説明

N−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]−ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドの塩

本発明は、ケモカインレセプターのインヒビターであるN−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]−ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドのビス(メタンスルホン酸)塩、ビス(エタンスルホン酸)塩およびショウノウ酸塩、それらの製造方法およびそれらの使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケモカインレセプターのインヒビターであるN−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]−ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドの薬学的に受容可能な塩、それらの製造方法およびそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式I:
【化1】

を有するN−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドは、特にCCR2のようなCCR型ケモカインレセプターに対する有効なケモカインレセプターアンタゴニストである。式Iの化合物ならびにその製剤および用途は、WO04/50024に記載され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。薬物の製造、精製および製剤について、例えば、薬物の1つもしくはそれ以上の塩形態または結晶形態で示される、優れた安定性または他の望ましい製剤特性を有する薬物形態を利用することが一般的に有利である。従って、本明細書中に提供される式Iの化合物の塩形態は、新しく安定な形態のケモカインレセプターインヒビターの継続的な必要性を満たす手助けをする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、とりわけ、式I:
【化2】

の化合物の薬学的に受容可能な塩(ここで、塩はビス(メタンスルホン酸)塩、ビス(エタンスルホン酸)塩またはショウノウ酸である)を提供する。
本発明は、本発明の塩の製造方法をさらに提供する。
本発明は、本発明の塩および薬学的に受容可能な担体を含有する組成物をさらに提供する。
本発明は、本発明の塩とケモカインレセプターとを接触させることを包含するケモカインレセプター活性を調節する方法をさらに提供する。
本発明は、患者におけるケモカインレセプターの発現または活性に関連する疾患の治療方法をさらに提供し、本方法は、患者に有効量の本発明の塩を投与することを包含する。
本発明は、治療に使用するための本発明の塩または組成物をさらに提供する。
本発明は、ケモカインレセプターの発現または活性に関連する疾患の治療に使用するための本発明の塩または組成物をさらに提供する。
本発明は、ケモカインレセプターの発現または活性に関連する疾患を治療するための、医薬の製造に使用するための本発明の塩または組成物をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、とりわけ、式I:
【化3】

の化合物の薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで、塩はビス(メタンスルホン酸)塩、ビス(エタンスルホン酸)塩またはショウノウ酸である。本発明の塩は、非結晶質もしくは結晶質の形態、またはそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の塩は結晶質であり、無水、水和、非溶媒和または溶媒和である結晶質形態を包含する。水和物の例としては、半水和物、一水和物、二水和物などが挙げられる。いくつかの実施形態において、塩形態は、無水物または非溶媒和物である。塩が結晶質形態中で単離され、それによって、薬物を容易に製造、精製および製剤できるので、本発明の塩は特に医薬製剤に使用するのに有利である。
【0005】
本発明の塩は、酸付加塩の任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、式Iの化合物の遊離塩基を溶媒または融液中で所望の酸と混合し得る。あるいは、式Iの酸付加塩は、アニオン交換によって異なる酸付加塩に変換され得る。溶媒系中で製造される本発明の塩は、溶媒からの沈殿によって単離され得る。沈殿および/または結晶化を、例えば、蒸発、温度の低下、アンチソルベントの添加またはそれらの組み合わせによって誘導し得る。
【0006】
本発明の塩は組成物で得ることができる。いくつかの実施形態において、組成物は、約1質量%より多い量、約5質量%より多い量、約10質量%より多い量、約25質量%より多い量、約50質量%より多い量、約60質量%より多い量、約70質量%より多い量、約80質量%より多い量、約90質量%より多い量、約95質量%より多い量、約98質量%より多い量または約99質量%より多い量の本発明の塩を含有する。いくつかの実施形態において、本組成物は、本質的に本発明の塩からなる。いくつかの実施形態において、本組成物は、本発明の塩および薬学的に受容可能な担体を含有する。
【0007】
ビス(メタンスルホン酸)塩
式Iの化合物のビス(メタンスルホン酸)塩は、メタンスルホン酸付加塩の任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、式Iの化合物を、結晶化溶媒中でメタンスルホン酸(例えば、約2当量またはそれ以上)と混合し、そして得られた塩を、例えばアンチソルベントの添加により溶液から塩を沈殿させることによって単離し得る。
【0008】
結晶化溶媒は、任意の溶媒または式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解し得る溶媒の混合物を含有し得る。いくつかの実施形態において、結晶化溶媒は、水、アルコールおよびケトンの混合物を含有する。適切なアルコールとしては、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール、2
−プロパノール)、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−、もしくは3−ペンタノール、neo−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたはイソプロパノールが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルコールとしては、イソプロパノールが挙げられる。適切なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ケトンはメチルイソブチルケトンである。
【0009】
いくつかの実施形態において、結晶化溶媒は、約1:2〜約1:20、約1:5〜約1:12または約1:9の体積比で水およびアルコールを含有する。
いくつかの実施形態において、ビス(メタンスルホン酸)塩の沈殿および/または結晶化は、アンチソルベントの添加によって誘導される。適切なアンチソルベントとしては、ケトン(例えば、メチルイソブチルケトン)のような塩が難溶性である任意の溶媒が挙げられ得る。
【0010】
式Iの化合物の結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩形態は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折ならびにFT−IRおよび固体NMRのような他の固体方法についてのそれらの独自のサインによって同定され得る。いくつかの実施形態において、結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩は、約166℃での吸熱を顕著な特徴として有する実質的に図1に示されるようなDSCトレースにより特徴付けられ得る。用語「実質的」とは、この場合、吸熱、発熱、ベースラインシフトなどのような特徴が約±4℃で変化し得ることを示す。DSCについて、観察される温度は、温度変化の割合ならびにサンプル調製技術および利用される特定の機器に依存することは公知である。従って、DSCサーモグラムに関して本明細書中で報告される値は、約±4℃で変化し得る。
【0011】
結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩はまた、実質的に図2に示されるようなX線粉末回折(XRPD)図形によって同定され得る。XRPD図形からの主要なピークは、以下の表1に列挙される。用語「実質的」とは、この場合、個々のピークに対する2θ値が約±0.2°で変化し得ることを示す。相対的なピーク強度は、サンプル調製技術、サンプルの取り付け手順および利用される特定の機器に依存して変化し得る。さらに、機器のバリエーションおよび他の因子は、2θ値に影響を与え得る。従って、ピーク同定は、上記されるように約±0.2°で変化し得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物の結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩形態は、2θに関して、表1から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ビス(メタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約8.7°および約21.8°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ビス(メタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約8.7°、約21.8°、約20.1°および約20.9°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ビス(メタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約8.7°、約21.8°、約20.1°、約20.9°、約22.5°および約17.2°でピークを有するXRPD図形を有する。
【0013】
【表1】

【0014】
ビス(エタンスルホン酸)塩
式Iの化合物のビス(エタンスルホン酸)塩は、エタンスルホン酸付加塩の任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、式Iの化合物を、結晶化溶媒中でエタンスルホン酸(例えば、約2当量またはそれ以上)と混合し、そして得られた塩を、溶液から塩を沈殿させることによって単離し得る。
【0015】
結晶化溶媒は、任意の溶媒または式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解し得る溶媒の混合物を含有し得る。いくつかの実施形態において、結晶化溶媒は、アルコールを含有する。適切なアルコールとしては、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール、2−プロパノール)、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−、もしくは3−ペンタノール、neo−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルコールは、イソプロパノールを含有する。
【0016】
式Iの化合物の結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折ならびにFT−IRおよび固体NMRのような他の固体方法についてのそれらの独自のサインによって同定され得る。いくつかの実施形態において、結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩は、約173℃での吸熱を顕著な特徴として有する実質的に図3に示されるようなDSCトレースにより特徴付けられ得る。用語「実質的」とは、この場合、吸熱、発熱、ベースラインシフトなどのような特徴が約±4℃で変化し得ることを示す。DSCについて、観察される温度は、温度変化の割合ならびにサンプル調製技術および利用される特定の機器に依存することは公知である。従って、DSCサーモグラムに関して本明細書中で報告される値は、約±4℃で変化し得る。
【0017】
結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩はまた、実質的に図4に示されるようなX線粉末回折(XRPD)図形によって同定され得る。XRPDからの主要なピークは、以下の表2に列挙される。用語「実質的」とは、この場合、個々のピークに対する2θ値が約±0.2°で変化し得ることを示す。相対的なピーク強度は、サンプル調製技術、サンプルの取り付け手順および利用される特定の機器に依存して変化し得る。さらに、機器のバリエーションおよび他の因子は、2θ値に影響を与え得る。従って、ピーク同定は、上記されるように約±0.2°で変化し得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物の結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩形態は、2θに関して、表2から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPD図形を有する(1000以下のCPS=“+”;1000〜1500のCPS=“++”;1500以上のCPS=“+++”)。いくつかの実施形態において、ビス(エタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約9.2°で少なくとも1つのピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ビス(エタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約9.2°、約12.1°および約18.3°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ビス(エタンスルホン酸)塩は、2θに関して、約9.2°、約12.1°、約13.8°、約18.3°、約19.3°および約19.8°でピークを有するXRPD図形を有する。
【0019】
【表2】

【0020】
ショウノウ酸塩
式Iの化合物のショウノウ酸塩は、ショウノウ酸付加塩の任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、式Iの化合物を、結晶化溶媒中でショウノウ酸(例えば、約1当量またはそれ以上)と混合し、そして得られた塩を、溶液から塩を沈殿させることによって単離し得る。
【0021】
結晶化溶媒は、任意の溶媒または式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解し得る溶媒の混合物を含有し得る。いくつかの実施形態において、結晶化溶媒は、エステルを含有する。適切なエステルとしては、酢酸エチル、酢酸メチルおよび蟻酸エチルが挙げられる。いくつかの実施形態において、結晶化溶媒は酢酸エチルを含有する。
【0022】
式Iの化合物の結晶性ショウノウ酸塩は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折ならびにFT−IRおよび固体NMRのような他の固体方法についての独自のサインによって同定され得る。いくつかの実施形態において、結晶性ショウノウ酸塩は、約176℃での吸熱を顕著な特徴として有する実質的に図5に示されるようなDSCトレースにより特徴付けられ得る。用語「実質的」とは、この場合、吸熱、発熱、ベースラインシフトなどのような特徴が約±4℃で変化し得ることを示す。DSCについて、観察される温度は、温度変化の割合ならびにサンプル調製技術および利用される特定の機器に依存することは公知である。従って、DSCサーモグラムに関して本明細書中で報告される値は、約±4℃で変化し得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、結晶性ショウノウ酸塩形態はまた、実質的に図6に示されるようなX線粉末回折(XRPD)図形によって同定され得る。XRPDからの主要なピークは、以下の表3に列挙される。用語「実質的」とは、この場合、個々のピークに対する2θ値が約±0.2°で変化し得ることを示す。相対的なピーク強度は、サンプル調製技術、サンプルの取り付け手順および利用される特定の機器に依存して変化し得る。さらに、機器のバリエーションおよび他の因子は、2θ値に影響を与え得る。従って、ピーク同定は、上記されるように約±0.2°で変化し得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物のショウノウ酸塩は、2θに関して、表3から選択される少なくとも3つのピークを有するXRPD図形を有する(1000以下のCPS=“+”;1000〜1500のCPS=“++”;1500以上のCPS=“+++”)。いくつかの実施形態において、ショウノウ酸塩は、2θに関して、約17.0°および約19.1°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ショウノウ酸塩は、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°および約14.1°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ショウノウ酸塩は、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°、約14.1°、約16.3°および約18.4°でピークを有するXRPD図形を有する。いくつかの実施形態において、ショウノウ酸塩は、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°、約14.1°、約16.3°、約18.4°、約10.1°および約11.7°でピークを有するXRPD図形を有する。
【0025】
【表3】

【0026】
方法
いくつかの実施形態において、本発明の塩は1種またはそれ以上のケモカインレセプター活性を調節し得る。用語「調節」とは、レセプター活性を増大または減少させる能力を言及することを意味する。従って、本発明の塩は、本明細書中に記載される1種またはそれ以上の任意の化合物または組成物とレセプターとを接触させることによってケモカインレセプターを調節する方法に使用され得る。いくつかの実施形態において、本発明の塩は、ケモカインレセプターのインヒビターとして作用し得る。さらなる実施形態において、本発明の塩は、調節量の本発明の塩を投与することによってレセプターの調節が必要とされる個体中でケモカインレセプターの活性を調節するのに使用され得る。
【0027】
本発明の塩が結合および/または調節するケモカインレセプターとしては、任意のケモカインレセプターが挙げられる。いくつかの実施形態において、ケモカインレセプターは、ケモカインレセプターのCCファミリーに属し、これらとしては、例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8およびCCR10が挙げられる。いくつかの実施形態において、ケモカインレセプターはCCR2である。
【0028】
本発明は、個体(例えば、患者)におけるケモカインレセプター関連疾患または状態の治療が必要である個体に治療有効量または投与量の本発明の塩またはそれらの医薬組成物を投与することにより、個体(例えば、患者)におけるケモカインレセプター関連疾患または状態を治療する方法をさらに提供する。ケモカインレセプター関連疾患としては、ケモカインレセプターの発現、過剰発現、活性または異常活性に直接的または間接的に関連する任意の疾患、状態または症状を包含し得る。ケモカインレセプター関連疾患はまた、ケモカインレセプター活性を調節することによって、予防、改善または治癒され得る任意の疾患、症状または状態を包含し得る。
【0029】
ケモカインレセプター関連疾患、状態および症状の例としては、炎症および炎症性疾患、代謝障害、免疫障害ならびに癌が挙げられる。いくつかの実施形態において、ケモカインレセプター関連疾患はHIV感染またはAIDSのようなウイルス感染が挙げられる。炎症性疾患の例としては、喘息、季節性および通年性のアレルギー性鼻炎、静脈洞炎、結膜炎、加齢性黄斑変性症、食物アレルギー、サバ中毒、乾癬、じんましん、掻痒症、湿疹、炎症性大腸炎、血栓症、中耳炎、肝硬変、心疾患、アルツハイマー病、敗血症、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性肺疾患、薬物誘導性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチおよび腎炎、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、発作、急性神経損傷、サルコイドーシス、肝炎、子宮内膜症、神経因性疼痛、過敏性肺臓炎、好酸性肺炎、遅延型過敏症、間質性肺炎(ILD)(例えば、特発性肺線維症または関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、多発性筋炎もしくは皮膚筋炎に関連するILD)、眼疾患(例えば、網膜変性、脈絡膜血管新生(CNV)など)などのような炎症性成分を有する疾患が挙げられる。免疫障害の例としては、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症(myastenia gravis)、若年発症糖尿病;糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎(autoimmune throiditis)、移植臓器拒絶(同種移植の拒絶反応および移植片対宿主病を含む)が挙げられる。癌の例としては、乳癌、卵巣癌、多発性骨髄腫および腫瘍または病的組織へのマクロファージの浸潤によって特徴付けられるようなもの(例えば、腫瘍関連マクロファージ、TAM)のような癌が挙げられる。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語「接触」とは、インビトロ系またはインビボ系において示される部分を結び合わせることをいう。例えば、本発明の塩とケモカインレセプターを「接触させる」とは、ケモカインレセプターを有する個体または患者(例えば、ヒト)に本発明の塩を投与すること、ならびに、例えば、ケモカインレセプターを含有する細胞または精製製剤を含有するサンプルに本発明の塩を導入することを包含する。
【0031】
本明細書中で使用される場合、交互に用いられる、用語「個体」または「患者」とは、任意の動物(哺乳動物を含む)、好ましくは、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、および最も好ましくはヒトをいう。
【0032】
本明細書中で使用される場合、語句「治療有効量」とは、研究者、獣医、医師または他の臨床医学者によって組織、系、動物、個体またはヒトにおいて求められる生物学的反応または医学的反応を導く活性化合物または医薬品の量をいい、求められる生物学的反応または医学的反応とは、1つまたはそれ以上の以下のことを包含する:
(1)疾患を予防すること;例えば、疾患、症状または状態にかかりやすいが、疾患の病状または症候を未だ経験または提示していない個体における疾患、症状または状態を予防すること(非限定的な例としては、過敏性肺疾患、薬物誘導性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、移植片対宿主病および/もしくは移植後の同種移植の拒絶反応を予防することか、またはアトピー性皮膚炎、遅延型過敏症または季節性もしくは通年性のアレルギー性鼻炎のようなアレルギー反応を予防することが挙げられる);
(2)疾患およびその進行を阻害すること;例えば、疾患、症状または状態の病状または症候を経験または提示している個体における疾患、症状または状態を阻害すること(すなわち、病状および/または症候のさらなる進行を抑えること)、例えば、過敏性肺疾患、薬物誘導性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ、狼瘡または乾癬における炎症反応または自己免疫反応を阻害すること、または動脈硬化性プラーク、アルツハイマー病、黄斑変性症の進行もしくは糖尿病状態のインスリン抵抗性の進行を阻害すること、または腫瘍増殖を阻害すること、またはウイルス感染の場合、ウイルス量を安定化
させること;および
(3)疾患を改善させること;例えば、疾患、症状または状態の病状または症候を経験または提示している個体における疾患、症状または状態を改善させること(すなわち、病状および/または症候を退行させること)、例えば、過敏性肺疾患、薬物誘導性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ、狼瘡または乾癬における自己免疫反応を低下させること、または癌に関連する腫瘍を縮小させること、またはウイルス感染の場合、ウイルス量を減少させること。
【0033】
1種またはそれ以上の追加の医薬品(例えば、抗ウイルス薬、抗体、抗炎症薬、インスリン分泌促進剤およびインスリン増感剤、血清脂質および脂質担体調節剤、免疫抑制剤、ならびに/または化学療法薬)は、ケモカインレセプター関連疾患、状態または症状を治療するために本発明の化合物と組み合わせて使用され得る。薬剤は、単回投薬形態で本発明の化合物と組み合わされ得るか、または薬剤は別々の投薬形態として、同時または連続的に投与され得る。
【0034】
本発明の化合物と組み合わせて使用するために意図される適切な抗ウイルス薬としては、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオチド逆転写酵素インヒビター(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(NNRTI)、タンパク質分解酵素抑制剤、エントリーインヒビター、融合インヒビター、成熟インヒビターならびに他の抗ウイルス薬を挙げることができる。
【0035】
適切なNRTIの例としては、ジドブジン(AZT);ディダノシン(ddl);ザルシタビン(ddC);スタブジン(d4T);ラミブジン(3TC);アバカビル(1592U89);アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)[ビス(POM)−PMEA];ロブカビル(lobucavir)(BMS−180194);BCH−10652;エミトリシタビン(emitricitabine)[(−)−FTC];β−L−FD4(β−L−D4Cとも呼ばれ、そしてβ−L−2’,3’−ジクレオキシ−5−フルオロ−シチデンとも名付けられる);DAPD、((−)−β−D−2,6,−ジアミノ−プリンジオキソラン);およびロデノシン(FddA)が挙げられる。
【0036】
代表的に適切なNNRTIとしては、ネビラピン(BI−RG−587);デラビラジン(delaviradine)(BHAP、U−90152);エファビレンズ(DMP−266);PNU−142721;AG−1549;MKC−442(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン);ならびに(+)−カラノリドA(NSC−675451)およびBが挙げられる。
【0037】
代表的に適切なタンパク質分解酵素抑制剤としては、サクイナビル(Ro31−8959);リトナビル(ABT−538);インディナビル(MK−639);ネルフナビル(nelfnavir)(AG−1343);アンプレナビル(141W94);ラシナビル(lasinavir)(BMS−234475);DMP−450;BMS−2322623;ABT−378;およびAG−1 549が挙げられる。
【0038】
他の抗ウイルス薬としては、ヒドロキシウレア、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシド(pentafuside)、エンフュービルタイド、C−34、シクロトリアザジスルホンアミド CADA、PA−457およびYissum Project
No.11607が挙げられる。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用するために意図され
る抗炎症薬または鎮痛剤としては、例えば、アヘン剤;5−リポオキシゲナーゼのインヒビターのようなリポキシゲナーゼインヒビター;シクロオキシゲナーゼ−2−インヒビターのようなシクロオキシゲナーゼインヒビター;インターロイキン−Iインヒビターのようなインターロイキンインヒビター;インフリキシマブ、エタネルセプトもしくはアダリムマブのようなTNFインヒビター;NNMAアンタゴニスト;一酸化窒素のインヒビターもしくは一酸化窒素の合成インヒビター;非ステロイド性抗炎症薬;またはサイトカイン抑制抗炎症薬(例えば、アセトアミノフェン、アスピリン(asprin)、コデイン(codiene)、フェンタニール、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド鎮痛剤、スフェンタニル、サンリンダック(sunlindac)、テニダップ(tenidap))などを挙げることができる。同様に、本化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムのような増強剤(potentiator);フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン(pseudophedrine)、オキシメタゾリン、エフィネフリン(ephinephrine)、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドフィン(propylhexedfine)もしくは左旋性−デゾキシエフェドリン(levo−desoxyephedrine)のような充血除去剤;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンもしくはデキストラメトルファンのような鎮咳薬(antfitussive);利尿薬;および鎮静性もしくは非鎮静性抗ヒスタミン剤と共に投与され得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用するために意図される医薬品としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(a)US5,510,332、WO95/15973、WO96/01644、WO96/06108、WO96/20216、WO96/229661、WO96/31206、WO96/4078、WO97/030941、WO97/022897、WO98/426567、WO98/53814、WO98/53817、W098/538185、WO98/54207およびWO98/58902に記載されるもののようなVLA−4アンタゴニスト;(b)ベクロメタゾン(beclornethasone)、メチルピ−エドニソロン(methylpi−ednisolone)、ベタメタゾン(betarnethasone)、プレドニゾン、デキサメタゾンおよびヒドロコルチゾンのようなステロイド;(c)サイクロスポリン、タクロリムス、ラパルニシン(raparnycin)および他のFK506型免疫抑制剤のような免疫抑制剤;(d)ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デキシクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリラミン(pheniramine pyrilarnine)、アステミゾール(asternizole)、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デセアルボエトキシロラタジン(desearboethoxyloratadine)などのような抗ヒスタミン薬(HI−ヒスタミンアンタゴニスト);(e)テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタイン(isoethaiine)、アルブテロール、ビトルテロール、ピルブテロール、テオフィリンクロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト(iralukast)、ポビルカスト(pobilukast)、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成インヒビター(例えば、ジレウトン、BAY−1005)のような非ステロイド系抗喘息薬;(f)プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシック酸(bucloxic acid)、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン(fluprofen)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン(miroprofen)、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸および、チオキサプロフェン(tioxaprofen))、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、アセルネタシン(acernetacin)、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸(fenclozic acid)、フェンチアザク、フロフェナク(furofenac)、イブフェナック、イソキセパック(isoxepac)、オキソピナック(oxpinac)、スリンダク、チオピナク(tiopinac)、トルメチン、ジドメタシン(zidometacin)およびゾメピラック)、フェナム酸(fenarnic acid)誘導体(フルフェナム酸(flufenarnic acid)、メクロフェナム酸、メフェナム酸(rnefenamic acid)、ニフルム酸およびトルフェナム酸(tolfenarnic acid))、ビフェニルカルボン酸(biphenylearboxylic acid)誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル(flufenisal))、オキシカム(oxicarn)(イソキシカム(isoxicarn)、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)およびテノキシカム)、サリチル酸塩(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ベンズピペリロン(bezpiperylon)、フェパラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)のような非ステロイド系抗炎症薬(NSAID);(g)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)インヒビター;(h)IV型ホスホジエステラーゼ(PDE−IV)のインヒビター;(i)ケモカインレセプター、特にCXCR−4、CCR1、CCR2、CCR3およびCCR5の他のアンタゴニスト;(j)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(ロバスタチン、シンバスタチン(sirrivastatin)およびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンならびに他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、およびフェノフィブレート、ベンザフィブレート(benzafibrate))ならびにプロブコールのようなコレステロール低下薬;(k)抗TNF治療薬、抗IL−1レセプター、CTLA−4Ig、抗CD20および抗VLA4抗体のような抗炎症性生物学的作用物質;(l)インスリン、スルホニルウレア、ビグアニド(メトホルミン)、U.−グルコシダーゼインヒビター(アカルボース)およびオルリタゾン(orlitazones)(トログリタゾンおよびピオグリタゾン)のような抗糖尿病薬;(m)インターフェロンβの製剤(インターフェロンβ−lo.、インターフェロンβ−1 P);(n)アミノサリチル酸、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンのような代謝拮抗剤、ならびに細胞毒性癌化学療法薬のような他の化合物。第二の活性成分に対する本発明の化合物の質量比は変更されてもよく、そして各成分の有効量に依存する。
【0041】
例えば、炎症、代謝障害、自己免疫疾患、癌またはウイルス感染の治療にCCR2アンタゴニストを抗炎症性医薬品と組み合わせて使用すると、その毒作用を悪化させることなく、抗炎症薬単独で使用したときの反応と比較して治療反応を改善し得る。追加の薬剤と本発明のCCR2アンタゴニストとの組み合わせによる相加および相乗効果は、所望の結果である。さらに、本発明のCCR2アンタゴニストを用いる治療において、癌細胞のデキサメタゾンのような薬剤に対する耐性を、消失させることができる。
【0042】
医薬製剤および投薬形態
医薬として利用される場合、本発明の塩は医薬組成物の形態で投与され得る。これらの組成物は、薬学的分野で周知の様式で製造され得、そして局所的または全身的治療のどちらが所望されるか、および治療されるべき領域に依存して、種々の経路によって投与され得る。局所的(眼科的および粘膜(鼻腔内、経膣内および直腸送達を含む))、肺(例えば、粉末もしくはエアロゾルの吸入(inhalation)または注入(insufflation)、噴霧器によるものを含む;気管内、鼻腔内、表皮的および経皮的を含む)、経口的または非経口的に投与され得る。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内または注射もしくは注入;または頭蓋内(例えば、髄腔内もしくは脳室内)投与が挙げられる。非経口投与は、単回注射の形態でなされ得るか、または、例えば、連続注入ポンプによってなされ得る。局所投与用の医薬組成物および製剤としては、経皮パッチ剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、滴剤、坐剤、スプレー剤、液体および粉末を挙げることができる。慣用的な薬学的担体、水溶液、粉末または油性基剤、増粘剤などが必須とされるかまたは所望され得る。コーティングコンドーム、手袋などにも有用である。
【0043】
本発明はまた、活性成分として、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体と組み合わせた1種またはそれ以上の上記の塩を含有する医薬組成物を包含する。本発明の組成物の製造において、代表的に、活性成分を、賦形剤と混合するか、賦形剤によって希釈するか、または例えば、カプセル、小袋、紙または他の容器の形態中にこのような担体と共に封入する。賦形剤が希釈剤として役割を果たす場合、賦形剤は、固体、半固体または液体物質であり得、活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として作用する。従って、組成物は、錠剤、丸剤、粉末剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳化剤、溶液、シロップ剤、エアロゾル剤(固体または液体媒体として)、軟膏剤(例えば、活性化合物の10質量%までを含む)、軟質および硬質ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液および滅菌包装粉末の形態であり得る。
【0044】
製剤の製造において、活性化合物を、他の成分と混合する前に、適切な粒径を提供するように粉砕し得る。活性化合物が実質的に不溶性である場合、200メッシュ未満の粒径に粉砕され得る。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径を粉砕することによって調節し、製剤中で実質的に均一な分散を提供することができる(例えば、約40メッシュ)。
【0045】
適切な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。製剤はさらに以下を含有し得る:タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油のような滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルのような保存剤;甘味剤;および香味剤。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を利用して、患者に投与した後に、活性成分の即座放出、徐放または遅延放出を提供するように製剤化され得る。
【0046】
組成物は、単位投薬形態、約5〜約1000mg(1g)、通常は、約100〜約500mgの活性成分を含む各投薬量で製剤され得る。用語「単位投薬形態」とは、ヒト被験体および他の動物に対する単一用量として適切な物理的に不連続な単位をいい、各単位は、適切な薬学的賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有する。
【0047】
活性化合物は、広範な投薬量範囲にわたって有効であり得、そして一般的に薬学的有効量で投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、通常、関連状況(処置されるべき状態、投薬経路の選択、投与される実際の化合物、年齢、体重および個々の患者の反応、患者の症状の重症度などを含む)に従って医師により決定されることが理解される。
【0048】
錠剤のような固体組成物の製造について、主な活性成分を、薬学的賦形剤と混合し、本発明の化合物の均一混合物を含有する固体予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物が均一であるという場合、活性成分は、代表的に組成物全体にむらなく分散され、組成物は、錠剤、丸剤およびカプセル剤のような同等に効果的な単位投薬形態に容易に再
分割される。次いで、この固体予備製剤は、例えば、0.1〜約1000mgの本発明の
活性成分を含有する上記の種類の単位投薬形態に再分割される。
【0049】
本発明の錠剤または丸剤は、コーティングまたは他の方法で配合され、持続性作用の利点をもたらす投薬形態を提供し得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬成分および外部投薬成分を含み、後者は前者を覆う膜の形態である。2つの成分は、腸溶性層によって分離されており、腸溶性層は、胃中での分解に耐える働きをし、そして内部成分が原型を保ったまま十二指腸を通過するか、または内部成分の放出を遅延させることを可能にする。種々の物質を、このような腸溶性層またはコーティングのために使用し得、このような物質としては、多数の高分子酸、ならびにセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質と高分子酸との混合物が挙げられる。
【0050】
本発明の化合物および組成物が経口投与または注射によって取り込まれる液体形態は、水溶液、適切な着香シロップ、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、および食用油(例えば、綿実油、ゴマ油、ヤシ油もしくはラッカセイ油)を含む着香乳化剤ならびにエリキシル剤および同様の薬学的にビヒクルを含有する。
【0051】
吸入(inhalation)または注入(insufflation)のための組成物は、薬学的に受容可能な水性溶媒もしくは有機溶媒またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液ならびに粉末を含有する。液体または固体組成物は、上記のような適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含有してもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、局所的もしくは全身的作用のために経口または鼻呼吸経路によって投与される。組成物を、不活性ガスの使用によって霧状にし得る。霧状の溶液は、噴霧器から直接吸入されてもよく、また、噴霧器は顔面マスクテントまたは間欠的陽圧呼吸器に装着することができる。溶液、懸濁液または粉末の組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから経口的または鼻腔的に投与され得る。
【0052】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されるもの、投与の目的(予防または治療)、患者の状態、投与の様式などに依存して変更される。治療適用において、疾患の症状およびその合併症を治癒または少なくとも部分的に抑えるのに十分な量の組成物を、すでに疾患に罹っている患者に投与し得る。有効量は、治療される疾患の状態、ならびに疾患の重症度、年齢、体重および患者の全体的な状態などのような因子に依存して、主治医の判断で決められる。
【0053】
患者に投与される組成物は、上記の医薬組成物の形態であり得る。これらの組成物は、慣用的な滅菌技術によって滅菌され得るか、または除菌されてもよい。水溶液は、そのまま使用するために包装され得るか、または凍結乾燥され、凍結乾燥された製剤は、投与の前に滅菌水性担体と混合される。調剤製剤のpHは、典型的には、3〜11であり、より好ましくは5〜9、最も好ましくは7〜8である。上述の特定の賦形剤、担体または安定剤の使用により、薬学的塩の形態をもたらすことが理解される。
【0054】
本発明の化合物の治療投薬量は、例えば、治療がなされる特定の使用、化合物の投与様式、患者の健康および状態、ならびに主治医の判断に従って変更され得る。医薬組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投薬量、化学特性(例えば、疎水性)および投薬経路を含む多数の因子に依存して変更され得る。例えば、本発明の塩は、非経口投与用に約0.1〜約10%w/vの化合物を含有する生理学的緩衝水溶液で提供され得る。いくつかの代表的な用量範囲は、1日あたり体重1kgにつき約1μg〜約1gである。いくつかの実施形態において、用量範囲は、1日あたり体重1kgにつき約0.01mg〜約100mgである。投薬量は、疾患もしくは状態の種類および進行範囲、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的生物学的効率、賦形剤の処方ならびにその投
薬経路としてのこのような要因に依存しやすい。有効量は、インビトロまたは動物モデル試験系から導かれる用量反応曲線により推定され得る。
【0055】
本発明の塩はまた、1種またはそれ以上のさらなる活性成分と組み合わせて製剤され得、これらとしては、抗体、免疫抑制剤、抗炎症薬、化学療法薬、高脂血症治療薬、HDL増加薬、インスリン分泌促進剤もしくはインスリン増感剤、および関節リウマチを治療するのに使用される薬物などのような任意の医薬品が挙げられる。
【0056】
関節リウマチ(RA)の治療レジメン
疾患修飾性薬(メトトレキサート、抗マラリア薬、金、ペニシラミン、スルファサラジン、ダプソン、レフルノミドまたは生物製剤)を用いて集中治療した関節リウマチ(RA)患者は、完全寛解を含む種々の程度の疾病制御を達成し得る。これらの臨床反応は、標準化された疾患活動性スコア、特に、以下に挙げられるACR基準の改善に関連する:疼痛、機能、圧痛のある関節の数、関節腫脹の数、患者の全体的な評価、医師の全体的な評価、炎症の検査室測定(CRPおよびESR)および関節の構造的な損傷の放射線評価。最新の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)は、最適な利益を維持するために連続的な投与が必要である。これらの薬剤の慢性投薬は、深刻な毒性および宿主防御障害(host defense compromise)に関連する。さらに、患者はしばしば、特定の治療では効果がなくなり、そして代替のレジメンが必要となる。これらの理由から、標準的なDMARDの使用を中止させる新しい有効な治療が、臨床的に重要な進歩となるであろう。
【0057】
抗TNF治療薬(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ)、抗IL−1治療薬(キナレット(kinaret))または他の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)(メトトレキサート、サイクロスポリン、金塩、抗マラリア薬、ペニシラミンまたはレフルンノミド(leflunamide)が挙げられるがこれらに限定されない)に対して著しく反応し、疾患の臨床的寛解に達している患者は、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質(例えば、核酸(例えば、アンチセンスもしくはsiRNA分子)、タンパク質(例えば、抗CCR2抗体)、小分子インヒビター(例えば、本明細書中に開示される化合物および当該分野で公知の他のケモカインレセプターインヒビター)が挙げられる)で治療され得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質は、小分子CCR2インヒビター(またはアンタゴニスト)である。CCR2アンタゴニストは、1日あたり約500mgを超えない用量で、1日1回または1日2回、経口的に投薬され得る。患者は、彼らの現在の治療の投薬を中止するか、または減少させることができ、そしてCCR2アンタゴニストでの治療を維持する。患者は、例えば、約1日〜約2日間、DMARDの投薬を止めるかまたは用量を減らす前に、CCR2アンタゴニストおよび彼らの現在の治療を組み合わせて治療を行うことができ、そしてCCR2アンタゴニストを続ける。
【0059】
従来のDMARDをCCR2アンタゴニストに置き換える利点は多数ある。従来のDMARDは、深刻な累積的用量制限副作用を有し、最も一般的なものとして、肝臓への損傷ならびに免疫抑制作用がある。CCR2拮抗作用は、改善された長期的に安全なプロフィールを有することが期待され、そして従来のDMARDに関連する同様の免疫抑制傾向を有していない。さらに、生物製剤の半減期は、典型的には日または週であり、拒絶反応に関係する場合、これは問題となる。経口の生物的に利用可能なCCR2アンタゴニストの半減期は、時間のオーダーであることが予期され、有害事象後の薬物に対する持続的な暴露の危険性が生物製剤と比較して非常に少ない。また、従来の生物製剤(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、キナレット)は、代表的に、医師の投与または患者の自己注射を必要とする静脈注射または皮下注射のいずれかで与えられる。これは、注入反応または注射部位反応の可能性をもたらす。これらは、経口投与されるCCR2アンタゴニストを使用することで回避できる。
【0060】
糖尿病およびインスリン抵抗性の治療レジメン
2型糖尿病は、欧米社会における疾病および死亡の主な原因の1つである。大部分の患者において、疾患は、肝臓および末梢組織におけるインスリン抵抗性を伴う膵臓β細胞機能不全によって特徴付けられる。疾患に関連する主な機構に基づいて、一般的に2種類の経口的治療が、2型糖尿病を治療するのに利用可能である:インスリン分泌促進薬(グリブリドのようなスルホニルウレア)およびインスリン増感剤(メトホルミンおよびロシグリタゾンのようなチアゾリジンジオン)。両方の機構を扱う組み合わせ治療は、この疾患の代謝障害をコントロールすることを示しており、そして多くの場合において、外因性インスリン投与の必要性を軽減することを示し得る。しかし、時間とともに、インスリン抵抗性は、しばしば、進行に追加のインスリン補給の必要性をもたらすことになる。さらに、代謝症候群と言われる前糖尿病状態は、耐糖能異常によって特徴付けられ、特に肥満症に関連することが証明されている。これらの患者が、耐糖性の損失を防止するのに必要な程度の高インスリン血症をもはや保持できない場合、2型糖尿病を発症する多くの患者は、まず高血糖症の発症を伴うインスリン抵抗性が発現する。インスリン抵抗性の発病は、疾患発病の極めて高い前兆であり、そして2型糖尿病、高血圧症および冠状動脈性心臓病を発症する危険性の増加に関連する。
【0061】
耐糖能異常とインスリン抵抗性状態から2型糖尿病までの進行との最も強い相関関係の1つは、中心性肥満の存在である。2型糖尿病に罹っている多くの患者は肥満体であり、そしてその肥満症はインスリン抵抗性に関連する。中心性脂肪過多症は2型糖尿病をもたらすインスリン抵抗性の発症に関する主な危険因子であることは明らかであり、内臓脂肪からのシグナルがインスリン抵抗性の発症および疾患の進行の一因となることが示唆される。分泌したタンパク質因子に加えて、肥満症は、骨髄由来マクロファージが貯蔵脂肪中に蓄積し、脂肪組織マクロファージになる細胞性炎症反応を誘発する。ある程度の脂肪過多症に比例して、脂肪組織マクロファージは脂肪組織に蓄積する。組織浸潤性マクロファージは、含脂肪細胞中のインスリン抵抗性を誘発することが証明されている多くの炎症性サイトカインの原因である。
【0062】
脂肪組織は脂肪過多症に比例してMCP−1を生成し、CCR2を介するシグナル伝達によって、その活性はまた、脂肪組織中でのマクロファージの蓄積に重要な役割を果たすことが示唆される。MCP−1/CCR2の相互作用が脂肪組織への単球の動員に直接的に関与するか否か、ヒトの脂肪組織におけるマクロファージ動員の低下が炎症誘発性分子(proinflammatory molecule)生産の減少を直接的にもたらすか否か、および炎症誘発性分子の生成が、インスリン抵抗性に直接関連するか否かは未知である。
【0063】
インスリン抵抗性、前糖尿病(正常血糖)または糖尿病(高血糖)のいずれかを示す患者を、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質で治療し得、その物質としては、例えば、核酸(例えば、アンチセンスまたはsiRNA分子)、タンパク質(例えば、抗CCR2抗体)、小分子インヒビター(例えば、本明細書中に開示される化合物および当該分野で公知の他のケモカインレセプターインヒビター)が挙げられる。いくつかの実施形態において、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質は、小分子CCR2インヒビター(またはアンタゴニスト)である。CCR2アンタゴニストは、1日あたり約500mgを超えない用量で、1日1回または1日2回、経口的に投薬され得る。患者は、彼らの現在の治療の投薬をやめるか、または減少させることができ、そしてCCR2アンタゴニストでの治療を維持する。代替的なCCR2アンタゴニスト治療を使用して、彼らの現在の治療を補足するか、その効果を増大させるか、またはさらなるインスリン依存の進行を予防することができる。
【0064】
従来の薬剤をCCR2アンタゴニストに置き換えるか、または従来の薬剤を補足する利点は多数ある。このような薬剤は、例えば、前糖尿病状態、インスリン抵抗性状態から糖尿病状態への進行を防ぐのに有用である。このような薬剤は、それらの付随する毒性を伴うインスリン増感剤の使用の必要性を減少させるか、またはインスリン増感剤と置き換えることができる。このような薬剤はまた、外因性インスリン補給の必要性を減少させるか、または外因性インスリン補給が必要とされるまでの期間を延長させることができる。
【0065】
アテローム性動脈硬化症の治療レジメン
アテローム性動脈硬化症は、動脈壁に脂肪質の物質が蓄積することによって特徴づけられる状態である。プラークは、脂肪質の物質、コレステロール、細胞廃棄物、カルシウムおよび動脈の内層中に蓄積する他の物質のこのような蓄積物を含む。プラークは、動脈に流れる血流を著しく減少させるのに十分な大きさに成長し得る。しかし、プラークが不安定になり、そして破裂する場合、より著しい損傷が起こる。破裂したプラークは、血栓を形成する原因となり、この血栓は血流を妨害または遮断し得、そして全身の他の部分に移動し得る。血栓が心臓に入る血管を妨害する場合、心臓発作を引き起こす。血栓が脳に入る血管を妨害する場合、脳卒中を引き起こす。アテローム性動脈硬化症は、典型的には、幼少期から始まり、多くは人が年を取ると進行する進行の遅い複雑な疾患である。
【0066】
血中の高いコレルテロールレベルが、冠状動脈性心臓病の主な危険因子である。プラークの主な組成であるコレステロールに基づいて、プラーク形成の進行は、循環コレステロールの減少またはコレステロールを保有する高密度リポタンパク質(HDL)の増加によってコントロールされている。例えば、肝臓での使用においてその合成を阻害することによるか、または食物からの取り込みを減少させることにより、循環コレステロールは減少させることができる。これらの機構に作用するこのような医薬品としては、高いコレステロールレベルを低下させるために使用される医薬品を包含し得る:胆汁酸吸収剤、リポタンパク質合成インヒビター、コレステロール合成インヒビターおよびフィブル酸(fibric acid)誘導体。循環HDLは、例えば、プロブコールまたは高用量のナイアシンの投与によってさらに増加され得る。多数の機構を扱う治療は、疾患の進行およびプラーク破裂までの進行を遅らせることを示している。
【0067】
アテローム性動脈硬化症は、代表的に、骨髄誘発性マクロファージが血管壁に沿った脂肪質の層中に蓄積し、泡沫細胞となる細胞性炎症反応を伴う。泡沫細胞は、プラーク進行を誘発することが証明されている多くの炎症性サイトカインおよびプラーク不安定化を促進し得る酵素の源である。アテローム動脈硬化性組織はまた、MCP−1を生成し、CCR2を介するシグナル伝達よってその活性はまた、プラーク中の泡沫細胞としてのマクロファージの蓄積に重要な役割を果たしていることが示唆される。CCR2−/−マウスは、高脂肪食または脂質代謝の遺伝子変化の結果として発生した脂肪質の層中のマクロファージを著しく減少させることを証明している。
【0068】
高循環コレステロール、低HDLもしく循環CRPの増加を示すか、または画像によって血管壁プラークを示すか、またはアテローム性動脈硬化症が存在していることを任意の他の兆候として示す患者を、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質で治療し得、その物質としては、例えば、核酸(例えば、アンチセンスまたはsiRNA分子)、タンパク質(例えば、抗CCR2抗体)、小分子インヒビター(例えば、本明細書中に開示される化合物および当該分野で公知の他のケモカインレセプターインヒビター)が挙げられる。いくつかの実施形態において、CCR2の発現および/または活性を阻害する物質は、本発明の化合物のような小分子CCR2インヒビター(またはアンタゴニスト)で
ある。CCR2アンタゴニストは、1日あたり約500mgを超えない用量で、1日1回または1日2回、経口的に投薬され得る。患者は、彼らの現在の治療の投薬をやめるか、または減少させることができ、そしてCCR2アンタゴニストで治療を維持する。代替的なCCR2アンタゴニスト治療を使用して、例えば、プラーク発達を予防するか、すでに形成されているプラークを安定化するか、またはプラーク退行を誘発させることで、彼らの現在の治療を補足し、その効果を増大させる。
【0069】
従来の薬剤をCCR2アンタゴニストに置き換えるか、または従来の薬剤を補足する利点は多数ある。このような薬剤は、例えば、プラーク破裂に関連する危険性を伴う不安定期へのプラーク発達を妨げるのに有用である。このような薬剤は、それらに付随する毒性を伴うコレステロール変性剤(cholesterol modifying drug)またはHDL増加剤の使用の必要性を減少させるか、またはこれらと置き換えることができ、その付随する毒性としては、顔面紅潮、肝臓障害および筋障害のような筋損傷が挙げられるが、これらに限定されない。このような薬剤はまた、血管壁を開く外科手術または抗凝血剤の使用の必要性を減少させるか、または血管壁を開く外科手術が必要とされるまで、または潜在的なプラーク破裂に起因する損傷を制限する抗凝血剤の使用が必要となるまでの期間を延長させることができる。
【0070】
標識化合物およびアッセイ方法
本発明の別の局面は、本発明の標識塩(放射標識、蛍光標識など)に関し、これは放射線画像だけでなく、組織サンプル(ヒトを含む)中の酵素を局在化および定量するため、および標識化合物の結合の阻害によりリガンドを同定するためのインビトロおよびインビボの両方のアッセイにおいても有用である。従って、本発明は、このような標識塩を含む酵素アッセイを包含する。
【0071】
「同位体標識」または「放射標識」塩は、1種またはそれ以上の原子が、典型的には、自然界で見出される(すなわち、天然の)原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子によって置き換えられるか、または置換されている本発明の塩である。本発明の化合物に取り込まれ得る適切な放射性核種としては、2H(重水素についてDとも書かれる)、3H(三重水素としてTとも書かれる)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125Iおよび131Iが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の放射標識化合物に取り込まれる放射性核種は、放射標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロでのケモカインレセプター標識アッセイおよび競合アッセイについて、3H、14C、82Br、125I、131I、35Sを取り込む化合物が、一般的に最も有用である。放射画像用途について、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは77Brが一般的に最も有用である。
【0072】
「放射標識」または「標識化合物」は、少なくとも1種の放射性核種を取り込んでいる化合物であることが理解される。いくつかの実施形態において、放射性核種は、3H、14C、125I、35Sおよび82Brからなる群から選択される。
有機化合物中に放射性同位体を取り込む合成方法が、本発明の化合物に適用され、そして当該分野で周知である。
【0073】
本発明の放射標識塩を、化合物を同定/評価するためのスクリーニングアッセイに使用し得る。一般論として、新たに合成または同定した化合物(すなわち、試験化合物)を、本発明の放射標識塩のケモカインレセプターへの結合を限定するその能力について評価し得る。従って、ケモカインレセプターへの結合についての放射標識化合物と競合する試験化合物の能力は、その結合親和性と直接相関している。
【0074】
キット
本発明はまた、例えば、ケモカイン関連疾患の治療または予防において有用な医薬キットを包含し、このキットは、治療有効量の本発明の塩を含有する医薬組成物を含む1つまたはそれ以上の容器を備える。このようなキットは、所望である場合、1種またはそれ以上の種々の慣用的な医薬キット構成要素、例えば、1種またはそれ以上の薬学的に許容し得る担体を含む容器、当業者に容易に明らかであるようなさらなる容器などをさらに備えることができる。投与される成分の量、投与の指針および/または成分を混合するための指針を表示する、インサートまたはラベルのいずれかとしての指示書をまた、キットに備えることができる。
【0075】
別の実施形態との関連で明確に記載される本発明の特性はまた、単一の実施形態と組み合わせて提供され得ることが理解される。反対に、単一の実施形態との関連で略して記載される本発明の種々の特性はまた、別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供され得る。
【0076】
本発明は、特定の実施例の方法を最も詳細に記載する。以下の実施例は例示的な目的で提供され、そして任意の様式によって本発明を限定することは意図されない。当業者は、変化または変更し、基本的に同じ結果を得ることができる種々の重要でないパラメータを容易に認識する。
【実施例】
【0077】
〔実施例1〕
ビス(メタンスルホン酸)塩の製造
メチルイソブチルケトン(18.00mL)中のメタンスルホン酸(1.729g、17.99mmol)を、イソプロピルアルコール(20.25mL)および水(2.25mL)中のN−({(R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]−ピロリジン−3−イルカルバモイル}−メチル)−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド(4.50g、8.64mmol)の溶液に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、メチルイソブチルケトン(21.37mL)を、混合物がわずかに濁るまで上記の混合物にゆっくりと添加した。30分後、スラリーを形成し、その時点で追加のメチルイソブチルケトン(22.00mL)を添加し、そして反応混合物を室温で一晩撹拌した。白色沈殿を吸引濾過で回収し、そしてケーキをメチルイソブチルケトン/イソプロパノール(v/v=3:1、22mL)で洗浄した。ケーキを高真空で乾燥させ、結晶性固体としてN−[2−({(3R)−1−[4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドジメタンスルホン酸塩(5.23g、85%)を得た。
【0078】
〔実施例2〕
ビス(メタンスルホン酸)塩の特性
実質的に実施例1に従った様式で製造したN−[2−({(3R)−1−[4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドジメタンスルホン酸塩の結晶性サンプルが、表4に提供される特性を有することが示された。DSCおよびXRPDデータを、図1および2に提供する。
【表4】

【0079】
〔実施例3〕
ビス(メタンスルホン酸)塩の再結晶
N−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドジメタンスルホン酸塩(15.0g、21.04mmol)をイソプロピルアルコール(45.00mL)および水(5.00mL)中に2〜3時間室温で撹拌しながら溶解し、透明溶液を得た。メチルイソブチルケトン(100mL)を、混合物がわずかに濁るまで上記の混合物にゆっくりと添加した。1時間撹拌した後、スラリーを形成し、この時点で追加のメチルイソブチルケトン(80.0mL)を添加し、そして反応混合物を室温で4時間撹拌した。白色沈殿を吸引濾過によって回収し、そしてケーキをメチルイソブチルケトン/イソプロパノール(v/v=3:1、25mL)で洗浄した。ケーキを高真空で乾燥させ、結晶性固体としてN−[2−({(3R)−1−[4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドジメタンスルホン酸塩(13.0g、87%)を得た。
【0080】
〔実施例4〕
ビス(エタンスルホン酸)塩の製造
エタンスルホン酸(53.43mg、0.4803mmol)のイソプロピルアルコール(2.00mL)溶液を、室温のN−({(R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−シクロヘキシル]−ピロリジン−3−イルカルバモイル}−メチル)−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド(100mg、0.192mmol)のイソプロパノール(2.0mL)溶液に添加した。20分間撹拌した後、白色スラリーを形成した。室温で4時間、撹拌し続け、そしてスラリーを真空で濾過し、そしてイソプロパノールで洗浄した。得られたケーキを高真空で一晩乾燥させ、結晶性固体として、N−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドジエタンスルホン酸塩(43.0mg、30%)を得た。DSCおよびXRPDスペクトルを、それぞれ、図3および4に提供する。
【0081】
〔実施例5〕
ビス(エタンスルホン酸)塩の特性
実質的に実施例4に従った様式で製造したN−[2−({(3R)−1−[4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドジエタンスルホン酸塩の結晶性サンプルが、表5に提供される特性を有することが示された。DSCおよびXRPDデータを、図3および4に提供する。
【0082】
【表5】

【0083】
〔実施例6〕
ショウノウ酸塩の製造
酢酸エチル(20.0mL)中の(1R,3S)−1,2,2−トリメチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸(0.846g、4.23mmol)を、N−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド(2.00g、3.84mmol)の酢酸エチル(20.0mL)溶液にゆっくりと添加した。室温で4時間撹拌した後、白色沈殿を吸引濾過によって回収し、そしてケーキをEtOAc(10mL)で洗浄した。ケーキを真空で恒量まで乾燥させ、白色の結晶性固体としてN−[2−({(3R)−1−[トランス−4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(1R,3S)−1,2,2−トリメチルシクロペンタン−1,3−ジカルボキシレート(2.46g、89%)を得た。DSCおよびXRPDスペクトルを、それぞれ、図5および6に提供する。
【0084】
〔実施例7〕
ショウノウ酸塩の特性
実質的に実施例6に従った様式で製造したN−[2−({(3R)−1−[4−ヒドロキシ−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)シクロヘキシル]ピロリジン−3−イル}アミノ)−2−オキソエチル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミドショウノウ酸塩の結晶性サンプルが、表6に提供される特性を有することが示された。DSCおよびXRPDデータを、図5および6に提供する。
【表6】

【0085】
本明細書中に記載されるものに加えて、本発明の種々の変更が、上記の説明から当業者に明らかである。このような変更はまた、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。本出願に引用される各参考文献(特許、特許出願および刊行物を含む)は、その全体が参照に本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】式Iの化合物の結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩形態についての示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを描く(50〜250℃@10°/分)。
【図2】式Iの化合物の結晶性ビス(メタンスルホン酸)塩形態についてのX線粉末回折図形を描く(Cu/1.54060 Å;40.0 kV;40.0 mA;3〜45° 2θスキャン範囲;0.02°ステップ;1.00°スリット)。
【図3】式Iの化合物の結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩形態についての示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを描く(50〜250℃@10°/分)。
【図4】式Iの化合物の結晶性ビス(エタンスルホン酸)塩形態についてのX線粉末回折図形を描く(Cu;45.0 kV;40.0 mA;2〜59° 2θスキャン範囲;0.03°ステップ)。
【図5】式Iの化合物の結晶性ショウノウ酸塩形態についての示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを描く(50〜250℃@10°/分)。
【図6】式Iの化合物の結晶性ショウノウ酸塩形態についてのX線粉末回折図形を描く(Cu;45 kV;40 mA;2〜59° 2θスキャン範囲;0.03°ステップ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビス(メタンスルホン酸)塩、ビス(エタンスルホン酸)塩またはショウノウ酸塩である、式I:
【化1】

の化合物の薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
塩がビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
塩がビス(エタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項4】
塩がショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項5】
塩が結晶である、請求項1に記載の塩。
【請求項6】
塩が無水物である、請求項1に記載の塩。
【請求項7】
塩が、実質的に、図1に示されるようなDSCサーモグラムを有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項8】
塩が、約166℃でDSC吸熱ピークを有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項9】
塩が、実質的に、図2に示されるようなX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項10】
塩が、2θに関して、約8.7°および約21.8°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項11】
塩が、2θに関して、約8.7°、約21.8°、約20.1°および約20.9°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項12】
塩が、2θに関して、約8.7°、約21.8°、約20.1°、約20.9°、約22.5°および約17.2°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項13】
塩が、実質的に、図3に示されるようなDSCサーモグラムを有するビス(エタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項14】
塩が、約173℃でDSC吸熱ピークを有するビス(エタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項15】
塩が、実質的に、図4に示されるようなX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホ
ン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項16】
塩が、2θに関して、約9.2°で少なくとも1つのピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項17】
塩が、2θに関して、約9.2°、約12.1°および約18.3°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項18】
塩が、2θに関して、約9.2°、約12.1°、約13.8°、約18.3°、約19.3°および約19.8°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するビス(メタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項19】
塩が、実質的に、図5に示されるようなDSCサーモグラムを有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項20】
塩が、約176℃でDSC吸熱ピークを有するビス(エタンスルホン酸)塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項21】
塩が、実質的に、図6に示されるようなX線粉末回折図形を有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項22】
塩が、2θに関して、約17.0°および約19.1°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項23】
塩が、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°および約14.1°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項24】
塩が、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°、約14.1°、約16.3°および約18.4°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項25】
塩が、2θに関して、約17.0°、約19.1°、約17.8°、約14.1°、約16.3°、約18.4°、約10.1°および約11.7°でピークを構成するX線粉末回折図形を有するショウノウ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項26】
塩がビス(メタンスルホン酸)塩であり、
水、アルコールおよびケトンを含む結晶化溶媒中で式Iの化合物とメタンスルホン酸を合体し;そして該結晶化溶媒から該塩を沈殿させることを包含する、
請求項1に記載の塩の製造方法。
【請求項27】
アルコールが、イソプロパノールを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ケトンが、メチルイソブチルケトンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
沈殿が結晶化溶媒にケトンを添加することによって誘導される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
結晶化溶媒中の水対アルコールの体積比が約1:2〜約1:20である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
結晶化溶媒中の水対アルコールの体積比が約1:5〜約1:12である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
結晶化溶媒中の水対アルコールの体積比が約1:9である、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
請求項26に記載の方法によって製造された塩。
【請求項34】
塩がビス(エタンスルホン酸)塩であり、
アルコールを含む結晶化溶媒中で式Iの化合物とエタンスルホン酸を合体し;そして該結晶化溶媒から該塩を沈殿させることを包含する、
請求項1に記載の塩の製造方法。
【請求項35】
アルコールが、イソプロパノールを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項34に記載の方法によって製造された塩。
【請求項37】
塩がショウノウ酸塩であり、
酢酸エチルを含む結晶化溶媒中で式Iの化合物とショウノウ酸を合体し;そして該結晶化溶媒から該塩を沈殿させることを包含する、
請求項1に記載の塩の製造方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法によって製造された塩。
【請求項39】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の塩および薬学的に受容可能な担体を含有する組成物。
【請求項40】
ケモカインレセプターと請求項1〜25のいずれか1項に記載の塩を接触させることを包含する、ケモカインレセプター活性を調節する方法。
【請求項41】
ケモカインレセプターがCCR2である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
調節が阻害に対応する、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
患者におけるケモカインレセプターの発現または活性に関連する疾患を治療する方法であって、該患者に治療有効量の請求項1〜25のいずれか1項に記載の塩を投与することを包含する、上記方法。
【請求項44】
ケモカインレセプターがCCR2である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
疾患が炎症性疾患である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
疾患が免疫障害である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
疾患が関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、狼瘡、多発性硬化症、神経因性疼痛、移植片拒絶反応、糖尿病または肥満症である、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
疾患が癌である、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
癌がマクロファージに関連する腫瘍によって特徴付けられる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
癌が、乳癌、卵巣癌または多発性骨髄腫である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
抗炎症剤を投与することをさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
抗炎症剤が抗体である、請求項51に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−520722(P2008−520722A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543339(P2007−543339)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042115
【国際公開番号】WO2006/073592
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505193450)インサイト・コーポレイション (52)
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
【Fターム(参考)】