説明

IP機器交換装置

【課題】Peer−to−Peerと同等の通信を維持し任意のタイミングでセッションの切り替えをすることができるIP機器交換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】2つのIP機器に対してVoIPプロトコルによりセッション設定をし、IP機器間でパケット交換されるようにヘッダ情報を書き換えてから他のRTPポートを介して送信するRTPパケット処理部と、RTPパケット処理部で使用すべきRTPポートを通知する呼制御機能部とを備え、呼制御機能部は、第3のIP機器へのセッション切り替えを行う場合、第1のIP機器および第2のIP機器間でのセッション確立後、RTPパケット処理部で第3のIP機器に対しのみ使用するRTPポートをRTPパケット処理部に通知するとともに、RTPパケット処理部で使用するRTPポートの再設定を行い、パケット交換を行わせる、ことを主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話、IPテレビ電話、ソフトフォンなどのIP機器の接続制御を行うためのIP機器交換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のIP化の普及に伴い、IP−PBXという機器がオフィスに浸透しつつある。IP−PBXの中には、レガシーPBXで実現している機能を実現するために、IP電話機間の接続をする際には、音声データの転送を行うRTPパケットを一旦PBXにおいて終端し、PBX内においてはPCMデータとして時分割スイッチを用いて交換するものがある。このような交換装置は、IP enabled PBXまたはVoIP−GW機能内蔵PBXと呼ばれる。(特許文献1)には、ポイント・マルチポイント構成において、加入者装置として、IP enabled PBXを用いた場合の伝送方式が記載されている。
【0003】
また、IP電話機間のPeer−to−Peer通信を実現する交換装置も存在し、RTPパケットを用いて音声のみならず画像データを交換接続する装置も存在する。このような交換装置は、一般に、ソフトスイッチ、呼制御サーバと呼ばれる。
【特許文献1】特開2002−247115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、IP enabled PBXにおいては、時分割スイッチの任意タイミングでの切替が可能であるため、レガシーPBX同等の複雑かつ多岐に及ぶ機能を実現できる。しかし、IP enabled PBXでは、Peer−to−Peer通信を実現出来ず、PBX内でPCMデータとして時分割スイッチを用いて交換するためには、エンコード、デコードを繰り返さなければならないので、音声劣化が生じたり、交換接続できる機器が音声機器に限定されたりするという問題がある。
【0005】
一方、従来のソフトスイッチにおいては、Peer−to−Peer通信は実現出来るが、VoIPプロトコルによっては任意タイミングのセッション切り替えが難しいため、PBXの交換機能と比較すると提供できる機能が大幅に劣るという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、Peer−to−Peer同等通信を維持したままで、任意のタイミングでセッションの切り替えができるIP機器交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明のIP機器交換装置は、IP機器またはIP回線をLANまたはIPネットワークを介して収容するLANインタフェースと、IP機器またはIP回線間のセッション設定をVoIPプロトコルにより行う呼制御機能と、メディア情報を有するRTPパケットを終端しその送受信先IPアドレス及びポートを任意のタイミングで切り替えて送受信出来るRTPパケット処理部とを有し、セッション設定の後にVoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部によりRTPパケットの送受信先変更をすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、本発明のIP機器交換装置は、メディア情報を有するRTPパケットを終端し、その送受信先IPアドレス及びポートを任意のタイミングで切り替えて送信出来るRTPパケット処理部を実現することにより、IP機器間でセッション設定後にVoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部によりRTPパケットの送受信先変更ができるので、Peer−to−Peer同等通信を維持したままでの任意タイミング切り替えができるIP機器交換装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、IP機器またはIP回線をLANまたはIPネットワークを介して収容するLANインタフェースと、IP機器またはIP回線間のセッション設定をVoIPプロトコルにより行う呼制御機能と、メディア情報を有するRTPパケットを終端しその送受信先IPアドレス及びポートを任意のタイミングで切り替えて送受信出来るRTPパケット処理部と、を有する交換装置であって、
セッション設定の後にVoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部によりRTPパケットの送受信先変更をすることを特徴とするIP機器交換装置である。
【0010】
これにより、IP機器またはIP回線との間でセッション設定後に当該1つのIP機器またはIP回線との間でVoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部によりRTPパケットの送受信先変更を可能とすることによって、Peer−to−Peer同等通信を維持したままでの任意タイミング切り替えを可能とし、レガシーPBX同等の複雑かつ多岐に及ぶ機能を実現できるという利点を有する。
【0011】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、VoIPプロトコルが任意切り替えに対応出来ないと判断した場合のみRTPパケット処理部でRTPパケットをスイッチし、他の場合にはIP機器またはIP回線間でのPeer−to−Peer通信を実現するようにセッション制御を行うことを特徴とするIP機器交換装置である。
【0012】
これにより、VoIPプロトコルを用いた任意タイミングでのセッション切り替えが可能な場合にはRTPパケット処理部を使用しない為、RTPパケット処理部の処理負荷増大、あるいはリソース数不足による呼接続のブロッキングを抑制できるという利点を有する。
【0013】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、IP機器またはIP回線にて設定するセッションのメディア情報(音声、画像、データ)により、RTPパケット処理部でRTPパケットをスイッチするか否かを判断することを特徴とするIP機器交換装置である。
【0014】
これにより、例えばメディアが音声の時のみRTPパケット処理部を使用する等して、RTPパケット処理部の処理負荷増大、あるいはリソース数不足による呼接続のブロッキングを抑制する、また高機能機種では画像を含めたRTPパケット処理を行い、低機能機種では音声のみのRTPパケット処理を行うなどして、提供サービス/提供機種のラインナップをそろえることも可能となるという利点を有する。
【0015】
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、RTPパケット処理部が処理負荷増大またはリソース数不足の場合、IP機器またはIP回線間でのPeer−to−Peer通信をするようにセッション制御を行うことを特徴とするIP機器交換装置である。
【0016】
これにより、リソース使用状況によらず基本通話を行うことが出来る為、緊急通話を保証することが可能となるという利点を有する。
【0017】
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、RTPパケット処理部がRTPパケットをスイッチするか否かを、IP機器またはIP回線毎にあらかじめ設定されたデータにより判断することを特徴とするIP機器交換装置である。
【0018】
これにより、PBX同等の複雑かつ多岐に及ぶ機能を実現する必要の無いIP機器、IP回線に関しては、VoIPプロトコルでサポート可能な範囲のサービスを提供するというサービス範囲を規定することが可能となり、またRTPパケット処理部を使用しない為、RTPパケット処理部の処理負荷増大、あるいはリソース数不足による呼接続のブロッキングを抑制できるという利点も有する。
【0019】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本IP機器交換装置の実施の形態について図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるIP機器交換装置のブロック図である。図2は、図1のIP機器交換装置における交換機能のシーケンスチャートである。図3は、図1のIPアドレス、ポートの割り振りを説明する図である。
【0020】
まず、本実施の形態のIP交換システムの構成について図1に基づいて説明する。IP機器交換装置1は、IP機器2〜4またはIP回線をIPネットワーク(LAN、インターネット、IP専用線等)5経由で収容し、IP機器2〜4間、IP回線間、IP機器−IP回線間の交換接続制御を行う交換装置であり、PBX同等の複雑かつ多岐に及ぶ機能から、SIP Proxyサーバと同等のセッション制御に至る機能を実現する。
【0021】
IP機器2〜4は、IP電話、IPテレビ電話、ソフトフォン等の機器であり、VoIPプロトコルとしては、SIP、H.323、MGCP等の標準プロトコルまたは独自に規定された専用プロトコルによりIP機器交換装置1に接続される。なお、IP機器2〜4は内線の位置づけとなり、IP回線は外線の位置づけとなる。IP機器交換装置1がIP回線を収容する場合には、IP機器2〜4と同等の位置付けで制御を行う。
【0022】
IP機器交換装置1は、LANインタフェース13、17と、VoIPプロトコル処理部12と、呼制御部11と、接続方式判定部14と、リソース管理部15と、RTPパケット処理部16とを備えている。呼制御部11およびVoIPプロトコル処理部12が請求の範囲でいうところの呼制御機能部に対応する。
【0023】
LANインタフェース13は、IPネットワーク5を介してIP機器2〜4などとVoIPプロトコルによるメッセージを送受信するためのインタフェースである。LANインタフェース17は、IPネットワーク5を介してIP機器2〜4などとRTPパケットを送受信するためのインタフェースである。
【0024】
VoIPプロトコル処理部12は、IP機器2、3、4とのVoIPプロトコルを終端し、IP機器交換装置1内の呼制御シグナルにインタワークを行う。すなわち、VoIPプロトコル処理部12は、LANインタフェース13を介してIP機器2、3、4とVoIPプロトコルによるメッセージを送受信すると共に、受信したVoIPプロトコルによるメッセージを呼制御シグナルによるメッセージに変換して呼制御部11と送受信したり、受信した呼制御シグナルによるメッセージをVoIPプロトコルによるメッセージに変換したりする。
【0025】
呼制御部11は、IP機器間の接続制御(セッション設定制御)及びPBX機能を実現するものである。呼制御部11は、呼制御シグナルによるメッセージを受け取って、メッセージに基づいて制御対象であるIP機器2、3、4を特定して、その制御対象であるIP機器2、3、4との間における音声パケットを含むRTPパケットを交換するためのセッション制御を行う。
【0026】
すなわち、発信を意味するメッセージを受け取ると、接続方式判定部14に制御対象であるIP機器2、3、4のいずれかの接続方式を判定させて、IP機器2、3、4のいずれかの接続方式がRTPパケット処理部16の機能を必要とすると判定された場合は、リソース管理部15に対してRTPパケット処理部16のリソースをハントする要求を行い、リソースがハントできたらその制御対象であるIP機器2、3、4に対してポートをオープンするように、RTPパケット処理部16に要求する。
【0027】
また、呼制御部11は、IP機器2、3、4の通話横取りを示すメッセージを受け取ると、横取りされるIP機器2、3、4の通話相手を特定し、特定した通話相手のIP機器2、3、4に対してオープンしたポートはそのままで、横取りされるIP機器2、3、4に対してオープンしたポートを横取りするIP機器2、3、4に対してオープンするようにRTPパケット処理部16に要求する。接続方式判定部14は、判断手段に相当し、呼制御部11の要求に基づいて制御対象であるIP機器2、3、4の接続方式がRTPパケット処理部16の機能を必要とするか否かを判定する。
【0028】
RTPパケット処理部16は、RTPパケットを終端する送受信ポートであるポートaとポートbと、それらのポートに到着したRTPパケットのヘッダを書き換えることによりスイッチ処理を行うスイッチ処理部とを1つのリソースとして備えている。スイッチ処理部は、この2つのポート間において終端したRTPパケットのヘッダの送受信IPアドレス、ポート番号を書き換えることによって、2つのポートに夫々接続したIP機器同士でのRTPパケットを交換するスイッチ処理を行う。RTPパケット処理部16は、1つ又は複数のリソースを備えている。
【0029】
リソース管理部15は、RTPパケット処理部16のリソースが空いているか、空いていないかを管理し、呼制御部11から、リソースをハントする要求があった場合は、リソースが空いているか、空いていないかによりRTPパケット処理部16が別のIP機器からのRTPパケットを終端する余裕があるか否かを判断し、空いている場合はリソースのハントを行い、呼制御部11にリソースがハントできた旨を通知する。
【0030】
つぎに、本IP機器交換装置の動作について、図1のネットワーク構成に基づいて、図2及び図3を参照して説明する。本実施の形態においては、VoIPプロトコルとしてSIPを用い、IP機器交換装置1内の呼制御シグナリングの一例としてQ.931を用いた場合を例に挙げて説明している。
【0031】
なお、図2のシーケンスチャートにおいて、呼制御部11a、11b、11cと、VoIPプロトコル処理部12a、12b、12cとは、それぞれ、図1に示す呼制御部11とVoIPプロトコル処理部12において生成されたタスクを示している。各タスクは、IP機器2、3、4に対応して生成され、動作主体は、それぞれ、呼制御部11とVoIPプロトコル処理部12であるが、以下の説明では各タスク間でのやり取りが明確になるように、独立した構成として説明する。
【0032】
本実施の形態では、通話相手が途中で切り替わることによって実現する機能として横取り機能を例に挙げて説明する。このような機能は、例えば、第1の電話機と第2の電話機とが通話中であるときに、第2の電話機の隣の電話機である第3の電話機の受話器を上げて、第2の電話機が通話中の第1の電話機との通話を確立するような場合に有効である。具体的には、最初にIP機器2とIP機器4とのセッションが確立された後、IP機器4の通話を切断することなく、IP機器3とIP機器4とのセッションを確立をする場合である。
【0033】
なお、一般にIP機器同士のセッションとしては、シグナル用のセッションとRTP用のセッションとがあるが、本明細書においては、IP機器間で確立するセッションは、RTPパケットを交換するためのセッションをいう。
【0034】
まず、IP機器2からの発信に基づいて、IP機器2とIP機器4との間でセッションを確立する際の動作について説明する。
【0035】
IP機器2においてIP機器4への発信操作を行うと、IP機器2からIP機器交換装置1のVoIPプロトコル処理部12の送受信ポートに対して、SIPプロトコルにおいて発信を意味するINVITEメッセージが、LANインタフェース13を経由して送信される(シーケンスSQ1)。すなわち、図3に示すように、あて先のIPアドレスが「IP Adr13」であり、ポート番号が「SIG Port12」であるINVITEメッセージがIP機器2から送信される。このINVITEメッセージには、IP機器2とIP機器4との間でRTPパケットを交換するセッション確立のために必要なセッション情報であるSDP(Session Description Protocol)情報としてSDP2が含まれている。このSDP情報には、セッションの確立に必要なセッション情報として、相手のIP機器からのRTPパケットの送り先を指定する情報や、RTPパケットのペイロードタイプなどが含まれており、ここでは、SDP情報であるSDP2には、RTPパケットの送り先としてIP機器2を指定する情報(IPアドレスを「IP Adr2」、ポート番号を「RTP Port22」と指定する情報)と、ペイロードタイプ(ここでは「音声G.711」とする)とを含んでいる。
【0036】
つぎに、VoIPプロトコル処理部12aは、受信したINVITEメッセージをIP機器交換装置1内の呼制御シグナリングとして用いるSetupメッセージに変換してから、そのSetupメッセージを呼制御部11aに送信する(シーケンスSQ2)。INVITEメッセージを変換するときには、含まれるSDP2もSetupメッセージにのせかえる。
【0037】
Setupメッセージを受け取ると、呼制御部11aは、接続方式判定部14にIP機器2の接続方式を判定させる。接続方式判定部14は、IP機器2の接続方式はRTPパケット処理部16の機能を必要とするか否かを判定する。
【0038】
接続方式判定部14は、具体的には、IP機器2がサポートしているプロトコルが、任意タイミングでのセッション切り替えが可能なプロトコルまたはバージョンでない場合に、RTPパケット処理部16の機能が必要であると判定する。IP機器2がサポートしているプロトコルの情報は、IP機器2に問い合わせて得てもよいし、設定により登録しておいてもよい。
【0039】
また、IP機器2が経由するIPネットワークがプロバイダ(ISP)や公衆回線網等を含む場合は、IPネットワークに含まれるプロバイダや公衆回線網等がサポートしているプロトコルも併せて登録しておき、IP機器2がサポートしているプロトコルのみならず、プロバイダや公衆回線網等がサポートしているプロトコルも含めたいずれかのプロトコルが、任意タイミングでのセッション切り替えが可能なプロトコルまたはバージョンでない場合にRTPパケット処理部16の機能が必要であると判定する。
【0040】
ここでは、接続方式判定部14において、IP機器2の接続方式は、RTPパケット処理部16の機能が不要である(必要でない)と判定したとして説明を続ける。接続方式判定部14は、IP機器2の接続方式はRTPパケット処理部16の機能が不要であると判定した結果を呼制御部11aに送信する。この判定した結果を受け取ると、呼制御部11aは、後述する呼制御部11cが行うリソースのハントの処理を行わずに、発信相手であるIP機器4を管理する呼制御部11cに対して、IP機器2より受信したSDP情報であるSDP2を有するSetupメッセージを送信する(シーケンスSQ3)。
【0041】
呼制御部11cは、Setupメッセージを受信することにより、IP機器4への着信処理を開始する。まず、呼制御部11aと同様に接続方式判定部14によりIP機器4の接続方式を判定する。
【0042】
ここでは、IP機器2の場合とは反対に、接続方式判定部14において、IP機器4の接続方式はRTPパケット処理部16の機能が必要であると判定されたとして説明を続ける。接続方式判定部14は、IP機器4の接続方式はRTPパケット処理部16の機能が必要であると判定した結果を呼制御部11cに送信する。この判定した結果を受け取ると、呼制御部11cは、上記の呼制御部11aの処理とは異なり、リソース管理部15において管理されているRTPパケット処理部16のリソースをハントする。
【0043】
まず、呼制御部11cは、リソース管理部15に対し、IP機器4のためにRTPパケット処理部16のリソースをハントする旨の要求をする。リソースをハントする要求を受けると、リソース管理部15は、RTPパケット処理部16のリソースに空きがあるか否かを判定する。ここでは、リソースに空きがあったとして、説明を続ける。
【0044】
リソースに空きがある場合には、リソース管理部15は、RTPパケット処理部16のリソースを1つハントして、リソースをハントした旨を呼制御部11cに送信する。リソースをハントした旨を受け取ると、呼制御部11cは、ハントしたリソースのポートをオープンするように要求する。要求を受けると、RTPパケット処理部16は、ポートaとポートbとをオープンして夫々のポートで夫々のIP機器からのRTPパケットを終端するべく、RTPパケットの到着を待つ。
【0045】
ここで、呼制御部11cは、リソースをハントする原因となったIP機器4からのRTPパケットを送受信するためにRTPポート番号161のポートaをオープンさせ、相手のIP機器2からのRTPパケットを送受信するためにRTPポート番号162のポートbをオープンさせている。
【0046】
RTPパケット処理部16のリソースをハントすると、呼制御部11cは、SDP2の代わりに、RTPパケット処理部16内のポートaを指定する情報(ポートaのIPアドレス「IP Adr17」と、ポート番号「RTP port161」)と、ペイロードタイプ(ペイロードタイプに関しては、呼制御部11aより受信したSDP2に含まれるIP機器2のペイロード値を用いる)等とを含むSDP情報としてのPBX−SDPaを作成し、VoIPプロトコル処理部12cに送信するSetupメッセージに付加して送信する(シーケンスSQ4)。
【0047】
VoIPプロトコル処理部12cは、受信したSetupメッセージをSIPプロトコルのINVITEメッセージに変換し、VoIPプロトコル送受信ポートよりLANインタフェース13を介して、IP機器4に対し、PBX−SDPaを有し、着信を意味するINVITEメッセージを送信する(シーケンスSQ5)。すなわち、送信元のIPアドレスを「IP Adr13」、ポート番号を「SIG Port12」とし、送信先のIPアドレスを「IP Adr4」、ポート番号を「SIG Port41」としたINVITEメッセージを送信する。
【0048】
INVITEメッセージを受信したIP機器4では着信動作を開始する。まず、IP機器4から相手を呼び出すINVITEメッセージがIP機器4に届いたことを示す100Tryingが、LANインタフェース13を経由して、IP機器交換装置1のVoIPプロトコル処理部12cに対して送信される(シーケンスSQ6)。
【0049】
100Tryingを受け取ると、VoIPプロトコル処理部12cは、呼制御シグナリングであるCallProcメッセージに変換して、呼制御部11cに送る(シーケンスSQ7)。CallProcメッセージはSetupメッセージとは逆の経路で呼制御部11cから呼制御部11aに送られ(シーケンスSQ8)、呼制御部11aからVoIPプロトコル処理部12aに送られる(シーケンスSQ9)。また、IP機器4で呼び出し音を鳴らすと、相手を呼び出し中であることを示す180RingingメッセージがVoIPプロトコル処理部12cに対して送信される(シーケンスSQ10)。
【0050】
180Ringingメッセージを受け取ると、VoIPプロトコル処理部12cは、呼制御シグナリングであるAlertメッセージに変換して、CallProcメッセージと同じルートでVoIPプロトコル処理部12aに送られる(シーケンスSQ11〜13)。VoIPプロトコル処理部12aは、IP機器2に対し、相手を呼び出し中であることを示す180Ringingメッセージを送る(シーケンスSQ14)。
【0051】
さらに、IP機器4において受話器が上げられるなどして着信に応答すると上記の180Ringingメッセージと同じルートで、応答を示す200OKメッセージが、LANインタフェース13を経由してVoIPプロトコル送受信ポートからVoIPプロトコル処理部12cに送信される(シーケンスSQ15)。
【0052】
この際、PBX−SDPaに対してセッション確立のためにIP機器4で行ったSDPネゴシエーション結果であるPBX−SDPa’が、200OKメッセージに付加され呼制御部11cに送信される。PBX−SDPa’には、IP機器4が送受信するRTPポート情報(IP adr4、RTP Port42)と、ネゴシエーション結果としてのペイロードタイプ(「音声G.711」などの情報)が含まれている。
【0053】
200OKメッセージを受信すると、VoIPプロトコル処理部12cは、200OKメッセージを呼制御シグナリングであるConnectメッセージに変換して、変換したConnectメッセージを呼制御部11cに送信する(シーケンスSQ16)。
【0054】
変換したConnectメッセージを受け取ると、呼制御部11cは、IP機器4が送受信するRTPパケット処理部16のポートaに関する情報(IP adr4、RTP Port42)と、ネゴシエーション結果としてのペイロードタイプ(「音声G.711」などの情報)をPBX−SDPa’から取り出す。
【0055】
呼制御部11cは、先ほど、相手のIP機器2からのRTPパケットを送受信するためにオープンさせたRTPパケット処理部16内のポートbを指定する情報(ポートbのIPアドレス「IP adr17」、ポート番号「RTP Port162」)と、ペイロードタイプ(IP機器4から受信したネゴシエーション結果としてのペイロードタイプである「音声G.711」などの情報)とを含むSDP情報であるSDP2’を作成し、呼制御部11cから呼制御部11aへのConnectメッセージに付加して送信する(シーケンスSQ17)と共に、RTPパケット処理部16のパケットスイッチ処理を起動する。
【0056】
Connectメッセージを受けると、呼制御部11aは、さらにVoIPプロトコル処理部12aにConnectメッセージを送信し(シーケンスSQ18)、さらにVoIPプロトコル処理部12aがConnectメッセージを200OKメッセージに変換してIP機器2に送信する(シーケンスSQ19)。その後、200OKメッセージを受け取ったIP機器2から、応答を示すACKメッセージがVoIPプロトコル処理部12aに送信される(シーケンスSQ20)。
【0057】
また、制御部11cによりパケットスイッチ処理が起動されると、RTPパケット処理部16は、IP機器4とIP機器2との間のRTPパケットの交換を行うために、ポートaでIP機器4より受信されたRTPパケット(送信先:IP adr17、RTP Port161、送信元:IP adr4、RTP Port42)を終端して、終端したRTPパケットの送信元IPアドレスを「IPAdr17」、送信元ポートを「RTP port162」、送信先IPアドレスを「IP adr2」、送信先ポート「RTP Port22」に変換してポートbよりIP機器2に送信されるようにヘッダの書き換えを行う。
【0058】
また、逆方向に関しても同様に、ポートbでIP機器2より受信されたRTPパケット(送信先:IP adr17、RTP Port162、送信元:IP adr2、RTP Port22)を終端して、終端したRTPパケットの送信元IPアドレスを「IP Adr17」、送信元ポートを「RTP port161」、送信先IPアドレス「IP adr4」、送信先ポート「RTP Port42」に変換してポートaよりIP機器4に送信されるようにヘッダの書き換えを行う。
【0059】
これにより、IP機器2とIP機器4でRTPパケット処理部16を介してのRTPパケットの送受信(通話)が可能となる。また、このようにヘッダ情報の付け替えのみによってIP機器4とIP機器2との間のRTPパケットの交換を行うため、Peer−to−Peer同等通信を維持している。
【0060】
次に、IP機器3からIP機器2の通話を横取りする要求をすることにより、IP機器2と通話中のIP機器4と通話を確立する通話横取り機能を実現する際の動作について説明する。IP機器3において、IP機器2の通話横取りを要求することを示す特番が入力されると、その特番とIP機器3のSDP情報であるSDP3を含むINVITEメッセージが、前述のIP機器2からINVITEメッセージが送信された時と同じ手順で、IP機器3からINVITEメッセージがVoIPプロトコル処理部12bに送信され(シーケンスSQ21)、VoIPプロトコル処理部12bは、INVITEメッセージをSetupメッセージに変換して呼制御部11bに送信する(シーケンスSQ22)。
【0061】
呼制御部11bでは、INVITEメッセージで設定された相手先番号がIP機器2の通話横取りを示すものであることを解析し、IP機器2の呼を管理する呼制御部11aに対して通話相手を問い合わせるメッセージを送る(シーケンスSQ23)。問い合わせのメッセージを受けると、呼制御部11aは、通話相手がIP機器4であることを示す情報を呼制御部11bに送信する(シーケンスSQ24)。横取りする通話相手がIP機器4であることを示す情報を受け取ると、呼制御部11bは、通話横取りを示す情報と、SDP3を含むSetupメッセージを送信する(シーケンスSQ25)。
【0062】
IP機器2に対して通話横取りによる切断を行うために、呼制御部11cは、切断復旧を意味するReleaseメッセージを呼制御部11aに送信する(シーケンスSQ26)。呼制御部11aは、VoIPプロトコル処理部12aにReleaseメッセージを送り(シーケンスSQ27)、VoIPプロトコル処理部12aは、Releaseメッセージを変換して、切断復旧を意味するBYEメッセージをIP機器2に送信する(シーケンスSQ28)。BYEメッセージを受け取ったIP機器2は、応答を示す200OKメッセージをVoIPプロトコル処理部12aに送る(シーケンスSQ29)。
【0063】
また、Setupメッセージを受信すると、呼制御部11cは、任意タイミングでのセッション切り替えが出来ないIP機器4を制御していることを接続方式判定部14で判定しているので、IP機器4との間でのVoIPプロトコルによるセッション制御は行わないと判断する。すなわち、既に設定されているRTPパケット処理部16のポートaと、IP機器4との間のセッション変更を行わず、通話横取りによるセッション切り替えはRTPパケット処理部16のポートbの制御で行うことを判断する。
【0064】
まず、呼制御部11cは、IP機器3より受信したSDP3から、IP機器3へのRTP送受信先(IPアドレス「IP Adr3」、ポート番号「RTP Port32」)を取り出すと共に、SDPネゴシエーション結果として、IP機器2とIP機器4との間で用いているペイロードタイプ(例えば「音声G.711」などの情報)と、ポートbを指定するIPアドレス「IP adr17」と、送受信ポート番号「RTP Port162」等を有するSDP情報であるSDP3’を作成し、Connectメッセージに付加して呼制御部11bへ送信する(シーケンスSQ30)。
【0065】
同時に、呼制御部11cは、ポートbの現在のRTPパケットの送受信先であるIP機器2から、切り替え先となるIP機器3(IPアドレス「IP Adr3」、ポート番号「RTP Port32」)となるようにRTPパケット処理部16に要求することによってRTPスイッチ処理の再起動をして、IP機器4とIP機器3間のRTPパケット処理16を介してのRTP送受信(通話)を可能とする。
【0066】
その後、呼制御部11bは、VoIPプロトコル処理部12bにConnectメッセージを送り(シーケンスSQ31)、VoIPプロトコル処理部12bは、呼制御部11で作成されたSDP3’を含む200OKメッセージをIP機器3に送信し(シーケンスSQ32)、IP機器3とIP機器4との間にセッションを確立して、通話横取り機能を実現する。
【0067】
この構成によれば、本発明のIP機器交換装置は、メディア情報を有するRTPパケットを終端し、その送受信先IPアドレス及びポートを任意のタイミングで切り替えて送信出来るRTPパケット処理部を実現することにより、IP機器間でセッション設定後にVoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部によりRTPパケットの送受信先変更ができるので、Peer−to−Peer同等通信を維持したままでの任意タイミング切り替えができ、レガシーPBX同等の複雑かつ多岐に及ぶ機能を実現できるIP機器交換装置を得ることができる。
【0068】
上記の実施の形態においては、RTPパケット処理部16は、全くエンコード、デコードをしない構成としたが、例えば、IP機器3のSDP情報(SDP3)のペイロードタイプに、IP機器2とIP機器4との間で用いているペイロードタイプである「音声G.711」が含まれておらず、ネゴシエーションの結果、同一のペイロードタイプに合わせられない場合は、IP機器3の音声符号化能力に合わせるため、RTPパケット処理部16は、音声データの形式変更をするためにデコード、エンコード処理をする構成としてもよい。この場合、どちらかのペイロードタイプに合わせるだけなので、エンコード、デコードを繰り返す必要はない。
【0069】
上記の実施の形態においては、接続方式判定部14においてIP機器2の接続方式はRTPパケット処理部16の機能は不要であり、IP機器4の接続方式はRTPパケット処理部16の機能は必要であると判定された場合を例に挙げて説明したが、セッションにかかるIP機器2の接続方式とIP機器4の接続方式とが両方ともRTPパケット処理部16の機能は必要であると判定された場合は、RTPパケット処理部16のリソースが2つハントされることになる。この場合、それぞれのリソースでは、ハントした原因となるIP機器2、4に対して、それぞれポートaがオープンされる。
【0070】
スイッチ処理は、一方のポートaから一方のポートbにスイッチ処理をした後、さらに他方のポートbを経由して他方のポートaにスイッチ処理を行ってもよいし、ポートa同士で直接スイッチ処理をおこなってもよい。また、同一のセッションに関して2回目のリソースのハントを禁止したり、2つハントしたリソースのうちのどちらかのリソースのハントを解除したりすることによって、同一のセッションに関しては1つのリソースがハントされるようにしてもよい。また、上記実施の形態では、LANインタフェースを1つだけ有する場合の例を示したが、ポートa、ポートb毎に異なるLANインタフェースを設けて、各ポートが別々のIPアドレスを持つ構成としてもよい。
【0071】
上記の実施の形態においては、リソース管理部15でリソースに空きがあると判断された場合を例に挙げて説明したが、リソースに空きがない場合は、緊急発信等を保証するために、RTPパケット処理部16を使用しないPeer−to−Peer通信を実現するための制御を行う。具体的には、呼制御部11cからVoIPプロトコル処理部12cへのSetupメッセージや、VoIPプロトコル処理部12cからIP機器4へのINVITEメッセージに、IP機器2のSDP情報であるSDP2を設定することにより、IP機器2とIP機器4との間でのSDPネゴシエーションを可能とし、IP機器2とIP機器4との間のPeer−to−Peer通信を実現する。
【0072】
上記の実施の形態においては、接続方式判定部14はプロトコルに基づいて接続方式を判定していたが、上記のプロトコルに加えて、接続方式判定部14は、SDP情報に設定されたペイロードタイプに含まれるメディア情報の種類に基づいて判定してもよい。メディア情報の種類は、ペイロードに含まれる情報で、RTPパケットに含まれる、例えば、音声、画像、データ等のメディアストリームを含むメディア情報の種類を示すものである。例えば、IP機器2のIPネットワークに含まれるプロバイダや公衆回線網等がサポートしているプロトコルが、任意タイミングでのセッション切り替えが不可能なプロトコルであり、SDP情報に設定されたメディア情報が音声の場合のみRTPパケット処理部16の機能が必要とすると判断することができる。
【0073】
また、接続方式判定部14は、プロトコルによらず、IP機器2の接続方式がRTPパケット処理部16の機能が必要であるか否かを予め登録しておき、この登録に基づいて接続方式を判定してもよい。また、接続方式判定部14は、必須の構成ではなく、接続方式判定部14を設けずに構成し、呼制御部11は、必ずRTPパケット処理部16の機能を使うように制御することとしてもよい。
【0074】
また、リソース管理部15は、必須の構成ではなく、RTPパケット処理部16のリソースが大量にある場合は、リソース管理部15を設けなくてもよい。この場合、呼制御部11は、接続方式判定部14によって、IP機器の接続方式がRTPパケット処理部16の機能を必要とすると判定されると、直ちにRTPパケット処理部16に対して、各IP機器に対してポートをオープンする要求を行うこととなる。
【0075】
また、以上の実施の形態では、IP機器交換装置1は、IP機器2とIP機器4との間でセッションを確立していた場合に、通話横取りを行う本人であるIP機器3からのセッション切り替え要求を受信したことをトリガとして、IP機器2とIP機器4とのセッションをIP機器3とIP機器4とのセッションに切り替える機能(通話横取り機能)を例に挙げて説明したが、セッションを切り替えるトリガは、これに限定されない。例えば、他の切り替え方法として、つぎのような3つがある。
【0076】
(1)第1の例では、最初にセッションを確立していた2つのIP機器2,4(セッション切り替えにより切り離される端末,セッション切り替え後も接続が維持される端末)のうちの一方がIP機器交換装置1に対しセッション切り替え要求を送る。IP機器交換装置1では、このセッション切り替え要求の受信をトリガとして、IP機器2,4の何れかとIP機器3とのセッションに切り替える。
【0077】
(2)第2の例では、IP機器交換装置1での時間管理によってセッション切り替えを行う。例えば、IP機器交換装置1の呼制御部11においては、IP機器2とIP機器4とのセッション確立後、所定時間が経過したと判断すると、この時間経過をトリガとして、IP機器2,4の何れかとIP機器3とのセッションに切り替える。
【0078】
(3)第3の例では、セッション確立している第1および第2のIP機器のうちの一方(第1のIP機器)のオンフックをトリガとして、セッション確立前に保留状態としていた第3のIP機器と第2のIP機器とのセッションに切り替える。例えば、IP機器2(第1のIP機器)とIP機器4(第3のIP機器)との間でセッションを確立していた場合に、IP機器2において所定の転送ボタンが入力されたことをIP機器交換装置1が受信すると、IP機器交換装置1の呼制御部11ではIP機器4を保留状態にする。
【0079】
IP機器4が保留状態のまま、さらにIP機器2からIP機器3(第2のIP機器)への発呼をIP機器交換装置1が受信すると、IP機器交換装置1は、IP機器2とIP機器3との新しいセッションを確立する。その後、IP機器2とIP機器3との通話が終了して、IP機器2がオンフック(回線切断)したとする。IP機器交換装置1の呼制御部11では、このオンフックを検出すると、このオンフックをトリガとして、VoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、RTPパケット処理部16によりRTPパケットの送受信先変更を行う。すなわちIP機器3と保留状態であったIP機器4とのセッションに切り替える。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明にかかるIP機器交換装置は、音声劣化の抑制を必要とするIP電話の音声を交換するIP機器交換装置に有用であり、特に、通話相手が途中で変わるような機能を実現するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態におけるIP機器交換装置のブロック図
【図2】図1のIP機器交換装置における交換機能のシーケンスチャート
【図3】図1のIPアドレス、ポートの割り振りを説明する図
【符号の説明】
【0082】
1 IP機器交換装置
2、3、4 IP機器
5 IPネットワーク
11 呼制御部
12 VoIPプロトコル処理部
13、17 LANインタフェース
14 接続方式判定部
15 リソース管理部
16 RTPパケット処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP機器またはIP回線をLANまたはIPネットワークを介して収容するLANインタフェースと、
IP機器またはIP回線間のセッション設定をVoIPプロトコルにより行う呼制御機能と、
メディア情報を有するRTPパケットを終端しその送受信先IPアドレス及びポートを任意のタイミングで切り替えて送受信出来るRTPパケット処理部と、を有する交換装置であって、
前記セッション設定の後に前記VoIPプロトコルを用いたセッション切り替えを行わずに、前記RTPパケット処理部により前記RTPパケットの送受信先変更をすることを特徴とするIP機器交換装置。
【請求項2】
前記VoIPプロトコルが任意切り替えに対応出来ないと判断した場合のみ前記RTPパケット処理部で前記RTPパケットをスイッチし、
他の場合にはIP機器またはIP回線間でのPeer−to−Peer通信を実現するようにセッション制御を行うことを特徴とする請求項1記載のIP機器交換装置。
【請求項3】
IP機器またはIP回線にて設定するセッションのメディア情報(音声、画像、データ)により、前記RTPパケット処理部で前記RTPパケットをスイッチするか否かを判断することを特徴とする請求項1または請求項2記載のIP機器交換装置。
【請求項4】
前記RTPパケット処理部が処理負荷増大またはリソース数不足の場合、IP機器またはIP回線間でのPeer−to−Peer通信をするようにセッション制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3記載のいずれか1に記載のIP機器交換装置。
【請求項5】
前記RTPパケット処理部が前記RTPパケットをスイッチするか否かを、前記IP機器または前記IP回線毎にあらかじめ設定されたデータにより判断することを特徴とする請求項1記載のIP機器交換装置。
【請求項6】
ネットワーク接続またはIP回線接続されるIP機器の間でRTPパケットを交換するためのセッションを確立するIP機器交換装置であって、
前記IP機器間のセッション確立をVoIPプロトコルにより行い、セッション設定する2つのIP機器に対し、RTPパケット処理部での使用すべきRTPポートを通知する呼制御機能部と、
少なくとも2つのRTPポートを有し、前記呼制御機能部によるセッション確立後、RTPポートを介して受信したIP機器からのメディア情報を含むRTPパケットを終端し、前記セッション設定された2つの第1および第2のIP機器間でパケット交換されるようにヘッダ情報を書き換えてから他のRTPポートを介して送信するRTPパケット処理部と、を備え、
前記呼制御機能部は、第1のIP機器および第2のIP機器間でのセッション確立後、第3のIP機器へのセッション切り替えを行う場合、前記第3のIP機器に対してのみ使用すべき前記RTPパケット処理部でのRTPポートを通知するとともに前記RTPパケット処理部での使用RTPポートの再設定を行い、
前記RTPパケット処理部において第3のIP機器とセッション確立していた第1または第2のIP機器との間でのパケット交換を行わせるようにしたことを特徴とするIP機器交換装置。
【請求項7】
セッション確立すべきIP機器またはIP回線がサポートするVoIPプロトコルが任意時点のセッション切替えに対応できるか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記呼制御機能部は、
前記判断手段により任意時点のセッション切替えに対応できないと判断した場合のみ前記RTPパケット処理部を介したパケット交換を行わせ、
それ以外は、前記RTPパケット処理部を介させないPeer−to−Peer通信を行わせるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のIP機器交換装置。
【請求項8】
前記判断手段は、セッション中のSDP情報に含まれるメディア情報の種類に基づき任意時点のセッション切替えを行うか否かを判断することを特徴とする請求項7に記載のIP機器交換装置。
【請求項9】
前記呼制御機能部は、前記RTPパケット処理部の処理負荷増大あるいはリソース数不足が発生した場合には、IP機器間でのPeer−to−Peer通信を実現するようにセッション制御を行うことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1に記載のIP機器交換装置。
【請求項10】
IP機器毎にあらかじめ設定されたデータにより、前記RTPパケット処理部を介したパケット交換を行うか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記呼制御機能部は、この判断手段の判断結果に基づいて前記RTPパケット処理部を介したパケット交換を行わせることを特徴とする請求項1に記載のIP機器交換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−195085(P2007−195085A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13403(P2006−13403)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】