ICカードモジュール、フィルムキャリアテープ、ICカード及びそれらの製造方法
【課題】プリント基板にICチップを搭載した構造とすることにより、ICカードモジュールの形状及び大きさを変更しても、ICカードモジュールからICカードを製造する設備の改造をほとんど必要としないICカードモジュール、フィルムキャリアテープ、ICカード及びこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】ICチップ11を有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュール16である。ICカードモジュール16は、ICチップ11を搭載したプリント基板12と、ICチップ11を封止する合成樹脂製の封止部15とを備えている。
【解決手段】ICチップ11を有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュール16である。ICカードモジュール16は、ICチップ11を搭載したプリント基板12と、ICチップ11を封止する合成樹脂製の封止部15とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はICチップを有するICカードモジュール、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープ、ICカードモジュールを備えたICカード及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は従来のICカードの製造方法の説明図である(例えば、特許文献1参照)。図11(a)に示すように、まず半導体ウエハ50にリソグラフィ工程によって集積回路(IC)を設ける。次に、半導体ウエハ50の集積回路が設けられている面の裏面を、半導体ウエハ50の厚さが予め定められている厚さとなるように研磨する。次に、図11(b)に示すように、半導体ウエハ50を個々のICチップ51に裁断する。
【0003】
次に、図11(c)に示すように、予め両側縁に一定の間隔でスプロケット穴53を設け、さらに配線パターンが形成されたガラスエポキシ製のテープ52に多数のICチップ51を搭載する。
【0004】
次に、ICチップ51を合成樹脂製の封止部54で封止する。テープ52をリールに巻き取ることにより、テープリール55になる。次に、テープリール55からテープ52を引き戻しながら、一方の面に剥離紙が貼付されている両面接着テープを、多数の封止部54が通る穴の開いている形状に切り抜いてテープ52に貼り付ける。次に、両面接着テープの剥離紙を取り除く。
【0005】
次に、図11(d)に示すように、テープ52から裁断金型56でICチップ51を含む封止部54及びテープ52に形成された配線パターンをICカードモジュール61として打ち抜く。裁断金型56による打ち抜き後に開口57がテープ52に残る。
【0006】
次に、図11(e)に示すように、ICカードモジュール61を、両面接着テープでICカード基材60に接着し、ICカード63とする。符号62はテープ52に形成された配線層及び外部端子を示す。
【0007】
なお、半導体ウエハ50からICカード63までの製造を単一の業者が行う場合と、半導体ウエハ50からテープリール55の製造までを行うICカードモジュール製造業者とテープリール55をICカードモジュール製造業者から購入してICカード63を製造するICカード製造業者とが異なる場合とがある。
【0008】
テープ52の幅w及びスプロケット穴53の間隔dは、ある程度規格化されている。外部端子62のパターンもある程度規格化されている。ICカード製造業者は規格に適合したテープリール55をICカードモジュール製造業者から購入することによって、製造設備を改造することなく、様々な機能を有するICカードを製造することができる。
【0009】
半導体ウエハ50からICカード63までの製造を単一の業者で行う場合にも、規格に適合したテープリール55を製造することによって、ICカードの製造設備を改造することなく、様々な機能を有するICカードを製造することができる。
【特許文献1】特開平10−203065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ICカードは、交通のチケット、金融カード等に用途が拡大しており、1枚のカードで多機能をもたせるようになってきている。また、高セキュリティ機能の要求があるため、ICチップの記憶容量の大容量化が進んでいる。ICカードの多機能化及びICチップの大容量化によって、各種の規格に適合しないテープリールが製造されることが懸念されている。
【0011】
規格に適合しないテープリールからICカードを製造する場合には、製造設備の改造が必要になり、ICカードの製造コストが大きくなることが予想される。
【0012】
半導体ウエハの製造からICカードの製造までを同一の製造業者が行う場合にも、テープリールの規格の変更にともなって、テープリールからICカードを製造する製造設備の改造が必要となるので、製造コストが大きくなることが予想される。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プリント基板にICチップを搭載した構造とすることにより、ICカードモジュールの形状及び大きさを変更しても、ICカードモジュールからICカードを製造する設備の改造をほとんど必要としないICカードモジュール、フィルムキャリアテープ、ICカード及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、ICカード基板に接着させるための両面接着テープを貼り付ける構造とすることにより、ICカードの製造工程を簡略化できるICカードモジュールを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、剥離紙を有するか、または有しない両面接着テープを用いることにより、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープ及びフィルムの接着力よりも強くなり、フィルムからICカードモジュールを分離したときに、両面接着テープがICカードモジュールに貼付された状態のフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、フィルムに一定の間隔で穴を開け、穴の周囲に両面接着テープを貼付することにより、多数のICカードモジュールをICカードに接着させるときに便利な位置に両面接着テープが設けられているフィルムキャリアテープを提供すること目的とする。
【0017】
また、本発明は、両面接着テープを150℃以上で硬化又は可塑をする材料を用いることにより、自動車で運送を行うときに両面接着テープの接着力が変化しないフィルムキャリアテープ及びICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、フィルムに粘着材を塗布することにより、フィルムにICカードモジュール及び両面接着テープを貼り付けるフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、アクリル系粘着材を用いることにより、取り扱いが簡単で、安価な材料を使用したフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、真空吸着により、フィルムキャリアテープとICカードモジュールとの分離を簡単に行うICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るICカードモジュールは、ICチップを有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュールにおいて、前記ICチップを搭載したプリント基板と、前記ICチップを封止する合成樹脂製の封止部とを備えていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るICカードモジュールは、両面接着テープが貼付されていることを特徴とする。
【0023】
本発明に係るフィルムキャリアテープは、テープ状のフィルムと、請求項1に記載の複数のICカードモジュールと、前記フィルム及び前記ICカードモジュール間に介在する両面接着テープとを備えていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープは前記フィルム側に剥離紙を有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープ及び前記ICカードモジュールの接着力が前記両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、前記両面接着テープは環状で前記穴の周囲に貼付され、前記封止部が前記穴を貫通していることを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープは150℃以上で硬化するか又は可塑性を示す材料を用いてなることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープまたは前記剥離紙を前記フィルムに粘着させる粘着材が設けられていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記粘着材はアクリル系粘着材であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係るICカードは、ICカード基材と、請求項1に記載のICカードモジュールと、前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着する両面接着テープとを備えていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係るICカードは、ICカード基材と、前述のICカードモジュールとを備え、前記両面接着テープは前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着していることを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係るICカードモジュールの製造方法は、複数のICチップをプリント基板に搭載する工程と、前記ICチップを合成樹脂製の封止部で封止する工程と、複数の前記ICチップを搭載したプリント基板をICチップモジュールに裁断する工程とを有することを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープの製造方法は、テープ状のフィルムに両面接着テープを貼り付ける工程と、前記両面接着テープに前述のICカードモジュールを複数接着する工程とを有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、前述の何れかひとつのフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に装着する装着工程とを有することを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、前記分離工程は前記ICカードモジュールを真空吸着により分離することを特徴とする。
【0036】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、前述のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に接着させる接着工程と、前記両面接着テープを150℃以上に加熱して前記ICカードモジュール及び前記ICカード基材の接着力を強化する加熱工程とを有することを特徴とする。
【0037】
本発明では、ICチップがプリント基板に搭載され、合成樹脂製の封止部で封止されている。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュール形状に合わせて打ち抜く必要がなく、フィルムキャリアテープからICカードを製造することができる。
【0038】
また、本発明では、ICカードモジュールは両面接着テープを備えているので、両面接着テープでICカードモジュールは簡単にICカード基材に接着することができる。
【0039】
また、本発明では、複数のICカードモジュールを両面接着テープでフィルムに接着させてフィルムキャリアテープとしているので、ICカードモジュールの運送及び保管が簡単に行える。
【0040】
また、本発明では、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強くなっているので、フィルムからICカードモジュールを分離したとき、両面接着テープがICカードモジュールに接着された状態となる。
【0041】
また、本発明では、フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、穴の周囲に両面接着テープが接着され、穴にICカードモジュールの封止部が通ることによって、ICカードモジュールが両面接着テープに接着されている。ICカードモジュールにICカード基材を接着させるための両面接着テープが貼り付けられているので、フィルムキャリアテープからICカードを製造するのが簡単に行える。
【0042】
また、本発明では、両面接着テープは150℃以上で硬化し又は可塑性を示す材料を用いているので、自動車でフィルムキャリアテープを運送するときには、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることはなく、両面接着テープの接着力が変化しない。
【0043】
また、本発明では、フィルムに両面接着テープまたは剥離紙を粘着材で粘着させているので、フィルムと両面接着テープ及びICカードモジュールとの粘着力を適度に調節することができる。
【0044】
また、本発明では、粘着材はアクリル系粘着材であるので、取り扱いが簡単である。
【0045】
また、本発明では、ICカードモジュールとICカード基材は両面接着テープで接着されてICカードとなっている。
【0046】
また、本発明では、フィルムキャリアテープからICカードモジュールは両面接着テープが貼り付けられている状態で分離され、分離されたICカードモジュールがICカード基材に両面接着テープで装着されることによってICカードが製造される。したがって、ICカードの製造が簡単に行える。
【0047】
また、本発明では、ICカードモジュールは真空吸着によりフィルムキャリアテープから分離される。したがって、ICカードモジュールの形状及び大きさが変更されたときにも製造設備に大きな改造を行わなくてもICカードが製造できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明では、プリント基板にICチップを搭載し、合成樹脂製の封止部で封止してICカードモジュールとしているので、ICカードモジュールからICカードを製造する場合に、ICカードモジュールがICカード基材に装着される。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュールの形状に合わせて打ち抜く必要がなく、ICカードを製造することができる。
【0049】
また、本発明では、ICカードモジュールに両面接着テープが貼り付けられているので、ICカードモジュールとICカード基板との接着が両面接着テープで簡単に行うことができる。
【0050】
また、本発明では、フィルムにICカードモジュールが剥離紙を有する両面接着テープで貼り付けられているので、フィルムをリールに巻く場合にはICカードモジュールの運送及び保管が簡単になる。
【0051】
また、本発明では、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いので、フィルムに貼り付けられたICカードモジュールがフィルムから分離したときに、両面接着テープがICカードモジュールに貼り付いた状態となるので、ICカードの製造が簡単に行える。
【0052】
また、本発明では、フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、開けられた穴の周囲に両面接着テープが貼り付けられている。穴にICカードモジュールの封止部を通してICカードモジュールは両面接着テープに接着され、フィルムキャリアテープとなる。両面接着テープはICカードを製造するときに使用されるので、ICカードの製造が簡単に行えるようになる。
【0053】
また、本発明では、両面接着テープは150℃以上で硬化し又は可塑性を示す材料を用いているので、フィルムキャリアテープを自動車で運送を行うときには、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがなく、両面接着テープの接着力が変化しない。ICカードを製造するときには、ICカード基材とICカードモジュールとを接着させ、両面接着テープを150℃以上に加熱することによって、ICカード基材とICカードモジュールとの接着力を強化することができる。
【0054】
また、本発明では、フィルムに粘着材が塗布され、両面接着テープ及びICカードモジュールを粘着させている。フィルムキャリアテープを運送及び保管を行うときには、粘着材によってフィルムキャリアテープからICカードモジュールがはがれないようになっており、ICカードを製造するときには、簡単にフィルムキャリアテープからICカードモジュールが分離されるように適度な粘着力をもつようにすることができる。
【0055】
また、本発明では、粘着材がアクリル系粘着材であるので、取り扱いが簡単である。
【0056】
また、本発明では、フィルムキャリアテープからICカードモジュールは両面接着テープが貼り付いた状態で分離され、両面接着テープでICカード基材に装着されることによってICカードが製造される。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュールの形状に合わせて打ち抜く必要がなく、ICカードの製造が簡単に行える。
【0057】
また、本発明では、ICカードモジュールはフィルムキャリアテープから真空吸着により分離される。ICカードモジュールの形状及び大きさが変更された場合にもICカードの製造設備に大きな改造を行わなくてもICカードの製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図10に基づいて説明する。本実施形態のICカードは、ICカードモジュールの製造工程と、フィルムキャリアテープの製造工程と、ICカードの製造工程を経て製造される。各製造工程について分けて説明する。
【0059】
<ICカードモジュールの製造工程>
図1はICカードモジュールの製造工程を示す斜視図である。図2はICカードモジュールの製造工程のフローチャートである。図3はICカードモジュールの断面図である。
【0060】
まず半導体ウエハ10を製造する(S10)。次に、半導体ウエハ10に、リソグラフィ工程などによって集積回路を形成する(S11)。図1(a)に集積回路が形成された半導体ウエハ10を示す。次に、半導体ウエハ10の集積回路が設けられている面の裏面を、半導体ウエハ10の厚さが400μm、300μm、200μm、100μm、70μmなどの予め定められている厚さとなるように研磨する(S12)。
【0061】
次に、半導体ウエハ10を集積回路の個片であるICチップ11に裁断する(S13)。図1(b)に裁断されたICチップ11を示す。
【0062】
予め所定の孔13及び銅箔の外部端子26が設けられたガラスエポキシ樹脂製のプリント基板12にICチップ11をダイボンディングによって装着する(S14)。次に、ワイヤボンディングによってICチップ11及び外部端子26を孔13を通した金属ワイヤ14で接続する(S15)。
【0063】
図1(c)に示すように、プリント基板12には複数のICチップ11を一定の間隔で装着し、1個のICチップ11に対して6本の金属ワイヤ14で外部端子26に接続する。
【0064】
次に、ICチップ11及び金属ワイヤ14を合成樹脂製の封止部15で封止する(S16)。図1(d)に封止部15及びプリント基板12を示す。
【0065】
次に、プリント基板12を単独のICチップ11が含まれる所定の形状に裁断し(S17)、ICカードモジュール16とする(S18)。図1(e)及び図3にICカードモジュール16を示す。
【0066】
ICカードモジュール16は、プリント基板12の一方の面にICチップ11が装着され、ICチップ11及び外部端子26が孔13を通した金属ワイヤ14で接続され、ICチップ11及び金属ワイヤ14は封止部15で封止されている。
【0067】
なお、本実施形態では、ICチップ11及び外部端子26はワイヤボンディングにより金属ワイヤ14で接続されるが、金属ワイヤを用いないフリップチップボンディングによりICチップ及びプリント基板上の外部端子を接続してもよい。
【0068】
<フィルムキャリアテープの製造工程>
図4はフィルムキャリアテープの製造工程を示す斜視図である。図5はフィルムキャリアテープの製造工程のフローチャートである。図6はフィルムキャリアテープの断面図である。図7は別実施形態のフィルムキャリアテープの断面図である。
【0069】
まずポリイミド樹脂製のテープ状のフィルム20を用意する(S20)。パンチングによってフィルム20の両側縁に沿ってスプロケット穴21及び中心線に沿って貫通穴22をそれぞれ予め定められた間隔で開ける(S21)。図4(a)にスプロケット穴21及び貫通穴22が開けられたフィルム20を示す。
【0070】
次に、フィルム20の一方の面の両側縁を除いてアクリル系の粘着材23を塗布する(S22)。次に、剥離紙25の一面に貫通穴22を囲むように環状に切り抜かれた多数の両面接着テープ24を貼着したものを、剥離紙25を粘着材23側にして貼り付ける。(S23)。図4(b)に粘着材23を塗布し、剥離紙25および両面接着テープ24が貼り付けられたフィルム20を示す。図4(c)は図4(b)のc−c線拡大断面図である。
【0071】
次に、ICカードモジュールの製造工程によって製造されたICカードモジュール16の封止部15を貫通穴22に通してプリント基板12を両面接着テープ24でフィルム20に複数貼り付け(S24)、フィルムキャリアテープ27とする(S25)。
【0072】
図4(d)にICカードモジュール16が複数貼り付けられたフィルム20を示す。図4(e)は図4(d)のe−e線拡大断面図、図6は図4(d)のVI−VI線拡大断面図である。フィルム20の上面に粘着材23が塗着され、両面接着テープ24との間に剥離紙25が介在している。両面接着テープ24の上面はプリント基板12のICチップ11が搭載されている面に接着されている。粘着材23は剥離紙25をフィルム20に粘着させている。
【0073】
両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が剥離紙25との接着力より強い。接着力の強弱はプリント基板12と剥離紙25との材質の違いによる。剥離紙25は粘着材23に両面接着テープ24より強く接着している。
【0074】
図7はフィルム20と両面接着テープ24との間に剥離紙を介在させない実施形態のフィルムキャリアテープ27aの断面図である。フィルム20の上面に粘着材23が積層されている。フィルムキャリアテープ27aは、図5に示す製造工程において、剥離紙が貼り付けられていない両面接着テープ24を粘着材23に貼り付けることにより製造される(S23)。
【0075】
フィルム20の上面に粘着材23が塗着されている。フィルム20の上面に両面接着テープ24が積層されている。両面接着テープ24の上面及び粘着材23の上面がプリント基板12のICチップ11が搭載されている面に接着されている。粘着材23はプリント基板12及び両面接着テープ24をフィルム20に粘着させている。プリント基板12と粘着材23との材質の違いにより、両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が粘着材23との接着力より強い。粘着材23は接触面積の違いから、フィルム20との接着力がプリント基板12との接着力より強い。
【0076】
フィルムキャリアテープ27及び27aの運送及び保管を行う場合には、粘着材23によってフィルム20からICカードモジュール16及び両面接着テープ24がはがれないようになっており、後述するICカードを製造する場合には簡単にフィルム20とICカードモジュール16とが分離できるように粘着材23の粘着力が調節されている。
【0077】
図4(f)に示すように、フィルムキャリアテープ27はリールに巻き取られ、運送及び保管される。
【0078】
両面接着テープ24は150℃以上で硬化する性質を有する。したがって、フィルムキャリアテープ27を自動車で運送するとき、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがないので、両面接着テープ24の接着力が低下しない。
【0079】
なお、両面接着テープ24は150℃以上で可塑する性質を有するものでもよい。この場合も、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがないので、両面接着テープ24の接着力が低下しない。
【0080】
<ICカードの製造工程>
図8はICカードの製造工程におけるICカードモジュール16の側面図である。図9はICカードの製造工程を示す斜視図である。図10はICカードの製造工程のフローチャートである。
【0081】
まずフィルムキャリアテープの製造工程によって製造されたフィルムキャリアテープ27を用意する(S30)。次に、ICカードモジュール16の外部端子26が設けられている面を真空吸着することにより、ICカードモジュール16をフィルムキャリアテープ27から分離する(S31)。
【0082】
両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が剥離紙25との接着力より強く、剥離紙25は両面接着テープ24より粘着材23に強く接着され、粘着材23はフィルム20との接着力がプリント基板12との接着力より強いので、分離工程(S31)により、図8に示すように、プリント基板12に両面接着テープ24が貼り付けられているICカードモジュール16と、粘着材23及び剥離紙25が積層されているフィルム20とに分離される。
【0083】
図7に示すような剥離紙を有しない両面接着テープ24の場合、フィルムキャリアテープ27aからICカードモジュール16が分離されたときに両面接着テープ24は、フィルム20上の粘着材23よりはがされてプリント基板12に貼付けされた状態となる。
【0084】
次に、ICカードモジュール16をICカード基材30に装着する(S32)。図9(a)にICカード基材30を示す。ICカード基材30は合成樹脂製で薄い平板を矩形に切り取り、四隅は円弧に削られた形状をしている。
【0085】
ICカード基材30の短辺の一方の近くにICカードモジュール16を装着するための2重段差32及び33を有する凹部31が設けられている。凹部31の1段目の段差32が両面接着テープ24の接着用に設けられている。段差32の中央部にはさらに深い2段目の段差33がICカードモジュール16の封止部15の格納用に設けられている。
【0086】
図9(b)にICカードモジュール16が装着されたICカード基材30を示す。ICカードモジュール16に貼り付けられている両面接着テープ24を段差32に接着する。
【0087】
次に、両面接着テープ24を150℃以上の硬化温度にまで加熱して、ICカード基材30とICカードモジュール16との接着力を強くする。
【0088】
次に、ICカードモジュール16が装着されたICカード基材30の動作テストを行う(S33)。動作テスト(S33)を合格したICカード基材30が、ICカードとして出荷される(S34)。
【0089】
以上のように、フィルムキャリアテープ27からICカードモジュール16を真空吸着で分離しているので、ICカードモジュール16の形状及び大きさの微小な変更がなされてもICカードの製造設備の改造は必要とせず、フィルムキャリアテープ27からICカードを製造することができる。
【0090】
また、ICカードモジュール16の形状及び大きさの変更にともなって、フィルムキャリアテープ27でのICカードモジュール16の配置が変更されても、真空吸着を行う箇所を変更すればよいので、ICカードの製造設備の改造をほとんど必要としない。したがって、多機能化及びセキュリティ機能の高機能化によってICカードモジュール16の形状及び大きさが変更されることになってもよい。
【0091】
また、ICカードモジュール16をフィルムキャリアテープ27から真空吸着で分離したときに、ICカードモジュール16に両面接着テープ24が貼り付けられているので、両面接着テープ24でICカードモジュール16をICカード基材30に装着するのが簡単に行える。
【0092】
また、フィルムキャリアテープ27からICカードを製造するときにフィルムキャリアテープ27から裁断金型で打ち抜く工程が省略されるので、ICカードの製造が簡単に行える。
【0093】
なお、フィルム20はポリイミド樹脂製だけでなく、ポリエステル製のように屈曲性の材料でもよい。
【0094】
また、両面接着テープ24が150℃以上での熱可塑性を有する場合には、カード基材30とICカードモジュール16とを接着させた後に、両面接着テープ24を150℃以上の可塑温度にまで加熱することによって、カード基材30とICカードモジュール16との接着力が強化される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明のICカードモジュールの製造工程を示す斜視図である。
【図2】本発明のICカードモジュールの製造工程のフローチャートである。
【図3】ICカードモジュールの断面図である。
【図4】本発明のフィルムキャリアテープの製造工程を示す斜視図である。
【図5】フィルムキャリアテープの製造工程のフローチャートである。
【図6】フィルムキャリアテープの断面図である。
【図7】変形例のフィルムキャリアテープの断面図である。
【図8】本発明のICカードの製造工程におけるICカードモジュールの側面図である。
【図9】本発明のICカードの製造工程を示す斜視図である。
【図10】ICカードの製造工程のフローチャートである。
【図11】従来のICカードの製造方法の説明図である。
【符号の説明】
【0096】
10 半導体ウエハ
11 ICチップ
12 プリント基板
13 孔
14 金属ワイヤ
15 封止部
16 ICカードモジュール
20 フィルム
23 粘着材
24 両面接着テープ
25 剥離紙
27、27a フィルムキャリアテープ
30 ICカード基材
31 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明はICチップを有するICカードモジュール、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープ、ICカードモジュールを備えたICカード及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は従来のICカードの製造方法の説明図である(例えば、特許文献1参照)。図11(a)に示すように、まず半導体ウエハ50にリソグラフィ工程によって集積回路(IC)を設ける。次に、半導体ウエハ50の集積回路が設けられている面の裏面を、半導体ウエハ50の厚さが予め定められている厚さとなるように研磨する。次に、図11(b)に示すように、半導体ウエハ50を個々のICチップ51に裁断する。
【0003】
次に、図11(c)に示すように、予め両側縁に一定の間隔でスプロケット穴53を設け、さらに配線パターンが形成されたガラスエポキシ製のテープ52に多数のICチップ51を搭載する。
【0004】
次に、ICチップ51を合成樹脂製の封止部54で封止する。テープ52をリールに巻き取ることにより、テープリール55になる。次に、テープリール55からテープ52を引き戻しながら、一方の面に剥離紙が貼付されている両面接着テープを、多数の封止部54が通る穴の開いている形状に切り抜いてテープ52に貼り付ける。次に、両面接着テープの剥離紙を取り除く。
【0005】
次に、図11(d)に示すように、テープ52から裁断金型56でICチップ51を含む封止部54及びテープ52に形成された配線パターンをICカードモジュール61として打ち抜く。裁断金型56による打ち抜き後に開口57がテープ52に残る。
【0006】
次に、図11(e)に示すように、ICカードモジュール61を、両面接着テープでICカード基材60に接着し、ICカード63とする。符号62はテープ52に形成された配線層及び外部端子を示す。
【0007】
なお、半導体ウエハ50からICカード63までの製造を単一の業者が行う場合と、半導体ウエハ50からテープリール55の製造までを行うICカードモジュール製造業者とテープリール55をICカードモジュール製造業者から購入してICカード63を製造するICカード製造業者とが異なる場合とがある。
【0008】
テープ52の幅w及びスプロケット穴53の間隔dは、ある程度規格化されている。外部端子62のパターンもある程度規格化されている。ICカード製造業者は規格に適合したテープリール55をICカードモジュール製造業者から購入することによって、製造設備を改造することなく、様々な機能を有するICカードを製造することができる。
【0009】
半導体ウエハ50からICカード63までの製造を単一の業者で行う場合にも、規格に適合したテープリール55を製造することによって、ICカードの製造設備を改造することなく、様々な機能を有するICカードを製造することができる。
【特許文献1】特開平10−203065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ICカードは、交通のチケット、金融カード等に用途が拡大しており、1枚のカードで多機能をもたせるようになってきている。また、高セキュリティ機能の要求があるため、ICチップの記憶容量の大容量化が進んでいる。ICカードの多機能化及びICチップの大容量化によって、各種の規格に適合しないテープリールが製造されることが懸念されている。
【0011】
規格に適合しないテープリールからICカードを製造する場合には、製造設備の改造が必要になり、ICカードの製造コストが大きくなることが予想される。
【0012】
半導体ウエハの製造からICカードの製造までを同一の製造業者が行う場合にも、テープリールの規格の変更にともなって、テープリールからICカードを製造する製造設備の改造が必要となるので、製造コストが大きくなることが予想される。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プリント基板にICチップを搭載した構造とすることにより、ICカードモジュールの形状及び大きさを変更しても、ICカードモジュールからICカードを製造する設備の改造をほとんど必要としないICカードモジュール、フィルムキャリアテープ、ICカード及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、ICカード基板に接着させるための両面接着テープを貼り付ける構造とすることにより、ICカードの製造工程を簡略化できるICカードモジュールを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、剥離紙を有するか、または有しない両面接着テープを用いることにより、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープ及びフィルムの接着力よりも強くなり、フィルムからICカードモジュールを分離したときに、両面接着テープがICカードモジュールに貼付された状態のフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、フィルムに一定の間隔で穴を開け、穴の周囲に両面接着テープを貼付することにより、多数のICカードモジュールをICカードに接着させるときに便利な位置に両面接着テープが設けられているフィルムキャリアテープを提供すること目的とする。
【0017】
また、本発明は、両面接着テープを150℃以上で硬化又は可塑をする材料を用いることにより、自動車で運送を行うときに両面接着テープの接着力が変化しないフィルムキャリアテープ及びICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、フィルムに粘着材を塗布することにより、フィルムにICカードモジュール及び両面接着テープを貼り付けるフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、アクリル系粘着材を用いることにより、取り扱いが簡単で、安価な材料を使用したフィルムキャリアテープを提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、真空吸着により、フィルムキャリアテープとICカードモジュールとの分離を簡単に行うICカードの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るICカードモジュールは、ICチップを有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュールにおいて、前記ICチップを搭載したプリント基板と、前記ICチップを封止する合成樹脂製の封止部とを備えていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るICカードモジュールは、両面接着テープが貼付されていることを特徴とする。
【0023】
本発明に係るフィルムキャリアテープは、テープ状のフィルムと、請求項1に記載の複数のICカードモジュールと、前記フィルム及び前記ICカードモジュール間に介在する両面接着テープとを備えていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープは前記フィルム側に剥離紙を有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープ及び前記ICカードモジュールの接着力が前記両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、前記両面接着テープは環状で前記穴の周囲に貼付され、前記封止部が前記穴を貫通していることを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープは150℃以上で硬化するか又は可塑性を示す材料を用いてなることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記両面接着テープまたは前記剥離紙を前記フィルムに粘着させる粘着材が設けられていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープは、前記粘着材はアクリル系粘着材であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係るICカードは、ICカード基材と、請求項1に記載のICカードモジュールと、前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着する両面接着テープとを備えていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係るICカードは、ICカード基材と、前述のICカードモジュールとを備え、前記両面接着テープは前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着していることを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係るICカードモジュールの製造方法は、複数のICチップをプリント基板に搭載する工程と、前記ICチップを合成樹脂製の封止部で封止する工程と、複数の前記ICチップを搭載したプリント基板をICチップモジュールに裁断する工程とを有することを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係るフィルムキャリアテープの製造方法は、テープ状のフィルムに両面接着テープを貼り付ける工程と、前記両面接着テープに前述のICカードモジュールを複数接着する工程とを有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、前述の何れかひとつのフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に装着する装着工程とを有することを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、前記分離工程は前記ICカードモジュールを真空吸着により分離することを特徴とする。
【0036】
また、本発明に係るICカードの製造方法は、ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、前述のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に接着させる接着工程と、前記両面接着テープを150℃以上に加熱して前記ICカードモジュール及び前記ICカード基材の接着力を強化する加熱工程とを有することを特徴とする。
【0037】
本発明では、ICチップがプリント基板に搭載され、合成樹脂製の封止部で封止されている。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュール形状に合わせて打ち抜く必要がなく、フィルムキャリアテープからICカードを製造することができる。
【0038】
また、本発明では、ICカードモジュールは両面接着テープを備えているので、両面接着テープでICカードモジュールは簡単にICカード基材に接着することができる。
【0039】
また、本発明では、複数のICカードモジュールを両面接着テープでフィルムに接着させてフィルムキャリアテープとしているので、ICカードモジュールの運送及び保管が簡単に行える。
【0040】
また、本発明では、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強くなっているので、フィルムからICカードモジュールを分離したとき、両面接着テープがICカードモジュールに接着された状態となる。
【0041】
また、本発明では、フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、穴の周囲に両面接着テープが接着され、穴にICカードモジュールの封止部が通ることによって、ICカードモジュールが両面接着テープに接着されている。ICカードモジュールにICカード基材を接着させるための両面接着テープが貼り付けられているので、フィルムキャリアテープからICカードを製造するのが簡単に行える。
【0042】
また、本発明では、両面接着テープは150℃以上で硬化し又は可塑性を示す材料を用いているので、自動車でフィルムキャリアテープを運送するときには、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることはなく、両面接着テープの接着力が変化しない。
【0043】
また、本発明では、フィルムに両面接着テープまたは剥離紙を粘着材で粘着させているので、フィルムと両面接着テープ及びICカードモジュールとの粘着力を適度に調節することができる。
【0044】
また、本発明では、粘着材はアクリル系粘着材であるので、取り扱いが簡単である。
【0045】
また、本発明では、ICカードモジュールとICカード基材は両面接着テープで接着されてICカードとなっている。
【0046】
また、本発明では、フィルムキャリアテープからICカードモジュールは両面接着テープが貼り付けられている状態で分離され、分離されたICカードモジュールがICカード基材に両面接着テープで装着されることによってICカードが製造される。したがって、ICカードの製造が簡単に行える。
【0047】
また、本発明では、ICカードモジュールは真空吸着によりフィルムキャリアテープから分離される。したがって、ICカードモジュールの形状及び大きさが変更されたときにも製造設備に大きな改造を行わなくてもICカードが製造できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明では、プリント基板にICチップを搭載し、合成樹脂製の封止部で封止してICカードモジュールとしているので、ICカードモジュールからICカードを製造する場合に、ICカードモジュールがICカード基材に装着される。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュールの形状に合わせて打ち抜く必要がなく、ICカードを製造することができる。
【0049】
また、本発明では、ICカードモジュールに両面接着テープが貼り付けられているので、ICカードモジュールとICカード基板との接着が両面接着テープで簡単に行うことができる。
【0050】
また、本発明では、フィルムにICカードモジュールが剥離紙を有する両面接着テープで貼り付けられているので、フィルムをリールに巻く場合にはICカードモジュールの運送及び保管が簡単になる。
【0051】
また、本発明では、両面接着テープ及びICカードモジュールの接着力が両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いので、フィルムに貼り付けられたICカードモジュールがフィルムから分離したときに、両面接着テープがICカードモジュールに貼り付いた状態となるので、ICカードの製造が簡単に行える。
【0052】
また、本発明では、フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、開けられた穴の周囲に両面接着テープが貼り付けられている。穴にICカードモジュールの封止部を通してICカードモジュールは両面接着テープに接着され、フィルムキャリアテープとなる。両面接着テープはICカードを製造するときに使用されるので、ICカードの製造が簡単に行えるようになる。
【0053】
また、本発明では、両面接着テープは150℃以上で硬化し又は可塑性を示す材料を用いているので、フィルムキャリアテープを自動車で運送を行うときには、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがなく、両面接着テープの接着力が変化しない。ICカードを製造するときには、ICカード基材とICカードモジュールとを接着させ、両面接着テープを150℃以上に加熱することによって、ICカード基材とICカードモジュールとの接着力を強化することができる。
【0054】
また、本発明では、フィルムに粘着材が塗布され、両面接着テープ及びICカードモジュールを粘着させている。フィルムキャリアテープを運送及び保管を行うときには、粘着材によってフィルムキャリアテープからICカードモジュールがはがれないようになっており、ICカードを製造するときには、簡単にフィルムキャリアテープからICカードモジュールが分離されるように適度な粘着力をもつようにすることができる。
【0055】
また、本発明では、粘着材がアクリル系粘着材であるので、取り扱いが簡単である。
【0056】
また、本発明では、フィルムキャリアテープからICカードモジュールは両面接着テープが貼り付いた状態で分離され、両面接着テープでICカード基材に装着されることによってICカードが製造される。したがって、フィルムキャリアテープをICカードモジュールの形状に合わせて打ち抜く必要がなく、ICカードの製造が簡単に行える。
【0057】
また、本発明では、ICカードモジュールはフィルムキャリアテープから真空吸着により分離される。ICカードモジュールの形状及び大きさが変更された場合にもICカードの製造設備に大きな改造を行わなくてもICカードの製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図10に基づいて説明する。本実施形態のICカードは、ICカードモジュールの製造工程と、フィルムキャリアテープの製造工程と、ICカードの製造工程を経て製造される。各製造工程について分けて説明する。
【0059】
<ICカードモジュールの製造工程>
図1はICカードモジュールの製造工程を示す斜視図である。図2はICカードモジュールの製造工程のフローチャートである。図3はICカードモジュールの断面図である。
【0060】
まず半導体ウエハ10を製造する(S10)。次に、半導体ウエハ10に、リソグラフィ工程などによって集積回路を形成する(S11)。図1(a)に集積回路が形成された半導体ウエハ10を示す。次に、半導体ウエハ10の集積回路が設けられている面の裏面を、半導体ウエハ10の厚さが400μm、300μm、200μm、100μm、70μmなどの予め定められている厚さとなるように研磨する(S12)。
【0061】
次に、半導体ウエハ10を集積回路の個片であるICチップ11に裁断する(S13)。図1(b)に裁断されたICチップ11を示す。
【0062】
予め所定の孔13及び銅箔の外部端子26が設けられたガラスエポキシ樹脂製のプリント基板12にICチップ11をダイボンディングによって装着する(S14)。次に、ワイヤボンディングによってICチップ11及び外部端子26を孔13を通した金属ワイヤ14で接続する(S15)。
【0063】
図1(c)に示すように、プリント基板12には複数のICチップ11を一定の間隔で装着し、1個のICチップ11に対して6本の金属ワイヤ14で外部端子26に接続する。
【0064】
次に、ICチップ11及び金属ワイヤ14を合成樹脂製の封止部15で封止する(S16)。図1(d)に封止部15及びプリント基板12を示す。
【0065】
次に、プリント基板12を単独のICチップ11が含まれる所定の形状に裁断し(S17)、ICカードモジュール16とする(S18)。図1(e)及び図3にICカードモジュール16を示す。
【0066】
ICカードモジュール16は、プリント基板12の一方の面にICチップ11が装着され、ICチップ11及び外部端子26が孔13を通した金属ワイヤ14で接続され、ICチップ11及び金属ワイヤ14は封止部15で封止されている。
【0067】
なお、本実施形態では、ICチップ11及び外部端子26はワイヤボンディングにより金属ワイヤ14で接続されるが、金属ワイヤを用いないフリップチップボンディングによりICチップ及びプリント基板上の外部端子を接続してもよい。
【0068】
<フィルムキャリアテープの製造工程>
図4はフィルムキャリアテープの製造工程を示す斜視図である。図5はフィルムキャリアテープの製造工程のフローチャートである。図6はフィルムキャリアテープの断面図である。図7は別実施形態のフィルムキャリアテープの断面図である。
【0069】
まずポリイミド樹脂製のテープ状のフィルム20を用意する(S20)。パンチングによってフィルム20の両側縁に沿ってスプロケット穴21及び中心線に沿って貫通穴22をそれぞれ予め定められた間隔で開ける(S21)。図4(a)にスプロケット穴21及び貫通穴22が開けられたフィルム20を示す。
【0070】
次に、フィルム20の一方の面の両側縁を除いてアクリル系の粘着材23を塗布する(S22)。次に、剥離紙25の一面に貫通穴22を囲むように環状に切り抜かれた多数の両面接着テープ24を貼着したものを、剥離紙25を粘着材23側にして貼り付ける。(S23)。図4(b)に粘着材23を塗布し、剥離紙25および両面接着テープ24が貼り付けられたフィルム20を示す。図4(c)は図4(b)のc−c線拡大断面図である。
【0071】
次に、ICカードモジュールの製造工程によって製造されたICカードモジュール16の封止部15を貫通穴22に通してプリント基板12を両面接着テープ24でフィルム20に複数貼り付け(S24)、フィルムキャリアテープ27とする(S25)。
【0072】
図4(d)にICカードモジュール16が複数貼り付けられたフィルム20を示す。図4(e)は図4(d)のe−e線拡大断面図、図6は図4(d)のVI−VI線拡大断面図である。フィルム20の上面に粘着材23が塗着され、両面接着テープ24との間に剥離紙25が介在している。両面接着テープ24の上面はプリント基板12のICチップ11が搭載されている面に接着されている。粘着材23は剥離紙25をフィルム20に粘着させている。
【0073】
両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が剥離紙25との接着力より強い。接着力の強弱はプリント基板12と剥離紙25との材質の違いによる。剥離紙25は粘着材23に両面接着テープ24より強く接着している。
【0074】
図7はフィルム20と両面接着テープ24との間に剥離紙を介在させない実施形態のフィルムキャリアテープ27aの断面図である。フィルム20の上面に粘着材23が積層されている。フィルムキャリアテープ27aは、図5に示す製造工程において、剥離紙が貼り付けられていない両面接着テープ24を粘着材23に貼り付けることにより製造される(S23)。
【0075】
フィルム20の上面に粘着材23が塗着されている。フィルム20の上面に両面接着テープ24が積層されている。両面接着テープ24の上面及び粘着材23の上面がプリント基板12のICチップ11が搭載されている面に接着されている。粘着材23はプリント基板12及び両面接着テープ24をフィルム20に粘着させている。プリント基板12と粘着材23との材質の違いにより、両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が粘着材23との接着力より強い。粘着材23は接触面積の違いから、フィルム20との接着力がプリント基板12との接着力より強い。
【0076】
フィルムキャリアテープ27及び27aの運送及び保管を行う場合には、粘着材23によってフィルム20からICカードモジュール16及び両面接着テープ24がはがれないようになっており、後述するICカードを製造する場合には簡単にフィルム20とICカードモジュール16とが分離できるように粘着材23の粘着力が調節されている。
【0077】
図4(f)に示すように、フィルムキャリアテープ27はリールに巻き取られ、運送及び保管される。
【0078】
両面接着テープ24は150℃以上で硬化する性質を有する。したがって、フィルムキャリアテープ27を自動車で運送するとき、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがないので、両面接着テープ24の接着力が低下しない。
【0079】
なお、両面接着テープ24は150℃以上で可塑する性質を有するものでもよい。この場合も、炎天下の閉め切った自動車内において通常150℃以上になることがないので、両面接着テープ24の接着力が低下しない。
【0080】
<ICカードの製造工程>
図8はICカードの製造工程におけるICカードモジュール16の側面図である。図9はICカードの製造工程を示す斜視図である。図10はICカードの製造工程のフローチャートである。
【0081】
まずフィルムキャリアテープの製造工程によって製造されたフィルムキャリアテープ27を用意する(S30)。次に、ICカードモジュール16の外部端子26が設けられている面を真空吸着することにより、ICカードモジュール16をフィルムキャリアテープ27から分離する(S31)。
【0082】
両面接着テープ24はプリント基板12との接着力が剥離紙25との接着力より強く、剥離紙25は両面接着テープ24より粘着材23に強く接着され、粘着材23はフィルム20との接着力がプリント基板12との接着力より強いので、分離工程(S31)により、図8に示すように、プリント基板12に両面接着テープ24が貼り付けられているICカードモジュール16と、粘着材23及び剥離紙25が積層されているフィルム20とに分離される。
【0083】
図7に示すような剥離紙を有しない両面接着テープ24の場合、フィルムキャリアテープ27aからICカードモジュール16が分離されたときに両面接着テープ24は、フィルム20上の粘着材23よりはがされてプリント基板12に貼付けされた状態となる。
【0084】
次に、ICカードモジュール16をICカード基材30に装着する(S32)。図9(a)にICカード基材30を示す。ICカード基材30は合成樹脂製で薄い平板を矩形に切り取り、四隅は円弧に削られた形状をしている。
【0085】
ICカード基材30の短辺の一方の近くにICカードモジュール16を装着するための2重段差32及び33を有する凹部31が設けられている。凹部31の1段目の段差32が両面接着テープ24の接着用に設けられている。段差32の中央部にはさらに深い2段目の段差33がICカードモジュール16の封止部15の格納用に設けられている。
【0086】
図9(b)にICカードモジュール16が装着されたICカード基材30を示す。ICカードモジュール16に貼り付けられている両面接着テープ24を段差32に接着する。
【0087】
次に、両面接着テープ24を150℃以上の硬化温度にまで加熱して、ICカード基材30とICカードモジュール16との接着力を強くする。
【0088】
次に、ICカードモジュール16が装着されたICカード基材30の動作テストを行う(S33)。動作テスト(S33)を合格したICカード基材30が、ICカードとして出荷される(S34)。
【0089】
以上のように、フィルムキャリアテープ27からICカードモジュール16を真空吸着で分離しているので、ICカードモジュール16の形状及び大きさの微小な変更がなされてもICカードの製造設備の改造は必要とせず、フィルムキャリアテープ27からICカードを製造することができる。
【0090】
また、ICカードモジュール16の形状及び大きさの変更にともなって、フィルムキャリアテープ27でのICカードモジュール16の配置が変更されても、真空吸着を行う箇所を変更すればよいので、ICカードの製造設備の改造をほとんど必要としない。したがって、多機能化及びセキュリティ機能の高機能化によってICカードモジュール16の形状及び大きさが変更されることになってもよい。
【0091】
また、ICカードモジュール16をフィルムキャリアテープ27から真空吸着で分離したときに、ICカードモジュール16に両面接着テープ24が貼り付けられているので、両面接着テープ24でICカードモジュール16をICカード基材30に装着するのが簡単に行える。
【0092】
また、フィルムキャリアテープ27からICカードを製造するときにフィルムキャリアテープ27から裁断金型で打ち抜く工程が省略されるので、ICカードの製造が簡単に行える。
【0093】
なお、フィルム20はポリイミド樹脂製だけでなく、ポリエステル製のように屈曲性の材料でもよい。
【0094】
また、両面接着テープ24が150℃以上での熱可塑性を有する場合には、カード基材30とICカードモジュール16とを接着させた後に、両面接着テープ24を150℃以上の可塑温度にまで加熱することによって、カード基材30とICカードモジュール16との接着力が強化される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明のICカードモジュールの製造工程を示す斜視図である。
【図2】本発明のICカードモジュールの製造工程のフローチャートである。
【図3】ICカードモジュールの断面図である。
【図4】本発明のフィルムキャリアテープの製造工程を示す斜視図である。
【図5】フィルムキャリアテープの製造工程のフローチャートである。
【図6】フィルムキャリアテープの断面図である。
【図7】変形例のフィルムキャリアテープの断面図である。
【図8】本発明のICカードの製造工程におけるICカードモジュールの側面図である。
【図9】本発明のICカードの製造工程を示す斜視図である。
【図10】ICカードの製造工程のフローチャートである。
【図11】従来のICカードの製造方法の説明図である。
【符号の説明】
【0096】
10 半導体ウエハ
11 ICチップ
12 プリント基板
13 孔
14 金属ワイヤ
15 封止部
16 ICカードモジュール
20 フィルム
23 粘着材
24 両面接着テープ
25 剥離紙
27、27a フィルムキャリアテープ
30 ICカード基材
31 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュールにおいて、
前記ICチップを搭載したプリント基板と、前記ICチップを封止する合成樹脂製の封止部とを備えていることを特徴とするICカードモジュール。
【請求項2】
両面接着テープが貼付されていることを特徴とする請求項1に記載のICカードモジュール。
【請求項3】
テープ状のフィルムと、請求項1に記載の複数のICカードモジュールと、前記フィルム及び前記ICカードモジュール間に介在する両面接着テープとを備えていることを特徴とするフィルムキャリアテープ。
【請求項4】
前記両面接着テープは前記フィルム側に剥離紙を有することを特徴とする請求項3に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項5】
前記両面接着テープ及び前記ICカードモジュールの接着力が前記両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いことを特徴とする請求項3または4に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項6】
前記フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、前記両面接着テープは環状で前記穴の周囲に貼付され、前記封止部が前記穴を貫通していることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項7】
前記両面接着テープは150℃以上で硬化するか又は可塑性を示す材料を用いてなることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項8】
前記両面接着テープまたは前記剥離紙を前記フィルムに粘着させる粘着材が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項9】
前記粘着材はアクリル系粘着材であることを特徴とする請求項8に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項10】
ICカード基材と、請求項1に記載のICカードモジュールと、前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着する両面接着テープとを備えていることを特徴とするICカード。
【請求項11】
ICカード基材と、請求項2に記載のICカードモジュールとを備え、前記両面接着テープは前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着していることを特徴とするICカード。
【請求項12】
複数のICチップをプリント基板に搭載する工程と、前記ICチップを合成樹脂製の封止部で封止する工程と、複数の前記ICチップを搭載したプリント基板をICチップモジュールに裁断する工程とを有することを特徴とするICカードモジュールの製造方法。
【請求項13】
テープ状のフィルムに両面接着テープを貼り付ける工程と、前記両面接着テープに請求項1に記載のICカードモジュールを複数接着する工程とを有することを特徴とするフィルムキャリアテープの製造方法。
【請求項14】
ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、
請求項3乃至請求項9の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に装着する装着工程とを有することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項15】
前記分離工程は前記ICカードモジュールを真空吸着により分離することを特徴とする請求項14に記載のICカードの製造方法。
【請求項16】
ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、
請求項7に記載のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に接着させる接着工程と、前記両面接着テープを150℃以上に加熱して前記ICカードモジュール及び前記ICカード基材の接着力を強化する加熱工程とを有することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項1】
ICチップを有し、ICカード基材に装着されることによってICカードとなるべきICカードモジュールにおいて、
前記ICチップを搭載したプリント基板と、前記ICチップを封止する合成樹脂製の封止部とを備えていることを特徴とするICカードモジュール。
【請求項2】
両面接着テープが貼付されていることを特徴とする請求項1に記載のICカードモジュール。
【請求項3】
テープ状のフィルムと、請求項1に記載の複数のICカードモジュールと、前記フィルム及び前記ICカードモジュール間に介在する両面接着テープとを備えていることを特徴とするフィルムキャリアテープ。
【請求項4】
前記両面接着テープは前記フィルム側に剥離紙を有することを特徴とする請求項3に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項5】
前記両面接着テープ及び前記ICカードモジュールの接着力が前記両面接着テープのフィルム側の接着力よりも強いことを特徴とする請求項3または4に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項6】
前記フィルムに一定の間隔で穴が開けられ、前記両面接着テープは環状で前記穴の周囲に貼付され、前記封止部が前記穴を貫通していることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項7】
前記両面接着テープは150℃以上で硬化するか又は可塑性を示す材料を用いてなることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項8】
前記両面接着テープまたは前記剥離紙を前記フィルムに粘着させる粘着材が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項9】
前記粘着材はアクリル系粘着材であることを特徴とする請求項8に記載のフィルムキャリアテープ。
【請求項10】
ICカード基材と、請求項1に記載のICカードモジュールと、前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着する両面接着テープとを備えていることを特徴とするICカード。
【請求項11】
ICカード基材と、請求項2に記載のICカードモジュールとを備え、前記両面接着テープは前記ICカード基材及び前記ICカードモジュールを接着していることを特徴とするICカード。
【請求項12】
複数のICチップをプリント基板に搭載する工程と、前記ICチップを合成樹脂製の封止部で封止する工程と、複数の前記ICチップを搭載したプリント基板をICチップモジュールに裁断する工程とを有することを特徴とするICカードモジュールの製造方法。
【請求項13】
テープ状のフィルムに両面接着テープを貼り付ける工程と、前記両面接着テープに請求項1に記載のICカードモジュールを複数接着する工程とを有することを特徴とするフィルムキャリアテープの製造方法。
【請求項14】
ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、
請求項3乃至請求項9の何れかひとつに記載のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に装着する装着工程とを有することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項15】
前記分離工程は前記ICカードモジュールを真空吸着により分離することを特徴とする請求項14に記載のICカードの製造方法。
【請求項16】
ICカードモジュールを備えるフィルムキャリアテープからICカードを製造するICカードの製造方法において、
請求項7に記載のフィルムキャリアテープから前記両面接着テープが貼り付けられているICカードモジュールを分離する分離工程と、分離したICカードモジュールをICカード基材に接着させる接着工程と、前記両面接着テープを150℃以上に加熱して前記ICカードモジュール及び前記ICカード基材の接着力を強化する加熱工程とを有することを特徴とするICカードの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−193530(P2007−193530A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10389(P2006−10389)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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