説明

LED照明装置

【課題】 高照度型と低照度型との切り換えを簡便に行える上にどの状態にあるかを容易に判別できるものとする。
【解決手段】 定格出力電流が異なる複数組の出力端子23,24を備えたLED電源供給部2と、いずれかの組の出力端子に接続される接続端子37を備えたLEDユニット3とを有し、更に上記LEDユニットにおける上記接続端子の位置をいずれかの組の出力端子に適合する位置に切り換える切換板35を有している。切換板35はその切換用の操作部36がLEDユニット外面に露出する位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)素子を複数含むLEDユニットと、このLEDユニットに電力を供給するLED電源供給部を備えたLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDの高輝度化に伴い、一般照明用のLED照明装置が商品化されている。このLED照明装置は、LEDの半永久寿命という特徴から、LEDを交換することなく、照明器具として4年〜10年の寿命がある。また、チップを樹脂で覆っているLEDでは、樹脂が自己の光と温度によって劣化し、変色などを起こして光出力を低下させる。このために光出力の低下によって必要とする光出力が得られなくなる時点をLEDの寿命の終期としている。
【0003】
一方、LEDそのものの発光効率は年々高くなっていることから、何年か後に寿命がきたとしてLEDユニットを交換する場合、元のLEDユニットよりも発光効率が高いLEDユニットを用いることになる場合が考えられる。
【0004】
この時、LEDユニットとLED電源供給部とを別体として、LEDユニットのみを交換することができるようにしている場合、高効率化されたLEDユニットに交換すると、明るくなりすぎることが生じる。
【0005】
ここにおいて、特許文献1にはLEDユニットとLED電源供給部とを別体とするとともに、LED電源供給部には出力電圧の異なる複数対の接続部を設け、LEDユニットをどちらの接続部に接続するかによって、一つのLEDユニットを高照度型として使用するか、低照度型とするかを選択することができるようにしたものが示されている。この場合、それまで出力電圧の高い接続部に接続されていたLEDユニットに代えて高効率化されたLEDユニットを出力電圧の低い接続部に接続すれば、それまでと同等の光出力で且つ省電力を得ることができ、出力電圧の高い接続部に接続すれば、それまでよりも高照度の光出力を同等電力で得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−304904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に示されているのは、LED電源供給部の複数の接続部を角度が異なるものとして設けておき、LEDユニットを角度を変えて取り付けることで高照度型か低照度型かに切り換えるものであるために、LEDユニットをLED電源供給部に取り付けた状態では高照度型としているのか低照度型としているのかが判りにくい。しかもLEDユニットをLED電源供給部から外すと、それまで高照度型として接続していたのか低照度型として接続していたのかが判らなくなる。
【0008】
上記特許文献1には、LED電源供給部に出力電圧の切換をスイッチにて行うものや、LEDユニット側に各LEDに流れる電流値を変化させるスイッチを設けることも示されている。この場合、高照度型とするか低照度型とするかを切り換えることができる上に、LED電源供給部からLEDユニットを外した状態でもスイッチの状態から高照度型と低照度型のどちらの設定で用いているのかを判別することができる。
【0009】
しかし、数年にわたり使用されることが想定されるLED照明装置において、普段は全く操作されることがない上記スイッチは、その切換動作によるセルフクリーニングを期待できないために、スイッチ部分の信頼性の点で問題がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、高照度型と低照度型との切り換えを簡便に行える上にどの状態にあるかを容易に判別することができるLED照明装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、定格出力が異なる複数組の出力端子を備えたLED電源供給部と、いずれかの組の出力端子に接続される接続端子を備えたLEDユニットとを有しているとともに、上記LEDユニットにおける上記接続端子の位置をいずれかの組の出力端子に適合する位置に切り換える切換板を有しており、上記切換板はその切換用の操作部がLEDユニット外面に露出する位置に設けられていることに特徴を有している。
【0012】
外部に露出している操作部の操作で接続端子をどの組の出力端子に接続するかを切換板により切り換えることで高照度型と低照度型の切り換えを行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、高照度型と低照度型との切り換えを切換板の操作によって簡便に行えるものであり、しかもどの状態にあるかは切換板における外部に露出した操作部の位置から容易に判別することができる。また接続端子そのものを移動させることで上記切り換えを行うために、信頼性の点で問題が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は概略断面図、(b)はLEDユニットの水平断面図である。
【図2】同上の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図において、天井面9にローゼット(引っ掛けシーリング)90あるいはねじ止めで固定される装置本体1は、LED電源供給部2と、このLED電源供給部2に対して着脱自在とされているLEDユニット3を備えている。
【0016】
上記LED電源供給部2は商用電源(交流電源)からの交流電圧を、降圧を含めて整流および平滑などして所定レベルの直流の低電圧を得るもので、複数(ここでは2つ)の定電流出力部21,22を備えている。また定電流出力部21がαmAの定格出力であるのに対して、定電流出力部22はβmA(β>α)の定格出力を有している。さらに定電流出力部21には一対の出力端子23,23が接続され、定電流出力部22には一対の出力端子24,24が接続されている。
【0017】
上記2対の出力端子23,23,24,24は、LED電源供給部2下面であるLEDユニット取付面に一直線状に並べられて配置されているとともに、出力端子23,23の対のピッチP1が、出力端子24,24のピッチP2よりも大きくされている。
【0018】
一方、LEDユニット3は、多数のLED31が実装された基板30と、外装カバーを兼ねたレンズユニット32と、ベース板33と、切換板35とからなり、上記基板30及びレンズユニット32が取り付けられたベース板33には、一対の接続端子37,37がガイド孔34に沿ってスライド自在に設けられているとともに、切換板35が軸回りに回転自在に取り付けられている。
【0019】
上記基板30上には、図2に示すように、3個のLED31とトランジスタTrおよび抵抗Rを直列に接続した組みを4組並列に接続して構成された発光部3bと、コンデンサC1、トランジスタTr1および抵抗R1〜R3により構成されて上記発光部3bの各組のトランジスタTrにミラー接続されて発光部3bの各組のLED31に同一の定電流を流す電源部3aとが形成されている(ミラー回路構成)。
【0020】
前記切換板35は、その外周縁に備える一対の操作部36,36をLEDユニット3の外面を構成するベース板33外周面よりも外部に突出させたもので、一対のスパイラル状の溝38,38を有しているとともに、各溝38内に上記スライド自在な接続端子37を位置させており、上記操作部36,36を摘んで切換板35を回転させたならば、対の接続端子37,37は相反する方向に移動して間隔を変化させる。なお、接続端子37,37と基板30間は、リード線で接続しているが、この接続方法に限定されるものではない。
【0021】
そして、上記LEDユニット3をLED電源供給部2に取り付けるにあたっては、まず切換板35を操作することで、高照度型として接続するのか、あるいは低照度型として接続するのかを決定する。ここでは、定電流出力部21に接続された一対の出力端子23,23のピッチP1が大きく、定電流出力部22に接続された一対の出力端子24,24のピッチP2が小さいために、高照度型として接続する場合は接続端子37,37の間隔を小さく、低照度型として接続する場合は接続端子37,37の間隔を広くする。
【0022】
そしてLEDユニット3の上面より突出している接続端子37,37の先端を出力端子23,23もしくは出力端子24,24に接続するとともに、LEDユニット3のベース板33に設けたフック(図示せず)をLED電源供給部2に係合させることで、LEDユニット3をLED電源供給部2に接続する。
【0023】
上記接続端子37を定格出力αmAの出力端子23に接続している時は、LEDユニット3を省電力な低照度型として使用することができるものであり、接続端子37を定格出力βmA(β>α)の出力端子23に接続している時は高照度型として使用することができる。しかも、切換板35の操作部36がどの位置にあるかが外観からわかるために、いずれの状態で使用しているかを容易に認識することができる。
【0024】
ここでは定格出力が異なる2対(2組)の出力端子を備えたものを示したが、3対(3組)以上の出力端子を備えたものであってもよいのはもちろんである。また、各組の出力端子は、グランド側を共用するものであってもよい。出力端子23,24に異なる電圧が出力されるようになっていてもよい。
【0025】
更には切換板35による接続端子37の移動に確動カムとして機能する溝38を用いた例を示したが、このような構造に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
1 装置本体
2 LED電源供給部
3 LEDユニット
23 出力端子
24 出力端子
35 切換板
36 操作部
37 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定格出力が異なる複数組の出力端子を備えたLED電源供給部と、いずれかの組の出力端子に接続される接続端子を備えたLEDユニットとを有しているとともに、上記LEDユニットにおける上記接続端子の位置をいずれかの組の出力端子に適合する位置に切り換える切換板を有しており、上記切換板はその切換用の操作部がLEDユニット外面に露出する位置に設けられていることを特徴とするLED照明装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−175795(P2011−175795A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37827(P2010−37827)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】