説明

MIGブレージング用シールドガスおよびこのシールドガスを用いた溶接方法

【課題】炭素鋼板、亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼板をMIGブレージング溶接する際に、アークのふらつきを抑制し、溶滴をスムーズに離脱させ、陰極点を安定とする。
【解決手段】被接合材が炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間では、Heが20〜80%と残部がArからなる混合ガスを用い、また亜鉛めっき鋼板では、COが3〜6%と残部がAr、He、またはArとHeとの混合ガス、またはOが2〜4%と残部がAr、He、またはArとHeからなる2種または3種の混合ガスを用い、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間では、O1〜2%とHe20〜80%と残部がAr、またはO1〜2%と残部がArである混合ガスを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素鋼板、鋼板表面に防食を施した亜鉛めっき鋼板およびステンレス鋼板を接合対象としたMIGブレージング溶接に用いるシールドガスと、そのシールドガスを用いた溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車関連機器や事務機器関連部品では、炭素鋼板や、耐食性や光沢の美しさから亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板が広く用いられている。これらを溶接するにあたり、銅を主成分とした融点が低いワイヤを用いたMIG(メタルイナートガス)ブレージング溶接法が行われている。
【0003】
この溶接方法は、母材である炭素鋼や亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板を殆ど溶融せずに母材同士を不活性ガス雰囲気中でワイヤの主成分の銅を溶融し、これを母材間の間隙に流入させてブレージング(ろう付け)する方法であり、スパッタの発生が少なく、外観上もすぐれる特徴を有している。
従来より、MIGブレージング溶接を行うにあたり、シールドガスとしてはアルゴンガスが広く使われている。
【0004】
しかしながら、炭素鋼板を溶接する場合、アルゴンガスを用いると母材上の陰極点が形成されにくいためアークが不安定になり、ビードが振れる問題がある。
また、亜鉛めっき鋼板を溶接する場合、溶接線上の亜鉛を予め機械的に除去する事が行われており、除去するための工程が増え、コストアップの要因となる問題が生じる。また鋼板表面から鉄(融点:1535℃、沸点:2750℃)より低い融点と沸点を持った亜鉛(融点:419℃、沸点907℃)が、溶接時に溶融池に侵入し、その亜鉛蒸気と共に大気を巻き込み、アークが不安定になり、同じくビードが振れる問題がある。
さらにステンレス鋼板を溶接する場合、アルゴンガスを用いると母材上の陰極点が形成されにくいためアークが不安定となり、ビードが蛇行する問題がある。
【0005】
これらの問題を改善する目的で、特開2003−563769号公報には、MIGブレージング溶接のシールドガスとして、水素0.4%、二酸化炭素0.3〜2%、残部アルゴンからなる混合ガスを用いることが提案されている。
【特許文献1】特表2005−515899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、本発明における課題は、炭素鋼板、亜鉛めっき鋼板あるいはステンレス鋼板をMIGブレージング溶接する際に、アークのふらつきを抑制し、溶滴をスムーズに離脱させ、特に陰極点を安定化させることができるシールドガスを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、その組成がヘリウム20〜80容量%と、残部がアルゴンであることを特徴としたMIGブレージング用シールドガスである。
【0008】
請求項2にかかる発明は、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、炭酸ガス1〜5容量%とヘリウム20〜80容量%と残部がアルゴン、またはその組成が炭酸ガス1〜5容量%と、残部がアルゴンであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガスである。
【0009】
請求項3にかかる発明は、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、酸素ガス1〜2容量%とヘリウム20〜80容量%と残部がアルゴン、またはその組成が酸素ガス1〜2容量%と残部がアルゴンであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガスである。
【0010】
請求項4にかかる発明は、亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、炭酸ガス3〜6容量%と残部がアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガスである。
【0011】
請求項5にかかる発明は、亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、酸素2〜4容量%と、残部がアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【0012】
請求項6にかかる発明は、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項1記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法である。
【0013】
請求項7にかかる発明は、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項2または3記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法である。
【0014】
請求項8にかかる発明は、亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項4または5記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、被接合材が炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間である場合には、そのシールドガスとして、ヘリウム20〜80vol%、アルゴンガス残部とした2種混合ガスを用いることで、アークの陰極点が安定し溶滴がスムーズに移行する溶接方法を提供することができる。
【0016】
被接合材が炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間である場合には、シールドガスとして、炭酸ガスを1〜5vol%と、残部がアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスからなる2種または3種混合ガス、あるいは酸素ガス1〜2vol%、残部をアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンガスとヘリウムガスの混合ガスからなる2種または3種混合ガスを用いることにより、アークの陰極点が安定し溶滴がスムーズに移行する溶接方法を提供することができる。
【0017】
また、被接合材が亜鉛めっき鋼板である場合には、シールドガスとして、炭酸ガスを3〜6vol%と、残部がアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスからなる2種または3種混合ガス、あるいは酸素ガス2〜4vol%、残部をアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンガスとヘリウムガスの混合ガスからなる2種または3種混合ガスを用いることにより、アークの陰極点が安定し溶滴がスムーズに移行する溶接方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、MIGブレージング溶接は、銅を主成分とするワイヤを用いて行われる。ここで使用されるワイヤには、例えばシリコン系ワイヤAWS(アメリカ溶接学会規格)ER 銅Si−Aやアルミ系ワイヤ AWS ER 銅Al−A(B)などの径0.8〜1.2mmのものが用いられる。
【0019】
被接合材が、炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間の場合には、ヘリウムが20〜80容量%と残部がアルゴンガスである第1のシールドガスを使用する。
ここで炭素鋼板とは、炭素含有率が4wt%以下の炭素鋼からなる鋼板を言う。ステンレス鋼板とはクロム(Cr)が10%以上35%以下含まれた鋼板をいう。また、亜鉛めっき鋼板とは、上述の炭素鋼板の表面に電気めっきまたは溶融めっきにより亜鉛の厚さが90g/m以下のめっき膜を設けたものを言う。
【0020】
そして、第1のシールドガス中のヘリウムが20容量%未満ではアークが不安定となり、80容量%を越えると入熱が大きく母材が溶けてしまうことがある。
【0021】
また、被接合材が亜鉛めっき鋼板の場合には、炭酸ガスが3〜6容量%と残部がアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンガスとヘリウムガスとの混合ガスからなる2種または3種の混合ガスからなる第2のシールドガス、または酸素が2〜4容量%と残部がアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンガスとヘリウムガスからなる2種または3種の混合ガスからなる第3のシールドガスが用いられる。
【0022】
第2のシールドガス中の炭酸ガスが3容量%未満ではアークが不安定となり、6容量%を越えるとアークが不安定となりかつビードが酸化する。また、第3のシールドガス中の酸素が2容量%未満ではアークが不安定となり、4容量%を越えるとアークが不安定となりかつビードが酸化する。
【0023】
さらに、被接合材が炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間である場合には、シールドガスとして、炭酸ガスを1〜5vol%と、残部がアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスからなる2種または3種混合ガスからなる第4のシールドガス、あるいは酸素ガス1〜2vol%、残部をアルゴンガス、ヘリウムガス、またはアルゴンガスとヘリウムガスの混合ガスからなる2種または3種混合ガスからなる第5のシールドガスが用いられる。
【0024】
そして、第5のシールドガス中の炭酸ガスが1容量%以下では、アーク陰極点が安定しないためアークがふらつき、5容量%以上ではアークが不安定となり、ビードが酸化する。第6のシールドガス中の酸素ガスが1容量%以下では、アーク陰極点が安定しないためアークがふらつき、2容量%以上ではアークが不安定となり、ビードが酸化する。
【0025】
また、これらのシールドガスの溶接時の流量は、特に限定されないが10〜30リットル/分とされ、これよりも少ないと気孔が著しく発生したり、酸化が著しくなり、これよりも多くなると大気の巻き込みを招き、気孔が発生する。
また、その他の溶接条件も特に限定されることはないが、通常溶接電流50〜350A、アーク電圧12〜16V、溶接速度200cm/分以下の範囲とされる。
【0026】
以下、具体例を示す。
本発明のシールドガスの効果を確認するため、以下の実施例によって各種特性の確認試験を行った。
(実施例1)
図1に示すように、板厚0.9mmの炭素鋼板1、1を2枚用い、上板と下板の隙間を0.9mm、トーチ2の傾斜角度を30度としてMIGブレージング溶接を行い、アークの安定性を高速度ビデオカメラで観察した。
【0027】
シールドガスとして、アルゴンガスおよびヘリウムガスの2種混合ガスを用いて、以下の条件でMIGブレージング溶接を行った。比較用ガスとして、広く一般的に使われているアルゴンガスを用いた。
【0028】
溶接条件
溶接方式:消耗式電極溶接、ショートアーク
溶接母材:炭素鋼板、板厚0.9mm
溶接方法:重ねすみ肉溶接
溶接ワイヤ:ER 銅Si−A(AWS)、φ1mm
チップ母材間距離:15mm
トーチ傾斜角度:30度
溶接速度:80cm/min
アーク電圧:15V溶接電流:130A
シールドガス流量:20リットル/分
【0029】
評価は、アーク安定性、スパッタ、ビード外観を対象とし、アーク安定性は、高速度ビデオカメラの映像からみたアークのふらつきを調べた。ビード外観は、溶接後の肉眼での観察で評価した。
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表1において、◎は極めて良い、○は良い、△は若干悪い、×は悪い評価を表す。
表1の結果から、へリウム20〜80容量%とアルゴン残部との混合ガスが良好な結果を与えることがわかる。
【0032】
(実施例2)
実施例2として、図2に示すように、亜鉛めっき鋼板3、3の板厚0.9mmを2枚用いて、上板と下板の隙間を0mm、トーチ4の傾斜角度を30度としてMIGブレージング溶接を行い、アークの安定性を高速度ビデオカメラで観察した。
【0033】
シールドガスとして、アルゴンガスおよび炭酸ガスの2種混合ガスと、アルゴンガスおよび酸素ガスからなる2種混合ガスを用いMIGブレージング溶接を行った。比較用ガスとして、広く一般的に使われているアルゴンガスを用いた。
【0034】
溶接条件
溶接方式:消耗式電極溶接、パルスアーク
溶接母材:亜鉛めっき鋼板、板厚0.9mm
溶接方法:重ねすみ肉溶接
溶接ワイヤ:ER 銅Si−A(AWS)、φ1mm
チップ母材間距離:15mm
トーチ傾斜角度:30度
溶接速度:80cm/min
アーク電圧:21V溶接電流:70A
シールドガス流量:20リットル/分
【0035】
評価は、アーク安定性、ビード外観を対象とし、アーク安定性は、高速度ビデオカメラの映像からみたアークのふらつきを調べた。ビード外観は、溶接後の肉眼での観察で評価した。
結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
表2において、◎は極めて良い、○は良い、△は若干悪い、×は悪い評価を表す。
表2の結果から、炭酸ガス3〜6容量%とアルゴン残部との混合ガスもしくは酸素2〜4容量%とアルゴン残部との混合ガスが良好な結果を与えることがわかる。
【0038】
(実施例3)
図2に示すように、板厚0.7mmのステンレス鋼板と、板厚0.7mmの炭素鋼板とを用い、上板と下板の隙間を0mm、トーチ2の傾斜角度を30度としてMIGブレージング溶接を行い、アークの安定性を高速度ビデオカメラで観察した。
【0039】
シールドガスとして、アルゴンガスおよび酸素ガスまたは炭酸ガスからなる2種混合ガスを用いて、以下の条件でMIGブレージング溶接を行った。比較用ガスとして、広く一般的に使われているアルゴンガスを用いた。
【0040】
溶接条件
溶接方式:消耗式電極溶接、パルスアーク、ショートアーク
溶接母材:ステンレス鋼板、板厚0.7mmと炭素鋼板、0.7mm
重ねすみ肉溶接
溶接ワイヤ:ER 銅・アルミ−A1(AWS)、φ0.8mm
チップ母材間距離:15mm
トーチ傾斜角度:30度
溶接速度:80cm/min
アーク電圧:パルス16.5V、ショート15V
溶接電流:パルス58A、ショート85A
シールドガス流量:20リットル/分
【0041】
評価は、アーク安定性、スパッタ、ビード外観を対象とし、アーク安定性は、高速度ビデオカメラの映像からみたアークのふらつきを調べた。ビード外観は、溶接後の肉眼での観察で評価した。
結果を表3および表4に示す。
【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
表3および表4において、◎は極めて良い、○は良い、△は若干悪い、×は悪い評価を表す。
表3および表4の結果から、二酸化炭素1〜5%容量とアルゴン残部との混合ガスまたは酸素1〜5%容量とアルゴン残部との混合ガスが良好な結果を与えることがわかる。
【0045】
なお、実験条件を同じ条件のまま、アルゴンの代わりにヘリウムを20〜80容量%いれても同様の結果となった。また、ワイヤをER 銅・Si−A1(AWS)、φ0.8mmを用いても同じ結果となった。
さらに、溶接母材をステンレス鋼板間、炭素鋼板間とした時の溶接においても表3および表4に示した混合ガスと同じ混合ガスが良好であることを確認した。
【0046】
また、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間の溶接に際しても表3、表4に示す混合ガスを用いることで良好な結果が得られた。
これは、表2に示す亜鉛めっき鋼板同士を溶接する場合に比べて、溶接母材の一方が亜鉛めっき鋼板である場合、重なり部の亜鉛の厚みが半分となるため、炭酸ガスや酸素ガスなどの酸化性ガスが少なくても溶接が可能になったと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例1での溶接の状況を示す図面である。
【図2】実施例2および実施例3での溶接の状況を示す図面である。
【符号の説明】
【0048】
1・・炭素鋼板、2・・トーチ、3・・亜鉛めっき鋼板、4・・トーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成がヘリウム20〜80容量%と残部がアルゴンであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【請求項2】
炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、炭酸ガス1〜5容量%とヘリウム20〜80容量%と残部がアルゴン、またはその組成が炭酸ガス1〜5容量%と、残部がアルゴンであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【請求項3】
炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、酸素ガス1〜2容量%とヘリウム20〜80容量%と残部がアルゴン、またはその組成が酸素ガス1〜2容量%と残部がアルゴンであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【請求項4】
亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、炭酸ガス3〜6容量%と残部がアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【請求項5】
亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いたMIGブレージング溶接用のシールドガスであって、
その組成が、酸素2〜4容量%と、残部がアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガスであることを特徴とするMIGブレージング用シールドガス。
【請求項6】
炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項1記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法。
【請求項7】
炭素鋼板間、ステンレス鋼板間、炭素鋼板とステンレス鋼板間、炭素鋼板と亜鉛めっき鋼板間、ステンレス鋼板と亜鉛めっき鋼板間を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項2または3記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法。
【請求項8】
亜鉛めっき鋼板を接合対象とし、主成分が銅であるワイヤを用いてMIGブレージング溶接するにあたり、請求項4または5記載のシールドガスを用いることを特徴とするMIGブレージング溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−83303(P2007−83303A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45054(P2006−45054)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】