説明

LCモジュールおよびDC−DCコンバータ

【課題】寄生インダクタンスが小さく、かつ平坦性を確保することができるLCモジュールを提供する。
【解決手段】実装用基板31に直接コンデンサを搭載することで、インダクタ11上部から実装用基板31までの配線が不要となり、寄生インダクタンスの影響がなくなる。また、実装用基板31に実装される側のコンデンサには、1チップ内に複数のコンデンサが内蔵されたコンデンサアレイ21を用い、平坦性を確保する。さらに、コンデンサアレイの各端子電極のうち、Vin、Vout、およびGND以外の端子電極をLX(スイッチング素子に接続する側のインダクタの端部)とし、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置する。これにより、LXから遠い側のコンデンサを出力コンデンサとして機能させることになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コイルとコンデンサを含むLCモジュール、および当該LCモジュールを用いたDC−DCコンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DC−DCコンバータに用られるLCモジュールとして、例えば特許文献1,2のような構造が知られている。
【0003】
特許文献1に示された構造は、積層体内部にコイルパターン(チョークコイル)を形成してインダクタを構成し、当該インダクタの上部に制御ICやコンデンサを搭載したものである。
【0004】
特許文献2に示された構造は、制御ICおよび2つのコンデンサの上にインダクタを搭載したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/087781号
【特許文献2】国際公開第2010/053038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に示された構造では、実装面が積層体の下面側となるため、積層体上部に搭載された制御ICやコンデンサと、積層体下面側との電気的導通を取る必要がある。積層体は磁性体材料を含むため、この積層体内部をビアホールで導通すると、寄生インダクタンスが大きくなるという課題が発生する。
【0007】
特許文献2に示された構造では、各コンデンサの高さのばらつきにより、平坦性を確保することが難しいという課題がある。
【0008】
そこで、この発明は、寄生インダクタンスが小さく、かつ平坦性を確保することができるLCモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のLCモジュールは、入力端子と、出力端子と、接地端子と、前記入力端子と前記接地端子との間に接続される入力コンデンサ、および前記出力端子と前記接地端子との間に接続される出力コンデンサ、を含み、長手方向に同数の対向する複数の端子電極を有するコンデンサアレイと、前記コンデンサアレイの上に搭載され、チョークコイルを形成するインダクタと、備えている。
【0010】
このように、1チップに複数のコンデンサが内蔵されたコンデンサアレイの上にインダクタを搭載することで平坦性を確保するとともに寄生インダクタンスを小さくすることができる。
【0011】
さらに、上記本発明のLCモジュールにおいて、前記インダクタの一端は、前記入力端子または前記出力端子に接続され、前記インダクタの他端は、前記入力端子、前記出力端子、および前記接地端子以外の前記端子電極に接続され、前記インダクタの他端が接続される端子電極は、前記出力端子に接続される端子電極に対して、前記コンデンサアレイにおいて隣接および対向しない箇所に配置されている。
【0012】
すなわち、コンデンサアレイの各端子電極のうち、入力端子(Vin)、出力端子(Vout)、および接地端子(GND)以外の端子電極をスイッチング素子に接続する側のインダクタの端部に接続する端子(LX)とし、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置する。これにより、LXから遠い側のコンデンサを出力コンデンサとして機能させることになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。
【0013】
なお、コンデンサアレイとしては、入力コンデンサおよび出力コンデンサが、コンデンサアレイの長手方向に対して、領域分割にて形成されている態様であることが好ましいが、積層方向に電極板を分けている態様であってもよい。
【0014】
また、コンデンサアレイのインダクタの他端が接続される端子電極は、当該コンデンサアレイの短手方向に形成されている態様も可能である。
【0015】
なお、本発明のLCモジュールをDC−DCコンバータとして用いる場合、制御ICは、インダクタのさらに上に搭載してもよいが、LCモジュールの横に、LCモジュールを実装する基板の上に搭載することで低背化を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、寄生インダクタンスが小さく、かつ平坦性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】LCモジュール、実装用基板、および制御ICの接続関係を示す図である。
【図2】LCモジュールを降圧型DC−DCコンバータに用いる場合、および昇圧型DC−DCコンバータに用いる場合の回路図である。
【図3】コンデンサアレイの第1の例を示す図である。
【図4】コンデンサアレイの第2の例を示す図である。
【図5】コンデンサアレイの第3の例を示す図である。
【図6】コンデンサアレイの第4の例を示す図である。
【図7】チョークコイルを2個搭載する例を示した図である。
【図8】コンデンサアレイの第5の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、LCモジュール、実装用基板、および制御ICの接続関係を示す図である。
【0019】
LCモジュール1は、コンデンサアレイ21の上にインダクタ11を搭載して一体化したものである。コンデンサアレイ21は、内部に複数のコンデンサが形成されている。インダクタ11は、内部にチョークコイル12が形成されている。
【0020】
インダクタ11は、例えば、磁性体を含むセラミックグリーンシートにコイルパターンを形成し、当該セラミックグリーンシートを積層して焼成することにより形成される。コンデンサアレイ21の構造は、後に詳しく述べる。
【0021】
LCモジュール1のうち、下面側のコンデンサアレイ21は、電子機器の製品製造工程において実装用基板31に実装される。そして、コンデンサアレイにおける複数のコンデンサ、およびチョークコイル12は、当該実装用基板31を介してスイッチング素子を含む制御IC41に電気的に接続される。この場合、実装用基板31に直接コンデンサが搭載されるため、インダクタ11上部から実装用基板31までの配線が不要となり、寄生インダクタンスの影響がなくなる。
【0022】
このように、LCモジュール1を電子部品モジュールとして出荷した後、電子機器の製品製造工程において、実装用基板31にLCモジュール1と制御IC41を実装することで、DC−DCコンバータを実現することができる。なお、制御IC41は、LCモジュール1の上に搭載してもよいが、図1の例では、制御IC41が実装基板31上のLCモジュール1の近傍に設置されているため、低背化を実現することができる。
【0023】
図2(A)は、LCモジュール1を降圧型DC−DCコンバータに用いる場合、図2(B)は、同LCモジュール1を昇圧型DC−DCコンバータに用いる場合の回路図である。
【0024】
図2(A)に示すように、降圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、出力端子(Vout)に接続され、他端は、制御IC41に接続される。一方、図2(B)に示すように、昇圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12に一端は、入力端子(Vin)に接続され、他端は、制御IC41に接続される。
【0025】
降圧型DC−DCコンバータの場合、制御IC41は、FETをオン、オフすることで、入力電圧を矩形波状の信号として出力する。この矩形波状の信号をチョークコイル12および出力コンデンサC2で平滑化することで入力電圧よりも低い出力電圧を得る。この場合、制御IC41が各FETのオン時間及びオフ時間を任意に設定することで、所望の出力電圧を得ることができる。
【0026】
また、昇圧型DC−DCコンバータの場合、FETオン時にチョークコイル12に蓄積されたエネルギーがFETオフ時に誘導電圧として入力電圧に加算され、出力コンデンサC2によって平滑化されることで、入力電圧よりも高い出力電圧を得る。この場合も、制御IC41が各FETのオン時間及びオフ時間を任意に設定することで、所望の出力電圧を得ることができる。
【0027】
また、降圧型および昇圧型のいずれも、安定した入力電圧を供給するために、入力側コンデンサC1が設けられている。
【0028】
したがって、DC−DCコンバータを実現するためには、少なくとも2つのコンデンサが必要である。そこで、本実施形態のLCモジュールでは、実装用基板31に実装される下側のコンデンサには、1チップ内に複数のコンデンサが内蔵されたコンデンサアレイ21を用い、平坦性を確保する態様としている。
【0029】
図3は、コンデンサアレイ21の第1の例を示す図である。この例のコンデンサアレイは、2つのコンデンサと4つの端子電極を有する。この例のコンデンサアレイは、図3(A)に示すように、4つの電極板を積層方向に積層したコンデンサアレイであり、積層方向上側から、取り出し端子電極が左上側に形成されている第1の層、取り出し端子電極が右下に形成されている第2の層、取り出し端子電極が右上に形成されている第3の層、および取り出し端子電極が右下に形成されている第4の層、となっている。このコンデンサアレイを用いて上述のLCモジュールを実現する場合、図3(B)に示すように、コンデンサアレイを平面視して、左上側の取り出し端子電極をVinに接続して第1の層をVinに接続し、右上の取り出し端子電極をVoutに接続して第3の層をVoutに接続し、右下の取り出し端子電極をGNDに接続して第2および第4の層をGNDに接続する。
【0030】
ここで、残る左下の端子電極は、内部の電極板には接続されず、コンデンサアレイの上面側から下面側への導通をとるように構成されている。図3の例では、この端子電極をチョークコイル12の端部(制御IC41に接続する側の端部)に接続するための端子(LX)とする(図2を参照)。
【0031】
降圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Voutに接続されるため、図3(B)に示すように、コンデンサアレイ右上の端子電極に接続される。昇圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Vinに接続されるため、図3(B)に示すように、コンデンサアレイ左上の端子電極に接続される。これにより、図1および図2に示したLCモジュールを構成する。
【0032】
このように、本実施形態のLCモジュールでは、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置する。これにより、LXから遠い側のコンデンサを出力コンデンサC2として機能させることになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。
【0033】
次に、図4は、コンデンサアレイ21の第2の例を示す図である。この例のコンデンサアレイも、2つのコンデンサと4つの端子電極を有し、電極板が4層存在するコンデンサアレイである。この例のコンデンサアレイを用いてLCモジュールを構成する場合、図3(B)に示すように、コンデンサアレイを平面視して、左上側の取り出し端子電極をVinに接続し、右上の取り出し端子電極をVoutに接続し、右下の取り出し端子電極をGNDに接続する。ただし、この例のコンデンサアレイは、図4(A)に示すように、積層方向の上側から第1層の電極板および第3層の電極板を、コンデンサアレイの長手方向に対して領域分割することにより、コンデンサアレイを平面視して左側および右側にそれぞれ2つのコンデンサを形成している。
【0034】
すなわち、この例のコンデンサアレイは、積層方向上側から、取り出し端子電極がVinに接続される電極板およびVoutに接続される電極板が存在する第1の層、取り出し端子電極がGNDに接続される第2層、取り出し端子電極がVinに接続される電極板およびVoutに接続される電極板が存在する第3の層、ならびに、取り出し端子電極がGNDに接続される第4の層、となっている。
【0035】
図4の例においても、残る左下の端子電極は、内部の電極板には接続されず、コンデンサアレイの上面側から下面側への導通をとるように構成されている。図4の例においても、この端子電極をチョークコイル12の端部(制御IC41に接続する側の端部)に接続するLXとする。
【0036】
図3の例と同様に、降圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Voutに接続されるため、図4(B)に示すように、コンデンサアレイ右上の端子電極に接続される。また、昇圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Vinに接続されるため、図4(B)に示すように、コンデンサアレイ左上の端子電極に接続される。
【0037】
したがって、図4の例に係るコンデンサアレイを備えたLCモジュールにおいても、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置する。これにより、LXから遠い側のコンデンサを出力コンデンサC2として機能させることになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。特に、図4の例では、図3の例に比べ、Voutに接続される電極板がLXから遠くなり、LXからのノイズはVin側に集中するため、ノイズ特性としても好ましいものである。
【0038】
以上のように、本実施形態のLCモジュールに用いるコンデンサアレイとしては、入力コンデンサおよび出力コンデンサが、コンデンサアレイの長手方向に対して、領域分割にて形成されている態様であっても積層方向に電極板を分けている態様であっても適用可能である。
【0039】
次に、図5は、コンデンサアレイ21の第3の例を示す図である。この例のコンデンサアレイは、3つのコンデンサと6つの端子電極を有する。この例のコンデンサアレイは、図4(A)に示すように、各層の電極板をコンデンサアレイの長手方向に対して3つに領域分割することにより、コンデンサアレイを平面視して左側、中央、および右側にそれぞれ3つのコンデンサを形成している。積層方向の上側から第1の層および第3の層の各電極板の取り出し端子電極は、それぞれコンデンサアレイを平面視した上側に形成され、第2の層および第4の層の各電極板の取り出し端子電極は、それぞれコンデンサアレイを平面視した下側に形成されている。
【0040】
すなわち、図5に示すコンデンサアレイは、図3および図4に示したような内部電極板に接続されない端子電極は存在せず、ごく一般的な6端子、3コンデンサの汎用コンデンサアレイである。
【0041】
ここで、LCモジュールを実現する場合、図5(B)に示すように、コンデンサアレイを平面視して、左上側の取り出し端子電極をVinに接続し、右上の取り出し端子電極をVoutに接続し、右下の取り出し端子電極をGNDに接続する。残る端子電極のうち、コンデンサアレイを平面視して、中央下側の端子電極を、チョークコイル12の端部(制御IC41に接続する側の端部)に接続するLXとする。中央上側の端子電極は使用しない(NC:Not Connected)。したがって、領域中央のコンデンサは使用されず、中央下側の端子電極は、コンデンサアレイの上面側および下面側の導通をとるための端子電極として使用される。
【0042】
そして、降圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Voutに接続されるため、図5(B)に示すように、コンデンサアレイ右上の端子電極に接続され、昇圧型DC−DCコンバータの場合、チョークコイル12の一端は、Vinに接続されるため、図5(B)に示すように、コンデンサアレイ左上の端子電極に接続される。
【0043】
このように、図5の例に係るコンデンサアレイを備えたLCモジュールにおいても、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置することになる。したがって、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。本実施形態のLCモジュールは、図5に示すような汎用コンデンサアレイを用いる態様でも実現可能であり、本実施形態のLCモジュールに専用のコンデンサアレイを用意することがなく、コスト的にも有利なものを用いることも可能である。
【0044】
次に、図6は、コンデンサアレイ21の第4の例を示す図である。この例のコンデンサアレイは、図4に示したコンデンサアレイと同様に積層方向の上側から第1層の電極板および第3層の電極板を、コンデンサアレイの長手方向に対して領域分割することにより、コンデンサアレイを平面視して左側および右側にそれぞれ2つのコンデンサを形成している。ただし、第2の層および第4の層の電極板の取り出し端子電極は、コンデンサアレイを平面視して右下および左下に形成され、GND接続用の端子電極が2つ用意されているものである。ここで、この例のコンデンサアレイは、コンデンサアレイの短手方向にさらに端子電極が2つ形成されている。つまり、この例のコンデンサアレイは、一般的な4端子、2コンデンサの汎用コンデンサアレイにおいて、短手方向の途中に2カ所、内部電極板に接続されない端子電極を追加したものである。
【0045】
この例のコンデンサアレイを用いてLCモジュールを構成する場合、図6(B)に示すように、コンデンサアレイを平面視して、左上側の取り出し端子電極をVinに接続し、右上の取り出し端子電極をVoutに接続し、右下および左下の取り出し端子電極をGNDに接続する。そして、短手方向の端子電極のうち、Voutから遠い側の端子電極をチョークコイル12の端部(制御IC41に接続する側の端部)に接続するLXとする。残る短手方向の端子電極は使用しない(NC)。
【0046】
したがって、図6の例に係るコンデンサアレイを備えたLCモジュールにおいても、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置することになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。このように、コンデンサアレイの短手方向に新たな端子電極を設けることでも本実施形態のLCモジュールを構成することが可能である。
【0047】
特に、図6の例では、図3の例に比べ、Voutに接続される電極板がLXから遠く、図4の例に比べてもVoutに接続される電極板がLXからさらに遠くなっているため、ノイズ特性としても好ましいものである。
【0048】
さらに、本願発明は、複数のチョークコイルを搭載したLCモジュールについても適用可能である。図7は、2つのチョークコイルを搭載したLCモジュール、実装用基板、および制御ICの接続関係を示す図である。
【0049】
図7のLCモジュール1は、図1のLCモジュールと同様に、コンデンサアレイ71の上にインダクタ51を搭載して一体化したものである。インダクタ51は、内部に複数のチョークコイル(チョークコイル12Aおよびチョークコイル12B)が形成されている。
【0050】
図8は、コンデンサアレイ71の例を示す図である。この例のコンデンサアレイは、4つのコンデンサと10の端子電極を有する。この例のコンデンサアレイは、図8(A)に示すように、積層方向上面側から第1の層および第3の層の電極板をコンデンサアレイの長手方向に対して4つに領域分割することにより、4つのコンデンサを形成している。積層方向の上側から第1の層および第3の層の各電極板の取り出し端子電極は、それぞれコンデンサアレイを平面視した上側に形成され、第2の層および第4の層の各電極板の取り出し端子電極は、それぞれコンデンサアレイを平面視した下側に形成されている。
【0051】
すなわち、図8に示すコンデンサアレイは、ごく一般的な8端子、4コンデンサの汎用コンデンサアレイにおいて、短手方向の途中に2カ所、内部電極板に接続されない端子電極を追加したものである。
【0052】
ここで、LCモジュールを実現する場合に、図8(B)に示すように、コンデンサアレイを平面視して、左上側の取り出し端子電極をVin1に接続し、中央左上側の取り出し端子電極をVout1に接続し、中央右上側の取り出し端子電極をVout2に接続し、右上の取り出し端子電極をVin2に接続し、下側の取り出し端子電極をGNDに接続する。残る短手方向の端子電極のうち、それぞれVout1およびVout2から遠い側の端子電極をチョークコイル12Aおよびチョークコイル12Bの端部(制御IC41に接続する側の端部)に接続するLX1およびLX2とする。このような構成とすることで、異なる2つの出力電圧を出力する、2チャンネルのDC−DCコンバータを実現することが可能となる。
【0053】
したがって、図7,8の例に係る2つのチョークコイルを内蔵したインダクタを備えたLCモジュールにおいても、LXをVoutに隣接および対向しない箇所に配置することになり、LXに現れるスイッチングノイズがVoutに漏れ出すことを防止することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…LCモジュール
11…インダクタ
12…チョークコイル
21…コンデンサアレイ
31…実装用基板
C1…入力側コンデンサ
C2…出力コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、
出力端子と、
接地端子と、
前記入力端子と前記接地端子との間に接続される入力コンデンサ、および前記出力端子と前記接地端子との間に接続される出力コンデンサ、を含み、長手方向に同数の対向する複数の端子電極を有するコンデンサアレイと、
前記コンデンサアレイの上に搭載され、チョークコイルを形成するインダクタと、
を備えたLCモジュールであって、
前記インダクタの一端は、前記入力端子または前記出力端子に接続され、
前記インダクタの他端は、前記入力端子、前記出力端子、および前記接地端子以外の前記端子電極に接続され、
前記インダクタの他端が接続される端子電極は、前記出力端子に接続される端子電極に対して、前記コンデンサアレイにおいて隣接および対向しない箇所に配置されていることを特徴とするLCモジュール。
【請求項2】
前記入力コンデンサおよび前記出力コンデンサは、前記コンデンサアレイの長手方向に対して、領域分割にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のLCモジュール。
【請求項3】
前記インダクタの他端が接続される端子電極は、前記コンデンサアレイの短手方向に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLCモジュール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のLCモジュールと、
スイッチング素子を含む制御回路と、
を備えたDC−DCコンバータであって、
前記インダクタの他端が前記制御回路に接続されることを特徴とするDC−DCコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−5578(P2013−5578A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133933(P2011−133933)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】