説明

ICカード再利用システム、情報記録媒体再利用方法、及び情報記録媒体再利用装置

【課題】セキュリティを確保しながら情報記録媒体を再利用する。
【解決手段】ICカードにリライタブルフィルムを貼り付け、リライタブルフィルム印刷部23がICカードの券面印刷事項を書き換える。ICチップへの書き込み情報についても、IC書換部24が、身分の証明を受ける者自体の情報を変更する。身分証の作成時には、リライタブルフィルム印刷部23がICカードに券面印刷を行い、同時にIC書換部24によるICチップへのデータの書き込み、通信部28による入退室システム等のICカード関連システムへの通知を行う。また、身分証の返却時には、リライタブルフィルム印刷部23が券面印刷を消去し、同時にIC書換部24によるICチップのデータ消去、通信部28による関連システムへの通知を行う。セキュリティを確保しながら、券面印刷の消去及びICチップのデータ消去がなされたICカードを再利用して身分証を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体の再利用システム等に関し、特に、身分証として利用されるICカードを再利用するためのICカード再利用システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体の一種であるICカードを身分証として利用する場合、身分証所持者の身分の期限が満了すると、セキュリティ対策等のため、その者に発行したICカードの身分証を破棄する必要がある。
例えば、ICカードの身分証を従業者毎に発行する会社においては、従業者が退職すると、退職した従業者の身分の証明を終了するために、退職した従業者からICカードの身分証を回収し、IC部分にハサミを入れてゴミとして破棄している。
【0003】
また、ICカードは、身分証としてだけではなく、他の用途にも利用される。例えば、ICカードを、空港内における入場者の移動軌跡の把握に利用する技術がある(例えば、特許文献1参照)。この技術においては、ICカードに記録されている情報を読み取るICカードリーダを空港内の各所に配置する。そして、空港入口でICカードを入場券として配布して入場者に常に携帯させることにより、空港内での入場者の移動軌跡を把握する。また、ICカードをリライタブルとして、搭乗手続時にはICカードを入場券から搭乗券に書き換える。また、空港出口において、入場者がICカードを持ち帰らない場合には回収し、再利用する。
【0004】
また、情報記録媒体の再利用に関しては、書き換え可能な表示領域とICタグとを備えた情報記録媒体を生産工程の管理に利用する発明もある(例えば、特許文献2参照)。この発明においては、1つの情報記録媒体の表示領域を、工程毎にその工程に応じた工程管理情報及び工程間伝達情報に書き換えながら使用して、効率的な工程管理業務を行う。
【特許文献1】特開2002−117113号公報
【特許文献2】特開2004−295401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、身分の証明を終了する時にICカードの身分証を破棄する理由は、身分の証明を受ける者の氏名、顔写真等からなる券面印刷事項の書き換えができないためである。また、ICカードの身分証に埋め込まれているICチップに情報を書き込むシステムも、身分の証明を受ける者自体の情報を変更することは考慮していない設計となっているため、不要になったICカードの身分証は破棄されている。
【0006】
このような理由から明らかなように、身分の証明を終了するためにICカードの身分証が破棄される場合、ICカード自体が破損や故障しているために破棄されている訳ではない。
つまり、ICカードの身分証を破棄することは、ICカード自体やその中に埋め込まれているICチップは利用可能であるにもかかわらず、ICカードを破棄していることになり、資源の無駄遣いとなっている。
【0007】
また、身分証の破棄においては、不要になった身分証は個人で破棄すればよいとの考えの下で回収が徹底されない恐れや、ICカードの身分証により身分の認証等を行うICカード関連システムへ破棄情報が連絡されない恐れもあり、このような場合には、ICカード関連システムのセキュリティが低下する。
【0008】
また、上記特許文献1及び上記特許文献2に開示の技術はそれぞれ、移動軌跡の把握や生産工程の管理にICカードを利用するものであり、これらのICカードが持つ情報は、身分証としてのICカードが持つ情報とは異なり、破棄情報がICカード関連システムへ連絡されなければセキュリティ低下の恐れを生ずるようなものではない。そのため、上記特許文献1及び上記特許文献2には、セキュリティを確保しながらICカードを再利用する技術は開示されていない。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、セキュリティを確保しながらICカード等の情報記録媒体を再利用することができるICカード再利用システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係るICカード再利用システムは、
身分証に利用されるICカードを再利用するICカード再利用システムであって、
ICカードを利用した身分証を作成する身分証作成装置と、ICカードから読み取った情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置と、が通信ネットワークを介して接続され、
前記身分証作成装置は、
可視情報の印刷及び消去が可能な表示部を備えたICカードに身分の証明を受ける者を識別するための個人識別情報を記録し、該ICカードの前記表示部に該個人識別情報に対応する身分証情報を印刷する情報書込手段と、
前記情報書込手段がICカードに記録した個人識別情報を前記通信ネットワークを介して前記ユーザ認証装置に送信する作成情報送信手段と、
前記情報書込手段により記録及び印刷が行われたICカードを身分証として排出する身分証排出手段と、
操作者の操作に応じて、前記身分証排出手段が排出したICカードを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したICカードに記録されている個人識別情報を消去し、該取得したICカードの前記表示部に印刷されている身分証情報を消去する情報消去手段と、
前記情報消去手段が消去した個人識別情報を前記通信ネットワークを介して前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信手段と、を備え、
前記ユーザ認証装置は、
前記作成情報送信手段からICカードに記録された個人識別情報を受信したときに、該受信した個人識別情報に基づくユーザ認証を開始するユーザ認証開始手段と、
前記消去情報送信手段からICカードから削除された個人識別情報を受信したときに、該受信した個人識別情報に基づくユーザ認証を終了するユーザ認証終了手段と、を備え、
前記情報書込手段は、前記情報消去手段により個人識別情報及び身分証情報が消去されたICカードに個人識別情報を記録し、身分証情報を印刷する、
ことを特徴とする。
【0011】
前記情報書込手段により身分証情報が印刷される前記表示部が、ICカードに貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ようにしてもよい。
【0012】
前記ユーザ認証装置が、さらに、
ICカードに記録されている情報を読み取る情報読取手段と、
所定のユーザ利用システムの利用権限を有する者の個人識別情報を記憶する個人識別情報記憶手段と、
前記情報読取手段が読み取った情報が、前記個人識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判別することによりユーザ認証を行うユーザ認証手段と、を備え、
前記ユーザ認証開始手段は、前記作成情報送信手段から受信した個人識別情報を、前記個人識別情報記憶手段に追加し、
前記ユーザ認証終了手段は、前記消去情報送信手段から受信した個人識別情報を、前記個人識別情報記憶手段から消去する、
ようにしてもよい。
【0013】
また、この発明の第2の観点に係る情報記録媒体再利用方法は、
情報記録媒体に、該情報記録媒体の所持者を識別するための所持者識別情報を電磁的に記録するとともに、該所持者識別情報に対応する所持者情報を印刷して、所持者識別証を作成する所持者識別証作成装置と、前記所持者識別証から読み取った前記所持者識別情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置と、が通信ネットワークを介して接続されるシステムを用いて、情報記録媒体を再利用する情報記録媒体再利用方法であって、
前記所持者識別証作成装置が、電磁情報の記録及び消去が可能なメモリ部と可視情報の印刷及び消去が可能な表示部とを備える情報記録媒体の該表示部に所持者情報を可視情報として印刷し、該メモリ部に所持者識別情報を電磁情報として記録する情報書込ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報書込ステップで前記メモリ部に記録した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する書込情報送信ステップと、
前記ユーザ認証装置が、前記書込情報送信ステップで送信された所持者識別情報を受信し、該受信した所持者識別情報に基づくユーザ認証を開始するユーザ認証開始ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報書込ステップで印刷及び記録が行われた情報記録媒体を排出する排出ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、操作者の操作に応じて、前記排出ステップで排出された情報記録媒体を取得する取得ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記取得ステップで取得した情報記録媒体の前記表示部に印刷されている所持者情報を消去し、前記メモリ部に記録されている所持者識別情報を消去する情報消去ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報消去ステップで消去した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信ステップと、
前記ユーザ認証装置が、前記消去情報送信ステップで送信された所持者識別情報を受信し、該受信した所持者識別情報に基づくユーザ認証を終了するユーザ認証終了ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報消去ステップで所持者情報及び所持者識別情報を消去した情報記録媒体の前記表示部に所持者情報を印刷し、前記メモリ部に所持者識別情報を記録する再情報書込ステップと、
有することを特徴とする。
【0014】
前記情報書込ステップで所持者情報が印刷される前記表示部が、情報記録媒体に貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ようにしてもよい。
【0015】
また、この発明の第3の観点に係る情報記録媒体再利用装置は、
情報記録媒体を所持する者を識別するための所持者識別情報が電磁的に記録されるとともに、該所持者識別情報に対応する所持者情報が印刷される情報記録媒体を再利用する情報記録媒体再利用装置であって、
電磁情報の記録及び消去が可能なメモリ部と可視情報の印刷及び消去が可能な表示部とを備える情報記録媒体の該表示部に所持者情報を可視情報として印刷し、該メモリ部に所持者識別情報を電磁情報として記録する情報書込手段と、
情報記録媒体の前記メモリ部から読み取った所持者識別情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置において前記情報書込手段により記録された所持者識別情報に基づくユーザ認証を開始させるために、前記情報書込手段が前記メモリ部に記録した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する書込情報送信手段と、
前記情報書込手段により印刷及び記録が行われた情報記録媒体を排出する排出手段と、
操作者の操作に応じて、前記排出手段が排出した情報記録媒体を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報記録媒体の前記表示部に印刷されている所持者情報を消去し、前記メモリ部に記録されている所持者識別情報を消去する情報消去手段と、
前記ユーザ認証装置において前記情報消去手段により消去された所持者識別情報に基づくユーザ認証を終了させるために、前記情報消去手段が消去した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信手段と、を備え、
前記情報書込手段は、前記情報消去手段により所持者情報及び所持者識別情報が消去された情報記録媒体に所持者情報を印刷し、所持者識別情報を記録する、
ことを特徴とする。
【0016】
前記情報書込手段により所持者情報が印刷される前記表示部が、情報記録媒体に貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、セキュリティを確保しながら情報記録媒体を再利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施の形態では、情報記録媒体を再利用する例として、情報記録媒体の一種であるICカードを身分証に利用する場合のICカード再利用システムについて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るICカード再利用システムの構成例を示すブロック図である。
図示するように、本実施の形態に係るICカード再利用システムは、身分証発行申請装置1に接続されているICカード再利用装置2と、ユーザ認証装置3と、を備えており、ICカード再利用装置2とユーザ認証装置3とはLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4を介して接続されている。
【0020】
身分証発行申請装置1は、ICカードを利用した身分証を作成する際に、例えば身分証の管理担当者が身分証の発行に必要な情報等を入力し、身分証の発行の申請を行う装置である。
【0021】
ICカード再利用装置2は、身分証発行申請装置1からの身分証発行申請に応じて、ICカードに、身分の証明を受ける者(身分証所持者)を識別するための個人識別情報等を書き込む(記録する)とともに、その者の身分を証明するための身分証情報(所持者情報)等の券面印刷を行い、ICカードを利用した身分証を作成する。つまり、ICカード再利用装置2は、身分証作成装置としての機能を有する。
【0022】
また、ICカード再利用装置2は、身分証所持者の身分証明の終了等により不要になったICカードの身分証の返却を受け付け、返却された身分証に書き込まれている情報を消去するとともに券面印刷も消去し、ICカードの身分証から情報の消去を行う。こうして情報の消去が行われたICカードは、新たな身分証の作成に利用される。
【0023】
さらに、ICカード再利用装置2は、身分証の作成時にはICカードに書き込んだ個人識別情報を、また、身分証からの情報消去時には消去した個人識別情報を、通信ネットワーク4を介してユーザ認証装置3に送信する。
【0024】
ユーザ認証装置3は、入退室システム、食堂システム等のICカード関連システム(図示せず)に接続されており、ICカードの身分証から読み取った情報に基づいて、ICカード関連システムにおけるユーザ認証を行う装置である。
【0025】
ユーザ認証装置3は、ICカード再利用装置2から、ICカードに書き込まれた個人識別情報を受信すると、ICカードに書き込まれた個人識別情報に基づくユーザ認証を開始する。
具体的には、例えば、ユーザ認証装置3は、身分証が作成されるとICカードに書き込まれた個人識別情報を受信する。そして、受信後のユーザ認証において、身分証から読み取った情報が受信した個人識別情報であった場合には、その身分証の所持者にはICカード関連システムを利用する権限が有ると判別し、ICカード関連システムの利用を許可する。
【0026】
また、ユーザ認証装置3は、ICカード再利用装置2から、消去された個人識別情報を受信すると、消去された個人識別情報に基づくユーザ認証を終了する。
具体的には、例えば、ユーザ認証装置3は、身分証から情報が消去されると消去された個人識別情報を受信する。この場合には、受信後のユーザ認証において、身分証から読み取った情報が受信した個人識別情報であることは、その身分証は消去されたはずの情報を有している不正な身分証であることになるため、その身分証の所持者にはICカード関連システムを利用する権限が無いと判別し、ICカード関連システムの利用を禁止する。
【0027】
ここで、本実施の形態に係るICカード再利用システムに用いるICカードを、図2を用いて説明する。
図2(A)は、本実施の形態に用いるICカードの内部構成を示す図であり、図2(B)は、本実施の形態に用いるICカードの斜視図であり、図2(C)は、図2(B)に示すICカードを利用した身分証の例を示す図である。
【0028】
図2(A)に示すように、ICカード5の内部には、ICチップ51及びアンテナ52が埋め込まれている。ICチップ51は、情報の書き込み(記録)及び消去が可能なEEPROM(Electrically Erasable PROM)等を備えており、情報を書き換え可能に記憶することができる。アンテナ52は、ICチップ51と、ICチップ51への情報の書き込み及びICチップ51からの情報の読み取りを行うICカードリーダ・ライタと、の間の情報のやりとりを電波を利用して行うためのものである。
【0029】
また、図2(B)に示すように、ICカード5の一面には、書き換え印刷が可能なリライタブルフィルム53が貼り付けられている。リライタブルフィルム53としては、例えば、ロイコ染料と顕色材とが塗布され、熱の与え方を変化させることにより可視情報の印刷及びその消去を自由に行うことができる表示フィルムを用いる。
【0030】
そして、図2(C)に示すように、ICカード5に貼り付けられているリライタブルフィルム53に、身分の証明を受ける者の氏名や顔写真等からなる身分証としての券面印刷事項(身分証情報)が印刷され、身分証が作成される。
以下、リライタブルフィルム53が貼付されたICカード5をリライタブルICカードと称する。
【0031】
なお、図2(A)には、アンテナ52を内蔵した非接触型のICカードの例を示したが、リライタブルフィルム53が貼り付けられていない面にICチップ51を露出させることにより、接触型のICカードとしてもよい。
また、図2(B)では、リライタブルフィルム53をICカード5の一面全体に貼り付けた例を示しているが、身分証としての情報が印刷される領域だけにリライタブルフィルム53を貼り付けるようにしてもよい。また、リライタブルフィルム53をICカード5の複数の面に貼り付けるようにしてもよい。
【0032】
次に、本実施の形態に係るICカード再利用システムを構成する身分証発行申請装置1、ICカード再利用装置2、ユーザ認証装置3のそれぞれの構成を説明する。
図3は、身分証発行申請装置1の構成例を示すブロック図である。
身分証発行申請装置1は、図示するように、制御部11と、入力部12と、出力部13と、入出力I/F部14と、を含んで構成される。
【0033】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、データの演算処理を行うと共に、身分証発行申請装置1の全体を制御する。制御部11における演算処理及び制御処理は、具体的には、CPUが、RAMを作業領域として使用して各種データを一時的に記憶させながら、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより行われる。
【0034】
入力部12は、様々な情報を入力するために使用されるものであり、キーボード、マウス、スキャナ等の入力装置を備える。例えば、入力部12には、身分証の作成に必要な情報が入力される。具体的には、キーボードからは、身分証の所持者となる身分の証明を受ける者の氏名、その者を識別するための個人識別情報である個人ID等が入力される。また、スキャナからは、身分の証明を受ける者の顔写真データ等が入力される。
【0035】
出力部13は、様々な情報を出力するものであり、ディスプレイ等の表示装置を備える。例えば、出力部13には、身分証の作成に必要な情報を入力するために使用される身分証発行申請用画面等が表示される。
【0036】
入出力I/F部14は、ICカード再利用装置2を接続するためのインタフェースである。例えば、入出力I/F部14は、ICカード再利用装置2とパラレルケーブル等で接続され、制御部11が、入力部12に入力される情報等からなる身分証発行申請情報を、入出力I/F部14を介してICカード再利用装置2に出力する。
【0037】
身分証発行申請装置1においては、以上説明した入力部12、出力部13、入出力I/F部14等を、制御部11が、ROM等に記憶されている制御プログラムに従って制御することにより、身分証の作成に必要な情報が入力される際の処理や、身分証発行申請情報をICカード再利用装置2へ出力する処理等が行われる。
【0038】
図4は、ICカード再利用装置2の構成例を示すブロック図である。
ICカード再利用装置2は、図示するように、制御部21と、入出力I/F部22と、リライタブルフィルム印刷部23と、IC書換部24と、身分証発行部25と、身分証返却部26と、ICカード保管部27と、通信部28と、を含んで構成される。
【0039】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等から構成され、データの演算処理を行うと共に、ICカード再利用装置2の全体を制御する。
【0040】
入出力I/F部22は、身分証発行申請装置1を接続するためのインタフェースである。例えば、入出力I/F部22は、身分証発行申請装置1の入出力I/F部14とパラレルケーブル等で接続され、身分証発行申請装置1から身分証発行申請情報が入力される。
【0041】
リライタブルフィルム印刷部23は、リライタブルフィルム53に対する印刷及び印刷の消去を行う。例えば、身分証の作成時には、リライタブルフィルム印刷部23は、ICカード5に貼り付けられているリライタブルフィルム53に、入出力I/F部22に入力された身分の証明を受ける者の氏名や顔写真データ等を身分証情報として印刷する。また、身分証からの情報の消去時には、リライタブルフィルム印刷部23は、リライタブルフィルム53に印刷されている身分証情報を消去する。
【0042】
IC書換部24は、ICカード5に埋め込まれているICチップ51に対する情報の読み書きを行うICカードリーダ・ライタを備え、ICチップ51への情報の書き込み、ICチップ51に書き込まれている情報の消去、ICチップ51に書き込まれている情報の読み出し等を行う。例えば、身分証の作成時には、IC書換部24は、入出力I/F部22に入力された身分の証明を受ける者の個人識別情報をICチップ51に書き込む。また、身分証からの情報の消去時には、IC書換部24は、ICチップ51に書き込まれている個人識別情報を消去する。
【0043】
身分証発行部25は、身分証発行口を備え、ICカード再利用装置2において作成された身分証を身分証発行口からICカード再利用装置2の外部に排出することにより、身分証の発行を行う。例えば、身分証発行部25は、入出力I/F部22に入力された身分証発行申請情報に基づいてリライタブルフィルム印刷部23で身分証情報が印刷され、IC書換部24で個人識別情報が書き込まれたリライタブルICカードを、身分証として身分証発行口から排出する。
【0044】
身分証返却部26は、身分証返却口を備え、ICカード再利用装置2の外部から身分証返却口に挿入されるICカードの身分証を取得する。例えば、身分の証明を受ける者の身分の期限が満了したこと等により不要になった身分証を、身分証の管理担当者が回収し、身分証返却口に挿入することにより、身分証返却部26は、不要になった身分証を取得する。
【0045】
ICカード保管部27は、ICチップ51に情報が書き込まれておらず、リライタブルフィルム53に印刷が施されていないリライタブルICカードを保管する。例えば、ICカード保管部27には、身分証としての情報が未だ書き込まれていないリライタブルICカードが、身分証の作成のために、身分証の管理担当者等により格納される。また、ICカード保管部27は、身分証返却部26が取得した身分証であって、リライタブルフィルム印刷部23で印刷が消去され、IC書換部24でICチップ51に書き込まれている情報が消去されたリライタブルICカードを、身分証として再利用するために保管する。
【0046】
通信部28は、通信ネットワーク4を介してユーザ認証装置3と通信を行うものであり、通信インタフェース等を備える。例えば、通信部28は、身分証が作成された時には、身分証を作成した旨を示す情報とともに個人識別情報を送信することにより、作成された身分証のICチップ51に書き込まれた個人識別情報等を通信ネットワーク4を介してユーザ認証装置3に送信する。また、身分証から情報を消去した時には、身分証から情報を消去した旨を示す情報とともに個人識別情報を送信することにより、消去した個人識別情報等をユーザ認証装置3に送信する。
【0047】
ICカード再利用装置2においては、以上説明した入出力I/F部22、リライタブルフィルム印刷部23、IC書換部24、身分証発行部25、身分証返却部26、ICカード保管部27、通信部28等を、制御部21が、ROM等に記憶されている制御プログラムに従って制御することにより、身分証の作成処理や身分証からの情報消去処理等が行われる。
【0048】
図5は、ユーザ認証装置3の構成例を示すブロック図である。
ユーザ認証装置3は、図示するように、制御部31と、通信部32と、ICカード読取部33と、記憶部34と、入出力I/F部35と、を含んで構成される。
【0049】
制御部31は、CPU、ROM、RAM等から構成され、データの演算処理を行うと共に、ユーザ認証装置3の全体を制御する。
【0050】
通信部32は、通信ネットワーク4を介してICカード再利用装置2と通信を行うものであり、通信インタフェース等を備える。例えば、通信部32は、ICカード再利用装置2から、ICカードの身分証に書き込まれた個人識別情報や、ICカードの身分証から消去された個人識別情報等を受信する。
【0051】
ICカード読取部33は、ICカードに記憶されている情報を読み取るICカードリーダを備え、ICカードが近づけられるとICカードに書き込まれている情報を読み取る。
【0052】
記憶部34は、様々な情報やプログラム等を記憶するものであり、ハードディスク等の補助記憶装置を備える。また、記憶部34は、ICカードの身分証を用いてICカード関連システムにおけるユーザ認証を行うためのユーザ認証データベース341を格納している。
【0053】
ユーザ認証データベース341には、例えば、ICカード関連システムの利用権限を有する者の個人識別情報が記憶される。
そして、ユーザ認証装置3におけるユーザ認証は、例えば、ICカード読取部33によりICカードの身分証から読み取られた個人識別情報がユーザ認証データベース341に記憶されているか否かを判別することにより行われる。
【0054】
具体的には、ICカードの身分証所持者がICカードリーダに身分証に近づけると、ICカード読取部33がその身分証から個人識別情報を読み取る。ICカード読取部33で個人識別情報が読み取られると、制御部31は、ユーザ認証データベース341を参照し、読み取られた個人識別情報がユーザ認証データベース341に存在するか否かを判別する。そして、制御部31は、存在する場合には、その身分証の所持者はICカード関連システムの利用権限を有していると判断し、存在しない場合には利用権限を有していないと判断する。
【0055】
また、ユーザ認証データベース341は、通信部32が個人識別情報を受信すると更新される。
具体的には、制御部31は、通信部32がICカードの身分証に書き込まれた個人識別情報を受信すると、その個人識別情報をユーザ認証データベース341に追加登録する。また、制御部31は、通信部32がICカードの身分証から削除された個人識別情報を受信すると、その個人識別情報をユーザ認証データベース341から削除する。
【0056】
このように、ユーザ認証データベース341に記憶されている個人識別情報は、その個人識別情報に対応する身分証が返却されると削除される。
そのため、例えば、ICチップ51内のデータが不正にコピーされること等により不正な身分証が作成され、正当な身分証が返却された後にそのような不正な身分証が使用されたような場合には、その不正な身分証の所持者にはICカード関連システムの利用権限が認められることははく、システムのセキュリティを高めることができる。
【0057】
なお、ユーザ認証を行うにあたっては、さらに、ICカードの身分証に書き込まれる他の情報に基づくユーザ認証を行ってもよい。
具体的には、例えば、身分証作成時に個人識別情報に加えて所定の身分識別情報をICチップ51に書き込み、記憶部34が、その身分識別情報毎に利用権限の有無を記憶する身分認証データベースを備えるようにし、ユーザ認証データベース341によるユーザ認証に加えて、この身分認証データベースによるユーザ認証を行うようにすればよい。
【0058】
例えば、利用権限が認められるAと認められないBとの二種類の身分識別情報があり、身分証の作成に際してそのうちの一つがICチップ51に書き込まれる場合には、ユーザ認証において、返却されておらず且つAの身分識別情報が書き込まれているICカードの身分証の所持者にのみICカード関連システムの利用を認めるようにすることができる。
【0059】
入出力I/F部35は、ICカード関連システムを接続するためのインタフェースである。例えば、制御部31は、ユーザ認証の結果を入出力I/F部35を介してICカード関連システムに出力する。ICカード関連システムでは、ユーザ認証の結果に基づき、身分証所持者に対する利用の許可動作や禁止動作等を行う。
【0060】
ユーザ認証装置3においては、以上説明した通信部32、ICカード読取部33、記憶部34、入出力I/F部35等を、制御部31が、ROM等に記憶されている制御プログラムに従って制御することにより、ユーザ認証データベース341の更新処理やICカードの身分証を用いたユーザ認証処理等が行われる。
【0061】
次に、身分証に利用されるリライタブルICカードを、本実施の形態に係るICカード再利用システムにより再利用する動作について説明する。
なお、ここでは、従業者を識別するための従業者IDを従業者毎に個別に付与する会社等において、この従業者IDを身分の証明を受ける者の個人識別情報として、従業者毎に身分証が発行される場合を例にとり説明する。
【0062】
まず、身分証作成時の動作を説明する。
図6は、ICカードの再利用動作における身分証作成時の動作を示す手順説明図である。
新規従業者に身分証を発行する場合、まず、身分証発行申請装置1において、例えば身分証の管理担当者が身分証の発行の申請を行う。
【0063】
この場合、身分証発行申請装置1の入力部12は、身分証の発行に必要な従業者情報の入力を受け付ける(ステップS11)。具体的には、例えば、身分証の管理担当者により、入力部12に、従業者情報として、従業者の氏名、従業者ID、顔写真データ等が入力される。
そして、身分証発行申請装置1の制御部11は、入力部12に入力された従業者情報を、入出力I/F部14からICカード再利用装置2に出力する(ステップS12)。
【0064】
ICカード再利用装置2では、入出力I/F部22に身分証発行申請装置1からの従業者情報が入力されると、入力された従業者情報に基づき、制御部21が身分証の作成処理を行う。
この場合、制御部21は、まず、ICカード保管部27に保管されているリライタブルICカードを取り出し、リライタブルフィルム印刷部23に送出する(ステップS13)。
【0065】
次に、制御部21は、リライタブルフィルム印刷部23を制御して、リライタブルICカードのリライタブルフィルム53に身分証情報の券面印刷を行い、印刷が施されたリライタブルICカードをIC書換部24に送出する(ステップS14)。具体的には、制御部21は、入出力I/F部22に入力された従業者の氏名、顔写真等の身分証としての券面印刷事項を、リライタブルフィルム53に印刷する。
【0066】
次に、制御部21は、IC書換部24を制御して、リライタブルICカードのICチップ51に個人識別情報を書き込み、情報が書き込まれたリライタブルICカードを身分証発行部25に送出する(ステップS15)。具体的には、制御部21は、入出力I/F部22に入力された従業者IDを個人識別情報としてICチップ51に記録する。
【0067】
続いて、制御部21は、通信部28を制御して、IC書換部24においてICチップ51に書き込んだ個人識別情報を、ユーザ認証装置3に送信する(ステップS16)。具体的には、制御部21は、IC書換部24においてICチップ51に記録した従業者IDを個人識別情報として、身分証を作成した旨を示す作成済み情報とともに、ユーザ認証装置3に送信する。
【0068】
また、制御部21は、身分証発行部25を制御して、作成された身分証の発行を行う(ステップS17)。具体的には、制御部21は、リライタブルフィルム53に身分証情報が印刷されて、ICチップ51に従業者IDが記録されたリライタブルICカードを、身分証として身分証発行口から排出する。
新規従業者は、発行された身分証を取得する。
【0069】
ユーザ認証装置3では、通信部32が身分証に書き込まれた個人識別情報を受信すると、制御部31が、受信した個人識別情報を記憶部34のユーザ認証データベース341に登録する(ステップS18)。具体的には、通信部32が作成済み情報とともに従業者IDを受信すると、制御部31は、受信した従業者IDをユーザ認証データベース341に追加して記録する。
このユーザ認証データベース341への登録により、発行された身分証を取得した新規従業者は、身分証を用いてユーザ認証システムを利用することができるようになる。
【0070】
次に、身分証からの情報消去時の動作を説明する。
図7は、ICカードの再利用動作における身分証からの情報消去時の動作を示す手順説明図である。
例えば、従業者は、契約期間の満了等によりリライタブルICカードを利用した身分証が不要になった場合には、その身分証をICカード再利用装置2の身分証返却口に挿入すること等により、不要な身分証の返却を行う。
【0071】
この場合、ICカード再利用装置2の身分証返却部26はリライタブルICカードの身分証の返却を受け付けて、取得し、制御部21は、取得した身分証をリライタブルフィルム印刷部23に送出する(ステップS21)。
【0072】
次に、制御部21は、リライタブルフィルム印刷部23を制御して、リライタブルICカードのリライタブルフィルム53に施されている印刷を消去し、印刷が消去されたリライタブルICカードをIC書換部24に送出する(ステップS22)。
【0073】
次に、制御部21は、IC書換部24を制御し、リライタブルICカードのICチップ51に書き込まれている個人識別情報としての従業者IDを読み取った後、ICチップ51に書き込まれている情報を消去し、書き込み情報が消去されたリライタブルICカードをICカード保管部27に送出する(ステップS23)。
【0074】
続いて、制御部21は、通信部28を制御して、IC書換部24においてICチップ51から消去した個人識別情報を、ユーザ認証装置3に送信する(ステップS24)。具体的には、制御部21は、IC書換部24において消去する前に読み取った従業者IDを、身分証から情報を消去した旨を示す情報である消去済み情報とともに、ユーザ認証装置3に送信する。
【0075】
また、制御部21は、リライタブルフィルム53の印刷が消去され、ICチップ51の書き込み情報が消去されたリライタブルICカードを、ICカード保管部27に保管する(ステップS25)。
このステップS25で保管したリライタブルICカードを、図6のステップS13のICカード取り出し処理において取り出すことにより、身分証として利用されるICカードを再利用することができる。
【0076】
ユーザ認証装置3では、通信部32が、消去された個人識別情報を受信すると、制御部31が、受信した個人識別情報を記憶部34のユーザ認証データベース341から削除する(ステップS26)。具体的には、通信部32が消去済み情報とともに従業者IDを受信すると、受信した従業者IDをユーザ認証データベース341から削除する。
これにより、以後は、返却により身分証から消去された従業者IDが、例えば不正な操作等によりICカード読取部33において読み取られた場合であっても、ユーザ認証データベース341を参照したユーザ認証において利用権限が認められることはなく、セキュリティを確保しながらICカードを再利用することができる。
【0077】
なお、上述したICカードの再利用動作の手順は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、図6のステップS14及びS15においては、券面印刷を行った後に情報の書き込みをしているが、情報の書き込み後に券面印刷を行ってもよい。また、図7のステップS22及びS23において、書き込み情報の消去後に印刷消去を行ってもよい。
さらに、図6のステップS16及びS17においては、情報の送信後、身分証の発行を行っているが、身分証発行後に情報送信を行ってもよい。また、図7のステップS24及びS25において、ICカードの保管後に情報送信を行ってもよい。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態では、身分証に利用されるICカードを再利用するために、身分証の作成時には、新規従業者用にICカードに券面印刷を行い、同時にICチップへのデータの書き込み、関連システムへの通知を行う。また、従業者契約満了時には、ICカードを利用した身分証を回収して券面印刷を消去し、同時にICチップのデータ消去、関連システムへの通知を行う。
【0079】
そして、ICカードにリライタブルフィルムを貼り付けるため、身分証としての券面印刷事項を書き換えることができる。つまり、身分証にリライタブルなICカードを採用しているため、顔写真や氏名等の券面印刷及びその券面消去を容易に行うことができる。
【0080】
また、券面印刷事項の書き換えと同時に、ICチップへの書き込み情報についても、身分の証明を受ける者自体の情報を変更することができる。
さらに、入退室システム等のICカード関連システムへの情報連携も同時に行う。具体的には、ICカードの券面印刷時及び券面消去時に、ICカードが記憶している情報の更新及び関連システムとの連携を実施し、ICカードの機能を維持しながら、ICカードのリサイクルを行う。
これにより、身分証用のICカードを破棄せずに、ICカードに記憶される「身分の証明を受ける者」自体の情報を変更しつつ、再利用し続けることができる。
【0081】
本実施の形態によれば、身分証として利用されたICカードを別の身分証として再利用できる。このため、身分証として利用されたICカードを廃棄する必要がなくなり、ゴミの発生を抑制することができる。また、ICカードの再利用により、新規にICカードを購入する費用を削減することができる。
【0082】
また、身分証の券面印刷は、ICカードに対して直接行われるのではなく、ICカードに貼り付けられているリライタブルフィルムを利用して行われる。このため、身分証を発行するたびに券面印刷に必要であったインク等の消耗品が不要になり、安価に身分証を作成することができる。特に、短期の派遣社員等の採用が多いために身分証の使用期間が短い企業等が、本実施の形態に係るICカード再利用システムを実施した場合には、身分証の作成にかかる費用を大きく節約することができる。
【0083】
また、身分証として利用したICカードの再利用により、身分証の回収や所持管理が徹底され、回収時の関連システムへの通知も徹底される。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能であり、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、上記実施の形態では、身分証として利用されるICカードを再利用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、身分証に限定されるものではなく、社員証、学生証、会員証等のような、所持者を識別するための所持者識別証としての機能を有するものであればよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、再利用する情報記録媒体としてICカードを例に挙げて説明した。しかし、本発明は、ICカードに限定されるものではなく、情報を電磁的に記録することができるものであればよく、磁気カード等の他の情報記録媒体であってもよい。その場合には、上記実施の形態で説明したIC書換部24、ICカード読取部33等が備えるカードリーダ・ライタ等を情報記録媒体の種類に応じて適宜交換すればよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、身分証の返却により情報消去が行われた場合に、ユーザ認証データベース341から個人識別情報を消去するようにしているが、消去しなくても、身分証が関連システムで利用できなくなればよい。例えば、身分証から情報が消去された場合には、ユーザ認証データベース341が記憶している個人識別情報に関連付けて消去済み情報を記録するようにし、ユーザ認証においてこの消去済み情報をも確認するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態に係るICカード再利用システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るICカード再利用システムで再利用されるICカードを説明するための図である。
【図3】図1の身分証発行申請装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のICカード再利用装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】図1のユーザ認証装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】ICカードの再利用動作における身分証作成時の動作を示す手順説明図である。
【図7】ICカードの再利用動作における身分証からの情報消去時の動作を示す手順説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 身分証発行申請装置
2 ICカード再利用装置
3 ユーザ認証装置
4 通信ネットワーク
5 ICカード
11,21,31 制御部
12 入力部
13 出力部
14,22,35 入出力I/F部
23 リライタブルフィルム印刷部
24 IC書換部
25 身分証発行部
26 身分証返却部
27 ICカード保管部
28,32 通信部
33 ICカード読取部
34 記憶部
51 ICチップ
52 アンテナ
53 リライタブルフィルム
341 ユーザ認証データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身分証に利用されるICカードを再利用するICカード再利用システムであって、
ICカードを利用した身分証を作成する身分証作成装置と、ICカードから読み取った情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置と、が通信ネットワークを介して接続され、
前記身分証作成装置は、
可視情報の印刷及び消去が可能な表示部を備えたICカードに身分の証明を受ける者を識別するための個人識別情報を記録し、該ICカードの前記表示部に該個人識別情報に対応する身分証情報を印刷する情報書込手段と、
前記情報書込手段がICカードに記録した個人識別情報を前記通信ネットワークを介して前記ユーザ認証装置に送信する作成情報送信手段と、
前記情報書込手段により記録及び印刷が行われたICカードを身分証として排出する身分証排出手段と、
操作者の操作に応じて、前記身分証排出手段が排出したICカードを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得したICカードに記録されている個人識別情報を消去し、該取得したICカードの前記表示部に印刷されている身分証情報を消去する情報消去手段と、
前記情報消去手段が消去した個人識別情報を前記通信ネットワークを介して前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信手段と、を備え、
前記ユーザ認証装置は、
前記作成情報送信手段からICカードに記録された個人識別情報を受信したときに、該受信した個人識別情報に基づくユーザ認証を開始するユーザ認証開始手段と、
前記消去情報送信手段からICカードから削除された個人識別情報を受信したときに、該受信した個人識別情報に基づくユーザ認証を終了するユーザ認証終了手段と、を備え、
前記情報書込手段は、前記情報消去手段により個人識別情報及び身分証情報が消去されたICカードに個人識別情報を記録し、身分証情報を印刷する、
ことを特徴とするICカード再利用システム。
【請求項2】
前記情報書込手段により身分証情報が印刷される前記表示部が、ICカードに貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ことを特徴とする請求項1に記載のICカード再利用システム。
【請求項3】
前記ユーザ認証装置が、さらに、
ICカードに記録されている情報を読み取る情報読取手段と、
所定のユーザ利用システムの利用権限を有する者の個人識別情報を記憶する個人識別情報記憶手段と、
前記情報読取手段が読み取った情報が、前記個人識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判別することによりユーザ認証を行うユーザ認証手段と、を備え、
前記ユーザ認証開始手段は、前記作成情報送信手段から受信した個人識別情報を、前記個人識別情報記憶手段に追加し、
前記ユーザ認証終了手段は、前記消去情報送信手段から受信した個人識別情報を、前記個人識別情報記憶手段から消去する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のICカード再利用システム。
【請求項4】
情報記録媒体に、該情報記録媒体の所持者を識別するための所持者識別情報を電磁的に記録するとともに、該所持者識別情報に対応する所持者情報を印刷して、所持者識別証を作成する所持者識別証作成装置と、前記所持者識別証から読み取った前記所持者識別情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置と、が通信ネットワークを介して接続されるシステムを用いて、情報記録媒体を再利用する情報記録媒体再利用方法であって、
前記所持者識別証作成装置が、電磁情報の記録及び消去が可能なメモリ部と可視情報の印刷及び消去が可能な表示部とを備える情報記録媒体の該表示部に所持者情報を可視情報として印刷し、該メモリ部に所持者識別情報を電磁情報として記録する情報書込ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報書込ステップで前記メモリ部に記録した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する書込情報送信ステップと、
前記ユーザ認証装置が、前記書込情報送信ステップで送信された所持者識別情報を受信し、該受信した所持者識別情報に基づくユーザ認証を開始するユーザ認証開始ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報書込ステップで印刷及び記録が行われた情報記録媒体を排出する排出ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、操作者の操作に応じて、前記排出ステップで排出された情報記録媒体を取得する取得ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記取得ステップで取得した情報記録媒体の前記表示部に印刷されている所持者情報を消去し、前記メモリ部に記録されている所持者識別情報を消去する情報消去ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報消去ステップで消去した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信ステップと、
前記ユーザ認証装置が、前記消去情報送信ステップで送信された所持者識別情報を受信し、該受信した所持者識別情報に基づくユーザ認証を終了するユーザ認証終了ステップと、
前記所持者識別証作成装置が、前記情報消去ステップで所持者情報及び所持者識別情報を消去した情報記録媒体の前記表示部に所持者情報を印刷し、前記メモリ部に所持者識別情報を記録する再情報書込ステップと、
有することを特徴とする情報記録媒体再利用方法。
【請求項5】
前記情報書込ステップで所持者情報が印刷される前記表示部が、情報記録媒体に貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体再利用方法。
【請求項6】
情報記録媒体を所持する者を識別するための所持者識別情報が電磁的に記録されるとともに、該所持者識別情報に対応する所持者情報が印刷される情報記録媒体を再利用する情報記録媒体再利用装置であって、
電磁情報の記録及び消去が可能なメモリ部と可視情報の印刷及び消去が可能な表示部とを備える情報記録媒体の該表示部に所持者情報を可視情報として印刷し、該メモリ部に所持者識別情報を電磁情報として記録する情報書込手段と、
情報記録媒体の前記メモリ部から読み取った所持者識別情報に基づきユーザ認証を行うユーザ認証装置において前記情報書込手段により記録された所持者識別情報に基づくユーザ認証を開始させるために、前記情報書込手段が前記メモリ部に記録した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する書込情報送信手段と、
前記情報書込手段により印刷及び記録が行われた情報記録媒体を排出する排出手段と、
操作者の操作に応じて、前記排出手段が排出した情報記録媒体を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報記録媒体の前記表示部に印刷されている所持者情報を消去し、前記メモリ部に記録されている所持者識別情報を消去する情報消去手段と、
前記ユーザ認証装置において前記情報消去手段により消去された所持者識別情報に基づくユーザ認証を終了させるために、前記情報消去手段が消去した所持者識別情報を前記ユーザ認証装置に送信する消去情報送信手段と、を備え、
前記情報書込手段は、前記情報消去手段により所持者情報及び所持者識別情報が消去された情報記録媒体に所持者情報を印刷し、所持者識別情報を記録する、
ことを特徴とする情報記録媒体再利用装置。
【請求項7】
前記情報書込手段により所持者情報が印刷される前記表示部が、情報記録媒体に貼付された可視情報の印刷及び消去が可能な表示フィルムである、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報記録媒体再利用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−58572(P2007−58572A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243121(P2005−243121)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】