説明

HSP90の阻害剤であるピロロインドールの新規誘導体、これらを含有する組成物、およびこれらの使用

本発明は医薬としての式(I)


の新規生成物に関するものであり、式中、Hetは、1から4個のヘテロ原子N、OまたはSを含有し、任意に、同一であっても異なっていてもよいR1またはR’1で置換される、芳香族または部分的不飽和単環式または二環式複素環であり;RはX−(A−B)−CONH、X−(A−B)−O−CONH、X−(A−B)−NH−CONH、X−(CH−ヘテロシクロアルキル、X−(CH−アリールおよびX−(CH−ヘテロアリールであり、Xは−O−C(O)、−NH−C(O)、NH−CS、−NH−CO−CH−O−;−NH−CO−CH−S−CH−CO−NH−;−NH−CO−(CH−SO−;および−NH−CO−CH−N(CH)−CO−であり;AおよびBは同一であっても異なっていてもよく、各々、単結合、CH、CH−アルキルおよびCH−アラルキルであり、n=1、2並びにm=0、1であり;R1および/またはR’1は、H、ハロゲン、CF、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、および遊離であるか、またはアルキルによってエステル化されたカルボキシル、カルボキサミド、CO−NH(アルキル)、CON(アルキル)、NH−CO−アルキル、スルホンアミド、NH−SO−アルキル、S(O)−NHアルキルおよびS(O)−N(アルキル)基であり、前記アルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基のすべてはこれ自体任意に置換され、前記生成物はすべての異性体形態であり、および塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロロ[1,2−a]インドールの複素環誘導体である新規化合物、これらを含有する組成物、およびこれらの医薬としての使用に関する。
【0002】
より具体的には、第1態様によると、本発明は抗癌活性、特に、Hsp90シャペロンタンパク質阻害活性、より具体的には、Hsp90シャペロンタンパク質のATPase型触媒活性の阻害によるものを表す、ピロロ[1,2−a]インドールの新規複素環誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
シャペロンタンパク質:
これらの分子量に従って分類される(Hsp27、Hsp70、Hsp90など)「熱ショックタンパク質(HSP)」ファミリーの分子シャペロンは、正しいタンパク質折りたたみの原因である細胞タンパク質の合成と分解との平衡における鍵要素である。これらは細胞ストレスに応答して重要な役割を果たす。HSP、特に、Hsp90は、細胞分化およびアポトーシスに関与する様々なクライアントタンパク質とのこれらの会合により、細胞の非常に重要な様々な機能の調節にも関与する(Jolly C.and Morimoto R.I.,J.N.Cancer Inst.(2000),92,1564−72;Smith D.F.et al.,Pharmacological Rev.(1998),50,493−513;Smith D.F.,Molecular Chaperones in the Cell,165−178,Oxford University Press 2001)。
【0004】
癌治療におけるHsp90シャペロンおよびHsp90阻害剤:
細胞のタンパク質含量の1から2%を示すHsp90シャペロンは、近年、抗癌療法において特に見込みのある標的として示されている(評価には以下を参照:Moloney A.and Workman P.,Expert Opin.Biol.Ther.(2002),2(1),3−24;Chiosis et al,Drug Discovery Today(2004),9,881−888)。この関心は、特に、Hsp90とHsp90の主要クライアントタンパク質との細胞質相互作用に関し、これらのタンパク質はHanahan D.およびWeinberg R.A.(Cell(2002),100,57−70)によって定義される腫瘍進行の6つの機構、即ち:
成長因子の不在下で増殖する能力:EGFR−R/HER2、Src、Akt、Raf、MEK、Bcr−Abl、Flt−3など、
アポトーシスを回避する能力:p53、Akt、スルビビンなどの突然変異形態、
増殖を停止させる信号に対する非感受性:Cdk4、Plk、Wee1など、
血管形成を活性化する能力:VEGF−R、FAK、HIF−1、Aktなど、
複製制限なしに増殖する能力:hTertなど、
新組織に侵入して転移する能力:c−Met、
に関与する。
【0005】
Hsp90の他のクライアントタンパク質のうち、エストロゲン受容体またはアンドロゲン受容体のようなステロイドホルモン受容体も抗癌治療の脈絡において相当興味深いものである。
【0006】
Hsp90のα形態は、これ自体腫瘍浸潤に関与するMMP−2メタロプロテアーゼとのこの相互作用により、細胞外の役割も有することが近年示されている(Eustace B.K.et al,Nature Cell Biology(2004),6,507−514)。
【0007】
Hsp90は高荷電領域によって分離される2つのN−およびC−末端ドメインで構成される。ヌクレオチドおよびコシャペロンの結合によって配位されるこれら2つのドメイン間の動的相互作用は、シャペロンの立体配座およびこの活性化の状態を決定する。クライアントタンパク質の会合は、主として、コシャペロンHsp70//Hsp40、Hop60などの性質およびHsp90のN−末端ドメインに結合するADPまたはATPヌクレオチドの性質に依存する。従って、ATPのADPへの加水分解およびADP/ATP交換因子がシャペロン「機構」のすべてを制御し、クライアントタンパク質を細胞質内に放出する(これらのクライアントタンパク質はプロテアソームによって分解される。)ため、ATPのADPへの加水分解、Hsp90のATPase活性、を妨げることで十分であることが示されている(Neckers L and Neckers K,Expert Opin.Emerging Drugs(2002),7,277−288;Neckers L,Current Medicinal Chemistry,(2003),10,733−739;Piper P.W.,Current Opin.Invest.New Drugs(2001),2,1606−1610)。
【0008】
癌以外の病理におけるHsp90およびこれらの阻害剤の役割:
様々なヒト病理が、アルツハイマー病およびハンチントン病またはプリン関連疾患におけるような、特に、特定のタンパク質の凝集の後に神経変性疾患を生じる、鍵タンパク質の不正確な折りたたみの結果である(Tytell M.and Hooper P.L.,Emerging Ther.Targets(2001),5,267−287)。これらの病理においては、ストレス経路(例えば、Hsp70)を活性化するためにHsp90を阻害することを目的とするアプローチが有益であり得る(Nature Reviews Neuroscience 6:11,2005)。幾つかの例を以下に挙げる:
i)ハンチントン病:この神経変性疾患はハンチントンタンパク質をコードする遺伝子のエクソン1内のCAGトリプレットの伸長によるものである。Hsp70およびHsp40シャペロンの過剰発現のため、ゲルダナマイシンがこのタンパク質の凝集を阻害することが示されている(Human Molecular Genetics 10:1307,2001)。
ii)パーキンソン病:この疾患はドーパミン作動性ニューロンの進行性の損失によるものであり、α−シヌクレインタンパク質の凝集によって特徴付けられる。ゲルダナマイシンがドーパミン作動性ニューロンに対するα−シヌクレインの毒性に対してショウジョウバエを保護できることが示されている。
iii)局所的脳虚血:ラット動物モデルにおいて、Hsp90阻害剤による熱ショックタンパク質をコードする遺伝子の転写の刺激の効果により、ゲルダナマイシンが脳虚血に対して脳を保護することが示されている。
iv)アルツハイマー病および多発性硬化症:これらの疾患は、部分的には、脳内での炎症反応促進性(pro−inflammatory)サイトカインおよびNOS(一酸化窒素シンターゼ)の誘導形態の発現によるものであり、この有害な発現はストレスに対する応答によって抑制される。特に、Hsp90阻害剤はこのストレスに対する応答を獲得することが可能であり、ゲルダナマイシンおよび17−AAGが脳グリア細胞(gliale cell)において抗炎症活性をを示すことがイン・ビトロで示されている(J.Neuroscience Res.67:461,2002)。
v)筋萎縮性側索硬化症:この神経変性疾患は運動ニューロンの進行性の損失によるものである。熱ショックタンパク質の誘導因子であるアリモクロモールが動物モデルにおいてこの疾患の進行を遅延させることが示されている(Nature Medicine 10:402,2004)。Hsp90阻害剤も熱ショックタンパク質の誘導因子であるとすると(Mol.Cell Biol.19:8033,1999;Mol.Cell Biol.18:4949,1998)、この病理においてこのタイプの阻害剤でも有益な効果を得ることができることがありそうである。
【0009】
さらに、Hsp90タンパク質の阻害剤は、Hsp90および特定のクライアントタンパク質に対する直接作用により、寄生性、ウイルス性もしくは真菌性疾患または神経変性疾患のような、上述の癌以外の様々な疾患において潜在的に役立ち得る。幾つかの例を以下に示す:
vi)マラリア:プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)のHsp90タンパク質はヒトHsp90タンパク質と59%同一性および69%類似性を示し、ゲルダナマイシンがイン・ビトロでこの寄生虫の成長を阻害することが示されている(Malaria Journal 2:30,2003;J.Biol.Chem.278:18336,2003;J.Biol.Chem.279:46692,2004)。
vii)ブルギア・フィラリア症(Brugia filariasis)およびバンクロフト・フィラリア症(Bancroft’s filariasis):これらのリンパ管フィラリア寄生虫はヒトタンパク質の阻害剤で潜在的に阻害することができるHsp90タンパク質を有する。実際、別の同様の寄生虫ブルギア・パハンギ(Brugia pahangi)について、後者がゲルダナマイシンでの阻害に感受性であることが示されている。B.パハンギおよびヒト配列は80%同一および87%類似である(Int.J.for Parasitology 35:627,2005)。
viii)トキソプラズマ症:トキソプラズマ症の原因であるトキソプラズマ・ゴンジイ(Toxoplasma gondii)は、慢性感染から活性トキソプラズマ症への経過に対応する、急増虫体−緩増虫体変換の最中に誘導が示されているHsp90シャペロンタンパク質を有する。さらに、ゲルダナマイシンはイン・ビトロでこの急増虫体−緩増虫体変換を遮断する(J.Mol.Biol.350:723,2005)。
ix)治療抵抗性真菌症:新規突然変異を発生させることにより、Hsp90タンパク質が薬物耐性の発展を促進することはあり得る。従って、Hsp90阻害剤が、単独で、または別の抗真菌処置との組み合わせで、特定の耐性株の処置において役立つことを立証することができる(Science 309:2185,2005)。さらに、Neu Tec Pharmaによって開発された抗−Hsp90抗体がイン・ビボで、フルコナゾールに対して感受性および耐性である、C.アルビカンス(C.albicans)、C.クルセイ(C.krusei)、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C.グラブラタ(C.glabrata)、C.ルシタニエ(C.lusitaniae)およびC.パラプシロシス(C.parapsilosis)に対する活性を示す(Current Molecular Medicine 5:403,2005)。
x)B型肝炎:Hsp90は、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素と、このウイルスの複製サイクルの間に相互作用する宿主タンパク質の1つである。ゲルダナマイシンがウイルスDNAの複製およびウイルスRNAのカプセル化を阻害することが示されている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:1060,1996)。
xi)C型肝炎:ヒトHsp90タンパク質は、ウイルスのプロテアーゼによるNS2とNS3タンパク質との開裂からなる工程に関与する。ゲルダナマイシンおよびラディシコールはイン・ビトロでこのNS2/3開裂を阻害することができる(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:13931,2001)。
xii)ヘルペスウイルス:ゲルダナマイシンは、良好な治療指数で、イン・ビトロでのHSV−1ウイルス複製に対する阻害活性を示している(Antimicrobial Agents and Chemotherapy 48:867,2004)。この著者らは、他のウイルスHSV−2、VSV、Cox B3、HIV−1およびSARSコロナウイルスに対するゲルダナマイシン活性も見出している(データは示されない。)。
xiii)テング熱(即ち、熱帯性流感(tropical flu):ヒトHsp90タンパク質が、ウイルスの受容体として役立つHsp70をも含有する複合体を形成することにより、ウイルス侵入抗体に関与することが示されている;抗−Hsp90抗体はイン・ビトロでこのウイルスの感染能力を低下させる(J.of Virology 79:4557,2005)
xiv)球脊髄性筋萎縮症(SBMA):アンドロゲン受容体遺伝子におけるCAGトリプレットの伸長を特徴とする遺伝性神経変性疾患。ゲルダナマイシン誘導体である17−AAGがこの疾患の実験モデルとして用いられるトランスジェニック動物に対してイン・ビボで活性を示すことが示されている(Nature Medicine 11:1088,2005)。
【0010】
Hsp90阻害剤:
最初に知られたHsp90阻害剤はアンサマイシンファミリーの化合物、特に、ゲルダナマイシン(1)およびヘルビマイシンAである。X線研究は、ゲルダナマイシンがHsp90のN−末端ドメインのATP部位に結合し、そこでシャペロンのATPase活性を阻害することを示している(Prodromou C.et al,Cell(1997),90,65−75)。
【0011】
現在、NIHおよびKosan BioSciencesが、ゲルダナマイシン(1)から誘導されるHsp90阻害剤であり、N−末端ATP認識部位に結合することによってHsp90のATPase活性を遮断する、17−AAG(2)の臨床開発を行っている。17−AAG(1)のフェーズI臨床試験の結果は既に開始されているフェーズII試験につながっているが、メトキシ残基の代わりにジメチルアミノ鎖を担持する類似体3(Kosan BioSciencesからの17−DMAG)のようなより可溶性である誘導体および17AAGの最適化配合物(Conforma TherapeuticsからのCNF1010)を目的とする研究にも向けられている:
【0012】
【化1】

【0013】
17−AAGの還元類似体(WO2005/063714/US2006/019941)もInfinity Pharmaceuticals社によって比較的最近からフェーズI臨床研究に処されている。新規ゲルダナマイシン誘導体またはアンサマイシン誘導体が近年記載されている(WO2006/016773/US6855705/US2005/026894/WO2006/050477/US2006/205705/WO2007/001049/WO2007/064926/WO2007/074347/WO2007/098229/WO2007/128827/WO2007/128829)。
【0014】
ラディシコール(4)も天然起源のHsp90阻害剤である(Roe S.M.et al,J.Med Chem.(1999),42,260−66)。しかしながら、後者がずば抜けて良いHsp90のイン・ビトロ阻害剤ではあるものの、含硫求核剤に関するこの代謝不安定性はイン・ビボで用いることを困難にする。KF55823(5)またはKF25706のようなより一層安定であるオキシム誘導体がKyowa Hakko Kogyo社によって開発されている(Soga et al,Cancer Research(1999),59,2931−2938)。
【0015】
【化2】

Conforma Therapeutics社によるゼアラレノン(6)(WO2003/041643)または化合物(7−9)のような、ラディシコールに関する天然起源の構造も近年記載されている。
【0016】
【化3】

【0017】
特許出願US2006/089495は、アンサマイシン誘導体のようなキノン環およびラディシコール類似体のようなレゾルシノール環を含む混合化合物をHsp90阻害剤として記載する。
【0018】
天然起源のHsp90阻害剤、ノボビオシン(10)はこのタンパク質のC−末端ドメイン内に位置する異なるATP部位に結合する(Itoh H.et al,Biochem J.(1999),343,697−703)。ノボビオシンの簡素化誘導体が、近年、ノボビオシンこれ自体よりも強力なHsp90の阻害剤として同定されている(J.Amer.Chem.Soc.(2005),127(37),12778−12779)。
【0019】
【化4】

【0020】
特許出願WO2006/050501およびUS2007/270452はノボビオシン類似体をHsp90阻害剤として主張する。
【0021】
特許出願WO2007/117466はセラストロールおよびゲズニンの誘導体をHsp90阻害剤として主張する。
【0022】
ピパラマイシンまたはICI101と呼ばれるデプシペプチドもHsp90のATP部位の非競合性阻害剤として記載されている(J.Pharmacol.Exp.Ther.(2004),310,1288−1295)。
【0023】
KHSSGCAFLノナペプチドであるシェルペルジン(sherperdine)はスルビビンのK79−K90配列(KHSSGCAFLSVK)の一部を模倣し、イン・ビトロでIAPファミリーのタンパク質のHsp90との相互作用を遮断する(WO2006/014744)。
【0024】
オトフェルリン型の配列(YSLPGYMVKKLLGA)を含む小ペプチドが、近年、Hsp90阻害剤として記載されている(WO2005/072766)。
【0025】
化合物PU3(11)(Chiosis et al,Chem.Biol.(2001),8,289−299)およびPU24FCl(12)(Chiosis et al,Curr.Canc.Drug Targets(2003),3,371−376;WO2002/036075)のようなプリンもHsp90阻害剤として記載されている:
【0026】
【化5】

【0027】
プリン誘導体CNF2024(13)が、近年、Sloan Kettering Memorial Institute for Cancer Researchとの協同で、Conforma therapeutics社によって臨床的に導入されている(WO2006/084030)。
【0028】
【化6】

【0029】
特許出願FR2880540(Aventis)はHsp90阻害性プリンの別のファミリーを主張する。
【0030】
特許出願WO2004/072080(Cellular Genomics)は8−ヘテロアリール−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジンの1ファミリーをhsp90活性の調節因子として主張する。
【0031】
特許出願WO2004/028434(Conforma Therapeutics)は、アミノプリン、アミノピロロピリミジン、アミノピラゾロピリミジンおよびアミノトリアゾロピリミジンをHsp90阻害剤として主張する。
【0032】
特許出願WO2004/050087(Ribotarget/Vernalis)は、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関する病理の治療に用いることができる、ピラゾールの1ファミリーを主張する。
【0033】
特許出願WO2004/056782(Vernalis)は、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関する病理の治療に用いることができる、ピラゾールの新規ファミリーを主張する。
【0034】
特許出願WO2004/07051(Vernalis)は、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関連する病理の治療に用いることができる、アリールイソオキサゾール誘導体を主張する。
【0035】
特許出願WO2004/096212(Vernalis)は、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関連する病理の治療に用いることができる、ピラゾールの第3ファミリーを主張する。
【0036】
特許出願WO2005/00300(Vernalis)は、より一般的には、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関連する病理の治療に用いることができる、アリール基で置換された5員複素環を主張する。
【0037】
特許出願JP2005/225787(Nippon Kayaku)はピラゾールの別のファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0038】
特許出願WO2005/00778(Kyowa Hakko Kogyo)はベンゾフェノン誘導体の1ファミリーを、腫瘍の治療に用いることができる、Hsp90阻害剤として主張する。
【0039】
特許出願WO2005/06322(Kyowa Hakko Kogyo)はレゾルシノール誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0040】
特許出願WO2005/051808(Kyowa Hakko Kogyo)はレゾルシニル安息香酸誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0041】
特許出願WO2005/021552、WO2005/0034950、WO2006/08503、WO2006/079789およびWO2006/090094(Vernalis)は、Hsp90シャペロンのような熱ショックタンパク質の阻害に関する病理の治療に用いることができる、ピリミドチオフェンまたはピリドチオフェンのファミリーを主張する。
【0042】
出願WO2006/018082(Merck)はピラゾールの別のファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0043】
出願WO2006/010595(Novartis)はインダゾールのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0044】
出願WO2006/010594(Novartis)はジヒドロベンゾイミダゾロンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0045】
特許出願WO2006/055760(Synta Pharma)はジアリールトリアゾールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0046】
特許出願WO2006/087077(Merck)は(s−トリアゾル−3−イル)フェノールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0047】
特許出願FR2882361(Aventis)は3−アリール−1,2−ベンゾイソオキサゾールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0048】
特許出願WO2006/091963(Serenex)はテトラヒドロインドロンおよびテトラヒドロインダゾロンのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0049】
特許出願DE10200509440(Merck)はチエノピリジンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0050】
特許出願WO2006/095783(Nippon Kayaku)はトリアゾールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0051】
特許出願WO2006/101052(Nippon Kayaku)はアセチレン誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0052】
特許出願WO2006/105372(Conforma Therapeutics)はアルキニルピロロ[2,3−d]ピリミジンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0053】
特許出願FR2884252(Aventis)はイソインドールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0054】
特許出願WO2006/1009075(Astex Therapeutics)はベンズアミドの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0055】
特許出願WO2006/109085(Astex Therapeutics)はヒドロキシベンズアミドの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0056】
特許出願WO2006/113498(Chiron)は2−アミノキナゾリン−5−オンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0057】
特許出願JP200606755(Nippon Kayaku)はピラゾールの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0058】
特許出願WO2006/117669(Pfizer)はヒドロキシアリールカルボキサミドの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0059】
特許出願WO2006/122631およびDE102006008890(Merck GmbH)はアミノ−2−フェニル−4−キナゾリンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0060】
特許出願WO2006/123061(Aventis)はアザベンゾイミダゾリルフルオレンまたはベンゾイミダゾリルフルオレン誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0061】
特許出願WO2006/123065(Astex Therapeutics)はアジナミン(azinamines)(アミノ−2−ピリミジンまたはトリアジン)の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0062】
特許出願WO2006/125531(Merck GmbH)はチエノ[2,3b]ピリジンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0063】
特許出願WO2006/125813およびWO2006/125815(Altana Pharma)はテトラヒドロピリドチオフェンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0064】
特許出願WO2007/017069(Merck GmbH)はアデニン誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0065】
特許出願WO2007/021877およびWO2007/01966(Synta Pharma)は、それぞれ、アリールピラゾールおよびアリールイミダゾールのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0066】
特許出願WO2007/022042(Novartis)はピリミジルアミノベンズアミドの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0067】
特許出願WO2007/034185(Vernalis)はヘテロアリールプリンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0068】
特許出願WO2007/041362(Novartis)は2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0069】
特許出願WO2007/104944(Vernalis)はピロロ[2,3b]ピリジンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0070】
特許出願US2007/105862はアゾール誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0071】
特許出願WO2007/129062(Astex Therapeutics)はジアゾール(アリールピラゾール)の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0072】
特許出願US2007/129334(Conforma Therapeutics)はアリールチオプリンの1ファミリーを経口的に活性であるHsp90阻害剤として主張する。
【0073】
特許出願WO2007/155809(Synta Pharma)はフェニルトリアゾールのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0074】
特許出願WO2007/092496(Conforma Therapeutics)は7,9−ジヒドロプリン−8−オンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0075】
特許出願WO2007/207984(Serenex)はシクロヘキシルアミノベンゼン誘導体の1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0076】
特許出願DE10206023336およびDE10206023337(Merck GmbH)は、それぞれ、1,5−ジフェニルピラゾールおよび1,5−ジフェニルトリアゾールのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0077】
特許出願WO2007/134298(Myriad Genetics)はプリンアミンの1ファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0078】
特許出願WO2007/138994(Chugai)は2−アミノピリミジンまたは2−アミノトリアジンのファミリーをHsp90阻害剤として主張する。
【0079】
特許出願WO2007/139951、WO2007/139952、WO2007/139960、WO2007/139967、WO2007/139968、WO2007/139955およびWO2007/140002(Synta Pharma)はトリアゾールのファミリーをHsp90阻害剤および非ホジキン型リンパ腫を治療するための薬剤として主張する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】国際公開第2005/063714号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/019941号明細書
【特許文献3】国際公開第2006/016773号
【特許文献4】米国特許第6855705号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/026894号明細書
【特許文献6】国際公開第2006/050477号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/205705号明細書
【特許文献8】国際公開第2007/001049号
【特許文献9】国際公開第2007/064926号
【特許文献10】国際公開第2007/074347号
【特許文献11】国際公開第2007/098229号
【特許文献12】国際公開第2007/128827号
【特許文献13】国際公開第2007/128829号
【特許文献14】国際公開第2003/041643号
【特許文献15】米国特許出願公開第2006/089495号明細書
【特許文献16】国際公開第2006/050501号
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/270452号明細書
【特許文献18】国際公開第2007/117466号
【特許文献19】国際公開第2006/014744号
【特許文献20】国際公開第2005/072766号
【特許文献21】国際公開第2002/036075号
【特許文献22】国際公開第2006/084030号
【特許文献23】仏国特許第2880540号明細書
【特許文献24】国際公開第2004/072080号
【特許文献25】国際公開第2004/028434号
【特許文献26】国際公開第2004/050087号
【特許文献27】国際公開第2004/056782号
【特許文献28】国際公開第2004/07051号
【特許文献29】国際公開第2004/096212号
【特許文献30】国際公開第2005/00300号
【特許文献31】特許第2005/225787号明細書
【特許文献32】国際公開第2005/00778号
【特許文献33】国際公開第2005/06322号
【特許文献34】国際公開第2005/051808号
【特許文献35】国際公開第2005/021552号
【特許文献36】国際公開第2005/0034950号
【特許文献37】国際公開第2006/08503号
【特許文献38】国際公開第2006/079789号
【特許文献39】国際公開第2006/090094号
【特許文献40】国際公開第2006/018082号
【特許文献41】国際公開第2006/010595号
【特許文献42】国際公開第2006/010594号
【特許文献43】国際公開第2006/055760号
【特許文献44】国際公開第2006/087077号
【特許文献45】仏国特許第2882361号明細書
【特許文献46】国際公開第2006/091963号
【特許文献47】独国特許第10200509440号明細書
【特許文献48】国際公開第2006/095783号
【特許文献49】国際公開第2006/101052号
【特許文献50】国際公開第2006/105372号
【特許文献51】仏国特許第2884252号明細書
【特許文献52】国際公開第2006/1009075号
【特許文献53】国際公開第2006/109085号
【特許文献54】国際公開第2006/113498号
【特許文献55】特許第200606755号明細書
【特許文献56】国際公開第2006/117669号
【特許文献57】国際公開第2006/122631号
【特許文献58】独国特許第102006008890号明細書
【特許文献59】国際公開第2006/123061号
【特許文献60】国際公開第2006/123065号
【特許文献61】国際公開第2006/125531号
【特許文献62】国際公開第2006/125813号
【特許文献63】国際公開第2006/125815号
【特許文献64】国際公開第2007/017069号
【特許文献65】国際公開第2007/021877号
【特許文献66】国際公開第2007/01966号
【特許文献67】国際公開第2007/022042号
【特許文献68】国際公開第2007/034185号
【特許文献69】国際公開第2007/041362号
【特許文献70】国際公開第2007/104944号
【特許文献71】米国特許出願公開第2007/105862号明細書
【特許文献72】国際公開第2007/129062号
【特許文献73】米国特許出願公開第2007/129334号明細書
【特許文献74】国際公開第2007/155809号
【特許文献75】国際公開第2007/092496号
【特許文献76】国際公開第2007/207984号
【特許文献77】独国特許第10206023336号明細書
【特許文献78】独国特許第10206023337号明細書
【特許文献79】国際公開第2007/134298号
【特許文献80】国際公開第2007/138994号
【特許文献81】国際公開第2007/139951号
【特許文献82】国際公開第2007/139952号
【特許文献83】国際公開第2007/139960号
【特許文献84】国際公開第2007/139967号
【特許文献85】国際公開第2007/139968号
【特許文献86】国際公開第2007/139955号
【特許文献87】国際公開第2007/140002号
【非特許文献】
【0081】
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【非特許文献12】Nature Reviews Neuroscience 6:11,2005
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【非特許文献16】Mol.Cell Biol.19:8033,1999
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【非特許文献37】Chiosis et al,Curr.Canc.Drug Targets(2003),3,371−376
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0082】
本発明は式(I)の生成物であるピロロ[1,2−a]インドール誘導体に関し、
【0083】
【化7】

式中:
Hetは、N、OまたはSから選択される1から4個のヘテロ原子を含有する5から11環メンバーを有し、任意に、以下で説明されるような同一であっても異なっていてもよい1以上の基R1またはR’1で置換される、ジヒドロまたはテトラヒドロ型の、単環式または二環式、芳香族または部分的不飽和複素環を表し、
RはX−(A−B)−CONH、X−(A−B)−O−CONH、X−(A−B)−NH−CONH、X−(CH−ヘテロシクロアルキル、X−(CH−アリールおよびX−(CH−ヘテロアリールからなる群より選択され、Xは−O−C(O)、−NH−C(O)、NH−CS、−NH−CO−CH−O−;−NH−CO−CH−S−CH−CO−NH−;−NH−CO−(CH−SO−;−NH−CO−CH−N(CH)−CO−を表し;同一であっても異なっていてもよいAおよびBは、独立に、単結合、CH、CH−アルキルまたはCH−アラルキルを表し、n=1または2であり、並びにm=0または1であり;
同一であっても異なっていてもよいR1および/またはR’1は、H、ハロゲン、CF、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、フェニルアルコキシ、アルキルチオ、遊離形態にあるか、またはアルキル基でエステル化されたカルボキシル、カルボキサミド、CO−NH(アルキル)、CON(アルキル)、NH−CO−アルキル、スルホンアミド、NH−SO−アルキル、S(O)−NHアルキルおよびS(O)−N(アルキル)で構成される群内にあり、すべてのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基はハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1以上の基でこれ自体任意に置換され;
前記式(I)の生成物は、すべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸もしくは無機および有機塩基の付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【発明を実施するための形態】
【0084】
式(I)の生成物において、および以下の文書において、指示される用語は以下の意味を有する:
「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素または臭素を示す。
【0085】
「アルキル基」という用語は多くとも12個の炭素原子を含有し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、tert−ヘキシル並びに、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシル基並びに、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体から選択される、直鎖または分岐鎖基を示す。より具体的には、多くとも6個の炭素原子を有するアルキル基、特に、以下の基を挙げることができる:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、直鎖であっても分岐鎖であってもよいペンチル、直鎖であっても分岐鎖であってもよいヘキシル。
【0086】
「アルコキシ基」という用語は、多くとも12個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖基であって、例えば、以下の基から選択されるものを示す:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、直鎖、第2または第3ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシおよび、その上、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体。
【0087】
「アルキルチオ」または「アルキル−S−」という用語は多くとも12個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖基を示し、特に、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオおよびヘプチルチオ基を表す。イオウ原子を含有する基において、イオウ原子はSOまたはS(O)基に酸化されていてもよい。
【0088】
「カルボキサミド」という用語はCONHを示す。
【0089】
「スルホンアミド」という用語はSONHを示す。
【0090】
「アシルまたはr−CO−基」という用語は、基rが水素原子またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルもしくはアリール基を表し、これらの基は上述の値を有し、および,任意に、指示されるように置換される、多くとも12個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖基を示す:例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルまたはベンゾイル基、さもなければバレリル、ヘキサノイル、アクリロイル、クロトノイルまたはカルバモイル基を挙げることができる。
【0091】
「シクロアルキル基」という用語は3から10の環メンバーを含有する単環式または二環式炭素環式基を示し、特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を示す。
【0092】
「シクロアルキルアルキル基」という用語はシクロアルキルおよびアルキルが上述の値から選択される基を示す:従って、この基は、例えば、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘプチルメチル基を示す。
【0093】
「アシルオキシ基」という用語は、アシルが上述の意味を有する、アシル−O−基を意味しようとするものである:例えば、アセトキシまたはプロピオニルオキシ基が挙げられる。
【0094】
「アシルアミノ基」という用語は、アシルが上述の意味を有する、アシル−N−基を意味しようとするものである。
【0095】
「アリール基」という用語は、単環式であるか、または縮合環からなる、炭素環式不飽和基を示す。このようなアリール基の例として、フェニルまたはナフチル基を挙げることができる。
【0096】
「アリールアルキル」という用語は、任意に置換される、上述のアルキル基および、任意に置換される、これも上述のアリール基の組み合わせから生じる基を意味しようとするものである:例えば、ベンジル、フェニルエチル、2−フェネチル、トリフェニルメチルまたはナフタレンメチル基を挙げることができる。
【0097】
「複素環基」は、酸素、窒素またはイオウ原子から選択される、同一であっても異なっていてもよい1個以上のヘテロ原子が割り込む4から10の環メンバーからなる、飽和(ヘテロシクロアルキル)または部分的もしくは完全不飽和(ヘテロアリール)炭素環式基を示す。
【0098】
ヘテロシクロアルキル基として、特に、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、チオオキソラン(thiooxolane)、チオオキサン(thiooxane)、オキシラニル、オキソラニル、ジオキソラニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジン−2,4−ジオン、ピラゾリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフリル、ヘキサヒドロピラン、テトラヒドロチエニル、クロマニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ペルヒドロピラニル、ピリンドリニル(pyrindolinyl)、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルまたはチオアゾリジニル基を挙げることができ、これらすべての基は任意に置換される。
【0099】
ヘテロシクロアルキル基のうち、特に、任意に置換されるピペラジニル、N−メチルピペラジニル、任意に置換されるピペリジル、任意に置換されるピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピランまたはチアゾリジニル基を挙げることができる。
【0100】
「ヘテロシクロアルキルアルキル基」という用語はヘテロシクロアルキルおよびアルキル残基が上の意味を有する基を意味しようとするものである。
【0101】
5つの環メンバーを有するヘテロアリール基のうち、フリル、ピロリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニルおよびトリアゾリル基を挙げることができる。
【0102】
6つの環メンバーを有するヘテロアリール基のうち、特に、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルのようなピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基並びにピラジニル基を挙げることができる。
【0103】
イオウ、窒素および酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する縮合ヘテロアリール基として、例えば、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾピロリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾピリミジニル、イミダゾピラジニル、プリニル、ピロロピリミジニル、ピロロピリジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、チオナフチル、クロメニル、インドリジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリルおよびナフチリジニルを挙げることができる。
【0104】
「アルキルアミノ基」という用語はアルキル基が上述のアルキル基から選択される基を意味しようとするものである。多くとも4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましく、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノまたは直鎖もしくは分岐鎖ブチルアミノ基を挙げることができる。
【0105】
「ジアルキルアミノ基」という用語は、同一であっても異なっていてもよいアルキル基が上述のアルキル基から選択される基を意味しようとするものである。上述のように、多くとも4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましく、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基または、直鎖であっても分岐鎖であってもよい、メチルエチルアミノ基を挙げることができる。
【0106】
「患者」という用語はヒトを示すが、他の哺乳動物をも示す。
【0107】
「プロドラッグ」という用語はイン・ビボで代謝機構(例えば、加水分解)によって式(I)の生成物に変換することができる生成物を示す。例えば、ヒドロキシル基を含有する式(I)の生成物のエステルは、イン・ビボで、加水分解によってこの親分子に変換することができる。その代わりに、カルボキシル基を含有する式(I)の生成物のエステルを、イン・ビボで、加水分解によってこの親分子に変換することもできる。
【0108】
例として、アセテート、シトレート、ラクテート、タートレート、マロネート、オキサレート、サリチレート、プロピオネート、スクシネート、フマレート、マレエート、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエート、ゲンチセート、イセチオネート、ジ−p−トルオイルタートレート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、カンファースルホネート、シクロヘキシルスルファメートおよびキネートのような、ヒドロキシル基を含有する式(I)の生成物のエステルを挙げることができる。
【0109】
ヒドロキシル基を含有する式(I)の生成物の特に有用なエステルは、Bundgaard et.al.,J.Med.Chem.,1989,32,page 2503−2507によって記述されるもののような酸残基から調製することができる:これらのエステルには、特に、置換(アミノメチル)ベンゾエート、2つのアルキル基が一緒に結合していてもよく、または酸素原子もしくは、任意に、置換窒素原子、即ち、アルキル化窒素原子が割り込んでいてもよい、ジアルキルアミノメチルベンゾエート、さもなければ(モルホリノメチル)ベンゾエート、例えば、3−もしくは4−(モルホリノメチル)ベンゾエートおよび(4−アルキルピペラジン−1−イル)ベンゾエート、例えば、3−もしくは4−(4−アルキルピペラジン−1−イル)ベンゾエートが含まれる。
【0110】
式(I)の生成物のカルボキシル基は塩化またはエステル化することができる。
【0111】
立体異性体は,この広い意味で、特に、置換基がアキシャルまたはエクアトリアル位にあり得る一置換シクロヘキサンおよびエタン誘導体の様々な可能な回転立体配座におけるような、同じ構造式を有してはいるがこの様々な基が空間内で異なるように配置される化合物の異性と定義できることを思い起こしてもよい。しかしながら、二重結合または環のいずれかに結合した置換基の異なる空間配置のため、別のタイプの立体異性が存在し、これらはしばしば幾何異性またはシス−トランス異性と呼ばれる。「立体異性体」という用語は本出願においてはこの最も広い意味で用いられ、従って、上に示されるすべての化合物に関する。
【0112】
従って、本発明は、特に、上で定義される式(I)の生成物であって、Hetが、特に少なくとも1個の窒素原子を含有し、および、任意に、同一であっても異なっていてもよい上で定義される1以上の基R1またはR’1で置換される、上で定義される複素環を表し、並びにRが上または以下で指示される定義のいずれか1つを有する生成物に関し、
前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【0113】
従って、本発明は、特に、上で定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下から構成される群より選択され:
【0114】
【化8】

同一であっても異なっていてもよいR1および/またはR’1は、H、ハロゲン、CF、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ(メチルチオ)、遊離形態にあるか、またはアルキル基でエステル化されたカルボキシル、カルボキサミド、CO−NH(アルキル)、CON(アルキル)、NH−CO−アルキル、スルホンアミド、NH−SO−アルキル、S(O)−NH(アルキル)およびS(O)−N(アルキル)で構成される群のうちにあり、すべてのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基はこれら自体、任意に、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1以上の基で置換される、生成物に関し、
前記式(I)の生成物の置換基Rは上または以下で定義される値から選択され、
前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【0115】
従って、本発明は、特に、上で定義される式(I)の生成物であって、Hetが、上で定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基R1またはR’1で任意に置換される、上で定義される複素環を表し、並びにRが、特に、上または以下で定義されるX−(CH−ヘテロアリール基を表し、式中、Xは、特に、−NH−CO−を表し、mは、特に、0を表す生成物に関し、前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【0116】
従って、本発明は、特に、上で定義される式(I)の生成物であって、Hetが、上で定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基R1またはR’1で任意に置換される、上で定義される複素環を表し、並びにRが以下で構成される群:
【0117】
【化9】

から選択される生成物に関し、前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【0118】
従って、本発明は、特に、上または以下で定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群のうちで選択され:
【0119】
【化10】

Rが以下で構成される群より選択され:
【0120】
【化11】

R1がH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHおよびSON(Me)で構成される群より選択され;
R’1がH、CONH、CONHMeおよびOMeで構成される群のうちにあり;
R”1がF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeおよびO−(CH−N(Me)で構成される群のうちにある、生成物に関し、
前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【0121】
従って、本発明は、特に、上または以下で定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群より選択され:
【0122】
【化12】

Rが以下で構成される群より選択され:
【0123】
【化13】

R1がH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHおよびSON(Me)で構成される群のうちにあり;
R’1がH、CONH、CONHMeおよびOMeで構成される群のうちにあり;
R”1がF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeおよびO−(CH−N(Me)で構成される群のうちにある、生成物に関し、
前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【0124】
本発明の一主題は、特に、上で定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群より選択され:
【0125】
【化14】

ここで:
R1はH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHまたはSON(Me)を表し;
R’1はH、CONH、CONHMeまたはOMeを表し;
R”1はF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeまたはO−(CH−N(Me)を表し;
およびRが以下で構成される群:
【0126】
【化15】

より選択される生成物並びに、そのプロドラッグであり、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:互変異性、ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【0127】
本発明の一主題は、より具体的には、この名称が以下に示される、上で定義される式(I)の生成物:
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ−[1,2−a]インドル−9−イル)アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]−ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
および、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0128】
本発明による式(I)の生成物は当業者に公知の方法、特に、以下に記載される方法に従って調製することができる:従って、本発明の一主題は本発明による式(I)の生成物を合成するための方法、特に、以下のスキームに記載される合成の一般法でもある。
【0129】
一般式(I)の化合物の合成の一般法:
一般式(I)の生成物は、一般式(II)の誘導体から、一般式(III)の誘導体を用いることにより(方法A)、または一般式(IV)の誘導体を用いることにより(方法B)、下記一般スキーム(1)に従って調製することができる:
【0130】
【化16】

従って、本発明の一主題は、特に、上記スキーム(1)を特徴とする、上で定義される式(I)の生成物の調製方法であり、このスキーム(1)によると、一般式(I)の生成物を一般式(II)の誘導体から、一般式(III)の誘導体を用いることによって(方法A)、または一般式(IV)の誘導体を用いることによって(方法B)調製することができ、並びにスキーム(1)において、置換基HetおよびRは式(I)の生成物について上に示される意味を有し、zはスキーム(1)において上に示される意味を有する。
【0131】
本発明の一主題は、以下のスキーム2から12に従い、式(I)の生成物および式(I)の生成物を得るための中間体を調製するための方法でもある。
【0132】
一般式(II)の化合物の調製
従って、本発明の一主題は、Zが臭素、トリフレート基、任意に環状である、ボロン酸もしくはボロネート、カルボキシル基、メチルカルボキシレート基、ヒドロキシル基またはベンジルオキシ基を表す、式(II)の生成物の合成方法でもある。
【0133】
Zがヨウ素原子を表す一般式(II)の生成物はJ.Med.Chem.2004,47(6),1448に従って得ることができる。
【0134】
Zが臭素原子を表す一般式(II)の生成物は、J.Med.Chem.2004,47(6),1448に記載される上記方法においてヨウ素原子を臭素原子で置き換えることによって得ることができる。
【0135】
Zがベンジルオキシ基を表す一般式(II)の生成物は、当業者に公知の一般法に従って、特に、J.Org.Chem.1967,32(2),486に記載されるものを適用することによって得ることができる。
【0136】
Zがヒドロキシル基を表す一般式(II)の生成物は、Zがベンジルオキシ基を表す一般式(II)の生成物の当業者に公知の一般法による脱ベンジル化によって得ることができる。
【0137】
Zが
Zがトリフルオロメタンスルホニルオキシ基(本発明の残りにおいては「トリフレート」とも呼ぶ。)を表す一般式(II)の生成物は、下記スキーム(2)に従い、ジクロロメタンのような有機溶媒中、トリエチルアミンのような有機塩基の存在下でのN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)のようなトリフルオロメチルスルホン化剤の作用によって得ることができる。
【0138】
【化17】

【0139】
Zがメチルカルボキシレート基を表す一般式(II)の生成物は、下記スキーム(3)に従い、
1,3−ジフェニルホスフィノプロパンのようなホスフィン型配位子の存在下で酢酸パラジウムのようなパラジウム錯体によって触媒される、メタノール中でのカルボニル化反応により、
または、Helv.Chim.Acta 1983,66(7),2135に記載される2(1−ピロリル)イソフタル酸ジメチルエステルを用いる、ジクロロメタン中でのBBrでの環化反応により、
得ることができる:
【0140】
【化18】

【0141】
Zがカルボキシル基を表す一般式(II)の生成物は、当業者に公知の一般法による、zがメチルカルボキシレート基を表す一般式(II)の化合物の加水分解によって得ることができる。
【0142】
Zがホルミル基を表す一般式(II)の生成物は、当業者に公知の一般法によるプロセスを実施することにより、zがメチルカルボキシレート基を表す一般式(II)の生成物から得ることができる。
【0143】
zがクロロカルボニル基を表す一般式(II)の生成物は、zがカルボキシル基を表す一般式(II)の化合物を当業者に公知の一般法に従って塩素化することによって得ることができる。
【0144】
Zが、任意に環状である、ボロン酸またはボロン酸エステルを表す一般式(II)の生成物は、スキーム(4)に従い、5−ブロモピロロ[1,2−a]インドル−9−オンに対する低温、テトラヒドロフランのような有機溶媒中でのリチウム塩基、次いで、トリメチルボレート、トリ−n−ブチルボレート、トリイソプロピルボレートまたはピナコリルジボロネートのようなボレートの作用によって、さもなければ、パラジウム(0)触媒の存在下、5−ヨードピロロ[1,2−a]インドル−9−オンまたは5−トリフルオロメチルスルホニルオキシピロロ[1,2−a]インドル−9−オンから有利に調製することができる。
【0145】
【化19】

【0146】
一般式(III)の化合物の調製
従って、本発明の一主題は、R1および/またはR’1が上で定義される通りであり、Hetが以下で構成される群:
【0147】
【化20】

のうちにある、式(III)の生成物の合成方法でもある。
【0148】
より具体的には、Hetがイミダゾル−2−イル、トリアゾル−3−イル、ベンゾイミダゾル−2−イルまたはアザベンゾイミダゾル−2−イル型の複素環を表さず、および、任意に、1以上の上で定義される基R1で置換されるとき、Suzuki反応条件下、触媒としてのパラジウム(0)誘導体の存在下、スキーム(5)によるプロセスを実施することにより、
zがヨウ素原子、臭素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す一般式(II)の化合物を、酸またはエステルであり得る、複素環式ボロン酸誘導体とカップリングさせることによって、
または、zが、メチル、n−ブチル、イソプロピルまたはピナコールエステルのような、任意に環状であるボロン酸またはボロン酸エステルを表す一般式(II)の化合物をブロモまたはヨード複素環とカップリングさせることによって、
一般式(III)の化合物を調製することが本発明によると特に有利である:
【0149】
【化21】

【0150】
より具体的には、複素環Hetが、この2位を介してピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5位に連結する、ベンゾイミダゾールもしくはアゾベンゾイミダゾール型のもの、または、その代わりに、ベンゾオキサゾールもしくはアザベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールもしくはアザベンゾチアゾール型のものであるとき、スキーム(6)によるプロセスを実施することにより、ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5位において、オルト−フェニレンジアミンもしくはジアミノピリジン、さもなければオルト−アミノフェノール、オルト−アミノチオフェノールまたは、オルト二置換である、アミノヒドロキシピリジンもしくはアミノメルカプトピリジンの誘導体を酸、酸塩化物、メチルエステルまたはアルデヒドとカップリングさせることによって前記複素環を形成することが特に有利である:
【0151】
【化22】

【0152】
ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5−カルボン酸誘導体が用いられるとき、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)のような当業者に公知のカップリング剤を1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、O−((エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TOTU)またはO−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)の存在下で用いて、この酸を活性化することが特に有利である。
【0153】
ピロロ[1,2−a]インドル−9−オン5−カルボン酸メチルエステル誘導体が用いられるとき、本発明の脈絡においては、トリメチルアルミニウムの存在下、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのようなハロゲン化有機溶媒中でプロセスを実施することが有利である。
【0154】
ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5−カルボキシアルデヒド誘導体が用いられるとき、本発明の脈絡においては:
Tetrahedron Lett.1998,39,4481−84に従い、シリカの存在下でマイクロ波加熱により;
または、Tetrahedron 1995,51,5813−18に従い、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)の存在下で;
または、E.P.511187に従い、塩化チオニルおよびピリジンの混合物の存在下で;
または、Eur.J.Med.Chem.2006,31,635−42に従い、塩化第二鉄の存在下で、
プロセスを実施することが有利である。
【0155】
酢酸またはトリフルオロ酢酸および無水トリフルオロ酢酸の混合物のような、中間体アミドの混合物を環化するための様々な条件を本発明の脈絡において用いることができる。本発明の脈絡においては、このタイプの熱環化を酸性媒体中でマイクロ波反応器内で加熱することによって行うことも特に有利である。
【0156】
より具体的には、前記複素環が、この2位を介してピロロ[1,2−a]−インドル−9−オンの5位に連結する、イミダゾール、オキサゾールまたはチアゾール型のものであるとき、ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5位における酸、酸塩化物、エステルまたはアルデヒドを用い、スキーム(7)によるプロセスを実施することによって前記複素環を形成することが特に有利である:
【0157】
【化23】

【0158】
本発明の脈絡において:
1.前記複素環がイミダゾールまたはイミダゾリンである場合:
Tetrahedron,47(38),1991,8177−94に従い、2−アジドエチルアミンを用いて、
Biorg.Med.Chem Lett.12(3),2002、471−75に従い、エチレンジアミンを用いて、
J.Med.Chem.,46(25),2003,5416−27に従い、グリオキサールおよびアンモニア水を用いて;
2.前記複素環がオキサゾールまたはオキサゾリンである場合:
J.Org.Chem.,61(7),1996,2487−96に従い、2−アジドエタノールを用いて、
J.Med.Chem.47(8),2004,1969−86またはKhim.Geterosikl.Soed.1984(7),881−4に従い、2−アミノエタノールを用いて、
Heterocycles,39(2),1994,767−78に従い、2−アミノアセトアルデヒドジエチルアセタールを用いて;
3.前記複素環がチアゾールまたはチアゾリンである場合:
Helv.Chim.Acta,88(2),2005,187−95に従い、2−クロロエチルアミンおよびローソン試薬を用いて、
J.Org.Chem.69(3),2004,811−4またはTetrahedron Lett.,41(18),2000,3381−4に従い、2−アミノエタンチオールを用いて、
プロセスを実施することが特に有利である。
【0159】
より一般には、本発明の脈絡において、ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンの5位においてトリフレート、臭素化またはヨウ素化誘導体、ボロン酸またはエステル、カルボン酸、カルボン酸のエステルの酸塩化物またはアルデヒドを用い、Comprehensive Organic Chemistry,by D.H.R.Barton et al.(Pergamon Press)またはAdvances in Heterocyclic Chemistry(Academic Press)またはHeterocyclic Compounds(Wiley Intersciences)に記載されるもののような当業者に公知の合成方法のいずれか1つによって一般式(III)の生成物の複素環を形成することが有利である。
【0160】
一般式(IV)の化合物の調製
本発明の一主題は、Zがカルボン酸エステル基、特に、メチルエステル、ベンジルオキシ基、ヨウ素原子、臭素原子、トリフレート基、ボロン酸もしくはボロン酸エステル、カルボン酸、カルボキシアルデヒドまたはヒドロキシル基を表す式(IV)の生成物を合成するための方法でもある。
【0161】
Zがカルボン酸エステル、ベンジルオキシ基、ヨウ素原子、臭素原子、トリフレート基、ボロン酸もしくはボロン酸エステル、カルボン酸、カルボキシアルデヒドまたはヒドロキシル基を表す一般式(IV)の生成物は、本発明の脈絡において、当業者に公知の一般法、特に、Comprehensive Organic Chemistry,by D.Barton et al.(Pergamon Press)、Advanced Organic Chemistry,by J.March(Wiley Interscience)またはCompendium of Organic Synthetic Methods(Wiley Interscience)に記載されるものに従い、Zがカルボン酸エステル、ベンジルオキシ基、ヨウ素原子または臭素原子を表す一般式(II)の生成物を反応させることによって有利に調製することができる。スキーム(8)に記載される方法を用いることが特に有利である:
【0162】
【化24】

【0163】
一般式(I)の化合物の調製
化合物(III)を用いる方法A:
本発明の一主題は、当業者に公知の一般法、特に、Comprehensive Organic Chemistry,by D.Barton et al.(Pergamon Press)、Advanced Organic Chemistry,by J.March(Wiley interscience)またはCompendium of Organic Synthetic Methods(Wiley Interscience)に記載されるものに従って実施することができる、一般式(III)の化合物から式(I)の生成物を合成するための方法でもある。スキーム(9)の方法を用いることが特に有利である:
【0164】
【化25】

【0165】
化合物(IV)を用いる方法B:
本発明の一主題は、当業者に公知の一般法、特に、Comprehensive Organic Chemistry,by D.Barton et al.(Pergamon Press)、Advanced Organic Chemistry,by J.March(Wiley Interscience)またはCompendium of Organic Synthetic Methods(Wiley Interscience)に記載されるものに従って実施することができる、一般式(IV)の化合物から式(I)の生成物を合成するための方法でもある。
【0166】
Hetがイミダゾル−2−イル、トリアゾル−3−イル、ベンゾイミダゾル−2−イルまたはアザベンゾイミダゾル−2−イル型の複素環を表さず、および、任意に、上で定義される1以上のR1基で置換されるとき、本発明によると、Suzuki反応条件下、触媒としてのパラジウム(0)誘導体の存在下、スキーム(10)によるプロセスを実施することにより、
zがヨウ素原子、臭素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す一般式(IV)の化合物を、酸であってもエステルであってもよい、複素環式ボロン酸誘導体とカップリングさせることによって、
または、zがボロン酸または、メチル、n−ブチル、イソプロピルもしくはピナコールエステルのような、任意に環状の、ボロン酸エステルを表す一般式(IV)の化合物をブロモまたはヨード複素環とカップリングさせることによって、
一般式(I)の化合物を調製することが特に有利である:
【0167】
【化26】

【0168】
より具体的には、複素環Hetが、この2位を介してピロロ−[1,2−a]インドールの5位に連結する、ベンゾイミダゾールもしくはアザベンゾイミダゾール型または、その代わりに、ベンゾオキサゾールもしくはアザベンゾオキサゾール型またはベンゾチアゾールもしくはアザベンゾチアゾール型のものであるとき、スキーム(11)によるプロセスを実施することにより、オルト−フェニレンジアミンもしくはジアミノピリジン、さもなければオルト−アミノフェノール、オルト−アミノチオフェノールまたは、オルト−二置換である、アミノヒドロキシピリジンもしくはアミノメルカプトピリジンの誘導体をピロロ[1,2−a]インドールの5位の酸、酸塩化物、メチルエステルまたはカルボキシアルデヒドとカップリングさせることによって前記複素環を形成することが特に有利である:
【0169】
【化27】

【0170】
ピロロ[1,2−a]インドールの5−カルボン酸誘導体が用いられるとき、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)のような当業者に公知のカップリング剤を1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、O−((エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TOTU)またはO−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)の存在下で用いてこの酸を活性化することが特に有利である。
【0171】
ピロロ[1,2−a]インドール5−カルボン酸メチルエステル誘導体が用いられるとき、本発明の脈絡においては、トリメチルアルミニウムの存在下、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのようなハロゲン化有機溶媒中でプロセスを実施することが有利である。
【0172】
ピロロ[1,2−a]インドールの5−カルボキシアルデヒド誘導体が用いられるとき、本発明の脈絡においては:
Tetrahedron Lett.1998,39,4481−84に従い、シリカの存在下でマイクロ波加熱することにより;
または、Tetrahedron 1995,51,5813−18に従い、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)の存在下で;
または、E.P.511187に従い、塩化チオニルおよびピリジンの混合物の存在下で;
または、Eur.J.Med.Chem.2006,31,635−42に従い、塩化第二鉄の存在下で、
プロセスを実施することが有利である。
【0173】
酢酸またはトリフルオロ酢酸および無水トリフルオロ酢酸の混合物のような、中間体アミドの混合物を環化するための様々な条件を本発明の脈絡において用いることができる。本発明の脈絡において、このタイプの熱環化をマイクロ波反応器内で加熱することによって酸性媒体中で行うことも特に有利である。
【0174】
より具体的には、前記複素環が、この2位を介してピロロ[1,2−a]インドールの5位に連結する、イミダゾール、オキサゾールまたはチアゾール型のものであるとき、スキーム(12)によるプロセスを実施することにより、ピロロ[1,2−a]インドールの5位の酸、エステルまたは無水物を用いて前記複素環を形成することが特に有利である:
【0175】
【化28】

【0176】
本発明の脈絡において:
4.前記複素環がイミダゾールまたはイミダゾリンである場合:
Tetrahedron,47(38),1991,8177−94に従い、2−アジドエチルアミンを用いて、
Biorg.Med.Chem Lett.12(3),2002,471−75に従い、エチレンジアミンを用いて、
J.Med.Chem.,46(25),2003,5416−27に従い、グリオキサールおよびアンモニア水を用いて;
5.前記複素環がオキサゾールまたはオキサゾリンである場合:
J.Org.Chem.,61(7),1996,2487−96に従い、2−アジドエタノールを用いて、
J.Med.Chem.47(8),2004,1969−86またはKhim.Geterosikl.Soed.1984(7),881−4に従い、2−アミノエタノールを用いて、
Heterocycles,39(2),1994,767−78に従い、2−アミノアセトアルデヒドジエチルアセタールを用いて;
6.前記複素環がチアゾールまたはチアゾリンである場合:
Helv.Chim.Acta,88(2),2005,187−95に従い、2−クロロエチルアミンおよびローソン試薬を用いて、
J.Org.Chem.69(3),2004,811−4またはTetrahedron Lett.,41(18),2000,3381−4に従い、2−アミノエタンチオールを用いて、
プロセスを実施することが特に有利である。
【0177】
より一般的には、本発明の脈絡において、Comprehensive Organic Chemistry,by D.H.R.Barton et al.(Pergamon Press)またはAdvances in Heterocyclic Chemistry(Academic Press)またはHeterocyclic Compounds(Wiley Intersciences)に記載されるもののような当業者に公知の合成方法のいずれか1つにより、ピロロ[1,2−a]インドールの5位のトリフレート、臭素化もしくはヨウ素化誘導体、ボロン酸もしくはボロン酸エステル、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはアルデヒドを用いて一般式(IV)の生成物の複素環を形成することが有利である。
【0178】
従って、本発明の一主題は、新規工業製品としての式(II)、(III)および(IV)の合成中間体でもあり:
【0179】
【化29】

上で定義される式(II)、(III)および(IV)の化合物において、置換基HetおよびRは式(I)の生成物について上で示される意味を有し、zは、zがヨウ素原子を表す式(II)の化合物を除いて、上で示される意味を有する。
【0180】
本発明の一主題である生成物は有利な薬理学的特性を有する:特に、これらがシャペロンタンパク質の活性、特に、これらのATPase活性に対する阻害特性を有することが観察されている。
【0181】
これらのシャペロンタンパク質のうち、特に、ヒトシャペロンHSP90が挙げられる。
【0182】
従って、上で定義される一般式(I)に相当する生成物はHsp90シャペロンに対する相当の阻害活性を有する。
【0183】
以下の実験の項において示される試験はこのようなシャペロンタンパク質に関する本発明の生成物の阻害活性を示す。
【0184】
従って、これらの特性は、本発明の一般式(I)の生成物を悪性腫瘍の治療において医薬として用いることができることを意味する。
【0185】
式(I)の生成物は獣医学分野において用いることもできる。
【0186】
従って、本発明の一主題は、上で定義される式(I)の生成物の医薬としての使用である。
【0187】
本発明の一主題は、特に、この名称が以下に示される、上で定義される式(I)の生成物の医薬としての使用である:
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩。
【0188】
本発明の一主題は、特に、医薬としての上で定義される式(I)の生成物:
Hetは以下で構成される群より選択され:
【0189】
【化30】

ここで:
R1はH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHまたはSON(Me)を表し;
R’1はH、CONH、CONHMeまたはOMeを表し;
R”1はF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeまたはO−(CH−N(Me)を表し;
およびRは以下で構成される群より選択され:
【0190】
【化31】

並びに、これらのプロドラッグであり、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:互変異性、ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩。
【0191】
これらの生成物は非経口的、経口的、経舌的(perlingually)または局所的に投与することができる。
【0192】
本発明の一主題は、一般式(I)の医薬の少なくとも1種類を活性成分として含有することを特徴とする医薬組成物でもある。
【0193】
これらの組成物は注射溶液もしくは懸濁液、錠剤、コート錠、カプセル、シロップ、クリーム、軟膏およびローションの形態で提供することができる。これらの医薬形態は通常の方法に従って調製する。水性もしくは非水性担体、タルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、動物もしくは植物起源の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、様々な加湿剤、分散剤もしくは乳化剤、または保存剤のような、これらの組成物において通常用いられる賦形剤に活性成分を組み込むことができる。
【0194】
通常の用量は、これは治療を受ける個人および問題の状態に従って変化し得るが、例えば、ヒトにおいて経口で毎日10mgから1gであり得る。
【0195】
従って、本発明は、シャペロンタンパク質、特に、Hsp90の活性を阻害するための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0196】
従って、本発明は、特に、シャペロンタンパク質がHsp90である、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0197】
従って、本発明は、Hsp90型のシャペロンタンパク質の活性の攪乱を特徴とする疾患、特に、哺乳動物におけるこのような疾患を予防または治療するための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0198】
本発明は、以下の群:ハンチントン病、パーキンソン病、局所性脳虚血、アルツハイマー病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症のような神経変性疾患、マラリア、ブルギア・フィラリア症、バンクロフト・フィラリア症、トキソプラズマ症、治療抵抗性真菌症、B型肝炎、C型肝炎、ヘルペスウイルス、テング熱(即ち、熱帯性流感)、球脊髄性筋萎縮症、メサンギウム細胞増殖障害、血栓症、網膜症、乾癬、筋肉変性、腫瘍学における疾患および癌に属する疾患を予防または治療するための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0199】
従って、本発明は、腫瘍学における疾患を治療するための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0200】
本発明は、特に、癌を治療するための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関する。
【0201】
これらの癌のうち、本発明は、最も具体的には、固形腫瘍の治療および細胞毒性剤に耐性の癌の治療に焦点を合わせる。
【0202】
従って、本発明は、特に、癌を治療するための医薬の調製のための、先行する特許請求の範囲のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用に関し、この癌のうちには肺癌、乳癌および卵巣癌、グリア芽腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、前立腺癌、膵臓癌および大腸癌、転移性黒色腫、甲状腺癌および腎臓癌がある。
【0203】
従って、Hsp90阻害剤の主な潜在的指標のうち、非限定的な例として、以下を挙げることができる:
「非小細胞」肺癌、乳癌、卵巣癌およびEGF−RまたはHER2を過剰発現するグリア芽種;
Bcr−Ablを過剰発現する慢性骨髄性白血病;
Flt−3を過剰発現する急性リンパ芽球性白血病;
Aktを過剰発現する乳、前立腺、肺、膵臓、大腸または卵巣癌;
B−Rafタンパク質の突然変異形態を過剰発現する転移性黒色腫および甲状腺腫瘍;
アンドロゲン依存性およびアンドロゲン非依存性前立腺癌;
エストロゲン依存性およびエストロゲン非依存性乳癌;
HIF−1aまたは突然変異c−metタンパク質を過剰発現する腎臓癌。
【0204】
本発明は、さらにより具体的には、乳癌、大腸癌および肺癌の治療に焦点を合わせる。
【0205】
本発明は、癌化学療法において用いるための医薬の調製のための、上で定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用にも関する。
【0206】
癌化学療法において用いるための本発明による医薬として、本発明による式(I)の生成物は単独で、または化学療法もしくは放射線療法との組み合わせで、またはその代わりに、他の治療薬との組み合わせで用いることができる。
【0207】
従って、本発明は、特に、抗癌化学療法のための他の医薬を活性成分に加えて含有する、上で定義される医薬組成物に関する。
【0208】
このような治療薬は一般に用いられる抗腫瘍剤であり得る。
【0209】
公知プロテインキナーゼ阻害剤の例として、特に、ブチロラクトン、フラボピリドール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチルプリン、オロムシン、GlivecおよびIressaを挙げることができる。
【0210】
従って、本発明による式(I)の生成物は抗増殖剤との組み合わせで有利に用いることもできる:このような抗増殖剤の例として、しかしながらこのリストに限定されることはなしに、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼ阻害剤、微小管に対して活性である薬剤、アルキル化剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ファルネシル転移酵素阻害剤、COX−2阻害剤、MMP阻害剤、mTOR阻害剤、抗新生物剤、代謝拮抗剤、白金化合物、プロテアゾーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤および、特に、HDAC6の阻害剤、プロテインキナーゼ活性の低下を生じる化合物並びに、抗血管形成化合物、ゴナドレリンアゴニストおよび抗アンドロゲン剤を挙げることができる。
【0211】
従って、本発明はHsp90シャペロン阻害剤としての式(I)の生成物に関し、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:互変異性、ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩、並びにこれらのプロドラッグ。
【0212】
本発明は、特に、Hsp90阻害剤としての、上で定義される式(I)の生成物に関する。
【0213】
本発明による式(I)の生成物は公知法、特に、R.C.Larockによって:Comprehensive Organic Transformations,VCH publishers,1989に記載されるもののような文献に記載される方法を適用するか、または適応させることによって調製することができる。
【0214】
以下に記載される反応において、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシル基のような反応性官能基を、後者が最終生成物においては望ましいが式(I)の生成物を合成するための反応においてはこれらの関与が望ましくないとき、保護することが必要となり得る。従来の保護基を、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによって「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley and Sons,1991に記載されるもののような、通常の標準実務に従って用いることができる。
【0215】
以下の実験の項は出発生成物の非限定的な例を示す;他の出発生成物を商業的に見出すことができ、または当業者に公知の通常の方法に従って調製することができる。
【0216】
発明を説明する実施例:この調製が後に続く例は本発明を説明するものであるが、これを限定することなしにである。
【0217】
記載されるすべての例はプロトンNMR分光法および質量分析法によって特徴付けられ、これらの例の大部分は赤外分光法によっても特徴付けられた。
【0218】
異なる条件が具体的に記述されない限り、以下の様々な例の記述において報告されるLC/MS質量スペクトルは以下の液体クロマトグラフィー条件下で行った:
【0219】
方法A:
スペクトルはWaters ZQ機で得た
イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレイ(ES+/−)
クロマトグラフィー条件:
カラム:XBridge C18 2.5μm 3×50mm
溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)
B:CHCN(0.1%ギ酸)
カラム温度:70℃
流速:0.9ml/分
勾配(7分):5.3分で5から100%までのB;5.5分:100%のB;6.3分:5%のB
【0220】
方法B:
スペクトルはWATERS QUATTRO PREMIER機で得た
イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレイ(ES+/−)
クロマトグラフィー条件:
カラム:ACQUITY BEH C18 1.7μm 2.1×50mm
溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)
B:CHCN(0.1%ギ酸)
カラム温度:70℃
流速:0.7ml/分
勾配(3.7分):3分で5から100%のB;3.6分:5%のB
【0221】
方法C:
スペクトルはWATERS QUATTRO PREMIER機で得た
イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレイ(ES+/−)
クロマトグラフィー条件:
カラム:ACQUITY BEH C18 1.7μm−2.1×50mm
溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)
B:CHCN(0.1%ギ酸)
カラム温度:70℃
流速:0.7ml/分
勾配(6分):5分で5から100%までのB;5.5分:5%のB
【0222】
方法D
スペクトルはWATERS UPLC−SQD機で得た
イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレイ(ES+/−)
クロマトグラフィー条件:
カラム:ACQUITY BEH C18 1.7μm−2.1×50mm
溶媒:A:HO(0.1%ギ酸)
B:CHCN(0.1%ギ酸)
カラム温度:50℃
流速:1ml/分
勾配(2分):0.8分で5から50%のB;1.2分:100%のB;1.85分:100%のB;1.95:5%のB
【実施例1】
【0223】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドの合成
【0224】
【化32】

【0225】
段階1
方法1:6mlのメタノールおよび15mlのジメチルホルムアミド中の1.00gの5−ヨードピロロ[1,2−a]インドル−9−オン(これはJ.Med.Chem.2004,47(6),1448に従って調製することができる。)、152mgの酢酸パラジウム、280mgの1,3−ジフェニルホスフィノプロパンおよび0.47mlのトリエチルアミンの混合物をオートクレーブ内、50℃で16時間、2bar一酸化炭素圧の下に維持する。アルゴンで一掃した後、反応媒体を濾過し、不溶性物質をメタノールで洗浄した後、濾液を蒸発乾固させる。このオレンジがかった褐色の残滓をシリカゲル(40−65μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタンで行う。800mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸メチルエステルがベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル(400MHz、ppmでのδ、DMSO−d6):3.95(s,3H);6.43(dd,J=3.8および2.7Hz,1H);6.98(dd,J=3.8および1.0Hz,1H);7.33(t,J=7.5Hz,1H);7.78(dd,J=7.5および1.4Hz,1H);7.97から8.03(m,2H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=3.48;[M+H]:m/z 228。
【0226】
方法2:50ml丸底フラスコ内で、ジクロロメタン中の三臭化ホウ素の1M溶液3mlを4mlのジクロロメタンに溶解した260mgの2−ピロル−1−イルイソフタル酸ジメチルエステル(これはHelvetica Chim.Acta 1983,66(7),2135に従って調製することができる。)の混合物に周囲温度で添加する。この反応媒体を周囲温度で2時間撹拌した後、5mlの水を添加する。析出による分離の後、水相を15mlのジクロロメタンで2回再抽出する。合わせた有機相を20mlの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、真空下で蒸発乾固させる。この残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタンおよびシクロヘキサンの混合液(50/50 v/v)で行う。122mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸メチルエステルが黄色がかった固体の形態で得られ、この特徴は方法1によって得られた生成物のものと同一である。
【0227】
段階2:250ml丸底フラスコ内で、25mlの水および100mlのメタノール中の800mgの前段階に従って得られる9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸メチルエステルおよび740mgの水酸化リチウム一水和物の混合物を3時間還流する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、固体を35mlの水に溶解して5M塩酸でpH3にする。沈殿が現れ、媒体をジクロロメタンおよびメタノールの混合液(95/5 v/v)35mlで3回抽出する。合わせた有機抽出物を15mlの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、真空下で蒸発乾固させる。630mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸がベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=2.69;[M+H]:m/z 214;[M−H]:m/z 212。
【0228】
段階3:アルゴン下の250ml丸底フラスコ内で、55mlのテトラヒドロフラン中の前段階に従って得られた9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸620mg、1.50gのo−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)および0.44mlのジイソプロピルエチルアミンの混合物を周囲温度で1時間撹拌する。次に、367mgの4−フルオロ−o−フェニレンジアミンを添加し、撹拌を3日間維持する。反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、この残滓をジクロロメタンおよびメタノールの混合液(90/10 v/v)15mlで溶解する。有機相を10mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液、次いで5mlの蒸留水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させる。真空下で蒸発乾固させた後、残滓を乾燥スポットとしてシリカゲル(40−63μm)のカラムに乗せ、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液(95/5 v/v)で行ってクロマトグラフィー処理する。379mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸(2−アミノ−4−フルオロフェニル)アミドがベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1N NMRスペクトル(400MHz、ppmでのδ、DMSO−d6):5.38(ブロードs,2H);6.35(dd,J=3.5および2.5Hz,1H);6.39(td,J=8.6および2.9Hz,1H);6.55(dd,J=11.2および2.9Hz,1H);6.92(ブロードd,J=3.5Hz,1H);7.22(dd,J=8.6および6.4Hz,1H);7.33(t,J=7.6Hz,1H);7.57(ブロードd,J=2.5Hz,1H);7.68(ブロードd,J=7.6Hz,1H);7.94(ブロードd,J=7.6Hz,1H);9.91(s,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=3.10;[M+H]:m/z 322;[M−H]:m/z 320。
【0229】
段階4:250ml丸底フラスコ内で、40mlの表酢酸中の前段階に従って得られた375mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸(2−アミノ−4−フルオロフェニル)アミドの混合物を3時間還流する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタン中のメタノール(0から30体積%まで)の勾配で行う。119mgの5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンが黄色がかった固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.36(dd,J=3.9および2.9Hz,1H);6.96(dd,J=3.9および1.0Hz,1H);7.16(td,J=9.5および2.4Hz,1H);7.42(t,J=7.6Hz,1H);7.50(ブロードd,J=9.5Hz,1H);7.69(dd,J=7.6および1.0Hz,1H);7.72(部分的にマスクされたm,1H);7.99(dd,J=7.6および1.0Hz,1H);8.45(dd,J=2.9および1.0Hz,1H);13.30(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法B):保持時間Tr(分)=1.83;[M+H]:m/z 304;[M−H]:m/z 302。
【0230】
段階5:20ml丸底フラスコ内で、5mlのピリジン中の前段階で得られた60mgの5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンおよび42mgの塩化ヒドロキシルアミンの混合物を6時間還流する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、25mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液に溶解した残滓を25mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を25mlの塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、真空下で蒸発乾固させる。97mgの5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシムが黄色がかった油の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル(400MHz,ppmでのδ、DMSO−d6):優勢なEまたはZ異性体について6.34(dd,J=3.4および2.9Hz,1H);6.78(dd,J=3.4および1.0Hz,1H);7.14(td,J=10.5および3.0Hz,1H);7.37(t,J=7.7Hz,1H);7.48(ブロードm,1H);7.68(ブロードm,1H);7.82(d,J=7.7Hz,2H);8.10(ブロードd,J=2.9Hz,1H);12.14(s,1H);13.2(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=3.65;[M+H]:m/z 319;[M−H];m/z 317。
【0231】
段階6:100ml丸底フラスコ内で、2mlの酢酸、2mlのエタノールおよび2mlの水の混合液中の前段階に従って得られた90mgの5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシムを周囲温度で撹拌する。19mgの粉末化亜鉛を添加し、撹拌を30分間維持する。この反応媒体をclarcelを通して濾過し、80mlのメタノールで洗浄して、濾液を真空下で蒸発乾固させた。この残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はメタノールおよびジクロロメタンの混合液(5/95 v/v)で行う。42mgの5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミンアセテートがベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル(400MHz,ppmでのδ、DMSO−d6):1.89(s,3H);4.93(s,1H);6.08から6.20(m,2H);7.12(ブロードt,J=9.5Hz,1H);7.24から7.80(非常にブロードのm,2H);7.29(t,J=7.8Hz,1H);7.53(ブロードs,1H);7.64(ブロードd,J=7.8Hz,1H);7.71(ブロードd,J=7.8Hz,1H);13.08(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=2.51;[M+H]:m/z 305;[M+H−NH3]:m/z 288(基線ピーク);[M−H]:m/z 303。
【0232】
段階7:3mlのN−メチルピロリドン中の42mgの前段階に従って得られる5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミンアセテート、19mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(これはWO2003/000688に従って得ることができる。)、39mgのo−((エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TOTU)および16μlのジイソプロピルエチルアミンの混合物を100ml丸底フラスコ内で撹拌する。1時間後、反応媒体を蒸発乾固させ、この残滓を30mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液に溶解し、水相を30mlの酢酸エチルで4回抽出する。合わせた有機相を30mlの塩化ナトリウムの飽和溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、真空下で蒸発乾固させる。この残滓を、溶出をジクロロメタン中のメタノールの勾配(2%から5% v/v)で行ってシリカゲル(15から40μm)で、次いで溶出を純粋酢酸エチルで行ってシリカゲル(15から40μm)の第2カラムでクロマトグラフィー処理する。12mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドが褐色固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.22から6.28(m,2H);6.40(d,J=7.8Hz,1H);6.89(dd,J=3.4および2.0Hz,1H);7.13(ブロードm,1H);7.33(t,J=7.6Hz,1H);7.38(ブロードm,1H);7.44(d,J=4.9Hz,1H);7.52から7.83(m,5H);8.28(d,J=4.9Hz,1H);9.30(d,J=7.8Hz,1H);11.85(ブロードm,1H);13.14(s,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=3.53;[M+H]:m/z 449;[2M+H]:m/z 897;[M+2H+CHCN]:m/z 245.5(基線ピーク)。
【実施例2】
【0233】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)アミドの合成
【0234】
【化33】

【0235】
段階1:100ml丸底フラスコ内、アルゴンの下で、20mlのジメチルホルムアミド中の361mgの5−ヨードピロロ[1,2−a]インドル−9−オン(これはJ.Med.Chem.2004,47(6),1448に従って調製することができる。)、214mgの3−キノリンボロン酸、603mgの炭酸セシウムおよび143mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の混合物を123℃で加熱する。3時間後、この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、残滓を酢酸エチルに溶解して濾過する。濾液を水、重炭酸ナトリウムの飽和溶液で2回、次いで塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発乾固させる。残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はn−ヘプタン中の酢酸エチルの勾配(20%から30% v/v)で行う。231mgの5−キノリン−3−イルピロロ[1,2−a]インドル−9−オンが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,CDCl):6.08(dd,J=3.8および2.6Hz,1H);6.33(dd,J=2.6および0.9Hz,1H);6.80(dd,J=3.8および0.9Hz,1H);7.27(t,J=7.7Hz,1H);7.41(dd,J=7.7および1.3Hz,1H);7.65から7.72(m,2H);7.85(m,1H);7.92(ブロードd,J=8.3Hz,1H);8.24(ブロードd,J=8.3Hz、1H);8.32(d,J=2.2Hz,1H);9.07(d,J=2.2Hz,1H)。
【0236】
段階2:100ml丸底フラスコ内で、20mlのピリジン中の231mgの前段階に従って得られる5−キノリン−3−イルピロロ[1,2−a]インドル−9−オンおよび164mgの塩酸ヒドロキシルアミンの混合物をアルゴンの下で還流する。1.5時間加熱した後、反応媒体を真空下で蒸発乾固させる。この残滓を重炭酸ナトリウムの飽和溶液に溶解し、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相を重炭酸ナトリウムの飽和溶液、次いで塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、真空下で蒸発乾固させる。この残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタン中のメタノールの勾配(2%から3% v/v)で行う。277mgの5−キノリン−3−イルピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシム塩酸塩が黄色がかった固体の形態で得られ,この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):優勢EまたはZ異性体について、6.20(dd,J=3.5および2.9Hz,1H);6.24(dd,J=2.9および1.1Hz,1H);6.72(dd,J=3.5および1.1Hz,1H);7.34(t,J=7.7Hz,1H);7.47(dd,J=7.7および1.3Hz,1H);7.72(m,1H);7.78(dd,J=7.7および1.3Hz,1H);7.88(m,1H);8.10(ブロードd,25 J=7.9Hz,1H);8.15(ブロードd,J=7.9Hz,1H);8.62(d,J=2.2Hz,1H);9.06(d,J=2.2Hz,1H);12.18(ブロードm,1H)。
【0237】
段階3:100ml丸底フラスコ内で、5mlの酢酸、5mlのエタノールおよび5mlの水中の277mgの前段階に従って得られる5−キノリン−3−イルピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシム塩酸塩の混合物を周囲温度で撹拌する。58mgの粉末化亜鉛を添加し、生じる混合物を1.5時間撹拌したままにする。さらに58mgの粉末化亜鉛を添加し、生じる混合物を3.5時間撹拌したままにする。反応媒体をclarcelを通して濾過し、100mlのメタノールで洗浄を行う。この濾液を真空下で蒸発乾固させてシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタン中のメタノールの勾配(2%から7% v/v)で行う。116mgの5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミンアセテートが褐色固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(300MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):1.89(s,3H);4.96(s,1H);5.98(ブロードd,J=3.1Hz,1H);6.05(t,J=3.1Hz,1H);6.14(dt,J=3.1および1.2Hz,1H);7.28(t,J=7.5Hz,1H);7.35(dd,J=7.5および1.2Hz,1H);7.65から7.74(m,2H);7.86(m,1H);8.09(ブロードd,J=8.0Hz,1H);8.14(ブロードd,J=8.0Hz,1H);8.53(d,J=2.3Hz,1H);9.00(d,J=2.3Hz,1H)。
【0238】
段階4:100ml丸底フラスコ内、アルゴンの下で、7.5mlのジメチルホルムアミド中の116mlの前段階に従って得られる5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミンアセテート、63mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(これはWO2003/000688に従って得ることができる。)、82mgのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)および58mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の混合物を周囲温度で18時間撹拌する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、50mlの水を残滓に添加し、この懸濁液を1時間撹拌する。固体を濾過し、水、次いで重炭酸ナトリウムの飽和溶液、および再度水で洗浄する。得られる生成物を一晩回転フィルター乾燥(spin−filter−dried)させた後、固体をメタノールおよびジクロロメタンの混合液(10/90 v/v)に溶解し、溶媒を真空下で蒸発乾固させる。残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はメタノールおよびジクロロメタンの混合液(3/97 v/v)で行う。53mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)アミドがベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(300MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.09(ブロードd,J=3.2Hz,1H);6.13(t,J=3.2Hz,1H);6.24(dm,J=3.2Hz,1H);6.44(ブロードd,J=8.3Hz,1H);6.90(ブロードd,J=3.3Hz,1H);7.32(t,J=7.7Hz,1H);7.41から7.47(m,2H);7.60から7.67(m,2H);7.73(m,1H);7.88(m,1H);8.10から8.18(m,2H);8.29(d,J=5.0Hz,1H);8.57(ブロードm,1H);9.04(ブロードm,1H);9.33(d,J=8.3Hz,1H);11.89(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法C):保持時間Tr(分)=2.36;[M+H]:m/z 442;[M−H]:m/z 440。
【実施例3】
【0239】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドの合成
【0240】
【化34】

【0241】
段階1:500ml丸底フラスコ内で、60mlのジメチルホルムアミド中の、実施例1の段階2に従って得られる730mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸、373mgの3,4−ジアミノピリジン、721mgのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)および508mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の混合物を周囲温度で19時間撹拌する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、固体残滓を50mlの水に溶解する。沈殿を濾別し、固体を80mlの水で3回、80mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液で3回および、再度、80mlの水で3回、連続的に洗浄する。固体をメタノールに溶解し、真空下で溶媒を蒸発させて乾固させる。この残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタン中のメタノールの勾配(5%から10% v/v)、次いでジクロロメタンおよび5Nアンモニア性メタノールの混合液(90/10 v/v)で行う。220mgの9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸(4−アミノピリジン−3−イル)アミドが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.02(ブロードs,2H);6.35(dd,J=3.7および2.7Hz,1H);6.66(d,J=5.6Hz,1H);6.92(dd,J=3.7および1.1Hz,1H);7.33(t,J=7.7Hz,1H);7.58(dd,J=2.7および1.1Hz,1H);7.68(dd,J=7.7および1.3Hz,1H);7.95(d,J=5.6Hz,1H);8.00(dd,J=7.7および1.3Hz,1H);8.15(s,1H);10.00(ブロードs,1H)。
【0242】
段階2:20mlマイクロ波反応器内で、20mlの氷酢酸中の256mgの前段階に従って得られる9−オキソ−9H−ピロロ[1,2−a]インドール−5−カルボン酸(4−アミノピリジン−3−イル)アミドの混合物を200℃で30分間加熱する。この反応媒体をclarcelを通して濾過し、氷酢酸で洗浄を行う。真空下で濾液を蒸発させて乾固させ、この残滓をトルエンで2回溶解し、各々の回に真空下で再蒸発乾固させる。この固体をイソプロピルエーテルから摩砕して濾過し、真空下、40℃で一晩乾燥させる。111mgの5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ、DMSO−d6):6.38(dd,J=3.9および2.6Hz,1H);6.98(dd,J=3.9および1.1Hz,1H);7.43(t,J=7.6Hz,1H);7.72(dd,J=7.6および1.4Hz,1H);7.76(ブロードd,J=5.6Hz,1H);8.11(ブロードd,J=7.6Hz,1H);8.38(d,J=5.6Hz,1H);8.50(ブロードm,1H);9.11(ブロードs,1H);13.8(非常にブロードのm,1H)。
【0243】
段階3:250ml丸底フラスコ内、アルゴンの下で、60mlのピリジン中の444mgの前段階に従って得られる5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンおよび323mgの塩酸ヒドロキシルアミンの混合物を3時間還流する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、残滓を重炭酸ナトリウムの飽和溶液に溶解し、沈殿を濾別して水で洗浄する。固体をメタノールに溶解し、真空下で溶媒を蒸発させて乾固させる。この残滓をトルエンに溶解した後、真空下で再蒸発乾固させる。380mgの5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシムが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):優勢EまたはZ異性体について、6.25(dd,J=3.5および2.9Hz,1H);6.72(dd,J=3.5および1.3Hz,1H);7.18(t,J=7.7Hz,1H);7.34(dd,J=5.5および1.2Hz,1H);7.59(dd,J=7.7および1.4Hz,1H);7.86(d,J=5.5Hz,1H);8.29(dd,J=7.7および1.4Hz,1H);8.69(d,J=1.2Hz,1H);9.23(dd,J=2.9および1.3Hz,1H)。
【0244】
段階4:100ml丸底フラスコ内で、5mlの氷酢酸、5mlのエタノールおよび5mlの水中の200mgの前段階に従って得られる5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)ピロロ[1,2−a]インドル−9−オンオキシムの混合物を周囲温度で撹拌する。43mgの粉末化亜鉛を添加し、撹拌を周囲温度で2時間維持する。反応混合物をclarcelを通して濾過し、メタノールで洗浄を行う。濾液を真空下で蒸発させて乾固させ、この残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタンおよび5Nアンモニア性メタノールの混合液(95/5 v/v)で行う。51mgの5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミンが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):4.94(s,1H);6.14から6.20(m,2H);7.31(t,J=7.6Hz,1H);7.54(ブロードs,1H);7.64(d,J=5.6Hz,1H);7.70(d,J=7.6Hz,1H);7.74(d,J=7.6Hz,1H);8.36(d,J=5.6Hz,1H);9.01(s,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=0.32;[M+H]:m/z 288;[M+H−NH:m/z 271;[M−H]:m/z 286。
【0245】
段階5:100ml丸底フラスコ内で、5mlのジメチルホルムアミド中の51mgの前段階に従って得られる5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミン、28mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(これはWO2003/000688に従って得ることができる。)、37mgのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)および26mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の混合物をアルゴンの下、周囲温度で4時間撹拌する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させる。残滓を20mlの水から摩砕した後、濾過する。この固体を重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、ジクロロメタンおよびメタノールの混合液に溶解し、この溶液を真空下で蒸発乾固させる。残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタンおよびメタノールの混合液(98/2 v/v)で行う。47mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ、DMSO−d6):6.22から6.28(m,2H);6.40(d,J=8.2Hz,1H);6.89(dd,J=3.4および2.0Hz,1H);7.33(t,J=7.7Hz,1H);7.44(d,J=5.1Hz,1H);7.61(dd,J=3.4および2.5Hz,1H);7.64(d,J=6.2Hz,1H);7.67(ブロードd,J=7.7Hz,1H);7.84(d,J=7.7Hz,1H);7.85(ブロードm,1H);8.28(d,J=5.1Hz,1H);8.33(d,J=6.2Hz,1H);9.01(s,1H);9.29(d,J=8.2Hz,1H);11,84(ブロードm,1H);13.47(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=2.39;[M+H]:m/z 432;[M−H]:m/z 430。
【実施例4】
【0246】
6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドの合成
【0247】
【化35】

【0248】
段階1:100ml三首フラスコ内で、5mlの酢酸エチル中の1.55gの3−クロロペルオキシ安息香酸の溶液を、アルゴンの下−5℃で5分のうちに、10mlの酢酸エチル中の881mgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸のメチルエステル(これはWO2003/000688に従って得ることができる。)の混合物に添加する。−5℃で1時間撹拌した後、混合物を周囲温度に戻す。褐色固体を濾別し、3mlの酢酸エチルで3回洗浄して乾燥させる。844mgの7−オキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステルが褐色固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):3.93(s,3H);6.93(d,J=2.9Hz,1H);7.63(d,J=2.9Hz,1H);7.64(d,J=6.8Hz,1H);8.23(d,J=6.8Hz,1H);12.79(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A);保持時間Tr(分)=1.97;[M+H]:m/z 193;[M−H]:m/z 191。
【0249】
段階2:100ml三首フラスコ内で、2.17mlの塩化メタンスルホニルを、25℃未満の温度を維持しながら、30mlのジメチルホルムアミド中の4.49gの前段階に従って得られる7−オキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステルの懸濁液に滴加する。次に、この反応媒体を80℃で1時間加熱する。冷却後、35℃未満の温度を維持しながら、さらに2.17mlの塩化メタンスルホニルを添加する。反応媒体を再度80℃で1時間加熱する。冷却後、30℃未満の温度を維持しながら、50mlの水を添加する。この非常に粘性の反応媒体を5℃に冷却し、沈殿を濾別する。ベージュの固体を15mlの水で5回洗浄し、乾燥させる。3.53gの6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステルがベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):3.96(s,3H);6.88(dd,J=3.4および2.0Hz,1H);7.57(s,1H);7.75(dd,J=3.4および2.5Hz,1H);12.27(ブロードm,1H)。
【0250】
段階3:100ml丸底フラスコ内で、7.5mlの水酸化リチウムの1M水溶液を15mlのメタノール中の527mgの前段階に従って得られる6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸メチルエステルの懸濁液に周囲温度で添加する。周囲温度で2.5時間撹拌した後、7.5mlの1N塩酸を滴加する。30分間撹拌した後、固体を濾別し、25mlの水で洗浄して乾燥させる。475mgの6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸がベージュの固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(400MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.87(dd,J=3.4および2.0Hz,1H);7.53(s,1H);7.70(dd,J=3.4および2.5Hz,1H);12.19(ブロードm,1H);13.66(非常にブロードのm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法A):保持時間Tr(分)=2.35;[M+H]:m/z 197;[M−H]:m/z 195。
【0251】
段階4:100ml丸底フラスコ内で、5mlのジメチルホルムアミド中の69mgの実施例3の段階4に従って得られる5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イルアミン、48mgの前段階に従って得られる6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−カルボン酸、51mgのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)および36mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)をアルゴンの下、周囲温度で3時間撹拌する。この反応媒体を真空下で蒸発乾固させ、残滓をシリカゲル(15から40μm)でクロマトグラフィー処理し、溶出はジクロロメタン中のメタノールの勾配(4%から6% v/v)で行う。有益な画分を合わせて真空下で蒸発乾固させ、残滓を重炭酸ナトリウムの溶液から摩砕して濾過し、固体を水で洗浄する。沈殿をメタノールに溶解し、真空下で溶媒を蒸発させて乾固させる。11mgの6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミドが固体の形態で得られ、この特徴は以下である:
1H NMRスペクトル:(300MHz,ppmでのδ,DMSO−d6):6.21から6.28(m,2H);6.36(ブロードd,J=8.3Hz,1H);6.91(d,J=3.7Hz,1H);7.31(t,J=7.8Hz,1H);7.54(s,1H);7.56から7.68(m,3H);7.90(ブロードd,J=7.8Hz,1H);8.04(ブロードm,1H);8.26(d,J=6.0Hz,1H);8,96(s,1H);9.43(d,J=8.3Hz,1H);12.08(ブロードm,1H)。
質量スペクトル(LC/MS 方法D):保持時間Tr(分)=0.59;[M+H]:m/z 466;[M−H]:m/z 464。
【実施例5】
【0252】
医薬組成物
以下の処方に相当する錠剤を調製した:
実施例1の生成物 0.2g
以下の最終重量を有する錠剤用賦形剤 1g
(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)
本発明は本発明による式(I)のあらゆる生成物で調製されるすべての医薬組成物をも含む。
【0253】
本発明の生成物を生物学的に特徴付けるための生物学的試験:
Hsp82のATPase活性によるATPの加水分解の最中に放出される無機リン酸塩をマラカイトグリーン法によって定量する。この試薬の存在下で、無機リン酸−モリブデン酸−マラカイトグリーン錯体の形成が生じ、この錯体は620nmの波長で吸収する。評価しようとする生成物を、30μlの反応容積で、1μM Hsp82および250μMの基質(ATP)の存在下、50mM Hepes−NaOH(pH7.5)、1mM DTT、5mM MgClおよび50mM KCIで構成されるバッファ中、37℃で60分間インキュベートする。平行して、1から40μMの無機リン酸塩範囲を同じバッファで作製する。次に、60μlのbiomolグリーン試薬(Tebu)を添加することによってATPase活性を明らかにする。周囲温度で20分間のインキュベーションの後、マイクロプレートリーダーを620nmで用いて様々なウェルの吸光度を測定する。次いで、各サンプルの無機リン酸塩濃度を標準曲線から算出する。
【0254】
Hsp82のATPase活性は60分で生成される無機リン酸塩の濃度として表す。試験を受ける様々な生成物の効果はこのATPase活性の阻害パーセンテージとして表す。
【0255】
Hsp82のATPase活性によるADPの形成を用いて、ピルビン酸キナーゼ(PK)および乳酸脱水素酵素(LDH)を含む酵素カップリング系の適用による、この酵素の酵素活性を評価するための別の方法が開発された。この動力学型分光分析法において、PKはホスホエノールピルビン酸(PEP)からのATPおよびピルビン酸の形成並びにHsp82によって生成されるADPを触媒する。次に、LDHの基質である、形成されるピルビン酸は、NADHの存在下で乳酸に変換される。この場合、340nmの波長の吸光度の低下によって測定されるNADH濃度の低下がHsp82によって生成されるADPの濃度に比例する。
【0256】
試験を受ける生成物を、100μlの反応容積の100mM Hepes−NaOH(pH7.5)、5mM MgCl、1mM DTT、150mM KCl、0.3mM NADH、2.5mM PEPおよび250μM ATPで構成されるバッファ中でインキュベートする。この混合物を37℃で30分間予備インキュベートした後、3.77ユニットのLDHおよび3.77ユニットのPKを添加する。評価しようとする様々な濃度の生成物および1μMの濃度のHsp82を添加することによって反応を開始させる。マイクロプレートリーダーにおいて37℃、340nmの波長で、Hsp82の酵素活性を連続的に測定する。記録される曲線の基点の接線の勾配を測定することによって初期反応速度が得られる。酵素活性は毎分形成されるADPのμMで表す。試験を受ける様々な生成物の効果は、以下の条件に従い、ATPase活性を阻害する能力として表す;
A:IC50<1μM
B:1μM<IC50<10μM
C:10μM<IC50<100μM
【0257】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の生成物であって、
【化1】

式中:
Hetは、N、OまたはSから選択される1から4個のヘテロ原子を含有する5から11の環メンバーを有し、任意に、以下で説明されるような同一であっても異なっていてもよい1以上の基R1またはR’1で置換される、ジヒドロまたはテトラヒドロ型の、単環式または二環式、芳香族または部分的不飽和複素環を表し、
RはX−(A−B)−CONH、X−(A−B)−O−CONH、X−(A−B)−NH−CONH、X−(CH−ヘテロシクロアルキル、X−(CH−アリールおよびX−(CH−ヘテロアリールからなる群より選択され、Xは−O−C(O)、−NH−C(O)、NH−CS、−NH−CO−CH−O−;−NH−CO−CH−S−CH−CO−NH−;−NH−CO−(CH−SO−;−NH−CO−CH−N(CH)−CO−を表し;同一であっても異なっていてもよいAおよびBは、独立に、単結合、CH、CH−アルキルまたはCH−アラルキルを表し、n=1または2であり、およびm=0または1であり;
同一であっても異なっていてもよいR1および/またはR’1は、H、ハロゲン、CF、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、遊離形態にあるか、またはアルキル基でエステル化されたカルボキシル、カルボキサミド、CO−NH(アルキル)、CON(アルキル)、NH−CO−アルキル、スルホンアミド、NH−SO−アルキル、S(O)−NHアルキルおよびS(O)−N(アルキル)で構成される群のうちにあり、すべてのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基はハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1以上の基でこれ自体任意に置換され;
前記式(I)の生成物は、すべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸もしくは無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【請求項2】
請求項1に定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下から構成される群より選択され:
【化2】

同一であっても異なっていてもよいR1および/またはR’1は、H、ハロゲン、CF、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ(メチルチオ)、遊離形態にあるか、またはアルキル基でエステル化されたカルボキシル、カルボキサミド、CO−NH(アルキル)およびCON(アルキル)、NH−CO−アルキル、スルホンアミド、NH−SO−アルキル、S(O)−NHアルキルおよびS(O)−N(アルキル)で構成される群のうちにあり、すべてのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基はこれら自体、任意に、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1以上の基で置換される、生成物であり、
前記式(I)の生成物の置換基Rは他の請求項のいずれか一項に定義される値から選択され、
前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【請求項3】
他の請求項のいずれか一項に定義される式(I)の生成物であって、Hetが、他の請求項のいずれか一項に定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基R1またはR’1またはR”1で任意に置換される、請求項1または2に定義される複素環を表し、
並びにRが以下で構成される群:
【化3】

から選択される生成物であり、前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【請求項4】
他の請求項のいずれか一項に定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群より選択され:
【化4】

Rが以下で構成される群より選択され:
【化5】

R1がH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHおよびSON(Me)で構成される群のうちにあり;
R’1がH、CONH、CONHMeおよびOMeで構成される群のうちにあり;
R”1がF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeおよびO−(CH−N(Me)で構成される群のうちにある、生成物であり、
前記式(I)の生成物はすべての可能な互変異性および異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、並びに、一般式(I)の生成物のプロドラッグ。
【請求項5】
他の請求項のいずれか一項に定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群より選択され:
【化6】

Rが以下で構成される群より選択され:
【化7】

R1がH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHおよびSON(Me)で構成される群のうちにあり;
R’1がH、CONH、CONHMeおよびOMeで構成される群のうちにあり;
R”1がF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeおよびO−(CH−N(Me)で構成される群のうちにある、生成物であり、
前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【請求項6】
他の請求項のいずれか一項に定義される式(I)の生成物であって:
Hetが以下で構成される群より選択され:
【化8】

ここで:
R1はH、F、Cl、Br、CF、NO、CN、CH、OH、OCH、OCF、COMe、CONH、CONHMe、CONH−(CH−OMe、CONH−(CH−N(Me)、NHC(O)Me、SONHまたはSON(Me)を表し;
R’1はH、CONH、CONHMeまたはOMeを表し;
R”1はF、Cl、OH、OMe、CN、O−(CH−OMeまたはO−(CH−N(Me)を表し;
およびRが以下で構成される群:
【化9】

より選択される生成物並びに、これらのプロドラッグであり、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:互変異性、ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【請求項7】
この名称が以下に示される、他の請求項のいずれか一項に定義される式(I)の生成物:
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸(5−キノリン−3−イル−9H−ピロロ−[1,2−a]インドル−9−イル)アミド、
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ[4,5−c]−ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−カルボン酸[5−(3H−イミダゾ−[4,5−c]ピリジン−2−イル)−9H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル]アミド、
および、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【請求項8】
下記スキーム(1)を特徴とする、請求項1から7に定義される式(I)の生成物の調製方法であって:
このスキーム(1)によると、一般式(I)の生成物を一般式(II)の誘導体から、一般式(III)の誘導体を用いることにより(方法A)、または一般式(IV)の誘導体を用いることにより(方法B)、下記一般スキーム(1)に従って調製することができ:
【化10】

式中、置換基HetおよびRは請求項1から7に定義される式(I)の生成物について示される意味を有し、zは上でスキーム(1)において示される意味を有する方法。
【請求項9】
新規工業製品としての式(II)、(III)および(IV)の合成中間体:
【化11】

(式(II)、(III)および(IV)の化合物において、置換基HetおよびRは他の請求項のいずれか一項において式(I)の生成物について示される意味を有し、zは、zがヨウ素原子を表す式(II)の化合物を除いて、上で示される意味を有する。)
【請求項10】
医薬としての、請求項1から7に定義される式(I)の生成物および、これらのプロドラッグであって、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩。
【請求項11】
医薬としての、請求項6に定義される式(I)の生成物および、これらのプロドラッグであって、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩。
【請求項12】
医薬としての、請求項7に定義される式(I)の生成物および、これらのプロドラッグであって、前記式(I)の生成物はすべての可能な異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩。
【請求項13】
請求項10から12に定義される医薬の少なくとも1種類を活性成分として含有する医薬組成物。
【請求項14】
抗癌化学療法のための他の医薬の活性成分をさらに含有する、請求項1から13に定義される医薬組成物。
【請求項15】
医薬として、特に、癌化学療法に用いられることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
シャペロンタンパク質、特に、Hsp90の活性を阻害するための医薬の調製のための、請求項1から15のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項17】
Hsp90型のシャペロンタンパク質の活性の攪乱を特徴とする疾患を予防または治療するための医薬の調製のための、請求項1から16のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項18】
以下の群:ハンチントン病、パーキンソン病、局所性脳虚血、アルツハイマー病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症のような神経変性疾患、マラリア、ブルギア・フィラリア症、バンクロフト・フィラリア症、トキソプラズマ症、治療抵抗性真菌症、B型肝炎、C型肝炎、ヘルペスウイルス、テング熱(即ち、熱帯性流感)、球脊髄性筋萎縮症、メサンギウム細胞増殖障害、血栓症、網膜症、乾癬、筋肉変性、腫瘍学における疾患並びに癌に属する疾患を予防または治療するための医薬の調製のための、請求項1から17のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項19】
癌を治療するための医薬の調製のための、請求項1から18のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項20】
治療しようとする疾患が固形腫瘍または液性腫瘍である、請求項1から19に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項21】
治療しようとする疾患が細胞毒性剤に耐性の癌である、請求項1から20に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項22】
癌を治療するための医薬の調製のための、請求項1から21のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用であって、この癌に肺癌、乳癌および卵巣癌、グリア芽腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、前立腺癌、膵臓癌および大腸癌、転移性黒色腫、甲状腺癌および腎臓癌が含まれる使用。
【請求項23】
癌化学療法において用いるための医薬の調製のための、請求項1から22のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項24】
単独で、または組み合わせで用いられる癌化学療法において用いるための医薬の調製のための、請求項1から23のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項25】
単独で、または化学療法もしくは放射線療法との組み合わせで、あるいは、他の治療薬との組み合わせで用いるための医薬の調製のための、請求項1から24のいずれか一項に定義される式(I)の生成物または前記式(I)の生成物の医薬的に許容される塩の使用。
【請求項26】
治療薬が通常用いられる抗腫瘍剤であり得る、請求項1から25に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項27】
Hsp90阻害剤としての請求項1から26のいずれか一項に定義される式(I)の生成物であって、前記(I)の生成物は、すべての可能な互変異および/または異性形態:ラセミ、鏡像異性およびジアステレオ異性の形態であり、並びに、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との医薬的に許容される付加塩、およびそのプロドラッグ。

【公表番号】特表2011−524410(P2011−524410A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514098(P2011−514098)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051140
【国際公開番号】WO2009/153516
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】