説明

ICカードとそのユーザ認証方法及びプログラム、ICカード付き携帯電話、ICカード付き携帯電話システム

【課題】 ICカード使用時に、パスワード、個人情報、指紋の入力等の複雑な入力操作を不要とし、ユーザ以外の第3者の利用を防止することを可能とした非接触型ICカード、非接触型ICカード付き携帯電話、非接触型ICカード付き携帯電話システム、及び、それらのユーザ認証方法とそのプログラムを提供する。
【解決手段】 ICカード2に、携帯電話1に設けられた利用条件入力部11から入力された利用条件を記憶する耐タンパメモリ23と、この利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部21とを設け、第1のユーザ認証部21は、耐タンパメモリ23に記憶されている利用条件を読み出し、外部の対向装置3から送信された利用情報を取得し、読み出した利用条件と取得した利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かにより、ユーザ認証の成否を判断するICカード2を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリベイド型電子マネー、交通機関の電子チケット、定期券、コンサートやスポーツの電子チケット、サインレスのクレジットカード等の非接触型ICカードを利用したサービスシステム及びそのユーザ認証方法に関し、特に、ICカードとそのユーザ認証方法及びプログラム、ICカード付き携帯電話、ICカード付き携帯電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、定期券サイズのカード型が一般的であり、記憶容量が大きいため様々な情報を記憶することができる。ICカードは、記憶内容を読み取る機器に接触させる接触型と接触させない非接触型に大別され、コンピュータと同様にCPUを内蔵したタイプのものと、内蔵していないタイプのものに分類できる。JR西日本のICOCA(イコカ)やJR東日本のSuica(スイカ)、決済に使われるデビットカードもICカードである。
【0003】
従来、非接触型ICカードは、かざすだけで処理を行うことができるという利点がある反面、ユーザインターフェースがなくユーザ認証できないため、かざせば誰にでも使えてしまう欠点もある。一方、携帯電話を利用する際のユーザ認証は、携帯電話にパスワードを入力する、又は、指紋を読み込ませる等の方式が行われている。
【特許文献1】特開2001−22836号公報
【特許文献2】特開2001−92786号公報
【特許文献3】特開2003−196566号公報
【特許文献4】特開平10−124604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話に非接触型ICカードが搭載されると、非接触型ICカードがユーザインターフェースを持つことになり、ユーザ認証が可能となる。しかし、ユーザ認証を行うには、携帯電話の電源を入れて、パスワードを入力する、又は、指紋を読み込ませる等の操作が必要で手間が掛かるため、非接触型ICカードをかざすだけで処理を行うことができるという非接触型ICカードの利点が損なわれてしまう。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、非接触型ICカードにおいて、ユーザが予め登録した利用条件と、該カードの利用情報とを照合し、それらの内容が合致するか否かによりユーザ認証の成否を判断することにより、ユーザがICカードを使用する際に、ユーザインターフェースを用いた、パスワード、個人情報、又は、指紋の入力等の複雑な入力操作を不要とすると共に、ユーザ以外の第3者の利用を防止することを可能とした、利便性、安全性に優れたICカードとそのユーザ認証方法及びプログラム、ICカード付き携帯電話、ICカード付き携帯電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、前記利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、を具備したICカードであって、前記第1のユーザ認証部は、前記第1の記憶手段に記憶されている前記利用条件を読み出し、外部の対向装置から送信された利用情報を取得し、該利用条件と該利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断する非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件及びICカードの利用履歴を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に前記利用履歴を記憶させる履歴管理部と、前記利用条件及び前記利用履歴を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、を具備したICカードであって、前記利用履歴は、前記第1の記憶手段に記憶されている有価情報が更新される毎に、前記履歴管理部により更新記憶され、前記第1のユーザ認証部は、前記第1の記憶手段に記憶されている前記利用条件及び前記利用履歴を読み出し、外部の対向装置から送信された利用情報を取得し、前記利用条件及び前記利用履歴と、該利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断する非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とした請求項1又は2に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容とからなる請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容とからなり、前記装置情報は、外部の対向装置に設けられた利用情報読出し部により、前記第2の記憶手段から読み出され、前記利用時刻及び利用内容は、前記利用情報読出し部により、前記有価情報処理部から読み出される請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記利用情報は、前記利用情報読出し部により読みだされた後に、前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡され、該第2のデータ送受信部は、該利用情報を前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信し、該第1のデータ送受信部は、該利用情報を前記第1のユーザ認証部に引き渡す請求項1から5のいずれか1項に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記利用条件入力部と、請求項1から6のいずれか1項に記載の非接触型ICカードと、を備えた非接触型ICカード付き携帯電話としたことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の非接触型ICカード付き携帯電話と、前記第2の記憶手段、前記有価情報処理部、前記利用条件読出し部、及び、前記第2のデータ送受信部と、を具備する前記対向装置と、からなる非接触型ICカード付き携帯電話システムとしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、前記利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、を具備したICカードであって、前記携帯電話において、パスワード又は指紋等の個人情報を入力する個人情報入力部と、前記パスワード又は指紋等の個人情報を記憶する第3の記憶手段と、ユーザ認証を行う第2のユーザ認証部と、を設け、前記第2のユーザ認証部は、前記個人情報入力部により前記個人情報が入力された場合には、該個人情報と、ユーザ認証前に予め前記第3の記憶手段に記憶されている個人情報とを照合して、それらの内容が合致しているか否かでユーザ認証の成否を判断し、その結果を前記第1のユーザ認証部に引き渡し、前記第1のユーザ認証部は、該引き渡されたユーザ認証結果からユーザ認証の成否を判断する非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とした請求項9記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容とからなる請求項9又は10に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容とからなり、前記装置情報は、外部の対向装置に設けられた利用情報読出し部により、前記第2の記憶手段から読み出され、前記利用時刻及び利用内容は、前記利用情報読出し部により、前記有価情報処理部から読み出される請求項9から11のいずれか1項に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、前記利用情報は、前記利用情報読出し部により読みだされた後に、前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡され、該第2のデータ送受信部は、該利用情報を前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信し、該第1のデータ送受信部は、該利用情報を前記第1のユーザ認証部に引き渡す請求項9から12のいずれか1項に記載の非接触型ICカードとしたことを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、前記利用条件入力部と、前記個人情報入力部と、前記第3の記憶手段と、前記第2のユーザ認証部と、請求項9から13のいずれか1項に記載の非接触型ICカードと、を備えた非接触型ICカード付き携帯電話としたことを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の非接触型ICカード付き携帯電話と、前記第2の記憶手段、前記有価情報処理部、前記利用条件読出し部、及び、前記第2のデータ送受信部と、を具備する前記対向装置と、からなる非接触型ICカード付き携帯電話システムとしたことを特徴とする。
【0021】
請求項16記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、前記利用条件を読み出すための第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、前記第1の記憶手段が、前記利用条件を記憶する利用条件記憶工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件記憶工程により記憶された前記利用条件を読み出す利用条件読出し工程と、前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件と前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、を有する非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0022】
請求項17記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件及びICカードの利用履歴を記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に前記利用履歴を記憶させる履歴管理部と、前記利用条件及び前記利用履歴を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、前記第1の記憶手段が、前記利用条件及び前記利用履歴を記憶する工程と、前記履歴管理部が、前記第1の記憶手段に記憶されている有価情報が更新される毎に、前記利用履歴を更新記憶する工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記第1の記憶手段により記憶された前記利用条件及び前記利用履歴を読み出す利用条件読出し工程と、前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件及び前記利用履歴と、前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、を有する非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0023】
請求項18記載の発明は、パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とする工程を更に有する請求項16又は17に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0024】
請求項19記載の発明は、前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容である請求項16又は18に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0025】
請求項20記載の発明は、前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容であり、前記対向装置に設けられた利用情報読出し部が、前記第2の記憶手段から前記装置情報を読み出す工程と、前記利用情報読出し部が、前記有価情報処理部から前記利用時刻及び利用内容を読み出す工程と、を有する請求項16から19のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0026】
請求項21記載の発明は、前記利用情報読出し部が、前記利用情報を読み出した後に、該利用情報を前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡す工程と、前記第2のデータ送受信部が、前記引き渡された利用情報を、前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信する工程と、前記第1のデータ送受信部が、前記送信された利用情報を、前記第1のユーザ認証部に引き渡す工程と、を有する請求項16から21のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0027】
請求項22記載の発明は、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、前記利用条件を読み出すための第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、前記携帯電話において、パスワード又は指紋等の個人情報を入力する個人情報入力部と、前記パスワード又は指紋等の個人情報を記憶する第3の記憶手段と、ユーザ認証を行う第2のユーザ認証部と、を設け、前記第1の記憶手段が、前記利用条件を記憶する利用条件記憶工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件記憶工程により記憶された前記利用条件を読み出す利用条件読出し工程と、前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件と前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、を有し、前記第2のユーザ認証部は、前記個人情報入力部により前記個人情報が入力された場合には、該個人情報と、ユーザ認証前に予め前記第3の記憶手段に記憶されている個人情報とを照合して、それらの内容が合致しているか否かでユーザ認証の成否を判断し、その結果を前記第1のユーザ認証部に引き渡し、前記第1のユーザ認証部は、該引き渡されたユーザ認証結果からユーザ認証の成否を判断する非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0028】
請求項23記載の発明は、パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とする工程を更に有する請求項22記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0029】
請求項24記載の発明は、前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容である請求項22又は23に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0030】
請求項25記載の発明は、前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容であり、前記対向装置に設けられた利用情報読出し部が、前記第2の記憶手段から前記装置情報を読み出す工程と、前記利用情報読出し部が、前記有価情報処理部から前記利用時刻及び利用内容を読み出す工程と、を有する請求項22から24のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0031】
請求項26記載の発明は、前記利用情報読出し部が、前記利用情報を読み出した後に、該利用情報を前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡す工程と、前記第2のデータ送受信部が、前記引き渡された利用情報を、前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信する工程と、前記第1のデータ送受信部が、前記送信された利用情報を、前記第1のユーザ認証部に引き渡す工程と、を有する請求項22から25のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法としたことを特徴とする。
【0032】
請求項27記載の発明は、請求項16から26のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法をコンピュータに実行させるユーザ認証プログラムとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、非接触型ICカードにおいて、ユーザが予め登録した利用条件と、該カードの利用情報とを照合し、それらの内容が合致するか否かによりユーザ認証の成否を判断することにより、ユーザがICカードを使用する際に、ユーザインターフェースを用いた、パスワード、個人情報、又は、指紋の入力等の複雑な入力操作を不要とすると共に、ユーザ以外の第3者の利用を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明を実施するための最良の形態は、非接触型ICカードにおいて、携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、この利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部とを設け、第1のユーザ認証部は、第1の記憶手段に記憶されている利用条件を読み出し、外部の対向装置から送信された利用情報を取得し、読み出した利用条件と取得した利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断することを特徴とする非接触型ICカードを構成する。
【0035】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
【0036】
まず、図1を用いて、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。図1に示すように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システム100は、携帯電話1と、対向装置3とからなる。携帯電話1は、利用条件入力部11と、ICカード2とを備えている。
【0037】
ICカード2は、ユーザ認証部21、対向装置3との間でデータを送受信するデータ送受信部22、及び、耐タンパメモリ23とを備えている。対向装置3は、プリベイドのポイント情報や電子チケット等の有価情報を処理する有価情報処理部31、利装置情報が記憶される記憶メモリ32、有価情報処理部31から処理後の有価情報及び、ICカード2の利用時の利用内容を、記憶メモリ32から前記装置情報を読み出す利用情報読出部33、及び、ICカード2との間でデータを送受信するデータ送受信部34とを備えている。
【0038】
次に、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの動作について添付図面を用いて以下に説明する。まず、図1に示すように、携帯電話1に搭載されたICカード2の利用者は、携帯電話1のキー操作により、予め携帯電話1の利用条件入力部11に対して、ICカード2の利用条件を入力する。この利用条件の入力は、ユーザ認証の鍵となるので、利用者本人のみが書き込めるように、パスワード認証などで認証したうえで入力可能となるようにされるものとする。利用条件とは、ICカード2の利用場所、利用可能時間帯、及び、利用内容とからなる。
【0039】
例えば、ICカード2がコンビニエンスストアなどで電子マネーとして使用される場合は、利用場所としてコンビニエンスストアの店舗情報、利用可能時間帯としてその店舗をよく利用する時間帯、利用内容として購入金額の上限、購入品種などが利用条件として登録される。また、ICカード2が、交通機関のプリベイドチケットとして使われる場合は、利用場所として入場する駅名、利用可能時間帯としてその駅をよく利用する時間帯、利用内容として入退場の区別などが、利用条件として登録される。
【0040】
次に、実際に携帯電話1に搭載されたICカード2が利用される場面の動作について以下に説明する。まず、対向装置3の有価情報処理部31では、ICカード2の利用時における利用内容が準備される。例えば、ICカード2がコンビニエンスストアなどで電子マネーとして使用される場合は、対向装置3はPOSレジであり、購入品、購入金額などが利用内容となる、また、ICカード2が、交通機関のプリベイドチケットとして使われる場合は、対向装置3は自動改札機であり、入場用、出場用などが利用内容である。
【0041】
そこで、携帯電話1に搭載されたICカード2を対向装置3にかざすと、対向装置3の有する中のデータ送受信部34とICカード2のデータ送受信部22との間でデータの送受信が行われる。そのシーケンスを、図2を用いて示しながら、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システム全体の動作について以下に説明する。
【0042】
まず、利用情報は、対向装置3の記憶メモリ32から読み出された対向装置3の設置場所の装置情報と、対向装置3の有価情報処理部32から読み出した、利用時の利用時刻とその利用内容である。そして、これらの利用情報を、対向装置3の利用情報読出部33が、記憶メモリ32及び有価情報処理部31から読み出して、データ送受信部34に引き渡す。そして、データ送受信部34からICカード2のデータ送受信部22へ利用情報が送信される(ステップ101)。
【0043】
次に、上記利用情報を受け取ったICカード2のデータ送受信部22では、その利用情報をユーザ認証部21に引き渡す。そして、利用情報を受け取ったユーザ認証部21は、耐タンパメモリに蓄えられている上記利用条件と、データ送受信部22から送られてきた利用情報とを比較して、それらの内容が合致する場合には、データ送受信部22に対して、ユーザ認証を成功とし、ICカード2の耐タンパメモリに記憶されている有価情報の利用を許可する。
【0044】
次に、ICカード2のデータ送受信部22は、対向装置3のデータ送受信部34に対して、有価情報の利用可否判定結果と、該判定結果の内容が利用可である場合にはICカード2の耐タンパメモリに記憶されている有価情報と、を送信する(ステップ102)。ここで、有価情報とは、電子マネーやプリベイドチケットの残金、残度数や、プリベイドチケットでは、入場、退場記録等の情報であり、耐タンパメモリ23からデータ送受信22により、これらの有価情報が読み出され、対向装置3のデータ送受信部34に対して送信される。
【0045】
前記対向装置3のデータ送受信部34は、有価情報の利用可否判定結果をみて、利用不可であれば有効なICカード2を適切な利用者が所持していないとして、それ以降の処理を中止する。また、有価情報の利用可否判定結果が利用可であれば、対向装置3のデータ送受信部34は、ICカード2のデータ送受信部22から送信されてきた有価情報を有価情報処理部31に引き渡す。
【0046】
次に、上記有価情報を受け取った有価情報処理部31では、該有価情報に対してサービスに応じた処理を行い、ICカード2に対する有価情報更新のための書き込み情報を作成し、作成した有価情報更新用書き込み情報を、データ送受信部34へ引き渡す。例えば、ICカード2がコンビニエンスストアなどで電子マネーとして使用される場合には、有価情報処理部31により精算処理が行われ、処理後の新たな残金が有価情報更新用書き込み情報としてデータ送受信部34に引き渡される。プリベイドチケットの入場処理であれば、初期引き落とし金額を引いた新たな残金と入場記録が、有価情報更新用書き込み情報として、データ送受信部34に引き渡される。
【0047】
次に、対向装置3のデータ送受信部34は、有価情報処理部31から受け取った上記有価情報更新用書き込み情報及び有価情報更新用書き込み要求情報とを、ICカード2のデータ送受信部22に対して送信する(ステップ103)。該有価情報更新用書き込み情報及び有価情報更新用書き込み要求情報を受け取ったICカード2のデータ送受信部22は、耐タンパメモリ23へ有価情報更新用書き込み情報を書き込み、続いて、対向装置3のデータ送受信部34に対して、有価情報更新用書き込み情報の書き込み完了情報を送信する(ステップ104)。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムによれば、対向装置3の利用情報読出部33により読み出されたICカード2の利用情報と、予め利用者により、携帯電話1の利用条件入力部11から入力されている利用条件とを比較し、該利用情報と該利用条件との内容が合致するか否かをもって、ユーザ認証が行われる。
【0049】
すなわち、本実施形態によれば、ICカード2を利用する利用者の行動が反映された上記利用情報が、ユーザ認証の鍵の入力動作となり、パスワードの入力や指紋の入力といったユーザ認証のためだけに行う動作を省略することができるという効果を得ることができる。また、上記利用条件は、利用者自らが入力した情報であり、第三者は知り得ない秘密情報となる。従って、上記利用条件に合致したICカード2の利用をすることができるのは利用者本人のみであるという効果が得られるので、セキュアな非接触型ICカード付き携帯電話システムを実現することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムについて、添付図面を用いて以下に説明する。図3は、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。図3に示すように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成は、図1に示す第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成に対して、ICカード2に履歴管理部24が加わっていることを特徴とする。
【0051】
次に、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの動作について、上記第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの動作と異なる部分を説明する。なお、共通する部分は、既に説明しているので説明を省略する。図3に示すように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムにおける、携帯電話1に搭載されたICカード2のデータ送受信部22が有価情報更新のための書き込みを行うと、履歴管理部24は、利用履歴を耐タンパメモリ23に書き込む。また、ユーザ認証部21は、耐タンパメモリ23から利用条件と利用履歴を読み出し、対向装置3から送られてくる利用情報とを比較して、ユーザ認証の成否を判断する。
【0052】
このように、本実施形態によれば、利用履歴も含めた利用条件を設定することで、より詳細な利用条件を設定することが可能となる。例えば、1日の利用回数又は/及び利用金額の上限を設定することができる。また、ある鉄道会社の入場履歴があるが出場履歴がない場合に、その鉄道会社の駅構内にある売店でのみ電子マネーを利用できるといった利用条件を設定することが可能となる。
【0053】
(第3の実施形態)
本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムについて、添付図面を用いて以下に説明する。図4は、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。図4に示すように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成は、図1に示す第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成に対して、パスワードや指紋等を入力する個人情報入力部12、予めパスワードや指紋等の個人情報が記録されているメモリ14、及び、個人情報入力部12から入力された個人情報とメモリ14に記録されている個人情報を照合することでユーザ認証を行うユーザ認証部13が加わっていることを特徴とする。
【0054】
次に、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムの動作について、上記第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの動作と異なる部分を説明する。なお、共通する部分は、既に説明しているので説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の非接触型ICカード付き携帯電話システムにおける、携帯電話1に搭載されたICカード2を、対向装置3にかざす前に、個人情報入力部12からパスワードや指紋といった利用者の個人情報を入力する。携帯電話1のユーザ認証部13は、個人情報入力部12から入力された個人情報と予めメモリ14に登録されている個人情報を照合し、利用者のユーザ認証を行い、該認証結果である利用可否情報をICカード2のユーザ認証部21に引き渡す。
【0055】
ICカード2のユーザ認証部21は、携帯電話1のユーザ認証部13から受け取ったユーザ認証結果が利用可となっている場合は、対向装置3から送信されてくる利用情報と耐タンパメモリ23に設定されている利用条件の比較を行わずに利用可と判定し、ICカード2のデータ送信部22にユーザ認証結果を引き渡す。
【0056】
このように、本実施形態によれば、既に説明した第1の実施形態に対して、利用者のパスワード、指紋等の個人情報を使ったユーザ認証を追加することで、利用条件に登録されていない利用シーンでICカード2を利用しようとする場合においても、ICカード2を利用することが可能となる。
【0057】
次に、以上説明した第1から第3の実施形態との比較のため、一般的なICカードを利用したサービスシステムと携帯電話について、添付図面を用いて以下に説明する。
まず、一般的なICカードを利用したサービスシステムについて、図5を用いて説明する。図5は、一般的なICカード2を利用したサービスシステムの構成ブロック図である。このICカード2を利用したサービスシステムには、ICカード2にユーザインターフェースがないため、利用者のユーザ認証を行わずにサービスが提供されている。
【0058】
図5に示すように、ICカード2を対向装置3にかざすと、ICカード2のデータ送受信部22と、対向装置3のデータ送受信部34間で通信が行われ、ICカード2のカード度数などの有価情報を耐タンパメモリ23からデータ送受信部22が読み出し、対向装置3に送られる。対向装置3では、有価情報処理部31がサービスに対応して送られてきた有価情報を処理し、必要であれば、ICカード2へ残度数の更新などの有価情報の書き換え要求を、データ送受信部34を通してICカード2に対して行う。
【0059】
ICカード2では、対向装置3から書き換え要求を受けると、データ送受信部22が、耐タンパメモリ23内の有価情報を書き換える。以上説明したように、ICカード2を利用したサービスシステムにおけるICカード2の利用動作においては、ICカード2をかざした利用者のユーザ認証は行われない。
【0060】
次に、一般的な携帯電話には、通話する、又は、アドレス帳、スケジュール帳を閲覧するなどの携帯電話の機能を使用する前に、利用者のユーザ認証のために、暗証番号、パスワード等を入力するための様々な仕組みが実装されている。更に、携帯電話に指紋読取装置を組み込み、指紋によるユーザ認証を行うものもある。
【0061】
図6を用いて、一般的な携帯電話におけるユーザ認証の仕組みを説明する。図6は、一般的な携帯電話1の構成ブロック図である。図6に示すように、個人入力部12において、暗証番号、パスワードの入力、あるいは、個人情報入力部12として指紋読取装置を使っている場合には、指紋の入力を行う。ユーザ認証部13において、メモリ14に予め登録されている個人情報と、個人情報入力部12から入力された個人情報を照合し、携帯電話能部15の利用の可否判定を行う。携帯電話能部15は、ユーザ認証部13から可否判定結果をもらい、利用可の結果を得た場合にのみ、利用者に機能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システム全体の動作について説明するためのシーケンス図である。
【図3】第2の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。
【図4】第3の実施形態における非接触型ICカード付き携帯電話システムの構成ブロック図である。
【図5】一般的なICカードを利用したサービスシステムの構成ブロック図である。
【図6】一般的な携帯電話の構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯電話
2 ICカード
3 対向装置
11 利用条件入力部
12 個人条件入力部
13 ユーザ認証部
14 メモリ
15 携帯電話能部
21 ユーザ認証部
22 データ送受信部
23 耐タンパメモリ
24 履歴管理部
31 有価情報処理部
32 記憶メモリ
33 利用情報読出部
34 データ送受信部
100 非接触型ICカード付き携帯電話システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、
前記利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、
を具備したICカードであって、
前記第1のユーザ認証部は、前記第1の記憶手段に記憶されている前記利用条件を読み出し、外部の対向装置から送信された利用情報を取得し、該利用条件と該利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断することを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項2】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件及びICカードの利用履歴を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に前記利用履歴を記憶させる履歴管理部と、
前記利用条件及び前記利用履歴を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、
を具備したICカードであって、
前記利用履歴は、前記第1の記憶手段に記憶されている有価情報が更新される毎に、前記履歴管理部により更新記憶され、
前記第1のユーザ認証部は、前記第1の記憶手段に記憶されている前記利用条件及び前記利用履歴を読み出し、外部の対向装置から送信された利用情報を取得し、前記利用条件及び前記利用履歴と、該利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断することを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項3】
パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触型ICカード。
【請求項4】
前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
【請求項5】
前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容とからなり、
前記装置情報は、外部の対向装置に設けられた利用情報読出し部により、前記第2の記憶手段から読み出され、
前記利用時刻及び利用内容は、前記利用情報読出し部により、前記有価情報処理部から読み出されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
【請求項6】
前記利用情報は、前記利用情報読出し部により読みだされた後に、前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡され、該第2のデータ送受信部は、該利用情報を前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信し、該第1のデータ送受信部は、該利用情報を前記第1のユーザ認証部に引き渡すことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
【請求項7】
前記利用条件入力部と、
請求項1から6のいずれか1項に記載の非接触型ICカードと、
を備えたことを特徴とする非接触型ICカード付き携帯電話。
【請求項8】
請求項7記載の非接触型ICカード付き携帯電話と、
前記第2の記憶手段、前記有価情報処理部、前記利用条件読出し部、及び、前記第2のデータ送受信部と、を具備する前記対向装置と、
からなることを特徴とする非接触型ICカード付き携帯電話システム。
【請求項9】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、
前記利用条件を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、
を具備したICカードであって、
前記携帯電話において、パスワード又は指紋等の個人情報を入力する個人情報入力部と、前記パスワード又は指紋等の個人情報を記憶する第3の記憶手段と、ユーザ認証を行う第2のユーザ認証部と、を設け、
前記第2のユーザ認証部は、前記個人情報入力部により前記個人情報が入力された場合には、該個人情報と、ユーザ認証前に予め前記第3の記憶手段に記憶されている個人情報とを照合して、それらの内容が合致しているか否かでユーザ認証の成否を判断し、その結果を前記第1のユーザ認証部に引き渡し、前記第1のユーザ認証部は、該引き渡されたユーザ認証結果からユーザ認証の成否を判断することを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項10】
パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能としたことを特徴とする請求項9記載の非接触型ICカード。
【請求項11】
前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容とからなることを特徴とする請求項9又は10に記載の非接触型ICカード。
【請求項12】
前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容とからなり、
前記装置情報は、外部の対向装置に設けられた利用情報読出し部により、前記第2の記憶手段から読み出され、
前記利用時刻及び利用内容は、前記利用情報読出し部により、前記有価情報処理部から読み出されることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
【請求項13】
前記利用情報は、前記利用情報読出し部により読みだされた後に、前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡され、該第2のデータ送受信部は、該利用情報を前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信し、該第1のデータ送受信部は、該利用情報を前記第1のユーザ認証部に引き渡すことを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
【請求項14】
前記利用条件入力部と、
前記個人情報入力部と、
前記第3の記憶手段と、
前記第2のユーザ認証部と、
請求項9から13のいずれか1項に記載の非接触型ICカードと、
を備えたことを特徴とする非接触型ICカード付き携帯電話。
【請求項15】
請求項14記載の非接触型ICカード付き携帯電話と、
前記第2の記憶手段、前記有価情報処理部、前記利用条件読出し部、及び、前記第2のデータ送受信部と、を具備する前記対向装置と、
からなることを特徴とする非接触型ICカード付き携帯電話システム。
【請求項16】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、
前記利用条件を読み出すための第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、
前記第1の記憶手段が、前記利用条件を記憶する利用条件記憶工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件記憶工程により記憶された前記利用条件を読み出す利用条件読出し工程と、
前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件と前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、を有することを特徴とする非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項17】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件及びICカードの利用履歴を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に前記利用履歴を記憶させる履歴管理部と、
前記利用条件及び前記利用履歴を用いてユーザ認証をする第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、
前記第1の記憶手段が、前記利用条件及び前記利用履歴を記憶する工程と、
前記履歴管理部が、前記第1の記憶手段に記憶されている有価情報が更新される毎に、前記利用履歴を更新記憶する工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記第1の記憶手段により記憶された前記利用条件及び前記利用履歴を読み出す利用条件読出し工程と、
前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件及び前記利用履歴と、前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、を有することを特徴とする非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項18】
パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とする工程を更に有することを特徴とする請求項16又は17に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項19】
前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容であることを特徴とする請求項16又は18に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項20】
前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容であり、
前記対向装置に設けられた利用情報読出し部が、前記第2の記憶手段から前記装置情報を読み出す工程と、
前記利用情報読出し部が、前記有価情報処理部から前記利用時刻及び利用内容を読み出す工程と、
を有することを特徴とする請求項16から19のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項21】
前記利用情報読出し部が、前記利用情報を読み出した後に、該利用情報を前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡す工程と、
前記第2のデータ送受信部が、前記引き渡された利用情報を、前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信する工程と、
前記第1のデータ送受信部が、前記送信された利用情報を、前記第1のユーザ認証部に引き渡す工程と、
を有することを特徴とする請求項16から20のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項22】
携帯電話に設けられた利用条件入力部から入力された利用条件を記憶する第1の記憶手段と、
前記利用条件を読み出すための第1のユーザ認証部と、を具備する非接触型ICカードのユーザ認証方法であって、
前記携帯電話において、パスワード又は指紋等の個人情報を入力する個人情報入力部と、前記パスワード又は指紋等の個人情報を記憶する第3の記憶手段と、ユーザ認証を行う第2のユーザ認証部と、を設け、
前記第1の記憶手段が、前記利用条件を記憶する利用条件記憶工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件記憶工程により記憶された前記利用条件を読み出す利用条件読出し工程と、
前記第1のユーザ認証部が、外部の対向装置から送信された利用情報を取得する利用情報取得工程と、
前記第1のユーザ認証部が、前記利用条件と前記利用情報とを照合して、それらの内容が合致するか否かによって、ユーザ認証の成否を判断するユーザ認証工程と、
を有し、
前記第2のユーザ認証部は、前記個人情報入力部により前記個人情報が入力された場合には、該個人情報と、ユーザ認証前に予め前記第3の記憶手段に記憶されている個人情報とを照合して、それらの内容が合致しているか否かでユーザ認証の成否を判断し、その結果を前記第1のユーザ認証部に引き渡し、前記第1のユーザ認証部は、該引き渡されたユーザ認証結果からユーザ認証の成否を判断することを特徴とする非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項23】
パスワード認証、バイオメトリクス認証等のユーザ認証が認められた場合にのみ、前記利用条件入力部により前記利用条件を入力可能とする工程を更に有することを特徴とする請求項22記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項24】
前記利用条件は、前記ICカードの利用場所、利用時間帯、及び、利用内容であることを特徴とする請求項22又は23に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項25】
前記利用情報は、外部の対向装置に設けられた第2の記憶手段に記憶された該対向装置の設置場所等の装置情報と、該対向装置に設けられた有価情報処理部において作成されたICカード利用時の利用時刻及び利用内容であり、
前記対向装置に設けられた利用情報読出し部が、前記第2の記憶手段から前記装置情報を読み出す工程と、
前記利用情報読出し部が、前記有価情報処理部から前記利用時刻及び利用内容を読み出す工程と、
を有することを特徴とする請求項22から24のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項26】
前記利用情報読出し部が、前記利用情報を読み出した後に、該利用情報を前記対向装置に設けられた第2のデータ送受信部に引き渡す工程と、
前記第2のデータ送受信部が、前記引き渡された利用情報を、前記ICカードに設けられた第1の送受信部に送信する工程と、
前記第1のデータ送受信部が、前記送信された利用情報を、前記第1のユーザ認証部に引き渡す工程と、
を有することを特徴とする請求項22から25のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法。
【請求項27】
請求項31記載の発明は、請求項16から26のいずれか1項に記載の非接触型ICカードのユーザ認証方法を、コンピュータに実行させることを特徴とするユーザ認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−58970(P2006−58970A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237604(P2004−237604)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】