説明

MCP−1に結合する核酸

本発明は、1A型核酸、1B型核酸、2型核酸、3型核酸、4型核酸、および配列番号87ないし115のいずれかの核酸配列を有する核酸を含んでなる群から選択される、好ましくはMCP−Iに結合する核酸に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MCP−1に結合する核酸、ならびにそれぞれ医薬品および診断剤の製造のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトMCP−1(単球走化性タンパク質−1;代替名MCAF[単球走化性・活性化因子];CCL2;SMC−CF[平滑筋細胞コロニー刺激因子];HC−11;LDCF;GDCF;TSG−8;SCYA2;A2;SwissProt受託コードP13500)は、独立に3群を特徴とした(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。それは76アミノ酸よりなり、そして全部のケモカインのようなヘパリン結合部位を特徴とする。2個の分子内ジスルフィド結合が該分子に安定な固い構造を賦与する。さらに、MCP−1はそのアミノ末端にピログルタミン酸を保有する。Thr 71に潜在的O−結合グリコシル化部位が位置する。付加的なMCPファミリーメンバーはヒト(MCP−2、−3、−4)およびマウス(MCP−2、−3、−5)双方に存在する。該ヒトタンパク質はヒトMCP−1におよそ70%相同である。
【0003】
MCP−1の構造はNMR(非特許文献4)およびX線(非特許文献5)により解明された。MCP−1単量体は、アミノ末端システインの後にギリシャキーモチーフ中の3個の反平行β−プリーツシートに至る1個の長いループが続く典型的なケモカイン折り畳みを有する。該タンパク質は3個のβシートの上に重なるαヘリックス中で終端する(PDBデータ受託コード1DOK)。
【0004】
異なる哺乳動物種からのMCP−1形態の三次元構造は一般に維持されているとは言え、アミノ酸配列は進化の間にとりわけ良好に保存されてはいない。配列アライメントの結果は、最初の76アミノ酸内にヒトおよびマウスMCP−1(JEともまた呼ばれる)間で55%の全体的配列類似性を示す。アミノ酸配列は別にして、マウスMCP−1は分子の大きさ(125アミノ酸)およびグリコシル化の程度がヒトMCP−1と異なる。マウスMCP−1はヒトMCP−1中に存在せずかつin vitro生物活性に必要とされない49アミノ酸のカルボキシ末端ドメインを含有する。ヒトMCP−1は、以下からのMCP−1と、以下の割合の同一のアミノ酸を共有する:
【0005】
【表1】

【0006】
この高程度の相違を考えれば、げっ歯類モデルでの薬理学的研究の成功裏の成績のため
に、げっ歯類MCP−1のアンタゴニストを生成することが必要でありうる。
【0007】
MCP−1は、単球/マクロファージ、好塩基球、活性化T細胞およびNK細胞の強力な誘引物質である。内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、滑膜細胞、メサンギウム細胞、骨芽細胞、平滑筋細胞のような多様な細胞型、ならびに多数の腫瘍細胞がMCP−1を発現する(非特許文献6)。その発現は、IL−1β、TNF−α、IFN−γ、LPS(リポ多糖)およびGM−CSFのようないくつかの型の炎症前剤により刺激される。
【0008】
乱雑なケモカインネットワークにおいてはむしろ異常に、MCP−1はその受容体の使用において高度に特異的であり、ケモカイン受容体CCR2にのみ高親和性で結合する。全部のケモカイン受容体のようにCCR2はGPCRである(非特許文献7)。CCR2は、カルボキシ末端領域をコードするmRNAの選択的スプライシングにより2種のわずかに異なる形態すなわちCCR2aおよびCCR2bで発現されるようである(非特許文献8)。これらの受容体は、単球、骨髄系前駆細胞および活性化T細胞で発現される(非特許文献9;非特許文献10)。HEK−293細胞にトランスフェクトした受容体に対するMCP−1の解離定数は260pMであり、これは単球で測定される値と一致している(非特許文献9;非特許文献11)。トランスフェクトしたHEK−293細胞上のCCR2bのMCP−1での活性化は、90pMの濃度でアデニリルシクラーゼを阻害し、そしてわずかにより高い濃度で(見るところホスファチジルイノシトール加水分解に依存せず)細胞内カルシウムを動員する。アデニリルシクラーゼおよび細胞内カルシウム放出に対する影響は破傷風毒素により強く阻害され、シグナル伝達におけるG型ヘテロ三量体Gタンパク質の関与を意味している(非特許文献9)。
【0009】
MCP−1は炎症を起こした組織への単球の動員に関与する。そこで、常在性マクロファージは、MCP−1および他者のようなケモカイン、ならびにTNF、IL−1βおよび他者のようなサイトカインを放出し、それらは一連の接着分子を発現するように内皮細胞を活性化する。生じる「粘着性」内皮は血管中の単球をその表面に沿ってローリングさせる。ここで、単球は内皮表面上に提示されるMCP−1に遭遇し、MCP−1は単球上のCCR2に結合しかつそれらを活性化する。これは最終的に確実な停止、内皮に沿った単球の拡散および周囲組織への遊出に至り、周囲組織で単球はマクロファージに分化しかつ最大MCP−1濃度の部位に移動する。
【0010】
MCP−1は、小型(約8〜14kDa)ヘパリンに結合する、大部分は塩基性かつ構造上関係した分子の1ファミリーであるケモカインファミリーの1メンバーである。それらは炎症を起こした組織で主に形成され、そして白血球(white blood cell)(白血球(leukocyte))の動員、活性化および増殖を調節する(非特許文献6;非特許文献12;非特許文献13)。ケモカインは、好中球、好酸球、好塩基球、単球、マクロファージ、肥満細胞、TおよびB細胞の走化性を選択的に誘導する。それらの走化効果に加え、それらは、細胞形状の変化、遊離細胞内カルシウムイオンの濃度の一過性増大、脱顆粒、インテグリンの上方制御、ロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサンのような生物活性脂質の形成、または呼吸性バースト(病原性生物体若しくは腫瘍細胞の破壊のための反応性酸素種の放出)のような応答性細胞での他の効果を選択的に発揮し得る。従って、さらなる炎症前メディエーターの放出、感染若しくは炎症の部位への白血球の走化性および血管外遊走を惹起することにより、ケモカインは炎症反応の増大を誘発する。
【0011】
4個の保存されたシステイン残基の最初の2種の配置に基づき、ケモカインは4分類、すなわち、システインが縦列であるCC若しくはβ−ケモカイン、それらが1個の付加的なアミノ酸残基により分離されているCXC若しくはα−ケモカイン、ただ1個のジスル
フィド架橋を有する、今日まで唯一の代表(representant)としてリンホタクチンを含むXC若しくはγケモカイン、および今日まで知られている唯一の分類メンバーとして膜結合型フラクタルカインを含む、システイン間の3アミノ酸残基を特徴とするCX3Cケモカインに分割される(Bazan 1997)。
【0012】
CXCケモカイン、とりわけそれらのアミノ末端にアミノ酸配列ELRを保有するCXCケモカインは主に好中球に作用する。好中球上で活性であるCXCケモカインの例は、IL−8、GROα、−βおよび−γ、NAP−2、ENA−78およびGCP−2である。CCケモカインは、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球のようなより多様な白血球、ならびにTおよびBリンパ球に作用する(非特許文献14;非特許文献6;非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。これらの例は、I−309;MCP−1、−2、−3、−4、MIP−1αおよび−β、RANTESならびにエオタキシンである。
【0013】
ケモカインは、7個の膜を貫通するGタンパク質共役受容体(GPCR;非特許文献18)のスーパーファミリーに属する受容体を通じて作用する。一般的に言って、ケモカインおよびケモカイン受容体の相互作用は、1種のケモカインが多くのケモカイン受容体に結合し得、かつ、逆に、単一のケモカイン受容体が数種のケモカインと相互作用し得るために、乱雑である傾向がある。CCケモカインの数種の既知の受容体は、MIP−1αおよびRANTESを結合するCCR1(非特許文献19;非特許文献20);MCP−1、−2、−3および−4を包含するケモカインを結合するCCR2(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献21;非特許文献22);エオタキシン、RANTESおよびMCP−3を包含するケモカインを結合するCCR3(非特許文献23);MCP−1、MIP−1αおよびRANTESに応答してシグナルを発することが見出されたCCR4(非特許文献24);ならびにMIP−1αおよび−β、ならびにRANTESに応答してシグナルを発することが示されたCCR5(非特許文献25;非特許文献26;非特許文献27)を包含する。
【0014】
上で挙げられたとおり、MCPファミリーの全4メンバー(1−4)はCCR2に結合する一方、MCP−2、MCP−3およびMCP−4は、CCR1およびCCR3(非特許文献21;非特許文献28;非特許文献29)、ならびにMCP−2の場合はCCR5(非特許文献30)ともまた相互作用し得る。MCPファミリーとの高い相同性を示す別のCCケモカインはエオタキシンであり、それは元はアレルゲンで攻撃した感作されたモルモットから採取した気管支肺胞洗浄液から単離された(非特許文献16)。エオタキシンはまたCCR2も活性化し得ることが示されている(非特許文献31)。
【0015】
本発明の根底にある問題は、MCP−1と特異的に相互作用する手段を提供することである。より具体的には、本発明の根底にある問題は、MCP−1と特異的に相互作用する、核酸に基づく手段を提供することである。
【0016】
本発明の根底にあるさらなる一問題は、ヒト若しくはヒト以外の疾患の処置のための医薬品の製造のための手段を提供することであり、該疾患は、こうした疾患の発病機序に直接若しくは間接的にのいずれかで関与しているMCP−1を特徴とする。
【0017】
本発明の根底にあるなおさらなる一問題は、疾患の処置のための診断剤の製造のための手段を提供することであり、該疾患は、こうした疾患の発病機序に直接若しくは間接的にのいずれかで関与しているMCP−1を特徴とする。
【非特許文献1】Matsushima 1988
【非特許文献2】Rollins 1989
【非特許文献3】Yoshimura 1989
【非特許文献4】Handel 1996
【非特許文献5】Lubkowski 1997
【非特許文献6】Baggiolini 1994
【非特許文献7】Dawson 2003
【非特許文献8】Charo 1994
【非特許文献9】Myers 1995
【非特許文献10】Qin 1996
【非特許文献11】Van Riper 1993
【非特許文献12】Springer 1995
【非特許文献13】Schall 1994
【非特許文献14】Oppenheim 1991
【非特許文献15】Miller 1992
【非特許文献16】Jose 1994
【非特許文献17】Ponath 1996a
【非特許文献18】Murphy 2000
【非特許文献19】Neote 1993
【非特許文献20】Gao 1993
【非特許文献21】Gong 1997
【非特許文献22】Garcia−Zepeda 1996
【非特許文献23】Ponath 1996b
【非特許文献24】Power 1995
【非特許文献25】Boring 1996
【非特許文献26】Raport 1996
【非特許文献27】Samson 1996
【非特許文献28】Heath 1997
【非特許文献29】Uguccioni 1997
【非特許文献30】Ruffing 1998
【非特許文献31】Martinelli 2001
【発明の開示】
【0018】
[発明の要約]
本発明の根底にあるこれらおよび他の問題は、付属される独立請求項の主題により解決される。好ましい態様を従属請求項から採用しうる。
【0019】
本発明の根底にある問題は、1A型核酸、1B型核酸、2型核酸、3型核酸、4型核酸、および配列番号87ないし115のいずれかの核酸配列を有する核酸を含んでなる群から選択される、好ましくはMCP−1に結合する核酸により、第一のアスペクトにおいてもまた解決される。
【0020】
該第一のアスペクトの第一の下位アスペクト(subaspect)において、1A型核酸は、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB4、第五の伸長ボックスB5、第六の伸長ボックスB6および第七の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第七の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1AはAGCRUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCCCGGWのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はGURのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB4はRYAのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB5はGGGGGRCGCGAYCのヌクレオチド配列を含んでなり

第六の伸長ボックスB6はUGCAAUAAUG若しくはURYAWUUGのヌクレオチド配列を含んでなり、および
第七の伸長ボックスB1BはCRYGCUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0021】
第一の下位アスペクトの好ましい一態様において、
第一の伸長ボックスB1AはAGCGUGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0022】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第二の伸長ボックスB2はCCCGGUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0023】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第三の伸長ボックスB3はGUGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0024】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第四の伸長ボックスB4はGUAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0025】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第五の伸長ボックスB5はGGGGGGCGCGACCのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0026】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第六の伸長ボックスB6はUACAUUUGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0027】
第一の下位アスペクトの一態様において、
第七の伸長ボックスB1BはCACGCUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0028】
第一の下位アスペクトの一態様において、該核酸は配列番号21の核酸配列を含んでなる。
【0029】
第一のアスペクトの第二の下位アスペクトにおいて、1B型核酸は、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB4、第五の伸長ボックスB5、第六の伸長ボックスB6および第七の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第七の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1AはAGYRUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCCAGCU若しくはCCAGYのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はGUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB4はAUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB5はGGGGGGCGCGACCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第六の伸長ボックスB6はCAUUUUA若しくはCAUUUAのヌクレオチド配列を含んでなり、および
第七の伸長ボックスB1BはCAYRCUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0030】
該第二の下位アスペクトの一態様において、
第一の伸長ボックスB1AはAGCGUGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0031】
第二の下位アスペクトの一態様において、
第二の伸長ボックスB2はCCAGUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0032】
第二の下位アスペクトの一態様において、
第六の伸長ボックスB6はCAUUUUAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0033】
第二の下位アスペクトの一態様において、
第七の伸長ボックスB1BはCACGCUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0034】
第二の下位アスペクトの一態様において、該核酸は、配列番号28および配列番号27の核酸配列を含んでなる。
【0035】
第一のアスペクトの第三の下位アスペクトにおいて、2型核酸は、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2および第三の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第三の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、ACGCA、CGCAおよびGCAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCSUCCCUCACCGGUGCAAGUGAAGCCGYGGCUCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB1Bは、UGCGU、UGCGおよびUGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。
【0036】
該第三の下位アスペクトの一態様において、
第二の伸長ボックスB2はCGUCCCUCACCGGUGCAAGUGAAGCCGUGGCUCのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0037】
第三の下位アスペクトの一態様において、
a)第一の伸長ボックスB1AはACGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはUGCGUのヌクレオチド配列を含んでなるか;または
b)第一の伸長ボックスB1AはCGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはUGCGのヌクレオチド配列を含んでなるか;または
c)第一の伸長ボックスB1AはGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはUGC若しくはUGCGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0038】
第三の下位アスペクトの一態様において、
第一の伸長ボックスB1AはGCAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0039】
第三の下位アスペクトの好ましい一態様において、
第三の伸長ボックスB1BはUGCGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0040】
第三の下位アスペクトの一態様において、該核酸は、配列番号37、配列番号116、配列番号117および配列番号278の核酸配列を含んでなる。
【0041】
第一のアスペクトの第四の下位アスペクトにおいて、3型核酸は、5’→3’の方向で、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2A、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB2B、第五の伸長ボックスB4、第六の伸長ボックスB5A、第七の伸長ボックスB6、第八の伸長ボックスB5Bおよび第九の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第九の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第二の伸長ボックスB2Aおよび第四のボックスB2Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第六の伸長ボックスB5Aおよび第八のボックスB5Bは場合によっては相互とハイブリダイズして、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、GURCUGC、GKSYGC、KBBSCおよびBNGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2AはGKMGUのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はKRRARのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB2BはACKMCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB4は、CURYGA、CUWAUGA、CWRMGACWおよびUGCCAGUGを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第六の伸長ボックスB5Aは、GGYおよびCWGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第七の伸長ボックスB6は、YAGA、CKAAUおよびCCUUUAUを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第八の伸長ボックスB5Bは、GCYRおよびGCWGを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、ならびに
第九の伸長ボックスB1Bは、GCAGCAC、GCRSMC、GSVVMおよびGCNVを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。
【0042】
該第四の下位アスペクトの一態様において、
第三の伸長ボックスB3は、GAGAA若しくはUAAAAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0043】
第四の下位アスペクトの一態様において、
第五の伸長ボックスB4は、CAGCGACU若しくはCAACGACUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0044】
第四の下位アスペクトの一態様において、
第五の伸長ボックスB4はCAGCGACUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、ボックスB3はUAAAAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0045】
第四の下位アスペクトの一態様において、
第五の伸長ボックスB4はCAACGACUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、ボックスB3はGAGAAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0046】
第四の下位アスペクトの一態様において、
第七の伸長ボックスB6はUAGAのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0047】
第四の下位アスペクトの一態様において、
a)第一の伸長ボックスB1AはGURCUGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCAGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第一の伸長ボックスB1AはGKSYGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCRSMCのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくはc)第一の伸長ボックスB1AはKBBSCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGSVVMのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
d)第一の伸長ボックスB1AはBNGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCNVのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0048】
第四の下位アスペクトの好ましい一態様において、
a)第一の伸長ボックスB1AはGUGCUGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCAGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第一の伸長ボックスB1AはGUGCGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくはc)第一の伸長ボックスB1AはKKSSCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGSSMMのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
d)第一の伸長ボックスB1AはSNGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCNSのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0049】
第四の下位アスペクトのさらなる好ましい一態様において、
第一の伸長ボックスB1AはGGGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BはGCCCのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0050】
第四の下位アスペクトの一態様において、該第二の伸長ボックスB2AはGKMGUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第四の伸長ボックスB2BはACKMCのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0051】
第四の下位アスペクトの好ましい一態様において、該第二の伸長ボックスB2AはGUAGUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第四の伸長ボックスB2BはACUACのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0052】
第四の下位アスペクトの一態様において、
a)第六の伸長ボックスB5AはGGYのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BはGCYRのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第六の伸長ボックスB5AはCWGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BはGCWGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0053】
第四の下位アスペクトの好ましい一態様において、
第六の伸長ボックスB5AはGGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BはGCCGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0054】
第四の下位アスペクトのより好ましい一態様において、第六の伸長ボックスB5Aは、第八の伸長ボックスB5BのヌクレオチドGCYとハイブリダイズする。
【0055】
第四の下位アスペクトの一態様において、該核酸は配列番号56に記載の核酸配列を含んでなる。
【0056】
第四の下位アスペクトの一態様において、該核酸は、配列番号57ないし61、配列番号67ないし71および配列番号73の核酸配列を含んでなる群から選択される核酸配列を含んでなる。
【0057】
第一のアスペクトの第五の下位アスペクトにおいて、4型核酸は、5’→3’の方向で、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第三の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、AGCGUGDU、GCGCGAG、CSKSUU、GUGUUおよびUGUUを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2は、AGNDRDGBKGGURGYARGUAAAG、AGGUGGGUGGUAGUAAGUAAAGおよびCAGGUGGGUGGUAGAAUGUAAAGAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、ならびに
第三の伸長ボックスB1Bは、GNCASGCU、CUCGCGUC、GRSMSG、GRCACおよびGGCAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる。
【0058】
該第五の下位アスペクトの一態様において、
a)第一の伸長ボックスB1AはGUGUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはGRCACのヌクレオチド配列を含んでなり;
b)第一の伸長ボックスB1AはGCGCGAGのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはCUCGCGUCのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
c)第一の伸長ボックスB1AはCSKSUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはGRSMSGのヌクレオチド配列を含んでなるか、若しくはd)第一の伸長ボックスB1AはUGUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはGGCAのヌクレオチド配列を含んでなるか、若しくは
e)第一の伸長ボックスB1AはAGCGUGDUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BはGNCASGCUのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0059】
第五の下位アスペクトの好ましい一態様において、第一の伸長ボックスB1AはCSKSUUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第三の伸長ボックスB1BはGRSMSGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0060】
第五の下位アスペクトのより好ましい一態様において、第一の伸長ボックスB1AはCCGCUUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第三の伸長ボックスB1BはGGGCGGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0061】
第五の下位アスペクトの一態様において、
第二の伸長ボックスB2は、AGGUGGGUGGUAGUAAGUAAAGのヌクレオチド配列を含んでなる。
【0062】
第五の下位アスペクトの一態様において、該核酸は配列番号80の核酸配列を含んでなる。
【0063】
第一ないし第五の下位アスペクトの一態様において、核酸はMCP−1、好ましくはヒトMCP−1を結合することが可能である。
【0064】
第一ないし第五の下位アスペクトの一態様において、核酸はケモカインを結合することが可能であり、該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0065】
第一ないし第五の下位アスペクトの一態様において、核酸はケモカインを結合することが可能であり、該ケモカインはヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0066】
第一ないし第五の下位アスペクトの一態様において、核酸はMCP−1を結合することが可能であり、MCP−1は好ましくはサルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1、ブタMCP−1およびヒトMCP−1を含んでなる群から選択される。
【0067】
第一ないし第五の下位アスペクトの一態様において、核酸はヒトMCP−1を結合することが可能である。
【0068】
第一ないし第五の下位アスペクトの好ましい一態様において、MCP−1は配列番号1のアミノ酸配列を有する。
【0069】
本発明の根底にある問題は、好ましくはマウスMCP−1に結合する核酸により第二のアスペクトにおいて解決され、該核酸は、配列番号122、配列番号253および配列番号254の核酸配列を含んでなる。
【0070】
本発明の根底にある問題は、好ましくはマウスMCP−1に結合する核酸により第三のアスペクトにおいて解決され、該核酸は配列番号127の核酸配列を含んでなる。
【0071】
第二および第三のアスペクトの一態様において、マウスMCP−1は配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる。
【0072】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、該核酸は修飾を含んでなり、該修飾は好ましくは高分子部分であり、かつ/または、該修飾は、好ましくは、動物若しくはヒト身体、好ましくはヒト身体中の滞留時間に関して第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の特徴を改変することを可能にする。
【0073】
第一ないし第三のアスペクトの好ましい一態様において、修飾はHES部分およびPEG部分を含んでなる群から選択される。
【0074】
第一ないし第三のアスペクトのより好ましい一態様において、修飾は直鎖若しくは分枝状PEGよりなるPEG部分であり、該PEG部分の分子量は好ましくは約20から120kDまで、より好ましくは約30から80kDまで、および最も好ましくは約40kDである。
【0075】
第一ないし第三のアスペクトの代替のより好ましい一態様において、修飾はHES部分であり、好ましくは該HES部分の分子量は約10から130kDまで、より好ましくは約30から130kDまで、および最も好ましくは約100kDである。
【0076】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、修飾はリンカーを介して核酸に結合される。
【0077】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、修飾は、その5’末端ヌクレオチドおよび/若しくはその3’末端ヌクレオチドの核酸に、ならびに/または5’末端ヌクレオチドと3’末端ヌクレオチドの間の核酸のヌクレオチドに結合される。
【0078】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、核酸のヌクレオチド若しくはそれを形成するヌクレオチドはL−ヌクレオチドである。
【0079】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、核酸はL−核酸である。
【0080】
第一ないし第三のアスペクトの一態様において、MCP−1を結合することが可能な核酸の部分はL−ヌクレオチドよりなる。
【0081】
本発明の根底にある問題は、第一、第二および第三のアスペクトの核酸、ならびに場合によっては1種のさらなる構成要素を含んでなる製薬学的組成物により、第四のアスペクトにおいて解決され、該さらなる構成要素は、製薬学的に許容できる賦形剤、製薬学的に許容できる担体および製薬学的有効成分を含んでなる群から選択される。
【0082】
該第四のアスペクトの一態様において、製薬学的組成物は、第一ないし第三のアスペクトのいずれかの核酸、および製薬学的に許容できる担体を含んでなる。
【0083】
本発明の根底にある問題は、医薬品の製造のための第一、第二および第三のアスペクトの核酸の使用により、第五のアスペクトにおいて解決される。
【0084】
該第五のアスペクトの一態様において、医薬品は、ヒト医学での使用のため若しくは獣医学での使用のためである。
【0085】
本発明の根底にある問題は、診断手段の製造のための第一、第二および第三のアスペクトの核酸の使用により、第六のアスペクトにおいて解決される。
【0086】
第五のアスペクトの一態様において、および第六のアスペクトの一態様において、医薬品および診断手段それぞれは、炎症性疾患、自己免疫疾患、自己免疫性脳脊髄炎、卒中、急性および慢性多発性硬化症、慢性炎症、関節リウマチ、腎疾患、再狭窄、血管形成術後の再狭窄、急性および慢性アレルギー反応、一次的および二次的免疫学的若しくはアレルギー反応、喘息、結膜炎、気管支炎、癌、アテローム硬化症、アテローム硬化性心血管系心不全若しくは卒中、乾癬、乾癬性関節炎、神経系の炎症、アトピー性皮膚炎、大腸炎、子宮内膜症、ブドウ膜炎、黄斑変性を包含する網膜障害、網膜剥離、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症、および中心性漿液性網脈絡膜症;特発性肺線維症、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、免疫抑制の回避、感染症のリスクを低下させること、敗血症、腎の炎症、糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、閉塞性腎症、急性尿細管壊死、およびびまん性糸球体硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性気管支炎、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、川崎病後の早発性アテローム硬化症、心筋梗塞、肥満、慢性肝疾患、ペイロニー病、急性脊髄損傷、肺若しくは腎移植、心筋炎、アルツハイマー病およびニューロパシー、乳癌、胃癌、膀胱癌、卵巣癌、過誤腫、結腸直腸癌、結腸腺腫、膵炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ならびにクローン病若しくは潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を含んでなる群から選択される疾患若しくは障害のそれぞれ処置および/若しくは予防ならびに診断のためである。
【0087】
論理により束縛されることを望むものではなく、診断目的上の本発明の核酸の適合性は、増大若しくは低下されたケモカインレベルに主に基づき、こうしたケモカインは、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択され、より具体的にはMCP−1である。前述の疾患の大部分はこうした増大若しくは低下されたケモカインレベルを示すことが当業者により認められるであろう。
【0088】
本発明の根底にある問題は、ケモカインならびに第一、第二および第三のアスペクトの核酸を含んでなる複合体により、第七のアスペクトにおいて解決され、該ケモカインは、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択され、好ましくは該複合体は結晶性複合体である。
【0089】
該第七のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0090】
第七のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0091】
本発明の根底にある問題は、ケモカインの検出のための第一、第二および第三の核酸の使用により、第八のアスペクトにおいて解決され、該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0092】
該第八のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0093】
第八のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0094】
本発明の根底にある問題は、以下の段階:
・候補ケモカインアンタゴニストおよび/若しくは候補ケモカインアゴニストを提供する段階、
・第一、第二若しくは第三のアスペクトの核酸を提供する段階、
・ケモカインアンタゴニストおよび/若しくはケモカインアゴニストの存在下でシグナルを提供する試験系を提供する段階、ならびに
・候補ケモカインアンタゴニストがケモカインアンタゴニストであるかどうか、および/若しくは候補ケモカインアゴニストがケモカインアゴニストであるかどうかを決定する段階
を含んでなり、
該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、
ケモカインアンタゴニスト若しくはケモカインアゴニストのスクリーニング方法により、
第九のアスペクトにおいて解決される。
【0095】
該第九のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0096】
第九のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0097】
本発明の根底にある問題は、以下の段階:
・相、好ましくは固相に固定されたケモカインを提供する段階、
・標識されている、第一、第二若しくは第三のアスペクトの核酸、好ましくは第一のアスペクトの核酸を提供する段階、
・候補ケモカインアゴニストおよび/若しくは候補ケモカインアンタゴニストを添加する段階、ならびに
・候補ケモカインアゴニストがケモカインアゴニストであるかどうか、および/若しくは候補ケモカインアンタゴニストがケモカインアンタゴニストであるかどうかを決定する段階
を含んでなり、
該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、
ケモカインアゴニストおよび/若しくはケモカインアンタゴニストのスクリーニング方法により、第十のアスペクトにおいて解決される。
【0098】
該第十のアスペクトの一態様において、該核酸が候補ケモカインアゴニスト若しくは候補ケモカインアンタゴニストにより置換されるかどうかが評価されるような該決定することが実施される。
【0099】
第十のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0100】
第十のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0101】
本発明の根底にある問題は、第一、第二および第三のアスペクトの核酸を含んでなる、ケモカインの検出のためのキットにより、第十一のアスペクトにおいて解決され、該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0102】
該第十一のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0103】
第十一のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0104】
本発明の根底にある問題は、第十のアスペクト若しくは第九のアスペクトの方法により得ることが可能なケモカインアンタゴニストにより、第十二のアスペクトにおいて解決され、該ケモカインは、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0105】
第十二のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0106】
第十二のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0107】
本発明の根底にある問題は、第十のアスペクト若しくは第九のアスペクトの方法により得ることが可能なケモカインアゴニストにより、第十三のアスペクトにおいて解決され、該ケモカインは、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0108】
第十三のアスペクトの一態様において、ケモカインは、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される。
【0109】
第十三のアスペクトの一態様において、ケモカインはMCP−1であり、MCP−1は、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である。
【0110】
ケモカインアゴニストおよび/若しくはケモカインアンタゴニストが、好ましくは、本明細書に明記されるところのそれぞれのケモカインを扱うそれぞれアゴニストおよびアンタゴニストであることが、当業者により認められるであろう。従って、ケモカインアゴニストおよびケモカインアンタゴニストは、例えばそれぞれMCP−1アゴニストおよびMCP−1アンタゴニストである。
【0111】
本発明の根底にある問題は、サンプル中の第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の検出方法により、第十四のアスペクトにおいて解決され、該方法は:
a)本発明の核酸を含有するサンプルを提供する段階;
b)捕捉プローブ(該捕捉プローブは第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の第一の部分に少なくとも部分的に相補的であり)、ならびに検出プローブ(該検出プローブは第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の第二の部分に少なくとも部分的に相補的であるか、若しくは、あるいは、該捕捉プローブは第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の第二の部分に少なくとも部分的に相補的であり、かつ、該検出プローブは第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸の第一の部分に少なくとも部分的に相補的である)を提供する段階;
c)捕捉プローブおよび検出プローブを、同時に若しくはいずれかの順序で連続してのいずれかで、第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸若しくはその部分と反応させる段階;
d)場合によっては、捕捉プローブが、段階a)で提供される第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸に従った核酸にハイブリダイズするかどうかを検出する段階;ならびに
e)第一、第二および第三のアスペクトのいずれかの核酸、ならびに捕捉プローブおよび検出プローブよりなる段階c)で形成される複合体を検出する段階
を含んでなる。
【0112】
該第十四のアスペクトの一態様において、検出プローブは検出手段を含んでなり、かつ/若しくは捕捉プローブは支持体、好ましくは固体支持体に固定され得る。
【0113】
第十四のアスペクトの一態様において、複合体の一部でないいかなる検出プローブも、段階e)で複合体の一部である検出プローブのみが検出されるように反応から除去される。
【0114】
第十四のアスペクトの一態様において、段階e)は、第一、第二若しくは第三のアスペクトのいずれかの核酸またはその部分の存在下および前記核酸若しくはその部分の非存在下で捕捉プローブおよび検出プローブがハイブリダイズされる場合に検出手段により生成されるシグナルを比較する段階を含んでなる。
【0115】
第十四のアスペクトの一態様において、検出されるべき核酸は、配列番号37、116、117若しくは278の核酸配列を有する核酸であり、かつ、捕捉プローブ若しくは検出プローブは、配列番号255若しくは配列番号256の核酸配列を含んでなる。
【0116】
第十四のアスペクトの一態様において、検出されるべき核酸は、配列番号122、253若しくは254の核酸配列を有する核酸であり、かつ、捕捉プローブ若しくは検出プローブは、配列番号281および配列番号282の核酸配列を含んでなる。
【0117】
[発明の詳細な記述]
本発明の根底にある問題は、それに付属される独立請求項の主題によってもまた解決される。好ましい態様は付属される従属請求項から採用しうる。
【0118】
本明細書に記述されるところの本発明の核酸の特徴は、単独で若しくはいずれかの組合せのいずれかで核酸を使用する本発明のいかなるアスペクトでも実現し得る。
【0119】
ヒトならびにマウスのMCP−1は、それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を有する基本的タンパク質である。
【0120】
MCP−1に対する短い高親和性結合核酸を同定し得たという知見は、基本的タンパク質に向けられるアプタマーすなわち標的分子へのD−核酸結合の生成が、高いがしかし非特異的S/N比をこの種の標的が生じるために一般に非常に困難であることをEatonら(1997)が観察した限りにおいては驚くべきである。この高S/N比は、MCP−1のような基礎的標的に対し核酸により示される高い非特異的親和性から生じる。
【0121】
特許請求の範囲および実施例1により詳細に概説されるとおり、本発明者は、多数の異なるMCP−1結合核酸分子をより驚くべきことに同定し得、それにより該核酸の大部分を本明細書でボックスともまた称されるヌクレオチドの伸長に関して特徴付け得た。多様なMCP−1結合核酸分子は、それぞれ前記ボックスならびにいくつかの構造的特徴および要素に基づき分類し得る。かように定義された多様な範疇は、本明細書で型ならびにより具体的には1A型、1B型、2型、3型および4型ともまた称される。
【0122】
本発明の核酸は、本明細書に開示される特定の配列に本質的に相同である核酸もまた含んでなる。相同性が最低75%、好ましくは85%,より好ましくは90%および最も好ましくは95%、96%、97%、98%若しくは99%以上であるような、実質的に相同という用語が理解されるべきである。
【0123】
本発明の核酸に存在する相同なヌクレオチドの実際の比率は、該核酸に存在するヌクレ
オチドの総数に依存することができる。改変パーセントは該核酸に存在するヌクレオチドの総数に依存し得る。
【0124】
相同性は当業者に既知のとおり決定し得る。より具体的には、配列比較アルゴリズムが、その場合、指定されたプログラムパラメータに基づき、参照配列に関する試験配列(1種若しくは複数)について配列同一性パーセントを計算する。試験配列は、好ましくは、それが別の核酸分子に相同であるかどうか、およびもしそうであればどの程度かを試験すべきと言われる若しくは試験すべきである配列若しくは核酸分子であり、それによりこうした別の核酸分子は参照配列ともまた称される。一態様において、参照配列は本明細書に記述されるところの核酸分子、より好ましくは、配列番号10ないし129、132ないし256および278〜282のいずれかの配列を有する核酸分子である。比較のための配列の至適のアライメントは、例えばSmithとWatermanの局所相同性アルゴリズム(SmithとWaterman、1981)NeedlemanとWunschの相同性アライメントアルゴリズム(NeedlemanとWunsch、1970)PearsonとLipmanの相同性検索法(PeasonとLipman、1988)、これらのアルゴリズムのコンピュータ化実装(Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、ウィスコンシン州マディソンのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)、若しくは目視検査により、実施し得る。
【0125】
配列同一性パーセントを決定するのに適するアルゴリズムの一例は、基本的局所アライメント検索ツール(下で「BLAST」)で使用されるアルゴリズムである。例えばAltschulら(Altschulら 1990およびAltschulら、1997)を参照されたい。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(下で「NCBI」)から公的に入手可能である。NCBIから入手可能なソフトウェア、例えばBLASTN(ヌクレオチド配列のため)およびBLASTP(アミノ酸配列のため)を使用する配列同一性の決定において使用されるデフォルトのパラメータが、McGinnisら(McGinnisら、2004)に記述されている。
【0126】
発明の核酸、若しくは本発明の核酸という用語は、本明細書に開示される核酸配列若しくはそれらの部分を、好ましくは該核酸若しくは前記部分がMCP−1への結合に関与する程度まで含んでなる核酸もまた含んでなる。本明細書で好ましく使用されるところの発明の核酸という用語は、MCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンを含んでなる群から選択されるいずれかの分子に結合するのに適する核酸も、一態様においてまた含んでなる。本発明の個々の核酸はこうした分子の1若しくは数種に結合することができることが、当業者により認められるであろう。こうした核酸は、一態様において、本明細書に記述される核酸分子の1種、またはその誘導体および/若しくは代謝物であり、こうした誘導体および/若しくは代謝物は,好ましくは、本明細書に記述される核酸分子に比較して切断された核酸である。切断は、本明細書に開示されるところの核酸の端のいずれか若しくは双方に関しうる。また、切断は、核酸のヌクレオチドの内部配列に関しうる。すなわち、それはそれぞれ5’および3’末端ヌクレオチドの間のヌクレオチド(1個若しくは複数)に関しうる。さらに、切断は、本明細書に開示される核酸の配列からのわずか単一ヌクレオチドの欠失を含んでなる。切断は、発明の核酸(1種若しくは複数)の1個以上の伸長にもまた関することができ、該伸長は約1ヌクレオチド長であり得る。好ましくはMCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンを含んでなる群から選択される分子への本発明の核酸の結合は、慣例の実験を使用して、または本明細書に開示されるところの、好ましくは実施例の部で本明細書に記述されるところの方法を使用若しくは採用することにより、当業者により決定され得る。それとは反対に明示的に示されない限り、それが本発明の核酸の若しくはMCP−1との結合と本明細書で称される場合はいつも、MCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンを含んでなる群から選択されるいずれかの分子への若しくはそれらとの本発明の核酸の結合にもこれがまた当てはまることは、本発明の一態様内にある。
【0127】
本発明の核酸はD−核酸若しくはL−核酸いずれでもありうる。好ましくは、発明の核酸はL−核酸である。加えて、核酸の一部若しくはいくつかの部分がD−核酸として存在するか、または核酸の少なくとも一部分若しくはいくつかの部分がL−核酸であることが可能である。核酸の「部分」という用語は約1ヌクレオチドを意味している。こうした核酸は一般に本明細書でそれぞれD−およびL−核酸と称される。従って、とりわけ好ましい一態様において、本発明の核酸はL−ヌクレオチドよりなりかつ最低1個のD−ヌクレオチドを含んでなる。こうしたD−ヌクレオチドは、好ましくは、本発明の核酸を規定する伸長と異なる部分、好ましくは、該核酸の他の部分との相互作用が関わるその部分に結合される。好ましくは、こうしたD−ヌクレオチドは、それぞれ伸長のいずれかおよび本発明のいずれかの核酸の一末端に結合される。さらなる好ましい一態様において、こうしたD−ヌクレオチドは、好ましくは本発明の核酸にPEGおよびHESのような修飾を結合するスペーサー若しくはリンカーとして作用しうる。
【0128】
それらの核酸配列(1種若しくは複数)に関してそっくりそのまま本明細書に記述される核酸分子のそれぞれおよびいずれも特定のヌクレオチド配列(1種若しくは複数)に制限されることもまた、本発明の一態様内にある。言い換えれば「含んでなること」若しくは「含んでなる」という用語は、こうした態様において含有すること若しくはよりなることという意味に解釈されるべきである。
【0129】
本発明の核酸がより長い核酸の部分であり、このより長い核酸はいくつかの部分を含んでなり、最低1個のこうした部分が本発明の核酸若しくはその一部分であることもまた、本発明内にある。これらのより長い核酸の他の部分(1個若しくは複数)は1若しくは数個のD−核酸または1若しくは数個のL−核酸のいずれでもあり得る。いかなる組合せも本発明とともに使用しうる。単独の若しくは一緒にされるのいずれのより長い核酸のこれらの他の部分(1個若しくは複数)も、そっくりそのまま若しくは特定の組合せでのいずれかで、結合、好ましくはMCP−1への結合と異なる機能を表し得る。1つの可能な機能は他の分子との相互作用を可能にすることであり、それによりこうした他の分子は、好ましくは例えば固定、架橋、検出若しくは増幅についてのようにMCP−1と異なる。本発明のさらなる一態様において、本発明の核酸は、個別の若しくは組合せられた部分として、本発明の核酸の数種を含んでなる。本発明の核酸の数種を含んでなるこうした核酸もまたより長い核酸という用語により包括される。
【0130】
本明細書で使用されるところのL−核酸は、L−ヌクレオチドよりなる、好ましくは完全にL−ヌクレオチドよりなる核酸である。
【0131】
本明細書で使用されるところのD−核酸は、D−ヌクレオチドよりなる、好ましくは完全にD−ヌクレオチドよりなる核酸である。
【0132】
核酸および核酸分子という用語は、それとは反対に明示的に示されない場合は互換性の様式で本明細書で使用される。
【0133】
また、それとは反対に示されない場合、いかなるヌクレオチド配列も本明細書で5’→3’の方向で示される。
【0134】
発明の核酸がD−ヌクレオチド、L−ヌクレオチド若しくは双方の組合せ(該組合せは
例えば無作為の組合せであるか、若しくは最低1個のL−ヌクレオチドおよび最低1種のD−核酸よりなる伸長の定義された配列である)よりなるかどうかに関係なく、該核酸は、デスオキシリボヌクレオチド(1個若しくは複数)、リボヌクレオチド(1個若しくは複数)またはそれらの組合せよりなることができる。
【0135】
発明の核酸をL−核酸として設計することはいくつかの理由から有利である。L−核酸は天然に存在する核酸の鏡像異性体である。D−核酸は、しかしながら、ヌクレアーゼの広範囲の存在により、水性溶液、およびとりわけ生物学的系若しくは生物学的サンプル中で非常に安定ではない。天然に存在するヌクレアーゼ、とりわけ動物細胞からのヌクレアーゼはL−核酸を分解することが可能でない。これのため、L−核酸の生物学的半減期は、動物およびヒトの身体を包含するこうした系で有意に延長される。L−核酸の欠如する分解性により、ヌクレアーゼ分解生成物は生成されず、そして従ってそれから生じる副作用は観察されない。このアスペクトは、MCP−1の存在が関わる疾患および/若しくは障害の治療で使用される事実上全部の他の化合物のL−核酸の範囲を定める。ワトソン・クリック塩基対形成と異なる機構により標的分子に特異的に結合するL−核酸、またはL−ヌクレオチドより部分的に若しくは完全になるアプタマー(とりわけアプタマーのそれらの部分は標的分子へのアプタマーの結合に関与する)はシュピーゲルマーともまた呼ばれる。
【0136】
本明細書で本発明の核酸ともまた称される発明の核酸は、それらがD−核酸、L−核酸若しくはD,L−核酸として存在するかどうか、またはそれらがDNAであるか若しくはRNAであるかどうかに関係なく、一本鎖若しくは二本鎖核酸として存在しうることもまた本発明内にある。典型的には、発明の核酸は、一次配列により規定された二次構造を表しかつ従って三次構造もまた形成しうる一本鎖核酸である。発明の核酸は、しかしながら、相互に対し相補的若しくは部分的に相補的である2本の鎖が相互にハイブリダイズされるという意味で二本鎖でもまたありうる。これは、核酸がL体よりむしろ天然に存在するD体で存在する場合ににとりわけ有利であることができる安定性を核酸に賦与する。
【0137】
発明の核酸は修飾しうる。こうした修飾は核酸の単一ヌクレオチドに関することができ、そして当該技術分野で公知である。こうした修飾の例は、とりわけ、Venkatesan(2003);Kusser(2000);Aurup(1994);Cummins(1995);Eaton(1995);Green(1995);Kawasaki(1993);Lesnik(1993);およびMiller(1993)に記述されている。こうした修飾は、それらより核酸がなる個々のヌクレオチドの2’位のH原子、F原子またはO−CH3基若しくはNH2基であり得る。また、本発明の核酸は最低1個のLNAヌクレオチドを含み得る。一態様において、本発明の核酸はLNAヌクレオチドよりなる。
【0138】
一態様において、本発明の核酸は多分割の核酸でありうる。本明細書で使用されるところの多分割の核酸は、最低2種の核酸鎖よりなる核酸である。これらの最低2種の核酸鎖は一機能単位を形成し、該機能単位は標的分子に対するリガンドである。該最低2種の核酸鎖は、2本の鎖を生成するように核酸を切断すること、若しくは発明のすなわち全体的核酸の第一の部分に対応する一核酸および該全体的核酸の第二の部分に対応する別の核酸を合成することのいずれかにより、発明の核酸のいずれかに由来しうる。切断および合成の双方を、上で例示されたところの2種以上の鎖が存在する多分割の核酸を生成するために応用しうることが認められるべきである。言い換えれば、該最低2種の核酸鎖は、典型的には、相補的でありかつ相互にハイブリダイズする2本の鎖と異なるとは言え、多様な核酸部分の間のある程度の相補性が存在しうる。
【0139】
最後に、本発明の核酸の完全に閉鎖したすなわち環状構造が実現されること、すなわち
、本発明の核酸は好ましくは共有結合により閉鎖され、それによりより好ましくはこうした共有結合は本明細書に開示されるところの核酸配列の5’端と3’端の間で作成されることもまた、本発明内にある。
【0140】
本発明者は、本発明の核酸が非常に好都合なK値範囲を表すことを発見した。
【0141】
結合定数を決定することの可能性は、当業者にもまた既知であるいわゆるbiacore装置の使用である。本明細書で使用されるところの親和性を、実施例に記述されるところの「プルダウンアッセイ」の使用によってもまた測定した。本場合にMCP−1である標的による核酸の間の結合の強度を表すための適切な一尺度は、それ自体同様にその測定方法が当業者に既知であるいわゆるK値である。
【0142】
本発明の核酸はある種のK値を特徴とする。好ましくは、本発明の核酸により示されるK値は1μMより下である。約1μMのK値は、標的への核酸の非特異的結合に特徴的であると言われる。当業者により認められるであろうとおり、本発明の核酸のような化合物の群のK値はある範囲内にある。約1μMという上述されたKは該K値の好ましい上限である。標的結合核酸のKの好ましい下限は約10ピコモル濃度若しくはそれ以上であり得る。MCP−1への個々の核酸の結合のK値が好ましくはこの範囲内にあることが本発明内にある。好ましい範囲は、この範囲内のいずれかの第一の数およびこの範囲内のいずれかの第二の数を選ぶことにより定義し得る。好ましい上値は250nMおよび100nMであり、好ましい下値は50nM、10nM、1nM、100pMおよび10pMである。
【0143】
本発明の核酸分子はいかなる長さも有しうるが、但しそれらは標的分子になお結合することが可能である。本発明の核酸の好ましい長さが存在することが当該技術分野で認められるであろう。典型的には,該長さは15と120ヌクレオチドの間である。15と120の間のいずれの整数も本発明の核酸に可能な長さであることが当業者により認められるであろう。本発明の核酸の長さのより好ましい範囲は、約20ないし100ヌクレオチド、約20ないし80ヌクレオチド、約20ないし60ヌクレオチド、約20ないし50ヌクレオチド、および約30ないし50ヌクレオチドの長さである。
【0144】
本明細書に開示される核酸は、好ましくは高分子量部分でありかつ/若しくは好ましくはとりわけ動物の身体、好ましくはヒト身体内での滞留時間に関して核酸の特徴を改変することを可能にする部分を含んでなることが、本発明内にある。こうした修飾のとりわけ好ましい一態様は本発明の核酸のPEG化およびHES化である。本明細書で使用されるところのPEGはポリ(エチレングリコール)を、およびHESはヒドロキシエチルデンプンを示す。好ましく本明細書で使用されるところのPEG化は、こうした修飾が本発明の核酸に結合されるPEG部分よりなる、本発明の核酸の修飾である。好ましく本明細書で使用されるところのHES化は、こうした修飾が本発明の核酸に結合されるHES部分よりなる、本発明の核酸の修飾である。これらの修飾、ならびにこうした修飾を使用する核酸の修飾方法は、欧州特許出願第EP 1 306 382号明細書(その開示はこれによって引用することによりそっくりそのまま組み込まれる)に記述されている。
【0145】
好ましくは、高分子量部分よりなる若しくはそれを含んでなる修飾の分子量は、とりわけこうした高分子量であるPEGの場合は約2,000から200,000Daまで、好ましくは20,000ないし120,000Daであり、また、とりわけこうした高分子量部分であるHESの場合は好ましくは約3,000から180,000Daまで、より好ましくは5,000から130,000Daまでである。HES修飾の方法は、例えば独国特許出願第DE 1 2004 006 249.8号明細書(その開示はこれによって引用することによりそっくりそのまま組み込まれる)に記述されている。
【0146】
PEGおよびHESのいずれも、特許出願第WO2005074993号および第PCT/EP02/11950号明細書にさらに記述されるところから直鎖若しくは分枝状いずれとしても使用しうることが本発明内にある。こうした修飾は、原則として、本発明の核酸分子にそのいずれの位置でも行い得る。好ましくは、こうした修飾は、該核酸分子の5’末端ヌクレオチド、3’末端ヌクレオチド、および/若しくは5’ヌクレオチドと3’ヌクレオチドの間のいずれかのヌクレオチドのいずれでもなされる。
【0147】
該修飾、ならびに好ましくはPEGおよび/若しくはHES部分は、本発明の核酸分子に直接若しくはリンカーを通じてのいずれでも結合し得る。本発明の核酸分子が1個若しくはそれ以上の修飾、好ましくは1個若しくはそれ以上のPEGおよび/若しくはHES部分を含んでなることもまた本発明内にある。一態様において、個々のリンカー分子は、1個以上のPEG部分若しくはHES部分を本発明の核酸分子に結合する。本発明とともに使用されるリンカーは、それ自身直鎖若しくは分枝状いずれでもあり得る。この種類のリンカーは当業者に既知であり、そして特許出願第WO2005074993号および第PCT/EP02/11950号明細書にさらに記述されている。
【0148】
いずれかの論理により束縛されることを願わず、好ましくは生理学的に許容できるポリマーおよびより具体的には本明細書に開示されるポリマーのような高分子量部分で本発明の核酸を修飾することにより、排泄のキネティックが変化されるようである。より具体的には、こうした修飾された発明の核酸の増大された分子量により、およびとりわけL形態の場合の代謝にさらされない核酸により、動物の身体、好ましくは哺乳動物の身体およびより好ましくはヒト身体からの排泄が低下されるようである。排泄は典型的に腎を介して起こるため、本発明者は、かように修飾された核酸の糸球体濾過速度が、身体中の滞留時間の増大をもたらすこの種類の高分子量修飾を有しない核酸に比較して有意に低下されると推定する。それと関係して、こうした高分子量修飾にもかかわらず、本発明の核酸の特異性が有害な様式で影響を及ぼされないことにとりわけ注目すべきである。その限りにおいて、本発明の核酸は、徐放を提供する製薬学的製剤が徐放を提供するために必ずしも必要とされないような、製薬学的有効成分から通常期待され得ない驚くべき特徴を有する。むしろ、高分子量部分を含んでなるそれらの修飾された形態の本発明の核酸は、であるから、徐放製剤として既に使用され得る。その限りにおいて、本明細書に開示される核酸分子の修飾(1個若しくは複数)およびかように修飾された核酸分子ならびにそれらを含んでなるいずれの組成物も、独特な、好ましく制御された薬物動態およびそれらの生物分布を提供しうる。これは循環中の滞留時間および組織への分布もまた包含する。こうした修飾は特許出願第PCT/EP02/11950号明細書にさらに記述される。
【0149】
しかしながら、本明細書に開示される核酸がいかなる修飾および具体的にはPEG化若しくはHES化のような高分子量修飾を含まないこともまた本発明内にある。こうした態様は、核酸が身体中のいずれかの標的器官若しくは組織への優先的分布を示す場合にとりわけ好ましい。こうした分布プロファイルを伴う核酸剤は、全身濃度を低く保ちつつ標的組織中の有効局所濃度の確立を可能にするとみられる。これは、経済的観点から有益であるのみならず、しかしまた核酸剤への他の組織の不必要な曝露も低下させて、かように副作用の潜在的危険を低下させる、低用量の使用を可能にするとみられる。
【0150】
本発明の核酸ともまた本明細書で称される発明の核酸、および/若しくは本発明のアンタゴニストは、医薬品の生成若しくは製造に使用しうる。本発明のこうした医薬品若しくは製薬学的組成物は、場合によってはさらなる製薬学的有効成分と一緒に発明の核酸の最低1種を含有し、それにより発明の核酸は好ましくは製薬学的有効成分それ自身として作用する。こうした医薬品は、好ましい態様において最低1種の製薬学的に許容できる担体を含んでなる。こうした担体は、例えば、水、緩衝液、PBS、ブドウ糖溶液、好ましく
は5%ブドウ糖塩類平衡溶液、デンプン、糖、ゼラチン若しくはいずれかの他の許容できる担体物質でありうる。こうした担体は一般に当業者に既知である。本発明の医薬品の若しくはそれに関するいかなる態様、使用およびアスペクトも本発明の製薬学的組成物にもまた応用可能であり、かつ、逆もまた真であることが、当業者により認められるであろう。
【0151】
その処置および/若しくは予防のために、本発明の若しくはそれにより製造される核酸、製薬学的組成物および医薬品が、それぞれの発病機序におけるMCP−1の直接若しくは間接いずれかの関与から生じる適応症、疾患および障害。しかしながらまた、その発病機序においてMCP−2、MCP−3、MCP−4および/若しくはエオタキシンが直接若しくは間接的にのいずれかで関与する適応症、疾患および障害を処置および予防し得る。とりわけ、本発明の核酸を、その限りにおいて、すなわちそれぞれMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンに若しくはそれらとそれぞれ相互作用および結合する、MCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンがより広範な意味で関わる疾患に使用し得ることが、当業者に明らかであろう。
【0152】
より具体的には、こうした使用は、とりわけ、それが単核細胞浸潤を特徴とするヒト疾患で重要な役割を演じていることを示唆するMCP−1の発現パターンから生じる。こうした細胞浸潤は多くの炎症性および自己免疫疾患に存在する。動物モデルにおいて、MCP−1は、局所虚血後の脳(Kim 1995;Wang 1995)および実験的自己免疫性脳脊髄炎の間(Hulkower 1993;Ransohoff 1993;Banisor 2005)で発現されることが示されている。MCP−1は、卒中および多発性硬化症のようなこれらの動物モデルにより具体的に説明される疾患過程で単核細胞を標的とする重要なケモカインでありうる。
【0153】
証拠の大部分は、単球走化性および従って慢性炎症におけるMCP−1/CCR2系の独特の役割を支持して議論している。すなわち(i)MCP−1若しくはCCR2欠損マウスは、それ以外は正常に見える一方で顕著に低下されたマクロファージ走化性応答を示す(Kuziel 1997;Kurihara 1997;Boring 1997;Lu 1998)。(ii)、in vitroでの他のケモカインでの機能的余剰にもかかわらず、MCP−1エフェクター機能単独の喪失は、数種の炎症モデルで単球輸送を減じるのに十分である(Lloyd 1997;Furuichi 2003;Egashira 2002;Galasso 2000;Ogata 1997;Kennedy 1998;Gonzalo 1998;Kitamoto 2003)。(iii)、MCP−1レベルは多くの炎症性疾患で上昇される。事実、MCP−1は、関節リウマチ(Koch 1992;Hosaka 1994;Akahoshi 1993;Harigai 1993;Rollins 1996)、腎疾患(Wada 1996;Viedt 2002)、血管形成術後の再狭窄(Economou 2001)、アレルギーおよび喘息(Alam 1996;Holgate 1997;Gonzalo 1998)、癌(Salcedo 2000;Gordillo 2004)、アテローム硬化症(Nelken 1991;Yla−Herttuala 1991;Schwartz 1993;Takeya 1993;Boring 1998)、乾癬(Vestergaard 2004)、神経系の炎症(Huang 2001)、アトピー性皮膚炎(Kaburagi 2001)、大腸炎(Okuno 2002)、子宮内膜症(Jolicoeur 2001)、ブドウ膜炎(Tuaillon 2002)、網膜障害(Nakazawa 2007)、特発性肺線維症およびサルコイドーシス(Iyonaga 1994)ならびに多発性筋炎/皮膚筋炎(De Bleecker 2002)のような、明らかな炎症成分を伴うおよび伴わない多くの疾患である役割を演じていると考えられている。
【0154】
抗MCP−1剤若しくはCCR2アンタゴニストでの治療的介入は、過剰の炎症性単球輸送に影響を及ぼすとみられるが、しかし、食細胞の基礎的輸送を節約して、それにより全身免疫抑制および感染の増大された危険を回避しうる(Dawson 2003)。
【0155】
加えて、炎症過程の分子機序および局所で分泌される炎症メディエーターの相互作用に関する増大する知識に基づき、腎疾患の治療のための新たな標的が同定された(Holdsworth 2000;Segerer 2000)。 適切な動物モデルで特異的アンタゴニストを用いる発現および介入研究に関する確実なデータが存在する標的の1つが、MCP−1である。このタンパク質は、腎の炎症の部位への免疫細胞動員に対し、広範に非重複性の役割を有する。腎への免疫細胞の浸潤は、多様な形態の腎疾患の発症における構造的腎損傷および腎機能の低下の主要な機序であると考えられている。
【0156】
全部の型の腎細胞はin vitroでの刺激に際して、MCP−1を包含するケモカインを発現し得(Segerer 2000)、サイトカイン、酸素ラジカル、免疫複合体および脂質メディエーターを包含する、in vitroでMCP−1発現を誘発する刺激の長い一覧が存在する。
【0157】
ラットおよびマウスの健康な腎ではMCP−1は発現されないが、しかし、免疫複合体型糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、閉塞性腎症若しくは急性腎尿細管壊死を包含する腎の炎症の急性および慢性のげっ歯類モデルの経過の間に、容易に上方制御される(Segerer 2000;Anders 2003)。げっ歯類でのMCP−1の発現データはヒト腎生検で見出されるそれぞれの発現と良好に相関する(Rovin 1994;Cockwell 1998;Wada 1999)。さらに、ヒト腎における腎発現は、疾患の活動性と関連しており、そして適切な治療が疾患の寛解を誘導した場合に低下する(Amann 2003)。
【0158】
糸球体単核細胞浸潤は、糖尿病性腎症を伴う患者におけるびまん性糸球体硬化症の発症と関連している。MCP−1は、糸球体内の単球およびリンパ球の動員および蓄積で重要な役割を演じている(Banba 2000;Morii 2003)。
【0159】
局所で産生されるMCP−1は、腎毒性血清誘発性腎炎(NSN)を伴うトランスジェニックマウスを使用する実験で示されたとおり、尿細管間質損傷の開始および進行にとりわけ関与しているようである。MCP−1は、主として、間質病変中の血管内皮細胞、尿細管上皮細胞および浸潤した単核細胞中で検出された。尿細管上皮細胞のMCP−1媒介性の活性化は、MCP−1が尿細管間質炎症(進行性腎疾患の特質)に寄与するという概念と矛盾しない(Wada 2001;Viedt 2002)。
【0160】
一方でMCP−1、ならびに他方でMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンの間の相同性により、本発明の核酸、それらのうち少なくともそれぞれMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンと相互作用若しくはそれらに結合するものは、典型的に、MCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンがそれぞれ直接若しくは間接的にのいずれかで関与しているいかなる疾患の処置、予防および/若しくは診断に使用し得る。好ましく本明細書で使用されるところの関与するは、疾患に関与するそれぞれの分子が該疾患の根底にある発病機序に関してその機能の1、数種若しくは全部を発揮することを予防される場合に、該疾患が治癒される、若しくはその程度が低下される、若しくはその大発生が予防されるであろうことを意味しており、それぞれ該症状および指標が、疾患に罹っていないか若しくはこうした疾患を発症する危険にさらされていない被験体でみられるもの(1種若しくは複数)と同一若しくはそれらにより近くなるような、こうした疾患の少なくとも症状若しくはいずれかの指標がそれぞれ解消および改善されることができる。
【0161】
もちろん、本発明のMCP−1結合核酸はヒト若しくはマウスMCP−1と相互作用するか若しくはそれに結合するため、当業者は、本発明のMCP−1に結合する核酸を、ヒトおよび動物の本明細書に記述されるところのいずれかの疾患の処置、予防および/若しくは診断に容易に使用し得ることを一般に理解するであろう。
【0162】
単球走化性タンパク質(MCP)ファミリーのこれらのメンバーすなわちMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンは、従って、MCP−1と高程度の配列類似性を共有する。独占的でないとは言え、エオタキシン、MCP−2、−3および−4は、ヒト好酸球上の特徴的ケモカイン受容体CCR3を介して相互作用する(Heath 1997)。CCR3受容体は、皮膚T細胞リンパ腫(Kleinhans 2003)、神経膠芽腫(Kouno 2004)若しくは腎細胞癌(Johrer 2005)のような腫瘍状態で上方制御される。
【0163】
より具体的には、上昇されたレベルのエオタキシンは喘息診断および損なわれた肺機能と直接関連する(Nakamura 1999)。アレルギー性炎症の部位のエオタキシンの上昇された発現は、アトピー性および非アトピー性双方の喘息患者で観察されている(Ying 1997;Ying 1999)。また、MCP−2および−4をコードするmRNAは多様な組織中で構成的に発現されるが、これらの情況でのそれらの生理学的機能はしかしながら未知である。血漿MCP−2濃度は敗血症においてMCP−1と一緒に上昇され(Bossink 1995)、MCP−3発現は喘息患者で起こる(Humbert 1997)。最後に、MCP−4はアテローム硬化症の血管の管腔表面で見出され得る(Berkhout 1997)。
【0164】
従って、その処置および/若しくは予防に本発明の医薬品を使用しうる疾患および/若しくは障害および/若しくは疾患に罹った状態は、限定されるものでないが、炎症性疾患、自己免疫疾患、自己免疫性脳脊髄炎、卒中、急性および慢性多発性硬化症、慢性炎症、関節リウマチ、腎疾患、再狭窄、血管形成術後の再狭窄、急性および慢性アレルギー反応、一次的および二次的免疫学的若しくはアレルギー反応、喘息、結膜炎、気管支炎、癌、アテローム硬化症、アテローム硬化性心血管系心不全若しくは卒中、乾癬、乾癬性関節炎、神経系の炎症、アトピー性皮膚炎、大腸炎、子宮内膜症、ブドウ膜炎、黄斑変性、網膜剥離、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症、および中心性漿液性網脈絡膜症を包含する網膜障害;特発性肺線維症、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、免疫抑制の回避、感染症のリスクを低下させること、敗血症、腎の炎症、糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、閉塞性腎症、急性尿細管壊死、およびびまん性糸球体硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性気管支炎、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、川崎病後の早発性アテローム硬化症、心筋梗塞、肥満、慢性肝疾患、ペイロニー病、急性脊髄損傷、肺若しくは腎移植、心筋炎、アルツハイマー病、およびニューロパシー、乳癌、胃癌、膀胱癌、卵巣癌、過誤腫、結腸直腸癌、結腸腺腫、膵炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)ならびにクローン病若しくは潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を挙げることができる。
【0165】
さらなる一態様において、医薬品はさらなる製薬学的有効成分を含んでなる。こうしたさらなる製薬学的有効成分は、とりわけ、限定されるものでないが、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤およびアンジオテンシン受容体阻害薬のような血圧および糖尿病を制御することが既知のものを挙げることができる。さらなる製薬学的有効成分は、さらなる一態様において、慢性炎症の部位への炎症細胞の浸潤を低下させるか若しくは慢性炎症の状況で存在しかつ組織損傷に至る過剰増殖性免疫応答を全般に抑制する化合物の1種でもまたあり得る。こうした化合物は、限定されるものでないがステロイド若しくは免疫抑制薬を挙げることができ、そして、好ましくは、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、
ヒドロコルチゾン、デキサメサゾンのようなコルチコステロイド、およびシクロホスファミド、シクロスポリン、クロラムブシル、アザチオプリン、タクロリムス若しくはミコフェノール酸モフェチルのような全身性免疫抑制薬を含んでなる群から選択される。加えて、T細胞共刺激のより特異的な阻害剤、例えばCD154若しくはCD40若しくはCD28若しくはCD86若しくはCD80の阻害剤、または抗CD20剤のようなTおよび/若しくはB細胞枯渇剤が、さらなる態様において有用である。最後に、さらなる製薬学的有効成分は、ケモカインアゴニスト若しくはアンタゴニスト、またはケモカイン受容体アゴニスト若しくはアンタゴニストであり得るいずれかの他のケモカインの活性の調節物質でありうる。あるいは、若しくは加えて、こうしたさらなる製薬学的有効成分は本発明のさらなる核酸である。あるいは、該医薬品は、MCP−1と異なる標的分子に結合するか若しくは本発明の核酸の1種と異なる機能を表す最低1種のさらなる核酸を含んでなる。
【0166】
該医薬品が、あるいは、若しくは加えて、原則として前記疾患の処置のための医薬品の使用に関して開示される疾患のいずれかの予防に使用されることが、本発明内にある。それぞれのマーカーは、従って、すなわち、それぞれの疾患について当業者に既知である。好ましくはそれぞれのマーカーはMCP−1である。あるいは、および/若しくは加えて、それぞれのマーカーはMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンを含んでなる群から選択される。マーカーのなおさらなる一群は、例えば抗dsDNA抗体若しくはリウマチ因子のような血漿中の自己反応性抗体を含んでなる群から選択される。
【0167】
本発明の医薬品の一態様において、こうした医薬品は、本明細書に開示される疾患、とりわけ本発明の医薬品を使用すべきであるもののいずれかのための他の処置とともにの使用のためである。
【0168】
「併用療法」(若しくは「共療法」)は、本発明のの医薬品、およびこれらの治療薬の共作用から有益な効果を提供することを意図している特定の処置レジメンの一部としての最低1種の第二の剤、すなわち本発明の医薬品および前記第二の剤の投与を包含する。該組合せの有益な効果は、限定されるものでないが、治療薬の組合せから生じる薬物動態若しくは薬力学的共作用を挙げることができる。典型的に組合せでのこれらの治療薬の投与は、規定された時間(通常は選択される組合せに依存して分、時間、日若しくは週)にわたり実施する。
【0169】
「併用療法」は、本発明の組合せを偶発的にかつ自由裁量によりもたらす別個の単剤療法レジメンの一部としてこれらの治療薬の2種若しくはそれ以上の投与を包含することを意図しうるが、しかし一般にそうではない。「併用療法」は、これらの治療薬の連続的様式(すなわち各治療薬を異なる時間で投与する)での投与、ならびにこれらの治療薬若しくは該治療薬の最低2種の実質的に同時の様式での投与を包含することを意図している。実質的に同時の投与は、例えば、各治療薬の固定された比を有する単一カプセル剤、若しくは該治療薬のそれぞれについて複数の単一カプセル剤で被験体に投与することにより達成し得る。
【0170】
各治療薬の連続的若しくは実質的に同時の投与は、限定されるものでないが、局所経路、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を通る直接吸収を挙げることができるいずれかの適切な経路により遂げることができる。治療薬は同一経路若しくは異なる経路により投与し得る。例えば、選択される組合せの第一の治療薬を注入により投与することができる一方、組合せの他の治療薬を局所投与し得る。
【0171】
あるいは、例えば、全部の治療薬を局所で投与しうるか、若しくは全部の治療薬を注入により投与しうる。治療薬を投与する順序は別の方法で示されない限り厳密に決定的に重
要でない。「併用療法」はまた、上述されたところの治療薬の他の生物学的有効成分とのさらなる組合せでの投与も包含し得る。併用療法が薬物以外の処置をさらに含んでなる場合、該薬物以外の処置は、該治療薬および薬物以外の処置の組合せの共作用からの有益な効果が達成される限りは、いかなる適する時点でも実施しうる。例えば、適切な場合には、有益な効果は、薬物以外の処置がおそらく数日若しくはなお数週間だけ治療薬の投与から一時的に除去される場合になお達成される。
【0172】
上の一般的用語で概説されたとおり、本発明の医薬品は、原則として当業者に既知のいかなる形態でも投与し得る。好ましい一投与経路は全身投与、より好ましくは非経口投与により、好ましくは注入による。あるいは、該医薬品は局所投与しうる。他の投与経路は、筋肉内、腹腔内および皮下、経口、鼻内、気管内若しくは肺を含んでなり、有効性を確保しつつ最も少なく侵襲性である投与経路が好ましい。
【0173】
非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内若しくは静脈内注入(injection)および注入(infusion)に使用する。加えて、非経口投与のための1アプローチは、当業者に公知である、一定水準の投薬量が維持されることを保証する徐放(slow−release)すなわち徐放(sustained−released)系の埋植を使用する。
【0174】
さらに、本発明の好ましい医薬品は、適する鼻内ベヒクル、吸入剤の局所使用を介して鼻内の形態で、若しくは、当業者に公知の経皮皮膚貼付剤の形態を使用する経皮経路を介して投与し得る。経皮送達系の形態で投与されるためには、投薬量の投与はもちろん、投薬レジメンを通じて間欠的であるよりはむしろ連続的であることができる。他の好ましい局所製剤は、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、エアゾルスプレー剤およびゲル剤を包含し、ここで有効成分の濃度は典型的には0.01%から15%(w/w若しくはw/v)までの範囲にわたることができる。
【0175】
本発明の医薬品は、一般に、限定されるものでないが、製薬学的に許容できる媒体に溶解若しくは分散された本発明の核酸分子を挙げることができる治療の有効成分(1種若しくは複数)の有効量を含むことができる。製薬学的に許容できる媒体若しくは担体は、いずれかのおよび全部の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤などを包含する。製薬学的有効成分のためのこうした媒体および剤の使用は当該技術分野で公知である。補助的有効成分もまた本発明の医薬品に組み込み得る。
【0176】
さらなる一アスペクトにおいて、本発明は製薬学的組成物に関する。こうした製薬学的組成物は、本発明の核酸の最低1種および好ましくは製薬学的に許容できるベヒクルを含んでなる。こうしたベヒクルは、当該技術分野で使用されるかつ/若しくは既知のいかなるベヒクル若しくはいかなる結合剤でもあり得る。より具体的には、こうした結合剤若しくはベヒクルは、本明細書に開示される医薬品の製造に関して論考されたところのいずれかの結合剤若しくはベヒクルである。さらなる一態様において、製薬学的組成物はさらなる製薬学的有効成分を含んでなる。
【0177】
医薬品および製薬学的組成物の製造法は、本開示に照らして当業者に既知であろう。典型的には、こうした組成物は、液体溶液若しくは懸濁液いずれかとしての注射剤として;注入の前の液体中の溶液若しくは懸濁液に適する固体形態物;経口投与のための錠剤若しくは他の固形物として;持続放出カプセル剤として;または点眼薬、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、吸入剤などを包含する現在使用されるいずれかの他の形態で製造しうる。手術野の特定領域を処置するために外科医、内科医若しくは医療従事者による生理的食塩水に基づく洗浄液のような無菌製剤の使用もまたとりわけ有用でありうる。組成物は微小装置、微小粒子若しくはスポンジを介してもまた送達しうる。
【0178】
処方に際して、医薬品は投薬処方と適合性の様式で、および薬理学的に有効であるような量で投与することができる。製剤は、上述された注入可能な溶液の型のような多様な投薬形態物で容易に投与されるが、しかし、薬物放出カプセルなどもまた使用し得る。
【0179】
本情況において、投与されるべき有効成分の量および組成物の容量は処置される個体若しくは被験体に依存する。投与に必要とされる有効成分の特定の量は実務者の判断に基づき、そして各個体に特有である。
【0180】
有効成分を分散させるのに必要とされる医薬品の最少量を典型的に利用する。適する投与レジメンは変動可能でもまたあるが、しかし、最初に該化合物を投与すること、および結果をモニターすること、ならびにその後さらなる制御された用量をさらなる間隔で与えることにより、類型化されるとみられる。
【0181】
例えば、錠剤若しくはカプセル剤(例えばゼラチンカプセル剤)の形態での経口投与のため、有効成分すなわち本発明の核酸分子および/若しくはいずれかのさらなる製薬学的有効成分(本明細書で治療薬(1種若しくは複数)または有効成分(1種若しくは複数)ともまた称される)を、エタノール、グリセロール、水などのような経口の非毒性の製薬学的に許容できる不活性担体と組み合わせ得る。さらに、所望の若しくは必要な場合は、適する結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤もまた混合物に組み込み得る。適する結合剤は、デンプン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/若しくはポリビニルピロリドン、ブドウ糖若しくはβ−乳糖のような天然の糖、トウモロコシ甘味料、アカシアゴム、トラガカントガム若しくはアルギン酸ナトリウムのような天然および合成のガム、ポリエチレングリコール、蝋などを包含する。これらの投薬形態物で使用される滑沢剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム若しくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコールなどを包含する。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムデンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、または発泡混合物などを制限なしに包含する。希釈剤は、例えば乳糖、デキストロース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/若しくはグリシンを包含する。
【0182】
本発明の医薬品はまた、徐放(timed release)および徐放(sustained release)の錠剤若しくはカプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤および乳剤のような経口投薬形態物でも投与し得る。坐剤は脂肪乳剤若しくは懸濁剤から有利に製造する。
【0183】
製薬学的組成物若しくは医薬品は滅菌することができ、かつ/または保存剤、安定剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/若しくは緩衝剤のような補助物質を含有しうる。加えてそれらは他の治療上貴重な物質もまた含有しうる。該組成物は、慣習的混合、造粒若しくはコーティング法に従って製造され、そして典型的には約0.1%ないし75%、好ましくは約1%ないし50%の有効成分を含有する。
【0184】
液体、とりわけ注入可能な組成物は、例えば、溶解すること、分散することなどにより製造し得る。有効成分は、例えば水、生理的食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどのような製薬学的に純粋な溶媒に溶解若しくはそれらと混合して、それにより注入可能な溶液若しくは懸濁液を形成する。加えて、注入前に液体に溶解するのに適する固体の形態物を処方し得る。
【0185】
固体組成物については、賦形剤は製薬学的等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、ブドウ糖、ショ糖、炭酸マグネシウムなどを包含する。上で定義された有効成分は、担体として例えばポリアルキレングリコール、例えばプロピレングリコールを使用して、坐剤としてもまた処方しうる。いくつかの態様において、坐剤は有利には脂肪乳剤若しくは懸濁剤から製造する。
【0186】
本発明のそれぞれ医薬品および核酸分子は、小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞のようなリポソーム送達系の形態でもまた投与し得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン若しくはホスファチジルコリンを含有する多様なリン脂質から形成し得る。いくつかの態様において、脂質成分の薄膜を薬物の水性溶液で水和させて、薬物を被包化する脂質層(当業者に公知であるもの)を形成する。例えば、本明細書に記述される核酸分子を、当該技術分野で既知の方法を使用して構築される親油性化合物若しくは非免疫原性の高分子量化合物との複合体として提供し得る。加えて、リポソームは細胞殺傷を標的としかつそれを内的に媒介するための細胞傷害剤を保有するために、それらの表面上にこうした核酸分子を有しうる。核酸と会合した複合体の一例が米国特許第6,011,020号明細書に提供されている。
【0187】
本発明のそれぞれ医薬品および核酸分子は、標的を定めることができる薬物担体としての可溶性ポリマーともまた結合しうる。こうしたポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパナミドフェノール、若しくはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを包含し得る。さらに、本発明のそれぞれ医薬品および核酸分子は、薬物の放出制御を達成することにおいて有用な一分類の生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋若しくは両親媒性ブロックコポリマーに結合しうる。
【0188】
所望の場合は、投与されるべきそれぞれ製薬学的組成物および医薬品は、少量の、湿潤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、ならびに例えば酢酸ナトリウムおよびオレイン酸トリエタノールアミンのような他の物質のような非毒性の補助物質もまた含有しうる。
【0189】
本発明のそれぞれ核酸分子および医薬品を利用する投薬レジメンは、患者の種類、種、齢、重量、性および医学的状態;処置されるべき状態の重症度;投与経路;患者の腎および肝機能;ならびに使用される特定のアプトマー若しくはその塩を包含する多様な因子に従って選択する。通常熟練した医師若しくは獣医師は、該状態の進行を予防する、打ち消す若しくは停止するのに必要とされる薬物の有効量を容易に決定かつ処方し得る。
【0190】
本発明の核酸の有効血漿濃度は、好ましくは、本明細書に開示される疾患のいずれかの処置において500fMから500μMまでの範囲にわたる。
【0191】
本発明のそれぞれ核酸分子および医薬品は、好ましくは単一の連日用量、2若しくは3日毎、週1回、2週毎、単一の月1回の用量、または3か月毎で投与しうる。
【0192】
本明細書に記述されるところの医薬品が本明細書に開示される製薬学的組成物を構成することは本発明内にある。
【0193】
さらなる一アスペクトにおいて、本発明はこうした処置を必要とする被験体の処置方法に関し、該方法は、本発明の核酸の最低1種の製薬学的有効量の投与を含んでなる。一態様において、被験体は疾患に罹っているか、若しくはこうした疾患を発症する危険にさら
されており、該疾患は本明細書に開示されるもののいずれか、とりわけ、医薬品の製造のための本発明の核酸のいずれかの使用とともに開示される疾患のいずれかである。
【0194】
本発明の核酸ならびにアンタゴニストが医薬品として若しくは医薬品の製造のためのみならず、しかしまた化粧の目的上、とりわけ炎症を起こした局所皮膚病変におけるMCP−1の関与に関しても使用し得ることが理解されるべきである。従って、その処置若しくは予防のために本発明の核酸、医薬品および/若しくは製薬学的組成物を使用し得るさらなる状態若しくは疾患は、炎症を起こした局所皮膚病変である。
【0195】
本明細書で好ましく使用されるところの診断薬若しくは診断剤若しくは診断手段は、MCP−1、好ましくは本明細書に記述されるところのMCP−1、およびより好ましくは本明細書に記述される多様な障害および疾患に関して本明細書に記述されるところのMCP−1を直接若しくは間接的にのいずれかで検出するのに適する。しかしながら、本発明の核酸分子がMCP−2、MCP−3、MCP−4およびエオタキシンのいずれか、数種若しくは全部にもまた結合している程度まで、こうした核酸分子はそれぞれ疾患および障害の診断にもまた使用し得、該発病機序は、MCP−2、MCP−3、MCP−4および/若しくはエオタキシンを伴う過剰発現若しくは活性亢進と直接若しくは間接的にのいずれかで結び付けられるか若しくは関連付けられる。該診断薬は、本明細書に記述されるそれぞれ障害および疾患のいずれかの検出および/若しくは経過観察に適する。こうした検出は、MCP−1への本発明の核酸の結合により可能である。こうした結合は、直接若しくは間接的にのいずれでも検出し得る。それぞれの方法および手段は当業者に既知である。とりわけ、本発明の核酸は、本発明の核酸、好ましくはMCP−1に結合する核酸の検出を可能にする標識を含みうる。こうした標識は、好ましくは放射活性、酵素および蛍光標識を含んでなる群から選択される。原則として、抗体のため開発された全部の既知のアッセイを本発明の核酸に採用し得る一方、標的に結合する抗体が標的に結合する核酸に置換される。未標識の標的に結合する抗体を使用する抗体アッセイにおいて、検出は、好ましくは、放射活性、酵素および蛍光標識で修飾されかつ標的に結合する抗体にそのFcフラグメントで結合する二次抗体によりなされる。核酸、好ましくは本発明の核酸の場合、該核酸はこうした標識で修飾され、好ましくはこうした標識は、ビオチン、Cy−3およびCy−5を含んでなる群から選択され、また、こうした標識は、こうした標識に向けられた抗体、例えば抗ビオチン抗体、抗Cy3抗体若しくは抗Cy5抗体により検出されるか、または、標識がビオチンである場合、標識はビオチンに天然に結合するストレプトアビジン若しくはアビジンにより検出される。こうした抗体、ストレプトアビジン若しくはアビジンは、順に、好ましくはそれぞれの標識、例えば放射活性、酵素若しくは蛍光標識で(二次抗体のように)修飾される。
【0196】
さらなる一態様において、本発明の核酸分子は第二の検出手段により検出若しくは分析され、前記検出手段は分子ビーコンである。分子ビーコンの方法論は当業者に既知である。簡潔には、分子ビーコンともまた称される核酸プローブは、検出されるべき核酸サンプルに対する逆相補配列であり、そして、これのため、検出されるべき核酸サンプルの一部にハイブリダイズする。核酸サンプルへの結合に際して、分子ビーコンのフルオロフォア基が分離され、それが蛍光シグナルの変化、好ましくは強度の変化をもたらす。この変化は存在する核酸サンプルの量と相関する。
【0197】
本発明の核酸を使用するMCP−1の検出は、とりわけ、本明細書で定義されるところのMCP−1の検出を可能にすることができることが認められるであろう。
【0198】
MCP−1の検出に関して、好ましい一方法は以下の段階を含んでなる:
(a)MCP−1の存在について試験されるべきであるサンプルを提供する段階、
(b)本発明の核酸を提供する段階、
(c)好ましくは反応容器中でサンプルを核酸と反応させる段階
これに際して、段階(a)は段階(b)の前に実施し得るか、若しくは段階(b)は段階(a)の前に実施し得る。
【0199】
好ましい一態様において、サンプルの核酸との反応の検出に存するさらなる一段階d)が提供される。好ましくは、段階b)の核酸は表面に固定される。該表面は反応チューブのような反応容器の表面、プレートの壁、若しくは例えばビーズのようなこうした反応容器に含有される装置の表面でありうる。核酸の表面への固定は、限定されるものでないが非共有若しくは共有結合を挙げることができる当業者に既知のいずれの手段によっても行い得る。好ましくは、該結合は表面と核酸の間の共有化学結合を介して確立される。しかしながら、核酸が間接的に表面に固定され、こうした間接的固定がさらなる成分若しくは一対の相互作用パートナーの使用を伴うこともまた本発明内にある。こうしたさらなる成分は、好ましくは、相互作用パートナーともまた称される固定されるべき核酸と特異的に相互作用しかつ従って表面への核酸の結合を媒介する化合物である。相互作用パートナーは、好ましくは核酸、ポリペプチド、タンパク質および抗体を含んでなる群から選択される。好ましくは、相互作用パートナーは抗体、より好ましくはモノクローナル抗体である。あるいは、相互作用パートナーは核酸、好ましくは機能的核酸である。より好ましくは、こうした機能的核酸は、アプトマー、シュピーゲルマー、および該核酸に少なくとも部分的に相補的である核酸を含んでなる群から選択される。さらなる代替の一態様において、表面への核酸の結合は多分割の相互作用パートナーにより媒介される。こうした多分割の相互作用パートナーは、好ましくは一対の相互作用パートナー、若しくは第一のメンバーおよび第二のメンバーよりなる相互作用パートナーであり、第一のメンバーは該核酸により含まれるか若しくはそれに結合され、そして第二のメンバーは表面に結合されるか若しくはそれにより含まれる。多分割の相互作用パートナーは、好ましくは、ビオチンおよびアビジン、ビオチンおよびストレプトアビジン、ならびにビオチンおよびニュートラビジンを含んでなる相互作用パートナーの対の群から選択される。好ましくは、相互作用パートナーの対の第一のメンバーはビオチンである。
【0200】
こうした方法の好ましい一結果は、MCP−1および核酸の固定された複合体の形成であり、より好ましくは前記複合体が検出される。該複合体からMCP−1が検出されることが一態様内にある。
【0201】
本要件に適合するそれぞれの検出手段は、例えばMCP−1のその/それらの部分(1個若しくは複数)に特異的であるいずれかの検出手段である。とりわけ好ましい一検出手段は、核酸、ポリペプチド、タンパク質および抗体を含んでなる群から選択される検出手段であり、その生成は当業者に既知である。
【0202】
MCP−1の検出方法は、段階c)を実施するのに好ましく使用される反応容器からサンプルが取り出されることもまた含んでなる。
【0203】
該方法は、さらなる一態様において、MCP−1の相互作用パートナーを表面、好ましくは上で定義されたところの表面に固定する段階もまた含んでなり、該相互作用パートナーは、本明細書のとおり、かつ、好ましくはそれぞれの方法に関して上のとおり定義され、ならびにより好ましくはそれらの多様な態様において核酸、ポリペプチド、タンパク質および抗体を含んでなる。本態様において、とりわけ好ましい一検出手段は本発明の核酸であり、こうした核酸は好ましくは標識若しくは未標識でありうる。こうした核酸が標識される場合、それは直接若しくは間接的に検出され得る。こうした検出は、好ましくは、核酸、ポリペプチド、タンパク質、および本明細書に記述される多様な態様における態様を含んでなる群から選択もまたされる第二の検出手段の使用もまた伴いうる。こうした検出手段は好ましくは本発明の核酸に特異的である。より好ましい一態様において、第二の検出手段は分子ビーコンである。核酸若しくは第二の検出手段のいずれかまたは双方は、好ましい一態様において検出標識を含みうる。検出標識は、好ましくはビオチン、ブロモデスオキシウリジン標識、ジゴキシゲニン標識、蛍光標識、UV標識、放射標識およびキレート剤分子を含んでなる群から選択される。あるいは、第二の検出手段は、好ましくは該核酸により含有されるか、それにより含まれるか、若しくはそれに結合される検出標識と相互作用する。とりわけ好ましい組合せは後に続くとおりである:
検出標識がビオチンであり、そして第二の検出手段がビオチンに向けられた抗体であるか、または
検出標識がビオチンであり、そして第二の検出手段がアビジン若しくはアビジンを保有する分子であるか、または
検出標識がビオチンであり、そして第二の検出手段がストレプトアビジン若しくはストレプトアビジンを保有する分子であるか、または
検出標識がビオチンであり、そして第二の検出手段がニュートラビジン若しくはニュートラビジンを保有する分子であるか、または
検出標識がブロモデスオキシウリジンであり、そして第二の検出手段がブロモデスオキシウリジンに向けられた抗体であるか、または
検出標識がジゴキシゲニンであり、そして第二の検出手段がジゴキシゲニンに向けられた抗体であるか、または
検出標識がキレート剤であり、そして第二の検出手段が放射核種であり、前記検出標識が核酸に結合されていることが好ましい。この種の組合せは、核酸が表面に結合されている態様にもまた応用可能であることが認められるべきである。こうした態様において、検出標識が相互作用パートナーに結合されていることが好ましい。
【0204】
最後に、第二の検出手段が第三の検出手段を使用して検出されることもまた本発明内にあり、好ましくは、第三の検出手段は、より好ましくは第二の検出手段の検出に際して酵素反応を示す酵素であるか、若しくは、第三の検出手段は放射線、より好ましくは放射核種により放射される放射線を検出するための手段である。好ましくは、第三の検出手段は、第二の検出手段を特異的に検出かつ/若しくはそれと相互作用している。
【0205】
また、MCP−1の相互作用パートナーが表面上に固定されかつ本発明の核酸が好ましくは相互作用パートナーとMCP−1の間で形成される複合体に添加される態様において、サンプルを、反応、より好ましくは段階c)および/若しくはd)を実施する反応容器から取り出し得る。
【0206】
一態様において、本発明の核酸は蛍光部分を含んでなり、そして該蛍光部分の蛍光は、複合体形成に際して、核酸およびMCP−1と遊離MCP−1の間で異なる。
【0207】
さらなる一態様において、該核酸は本発明の核酸の誘導体であり、該核酸の該誘導体はアデノシンを置き換えるアデノシンの最低1個の蛍光誘導体を含んでなる。好ましい一態様において、アデノシンの蛍光誘導体はエテノアデノシンである。
【0208】
さらなる一態様において、本発明の核酸の誘導体およびMCP−1よりなる複合体は、蛍光を使用して検出される。
【0209】
該方法の一態様において、シグナルは段階(c)若しくは段階(d)で創製され、そして、好ましくは、該シグナルはサンプル中のMCP−1の濃度と相関する。
【0210】
好ましい一アスペクトにおいて、アッセイは96ウェルプレートで実施することができ、ここで成分は上述されたとおり反応容器に固定され、そしてウェルが反応容器として作用する。
【0211】
上で言われたことは、少なくとも、本発明の核酸がMCP−2、MCP−3、MCP−4および/若しくはエオタキシンに若しくはそれらともまた結合している程度まで、MCP−2、MCP−3、MCP−4および/若しくはエオタキシンにもまた当てはまることが、当業者により認められるであろう。
【0212】
発明の核酸はドラッグデザインのための出発原料としてさらに使用しうる。基本的に2つの可能なアプローチが存在する。1アプローチは化合物ライブラリーのスクリーニングである一方、こうした化合物ライブラリーは好ましくは低分子量化合物ライブラリーである。一態様において、スクリーニングはハイスループットスクリーニングである。好ましくは、ハイスループットスクリーニングは、標的に基づくアッセイにおける化合物の迅速で効率的な試行錯誤評価である。最良の場合、分析は比色測定により実施される。それとともに使用されるところのライブラリーは当業者に既知である。
【0213】
あるいは、本発明の核酸は薬物の合理的設計に使用しうる。好ましくは、合理的ドラッグデザインは製薬学的リード構造の設計である。X線結晶学若しくは核磁気共鳴分光法のような方法により典型的に同定される標的の三次元構造から出発して、コンピュータプログラムを使用して多くの異なる化合物の構造を含有するデータベース全体を検索する。該選択はコンピュータによりなされ、同定された化合物をその後実験室で試験し得る。
【0214】
薬物の合理的設計は本発明の核酸のいずれからも開始することができ、そして発明の核酸の構造に類似、若しくは発明の核酸の構造の結合を媒介する部分に同一である構造、好ましくは三次元構造を必要とする。いかなる場合も、こうした構造は発明の核酸と同一若しくは類似の結合の特徴をなお示す。薬物の合理的設計のさらなる一段階において若しくは代替の一段階としてのいずれかで、神経伝達物質に結合する核酸のそれらの部分の好ましくは三次元の構造が、ヌクレオチドおよび核酸と異なる化学基により模倣される。この模倣により、核酸と異なる化合物を設計し得る。こうした化合物は好ましくは小分子若しくはペプチドである。
【0215】
当業者に既知である競合アッセイを使用することによるような化合物ライブラリーのスクリーニングの場合、適切なMCP−1アナログ、MCP−1アゴニスト若しくはMCP−1アンタゴニストを見出しうる。こうした競合アッセイは後に続くとおり設定しうる。標的に結合するL−核酸である発明の核酸、好ましくはシュピーゲルマーを固相に結合する。MCP−1アナログを同定するため、標識MCP−1をアッセイに添加しうる。潜在的アナログが、それぞれの標識により得られるシグナルの減少と一緒に進むとみられるシュピーゲルマーへのMCP−1分子の結合と競合するとみられる。アゴニスト若しくはアンタゴニストのスクリーニングは、当業者に既知のところの細胞培養物アッセイの使用を必要としうる。
【0216】
本発明のキットは、発明の核酸の最低1若しくは数種を含みうる。加えて、該キットは最低1若しくは数種の陽性若しくは陰性対照を含みうる。陽性対照は、例えばMCP−1、とりわけそれに対して発明の核酸が選択されるか若しくはそれが好ましくは液体の形態で結合するものでありうる。陰性対照は、例えば、MCP−1に類似の生物物理特性に関して定義されるがしかし発明の核酸により認識されないペプチドでありうる。さらに、前記キットは1若しくは数種の緩衝剤を含みうる。多様な成分を乾燥若しくは凍結乾燥した形態でまたは溶液に溶解してキットに含有しうる。該キットは、順に該キットの1若しくは数種の成分を含有しうる1若しくは数個の容器を含みうる。さらなる一態様において、該キットは該キットおよびその多様な成分をどのように使用するかに関する情報を使用者に提供する説明書若しくは説明書リーフレットを含んでなる。
【0217】
本発明の核酸の製薬学的および生物分析的測定は、基本的に、ヒトおよびヒト以外の身体の数種の体液、組織および器官におけるその薬物動態および生物動力学的(biodynamic)プロファイルの評価のためである。こうした目的上、本明細書に開示される若しくは当業者に既知の検出方法のいずれかを使用しうる。本発明のさらなる一アスペクトにおいて、本発明の核酸の検出のためのサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイが提供される。該検出アッセイ内で捕捉プローブおよび検出プローブを使用する。捕捉プローブは本発明の核酸の第一の部分に、および検出プローブは第二の部分に相補的である。双方すなわち捕捉および検出プローブは、DNAヌクレオチド、修飾DNAヌクレオチド、修飾RNAヌクレオチド、RNAヌクレオチド、LNAヌクレオチドおよび/若しくはPNAヌクレオチドにより形成し得る。
【0218】
これゆえに、捕捉プローブは本発明の核酸の5’端に相補的な配列伸長を含んでなり、また、検出プローブは本発明の核酸の3’端に相補的な配列伸長を含んでなる。この場合、捕捉プローブはその5’端を介して表面若しくはマトリックスに固定され、それにより、捕捉プローブはその5’端で直接、またはその5’端と表面若しくはマトリックスの間のリンカーを介して固定し得る。しかしながら、原則としてリンカーは捕捉プローブの各ヌクレオチドに連結し得る。リンカーは、当業者の親水性リンカー、またはD−DNAヌクレオチド、修飾D−DNAヌクレオチド、D−RNAヌクレオチド、修飾D−RNAヌクレオチド、D−LNAヌクレオチド、PNAヌクレオチド、L−RNAヌクレオチド、L−DNAヌクレオチド、修飾L−RNAヌクレオチド、修飾L−DNAヌクレオチドおよび/若しくはL−LNAヌクレオチドにより形成し得る。
【0219】
あるいは、捕捉プローブは本発明の核酸の3’端に相補的な配列伸長を含んでなり、また、検出プローブは本発明の核酸の5’端に相補的な配列伸長を含んでなる。この場合、捕捉プローブがその3’端を介して表面若しくはマトリックスに固定され、それにより、捕捉プローブはその3’端で直接、またはその3’端と表面若しくはマトリックスの間のリンカーを介して固定し得る。しかしながら、原則としてリンカーは本発明の核酸に相補的である配列伸長の各ヌクレオチドに連結し得る。リンカーは、当業者の親水性リンカー、またはD−DNAヌクレオチド、修飾D−DNAヌクレオチド、D−RNAヌクレオチド、修飾D−RNAヌクレオチド、D−LNAヌクレオチド、PNAヌクレオチド、L−RNAヌクレオチド、L−DNAヌクレオチド、修飾L−RNAヌクレオチド、修飾L−DNAヌクレオチドおよび/若しくはL−LNAヌクレオチドにより形成し得る。
【0220】
本発明の核酸にハイブリダイズしうる捕捉および検出プローブのヌクレオチドの数は変動可能であり、そして捕捉および/若しくは検出プローブならびに/または本発明の核酸それ自身のヌクレオチドの数から依存し得る。本発明の核酸にハイブリダイズしうる捕捉および検出プローブのヌクレオチドの総数は、本発明の核酸により含まれるヌクレオチドの最大数であるべきである。検出および捕捉プローブのヌクレオチドの最少数(2ないし10ヌクレオチド)が、本発明の核酸のそれぞれ5’端若しくは3’端へのハイブリダイゼーションを可能にするはずである。本発明の核酸と、分析されるサンプル中に存在する他の核酸の間の高い特異性および選択性を実現するために、捕捉および検出プローブのヌクレオチドの総数は、本発明の核酸により含まれるヌクレオチド若しくはその最大数であるべきである。
【0221】
さらに、検出プローブは、好ましくは本明細書に前述されたところの検出され得るマーカー分子若しくは標識を保有する。該標識若しくはマーカー分子は、原則として検出プローブの各ヌクレオチドに連結し得る。好ましくは、標識若しくはマーカーは検出プローブの5’端若しくは3’端に配置され、それにより本発明の核酸に相補的である検出プローブ内のヌクレオチドとラベルの間にリンカーを挿入し得る。リンカーは、当業者の親水性リンカー、またはD−DNAヌクレオチド、修飾D−DNAヌクレオチド、D−RNAヌクレオチド、修飾D−RNAヌクレオチド、D−LNAヌクレオチド、PNAヌクレオチド、L−RNAヌクレオチド、L−DNAヌクレオチド、修飾L−RNAヌクレオチド、修飾L−DNAヌクレオチドおよび/若しくはL−LNAヌクレオチドにより形成し得る。
【0222】
本発明の核酸の検出は後に続くとおり実施し得る。すなわち、本発明の核酸は、捕捉プローブにその端の一方で、および検出プローブに他端でハイブリダイズする。その後、未結合の検出プローブを例えば1若しくは数回の洗浄段階により除去する。好ましくは標識若しくはマーカー分子を保有する結合した検出プローブの量をその後測定し得る。
【0223】
好ましく本明細書で使用されるところの処置という用語は、好ましい一態様において、加えて若しくはあるいは予防および/若しくは経過観察を含んでなる。
【0224】
好ましく本明細書で使用されるところの疾患および障害という用語は、それとは反対に示されない場合は互換性の意味で使用する。
【0225】
本明細書で使用されるところの含んでなるという用語は、好ましくはこうした用語により続かれる若しくは記述される主題を制限することを意図していない。しかしながら、代替の一態様において、含んでなるという用語は含有することという意味で、そして従ってこうした用語により続かれる若しくは記述される主題を制限するとして理解されるべきである。
【0226】
本明細書で使用されるところの多様な配列番号、本発明の核酸分子の化学的性質、および標的分子MCP−1、それらの実際の配列ならびに内的参照番号を以下の表に要約する。
【0227】
【表2】

【0228】
【表3】

【0229】
【表4】

【0230】
【表5】

【0231】
【表6】

【0232】
【表7】

【0233】
【表8】

【0234】
【表9】

【0235】
【表10】

【0236】
【表11】

【0237】
【表12】

【0238】
【表13】

【0239】
【表14】

【0240】
【表15】

【0241】
【表16】

【0242】
【表17】

【0243】
【表18】

【0244】
[実施例]
【実施例1】
【0245】
ヒトMCP−1を結合する核酸
ビオチニル化ヒトD−MCP−1を標的として使用して、ヒトMCP−1に結合する数種の核酸を生成し得、それらのヌクレオチド配列を図1から7に描く。該核酸は、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる競合若しくは直接プルダウンアッセイを使用してアプタマーすなわちD−核酸レベル(実施例4)で、またはBiacore 2000装置を使用する表面プラズモン共鳴測定(実施例7)、in vitro細胞培養物Ca++放出アッセイ(実施例5)若しくはin vitro走化性アッセイ(実施例6)によりシュピーゲルマーレベル、すなわちMCP−1の天然の配置をもつL−核酸(L−MCP)で特徴付けした。
【0246】
かように生成した核酸は多様な配列モチーフを表し、4種の主な型を図1および2(1A/1B型)、図3(2型)、図4および5(3型)ならびに図6(4型)に定義する。相互とおよび本明細書に記述される多様な配列モチーフと関係し得ない、付加的なMCP−1に結合する核酸を図7に列挙する。ヌクレオチド配列モチーフの定義のため、紛らわしいヌクレオチドのIUPAC略語を使用する。すなわち、
S 強 G若しくはC;
W 弱 A若しくはU;
R プリン G若しくはA;
Y ピリミジン C若しくはU;
K ケト G若しくはU;
M イミノ A若しくはC;
B Aでない C若しくはU若しくはG;
D Cでない A若しくはG若しくはU;
H Gでない A若しくはC若しくはU;
V Uでない A若しくはC若しくはG;
N 全 A若しくはG若しくはC若しくはU。
【0247】
それとは反対に示されない場合、いかなる核酸配列若しくはそれぞれ伸長およびボックスの配列も5’→3’の方向で示す。
【0248】
1A型のMCP−1に結合する核酸(図1)
図1に描かれるとおり、1A型のMCP−1に結合する核酸の全配列は、数個の配列伸長若しくはボックスを含んでなり、これにより、
【0249】
【化1】

【0250】
は相互とハイブリダイズし得る5’および3’末端伸長である。しかしながら、こうしたハイブリダイゼーションは生理学的条件下で実際に存在するところの分子で必ずしも示されない。
【0251】
【化2】

【0252】
により隣接される。
【0253】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる直接および競合プルダウンアッセイを使用して、アプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして、天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用してin vitro細胞培養物Ca++放出アッセイにて試験した(実施例5)。
【0254】
定義されるボックスの配列は、MCP−1に対する結合親和性に影響する1A型のMCP−1に結合する核酸間で異なりうる。1A型のMCP−1に結合する核酸として要約される多様なMCP−1に結合する核酸の結合分析に基づき、
【0255】
【化3】

【0256】
ならびに下述されるところのそれらのヌクレオチド配列は、個々にかつより好ましくはそっくりそのまま、MCP−1への結合に不可欠である。
【0257】
【化4】

【0258】
図1に描かれるとおり、176−E10trcと称される核酸分子は、MCP−1に対する最良の結合親和性を有し(アプタマーとしてプルアッセイで5nMのKを伴い、ならびにシュピーゲルマーとしてin vitro細胞培養物Ca++放出アッセイで4〜5nMのIC50を伴う)、そして従って、最適配列、ならびに
【0259】
【化5】

【0260】
の最適の組合せを構成しうる。
【0261】
1B型のMCP−1に結合する核酸(図2)
図2に描かれるとおり、1B型の全配列は数個の配列伸長若しくはボックスを含んでなり、これにより
【0262】
【化6】

【0263】
は相互とハイブリダイズし得る5’および3’末端伸長であり、ならびに
【0264】
【化7】

【0265】
により隣接される。しかしながら、こうしたハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で実際に存在するところの分子で必ずしも示されない。
【0266】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる直接および競合プルダウンアッセイを使用して、アプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして、天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用してin vitro細胞培養物Ca++放出アッセイにて試験した(実施例5)。
【0267】
定義されるボックスの配列は、MCP−1に対する結合親和性に影響する1B型のMCP−1に結合する核酸間で異なりうる。1B型のMCP−1に結合する核酸として要約される多様なMCP−1に結合する核酸の結合分析に基づき、
【0268】
【化8】

【0269】
ならびに下述されるところのそれらのヌクレオチド配列は、個々にかつより好ましくはそっくりそのまま、MCP−1への結合に不可欠である。
【0270】
【化9】

【0271】
図2に描かれるとおり、176−C9trcと称される核酸は、MCP−1に対する最良の結合親和性を有し(アプタマーとしてプルダウンアッセイで5nMのKを伴い、ならびにシュピーゲルマーとしてin vitro細胞培養物Ca++放出アッセイで4〜5nMのIC50を伴う)、そして従って、最適配列、ならびに
【0272】
【化10】

【0273】
の最適の組合せを構成しうる。
【0274】
2型のMCP−1に結合する核酸(図3)
図3に描かれるとおり、2型の全配列は数個の配列伸長若しくはボックスを含んでなり、これにより
【0275】
【化11】

【0276】
は相互とハイブリダイズし得る5’および3’末端伸長であり、ならびにボックスB2は中央配列要素である。しかしながら、こうしたハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で実際に存在するところの分子で必ずしも示されない。
【0277】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる直接および競合プルダウンアッセイを使用して、アプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして、天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用してin vitro細胞培養物Ca++放出(実施例5)若しくはin vitro走化性アッセイ(実施例6)にて試験した。
【0278】
定義されるボックスの配列は、MCP−1に対する結合親和性に影響する3型のMCP−1に結合する核酸間で異なりうる。2型のMCP−1に結合する核酸として要約される多様なMCP−1に結合する核酸の結合分析に基づき、
【0279】
【化12】

【0280】
ならびに下述されるところのそれらのヌクレオチド配列は、個々にかつより好ましくはそっくりそのまま、MCP−1への結合に不可欠である。
【0281】
【化13】

【0282】
図3に描かれるとおり、180−D1−002と称される核酸、ならびに180−D1−011、180−D1−012、180−D1−035および180−D1−036(=NOX−E36)のような180−D1−002の誘導体は、アプタマーとしてプルダウン若しくは競合プルダウンアッセイで<1nMのKを伴いMCP−1に対する最良の結合親和性を有し、そして従って、最適配列、ならびに
【0283】
【化14】

【0284】
の最適の組合せを構成しうる。
【0285】
核酸分子D−NOX−E36(D−180−D1−036;配列番号159)について、室温(RT)で890±65pMおよび37℃で146±13pMの解離定数(K)が測定された(実施例4;図9)。それぞれのシュピーゲルマーNOX−E36(180−D1−036;配列番号37)は、in vitro Ca++放出アッセイで3〜4nM(実施例5;図12)およびin vitro走化性アッセイで約0.5nM(実施例6;図15)の阻害濃度(IC50)を表した。NOX−E36のPEG化誘導体、NOX−E36−3’PEGおよびNOX−E36−5’PEGについては、Ca++放出アッセイで約3nM(実施例5;図25および図27A)ならびに走化性アッセイで<1nM(実施例6;図26および図27B)のIC50が測定された。
【0286】
3型のMCP−1に結合する核酸(図4および5)
図4および5に描かれるとおり、3型の全配列は数個の配列伸長若しくはボックスを含んでなり、これにより3対のボックスが3型のMCP−1に結合する核酸について特徴付けられている。
【0287】
【化15】

【0288】
ならびにボックスB2AおよびB2BならびにボックスB5AおよびB5Bの双方は、相互とハイブリダイズする能力を有する。しかしながら、こうしたハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で実際に存在するところの分子で必ずしも示されない。これらの潜在的にハイブリダイズされる配列要素間に、ハイブリダイズしないヌクレオチドが配置され、
【0289】
【化16】

【0290】
と定義される。
【0291】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる直接および競合プルダウンアッセイを使用して、アプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用してin vitro走化性アッセイ(実施例6)にて、若しくはBiacore測定(実施例7)を介して試験した。
【0292】
定義されるボックスの配列は、MCP−1に対する結合親和性に影響する3型のMCP−1に結合する核酸間で異なりうる。3型のMCP−1に結合する核酸として要約される多様なMCP−1に結合する核酸の結合分析に基づき、
【0293】
【化17】

【0294】
ならびに下述されるところのそれらのヌクレオチド配列は、個々にかつより好ましくはそっくりそのまま、MCP−1への結合に不可欠である。
【0295】
【化18】

【0296】
図4および5に描かれるとおり、178−D5と称される核酸およびその誘導体178−D5−030、ならびにその誘導体181−A2−002、182−A2−004、181−A2−005、181−A2−006、181−A2−007、181−A2−017、181−A2−018、181−A2−019、181−A2−020、181−A2−021および181−A2−023を含む181−A2はMCP−1に対する最良の結合親和性を有する。178−D5および178−D5−030は、アプタマーとして直接若しくは競合プルダウンアッセイ(実施例4)にておよそ500pMのKを伴い評価された。同一の実験の設定で、181−A2はおよそ100pMのKを伴い測定された。Biacore分析(実施例7)により、181−A2およびその誘導体のMCP−1に対するKは200〜300pMであることが決定された。培養細胞を用いるCa++放出および走化性アッセイ(それぞれ実施例5および6)において、178−D5および181−A2双方についておよそ500pMのIC50が測定された。従って、178−D5ならびに181−A2およびそれらの誘導体は、最適配列、ならびに
【0297】
【化19】

【0298】
の最適の組合せを構成しうる。
【0299】
4型のMCP−1に結合する核酸(図6)
図6に描かれるとおり、4型の全配列は数個の配列、伸長若しくはボックスを含んでなり、これにより
【0300】
【化20】

【0301】
は相互とハイブリダイズし得る5’および3’末端伸長であり、また、ボックスB2は中央配列要素である。
【0302】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化ヒトD−MCP−1を用いる直接プルダウンアッセイを使用してアプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用して、in vitro細胞培養物Ca++放出(実施例5)および/若しくは走化性アッセイ(実施例6)で試験した。
【0303】
定義されたボックスの配列は、4型のMCP−1に結合する核酸間で異なることがあり、それはMCP−1への結合親和性に影響する。4型のMCP−1に結合する核酸として要約される多様なMCP−1に結合する核酸の結合分析に基づき、
【0304】
【化21】

【0305】
ならびに下述されるところのそれらのヌクレオチド配列は、個別に個々にかつより好ましくはそっくりそのまま、MCP−1への結合に不可欠である。
【0306】
【化22】

【0307】
図6に描かれるとおり、174−D4−004および166−A4−002と称される核酸はMCP−1に対する最良の結合親和性を有し(シュピーゲルマーとしてin vitro細胞培養物Ca++放出アッセイで2〜5nMのIC50を伴う)、そして、従って、最適配列、ならびに
【0308】
【化23】

【0309】
の最適の組合せを構成しうる。
【0310】
加えて、MCP−1に結合する核酸の1〜4型について示されたところのヌクレオチド配列要素の組合せにより記述され得ない、29種の他のMCP−1に結合する核酸が同定された。これらの配列を図7に列挙する。
【0311】
図1から7に示される配列のいずれも、その切断型を包含するがしかしその伸長型もまた包含する本発明の核酸であることが理解されるべきであるが、但し、しかしながらそれぞれかように切断および伸長された核酸分子は標的に結合することがなお可能である。
【実施例2】
【0312】
マウスMCP−1を結合する核酸
標的としてビオチニル化マウスD−MCP−1を使用して、それに結合する数種の核酸分子を生成し得た。これらの核酸分子の配列分析の結果を図8から採用し得る。
【0313】
該核酸を、それらの結合挙動に関してそれらを等級付けするために、ビオチニル化マウスD−MCP−1を使用するプルダウンアッセイを使用してアプタマーレベルで特徴付けした(実施例4)。選択した配列をシュピーゲルマーとして合成し(実施例3)、そして天然の配置のMCP−1(L−MCP)を使用して、in vitro細胞培養物Ca++放出(実施例5)および走化性アッセイ(実施例6)で試験した。
【0314】
図8に描かれるとおり、D−188−A3−001およびD−189−G7−001ならびにそれらの誘導体は、プルダウンアッセイにてナノモル濃度以下のKでD−MCP−1を結合する(図8)。
【0315】
D−mNOX−E36(=D−188−A3−007;配列番号244)について、37℃で0.1〜0.2nMの解離定数(K)が測定された(実施例4;図10)。それぞれのシュピーゲルマーmNOX−E36(188−A3−007;配列番号122)は、in vitro Ca++放出アッセイ(実施例5;図13)でおよそ12nM、およびin vitro走化性アッセイ(実施例6;図16)でおよそ7nMの阻害濃度(IC50)を表した。mNOX−E36のPEG化誘導体mNOX−E36−3’PEG(配列番号254)について、Ca++放出アッセイでおよそ8nM(実施例5、図29)および走化性アッセイでおよそ3nM(実施例6;図31)のIC50が測定された。
【0316】
図1から7に示される配列のいずれも、その切断型を包含するがしかしその伸長型もまた包含する本発明の核酸であることが理解されるべきであるが、但し、しかしながらそれぞれかように切断および伸長された核酸分子は標的に結合することがなお可能である。
【実施例3】
【0317】
アプタマーおよびシュピーゲルマーの合成および誘導体化
小スケール合成
アプタマーおよびシュピーゲルマーは、2’TBDMS RNAホスホルアミダイト化学(M.J.Damha、K.K.Ogilvie、Methods in Molecular Biology、Vol.20 Protocols for oligonucleotides and analogs、S.Agrawal編、p.81−1
14、Humana Press Inc.1993)を使用して、ABI 394合成機(Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティ)を用いる固相合成により製造した。DおよびL−配置のrA(N−Bz)−、rC(Ac)−、rG(N−ibu)−およびrU−ホスホルアミダイトはChemGenes、マサチューセッツ州ウィルミントンから購入した。アプタマーおよびシュピーゲルマーはゲル電気泳動により精製した。
【0318】
大スケール合成および修飾
シュピーゲルマーNOX−E36は、2’TBDMS RNAホスホルアミダイト化学(M.J.Damha、K.K.Ogilvie、Methods in Molecular Biology、Vol.20 Protocols for oligonucleotides and analogs、S.Agrawal編、p.81−114、Humana Press Inc.1993)を使用して、AektaPilot100合成機(Amersham Biosciences;General Electric Healthcare、フライブルク)を用いる固相合成により製造した。L−rA(N−Bz)−、L−rC(Ac)−、L−rG(N−ibu)−およびL−rU−ホスホルアミダイトはChemGenes、マサチューセッツ州ウィルミントンから購入した。5’−アミノ修飾物質はAmerican International Chemicals Inc.(米国マサチューセッツ州フラミンガム)から購入した。未修飾シュピーゲルマーの合成はL−リボG修飾CPG孔径1000Å(Link Technology、英国グラスゴー)上で開始し;3’−NH修飾シュピーゲルマーには3’−Aminomodifier−CPG、1000Å(ChemGenes、マサチューセッツ州ウィルミントン)を使用した。カップリング(周期あたり15分)のため、アセトニトリル中0.3Mベンジルチオテトラゾール(CMS−Cheicals、英国アビンドン)および3.5等量のアセトニトリル中のそれぞれの0.1Mホスホルアミダイト溶液を使用した。酸化−キャッピング周期を使用した。オリゴヌクレオチド合成のためのさらなる標準的溶媒および試薬はBiosolve(オランダ・ファルケンスワルト)から購入した。シュピーゲルマーはDMT−ONで合成し;脱保護後に、Source15RPC媒体(Amersham)を使用する調製的RP−HPLC(Wincott F.ら(1995)Nucleic Acids Res 23:2677)を介してそれを精製した。5’DMT基を80%酢酸で除去した(RTで30分)。その後、水性2M NaOAc溶液を添加し、そして5K再生セルロースメンブレン(Millipore、マサチューセッツ州ベッドフォード)を使用する接線流濾過によりシュピーゲルマーを脱塩した。
【0319】
NOX−E36のPEG化
シュピーゲルマーのin vivoでの血漿滞留時間を延長するため、シュピーゲルマーNOX−E36を3’端若しくは5’端で40kDaのポリエチレングリコール(PEG)部分に共有結合した。
【0320】
NOX−E36の3’−PEG化
PEG化(PEG化方法の技術的詳細は欧州特許出願第EP 1 306 382号明細書を参照されたい)のため、精製した3’アミノ修飾シュピーゲルマーをHO(2.5ml)、DMF(5ml)および緩衝液A(5ml;クエン酸・HO[7g]、ホウ酸[3.54g]、リン酸[2.26ml]および1M NaOH[343ml]を混合すること、ならびに1lの最終容量までH2Oを添加することにより調製した;pH=8.4を1M HClで調節した)の混合物に溶解した。
【0321】
シュピーゲルマー溶液のpHを1M NaOHで8.4にもたらした。その後、40kDaのPEG−NHSエステル(Nektar Therapeutics、アラバマ州
ハンツビル)を、75ないし85%の最大収率に達するまで、0.6等量の4部分で37℃で30分毎に添加した。反応混合物のpHは、PEG−NHSエステルの添加の間、1M NaOHで8〜8.5に保った。
【0322】
反応混合物を4ml尿素溶液(8M)、4ml緩衝液Aおよび4ml緩衝液B(HO中0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)と混和し、そして95℃に15分間加熱した。PEG化したシュピーゲルマーをその後、アセトニトリル勾配(緩衝液B;緩衝液C:アセトニトリル中0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)を使用して、Source 15RPC媒体(Amersham)を用いるRP−HPLCにより精製した。過剰のPEGは5%緩衝液C、PEG化されたシュピーゲルマーは10〜15%緩衝液Cで溶離した。>95%(HPLCにより評価されるところの)の純度を伴う生成物画分を合わせ、そして40mlの3M NaOACと混合した。PEG化シュピーゲルマーを接線流濾過(5K再生セルロースメンブレン、Millipore、マサチューセッツ州ベッドフォード)により脱塩した。
【0323】
NOX−E36の5’−PEG化
PEG化(PEG化方法の技術的詳細は欧州特許出願第EP 1 306 382号明細書を参照されたい)のため、精製した5’アミノ修飾シュピーゲルマーをHO(2.5ml)、DMF(5ml)および緩衝液A(5ml;クエン酸・HO[7g]、ホウ酸[3.54g]、リン酸[2.26ml]および1M NaOH[343ml]を混合すること、ならびに1lの最終容量まで水を添加することにより調製した;pH=8.4を1M HClで調節した)の混合物に溶解した。
【0324】
シュピーゲルマー溶液のpHを1M NaOHで8.4にもたらした。その後、40kDaのPEG−NHSエステル(Nektar Therapeutics、アラバマ州ハンツビル)を、75ないし85%の最大収率に達するまで、0.25等量の6部分で37℃で30分毎に添加した。反応混合物のpHは、PEG−NHSエステルの添加の間、1M NaOHで8〜8.5に保った。
【0325】
反応混合物を、4ml尿素溶液(8M)、および4ml緩衝液B(HO中0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)と混和し、そして95℃に15分間加熱した。PEG化したシュピーゲルマーをその後、アセトニトリル勾配(緩衝液B;緩衝液C:アセトニトリル中0.1M酢酸トリエチルアンモニウム)を使用して、Source 15RPC媒体(Amersham)を用いるRP−HPLCにより精製した。過剰のPEGは5%緩衝液C、PEG化されたシュピーゲルマーは10〜15%緩衝液Cで溶離した。>95%(HPLCにより評価されるところの)の純度を伴う生成物画分を合わせ、そして40mlの3M NaOACと混合した。PEG化シュピーゲルマーを接線流濾過(5K再生セルロースメンブレン、Millipore、マサチューセッツ州ベッドフォード)により脱塩した。
【実施例4】
【0326】
結合定数の測定(プルダウンアッセイ)
直接プルダウンアッセイ
D−MCP−1に対するアプタマーの親和性をそれぞれ20若しくは37℃でのプルダウンアッセイ形式で測定した。アプタマーは、[γ−32P]標識ATP(Hartmann Analytic、独国ブラウンシュヴァイク)を使用してT4ポリヌクレオチドキナーゼ(Invitrogen、独国カールスルーエ)により5’−リン酸標識した。標識アプタマーの比放射活性は200,000〜800,000cpm/pmolであった。アプタマーを、低濃度で平衡に達せさせるため、変性および再生後に、変動する量のビオチニル化D−MCP−1と一緒に選択緩衝液(20mMトリス−HCl pH7.4
;137mM NaCl;5mM KCl;1mM MgCl;1mM CaCl;0.1%[w/vol]Tween−20)中20pM濃度で37℃で4〜12時間インキュベートした。選択緩衝液は、使用されるプラスチック器具若しくは固定マトリックスの表面での結合パートナーの吸着を予防するため、10μg/mlヒト血清アルブミン(Sigma−Aldrich、独国シュタインハイム)および10μg/ml酵母RNA(Ambion、米国オースティン)を補充した。ビオチニル化D−MCP−1の濃度範囲は8pMから100nMまでに設定し;総反応容量は1mlであった。ペプチドおよびペプチド−アプタマー複合体を、選択緩衝液で前平衡させかつ6μlの総容量に再懸濁した1.5μlのストレプトアビジンUltralink Plus粒子(Pierce Biotechnology、米国ロックフォード)に固定した。粒子をサーモミキサー中それぞれの温度で30分間懸濁に保った。固定された放射活性を、上清を分離することおよび適切な洗浄後にシンチレーションカウンターで定量した。結合の割合をビオチニル化D−MCP−1の濃度に対してプロットし、そして1:1の化学量論を推定してソフトウェアアルゴリズム(GRAFIT;Erithacus Software;英国サリー)を使用することにより、解離定数を得た。
【0327】
競合プルダウンアッセイ
多様なD−MCP−1結合アプタマーを比較するため、競合等級付けアッセイを実施した。この目的上、利用可能な最も擬似のアプタマーを放射活性標識し(上を参照されたい)、そして参照としてはたらいた。変性および再生後に、競合なしでニュートラビジンアガロース若しくはストレプトアビジンUltralink Plus(双方ともPierceから)上での固定および洗浄後にペプチドへの5〜10%結合をもたらした条件で、1ml選択緩衝液中37℃でビオチニル化D−MCP−1とともにそれをインキュベートした。結合反応に対応させるため、過剰の変性および再生した未標識D−RNAアプタマーバリアントを、標識参照アプタマーとともに異なる濃度(例えば2、10および50nM)まで添加した。試験されるべきアプタマーは標的結合について参照アプタマーと競合し、かようにそれらの結合の特徴の依存において結合シグナルを低下させた。本アッセイで最も活性と見出されたアプタマーは、その後、さらなるアプタマーバリアントの競合分析のための新たな参照としてはたらき得た。
【実施例5】
【0328】
Ca++放出アッセイにおける阻害濃度の決定
THP−1細胞(DSMZ、ブラウンシュヴァイク)を、10%ウシ胎児血清に加え50単位/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシンおよび50μM β−メルカプトエタノールを含有したGlutaMAX(Invitrogen)を含むRPMI1640培地中、37℃かつ5%COで、0.3×10/mlの細胞密度で一夜培養した。
【0329】
シュピーゲルマーは、0.2ml薄型(low profile)96チューブプレート中で、1mg/mlウシ血清アルブミン、5mMプロベネシドおよび20mM HEPESを含有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS)(HBSS+)中37℃で15ないし60分間、組換えヒトMCP−1(Bachem)と一緒にインキュベートした(「刺激溶液」)。
【0330】
カルシウム指示薬色素を負荷するため、細胞を300×gで5分間遠心分離し、4ml指示薬色素溶液(HBSS+中10μM fluo−4[Molecular Probes]、0.08%プルロニック127[Molecular Probes])に再懸濁し、そして37℃で60分間インキュベートした。その後、11mlのHBSS+を添加し、そして細胞を上のとおり遠心分離し、15mlのHBSS+で1回洗浄し、そしてその後1.1×10/mlの細胞密度を生じるようにHBSS+に再懸濁した。この細
胞懸濁液90μlを黒色96ウェルプレートの各ウェルに添加した。
【0331】
蛍光シグナルの測定は、Fluostar Optima多検出プレートリーダー(BMG)にて485nmの励起波長および520nmの発光波長で行った。数サンプルの同時測定のため、96ウェルプレートの1(垂直)行のウェルを一緒に記録した。4秒の遅れを伴う最初の3個の読取りをベースラインの測定のため行った。その後記録を中断し、そしてプレートを装置から動かした。多チャンネルピペットを使用して、10μlの刺激溶液をウェルに添加し、その後プレートを再度装置に動かしかつ測定を継続した。合計で4秒の時間間隔を伴う20記録を実施した。
【0332】
各ウェルについて、最大蛍光とベースライン値の間の差違を決定し、そしてMCP−1濃度に対し、若しくは、シュピーゲルマーによるカルシウム放出の阻害に関する実験ではシュピーゲルマーの濃度に対しプロットした。
【0333】
ヒトMCP−1の半最大有効濃度(EC50)の決定
多様なhMCP−1濃度でのTHP−1細胞の刺激、ならびに最大およびベースラインシグナルの間の差違をプロットすることの後に、約2〜4nMの半有効濃度(EC50)を示すヒトMCP−1の用量応答曲線を得た(図11)。この濃度を、シュピーゲルマーによるCa++放出の阻害に関するさらなる実験に使用した。
【0334】
マウスMCP−1の半最大有効濃度(EC50)の決定
多様なmMCP−1濃度でのTHP−1細胞の刺激、ならびに最大およびベースラインシグナルの間の差違をプロットすることの後に、約5nMの半有効濃度(EC50)を示すマウスMCP−1の用量応答曲線を得た(図28)。この濃度を、シュピーゲルマーによるCa++放出の阻害に関するさらなる実験に使用した。
【実施例6】
【0335】
走化性アッセイにおける阻害濃度の測定
上述されたとおり増殖させたTHP−1細胞を遠心分離し、HBH(1mg/mlウシ血清アルブミンおよび20mM HEPESを含有するHBSS)で1回洗浄しかつ3×10細胞/mlで再懸濁した。この懸濁液100μlを、5μm孔をもつTranswellインサ―ト(Corning、#3421)に添加した。下区画中で、MCP−1を600μlのHBH中の多様な濃度のシュピーゲルマーと一緒に、細胞の添加前に37℃で20ないし30分間前インキュベートした。細胞を37℃で3時間移動させた。その後インサートを取り出し、そしてリン酸緩衝生理的食塩水中440μMレサズリン(Sigma)60μlを下区画に添加した。37℃で2.5時間のインキュベーション後に、Fluostar Optima多検出プレートリーダー(BMG)にて544nmの励起波長および590nmの発光波長で蛍光を測定した。
【0336】
ヒトMCP−1の半最大有効濃度(EC50)の測定
多様なヒトMCP−1濃度へのTHP−1細胞の3時間の移動後に、約1nMの最大有効濃度およびより高濃度での低下された活性化を示すヒトMCP−1の用量応答曲線を得た(図14)。シュピーゲルマーによる走化性の阻害に関するさらなる実験に、0.5nMのMCP−1濃度を使用した。
【0337】
マウスMCP−1の半最大有効濃度(EC50)の測定
多様なマウスMCP−1濃度へのTHP−1細胞の3時間の移動後に、約1〜3nMの最大有効濃度およびより高濃度での低下された活性化を示すマウスMCP−1の用量応答曲線を得た(図30)。シュピーゲルマーによる走化性の阻害に関するさらなる実験に、0.5nMのマウスMCP−1濃度を使用した。
【実施例7】
【0338】
表面プラズモン共鳴測定による結合分析
7.1 NOX−E36、181−A2−018およびmNOX−E36の特異性評価
Biacore 2000装置(Biacore AB、スウェーデン・ウプサラ)を使用して、ヒトMCP−1および関係するタンパク質への核酸の結合を分析した。アミン基を介してカップリングを達成するべきであった場合に、該タンパク質を水に対し1〜2時間透析して(Millipore VSWP混合セルロースエステル;孔径0.025μM)妨害するアミンを除去した。PioneerF1若しくはCM4センサーチップ(Biacore AB)を、0.4M NHSおよび0.1M EDCの1:1希釈の5μl/分の流速での35μl注入により、タンパク質カップリング前に活性化した。ケモカインをその後、装置応答が1000〜2000RU(相対単位)の範囲になるまで、2μl/分の流速で0.1〜1.5μg/mlの濃度で注入した。未反応NHSエステルは35μlの塩酸エタノールアミン溶液(pH8.5)の5μl/分の流速での注入により非活性化した。センサーチップを結合緩衝液で2回プライミングし、そしてベースラインが安定に見えるまで1〜2時間、10μl/分で平衡化した。全部のタンパク質について、速度論的パラメータおよび解離定数を、選択緩衝液(トリス−HCl、20mM;NaCl、137mM;KCl、5mM;CaCl、1mM;MgCl、1mM;Tween20、0.1%[w/v];pH7.4)中1000、500、250、125、62.5、31.25および0nMの濃度の一連のシュピーゲルマーの注入により評価した。全実験において、分析は、10μl/分の流速で180の会合時間および360秒の解離時間を定義するKinjectコマンドを使用して37℃で実施した。データ解析および解離定数(K)の計算は、ラングミュアーの1:1化学量論的当てはめアルゴリズムを使用してBIAevaluation 3.0ソフトウェア(BIACORE AB、スウェーデン・ウプサラ)を用いて行った。
【0339】
7.1.1 NOX−E36および181−A2−018(ヒトMCP−1特異的核酸)
ヒトMCP−1についてのみ全部のセンサー図を描き(それぞれ図17および20);他のタンパク質については、明瞭さのため、125nMのシュピーゲルマー濃度で得られたセンサー図のみ示す(図18/19および21/22)。
【0340】
NOX−E36・hMCP−1の相互作用の分析:組換えヒトMCP−1を、1381RU(相対単位)の装置応答が確立されるまで、製造元の推奨(アミンカップリング処置)に従って、PioneerF1センサーチップに固定した。ヒトMCP−1へのNOX−E36結合の測定された解離定数(K)は約890pMであった(図17)。
【0341】
181−A2−018・hMCP−1の相互作用の分析:組換えヒトMCP−1を、3111RU(相対単位)の装置応答が確立されるまで、製造元の推奨(アミンカップリング処置)に従って、CM4センサーチップに固定した。ヒトMCP−1への181−A2−018結合の測定された解離定数(K)は約370pMであった(図20)。
【0342】
NOX−E36および181−A2−018の特異性を決定するため、多様なヒトMCP−1ファミリータンパク質、ならびにヒトエオタキシンを、PioneerF1およびCM4センサーチップに固定した(hMCP−1、1754RU;hMCP−2、1558RU;hMCP−3、1290RU;エオタキシン、1523RU)。速度論的分析は、NOX−E36が5〜10nMの解離定数(K)でエオタキシンおよびhMCP−2に結合することを示し;hMCP−3は認識されなかった(図18および24A)。181−A2−018は、対照的に、エオタキシン、hMCP−2およびhMCP−3を、しかしわずかにより低い親和性で結合する(10〜20nM;図21および24A)。
【0343】
NOX−E36および181−A2−018の種間交差反応性を、PioneerF1およびCM4センサーチップ上のヒト(1460RU)、サル(1218RU)、ブタ(1428RU)、イヌ(1224RU)、ウサギ(1244RU)、ラット(1267RU)およびマウス(1361RU)からのアミノカップリング固定したMCP−1を使用して評価した。速度論的分析は、NOX−E36が、0.89〜1.2nMの比較可能な解離定数(K)でヒト、サル、ブタおよびイヌMCP−1に結合する一方、マウス、ラットおよびウサギからのMCP−1は認識されなかったことを示した(図19および24A)。181−A2−018は、0.5〜0.6nMの比較可能な解離定数(K)でヒトおよびサルMCP−1に結合する一方、ブタ、ウサギおよびイヌMCP−1ははるかにより低い親和性で結合される。ラットおよびマウスMCP−1はNOX−A2−018により認識されなかった(図22および24A)。
【0344】
多様な種からのMCP−1タンパク質および緊密に関係するヒトタンパク質の配列、ならびにそれらの間の同一アミノ酸パーセントでの相同性の程度を図23に描き;NOX−E36および181−A2−018の計算されたKD値を表形式で図24Aに表示する。
【0345】
7.1.2 mNOX−E36(マウスMCP−1特異的核酸)
mNOX−E36の結合挙動を解析するため、3759RUの合成ビオチニル化マウスD−MCP−1(フロ―セル3)および3326RUのビオチニル化ヒトD−MCP−1(フローセル4)を、それぞれストレプトアビジン結合したセンサーチップ(Biacore AB、独国フライブルク)に固定した。500、250、125、62.5、31.25および0nMのmNOX−E36アプタマー(D−RNA)溶液を、180秒の会合時間および360秒の解離時間を規定するKinjectコマンドを使用して注入した。フローセル1は緩衝液およびデキストランマトリックス対照(Biacore SAチップ表面)として使用した一方、フローセル2では、アプタマーの非特異的結合を測定するため非特異的D−ペプチドを固定した。図32は、200〜300pMの計算された解離定数(K)を伴うマウスD−MCP−1への結合のD−NOC−E36のキネティックのセンサー図を示す。mNOX−E36はヒトD−MCP−1を結合せず(図33);明瞭さのため、125nMのシュピーゲルマーで得られたセンサー図のみを示す。
【0346】
7.2 NOX−E36の選択性評価
NOX−E36の選択性を、ストレプトアビジン(SAチップ)に5’ビオチニル化NOX−E36を固定することにより表面プラズモン共鳴分析により評価した。フローセル(FC)1上の352RUのNOX−E36、およびFC2上の等量の5’末端ビオチニル化した非機能的対照シュピーゲルマー(POC)を、ストレプトアビジン/ビオチン結合により固定した。FC3を、デキストラン−SAセンサー表面への非特異的結合を測定するための表面対照として使用した。
【0347】
全4サブグループ(CC、CXC、CXCおよびXC)からの100nMのヒトケモカインの一団を360秒間注入し、そして複合体を10μl/分の流速および37℃で360秒間解離させた。会合後(応答1;相互作用の程度)および解離後(応答2:相互作用の親和性)の応答単位をプロットした。各注入後に、チップ表面を240秒の0.1% Tweenを含む1M塩化ナトリウムで再生し;固定したシュピーゲルマーをその後、生理学的条件(泳動緩衝液)で2分間再フォールディングさせた。各ケモカインの注入を3回反復した。CXCL1、CXCL2、CXCL6およびCXCL9は、リボ核酸およびチップデキストラン表面への非特異的結合を示した。固定したNOX−E36への特異的高親和性結合は、CCL2/MCP−1、CCL8/MCP−2、CCL11/エオタキシン、CCL3/MIP1αおよびCXCL7/NAP−2についてのみ検出し得た(図24B)。MCP−2およびエオタキシンがNOX−E36により結合されるという知見は、62および70%のこれらのケモカインとMCP−1の間の比較的高い相同性により驚くべきでなく、期待されなかった陽性、CCL3/MIP−1αおよびCXCL7/NAP−2について、機能阻害のin vitro試験はそれぞれ実施されたか若しくは現在確立されつつある。
【0348】
最後に、NOX−E36およびCCL2/MCP−1、CCL8/MCP−2、CCL11/エオタキシン、CCL3/MIP1α、CXCL7/NAP−2、CCL7/MCP−3およびCCL13/MCP−4の間の相互作用の速度論的パラメータを「反転」系で測定した。ここで、ケモカインを固定し、そして遊離NOX−E36を注入した(詳細なプロトコルについては7.1を参照されたい)。速度論的データを図24Cに要約する。
【0349】
7.3 in vitroでの抗MIP−1α機能性の評価
Biacore測定はMIP−1αとのNOX−E36の交差反応性を示した。機能的な細胞培養物に基づくin vitroアッセイを使用することにより、MIP−1αへのNOX−E36の単なるBiacore結合もまた機能性、例えば拮抗作用に変わるかどうかを確認すべきである。
【0350】
これを達成するため、MIP−1αにより刺激され得るTHP−1細胞を用いる走化性実験を実施した。上述されたとおり増殖させたTHP−1細胞を遠心分離し、HBH(1mg/mlウシ血清アルブミンおよび20mM HEPESを含有するHBSS)で1回洗浄し、そして3×10細胞/mlで再懸濁した。この懸濁液100μlを、5μm孔をもつTranswellインサート(Corning、#3421)に添加した。下区画中で、MIP−1αを600μlのHBH中の多様な濃度のシュピーゲルマーと一緒に、細胞の添加前に37℃で20ないし30分間前インキュベートした。細胞を37℃で3時間移動させた。その後、インサートを取り出し、そしてリン酸緩衝生理的食塩水中440μMレサズリン(Sigma)60μlを下区画に添加した。37℃で2.5時間のインキュベーション後に、Fluostar Optima多検出プレートリーダー(BMG)で544nmの励起波長および590nmの発光波長にて蛍光を測定した。
【0351】
多様なヒトMIP−1α濃度へのTHP−1細胞の3時間の移動後に、約1nMの半最大有効濃度およびより高濃度での低下された活性化を示すヒトMIP−1αの用量応答曲線を得た(図24D)。シュピーゲルマーによる走化性の阻害に関するさらなる実験に、0.5nMのMIP−1α濃度を使用した。
【0352】
NOX−E36による走化性阻害の測定のための実験を、0.5nMのMIP−1αの刺激を用いて実施した。NOX−E36が、1μM MIP−1αの最高の試験した濃度まで、MIP−1α誘発性の走化性を阻害しないことを明瞭に示し得た。陽性対照として、刺激としてのMCP−1伴うそれぞれの実験を同時に実施した(図24E)。
【実施例8】
【0353】
抗mMCP−1シュピーゲルマーでのMRLlpr/lprマウスにおける狼瘡様疾患の治療
炎症前メディエーターを阻害することは慢性炎症の処置のための成功裏の一アプローチとなっている(Steinman 2004)。TNFおよびインターロイキンに加え、C−ケモカインは炎症の部位への血管内空隙からの白血球動員を媒介するため、CC−ケモカインは特定の拮抗作用の重要な候補である(Baggiolini 1998、Luster 2005)。MCP−1(=CCL2)およびそのそれぞれのケモカイン受容体CCR2が全身性エリテマトーデスの臨床症状発現のような自己免疫性組織傷害で決定的な役割を演じているという非常に強力な証拠が存在する(GerardとRollins 2001)。例えば、Ccl2若しくはCcr2いずれかの遺伝子について欠損のMRLlpr/lprマウスは狼瘡様自己免疫から保護される(Perez de Lema 2005、Tesch 1999)。これゆえに、CCL2/CCR2系は例えばループス腎炎の有望な治療標的を表しうる。事実、遅延された遺伝子治療若しくはトランス
フェクトした細胞の移入(双方ともNH切断型MCP−1のin situ産生をもたらす)は、MRLlpr/lprマウスにおける自己免疫性組織傷害を顕著に低下させた。しかしながら、こうした実験的アプローチは、抑制不可能なアンタゴニスト産生および腫瘍形成のためヒトで使用し得ない(Hasegawa 2003、Shimizu 2004)。従って、in vivoで好都合な薬物動態プロファイルをもつ新規CCL2アンタゴニストを開発することが必要なままである。本実施例において、抗mCCL2シュピーゲルマーmNOX−E36若しくはmNOX−E36−3’PEGでのマウスCCL2の阻害が、全身性エリテマトーデスのループス腎炎および他の疾患症状発現の処置に適しているとみられることが示される。mCCL2シュピーゲルマー治療の後期の開始は、治療的CCL2/CCR2阻害と関連するいかなる以前の問題にも依存せず、MRLlpr/lprマウスにおけるループス腎炎、自己免疫性気管支周囲炎および狼瘡様皮膚疾患を効果的に改善する。
【0354】
動物および実験プロトコル
10週齢雌性MRLlpr/lprマウスはHarlan Winkelmann(独国ボルヒェン)から得、そして12時間の明および暗周期での通常の収容条件で飼育した。水および標準的飼料(Ssniff、独国ゾースト)は任意に利用可能であった。14週齢時に、12マウスの群が、後に続くところの5%ブドウ糖中のシュピーゲルマーの皮下注入(注入容量4ml/kg)を週あたり3回受領した:mNOX−E36、1.5μmol/kg;mNOX−E36−3’PEG、0.9μmol/kg;非機能的対照シュピーゲルマーPoC(5’−UAAGGAAACUCGGUCUGAUGCGGUAGCGCUGUGCAGAGCU−3’)、1.9μmol/kg;PoC−PEG、0.9μmol/kg;ベヒクル(5%ブドウ糖)。mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEGの血漿濃度を、それぞれ注入3若しくは24時間後に後眼窩洞から週1回採取する血液サンプルから測定した。血漿サンプル中のシュピーゲルマー濃度は実施例8に記述されるところのサンドイッチハイブリダイゼーション法の変法により測定した。マウスは24週齢の終了時に頚部脱臼により殺した。
【0355】
全身性狼瘡の評価
皮膚病変を半定量的スコア(Schwarting 2005)により記録した。全体重に対する脾および巨大な腸間膜リンパ節の重量比を、狼瘡関連リンパ球増殖症候群のマーカーとして計算した。血液および尿サンプルを各動物から試験期間の終了時に吸入エーテルを用いる全身麻酔下に後眼窩静脈叢からの出血により収集した。血液および尿サンプルを試験の終了時に各動物から収集し、そして尿アルブミン/クレアチニン比および血清dsDNA自己抗体IgGアイソタイプ力価を前述された(Pawar 2006)とおり測定した。糸球体濾過速度(GFR)を、単一ボーラス注入5、10、15、20、35、60および90分後の血漿FITC−イヌリン(Sigma−Aldrich、独国シュタインハイム)のクリアランスキネティクス(Qi 2004)により、24週に測定した。蛍光を485nmの励起および535nmの発光での読取りで測定した。GFRは、非直線回帰曲線当てはめソフトウェア(GraphPad Prism、GraphPad Software Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用する2コンパートメントモデルに基づき計算した。血清サイトカイン濃度は、IL−6、IL−12p40(OptEiA、BD Pharmingen)およびIFN−α(PBL Biomedical Labs、米国)のための商業的ELISAを使用して測定した。全マウスから、腎および肺を10%緩衝ホルマリン中で固定し、加工しかつパラフィンに包埋した。銀および過ヨウ素酸シッフ染色のための5μm切片を慣例のプロトコル(Anders 2002)に従って調製した。腎病変の重症度を、ヒトループス腎炎について記述されたところの活動性および慢性性についての指標(Austin 1984)を使用して等級付けし、また、腎間質傷害の形態計測を前述された(Anders 2002)とおり実施した。気管支周囲の炎症の重症度は0〜4から半定量的に等級付けした。免疫染色のため、ホルマリン固定しかつパラフィン包埋した組織の切片を脱蝋しかつ再水和した。内因性ペルオキシダーゼを3%過酸化水素により阻害し、そして抗原の回収をオートクレーブオーブン中で抗原回収溶液(Vector、カリフォルニア州バーリンゲーム)中で実施した。アビジン/ビオチンブロッキングキット(Vector)を使用してビオチンをブロッキングした。スライドを一次抗体と1時間、次いでビオチニル化二次抗体(抗ラットIgG、Vector)およびABC試薬(Vector)とインキュベートした。スライドはインキュベーション段階の間にリン酸緩衝生理的食塩水で洗浄した。金属増強を伴う3’3’ジアミノベンジジン(DAB、Sigma、独国タウフキルヒェン)を検出系として使用して、黒色生成物をもたらした。メチルグリーンを対染色として使用し、スライドを脱水しかつHistomount(Zymed Laboratories、カリフォルニア州サンフランシスコ)にマウントした。以下の一次抗体を使用した:ラット抗Mac2(マクロファージ、Cederlane、カナダ・オンタリオ州、50倍)、抗マウスCD3(100倍、クローン500A2、BD)、抗マウスIgG(100倍、M32015、Caltag Laboratories、米国カリフォルニア州バーリンゲーム)、抗マウスIgG2a(100倍、M32215、Caltag)、抗マウスC3(200倍、GAM/C3c/FITC、Nordic Immunological Laboratories、オランダ・ティルブルク)。陰性対照はそれぞれのアイソタイプ抗体とのインキュベーションを包含した。定量分析のため、糸球体細胞を切片あたり15個の皮質糸球体中で計数した。糸球体IgおよびC3c沈着物を15個の皮質糸球体切片で0〜3から評価した。
【0356】
RNA調製およびリアルタイム定量的(TaqMan)RT−PCR
各マウスからの腎組織を液体窒素中で急速凍結しかつ−80℃で保存した。各動物について、全腎RNA調製および逆転写は記述された(Anders 2002)とおり実施した。プライマーおよびプローブはPE Biosystems、独国ヴァイターシュタットからであった。Cc12、Ccl5および18S rRNAの検出に使用される使用したプライマー(300nM)、PE Biosystemsからの予め開発されたTaqManアッセイ試薬。
【0357】
フローサイトメトリー
全血および骨髄サンプルを試験終了時に全群のマウスから得た。フローサイトメトリーはFACScalibur器械および以前に特徴付けされたMC21抗mCCR2抗体(Mack 2001)を使用して実施した。ビオチニル化抗ラットIgG抗体(BD Biosciences)を検出に使用した。ラットIgG2b(BD Biosciences)をアイソタイプ対照として使用した。
【0358】
統計学的解析
データは平均±平均の標準誤差(SEM)として表した。群間の比較は一変量ANOVAを使用して実施した。事後Bonferroni補正を多重比較に使用した。p<0.05という値を統計学的有意性を示すために考慮した。
【0359】
サンドイッチハイブリダイゼーションアッセイ
サンプル中のシュピーゲルマーの量を、Droletら 2000(Pharm Res 17:1503)により記述されたところのアッセイに基づくサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイにより定量した。血液サンプルを、NOX−E36の血漿クリアランスを追跡するために同時に収集した。選択した組織を、シュピーゲルマー濃度を測定するため調製した。
【0360】
ハイブリダイゼーションプレート調製
シュピーゲルマーmNOX−E36を、検証されていないサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイを使用して定量した。簡潔には、mNOX−E36捕捉プローブ(配列番号281)を、0.5Mリン酸ナトリウム、1mM EDTA、pH8.5中0.75mMで白色DNA−BIND 96ウェルプレート(Corning Costar、独国ヴィースバーデン)に4℃で一夜固定した。ウェルを2回洗浄し、そして0.25Mリン酸ナトリウム、1mM EDTA、pH8.5中0.5%w/v BSAで37℃で3時間ブロッキングし、再度洗浄しかつ使用まで4℃で保存した。ハイブリダイゼーション前にウェルを37℃に前加温し、そして前加温した洗浄緩衝液(3×SSC、0.5%[w/v]ドデシルサルコシンナトリウム、pH7.0;事前にラウロイルサルコシンナトリウムを含まずに20×ストック[3M NaCl、0.3M Naクエン酸]を調製し、そして相応して希釈する)で2回洗浄した。
【0361】
サンプル調製
全サンプルは2検体でアッセイした。血漿サンプルを氷上で融解し、ボルテックス攪拌しかつ冷却した卓上遠心機で短時間回転した。組織ホモジェネートをRTで融解し、そして最大速度かつRTで5分遠心分離した。5μlのみの各サンプルをアッセイのため取り出し、そしてその後保存のため冷凍庫に戻した。サンプルは、以下のスキームに従い、RTでハイブリダイゼーション緩衝液(洗浄緩衝液中8nM mNOX−E36検出プローブ[配列番号282])で希釈した:
30倍 5μlサンプル+145μlハイブリダイゼーション緩衝液
300倍 20μlの30倍+180μlハイブリダイゼーション緩衝液
3000倍 20μlの300倍+180μlハイブリダイゼーション緩衝液
30000倍 20μlの3000倍+180μlハイブリダイゼーション緩衝液
【0362】
全サンプル希釈をアッセイした。mNOX−E36標準は0〜4nM範囲にわたる8点較正曲線に連続希釈した。QCサンプルは調製およびアッセイしなかった。較正標準は試験内(in−study)サンプルのものに同一であった。
【0363】
ハイブリダイゼーションおよび検出
サンプルを95℃で10分間加熱しそして37℃に冷却した。シュピーゲルマー/検出プローブ複合体を、固定した捕捉プローブに37℃で30分間アニーリングした。未結合のシュピーゲルマーは、洗浄緩衝液および1×TBST(20mMトリス−Cl、137mM NaCl、0.1% Tween 20、pH7.5)でそれぞれ2回洗浄することにより除去した。ハイブリダイズした複合体を、1×TBST中5000倍希釈したストレプトアビジンアルカリホスファターゼにより室温で1時間検出した。未結合の複合物を除去するため、ウェルを再度1×TBSTおよび20mMトリス−Cl、1mM MgCl2、pH9.8(各2回)で洗浄した。ウェルを最後に100mlのCSDP基質(Applied Biosystems、独国ダルムシュタット)で満たし、そして室温で45分間インキュベートした。化学発光をFLUOstar Optimaマイクロプレートリーダー(BMG Labtechnologies、独国オッフェンブルク)で測定した。
【0364】
データ解析
以下のアッセイしたサンプル希釈を定量的データ解析に使用した:
ラットEDTA血漿 2000倍
【0365】
ベヒクル群(シュピーゲルマーを投与しなかった)から得たデータをバックグラウンドシグナルとして差し引いた。
【0366】
本明細書に記述されるところのサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイは、シュピーゲルマーNOX−36、NOX−E36−5’−PEGおよびNOX−E36−3’−PEGにもまた類似の様式で作用し、それによりそれぞれのNOX−E36捕捉プローブ(配列番号255)およびそれぞれのNOX−E36検出プローブ(配列番号256)を使用しなければならない(データは示されない)。
【0367】
結果
mNOX−E36−3’PEGはMRLlpr/lprマウスの生存および腎疾患を改善する
雌性MRLlpr/lprマウスは、ヒトでのびまん性増殖性ループス腎炎に対する著しい類似性を伴う増殖性免疫複合体型糸球体腎炎を発症しかつその後それで死亡する。本治療試験デザインでは、処置されるMRLlpr/lprマウスを、PEG化および未PEG化抗mCCL2シュピーゲルマー、PEG化および未PEG化対照(「PoC」)シュピーゲルマー若しくはベヒクルで14から24週齢まで処置した。この時点で、ベヒクル、PoC若しくはPoC−PEG処置したMRLlpr/lprマウスは、糸球体マクロファージ浸潤、ならびに糸球体および間質Mac2陽性マクロファージならびに間質CD3陽性リンパ球よりなる混合型糸球体周囲および間質炎症細胞浸潤を特徴とするびまん性増殖性糸球体腎炎を示した(図34および35)。mNOX−E36−3’PEGは、ループス腎炎の活動性および慢性性指標、ならびに腎の炎症の前述のマーカーを改善した(図35)。未PEG化分子mNOX−E36は慢性性指標ならびに間質マクロファージおよびT細胞数に対しより少なく効果的であった(図35)。進行した慢性腎疾患が、ベヒクル、PoCおよびPoC−PEG処置マウスでの尿細管萎縮および間質線維症の集密領域によりさらに具体的に説明された(図34)。これらの変化を定量化するための形態計測を応用して、PEG化および未PEG化mNOX−E36が、間質容量、尿細管細胞損傷および尿細管拡張(全部慢性腎疾患の重症度および予後のマーカーである)を低下させたことが見出された(図36)。mNOX−E36−3’PEGは50%死亡率を改善したがしかし未PEG化mNOX−E36はしなかった(図37)。従って、mNOX−E36−3’PEGは、MRLlpr/lprマウスの腎マクロファージおよびT細胞浸潤の数を低下させかつループス腎炎および(腎)生存を改善し得る。mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEGでの処置がMRLlpr/lprマウスでの腎内炎症に影響を及ぼすかどうか研究するため、リアルタイムRT−PCRを実施して、腎疾患の進行の間にMRLlpr/lprマウスの腎において漸進性に上方制御されることが以前に示された(Perez de Lema 2001)炎症前ケモカインCCL2およびCCL5の発現レベルを評価した。14から24週齢までのmNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEGでの処置は、ベヒクル処置した対照に比較してCCL2およびCCL5 mRNAの腎発現を低下させた(図38)。
【0368】
抗CCL2シュピーゲルマーはMRLlpr/lprマウスにおける腎外自己免疫性組織傷害を低下させる
皮膚および肺もまたMRLlpr/lprマウスにおける自己免疫性組織傷害から一般に影響を受ける。ベヒクル処置したマウスにおいて、自己免疫性肺疾患は、中程度の細気管支周囲および血管周囲炎症細胞浸潤を特徴とし、また、皮膚病変がマウスの60%で観察された(図39、40および35)。mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEG双方は、それぞれベヒクル、PoCおよびPoC−PEG処置したMRLlpr/lprマウスに比較して気管支周囲の炎症および皮膚疾患を低下させた(図39、40および35)。これゆえに、CCL2特異的シュピーゲルマーの効果はループス腎炎に制限されず、しかしMRLlpr/lprマウスにおける自己免疫性組織傷害の他の症状発現に及ぶ。
【0369】
MRLlpr/lprマウスにおけるmNOX−E36およびリンパ球増殖症候群、dsDNA自己抗体ならびに血清サイトカイン濃度
雌性MRLlpr/lprマウスは、大規模な脾腫大ならびに巨大な頚部、液窩、鼠径部および腸間膜リンパ節を特徴とするリンパ球増殖症候群を発症する。mNOX−E36
およびmNOX−E36−3’PEG双方は、MRLlpr/lprマウスの脾およびリンパ節の重量に対し影響を有しなかった(図41)。MRLlpr/lprマウスでの自己免疫は、dsDNAを包含する複数の核抗原に対する自己抗体の産生を特徴とする。24週齢MRLlpr/lprマウスでは、血清dsDNA IgG、IgG、IgG2a、IgG2b自己抗体が高レベルで存在した。mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEG双方はこれらのDNA自己抗体のいずれに対しても影響を有しなかった(図41)。ベヒクル処置したMRLlpr/lprマウスでの狼瘡様疾患は、IFN−α、IL−12p40およびIL−6の上昇された血清濃度を特徴とした。mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEG双方はこれらの炎症メディエーターのいずれに対しても影響を有しなかった(図41)。従って、双方のmNOX−E36バリアントは、MRLlpr/lprマウスにおけるリンパ球増殖、抗dsDNA IgG産生および血清サイトカイン濃度に影響を及ぼさない。
【0370】
MRLlpr/lprマウスでのmNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEGの血漿濃度
mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEG血漿濃度を、MRLlpr/lprマウスの進行性腎疾患の間の薬物曝露をモニターするために、週間隔で測定した。注入3時間後のmNOX−E36および注入24時間後のmNOX−E36−3’PEGの血漿濃度中央値は試験を通じてそれぞれおよそ300nMおよび1μMであった(図42)。従って、PEG化はmNOX−E36の血漿濃度を増大させ、そして、MRLlpr/lprマウスの進行性腎疾患は双方のシュピーゲルマーの薬物動態を調節しなかった。
【0371】
mNOX−E36−3’PEGは骨髄からの単球の移動を阻害する
細菌感染の間の骨髄からの単球移動は、ケモカイン受容体CCRを関与させることが示された(Serbina 2006)が、しかし、自己免疫の情況でのCCL2の役割は仮説のままである。従って、24週齢MRLlpr/lprマウスのmNOX−E36−3’PEGおよびベヒクル処置群のマウスでの末梢血および骨髄のCCR2陽性単球集団を検査した。mNOX−E36−3’PEGでの処置は骨髄中のCCR2陽性細胞の割合を13%から26%に増加させた一方、それは末梢血中のこの集団を26%から11%に減少させた(図43)。これらのデータは、MRLlpr/lprマウスの自己免疫疾患の間の骨髄からのCCR2陽性細胞の忌避のためのCCL2の役割を裏付ける。
【0372】
要約
シュピーゲルマー技術を応用して、mCCL2をin vitroおよびin vivoで強力に阻害する新規かつ特異的mCCL2アンタゴニストを創製した。事実、CCL2シュピーゲルマーでの処置の晩期の開始はMRLlpr/lprマウスにおける進行した狼瘡様自己免疫性組織傷害を顕著に改善した。これらのデータは、慢性炎症性組織損傷におけるCCL2の中心的役割を裏付け、かつ、CCL2シュピーゲルマーを自己免疫性組織傷害の新規治療薬と同定する。
【実施例9】
【0373】
抗mMCP−1シュピーゲルマーを用いる一側腎摘出糖尿病マウスにおける糖尿病性腎症の治療
糖尿病性腎症は、アンジオテンシン依存性の発症機序を標的とすることが疾患の進行を常に予防するわけでないため、末期腎疾患の第一位の原因のままである(Zimmet 2001;Ritz 1999;United States Renal Data System 2004;Svensson 2003)。これゆえに、他の処置戦略が、糖尿病性腎症の治療的装備に追加するために必要とされる。
【0374】
最近の実験的研究からのデータは糖尿病性腎症の腎内炎症への進行に関する(Galk
ina 2006;Mora 2005;Meyer 2003;Tuttle 2005)。例えば、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキサート若しくは照射は、ストレプトゾトシン誘発性糖尿病性腎症を伴うラットで尿アルブミン排泄および糸球体硬化を低下させる(Yozai 2005;Utimura 2003)。それでもなお、糖尿病性腎症における腎内炎症の分子および細胞機序は乏しく特徴付けられているままである。糖尿病性腎症を伴う患者は、炎症の急性期マーカーの上昇された血清濃度を有するが、しかしこれは腎内炎症を表さないことがある(Dalla Vestra 2005;Navarro 2003)。糖尿病性腎症を伴う患者は、腎内炎症により特異的でありうる、高レベルのCC−ケモカイン、単球走化性タンパク質1(MCP−1/CCL2)を尿中に排泄する(Morii 2003;Tashiro 2002;Takebayashi 2006)。事実、MCP−1/CCL2は、高ブドウ糖濃度若しくは進行した糖化最終生成物のいずれかに曝露されたヒトメサンギウム細胞により発現される(Ihm 1998;Yamagishi 2002)。CCL2は血管内から血管外区画すなわち糸球体および腎間質への白血球動員の複雑な多段階過程に関与している(Baggiolini 1998)。事実、マクロファージ浸潤は、ヒトならびに実験的糖尿病性糸球体硬化および尿細管間質傷害における一般的所見である(Bohle 1991;Furuta 1993;Chow 2007)。Ccl2欠損の1型若しくは2型糖尿病マウスは、より少ない糸球体傷害を伴うより低い糸球体マクロファージ数を有する(Chow 2004;Chow 2006)。これらの研究で、1型および2型糖尿病性腎症の糸球体の病理学のCCL2の機能的役割もまた示された。これゆえに、CCL2は糖尿病性腎症の潜在的治療標的を表すとみられ、そして好都合な薬物動態プロファイルをもつ適するCCL2アンタゴニストがこの疾患の情況で検証されるべきである。本実施例において、われわれは進行した糖尿病性腎症を伴う2型糖尿病db/dbマウスにおけるPEG化抗CCL2シュピーゲルマーmNOX−E36−3’PEGの効果を報告する。われわれは、抗CCL2シュピーゲルマーが糖尿病性腎症の処置に適しているとみられることを示した。
【0375】
動物および実験プロトコル
雄性の5週齢C57BLKS db/db若しくはC57BLKS野生型マウスはTaconic(デンマーク・リュー)から得、そして、試験の期間、12時間の暗/明周期ならびに食餌および水への制限されない到達を伴いフィルタートップケージに収容した。ケージ、敷きわら、巣(nestlet)、食餌および水は使用前にオートクレーブ処理により滅菌した。6週齢で、一腎摘出(「1K」マウス)若しくは擬似手術(「2K」マウス)を、db/dbおよび野生型マウスで、前述された(Bower 1980)とおり、1cmの脇腹切開により実施した。擬似手術群のマウスでは腎はin situに残した。10週後すなわち4月齢時に、1K db/dbマウスを、5%ブドウ糖中mNOX−E36−3’PEG若しくはPoC−PEG(用量0.9μmol/kg;注入容量1ml/kg)いずれかの皮下注入を週あたり3回受領した2群に分割した。処置を8週間(6月齢まで)継続し、その時に動物を殺し、そして組織病理学的評価のため組織を得た。全実験手順は地域の政府当局により承認されていた。
【0376】
糖尿病性腎症の評価
全部の免疫組織学的研究は記述された(Anders 2002)とおりパラフィン包埋切片で実施した。以下の抗体を一次抗体として使用した:ラット抗Mac2(糸球体マクロファージ、Cederlane、カナダ・オンタリオ州、50倍)、抗Ki−67(細胞増殖、Dianova、独国ハンブルク、25倍)。組織病理学的評価のため、各マウスから腎の一部をリン酸緩衝生理的食塩水中10%ホルマリン中で固定しかつパラフィンに包埋した。3μm切片を、供給元(Bio−Optica、イタリア・ミラノ)の説明書に従って過ヨウ素酸シッフ試薬若しくは銀で染色した。糸球体硬化性病変は、後に続くところの盲検化した観察者による半定量的スコアを使用して評価した。すなわち、それぞれ0=病変なし、1=<25%硬化性、2=25〜49%硬化性、3=50〜74%硬化性、4=75〜100%硬化性。15個の糸球体を切片あたり分析した。間質容量および尿細管拡張の指標は、前述された(Anders 2002)ところの10個の重ならない皮質野に100点の格子を重ね合わせることにより決定した。間質細胞数は、盲検化した観察者により15個の高倍率野(hpf、400倍)で測定された。RNA調製およびリアルタイム定量的(TaqMan)RT−PCRは脱パラフィンした糸球体から行った。溶解緩衝液(10mMトリス−HCl、0.1mM EDTA、2% SDSおよび20μg/mlプロテイナーゼK)中60℃で16時間のインキュベーション後に、フェノール−クロロホルムに基づくRNA抽出を実施した。糸球体RNAを10μlのRNアーゼを含まない水に溶解した。全臓器および糸球体RNAからの逆転写およびリアルタイムRT−PCRを、記述された(Anders 2002、Cohen 2002)とおり実施した。ddHOよりなる対照は標的およびハウスキーパー遺伝子について陰性であった。mCcl2、Gapdhおよび18S rRNAのオリゴヌクレオチドプライマー(300nM)およびプローブ(100nM)は、PEからの予め開発されたTaqManアッセイ試薬であった。プライマーおよびプローブはABI Biosystems、独国ヴァイターシュタットからであった。糸球体濾過速度(GFR)は、単一ボーラス注入の5、10、15、20、35、60および90分後の血漿FITC−イヌリン(Sigma−Aldrich、独国シュタインハイム)のクリアランスキネティクスにより測定した(Qi 2004)。蛍光は485nmの励起および535nmの発光での読取りで測定した。GFRは、非直線回帰曲線当てはめソフトウェア(GraphPad Prism、GraphPad Software Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用する2コンパートメントモデルに基づき計算した。全データは平均±SEMとして提示する。群の比較はANOVAを使用して実施し、そして事後Bonferroni補正を多重比較に使用した。p<0.05という値を統計学的有意性を示すために考慮した。
【0377】
結果
mNOX−E36−3’PEGは、一側腎摘出db/dbマウスで糸球体マクロファージ数および全体的糸球体硬化を低下させる。
【0378】
機能的CCL2の欠如がdb/dbマウスでの減少した糸球体マクロファージ動員と関連し(Chow 2007)、また、mNOX−E36−3’PEGがin vitroおよびin vivoでCCL2媒介性のマクロファージ動員を阻害することが可能である場合、mNOX−E36−3’PEGは進行した2型糖尿病性腎症を伴うdb/dbマウスでの腎マクロファージ動員を損なうはずである。この仮説を試験するため、われわれは、一側腎摘出(「1K」)db/dbマウスで4月齢時点でmNOX−E36−3’PEG若しくはPoC−PEGでの皮下注入を開始した。処置は8週間継続し、その時に組織を糖尿病性腎症の評価のため収集した。その期間の間、mNOX−E36−3’PEG処置は、白血球若しくは血小板数、血糖値若しくは体重(非糖尿病性BLKSマウスに比較してdb/dbマウスの全群で双方とも顕著に増加した)に有意に影響を及ぼさなかった(データは示されない)。興味深いことに、mNOX−E36−3’PEGは1K db/dbマウスでCCL2の血清濃度を増大させ、CCL2アンタゴニストが循環中でCCL2を保持することを示した(図44)。われわれの仮説と一致して、mNOX−E36−3’PEGは、mNOX−E36−3’PEG処置したdb/dbマウスで糸球体内のKi−67陽性増殖細胞のより低い数を伴い、PoC−PEG若しくはベヒクル処置したdb/dbマウスと比較して、糸球体マクロファージ数を40%有意に低下させた(図45)。これらの知見は、1K db/dbマウスでの全体的糖尿病性糸球体硬化の有意の改善を伴った(図46)。事実、mNOX−E36−3’PEG処置は、1K db/dbマウスでの糖尿病性糸球体硬化を、齢をマッチさせた非腎摘出(「2K」)db/dbマウスに存在する糸球体硬化の程度まで低下させた(図46)。これらの知見は、mNOX−E36−3’PEGでのCCL2依存性糸球体マクロファージ動員の遅延された阻害が、2型糖尿病db/dbマウスで全体的な糖尿病性糸球体硬化を予防することを示す。
【0379】
mNOX−E36−3’PEGは1K db/dbマウスでGFRを改善する
1K db/dbマウスでの糖尿病性糸球体硬化に対するmNOX−E36−3’PEG処置の有益な効果は、より良好なGFRを伴うはずである。われわれは、db/dbマウスでGFRのマーカーとしてFITC−イヌリンのクリアランスキネティクスを分析した(Qi 2004)。db/dbマウスでの約250ml/分の通常のGFR(Qi 2004)に比較して、われわれは、PoC−PEGを注入した6月齢1K db/dbマウスで112±23ml/分であったの低下されたGFRを見出した(図47)。mNOX−E36−3’PEG処置は、GFRを1K db/dbマウスで231±30ml/分まで有意に改善し(p<0.001)、CCL2依存性の糸球体マクロファージ動員を阻害することが2型糖尿病マウスで腎機能もまた改善し得ることを示唆した。
【0380】
mNOX−E36−3’PEGは、1K db/dbマウスで間質マクロファージ数および尿細管間質傷害を低下させる
ヒトでの進行した糖尿病性腎症は有意の数の間質マクロファージおよび尿細管間質傷害を伴う(Bohle 1991)。2K db/dbマウスでは、間質マクロファージ浸潤および有意の尿細管間質傷害は8月齢前に起こらない(Chow 2007)。早期一腎摘出はdb/dbマウスで尿細管間質の病状の発症を加速し(Ninichuk 2005)、従って、われわれは、間質マクロファージ、尿細管拡張および間質容量を6月齢の全群のマウスで尿細管間質損傷のマーカーとして定量化した。この時点で、1K db/dbマウスは、2K db/dbマウスと比較して、増大した数の間質マクロファージ、ならびに尿細管拡張および間質容量の有意の上昇を示した(図45、図48)。mNOX−E36−3’PEG処置は、1K db/dbマウスにおいて、間質マクロファージの数を53%、ならびに尿細管拡張および間質容量を低下させた(図45、図48)。従って、CCL2依存性の腎マクロファージ動員を阻害することは、2型糖尿病db/dbマウスにおける尿細管間質傷害もまた予防する。
【0381】
mNOX−E36−3’PEGは1K db/dbマウスでのCcl2の腎発現を低下させる
マクロファージ浸潤は組織傷害における炎症反応、例えば局所CCL2発現を増幅する。われわれは従って、腎マクロファージのmNOX−E36−3’PEG関連の減少が、より少ない腎CCL2発現と関連するであろうと仮説を立てた。われわれはリアルタイムRT−PCRを使用してdb/dbマウスでのCCL2のmRNA発現を定量した。mNOX−E36−3’PEGは、齢をマッチさせたPoC−PEG処置マウスと比較して、6月齢1K db/dbマウスの腎でのCCL2のmRNAレベルを低下させた(図49)。CCL2の空間的発現をさらに評価するため、われわれは腎切片でのCCL2タンパク質の免疫染色を実施した。1K db/dbマウスにおいて、CCL2の発現は、2K db/db若しくは2K野生型マウスと比較して、糸球体、尿細管および間質細胞中で顕著に高められた(図50)。mNOX−E36−3’PEGは、ベヒクル若しくはPoC−PEG処置した1K db/dbマウスに比較して、全部のこれらの区画でのCCL2の染色を顕著に低下させた。これらのデータは、mNOX−E36−3’PEGでCCL2依存性の腎マクロファージ動員を阻害することが、1K db/dbマウスでのCCL2の局所発現を低下させることを示す。
【0382】
要約
ヒト糖尿病性腎症の進行に炎症が寄与するという概念はますます受け入れられるようになり(Tuttle 2005)、この疾患を処置するための潜在的標的としてMCP−
1/CCL2に焦点を合わせた。本実施例にて、われわれは、一側腎摘出糖尿病マウスのmNOX−E36−3’PEGでの処置が、より少ない増殖糸球体細胞を伴い、6月齢で糸球体(および間質)マクロファージの数を低下させたことを示した。加えて、CCL2
mRNAの腎/糸球体発現がmNOX−E36−3’PEG処置で顕著に低下された。さらに、治療群におけるより少数の糸球体マクロファージおよび糸球体増殖細胞は、全体的な糸球体硬化からの保護および糸球体濾過速度の有意の改善を伴った。糖尿病マウスでの糸球体の病状および腎機能に対するmNOX−E36−3’PEGの有益な効果は、糸球体傷害の他のモデルで他のCCL2アンタゴニストを使用した研究(Lloyd 1997、Hasegawa 2003、Tang 1996、Wenzel 1997、Fujinaka 1997、Schneider 1999)と矛盾しない。意外にも、CCL2阻害の遅延された開始は、1K db/dbマウスでより少ない尿細管間質の病状を伴い、間質マクロファージ数もまた低下させた。
【0383】
一緒に、これらのデータは、CCL2を糖尿病性腎症の有望な治療標的として検証し、そして、シュピーゲルマーでのCCL2阻害を開始することが、疾患の進行した状態ででさえなお保護的でありうることを示唆する。
【0384】
参考文献
本明細書で列挙される文書の完全な書誌データ(それらの開示は引用することにより組み込まれる)は、それとは反対に示されない場合は、後に続くとおりである。
【0385】
【表19】

【0386】
【表20】

【0387】
【表21】

【0388】
【表22】

【0389】
【表23】

【0390】
【表24】

【0391】
【表25】

【0392】
【表26】

【0393】
【表27】

【0394】
【表28】

【0395】
本明細、請求の範囲および/若しくは図面に開示される本発明の特徴は、個別におよびそれらのいずれかの組合せの双方で、本発明をその多様な形態で実現するための材料でありうる。
【図面の簡単な説明】
【0396】
本発明は、図面、実施例および配列表によりさらに具体的に説明され、それらからさらなる特徴、態様および利点を捉えることができ、ここで
【図1】好ましい一態様においてヒトMCP−1への結合にそっくりそのまま不可欠である配列モチーフ(「1A型」)を示すヒトMCP−1に結合する関係するRNAリガンドの配列のアライメントを示す。
【図2】好ましい一態様においてヒトMCP−1への結合にそっくりそのまま不可欠である配列モチーフ(「1B型」)を示すヒトMCP−1に結合する関係するRNAリガンド、およびRNAリガンド180−D1−002の誘導体の配列のアライメントを示す。
【図3】好ましい一態様においてヒトMCP−1への結合にそっくりそのまま不可欠である配列モチーフ(「2型」)を示すヒトMCP−1に結合する関係するRNAリガンドの配列のアライメントを示す。
【図4】好ましい一態様においてヒトMCP−1への結合にそっくりそのまま不可欠である配列モチーフ(「3型」)を示すヒトMCP−1に結合する関係するRNAリガンドの配列のアライメントを示す。
【図5】RNAリガンド178−D5および181−A2(配列モチーフ「3型」のヒトMCP−1 RNAリガンド)の誘導体を示す。
【図6】好ましい一態様においてヒトMCP−1(他配列)への結合にそっくりそのまま不可欠である配列モチーフ(「4型」)を示すヒトMCP−1に結合する関係するRNAリガンドの配列のアライメントを示す。
【図7】MCP−1結合配列モチーフ「1A型」、「1B型」、「2型」、「3型」若しくは「4型」に関係し得ないヒトMCP−1に結合する数種の異なるRNAリガンドの配列の表を示す。
【図8】マウスMCP−1に結合するRNAリガンド188−A3−001および189−G7−001の誘導体のアライメントを示す。
【図9】ビオチニル化ヒトD−MCP−1の濃度にわたるアプタマーの結合として表される、室温および37℃でのビオチニル化ヒトD−MCP−1へのアプタマーD−NOX−E36の結合分析の結果を示す。
【図10】ビオチニル化マウスD−MCP−1の濃度にわたるアプタマーの結合として表される、37℃でのビオチニル化マウスD−MCP−1へのアプタマーD−mNOX−E36の結合分析の結果を示す。
【図11】ヒトMCP−1の濃度にわたるブランクに対する蛍光の差違として表される、THP−1細胞でのMCP−1誘発性のCa++放出を示す一方で、およそ3nMの半有効濃度(EC50)を示すヒトMCP−1の用量応答曲線が得られた。
【図12】カルシウム放出アッセイでのシュピーゲルマーNOX−E36の有効性を示し;細胞を多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36と37℃で前インキュベートした3nMヒトMCP−1で刺激し、NOX−E36の濃度にわたる対照の割合として表した。
【図13】カルシウム放出アッセイのシュピーゲルマーmNOX−E36の有効性を示し;細胞を多様な量のシュピーゲルマーmNOX−E36と37℃で前インキュベートした5nMマウスMCP−1で刺激し、mNOX−E36の濃度にわたる対照の割合として表した。
【図14】ヒトMCP−1の濃度にわたる対照に比較したX倍増大として表される、THP−1細胞のヒトMCP−1誘発性の走化性を示す一方で、多様なMCP−1濃度へのTHP−1細胞の3時間の移動後にMCP−1の用量応答曲線が得られた。
【図15】走化性アッセイにおけるシュピーゲルマーNOX−E36の有効性を示し;細胞を多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36と37℃で前インキュベートした0.5nMヒトMCP−1に移動させ、シュピーゲルマーNOX−E36の濃度にわたる対照の割合として表した。
【図16】走化性アッセイにおけるシュピーゲルマーmNOX−E36の有効性を示し;細胞を多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36と37℃で前インキュベートした0.5nMマウスMCP−1に移動させ、シュピーゲルマーmNOX−E36の濃度にわたる対照の割合として表した。
【図17】時間にわたる応答(RU)として表した、アミンカップリング処置によりPioneerF1センサーチップに固定したヒトMCP−1へのシュピーゲルマーNOX−E36の結合のK値を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図18】時間にわたる応答(RU)として表した、アミンカップリング処置によりそれぞれPioneerF1およびCM4センサーチップに固定したヒトMCPファミリータンパク質(huMCP−1、huMCP−2、huMCP−3)およびヒトエオタキシンへのシュピーゲルマーNOX−E36の結合を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図19】時間にわたる応答(RU)として表した、異なる形態のMCP−1をアミンカップリング処置によりPioneerF1およびCM4センサーチップに固定した一方で、多様な種からのMCP−1(イヌMCP−1、サルMCP−1、ヒトMCP−1、ブタMCP−1、ウサギMCP−1、マウスMCP−1、ラットMCP−1)へのシュピーゲルマーNOX−E36の結合を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図20】時間にわたる応答(RU)として表した、アミンカップリング処置によりCM4センサーチップに固定したヒトMCP−1へのシュピーゲルマー181−A2−018の結合のK値を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図21】時間にわたる応答(RU)として表した、アミンカップリング処置によりそれぞれPioneerF1およびCM4センサーチップに固定したヒトMCPファミリータンパク質(huMCP−1、huMCP−2、huMCP−3)およびヒトエオタキシンへのシュピーゲルマー181−A2−018の結合を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図22】時間にわたる応答(RU)として表した、異なる形態のMCP−1をアミンカップリング処置によりそれぞれPioneerF1およびCM4センサーチップに固定した一方で、多様な種からのMCP−1(イヌMCP−1、サルMCP−1、ヒトMCP−1、ブタMCP−1、ウサギMCP−1、マウスMCP−1、ラットMCP−1)へのシュピーゲルマー181−A2−018の結合を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図23】多様な哺乳動物種からのMCP−1ならびにヒトMCP−2、MCP−3およびエオタキシンのClustal Wアライメント(位置1〜76のみ)を示す。
【図24A】多様な哺乳動物種からのMCP−1ならびにヒトMCP−2、MCP−3およびエオタキシンに関するNOX−E36および181−A2−018の結合特異性を要約する表を示す。
【図24B】Biacore分析により測定されたところのNOX−E36の選択性を要約する表を示し、それにより、ビオチニル化NOX−E36をセンサーチップ表面に固定し、かつ、NOX−E36への多様なCCおよびCXCケモカインの一団の結合を分析した。
【図24C】Biacore分析により測定されたところのケモカインと相互作用するNOX−E36の動態解析を示し、それにより、ケモカインをCM5センサーチップ表面に共有固定し、そして多様な濃度のNOX−E36を注入しかつNOX−E36の結合挙動をBiaEvaluationソフトウェアを使用して解析した。
【図24D】約0.2nMの半有効濃度をもつMIP−1αでのTHP−1細胞刺激の走化性の用量応答曲線を示す。
【図24E】NOX−E36によるMIP−1α誘発性の走化性の阻害を示す。NOX−E36はTHP−1細胞のMIP1a誘発性の走化性に対する影響を有しなかった。
【図25】カルシウム放出アッセイでのシュピーゲルマーNOX−E36−3’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36−3’−PEGと37℃で前インキュベートした3nMヒトMCP−1で刺激し、シュピーゲルマーNOX−E36−3’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図26】走化性アッセイでのシュピーゲルマーNOX−E36−3’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36−3’−PEGと37℃で前インキュベートした0.5nMヒトMCP−1に移動させ、NOX−E36−3’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図27A】カルシウム放出アッセイでのシュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGと37℃で前インキュベートした3nMヒトMCP−1で刺激し、シュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図27B】走化性アッセイでのシュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGと37℃で前インキュベートした0.5nMヒトMCP−1に移動させ、シュピーゲルマーNOX−E36−5’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図28】マウスMCP−1の濃度にわたるブランクに対する蛍光の差違として表される、THP−1細胞でのマウスMCP−1誘発性のCa++放出を示す一方で、およそ5nMの半有効濃度(EC50)を示すマウスMCP−1の用量応答曲線が得られた。
【図29】カルシウム放出アッセイにおける抗マウスMCP−1シュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGと37℃で前インキュベートした3nMマウスMCP−1で刺激し、シュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図30】マウスMCP−1の濃度にわたる対照と比較したX倍増大として表される、THP−1細胞のマウスMCP−1誘発性の走化性を示す一方で、多様なmMCP−1濃度へのTHP−1細胞の3時間の移動後にmMCP−1の用量応答曲線が得られた。
【図31】走化性アッセイにおける抗マウスMCP−1シュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGの有効性を示し;細胞を、多様な量のシュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGと37℃で前インキュベートした0.5nMマウスMCP−1に移動させ、抗マウスシュピーゲルマーmNOX−E36−3’−PEGの濃度にわたる対照の割合として表した。
【図32】時間にわたる応答(RU)として表した、アミンカップリング処置によりPioneerF1センサーチップに固定したマウスD−MCP−1へのアプタマーD−mNOX−E36の結合のK値を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図33】時間にわたる応答(RU)として表した、2種の異なる形態のD−MCP−1をアミンカップリング処置によりそれぞれPioneerF1およびCM4センサーチップに固定した一方で、ヒトD−MCP−1およびマウスD−MCP−1へのアプタマーD−mNOX−E36の結合を示すBiacore 2000センサー図を示す。
【図34】示されるとおり過ヨウ素酸シッフ(PAS)、Mac−2(マクロファージ)およびCD3(T細胞)に対する抗体で染色した、24週齢MRLlpr/lprマウスの腎切片を示し;画像は各群の7〜12マウスを代表する(元の拡大 PAS:×100、PAS挿入図:×400、Mac2:×400、CD3:×100。
【図35】多様な群の24週齢MRLlpr/lprマウスでの腎機能パラメータおよび組織学的所見を具体的に説明する表を示す。
【図36】全群からのマウスの銀染色切片で実施した形態計測による組織学的変化の定量化を示し;A、間質容量指標;B、尿細管拡張指標、およびC、尿細管細胞損傷指標は高倍率野の割合として計算し、そして平均±SEMとして表す。
【図37】Kaplan−Meier解析により計算されるところの多様な処置群のMRLlpr/lprマウスの生存を示す。
【図38】各群の5マウスからプールした全腎RNAを使用するリアルタイムRT−PCRにより決定されるところのCCケモカインCCL2およびCCL5の腎mRNA発現を示し、それによりマウスの各群のRNAレベルはそれぞれの18S rRNA発現により表す。
【図39】mNOX−E36−3’PEGでの処置による肺の病状の低減を示し;肺組織は24週齢の全群から調製しかつ半定量的に評価し;mNOX−E36およびmNOX−E36−3’PEGでの処置はMRLlpr/lprマウスで細気管支周囲の炎症を低下させ;画像は各群の7〜11マウスを代表し;元の倍率×100。
【図40】抗mCCL2シュピーゲルマー処置したマウス(右のマウス)でより少なく一般的であった、顔若しくは頚部領域で典型的に発生する、24週齢MRLlpr/lprマウスの皮膚ループスの症状発現(左のマウス)を示す。
【図41】24週齢のMRLlpr/lprマウスでの血清および組織学的所見を示す。
【図42】時間の関数としてのシュピーゲルマーmNOX−E36の血漿濃度として示される、試験の間の血漿中のPEG化および未PEG化抗mCCL2シュピーゲルマーの薬物動態を示す。
【図43】24週齢のベヒクル若しくはmNOX−E36−3’PEG処置したMRLlpr/lprマウスでの骨髄および末梢血でのCCR2についてのフローサイトメトリーを示し;データは各群5マウスの骨髄若しくは末梢血いずれか中のCCR2陽性細胞の平均割合±SEMとして示す。
【図44】示されるところの多様な時間点でELISAにより測定されるところのPoC−PEG(白棒)およびmNOX−E36−3’PEG(mNOX−E36−P)処置(黒棒)した1K db/dbマウスの血清CCL2濃度を示し;、PoC−PEGに対しmNOX−E36−3’PEG(mNOX−E36−P)に対しp<0.05。
【図45】未処置またはPOC−PEG若しくはむしろmNOX−E36−3’PEG処置したdb/dbマウスの糸球体および間質のMac−2およびKi−67陽性細胞の浸潤した数を示す。
【図46】6月齢db/dbマウスでの糖尿病性糸球体硬化を示し;多様な群のマウスからの腎切片を過ヨウ素酸シッフで染色し、そして各腎切片からの15個の糸球体を糸球体硬化の程度について評価し;画像は示されるところのそれぞれのスコアに等級付けされた代表的糸球体を示し、元の倍率400×;グラフは各群の全マウス(n=7〜10)からの各スコアの平均割合±SEMを具体的に説明し;、PoC−PEG(PoC−P)処置した1K db/dbマウスに対しmNOX−E36−3’PEG(mNOX−E36−P)についてp<0.05。
【図47】6月齢のmNOX−E36−3’PEG(mNOX−E36−P)およびPoC−PEG(PoC−P)処置した1K db/dbマウスでの糸球体濾過速度(GFR)を示し;GFRは、試験の終了時に、PoC−PEGおよびmNOX−E36−3’PEG処置した1K db/dbマウスの群でのFITC−イヌリンのクリアランスキネティクスにより決定した。
【図48】6月齢db/dbマウスの尿細管萎縮および間質容量を示し;銀染色した腎切片の画像はそれぞれの群からの代表的腎を具体的に説明し(元の倍率100×);値は各群の7〜10マウスからのそれぞれの形態計測分析指標の平均±SEMを表し;、BKS野生型マウスに対し2K db/dbでp<0.05、、2K db/dbマウスに対し1Kでp<0.05、、PoC−PEG処置した1K db/dbマウスに対しmNOX−E36−3’PEG(mNOX−E36−PEG)でp<0.05。
【図49】各群の6〜10マウスからプールした全腎RNAを使用するリアルタイムRT−PCRにより測定されたところのdb/dbマウスにおける腎CCL2 mRNA発現を示し;マウスの各群のmRNAレベルはそれぞれの18S rRNA発現によりで表し、ならびに
【図50】免疫染色により測定されるところのdb/dbマウスの腎での空間的CCL2発現を示し;画像は、示されるところのそれぞれの群の6月齢マウスからの腎の代表的切片を具体的に説明する(元の倍率、200×)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1A型核酸、1B型核酸、2型核酸、3型核酸、4型核酸、および配列番号87ないし115のいずれかの核酸配列を有する核酸を含んでなる群から選択される、好ましくはMCP−1に結合する核酸。
【請求項2】
1A型核酸が、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB4、第五の伸長ボックスB5、第六の伸長ボックスB6および第七の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第七の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1AはAGCRUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCCCGGWのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はGURのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB4はRYAのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB5はGGGGGRCGCGAYCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第六の伸長ボックスB6はUGCAAUAAUG若しくはURYAWUUGのヌクレオチド配列を含んでなり、および
第七の伸長ボックスB1BはCRYGCUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
第一の伸長ボックスB1AがAGCGUGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
第二の伸長ボックスB2がCCCGGUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2若しくは3に記載の核酸。
【請求項5】
第三の伸長ボックスB3がGUGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2ないし4のいずれかに記載の核酸。
【請求項6】
第四の伸長ボックスB4がGUAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2ないし5のいずれかに記載の核酸。
【請求項7】
第五の伸長ボックスB5がGGGGGGCGCGACCのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2ないし6のいずれかに記載の核酸。
【請求項8】
第六の伸長ボックスB6がUACAUUUGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2ないし7のいずれかに記載の核酸。
【請求項9】
第七の伸長ボックスB1BがCACGCUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項2ないし8のいずれかに記載の核酸。
【請求項10】
核酸が配列番号21の核酸配列を含んでなる、請求項2ないし9のいずれかに記載の核酸。
【請求項11】
1B型核酸が、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB4、第五の伸長ボックスB5、第六の伸長ボックスB6および第七の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第七の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1AはAGYRUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCCAGCU若しくはCCAGYのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はGUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB4はAUGのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB5はGGGGGGCGCGACCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第六の伸長ボックスB6はCAUUUUA若しくはCAUUUAのヌクレオチド配列を含んでなり、および
第七の伸長ボックスB1BはCAYRCUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項1に記載の核酸。
【請求項12】
第一の伸長ボックスB1AがAGCGUGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項11に記載の核酸。
【請求項13】
第二の伸長ボックスB2がCCAGUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項11若しくは12に記載の核酸。
【請求項14】
第六の伸長ボックスB6がCAUUUUAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項11ないし13のいずれかに記載の核酸。
【請求項15】
第七の伸長ボックスB1BがCACGCUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項11ないし14のいずれかに記載の核酸。
【請求項16】
核酸が、配列番号28および配列番号27の核酸配列を含んでなる、請求項11ないし15のいずれかに記載の核酸。
【請求項17】
2型核酸が、5’→3’の方向に、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2および第三の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第三の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、ACGCA、CGCAおよびGCAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2はCSUCCCUCACCGGUGCAAGUGAAGCCGYGGCUCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB1Bは、UGCGU、UGCGおよびUGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項1に記載の核酸。
【請求項18】
第二の伸長ボックスB2がCGUCCCUCACCGGUGCAAGUGAAGCCGUGGCUCのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項17に記載の核酸。
【請求項19】
a)第一の伸長ボックスB1AがACGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがUGCGUのヌクレオチド配列を含んでなるか;または
b)第一の伸長ボックスB1AがCGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがUGCGのヌクレオチド配列を含んでなるか;または
c)第一の伸長ボックスB1AがGCAのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがUGC若しくはUGCGのヌクレオチド配列を含んでなる、請求項17若しくは18のいずれかに記載の核酸。
【請求項20】
第一の伸長ボックスB1AがGCAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項17ないし19のいずれかに記載の核酸。
【請求項21】
第三の伸長ボックスB1BがUGCGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項17ないし20のいずれか、および好ましくは請求項20に記載の核酸。
【請求項22】
核酸が、配列番号37、配列番号116、配列番号117および配列番号278の核酸配列を含んでなる、請求項17ないし21のいずれかに記載の核酸。
【請求項23】
3型核酸が、5’→3’の方向で、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2A、第三の伸長ボックスB3、第四の伸長ボックスB2B、第五の伸長ボックスB4、第六の伸長ボックスB5A、第七の伸長ボックスB6、第八の伸長ボックスB5Bおよび第九の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第九の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第二の伸長ボックスB2Aおよび第四のボックスB2Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第六の伸長ボックスB5Aおよび第八のボックスB5Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、それによりハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、GURCUGC、GKSYGC、KBBSCおよびBNGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2AはGKMGUのヌクレオチド配列を含んでなり、
第三の伸長ボックスB3はKRRARのヌクレオチド配列を含んでなり、
第四の伸長ボックスB2BはACKMCのヌクレオチド配列を含んでなり、
第五の伸長ボックスB4は、CURYGA、CUWAUGA、CWRMGACWおよびUGCCAGUGを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第六の伸長ボックスB5Aは、GGYおよびCWGCを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第七の伸長ボックスB6は、YAGA、CKAAUおよびCCUUUAUを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第八の伸長ボックスB5Bは、GCYRおよびGCWGを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、ならびに
第九の伸長ボックスB1Bは、GCAGCAC、GCRSMC、GSVVMおよびGCNVを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項1に記載の核酸。
【請求項24】
第三の伸長ボックスB3がGAGAA若しくはUAAAAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23に記載の核酸。
【請求項25】
第五の伸長ボックスB4がCAGCGACU若しくはCAACGACUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23若しくは24に記載の核酸。
【請求項26】
第五の伸長ボックスB4がCAGCGACUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、ボックスB3がUAAAAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23ないし25のいずれかに記載の核酸。
【請求項27】
第五の伸長ボックスB4がCAACGACUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第三の伸長ボックスB3がGAGAAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23ないし25のいずれかに記載の核酸。
【請求項28】
第七の伸長ボックスB6がUAGAのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23ないし27のいずれかに記載の核酸。
【請求項29】
a)第一の伸長ボックスB1AがGURCUGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCAGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第一の伸長ボックスB1AがGKSYGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCRSMCのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
c)第一の伸長ボックスB1AがKBBSCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGSVVMのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
d)第一の伸長ボックスB1AがBNGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCNVのヌクレオチド配列を含んでなる
請求項23ないし28のいずれかに記載の核酸。
【請求項30】
a)第一の伸長ボックスB1AがGUGCUGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCAGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第一の伸長ボックスB1AがGUGCGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCGCACのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
c)第一の伸長ボックスB1AがKKSSCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGSSMMのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
d)第一の伸長ボックスB1AがSNGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCNSのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項29に記載の核酸。
【請求項31】
第一の伸長ボックスB1AがGGGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第九の伸長ボックスB1BがGCCCのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項30に記載の核酸。
【請求項32】
第二の伸長ボックスB2AがGKMGUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第四の伸長ボックスB2BがACKMCのヌクレオチド配列を含んでなる、請求項23ないし31のいずれかに記載の核酸。
【請求項33】
第二の伸長ボックスB2AがGUAGUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第四の伸長ボックスB2BがACUACのヌクレオチド配列を含んでなる、請求項32に記載の核酸。
【請求項34】
a)第六の伸長ボックスB5AがGGYのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BがGCYRのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
b)第六の伸長ボックスB5AがCWGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BがGCWGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項23ないし33のいずれかに記載の核酸。
【請求項35】
第六の伸長ボックスB5AがGGCのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第八の伸長ボックスB5BがGCCGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項34に記載の核酸。
【請求項36】
第六の伸長ボックスB5Aが、第八の伸長ボックスB5BのヌクレオチドGCYとハイブリダイズする、請求項23ないし35、好ましくは34ないし35のいずれかに記載の核酸。
【請求項37】
核酸が配列番号56に記載の核酸配列を含んでなる、請求項23ないし26および28ないし36のいずれかに記載の核酸。
【請求項38】
核酸が、配列番号57ないし61、配列番号67ないし71および配列番号73の核酸配列を含んでなる群から選択される核酸配列を含んでなる、請求項23ないし25および27ないし36のいずれかに記載の核酸。
【請求項39】
4型核酸が、5’→3’の方向で、第一の伸長ボックスB1A、第二の伸長ボックスB2、第三の伸長ボックスB1Bを含んでなり、
第一の伸長ボックスB1Aおよび第三の伸長ボックスB1Bは場合によっては相互とハイブリダイズし、ハイブリダイゼーションに際して二本鎖構造が形成され、
第一の伸長ボックスB1Aは、AGCGUGDU、GCGCGAG、CSKSUU、GUGUUおよびUGUUを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、
第二の伸長ボックスB2は、AGNDRDGBKGGURGYARGUAAAG、AGGUGGGUGGUAGUAAGUAAAGおよびCAGGUGGGUGGUAGAAUGUAAAGAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなり、ならびに
第三の伸長ボックスB1Bは、GNCASGCU、CUCGCGUC、GRSMSG、GRCACおよびGGCAを含んでなる群から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載の核酸。
【請求項40】
a)第一の伸長ボックスB1AがGUGUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがGRCACのヌクレオチド配列を含んでなり;
b)第一の伸長ボックスB1AがGCGCGAGのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがCUCGCGUCのヌクレオチド配列を含んでなるか;若しくは
c)第一の伸長ボックスB1AがCSKSUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがGRSMSGのヌクレオチド配列を含んでなるか、若しくは
d)第一の伸長ボックスB1AがUGUUのヌクレオチド配列を含んでなり、
かつ
第三の伸長ボックスB1BがGGCAのヌクレオチド配列を含んでなるか、若しくは
e)第一の伸長ボックスB1AがAGCGUGDUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ
第三の伸長ボックスB1BがGNCASGCUのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項39に記載の核酸。
【請求項41】
第一の伸長ボックスB1AがCSKSUUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第三の伸長ボックスB1BがGRSMSGのヌクレオチド配列を含んでなる、請求項40に記載の核酸。
【請求項42】
第一の伸長ボックスB1AがCCGCUUのヌクレオチド配列を含んでなり、かつ、第三の伸長ボックスB1BがGGGCGGのヌクレオチド配列を含んでなる、請求項41に記載の核酸。
【請求項43】
第二の伸長ボックスB2がAGGUGGGUGGUAGUAAGUAAAGのヌクレオチド配列を含んでなる、
請求項39ないし42のいずれかに記載の核酸。
【請求項44】
核酸が配列番号80の核酸配列を含んでなる、請求項39ないし43のいずれかに記載の核酸。
【請求項45】
核酸がケモカインを結合することが可能であり、該ケモカインがエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項1ないし44のいずれかに記載の核酸。
【請求項46】
核酸がケモカインを結合することが可能であり、該ケモカインがヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項1ないし45のいずれかに記載の核酸。
【請求項47】
核酸がMCP−1を結合することが可能であり、MCP−1が好ましくはサルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1、ブタMCP−1およびヒトMCP−1を含んでなる群から選択される、請求項1ないし46のいずれかに記載の核酸。
【請求項48】
核酸がヒトMCP−1を結合することが可能である、請求項1ないし47のいずれかに記載の核酸。
【請求項49】
MCP−1が配列番号1のアミノ酸配列を有する、請求項1ないし48のいずれか、好ましくは請求項48に記載の核酸。
【請求項50】
核酸が配列番号122、配列番号253および配列番号254の核酸配列を含んでなる、好ましくはマウスMCP−1に結合する核酸。
【請求項51】
核酸が配列番号127の核酸配列を含んでなる、好ましくはマウスMCP−1に結合する核酸。
【請求項52】
マウスMCP−1が配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる、請求項50若しくは51
に記載の核酸。
【請求項53】
核酸が修飾を含んでなり、該修飾が好ましくは高分子部分であり、かつ/または該修飾が、好ましくは、動物若しくはヒト身体、好ましくはヒト身体中の滞留時間に関して請求項1ないし52のいずれかに記載の核酸の特徴を改変することを可能にする、請求項1ないし52のいずれかに記載の核酸。
【請求項54】
修飾がHES部分およびPEG部分を含んでなる群から選択される、請求項53に記載の核酸。
【請求項55】
修飾が直鎖若しくは分枝状PEGよりなるPEG部分であり、該PEG部分の分子量が好ましくは約20から120kDまで、より好ましくは約30から80kDまで、および最も好ましくは約40kDである、請求項54に記載の核酸。
【請求項56】
修飾がHES部分であり、好ましくは該HES部分の分子量が約10から130kDまで、より好ましくは約30から130kDまで、および最も好ましくは約100kDである、請求項54に記載の核酸。
【請求項57】
修飾がリンカーを介して核酸に結合される、請求項53ないし56のいずれかに記載の核酸。
【請求項58】
修飾が、その5’末端ヌクレオチドおよび/若しくはその3’末端ヌクレオチドの核酸に、ならびに/または5’末端ヌクレオチドと3’末端ヌクレオチドの間の核酸のヌクレオチドに結合される、請求項53ないし57のいずれかに記載の核酸。
【請求項59】
核酸のヌクレオチド若しくはそれを形成するヌクレオチドがL−ヌクレオチドである、請求項1ないし58のいずれかに記載の核酸。
【請求項60】
核酸がL−核酸である、請求項1ないし59のいずれかに記載の核酸。
【請求項61】
MCP−1を結合することが可能な核酸の部分がL−ヌクレオチドよりなる、請求項1ないし59のいずれかに記載の核酸。
【請求項62】
請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸、および場合によっては1種のさらなる構成要素を含んでなり、該さらなる構成要素は、製薬学的に許容できる賦形剤、製薬学的に許容できる担体および製薬学的有効成分を含んでなる群から選択される、製薬学的組成物。
【請求項63】
製薬学的組成物が、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸および製薬学的に許容できる担体を含んでなる、請求項62に記載の製薬学的組成物。
【請求項64】
医薬品の製造のための、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の使用。
【請求項65】
医薬品が、ヒト医学での使用のため、若しくは獣医学での使用のためである、請求項64に記載の使用。
【請求項66】
診断手段の製造のための、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の使用。
【請求項67】
医薬品が、炎症性疾患、自己免疫疾患、自己免疫性脳脊髄炎、卒中、急性および慢性多発性硬化症、慢性炎症、関節リウマチ、腎疾患、再狭窄、血管形成術後の再狭窄、急性お
よび慢性アレルギー反応、一次的および二次的免疫学的若しくはアレルギー反応、喘息、結膜炎、気管支炎、癌、アテローム硬化症、アテローム硬化性心血管系心不全若しくは卒中、乾癬、乾癬性関節炎、神経系の炎症、アトピー性皮膚炎、大腸炎、子宮内膜症、ブドウ膜炎、黄斑変性を包含する網膜障害、網膜剥離、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症、および中心性漿液性網脈絡膜症;特発性肺線維症、サルコイドーシス、多発性筋炎、皮膚筋炎、免疫抑制の回避、感染症のリスクを低下させること、敗血症、腎の炎症、糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、閉塞性腎症、急性尿細管壊死、およびびまん性糸球体硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性気管支炎、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、川崎病後の早発性アテローム硬化症、心筋梗塞、肥満、慢性肝疾患、ペイロニー病、急性脊髄損傷、肺若しくは腎移植、心筋炎、アルツハイマー病およびニューロパシー、乳癌、胃癌、膀胱癌、卵巣癌、過誤腫、結腸直腸癌、結腸腺腫、膵炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ならびにクローン病若しくは潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患を含んでなる群から選択される疾患若しくは障害の処置および/若しくは予防のためである、請求項64若しくは65に記載の使用。
【請求項68】
ケモカイン、および請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸を含んでなる複合体であって、該ケモカインが、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択され、好ましくは該複合体が結晶性複合体である、上記複合体。
【請求項69】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項68に記載の複合体。
【請求項70】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が、好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項68若しくは69に記載の複合体。
【請求項71】
ケモカインの検出のための請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の使用であって、該ケモカインがエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、上記使用。
【請求項72】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項71に記載の使用。
【請求項73】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項71若しくは72に記載の使用。
【請求項74】
以下の段階:
・候補ケモカインアンタゴニストおよび/若しくは候補ケモカインアゴニストを提供する段階、
・請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸を提供する段階、
・ケモカインアンタゴニストおよび/若しくはケモカインアゴニストの存在下でシグナルを提供する試験系を提供する段階、ならびに
・候補ケモカインアンタゴニストがケモカインアンタゴニストであるかどうか、および/若しくは候補ケモカインアゴニストがケモカインアゴニストであるかどうかを決定する段階
を含んでなり、
該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、
ケモカインアンタゴニスト若しくはケモカインアゴニストのスクリーニング方法。
【請求項75】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項74若しくは75に記載の方法。
【請求項77】
以下の段階:
・相、好ましくは固相に固定されたケモカインを提供する段階、
・標識されている、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸、好ましくは請求項1ないし52のいずれかに記載の核酸を提供する段階、
・候補ケモカインアゴニストおよび/若しくは候補ケモカインアンタゴニストを添加する段階、ならびに
・候補ケモカインアゴニストがケモカインアゴニストであるかどうか、および/若しくは候補ケモカインアンタゴニストがケモカインアンタゴニストであるかどうかを決定する段階
を含んでなり、
該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、
ケモカインアゴニストおよび/若しくはケモカインアンタゴニストのスクリーニング方法。
【請求項78】
核酸が候補ケモカインアゴニスト若しくは候補ケモカインアンタゴニストにより置換されるかどうかが評価されるような該決定することが実施される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項77若しくは78に記載の方法。
【請求項80】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項77ないし79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸を含んでなる、ケモカインの検出のためのキットであって、該ケモカインはエオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、上記キット。
【請求項82】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項81に記載のキット。
【請求項83】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項81若しくは82に記載のキット。
【請求項84】
ケモカインが、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項74ないし80のいずれかに記載の方法により得ることが可能なケモカインアンタゴニスト。
【請求項85】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項84に記載のケモカインアンタゴニスト。
【請求項86】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項84若しくは85に記載のケモカインアンタゴニスト。
【請求項87】
ケモカインが、エオタキシン、MCP−1、MCP−2およびMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項74ないし80のいずれかに記載の方法により得ることが可能なケモカインアゴニスト。
【請求項88】
ケモカインが、ヒトエオタキシン、ヒトMCP−1、ヒトMCP−2およびヒトMCP−3を含んでなる群から選択される、請求項87に記載のケモカインアゴニスト。
【請求項89】
ケモカインがMCP−1であり、MCP−1が好ましくはヒトMCP−1、サルMCP−1、ウマMCP−1、ウサギMCP−1、ウシMCP−1、イヌMCP−1およびブタMCP−1を含んでなる群から選択され、より好ましくはMCP−1はヒトMCP−1である、請求項87若しくは88に記載のケモカインアゴニスト。
【請求項90】
サンプル中の請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の検出方法であって、該検出方法が:
f)本発明の核酸を含有するサンプルを提供する段階;
g)捕捉プローブ(該捕捉プローブは請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の第一の部分に少なくとも部分的に相補的であり)、および検出プローブ(該検出プローブは請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の第二の部分に少なくとも部分的に相補的であるか、若しくは、あるいは、該捕捉プローブは請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の第二の部分に少なくとも部分的に相補的であり、かつ、該検出プローブは請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸の第一の部分に少なくとも部分的に相補的である)を提供する段階;
h)捕捉プローブおよび検出プローブを、同時に若しくはいずれかの順序で連続してのいずれかで、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸若しくはその部分と反応させる段階;
i)場合によっては、捕捉プローブが、段階a)で提供される請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸に従った核酸にハイブリダイズするかどうかを検出する段階;ならびに
j)請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸、ならびに捕捉プローブおよび検出プローブよりなる段階c)で形成される複合体を検出する段階
を含んでなる、上記方法。
【請求項91】
検出プローブが検出手段を含んでなり、かつ/若しくは捕捉プローブが支持体、好ましくは固体支持体に固定され得る、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
複合体の一部でないいかなる検出プローブも、段階e)で複合体の一部である検出プローブのみが検出されるように反応から除去される、請求項90若しくは91に記載の方法

【請求項93】
段階e)が、請求項1ないし61のいずれかに記載の核酸若しくはその部分の存在下および前記核酸若しくはその部分の非存在下で捕捉プローブおよび検出プローブがハイブリダイズされる場合に検出手段により生成されるシグナルを比較する段階を含んでなる、請求項90ないし92のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
検出されるべき核酸が、配列番号37、116、117若しくは278の核酸配列を有する核酸であり、かつ、捕捉プローブ若しくは検出プローブが、配列番号255若しくは配列番号256の核酸配列を含んでなる、請求項90ないし93のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
検出されるべき核酸が、配列番号122、253若しくは254の核酸配列を有する核酸であり、かつ、捕捉プローブ若しくは検出プローブが、配列番号281および配列番号282の核酸配列を含んでなる、請求項90ないし93のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公表番号】特表2009−526532(P2009−526532A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554674(P2008−554674)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001294
【国際公開番号】WO2007/093409
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(504411214)ノクソン・フアルマ・アクチエンゲゼルシヤフト (8)
【Fターム(参考)】