説明

NOSインヒビターとしての1−置換イミダゾール誘導体

【課題】NOSインヒビターとしての1-置換イミダゾール誘導体の提供。
【解決手段】以下の式(II)(ここで、n、p、A1、R1、R2、R3およびR4は本明細書に記載される)のN-複素環誘導体は、酸化窒素シンターゼのインヒビターとして有用である。これらの化合物を含有する医薬組成物、酸化窒素シンターゼのインヒビターとしてこれらの化合物を使用する方法、およびこれらの化合物の合成法が、本明細書に記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願第60/377,274号(2002年4月30日出願)(これは参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)の利点を主張する。
発明の分野
本発明は、酸化窒素シンターゼ(NOS)のインヒビターとして有用な一連のN-複素環化合物および誘導体、およびこれらの化合物を使用する種々の疾患の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一酸化窒素(NO)は、少なくとも3つのアイソフォームで存在し、2つの大きな群(構成性と誘導性)に分類される。2つの構成性アイソフォーム(カルシウム依存性とカルモジュリン依存性)と、1つの誘導性アイソフォームが同定されている。構成性アイソフォームは、(1) 神経アイソフォーム(NOS-1またはnNOS)、これは脳と骨格筋中に存在する、および(2) 内皮アイソフォーム(NOS-3またはeNOS)、これは血管の内皮、気管支紋理の上皮および脳で発現される。これらの構成性アイソフォームは、本発明のNOSインヒビターの標的ではない。
【0003】
誘導性アイソフォーム(NOS2またはiNOS)は、炎症性サイトカインまたはリポ多糖に暴露された後に、ほとんどすべての有核哺乳動物細胞で発現される。マクロファージと肺上皮細胞中の存在が特に顕著である。誘導性アイソフォームは、カルシウムに刺激もされず、カルモジュリンアンタゴニストにより阻止もされない。これは、きつく結合した補助因子(FMN、FADおよびテトラヒドロビオプテリン)を含有する。
【0004】
誘導性型のNOSにより生成される酸化窒素は、炎症性疾患の病理発生に関与するとされている。実験動物では、リポ多糖または腫瘍壊死因子αにより誘導された低血圧がNOSインヒビターにより逆転することができる。サイトカイン誘導性の低血圧を引き起こす条件には、敗血症ショック、血液透析、および癌患者のインターロイキン治療がある。iNOSインヒビターはサイトカイン誘導性低血圧を治療するのに有効であろう。さらに最近の研究は、炎症の病理発生におけるNOの役割を示唆しており、従ってNOSインヒビターは炎症性腸疾患に有効な作用を有するであろう。NOSのインヒビターはまた、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や心筋炎を治療するのに有用で、移植治療法において短期免疫抑制の補助的手段として有用であろう。
【0005】
生理学におけるNO機能の多様性と遍在は、NO関連減少の特異的治療を考慮することが重要であることを示す。内因性NO産生は、関連するが異なるアイソザイムの作用の結果であるため、NOSアイソザイムの示差的阻害は、副作用の少ないより選択的な治療を可能にする。
【発明の概要】
【0006】
発明の要約
本発明の化合物はiNOSのインヒビターであり、従ってiNOSの過度の産生に関連する状況で有用である。従ってある態様において本発明は、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、または立体異性体のラセミ混合物としての、以下の式:
【化1】

式中、
各nは0〜2である;
各mは0〜4である;
各pは0〜2である;
A1は、-O-(CH2)q-(ここでqは0〜3である)、-(CH2)q-O-(ここでqは0〜3である)、-N(R6)-(CH2)q-(ここでqは0〜3である)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは0〜3である)である;
【0007】
A2は、-(CH2)q-O-(ここでqは2〜3である)である;
R1は、水素、アルキル、-C(O)N(R6)R7、または-C(O)R7である;
またはR1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、ヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
各R2は、独立にハロ、ハロアルキル、アルキル、ニトロ、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、-N(R6)R7、-N(R6)C(O)R7、または-N(H)S(O)2R8である;
【0008】
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;
【0009】
R5は、水素、アルキル、アラルキル、-(CH2)m-C(O)-OR9(ここでmは1〜4である)、-(CH2)m-C(O)-N(R9)R10(ここでmは1〜4である)、またはヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0010】
各R6とR7は、独立に水素、アルキル、アリール(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、アラルキル(ここでアリールは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、ヘテロシクリル(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、またはヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルラジカルは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;および
【0011】
各R8は、アルキル、アリール(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、またはアラルキル(ここでアリールは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0012】
各R9は、独立に水素、アルキルまたはアラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;および
R10は、水素、アルキルまたはアラルキル(ここでアリールラジカルは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;および
またはR10は、ヘテロシクリル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
よりなる群から選択される化合物;
またはその薬剤学的に許容される塩に関する。
【0013】
別の態様において本発明は、酸化窒素産生の異常により生じる症状を治療するための方法であって、酸化窒素産生の異常により生じる症状を有する哺乳動物に、治療的有効量の本発明の前記化合物を投与することを含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
定義
本発明の明細書および特許請求の範囲において、特に明記しない場合は、以下の用語は下記の意味を有する:
「アルキル」とは、炭素原子と水素原子からのみなり、不飽和を含まず、1重結合により残りの分子に結合している、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖ラジカルを意味し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)などである。本明細書において特に明記しない場合は、後述のように、置換アルキルラジカルを含有するかまたはアルキルラジカルに結合したに結合したラジカルについて、置換または付加は、アルキルラジカルの任意の炭素に存在し得ると理解されたい。
【0015】
「アルコキシ」とは、式-ORa(ここで、Raは上記のアルキルラジカルである)のラジカルを意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、n-ペントキシ、1,1-ジメチルエトキシ(t-ブトキシ)などである。
「アルコキシカルボニル」とは、式-C(O)ORa(ここで、Raは上記のアルキルラジカルである)のラジカルを意味し、例えばメトカルボニル、エトキシカルボニル、、n-プロポキシカルボニル、1-メチルエトキシカルボニル(イソプロポキシカルボニル)、n-ブトキシカルボニル、n-ペントキシカルボニル、1,1-ジメチルエトキシカルボニル(t-ブトキシカルボニル)などである。
「アミノ」とは、ラジカル-NH2を意味する。
【0016】
「アリール」とは、フェニルまたはナフチルラジカルを意味する。本明細書において特に明記しない場合は、アリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルで随時置換される。
「アラルキル」とは、上記のアリールラジカルRb(例えばベンジル)で置換された式-RaRb(ここで、Raは上記のアルキルラジカルである)のラジカルを意味する。アリールラジカルは、上記のように随時置換される。
【0017】
「アラルコキシ」とは、式-ORc(ここで、Rcは上記のアラルキルラジカルである)のラジカルであり、例えばベンジルオキシなどである。本明細書において特に明記しない場合は、アラルキルラジカル中のアリールラジカルは、上記のように随時置換される。
「アミノカルボニル」とは、ラジカル-C(O)NH2を意味する。
【0018】
「1,3-ベンゾジオキソール」は、以下のラジカルを意味する:
【化2】

【0019】
「(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル」とは、式-Ra-Rc(ここで、Raは上記で定義したアルキルラジカルであり、Rcは上記で定義した1,3-ベンゾジオキソール-5-イルラジカルである)のラジカルを意味し、例えば1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル、2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)プロピルなどである。
【0020】
「(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル」とは、式-C(O)Rc(ここで、Rcは上記で定義した1,3-ベンゾジオキソール-5-イルラジカルである)のラジカルを意味する。
「カルボキシ」は、ラジカル-C(O)OHを意味する。
「ジアルキルアミノ」は、式-N(Ra)Ra(ここで、Raは独立に上記で定義したアルキルラジカルである)のラジカルを意味し、例えばジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、エチルプロピルアミノなどである。
【0021】
「ジアルキルアミノカルボニル」とは、式-C(O)N(Ra)Ra(ここで、各Raは独立に上記で定義したアルキルラジカルである)のラジカルを意味し、例えばジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、エチルプロピルアミノカルボニルなどである。
「ハロ」とは、ブロモ、クロロ、ヨード、またはフルオロを意味する。
「ハロアルキル」とは、1つ以上のハロラジカルで置換された上記で定義したアルキルラジカルを意味し、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロメチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1-ブロモメチル-2-ブロモエチルなどである。
【0022】
「ヘテロシクリル」とは、炭素原子と、窒素、酸素およびイオウよりなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子とからなる安定な3〜15員環ラジカルを意味する。本発明の目的においてヘテロシクリルラジカルは、単環、2環、または3環系でもよく、融合またはブリッジ化環系を含有してもよい;ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素またはイオウ原子は随時酸化される;窒素原子は随時4級化される;そしてヘテロシクリルラジカルは芳香族または部分的もしくは完全に飽和されてもよい。ヘテロシクリルラジカルは、任意のヘテロ原子で残りの分子に結合しなくてもよい。そのようなヘテロシクリルラジカルの霊位には、特に限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピロノニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、カルボゾリル、シノリニル、デカヒドロイソキノリル、ジオキソラニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、インソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、ハフチリジニル、オキサジアゾリル、オクタヒドロインドリル、オルタヒドリイソインドリル、2-オキシピペラジニル、2-オキソペピリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、クニクリジニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロフリル、トリアジニル、テトラヒドロピラニル、チエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、およびチアモルホリニルスルフォンがある。本明細書において特に明記しない場合は、ヘテロアルキルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルで随時置換される。
【0023】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、式-Ra-Rd(ここで、Raは上記で定義したアルキルラジカルであり、Rdは上記で定義したヘテロシクリルラジカルである)を意味する。ヘテロシクリルラジカルは、上記で定義したように随時置換される。
【0024】
「N-ヘテロシクリルアルキル」とは、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である上記で定義したヘテロシクリルアルキルラジカルを意味する。N-ヘテロシクリルアルキルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルで随時置換される。
【0025】
「哺乳動物」には、ヒトおよび家畜動物、例えばネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギなどを含む。
「モノアルキルアミノ」とは、式-N(H)Ra(ここでRaは上記で定義したアルキルラジカルである)を意味し、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなどである。
「モノアルキルアミノカルボニル」とは、式-C(O)N(H)Ra(ここでRaは上記で定義したアルキルラジカルである)を意味し、例えばメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニルなどである。
「ニトロ」は-NO2を意味する。
【0026】
「随時」または「場合により」は、以下に記載の事象または状況が起きることも起きないこともあり、その説明は、該事象または状況が起きる場合と起きない場合を含むことを意味する。例えば「随時置換されたアリール」とは、アリールラジカルが、置換されているかまたは置換されておらず、その説明は、置換アリールラジカルと置換の無いアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0027】
「薬剤学的に許容される塩」とは、酸および塩基付加塩の両方を含む。
「薬剤学的に許容される酸付加塩」とは、遊離の塩基の生物学的有効性と性質を保持し、生物学的または他の点で好ましくないことはなく、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)および有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸など)と形成される塩を意味する。
【0028】
「薬剤学的に許容される塩基付加塩」とは、遊離の塩基の生物学的有効性と性質を保持し、生物学的または他の点で好ましくないことはない。これらの塩は、遊離の酸への無機塩基または有機塩基の付加により調製される。無機塩基から得られる塩には、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などがある。好適な無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。有機塩から得られる塩には、特に限定されないが、1級、2級、および3級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂があり、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロマイン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、n-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などがある。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
【0029】
本明細書において「市販されている」化合物は、Arcos Organics(ピッツバーグ、ペンシルバニア州)、Aldrich Chemical(ミルウォーキー、ウィスコンシン州、Sigma ChemicalとFlukaを含む)、Apin Chemicals Ltd.(ミルトンパーク、英国)、Avocado Research(ランカシャー、英国)、BHD Inc.(トロント、カナダ)、Bionet(コーウォル、英国)、Chemservice Inc.(ウェストチェスター、英国)、Crescent Chemical Co.(ハウパウゲ(hauppauge)、ニューヨーク州)、Eastman Organic Cehmicals, Eastman Kodak Company(ローチェスター、ニューヨーク州)、Fisher Scientific (ローガン、ユタ州)、ICN Biomedicals, Inc.(コスタメサ、カリホルニア州)、Key Organics(コーウォル、英国)、Lancaster Syntesis(ウィンダム、ニューハンプシャー州)、Maybridge Chemical Co. Ltd.(コーウォル、英国)、Parish Chemical Co.(オーレム(Orem)、ユタ州)、Pfaltz & Bauser, Inc.(ウォーターベリー(Waterbury)、CN)、Polyorganix(ヒューストン、テキサス州)、Pierce Chemical Co.(ロックフォード、イリノイ州)、Riedel de Haen AG(ハノーバー、ドイツ)、Spectrum Quality Product, Inc.(ニューブランズウィック、ニュージャージー州)、TCI America(ポートランド、オレゴン州)、Trans World Chemicals, Inc.(ロックビル、メリーランド州)、およびWako Chemicals USA, Inc.(リッチモンド、バージニア州)を含む標準品は市販業者から得られる。
【0030】
本明細書において、合成工程を実施するのに「適切な条件」は、本明細書において明示されるか、または合成有機化学で使用される方法に関する刊行物を参照することにより認識される。本発明の化合物の調製において有用な反応物の合成を詳述する上記参考書や論文は、本発明の合成工程を実施するのに適した条件も提供するであろう。
【0031】
本明細書において「当業者に公知の方法」は、種々の参考書やデータベースにより特定される。本発明の化合物の調製を実施するのに有用な反応物の合成を詳述するか、または調製を記載する論文の参照を提供する適当な参考書や論文には、例えば "Synthetic Organic Chemistry", ジョンワイリーアンドサンズ社(John Wiley and Sons Inc.)、ニューヨーク;S.R. Sandlerら、"Organic Functional Group Preparations"、第2版、アカデミックプレス(Academic Press)、ニューヨーク、1983;H.O. House, "Modern Synthetic Reactions" 第2版、W.A. Benjamin Inc. ニューヨーク、1992;メンロパーク(Menlo Park)、カリホルニア州、1972;T.L. Gilchrist, "Heterocyclic Chemistry", 第2版、ジョンワイリーアンドサンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク、1992;J. March, "Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure", 第4版、ワイリーインターサイエンス(Wiley-Interscience)、ニューヨーク、1992がある。特異的および類似の反応物はまた、アメリカ化学会のケミカルアブストラクトサービス(the Chemical Abstract Service of the American Chemical Society)が準備する既知の化学物質の索引により同定され、これは多くの公共の図書館や大学図書館、ならびにオンラインデータベースで入手できる(さらなる詳細についてはアメリカ化学会、ワシントンD.C.、www.acs.orgを参照されたい)。カタログで公知であるが市販されていない化学物質は、カスタム化学合成会社により調製され、多くの標準的化学供給会社(例えば、上記にリストしたもの)がカスタム合成サービスを提供している。
【0032】
「プロドラッグ」とは、生理学的条件または溶媒和により本発明の生物活性化合物に変換される化合物を示す。すなわち用語「プロドラッグ」は、薬剤学的に許容される本発明の化合物の代謝的前駆体を意味する。プロドラッグは、それが必要な被験体に投与される時は不活性であるが、in vivoで本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは典型的には、in vivoで急速に変換されて、本発明の親化合物を与える(例えば、血液中での加水分解)。プロドラッグ化合物はしばしば、哺乳動物中で溶解性、組織適合性または遅延放出の利点を与える(Bundgard, H. Design of Prodrugs (1985)、7〜9、21〜24頁(エスセビア(Elsevier)、アムステルダムを参照)。
【0033】
プロドラッグの議論は、Higuchi, T.ら、"Pro-drugs as Novel Delivery Systems", A.C.S.シンポジウムシリーズ、第14巻、およびBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche 編、America Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(両方とも、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
用語「プロドラッグ」はまた、かかるプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される時、in vivoで本発明の活性化合物を放出する任意の共有結合担体を含む。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾体が日常の操作またはin vivoで切断されて、本発明の親化合物になるように、本発明の化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグには、本発明の化合物のプロドラッグが哺乳動物被験体に投与されると、遊離のヒドロキシ基、遊離のアミノ基、または遊離のメルカプト基を形成するように切断される任意の基に、それぞれヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基が結合している本発明の化合物を含む。プロドラッグの例には、特に限定されないが、アルコールの酢酸、蟻酸および安息香酸誘導体、および本発明の化合物中のアミン官能基などがある。
【0034】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度まで単離されても、および有効な治療薬に製剤化されても、充分に頑丈である化合物を意味する。
「治療的有効量」とは、必要な哺乳動物(好ましくはヒト)に投与されると、後述のように、酸化窒素産生異常により生じる症状を治療するのに充分な、本発明の化合物の量を意味する。「治療的有効量」を構成する本発明の化合物の量は、化合物、治療される哺乳動物(好ましくはヒト)の症状と重症度、および年齢により変動するが、自身の知識と本開示について当業者が日常的に決定することができる。
【0035】
本明細書において「治療する」または「治療」とは、酸化窒素産生の異常を特徴とする症状である、哺乳動物(好ましくはヒト)の症状の治療を包含し、以下を含む:
(i) 特に哺乳動物が症状に対する素因があるがまだそのように診断されていない時、かかる哺乳動物で症状の発生を予防する;
(ii) 症状を阻害する、すなわち進展を停止させる;または
(iii) 症状を緩和する、すなわち症状の退縮を引き起こす。
本明細書に記載の各反応の収率は、理論収率のパーセントとして表される。
【0036】
本発明の化合物または薬剤学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を有し、従って、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および絶対立体化学で(R)-または(S)-として、(D)-または(L)-として定義されるような他の立体異性体型を与える。本発明は、すべてのそのような可能な異性体、ならびにエヌラセミ体や光学的純粋な型を含む。光学活性のある(R)-と(S)-または(D)-と(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製されるか、従来法を使用して分解される。本明細書に記載の化合物はオレフィン性2重結合、または他の幾何不斉中心を含有し、特に明記しない場合は、これらの化合物は、EおよびZ幾何異性体を含む。同様にすべての互変異性体もまた含まれる。
【0037】
本明細書で使用される命名法は、IUPAC命名システムの改変型であり、本発明の化合物は、中心のN-複素環残基の誘導体として命名される。例えば、nが1であり、mがOであり、A1が-o-であり、R1が1,3-ベンゾジオキソル-5-イルメチルであり、そしてR3が水素である式(I)の以下の化合物、すなわち
【化3】

は、本明細書において3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジンと命名される。星印で式に印をつけたように、化合物はピペリジンの3位にキラル炭素を有する。特に明記しない場合は、化合物の名前は、任意の単一の立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、または立体異性体の混合物を含むものとする。
【0038】
本明細書の式中のカッコの使用は、スペースを保存するために使用される。従って式中のカッコの使用は、カッコに囲まれた基は、カッコの前の原子に直接結合していることを示す。例えば-C(O)N(R7)R8は、以下のように記載される:
【化4】

【0039】
本発明の化合物の有用性
酸化窒素シンターゼ(NOS)の誘導型により生じる酸化窒素は、多くの炎症性および自己免疫疾患、ならびに炎症性であるとは一般に認識されていないが局所的にi-NOSをアップレギュレートするサイトカインを含む疾患の病理発生に関与するとされている。従って本発明の化合物は単独または他の薬剤と組合せて、酸化窒素産生の異常により生じる症状を有する哺乳動物(特にヒト)を治療するのに有用である。そのような症状には、特に限定されないが、以下がある:
【0040】
多発性硬化症(Parkinson, J.F.ら、J. Mol. Med. (1997), Vol. 75, pp. 174-186); 卒中または脳虚血 (ladecola, C.ら, J. Neurosci. (1997), Vol. 17, pp. 9157-9164); アルツハイマー病 (Smith, M.A.ら, J. Neurosci. (1997), Vol. 17, pp. 2653-2657; Wallace, M.N.ら, Exp. Neurol. (1997), Vol. 144, pp. 266-272); HIV痴呆 (Adamson D.C.ら, Science (1996), Vol. 274, pp. 1917-1921); パーキンソン病 (Hunot, S.ら, Neuroscience (1996), Vol. 72, pp. 355-363); 髄膜炎 (Koedel, U.ら, Ann. Neurol. (1995), Vol. 37, pp. 313-323); 拡張型心筋症とうっ血性心不全 (Satoh Mら. J. Am. Coll. Cardiol. (1997), Vo[. 29, pp. 716-724): アテローム性動脈硬化症 (Wilcox, J.N,ら, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. (1997), Vol. 17, pp. 2479-2488); 再狭窄または移植片狭窄、敗血症ショックおよび高血圧 (Petros, A.ら. Cardiovasc. Res. (1994), Vol. 28, pp. 34-39); 出血性ショック (Thiemermann, C.ら. Proc. Natl. Acad. Sci. (1993), Vol. 90, pp. 267-271); 喘息 (Barnes, P.J., Ann. Med. (1995), Vol. 27, pp. 389-393; Flak, T.A.ら, Am. J. Respir. Crit. Care Med. (1996), Vol. 154, pp. S202-S206); 急性呼吸窮迫症候群、煙または顆粒性肺傷害 (Ischiropoulos, H,ら, Am. J. Respir. Crit. Care Med. (1994), Vol. 150, pp. 337-341; Van Dyke, K., Agents Actions (1994), Vol. 41, pp. 44-49); 病原体性肺炎 (Adler, H.ら, J. Exp. Med. (1997), Vol. 185, pp. 1533-1540); 種々の病因の外傷 (Thomae, K.R,ら. Surgery (1996), Vol. 119, pp. 61-66); リウマチ様関節炎と骨関節炎 (Grabcwski, P.S.ら, Br. J. Rheumatol. (1997), Vol. 36, pp. 651-655); 糸球体腎炎 (Weinberg, J.B.ら, J. Exp. Med. (1994), Vol. 179, pp. 651-660); 全身性エリテマトーデス (Belmont, H.M.ら. Arthritis Rheum. (1997), Vol. 40, pp. 1810-1816); 炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎とクローン病 (Godkin, A.J.ら, Eur. J. Clin. Invest. (1996), Vol. 26, pp. 867-872; Singer, l.l.ら, Gastroenterology (1996), Vol. 111, pp. 871-885); インスリン依存性糖尿病 (McDaniel, M.L.,ら. Proc. Soc. Exp. Biol. Med. (1996), Vol. 211, pp. 24-32); 糖尿病性腎症または腎症 (Sugimoto, K. と Yagihashi, S., Microvasc. Res. (1997), Vol. 53, pp. 105-112; Amore, A.ら. Kidney Int. (1997), Vol. 51, pp. 27-35); 急性および慢性臓器移植拒絶 (Worrall, N.K,ら. Transplantation (1997), Vol. 63, pp. 1095-11O1); 移植片血管症 (Russel1, M.E.ら, (1995), Vol. 92, pp. 457-464); 移植片対宿主反応 (Kichlan, K,ら, J. Immunol. (1996), Vol. 157, pp. 2851-2856); 乾癬と他の炎症性皮膚疾患 (Bruch-Gerharz, D,ら, J. Exp. Med. (1996), Vol. 184, pp, 2007-2012); および癌 (Thomsen, L.L,ら, Cancer Res. (1997), Vol. 57, pp. 3300-3304).
【0041】
本発明の化合物はまた、単独でまたは男性および女性生殖機能のために一般的に使用されている他の薬剤とともに使用される時、これらの症状の管理に有用である。その例としては、特に限定されないが、以下がある:受精、内膜受容性、および着床の阻害(単独またはプロゲステロンアンタゴニストとともに);性交後避妊(単独またはプロゲステロンアンタゴニストとともに);堕胎の誘導(アンチプロゲスチンとともに、およびさらにプロスタグランジンとともに);陣痛と分娩の調節と管理;頚管無力症の治療(単独またはプロゲステロンまたはプロテスチンとともに);内膜症の治療(単独、またはLHRH-顎/アンタゴニスト、アンチプロゲスチンまたはプロゲスチンとともに、連続投与または同時投与により);例えば、以下の文献を参照されたい:Chwalisz, K,ら, J. Soc. Gynecol. lnvest. (1997), Vol. 4, No. 1 (増刊), page 104a, これは、受精、内膜受容性、および着床の阻害、性交後避妊の、単独またはプロゲステロンアンタゴニストと組合せた阻害を考察している; Chwalisz, K.ら. Prenat. Neonat. Med. (1996), Vol. 1, pp. 292-329, これは、堕胎の誘導を、アンチプロッゲスチンとともにおよびさらにプロスタグランジンとともに組合せて、および陣痛と分娩の調節と管理考察している; and Chwalisz, K.ら. Hum. Reprod. (1997), vol. 12, pp. 101-109, これは、頚管無力症の治療を、単独、またはプロゲステロンまたはプロテスチンとともに組合せて、考察している。
【0042】
当業者はまた、本発明の化合物が1-置換イミダゾールを含むことを認識するであろう。このクラスの化合物は、すでに、酸化窒素合成 (Chabin, R.NM.ら. Biochemistly (1996), Vol. 35, pp. 9567-9575) 以外に、サイトクロームp450ファミリーの酵素の機構ベースの、ヘム結合インヒビターとして記載されている (Maurice, M.ら, FASEB J. (1992), Vol, 6, pp. 752-8)。従って本発明の化合物は、治療的関係のある選択されたサイトクロームp450ファミリーのメンバー(特に限定されないが、ステロイドおよびレチノイド生合成(Masamuraら. Breast Cancer Res. Treat. (1995), Vol. 33, pp. 19-26; Swart, P.ら. J. Clin. Endocrinol. Metab., Vol. 77, pp. 98-102; Docks, P,ら, Br. J. Dermatol. (1995), Vol. 133, pp. 426-32)に関与するP450酵素を含む)、およびコレステロール生合成 (Burton, P.M.ら, Biochem. Pharmacol. (1995), Vol. 50, pp. 529-544; and Swinney, D.C.ら. Biochemistry (1994), Vol. 33, pp. 4702-4713) のインヒビターとして有用かも知れない。イミダゾールベースの化合物もまた、抗真菌活性をを有する (Aoyama, Y.ら. Biochem. Pharmacol. (1992), Vol. 44, pp. 1701-1705)。
【0043】
本発明の化合物の試験
酸化窒素シンターゼは、L-アルギニンから酸化窒素(NO)とシトルリンへの変換を触媒する複合酵素である。
本発明の化合物のin vitroでの評価のために、培養細胞の調整培地中の酸化窒素酸化生成物の測定を利用する 細胞ベースの酸化窒素シンターゼアッセイが使用された。マウス単球細胞株RAW264.7とJ774は、免疫刺激に応答して>10 Mの亜硝酸塩を産生できるとして広く記載されている。このin vitroアッセイは、後述の実施例で詳述される。
【0044】
酸化窒素産生の異常により生じる症状を(例えば関節炎)の治療における本発明の化合物の有効性を測定するために、種々のin vivoアッセイが使用される。そのようなアッセイは、後述の実施例で詳述される。
【0045】
当業者はまた、本発明の化合物の生物活性を評価するのに使用できる、酸化窒素シンターゼアイソフォーム(iNOS、nNOSおよびeNOS)の活性のために無数のアッセイ法が存在することを認識しているであろう。これらには、ex vivoで試験された組織中の未変性のNOSアイソフォーム (Mitchellら, Br. J. Pharmacol. (1991), Vol. 104, pp. 289-291; Szaboら, Br. J. Pharmacol. (1993), Vol. 108, pp. 786-792; Jolyら. Br. J. Pharmacol. (1995), Vol. 115, pp. 491-497)、ならびに初代細胞培養物と細胞株 (Forstermannら. Eur. J. Pharmacol. (1992), Vol. 225, pp. 161-165: Radmoskiら, Cardiovasc. Res. (1993), Vol. 27, pp. 1380-1382; Wangら. J. Pharmacol. Exp. Ther. (1994), Vol. 268, pp. 552-557) についてのアッセイがある。当業者はまた、異種細胞中で一過性トランスフェクション (Karlsenら. Diabetes, (1995), Vol. 44, pp. 753-758)、安定なトランスフェクション (McMillanら. Proc. Natl. ,Acad. Sci. (1992), Vol. 89, pp. 11141-11145: Sessaら, J. Biol. Chem. (1995), Vol. 270, pp. 17641-17644)、または溶解ウイルストランスフェクションの使用 (Busconi & Michel, Mol. Pharmacol. (1995), Vol. 47, pp. 655-659; Listら, Biochem. J. (1996), Vol. 3i5, pp. 57-63) により、NOS cDNAを使用して、組換えNOS酵素を発現できることを認識するであろう。異種発現は、哺乳動物細胞 (McMillanら, Proc. Natl. Acad. Sci. (1992), Vol. 89, pp. 11141-11145)、昆虫細胞 (Busconi & Michel, Mol. Pharmacol. (1995), Vol. 47, pp. 655-659; Listら, Biochem. J. (1996), Vol. 315, pp. 57-63)、酵母 (Sariら. Biochemistry (1996), Vol. 35, pp. 7204-7213)、または細菌 (Romanら, Proc. NatL Acad. Sci. (1995), Vol. 92, pp. 8428-8432; Martasekら, Biochem. Biophys. Res. Commun. (1996), Vol. 219, pp. 359-365) で行うことができる。これらの異種発現系は、本発明の化合物の生物活性を評価するためのiNOS、nNOSおよびeNOSアッセイ系を確立するために使用することができる。
【0046】
本発明の化合物のP450阻害活性は、目的のP450アイソフォームに特異的な適切なアッセイ系を使用して評価することができる。そのようなアッセイは、上記段落BのP450ファミリーの酵素の説明で引用した文献中に記載されている。本発明の化合物により阻害される哺乳動物サイトクロームP450アイソフォームの1つの追加の例は、Yamazakiら, Carcinogenesis (1995), Vol. 16, pp. 2167-2170 に記載の方法と類似の方法で測定できるサイトクロームP450 3A4である。
【0047】
本発明の化合物の投与
純粋な型または適切な医薬組成物中の本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩の投与は、同様の有用性を示す物質の認められている任意の投与法を介して行われる。本発明の医薬組成物は、組成物が患者の投与されることを可能にする任意の型でよい。典型的な投与経路には、特に限定されないが、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、直腸、膣、および鼻内投与がある。本明細書において非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内投与を含む。本発明の医薬組成物は、患者への投与により、そこに含有される活性成分が利用できるように製剤化される。患者に投与される組成物は、1つ以上の投与単位の型を取り、例えば錠剤は単回投与単位で、エアゾル型の本発明の化合物の容器は複数の投与単位を含有してもよい。そのような剤形を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるか、公知であろう;例えばレミントンの薬剤科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)第18版(マックパブリッシング社(Mack publishing Company)、イーストン、ペンシルバニア州、1990)は、本発明の教示に従って、炎症を特徴とする症状の治療のための、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩の治療的有効量を含有するであろう。
【0048】
本発明の医薬組成物は、固体でも液体の形でもよい。1つの態様において、組成物が例えば錠剤または粉末型になるように、担体は粒状である。例えば経口シロップ剤、注射液またはエアゾル剤(これは、例えば吸入投与に有用である)である組成物には、担体は液体でもよい。
【0049】
経口投与が目的の場合は、医薬組成物は好ましくは固体型または液体型であり、本明細書において固体または液体として考慮される型には、半固体、半液体、懸濁物およびゲル型が含まれる。
経口投与のための固体組成物として、医薬組成物は、散剤、顆粒剤、圧縮錠剤、丸剤、チューインガム、ウェーハーなどに製剤化される。そのような固体組成物は典型的には、1つ以上の不活性希釈剤または食用担体を含有するであろう。さらに1つ以上の以下のものが存在してもよい:結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、トラガントゴムまたはゼラチン;賦形剤、例えばデンプン、乳糖またはデキストラン、崩壊剤、例えばアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、コーンスターチなど;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、またはSterotex;直打用滑沢剤、例えばコロイド性二酸化ケイ素;甘味剤、例えばショ糖またはサッカリン;香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ風味;および着色剤。
【0050】
医薬組成物がカプセル(例えばゼラチンカプセル)の形である場合、これは、上記の型の物質以外に、液体担体(例えばポリエチレングリコールまたは脂肪油)を含有してもよい。
医薬組成物は、液体、例えばエリキシル剤、シロップ剤、液剤、乳剤、または懸濁剤の形でもよい。液体は、2つの例としては、経口投与用または注射投与用である。経口投与が目的の場合は、好適な組成物は、親化合物以外に、1つ以上の甘味剤、保存剤、色素/着色剤および風味増強剤を含有する。注入投与と目的とする組成物では、1つ以上の界面活性剤、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、緩衝剤、安定剤、および等張剤が含まれる。
【0051】
本発明の液体医薬組成物は、溶液でも懸濁液でもまたは他の形であっても、1つ以上の以下の補助剤を含む:無菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水、好ましくは生殖、リンゲル液、等張塩化ナトリウム、固定油(例えば、溶媒または懸濁媒体となる合成モノまたはジグリセリド)、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒;抗細菌剤、例えばベンジルアルコール、または目パラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩、および張性調節のための物質、例えば塩化ナトリウムもしくはブドウ糖。親調製物は、アンプル、ディスポーザブルシリンジ、またはガラスもしくはプラスチック性の多回投与バイアル中に封入することができる。生理食塩水は好適な補助剤である。注射用医薬組成物は好ましくは無菌である。
【0052】
非経口または経口投与用の本発明の液体医薬組成物は、適当な用量が得られるような量の本発明の化合物を含有するであろう。典型的にはこの量は、組成物中に少なくとも0.01%の本発明の化合物である。経口投与が目的の場合は、この量は添えの重量の0.1〜約70%で変化する。好適な経口投与組成物は、約4%〜約50%の本発明の化合物を含有する。本発明の好適な医薬組成物と調製物は、非経口投与単位が0.01〜1重量%の本発明の化合物であるように調製される。
【0053】
本発明の医薬組成物は、局所投与を目的としてもよく、この場合担体は、液剤、乳剤、軟膏剤またはゲル基剤を含むことが適当である。基剤は例えば1つ以上の以下を含有してもよい:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、希釈剤(例えば水およびアルコール)、および乳化剤および安定剤。局所投与のために、医薬組成物中に増粘剤が存在してもよい。経皮投与が目的の場合は、組成物は経皮パッチまたはイオントフォレシスデバイスを含有してもよい。局所製剤は、約0.1〜約10%w/v(単位容量当たりの重量)濃度の本発明の化合物を含有してもよい。
【0054】
本発明の医薬組成物は、例えば坐剤の形で直腸投与が目的でもよく、これは直腸中で溶解し薬剤を放出する。直腸投与用の組成物は、適当な非刺激性賦形剤として油脂性基剤を含有してもよい。そのような基剤には、特に限定されないが、ラノリン、カカオ脂およびポリエチレングリコールがある。
【0055】
本発明の医薬組成物には種々の物質があり、これらは固体または液体投与単位の物理的な形を変更する。例えば組成物は、活性成分の周りのコーティングシェルを形成する物質を含んでよい。コーティングシェルを形成する物質は典型的には不活性であり、例えば糖、シェラック、および他の腸溶コーティング剤から選択される。
固体型または液体型の本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に結合し、従って化合物の送達を助ける物質を含有してもよい。この能力を示す適当な物質には、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、タンパク質またはリポソームがある。
【0056】
本発明の医薬組成物は、エアゾル剤として投与できる投与単位からなってもよい。エアゾル剤という用語は、コロイド性のものから加圧パッケージからの系までの種々の系を示すのに使用される。送達は、液体ガスもしくは加圧ガスによるか、または活性成分を供給する適当なポンプ装置により行われる。本発明の化合物のエアゾル剤は、活性成分を送達しない、単一相、2相、または3相系で送達される。エアゾル剤の送達は、まとめてキットを構成する、必要な容器、アクチベーター、弁、小容器などを含む。当業者は、過度の実験をすることなく、好適なエアゾル剤を決定できるであろう。
【0057】
固体でも液体でもまたは気体の形であっても、本発明の医薬組成物は、炎症の治療に使用される1つ以上の既知の薬剤を含有してもよい。
本発明の医薬組成物は、薬剤分野で周知の方法により調製される。例えば、注射投与を目的とする医薬組成物は、本発明の化合物を水と混合して溶液を形成することにより調製することができる。均一な溶液または懸濁液の形成を促進するために、界面活性剤を加えてもよい。界面活性剤は、本発明の化合物と非共有結合的に相互作用して、水性送達系で化合物の溶解または均一な懸濁を促進する化合物である。
【0058】
本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩は、治療的有効量で投与され、この量は、種々の要因(使用される具体的な化合物の活性;化合物の代謝安定性と活性の長さ;患者の年齢、体重、一般的健康、性、および食事;投与方法と時間;排泄速度;薬剤併用;特定の症状の重症度;および治療を受ける宿主を含む)に依存して変動する。一般に治療的に有効な1日用量は、1日当たり約0.14マグネシウム〜約14.3mg/kg体重の本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩;好ましくは、約0.7mg〜約10mg/kg体重/日;および最も好ましくは約1.4〜約7.2mg/kg体重/日である。例えば70kgのヒトへの投与のためには、用量範囲は約10mg〜約1.0g/日の本発明の化合物、またはその薬剤学的に許容される塩であり、好ましくは約50mg〜約700mg/日、および最も好ましくは約100mg〜約500mg/日である。
【0059】
好適な実施態様
発明の要約で上記した本発明の化合物のうちで、いくつかの化合物群が特に好ましい。
すなわち1つの好適な群は、式(I)から選択される化合物の群である:
【化5】

この好適な化合物群のうちで、好適な亜群は、以下の亜群である:
n、mおよびpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、-(CH2)q-O-(ここでqは0〜1である)、-N(R6)-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは0〜1である)である;
【0060】
R1は、アラルキルである(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される);
【0061】
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ニトロ、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、または-N(R6)R7である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
各R6とR7は、独立に水素またはアルキルである。
【0062】
この好適な化合物群のうちで、好適なクラスは、以下の亜群である:
n、mおよびpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(R6)-である;
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0063】
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0064】
この好適なクラスの化合物のうちで、好適なサブクラスは、以下のサブクラスである:
nは、0〜2である;
mは、0〜1である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(R6)-である;
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
各R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0065】
この好適なサブクラスの化合物のうちで、好適なセットは、以下のセットの化合物である:
nは、0である;
mは、0〜1である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-である;
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0066】
このサブクラスの化合物の別の好適なセットの化合物は、以下のセットの化合物である:
nは、0である;
mは、0〜1である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-または-CH2O-である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0067】
この好適なセットの化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン;
(3S)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン;
(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン;
2-メトキシカルボニル-4-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン;
2-カルボキシ-4-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン;および
2-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン。
【0068】
このサブクラスの化合物の別の好適なセットの化合物は、以下のセットの化合物である:
nは、0である;
mは、0〜1である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0069】
この好適なセットの化合物のうちで、好適な化合物は、3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル]ピロリジンである。
このサブクラスの化合物の別の好適なセットの化合物は、以下のセットの化合物である:
nは、1または2である;
mは、0〜1である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(H)-である;
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0070】
この好適なセットの化合物のうちで、好適なサブセットは、以下のサブセットの化合物である:
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(H)-である;および
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0071】
この好適なサブセットの化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;
(3S)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;
(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;
2-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)アミノ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;および
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ヘキサヒドロ-1H-アゼピン。
【0072】
このセットの化合物の別の好適なサブセットの化合物は、以下のサブセットの化合物である:
A1は、-O-である;および
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0073】
この好適なサブセットの化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-(3,4-ジメトキシベンジル)ピペリジン;および
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-(4-メトキシナフ-1-チル)メチルピペリジン。
【0074】
発明の要約で上記した本発明の別の好適な群の化合物は、式(II)から選択される群の化合物である:
【化6】

【0075】
この好適な化合物群のうちで、好適な亜群は、以下の亜群の化合物である:
nとpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、-(CH2)q-O-(ここでqは0〜1である)、-N(R6)-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは0〜1である)である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ニトロ、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、または-N(R6)R7である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
各R6とR7は、独立に水素またはアルキルである。
【0076】
この好適な亜群の化合物のうちで、好適なクラスは、以下のクラスである:
nとpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(R6)-である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0077】
この好適なクラスの化合物のうちで、好適なサブクラスは、以下のサブクラスの化合物である:
nは、0〜2である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-または-CH2-O-である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキルである(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される);
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである。
【0078】
この好適な群の化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;および
2-[((6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン。
【0079】
発明の要約で上記した本発明の別の好適な群の化合物は、式(III)から選択される群の化合物である:
【化7】

【0080】
この好適な化合物群のうちで、好適な亜群は、以下の亜群の化合物である:
mは0〜4である;
A2は、-(CH2)q-O-(ここでqは2〜3である)である;
R1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0081】
またはR1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
各R2は、独立にハロ、ハロアルキル、アルキル、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、-N(R6)R7、または-N(R6)C(O)R7である;
R3は、独立に水素またはアルキルである;
R5は、水素、アルキル、アラルキル、-(CH2)m-C(O)-OR9(ここでmは1〜4である)、-(CH2)m-C(O)-N(R9)R10(ここでmは1〜4である)、または(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0082】
各R6とR7は、独立に水素またはアルキルである;
各R9は、独立に水素またはアルキルである;および
R10は、水素、アルキルまたはアラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
【0083】
またはR10は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR10は、N-ヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルアルキルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0084】
この亜群の化合物のうちで、好適なクラスは、以下のクラスの化合物である:
mは0である;
A2は、-CH2-CH2-O-である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R3は、水素である;
R5は、水素、-(CH2)m-C(O)-OR9(ここでmは1〜4である)、-(CH2)m-C(O)-N(R9)R10(ここでmは1〜4である)、または(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキルである;
各R9は、独立に水素またはアルキルである;および
R10は、水素、アルキル、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR10は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR10は、N-ヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルアルキルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0085】
この好適なクラスの化合物のうちで、好適なサブクラスは、以下のサブクラスの化合物である:
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルである;
R5は、水素、-CH2-C(O)-OR9、-CH2-C(O)-N(R9)R10、または(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルである;
各R9は、独立に水素またはアルキルである;および
R10は、水素、アルキル、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR10は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルである;および
またはR10は、ピペリジ-1-ニルアルキル(ここでピペリジニルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0086】
この好適なサブクラスの化合物のうちで、好適なセットは、以下のセットの化合物である:
R5は、水素または-CH2-C(O)-OR9である;および
R9は、水素またはアルキルである。
【0087】
この好適なセットの化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-(カルボキシメチル)-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;および
N-(エトキシカルボニルメチル)-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン。
【0088】
この好適なサブクラスの化合物の別の好適なセットの化合物は、R5が、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルである化合物、すなわち
N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N,N-ジ[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミンである化合物のセットである。
【0089】
この好適なサブクラスの化合物の別の好適なセットの化合物は、以下のセットの化合物である:
R5は、-CH2-C(O)-N(R9)R10である;
R9は、独立に水素またはアルキルである;および
R10は、水素、アルキル、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR10は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルである;および
またはR10は、ピペリジ-1-ニルアルキル(ここでピペリジニルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。
【0090】
この好適なセットの化合物のうちで、好適な化合物は以下の化合物よりなる群から選択される:
N-[(((3-(2-メチルピペリジ-1-ニル)プロピル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-[((((1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-[((((4-フルオロメチルフェニル)メチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;および
N-[(((ブチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン。
【0091】
本発明の化合物の調製
以下の説明において、記載の式の置換基の組合せおよび/または変数は、そのような寄与が安定な化合物を生じる時のみ許容される。
後述のプロセスにおいて、中間体化合物の官能基は、適当な保護基により保護することが必要かも知れないことは、当業者により理解されるであろう。そのような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸がある。ヒドロキシの適当な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、またはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどがある。アミノ、アミジノおよびグアニジノの適当な保護基には、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどがある。メルカプトの適当な保護基には、-C(O)-R8(ここでR8は、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアラルケニルである)、p-メトベンジル、トリチルなどがある。
【0092】
保護基は、標準的方法に従って付加または除去され、これは当業者に公知であり、本明細書で記載される。
保護基の使用は、Green, T.W.とP.G.M. Wutz, Protective Groups in Organic Synthesis (1991), 第2版、ワイリーインターサイエンス(Wiley-Interscience)に詳述されている。保護基はまた、Wang樹脂または2-クロロトリチルクロリド樹脂のようなポリマー樹脂でもよい。
【0093】
発明の要約に説明したようにそのような式(I)、(II)および(III)の化合物の保護された誘導体は、それ自体は薬剤活性を持たないかも知れないが、これらは、酸化窒素産生の異常により生じる症状を有する哺乳動物に投与され、体内で代謝されて、薬剤活性のある本発明の化合物を形成する。従ってそのような誘導体は「プロドラッグ」として説明される。式(I)、(II)および(III)の化合物のすべてのプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。
【0094】
A. 式(Ia)の化合物の調製
式(Ia)の化合物は、発明の要約で上記した式(I)の化合物であり、反応スキーム1で後述されるように調製され、ここでX1はハロ-(CH2)q-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものである)である;X2はハロである;A1は、-O-、-(CH2)q-O-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に酸素が結合される)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に窒素が結合される)である;R1、R2、R3、およびR4は、上記の発明の要約で定義したものである;m、nおよびpは上記の発明の要約で定義したものであり、PGは窒素保護基、例えばベンジル、ベンジルオキシカルボニル、またはt-ブトキシカルボニルである;
【化8】

【0095】
式(A)、(B)および(E)の化合物は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って調製される。
【0096】
一般に式(Ia)の化合物は、まず非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の式(A)の化合物を、強塩基(好ましくは水素化ナトリウム)の存在下で、周囲温度で、非プロトン性溶媒(例えばDMF)中のわずかにモル過剰の式(B)の化合物で処理することにより調製される。生じる混合物を約0℃〜周囲温度、好ましくは周囲温度で約2時間〜約12時間、好ましくは約2時間攪拌する。反応混合物から標準的単離法(例えば、有機抽出、およびシリカゲルクロマトグラフィーによる精製)により式(C)の化合物が単離される。
【0097】
次に式(C)の化合物は、標準的還元条件(例えばパラジウム触媒の存在下で水素で処理)下で処理されて、式(D)の化合物を与え、これは、反応混合物から標準的単離法(例えばろ過および有機溶媒中で再結晶化)により単離される。
【0098】
式(D)の化合物は、約0℃〜約100℃の温度、好ましくは約0℃で、非プロトン性溶媒(例えばDMF)中で、塩基(例えば炭酸カリウム、およびアルカリ性金属ヨウ化物、例えばヨウ化ナトリウム)の存在下で、および次に式(E)の化合物で処理される。生じる反応混合物を約0℃〜約100℃の温度、好ましくは周囲温度で、約2時間〜約12時間、好ましくは約2時間攪拌する。反応混合物から標準的単離法(例えば、有機抽出およびカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(F)の化合物が単離される。
【0099】
次に式(F)の化合物は、標準的Debus反応条件下、例えばメタノールはアルデヒド(例えばホルムアルデヒド)中の水酸化アンモニウム、およびプロトン溶媒(例えば水)中のジオン(例えばグリオキザル)で、約2時間〜約12時間、好ましくは約2時間処理される。反応混合物から標準的単離法(例えば溶媒留去、有機抽出およびカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(Ia)の化合物が単離される。
【0100】
B. 式(IIa)の化合物の調製
式(IIa)の化合物は、発明の要約で上記した式(II)の化合物であり、反応スキーム2で後述されるように調製され、ここでX1はハロ-(CH2)q-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものである)である;X2はハロである;A1は、-O-、-(CH2)q-O-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に酸素が結合される)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に窒素が結合される)である;R1、R2、R3、およびR4は、上記の発明の要約で定義したものであるが、ただしR4はヒドロキシではあり得ない;m、nおよびpは上記の発明の要約で定義したものであり、PGは窒素保護基である;
【化9】

【0101】
式(G)、(H)、(A)および(E)の化合物は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って調製される。
【0102】
一般に式(IIa)の化合物は、まず非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の式(G)の化合物とモル過剰の式(H)の化合物の混合物を、塩基(好ましくは炭酸カリウム)の存在下で、約0℃〜約100℃の温度、好ましくは約70℃〜80℃の温度で、約4時間〜約18時間、好ましくは約18時間処理することにより調製される。反応混合物から標準的単離法(例えば、溶媒の留去、有機抽出、およびカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(J)の化合物が単離される。
【0103】
次に非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の式(J)の化合物は、非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の等モル量の式(A)の化合物で、強塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下で、約0℃〜約100℃の温度、好ましくは周囲温度で、約30分〜2時間、好ましくは約1時間処理される。次に反応混合物から標準的単離法(例えば溶媒留去、有機抽出およびカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(K)の化合物が単離される。
【0104】
次に式(K)の化合物は、標準的窒素脱保護条件(例えばパラジウム触媒の存在下で強酸または塩基で処理)下で処理されて、式(L)の化合物を与え、これは、反応混合物から標準的単離法により単離される。
【0105】
次に非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の式(L)の化合物は、等モル量の式(E)の化合物で、塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下で、約0℃〜約100℃の温度、好ましくは約50℃の温度で、約2時間〜約4時間、好ましくは約3時間処理される。反応混合物から標準的単離法(例えば、ろ過および濃縮、有機抽出およびカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(IIa)の化合物が単離される。
【0106】
C. 式(Ib)の化合物の調製
式(Ib)の化合物は、発明の要約で上記した式(I)の化合物であり、反応スキーム3で後述されるように調製され、ここでX2はハロである;A1は、-O-、-(CH2)q-O-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に酸素が結合される)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは上記の発明の要約で定義したものであり、水素に窒素が結合される)である;R1、R2、R3、およびR4は、上記の発明の要約で定義したものであるが、ただしR4はヒドロキシではあり得ない;m、n、p、およびqは上記の発明の要約で定義したものであり、PGは窒素保護基である;
【化10】

【0107】
式(A)、(M)および(E)の化合物は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って調製される。
一般に式(Ib)の化合物は、まず非プロトン性溶媒(例えばDMF)中の式(A)の化合物とモル過剰の式(M)の化合物の混合物を、標準的Mitsunobu反応条件(Mitsunobu, O.ら、Bull. Chem. Soc., Japan (1967), Vol. 40, p. 2380を参照)で処理、すなわちジエチルアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィンとで周囲温度で処理することにより調製される。反応混合物から標準的単離法(例えば、溶媒の留去、有機抽出、およびフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製)により式(N)の化合物が単離される。
【0108】
次に式(N)の化合物を、標準的酸加水分解条件で脱保護(例えばt-ブトキシカルボニル保護アミンについてトリフルオロ酢酸で処理)されて、式(O)の化合物を与え、これは反応混合物から標準的単離法により単離される。
次に式(O)の化合物は、式(Ia)と(IIa)の化合物について上記したものと同様の方法で処理されて式(Ib)の化合物を調製し、これは、反応混合物から標準的単離法により単離される。
【0109】
D. 式(Ic)の化合物の調製
式(Ic)の化合物は、発明の要約で上記した式(I)の化合物であり、反応スキーム3で後述されるように調製され、ここでX2はハロである;PGは、ベンジルまたはt-ブトキシカルボニルのような窒素保護基である;m、n、p、およびq、ならびにR1、R2、R3およびR6は、上記の発明の要約で定義したものである;
【化11】

【0110】
式(P)、(Q)および(E)の化合物は市販されているか、または当業者に公知の方法、または本明細書に開示の方法に従って調製される。
【0111】
一般に式(Ic)の化合物は、まず式(P)の化合物を標準的還元アミノ化条件、例えば、モル過剰量の脱水剤、例えばTi(OiPr)4の存在下で、式(P)の化合物を等モル量の式(Q)の化合物で処理することにより調製される。生じる反応混合物を周囲温度で約30分〜約2時間、好ましくは約1.25時間攪拌する。次に混合物をプロトン性溶媒(例えばエタノール)で希釈し、還元試薬(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム)で処理する。生じる混合物を周囲温度で約8時間〜約24時間、好ましくは約20時間攪拌する。反応混合物から式(R)の化合物を標準的単離法(例えば、沈降およびフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製)により単離する。
【0112】
次に式(R)の化合物を、標準的酸加水分解条件で脱保護(例えばパラジウム触媒の存在下で水素化)する。反応混合物から式(S)の化合物を標準的単離法(例えば、ろ過および溶媒の留去)により単離する。
次に式(S)の化合物は、式(E)の化合物で、式(E)の化合物による式(D)の化合物の処理について上記したものとと同様の方法で処理されて、式(Ic)の化合物を形成し、これは、反応混合物から標準的単離法により単離される。
【0113】
E. 式(Id)の化合物の調製
式(Id)の化合物は、発明の要約で上記した式(I)の化合物であり、反応スキーム3で後述されるように調製され、ここでm、n、p、R2、R3およびR4は、上記の発明の要約で定義したものである;A1は上記の発明の要約で定義したものである;およびR1aは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される:
【化12】

【0114】
式(O)の化合物は、本明細書に開示の方法または当業者に公知の方法に従って調製される。式(T)の化合物は、市販されているかまたは当業者に公知の方法に従って調製される。
【0115】
一般に式(Id)の化合物は、まず式(O)の化合物と式(T)の化合物を標準的還元アミノ化条件、例えば、プロトン溶媒(例えばメタノール)中の式(O)の化合物をモル過剰量の式(T)の化合物で、還元試薬(例えばボランピリジン複合体)の存在下で処理することにより調製される。生じる反応混合物を周囲温度で約8時間〜約24時間、好ましくは約12時間攪拌する。反応混合物から式(Id)の化合物を標準的単離法(例えば、溶媒の留去、有機抽出、およびフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製)により単離する。
【0116】
F. 式(III)の化合物の調製
式(III)の化合物は、発明の要約で上記した本発明の化合物であり、反応スキーム6で例示されるように調製され、ここでA2は-(CH2)q-O-(ここでqは2〜3である)である;X2はハロである;およびm、R1、R2、R3およびR6は、上記の発明の要約で定義したものである:
【化13】

【0117】
式(U)と式(E)の化合物は、市販されているかまたは当業者に公知の方法に従って調製される。
【0118】
一般に式(III)の化合物は、まず式(U)の化合物を標準的還元アミノ化条件で処理、例えば、プロトン溶媒(例えばメタノール)中の式(U)の化合物を等モル量の式(E)の化合物で、酸(例えば酢酸)の存在下で処理することにより調製される。生じる反応混合物を周囲温度で約30分〜約2時間、好ましくは約1時間攪拌する。次にモル過剰量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に加え、生じる混合物を周囲温度で、約12時間〜約18時間、好ましくは約18時間攪拌する。反応混合物から式(III)の化合物を標準的単離法(例えば、溶媒の留去、およびクロマトグラフィー)により単離する。
【0119】
遊離の塩基または酸の形で存在する上記のように調製した本発明のすべての化合物は、適切な無機もしくは有機塩基もしくは酸で処理することにより、その薬剤学的に許容される塩に変換される。上記の調製した化合物の塩は、標準的方法によりその遊離の塩基または酸に変換される。本発明の化合物のすべての多形体、無定形型、無水物、水和物、溶媒和物および塩は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0120】
以下の調製と実施例においては、以下の略語と頭字語が使用される:DEADは、ジエチルアゾジカルボキシレート;DIEAは、ジイソプロピルエチルアミン;DMFはジメチルホルムアミド;THFはテトラヒドロフラン;TFAはトリフルオロ酢酸;DMAPはジメチルアミノピリジン;CH3CNはアセトニトリル;CH2Cl2はジクロロメタン(塩化メチレン);CHCl3はクロロホルム;DMSOはジメチルスルホキシド;Et2Oはジエチルエーテル;EDCまたはEDClは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩;MeOHはメタノール;BSAはウシ血清アルブミン;およびHClは塩化水素。
【0121】
以下の具体的な調製(主に中間体に関する)と実施例(主に特許請求された化合物、医薬組成物、およびその使用に関する)は、本発明の実施を助けるための指針として提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0122】
調製1
式(C)の化合物
A. DMF(10mL)中のNaH(0.83g、37mmol)の懸濁液に、1-ベンジル-(3S)-ヒドロキシピペリジン(4.1g、21.5mmol)を加え、生じる反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。次にDMF(10mL)中の4-フルオロニトロベンゼン(2.5mL、23.6mmol)を、混合物に滴下して加えた。生じる反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。真空下でDMFを除去後、粗混合物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(100mL×3)、食塩水(100mL)で洗浄して、黄色の油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィーカラムを使用して精製すると、1-ベンジル-(3S)-3-(4-ニトロフェノキシ)ピペリジン(6.5g、収率97%)を黄色の油状物として得られた。
B. 同様に、式(C)の他の化合物が調製された。
【0123】
調製2
式(D)の化合物
A. メタノール(30mL)中の1-ベンジル-(3S)-3-(4-ニトロフェノキシ)ピペリジン(6.5g)と41.2gの10% Pd/Cの混合物を、水素化(50psi)に付した。反応が完了した時、反応混合物をろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、黄色の固体を得た。CH2Cl2/ヘキサン中で再結晶すると、(3S)-3-(4-アミノフェノキシ)ピペリジン(3.5g、収率88%)が白色の固体として得られた。
B. 同様に、式(D)の他の化合物が調製された。
【0124】
調製3
式(F)の化合物
A. DMF(20mL)中の(3S)-3-(4-アミノフェノキシ)ピペリジン(3.5g)の氷水冷却溶液に、K2CO3(7.5g)とNaI(0.2g)を加え、次に5-クロロメチル-1,3-ベンゾジオキソール(4.7mL)を加えた。生じた反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(100mL×3)と食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル 1:10)によりさらに精製して、(3S)-3-(4-アミノフェノキシ)-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(4.4g、収率74%)を油状物として得た。
B. 同様に、式(F)の他の化合物が調製された。
【0125】
調製4
式(J)の化合物
A. イミダゾール(0.613g、8mmol)と3,6-ジクロロピリダジン(1.55g、10mmol)、K2CO3(4.15g)およびDMF(15)の混合物を70〜80℃で一晩加熱した。真空下でDMFを除去後、残った固体をCH2Cl2(50mL)に溶解し、1N Na2CO3水溶液で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノール 100:1)を使用して精製して、3-クロロ-6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン(1.2g)を白色の固体として得た。
B. 同様に、式(J)の他の化合物が調製された。
【0126】
調製5
式(K)の化合物
A. DMF(5mL)中のNaH(0.21g、8.31mmol)の懸濁液に、DMF(5mL)中の1-ベンジル-3-ヒドロキシピペリジン塩酸塩(0.78g、3.3mmol)を加え、生じる反応混合物を周囲温度30分攪拌した。次にDMF(5mL)中の3-クロロ-6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン(0.6g、3.3mmol)を滴下して加えた。反応混合物を周囲温度30分攪拌した。真空下でDMFを除去後、黒い油状物をCH2Cl2(50mL)中に溶解し、水と食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー使用して精製して、3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ]-1-ベンジルピペリジン(400mg)を黄色の油状物として得た。
B. 同様に、式(K)の他の化合物が調製された。
【0127】
調製6
式(L)の化合物
A. メタノール(20mL)中の3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ]-1-ベンジルピペリジン(400mg)に、10% Pd/C(0.4g)とHCO2NH4(0.6g)を加えた。混合物を窒素下で1時間加熱還流した。周囲温度まで冷却後、Pd/Cをろ過して除去した。ろ液を真空下で濃縮して、3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ]ピペリジン(240mg)を油状物として得て、これをさらに精製することなく実施例3で使用した。
B. 同様に、式(L)の他の化合物が調製された。
【0128】
調製8
式(N)と式(O)の化合物
A. (3R)-1-t-ブトキシカルボニル-3-ヒドロキシピペリジン(4.10g、17.6mmol)、4-(イミダゾール-1-イル)フェノール(4.4g、1.5当量)、トリフェニルホスフィン(1.5例えば、7.10g)、DMF(80mL)の混合物に、DEAD(1.5当量、4.33mL)を加えた。生じる反応混合物を室温で2日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルで希釈し、1N NaOH(45mL×3)、水および食塩水で洗浄し、真空下で溶媒を留去した。CH2Cl2中の1〜3%メタノールの勾配を用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、(3R)-1-t-ブトキシカルボニル-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]ピペリジン(420mg、1.19mmol)を得て、これをトリフルオロ酢酸/CH2Cl2(1:1)で0℃〜周囲温度で2時間処理した。溶媒を留去した。残渣をCH2Cl2で希釈し、1N HCl(10mL)で洗浄した。水相をCH2Cl2で抽出して副産物を除去した。1N NaOHを用いて水相を再度pH9.5〜10.0とした。CH2Cl2(60mL×3)で抽出し、真空下で溶媒を留去して(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]ピペリジン(62mg)を油状物として得た。
B. 同様に、式(O)の他の化合物が調製された。
【0129】
調製9
式(R)と式(S)の化合物
A. 1-ベンジル-3-ピペリジノン(2.07g、10mmol)、4-(イミダゾール-1-イル)アニリン(1.73g、1.0当量)、およびTi(OiPr)4(3.72mL、1.25当量)を、周囲温度1.25時間攪拌した。次に混合物を無水エタノール(10mL)で希釈し、NaCNBH3(0.44g、0.67当量)を加えた。生じた混合物を20時間攪拌した。混合物を攪拌しながら水(2mL)を加え、生じた沈殿物をろ過した。塩化メチレン中の1〜5%メタノールを用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行うと、粗生成物が得られた。HPLCによりさらに精製すると、3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)アミノ]-1-ベンジルピペリジン(569mg)が得られ、これをメタノール(10mL)に溶解し、10% Pd/C(400mg)とギ酸アンモニウム(800mg)で処理した。生じた混合物を4時間加熱還流した。周囲温度まで冷却後、混合物をろ過した。真空下で溶媒を留去して3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)アミノ]ピペリジン(330mg、1.36mmol)を得た。
B. 同様に、式(S)の他の化合物が調製された。
【0130】
実施例1
式(I)の化合物
A. (3S)-3-(4-アミノフェノキシ)-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(4.4g、13.5mmol)とメタノール中のNH4OH(1.2mL、15mmol)を加え、メタノールで10mLに希釈して、溶液Aを調製した。ホルムアルデヒド(1.01mL、13.5mmol)と40%溶液グリオキザルを加え、次にTHFで10mLに希釈して、溶液Bを調製した。溶液Aと溶液Bを、同時に水(6.0mL、65℃までプレ加熱した)に30分間攪拌しながら加えた。次に、生じた混合物を65℃に2時間加熱した。真空下で溶媒を留去後、残存油状物をCH2Cl2(100mL)に溶解し、水(50mL×3)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥した(NaSO4)。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール 100:1)により精製して、(3S)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(3.7g、収率72.5%)を得た。
【化14】

B. 同様に、式(I)の以下の化合物を調製された:(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン。
【化15】

C. 同様に、式(I)の他の化合物が調製された。
【0131】
実施例2
式(II)の化合物
A. DMF(15mL)中の3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジ-3-ニル)オキシ]ピペリジン(220mg)、5-クロロメチル-1,3-ベンゾジオキソール(0.26mL)、K2CO3(1.0g)、およびNaI(0.1g)の混合物を、50℃で窒素下で3時間加熱した。ろ過し真空下で濃縮後、残存油状物をCH2Cl2(100mL)に溶解し、水(20mL×3)、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジ-3-ニル)オキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(77mg)を白色の固体として得た。
【化16】

B. 同様に、式(II)の以下の化合物を調製された:2-[((6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジ-3-ニル)オキシメチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン。
【化17】

C. 同様に、式(II)の他の化合物が調製された。
【0132】
実施例3
式(I)の化合物
A. (3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]ピペリジン(150mg、0.61mmol)をDMF(2mL)に溶解し、DMF中の5-クロロメチル-1,3-ベンゾジオキソール(50%塩化メチレン中0.16ml、1.0当量)の溶液に加え、次にK2CO3(2.5当量)とNaI(0.1当量)を加えた。生じた混合物を50℃に1時間加熱した。溶媒を留去し、塩化メチレン中の3%メタノールを用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物(112mg)が得られた。酢酸エチル中の3%メタノールを用いてさらにフラッシュクロマトグラフィーを行い、(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(70mg)を得た。
【化18】

【0133】
B. 同様に、式(I)の以下の化合物が調製された:
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン、トリフルオロ酢酸塩、
【化19】

(3R)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン,
【化20】

【0134】
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン、
【化21】

【0135】
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-(3,4-ジメトキシベンジル)ピペリジン、
【化22】

【0136】
3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン、
【化23】

【0137】
2-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン、
【化24】

【0138】
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ヘキサヒドリ-1H-アゼピン、
【化25】

【0139】
3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)カルボニル]ピロリジン、
【化26】

【0140】
(3S)-3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン、
【化27】

【0141】
及び3-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピロリジン、
【化28】

C. 同様に、式(I)の他の化合物が調製された。
【0142】
実施例4
式(I)の化合物
A. 3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)アミノ]ピペリジン(330mg、1.36mmol)をDMFに溶解し、次に5-クロロメチル-1,3-ベンゾジオキソール(1.0当量)、K2CO3(2.5当量)およびNaI(0.1当量)で処理した。生じた混合物を50℃に1時間加熱した。混合物をろ過し真空下で溶媒を留去して、粗生成物(411mg)を得た。塩化メチレン中の1〜2.5%メタノールを用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)アミノ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン(110mg)を得た、
【化29】

B. 同様に、式(I)の他の化合物が調製された。
【0143】
実施例5
式(I)の化合物
A. 3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]ピペリジン(308mg、1.26mmol)、メタノール(6.0mL)の混合物に、4-免疫応答-1-ナフトアルデヒド(1.25当量、298mg)を加え、次にボランピリジン複合体(0.196mL、1.25当量)を加えた。生じた混合物を一晩攪拌した。メタノールを留去し、残渣を酢酸エチルで希釈し、水と食塩水で洗浄した。真空下で溶媒を留去して粗生成物を得た。塩化メチレン中1〜2%メタノールを用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、3-[(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]-1-[(4-メトキシナフ-1-チル)メチル]ピペリジン(54mg)を得た、
【化30】

B. 同様に、式(I)の他の化合物が調製された。
【0144】
実施例6
式(III)の化合物
A. MeOH(150mL)に溶解した2-[4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ]エチルアミン(4.0g、20mmol)に、ピペロナール(3.0g、20mmol)と酢酸(1.5mL)を加えた。1時間攪拌後、NaBH3CN(2.6g、40mmol)を加えた。18時間攪拌後、真空下で溶媒を留去後、残渣を塩化メチレン中2%メタノールを用いてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い、3.5gのN-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミンを得た、
【化31】

【0145】
B. 同様に、式(III)の以下の化合物が調製された:
N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-ジ[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-[(((3-(2-メチルピペリジ-1-ニル)プロピル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-[((((1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;
N-[((((4-トリフルオロメチル)メチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン;および
N-[(((ブチル)アミノ)カルボニル)メチル]-N-[2-(4-(イミダゾール-1-イル)フェノキシ)エチル]-N-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]アミン。
【0146】
実施例7
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、経口投与用の代表的医薬組成物の調製を例示する。
A. 成分 %wt./wt.
本発明の化合物 20.0%
乳糖 79.5%
ステアリン酸マグネシウム 0.5%
【0147】
上記成分を混合し、100mgずつを含有する硬シェルゼラチンカプセルに入れ、1つのカプセルが1日の総投与量になる。
【0148】
B. 成分 %wt./wt.
本発明の化合物 20.0%
ステアリン酸マグネシウム 0.5%
デンプン 8.6%
乳糖 69.6%
PVP(ポリビニルピロリドン) 0.9%
【0149】
ステアリン酸マグネシウム以外の上記成分を混合し、水を造粒液体として使用して造粒する。次に調製物を乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと混合し、適切な造粒機を用いて錠剤に成型する。
【0150】
C. 成分
本発明の化合物 0.1g
プロピレングリコール 20.0g
ポリエチレングリコール400 20.0g
ポリソルベート80 1.0g
水 100mLにする
【0151】
本発明の化合物をプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400およびポリソルベート80に溶解する。次に充分量の水を攪拌しながら加えて、100mLの溶液を得て、これをろ過し、ビンに詰める。
【0152】
D. 成分 %wt./wt.
本発明の化合物 20.0%
ピーナツ油 78.0%
スパン60 2.0%
【0153】
上記成分を融解し、混合し、軟弾性カプセルに充填する。
【0154】
E. 成分 %wt./wt.
本発明の化合物 1.0%
メチルまたはカルボキシメチルセルロース 2.0%
0.9%食塩水 100mLにする
【0155】
本発明の化合物をセルロース/食塩水溶液に溶解し、ろ過し、使用のためにビンに詰める。
【0156】
実施例8
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、非経口投与用の代表的医薬調製物の調製を例示する。
A. 成分
本発明の化合物 0.02g
プロピレングリコール 20.0g
ポリエチレングリコール400 20.0g
ポリソルベート80 1.0g
0.9%食塩水 100mLにする
【0157】
本発明の化合物をプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400およびポリソルベート80に溶解する。次に充分量の0.9%食塩水を攪拌しながら加えて、100mLのI.V.溶液を得て、これを0.2m膜でフィルターでろ過し、無菌条件下でパッケージングする。
【0158】
実施例9
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、坐剤型の代表的医薬組成物の調製を例示する。
成分 %wt./wt.
本発明の化合物 1.0%
ポリエチレングリコール1000 74.5%
ポリエチレングリコール4000 24.5%
【0159】
成分を一緒に融解させ、蒸気浴上で混合し、2.5gの総重量を有する鋳型に注ぐ。
【0160】
実施例10
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、吸入用の代表的医薬調製物の調製を例示する。
成分 %wt./wt.
微粉化した本発明の化合物 1.0%
微粉化した乳糖 99.0%
【0161】
成分を粉砕し、混合し、計量ポンプを取り付けた吸入器にパッケージングする。
【0162】
実施例11
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、噴霧型の代表的医薬調製物の調製を例示する。
成分 %wt./wt.
本発明の化合物 0.005%
水 89.995%
エタノール 10.000%
【0163】
本発明の化合物をエタノールに溶解し、水と混合する。次に調製物を計量ポンプを取り付けた噴霧器にパッケージングする。
【0164】
実施例12
本例は、本発明の化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含有する、エアゾル型の代表的医薬調製物の調製を例示する。
成分 %wt./wt.
本発明の化合物 0.005%
噴射剤11/12 98.90%
オレイン酸 1.00%
【0165】
本発明の化合物を、オレイン酸と噴射剤に入れる。次に、生じる混合物を計量弁を取り付けたエアゾル容器に注ぐ。
【0166】
実施例13
RAW264.7 マウス単球中のiNOSの誘導
RAW264.7マウスマクロファージ細胞をアメリカンタイプカルチャーコレクション(ロックビル、メリーランド州)から得て、10%胎児牛血清(FBS)、5000単位/mLのペニシリンとストレプトマイシン、および2mMグルタミンを含有するRPMI1640(維持培地)中で維持した。酸化窒素酸化生成物である亜硝酸塩の蛍光アッセイにより、NOS活性を測定した(Diamaniら、Talanta (1986), Vol.33, pp. 649-652)。iNOS(誘導性酸化窒素シンターゼ)の誘導は、細胞をリポ多糖とγ-インターフェロンで処理することにより刺激される。
【0167】
細胞を採取し、維持培地で500,000細胞/mLに希釈し、96ウェルプレートに100μL/ウェルで接種した。プレートを37℃で5%CO2 雰囲気下で一晩インキュベートした。次に培地を、10%胎児牛血清(FBS)、100単位/mLのペニシリン、100μlのストレプトマイシン、2mMグルタミン、100単位/mLのγ-インターフェロンおよび2μg/mLのリポ多糖を含有する90μlのBME培地と交換した。100mMヘペス(pH7.3)+0.1%DMSO中2mMストック溶液10μlを使用して、N-グアニジノ-メチル-L-アルギニンを4つのウェル(陰性対照)に最終濃度200μMで加え、4つのウェルには100mMヘペス/0.1%DMSO緩衝液のみを入れた(陽性対照)。本発明の化合物を所望の最終濃度の10倍でヘペス/DMSOに溶解し、これらの溶液の10μlを96ウェルプレートに移した。プレートを37℃で、5%CO2雰囲気下で17時間インキュベートした。培養培地中の亜硝酸塩の蓄積を以下のように測定した:各ウェルに15μlの2,3-ジアミノナフタレン(0.75M HCl中10 g/mL)を加え、次に各ウェルを室温で10分間インキュベートした。次に各ウェルに15μlの1N NaOHを加え、励起波長365nmを使用して405nmの蛍光を測定した。実験ウェル中の酵素活性を、陽性対照値と陰性対照値を使用して、対照のパーセントに標準化した。アッセイについてシグナル対ノイズ比は>10であった。
本発明の化合物は、このアッセイで試験すると、in vitroで酸化窒素産生を阻害する能力を示した。
【0168】
実施例14
(in vitroアッセイ)
A. A172細胞を、アメリカンタイプカルチャーコレクションから得て、フェノールレッドとピルビン酸ナトリウムを含まないが高濃度グルコースを含有する、10%(v/v)胎児牛血清(ギブコビーアールエル(Gibco/BRL))を補足したDMEM(ギブコビーアールエル(Gibco/BRL))中で、空気中5%CO2の加湿雰囲気で37℃で日常的に培養した。細胞を採取し、100,000細胞/ウェルで96ウェル組織培養ディッシュに総量100μLの培養液で蒔いた。18〜24時間後、222U/ml ヒトインターフェロン−ガンマ、22ng/mlのヒト腫瘍壊死因子−アルファ、および2.2ng/mLのヒトインターロイキン1−βを加えて、誘導性酸化窒素シンターゼ(iNOS)活性を誘導した。すべてのサイトカインはベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim)から購入した。サイトカイン添加と同時に、適切な濃度の本発明の化合物も加えた。複合体ストック溶液をDMSO中で調製し、対照ウェルにビヒクルを加えた。インキュベーション物中のDMSOの最終濃度は0.2%未満であり、iNOS誘導または活性測定に何の影響もなかった。インキュベーションを18〜24時間続けて、次に培養液のアリコートを採取し、Griess試薬を使用して亜硝酸塩濃度について試験した(後述)。
【0169】
B. サイトカインと化合物でインキュベーション後、100μLアリコートの培養液を採取し、別の96ウェルプレート中で150μLのGriess試薬(2%スルファニルアミド+0.2%w/v ナフチルエチレンジアミンを含有する5%v/v リン酸)と混合した。15分以内にSpectraMax分光光度計で550nmでプレートを読んだ。化合物によるiNOS活性の阻害により、培地のOD550が低下した。IC50値は、データのlog-logit分析から計算した。Hill傾きが0.5未満または1.5より大きい阻害曲線は排除した。
対照実験は、実験の経過中亜硝酸塩から硝酸塩への有意な変換は起きなかったことを示した。サイトカインの非存在下でインキュベートした細胞は、測定可能な亜硝酸塩を産生しなかった。従って、サイトカイン誘導細胞の培養液の亜硝酸塩含量を測定することは、これらの細胞中のiNOS活性の誘導を測定するための簡便で正確な手段である。
本発明の化合物は、このアッセイで測定すると、in vitroで酸化窒素産生を阻害する能力を示した。
【0170】
実施例15
(in vivoアッセイ)
ラットのアジュバント誘導性関節炎に対する本発明の化合物の効果
オスのルイスラットに、不完全フロイントアジュバント(10mg/mL)中の0.1mLのマイコバクテリウム・ブチリカム(Mycobacterium butyricum)を皮内注射する(尾の近傍)。ビヒクル(酸性化食塩水、1mL/kg)または本発明の化合物(3、10、または30mg/kg)の皮下投与(1日2回)を、アジュバント免疫後の日から開始し、実験の最後まで続ける(各処理群についてN=10ラット)。試験の期間中週に3回、すべての手足で臨床スコア(後述)を測定する。免疫の34〜35日後にラットを安楽死させる。安楽死後、後ろ足の放射線評価(後述)を行い、臨床血液化学と薬剤レベルのために血液試料を採取し(高用量群のみ;再度の投与の6または12時間後)、毒性の可能性の測定のために肝臓切片を得て、組織病理学的測定のために後ろ足を保存する。
【0171】
臨床スコア−四肢のそれぞれを以下のスケールに従って等級付けする:
0 炎症の症候無し
1 弱い発赤、腫脹の最初の指標、関節は曲がる
2 弱い発赤、弱い腫脹、関節は曲がる
3 発赤、顕著な腫脹と足の変形、関節が融着し始める
4 発赤、大きな腫脹と足の変形、関節が完全に融着
【0172】
放射線スコア−以下の各パラメータについて各後ろ足を0〜3のスケールで等級付けする:
軟組織腫脹
軟骨喪失
びらん
異所性骨化
【0173】
本発明の化合物は、このアッセイで測定すると、ラットに存在する関節炎を治療する能力を示した。
【0174】
本発明をその具体例を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であり、同等態様を代用できることを当業者は理解されたい。さらに、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス工程を、本発明の目的、本質および範囲に適合させるために、多くの修飾が可能である。すべてのかかる修飾は、添付の特許請求の範囲内にあると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一立体異性体、立体異性体混合物、又は立体異性体のラセミ体としての、以下の式(II):
【化1】

{式中、
各nは0〜2である;
各pは0〜2である;
A1は、-O-(CH2)q-(ここでqは0〜3である)、-(CH2)q-O-(ここでqは0〜3である)、-N(R6)-(CH2)q-(ここでqは0〜3である)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは0〜3である)である;
R1は、水素、アルキル、-(CH2)t-C(O)OR7-(ここでtは0〜6である)、-(CH2)t-C(O)N(R6)R7(ここでtは0〜6である)、または-C(O)R7である;
またはR1は、アラルキル(ここでアリールラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
またはR1は、ヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
各R2は、独立にハロ、ハロアルキル、アルキル、ニトロ、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、-N(R6)R7、-N(R6)C(O)R7、または-N(H)S(O)2R8である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;
各R6とR7は、独立に水素、アルキル、アリール(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、アラルキル(ここでアリールは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、ヘテロシクリル(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、またはヘテロシクリルアルキル(ここでヘテロシクリルラジカルは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;および
各R8は、アルキル、アリール(ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)、またはアラルキル(ここでアリールは、ハロ、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である。}で表される化合物、又は医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
式中、nとpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、-(CH2)q-O-(ここでqは0〜1である)、-N(R6)-(CH2)q-(ここでqは0〜1である)、または-(CH2)q-N(R6)-(ここでqは0〜1である)である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、およびジアルキルアミノカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ニトロ、-OR6、-C(O)OR6、-C(O)N(R6)R7、または-N(R6)R7である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
各R6とR7は、独立に水素またはアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、
nとpはそれぞれ独立に0〜2である;
A1は、-O-、-CH2-O-、または-N(R6)-である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキル(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される)である;
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
各R3は、独立に水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、nは、0〜2である;
pは、0〜2である;
A1は、-O-または-CH2-O-である;
R1は、(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)アルキルである(ここでベンゾジオキソリルラジカルは、アルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシよりなる群から選択される1つ以上の置換基により随時置換される);
R2は、ハロ、ハロアルキル、アルキル、または-OR6である;
R3は、水素またはアルキルである;
各R4は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニルである;および
R6は、水素またはアルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
以下の化合物:
3-[(6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン;および
2-[((6-(イミダゾール-1-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ)メチル]-1-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチル]ピペリジン、
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
薬剤学的に許容される賦形剤と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を含む、酸化窒素産生の異常により生じる哺乳動物の症状を治療するのに有用な医薬組成物。
【請求項7】
酸化窒素産生の異常により生じる哺乳動物の症状を治療するための医薬組成物の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
前記酸化窒素産生の異常により生じる症状は、多発性硬化症、卒中または脳虚血、アルツハイマー病、HIV痴呆、パーキンソン病、髄膜炎、拡張型心筋症とうっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、再狭窄または移植片狭窄、敗血症ショックおよび高血圧、出血性ショック、喘息、急性呼吸窮迫症候群、煙または顆粒性肺傷害、病原体性肺炎 、種々の病因の外傷、リウマチ様関節炎と骨関節炎、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎とクローン病、インスリン依存性糖尿病、糖尿病性腎症または腎症、急性および慢性臓器移植拒絶、移植片血管症、移植片対宿主反応、乾癬と他の炎症性皮膚疾患、および癌よりなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記症状は多発性硬化症である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記症状はリウマチ様関節炎である、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
前記症状は拡張型心筋症である、請求項8に記載の使用。
【請求項12】
前記症状はうっ血性心不全である、請求項8に記載の使用。

【公開番号】特開2010−174041(P2010−174041A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113305(P2010−113305)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2004−500862(P2004−500862)の分割
【原出願日】平成15年4月24日(2003.4.24)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】