説明

LEDアレイ用針状ITO

透明基板(11)と電極(16)との間に結合されたLEDのアレイにおいて、各LED(14)の発光表面は、針状のITOの領域(13)と電気的に接触している。ダイの発光表面を接触することにより、針状のITOはまた、光の散乱を与える。接触領域は、アレイを形成するよう相互接続されている。針状のITOは、各ダイのためのバラスト抵抗として作用し、その抵抗値は、それぞれのLED間の電流を一層均一にするためトリミングされることができる。各LEDが個々にバラストされるので、アレイのLEDは、均一な輝度に且ついずれのパターン又は全て同時に駆動されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)のアレイを用いる光源又はディスプレイに関し、特に、LEDのアレイからの発光の均一化の改良に関する。
[用語集]
「点(point)」は、殆ど無いくらいに小さいという数学的な意味で用いられてはいない。点光源は、小さい有限空間における光源であり、「小さい」は、周囲の構造のサイズに比してである。一部の人々は、点光源は全ての方向に均一に放射するのであると無用な議論するかも知れない。その無用な議論は、実際には正しくなく、そしてここでは当てはまらない。そのようなわけで、白熱電球、LED、一部のガス放電ランプ、及び他のものは、たとえLEDの場合におけるようにそれらが好適な方向に放射するとしても点光源である。
【0002】
厳密に言えば、ブラック・ホールを除いた全ての非発光物体は、光を反射し、さもなければ、全てのものは、目に見えない。反射表面は、鏡のよう(鏡面状又は磨かれた表面)であるか、均一な乱反射性であるか、どこかその中間状態であるかのうちのいずれかである。微視的レベルでは、たとえ非常に磨かれた表面鏡であっても完全に鏡面反射性であるわけではなく、またいずれの拡散反射体も完全にはランバートの余弦則に従うわけではない。数学的極小は、ここでは関心がない。むしろ、ランバートの余弦則に従うことが完全ではないが妥当である巨視的で実際的な拡散体に関心がある。多くの物体、例えば、媒体の中に分散された粒子、白い紙のシート、又は白いプラスチックのシートのようなものは、この判断基準を満たす。色つきの紙又はプラスチックは、光を反射することに加えて光をフィルタリングすることが明らかである。
【0003】
「発光」物体は、光を発する。対象物に入射した光は、その対象物を「照射する」。「輝度」は、光源から放出された光の量を言う。「輝度」は、対象物に入射した光の量を指す。
【0004】
「グラフィック」は、テキスト、シンボル、任意の形状、又はそれらのいずれかの組み合わせであることができる。グラフィックは、半透明なもの、陰影を付けられたもの、色を付けられたもの、シルエット、輪郭、又はそれらのいずれの組み合わせであることができる。
【0005】
本明細書で用いられているように、「フレックス回路(flex circuit)」は、LEDを含む導電性トレース(注:プリント配線基板上の配線)(traces)及び他のデバイスを電気回路の中に含むいずれのタイプの基板である。そのようなわけで、フレックス回路は、印刷回路板を含む。基板の可撓性は、本発明と関係ない。
【0006】
「LED」は、p−n接合部を有する半導体ダイであって、そのp−n接合部が順方向にバイアスされたとき半導体ダイの少なくとも1つの表面から光を発する半導体ダイである。
【背景技術】
【0007】
関連の無い天文学の技術においては、アルミニウム板にサンドブラストをかけ、そしてその板を4個のLEDで照らすことによりフラット・フィールド・プロジェクタ(flat field projector)を作ることが知られている(Simon Tullochの「新規なフラット・フィールド照明光源の設計及び使用(Design and Use of a Novel Flat Field Illumination Light Source)」(Technical Note108、Instrument Sicience Group、王立グリニッジ天文台、1996年)参照)。
【0008】
バック・ライティング(背面照射)、ディスプレイ及び他の応用に対して、可能な限り均一な光源が望まれ、そしてその中に問題がある。LEDは、白熱電球を超えた多くの利点を有するが、しかし白熱電球のように点光源ではない。様々な形の光導波路又は光チャネル(light channel)を用いて、光を拡散するが、しかし点光源が多くの場合バックライトされている対象物を通して見えるということが残っている。結果は、非均一な照明となる。直接見える光源からの光は、「まぶしく」、そして望ましくないものである。光導波路及び類似のものの必要性が、少なくとも初期のツーリング(tooling)について製造することが高価である複雑な構造を要求する。
【0009】
LEDのアレイは、当該技術で長く知られている。例えば、米国特許No.4,047,075(Schoberl)は、複数のパッケージングされたLEDを少量単純に積み重ねることにより作られたLEDのアレイを開示する。パッケージングされたLEDは、パッケージ内の半導体ダイ又はチップより相当に大きい体積を占有する。米国特許No.4,335,501(Wickenden他)は、単一の半導体基板上のLEDダイスのアレイを開示する。
【0010】
LEDは、非線形デバイスである。大部分のダイオードのように、LEDは、順方向バイアスがスレッショルド、例えば0.6ボルトを超えるまで導通しないで、従って、導通は、或る種類のバラスト、典型的には直列抵抗値により制限されねばならない。電流は、典型的には、10−60mAであり、そして輝度は、電流に大まかに比例する。放出される光の色はまた、電流の変化につれて変化する。いずれのデバイスと同様に、LEDは、熱を生成する。不都合にも、LEDは、典型的には、負の温度係数の抵抗値を持ち、それは、電流が温度と共に増大することを意味する。従って、電流を制御することは、幾つかの理由のため重要である。
【0011】
同じ型番の2つのLEDは、必ずしも同じ電気特性を有するわけではない。単一の抵抗を2つの並列のLEDのためのバラストとして用いる場合、一方のLEDの故障は、他方のLEDが過剰に駆動され(余りに多くの電流が流れ)、その結果その後直ぐに故障してしまうことをもたらす。LEDを直列及び並列にしたより大きいアレイは、非常に多くのLEDにより単に合成されており、同じ問題を有する。LEDを流れる電流を注意深く制御しなければならないことが当該技術では別個に周知であるにも拘わらず、LEDのアレイについての特許の多くは、電流を幾らか開示されていない要領で制限又は「条件付ける」ことを除いて、アレイの駆動方法についての開示の不足を来している。均一な輝度は、関心の対象でなく、又は開示された構成で達成するには難しすぎる。
【0012】
LEDから、特に、LEDのアレイから放出される光の均一性を増強するために反射及び拡散を使用することは、当該技術で、例えば、上記で特定したSchlberl特許で、知られている。パッケージングされないダイのためにそのような手段を設けることは、他の理由が無くてもダイ又はチップが比較的保護されないという理由だけでも遙かに難しい提案である。更に、ダイは、2又はそれより多い元素の結晶(痕跡量のドーパントを無視する。)、例えば、シリコンより壊れやすいガリウム砒素又は窒化インジウムガリウムである。接触範囲に関する冶金が更に、ダイ内のストレスを増大する。従って、LEDダイスを扱うことは、パッケージングされたデバイスより遙かに繊細に行わなければならない。
【0013】
例えば、フレキシブル基板(可撓性基板)上に実装されたLEDダイについては、各ダイの前方電極は、ダイ上の金接触部にワイヤボンディングされる。ダイは、ワイヤボンドを保護するためカプセルの中に入れられ、そしてダイは、透明導電性層の中に押されて、接触する。導電性層は、スパッタリングされた酸化インジウム(ITO)層、又は適切なバインダの中のITO粉体である。PEDOT−PSS(ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸)の高分子導電性層を代わりに用いてもよい。基板及び他の層が比較的に柔軟にも拘わらず、ダイは、多くの場合、アレイの組み立て中に割れ目が入る。その上、ワイヤボンディング及びコーティングは、高価である。
【0014】
針状ITOと呼ばれる材料は、透明導体として当該技術では知られている(米国特許No.5,580,496(Yukinobu他)及びそれに基づく分割特許(No.5,820,843、No.5,833,941及びNo.5,849,221)を参照)。針状ITOは、15−25μm長のITO針により2−5μm厚さから成る繊維性構造を有する。針は、有機樹脂、例えば、ポリエステルに懸濁(suspend)されている。針状ITOは、同種のもので他の形の材料とは異なる。針状ITOの硬化されたスクリーン印刷層は、ITO粉体を含む従来の層よりほぼ5倍以上の導電性があるが、しかしスパッタリングされたITOより導電性が約2/3低い。なお、スパッタリングされたITOは、スクリーン印刷可能な材料よりパターン形成が難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、前述のことに鑑みて、本発明の課題は、各LEDが個々にバラスト(ballast)されることができるLEDのアレイを提供することにある。
本発明の別の課題は、従来技術のアレイより製造するのが高価でないLEDのアレイを提供することにある。
【0016】
本発明の更に別の課題は、アレイ、特に可撓性アレイにおいてLEDへの接触の信頼性を改善することにある。
本発明の別の課題は、発光が透明電極層の中の拡散により一層均一にされることにより別々の拡散層の必要性を不要にしたLEDのアレイを提供することにある。
【0017】
本発明の更に別の課題は、各LEDと一体のバラスト抵抗を有するLEDのアレイを提供することにある。
本発明の別の課題は、各LEDのためのバラスト抵抗がより均一の電流及びより均一の輝度を与えるため個々に調整されることができるLEDのアレイを提供することにある。
【0018】
本発明の更に別の課題は、発光されるとき実質的に均一に明るいLEDのアレイを提供することにある。
本発明の別の課題は、同時に又はアレイ全体のサブセットで、発光されるとき実質的に均一に明るいLEDのアレイを提供することにある。
【0019】
本発明の更なる課題は、1つのLEDの故障がアレイの中の他のLEDの輝度に実質的に影響を及ぼさないLEDのアレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述の課題は、本発明においては、透明基板と電極との間に結合されたLEDのアレイであって、各LEDの発光表面が針状ITOの領域と電気的に接触していることにより達成される。ダイの発光表面を接触させることにより、針状ITOはまた、光散乱を与える。接触領域は、アレイを形成するため相互接続される。針状ITOは、各ダイのためのバラスト抵抗として作用し、そしてその抵抗は、複数のLEDの間でより均一な電流が得られるようトリミングされることができる。各LEDが個々にバラストされることができるので、アレイのLEDは、均一な輝度でいずれのパターン又は全て同時に駆動されることができる。
【0021】
本発明のより完全な理解は、添付の図面と関係した以下の詳細な説明を検討することにより得られることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、LEDのアレイの単一の部材を断面図で示す。アレイは、0.08mmから0.18mmの厚さを有する透明ポリマ基板11の上に支持されている。バス・バー12は、図面の面の中に入るよう延在し、行にある複数のLED同士を接続する。バス・バー12は、銀を含むインクによりスクリーン印刷されることが好ましいが、他の導電性粒子、例えば、カーボンを代わりに用いることもできる。針状ITO領域13は、透明ポリマ基板11及びバス・バー12の上にスクリーン印刷される。針状ITO領域13は、単一のLEDのための接触範囲を与えることが好ましい。LED14は、針状ITO領域13の上に配置され、そして矢印17により示されるように、光を大部分針状ITOを通って下方に放出する。針状ITOの繊維性粒子は、拡散体として作用し、光をダイ14から拡散する。接着層15は、針状ITO領域13及びバス・バー12を後部電極16から電気的に絶縁する。後部電極16は、アルミニウムの層であることが好ましい。
【0023】
アレイは、接着層15がダイ14を配置する前に塗布されることを除いて、上記で説明した順序で組み立てられる。接着層15は、柔らかく、そしてLED14は、その接着層15の中に押し込まれて、針状ITO層13と接触する。接着層15は、加熱活性化接着剤であることが好ましいが、UV(紫外線)活性化接着剤も代わりに用いることができる。接着層15は、例えば、ほぼ80℃に加熱されて、組み立て後に層を接合する。
【0024】
このように構成されるので、後部電極16からLED14を通って流れる電流はまた、針状ITO領域13を通ってバス・バー12へ流れる。針状ITO領域13は、こうして、当該領域の幾何学的形状を変えることにより調整されることができる個別で且つ直列の抵抗を与える。針状ITO領域13は、接点、相互接続、及び直列抵抗として作用する。抵抗は、ダイの範囲を越えた非常に小さい水平範囲を占有し且つ扱いにくく高価な外部部品を必要としない平坦で薄いデバイスの一部である。
【0025】
図2に示されるように、針状ITO領域13のセクション18は、ダイ14の下の範囲とバス・バー12に部分的に重なる範囲19とを相互接続する。セクション18の幾何学的形状は、抵抗値を変えるため変えることができる。範囲19は、針状ITO層13とバス・バー12との間に信頼性のよい低抵抗接続を与えるのに十分である。相互接続の直列抵抗値は、ダイ14とバス・バー12との間のセクション18の形状により主として決定される。
【0026】
図3においては、セクション21は、直列抵抗を増大するため、幅が低減され又はくびれている。くびれは、破線22により示されるようにセクション21の一端から又はその両端から行うことができる。くびれの端部は、矩形又はいずれの特定の形状である必要はない。矩形形状は、便宜のため図示されているだけである。
【0027】
図4においては、セクション23及び範囲25の両方が低減されている。従って、針状ITO領域23の直列抵抗は、針状ITOセクション21の直列抵抗より高く、その針状ITOセクション21は、次いで、針状ITOセクション18の直列抵抗より高い。
【0028】
ダイ14の下にある接触範囲を低減することは望ましくない。それは、ダイとの最良の可能性のある電気的及び熱的接触が望ましいからである。針状ITO層が、ダイ14を取り囲むように示され、それは、ダイをアレイの中に配置するとき誤差余裕部(margin of error)を与えるため好ましい。電流は、当該誤差余裕部を流れないで、ダイとバス・バーとの間のみを流れる。従って、誤差余裕部は、実質的に抵抗値への影響はない。
【0029】
抵抗は、レーザ・トリミングにより調整されることが好ましく、それは、組み立て中に行うことができ、又は組み立て後の透明ポリマ基板11を介して行うことができる。代替として、各LEDは、アレイへの移行時に試験され、針状ITO領域13のためにスクリーン印刷された特定のパターンに対して事前に選択されることができる。
【0030】
図5は、各LEDが本発明に従った直列抵抗を含むLEDのアレイを示す。LEDが短絡回路よりむしろ開回路になることにより故障すると推定する。アレイが定電流源から駆動されそして1つのダイオードが故障した場合、同じ行の残りのダイオードは、前より僅かに大きい電流を通すが、しかしその変化は、個々の直列抵抗無しの場合より遙かに小さい。アレイが定電圧源から駆動される場合、単一のLEDの故障は、故障したLEDの行の電流以外の行の電流を僅かに減少させるが、しかしその変化は、個々の直列抵抗無しの場合より遙かに小さい。
【0031】
図6は、本発明の代替実施形態に従って構成されたLEDのアレイの単一の部材を断面図で示す。特に、図6は、図1の実施形態とは、後部電極60がプラスチック・フィルム61(これは不透明でも透明でもよい。)及びITO層62(これはプラスチック・フィルム61上にスパッタ成膜されることが好ましい。)を含む点で異なる。この実施形態は、LED65が図示されるような下方ではなくむしろ上方に大部分放出するよう配置されることができる点を除いて、図1の実施形態と同じ要領で動作する。
【0032】
図7は、本発明の代替実施形態に従って構成されたLEDのアレイの単一の部材を断面図で示す。特に、図7は、後部電極70がプラスチック・フィルム71(これは不透明でも透明でもよい。)及びスクリーン印刷された導電性層72を含む点で、図1の実施形態とは異なる。導電性層72は、パターン形成されることが好ましく、そして銀バス・バーを含む。この実施形態は、LED75が図示されるような下方ではなくむしろ上方に大部分放出するよう配置されることができる点を除いて、図1の実施形態と同じ要領で動作する。
【0033】
図8は、本発明の代替実施形態に従って構成されたLEDのアレイの単一の部材を断面図で示す。特に、図8は、後部電極80がプラスチック・フィルム81(これは不透明でも透明でもよい。)及び針状ITO層82を含む点で、図1の実施形態とは異なる。導電性層82は、インクの消費を低減し且つコストを低減するようパターン形成されることが好ましい。この実施形態は、LED85が図示されるような下方ではなくむしろ上方に大部分放出するよう配置されることができる点を除いて、図1の実施形態と同じ要領で動作する。
【0034】
図9は、本発明の代替実施形態に従って構成されたLEDのアレイの単一の部材を断面図で示す。特に、図9は、基板91が剥離されて、構造的支持のため後部電極93を残したままにしておく点で、図1の実施形態とは異なる。剥離層(図示せず)は、分離を容易にするため追加することができる。後部電極93は、前述したように、銅又はアルミニウムのような導電性シート、又はフレックス回路、又はアレイを支持するため十分に寸法的に安定している他の材料である。この実施形態は、図1の実施形態と同じ要領で動作する。本発明のこの局面は、前述の実施形態のいずれとも組み合わせることができる。
【0035】
本発明は、このように、各LEDが当該各LEDと一体のバラスト抵抗でもって個々にバラストされることができることにより、1つのLEDの故障がアレイの中の他のLEDの輝度に影響を実質的に影響を及ぼすことが無いLEDのアレイを提供する。個々のバラスト抵抗値は、より均一の電流及びより均一の輝度を与えるよう調整されることができる。アレイは、従来技術のアレイより製造するのに安価であり、そしてLEDへの接触の信頼性が、改善される。発光は、透明電極層の中の拡散により一層均一にされ、別個の拡散層の必要性を不要になる。LEDは、点灯したとき、同時に又はアレイのサブセットの中で実質的に均一の明るさである。
【0036】
本発明について説明したが、様々な変更が本発明の範囲内で行うことができることが当業者に明らかであろう。例えば、バス・バー12は、針状ITO領域13の前よりむしろ針状ITO領域13の後に、即ち、針状ITO領域13上に印刷されることができる。後部電極16は、いずれの高い導電性材料であることができる。アルミニウムは、最もコスト的に有効であるので好ましい。図5は、LEDが同時に点灯されるアレイを示す。スイッチ(図示せず)は、いずれの所望のパターンで点灯するよう追加されることができる。複数のLEDが複数の行及び複数の列に配列されて見えるにも拘わらず、個々のLEDをアドレス指定することにより、LEDは、大きい1つの行(又は列)で全部が電気的に並列である。並列であるとき、1つのLEDの故障は、一定電圧を供給された場合、残りのLEDに影響を与えない。抵抗値を調整するために表皮剥脱(アブレージョン)(abrasion)又はエッチングを用いることができるであろう。どちらも幾何学的形状の3次元的変化を与えて、厚さ並びに形状を調整することができるであろうにも拘わらず、どれもレーザによる表皮剥脱ほど正確又は効率的ではない。針状ITOが好適な材料であるにも拘わらず、類似の抵抗性を有する他の繊維性の又はウィスカー状の材料を代わりに用いることができる。例えば、カーボン・ナノチューブは、それらの光吸収特性が許容されることができる場合用いることができる。他の導電性ウィスカー材料は、ZnO:Al又はZnO:GaのようなZnOベースの合成物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態に従って構成されたアレイの中の単一のLEDの断面図である。
【図2】図2は、図1に示されるアレイの一部の平面図である。
【図3】図3は、本発明の一局面に従ってバラストの抵抗を調整することを示す。
【図4】図4は、本発明の別の局面に従ってバラストの抵抗を調整することを示す。
【図5】図5は、本発明に従って構成されたLEDのアレイの概略図である。
【図6】図6は、本発明の代替実施形態に従って構成されたアレイの中の単一のLEDの断面図である。
【図7】図7は、本発明の代替実施形態に従って構成されたアレイの中の単一のLEDの断面図である。
【図8】図8は、本発明の代替実施形態に従って構成されたアレイの中の単一のLEDの断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の局面に従って構成されたアレイの中の単一のLEDの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と電極との間に結合されたLEDのアレイであって、
少なくとも1つのLEDと前記透明基板との間にあって、前記LEDの発光表面に電気的に結合する針状のITOの領域を備えるLEDのアレイ。
【請求項2】
前記アレイの各LEDが、針状のITOの領域により前記基板に結合されることにより、前記アレイの中の各LEDを個々にバラスト(ballast)する請求項1記載のLEDのアレイ。
【請求項3】
針状のITOの複数の前記領域が、共に電気的に結合されて、前記アレイの全てのLEDから同時の発光を与える請求項2記載のLEDのアレイ。
【請求項4】
LEDのグループが、行においては並列に結合され、当該行が直列に結合されている請求項3記載のLEDのアレイ。
【請求項5】
少なくとも2つの領域が、針状のITOによりバス・バーに結合されている請求項2記載のLEDのアレイ。
【請求項6】
第1のセクションの面積が、第2のセクションの面積に等しくない請求項5記載のLEDのアレイ。
【請求項7】
接合部が順方向にバイアスされるとき半導体ダイの表面を通して光を放出する当該半導体ダイと、
前記表面上にある針状のITOの層と
を備える発光装置。
【請求項8】
複数の導電性範囲を基板の上に形成するステップであって、各導電性範囲が針状のITOである、前記形成するステップと、
LEDを各導電性範囲に付けるステップと、
前記LEDの発光表面が前記針状のITOと接触するように各LEDを配置するステップと
を備える発光ダイオードを作る方法。
【請求項9】
バス・バーを前記基板上に形成するステップと、
前記バス・バーに部分的に重なる導電性範囲を形成するステップと
を更に備える請求項8記載の方法。
【請求項10】
LEDのアレイにおいて、
各LEDが、p−n接合部と、電流を少なくとも1つのp−n接合部に供給する導体とを含み、
少なくとも1つのp−n接合部の1つの側と前記導体との間にあって、前記p−n接合部を前記導体に電気的に結合する針状のITOの領域を備えるLEDのアレイ。
【請求項11】
前記領域が、前記p−n接合部のためバラストする負荷を与える請求項10記載のLEDのアレイ。
【請求項12】
前記領域の面積が、前記p−n接合部のための負荷を変えるよう調整されることができる請求項11記載のLEDのアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−503866(P2009−503866A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524075(P2008−524075)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/028882
【国際公開番号】WO2007/016110
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(500105311)ワールド・プロパティーズ・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】