説明

N−アルキルマレイミド系重合体粒子及びその製造方法

【課題】 重合体溶液の保存安定性に悪影響を及ぼす水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるN−アルキルマレイミド残基を含有し、水溶性セルロース類の含有量が150ppm以下であることを特徴とするN−アルキルマレイミド系重合体粒子、及びその製造方法。
【化1】


(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はN−アルキルマレイミド系重合体粒子及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、重合体溶液の保存安定性に悪影響を及ぼす水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N−アルキルマレイミドから得られる単独重合体または共重合体(N−アルキルマレイミド系重合体)は、一般的な熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた樹脂となることが知られており、光学分野における様々な用途に使用可能な透明樹脂として有望な材料である。(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
N−アルキルマレイミド系重合体は、ラジカル重合によって製造することができる。また、その製造方法は、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の従来公知の方法により製造することができる。しかしながら、塊状重合や溶液重合は除熱が困難であるために特殊な製造設備が必要であったり、重合後に残存する単量体を除去し樹脂を回収する工程が煩雑であるという問題がある。また、乳化重合は乳化剤の除去が困難であり、樹脂の透明性が損なわれるという問題がある。懸濁重合は重合系の温度制御が容易であること、水媒体中で実施可能であること及び重合後の単量体の除去が比較的容易であることから工業的に好ましい製造方法である(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
しかし、分散剤が多量に残存すると重合体溶液の保存安定性が悪化するといった問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】大津隆行著、「未来材料」、(株)エヌ・ティー・エス、2003年1月10日、Vol.3、No.1、第74頁〜第79頁
【非特許文献2】大津隆行著、「高分子合成の化学」、(株)化学同人、1979年1月10日、第39頁〜第40頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の条件で調製したセルロース類水溶液を用いた懸濁重合によるN−アルキルマレイミド重合体粒子およびその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、特定の一般式で表されるN−アルキルマレイミド残基を含有し、水溶性セルロース類の含有量が150ppm以下であるN−アルキルマレイミド系重合体粒子、及びその製造方法である。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子は、下記一般式(1)で表されるN−アルキルマレイミド残基を含有するものである。
【0010】
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
式中の炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられ、炭素数3〜12の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、得られるN−アルキルマレイミド重合体が耐熱性に優れるものとなること及び取扱い性が良好であることから、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特にエチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソプロピル基が好ましい。
【0011】
一般式(1)で表されるN−アルキルマレイミド残基としては、例えば、N−メチルマレイミド残基、N−エチルマレイミド残基、N−プロピルマレイミド残基、N−ブチルマレイミド残基、N−ペンチルマレイミド残基、N−ヘキシルマレイミド残基、N−オクチルマレイミド残基、N−ドデシルマレイミド残基、N−イソプロピルマレイミド残基、N−iso−ブチルマレイミド残基、N−sec−ブチルマレイミド残基、N−tert−ブチルマレイミド残基、N−シクロプロピルマレイミド残基、N−シクロブチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れるものとなること及び取扱い性が良好であることから、N−エチルマレイミド残基、N−プロピルマレイミド残基、N−ブチルマレイミド残基、N−ヘキシルマレイミド残基、N−オクチルマレイミド残基、N−イソプロピルマレイミド残基、N−tert−ブチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基が好ましく、特にN−エチルマレイミド残基、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド残基、N−ヘキシルマレイミド残基、N−オクチルマレイミド残基、N−イソプロピルマレイミド残基が好ましい。
【0012】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子における水溶性セルロース類の含有量は、150ppm以下である。150ppmを超えると、重合体溶液の保存安定性に劣るものである。重合体溶液の保存安定性により優れるために、好ましくは120ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。水溶性セルロース類としては、例えば、メチルセルロース等のアルキルセルロース類;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース類;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース類等が挙げられる。これらの中でもヒドロキシアルキルセルロース類、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類が好ましく、さらにヒドロキシアルキルアルキルセルロース類が好ましく、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
【0013】
本発明では必要に応じてN−アルキルマレイミド以外の残基を含有するものであってもよく、該残基としては、例えば、エチレン残基、プロピレン残基、1−ブテン残基、イソブテン残基等のオレフィン類残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基等のアクリル酸アルキルエステル類残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基等のメタクリル酸アルキルエステル類残基;スチレン残基、α−メチルスチレン残基等のビニル芳香族炭化水素類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基、ピバル酸ビニル残基等のカルボン酸ビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル類残基;フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等のフマル酸ジエステル類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;無水マレイン酸残基;イタコン酸ジブチル残基等のイタコン酸ジアルキル類残基等が挙げられ、その中でもメタクリル酸メチル残基、スチレン残基が好ましい。
【0014】
一般式(1)で表されるN−アルキルマレイミド残基およびその他残基のモル割合は、耐熱性、透明性に優れたN−アルキルマレイミド系重合体が得られることから、好ましくはN−アルキルマレイミド残基50%以上100%未満およびその他残基0%を超えて50%以下、さらに好ましくはN−アルキルマレイミド残基60%以上100%未満およびその他残基0%を超えて40%以下、特に好ましくはN−アルキルマレイミド残基70%以上100%未満およびその他残基0%を超えて30%以下である。
【0015】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の数平均分子量に特に制限はないが、取扱い性が良好であるため、好ましくは1,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは30,000〜300,000である。
【0016】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子は、下記一般式(2)で表されるN−アルキルマレイミド単量体、又は該N−アルキルマレイミド単量体及びこれと共重合可能な単量体(以下、単量体混合物という)を、単量体100重量部に対して0.01〜20重量部の水溶性セルロース類を5〜15℃の水に溶解させた後に孔径0.1〜10μmのフィルターでろ過処理した水溶液を媒体として、油溶性ラジカル重合開始剤を用いて懸濁重合することにより製造することができる。
【0017】
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
一般式(2)で表されるN−アルキルマレイミド単量体としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−iso−ブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れるものとなること及び取扱い性が良好であることから、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましく、特にN−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミドが好ましい。
【0018】
必要に応じてN−アルキルマレイミド単量体と共重合可能な単量体を用いてもよく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等のフマル酸ジエステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;無水マレイン酸;イタコン酸ジブチル等のイタコン酸ジアルキル類等が挙げられ、その中でもメタクリル酸メチル、スチレンが好ましい。
【0019】
一般式(2)で表されるN−アルキルマレイミド単量体、又は単量体混合物の使用量は特に限定するものではないが、耐熱性、透明性に優れたN−アルキルマレイミド系重合体が得られることから、全仕込み量に対して20〜50重量部が好ましく、20〜40重量部がさらに好ましい。
【0020】
単量体混合物中のN−アルキルマレイミドとこれと共重合可能な単量体の混合割合は、耐熱性、透明性に優れたN−アルキルマレイミド系重合体が得られることから、好ましくはN−アルキルマレイミド50重量%以上100重量%未満およびこれと共重合可能な単量体0重量%を超えて50重量%以下、さらに好ましくはN−アルキルマレイミド60重量%以上100重量%未満およびこれと共重合可能な単量体0重量%を超えて40重量%以下、特に好ましくはN−アルキルマレイミド70重量%以上100重量%未満およびその他共重合可能な単量体0重量%を超えて30重量%以下である。
【0021】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法では、単量体100重量部に対して0.01〜20重量部の水溶性セルロース類を5〜15℃の水に溶解させた後に孔径0.1〜10μmのフィルターでろ過処理した水溶液を媒体として用いるものである。
【0022】
水溶性セルロース類の使用量は、N−アルキルマレイミド、又は単量体混合物100重量部に対して0.01〜20重量部である。0.01重量部未満の場合は、重合時の懸濁安定性が悪化し、20重量部を超える場合は重合体粒子の水溶性セルロース含有量が多くなる。好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部である。
【0023】
水溶性セルロース類の溶解温度は5〜15℃であり、この範囲を外れると水溶性セルロース類の含有量が多くなり、重合体溶液の保存安定性が悪くなる。好ましくは7〜14℃、さらに好ましくは8〜12℃である。
【0024】
水溶性セルロース類の溶解時間は1〜72時間が好ましく、さらに好ましくは1〜48時間、特に好ましくは1〜24時間である。
【0025】
水溶性セルロース類を溶解させる水としては、例えば、工業用水、イオン交換水、蒸留水等を挙げることができる。また、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、メタノール、エタノール、アセトン等の水溶性媒体を混合した混合水性媒体であってもよい。また、水性媒体の使用量は、N−アルキルマレイミド、又は単量体混合物100重量部に対して100〜400重量部が好ましく、さらに好ましくは100〜250重量部である。
【0026】
水溶性セルロース類を水に溶解させた水溶液をろ過処理することで、水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子を得ることができるものであり、ろ過フィルターの孔径は0.1〜10μmである。ろ過処理を行わなかったり、ろ過フィルターの孔径がこの範囲を外れると重合体粒子の水溶性セルロース含有量が多くなる。0.1〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがさらに好ましい。
【0027】
懸濁重合の際に使用する油溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤等が挙げられる。油溶性ラジカル重合開始剤の使用量は適宜設定することができ、N−アルキルマレイミド、又は単量体混合物100重量部に対して0.0001〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2重量部であり、特に好ましくは0.01〜1重量部である。
【0028】
懸濁重合とは、水性媒体中に単量体を分散させ、単量体に可溶の重合開始剤を用いる重合方法であり、懸濁重合する際の温度は、油溶性ラジカル重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは40〜100℃、特に好ましくは40〜80℃である。
【0029】
本発明のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法では、水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子が得られることから、懸濁重合により得られたN−アルキルマレイミド系重合体粒子をろ過後、重合体粒子を溶解させることなく水溶性セルロース類を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄すること及び/又は懸濁重合により得られたN−アルキルマレイミド系重合体粒子をろ過後、重合体粒子を溶解させることなく未反応単量体(未反応のN−アルキルマレイミド及び/又はその他共重合可能な単量体)を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄することがより好ましい。洗浄の回数は特に限定するものではないが、2〜10回が好ましく、4〜8回がさらに好ましい。ここでセルロース類と未反応単量体を同一の溶剤で同時に除去することもでき、異なる溶剤で個別に除去することもできる。
【0030】
使用する溶剤は重合体が不溶でかつセルロース類及び/又は未反応単量体が可溶な溶剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、メタノール/水、エタノール/水等が挙げられる。
【0031】
重合する際の反応器について特に制限はなく、アンカー翼、ファウドラー翼、ブルマージン翼等の攪拌翼がついたSUS又はGL反応器等が好適に使用される。
【0032】
また、本発明の製造方法においては必要に応じて、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、ケトンおよびハロゲン化合物等の油性媒体や、アルキルメルカプタンのような連鎖移動剤、さらにヒンダードフェノール系、リン系の酸化防止剤を重合初期、重合中又は重合後に使用しても良い。
【0033】
このようにして得られたN−アルキルマレイミド重合体粒子は、各種光学材料、シート、フィルムなどに用いることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明のN−アルキルマレイミド重合体粒子は、水溶性セルロース類の含有量が少ないため、重合体溶液の保存安定性に優れており、さらに、本発明の製造方法により重合体溶液の保存安定性に悪影響を及ぼす水溶性セルロース類の含有量が少ないN−アルキルマレイミド系重合体粒子を効率よく製造することができる。
【実施例】
【0035】
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
以下に実施例により得られたN−アルキルマレイミド重合体粒子の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
【0037】
<数平均分子量>
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、カラムGMHHR−H)を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から算出して求めた。
【0038】
<重合体粒子中の水溶性セルロース類の含有量>
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと略す;信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)とN−アルキルマレイミド重合体を0.03:99.97〜0.1:99.9の割合で混合させ、ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として固形分が15重量%の溶液を作製、得られた溶液の屈折率を、屈折計(アタゴ製、製品名RX―5000α)を用いて測定温度25℃で測定して、HPMC濃度と屈折率の関係プロットを作成した。
【0039】
実施例で得られたN−アルキルマレイミド重合体粒子のDMF溶液の屈折率を同様に測定して、前述のプロットから該粒子中のHPMC含有量を算出した。
【0040】
<重合体粒子の溶液粘度の安定性>
N−アルキルマレイミド重合体粒子をトルエン60重量%とエチルメチルケトン40重量%からなる溶剤に溶解して樹脂成分が15重量%の溶液を作製し、JIS Z8803に準拠して、回転粘度計(東機産業製、製品名TVB−20)を用いて30℃で測定した。さらに、同溶液を室温で72hr静置した後に再び溶液粘度を測定し、その変化を確認した。
【0041】
合成例1
攪拌機を備えた300mLのフラスコに、HPMC0.6g、蒸留水150gを入れ、10℃で3時間攪拌溶解した後、得られた水溶液を孔径1μmのポリプロピレン製フィルターを用いてろ過することでセルロース水溶液を得た。
【0042】
合成例2
攪拌機を備えた300mLのフラスコに、HPMC1.2g、蒸留水150gを入れ、10℃で3時間攪拌溶解した後、得られた水溶液を孔径1μmのポリプロピレン製フィルターを用いてろ過することでセルロース水溶液を得た。
【0043】
合成例3
攪拌機を備えた300mLのフラスコに、HPMC0.6g、蒸留水150gを入れ、25℃で3時間攪拌溶解した後、得られた水溶液を孔径1μmのポリプロピレン製フィルターを用いてろ過することでセルロース水溶液を得た。
【0044】
合成例4
攪拌機を備えた300mLのフラスコに、HPMC0.6g、蒸留水150gを入れ、10℃で3時間攪拌溶解することでセルロース水溶液を得た。
【0045】
合成例5
攪拌機を備えた300mLのフラスコに、HPMC0.6g、蒸留水150gを入れ、10℃で3時間攪拌溶解した後、得られた水溶液を孔径20μmのポリプロピレン製フィルターを用いてろ過することでセルロース水溶液を得た。
【0046】
実施例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:71%)。
【0047】
得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は160,000であり、HPMC含有量は101ppm、溶液粘度は164cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は164cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0048】
実施例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた300mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−エチルマレイミド100g(0.8モル)、トルエン25gおよび油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.42g(0.0024モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−エチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−エチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:66%)。
【0049】
得られたN−エチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は155,000であり、HPMC含有量は99ppm、溶液粘度は175cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は177cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0050】
実施例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−プロピルマレイミド100g(0.7モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−プロピルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−プロピルマレイミド重合体粒子を得た(収率:73%)。
【0051】
得られたN−プロピルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は137,000であり、HPMC含有量は96ppm、溶液粘度は161cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は160cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0052】
実施例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−イソプロピルマレイミド100g(0.7モル)、トルエン25gおよび油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−イソプロピルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−プロピルマレイミド重合体粒子を得た(収率:69%)。
【0053】
得られたN−イソプロピルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は152,000であり、HPMC含有量は101ppm、溶液粘度は105cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は163cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0054】
実施例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた300mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−ヘキシルマレイミド100g(0.56モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−ヘキシルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ヘキシルマレイミド重合体粒子を得た(収率:70%)。得られたN−ヘキシルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は141,000であり、HPMC含有量は107ppm、溶液粘度は119cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は120cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0055】
実施例6
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた300mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−オクチルマレイミド100g(0.5モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.29g(0.0016モル)、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−オクチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−オクチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:67%)。
【0056】
得られたN−オクチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は135,000であり、HPMC含有量は100ppm、溶液粘度は101cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は102cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0057】
実施例7
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、メチルメタクリレート5g(0.05モル)および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られた重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:71%)。
【0058】
得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は140,000であり、HPMC含有量は97ppm、溶液粘度は131cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は132cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0059】
実施例8
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、スチレン5.2g(0.05モル)および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られた重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:70%)。
【0060】
得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は145,000であり、HPMC含有量は103ppm、溶液粘度は144cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は145cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0061】
実施例9
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例2で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.5g(0.003モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られた重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:72%)。
【0062】
得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は138,000であり、HPMC含有量は108ppm、溶液粘度は141cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は142cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0063】
実施例10
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例1で得られたセルロース水溶液120g、N−ブチルマレイミド120g(0.78モル)および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.5g(0.003モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られた重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体粒子を得た(収率:71%)。
【0064】
得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子の数平均分子量は131,000であり、HPMC含有量は101ppm、溶液粘度は124cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は126cPであり、重合体溶液の保存安定性は良好であった。
【0065】
比較例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例3で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体を得た(収率:69%)。
【0066】
得られたN−ブチルマレイミド重合体の数平均分子量は130,000であり、HPMC含有量は198ppm、溶液粘度は290cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は2635cPでありゲル状物を含むものであった。よって、5〜15℃の温度範囲外でHPMCを溶解したことから、得られた重合体中のHPMC含有量が多く、溶液の保存安定性に劣るものであった。
【0067】
比較例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例4で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体を得た(収率:72%)。
【0068】
得られたN−ブチルマレイミド重合体の数平均分子量は153,000であり、HPMC含有量は251ppm、溶液粘度は380cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は2903cPでありゲル状物を含むものであった。よって、セルロース水溶液のろ過を実施しなかったことから、得られた重合体中のHPMC含有量が多く、重合体溶液の保存安定性に劣るものであった。
【0069】
比較例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、合成例5で得られたセルロース水溶液150g、N−ブチルマレイミド100g(0.65モル)、および油溶性ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(0.002モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で12時間保持することにより懸濁重合を行なった。懸濁重合反応の終了後、フラスコの中の懸濁重合により得られたN−ブチルマレイミド重合体粒子をろ過後、蒸留水500mLで4回およびメタノール500mLで4回洗浄を行うことによりN−ブチルマレイミド重合体を得た(収率:71%)。
【0070】
得られたN−ブチルマレイミド重合体の数平均分子量は147,000であり、HPMC含有量は160ppm、溶液粘度は4210cP、同溶液を72hr静置した後の溶液粘度は2531cPでありゲル状物を含むものであった。よって、フィルター孔径0.1〜10μmの範囲外でセルロース水溶液のろ過を実施したことから、得られた重合体中のHPMC含有量が多く、重合体溶液の保存安定性に劣るものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるN−アルキルマレイミド残基を含有し、水溶性セルロース類の含有量が150ppm以下であることを特徴とするN−アルキルマレイミド系重合体粒子。
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
【請求項2】
N−アルキルマレイミド残基が、N−エチルマレイミド残基、N−プロピルマレイミド残基、N−イソプロピルマレイミド残基、N−ブチルマレイミド残基、N−ヘキシルマレイミ残基又はN−オクチルマレイミド残基であることを特徴とする請求項1に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子。
【請求項3】
水溶性セルロース類が、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類及び/又はヒドロキシアルキルセルロース類であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子。
【請求項4】
下記一般式(2)で表されるN−アルキルマレイミド単量体、又は該N−アルキルマレイミド単量体及びこれと共重合可能な単量体を、単量体100重量部に対して0.01〜20重量部の水溶性セルロース類を5〜15℃の水に溶解させた後に孔径0.1〜10μmのフィルターでろ過処理した水溶液を媒体として、油溶性ラジカル重合開始剤を用いて懸濁重合することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法。
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数3〜12の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
【請求項5】
水溶性セルロース類が、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類及び/又はヒドロキシアルキルセルロース類であることを特徴とする請求項4に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法。
【請求項6】
懸濁重合により得られたN−アルキルマレイミド系重合体粒子をろ過後、重合体粒子を溶解させることなく水溶性セルロース類を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかの項に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法。
【請求項7】
懸濁重合により得られたN−アルキルマレイミド系重合体粒子をろ過後、重合体粒子を溶解させることなく未反応単量体を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかの項に記載のN−アルキルマレイミド系重合体粒子の製造方法。

【公開番号】特開2012−131840(P2012−131840A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282391(P2010−282391)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】