化75】

【0243】
一般に、以下の新規な噴霧乾燥法を用いてネルフィナビル遊離塩基をネルフィナビルメシレートに変換できる。
ネルフィナビル遊離塩基と有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、THF、アセトン又はMIBKなど)を適当な容器中で混合し、当量のメタンスルホン酸を加える。エタノールが好ましい溶媒である。ネルフィナビルメシレートが生成するまで混合物を撹拌する。得られるスラリー又は溶液を噴霧乾燥機(以下の条件を設定)に充填する。
【0244】
入口温度: 100−190℃
出口温度: 60−120℃
アトマイザータイプ:羽根(vane)、順流(cocurrent flow)又は向流
(counter current flow)
乾燥ガス速度:装置のスケールによる
入口温度、出口温度、供給速度及びアトマイザータイプを調整して生産量と粒子サイズ分布を最適化できる。噴霧乾燥されたネルフィナビルメシレートを噴霧乾燥出口回収点で回収する。
【0245】
特定すると、この変換は以下に詳述するようにして行った。
清潔で乾燥した20−40Lのステンレス容器に19.4kg±5%のアルコール(米国薬局方、190プルーフ)と6.00kg±1%のネルフィナビル遊離塩基を加えた。混合物を均一になるまで撹拌し、1.04kg±1%の99%メタンスルホン酸を加えた。全ての固体が溶解するまで混合物を攪拌した。0.2μのフィルターカートリッジをポンプ入口に接続し、アルコール溶液をフィルターを介して以下の開始設定条件に設定された噴霧乾燥機に導入した:
入口温度: 160℃
出口温度: 90℃
ホイールタイプ: 50mm羽根ホイール
ホイール速度: 27000rpm
乾燥ガス速度: 75kg/時
入口温度、出口温度、供給速度及びホイール速度を調整して生産量と粒子サイズ分布を最適化できる。使用した特定の噴霧乾燥機は、有機溶媒残渣を除去するための活性炭フィルターに接続したNiro Atomizer Portable Spray Dryer, type HT(不活性ガス用)であった。溶液バルクを噴霧乾燥した後、混合物タンクを1.0kg±5%のアルコール(米国薬局方、190プルーフ)でリンスして噴霧乾燥機中に入れた。噴霧乾燥したネルフィナビルメシレートを理論的収率の80−100%で回収した。
【0246】
ネルフィナビル遊離塩基からネルフィナビルメシレートを製造する方法
あるいは、ネルフィナビル遊離塩基を以下の新規方法を用いてネルフィナビルメシレートに変換できる。
【0247】
ネルフィナビル遊離塩基を適当な溶媒(THF、メタノール又はエタノールなど)にスラリー化又は溶解する。THFが好ましい溶媒である。モル当量のメタンスルホン酸を加えて固体が溶解するまで混合物を撹拌する。この溶液を数倍容量の反溶剤(メチルt−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ヘキサン又はヘプタンなど)中に素早く撹拌しながら加える。ジエチルエーテルが好ましい反溶剤である。撹拌後、混合物を濾過し、反溶剤で洗浄する。固体を真空オーブンで乾燥するとネルフィナビルメシレートが得られる。
【0248】
特定するとこの変換は以下のようにして行った。
ネルフィナビル遊離塩基(10.2kg、18.0モル)とテトラヒドロフラン24Lを100Lの反応器に入れた。メタンスルホン酸(1.8kg、18.48モル)も反応器に加えた。固体が溶解するまで反応器を撹拌し、この溶液を、素早く撹拌中の306Lのメチルt−ブチルエーテル又はジエチルエーテルを含む100ガロンのポリプロピレンタンクに充填した。2時間撹拌後、100ガロンタンクの内容物を濾過、17Lのメチルt−ブチルエーテル又はジエチルエーテルで洗浄し、できるだけ吸引乾燥した。固体をロトコーン(rotocone)乾燥機に入れて真空オーブン中、60−65℃(少なくとも26in.Hg又は高真空で)12−72時間、あるいは乾燥固体のメチルt−ブチルエーテル又はジエチルエーテル量が1%以下になるまで乾燥した。必要なら、乾燥機内容物をFitzmillグラインダーでひいて乾燥を促進する。ネルフィナビルメシレートの典型的収率は9−11kgであった(理論値の76−92%)。
【0249】
本出願では、出願人は本発明がどのように、また何故作用するかを説明しようとする目的でいくつかの理論及び反応メカニズムを記載した。これらの理論及びメカニズムは情報提供の目的でのみ記載するものである。出願人はいかなる特定の化学的、物理的又は機械的操作理論にも拘束されるものではない。
本発明を特定の実施例を用いて種々の好ましい態様の形で記載したが、附属の請求の範囲に定義する本発明の概念と範囲を逸脱することなく種々の改変と修飾が可能であることを当業者は理解するであろう。
【0250】
本発明の好ましい態様
本発明は、好ましくは以下の態様を含む。
1.式3の化合物:
【0251】
【化76】

【0252】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0253】
【化77】

【0254】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0255】
【化78】

【0256】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0257】
【化79】

【0258】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない]
又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物。
【0259】
2.Rが−C(O)CHである態様1記載の化合物。
3.XがClである態様2記載の化合物。
4.XがClである態様1記載の化合物。
【0260】
5.式2の化合物:
【0261】
【化80】

【0262】
[式中、RはC−Cアルキル基;シクロアルキル基;ヘテロシクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;又は以下の式8の基:
【0263】
【化81】

【0264】
(式中、RはC−Cアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0265】
【化82】

【0266】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0267】
【化83】

【0268】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である]
又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物。
【0269】
6.式2の化合物:
【0270】
【化84】

【0271】
の製造方法であって、以下の式1の化合物:
【0272】
【化85】

【0273】
に十分な条件下で適当な保護基Rを導入して式2の化合物を形成することを含んでなり、
上記式中、RはC−Cアルキル基;シクロアルキル基;ヘテロシクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;又は以下の式8の基:
【0274】
【化86】

【0275】
(式中、RはC−Cアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式9の基:
【0276】
【化87】

【0277】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式10の基:
【0278】
【化88】

【0279】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である、上記方法。
7.式3の化合物:
【0280】
【化89】

【0281】
の製造方法であって、以下の式1の化合物:
【0282】
【化90】

【0283】
に十分な条件下で適当な保護基Rと脱離基Xとを導入して式3の化合物を形成することを含んでなり、
上記式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0284】
【化91】

【0285】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式9の基:
【0286】
【化92】

【0287】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0288】
【化93】

【0289】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない、上記方法。
【0290】
8.Rが−C(O)CHである態様7記載の方法。
9.XがClである態様7記載の方法。
10.Rが−C(O)CHである態様9記載の方法。
【0291】
11.式3の化合物:
【0292】
【化94】

【0293】
の製造方法であって、以下の式2の化合物:
【0294】
【化95】

【0295】
に十分な条件下で脱離基Xを導入して式3の化合物を形成することを含んでなり、
上記式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0296】
【化96】

【0297】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはRは以下の式9の基:
【0298】
【化97】

【0299】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0300】
【化98】

【0301】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環であり、ただしRが−CHであるとき、Xは−OCH又は−OHではありえず、またRがCHC(O)−であるとき、Xは−OHではあり得ない、上記方法。
【0302】
12.XがClである態様11記載の方法。
13.式4の化合物:
【0303】
【化99】

【0304】
の製造方法であって、以下の式3の化合物:
【0305】
【化100】

【0306】
を十分な条件下で式4の化合物に変換することを含んでなり、
上記式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0307】
【化101】

【0308】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0309】
【化102】

【0310】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式の基:
【0311】
【化103】

【0312】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である、上記方法。
【0313】
14.Rが−C(O)CHである態様13記載の方法。
15.XがClである態様13記載の方法。
16.Rが−C(O)CHである態様15記載の方法。
【0314】
17.式4の化合物:
【0315】
【化104】

【0316】
の製造方法であって、以下の式5の化合物:
【0317】
【化105】

【0318】
を脱保護し、脱保護された式5の化合物に十分な条件下で式3の化合物を付加して式4の化合物を形成することを含んでなり、
【0319】
【化106】

【0320】
上記式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0321】
【化107】

【0322】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0323】
【化108】

【0324】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0325】
【化109】

【0326】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である、上記方法。
【0327】
18.Rが−C(O)CHである態様17記載の方法。
19.XがClである態様17記載の方法。
20.Rが−C(O)CHである態様19記載の方法。
【0328】
21.式4の化合物:
【0329】
【化110】

【0330】
の製造方法であって、以下の式3の化合物:
【0331】
【化111】

【0332】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0333】
【化112】

【0334】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0335】
【化113】

【0336】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0337】
【化114】

【0338】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]
を式6の化合物:
【0339】
【化115】

【0340】
と十分な条件下で組み合わせることによって式4の化合物を製造することを含んでなる、上記方法。
22.Rが−C(O)CHである態様21記載の方法。
【0341】
23.XがClである態様21記載の方法。
24.Rが−C(O)CHである態様23記載の方法。
25.式7の化合物:
【0342】
【化116】

【0343】
の製造方法であって、式4の化合物:
【0344】
【化117】

【0345】
を以下の方法により十分な条件下で式7の化合物に変換する:
(a)式4の化合物を有機溶媒と接触させる;
(b)式4の化合物を、式7の化合物の生成に十分な条件下でメタンスルホン酸と接触させる;そして
(c)式7の化合物を噴霧乾燥する、
ことを含んでなる上記方法。
【0346】
26.有機溶媒がエタノールである態様25記載の方法。
27.式7の化合物:
【0347】
【化118】

【0348】
の製造方法であって、式4の化合物:
【0349】
【化119】

【0350】
を以下の方法により十分な条件下で式7の化合物に変換する:
(a)式4の化合物、適当な溶媒及びメタンスルホン酸を合わせて式7の化合物を形成し、式7の化合物は溶液中に溶解している;
(b)式7の化合物を含む溶液に第1の反溶剤(antisolvent)を加える;
(c)式7の化合物と第1の反溶剤を一緒に撹拌して固相と液相をもつ生成物を形成する;そして
(d)生成物を濾過し、第2の反溶剤で洗浄し、ここで第2の反溶剤は第1の反溶剤と同一又は異なっており、そして固体得る、
ことを含んでなる上記方法。
【0351】
28.(e)固体を乾燥する、工程をさらに含んでなる態様27記載の方法。
29.適当な溶媒がテトラヒドロフランである態様27記載の方法。
30.第1の反溶剤がジエチルエーテルである態様27記載の方法。
【0352】
31.式4の化合物:
【0353】
【化120】

【0354】
の製造方法であって、以下の式2の化合物:
【0355】
【化121】

【0356】
を十分な条件下で式4の化合物に変換することを含んでなり、
上記式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0357】
【化122】

【0358】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0359】
【化123】

【0360】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0361】
【化124】

【0362】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)である、上記方法。
32.Rが−C(O)CHである態様31記載の方法。
【0363】
33.式7の化合物:
【0364】
【化125】

【0365】
の製造方法であって、式5の化合物:
【0366】
【化126】

【0367】
を脱保護し、脱保護した式5の化合物を十分な条件下で式3の化合物:
【0368】
【化127】

【0369】
[式中、Rはアルキル;シクロアルキル;ヘテロシクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;又は以下の式8の基:
【0370】
【化128】

【0371】
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、又はO−Rであり、ここでRはアルキル基、アラルキル基、又はアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式9の基:
【0372】
【化129】

【0373】
(式中、各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であるか;
あるいはさらにRは以下の式10の基:
【0374】
【化130】

【0375】
(式中、R及び各Rは独立にアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である)であり;そして
XはOH;OR(ここでRはアルキル又はアリールである);ハロゲン;プソイドハロゲン;OSO(ここでRはアルキル又はアリールである);ヘテロ原子を介して結合したヘテロアリール;又は酸素を介して結合したN−ヒドロキシヘテロ環である]
と反応させて式4の化合物:
【0376】
【化131】

【0377】
を生成し、そして式4の化合物を式7の化合物に変換することを含んでなる、上記方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式3の化合物:
【化1】

又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
式2の化合物:
【化2】

又はその薬剤的に受容できる塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
式2の化合物:
【化3】

の製造方法であって、式1の化合物:
【化4】

にアセチル基を加えて式2の化合物を形成することを含んでなる、前記製造方法。

【公開番号】特開2008−88178(P2008−88178A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280975(P2007−280975)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【分割の表示】特願平10−512831の分割
【原出願日】平成9年9月4日(1997.9.4)
【出願人】(500281453)アグロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (4)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】