LED表示装置および歩行者用信号機
【課題】西日や朝日で照らされても、簡単な構成で視認性を向上できる低コストなLED表示装置および歩行者用信号機を提供する。
【解決手段】複数のLEDランプ10は、光透過性を有するモールド部11と、モールド部内に配置され、出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、チップ搭載部12に搭載されたLEDチップ16とを備える。複数のLEDランプ10のモールド部11は、LEDチップ16の光軸方向から見て長円形状をし、複数のLEDランプ10が配列される面に沿って長円形状のモールド部11の長手方向をランダムに向けて、複数のLEDランプ10を配列する。
【解決手段】複数のLEDランプ10は、光透過性を有するモールド部11と、モールド部内に配置され、出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、チップ搭載部12に搭載されたLEDチップ16とを備える。複数のLEDランプ10のモールド部11は、LEDチップ16の光軸方向から見て長円形状をし、複数のLEDランプ10が配列される面に沿って長円形状のモールド部11の長手方向をランダムに向けて、複数のLEDランプ10を配列する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED表示装置および歩行者用信号機に関し、詳しくは、LEDを用いた看板、道路標識、文字表示板、信号機等に好適なLED表示装置およびそれを用いた歩行者用信号機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高輝度に発光可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が開発され、使用されるようになってきている。最近では、高輝度LEDが、道路や店舗での電光表示板、カラーディスプレイ(看板)、交通信号灯等に利用され始めている。このようなLEDは、信頼性が高く寿命も長いので、光源の交換周期も大幅に減少できる。また、個々のLED自体が固有の色で発光するため、カラーフィルターを持つ必要がない。これにより、LEDを用いたLED表示装置では、コスト削減や、交換時の手間の削減、メンテナンスによる表示停止時間の縮小が実現できる。
【0003】
しかしながら、近年のLED表示装置では、使用されるLEDが必要以上に高輝度であるために、表示された文字や画像がかえって潰れて見えて読み取りにくい場合がある。道路での文字表示板等では、個々のLEDが高輝度過ぎると、複数のLED同時点灯で表示される文字・図形がかえって不明瞭に見える。
【0004】
かといってLEDの実装密度を低くしたり実装面積を小さくしたりすると、表示できる内容に制約ができたり判別が難しくなったりする。特に歩行者用信号機においては、人形の周りが赤く(青く)光る従来型とは異なり、LEDを用いた歩行者用信号機は、小さい人形部分のみが赤く(青く)光る。このために、高輝度LEDでは、人形だけが異様に光る感じがあり、人形の形も潰れて見える。さらに、非実装部が大きいため、基板非実装部や外側の透明カバーに西日が反射すると、反射した西日と光る人形部分とが同じような大きさとなり、実際は光っていないのに光っているように見えるいわゆる擬似点灯状態となり判別が困難になるという問題がある。また、弱視者の場合、高輝度であっても光る面積が小さくなると判別しづらく危険であるという問題もある。
【0005】
よって、ある程度の輝度つまりある程度以下の出力のLEDを高い実装密度や広い実装面積で配列することが好ましい。これはLEDの単価低減にもつながる。
【0006】
ところが、高い実装密度の場合、LED表示装置において基板表面の占める面積が減る一方で、LEDの中にあるチップ搭載部を兼ねた金属反射板が占める割合が増大し、特に西日が直射するような場合、リフレクターがあるかのように反射光が生じて、LEDが点灯している部分と消灯部分とのコントラストが悪くなって、非表示部分が擬似点灯に近い状態となり表示が見づらくなる。このような反射光に打ち勝つようにLEDの出力を上げると、前述の理由により読み取りにくくなる上に、初期コストや消費電力が増えることによりランニングコストが増大する。
【0007】
これに対する先行技術として、LEDランプのモールド部表面に着色層を形成するLED表示装置がある(例えば、特開2001−68739号公報(特許文献1)参照)。このLED表示装置では、西日が2回着色層を通過するのに対して、LEDチップからの光は1回着色層を通過するだけにすることにより、西日反射を抑えることができる。しかしながら、このLED表示装置は、程度の差はあれ、LEDチップからの光も確実にロスするため、その分余分なLEDランプ出力が必要となり、着色層形成による初期コストが増大すると共に、消費電力が増えてランニングコストが増大する。
【特許文献1】特開2001−68739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明の課題は、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で視認性を向上できる低コストなLED表示装置および歩行者用信号機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明のLED表示装置は、
複数のLEDランプが表示部に配列されたLED表示装置であって、
上記複数のLEDランプは、LEDチップと、上記LEDチップが搭載され、上記LEDチップの出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、上記LEDチップと上記チップ搭載部を内部に配置した光透過性を有するモールド部とを備え、
上記複数のLEDランプが、上記表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部の搭載面への入射光を低減可能な構造であることを特徴とする。
【0010】
上記構成のLED表示装置によれば、表示部に配列された複数のLEDランプが、表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部への入射光を減らすことが可能な構造とすることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で視認性を向上できる低コストなLED表示装置を実現できる。
【0011】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの光軸方向から見て楕円形状または長円形状をしていると共に、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記モールド部の上記凸レンズ部は、上記凸モールド部の長手方向かつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、上記モールド部の長手方向に対して直交しかつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっており、
上記複数のLEDランプが配列された上記表示部の面に沿って上記モールド部の長手方向をランダムに向けて、上記複数のLEDランプを配列している。
【0012】
上記実施形態によれば、上記複数のLEDランプが配列された表示部の面に沿って楕円形状(または長円形状)のモールド部の長手方向をランダムに向けて、複数のLEDランプを配列することによって、西日が横向きのLEDランプに入射したとき、チップ搭載部の搭載面から外れるので、チップ搭載部の搭載面での反射が低減される。また、モールド部の長手方向かつLEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、モールド部の長手方向に対して直交しかつLEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっているので、向きの異なるLEDランプの指向特性(発光強度の角度分布)が異なり、LED表示装置全体として満遍なく指向特性が広がり、表示むらが感じられにくくなる。
【0013】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが平行でない。
【0014】
上記実施形態によれば、LEDチップの出射光の光軸とモールド部の凸レンズ部の光軸とが平行でないことによって、例えば、LEDチップの出射光の光軸よりもモールド部の凸レンズ部の光軸方向を水平面に対して斜め前方に傾けることで、西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0015】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行で、かつ、上記LEDチップの出射光の光軸が上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸よりも上側にある。
【0016】
上記実施形態によれば、LEDチップの出射光の光軸とモールド部の凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行であることによって、例えば、モールド部の凸レンズ部の光軸よりもLEDチップの出射光の光軸を上側にすると共に、モールド部の凸レンズ部の光軸およびLEDチップの出射光の光軸を、水平面に対して斜め前方に傾けることで西日や朝日がチップ搭載部に届きにくくなり、チップ搭載部での反射を確実に低減できる。
【0017】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部が平行でない。
【0018】
上記実施形態によれば、モールド部の底面とチップ搭載部が平行でないことによって、例えば、チップ搭載部の搭載面をモールド部の底面に対して斜め前方に傾けることで西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0019】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、上記モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜している。
【0020】
上記実施形態によれば、モールド部の底面とチップ搭載部の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜していることによって、例えば、モールド部の凸レンズ部の光軸方向に対してチップ搭載部の搭載面の垂直方向を斜め前方に傾けたり、チップ搭載部の搭載面の垂直方向に対してモールド部の凸レンズ部の光軸方向を斜め前方に傾けたりすることで、西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0021】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に設けられた互いに交差する上側平面部と下側平面部とを有し、上記上側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する一方、上記下側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面する。
【0022】
上記実施形態によれば、上記複数のLEDランプのモールド部のLEDチップの出射側に、LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する上側平面部と、LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面する下側平面部とを互いに交差するように設けることによって、西日や朝日がLEDランプに斜め上方から入射したとき、入射光のごく一部はチップ搭載部の搭載面に到達して反射されるが、ほとんどはチップ搭載部の搭載面から外れるので、チップ搭載部の搭載面での反射が低減される。
【0023】
また、一実施形態のLED表示装置では、道路情報の電光掲示板、LED看板、RGBドットマトリクスフルカラーディスプレイ、車両用信号機のうちのいずれか1つに用いられる。
【0024】
また、この発明の歩行者用信号機では、
上記のいずれか1つのLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられ、赤色または青色に点灯する枠部とを有することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むようが赤色または青色に点灯する枠部とを有する上記LED表示装置を用いることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で見づらさを軽減できる低コストな歩行者用信号機を実現できる。
【0026】
また、この発明の歩行者用信号機では、
上記のいずれか1つのLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられた枠部とを有し、上記人形部と上記枠部が赤色または青色に点灯することを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、赤色または青色に点灯する人形部と枠部とを有する上記LED表示装置を用いることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で見づらさを軽減できる低コストな歩行者用信号機を実現できる。
【0028】
また、一実施形態の歩行者用信号機では、上記LED表示装置の上記枠部は、分割された複数の領域からなり、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていく。
【0029】
上記実施形態によれば、上記LED表示装置の枠部は、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていくことにより、人形部の点灯した状態が保たれる残り時間を人が容易に認識することが可能となる。
【0030】
また、一実施形態の歩行者用信号機では、
上記LED表示装置の上記人形部は、分割された複数の部分からなり、
上記人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、上記人形部が動いているように見える。
【0031】
上記実施形態によれば、LED表示装置の人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、人形部が動いているように見えることによって、視認性が向上する。
【0032】
また、この発明の歩行者用信号機では、
複数のLEDランプが表示部に配列された歩行者用信号機であって、
人形部と、その人形部の周りを囲むようにかつ上記人形部に接しないように設けられた枠部と、上記点灯した人形部と上記枠部との間に設けられた非点灯部とを有することを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、点灯した人形部と枠部の間に点灯しない部分を有することによって、西日に対しても判別しやすく、コントラストを高めることができ、弱視者の認識度も向上する。
【発明の効果】
【0034】
以上より明らかなように、この発明のLED表示装置および歩行者用信号機によれば、チップ搭載部への日光の入射を低減可能な構成とすることによって、チップ搭載部の搭載面に西日や朝日が反射し、表示領域において、LEDランプが点灯している部分と消灯部分とのコントラストが悪くなって表示が見づらくなることを防ぐことができる。これにより、適正な出力のLEDランプを高い実装密度や広い実装面積で使用するという理想的な使用方法が良好な視野性で実現でき、LEDランプの出力すなわちコストを過剰に上げることを避けることができる。
【0035】
特に、歩行者用信号機に適用すると、西日や朝日による深刻な見間違いを防止でき、また色弱者への視野性も向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、この発明のLED表示装置および歩行者用信号機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0037】
〔第1実施形態〕
図1Aはこの発明の第1実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板1の模式図を示し、図1Bは上記電光表示板1の表示部2の要部S1の拡大図を示している。
【0038】
図1Aに示す電光表示板1は、複数のLEDランプ10により構成されている。図1Bに示すように、LEDランプ10は、正面から見て長円形状(または楕円形状)をしている。このLEDランプ10を電光表示板1の表示部2にアレイ状に並べている。ここで、LEDランプ10から指向特性の最も強い強度が得られる方向(通常は図1Cに示すチップ搭載部12の搭載面に対して垂直方向(指向特性図の0°方向))を、電光表示板1を見る人に向けて配置する。例えば、道路での電光表示板1であれば、設置場所の約100m程度手前である。さらに、図1Bに示すように、LEDランプ10は、楕円形の長手方向が縦、横、縦、横、…となるように交互に格子状に配置している。
【0039】
図1Cは図1BのIC−IC線から見た要部の断面図を示している。図1Cに示すランプ10のモールド部11は、透明エポキシ樹脂で構成されている。また、LEDチップ16が搭載されたチップ搭載部12は、Au−Niおよび/またはAgメッキで構成されており、反射壁を兼ねてLEDチップ搭載部12の搭載面の周辺は斜めにせりあがっている。さらに、モールド部底面15は、LEDチップ搭載部12の搭載面と平行であり、LEDチップの照射方向中心線13に対して垂直である。また、照射方向中心線13は、設置場所の約100m程度手前に向かって水平面に対して図中左下に若干傾いている。また、モールド部底面15は、サンドブラスト法等で表面に微細で均一な凹凸形状が施されている。
【0040】
また、上記モールド部11の前面側に、凸レンズ部の一例としての凸面状のレンズ11aを設けている。そして、長手方向が縦向きのLEDランプ10は、モールド部11のレンズ11aの垂直断面の曲率半径が大きく、長手方向が横向きのLEDランプ10は、モールド部11のレンズ11aの垂直断面の曲率半径が小さくなっている。すなわち、長手方向が縦向きのLEDランプ10の場合は、長手方向かつLEDチップ16の光軸に沿った断面における出射光の指向特性が狭いのに対して、長手方向が横向きのLEDランプ10の場合は、長手方向に直交しかつLEDチップ16の光軸に沿った断面における出射光の指向特性が広くなる。
【0041】
一方で西日の入射方向14は、逆に水平面に対して図中やや左上から右下に向かっており、縦向きのLEDランプ10に西日が入射したときは、入射光の一部は、チップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁に到達し反射され、残りはチップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部15に到達し、表面の微細な凹凸により乱反射される。一方、横向きのLEDランプ10に西日が入射したときは、すべてチップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部15に到達し、表面の微細な凹凸により乱反射される。つまり、横向きのLEDランプ10において、チップ搭載部12の搭載面での反射が低減される。
【0042】
また一方で、縦向きのLEDランプ10と横向きのLEDランプ10とで指向特性(発光強度の角度分布)が異なる。それが交互に配列されていることで、電光表示板1全体として満遍なく指向特性が広がり、表示むらが感じられにくくなる。
【0043】
なお、図1A〜図1CのLED表示装置としての電光表示板1とは異なり、長手方向の横向き、縦向きもしくは斜め方向が、偏らずにほぼ均一に周期的もしくはランダムにLEDランプが配列されていてもよい。
【0044】
また、LEDチップを搭載するチップ搭載部の搭載面が小さい方がそこでの反射を減じることができる。
【0045】
また、ある程度以下の出力のLEDランプ10を図1Aに示すような密度で配列させることにより、西日で照らされた場合であっても、見づらさを軽減した電光表示板を提供することができる。
【0046】
(第1変形例)
上記第1実施形態に使用することができる別の第1変形例のLEDランプ20を図1Dに示す。ここではLEDランプ20は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。LEDチップ26が搭載されたチップ搭載部22の搭載面は、正面を向き水平面に対して略垂直である。一方でモールド部21およびモールド部底面25は、チップ搭載部22の搭載面と平行ではなく、図1Dにおいて水平面に対して左下に若干傾いている。つまり、モールド部21の前側に設けられたレンズ21aの光軸27が、チップ搭載部22の搭載面に搭載されたLEDチップ26からの出射光の光軸23と一致せずに斜め下方に向かって傾いている。また、リードフレーム24は、モールド部21からモールド部底面25に対して斜めに突き出ている。その結果、レンズ21aの光軸27は、設置場所の100mより近い手前に向かって水平面に対して若干下向きに傾いている。また、出射光の光軸23は、設置場所の約100m程度手前に向かって水平面に対して若干下向きに傾いている。また、モールド部底面25が左下に傾いていて、さらにモールド部21はより左下に傾いているので、図1Dにおいて左上からの西日は、チップ搭載部22の搭載面に届きにくく、チップ搭載部22の搭載面での反射が低減される。
【0047】
(第2変形例)
上記第1実施形態に使用することができるさらに別の第2変形例のLEDランプ30を図1Eに示す。ここでは、LEDランプ30は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。ここでは、LEDチップ36が搭載されたチップ搭載部32の搭載面とモールド部底面35とは平行であるが、照射方向中心線33と、モールド部31の前側に設けられたレンズ31aの光軸37とが一致せず、所定の間隔をあけて略平行になっている。また、リードフレーム34は、モールド部31からモールド部底面35に対して垂直に突き出ている。LEDチップ36の出射光の光軸33が、レンズ31aの光軸37よりも上側にずれていることで、図1Eにおいて左上からの西日は、チップ搭載部32の搭載面に届きにくく、チップ搭載部32の搭載面での反射が低減される。
【0048】
(第3変形例)
上記第1実施形態に使用することができるさらに別の第3変形例のLEDランプ40を図1Fに示す。ここでは、LEDランプ40は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。また、図1Dとは逆で、LEDチップ46が搭載されたチップ搭載部42の搭載面は、モールド部底面45と平行ではなく図中左下に若干傾いている。一方でモールド部底面45は正面を向き水平面に対して略垂直である。また、リードフレーム44は、モールド部41からモールド部底面45に対して斜めに突き出ている。また、図1Dと同様で、LEDチップ46からの出射光の光軸43が、モールド部41の前側に設けられたレンズ41aとの光軸47と一致せず、斜め下方に向かって傾いているため、図中左上からの西日はチップ搭載部42の搭載面に届きにくく、チップ搭載部42の搭載面での反射が低減される。
【0049】
図1D〜図1Fに示す第1〜第3変形例ともに、モールド部底面25,35,45は微細な凹凸形状となっていることが好ましい。
【0050】
〔第2実施形態〕
図2Aはこの発明の第2実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板101の模式図を示しており、図2Bは上記電光表示板101の表示部102の要部S2の拡大図を示している。
【0051】
LEDランプ110は、正面から見て四角い形状をしている。また、LEDランプ110表面は2平面が鈍角で交わったような形状となっている。これをアレイ状に並べる際に、LEDランプ110から指向特性の最も強い強度が得られる方向(通常はチップ搭載部112の搭載面に対して垂直方向(指向特性図の0°方向))を、電光表示板101を見る人に向けて配置する。図2Aは柱に掲げたメッセージボードである。この場合、電光表示板101を見る人は数十m先である。また、これが歩行者用信号機であれば、表示を見る人は横断歩道の手前付近である。
【0052】
図2Cは図2BのIIC−IIC線から見た要部の断面図を示している。図2Cに示すLEDチップ116のモールド部111は、透明エポキシ樹脂で構成されている。また、LEDチップ116が搭載されたチップ搭載部112は、Au−Niおよび/またはAgメッキで構成されており、反射壁を兼ねてチップ搭載部112の搭載面の周辺は斜めにせりあがっている。モールド部底面115は、LEDチップ搭載部112の搭載面と平行であり、LEDチップ116の出射光の光軸113とは垂直の関係にある。また、照射方向中心線113は、水平方向から図中左下に若干傾いている。また、モールド部底面115はサンドブラスト法等で表面に微細で均一な凹凸形状が施されている。
【0053】
一方で西日の入射方向114は、逆にやや図中左上から向かっており、西日114がLEDランプ110に入射したとき、入射光のごく一部はチップ搭載部112の搭載面およびその周辺の反射壁に到達して反射されるが、ほとんどはチップ搭載部112の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部115に到達し表面の微細な凹凸により乱反射される。つまり、チップ搭載部112の搭載面での反射が低減する。
【0054】
ある程度以下の出力のLEDランプ110を図2Aに示すような密度で配列させることにより、通常の場合でも西日で照らされた場合であっても、見づらさを軽減した表示装置を提供することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図3Aはこの発明の第3実施形態のLED表示装置を用いた歩行者用信号機の模式図を示している。
【0056】
LED式歩行者用信号機は、現行では電球式の人形の周りが赤く(青く)光る従来型とは異なり、小さい人形部分のみが赤く(青く)光る。このために人形だけが異様に光る感じがあり、人形の形も潰れて見える。さらに、非実装部が大きいため、基板非実装部や外側の透明カバーに西日が反射すると反射した西日と光る人形部分とが同じような大きさとなり、判別が困難となりうる。また、弱視者の場合、高輝度であっても光る面積が小さくなると判別しづらくなり、危険であるという問題もある。
【0057】
このような問題を解決するため、図3Aに示す歩行者用信号機は、縦長の直方体形状の本体200の前面側に赤色の上側人形部201と青色の下側人形部202を配置し、上側人形部201の周りを囲むように、上側人形部201と同色のLEDランプをフレーム状に配置して枠部203を形成すると共に、下側人形部202の周りを囲むように、下側人形部202と同色のLEDランプをフレーム状に配置して枠部204を形成している。この枠部203,204を用いて、上側人形部201と下側人形部202に加えて周りのフレームが光るようにしている。この歩行者用信号機では、第1,第2実施形態のLEDランプを用いている。
【0058】
これにより、光る面積や外周長さを増大させ、外側から、光る枠部203,204(赤(青))と非発光部205,206(黒) と発光部である上側人形部201と下側人形部202(赤(青))の構成によりコントラストを高めることができる。結果として弱視者の認識度も上がり、西日に対しても判別しやすくなる。また、適正な出力のLEDランプとすることで人形が異様に光る感じも低減できる。
【0059】
図3Bは上記LED表示装置を用いた歩行者用信号機の変形例の外観図を示している。図3Bでは、図3Aと同様に、上側人形部と下側人形部を配置しているが、ここでは省略している。
【0060】
図3Bに示す歩行者用信号機は、縦長の直方体形状の本体300の前面側に人形部301を配置し、人形部301の周りを囲むようにLEDランプをフレーム状に配置して枠部303を形成している。この枠部303は、複数のLEDランプからなる。
【0061】
図3Bのように、枠部303は、ただ人形と同期して光るだけでなく、残り時間をカウントダウン式に表示しても良い。例えば、図3Bのように枠部303の一部を、矢印Rの方向に序々に少しずつ消してようにしても良い。また、枠部303の色は、赤、青どちらの残り時間かが分かるよう、外側から、光る枠部303(赤(青))+非発光部305(黒)+発光部である人形部301(赤(青))の構成が望ましい。また、カウントダウン式に消していくのは、赤(青)のとき、反対の青(赤)の外周部をさらに利用しても良い。
【0062】
また、法令などの制度が変わり、人形部が白色、周りが赤(青)色というように、高い実装密度での配列がLED方式で可能となれば、第1,第2実施形態のような方法で西日対策を実現しても良い。
【0063】
また、上記LED表示装置の人形部は、分割された複数の部分からなり、その人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、人形部が動いているようにしてもよく、この場合、人形部が動いているように見えることによって、視認性が向上する。
【0064】
上記実施の形態では、西日に限らず、朝日に照らされても、コスト増加を抑えつつ簡単な構成で見づらさを軽減できる。
【0065】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1A】図1Aはこの発明の第1実施形態のLED表示装置の模式図である。
【図1B】図1Bは上記電光表示板の表示部の要部の拡大図を示している。
【図1C】図1Cは図1BのIC−IC線から見た要部の断面図である。
【図1D】図1Dは上記第1実施形態に使用することができる第1変形例のLEDランプの断面図である。
【図1E】図1Eは上記第1実施形態に使用することができる第2変形例のLEDランプの断面図である。
【図1F】図1Fは上記第1実施形態に使用することができる第3変形例のLEDランプの断面図である。
【図2A】図2Aはこの発明の第2実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板101の模式図である。
【図2B】図2Bは上記電光表示板の表示部の要部の拡大図を示している。
【図2C】図2Cは図2BのIIC−IIC線から見た要部の断面図である。
【図3A】図3Aはこの発明の第3実施形態のLED表示装置を用いた歩行者用信号機の模式図である。
【図3B】図3Bは上記LED表示装置を用いた歩行者用信号機の変形例の模式図を示している。
【符号の説明】
【0067】
1,100…電光表示板
2,102…表示部
10,20,30,40,110…LEDランプ
11,21,31,41,111…モールド部
12,22,32,42,112…チップ搭載部
13,23,33,43,113…出射光の光軸
14,114…西日の入射方向
15,115…モールド部底面
16,26,36,46,116…LEDチップ
24,34,44…リードフレーム
200,300…本体
201…上側人形部
202…下側人形部
203,204,303…枠部
205,206,305…非発光部
301…人形部
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED表示装置および歩行者用信号機に関し、詳しくは、LEDを用いた看板、道路標識、文字表示板、信号機等に好適なLED表示装置およびそれを用いた歩行者用信号機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高輝度に発光可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が開発され、使用されるようになってきている。最近では、高輝度LEDが、道路や店舗での電光表示板、カラーディスプレイ(看板)、交通信号灯等に利用され始めている。このようなLEDは、信頼性が高く寿命も長いので、光源の交換周期も大幅に減少できる。また、個々のLED自体が固有の色で発光するため、カラーフィルターを持つ必要がない。これにより、LEDを用いたLED表示装置では、コスト削減や、交換時の手間の削減、メンテナンスによる表示停止時間の縮小が実現できる。
【0003】
しかしながら、近年のLED表示装置では、使用されるLEDが必要以上に高輝度であるために、表示された文字や画像がかえって潰れて見えて読み取りにくい場合がある。道路での文字表示板等では、個々のLEDが高輝度過ぎると、複数のLED同時点灯で表示される文字・図形がかえって不明瞭に見える。
【0004】
かといってLEDの実装密度を低くしたり実装面積を小さくしたりすると、表示できる内容に制約ができたり判別が難しくなったりする。特に歩行者用信号機においては、人形の周りが赤く(青く)光る従来型とは異なり、LEDを用いた歩行者用信号機は、小さい人形部分のみが赤く(青く)光る。このために、高輝度LEDでは、人形だけが異様に光る感じがあり、人形の形も潰れて見える。さらに、非実装部が大きいため、基板非実装部や外側の透明カバーに西日が反射すると、反射した西日と光る人形部分とが同じような大きさとなり、実際は光っていないのに光っているように見えるいわゆる擬似点灯状態となり判別が困難になるという問題がある。また、弱視者の場合、高輝度であっても光る面積が小さくなると判別しづらく危険であるという問題もある。
【0005】
よって、ある程度の輝度つまりある程度以下の出力のLEDを高い実装密度や広い実装面積で配列することが好ましい。これはLEDの単価低減にもつながる。
【0006】
ところが、高い実装密度の場合、LED表示装置において基板表面の占める面積が減る一方で、LEDの中にあるチップ搭載部を兼ねた金属反射板が占める割合が増大し、特に西日が直射するような場合、リフレクターがあるかのように反射光が生じて、LEDが点灯している部分と消灯部分とのコントラストが悪くなって、非表示部分が擬似点灯に近い状態となり表示が見づらくなる。このような反射光に打ち勝つようにLEDの出力を上げると、前述の理由により読み取りにくくなる上に、初期コストや消費電力が増えることによりランニングコストが増大する。
【0007】
これに対する先行技術として、LEDランプのモールド部表面に着色層を形成するLED表示装置がある(例えば、特開2001−68739号公報(特許文献1)参照)。このLED表示装置では、西日が2回着色層を通過するのに対して、LEDチップからの光は1回着色層を通過するだけにすることにより、西日反射を抑えることができる。しかしながら、このLED表示装置は、程度の差はあれ、LEDチップからの光も確実にロスするため、その分余分なLEDランプ出力が必要となり、着色層形成による初期コストが増大すると共に、消費電力が増えてランニングコストが増大する。
【特許文献1】特開2001−68739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明の課題は、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で視認性を向上できる低コストなLED表示装置および歩行者用信号機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明のLED表示装置は、
複数のLEDランプが表示部に配列されたLED表示装置であって、
上記複数のLEDランプは、LEDチップと、上記LEDチップが搭載され、上記LEDチップの出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、上記LEDチップと上記チップ搭載部を内部に配置した光透過性を有するモールド部とを備え、
上記複数のLEDランプが、上記表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部の搭載面への入射光を低減可能な構造であることを特徴とする。
【0010】
上記構成のLED表示装置によれば、表示部に配列された複数のLEDランプが、表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部への入射光を減らすことが可能な構造とすることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で視認性を向上できる低コストなLED表示装置を実現できる。
【0011】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの光軸方向から見て楕円形状または長円形状をしていると共に、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記モールド部の上記凸レンズ部は、上記凸モールド部の長手方向かつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、上記モールド部の長手方向に対して直交しかつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっており、
上記複数のLEDランプが配列された上記表示部の面に沿って上記モールド部の長手方向をランダムに向けて、上記複数のLEDランプを配列している。
【0012】
上記実施形態によれば、上記複数のLEDランプが配列された表示部の面に沿って楕円形状(または長円形状)のモールド部の長手方向をランダムに向けて、複数のLEDランプを配列することによって、西日が横向きのLEDランプに入射したとき、チップ搭載部の搭載面から外れるので、チップ搭載部の搭載面での反射が低減される。また、モールド部の長手方向かつLEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、モールド部の長手方向に対して直交しかつLEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっているので、向きの異なるLEDランプの指向特性(発光強度の角度分布)が異なり、LED表示装置全体として満遍なく指向特性が広がり、表示むらが感じられにくくなる。
【0013】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが平行でない。
【0014】
上記実施形態によれば、LEDチップの出射光の光軸とモールド部の凸レンズ部の光軸とが平行でないことによって、例えば、LEDチップの出射光の光軸よりもモールド部の凸レンズ部の光軸方向を水平面に対して斜め前方に傾けることで、西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0015】
また、一実施形態のLED表示装置では、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行で、かつ、上記LEDチップの出射光の光軸が上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸よりも上側にある。
【0016】
上記実施形態によれば、LEDチップの出射光の光軸とモールド部の凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行であることによって、例えば、モールド部の凸レンズ部の光軸よりもLEDチップの出射光の光軸を上側にすると共に、モールド部の凸レンズ部の光軸およびLEDチップの出射光の光軸を、水平面に対して斜め前方に傾けることで西日や朝日がチップ搭載部に届きにくくなり、チップ搭載部での反射を確実に低減できる。
【0017】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部が平行でない。
【0018】
上記実施形態によれば、モールド部の底面とチップ搭載部が平行でないことによって、例えば、チップ搭載部の搭載面をモールド部の底面に対して斜め前方に傾けることで西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0019】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、上記モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜している。
【0020】
上記実施形態によれば、モールド部の底面とチップ搭載部の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜していることによって、例えば、モールド部の凸レンズ部の光軸方向に対してチップ搭載部の搭載面の垂直方向を斜め前方に傾けたり、チップ搭載部の搭載面の垂直方向に対してモールド部の凸レンズ部の光軸方向を斜め前方に傾けたりすることで、西日や朝日がチップ搭載部の搭載面に届きにくくなり、チップ搭載部の搭載面での反射を確実に低減できる。
【0021】
また、一実施形態のLED表示装置では、上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に設けられた互いに交差する上側平面部と下側平面部とを有し、上記上側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する一方、上記下側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面する。
【0022】
上記実施形態によれば、上記複数のLEDランプのモールド部のLEDチップの出射側に、LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する上側平面部と、LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面する下側平面部とを互いに交差するように設けることによって、西日や朝日がLEDランプに斜め上方から入射したとき、入射光のごく一部はチップ搭載部の搭載面に到達して反射されるが、ほとんどはチップ搭載部の搭載面から外れるので、チップ搭載部の搭載面での反射が低減される。
【0023】
また、一実施形態のLED表示装置では、道路情報の電光掲示板、LED看板、RGBドットマトリクスフルカラーディスプレイ、車両用信号機のうちのいずれか1つに用いられる。
【0024】
また、この発明の歩行者用信号機では、
上記のいずれか1つのLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられ、赤色または青色に点灯する枠部とを有することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むようが赤色または青色に点灯する枠部とを有する上記LED表示装置を用いることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で見づらさを軽減できる低コストな歩行者用信号機を実現できる。
【0026】
また、この発明の歩行者用信号機では、
上記のいずれか1つのLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられた枠部とを有し、上記人形部と上記枠部が赤色または青色に点灯することを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、赤色または青色に点灯する人形部と枠部とを有する上記LED表示装置を用いることによって、西日や朝日で照らされても、簡単な構成で見づらさを軽減できる低コストな歩行者用信号機を実現できる。
【0028】
また、一実施形態の歩行者用信号機では、上記LED表示装置の上記枠部は、分割された複数の領域からなり、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていく。
【0029】
上記実施形態によれば、上記LED表示装置の枠部は、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていくことにより、人形部の点灯した状態が保たれる残り時間を人が容易に認識することが可能となる。
【0030】
また、一実施形態の歩行者用信号機では、
上記LED表示装置の上記人形部は、分割された複数の部分からなり、
上記人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、上記人形部が動いているように見える。
【0031】
上記実施形態によれば、LED表示装置の人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、人形部が動いているように見えることによって、視認性が向上する。
【0032】
また、この発明の歩行者用信号機では、
複数のLEDランプが表示部に配列された歩行者用信号機であって、
人形部と、その人形部の周りを囲むようにかつ上記人形部に接しないように設けられた枠部と、上記点灯した人形部と上記枠部との間に設けられた非点灯部とを有することを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、点灯した人形部と枠部の間に点灯しない部分を有することによって、西日に対しても判別しやすく、コントラストを高めることができ、弱視者の認識度も向上する。
【発明の効果】
【0034】
以上より明らかなように、この発明のLED表示装置および歩行者用信号機によれば、チップ搭載部への日光の入射を低減可能な構成とすることによって、チップ搭載部の搭載面に西日や朝日が反射し、表示領域において、LEDランプが点灯している部分と消灯部分とのコントラストが悪くなって表示が見づらくなることを防ぐことができる。これにより、適正な出力のLEDランプを高い実装密度や広い実装面積で使用するという理想的な使用方法が良好な視野性で実現でき、LEDランプの出力すなわちコストを過剰に上げることを避けることができる。
【0035】
特に、歩行者用信号機に適用すると、西日や朝日による深刻な見間違いを防止でき、また色弱者への視野性も向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、この発明のLED表示装置および歩行者用信号機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0037】
〔第1実施形態〕
図1Aはこの発明の第1実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板1の模式図を示し、図1Bは上記電光表示板1の表示部2の要部S1の拡大図を示している。
【0038】
図1Aに示す電光表示板1は、複数のLEDランプ10により構成されている。図1Bに示すように、LEDランプ10は、正面から見て長円形状(または楕円形状)をしている。このLEDランプ10を電光表示板1の表示部2にアレイ状に並べている。ここで、LEDランプ10から指向特性の最も強い強度が得られる方向(通常は図1Cに示すチップ搭載部12の搭載面に対して垂直方向(指向特性図の0°方向))を、電光表示板1を見る人に向けて配置する。例えば、道路での電光表示板1であれば、設置場所の約100m程度手前である。さらに、図1Bに示すように、LEDランプ10は、楕円形の長手方向が縦、横、縦、横、…となるように交互に格子状に配置している。
【0039】
図1Cは図1BのIC−IC線から見た要部の断面図を示している。図1Cに示すランプ10のモールド部11は、透明エポキシ樹脂で構成されている。また、LEDチップ16が搭載されたチップ搭載部12は、Au−Niおよび/またはAgメッキで構成されており、反射壁を兼ねてLEDチップ搭載部12の搭載面の周辺は斜めにせりあがっている。さらに、モールド部底面15は、LEDチップ搭載部12の搭載面と平行であり、LEDチップの照射方向中心線13に対して垂直である。また、照射方向中心線13は、設置場所の約100m程度手前に向かって水平面に対して図中左下に若干傾いている。また、モールド部底面15は、サンドブラスト法等で表面に微細で均一な凹凸形状が施されている。
【0040】
また、上記モールド部11の前面側に、凸レンズ部の一例としての凸面状のレンズ11aを設けている。そして、長手方向が縦向きのLEDランプ10は、モールド部11のレンズ11aの垂直断面の曲率半径が大きく、長手方向が横向きのLEDランプ10は、モールド部11のレンズ11aの垂直断面の曲率半径が小さくなっている。すなわち、長手方向が縦向きのLEDランプ10の場合は、長手方向かつLEDチップ16の光軸に沿った断面における出射光の指向特性が狭いのに対して、長手方向が横向きのLEDランプ10の場合は、長手方向に直交しかつLEDチップ16の光軸に沿った断面における出射光の指向特性が広くなる。
【0041】
一方で西日の入射方向14は、逆に水平面に対して図中やや左上から右下に向かっており、縦向きのLEDランプ10に西日が入射したときは、入射光の一部は、チップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁に到達し反射され、残りはチップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部15に到達し、表面の微細な凹凸により乱反射される。一方、横向きのLEDランプ10に西日が入射したときは、すべてチップ搭載部12の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部15に到達し、表面の微細な凹凸により乱反射される。つまり、横向きのLEDランプ10において、チップ搭載部12の搭載面での反射が低減される。
【0042】
また一方で、縦向きのLEDランプ10と横向きのLEDランプ10とで指向特性(発光強度の角度分布)が異なる。それが交互に配列されていることで、電光表示板1全体として満遍なく指向特性が広がり、表示むらが感じられにくくなる。
【0043】
なお、図1A〜図1CのLED表示装置としての電光表示板1とは異なり、長手方向の横向き、縦向きもしくは斜め方向が、偏らずにほぼ均一に周期的もしくはランダムにLEDランプが配列されていてもよい。
【0044】
また、LEDチップを搭載するチップ搭載部の搭載面が小さい方がそこでの反射を減じることができる。
【0045】
また、ある程度以下の出力のLEDランプ10を図1Aに示すような密度で配列させることにより、西日で照らされた場合であっても、見づらさを軽減した電光表示板を提供することができる。
【0046】
(第1変形例)
上記第1実施形態に使用することができる別の第1変形例のLEDランプ20を図1Dに示す。ここではLEDランプ20は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。LEDチップ26が搭載されたチップ搭載部22の搭載面は、正面を向き水平面に対して略垂直である。一方でモールド部21およびモールド部底面25は、チップ搭載部22の搭載面と平行ではなく、図1Dにおいて水平面に対して左下に若干傾いている。つまり、モールド部21の前側に設けられたレンズ21aの光軸27が、チップ搭載部22の搭載面に搭載されたLEDチップ26からの出射光の光軸23と一致せずに斜め下方に向かって傾いている。また、リードフレーム24は、モールド部21からモールド部底面25に対して斜めに突き出ている。その結果、レンズ21aの光軸27は、設置場所の100mより近い手前に向かって水平面に対して若干下向きに傾いている。また、出射光の光軸23は、設置場所の約100m程度手前に向かって水平面に対して若干下向きに傾いている。また、モールド部底面25が左下に傾いていて、さらにモールド部21はより左下に傾いているので、図1Dにおいて左上からの西日は、チップ搭載部22の搭載面に届きにくく、チップ搭載部22の搭載面での反射が低減される。
【0047】
(第2変形例)
上記第1実施形態に使用することができるさらに別の第2変形例のLEDランプ30を図1Eに示す。ここでは、LEDランプ30は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。ここでは、LEDチップ36が搭載されたチップ搭載部32の搭載面とモールド部底面35とは平行であるが、照射方向中心線33と、モールド部31の前側に設けられたレンズ31aの光軸37とが一致せず、所定の間隔をあけて略平行になっている。また、リードフレーム34は、モールド部31からモールド部底面35に対して垂直に突き出ている。LEDチップ36の出射光の光軸33が、レンズ31aの光軸37よりも上側にずれていることで、図1Eにおいて左上からの西日は、チップ搭載部32の搭載面に届きにくく、チップ搭載部32の搭載面での反射が低減される。
【0048】
(第3変形例)
上記第1実施形態に使用することができるさらに別の第3変形例のLEDランプ40を図1Fに示す。ここでは、LEDランプ40は、正面から見て長円形状でなく円形であっても良い。また、図1Dとは逆で、LEDチップ46が搭載されたチップ搭載部42の搭載面は、モールド部底面45と平行ではなく図中左下に若干傾いている。一方でモールド部底面45は正面を向き水平面に対して略垂直である。また、リードフレーム44は、モールド部41からモールド部底面45に対して斜めに突き出ている。また、図1Dと同様で、LEDチップ46からの出射光の光軸43が、モールド部41の前側に設けられたレンズ41aとの光軸47と一致せず、斜め下方に向かって傾いているため、図中左上からの西日はチップ搭載部42の搭載面に届きにくく、チップ搭載部42の搭載面での反射が低減される。
【0049】
図1D〜図1Fに示す第1〜第3変形例ともに、モールド部底面25,35,45は微細な凹凸形状となっていることが好ましい。
【0050】
〔第2実施形態〕
図2Aはこの発明の第2実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板101の模式図を示しており、図2Bは上記電光表示板101の表示部102の要部S2の拡大図を示している。
【0051】
LEDランプ110は、正面から見て四角い形状をしている。また、LEDランプ110表面は2平面が鈍角で交わったような形状となっている。これをアレイ状に並べる際に、LEDランプ110から指向特性の最も強い強度が得られる方向(通常はチップ搭載部112の搭載面に対して垂直方向(指向特性図の0°方向))を、電光表示板101を見る人に向けて配置する。図2Aは柱に掲げたメッセージボードである。この場合、電光表示板101を見る人は数十m先である。また、これが歩行者用信号機であれば、表示を見る人は横断歩道の手前付近である。
【0052】
図2Cは図2BのIIC−IIC線から見た要部の断面図を示している。図2Cに示すLEDチップ116のモールド部111は、透明エポキシ樹脂で構成されている。また、LEDチップ116が搭載されたチップ搭載部112は、Au−Niおよび/またはAgメッキで構成されており、反射壁を兼ねてチップ搭載部112の搭載面の周辺は斜めにせりあがっている。モールド部底面115は、LEDチップ搭載部112の搭載面と平行であり、LEDチップ116の出射光の光軸113とは垂直の関係にある。また、照射方向中心線113は、水平方向から図中左下に若干傾いている。また、モールド部底面115はサンドブラスト法等で表面に微細で均一な凹凸形状が施されている。
【0053】
一方で西日の入射方向114は、逆にやや図中左上から向かっており、西日114がLEDランプ110に入射したとき、入射光のごく一部はチップ搭載部112の搭載面およびその周辺の反射壁に到達して反射されるが、ほとんどはチップ搭載部112の搭載面およびその周辺の反射壁から外れてモールド部底部115に到達し表面の微細な凹凸により乱反射される。つまり、チップ搭載部112の搭載面での反射が低減する。
【0054】
ある程度以下の出力のLEDランプ110を図2Aに示すような密度で配列させることにより、通常の場合でも西日で照らされた場合であっても、見づらさを軽減した表示装置を提供することができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図3Aはこの発明の第3実施形態のLED表示装置を用いた歩行者用信号機の模式図を示している。
【0056】
LED式歩行者用信号機は、現行では電球式の人形の周りが赤く(青く)光る従来型とは異なり、小さい人形部分のみが赤く(青く)光る。このために人形だけが異様に光る感じがあり、人形の形も潰れて見える。さらに、非実装部が大きいため、基板非実装部や外側の透明カバーに西日が反射すると反射した西日と光る人形部分とが同じような大きさとなり、判別が困難となりうる。また、弱視者の場合、高輝度であっても光る面積が小さくなると判別しづらくなり、危険であるという問題もある。
【0057】
このような問題を解決するため、図3Aに示す歩行者用信号機は、縦長の直方体形状の本体200の前面側に赤色の上側人形部201と青色の下側人形部202を配置し、上側人形部201の周りを囲むように、上側人形部201と同色のLEDランプをフレーム状に配置して枠部203を形成すると共に、下側人形部202の周りを囲むように、下側人形部202と同色のLEDランプをフレーム状に配置して枠部204を形成している。この枠部203,204を用いて、上側人形部201と下側人形部202に加えて周りのフレームが光るようにしている。この歩行者用信号機では、第1,第2実施形態のLEDランプを用いている。
【0058】
これにより、光る面積や外周長さを増大させ、外側から、光る枠部203,204(赤(青))と非発光部205,206(黒) と発光部である上側人形部201と下側人形部202(赤(青))の構成によりコントラストを高めることができる。結果として弱視者の認識度も上がり、西日に対しても判別しやすくなる。また、適正な出力のLEDランプとすることで人形が異様に光る感じも低減できる。
【0059】
図3Bは上記LED表示装置を用いた歩行者用信号機の変形例の外観図を示している。図3Bでは、図3Aと同様に、上側人形部と下側人形部を配置しているが、ここでは省略している。
【0060】
図3Bに示す歩行者用信号機は、縦長の直方体形状の本体300の前面側に人形部301を配置し、人形部301の周りを囲むようにLEDランプをフレーム状に配置して枠部303を形成している。この枠部303は、複数のLEDランプからなる。
【0061】
図3Bのように、枠部303は、ただ人形と同期して光るだけでなく、残り時間をカウントダウン式に表示しても良い。例えば、図3Bのように枠部303の一部を、矢印Rの方向に序々に少しずつ消してようにしても良い。また、枠部303の色は、赤、青どちらの残り時間かが分かるよう、外側から、光る枠部303(赤(青))+非発光部305(黒)+発光部である人形部301(赤(青))の構成が望ましい。また、カウントダウン式に消していくのは、赤(青)のとき、反対の青(赤)の外周部をさらに利用しても良い。
【0062】
また、法令などの制度が変わり、人形部が白色、周りが赤(青)色というように、高い実装密度での配列がLED方式で可能となれば、第1,第2実施形態のような方法で西日対策を実現しても良い。
【0063】
また、上記LED表示装置の人形部は、分割された複数の部分からなり、その人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、人形部が動いているようにしてもよく、この場合、人形部が動いているように見えることによって、視認性が向上する。
【0064】
上記実施の形態では、西日に限らず、朝日に照らされても、コスト増加を抑えつつ簡単な構成で見づらさを軽減できる。
【0065】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1A】図1Aはこの発明の第1実施形態のLED表示装置の模式図である。
【図1B】図1Bは上記電光表示板の表示部の要部の拡大図を示している。
【図1C】図1Cは図1BのIC−IC線から見た要部の断面図である。
【図1D】図1Dは上記第1実施形態に使用することができる第1変形例のLEDランプの断面図である。
【図1E】図1Eは上記第1実施形態に使用することができる第2変形例のLEDランプの断面図である。
【図1F】図1Fは上記第1実施形態に使用することができる第3変形例のLEDランプの断面図である。
【図2A】図2Aはこの発明の第2実施形態のLED表示装置の一例としての電光表示板101の模式図である。
【図2B】図2Bは上記電光表示板の表示部の要部の拡大図を示している。
【図2C】図2Cは図2BのIIC−IIC線から見た要部の断面図である。
【図3A】図3Aはこの発明の第3実施形態のLED表示装置を用いた歩行者用信号機の模式図である。
【図3B】図3Bは上記LED表示装置を用いた歩行者用信号機の変形例の模式図を示している。
【符号の説明】
【0067】
1,100…電光表示板
2,102…表示部
10,20,30,40,110…LEDランプ
11,21,31,41,111…モールド部
12,22,32,42,112…チップ搭載部
13,23,33,43,113…出射光の光軸
14,114…西日の入射方向
15,115…モールド部底面
16,26,36,46,116…LEDチップ
24,34,44…リードフレーム
200,300…本体
201…上側人形部
202…下側人形部
203,204,303…枠部
205,206,305…非発光部
301…人形部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDランプが表示部に配列されたLED表示装置であって、
上記複数のLEDランプは、LEDチップと、上記LEDチップが搭載され、上記LEDチップの出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、上記LEDチップと上記チップ搭載部を内部に配置した光透過性を有するモールド部とを備え、
上記複数のLEDランプが、上記表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部の搭載面への入射光を低減可能な構造であることを特徴とするLED表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの光軸方向から見て楕円形状または長円形状をしていると共に、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記モールド部の上記凸レンズ部は、上記凸モールド部の長手方向かつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、上記モールド部の長手方向に対して直交しかつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっており、
上記複数のLEDランプが配列された上記表示部の面に沿って上記モールド部の長手方向をランダムに向けて、上記複数のLEDランプを配列していることを特徴とするLED表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが平行でないことを特徴とするLED表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行で、かつ、上記LEDチップの出射光の光軸が上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸よりも上側にあることを特徴とするLED表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の搭載面が平行でないことを特徴とするLED表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の搭載面の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、上記モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜していることを特徴とするLED表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に設けられた互いに交差する上側平面部と下側平面部とを有し、上記上側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する一方、上記下側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面することを特徴とするLED表示装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置において、
上記LED表示装置は、道路情報の電光掲示板、LED看板、RGBドットマトリクスフルカラーディスプレイ、車両用信号機のうちのいずれか1つであることを特徴とするLED表示装置。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられ、赤色または青色に点灯する枠部とを有することを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項10】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられた枠部とを有し、上記人形部と上記枠部が赤色または青色に点灯することを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項11】
請求項9または10に記載の歩行者用信号機において、
上記LED表示装置の上記枠部は、分割された複数の領域からなり、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていくことを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか1つに記載の歩行者用信号機において、
上記LED表示装置の上記人形部は、分割された複数の部分からなり、
上記人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、上記人形部が動いているように見えることを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項13】
複数のLEDランプが表示部に配列された歩行者用信号機であって、
人形部と、その人形部の周りを囲むようにかつ上記人形部に接しないように設けられた枠部と、上記点灯した人形部と上記枠部との間に設けられた非点灯部とを有することを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項1】
複数のLEDランプが表示部に配列されたLED表示装置であって、
上記複数のLEDランプは、LEDチップと、上記LEDチップが搭載され、上記LEDチップの出射光の光軸に対して略垂直な搭載面を有するチップ搭載部と、上記LEDチップと上記チップ搭載部を内部に配置した光透過性を有するモールド部とを備え、
上記複数のLEDランプが、上記表示部の前方より日光が照らされたときに、上記チップ搭載部の搭載面への入射光を低減可能な構造であることを特徴とするLED表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの光軸方向から見て楕円形状または長円形状をしていると共に、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記モールド部の上記凸レンズ部は、上記凸モールド部の長手方向かつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径が、上記モールド部の長手方向に対して直交しかつ上記LEDチップの出射光の光軸に沿った断面の曲率半径よりも大きくなっており、
上記複数のLEDランプが配列された上記表示部の面に沿って上記モールド部の長手方向をランダムに向けて、上記複数のLEDランプを配列していることを特徴とするLED表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが平行でないことを特徴とするLED表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に形成された凸レンズ部を有し、
上記LEDチップの出射光の光軸と上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸とが予め設定された間隔をあけて平行で、かつ、上記LEDチップの出射光の光軸が上記モールド部の上記凸レンズ部の光軸よりも上側にあることを特徴とするLED表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の搭載面が平行でないことを特徴とするLED表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部の底面と上記チップ搭載部の搭載面の少なくともいずれか一方の垂直方向に対して、上記モールド部の底面側から外部に突き出たリードフレームが傾斜していることを特徴とするLED表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載のLED表示装置において、
上記複数のLEDランプの上記モールド部は、上記LEDチップの出射側に設けられた互いに交差する上側平面部と下側平面部とを有し、上記上側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め上方に向かって面する一方、上記下側平面部が上記LEDチップの出射光の光軸よりも斜め下方に向かって面することを特徴とするLED表示装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置において、
上記LED表示装置は、道路情報の電光掲示板、LED看板、RGBドットマトリクスフルカラーディスプレイ、車両用信号機のうちのいずれか1つであることを特徴とするLED表示装置。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、白色に点灯する人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられ、赤色または青色に点灯する枠部とを有することを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項10】
請求項1から7までのいずれか1つに記載のLED表示装置を用いた歩行者用信号機であって、
上記LED表示装置は、人形部と、その人形部の周りを囲むように設けられた枠部とを有し、上記人形部と上記枠部が赤色または青色に点灯することを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項11】
請求項9または10に記載の歩行者用信号機において、
上記LED表示装置の上記枠部は、分割された複数の領域からなり、時間が経つにつれて点灯している上記領域が徐々に減っていくことを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか1つに記載の歩行者用信号機において、
上記LED表示装置の上記人形部は、分割された複数の部分からなり、
上記人形部の複数の部分のうちの一部を交互に点灯させて、上記人形部が動いているように見えることを特徴とする歩行者用信号機。
【請求項13】
複数のLEDランプが表示部に配列された歩行者用信号機であって、
人形部と、その人形部の周りを囲むようにかつ上記人形部に接しないように設けられた枠部と、上記点灯した人形部と上記枠部との間に設けられた非点灯部とを有することを特徴とする歩行者用信号機。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【公開番号】特開2010−26863(P2010−26863A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188789(P2008−188789)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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