説明

IDT電極を持つ圧電ダイアフラム

この発明は、圧電的に作動するマイクロ機械のダイアフラムを提供することに関する。前記圧電ダイアフラムは、中央部に、不活性な非電極形成領域と、中央領域の外周に隣接する環状のインターデジタル電極と、を含む。あるいは、前記ダイアフラムは、環状の不活性な非電極形成領域と、中央の活性なインターデジタル電極部と、を有していてもよい。また、前記ダイアフラムは、たとえばミニチュアポンプなどに用いることができる。前記ポンプは流体の蠕動的な移送を生じさせる複数のチャンバーを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ダイアフラムと、たとえば、液体クロマトグラフィーのカラムなどにおける液体や、固体質量分析計におけるガスを移送するために用いられるポンプと、に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電気機械システム(MEMS)とは、シグナルプロセッサーを組み込んだセンサーやアクチュエーターを含むマイクロ機械装置である。通常、これらの装置は集積回路技術により組み立てられており、サイズおよびコストを数桁単位で削減できる可能性を有している。MEMSの一例として、マイクロ機械質量分析計が挙げられる。従来の質量分析計は大きく、重く、高価であり、加えて、それを操作するためには、訓練された技術者が必要である。
【0003】
質量分析計を小型化するには、質量分析計の検出チャンバーに、約10mTorrの真空を作ることができるマイクロ機械装置が必要である。しかしながら、集積回路技術では、このような要求を十分に満足することができない。
【0004】
ミニチュアポンプのようなMEMSに用いられている従来のダイアフラムは、印加電圧に応答してたわむ際に、一般的に、「魔女の帽子」の形に鋭くたわむ。他の従来のダイアフラムもまた、電界により作動させる為だけに、高い電圧を利用する。これらのタイプのたわみは、非効率にポンプを作動させたり、ダイアフラムに強い応力が生じてしまうという点で、不都合である。
【0005】
そのため、ミニチュアポンプ等の用途で用いられ、かつ、このような従来技術の不具合を解決できるダイアフラムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、マイクロスケールの圧電および反強誘電ダイアフラムが提供される。前記ダイアフラムは、たとえば、ミニチュア圧電ダイアフラムポンプに用いることができる。前記ミニチュアポンプは、複数のチャンバーを有し、このポンプの1または2以上のチャンバー上に位置する前記ダイアフラムが連続的に作動することにより、ガスや液体などの流体の蠕動的な移送が生じるような構成とすることができる。前記ダイアフラムの他の用途としては、特に限定されないが、調節可能なフィルター素子、スピーカー、マイクロホン、インクジェットポンプ、補聴器などが挙げられる。
【0007】
第1実施形態においては、作動用のインターデジタル電極を有するダイアフラム単体が製造される。この実施形態においては、Ptなどの高導電性金属を、堆積させ、パターンニングすることにより、中央部に不活性な非電極形成領域を有する、環状のインターデジタル電極が形成される。
【0008】
他の実施形態においては、前記圧電ダイアフラムは、中央部に不活性な非電極形成領域と、この中央領域の外周に隣接する環状のインターデジタル電極とを含む。この中央領域は不活性となっていても良く、あるいは、たとえば前記ダイアフラムの面積の約10%までの量であれば、一部活性となっていても良い。前記ダイアフラムはインターデジタル電極により作動する。前記中央領域は、インターデジタル電極の形成に用いられる金属を有さない構成でも良いし、あるいは、前記中央領域は、環状のインターデジタル電極の形成に用いられる金属を含んでいる構成でも良いが、前記中央領域は、インターデジタル電極の形成に用いられる金属を有さない構成が好ましい。
【0009】
さらに他の実施形態として、前記ダイアフラムは、環状の不活性な非電極形成領域と、中央部に活性なインターデジタル電極形成領域と、を有していてもよい。この実施形態においては、活性な中央の電極形成領域が、前記ダイアフラムの面積のうち約20〜約95%を占める構成とすることができる。また、この実施形態においては、環状の非電極形成領域は不活性となっていても良いし、あるいは、一部が活性であってもよい。この場合、前記一部の活性領域は、前記ダイアフラムの残りの全ての面積を上限として、占有してもよい。この実施形態においては、前記ダイアフラムは、中央部の前記インターデジタル電極により作動する。また、この実施形態において、前記環状領域は、前記インターデジタル電極の形成に用いられる金属を有さない構成でも良いし、あるいは、前記環状領域は、前記インターデジタル電極の形成に用いられる金属を含んでいる構成でも良いが、前記環状領域は、前記インターデジタル電極の形成に用いられる金属を有さない構成が好ましい。
【0010】
前記圧電ダイアフラムは上面および下面を有し、前記ダイアフラムの上面には中央領域に隣接して環状領域が形成される。前記中央領域が不活性状態である場合には、前記環状領域は活性状態となり、前記中央領域が活性状態である場合には、前記環状領域は不活性状態となる。前記活性状態は、環状領域または中央領域のいずれかに存在し、そして、これらのうち活性状態にある領域に、インターデジタル電極が存在する。前記インターデジタル電極は、圧電体層に接する接着促進金属層と、前記接着促進金属層に接する高導電性金属と、を含む複合金属層を有する構成とすることができる。あるいは、インターデジタル電極は、Ptのような高導電性金属のみを含む構成でもよい。前記環状領域または前記中央領域のいずれが不活性状態であっても、その不活性状態にある領域はインターデジタル電極の形成に用いられる金属を含有していても良いが、前記環状領域または前記中央領域のいずれが不活性状態であっても、その不活性状態にある領域は、インターデジタル電極の形成に用いられる金属を有しないことが好ましい。
【0011】
また、本発明は、流体を蠕動的に移送するためのポンプであって、前記圧電ダイアフラムが用いられたポンプにも関する。前記ポンプは、複数のキャビティと、前記キャビティ間を接続する1または2以上の接続部と、を有する基板を含む。各キャビティはダイアフラムを有しており、前記ダイアフラムは、電圧に応答して、前記キャビティ内で、その元々の形状からたわんだ形状に変化することにより、前記キャビティ内に存在する流体を移送するようになっている。前記ダイアフラムを用いることにより、前記ポンプの1または2以上のチャンバー内で、マイクロメータスケールの移送を均一に行うことができる。そして、電圧の印加を終了すると、前記ダイアフラムは元の形状に戻る。前記ポンプの1または2以上のチャンバーの上に形成された複数の前記ダイアフラムを連続的に作動させることにより、蠕動性の移送が生じる。前記ポンプは、たとえば質量分析計のようなガス検出装置に用いることができる。前記ミニチュアポンプは、約1mTorr程度の低い圧力のガスを移送するために用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、中央の非電極形成領域と、この中央領域の周囲に形成された環状のインターデジタル電極と、を有する圧電ダイアフラムの概略図である。
図2は、中央の電極領域を取り囲んでいる環状の非電極形成領域を有するダイアフラムの概要図である。
【0013】
装置
反応性イオンエッチング(RIE)を行うために、Plasma Therm社の型番720装置(あるいはそれに相応する装置)を用いることができる。
切り離された圧電ダイアフラムの電気的なたわみの測定には、Zygo社の干渉計(あるいはそれに相応する装置)を用いることができる。
【0014】
インターデジタル電極を有するダイアフラム単体の製造方法
切り離された単体の、インターデジタル電極を有するダイアフラムは、一般にシリコン基板を用いて製造することができる。前記基板の上面には、たとえば、シリカなどの材料からなる不動態層を生成させ、前記シリカ層の上には、ジルコニアなどのバリア材料からなる層を形成する。そして、前記ジルコニア層の上に、PZTなどからなる圧電体層を堆積させ、前記圧電体層の上に、Ptなどからなる高導電性金属層を堆積させる。そして、前記Pt層をパターンニングし、インターデジタル電極を形成する。前記電極は、中央に不活性領域を有する環状の電極とすることができる。中央の前記不活性領域はPt金属を含んでいてもよいが、この中央の不活性領域はPt金属を有しないことが好ましい。
【0015】
前記ダイアフラムの切り離しは、シリコン基板の底面に対し、公知の深層反応性イオンエッチング〔Deep Reactive Ion Etching(Bosch法)〕を適用することにより行うことができる。切り離されることにより、前記ダイアフラムの直径に相当することとなる所望のパターンは、フォトリソグラフィーにより形成される。深層反応性イオンエッチングは、パターン形成されたシリコンを通り、前記シリカ層に到達するまで行われ、これにより、前記ダイアフラムが切り離される。
【0016】
実施例1〜9:
これらの実施例では、中央部に不活性な非電極形成領域を有し、外周部に環状の活性なインターデジタル電極活性領域を有する、直径800ミクロンのダイアフラム単体の形成を例示する。前記中央部の不活性な領域は、金属を有さない構成となっている。
【0017】
実施例1:
両面研磨された直径4インチの(100)シリコンウエーハを準備し、前記ウエーハの上面に、加熱により生成させた厚さ0.5μmのSiO層を形成する。そして、化学溶液堆積法により、厚さ0.3μmのZrO層を堆積させる。この方法においては、0.3μmのジルコニア層が、溶媒として2−メトキシエタノール(2−MOE)を使用して調製された0.4Mのジルコニア溶液を用いることにより、前記シリカ層の上に堆積される。前記ジルコニア溶液は、前記シリカ層の上に、3000rpm、30秒間の条件でスピンコートされる。そして、前記スピンコート層は、300℃および450℃にて60秒間加熱され、次いで、700℃、60秒の条件で急速に熱アニールすることにより結晶化される。各ZrO層の厚さは70nmであり、0.3μmの厚さとなるまで、スピンコートおよび加熱の各工程を繰り返す。そして、最終的に、ジルコニア層に対して、700℃、3時間の条件でアニールを行う。
【0018】
そして、前記ZrO層の上に、化学溶液堆積法により、厚さ2.0μmのPb(Zr0.52 Ti0.48 )O層を堆積させる。この方法においては、2−メトキシエタノールを溶媒とした0.75MのPb(Zr0.52 Ti0.48 )Oの溶液が用いられ、前記溶液は、1500rpm、30秒間の条件でスピンコートされる。そして、前記スピンコート層は、300℃および450℃にて60秒間加熱され、次いで、700℃、60秒の条件で急速に熱アニールすることにより結晶化される。各層の厚さは0.2μmであり、2.0μmの厚さとなるまで、スピンコートおよび加熱の各工程を繰り返す。そして、前記Pb(Zr0.52 Ti0.48 )O膜の上面に、スパッタリングにより、Pt層(1000オングストローム)を堆積させる。前記Pt層は、アルゴンと塩素との混合気体を用いた反応性イオンエッチングにより、パターニングされ、環状のインターデジタル電極と、中央部にPtを有さない不活性な非電極形成領域と、が形成される。IDT(インターデジタル)間隔および幅は、それぞれ5μmおよび10μmである。
【0019】
そして、公知の深層シリコン反応性イオンエッチング〔Deep Silicon Reactive Ion Etching(Bosch法)〕により、直径800μmのダイアフラム構造体を切り離す。前記ダイアフラムの大きさは直径800μmであり、環状のIDT電極の被覆率は85%である。円形の不活性な非電極形成領域の直径は60マイクロである。前記ダイアフラムは、図1に示す形状である。
【0020】
前記ダイアフラムに100Vの電圧を印加し、たわみを発生させる。このたわみを、静止させた状態で、干渉計(Zygo社)により測定する。電圧を印加する前には、前記ダイアフラムについて、室温下、20分の条件で、その抗電界による分極を3回行う。
【0021】
実施例2:印加電圧を140Vとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例3:印加電圧を180Vとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例4:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例5:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとし、かつ、印加電圧を140Vとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例6:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとし、かつ、印加電圧を180Vとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例7:中央の非電極形成領域の直径を210ミクロンとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例8:中央の非電極形成領域の直径を210ミクロンとし、かつ、印加電圧を140Vとする以外は、実施例1と同様とする。
実施例9:中央の非電極形成領域の直径を210ミクロンとし、かつ、印加電圧を180Vとする以外は、実施例1と同様とする。
【0022】
実施例1〜9の結果を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
実施例10〜20:
これらの実施例では、中央部に、不活性な、Pt金属を含有する非電極形成領域を有し、直径800ミクロンであるダイアフラムの構成について例示する。
【0025】
実施例10:中央部の非電極形成領域に、電極形成に用いたPt金属層を残しておく以外は、実施例1と同様とする。
実施例11:印加電圧を140Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例12:中央の非電極形成領域の直径を90ミクロンとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例13:中央の非電極形成領域の直径を90ミクロンとし、かつ、印加電圧を140Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例14:中央の非電極形成領域の直径を90ミクロンとし、かつ、印加電圧を180Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例15:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例16:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとし、かつ、印加電圧を140Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例17:中央の非電極形成領域の直径を150ミクロンとし、かつ、印加電圧を180Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例18:中央の非電極形成領域の直径を210ミクロンとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例19:中央の非電極形成領域の直径を210ミクロンとし、かつ、印加電圧を140Vとする以外は、実施例10と同様とする。
実施例20:中央の非電極形成領域の直径を90ミクロンとし、かつ、印加電圧を180Vとする以外は、実施例10と同様に行う。
【0026】
結果を表2に示す。
【0027】
【表2】

【0028】
ポンプに用いるダイアフラムの製造方法
ミニチュアポンプなどのポンプに用いられる、インターデジタル電極を有するダイアフラムは、通常、Siのような基板内にミクロサイズのキャビティを形成し、前記キャビティ内に不動態材料およびバリア材料からなる各層を堆積し、次いで、圧電体層を形成することにより、製造される。そして、前記ダイアフラム上に、活性な電極形成領域と、不活性な非電極形成領域と、を画定するために、前記圧電体層の上にインターデジタル電極を形成する。
【0029】
ミクロサイズの圧電ダイアフラムを含むミニチュアポンプは、通常、Siや、ガラス、Geなどの半導体材料、好ましくはSiからなる基板内に、複数のチャンバーと、これらのチャンバーを互いに接続するチャンネルと、を形成することにより製造される。用いられるガラスとしては、特に限定されないが、溶融した石英やパイレックス(登録商標)が挙げられる。基板が酸化物でない場合には、前記チャンバーおよび接続領域に、酸化物を堆積させる。そして、前記チャンバーに、後に取り除かれることとなる材料からなる犠牲層を堆積することにより、元の基板表面に対して平坦化される。前記犠牲層は、エッチングにおける化学的性質が、前記ダイアフラムを形成するために用いられる他の材料と適合する材料であれば、どような材料で形成してもよいが、前記犠牲層は、アモルファスシリコンであることが好ましい。犠牲層を形成するために用いることができる、その他の材料としては、アモルファスゲルマニウムや、エッチングにおける化学的性質の適合するその他の材料などが挙げられる。一般的には、これらのチャンバー上にアクチュエーターが形成されるのであるが、しかしながら、本発明では、複数の前記ダイアフラムを、後述する方法に従い、切り離す方法を採用する。
【0030】
前記チャンバーおよび前記接続チャンネルは、反応性イオンエッチング(RIE)、ウェットケミカルエッチング、イオンミリングなどの方法、好ましくはRIEにより、基板内に形成することができる。RIEは、反応ガスとして、SF、CFの体積に対してOが約10%以下の範囲で含有されているCF/O混合ガス、CFの体積に対してHが約10%以下の範囲で含有されているCF/H混合ガスなどを用いて行えば良いが、反応ガスとしては、SFが好ましい。反応ガスの流量は、通常、約1sccm〜約100sccmであり、好ましくは約50sccmである。反応ガスの圧力は、通常、約10mTorr〜約250mTorrであり、好ましくは約100mTorrである。
【0031】
前記チャンバーおよび前記チャンネル上には、たとえば、反応スパッタリング、熱による酸化、化学蒸着などの方法、好ましくは熱による酸化により、第1の層が堆積される。前記第1の層を構成する材料としては特に限定されず、たとえば、SiO、Si、ZrO、およびAl、またはこれらの混合物などが挙げられる。第1の層の厚さは、約0.5ミクロン〜約5.0ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは約1.0ミクロン〜約2.5ミクロンである。
【0032】
そして、前記第1の層の上に、犠牲材料からなる層が形成される。使用可能な犠牲材料としては、特に限定されず、アモルファスSi、結晶Si、部分結晶Si、アモルファスGeや、Cu、Niなどの金属、および/またはこれらの混合物などが含まれるが、アモルファスSiが好ましい。犠牲層の厚さは、約2ミクロン〜約6ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約3ミクロン〜約5ミクロンである。Siからなる犠牲層は、化学機械研磨により平滑化される。
【0033】
前記犠牲材料からなる層の上には、酸化物材料からなる不動態層が堆積される。前記不動態層を構成する酸化物としては、特に限定されず、SiO、Alの他、Si、SiN、応力の低減されたSiなどの材料、または、これらの混合物などが挙げられるが、SiOが好ましい。不動態材料からなる層の厚さは、約0.2ミクロン〜約1.5ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約0.5ミクロン〜約0.7ミクロンである。
【0034】
あるいは、SiOなどの不動態層を堆積させる前に、前記犠牲層の下に、付加的な材料からなる保護層を堆積させても良い。前記保護層を構成する付加的な材料としては、特に限定されないが、Al、ZrO、Si、またはこれらの混合物などが挙げられる。Alを用いる場合には、前記Alはスパッタリングにより堆積させることができる。ZrOを用いる場合には、ZrOはスピンコートにより堆積させることができる。Siを用いる場合には、低圧での化学蒸着により堆積させることができる。付加的な材料からなる保護層は、その厚みを、約0.1ミクロン〜約0.5ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは約0.25ミクロンである。アルミナなどの付加的な材料からなる保護層を堆積させる場合には、前記保護層の上に、シリカなどの材料から構成される前記不動態層を堆積させる。
【0035】
前記不動態層の上には、バリア材料/配向成長材料からなる層を堆積させる。前記バリア材料/配向成長材料としては、特に限定されず、MgO、Al、ZrO、またはこれらの混合物などが挙げられるが、ZrOが好ましい。バリア材料からなる層の厚さは、約0.2ミクロン〜約0.5ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは約0.3ミクロン〜約0.4ミクロンである。
【0036】
そして、前記バリア材料からなる層の上には、圧電材料あるいは電気機械的に活性な材料からなる層が堆積される。前記圧電材料あるいは電気機械的に活性な材料としては、特に限定されず、Pb(Zr,Ti)O、Pb0.52 Zr0.48 TiO、PbZrO、PbTiO、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiO、Pb(Yb1/2 Nb1/2 )O−PbTiO、ZnO、AlNまたはこれらの混合物などが挙げられるが、Pb(Zr,Ti)Oが好ましく、Pb0.52 Zr0.48 TiOが最も好ましい。圧電材料からなる層の厚みは、約0.5ミクロン〜5.0ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは約1.5ミクロン〜3.0ミクロンである。
【0037】
前記圧電体層の上面には、環状のインターデジタル電極がパターン形成され、印加電圧に応答することにより、前記ダイアフラムがわん曲できるようになっている。前記電極は、一般的に図1に示されるように、環状の電極により囲まれた、内側の非電極形成領域が、前記圧電体層の表面上に形成されるように、パターンニングされていることが好ましい。図1においては、符号「1」は、中央の非電極形成領域を示し、符号「2」は、環状の電極領域を示す。他の形態として、前記内側領域は、電極材料を有しない、不活性なリング状の部分により分離された、インターデジタル電極領域により、前記ダイアフラムの面積の約10%を上限とする面積において、部分的に活性となっていていも良い。
【0038】
環状の前記電極は、始めに、前記圧電体層の上に、たとえばCr、Ta、Ti、またはW、好ましくはCrからなる接着促進金属で形成される薄膜層を堆積させることにより、前記圧電体層上に形成される。接着促進金属薄膜層の厚さは、約0.01ミクロン〜約0.05ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約0.02ミクロン〜約0.03ミクロンである。一般的に接着促進薄膜層は、前記電極層と同じ面積を被覆する。
【0039】
前記接着促進層の上には、Au、Pt、Al、Agまたはこれらの混合物などからなる高導電体材料層が堆積され、その結果、複合金属層が形成される。高導電体層の厚さは、約0.1ミクロン〜約0.5ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約0.2ミクロン〜約0.3ミクロンである。
【0040】
そして、得られた圧電ダイアフラムの積層体には、たとえば、反応性イオンミリング(RIE)、ウェットケミカルエッチング、好ましくはイオンミリングにより処理することで、前記積層体の表面から下層に存在する犠牲材料まで達する穴が形成される。この穴の直径は、通常、約100ミクロン〜約500ミクロンであり、好ましくは約200ミクロン〜約300ミクロンである。この穴を形成した後、Cr/Auなどからなる前記複合金属層に対し、フォトリソグラフィーにより、パターンニングを行い、インターデジタル電極を形成する。この際に、前記複合金属層の上には、マスク材料が堆積される。前記マスクは、前記ダイアフラムの外側部分に活性なインターデジタル電極を形成できるように、パターンニングすることができ、そして、このようにすることにより、前記ダイアフラム上に、中央に位置する非電極形成領域を取り囲む形で、インターデジタル電極を形成することができる。前記インターデジタル電極の幅は、約1ミクロン〜約20ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約5ミクロン〜約7.5ミクロンである。前記インターデジタル電極の間隔は、約1ミクロン〜約20ミクロンの間で変化させることができ、好ましくは、約5ミクロン〜約7.5ミクロンである。
【0041】
また、フォトリソグラフィーは、一般的に図2に示されるように、中央の活性な電極領域と、それを取り囲む非電極形成領域と、を有するダイアフラムを形成するためにも用いることができる。図2においては、符号「3」は、内側の電極領域を示し、符号「4」は、外側の非電極形成領域を示す。この場合、中央領域は、前記圧電体層の面積の約95%まで被覆していても良い。
【0042】
前記犠牲層を取り除くために反応性のエッチング液を穴に流し込み、そして、複数の前記ダイアフラムを切り離す。反応性のエッチング液としては、XeF、BrF、ClFや、過酸化水素と水との混合溶液や、これらの混合物などが挙げられ、好ましくはXeFである。前記過酸化水素と水との混合溶液は、過酸化水素と水との容積重量の合計に対し、過酸化水素の濃度が約1%〜約15%である。切り離された複数の前記ダイアフラムは、その形状や、印加電圧に応答する際のたわみ量などの特性に特徴を有する。
【0043】
実施例21〜23:
これらの実施例は、インターデジタル電極を有するポンプ用のダイアフラムの製造方法を例示する。
【0044】
実施例21:
Si基板に対し、200mTorr、200Wの条件下で、SF(50sccm)により、反応性イオンエッチング(RIE)を行う。RIEによるエッチングにより、直径650μm、深さ4.0μmのチャンバーを5個形成する。また、このRIE法にて、エッチングにより、前記チャンバー同士および前記チャンバーと前記基板の端面とを互いに接続させる接続部を、4.0μmの深さに形成する。そして、加熱による酸化により、前記チャンバーおよびチャンネルの内側に、SiOからなる厚さ1.2μmの不動態層を生成させる。そして、Siからなる層の上に、スパッタリングにより、アルミナからなる厚さ0.25ミクロンの保護層を形成する。次いで、アルミナからなる保護層の上に、スパッタリングにより、アモルファスシリコンからなる厚さ5μmの犠牲層を形成する。
【0045】
そして、前記アルミナ層の上に、SiOからなる厚さ0.7μmの不動態層を堆積させる。SiOからなる前記不動態層は、(低温)化学蒸着により堆積される。次いで、厚さ0.7μmの前記SiO層の上に、2−メトキシエタノール(2−MOE)を用いて、ゾルゲル法により、ZrOからなる厚さ0.3μmのバリア層を堆積させる。この方法においては、溶媒として2−メトキシエタノール(2−MOE)を用いて、0.4MのZrO溶液を調製する。ジルコニア溶液は、3000rpm、30秒間の条件で、ウエーハ上にスピンコートされる。そして、スピンコートにより形成された層は、300℃および450℃にて60秒間加熱され、次いで、700℃、60秒の条件で急速に熱アニールすることにより結晶化される。各層の厚さは70nmであり、0.3μmの厚さとなるまで、スピンコートおよび加熱の各工程を繰り返す。そして、最終的に、ZrO層に対して、700℃、3時間の条件でアニールを行う。
【0046】
PZT層に関しては、2−メトキシエタノール(2−MOE)を用いて、上述のゾルゲル法により、前記ZrO層の上に厚さ2.0μmのPb(Zr0.53 Ti0.47 )O層を堆積させる。この方法においては、2−メトキシエタノール(2−MOE)の0.75MのPb(Zr0.53 Ti0.47 )O溶液を使用する。この溶液は、1500rpm、30秒間の条件で、スピンコートされる。そして、スピンコートにより形成された層は、300℃および450℃にて60秒間加熱され、次いで、700℃、60秒の条件で急速に熱アニールすることにより結晶化される。各層の厚さは0.2μmであり、2.0μmの厚さとなるまで、スピンコートおよび加熱の各工程を繰り返す。
【0047】
前記Pb(Zr0.52 Ti0.48 )O層の上面に、電子ビーム蒸着により、Crからなる厚さ10nmの層を堆積させる。そして、前記Cr層の上に、電子ビーム蒸着により、厚さ120nmのAu層を堆積させ、Cr/Au複合金属層を形成する。
【0048】
上述した工程により得られた、ダイアフラム積層体およびポンプとなるプリフォームに対し、イオンミリングを行い、前記プリフォームの各端部に直径100ミクロンの穴を形成する。この穴は、前記ダイアフラム積層体の上面から、Siからなる前記犠牲層まで達するように形成する。マスク材料として、BCB4022(シクロテン樹脂、DOW社)からなる厚さ4μmの層を形成し、次いで、ホットプレート上で200℃、2時間の条件で焼き付けを行う。前記マスク層は、イオンミリングを行った後に、Nanostrip(Cyantek カリフォルニア州フレモント)により除去される。フォトリソグラフィーにより、Cr/Au複合金属層をパターンニングし、環状のインターデジタル(IDT)電極を、Cr/Au複合金属層の形成されていない中央の非電極形成領域を取り囲むような態様で形成する。前記IDT電極の幅および電極間の間隔は、ともに7.5μmであり、中央の非電極形成領域の直径は90ミクロンである。前記ダイアフラムの概略の構成を図1に示す。
【0049】
複数の前記ダイアフラムを、XeFを用いたXetchシステム(XACTIX Inc.)を用いて、切り離すことにより、ポンプを製造する。XeFによる処理は、Xetch装置(Xactix社、ペンシルバニア州ピッツバーグ)により行われ、パルスエッチング機構が用いられる。まず、XeFガスを、前記装置のソースチャンバーからエクスパンションチャンバーに導入し、その後、前記エクスパンションチャンバーが所望の圧力に達したら、充填を止める。次いで、前記エクスパンションチャンバー中のXeFガスを、エッチングチャンバーに導入する。前記装置は、このようなエクスパンションチャンバー中を2つ備えている。そして、15〜25秒間のエッチング反応の後、前記エッチングチャンバーを、10mTorrまで減圧することにより、副生成物を除去する。そして、ポンプ構造が形成されるまで、このサイクルを繰り返す。
【0050】
上記のようにして得られた、切り離された複数のダイアフラムを有するポンプは、互いに接続し合う5つのキャビティと、切り離され、各キャビティの上に位置するミクロサイズのダイアフラムと、を有する。前記ポンプは、前記インターデジタル電極に対する印加電圧に応答して、複数の前記ダイアフラムがたわむことにより、ガスなどの流体を蠕動的に移送させることができる。
【0051】
前記ダイアフラムに、150Vの電圧を印加し、たわみを生じさせ、このたわみを実施例1と同様に測定する。
【0052】
実施例22:非電極形成領域の直径を150ミクロンにする以外は、実施例21と同様とする。
実施例23:非電極形成領域の直径を210ミクロンにする以外は、実施例21と同様とする。
【0053】
結果を表3に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
実施例24:この実施例では、環状の非電極形成領域と、インターデジタル電極が形成された中央領域と、を有するダイアフラムの製造方法を例示する。
【0056】
フォトリソグラフィーにより、外周側に、幅150μmの環状の不活性な非電極形成領域と、中央部に、直径400μmの活性なインターデジタル電極形成領域と、を形成する以外は、実施例21と同様に行う。
【0057】
好ましい実施形態を参照して、本発明について詳細に示し、説明したが、本発明の思想および範囲を逸脱しない限りにおいて、形式や細部について改変できることは、その技術の分野における当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、中央の非電極形成領域と、この中央領域の周囲に形成された環状のインターデジタル電極と、を有する圧電ダイアフラムの概略図である。
【図2】図2は、中央の電極領域を取り囲んでいる環状の非電極形成領域を有するダイアフラムの概要図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加電圧に対して応答する、改良されたたわみを有する圧電ダイアフラムであって、
前記ダイアフラムは、上面および下面を有し、その上面には中央領域に隣接する環状領域を有する、圧電体または反強誘電体の層を含む基板を、有し、
前記中央領域が不活性状態にある場合には、前記環状領域は活性状態にあり、前記中央領域が活性状態にある場合には、前記環状領域は不活性状態にあり、
前記活性状態は、前記環状領域にインターデジタル電極が存在する場合には、前記環状領域に存在するようになっており、あるいは、前記活性状態は、前記中央領域にインターデジタル電極が存在する場合には、前記中央領域に存在するようになっており、
前記インターデジタル電極は、前記圧電体層または前記反強誘電体層に接する接着促進金属層と、前記接着促進金属層に接する高導電性金属層と、を含む複合金属層を有し、
前記環状領域が不活性状態にある場合には、前記環状領域に前記複合金属層が形成されておらず、前記中央領域が不活性状態にある場合には、前記中央領域に前記複合金属層が形成されていない、
圧電ダイアフラム。
【請求項2】
前記圧電体層が、Pb(Zr,Ti)O、PbZrO、PbTiO、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiO、Pb(Yb1/2 Nb1/2 )O−PbTiO、ZnO、AlNおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項3】
前記圧電体層が、PbZr0.52 Ti0.48 である請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項4】
前記接着促進層が、Cr、Ti、Wおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項5】
前記高導電性金属層が、Au、Ptおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項6】
前記接着促進層が、Crである請求項3に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項7】
前記高導電性金属層が、Auである請求項6に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項8】
前記Pb0.52 Zr0.48 TiOの底面に接するZrO層を、さらに有する請求項3に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項9】
前記ZrO層と接するSiO層を、さらに有する請求項8に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項10】
前記SiO層と接するAl層を、さらに有する請求項9に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項11】
前記インターデジタル電極領域は、複数の電極を含み、前記複数の電極は、幅:約1〜約20ミクロン、隣り合う電極の間隔:約1〜約20ミクロンとなっている請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項12】
印加電圧に対して応答する、改良されたたわみを有する圧電ダイアフラムであって、
前記ダイアフラムは、上面および下面を有し、その上面には中央領域に隣接する環状領域を有する、圧電体層を含む基板を、有し、
前記中央領域が不活性状態にある場合には、前記環状領域は活性状態にあり、前記中央領域が活性状態にある場合には、前記環状領域は不活性状態にあり、
前記活性状態は、前記環状領域にインターデジタル電極が存在する場合には、前記環状領域に存在するようになっており、あるいは、前記中央領域にインターデジタル電極が存在する場合には、前記中央領域に存在するようになっており、
前記インターデジタル電極は、前記圧電体層に接する接着促進金属層と、前記接着促進金属層に接する高導電性金属層と、を含む複合金属層を有し、
前記環状領域が不活性状態にある場合には、前記環状領域に前記複合金属層が形成されておらず、前記中央領域が不活性状態にある場合には、前記中央領域に前記複合金属層が形成されていない、
圧電ダイアフラム。
【請求項13】
前記圧電体層が、Pb(Zr,Ti)O、PbZrO、PbTiO、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiO、Pb(Yb1/2 Nb1/2 )O−PbTiO、ZnO、AlNおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項12に記載のダイアフラム。
【請求項14】
前記圧電体層が、Pb0.52 Zr0.48 TiOである請求項12に記載のダイアフラム。
【請求項15】
前記接着促進層が、Cr、Ti、Wおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項12に記載のダイアフラム。
【請求項16】
前記高導電性金属層が、Au、Ptおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項12に記載のダイアフラム。
【請求項17】
前記接着促進層が、Crである請求項14に記載のダイアフラム。
【請求項18】
前記高導電性金属層が、Auである請求項17に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項19】
前記Pb0.52 Zr0.48 TiOの底面に接するZrO層を、さらに有する請求項14に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項20】
前記ZrO層と接するSiO層を、さらに有する請求項19に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項21】
前記インターデジタル電極領域は、複数の電極を含み、前記複数の電極は、幅:約1〜約20ミクロン、隣り合う電極の間隔:約1〜約20ミクロンとなっている請求項12に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項22】
流体を蠕動的に移送させるポンプであって、
複数のキャビティと、前記キャビティ間を接続する1または2以上の接続部と、を含む基板を有し、
各キャビティはダイアフラムを有しており、前記ダイアフラムは、電圧に応答して、前記キャビティ内で、その元々の形状からたわんだ形状に変化することにより、前記キャビティ内に存在する流体を移送し、電圧の印加を終了すると、その元々の形状に戻るようになっているとともに、
前記ポンプの1または2以上のチャンバーの上に形成された複数の前記ダイアフラムが連続的に作動することにより、蠕動性の移送が生じるようになっており、
前記ダイアフラムが請求項1〜21のいずれかに記載の圧電ダイアフラムであることを特徴とする蠕動ポンプ。
【請求項23】
Si基板の表面に、SiO層を堆積させる工程と、
前記SiO層の上に、ZrO層を堆積させる工程と、
前記ZrO層の上に、Pb(Zr0.52 Ti0.48 )O層を堆積させる工程と、
前記Pb(Zr0.52 Ti0.48 )O層の上に、Pt層を堆積させる工程と、
前記Pt層に対して反応性イオンエッチング(reactive ion etching)を行い、環状のインターデジタル電極と、中央部に、Ptの無い不活性な非電極形成領域と、を形成する工程と、
フォトリソグラフィーにより、前記基板の底面にパターン形成し、前記ダイアフラム直径を構成することとなる領域を画定する工程と、
前記領域に、深層反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching)を行い、前記ダイアフラムを切り離す工程と、
を有するインターデジタル圧電ダイアフラムの製造方法。
【請求項24】
Si基板の表面に、SiO層を堆積させる工程と、
前記SiO層の上に、ZrO層を堆積させる工程と、
前記ZrO層の上に、圧電体材料からなる層を堆積させる工程と、
前記圧電体材料からなる層の上に、高導電性金属層を堆積させる工程と、
前記金属層に対して反応性イオンエッチング(reactive ion etching)を行い、環状のインターデジタル電極と、中央部に、Ptの無い不活性な非電極形成領域と、を形成する工程と、
前記基板の底面にパターン形成し、前記ダイアフラム直径を構成することとなる領域を画定する工程と、
前記領域に、深層反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching)を行い、前記ダイアフラムを切り離す工程と、
を有するインターデジタル圧電ダイアフラムの製造方法。
【請求項25】
前記基板がシリコンである請求項1に記載の圧電ダイアフラム。
【請求項26】
前記基板がシリコンである請求項12に記載の圧電ダイアフラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−529113(P2007−529113A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541736(P2006−541736)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/039652
【国際公開番号】WO2005/055265
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(500273296)ザ・ペン・ステート・リサーチ・ファンデーション (14)
【出願人】(506176582)ノースロップ グルマン コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】Northrop Grumman Corp.
【住所又は居所原語表記】1840 Century Park East,Los Angeles,CA 19067−2199 US
【Fターム(参考)】