説明

OA機器用ベルトおよびその製造方法

【課題】材料費が安価でかつ熱硬化工程が不要で、タクトタイムが短く、表面粗さが小さいなどの特徴を有する中間層を備えたOA機器用ベルトおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】環状基材上に、順に、中間層、表層を形成する、転写もしくは転写定着のためのOA機器用ベルトの製造方法であって、固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、前記環状基材にスパイラル状に巻き付ける工程と、巻き付けた熱可塑性樹脂を押圧すると同時に、熱溶融して前記環状基材に接着することにより前記中間層を形成する工程と、を有するOA機器用ベルトの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機などの転写ベルトや転写定着ベルトとして用いられるOA機器用ベルトおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機などの転写ベルトや転写定着ベルトとして用いられるOA機器用ベルトは、一般に、環状基材上に、順に、中間層、表層を形成している。そして、中間層の材料には、弾性を有するものが使用され、例えば、熱可塑性の水性ウレタン(特許文献1)や2液硬化型ウレタン(特許文献2)などは、成型時に液体であり、容易に薄膜形成ができるため、従来より使用されている。
【特許文献1】特開2006−78593号公報
【特許文献2】特願2006−305255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、中間層の材料として、熱可塑性の水性ウレタンを使用した場合は、以下の問題があった。
(1)材料費が高価である。
(2)環状基材表面に、スプレー法で熱可塑性の水性ウレタン薄膜を形成すると、タクトタイムが長くなり(1本のベルトの薄膜形成のタクトタイムは30分)、材料の飛散も多い。
【0004】
また、中間層の材料として、2液硬化型ウレタンを使用した場合は、以下の問題があった。
(1)熱硬化の工程が必要である。
(2)加熱して環状基材と2液硬化型ウレタンを接合する際、2液硬化型ウレタンは熱硬化型材料であり、レベリングしないため、表面粗さが小さい中間層を形成し難い。
(3)2液硬化型ウレタンは粘着性(べたつき)が強く、硬化後は接着できないため、ウレタン層を更に設ける必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、材料費が安価でかつ熱硬化工程が不要で、タクトタイムが短く、表面粗さが小さいなどの特徴を有する中間層を備えたOA機器用ベルトおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、固体の熱可塑性樹脂を中間層として使用することが、材料費、熱硬化工程の省略、中間層形成タクトタイムの短縮などの観点から最適であると判断した。しかし、固体である熱可塑性樹脂をどの様にして薄膜化するかが課題となる。本発明者は、鋭意検討の結果、固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、環状基材にスパイラル状に巻き付けるという特徴ある薄膜形成方法により、上記課題が容易に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、各請求項の発明について説明する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、
環状基材上に、順に、中間層、表層を形成する、転写もしくは転写定着のためのOA機器用ベルトの製造方法であって、
固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、前記環状基材にスパイラル状に巻き付ける工程と、
巻き付けた熱可塑性樹脂を押圧すると同時に、熱溶融して前記環状基材に接着することにより前記中間層を形成する工程と、
を有することを特徴とするOA機器用ベルトの製造方法である。
【0008】
本請求項の発明では、固体の熱可塑性樹脂を中間層の材料として用いるため、2液硬化型ウレタンを中間層の材料として用いたときに必要であった熱硬化工程を省略することができる。しかも、固体の熱可塑性樹脂は、2液硬化型ウレタンと比較して粘着性が弱い(べたつきが少ない)ため、中間層を外周面に形成した環状基材を、環状の表層の内側に挿入して、中間層と表層を接合することが容易となる。さらに、固体の熱可塑性樹脂は、価格が安価である。
【0009】
また、固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、環状基材にスパイラル状に巻き付けて薄膜を成形しているため、固体の熱可塑性樹脂を容易に薄膜化することができる。1本のOA機器用ベルトの薄膜形成のタクトタイムは200秒であり、スプレー法で熱可塑性の水性ウレタン薄膜を形成する場合と比較して、工程時間が短くなり、材料の飛散もない。
【0010】
さらに、前記スパイラル状に巻き付けた熱可塑性樹脂を熱溶融して前記環状基材に接合すると共に、熱可塑性樹脂をレベリングすることにより中間層を形成するため、レべリングをすることができない2液硬化型ウレタンと比較して、表面粗さが小さい中間層を形成することができる。なお、熱溶融して線状としたときの熱可塑性樹脂の太さは、特に限定されるものではないが、レベリングによってより平坦な面を得るには出来るだけ細くすることが好ましい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記熱可塑性樹脂が、熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載のOA機器用ベルトの製造方法である。
【0012】
本請求項の発明では、熱可塑性樹脂が熱可塑性エラストマーであるため、使用温度において良好な弾性を有し、分子量が適度の大きさであり、熱溶融して押出成型したとき、容易に細線化することができる。また、熱可塑性エラストマーは、一般的な環状基材用の材料であるポリイミド樹脂や表層の材料として好適なフッ素樹脂との接着が良好である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系であることを特徴とする請求項2に記載のOA機器用ベルトの製造方法である。
【0014】
本請求項の発明では、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系のものを用いることにより、柔軟性に優れた中間層が得られる。本請求項の発明において適用するスチレン系の熱可塑性エラストマーは、特に限定されないが、好ましい例としては、SEBS(アロン化成社製:品番AR−S−4967C)が挙げられる。このSEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマー)は、スチレンにポリプロピレンが分散したものであり、MFR(L)が10g/10min(試験法:ASTM D 1238、試験条件:温度230℃で荷重2.16kg)である。SEBSは、耐屈曲性および圧縮永久歪みに優れている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、
前記中間層の硬度が、ゴム硬度(JIS Aコード)で80度以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法である。
【0016】
本請求項の発明では、中間層の硬度がゴム硬度(JIS Aコード)で80度以下、好ましくは10〜50度であるため、より弾性に優れた中間層が得られる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、
前記表層の表面の十点平均粗さ(Rz)が、1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法である。
【0018】
本請求項の発明では、表層の表面の十点平均粗さが1μm以下であるため、表面が平滑なOA機器用ベルトが得られる。十点平均粗さとは、JISによって規定されている表面粗さ形状パラメータであって、基準長さごとの山頂の高い方から5点、谷底の低い方から5点を選び、その平均高さをいう(JIS B0601−1994)。
【0019】
請求項6に記載の発明は、
前記中間層の肉厚が、50〜300μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法である。
【0020】
本請求項の発明は、固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、前記環状基材にスパイラル状に巻き付けて成形するため、固体の熱可塑性樹脂を50〜300μm、好ましくは100〜250μmの肉厚の薄膜にすることができる。その結果、適度の肉厚の中間層を形成することができ、適度の弾性や熱伝導性を有する定着ベルトや転写定着ベルトを得ることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、
環状基材上に、順に、中間層、表層を形成した、転写もしくは転写定着のためのOA機器用ベルトであって、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法によって製作されたことを特徴とするOA機器用ベルトである。
【0022】
本請求項の発明では、量産に適した方法でOA機器用ベルトを作製できるため、材料費が安価でかつ熱硬化工程が不要で、タクトタイムが短く、表面粗さが小さいなどの特徴を有する表層を備えたOA機器用ベルトを安定して得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、前記環状基材にスパイラル状に巻き付けて成形した後、巻き付けた固体の前記熱可塑性樹脂を加熱溶融し、前記環状基材に接合すると共にレベリングすることにより前記中間層を形成する。このため、固体の熱可塑性樹脂を容易に薄膜化することができ、材料費が安価でかつ熱硬化工程が不要で、タクトタイムが短く、表面粗さが小さいなどの特徴を有する表層を備えたOA機器用ベルトを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0025】
図1は本発明のOA機器の転写ベルトを示す一部切欠概念図である。図1において、1は環状基材、2は環状基材1上に形成されている中間層、3は中間層2上に形成されている表層である。
【0026】
環状基材1は帯状をしており、図示していないが、内部にはヒータなどが収容されている。環状基材1の材料としては、耐熱性樹脂のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂などが用いられる。
【0027】
中間層2は、その材料として固体の熱可塑性エラストマーが使用される。使用温度において良好な弾性を有し、分子量が適度の大きさであり、熱溶融して押出成型したとき、容易に細線化することができるからである。本実施例では、固体の熱可塑性エラストマーとして、スチレン系のSEBS(アロン化成社製:品番AR−S−4967C)を使用した。このSEBSは、スチレンにポリプロピレンが分散したものである。SEBSのゴム硬度(JIS Aコード)は、50度であり、弾性に優れた中間層2が得られる。
【0028】
また、中間層2の肉厚を200μm程度に設定した。その結果、適度の肉厚の中間層2を形成することができ、適度の弾性や熱伝導性を有する転写定着ベルトを得ることができる。さらに、表層3の表面の十点平均粗さを、1μm以下に設定することにより、表面が平滑なOA機器用ベルトとすることができる。
【0029】
表層3は、その材料としてフッ素樹脂が使用される。離トナー性に優れているからである。本実施例では、フッ素樹脂として、PFA(三井デュポンフロロケミカル社製:950HP)を使用した。このPFAは、固形分が33%、平均粒径が0.2μm程度、かつ、溶融タイプのフッ素樹脂であるため、ディスパージョン法などによる薄膜形成に適しているからである。
【0030】
図1に示した転写ベルトは、例えば、図2に示すフローチャートの製造方法によって製造される。
【0031】
工程S1で、環状基材1を形成する。例えば、ポリイミド製の環状基材1は、以下に記載の方法により形成する。即ち、図3に示すように、所定の外径および長さを有するドラム状の金型5を回転させながら、その外側にポリイミドワニスを塗布し、その後金型5を加熱してイミド化反応を行い、金型5の周囲に厚さ80μm程度のポリイミド製の環状基材1を形成する。
【0032】
次に、工程S2で、環状基材1上に中間層2を形成する。工程S2は、(イ)熱可塑性エラストマーの加熱溶融と溶融した熱可塑性エラストマーの線状押出、(ロ)線状にされた熱可塑性エラストマーの環状基材1への巻き付け、(ハ)巻き付けた熱可塑性エラストマーの加熱溶融による環状基材1との接合およびレベリングからなる。以下図4に基づいて説明する。図4に示すように、金型5を周方向に回転(本実施例の場合、装置の能力の関係から回転速度を207cm/秒とした)させながら、環状基材1の表面に、先端に押出口12を備えた押出機11によって、熱溶融した液状のSEBS2aを線状に連続的に供給する。金型5を回転軸方向(矢印A方向)に沿って連続的に移動(本実施例の場合、装置の能力の関係から移動速度は2mm/秒とした)させると、線状のSEBS2aが環状基材1の表面に螺旋状に整列巻きされ、塗布される。なお、後工程でのSEBS2aのレベリングを考慮すると、線状のSEBS2aの線径はできる限り細くすることが好ましい。
【0033】
押出機11には、井元製作所社製(仕様:スクリューの直径が20mm、スクリューの長さが400mm、モータが750W)の押出機を使用した。図5は、この押出機11のスクリュー回転数とSEBS押出量の関係を示すグラフである。
【0034】
押出条件は、加熱温度がシリンダー1が120℃、シリンダー2が250℃、シリンダー3が250℃、押出口12の直径が1mm、押出口12の長さが14mm、スクリュー回転数が60rpm、SEBS2aの押出量が11.9g/分である。押出口12の長さを14mmと長くした理由は、押出口12での圧損を高めてスクリューの脈動を抑えるとともに、押出口12から押し出される線状のSEBS2aの径を細くするためである。なお、図5に示すように、押出量とスクリューの回転数とはリニアに比例するため、スクリューの回転数を調整することにより、押出量を所望の値に設定することが可能である。
【0035】
こうして、図6に示すように、環状基材1上に線状のSEBS2aが巻き付けられる。線状に巻き付けられたSEBS2aは中間層2を形成する。以上のように、固体のSEBSを熱溶融して線状とし、該線状のSEBS2aを、環状基材1上に螺旋状に巻き付けて薄膜を成形しているため、固体のSEBSを容易に薄膜化することができる。SEBS薄膜形成のタクトタイムは200秒であり、スプレー法で熱可塑性の水性ウレタン薄膜を形成する場合と比較して、工程時間が短くなり、材料の飛散もない。
【0036】
次に、工程S3で、表層3を形成する。即ち、図7に示すように、所定の内径および長さを有するステンレス製の円筒状外筒4を用意する。この円筒状外筒4は、後工程のプラズマ処理の際には、プラズマ発生用電極としても兼用される。さらに、フッ素樹脂であるPFA(三井デュポンフロロケミカル社製:950HP)伸び粉末を水に分散させたディスパージョンを作成する。そして、円筒状外筒4の内周面にPFAディスパージョンをディップにより塗布した後、400℃で焼成する。こうして、円筒状外筒4の内周面に、10μmのフッ素樹脂製の表層3を形成した。
【0037】
次に、工程S4で、内周面に表層3を形成した円筒状外筒4をプラズマ処理室内にセットする。円筒状外筒4の内側には、円筒状外筒4に対向するように対向電極を配置する。プラズマ処理室内は、圧力が800TorrのHe雰囲気とされる。そして、プラズマ発生用電極として兼用される円筒状外筒4と対向電極との間に、出力700W、電圧30KV(VPP)、および周波数20KHzを有する高周波電力を1分間印加する。これにより、円筒状外筒4と対向電極との間の空間にプラズマを発生させ、表層3の内周面をプラズマ処理した。
【0038】
次に、工程S5で、中間層2と表層3を接着する。接着方法としては、金型5から環状基材1と中間層2とからなる半製品のベルトを抜き取り、抜き取ったベルトの中間層2の外周面と表層3の内周面を、真空雰囲気、加熱下で押圧する方法が好ましい。
【0039】
具体的な押圧方法としては、例えばウォータバッグ(シリコンゴム製の円筒形の袋)を使用する方法がある。この方法により、真空雰囲気、加熱下で押圧して接着する様子を図8に概念的に示す。図8において、50はウォータバッグ、52は内圧で膨らんだウォータバッグの胴、55はウォータバッグのエンドプレート、59は加圧用ポンプ、60は真空容器、61は真空容器の蓋、62は真空ポンプ、70はヒータである。
【0040】
金型5から抜き取った半製品のベルト1,2を、ウォータバッグ50の外周に嵌め込む。嵌め込んだウォータバッグ50ごと円筒状外筒4内へ挿入し、全体を真空容器60に入れて真空引きする。その後、ヒータ70で200℃に加熱し、併せてウォータバッグ50の内部に加圧用ポンプ59で加圧流体を充填して膨らませることにより、中間層2の外周面と表層3の内周面を確実に接着させると同時に、線状に巻き付けたSEBS2aをレベリングさせることができる。
【0041】
これにより、表層3の表面の十点平均粗さを1μm以下にすることができ、表面が平滑なOA機器用ベルトとすることができる。また、中間層2のゴム硬度は65程度となり、優れた弾性を有するOA機器用ベルトが得られる。この後、冷却され、転写ベルトが完成する。
【0042】
なお、従来は、環状基材と円筒状外筒との間のクリアランスを小さくしないと、中間層と表層の接着時に表層に皺が発生していたが、本実施例の場合、環状基材1と円筒状外筒4との間のクリアランスが大きくても、中間層2と表層3の接着時に表層3に皺が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のOA機器用ベルトの実施の形態を示す一部切欠概念図である。
【図2】本発明のOA機器用ベルトの製造方法の実施の形態を示すフローチャート図である。
【図3】環状基材を形成する方法を説明するための概念図である。
【図4】中間層を形成する方法を説明するための概念図である。
【図5】スクリュー回転数とSEBS押出量の関係を示すグラフである。
【図6】中間層形成後の形状を示す概念図である。
【図7】表層を形成する方法を説明するための概念図である。
【図8】中間層と表層を接着する方法を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0044】
1 環状基材
2 中間層
2a SEBS
3 表層
4 円筒状外筒
5 金型
11 押出機
12 押出口
50 ウォータバッグ
52 ウォータバッグの胴
55 ウォータバッグのエンドプレート
59 加圧用ポンプ
60 真空容器
61 真空容器の蓋
62 真空ポンプ
70 ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状基材上に、順に、中間層、表層を形成する、転写もしくは転写定着のためのOA機器用ベルトの製造方法であって、
固体の熱可塑性樹脂を熱溶融して線状とし、該線状の熱可塑性樹脂を、前記環状基材にスパイラル状に巻き付ける工程と、
巻き付けた熱可塑性樹脂を押圧すると同時に、熱溶融して前記環状基材に接着することにより前記中間層を形成する工程と、
を有することを特徴とするOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が、熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載のOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項3】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系であることを特徴とする請求項2に記載のOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項4】
前記中間層の硬度が、ゴム硬度(JIS Aコード)で80度以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項5】
前記表層の表面の十点平均粗さ(Rz)が、1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項6】
前記中間層の肉厚が、50〜300μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法。
【請求項7】
環状基材上に、順に、中間層、表層を形成した、転写もしくは転写定着のためのOA機器用ベルトであって、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のOA機器用ベルトの製造方法によって製作されたことを特徴とするOA機器用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−12260(P2009−12260A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175345(P2007−175345)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(599109906)住友電工ファインポリマー株式会社 (203)
【Fターム(参考)】