説明

HIVプロテアーゼ阻害薬

本発明は、HIVプロテアーゼの阻害薬である化合物、したがってHIV複製の阻害、HIV感染の予防および/または治療、およびAIDSおよび/またはARCの治療に有用な化合物を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIVプロテアーゼ阻害薬に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫系特にCD4陽性T細胞の破壊と、それに伴う日和見感染に対する感受性、およびその前兆であるエイズ関連症候群(ARC)[これは持続性全身性リンパ節腫、熱および体重減少などの症状を特徴とする症候群である]を特徴とする疾患である後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因因子である。
【0003】
いくつかの他のレトロウイルスのケースのように、HIVも、感染性ビリオン形成に必要な過程で前躯ポリペプチドの翻訳後切断を行うプロテアーゼ産生をコードしている(非特許文献1)。この遺伝子産物としては、ビリオンRNA作動性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)をコードするpol、エンドヌクレアーゼ、HIVプロテアーゼ、およびビリオンのコア蛋白をコードするgagが挙げられる(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。
【0004】
数多くの合成の抗ウイルス剤は、HIVの複製サイクルにおける色々な過程を標的としてデザインされてきた。これらの薬物としては、CD4陽性Tリンパ球へのウイルス結合をブロックする化合物(例えば可溶CD4)、ウイルス逆転写酵素を阻害することでウイルス複製を妨害する化合物[例えば、ジダノシンおよびジドブジン(AZT)]、および細胞DNAへのウイルスDNAの取り込みを抑制する化合物(非特許文献5)などが挙げられる。しかしながら、主にウイルス複製の初期過程に向けられているそのような薬物では、慢性的感染細胞中の感染性ビリオン増殖は阻止されない。さらには、これらの薬物のうちのいくつかについての有効量での投与は、細胞毒性と貧血や骨髄抑制などの望ましくない副作用をもたらしている。
【0005】
より最近では、抗ウイルスドラッグデザインの中心は、ウイルスポリ蛋白前駆体のプロセッシングを妨害することにより感染性ビリオン形成を阻害する化合物をつくることである。これらの前駆蛋白のプロセッシングは、複製に必須であるウイルスコードプロテアーゼの作用を必要とする(非特許文献6)。このHIVプロテアーゼ阻害による抗ウイルス性の可能性は、ペプチジル阻害物質を用いて立証された。
【0006】
さらに最近いくつかの小分子プロテアーゼ阻害薬が、HIV感染治療用に入手可能となった。これらの中の1つがスルホンアミド含有分子であるAgenerase(登録商標)である。Agenerase(登録商標)は、特許文献1に記載されている。アスパルチルプロテアーゼの他のスルホンアミド系阻害薬は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10に記載されている。
【非特許文献1】S. Crawford et al., "A Deletion Mutation in the 5' Part of the pol Gene of Moloney Murine Leukemia Virus Blocks Proteolytic Processing of the gag and pol Polyproteins", J. Virol., 53, p. 899 (1985)
【非特許文献2】H. Toh et al., "Close Structural Resemblance Between Putative Polymerase of a Drosophila Transposable Genetic Element 17.6 and pol gene product of Moloney Murine Leukemia Virus", EMBO J., 4, p. 1267 (1985)
【非特許文献3】L.H. Pearl et al., "A Structural Model for the Retroviral Proteases", Nature, pp. 329-351 (1987)
【非特許文献4】M.D. Power et al., "Nucleotide Sequence of SRV-1, a Type D Simian Acquired Immune Deficiency Syndrome Retrovirus", Science, 231, p. 1567 (1986)
【非特許文献5】M.S. Hirsh and R.T. D'Aqulia, "Therapy for Human Immunodeficiency Virus Infection", N.Eng.J.Med., 328, p. 1686 (1993)
【非特許文献6】Kohl, N.E. et al. "Active HIV Protease is Required for Viral Infectivity" Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, p. 4686 (1988)
【特許文献1】米国特許第5,585,397号明細書
【特許文献2】米国特許第5,691,372号明細書
【特許文献3】米国特許第5,510,388号明細書
【特許文献4】米国特許第5,521,219号明細書
【特許文献5】米国特許第5,639,769号明細書
【特許文献6】米国特許第5,714,605号明細書
【特許文献7】米国特許第5,744,481号明細書
【特許文献8】米国特許第5,786,483号明細書
【特許文献9】米国特許第5,830,897号明細書
【特許文献10】米国特許第5,843,946号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
HIV感染患者は多くの場合特定のプロテアーゼ阻害薬に対して抵抗性を持つようになるので、慢性および急性のウイルス感染を予防・治療するための薬物として使用するための、アスパルチルプロテアーゼ特にHIVプロテアーゼの作用を効果的に阻害することができるさらなる化合物に対するニーズはなお存在する。国際公開第00/76961号パンフレットには、HIV感染の治療用に現在開発中であるN−(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−オキシカルボニル−、(4S,5R)−4−[4−(2−メチルチアゾロ−4−メチルオキシ)−ベンジル]−5−i−ブチル−[(3,4−メチレンジオキシフェニル)スルホニル]−アミノメチル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン(GW0385とも呼ばれる)などのアスパルチルプロテアーゼ阻害薬が開示されている。本発明の化合物は、GW0385のプロドラッグとして役立ち得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式(I)
【化1】

【0009】
[式中:
XはC1〜5アルキレン鎖であり、該C1〜5アルキレン鎖は、=O、=N、−NH、および−C1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、また該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のへテロ原子を含んでいてもよく、そのようなヘテロ原子は水素およびC1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、アミノ、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、−NR、−N(R、またはヘテロ環(C1〜8アルキルで置換されていてもよい)であり;
は、C1〜8アルキルまたはC1〜8アルコキシである]
で表される化合物もしくはその医薬的に許容される塩を提供するものである。
【0010】
本発明はまた、−X−Rが、以下の群:
【化2】

【0011】
から選択される式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩も提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
用語「アルキル」とは、単独でまたは他の用語との組み合わせで、指定された数の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基を言う。アルキル基の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、n−ヘキシルなどが挙げられる。
【0013】
用語「アルキレン鎖」とは、完全に飽和していてもよいし、または1個以上の不飽和を有していてもよい線状または分枝状炭化水素鎖を言う。不飽和は、鎖に沿った任意の安定位置で起こっていてもよい。不飽和アルキレン鎖中の二重結合(単数および複数)は、シスかトランスの立体配置であり得る。
【0014】
用語「アルコキシ」とは、アルキルエーテル基(用語「アルキル」は上記で定義されている)を言う。好適なアルキルエーテル基の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
【0015】
本明細書で使用される用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、「ヘテロシクリル」とは、環が飽和か、部分飽和か、不飽和であり、3〜7員単環式ヘテロ環式環系または8〜11員二環式ヘテロ環式環系[単環式なら場合によりベンゾ縮合されていてもよい]を言う。ヘテロ環はすべて、1個以上の炭素原子と、N、OおよびSからなる群から選択される1個から4個のヘテロ原子とから構成され、その窒素および硫黄へテロ原子は場合により酸化されていてもよく、またその窒素原子は場合により四級化されていてもよく、そして上記で定義したヘテロ環式環のいずれかがベンゼン環に縮合されているあらゆる二環式基も含まれる。ヘテロ環式環は、結合が安定な構造をもたらすものであればいずれの炭素またはヘテロ原子のところで結合していてもよい。好ましいヘテロ環としては、5〜7員単環式へテロ環および8〜10員二環式へテロ環が挙げられる。ヘテロ環式環が置換基を有している場合は、置換基は、安定な化学構造がもたらされるのであれば、ヘテロ原子であれ炭素原子であれ、いずれの環原子に結合していてもよい。上記で定義したヘテロ環には「ヘテロ芳香族」および「ヘテロアリール」も含まれ、これらは、一般には、その環系が、1個以上(好ましくは1〜4個)の環原子がそれぞれ、N、O、SおよびPなどのヘテロ原子で置換されている、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含む芳香族単環式または多環式の環基であるヘテロ環を指す。好ましいヘテロアリール基としては、5〜6員単環式へテロアリールおよび8〜10員二環式へテロアリールが挙げられる。用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」または「ヘテロシクリル」の範囲の中には、例えばインドリニル、クロマニル、ヘナントリジニルまたはテトラヒドロ−キノリニルのように、非芳香族へテロ原子含有環が1個以上の芳香族環に縮合しており、ラジカルもしくは結合位置がその非芳香族ヘテロ原子含有環上にある基も含まれる。特に断らない限り、用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」または「ヘテロシクリル」には、例えば1−インドリニル、2−インドリニル、3−インドリニルのような、生じ得るそれぞれのヘテロ環式基の位置異性体も含まれる。ヘテロ環の例としては、イミダゾリル、イミダゾリノイル、イミダゾリジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキソリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、ベンゾフラノイル、チアモルホリニルスルホン、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、イソオキソゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、チアゾリル、チアジアゾイル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、チオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフロフラニルおよびテトラヒドロピラノフラニルが挙げられる。
【0016】
用語「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素、または硫黄を意味し、N(O){N−O}などの窒素の酸化形態、S(O)やS(O)などの硫黄の酸化形態、および塩基窒素の四級化形態はいずれも含まれる。
【0017】
置換基つまり可変部どうしの組み合わせは、そのような組み合わせが安定なつまり化学的に実現可能な化合物を生じる場合のみ許される。安定な化合物つまり化学的に実現可能な化合物とは、水分またはその他の化学的反応性の条件の不存在下で少なくとも1週間40℃以下の温度に置いた場合、その化学構造が実質的に変わらない化合物である。
【0018】
特に断らない限り、本明細書に図示されている構造には、その構造のすべての立体化学形態、すなわち各不斉中心に対するR立体配置、S立体配置も含まれることとする。したがって、本発明化合物のラセミ体とラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物と個々のジアステレオ異性体も明らかに本発明の範囲内に含まれる。本明細書に例示されている具体的な化合物は好ましい立体化学配置で図示されていると思われるが、任意の与えられたキラル中心におけるその反対の立体化学をもつ化合物またはその混合物も想到される。
【0019】
特に断らない限り、本明細書に図示されている構造には、1個以上の同位体標識原子が存在していることのみが異なる化合物も含まれることとする。例えば、水素が二重水素または三重水素で置換されている以外は、あるいは炭素が13C−または14C−標識炭素で置換されている以外は同じ構造をもつ化合物もまた本発明の範囲内にある。
【0020】
本発明の一部の化合物が別の互変異性形態で存在し得ることは当業者には明らかであろう。本発明化合物のそのような互変異性形態はすべて本発明の範囲内にある。特に断らない限り、一方の互変異性体の表示は、他方も含むこととする。
【0021】
用語「医薬的に有効な量」とは、患者におけるウイルス感染(例えばHIV感染)を単剤治療としてかまたは他の薬物との組み合わせで治療する上で有効な量を言う。本明細書で使用される用語「治療する」とは、患者におけるある特定の障害の症状を軽減させること、またはある特定の障害に関連して確かめ得る尺度で改善することを言い、ウイルス感染が潜伏となった患者のような無症候患者において症状再発を抑制することも含み得る。用語「予防的に有効な量」とは、ウイルス感染(例えばHIV感染)を予防する上で、あるいは患者におけるそのような感染の症状再発を予防する上で有効な量を言う。本明細書で使用される用語「患者」とは、ヒトも含めた哺乳動物を言う。
【0022】
用語「医薬的に許容される担体またはアジュバント」とは、本発明の化合物と一緒に患者に投与することができ、且つ抗ウイルス薬の治療量を送達するのに十分な用量で投与された場合その薬理活性を破壊することがなく且つ無毒である担体またはアジュバントを言う。
【0023】
本明細書で使用される用語「治療」とは、患者におけるある特定の障害の症状が軽減すること、またはある特定の障害に関連して確かめ得る尺度で改善することを言い、ウイルス感染が潜伏となった患者のような無症候患者における症状再発が抑制されることも含み得る。治療には、患者における疾患または病態を防ぐことまたはそのような疾患または病態の症状の再発を防ぐことを意味する予防も含まれる。本明細書で使用される用語「患者」とは、ヒトも含めた哺乳動物を言う。
【0024】
本明細書で使用される用語「被検体」とは、患者、動物または生物学的サンプルを言う。本明細書で使用される用語「生物学的サンプル」としては、限定するものではないが、細胞培養液またはそのエキス;インビトロアッセイに適した酵素プレパラート;哺乳動物から得られた生検材料またはそのエキス;および血液、唾液、尿、大便、精液、涙液、その他の体液またはそれらのエキス;が挙げられる。
【0025】
本明細書をとおして、用語「含む」または「含んでなる」や「含んでいる」のような変形態は、記載されている整数または整数群の包含を意味し、その他の整数または整数群の排除を意味するものではないことは理解されよう。
【0026】
本明細書で使用される、本発明による化合物には、その医薬的に許容される誘導体も含まれると定義される。「医薬的に許容される誘導体」とは、受容者に投与した場合、本発明の化合物、または阻害物質として活性なその代謝産物もしくは残基を直接的または間接的に与えることができる、本発明化合物の医薬的に許容される塩、エステル、エステルの塩、エーテルその他の誘導体を意味する。非常に望ましい誘導体、プロドラッグとは、そのような化合物が哺乳動物に投与された場合、例えば経口投与された化合物を血液の中により容易に吸収されるようにすることによって本発明化合物のバイオアベイラビリティをより良くするもの、あるいは生体画分(例えば脳やリンパ系)への親化合物の送達をその親化合物種よりもより高めるものである。
【0027】
本発明はさらに、式(II)
【化3】

【0028】
[式中:
は、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノC1〜8アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環C1〜8アルキル、N(R)R、NHR、NHR、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)RNR、OC(O)RNHR、OC(O)NROR、OC(O)RN(R)R、OC(O)RNHC(O)OR、OC(O)RN(R)C(O)OR、OC(O)RN(R)ROR、ORC(O)OH、ORC(O)NHR、ORC(O)N(R)R、OROC(O)OHであり;
はC1〜8アルキルであり;
はC1〜8アルキルであり、アミノ、=NH、N、ハロゲン、オキソ、C1〜8アルコキシ、ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、またはNHC(O)Rからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、それぞれの置換基は場合によりC1〜8アルキルで置換されていてもよく;
はC1〜5アルキレン鎖であり、該C1〜5アルキレン鎖は、=O、=N、−NH、および−C1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、また該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、そのようなヘテロ原子は水素およびC1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、C1〜8アルキルまたはヘテロ環C1〜8アルキルで置換されていてもよいヘテロ環である]
で表される化合物もしくはその医薬的に許容される塩も提供するものである。
【0029】
本発明は、以下:
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(2−メトキシエチル)−N−メチルグリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチル−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)グリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ジエチルグリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルモルホリン−4−イルアセテート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(2−メトキシエチル)グリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−リシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−ロイシネートビス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチルグリシネートビス−トリフルオロ酢酸塩;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]アセテートビス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{メチル[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]アミノ}エトキシ)アセテートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−オキソ−2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)エトキシ]アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{2−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−[アミノ(imiノ)メチル]グリシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
1−{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル}ピリジニウムクロリド;
ならびにこれらの医薬的に許容される誘導体;
からなる群から選択される化合物を提供するものである。
【0030】
本発明化合物は、当技術分野で知られている手法により容易に調製することができる。スキームIおよびIIは、本発明化合物への一般的合成経路を説明するものである。
【0031】
スキームI
【化4】

【0032】
スキームII
【化5】

【0033】
つまり、スキームIおよびIIに説明されている合成手法の適用範囲を広げることで、他の本発明化合物を容易に生成させることができる。上記の合成スキームは、本願に記載および特許請求されている化合物を合成することができるすべての方法の包括的なリストを含むことを意図するものではない。当業者には、さらなる方法は明らかであろう。
【0034】
本発明化合物は、溶解度の向上をもたらすという特徴、例えば極性であるかまたは容易に塩を形成することを通して溶解度を高める側鎖を有しているという点で、有利な医薬特性を示すものである。
【0035】
本発明による化合物の医薬的に許容される塩には、医薬的に許容される無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。好適な酸の例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエンp−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それら自体は医薬的に許容されないが、本発明化合物およびその医薬的に許容される酸付加塩を得る上で中間体として有用な塩の調製に用いることができる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)塩、アンモニウム塩、NW(式中WはC1〜4アルキルである)塩およびその他のアミン塩が挙げられる。生理学的に許容される水素原子の塩またはアミノ基の塩としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸などの塩もしくは有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸ならびに塩化水素酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸が挙げられる。ヒドロキシ基をもつ化合物の生理学的に許容される塩としては、Na、NH、およびNW(式中WはC1〜4アルキル基である)などの好適なカチオンとの組み合わせでのそのような化合物のアニオンが挙げられる。好ましい塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、コリン、メグルミン、塩酸塩、および四級アンモニウム塩が挙げられる。本発明は、式(I)および(II)化合物の医薬的に許容される塩も提供するものである。
【0036】
本発明のその他の化合物は、当業者なら、簡単に合成できるまたは市販されている試薬を用いて、当技術分野の知識と合わせた本明細書の教示に従って調製することができる。
【0037】
いずれの上記化合物への言及にも、その医薬的に許容される塩への言及がいずれも含まれる。
【0038】
本発明化合物の塩は、当業者に知られている方法でつくることができる。例えば、本発明化合物を適切な溶媒中の適切な塩基または酸で処理することによりその対応する塩が得られるであろう。
【0039】
本発明化合物のエステルは、次の群:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸のエステル[ここで該エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖または分枝鎖アルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチル、またはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、フェニル[例えばハロゲン、C1〜4アルキル、またはC1〜4アルコキシあるいはアミノで置換されていてもよい])から選択される];(2)スルホン酸エステル[例えばアルキルスルホニルやアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルやL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステル;および(5)一リン酸エステル、二リン酸エステルまたは三リン酸エステル;から独立に選択される。リン酸エステルは、例えば、C1〜20アルコールまたはその反応性誘導体、あるいは2,3−ジ(C6〜24)アシルグリセロールなどでさらにエステル化されていてもよい。
【0040】
そのようなエステルにおいては、特に断らない限り、存在しているいずれのアルキル部分も、有利には、1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含んでいる。そのようなエステルに存在しているいずれのシクロアルキル部分も、有利には、3〜6個の炭素原子を含んでいる。そのようなエステルに存在しているいずれのアリール部分も、有利には、フェニル基を含んでいる。
【0041】
本発明化合物のエーテルには、限定するものではないが、メチル、エチル、ブチルなどが含まれている。
【0042】
置換基つまり可変部どうしの組み合わせは、そのような組み合わせが安定なつまり化学的に実現可能な化合物を生じる場合のみ許される。安定な化合物つまり化学的に実現可能な化合物とは、水分またはその他の化学的反応性条件の不存在下で少なくとも1週間40℃以下の温度に置いた場合、その化学構造が実質的に変わらない化合物である。
【0043】
本発明の化合物は、HIVプロテアーゼ阻害剤のプロドラッグとして有用である。本発明の1つの態様は、生物学的サンプルと式(I)または(II)の化合物もしくはその医薬的に許容される誘導体とを接触させることを含んでなる、ウイルス感染(例えばHIV感染)を治療または予防する方法に関する。本発明のもう1つの態様は、患者に式(I)または(II)の化合物もしくはその医薬的に許容される誘導体の治療的に有効な量を投与することを含んでなる、ウイルス感染(例えばHIV感染)を治療または予防する方法に関する。
【0044】
本発明による化合物は、HIV感染および関連の病態の治療または予防に特に適している。本明細書において治療と言うときは、エイズ関連症候群(ARC)、カポジ肉腫、およびエイズ痴呆などの既往の感染、症状、および関連の臨床病態の、その治療と同時に予防にも適用範囲は及ぶ。
【0045】
本発明の化合物は、これまでに開示されたプロテアーゼ阻害剤を超える、例えば向上した薬効、代謝安定性、増大した治療指数あるいは他の医薬特性などの優位点を呈し得る。
【0046】
本発明の1つの実施形態では、式(I)または(II)の化合物もしくはその塩は、組成物に製剤化することができる。好ましい実施形態では、この組成物は、式(I)または(II)の化合物と医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む医薬組成物である。1つの実施形態では、この組成物は、生物学的サンプルまたは患者におけるウイルス感染(例えばHIV感染)を治療または予防するのに有効な本発明化合物の量を含んでいる。もう1つの実施形態では、本発明の化合物、その医薬組成物[これは、ウイルス複製を阻害するのに、またはウイルス感染または疾患もしくは障害(例えばHIV感染)を治療または予防するのに有効な量の本発明化合物と、医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとを含んでいる]は、製剤化して、患者に投与例えば経口投与することができる。
【0047】
本発明は、医学的療法で使用されるための、例えばウイルス感染(例えばHIV感染および関連の病態)を治療または予防するための、本発明による化合物に関するものである。本発明による化合物は、エイズ関連症候群(ARC)、持続性全身性リンパ節腫(PGL)、カポジ肉腫、特発性血小板減少性紫斑病、エイズ関連神経性病態例えばエイズ痴呆症候群、多発性硬化症つまり不全対麻痺、抗HIV抗体陽性およびHIV陰性病態などの、潜伏患者におけるそのような病態も含めたエイズおよび関連臨床病態を治療するのに特に有用である。
【0048】
もう1つの態様で、本発明は、感染患者例えばヒトも含めた哺乳動物におけるウイルス感染の症状または影響を治療または予防する方法を提供するもので、この方法は、そのような患者に本発明による化合物の医薬的に有効な量を投与することを含んでなる。本発明の1つの態様では、このウイルス感染はレトロウイルス感染、特にHIV感染である。
【0049】
本発明には、ウイルス感染特にHIV感染の治療用に被検体に投与するための医薬の製造における本発明による化合物の使用も含まれる。
【0050】
本発明による化合物は、HIV感染またはHIV関連症状または影響、例えばカポジ肉腫における補助療法にも用いることができる。
【0051】
本発明はさらに、患者例えばヒトなども含めた哺乳動物における、本明細書のここまでに議論してきた病態を含む臨床病態の治療方法も提供するもので、その方法は、そのような患者を本発明による化合物の医薬的に有効な量で治療することを含んでなる。本発明には、上記したいずれの疾患または病態の治療または予防方法も含まれる。
【0052】
本明細書における治療についての言及は、既往の病態、障害、および感染、その症状、ならびに関連の病態のその治療と同時に予防にも適用範囲は及ぶ。上記本発明による化合物およびその医薬的に許容される誘導体は、上述した感染または病態を治療するための他の治療用医薬との組み合わせで用いることができる。本発明による組み合わせ療法は、本発明化合物またはその医薬的に許容される誘導体と別の医薬的に活性な薬物とを投与することを含む。本活性成分(単数および複数)および医薬的に活性な薬物は、同じかまたは異なる医薬組成物で同時的(すなわち、並行的)に、または任意の順序で順次的に投与することができる。本活性成分(単数および複数)および医薬的活性薬物(単数および複数)の量および投与の相対的なタイミングは、所望の組み合わせ療法の効果が得られるように選択されるものである。
【0053】
そのような治療用医薬の例としては、限定するものではないが、ウイルス感染または関連の病態の治療に有効である薬物が挙げられる。そのような薬物としては、(1−α,2−β,3−α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(−)BHCG、SQ−34514、ロブカビル];9−[(2R,3R,4S)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)2−オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン−G);非環式ヌクレオシド、例えばアシクロビル、バラシクロビル、ファミシクロビル、ガンシクロビル、およびペンシクロビル;非環式ヌクレオシドホスホネート、例えば(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)−2,2−ジメチルプロパン酸(ビス−POM PMEA、アデフォビル・ジピボキシル)、[[(1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、および(R)−[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス−(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス−POC−PMPA);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば2−アセチルピリジン5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシ尿素;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2’,3’−ジデオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2’,3’−ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(−)−β−D−2,6−ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシチミジン−5’−H−ホスホホネート(ホスホノビル[phosphonovir])、2’−デオキシ−5−ヨードウリジン(イドックスウリジン[idoxuridine])、(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン5−イル)−シトシン(ラミブジン)、シス−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FTC)、3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン、5−クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、(−)−シス−4−[2−アミノ−6−(シクロ−プロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(アバカビル)、9−[4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イル]−グアニン(H2G)、ABT−606(2HM−H2G)およびリバビリン;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、サクイナビル、フォサムプレナビル、(R)−N−t−ブチル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−N−[(R)−2−N−(イソキノリン−5−イルオキシアセチル)アミノ−3−メチルチオ−プロパノイル]アミノ−4−フェニルブタノイル]−5,5−ジメチル−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド(KNI−272)、4R−(4α,5α,6β)]−1,3−ビス[(3−アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ−5,6−ジヒドロキシ−4,7−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−ジアゼピン−2−オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3−[1−[3−[2−(5−トリフルオロメチルピリジニル)−スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]−4−ヒドロキシ−6α−フェネチル−6β−プロピル−5,6−ジヒドロ−2−ピラノン(チプラナビル)、N’−[2(S)−ヒドロキシ−3(S)−[N−(メトキシカルボニル)−l−t−ロイシルアミノ]−4−フェニルブチル−Nα−(メトキシカルボニル)−N’−[4−(2−ピリジル)ベンジル]−L−t−ロイシルヒドラジド(BMS−232632)、3−(2(S)−ヒドロキシ−3(S)−(3−ヒドロキシ−2−メチルベンズアミド)−4−フェニルブタノイル)−5,5−ジメチル−N−(2−メチルベンジル)チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド(AG−1776)、N−(2(R)−ヒドロキシ−1(S)−インダニル)−2(R)−フェニル−メチル−4(S)−ヒドロキシ−5−(1−(1−(4−ベンゾ[b]フラニルメチル)−2(S)−N’−(t−ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK−944A);α−インターフェロンなどのインターフェロン;プロベネシドなどの腎排泄阻害剤;ジピリダモールなどのヌクレオシド輸送阻害剤、ペントキシフィリン、N−アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン(Procysteine)、α−トリコサンチン、ホスホノギ酸;ならびにインターロイキンIIやチモシンなどの免疫モジュレーター、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CDとその遺伝子組み換え誘導体;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、例えばナビラピン(BI−RG−587)、α−((2−アセチル−5−メチルフェニル)アミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1−[3−(イソプロピルアミノ)−2−ピリジル]−4−[5−(メタンスルホンアミド)−1H−インドール−2−イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)−12−ヒドロキシ−6,6,10,11−テトラメチル−4−プロピル−11,12−ジヒドロ−2H,6H,10H−ベンゾ(1,2−b:3,4−b’:5、6−b’’)トリピラン−2−オン((+)カラノリドA)、(4S)−6−クロロ−4−[1E)−シクロプロピルエテニル)−3,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2(1H)−キナゾリノン(DPC−083)、(S)−6−クロロ−4−(シクロプロピルエチニル)−1,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2H−3,1−ベンゾキサジン−2−オン(エファビレンツ、DMP266)、1−(エトキシメチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(MKC−442)、および5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルバメート(カプラビリン);グリコプロテイン120アンタゴニスト、例えばPRO−2000、PRO−542および1,4−ビス[3−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]−2−オキソ−5,8−ジナトリウムスルファニル]ナフタリル−2,5−ジメトキシフェニル−1,4−ジヒドラゾン(FP−21399);サイトカインアンタゴニスト、例えばレチクロース(Product−R)、1,1’−アゾビス−ホルムアミド(ADA)、1,11−(1,4−フェニレンビス(メチレン))ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD−3100);インテグラーゼ阻害剤;ならびに融合阻害剤、例えばT−20およびT−1249;がある。
【0054】
本発明にはさらに、例えば上記に記載したもののような少なくとも別の治療用医薬と一緒に同時的または順次的に投与されるための医薬の製造における本発明による化合物の使用も含まれる。
【0055】
本発明化合物は、化合物の代謝を抑制または低減すると知られている医薬(例えばリトナビル)と一緒に投与することができる。したがって、本発明は、代謝阻害薬との組み合わせで本発明の化合物を投与することによる、上記に記載した疾患の治療または予防方法に関するものである。そのような組み合わせは、同時的または順次的に投与することができる。
【0056】
上記したそれぞれの病態に対する好適な用量は、一般論として、1日につき受容者(例えばヒト)の体重1キログラムあたり0.01〜250mgの範囲、好ましくは1日につき体重1キログラムあたり0.1〜100mgの範囲、最も好ましくは1日につき体重1キログラムあたり0.5〜30mgの範囲、特には1日につき体重1キログラムあたり1.0〜20mgの範囲であろう。特に断らない限り、活性成分の重量はすべて式(I)または(II)の親化合物として計算する。それらの塩またはエステルに対しては、重量は比例して大きくなるであろう。所望用量は、1日の中で適切な間隔で投与される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い回数の小分け用量として提供してもよい。場合により、所望用量は、1日おきに与えてもよい。これらの小分け用量は、例えば単位剤形あたり活性成分10〜1000mgまたは50〜500mg、好ましくは20〜500mg、最も好ましくは50〜400mgを含有する単位剤形で投与することができる。
【0057】
活性成分を単独で投与することは可能であるが、医薬組成物としてそれを提供するのが好ましい。本発明組成物は、上記で定義した少なくとも1種の活性成分を1種以上の許容されるそれの担体および場合により他の治療用医薬と一緒に含む。それぞれの担体は、組成物中の他の成分と適合性があって且つ患者に有害でないと言う意味において許容されるものでなければならない。
【0058】
医薬組成物としては、経口投与、直腸投与、経鼻投与、局所(経皮、経頬および舌下が挙げられる)投与、経膣投与または非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、および硝子体内が挙げられる)投与に適したものが挙げられる。この組成物は、都合よくは、単位用量形態で提供することができ、製薬の技術分野で周知のいずれの方法によっても調製することができる。そのような方法は、本発明のさらなる特徴を代表するもので、活性成分と、1種以上の補助的成分からなる担体とを一緒にするステップを含む。一般論として、組成物は、活性成分と、液体担体もしくは微細粉砕固体担体または両方とを一様且つ緊密に集合させ、その後、必要であれば、その生成物を成形する。
【0059】
本発明にはさらに、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容される誘導体と別の治療用医薬とが互いとは別々にパーツキットとして提供される上記で定義した医薬組成物も含まれる。
【0060】
経皮投与に適した組成物は、長期間受容者の表皮と密に接触したまま残るようにつくられた個別のパッチとして提供することができる。そのようなパッチは、好適には、活性化合物を、1)緩衝化されていてもよい水性溶液中に含むか、または2)粘着剤中に溶解および/または分散させて含むか、または3)ポリマー中に分散させて含む。活性化合物の好適な濃度は約1%〜25%、好ましくは約3%〜15%である。1つの好ましい可能性としては、活性化合物は、Pharmaceutical Research 3(6), 318 (1986)に一般論的に記載されている電気的輸送法つまりイオン導入法によってパッチから送達することができる。
【0061】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、その活性成分の所定量を:粉末または顆粒として;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液として;または水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして;それぞれ含有しているカプセル剤、カプレット剤、カシェ剤またはタブレット剤などの個別の単位として提供することができる。活性化合物はまた、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提供することもできる。
【0062】
タブレット剤は、場合により1種以上の補助的成分と一緒に圧縮成形することで製造することができる。圧縮タブレットは、適切な成形機中で、場合によりバインダー(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、安定化剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤つまり分散化剤と一緒に、粉末または顆粒などの易流動性形態にある本活性成分を圧縮することで調製することができる。成形タブレット剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物混合物を適切な成形機中で成形することで製造することができる。タブレット剤は、場合により、所望の放出プロファイルを与えるための種々の比率の例えばヒドロキシメチルセルロースを用いて被覆または打刻して、その中の活性成分の遅延または制御放出が提供されるように製剤化することもできる。タブレット剤には、場合により、胃以外の腸管の部分で放出を提供するための腸溶性コーティングが付いていてもよい。
【0063】
口腔内での局所投与に適した医薬組成物としては、活性成分を矯味矯臭基剤(通常スクロースとアカシアもしくはトラガカント)中に含むロゼンジ剤;活性成分をゼラチンとグリセリン、またはスクロースとアカシアなどの不活性基剤中に含むトローチ剤;および活性成分を適切な液体担体中に含むマウスウォッシュ剤;が挙げられる。
【0064】
経膣投与に適した医薬組成物は、ペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ジェル剤、ペースト剤、フォーム剤、またはスプレー剤として提供することができる。医薬組成物は、活性成分のほかに、適切であると当技術分野で知られている担体を含んでいてもよい。
【0065】
直腸投与用の医薬組成物は、例えばカカオ脂やサリチル酸塩を含んでいる適切な担体あるいは当技術分野で広く用いられているその他の物質による坐剤として提供することができる。坐剤は、軟化または融解した担体(単数および複数)と一緒にした活性な組み合わせを混合し、その後冷やし、型で成形することで簡便に形成することができる。
【0066】
非経口投与に適した医薬組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および医薬組成物を対象受容者の血液と等張にする溶質を含んでいてもよい水性、非水性の等張性滅菌注射用溶液;懸濁化剤および増粘剤を含んでいてもよい水性、非水性滅菌懸濁液;および化合物が血液構成成分または1つ以上の組織を標的とするように設計されているリポソームシステムまたはその他の微粒子状物質システム;が挙げられる。この医薬組成物は、密封された単位用量または複数用量容器例えばアンプルやバイアルに入れて提供してもよいし、また使用直前に滅菌液体担体例えば注射用水の添加のみが必要とされる凍結乾燥状態で保存しておくこともできる。即席の注射溶液剤、懸濁液剤は、上記で記載したような滅菌の粉末剤、顆粒剤およびタブレット剤から調製することができる。
【0067】
単位用量医薬組成物としては、上記で述べたように、活性成分の1日の用量もしくは1日の小分け用量あるいは適切なその画分を含んでいるものが挙げられる。
【0068】
上記で詳細に述べた各成分のほかにも、本発明の医薬組成物は、当該の医薬組成物の種類が属する技術分野において慣用となっているその他の物質も含み得ることは理解されるべきで、例えば経口投与に適したものは、甘味料、増粘剤および矯味矯臭剤のようなさらなる物質を含み得る。
【実施例】
【0069】
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬ならびに慣用の合成手法を用いる以下の反応スキームおよび実施例あるいはそれらの変形態により調製することができる。
【0070】
実施例1
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(2−メトキシエチル)−N−メチルグリシネート
【化6】

【0071】
実施例1、ステップ1
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート
【化7】

【0072】
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバメート(10.3g、14.6ミリモル、調製については特許(国際公開第2000/076961号パンフレット)を参照されたい)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5.78g、47.3ミリモル)のジクロロメタン(260mL)溶液にクロロアセチルクロリド(3.50mL、43.7ミリモル)を15分かけて滴下で加えた。この反応混合物を4時間撹拌し、その後1N塩酸水溶液で洗った。これの水層をジクロロメタンで洗った。有機層を合わせ、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。この溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して褐色の泡状物とした。5:4:1のエチルアセテート:ヘキサン:トリエチルアミン、その後6:3:1のエチルアセテート:ヘキサン:トリエチルアミンで溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテートを灰色の固形物(9.64g、85%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.35-7.33 (m, 1H), 7.17-7.12 (m, 4H), 6.92-6.87 (m, 3H), 6.08 (s, 2H), 5.63 (d, 1H), 5.24-5.21 (m, 1H), 5.10 (s, 2H), 5.05-5.01 (m, 1H), 4.94-4.91 (m, 1H), 4.23-4.19 (m, 1H), 4.08 (s, 2H), 3.99-3.95 (m 1H), 3.83-3.62 (m, 3H), 3.51-3.45 (m, 1H), 3.22-3.16 (m, 1H), 3.05-2.88 (m, 3H), 2.83-2.78 (m, 1H), 2.74 (s, 3H), 2.69-2.63 (m, 1H), 1.89-1.85 (m, 1H), 1.59-1.54 (m, 1H), 0.84 (d, 6H)。APCI-LCMS m/z 780 (M+H)。
【0073】
実施例1、ステップ2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタノエート
【化8】

【0074】
4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)酪酸(2.08g、10.3ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(60mL)溶液をカリウムt−ブトキシド(0.7mL、t−ブタノール中1.0M)で処理した。1.5時間撹拌した後、反応物を濃縮した。ヘキサンを加え、その混合物をもう一度濃縮した。得られた固形物に(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(2.00g、2.56ミリモル)およびN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)を加えた。この混合物を室温にて一晩撹拌し、その後水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。これの有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。硫酸マグネシウムで脱水した後、この溶液を濃縮して金色の油状物とした。これは、静置しておくと固化した。97:3のクロロホルム:2Mアンモニア/メタノールで溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによりクリーム色の固形物を得た。これは、H NMRによれば大量のN,N−ジメチルホルムアミドを含有していた。この固形物をジクロロメタンに溶解させ、水(2回)、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、その後硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタノエート(2.17g、89%)を灰色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.38-7.34 (m, 1H), 7.19-7.14 (m, 4H), 6.94-6.88 (m, 3H), 6.10 (s, 2H), 5.65 (d, 1H), 5.31 (s, 1H), 5.28 (m, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.07-5.00 (m, 2H), 4.73 (m, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.20 (m, 1H), 4.00-3.95 (m, 1H), 3.85-3.65 (m, 3H), 3.49-3.43 (m, 1H), 3.22-3.17 (m, 3H), 3.07-2.78 (m, 4H), 2.76 (s, 3H), 2.68-2.60 (m, 1H), 2.50 (m, 2H), 1.92-1.83 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 0.86 (d, 6H)。ES-LCMS m/z 947 (M+H)。
【0075】
実施例1、ステップ3
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルヒドロキシアセテート
【化9】

【0076】
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタノエート(2.17g、22.9ミリモル)のジクロロメタン(25mL)溶液をトリフルオロ酢酸(10mL)で処理し、室温にて1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。さらなるジクロロメタンを加え、濃縮(5回)して金色の油状物とした。この油状物をジクロロメタンに再溶解させ、10%炭酸カリウム水溶液と一緒に3時間撹拌し、その後硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。この粗生成物を97:3のクロロホルム:2Mアンモニア/メタノールで溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルヒドロキシアセテートを灰色の泡状物(1.80g、定量的収量)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.51-7.45 (m, 2H), 7.36-7.29 (m, 2H), 7.15-7.09 (m, 3H), 6.91-6.88 (m, 2H), 6.18 (s, 2H), 5.50 (d, 1H), 5.34 (broad s, 1H), 5.13-5.10 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.89-4.83 (m, 1H), 4.06-3.82 (m, 3H), 3.71-3.38 (m, 5H), 3.19-3.07 (m, 1H), 2.94-2.67 (m, 5H), 2.64 (s, 3H), 1.85-1.79 (m, 1H), 1.35-1.28 (m, 1H), 1.13-1.07 (m, 1H), 0.80 (d, 6H)。ES-LCMS m/z 762 (M+H)。
【0077】
実施例1、ステップ4
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート
【化10】

【0078】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルヒドロキシアセテート(0.86g、1.1ミリモル)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.41g、3.4ミリモル)のジクロロメタン(17mL)溶液にクロロアセチルクロリド(0.25mL、3.1ミリモル)を1分間かけて滴下で加えた。この反応混合物を0.5時間撹拌し、その後水および1N塩酸水溶液で希釈した。この混合物をジクロロメタンで抽出した(2回)。これの有機層を合わせ、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。この溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮し、ジエチルエーテルでトリチュレートして2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテートを灰色の固形物(0.80g、84%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.34-7.31 (m, 1H), 7.16-7.12 (m, 4H), 6.91-6.86 (m, 3H), 6.07 (s, 2H), 5.62 (d, 1H), 5.27-5.25 (m, 1H), 5.10 (s, 2H), 5.01-4.96 (m, 2H), 4.72-4.67 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 4.18-4.16 (m, 1H), 3.98-3.94 (m, 1H), 3.82-3.65 (m, 3H), 3.44-3.39 (m, 1H), 3.24-3.18 (m, 1H), 3.03-2.98 (m, 1H), 2.93-2.77 (m, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.66-2.60 (m, 1H), 1.87-1.83 (m, 1H), 1.59-1.53 (m, 1H), 1.41-1.35 (m, 1H), 0.85-0.82 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 838 (M+H)。
【0079】
実施例1、ステップ5
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(2−メトキシエチル)−N−メチルグリシネート
【化11】

【0080】
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート(62mg、0.074ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液をN−(2−メトキシエチル)メチルアミン(22μL、0.22ミリモル)で処理した。この反応混合物を室温にて3時間撹拌し、その後水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2回)。これの有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。この粗生成物を97:3のクロロホルム:2Mアンモニア/メタノールで溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(2−メトキシエチル)−N−メチルグリシネートをワックス状の固形物として得た。アセトニトリルおよび水からの凍結乾燥により白色の固形物(43mg、65%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.50-7.47 (m, 2H), 7.34-7.27 (m, 2H), 7.13-7.07 (m, 3H), 6.89-6.87 (m, 2H), 6.16 (s, 2H), 5.48 (d, 1H), 5.11-5.09 (m, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.87-4.82 (m, 1H), 4.70-4.58 (m, 2H), 3.91-3.81 (m, 2H), 3.68-3.49 (m, 4H), 3.40-3.37 (m, 4H), 3.19 (s, 3H), 3.15-3.09 (m, 1H), 2.91-2.65 (m, 7H), 2.62 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.83-1.76 (m, 1H), 1.33-1.27 (m, 1H), 1.10-1.05 (m, 1H), 0.83-0.78 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 891 (M+H)。
【0081】
実施例2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチル−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)グリシネート
【化12】

【0082】
実施例1、ステップ5で述べた方法と同様にして、2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート(158mg、0.188ミリモル)および2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン(78μL、0.56ミリモル)から2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチル−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)グリシネート(74mg、42%)を白色の固形物として得た(ただし、クロマトグラフィー精製にはクロロホルム中5%から40%のイソプロパノールの勾配を用いた)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49-8.47 (m, 1H), 7.72-7.67 (m, 1H), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.38-7.30 (m, 3H), 7.23-7.11 (m, 4H), 6.94-6.91 (m, 2H), 6.20 (s, 2H), 5.53 (d, 1H), 5.15-5.13 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.93-4.86 (m, 1H), 4.77-4.63 (m, 2H), 3.92-3.85 (m, 2H), 3.74-3.42 (m, 6H), 3.21-3.13 (m, 1H), 2.96-2.70 (m, 8H), 2.67 (s, 3H), 2.45 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.86-1.82 (m, 1H), 1.39-1.09 (m, 2H), 0.85-0.81 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 938 (M+H)。
【0083】
実施例3
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ジエチルグリシネート
【化13】

【0084】
実施例1、ステップ5で述べた方法と同様にして、2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート(128mg、0.150ミリモル)およびジエチルアミン(47μL、0.46ミリモル)から2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ジエチルグリシネート(96mg、72%)を白色の固形物として得た(ただし、クロマトグラフィー精製にはクロロホルム中5%から10%のイソプロパノールの勾配を用いた)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.49-7.43 (m, 2H), 7.33-7.30 (m, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.11-7.06 (m, 3H), 6.88-6.86 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.47 (d, 1H), 5.10-5.09 (m, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.86-4.81 (m, 1H), 4.63-4.61 (m, 1H), 3.90-3.80 (m, 3H), 3.68-3.64 (m, 1H), 3.58-3.48 (m, 3H), 3.38-3.20 (m, 4H, 水シグナルと重複), 3.15-3.08 (m, 1H), 2.90-2.64 (m, 5H), 2.62 (s, 3H), 2.59-2.51 (m, 4H), 2.42-2.41 (m, 1H), 1.79-1.77 (m, 1H), 1.31-1.26 (m, 1H), 1.09-1.04 (m, 1H), 0.96-0.92 (m, 3H), 0.79-0.77 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 875 (M+H)。
【0085】
実施例4
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルモルホリン−4−イルアセテート
【化14】

【0086】
実施例1、ステップ5で述べた方法と同様にして、2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート(128mg、0.150ミリモル)およびモルホリン(40μL、0.46ミリモル)から2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルモルホリン−4−イルアセテート(118mg、87%)を白色の固形物として得た(ただし、クロマトグラフィー精製には5%イソプロパノール/クロロホルムを用いた)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.49-7.46 (m, 2H), 7.33-7.27 (m, 2H), 7.12-7.06 (m, 3H), 6.89-6.86 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.47 (d, 1H), 5.11-5.07 (m, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.86-4.81 (m, 1H), 4.70-4.59 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 2H), 3.68-3.64 (m, 1H), 3.58-3.49 (m, 6H), 3.40-3.25 (m, 5H, 水シグナルと重複), 3.20-3.09 (m, 1H), 2.90-2.64 (m, 5H), 2.62 (s, 3H), 2.57-2.40 (m, 2H, ジメチルスルホキシドシグナルと重複), 1.82-1.75 (m, 1H), 1.32-1.21 (m, 1H), 1.09-1.05 (m, 1H), 0.79-0.77 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 889 (M+H)。
【0087】
実施例5
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(2−メトキシエチル)グリシネート
【化15】

【0088】
実施例1、ステップ5で述べた方法と同様にして、2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルクロロアセテート(128mg、0.150ミリモル)およびビス(2−メトキシエチル)アミン(68μL、0.46ミリモル)から2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(2−メトキシエチル)グリシネート(120mg、84%)を白色の固形物として得た(ただし、クロマトグラフィー精製には5%イソプロパノール/クロロホルムを用いた)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.49-7.47 (m, 2H), 7.32-7.26 (m, 2H), 7.12-7.06 (m, 3H), 6.91-6.86 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.47 (d, 1H), 5.10-5.07 (m, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.86-4.81 (m, 1H), 4.68-4.56 (m, 2H), 3.90-3.80 (m, 2H), 3.68-3.64 (m, 1H), 3.58-3.48 (m, 4H), 3.40-3.25 (m, 6H, 水シグナルと重複), 3.17 (m, 5H), 3.14-3.08 (m, 1H), 2.90-2.81 (m, 3H), 2.77 (m, 4H), 2.71-2.64 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.44-2.40 (m, 1H), 1.82-1.75 (m, 1H), 1.34-1.24 (m, 1H), 1.09-1.04 (m, 1H), 0.82-0.77 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 935 (M+H)。
【0089】
実施例6
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−リシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩
【化16】

【0090】
実施例6、ステップ1
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−L−リシネート
【化17】

【0091】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)0.100g(0.128ミリモル)およびN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−L−リシンジシクロヘキシルアミン塩0.202g(0.384ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド4mL溶液を撹拌しながら100℃まで加熱した。2時間後この溶液を室温まで冷やし、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い(4回)、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で乾燥するまで濃縮した。この粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5ジクロロメタン/メタノール)により精製して、2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−L−リシネート93mg(66%)を白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.38 (dd, 1H), 7.27-7.11 (m, 4H), 7.02-6.83 (m, 3H), 6.12 (s, 2H), 5.68 (d, 1H), 5.53-4.92 (m, 7H), 4.83-4.52 (m, 3H), 4.41 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.00 (dd, 1H), 3.92-3.63 (m, 4H), 3.56-3.38 (m, 1H), 3.38-2.43 (m, 11H), 2.05-1.04 (m, 25H), 0.97-0.75 (m, 6H)。
【0092】
実施例6、ステップ2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−リシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩
【化18】

【0093】
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−L−リシネート93mg(0.085ミリモル)の1:1トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン10mL溶液を室温にて撹拌した。1.5時間後この溶液のLCMSによる分析は、反応は完了していることを示した。この溶液を減圧下で濃縮し乾燥させた。この残留物を6:4の水/アセトニトリルに溶解させ、凍結させ、そのあと凍結乾燥させて2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−リシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩93mg(89%)を淡褐色の粉末として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.60-8.41 (m, 3H), 7.74 (br s, 3H), 7.58-7.48 (m, 2H), 7.39-7.28 (m, 2H), 7.17-7.06 (m, 3H), 6.92 (d, 2H), 6.18 (s, 2H), 5.52 (d, 1H), 5.17 (m, 1H), 4.98-4.81 (m, 2H), 4.77 (d, 1H), 4.32-4.00 (m, 4H), 3.92-3.78 (m, 2H), 3.70 (t, 1H), 3.62-3.47 (m, 3H), 3.38 (d, 1H), 3.20(dd, 1H), 2.95-2.67 (m, 5H), 2.63 (s, 3H), 1.91-1.66 (m, 3H), 1.62-1.04 (m, 4H), 0.80 (d, 6H)。19F NMR (282 MHz, DMSO-d6) δ -74.6 ppm. ES-LCMS m/z 890 (M+H)。
【0094】
実施例7
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−ロイシネートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化19】

【0095】
実施例7、ステップ1
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−L−ロイシネート
【化20】

【0096】
N−(t−ブトキシカルボニル)−L−ロイシン一水和物(Bachem)0.128g(0.512ミリモル)のテトラヒドロフラン10mL溶液を1Mカリウムt−ブトキシド/t−ブタノール0.384mL(0.384ミリモル)で処理した。ゼラチン様析出物が生じ、これを減圧下で濃縮して乾燥させた。この残留物を無水N,N−ジメチルホルムアミド3mLに溶解させ、この溶液を0.100g(0.128ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)に加えた。得られた溶液を撹拌しながら70℃まで加熱した。3時間後LCMによる分析は、反応は完了していることを示した。この混合物を室温まで冷やし、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、飽和塩化ナトリウム水溶液(2回)で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して乾燥させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5ジクロロメタン/メタノール)にかけて2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−L−ロイシネート97mg(78%)を白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.33 (dd, 1H), 7.19-7.08 (m, 4H), 6.92-6.83 (m, 3H), 6.04 (s, 2H), 5.62 (d, 1H), 5.29 (m, 1H), 5.16-5.04 (m, 3H), 5.03-4.96 (m, 2H), 4.68 (d, 1H), 4.58 (d, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.93 (dd, 1H), 3.80 (t, 1H), 3.76-3.65 (m, 2H), 3.43 (dd, 1H), 3.18 (dd, 1H), 3.04-2.72 (m, 4H), 2.72 (s, 3H), 2.62 (m, 1H), 1.92-1.66 (m, 3H), 1.62-1.48 (m, 2H), 1.45-1.34 (m, 10H), 0.93 (d, 6H), 0.83 (m, 6H)。
【0097】
実施例7、ステップ2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−ロイシネートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化21】

【0098】
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−L−ロイシネート97mg(0.099ミリモル)の1:1トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン10mL溶液を室温にて撹拌した。2時間後この溶液のLCMSによる分析は、反応は完了していることを示した。この溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。この残留物を6:4水/アセトニトリルに溶解させ、凍結させ、そのあと凍結乾燥させて2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−ロイシネートビス−トリフルオロ酢酸塩0.110g(90%)を綿状の白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.57-8.33 (m, 3H), 7.59-7.47 (m, 2H), 7.39-7.25 (m, 2H), 7.18-7.07 (m, 3H), 6.90 (d, 2H), 6.18 (s, 2H), 5.50 (d, 1H), 5.21-4.63 (m, 7H), 4.16 (br s, 1H), 3.96-3.80 (m, 2H), 3.73-3.48 (m, 3H), 3.39 (d, 1H), 3.19 (dd, 1H), 2.94-2.59 (m, 6H), 2.45 (m, 1H), 1.90-1.58 (m, 4H), 1.38-1.19 (m, 1H), 1.10 (dd, 1H), 0.91 (d, 6H), 0.80 (d, 6H)。19F NMR (282 MHz, DMSO-d6) δ -75.2 ppm。APCI-LCMS m/z 875 (M+H)。
【0099】
実施例8
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチルグリシネートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化22】

【0100】
実施例8、ステップ1
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−N−メチルグリシネート
【化23】

【0101】
N−(t−ブトキシカルボニル)−N−メチルグリシン(Bachem)97mg(0.51ミリモル)のテトラヒドロフラン10mL溶液を0.384mL(0.384ミリモル)1Mカリウムt−ブトキシド/t−ブタノールで処理した。ゼラチン様析出物が生じ、これを減圧下で濃縮して乾燥させた。この残留物を3mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、この溶液を0.100g(0.128ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)に加えた。得られた溶液を撹拌しながら70℃まで加熱した。3時間後LCMによる分析は、反応は完了していることを示した。この混合物を室温まで冷やし、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、飽和塩化ナトリウム水溶液(2回)で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して乾燥させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5のジクロロメタン/メタノール)にかけて0.106g(89%)の2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−N−メチルグリシネートを白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.33 (dd, 1H), 7.20-7.08 (m, 4H), 6.95-6.82 (m, 3H), 6.07 (s, 2H), 5.61 (d, 1H), 5.23 (br s, 1H), 5.17-4.94 (m, 3H), 4.72-4.60 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 4.08-3.90 (m, 2H), 3.85-3.60 (m, 3H), 3.47 (m, 1H), 3.18 (m, 1H), 3.07-2.56 (m, 13H), 1.95-1.20 (m, 12H), 0.90-0.79 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 933 (M+H)。
【0102】
実施例8、ステップ2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチルグリシネートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化24】

【0103】
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(t−ブトキシカルボニル)−N−メチルグリシネート0.106g(0.114ミリモル)の7:3トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン10mL溶液を室温にて撹拌した。3時間後この溶液のLCMSによる分析は、反応は完了していることを示した。この溶液を減圧下で濃縮して乾燥させた。この残留物を1:1水/アセトニトリルに溶解させ、凍結させ、そのあと凍結乾燥させて0.119g(98%)の2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチルグリシネートビス−トリフルオロ酢酸塩を綿状の白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.09 (br s, 2H), 7.59-7.48 (m, 2H), 7.40-7.28 (m, 2H), 7.18-7.07 (m, 3H), 6.91 (d, 2H), 6.19 (s, 2H), 5.52 (d, 1H), 5.36-4.65 (m, 6H), 4.17 (br s, 2H), 4.00-3.80 (m, 2H), 3.76-3.45 (m, 3H), 3.40 (d, 1H), 3.21 (dd, 1H), 2.96-2.39 (m, 11H), 1.80 (m, 1H), 1.31 (m, 1H), 1.11 (dd, 1H), 0.82 (d, 6H)。19F NMR (282 MHz, DMSO-d6) δ -74.9 ppm. APCI-LCMS m/z 833 (M+H)。
【0104】
実施例9
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]アセテート
【化25】

【0105】
実施例9、ステップ1
[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]酢酸
【化26】

【0106】
t−ブチルクロロアセテート(6.00g、40.0ミリモル)、2−(エトキシエトキシ)エタノール(2.68g、20.0ミリモル)、18−クラウン−6(250mg)、および水酸化ナトリウム(12.0g、0.300モル)のジオキサン(60mL)中混合物を室温にて24時間撹拌した。この暗色混合物を水(250mL)で希釈し、2回エーテル(50mL)で抽出した。これの水相を12N塩酸(35mL)で酸性化し、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出した。これらのジクロロメタン層を合わせて真空下で濃縮した後、ジクロロメタン(50mL)に溶解させることで脱水し、真空下で濃縮(3回)して、[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を無色の油状物(2.8g、73%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.99 (s, 2H), 3.60-3.38 (m, 9H), 3.38 (q, 2H), 1.07 (t, 3H)。ES-LCMS m/z 193 (M+H)。
【0107】
実施例9、ステップ2
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]アセテート
【化27】

【0108】
[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]酢酸1.18g(6.16ミリモル)の無水テトラヒドロフラン20mL溶液を4.62mL(4.62ミリモル)の1Mカリウムt−ブトキシド/t−ブタノールで処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮して乾燥させた。この残留物を20mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、この溶液を1.20g(1.54ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)に加えた。得られた溶液を撹拌しながら70℃まで加熱した。2時間後LCMによる分析は、反応は完了していることを示した。この混合物を室温まで冷やし、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×)、飽和塩化ナトリウム水溶液(2回)で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して乾燥させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5ジクロロメタン/メタノール)にかけて0.91g(63%)の2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]アセテートを白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.33 (d, 1H), 7.18-7.07 (m, 4H), 6.93-6.84 (m, 3H), 6.07 (s, 2H), 5.61 (d, 1H), 5.24 (m, 1H), 5.12-4.95 (m, 4H), 4.73-4.60 (m, 2H), 4.34-4.26 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.83-3.40 (m, 14H), 3.16 (dd, 1H), 3.04-2.82 (m, 3H), 2.81-2.68 (m, 4H), 2.60 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.54 (m, 1H), 1.37 (m, 1H), 1.18 (t, 3H), 0.90-0.77 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 936 (M+H)。
【0109】
実施例10
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]アセテートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化28】

【0110】
実施例10、ステップ1
(2−クロロエトキシ)酢酸
【化29】

【0111】
t−ブチル2−(2−クロロエトキシ)アセテート(Hernandaz, Pedro E.; Fairfax, David E.; Michalson, Erik T. Process for preparing piperadine-substituted aliphatic carboxylates. PCT Int. Appl. (2001), WO 0129016 A1 20010426 CAN 134:311229 AN 2001:300697)(1.00g、5.14ミリモル)の濃塩酸(10mL)溶液を2時間撹拌した。この反応溶液を水(20mL)で希釈し、エチルエーテル(3×350mL)で抽出した。これのエーテル層を合わせ、水(2×20mL)で洗い、真空中で濃縮した。この残留物をジクロロメタン(60mL)に溶解させ、真空中で濃縮(3回)して、2−(2−クロロエトキシ)酢酸を透明な油状物(680mg、95%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.4 (br s, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.85 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 3.67 (t, 2H, J = 5.9)。ES-LCMS m/z 139 (M+H)。
【0112】
実施例10、ステップ2
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−クロロエトキシ)アセテート
【化30】

【0113】
窒素雰囲気下で撹拌しながら(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバメート(2.13ミリモル、1.50g)、2−(2−クロロエトキシ)酢酸(4.93ミリモル、0.680g)、および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(200mg)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(7.83ミリモル、1.50g)を加え、撹拌を24時間続けた。クロマトグラフィー精製(シリカゲル、イソプロパノール/ジクロロメタン勾配、0→15%)により(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−クロロエトキシ)アセテートを白色の泡状物(1.62g、92%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.52-8.55 (m, 1H), 7.55-7.58 (m, 1H), 7.47-7.50 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 2H), 7.20-7.25 (m, 1H), 7.10-7.13 (m, 2H), 6.85-6.93 (m, 2H), 6.55-6.60 (m, 2H), 5.96 (s, 2H), 5.46-5.51 (m, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.91-4.98 (m, 1H), 4.78-4.85 (m, 1H), 3.70-3.79 (m, 1H), 3.62-3.69 (m, 1H), 3.55-3.61 (m, 3H), 3.42-3.51 (m, 1H), 3.21-3.30 (m, 2H), 2.86-2.98 (m, 2H), 2.70-2.78 (m, 1H), 2.56-2.66 (m, 2H), 2.32-2.40 (m, 1H), 1.86-1.95 (m, 1H), 1.25-1.40 (m, 1H), 1.15-1.24 (m, 1H), 0.98-1.03 (m, 4H), 0.75-0.85 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 824 (M+H)。
【0114】
実施例10、ステップ3
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−ヨードエトキシ)アセテート
【化31】

【0115】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−クロロエトキシ)アセテート(7.52ミリモル、6.20g)およびヨウ化ナトリウム(35g)のアセトン(100mL)中混合物を窒素雰囲気下で2日間撹拌しながら還流した。この反応混合物を真空中で濃縮し、その残留物を水(100mL)に溶解させ、3回エチルアセテート(75mL)で抽出した。これの有機層を合わせ、水(3×20mL)で抽出した。揮発分を真空下での蒸発により除去して、(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−ヨードエトキシ)アセテートを白色の固形物(5.36g、77%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.74-7.53 (m, 2H), 7.29-7.37 (m, 2H), 7.08-7.17 (m, 3H), 6.88-6.94 (m, 2H), 6.19 (s, 2H), 5.49-5.52 (m, 1H), 5.10-5.16 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.84-4.92 (m, 1H), 4.02-4.23 (m, 2H), 3.90-3.98 (m, 1H), 3.83-3.88 (m, 1H), 3.65-3.80 (m, 3H), 3.52-3.63 (m, 2H), 3.33-3.45 (m, 4H), 3.15-3.25 (m, 1H), 2.86-2.94 (m, 1H), 2.76-2.84 (m, 2H), 2.66-2.75 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 1.77-1.86 (m, 1H), 1.28-1.42 (m, 1H), 1.10-1.20 (m, 1H), 0.76-0.82 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 915 (M+H)。
【0116】
実施例10、ステップ4
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]アセテートビス−トリフルオロ酢酸塩
【化32】

【0117】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−ヨードエトキシ)アセテート(0.0109ミリモル、100mg)およびイミダゾール(2.23ミリモル、150mg)の無水ジメチルスルホキシド(2mL)溶液を24時間撹拌した。クロマトグラフィー精製(Dynamax C8 逆相クロマトグラフィーカラム、19mm×300mm、40分での1%トリフルオロ酢酸水溶液→アセトニトリルの勾配、20mL/分)および凍結乾燥により(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]アセテートビス−トリフルオロ酢酸塩(85mg、62%)を白色の粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.1 (bs, 1H), 7.66 - 7.80 (m, 2H), 7.44 - 7.55 (m, 2H), 7.26 - 7.38 (m, 2H), 7.06 - 7.18 (m, 3H), 6.84 - 6.96 (m, 2H), 6.18 (s, 2H), 5.48 - 5.54 (m, 1H), 5.06 - 5.18 (m, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.82 - 4.92 (m, 1H), 4.36 - 4.44 (m, 2H), 4.00 - 4.24 (m, 1H), 3.82 - 3.94 (m, 3H), 3.10 - 3.75 (m, 6H), 2.66 - 2.90 (m, 4H), 2.62 (s, 3H), 2.25 - 2.40 (m, 2H), 1.16 - 1.19 (m, 2H), 1.23 - 1.43 (m, 1H), 1.03 - 1.20 (m, 1H), 0.63 - 0.90 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 856 (M+H)。
【0118】
実施例11
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{メチル[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]アミノ}エトキシ)アセテートトリス−トリフルオロ酢酸塩
【化33】

【0119】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{メチル[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]アミノ}エトキシ)アセテートトリス−トリフルオロ酢酸塩は、イミダゾールをN−メチル−1−(6−メチルピリジン−2−イル)メタンアミンで置き換えた以外は実施例10で概要を説明した手順に従って(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−ヨードエトキシ)アセテート(100mg、0.109ミリモル)とN−メチル−1−(6−メチルピリジン−2−イル)メタンアミン(300mg、2.20ミリモル)とから凍結乾燥された白色の固形物(90mg、77%の収率)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (t, 1H, J = 7.7 Hz), 7.45-7.50 (m, 2H), 7.2.5-7.31 (m, 4H), 7.06-7.12 (m, 3H), 6.86-6.90 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.47 (d, 1H, J = 5.6 Hz), 5.10-5.17 (m, 1H), 5.0 (s, 2H), 4.79-4.83 (m, 1H), 4.47 (s, 2H), 4.02-4.24 (m, 2H), 3.79-3.98 (m, 5H), 3.60-3.65 (m 1H), 3.45-3.60 (m 4H), 3.15-3.4 (m, 2H), 3.13 (s, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.65-2.80 (m, 3H), 2.61 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 1.70-1.82 (m, 1H), .25-1.40 (m, 1H), 1.05-1.15 (m, 1H), 0.70-0.80 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 924 (M+H)。
【0120】
実施例12
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−オキソ−2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)エトキシ]アセテート
【化34】

【0121】
実施例12、ステップ1
{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエトキシ}酢酸
【化35】

【0122】
無水二グリコール酸(2.44g、21.0ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.66mL、21.0ミリモル)を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバメート(4.92g、7.00ミリモル)のジクロロメタン(100mL)溶液に加えた。この反応混合物を24時間撹拌した後、得られた茶色の溶液をジクロロメタン(250mL)で希釈した。この溶液を飽和硫酸水素ナトリウム水溶液、そのあと飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。これをこの後硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して褐色の泡状物とした。これを沸騰エチルアセテート(800mL)におおむね再溶解させた。この濁った高温懸濁液をこの後セライトで濾過し、その濾液を油状物が形成し始めるまで濃縮した。この混合物をこの後そのままにして冷やし、一晩静置した。得られた固形物を濾過により単離し、真空下で乾燥させて、{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエトキシ}酢酸を無色の固形物(4.38g、76%)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.73 (br s, 1H), 7.54-7.51 (m, 2H), 7.38-7.32 (m, 2H), 7.18-7.11 (m, 3H), 6.94-6.91 (m, 2H), 6.21 (s, 2H), 5.53 (d, 1H), 5.18-5.10 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.91-4.85 (m, 1H), 4.26-4.04 (m, 4H), 4.01-3.93 (m, 1H), 3.91-3.85 (m, 1H), 3.75-3.68 (m, 1H), 3.65-3.53 (m, 2H), 3.50-3.42 (m, 1H), 3.28-3.13 (2H), 2.97-2.68 (m, 4H), 2.67 (s, 3H), 1.91-1.77 (m, 1H), 1.40-1.32 (m, 1H), 1.21-1.15 (m, 1H), 0.82 (d, 6H)。ES-LCMS m/z 820 (M+H)。
【0123】
実施例12、ステップ2
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−オキソ−2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)エトキシ]アセテート
【化36】

【0124】
ポリスチレン担持カルボジイミド(327mg、0.360ミリモル)を{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエトキシ}酢酸(295mg、0.360ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(54mg、0.40ミリモル)のジクロロメタン(3mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.8mL)中ストック溶液1.6mLに加えた。得られた混合物を800Hzで30分間振動させ、その後3−アミノピラゾール(15mg、0.18ミリモル)のジクロロメタン(1mL)溶液を加えた。この反応混合物をこの後800Hzで24時間振動させた。この後ポリスチレン担持トリスアミン樹脂(107mg、0.260ミリモル)とポリスチレン担持イソシアネート樹脂(76mg、0.12ミリモル)とを加え、得られた混合物を800Hzでさらなる24時間振動させた。この樹脂を濾過により分離し、ジクロロメタン(30mL)で洗った。この洗浄液と濾液とを合わせ、濃縮して黄色の油状物を得た。これを、ジクロロメタン中2%→4%メタノール勾配で溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーでさらに精製して、(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−オキソ−2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)エトキシ]アセテートを無色の固形物(45mg、42%)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.35 (br s, 1H), 10.02 (br s, 1H), 7.59 (br s, 1H), 7.60-7.48 (m, 2H), 7.37-7.27 (m, 2H), 7.14-7.08 (m, 3H), 6.90-6.87 (m, 2H), 6.48 (br s, 1H), 6.17 (s, 2H), 5.46 (d, 1H), 5.16-5.09 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.86-4.80 (m, 1H), 4.30-4.11 (m, 4H), 4.01-3.90 (m, 1H), 3.85-3.79 (m, 1H), 3.71-3.63 (m, 1H), 3.60-3.48 (m, 2H), 3.45-3.36 (m, 1H), 3.22-3.15 (m, 2H), 2.95-2.66 (m, 4H), 2.63 (s, 3H), 1.90-1.74 (m, 1H), 1.38-1.21 (m, 1H), 1.15-1.06 (m, 1H), 0.79 (d, 6H)。ES-LCMS m/z 885 (M+H)。
【0125】
実施例13
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート
【化37】

【0126】
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテートは、クロマトグラフィー精製にジクロロメタン中3→4%メタノール勾配を用いた以外は実施例12、ステップ2で概要を説明した手順に従って、2−アミノメチルピリジン(19μL、0.18ミリモル)および{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエトキシ}酢酸(1.6mLの5.4:1ジクロロメタン:N,N−ジメチルホルムアミド75mM溶液)から白色の固形物(59mg、54%)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.50-8.47 (m, 1H), 8.39 (t, 1H), 7.76-7.70 (m, 3H), 7.51-7.48 (m, 2H), 7.35-7.23 (m, 4H), 7.14-7.08 (m, 3H), 6.91-6.88 (m, 2H), 6.17 (s, 2H), 5.49 (d, 1H), 5.19-5.10 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.88-4.62 (m, 1H), 4.41 (d, 2H), 4.28 (ABqの半分, 1H), 4.14 (ABqの半分, 1H), 4.03-3.90 (m, 1H), 3.88-3.81 (m, 1H), 3.72-3.64 (m, 1H), 3.60-3.49 (m, 2H), 3.43-3.34 (m, 1H), 3.26-3.16 (2H), 2.93-2.66 (m, 4H), 2.63 (s, 3H), 1.89-1.73 (m, 1H), 1.40-1.21 (m, 1H), 1.17-1.09 (m, 1H), 0.79 (d, 3H), 0.78 (d, 3H)。ES-LCMS m/z 910 (M+H)。
【0127】
実施例14
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート
【化38】

【0128】
ポリスチレン担持カルボジイミド(327mg、0.36ミリモル)を{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエトキシ}酢酸(98mg、0.12ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(21mg、0.16ミリモル)のジクロロメタン(2.0mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)溶液に加えた。得られた混合物を800Hzで2時間振動させ、その後2−アミノメチルチオフェン(19μL、0.18ミリモル)を加えた。この反応混合物を800Hzで24時間振動させた後、その樹脂を濾過により除去し、ジクロロメタン(30mL)で洗った。この洗浄液と濾液を合わせ、濃縮して黄色の油状物を得た。これを、ジクロロメタン中0%→10%メタノール勾配で溶離するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーでさらに精製して、(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテートを無色の泡状物(91mg、79%)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (m, 1H), 7.51-7.47 (m, 2H), 7.38-7.27 (m, 3H), 7.15-7.07 (m, 3H), 6.97-6.86 (m, 4H), 6.17 (s, 2H), 5.45 (d, 1H), 5.15-5.08 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.88-4.82 (m, 1H), 4.46 (d, 2H), 4.24-4.00 (m, 5H), 3.99-3.89 (m, 1H), 3.87-3.82 (m, 1H), 3.72-3.65 (m, 1H), 3.61-3.50 (m, 2H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.24-3.19 (m, 1H), 2.94-2.64 (m, 4H), 2.64 (s, 3H), 1.90-1.72 (m, 1H), 1.40-1.22 (m, 1H), 1.19-1.07 (m, 1H), 0.79 (d, 3H), 0.78 (d, 3H)。ES-LCMS m/z 915 (M+H)。
【0129】
実施例15
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{2−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)アセテート
【化39】

【0130】
実施例15、ステップ1
(10R)−10−((1S)−1−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−2−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}エチル)−12−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)−14−メチル−8−オキソ−3,6,9−トリオキサ−12−アザペンタデカン−1−オイック酸
【化40】

【0131】
3,6−ジオキサオクタンジオイック酸(0.531g、2.84ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド10mL溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.092g、0.71ミリモル)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(0.365g、1.78ミリモル)を加えた。得られた溶液を30分間撹拌し、その後(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]ベンジル}プロピルカルバメート(0.505g、0.711ミリモル)で処理した。24時間撹拌した後この黄色溶液をエチルアセテート(25mL)で希釈し、5%硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮してベージュ色の泡状物を得た。この粗生成物をアセトニトリル(2mL)に溶解させ、40分にわたる水(0.1%トリフルオロ酢酸)中20%→80%アセトニトリル勾配で溶離するC−8逆相HPLCに2回流して精製し、(10R)−10−((1S)−1−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−2−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}エチル)−12−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)−14−メチル−8−オキソ−3,6,9−トリオキサ−12−アザペンタデカン−1−オイック酸を透明な油状物として得た。これを凍結乾燥して白色の固形物(0.322g、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.50-7.44 (m, 2H), 7.33-7.26 (m, 2H), 7.13-7.06 (m, 2H), 6.90-6.86 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.49-5.46 (d, 1H), 5.12-5.06 (m, 1H), 5.02-4.99 (m, 2H), 4.87-4.81 (m, 1H), 4.16-4.07 (m, 2H), 3.96-3.80 (m, 3H), 3.69-3.48 (m, 9H), 3.40-3.33 (m, 1H), 3.20-3.11 (m, 1H), 2.90-2.64 (m, 5H), 2.49-2.45 (m, 4H), 1.84-1.75 (m, 1H), 1.36-1.25 (m, 1H), 1.13-1.06 (m, 1H), 0.80-0.74 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 864 (M+H)。
【0132】
実施例15、ステップ2
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{2−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)アセテート
【化41】

【0133】
(10R)−10−((1S)−1−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−2−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}エチル)−12−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)−14−メチル−8−オキソ−3,6,9−トリオキサ−12−アザペンタデカン−1−オイック酸(1.50g、1.74ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド15mL溶液に1.55g(6.95ミリモル)のカルボニルジイミダゾールを加えた。この2時間後に、カルボニルジイミダゾールの2回目の1.53g部分を加えた。さらなる2時間後にこの溶液をメチル[2−(2−ピリジニル)エチル]アミン(1.20mL、8.69ミリモル)で処理した。24時間撹拌した後この反応混合物をエチルアセテート(50mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った。これをこの後硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮してベージュ色の泡状物とした。この粗生成物をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、40分かけての水(0.1%トリフルオロ酢酸)中30%→100%アセトニトリル勾配で溶離するC−8逆相HPLCで精製して、(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{2−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)アセテートを透明な油状物として得た。これを凍結乾燥して、白色の固形物(1.21g、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.67-8.71 (m, 1H), 8.20-8.24 (m, 1H), 7.74-7.64 (m, 1H), 7.50-7.44 (m, 2H), 7.33-7.25 (m, 2H), 7.12-7.05 (m, 3H), 6.89-6.85 (m, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.49-5.45 (d, 1H), 5.12-5.06 (m, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.87-4.80 (m, 1H), 4.14-3.93 (m, 8H), 3.85-3.79 (m, 1H), 3.69-3.42 (m, 8H), 3.38-3.30 (m, 1H), 3.10-3.03 (m, 2H), 2.89-2.81 (m, 3H), 2.79-2.73 (m, 4H), 2.61 (s, 3H), 2.43-2.40 (m, 1H), 1.81-1.74 (m, 1H), 1.35-1.26 (m, 1H), 1.14-1.07 (m, 1H), 0.80-0.73 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 982 (M+H)。
【0134】
実施例16
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−[アミノ(イミノ)メチル]グリシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩
【化42】

【0135】
実施例16、ステップ1
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルアジドアセテート
【化43】

【0136】
2.00g(2.56ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)および0.330g(5.12ミリモル)のナトリウムアジドの無水N,N−ジメチルホルムアミド15mL溶液を室温にて3時間撹拌した。得られた溶液をエチルアセテートで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い(4回)、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して、(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルアジドアセテートを淡褐色の固形物として定量的収量で得た。この中間体をさらに精製することなく用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.33 (dd, 1H), 7.18-7.08 (m, 4H), 6.95-6.84 (m, 3H), 6.08 (s, 2H), 5.63 (d, 1H), 5.28 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 5.06-4.92 (m, 2H), 4.22 (m, 1H), 4.00-3.68 (m, 5H), 3.63 (m, 1H), 3.48 (dd, 1H), 3.24 (dd, 1H), 3.07-2.77 (m, 4H), 2.75-2.61 (m, 4H), 1.87 (m, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.34 (dd, 1H), 0.89-0.79 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 787 (M+H)。
【0137】
実施例16、ステップ2
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルグリシネート
【化44】

【0138】
2.06g(2.61ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルアジドアセテートのテトラヒドロフラン60mL溶液を0.86g(3.26ミリモル)のトリフェニルホスフィン、その後5mLの水で処理した。得られた溶液を室温にて18時間撹拌し、その後減圧下で濃縮して乾燥させた。この粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5ジクロロメタン/2Mメタノール中アンモニア)で精製して、1.80g(90%)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルグリシネートを白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.58-7.41 (m, 2H), 7.40-7.22 (m, 2H), 7.20-7.04 (m, 3H), 6.91 (d, 2H), 6.18 (s, 2H), 5.50 (d, 1H), 5.18-4.95 (m, 3H), 4.84 (q, 1H), 3.98-3.80 (m, 2H), 3.77-3.06 (m, 9H), 3.02-2.40 (m, 6H), 1.97-1.53 (m, 3H), 1.43-1.06 (m, 2H), 0.90-0.77 (m, 6H)。APCI-LCMS m/z 761 (M+H)。
【0139】
実施例16、ステップ3
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−{(Z)−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ][(t−ブトキシカルボニル)イミノ]メチル}グリシネート
【化45】

【0140】
0.200g(0.263ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルグリシネート、0.113g(0.289ミリモル)のN,N’−ビス(t−ブトキシカルボニル)−N’’−トリフリルグアニジン(Feichtinger, K., Sings, H.L., Baker, T.J., Matthews, K., Goodman, M. J. Org. Chem. 1998, 63, 8432)、および44μL(0.32ミリモル)のトリエチルアミンの無水ジクロロメタン4mL溶液を室温にて撹拌した。18時間後この溶液をエチルアセテートで希釈し、10%重硫酸ナトリウム水溶液(2回)、水(2回)で洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して乾燥させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、97:3ジクロロメタン/メタノール)にかけて、0.158g(60%)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−{(Z)−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ][(t−ブトキシカルボニル)イミノ]メチル}グリシネートを白色の泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 11.87 (s, 1H), 8.68 (t, 1H), 7.55-7.43 (m, 2H), 7.39-7.29 (m, 2H), 7.19-7.05 (m, 3H), 6.90 (d, 2H), 6.18 (m, 2H), 5.51 (d, 1H), 5.13-4.98 (m, 3H), 4.87 (q, 1H), 4.18 (dd, 1H), 4.04-3.80 (m, 3H), 3.73-3.40 (m, 4H), 3.09 (dd, 1H), 3.01-2.82 (m, 2H), 2.80-2.61 (m, 5H), 2.46 (m, 1H, ジメチルスルホキシドシグナルと重複), 1.84 (m, 1H), 1.50 (s, 9H), 1.40-1.22 (m, 10H), 1.09 (m, 1H), 0.90-0.74 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 1003 (M+H)。
【0141】
実施例16、ステップ4
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−[アミノ(イミノ)メチル]グリシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩
【化46】

【0142】
40mg(0.040ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−{(Z)−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ][(t−ブトキシカルボニル)イミノ]メチル}グリシネートの8:2トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン10mL溶液を室温にて2時間撹拌した。この溶液をこの後減圧下で蒸発させて乾燥させた。この残留物を6:4水/アセトニトリルに溶解させ、凍結させ、そのあと凍結乾燥させて、42mg(93%)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−[アミノ(イミノ)メチル]グリシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩を白色の粉末として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (m, 1H), 7.58-7.04 (m, 10H), 6.90 (d, 2H), 6.19 (s, 2H), 5.51 (d, 1H), 5.14 (m, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.88 (q, 1H), 4.19-3.92 (m, 4H), 3.87 (dd, 1H), 3.75-3.46 (m, 4H), 3.38 (m, 1H), 3.21 (dd, 1H), 2.95-2.68 (m, 4H), 2.66 (s, 3H), 2.45 (m, 1H, ジメチルスルホキシドシグナルと重複), 1.83 (m, 1H), 1.32 (m, 1H), 1.12 (m, 1H), 0.88-0.72 (m, 6H)。19F NMR (282 MHz, DMSO-d6) δ -74.2 ppm。APCI-LCMS m/z 803 (M+H)。C36H46N6O11S2のHRMS m/z 計算値:803.2744。測定値:803.2762。
【0143】
実施例17
1−{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル}ピリジニウムクロリド
【化47】

【0144】
0.250g(0.320ミリモル)の(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルクロロアセテート(参照:実施例1、ステップ1)および0.103mL(1.28ミリモル)のピリジンのジメチルスルホキシド3mL溶液を密封試験管中80℃で撹拌した。18時間後この溶液を室温まで冷やし、ジクロロメタンで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い(3×)、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮して乾燥させ、褐色の泡状物を得た。この物質を2回ジクロロメタン/エチルアセテート/ヘキサンから再結晶させて、0.178g(65%)の1−{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル}ピリジニウムクロリドを灰色の粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.11-8.99 (m, 2H), 8.76 (t, 1H), 8.30 (t, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.40-7.30 (m, 2H), 7.21-7.08 (m, 3H), 6.92 (d, 2H), 6.19 (s, 2H), 5.77 (ABq, 2H), 5.53 (d, 1H), 5.16 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.93 (q, 1H), 4.03 (m, 1H), 3.89 (dd, 1H), 3.72 (t, 1H), 3.62-3.51 (m, 2H), 3.29 (m, 2H, 水シグナルと重複), 2.93-2.72 (m, 4H), 2.68 (s, 3H), 2.48 (m, 1H, ジメチルスルホキシドシグナルと重複), 1.79 (m, 1H), 1.39 (m, 1H), 1.21 (m, 1H), 0.88-0.76 (m, 6H)。ES-LCMS m/z 823 (M+)。C40H47N4O11のHRMS m/z 計算値: 823.2683。測定値: 823.2691。C40H47N4O11Cl・1.6H2Oの元素分析計算値: C, 54.09; H, 5.70; N, 6.31; Cl, 3.99。測定値: C, 54.02; H, 5.68; N, 6.18; Cl, 3.84。
【0145】
実施例18:リトナビルの前投与および併投与を採用した単一量経口投薬の後のSprague-Dawleyラットにおける薬物動態
本発明プロドラッグの薬物動態特性を評価するために、本発明者等は一連の本発明化合物ならびにその親化合物であるGW0385の単一経口投薬量を雄Sprague-Dawleyラットに投与した。リトナビルの前投与と併投与のいずれをも用いる投薬プロトコルを採用した。リトナビルの投薬量溶液は、製造業者の溶液(80mg/mL)を50%エタノール水溶液で10倍に希釈して最終濃度8mg/mLとすることで調製した。各絶食させたラットには、胃管強制供給により2回のリトナビル投薬量を与えた:1回目は試験化合物投薬のおよそ30分前;2回目は試験化合物と併行して行った。プロドラッグは、50%エタノール水溶液として投薬量3mg/kgで投与した。投薬の後の8時間の間に一連の血液サンプルを採取し、試験化合物、その親化合物であるGW0385の血漿濃度をLC/MS/MS分析により測定した。全身暴露量推定値(無限遠に外挿された濃度−時間曲線下の面積、AUC)は、血漿濃度−時間曲線のノンコンパートメント分析により決定した。Cmax値(測定濃度の最大値)は、個々の濃度プロファイルからとった。キーポイントとなる平均薬物動態パラメーター(CmaxおよびAUC値)を表Iに示す。
【0146】
表I
【化48】

【表1】


【0147】
結果は、リトナビルの前投薬および併投薬を伴う本発明プロドラッグの経口投与は、その親化合物GW0385と比較して大幅に改善された経口バイオアベイラビリティをもたらすことを示している。さらに、検出可能なプロドラッグが血漿中にまったく無いことが明白に示しているように、表Iに示されているプロドラッグはすべてGW0385へ完全に変換されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中:
XはC1〜5アルキレン鎖であり、該C1〜5アルキレン鎖は、=O、=N、−NH、および−C1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、また該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のへテロ原子を含んでいてもよく、そのようなヘテロ原子は水素およびC1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、アミノ、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、−NR、−N(R、またはヘテロ環(C1〜8アルキルで置換されていてもよい)であり;
は、C1〜8アルキルまたはC1〜8アルコキシである]
で表される化合物もしくはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
−X−Rが、以下の群:
【化2】

から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
式(II)
【化3】

[式中:
は、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノC1〜8アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環C1〜8アルキル、N(R)R、NHR、NHR、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)RNR、OC(O)RNHR、OC(O)NROR、OC(O)RN(R)R、OC(O)RNHC(O)OR、OC(O)RN(R)C(O)OR、OC(O)RN(R)ROR、ORC(O)OH、ORC(O)NHR、ORC(O)N(R)R、OROC(O)OHであり;
はC1〜8アルキルであり;
はC1〜8アルキルであり、アミノ、=NH、N、ハロゲン、オキソ、C1〜8アルコキシ、ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、またはNHC(O)Rからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、それぞれの置換基は場合によりC1〜8アルキルで置換されていてもよく;
はC1〜5アルキレン鎖であり、該C1〜5アルキレン鎖は、=O、=N、−NH、および−C1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、また該C1〜5アルキレン鎖は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよく、そのようなヘテロ原子は水素およびC1〜8アルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、C1〜8アルキルまたはヘテロ環C1〜8アルキルで置換されていてもよいヘテロ環である]
で表される化合物もしくはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
以下:
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−(2−メトキシエチル)−N−メチルグリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチル−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)グリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ジエチルグリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルモルホリン−4−イルアセテート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN,N−ビス(2−メトキシエチル)グリシネート;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−リシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルL−ロイシネートビス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチルN−メチルグリシネートビス−トリフルオロ酢酸塩;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]アセテートビス−トリフルオロ酢酸塩;
2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{メチル[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]アミノ}エトキシ)アセテートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル[2−オキソ−2−(1H−ピラゾール−5−イルアミノ)エトキシ]アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル{2−オキソ−2−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]エトキシ}アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル(2−{2−[メチル(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)アセテート;
(1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピルN−[アミノ(イミノ)メチル]グリシネートトリス−トリフルオロ酢酸塩;
1−{2−[((1R,2S)−2−({[(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル}アミノ)−1−{[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルスルホニル)(イソブチル)アミノ]メチル}−3−{4−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メトキシ]フェニル}プロピル)オキシ]−2−オキソエチル}ピリジニウムクロリド;
ならびにこれらの医薬的に許容される塩;
からなる群から選択される化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の抗ウイルス的に有効な量をヒトに投与することを含む、ヒトにおけるウイルス感染の治療方法。
【請求項6】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
医学的治療で使用するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)または(II)の化合物。
【請求項8】
ウイルス感染の治療または予防用の医薬の製造における請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)または(II)の化合物の使用。
【請求項9】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
医薬的に許容される担体と一緒に請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項11】
タブレットまたはカプセルの形態にある請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
液体または懸濁液の形態にある請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物と別の治療用医薬とを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおけるウイルス感染の治療方法。
【請求項14】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
組成物が、(1−α,2−β,3−α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(−)BHCG、SQ−34514、ロブカビル]、9−[(2R,3R,4S)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン−G)、TMC−114、BMS−232632、非環式ヌクレオシド[例えばアシクロビル、バラシクロビル、ファミシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル]、非環式ヌクレオシドホスホネート[例えば(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)−2,2−ジメチルプロパン酸(ビス−POM PMEA、アデフォビル・ジピボキシル)、[[(1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)−[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス−(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス−POC−PMPA)]、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬(例えば2−アセチルピリジン5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシ尿素)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2’,3’−ジデオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2’,3’−ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(−)−β−D−2,6−ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシチミジン−5’−H−ホスホホネート(ホスホノビル[phosphonovir])、2’−デオキシ−5−ヨードウリジン(イドックスウリジン[idoxuridine])、例えば(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン5−イル)−シトシン(ラミブジン)、またはシス−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FTC)、3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン、5−クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、(−)−シス−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(アバカビル)、9−[4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イル]−グアニン(H2G)、ABT−606(2HM−H2G)およびリバビリン)、プロテアーゼ阻害剤(例えばインジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、サクイナビル、(R)−N−t−ブチル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−N−[(R)−2−N−(イソキノリン−5−イルオキシアセチル)アミノ−3−メチルチオプロパノイル]アミノ−4−フェニルブタノイル]−5,5−ジメチル−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド(KNI−272)、4R−(4α,5α,6β)]−1,3−ビス[(3−アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ−5,6−ジヒドロキシ−4,7−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−ジアゼピン−2−オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3−[1−[3−[2−(5−トリフルオロメチルピリジニル)−スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]−4−ヒドロキシ−6α−フェネチル−6β−プロピル−5,6−ジヒドロ−2−ピラノン(チプラナビル)、N’−[2(S)−ヒドロキシ−3(S)−[N−(メトキシカルボニル)−l−t−ロイシルアミノ]−4−フェニルブチル−Nα−(メトキシカルボニル)−N’−[4−(2−ピリジル)ベンジル]−L−t−ロイシルヒドラジド(BMS−232632)、3−(2(S)−ヒドロキシ−3(S)−(3−ヒドロキシ−2−メチルベンズアミド)−4−フェニルブタノイル)−5,5−ジメチル−N−(2−メチルベンジル)チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド(AG−1776)、N−(2(R)−ヒドロキシ−1(S)−インダニル)−2(R)−フェニルメチル−4(S)−ヒドロキシ−5−(1−(1−(4−ベンゾ[b]フラニルメチル)−2(S)−N’−(t−ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK−944A)、およびGW433908)、α−インターフェロンなどのインターフェロン、プロベネシドなどの腎排泄阻害剤、ジピリダモールなどのヌクレオシド輸送阻害剤;ペントキシフィリン、N−アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン(Procysteine)、α−トリコサンチン、ホスホノギ酸、ならびにインターロイキンIIやチモシンなどの免疫モジュレーター、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CDとその遺伝子組み換え誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)[例えば、TMC−120、TMC−125、ナビラピン(BI−RG−587)、α−((2−アセチル−5−メチルフェニル)アミノ)−2,6−ジクロロベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1−[3−(イソプロピルアミノ)−2−ピリジル]−4−[5−(メタンスルホンアミド)−1H−インドール−2−イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)−12−ヒドロキシ−6,6,10,11−テトラメチル−4−プロピル−11,12−ジヒドロ−2H,6H,10H−ベンゾ(1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’)トリピラン−2−オン((+)カラノリドA)、(4S)−6−クロロ−4−[1E)−シクロプロピルエテニル)−3,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2(1H)−キナゾリノン(DPC−083)、1−(エトキシメチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(MKC−442)、5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルバメート(カプラビリン)]、グリコプロテイン120アンタゴニスト[例えばPRO−2000、PRO−542および1,4−ビス[3−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]−2−オキソ−5,8−ジナトリウムスルファニル]ナフタリル−2,5−ジメトキシフェニル−1,4−ジヒドラゾン(FP−21399)]、サイトカインアンタゴニスト[例えばレチクロース(Product−R)、1,1’−アゾビス−ホルムアミド(ADA)、および1,11−(1,4−フェニレンビス(メチレン))ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD−3100)]、ならびに融合阻害剤、例えばT−20およびT−124からなる群から選択される少なくとも1種の追加の治療用医薬を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
治療用医薬が、(1−α,2−β,3−α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(−)BHCG、SQ−34514、ロブカビル]、9−[(2R,3R,4S)−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン−G)、非環式ヌクレオシド[例えばアシクロビル、バラシクロビル、ファミシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル]、非環式ヌクレオシドホスホネート[例えば(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)−2,2−ジメチルプロパン酸(ビス−POM PMEA、アデフォビル・ジピボキシル)、[[(1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)−[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス−(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス−POC−PMPA)]、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば2−アセチルピリジン5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシ尿素)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2’,3’−ジデオキシアデノシン、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2’,3’−ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(−)−β−D−2,6−ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシチミジン−5’−H−ホスホホネート(ホスホノビル[phosphonovir])、2’−デオキシ−5−ヨードウリジン(イドックスウリジン[idoxuridine])、例えば(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン5−イル)−シトシン(ラミブジン)、またはシス−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FTC)、3’−デオキシ−3’−フルオロチミジン、5−クロロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−フルオロウリジン、(−)−シス−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(アバカビル)、9−[4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イル]−グアニン(H2G)、ABT−606(2HM−H2G)およびリバビリン)、プロテアーゼ阻害剤(例えばインジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、サクイナビル、(R)−N−t−ブチル−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−N−[(R)−2−N−(イソキノリン−5−イルオキシアセチル)アミノ−3−メチルチオプロパノイル]アミノ−4−フェニルブタノイル]−5,5−ジメチル−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド(KNI−272)、4R−(4α,5α,6β)]−1,3−ビス[(3−アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ−5,6−ジヒドロキシ−4,7−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−ジアゼピン−2−オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3−[1−[3−[2−(5−トリフルオロメチルピリジニル)−スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]−4−ヒドロキシ−6α−フェネチル−6β−プロピル−5,6−ジヒドロ−2−ピラノン(チプラナビル)、N’−[2(S)−ヒドロキシ−3(S)−[N−(メトキシカルボニル)−l−t−ロイシルアミノ]−4−フェニルブチル−Nα−(メトキシカルボニル)−N’−[4−(2−ピリジル)ベンジル]−L−t−ロイシルヒドラジド(BMS−232632)、3−(2(S)−ヒドロキシ−3(S)−(3−ヒドロキシ−2−メチルベンズアミド)−4−フェニルブタノイル)−5,5−ジメチル−N−(2−メチルベンジル)チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド(AG−1776)、N−(2(R)−ヒドロキシ−1(S)−インダニル)−2(R)−フェニルメチル−4(S)−ヒドロキシ−5−(1−(1−(4−ベンゾ[b]フラニルメチル)−2(S)−N’−(t−ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK−944A)、およびGW433908)、α−インターフェロンなどのインターフェロン、プロベネシドなどの腎排泄阻害剤、ジピリダモールなどのヌクレオシド輸送阻害剤;ペントキシフィリン、N−アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン(Procysteine)、α−トリコサンチン、ホスホノギ酸、ならびにインターロイキンIIやチモシンなどの免疫モジュレーター、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CDとその遺伝子組み換え誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)[例えばナビラピン(BI−RG−587)、α−((2−アセチル−5−メチルフェニル)アミノ)−2,6−ジクロロベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1−[3−(イソプロピルアミノ)−2−ピリジル]−4−[5−(メタンスルホンアミド)−1H−インドール−2−イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)−12−ヒドロキシ−6,6,10,11−テトラメチル−4−プロピル−11,12−ジヒドロ−2H,6H,10H−ベンゾ(1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’)トリピラン−2−オン((+)カラノリドA)、(4S)−6−クロロ−4−[1E)−シクロプロピルエテニル)−3,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2(1H)−キナゾリノン(DPC−083)、1−(エトキシメチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(MKC−442)、5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルバメート(カプラビリン)]、グリコプロテイン120アンタゴニスト[例えばPRO−2000、PRO−542および1,4−ビス[3−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]−2−オキソ−5,8−ジナトリウムスルファニル]ナフタリル−2,5−ジメトキシフェニル−1,4−ジヒドラゾン(FP−21399)]、サイトカインアンタゴニスト[例えばレチクロース(Product−R)、1,1’−アゾビス−ホルムアミド(ADA)、および1,11−(1,4−フェニレンビス(メチレン))ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD−3100)]、ならびに融合阻害剤(例えばT−20およびT−1249)からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2008−533017(P2008−533017A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500842(P2008−500842)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/008102
【国際公開番号】WO2006/104646
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】