説明

NPYアンタゴニストとしてのチアゾール誘導体

式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステル(ここでR、R2、A1、A2、A3及びnは、請求項1記載の意義を有する)は、医薬組成物の形態で使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロペプチドY(NPY)受容体リガンド、特にニューロペプチドY(NPY)アンタゴニストとして有用な新規のチアゾール誘導体に関する。
【0002】
本発明は、特に式(I):
【0003】
【化4】

【0004】
(ここで、
は、アリール、ヘテロシクリル、アミノ又はアルコキシであり;
は、水素、アルキル又はハロゲンであり;
は、アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルであり;
は、C−R又は窒素であり;
は、ピペリジン又はピロリジンであり、ピペリジン及びピロリジン環の窒素原子がAに結合しており;
は、−S(O)−又は−C(O)−であり;
nは、0、1又は2である)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルに関する。
【0005】
式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、新規であり、有益な薬理特性を有する。それらは、ニューロペプチドリガンド、例えばニューロペプチド受容体アンタゴニストであり、特に選択的ニューロペプチドYY5受容体アンタゴニストである。
【0006】
ニューロペプチドYは、36個のアミノ酸のペプチドであり、中枢神経系及び末梢神経系に広く分布している。このペプチドは、その様々な受容体サブタイプを介して、多くの生理作用を仲介する。動物での研究は、ニューロペプチドYが、強力な摂食刺激剤であることを示しており、ニューロペプチドYY5受容体の活性化は、過食症及び産熱低下をもたらすことが実証されている。したがって、Y5受容体サブタイプにて、ニューロペプチドYを拮抗させる化合物は、肥満及び過食症のような摂食障害の治療へのアプローチを意味する。
【0007】
現在のアプローチは、体重減少の誘発及び体重増加の予防のための医学的な介入を目的とする。これは、摂食を制御することが証明されている脳の重要な部位である視床下部を媒介して、食欲制御に介入することにより達成される。ここで、ニューロペプチドY(NPY)は、数種類の動物において、摂食に対する最も強力な中枢神経系のメディエーター役の1つであることが証明されている。NPYレベルの上昇は結果として、摂食を大幅に増加させる。ニューロペプチドY(NPY)の様々な受容体は、食欲制御及び体重増加に関与することが記載されている。これらの受容体を妨害することにより、食欲が低下し、よって体重増加が抑えられる可能性がある。減量及び体重の長期維持は、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病及び腎不全のような関連するリスク要因に対しても有益な結果をもたらすことができる。
【0008】
したがって、式(I)の化合物は、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の予防又は治療に使用することができる。
【0009】
本発明の目的は、式(I)の化合物、並びにそれらの上述した塩及びエステル自体及び治療上の有効物質としてのそれらの使用;前記化合物の製造方法、中間体、医薬組成物;前記化合物、それらの薬学的に許容し得る塩及びエステルを含有する医薬;疾患の予防及び/又は治療のための、とりわけ関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害(例えば過食症)及び特に肥満の治療又は予防のための、前記化合物、エステル及び塩の使用;関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の治療又は予防用の医薬の製造のための前記化合物、塩及びエステルの使用である。
【0010】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で、又は組み合わせて、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、特に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖及び分岐鎖のC〜Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル及び異性体オクチルであり、好ましくはメチル及びエチルであり、最も好ましくはメチルである。
【0011】
用語「シクロアルキル」は、単独で、又は組み合わせて、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。C〜Cシクロアルキルの例は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、シクロブチル、メチル−シクロブチル、シクロペンチル、メチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−シクロヘキシル、ジメチル−シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルであり、好ましくはシクロプロピルである。
【0012】
用語「アルコキシ」は、単独で、又は組み合わせて、アルキルが上述の意味を有する、式:アルキル−O−の基を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ及びt−ブトキシであり、好ましくはメトキシ及びエトキシであり、最も好ましくはメトキシである。
【0013】
用語「アリール」は、単独で、又は組み合わせて、フェニル又はナフチル基を意味し、好ましくは、場合により、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、シアノ、カルバモイル、アルコキシカルバモイル、メチレンジオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル−SO−、アミノ−SO−、シクロアルキル等からそれぞれ独立して選択される、1個以上の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有するフェニル基である。好ましくはフェニル又はナフチルであり、特に、場合により、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ニトロ及びトリフルオロメチルから独立して選択される、1〜3個、好ましくは1又は2個の置換基で置換されているフェニルである。
【0014】
用語「ヘテロシクリル」は、単独で、又は組み合わせて、1個以上、好ましくは1又は2個、特に好ましくは窒素、酸素及び硫黄から選ばれる1個のヘテロ原子を含む、5〜10員のヘテロ環を意味する。1個以上の炭素原子上で、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル−SO−、アミノ−SO−、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シクロアルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニルニトロ、アルキル、及び/又はアルコキシカルボニルによって置換されていることができる。好ましくはヘテロシクリル環は、ピロリジニル及びチオフェニルであり、特に、場合により、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ及びハロゲンから独立して選択される、1〜3個の置換基、好ましくは1又は2個の置換基で置換されているチオフェニル及びピロリジニルである。
【0015】
用語「アミノ」は、単独で、又は組み合わせて、窒素原子を介して結合する、第一級、第二級又は第三級アミノ基を意味し、第二級アミノ基はアルキル又はシクロアルキル置換基をもち、第三級アミノ基は2個の同一若しくは異なるアルキル又はシクロアルキル置換基をもつか、あるいは2個の窒素置換基が一緒になって環を形成しており、例えば−NH、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチル−エチルアミノ、ピロリジン−1−イル又はピペリジノ等であり、好ましくは第一級アミノ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノであり、特にジメチルアミノである。
【0016】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を意味する。
【0017】
用語「カルボニル」は、単独で、又は組み合わせて、−C(O)−基を意味する。
【0018】
用語「ニトロ」は、単独で、又は組み合わせて、−NO基を意味する。
【0019】
用語「シアノ」は、単独で、又は組み合わせて、−CN基を意味する。
【0020】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的効果及び性質を維持し、生物学的に、又はそれ以外でも望ましくない塩ではないものをいう。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等(好ましくは塩酸)のような無機酸、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等の有機酸で形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に加えることにより調製してもよい。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を含むが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩は、第一級、第二級及び第三級アミンの塩、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂を含み、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂等を含むが、これらに限定されない。式(I)の化合物は、双性イオンの形態で存在してもよい。特に好ましい式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩である。
【0021】
式(I)の化合物は、溶媒和、例えば水和することもできる。溶媒和は、製造プロセス中に実施してもよいし、又は例えば、当初無水である式(I)の化合物の吸湿特性の結果(水和)として行ってもよい。用語「薬学的に許容し得る塩」は、生理学的に許容され得る溶媒和物も含む。
【0022】
「薬学的に許容し得るエステル」は、インビボで転換して親化合物へ戻すことができる誘導体を得るため、一般式(I)の化合物を、官能基で誘導体化しうることを意味する。そのような化合物の例は、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルのような、生理学的に許容され得る、かつ代謝的に不安定なエステル誘導体を含む。加えて、代謝的に不安定なエステルと同様に、インビボで一般式(I)の親化合物を調製することができる、一般式(I)の化合物の生理学的に許容されうるいかなる均等物も、本発明の範囲内である。
【0023】
用語「リパーゼ阻害剤」は、胃リパーゼ及び膵リパーゼ等のリパーゼの作用を阻害することができる化合物を意味する。例えば、米国特許第4,598,089号に記載のオルリスタット及びリプスタチンは強力なリパーゼ阻害剤である。リプスタチンは微生物起源の天然生成物であり、オルリスタットは、リプスタチンの水素化の結果物である。他のリパーゼ阻害剤は、一般にパンクリシンと呼ばれる化合物のクラスを含む。パンクリシンは、オルリスタットの類似体である(Mutohら、1994年)。用語「リパーゼ阻害剤」は、さらに、例えば、国際特許出願WO99/34786(Geltex Pharmaceuticals Inc.)に記載のポリマー結合リパーゼ阻害剤をいう。これらのポリマーは、リパーゼを阻害する1個以上の基で置換されていることで特徴づけられる。用語「リパーゼ阻害剤」は、これらの化合物の薬学的に許容し得る塩も含む。用語「リパーゼ阻害剤」は、好ましくはオルリスタットを意味する。
【0024】
オルリスタットは、肥満症及び高脂血症の管理又は予防に有用な公知の化合物である。オルリスタットの製造方法も開示している1986年7月1日発行の米国特許第4,598,089号、及び適切な医薬組成物を開示している米国特許第6,004,996号を参照されたい。さらに適切な医薬組成物は、例えば国際特許出願第WO00/09122号及び第WO00/09123号に記載されている。オルリスタット調製のさらなる方法は、ヨーロッパ特許出願公開第185,359号、189,577号、443,449号及び524,495号に開示されている。
【0025】
オルリスタットを、好ましくは1日当たり60〜720mgを、2〜3回に分けて経口投与する。好ましくは1日当たり180〜360mg、最も好ましくは360mgのリパーゼ阻害剤を、好ましくは1日当たり2回、または特に3回に分けて患者に投与する。肥満又は体重超過、すなわちボディーマスインデックスが25以上のヒトを対象にするのが好ましい。一般に、リパーゼ阻害剤は、脂肪を含む食事摂取後、約1〜2時間以内に投与するのが好ましい。一般に、上記と同義のリパーゼ阻害剤の投与にあたっては、非常に肥満になりやすい家系の、ボディーマスインデックス25以上のヒトに投与する処置が好ましい。
【0026】
オルリスタットは、錠剤、コーティング錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、乳剤又は懸濁剤等の慣用の経口組成物で、ヒトに投与することができる。錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセルに使用することができる担体の例は、ラクトース、他の糖及びソルビトール、マンニトール、マルトデキストリンのような糖アルコール、又は他の充填剤;ラウリル硫酸ナトリウム、Brij96又はTween80のような界面活性剤;グリコール酸デンプンナトリウム、コーンスターチ又はその誘導体のような崩壊剤;ポビドン、クロスポビドン等のポリマー;タルク;ステアリン酸又はその塩等である。軟ゼラチンカプセル用に適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体および液体ポリオール等である。さらに、この製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香料、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、コーティング剤及び酸化防止剤を含むことができる。これらはまた、治療上有益な他の物質を含むことができる。この処方は、単位用量の形態にすることが好都合であり、医薬技術において公知であるあらゆる方法により調製することができる。好ましくは、オルリスタットは、本実施例中及び米国特許第6,004,996号にそれぞれ示される処方にしたがって投与する。
【0027】
式(I)の化合物は、いくつかの不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体のようなエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオマーのラセミ体又はジアステレオマーのラセミ体の混合物等の形態にすることができる。
【0028】
好ましくは、式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩であり、特に、式(I)の化合物である。
【0029】
さらに、好ましくは、Rが、ナフチル、ピロリジニル、ジアルキルアミノ、モルホリニル、アルコキシ、フェニル又はチオフェニルであり、ここで、フェニル及びチオフェニルは、場合により、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ及びハロゲンから独立して選択される、1〜3個の置換基で置換されている、式(I)の化合物である。特に、好ましくは、用語チオフェニルが、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル又は5−クロロチオフェン−2−イルを意味する、上記式(I)の化合物である。さらに、特に好ましくは、用語フェニルが、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2−メチル−5−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロフェニル、4−ニトロフェニル又は2−メトキシ−5−メチルフェニルを意味する、上記の式(I)の化合物である。
【0030】
他の好ましい本発明の実施態様は、Rが、チオフェニル、クロロ−チオフェニル、ナフチル、ピロリジニル、ジメチルアミノ、モルホリニル、t−ブトキシであるか、又はフルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル及びニトロから独立して選択される、1若しくは2個の置換基で置換されているフェニルである、式(I)の化合物である。特に好ましくは、用語チオフェニルが、チオフェン−2−イル又はチオフェン−3−イルを意味する、上記式(I)の化合物である。特に好ましくは、用語クロロ−チオフェニルが、5−クロロ−チオフェン−2−イルを意味する、上記式(I)の化合物である。さらに、特に好ましくは、用語フェニルが、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2−メチル−5−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロフェニル、4−ニトロフェニル又は2−メトキシ−5−メチルフェニルを意味する、上記式(I)の化合物である。
【0031】
また、好ましくは、Rが水素である式(I)の化合物である。
【0032】
好ましくは、Aが窒素である、式(I)の化合物である。
【0033】
さらに、好ましくは、AがC−Rである、式(I)の化合物である。特に好ましくは、Rがメチル、エチル又はトリフルオロメチルである、式(I)の化合物である。さらに、特に好ましくは、AがC−Rであり、Rがアルキル、好ましくはメチル又はエチルである、式(I)の化合物である。特に好ましくは、Rがメチルである、式(I)の化合物である。
【0034】
他の本発明の好ましい態様は、Aが−C(O)−である、式(I)の化合物である。特に好ましくは、Aが−S(O)−である、式(I)の化合物である。
【0035】
さらに、好ましくは、Aがピロリジンであり、ピロリジン環の窒素原子がAに結合している、式(I)の化合物である。特に好ましくは、Aがピペリジンであり、ピペリジン環の窒素原子がAに結合している、式(I)の化合物である。
【0036】
好ましくは、nが0又は1である、式(I)の化合物である。特に好ましくは、nが0であるものである。
【0037】
好ましい式(I)の化合物の例は:
1.(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
2.(2−{〔1−(チオフェン−3−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
3.(2−{〔1−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
4.(2−{〔1−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
5.(2−{〔1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
6.(2−{〔1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
7.(2−{〔1−(2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
8.(2−{〔1−(トルエン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
9.(2−{〔1−(2,5−ジメチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
10.(2−{〔1−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
11.(2−{〔1−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
12.(2−{〔1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
13.o−トリル−(2−{〔1−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−メタノン;
14.(2−{〔1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
15.(2−{〔1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
16.(2−{〔1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
17.(2−{〔1−(ピロリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
18.4−{〔5−(2−メチルベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピペリジン−1−スルホン酸ジメチルアミド;
19.(2−{〔1−(モルホリン−4−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
20.(2−{2−〔1−(チオフェン−3−スルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
21.(2−{2−〔1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
22.(S)−2−{〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
23.(S)−2−{〔5−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
24.(S)−(2−エチル−フェニル)−(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−メタノン;
25.(S)−(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
26.(S)−(2−{〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
27.4−〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
28.4−〔5−(2−メチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
29.4−〔5−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
30.4−〔5−(ピリジン−2−カルボニル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
31.(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
32.(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
33.(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
34.{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−ピリジン−2−イル−メタノン;
35.ピリジン−2−イル−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
36.{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−ピリジン−2−イル−メタノン;
37.{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
38.{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
39.{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
40.{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;
41.{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;及び
42.{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン
である。
【0038】
特に好ましい式(I)の化合物の例は:
4−{〔5−(2−メチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピペリジン−1−スルホン酸ジメチルアミド;
(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;及び
{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン
である。
【0039】
式(I)の化合物の製造方法は、本発明の目的である。本発明の式(I)の化合物の調製は、連続又は集中した合成経路によって実施することができる。本発明の合成を以下のスキームに示す。反応及び得られた生成物の精製を実施するためのスキルは、当該技術において公知である。方法についての以下の記載において使用される置換基及びインデックスは、これに反する旨が示されていない限り、上記の意味を有する。
【0040】
一般式(I)の化合物は、以下のようにして、スキーム1に従って調製することができる。
a)Bocで保護されたピペリジンアミン及びBocで保護されたピロリジンアミンIA(いずれも商業的に入手可能であるか、又は文献に既に記載されている)を、当該技術で記載されている種々の手順で、チオウレアに変換することができる。しかし、溶媒中で、式IAをベンゾイルイソチオシナートと反応させ、次いでベンゾイル基を塩基性除去してチオウレアIBを遊離させることが、都合がよいことが見出された。そのような反応を実施するための、文献記載の反応条件については、例えばTetrahedron 1963, 19, 1603を参照されたい。
【0041】
b)チオウレアIBを、溶媒の存在又は非存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと、それぞれジメチルアミノメチレン−チオウレイド誘導体ICにアクセスするために、都合よく反応させることができる。使用する溶媒の性質は特に限定されないが、ただし、反応又は含まれる試薬に悪影響がなく、少なくともいくらかは試薬を溶解することができるものとする。適切な溶媒の例は、DMF及びジオキサン等を含む。反応は、広範な温度範囲で実施することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。周囲温度から還流温度まで加熱して反応を実施することが、好都合であることが見出された。反応に要する時間もまた、広範囲で変動させることができ、多くの要因、特に反応温度及び試薬の性質に依存する。しかしながら、0.5時間から数日という期間が通常、ジメチルアミノメチレン−チオウレイド誘導体ICを得るのに十分であろう。そのような反応を実施するための、文献記載の反応条件については、例えばHeterocycles 11, 313−318; 1978を参照されたい。
【0042】
c)ジメチルアミノメチレン−チオウレイド誘導体ICを、エタノール等のような溶媒中、塩基の存在下又は非存在下で、α−ブロモケトン(既知の化合物又は既知の方法により調製された化合物である。使用されるα−ブロモケトン源は適切なものである)の反応により、チアゾール誘導体IDに変換することができる。使用する溶媒の性質は特に限定されないが、ただし、反応又は含まれる試薬に悪影響がなく、少なくともいくらかは試薬を溶解することができるものとする。適切な溶媒の例は、ジクロロメタン、クロロホルム又はジオキサン、メタノール、エタノール等を含む。この段階で使用する塩基の性質は特に限定されず、この種の反応で通常、使用されるいかなる塩基をもここで、等しく使用することができる。このような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広範な温度範囲で実施することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。周囲温度から還流温度まで加熱して反応を実施することが、好都合であることが見出された。反応に要する時間もまた、広範囲で変動させることができ、多くの要因、特に反応温度及び試薬の性質に依存する。しかしながら、0.5時間から数日という期間が通常、チアゾール誘導体IDを得るのに十分であろう。そのような反応を実施するための、文献記載の反応条件については、例えばJ. Heterocycl. Chem., 16 (7), 1377−83; 1979を参照されたい。得られた式IDの化合物は、本発明の化合物であり、所望の生成物であり得る。
【0043】
d)あるいは、文献に幅広く記載の方法によるBoc保護基の除去のような連続した反応に付して、所望のチアゾール誘導体IEを得ることができる。酸性条件下、溶媒の存在下又は非存在下で式IDからのBoc保護基を除去することが好都合であることが見出された。使用する溶媒の性質は特に限定されないが、ただし、反応又は含まれる試薬に悪影響がなく、少なくともいくらかは試薬を溶解することができるものとする。適切な溶媒の例は、ジオキサン、THF等を含む。この段階で使用する酸の性質は特に限定されず、この種の反応で通常、使用されるいかなる酸をもここで、等しく使用することができる。このような酸の例は、HCl、TFA等を含む。反応は、広範な温度範囲で実施することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。周囲温度から還流温度まで加熱して反応を実施することが、好都合であることが見出された。反応に要する時間もまた、広範囲で変動させることができ、多くの要因、特に反応温度及び試薬の性質に依存する。しかしながら、0.5時間から数日という期間が通常、チアゾールIE又はそれぞれの塩を得るのに十分であろう。そのような反応を実施するための、文献記載の反応条件については、例えばHeterocycles 1991, 32, 1699を参照されたい。
【0044】
e)当該技術で既知の方法に従って、適切な出発物質から、スルホンアミド、スルホン酸誘導体、アミド、カルバマート及びウレアを調製することができる。スルホンアミド、スルホン酸誘導体、アミド、カルバマート及びウレアにアクセスするための式IEにおけるアミノ部分の変換は、文献記載の方法で実施することができる。例えば、一般式(I)の化合物にアクセスするためのアミン誘導体IE又はそれらの対応する塩の変換は、式IEを、それぞれ適切な酸クロリド、スルホニルクロリド、スルファモイルクロリド、イソシアナート、クロロホルマート又はカルボン酸エステル(既知の化合物又は既知の方法により調製された化合物)と、溶媒の存在下又は非存在下で、かつ塩基の存在下で反応させることにより実施することができる。使用する溶媒の性質は特に限定されないが、ただし、反応又は含まれる試薬に悪影響がなく、少なくともいくらかは試薬を溶解することができるものとする。適切な溶媒の例は、DCM、クロロホルム、ジオキサン、MeOH又はTHF等を含む。この段階で使用する塩基の性質は特に限定されず、この種の反応で通常、使用されるいかなる塩基をもここで、等しく使用することができる。このような塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等を含む。反応は、広範な温度範囲で実施することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。周囲温度から還流温度まで加熱して反応を実施することが、好都合であることが見出された。反応に要する時間もまた、広範囲で変動させることができ、多くの要因、特に反応温度及び試薬の性質に依存する。しかしながら、0.5時間から数日という期間が通常、チアゾール誘導体(I)を得るのに十分であろう。そのような反応を実施するための、文献記載の反応条件については、例えば、Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい。
【0045】
【化5】

【0046】
薬学的に許容し得る塩への式(I)の化合物の変換は、そのような化合物を、例えば塩酸若しくは臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸で、又は例えば酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸若しくはp−トルエンスルホン酸で処理することにより実施することができる。対応するカルボン酸塩はまた、式(I)の化合物から生理学的に適合し得る塩基で処理することにより調製することができる。
【0047】
薬学的に許容し得るエステル又はアミドへの式(I)の化合物の変換は、例えば分子中の適切なアミノ基又はヒドロキシル基を、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)又はN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)のような縮合剤とともに、酢酸のようなカルボン酸で処理して、カルボン酸エステル又はカルボン酸アミドを調製することにより、実施することができる。
【0048】
好ましい式(I)の化合物の製造方法は、式(I)の化合物を得るために、式:
【0049】
【化6】

【0050】
の化合物を、式:
【0051】
【化7】

【0052】
の存在下で反応させることを含む
(式中、R〜R、A、A、A及びnは、先に記載したとおりであり、Rは、クロロ 又はヒドロキシである)。好ましくは、Rがクロロである、上記の方法である。特に好ましくは、反応が、溶媒の存在下又は非存在下で、かつ塩基の存在下で行われる、上記の方法である。好ましい溶媒は、例えばDMC、クロロホルム、ジオキサン、MeOH及びTHFである。好ましい塩基の例は、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンである。
【0053】
好ましい中間体は:
{2−〔(ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;塩酸塩
〔2−(2−ピペリジン−2−イル−エチルアミノ)−チアゾール−5−イル〕−o−トリル−メタノン;塩酸塩
(S)−2−{〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
である。
【0054】
上記の式(I)の化合物の治療上の有効物質としての使用は、本発明のさらなる目的である。
【0055】
また、本発明の目的は、NPY受容体が関連する障害によって生ずる疾患の予防及び治療用の医薬の製造のための上記の化合物、特に関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の予防及び治療用の医薬の製造のための上記の化合物である。
【0056】
同様に、本発明の目的は、上記の式(I)の化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物である。
【0057】
本発明の目的はまた、医薬、特に関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の治療及び予防用の医薬の製造のための上記の化合物の使用である。
【0058】
本発明のさらなる目的は、上記の方法の一つで製造された化合物を含む。
【0059】
本発明のさらなる目的は、上記の化合物の有効量を投与することによる、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の治療及び予防の方法である。
【0060】
本発明のさらなる実施態様によれば、肥満治療を必要とするヒトに、治療上有効量の式(I)の化合物及び治療上有効量のリパーゼ阻害剤を投与することを含む、肥満の治療方法であり、特に好ましくは、リパーゼ阻害剤がオルリスタットである方法である。本発明の目的はまた、同時投与、単独投与又は連続投与するための上記の方法である。
【0061】
さらなる好ましい本発明の実施態様は、リパーゼ阻害剤を用いた処置も受けている患者の肥満の治療及び予防用医薬の製造における、式(I)の化合物の使用であり、特に、好ましくはリパーゼ阻害剤がオルリスタットであるものである。
【0062】
本発明の目的はまた、アルコール中毒の予防及び治療用の医薬の製造のための上記の化合物である。
【0063】
本発明の目的はまた、アルコール中毒の予防及び治療の方法である。
【0064】
アッセイ手順
マウスNPY5受容体cDNAのクローニング:
マウスNPY5(mNPY5)受容体をコードしている完全長cDNAを、公開されている配列及びPfu DNAポリメラーゼに基づいて設計した特定のプライマーを用いて、マウスの脳cDNAから増幅した。増幅生成物を、Eco RI及びXhoI制限部位を用いて、哺乳類の発現ベクターpcDNAにサブクローンした。ポジティブクローンを配列し、公開されている配列をコードしている1個のクローンを安定細胞クローンの生成のために選択した。
【0065】
安定トランスフェクション:
ヒト胎生期腎293(HEK293)細胞を、リポフェクタミン(lipofectamine)試薬用いて、mNPY5 DNA 10μgでトランスフェクトした。トランスフェクションの2日後、ジェネティシン(geneticin)選択(1mg/ml)を開始し、安定クローンを数個単離した。1個のクローンを、さらに薬理学的特徴付けのために使用した。
【0066】
放射性リガンド競合結合:
組換えマウスNPY5受容体(mNPY5)を発現しているヒト胎生期腎293細胞(HEK293)を、低張トリス緩衝液(5mM、pH7.4、1mM MgCl)中で3サイクルの凍結/解凍により破壊し、均質化し、72,000xgで15分間遠心分離した。ペレットを、25mM MgCl、250mMスクロース、0.1mMフッ化フェニルメチルスルホニル及び0.1mM 1,10−フェナントロリンを含むpH7.4の75mMトリス緩衝液で2回洗浄し、同じ緩衝液中に再懸濁し、アリコート中で−80℃で保存した。タンパク質を、ウシ血清アルブミン(BSA)を標準として使用し、Lowry法に従って決定した。
【0067】
放射性リガンド競合結合アッセイを、25mM Hepes緩衝液(pH7.4、2.5mM CaCl、1mM MgCl)250μL、1%ウシ血清アルブミン、及びタンパク質5μgを含む0.01% NaN、100pM〔125I〕標識ペプチドYY(PYY)、ならびに増加量の未標識試験化合物を含む10μL DMSO中で行った。22℃で1時間培養した後、結合及び遊離リガンドをガラス繊維フィルタ上の濾過により分離した。非特異的結合を、1μM 未標識PYY存在下で評価した。特異的結合を、全結合量と非特異的結合の差異として定義した。IC50値を、〔125I〕標識ニューロペプチドYの結合の50%を置換えるアンタゴニストの濃度として定義した。これは、結合データをlogit/log変換後、線形回帰分析により決定した。
【0068】
本発明の代表的な化合物を試験化合物として使用した前記試験で得られた結果を、下記表に示す:
【0069】
【表1】

【0070】
上述の好ましい化合物は、1000nM未満のIC50の値を有し、より好ましい化合物は、100nM未満、特に10nM未満のIC50の値を有する。最も好ましい化合物は、2nM未満のIC50の値を有する。これらの結果は、前記試験で得られた。
【0071】
式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、医薬(例えば製剤の形態)として使用することができる。製剤は、内用、例えば経口(例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、溶剤、乳剤又は懸濁剤の形態)経鼻(例えばスプレー式点鼻薬の形態)又は経腸(例えば、座薬の形態)で投与することができる。しかしながら、非経口でも、例えば、筋肉内で又は静脈内(例えば、注射溶液の形態)でも、投与は行うことができる。
【0072】
式(I)の化合物、並びに薬学的に許容し得る塩及びエステルは、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセルの製造のために、薬学的に不活性な無機又は有機アジュバントを用いて加工することができる。例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセルのそのようなアジュバントとして、ラクトース、コーンスターチ又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩等を使用することができる。
【0073】
軟ゼラチンカプセルための適切なアジュバントは、例えば植物油、ロウ、脂肪、半固体物質及び液体ポリオール等である。
【0074】
溶液及びシロップの製造のための適切なアジュバントは、例えば水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0075】
注射溶液の製造のための適切なアジュバントは、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0076】
座薬のための適切なアジュバントは、例えば天然油及び硬化油、ロウ、脂肪、半固体物質又は液体ポリオール等である。
【0077】
さらに、製剤は、防腐剤、可溶化剤、増粘物質、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらはまた、別の治療上有益な物質を含むことができる。
【0078】
本発明によれば、式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩は、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、腎不全、特に摂食障害及び肥満の予防及び治療のために使用することができる。用量は、幅広い範囲で変化させることができ、当然ながら、具体的な各症例における個々の要求に適合させることができよう。一般に、経口投与の場合、1日用量は、体重1kg当たり約0.1〜20mg、好ましくは約0.5〜約4mg(例えば、1人当たり約300mg)を、好ましくは、1〜3回の単回用量、例えば、それぞれ同量からなる用量に分けて投与するのが適切であろう。しかし、前記の用量の上限は、必要であるときはこれを超えることができることが明らかであろう。
【0079】
本発明を以下の実施例により説明するが、それにより限定するものではない。
【0080】

例A
4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルエステル
【0081】
【化8】

【0082】
THF150ml中の4−アミノメチル−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(商業的に入手可能)17.7g(82.6mmol)の溶液を、ベンゾイルイソチオシアナート11.1ml(82.6mmol)で処理し、室温で1時間、攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣を、MeOH100ml中に取り、水100ml中の炭酸カリウム34.2g(248mmol)で処理した。混合物を室温で16時間攪拌した後、すべての揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。揮発性物質を蒸発させた後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール88.1ml(661mmol)を添加し、混合物を110℃で16時間加熱した。沈殿物を濾取して、n−へキサンで洗浄し、乾燥させ、標題の化合物21.5g(79%)を桃色の非晶質固体として得た。
MS(m/e):329.4(MH+,100%)
【0083】
例B
2−〔2−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイド)−エチル〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
【0084】
【化9】

【0085】
4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(例A)の合成について記載した手順に従って、2−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルエステル(商業的に入手可能)から出発して、2−〔2−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイド)−エチル〕−ピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルエステル(例B)を合成した。
MS(m/e):343.4(MH+,100%)
【0086】
例C
2−ブロモ−1−(2−エチル−フェニル)−エタノン
【0087】
【化10】

【0088】
THF120ml中のジブロモメタン15.2g(88mmol)の溶液に、−75℃で、2MのTHF中のLDAの溶液44ml(88mmol)、次いでTHF80ml中のエチル−安息香酸メチルエステル6.57g(40mmol)を添加した。1.6Mのn−へキサン中のn−ブチルリチウムの溶液37.5mlを添加し、30分後、混合物を−65℃以下で注意深くHCl(37%)35mlで処理した。混合物を、水及びNaHCO3水溶液で洗浄し、有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより、シリカ上、酢酸エチル/へキサン(1:9)で2回溶離により精製し、標題の化合物3.8g(41%)を黄色の油状物として得た。
MS(m/e):227.1(M+H,100%)
【0089】
例D
{2−〔(ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;塩酸塩
【0090】
【化11】

【0091】
EtOH3ml中の4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.787g(2.4mmol)、2−ブロモ−l−o−トリル−エタノン0.61g(2.88mmol)及びNEt31002μl(7.2mmol)の混合物を、90℃で16時間加熱した。減圧下で濃縮した後、混合物を希釈NaHCO3水溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、MgSO4層がトップのシリカプラグで濾過し、真空下で濃縮して、中間体4−{〔5−(2−メチルベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル707mg(71%)を得た。
MS(m/e):416.3(MH+,100%)
【0092】
残渣をジオキサンに取り、ジオキサン中の4N HCl溶液10mlを添加した。混合物を、室温で16時間、攪拌し、溶媒を蒸発させて、標題の化合物598mg(quant.)を得た。
MS(m/e):315.7(MH+,100%)
【0093】
例E
〔2−(2−ピペリジン−2−イル−エチルアミノ)−チアゾール−5−イル〕−o−トリル−メタノン;塩酸塩
【0094】
【化12】

【0095】
EtOH3ml中の2−〔2−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイド)−エチル〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.787g(2.4mmol)、2−ブロモ−l−o−トリル−エタノン0.61g(2.88mmol)及びNEt31002μl(7.2mmol)の混合物を、90℃で16時間加熱した。減圧下で濃縮した後、混合物を希釈NaHCO3水溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、MgSO4層がトップのシリカプラグで濾過し、減圧下で濃縮して、中間体2−{2−〔5−(2−メチルベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−エチル}−ピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルエステル710mg(69%)を得た。
MS(m/e):430.5(MH+,100%)
【0096】
残渣をジオキサンに取り、ジオキサン中の4NHCl溶液10mlを添加した。混合物を、室温で16時間、攪拌し、溶媒を蒸発させて、標題の化合物606mg(quant.)を得た。
MS(m/e):329.8(MH+,100%)
【0097】
例1
(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
DCM/MeOH(3/1)の混合物中の{2−〔(ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;塩酸塩35.2mg(0.1mmol),チオフェン−2−スルホニルクロリド(商業的に入手可能)21.9mg(0.12mmol)及びNEt344.6μl(0.32mmol)中の混合物を、60℃で16時間、攪拌した。室温に冷却後、混合物を濃縮し、MeOH(1ml)及びギ酸(0.5ml)を添加し、混合物を、アセトニトリル/水の勾配で溶離させる逆相HPLC精製に付した。得られた画分について溶媒を蒸発させ、標題の化合物22mg(48%)を得た。
MS(m/e):460.2(MH,100%)
【0098】
例1の合成について記載した手順に従い、例2〜19を調製した。対応する出発物質は、表1に挙げたとおりである。
【0099】
例20
(2−{2−〔1−(チオフェン−3−スルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
DCM/MeOH(3/1)の混合物中の〔2−(2−ピペリジン−2−イル−エチルアミノ)−チアゾール−5−イル〕−o−トリル−メタノン;塩酸塩35.2mg(0.1mmol)、チオフェン−3−スルホニルクロリド(商業的に入手可能)21.9mg(0.12mmol)及びNEt344.6μl(0.32mmol)の混合物を60℃で16時間、攪拌した。室温に冷却後、混合物を濃縮し、MeOH(1ml)及びギ酸(0.5ml)を添加し、混合物を、アセトニトリル/水の勾配で溶離させる逆相HPLC精製に付した。得られた画分について溶媒を蒸発させ、標題の化合物7mg(15%)を得た。
【0100】
MS(m/e):474.0(MH,100%)
【0101】
例21
(2−{2−〔1−(3−フルオロベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
例20の合成について記載した手順に従って、(2−{2−〔1−(3−フルオロベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノンを、〔2−(2−ピペリジン−2−イル−エチルアミノ)−チアゾール−5−イル〕−o−トリル−メタノン;塩酸塩及び3−フルオロフェニルスルホニルクロリドから合成した。
MS(m/e):486.2(MH,100%)
【0102】
例F
2−(S)−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピロリジン−l−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル
【0103】
【化13】

【0104】
例A(4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル)に記載の手順に従って、2−(S)−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピロリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルを、(S)−2−(アミノメチル)−1−ピロリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルから調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/へキサン 2:1〜3:1)で精製した。
黄色固体。MS:315.4(M+H)+
【0105】
例G
4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイド)−ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル
【0106】
【化14】

【0107】
例A(4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル)に記載の手順に従って、4−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイド)−ピペリジン−l−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルを、4−アミノ−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルから調製した。
白色固体。Mp170℃;MS:315.4(M+H)+
【0108】
例22
(S)−2−{〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の2−(S)−(3−ジメチルアミノメチレン−チオウレイドメチル)−ピロリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル(150mg)の溶液に、2−ブロモ−1−(2−エチルフェニル)−エタノン(109mg)を添加した。混合物を、室温で65時間、攪拌し、ジクロロメタンで希釈し、水で2回、ブラインで1回、洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣を、シリカゲル(溶離剤:酢酸エチル/へキサン 2:1)のカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色油状物として生成物を得た(129mg、65%)。
【0109】
例1の合成について記載の手順に従い、例23及び27〜30を調製した。対応する出発物質は、表1に記載されている。
【0110】
例24
(S)−(2−エチル−フェニル)−(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−メタノン
(S)−2−{〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(50mg)を、ジオキサン(2ml)に溶解させ、25%塩酸水溶液(0.2ml)の添加に先立ち、溶液を0℃(氷浴)に冷却した。溶液を室温で4時間、攪拌し、蒸発乾固させた。残渣を、ジクロロメタン(2ml)に溶解させ、トリエチルアミン(0.02ml)、続けてジクロロメタン(0.5ml)中のチオフェン−2−スルホニルクロリド(23mg)を添加した。混合物を、室温で5時間、攪拌し、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣を、シリカゲル(酢酸エチル/へキサン 5:1〜1:0)のカラムクロマトグラフィーで精製し、オフホワイトの泡状物として生成物を得た(36mg、65%)。
【0111】
例24の合成について記載した手順に従い、例25、26及び31〜42を調製した。対応する出発物質は、表1に記載されている。
【0112】
【表2】











【0113】
例A
式(I)の化合物は、下記組成の錠剤の製造のための有効成分として、それ自体知られたやり方で使用することができた。
【0114】
錠剤当り
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0115】
例B
式(I)の化合物は、下記組成のカプセルの製造のための有効成分として、それ自体知られたやり方で使用することができた。
【0116】
カプセル当り
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(ここで、
は、アリール、ヘテロシクリル、アミノ又はアルコキシであり;
は、水素、アルキル又はハロゲンであり;
は、アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルであり;
は、C−R又は窒素であり;
は、ピペリジン又はピロリジンであり、ピペリジン及びピロリジン環の窒素原子がAに結合しており;
は、−S(O)−又は−C(O)−であり;
nは、0、1又は2である)
の化合物、並びにそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステル。
【請求項2】
が、ナフチル、ピロリジニル、ジアルキルアミノ、モルホリニル、アルコキシ、フェニル又はチオフェニルであり、ここで、フェニル及びチオフェニルが、場合により、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ及びハロゲンから独立して選択される、1〜3個の置換基で置換されている、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、チオフェニル、クロロチオフェニル、ナフチル、ピロリジニル、ジメチルアミノ、モルホリニル、t−ブトキシであるか、又はフルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル及びニトロから独立して選択される、1若しくは2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が、水素である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
が、窒素である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
が、C−Rである、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
が、メチル、エチル又はトリフルオロメチルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が、−S(O)−である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
が、−C(O)−である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
が、ピペリジンであり、ピペリジン環の窒素原子がAに結合している、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
が、ピロリジンであり、ピロリジン環の窒素原子がAに結合している、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
nが、0又は1である、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(チオフェン−3−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ〕−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(トルエン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(2,5−ジメチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
o−トリル−(2−{〔1−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−メタノン;
(2−{〔1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{〔1−(ピロリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
4−{〔5−(2−メチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピペリジン−1−スルホン酸ジメチルアミド;
(2−{〔1−(モルホリン−4−スルホニル)−ピペリジン−4−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{2−〔1−(チオフェン−3−スルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(2−{2−〔1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−イル〕−エチルアミノ}−チアゾール−5−イル)−o−トリル−メタノン;
(S)−2−{〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
(S)−2−{〔5−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
(S)−(2−エチル−フェニル)−(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−メタノン;
(S)−(2−{〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
(S)−(2−{〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピロリジン−2−イルメチル〕−アミノ}−チアゾール−5−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
4−〔5−(2−エチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
4−〔5−(2−メチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
4−〔5−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
4−〔5−(ピリジン−2−カルボニル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル;
(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−ピリジン−2−イル−メタノン;
ピリジン−2−イル−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;
{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−ピリジン−2−イル−メタノン;
{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{2−〔1−(ナフタレン−1−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;
{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;及び
{2−〔1−(2−メトキシ−5−メチル−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;
から選択される、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
4−{〔5−(2−メチルベンゾイル)−チアゾール−2−イルアミノ〕−メチル}−ピペリジン−1−スルホン酸ジメチルアミド;
(2−エチル−フェニル)−{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−メタノン;及び
{2−〔1−(チオフェン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イルアミノ〕−チアゾール−5−イル}−o−トリル−メタノン;
から選択される、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物の製造方法であって、式(I)の化合物を得るために、式:
【化2】


の化合物を、式:
【化3】


の化合物の存在下で反応させることを含む、方法
(ここで、R〜R、A、A、A及びnは、請求項1に記載のとおりであり、Rは、クロロ又はヒドロキシである)。
【請求項16】
治療上の有効物質として使用するための、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
NPY受容体が関連する障害によって生ずる疾患の予防及び治療用の医薬の製造のための、請求項1〜14いずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
【請求項19】
関節炎、糖尿病、摂食障害及び肥満の治療及び予防用の医薬の製造のための、請求項1〜14いずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項20】
請求項15記載の方法で製造された、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物の有効量を投与することを含む、関節炎、糖尿病、摂食障害及び肥満の治療及び予防の方法。
【請求項22】
肥満治療を必要とするヒトに、治療上有効量の請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物及び治療上有効量のリパーゼ阻害剤を投与することを含む、肥満の治療方法。
【請求項23】
リパーゼ阻害剤がオルリスタットである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
同時投与、単独投与又は連続投与のための、請求項22又は23記載の方法。
【請求項25】
リパーゼ阻害剤を用いた処置も受けている患者の肥満の治療及び予防用の医薬の製造における、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項26】
リパーゼ阻害剤がオルリスタットである、請求項25の使用。
【請求項27】
治療上有効量のリパーゼ阻害剤をさらに含む、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項28】
リパーゼ阻害剤がオルリスタットである、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
本明細書に記載されている発明。

【公表番号】特表2007−501824(P2007−501824A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522950(P2006−522950)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008699
【国際公開番号】WO2005/014593
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】