説明

PCカードイジェクト機構

【課題】PCカードを装着可能な装置の装置幅をより小さくすることが可能なPCカードイジェクト機構を提供する。
【解決手段】PCカードイジェクト機構は、ユーザが操作するために触れる部分が携帯端末1の筐体の外側に突出したイジェクトレバー21と、それの端部に連結された伝達用部材23と、PCカード4に直接作用してそれをコネクタ12から分離させる脱着用部材24とを備えて構成されている。それらは、1対のガイド部材11によって形成されるカードスロットの幅内に収まるように配置している。それにより、携帯端末1の装置幅もほぼカードスロットの幅に抑えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に装着されたPCカードを取り出すための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PCカードは、それの標準規格が定められたこともあって、システムの機能を拡張するためのものとして広く普及している。その規格は、ノート型のパーソナルコンピュータといったシステムを想定して定められている。そのため、ノート型のパーソナルコンピュータ以外のポータブルな電子機器においても広く普及している。
【0003】
PCカード装着可能な装置には、PCカードを収納できる隙間(カードスロット)が形成されている。そのカードスロット内に、PCカードに設けられている端子との接続用のコネクタが配置されている。PCカードの装着は、端子が設けられている端部を先にしてカードスロット内に挿入していくことで行うようになっている。
【0004】
PCカード装着可能な装置には、普通、収納(装着)されたPCカードの脱着(取り外し)を行う機構(PCカードイジェクト機構)が用意されている。そのPCカードイジェクト機構は、コネクタ等に悪影響を与えることなく、接続されているPCカードとコネクタとを分離させるためのものである。一般には、ユーザの操作対象となる部材(レバー、或いはボタン等)を配置して、それをユーザが操作すると、接続されているPCカードとコネクタとを分離するようになっている。
【0005】
ポータブルな電子機器では、一般に高い携帯性(装置の小型化)が要求される。PCカードを装着可能な装置では、それを収納するためのスペース(カードスロット)を確保しなければならない。しかし、従来のPCカードイジェクト機構は、操作対象となる操作部材をPCカードの横に並べるように配置していた。換言すれば、カードスロットが形成している開口(PCカードの挿入口)の長手方向上に、そのカードスロットと並べるように配置していた。そのため、それらを備えた装置の幅が大きくなるという問題点を発生させていた。
【0006】
上記の問題点について、図20、及び図21を参照して具体的に説明する。図20は、従来のPCカードイジェクト機構が適用された携帯型端末装置の斜視図、図21は、その携帯型端末装置の透視図である。なお、携帯型端末装置(以降、携帯端末と略す)は、周知のように、主に現場の作業を支援することを想定して製品化された装置である。
【0007】
図20に示すように、携帯端末201の上面には、各種キーから構成されたキー操作部202、及びユーザに伝達すべき情報を表示する表示部203が配置されている。その筐体の1側面に、PCカード204が収納されるカードスロットが形成されている。
【0008】
携帯端末201の内部には、挿入されてきたPCカード204を導く一対のガイド部材206が配置されている。図20、及び図21に示す携帯端末201におけるカードスロットは、それらガイド部材206によって形成されるスペースである。その奥には、PCカード204の特には図示しない多数の端子が接続されるコネクタ207が配置されている。PCカード204の携帯端末201への装着は、PCカード204をガイド部材206に沿って挿入していき、それに設けられた端子をコネクタ207に接続させることで行われる。
【0009】
従来のPCカードイジェクト機構は、図21に示すように、イジェクトレバー(操作部材)205と、それの端部に連結された伝達用部材208と、PCカード204に直接作用してそれを外に押し出す脱着用部材209とを備えて構成されている。
【0010】
コネクタ207に接続されているPCカード204は、以下のようにしてコネクタ207と分離される。ユーザがイジェクトレバー205を図21中に示す矢印方向に(携帯端末201に向けて)押すと、そのイジェクトレバー205の端部に連結された伝達用部材208の端部を同方向に動かす。その伝達用部材208は、軸210を中心に回転可能に支持され、それの他方の端部は、脱着用部材209に当接されている。その脱着用部材209はPCカード204と接触している。そのため、上記のようにイジェクトレバー205を押すと、伝達用部材208が脱着用部材209を外に向かって押し出すように回転して、PCカード204がコネクタ207から分離される。
【0011】
従来のPCカードイジェクト機構は、上記のようにしてPCカードとコネクタ207を分離させている。しかし、それらを分離させるためにユーザが操作するイジェクトレバー205は、図20、及び図21に示すように、PCカード204を導くガイド部材206の横に並べて配置されていた。そのため、携帯端末201の装置幅も必然的に大きくなっていた。
【0012】
上述の携帯端末201のように、その上面に表示部や各種キーが配置された装置は、普通、上面を避けて手に持った状態で操作される。そのため、装置幅が大きくなると、装置が持ちにくくなって扱いにくくなる。高い操作性の実現を阻害する。そのようなことから、装置幅を小さくすることが強く望まれていた。
【特許文献1】特開平8−129621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、PCカードを装着可能な装置の装置幅をより小さくすることが可能なPCカードイジェクト機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によるPCカードイジェクト機構は、PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されることを前提とし、カードスロットが形成している開口の長手方向上における該開口の範囲内に、該カードスロットに並べた形で配置され、ユーザが操作する操作部分が該装置の筐体に設けられた穴から突出した操作部材と、その範囲内に配置され、操作部分が操作されたとき、カードスロット内のコネクタと接続されているPCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、を具備する。
【0015】
本発明の第2の態様によるPCカードイジェクト機構は、PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されることを前提とし、装置の筐体の一部として配置した操作部材と、操作部材が操作されたとき、カードスロット内のコネクタと接続されているPCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、を具備する。
【0016】
上記第2の態様の構成においては、操作部材にカードスロット内に挿入されたPCカードを覆わせる、ことが望ましい。上記第1、或いは第2の態様の構成においては、操作部材を装置に装着されたバッテリを取り外す場合に操作可能とするか、操作部材を装置のバッテリカバーと兼用させる、ことが望ましい。
【0017】
また、上記の構成に加えて、操作部材を所定の状態に維持して、分離手段によるPCカードとコネクタの分離を防止するための手段を、更に具備することが望ましい。
【0018】
本発明の第3の態様によるPCカードイジェクト機構は、PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されることを前提とし、カードスロット内のコネクタと接続されているPCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、分離手段を外部から操作するための操作手段と、を具備する。
【0019】
上記の構成において、分離手段は、カードスロットが形成している開口の長手方向上における該開口の範囲内に収める、ことが望ましい。また、操作手段としては、装置への操作を防止するためのカバーを用いる、ことが望ましい。また、上記装置が携帯型端末装置であった場合には、操作手段として、携帯型端末装置が装着される通信用のアダプタを用いる、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
PCカード装着可能な装置には、カードスロットと呼ばれるPCカードが収納される隙間が形成されている。本発明は、ユーザに操作させる操作部材、及びその操作部材への操作に応じてPCカードをコネクタから分離させる分離手段を、そのカードスロットの幅(開口(挿入口)の長手方向上の長さ)内に収まるように配置する。それにより、PCカードイジェクト機構が装置の幅の大きさに影響するのが回避される。
【0021】
操作部材を装置の筐体(バッテリカバー等を含む)の一部として配置した場合には、それが筐体に組み入れられることから、操作部材が配置された位置、及び大きさが装置の大きさに影響するのを回避することが可能となる。それにより、PCカードイジェクト機構の実質的な大きさをより小さくすることが可能となる。
【0022】
また、本発明では、PCカードをコネクタから分離させる分離手段を操作するための操作手段を分離手段と別個に構成させる。それにより、ユーザは操作手段を分離手段に取り付けて分離手段を操作しなければならなくなり、PCカードの脱着にはユーザの意図した操作が必要となる。また、操作手段と分離手段は別個であることから、特にPCカードイジェクト機構の装置に搭載される分の構成は簡易化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の斜視図である。図2は、その携帯端末の透視図である。これら図1、及び図2を参照して、第1の実施の形態によるPCカードイジェクト機構について詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、第1の実施の形態が適用された携帯端末1は、その上面に、各種キーから構成されたキー操作部2、及びユーザに伝達すべき情報を表示する表示部3が配置されている。その筐体の1側面に、PCカード4が収納されるカードスロットが形成されている。
【0025】
携帯端末1の内部には、挿入されてきたPCカード4を導く一対のガイド部材11が配置されている。第1の実施の形態において、それらのガイド部材11は、携帯端末1の筐体の内側に、PCカード4の形状に合わせて突起を形成することにより、筐体と一体化させて製作している。
【0026】
PCカード4が収納されるカードスロットは、それら1対のガイド部材11によって形成されるスペースである。その奥には、PCカード4との接続用のコネクタ12が配置されている。そのコネクタ12とは、PCカード4の端子が設けられている側を先にしてガイド部材11に沿って挿入していくことにより接続させることができる。
【0027】
上記した携帯端末1に適用した第1の実施の形態によるPCカードイジェクト機構は、図2に示すように、筐体に沿って配置したイジェクトレバー5と、それの端部に連結された伝達用部材13と、PCカード4に直接作用してそれを外に押し出す脱着用部材14とを備えて構成されている。
【0028】
PCカード4とコネクタ12が接続されている状態から、それらは以下のようにして分離される。なお、PCカード4がコネクタ12に接続されると、脱着用部材14は奥側に押されることになる。その動きは、伝達用部材13を介してイジェクトレバー5に伝達される。そのため、PCカード4装着時におけるイジェクトレバー5は、そうでないときより外側に突出するようになっている。
【0029】
そのイジェクトレバー5をユーザが図1中に示す矢印方向に(携帯端末1に向けて)押すと、そのイジェクトレバー5の端部に連結された伝達用部材13の端部を同方向に動かす。その伝達用部材13は、軸15を中心に回転可能に支持され、それの他方の端部は、脱着用部材14に当接されている。その脱着用部材14はPCカード4と接触している。そのため、上記のようにイジェクトレバー5を押すと、伝達用部材13が脱着用部材14を外に向かって押し出すように回転して、PCカード4はコネクタ12から分離される。
【0030】
第1の実施の形態では、ユーザの操作対象であるイジェクトレバー5を、装着されたPCカード4の上方に配置している。1対のガイド部材11で形成されたカードスロットの開口の長手方向における範囲(以降、これをカードスロットの幅と呼ぶことにする)内に、そのカードスロットに並べたようにしてイジェクトレバー5を収めている。
【0031】
上記のようにイジェクトレバー5を配置すると、ガイド部材11(カードスロット)、PCカードイジェクト機構、及びコネクタ12等からなる構成単位(以降、これを便宜的にPCカードユニットと呼ぶ)の幅はカードスロットの幅内に抑えることができる。カードスロットの横にイジェクトレバーを配置していた従来(図20、図21参照)と比較すると、少なくともイジェクトレバーの幅分は小さくすることができる。そのため、PCカードユニットを搭載する装置においては、その装置幅をより小さくすることができる。それにより、携帯端末1のように、一般的にユーザが手に持った状態で操作される装置においては、持ちやすくなって使い勝手が向上し、より高い作業効率が得られるようになる。
<第2の実施の形態>
図3は、第2の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の斜視図であり、図4は、その携帯端末の透視図である。これら図3、及び図4を参照して、第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同じく、携帯端末に適用されたものである。そのため、同じか、或いはほぼ同じ(基本的に大差がない)ものについては第1の実施の形態の説明時に付与した符号をそのまま使用することにする。これは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0033】
第1の実施の形態では、図1、及び図2に示すように、イジェクトレバー5をPCカード4の上方に配置している。これに対し、第2の実施の形態は、イジェクトレバー21をPCカード4の下方に配置するとともに、それのユーザが操作するために触れる部分(以降、操作部分と呼ぶ)を筐体の外側に突出させて、筐体の外側からユーザが操作するようにしたものである。
【0034】
そのために、第2の実施の形態では、筐体の下面(表示部3等が配置されている面の反対側の面)に細長い形状の穴22を設け、その穴22からイジェクトレバー21の操作部分を筐体の外側に突出させている。イジェクトレバー21の端部は伝達用部材23の端部に連結されており、その伝達用部材23の他方の端部は脱着用部材24と連結されている。
【0035】
イジェクトレバー21と伝達用部材23は、一つの部品として製作されるか、或いはそれらの端部を固定的に連結させたものである。それらの端部は軸25によって回転可能に支持されている。それにより、PCカード4装着時には、PCカード4に押された脱着用部材24の動きが伝達用部材23を介してイジェクトレバー21に伝達されて、イジェクトレバー21の操作部分は図3、及び図4に示す位置に移動するようになっている。
【0036】
そのイジェクトレバー21の操作部分を図3、或いは図4に示す矢印方向に移動させると、その動きは伝達用部材23を介して脱着用部材24に伝達される。そのとき、脱着用部材24は、外部に向かって押し出されるように移動する。このため、ユーザは、イジェクトレバー21を操作することにより、PCカード4とコネクタ12とを分離させることができるようになっている。
【0037】
この第2の実施の形態においては、イジェクトレバー21を装着時のPCカード4の下側に配置させることで、カードスロットの幅内に収めることを可能にしている。そのため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
その第2の実施の形態では、イジェクトレバー21の操作部分が筐体の外側に突出していることから、ユーザが意図しない操作が行われる可能性がある。このため、その意図しない操作を回避するための機構(ロック機構)を備えるようにしても良い。
【0039】
図5は、その一例を示す図である。図5に示す例は、イジェクトレバー21が穴22を移動することに着目してPCカード4を取り出せない状態にする方式のロック機構例である。それは、図3中に実線の丸で示すA部に取り付けられるものである。
【0040】
このロック機構は、穴22に突出させたり、そこから元の位置に戻したりすることを任意に行えるつまみ26を筐体に取り付けたものである。図5(a)に示すように、そのつまみ26を穴22に突出させると、イジェクトレバー21が移動する経路がふさがれてPCカード4を取り出せないようにロックすることができる。また、図5(b)に示すように、その状態からつまみ26を元の状態、即ち穴22から退けると、イジェクトレバー21を移動させる経路が確保されてPCカード4を脱着させることができるようになる。このようなロック機構を設けることにより、ユーザが意図しないPCカード4の取り外しを確実に防止することができる。
<第3の実施の形態>
上記第1、及び第2の実施の形態では、イジェクトレバーを装着時のPCカード4の上方や下方に配置することでPCカードユニットの幅を小さくしている。これに対し、第3の実施の形態は、筐体の一部を構成するようにイジェクトレバーを配置することにより、PCカードユニットの幅を小さくしたものである。
【0041】
図6は、第3の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)を示す図である。この図6を参照して、第3の実施の形態について詳細に説明する。図6に示すように、第3の実施の形態では、筐体の側面の一部となるようにイジェクトレバー31を配置している。そのレバー31は操作部分(一方の端部)を外側に向けて操作するようにしている。他方の端部と伝達用部材32の端部とはヒンジ33によって連結されている。伝達用部材32の内側には、特には図示しない脱着用部材を外部に向けて押し出してPCカード4とコネクタ12とを分離させるための突起32aが形成されている。
【0042】
以上の構成において、PCカード4取り出し時における動作を説明する。PCカード4が携帯端末1に装着、より具体的には、PCカード4とコネクタ12とが接続された状態でユーザがイジェクトレバー31の操作部分を外側(図6中に矢印で示す方向)に引くと、その動きはヒンジ33を介して伝達用部材32に伝達される。そのとき、伝達用部材32は、ヒンジ33を軸として回転して、その突起32aを図6中に示す矢印方向に移動させる。その突起32aは、同じ方向に脱着用部材を押し出す。それにより、PCカード4も押し出されて、コネクタ12から分離されることになる。
【0043】
この第3の実施の形態では、イジェクトレバー31を従来と同じようにPCカード4の横に配置している。しかし、そのイジェクトレバー31は、筐体の一部を構成するように配置している。例えば、筐体に用いる部材に、イジェクトレバー31の形状に合わせて切り欠きを形成し、その切り欠きにイジェクトレバー31を収めるようにして配置している。それにより、イジェクトレバー31は携帯端末1を構成する必要な他の部品の一部に組み込まれたようになる。PCカードユニットの幅を計る際には関係のない部品のようになる。そのため、PCカードユニットの幅を実質的に小さくすることができ、第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と実質的には同様の効果を得ることができる。
【0044】
この第3の実施の形態においても、イジェクトレバー31の操作部分(端部)が筐体の一部となるように配置しており、ユーザが意図しない操作が行われる可能性がある。このため、その意図しない操作を回避するためのロック機構を備えるようにしても良い。
【0045】
図7は、そのロック機構例を示す図である。図7(a)は、つまみ34をスライドさせてイジェクトレバー31をロックさせるスライド式のロック機構例、同図(b)は、つまみ35を、軸36を中心に回転させてイジェクトレバー31をロックさせる回転式のロック機構例である。このようなロック機構を図6中に実線の丸で示すB部内に設けることにより、この第3の実施の形態においてもユーザが意図しないPCカード4の脱着を確実に防止することができる。
<第4の実施の形態>
図8は、第4の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の透視図である。この図8を参照して、第4の実施の形態について詳細に説明する。この第4の実施の形態も、上記第3の実施の形態と同じく、筐体の一部を構成するようにイジェクトレバー41を配置したものである。
【0046】
第4の実施の形態では、図8に示すように、筐体の1側面全域にわたる長さのイジェクトレバー41を配置している。そのイジェクトレバー41は、L字型の形状であり、その折り曲がった部分が軸42によって回転可能に支持されている。カードスロットの挿入口付近に位置している端部が操作部分である。他方の端部には突起41aが形成されている。その突起41aは、脱着用部材43の突起43aに当接した状態となっている。
【0047】
この第4の実施の形態においても、イジェクトレバー41の操作部分を外側に開くように(図8中に示す矢印方向に)操作するようになっている。そのように操作すると、イジェクトレバー41は軸42を中心にして回転するため、それに設けられた突起41aは脱着用部材43の突起43aを押し出すように(図8中に示す矢印方向に)動く。それにより、脱着用部材43はPCカード4を外部に向かって押しだし、コネクタ12と分離させる。
【0048】
この第4の実施の形態においても、イジェクトレバー41を筐体の一部として配置していることから、上記第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、イジェクトレバー41の操作方法は外側に引くようになっていることから、それへの意図しない操作が行われるのを防止するロック機構においても、図7に示すようなロック機構を採用することができる。
<第5の実施の形態>
図9は、第5の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の斜視図であり、図10は、その携帯端末の透視図である。これら図9、及び図10を参照して、第5の実施の形態について詳細に説明する。
【0049】
この第5の実施の形態では、図9、及び図10に示すように、カードスロットが形成されている面の反対側の面の一部としてイジェクトレバー51を配置したものである。それにより、上記第3の実施の形態等と同様の効果を得られるようになっている。
【0050】
そのイジェクトレバー51は、軸52によって回転可能に支持されている。筐体の角側の端部が操作部分であり、それを外側に開くように(図中に示す矢印方向に)引くことで操作する。そのような操作を行うと、イジェクトレバー51は軸52を中心に回転して、他方の端部が逆向きに(図中に示す矢印方向に)動き、それに設けた突起53が、脱着用部材54に設けた突起55をその方向に押すことになる。その動きにより、脱着用部材54はPCカード4を外部に向かって押しだされ、PCカード4はコネクタ12から分離される。
【0051】
なお、この第5の実施の形態においても、筐体の一部となるようにイジェクトレバー51を配置していることから、上記第4の実施の形態と同様に、図7に示すロック機構を採用することができる。
<第6の実施の形態>
図11は、第6の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)を示す図である。同図(a)はそれの透視図、同図(b)はそれの断面図である。この図11を参照して、第6の実施の形態について詳細に説明する。
【0052】
第6の実施の形態が適用された携帯端末1は、図11(a)に示すように、筐体をPCカード4用のガイド部材11として用いるのではなく、その役割を果たすコネクタガイド61を装置内部に配置したものである。そのコネクタガイド61は、全体の形状はU字型であり、底にあたる部分にコネクタ12が配設されている。また、コネクタガイド61によってカードスロットが形成された筐体の側面には、それを覆うカードカバー64が設けられている。そのカードカバー64は、ユーザが手動で開閉させるものである。
【0053】
イジェクトレバー62は、そのコネクタガイド61に、軸63によって回転可能に支持されている。そのイジェクトレバー62は、上方から見た場合の形状が全体としてほぼL字型をしており、外部に突出している端部が操作部分となっている。他方の端部がPCカード4と当接するようになっている。操作部分は、図11(b)に示すように、筐体に形成されている窪み内に突出しており、その窪み内を移動させる操作を行うようになっている。
【0054】
上記イジェクトレバー62は、PCカード4がコネクタ12と接続されている際には図11(a)に示す状態となっている。その状態から、操作部分を図中に示す矢印方向に動かすと、軸63を中心に回転して、他方の端部がPCカード4を外部に向けて押し出すことになる。それにより、PCカード4をコネクタ12から分離させることができるようになっている。
【0055】
この第6の実施の形態においても、イジェクトレバー62が占める部分はカードスロットの幅内である。それにより、上記した各実施の形態と同様の効果が得られるようになっている。
<第7の実施の形態>
図12は、第7の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)を示す図である。同図(a)はそれの透視図、同図(b)はそれの断面図である。この図12を参照して、第7の実施の形態について詳細に説明する。
【0056】
上記第6の実施の形態では、イジェクトレバー61の操作部分とPCカード4とがコネクタ12を挟むような形となっている。そのような配置では、PCカードユニットの長手方向の長さが長くなる。そのため、それを搭載する携帯端末1の長手方向の長さも長くなりやすい。第7の実施の形態は、PCカードユニットの幅が大きくなるのを回避しつつ、そのようなことになるのを回避できるようにしたものである。
【0057】
その第7の実施の形態では、図12に示すように、イジェクトレバー71を装着時のPCカード4の上方に、カードスロットと並んでいるように配置している。それの操作部分となる端部は、カードカバー64の近傍に位置し、他方の端部は装着されたPCカード4と当接するようになっている。
【0058】
その操作部分は、ユーザがカードカバー64を開けて操作するようにしている。PCカード4の装着時において、その操作部分を図12中に示す矢印方向に操作すると、イジェクトレバー71は軸72を中心に回転して、PCカード4に当接している端部がそれを外部に向けて押し出す(図中の示す矢印参照)。それにより、PCカード4はコネクタ12から分離される。
【0059】
この第7の実施の形態では、図11(a)から明らかなように、PCカードユニットは携帯端末1の上方から見て、コネクタガイド61が占めている範囲内に収まるようになっている。それにより、第6の実施の形態と比較して、長手方向の長さを短くしている。そのため、それを搭載する携帯端末(装置)1の長手方向の長さ(装置長)もより短くすることができるようになっている。
<第8の実施の形態>
図13は、第8の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)を示す図である。同図(a)はそれの透視図、同図(b)はそれの断面図である。この図13を参照して、第8の実施の形態について詳細に説明する。この第8の実施の形態は、筐体の一部を構成するようにイジェクトレバー81を配置したものである。
【0060】
図13に示すように、第8の実施の形態では、イジェクトレバー81を携帯端末1の背面(上面と対向している面)に配置している。その断面形状はL字型であり、その折り曲がり部分が軸82によって回転可能に支持されている。筐体の一部を構成している側の端部が操作部分である。携帯端末1の内側に位置する他方の端部には装着されたPCカード4と接触する接触用部材83が配設されている。それにより、操作部分を外部に向けて図中に示す矢印方向に操作すると、イジェクトレバー81は軸82を中心に回転してPCカード4と接触している接触部材83を外部に向けて押しだし、PCカード4をコネクタ12から分離するようになっている。
【0061】
この第8の実施の形態では、携帯端末1の長手方向の長さを短くできるように、コネクタ12から見て、イジェクトレバー81をPCカード4が位置する側に配置させている。それにより、上記第7の実施の形態と同様の効果を実現させている。また、特には図示していないが、第8の実施の形態では、イジェクトレバー81の幅をカードスロットの幅より小さくすることにより、PCカードユニットの幅も最小限に抑えている。
【0062】
上記第7の実施の形態では、イジェクトレバー71を筐体内部に配置しているため、イジェクトレバー71を操作できるスペースを筐体内部に確保しなければならない。それにより、装置の高さ(装置高)が高くなる傾向がある。しかし、イジェクトレバー81を筐体の一部となるように配置した場合、そのようなスペースを確保する必要はない。そのため、第8の実施の形態には、第7の実施の形態と比較すると、装置高をより小さくすることができるようになるという効果もある。
【0063】
なお、携帯端末1の長手方向の長さが長くても良い場合もある。そのような場合には、コネクタ12から見て、イジェクトレバー81の操作部分をPCカード4とは反対となる側に位置させるようにしても良い。
<第9の実施の形態>
上記第6〜第8の実施の形態が適用された携帯端末1は、カードカバー64を備えており、PCカード4の着脱時にはカードカバー64の開閉操作が必要となっている。この第9の実施の形態は、カードカバー64をイジェクトレバー91に兼用させることにより、カードカバー64への操作をなくして操作性を向上させたものである。
【0064】
図14は、第9の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の断面図である。図14を参照して、第9の実施の形態について詳細に説明する。第9の実施の形態では、携帯端末1の上面にはキー操作部2等が配設されていることから、イジェクトレバー91を背面(下面)側に配置している。そのイジェクトレバー91は、中央の線を長くしたカタカナの“コ”の字型の断面形状をしており、その一つの角が軸92によって回転可能に支持されている。内側に位置する端部には装着時のPCカード4と接触する接触用部材93が配設されている。他方の端部、及びその近傍が操作部分である。その端部は、特には図示していないが、PCカード4の幅に合わせて、それとほぼ同じか、或いはそれよりも多少大きく製作している。他の部分はカードスロットよりも幅を小さくしている。それにより、PCカードユニットの幅をカードスロットの幅に抑えつつ、装着されたPCカード4も覆えるようになっている。
【0065】
上記のように構成した場合、イジェクトレバー91を開けた状態でPCカード4をコネクタガイド61に沿って挿入していくと、その端部が接触用部材93を押して、軸92を中心にイジェクトレバー91は図中に示す矢印の反対方向に回転する。そのため、PCカード4を装着する操作を行うだけで、イジェクトレバー91にPCカード4を覆わせることができる。
【0066】
PCカード4を深く挿入すると、イジェクトレバー91が閉じて、それの操作部分側の端部がユーザの指に当たって操作の邪魔になる。その不具合は、PCカード4への作用を及ぼさない遊びをイジェクトレバー91に用意するか、或いは端部を変形可能に製作することで回避することができる。
【0067】
前者を採用した場合、装着したPCカード4は遊びによってイジェクトレバー91を閉じた状態に支持しなくなる。そのため、スプリングといった弾性部材等を用いてイジェクトレバー91を閉じた状態に維持する構成も合わせて備えることが望ましい。後者を採用した場合には、例えば、弾性力を備えた変形可能な部材を用いて端部を形成しても良く、或いは端部をイジェクトレバー91本体に柔軟に支持させても良い。当然のことながら、これらを組み合わせても良い。
【0068】
一方、PCカード4装着時からイジェクトレバー91を図中に示す矢印方向に操作した場合には、接触用部材93がPCカード4を外部に押し出すように動く。そのため、PCカード4装着時には、イジェクトレバー91を操作するだけでPCカード4を取り出すことができる。
【0069】
このように、第9の実施の形態では、装着されたPCカード4を覆うようになっているにも関わらず、ユーザはそれを意識せずに操作できるようになっている。カードカバー64の開閉操作に対応する操作を無くすことにより、上記第6〜第8の実施の形態と比較して、PCカード4の装着時、及び脱着時における操作の工程数を共に少なくしている。それにより、それらの実施の形態と比較して、より高い操作性も得られるようになっている。
<第10の実施の形態>
一般に、携帯端末にはPCカードとしてメモリカードが装着されるようになっている。メモリカードでは、アクセス中にそれを脱着させると、それに書き込まれたデータが破壊されるといったことが発生することがある。メモリカードに書き込まれているデータは、普通、ユーザ(作業員)が現場で多大な時間をかけて入力したものである。そのため、データ入力のやり直しには多大な時間がかかる。主に現場でデータ入力が行われていることから、データもバックアップされていないことが殆どである。従って、それが発生したときの被害は甚大である。第10の実施の形態は、PCカードユニットの幅をカードスロットの幅に抑えつつ、このようなことが発生するのも回避できるようにしたものである。
【0070】
図15は、第10の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の断面図である。同図(a)は、バッテリ装着時の断面図、同図(b)はバッテリ脱着時の断面図である。この図15を参照して、第10の実施の形態について詳細に説明する。
【0071】
当然のことながら、バッテリを外すと装置の電源はオフになる。電源がオフになっていると、普通、装置はPCカードにアクセスすることができない。このことから、第10の実施の形態は、携帯端末1からバッテリ102を取り外しているときだけPCカード4を取り出せるようにしたものである。
【0072】
そのバッテリ102は、図15(a)に示すように、バッテリカバー101内に収納された状態で携帯端末1に装着されている。イジェクトレバー103は、図15(b)に示すように、それをスライドさせると、PCカード4をコネクタ12から分離するようになっている。そのイジェクトレバー103の幅は、特には図示していないが、PCカードユニットの幅が大きくならないように、PCカード4の幅以内としている。
【0073】
イジェクトレバー103の操作部分は、装着時のバッテリ102の裏側に隠れる位置に配置することで、バッテリ102を取り外したときだけ露出させるようにしている。換言すれば、携帯端末1からバッテリ102を取り外さない限り、イジェクトレバー103は操作できないようになっている。それにより、PCカード4がアクセス中にそれを携帯端末1から取り外すようなことを確実に回避できるようにしている。
<第11の実施の形態>
上記第10の実施の形態では、PCカード4を取り出すために、即ちイジェクトレバー103を操作するために、バッテリカバー101、及びバッテリ102を携帯端末1から取り外さなければならない。そのため、PCカード4を取り出すまでの操作に手間がかかるようになっている。このことから、第11の実施の形態は、アクセスされているPCカード4の脱着を回避しつつ、より迅速、且つ簡単にPCカード4を取り外せるようにしたものである。
【0074】
図16は、第11の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)の断面図である。同図(a)は、バッテリ装着時の断面図、同図(b)はバッテリ脱着時の断面図である。この図16を参照して、第11の実施の形態について詳細に説明する。
【0075】
第11の実施の形態では、PCカード4脱着時における面倒な操作を無くすために、バッテリカバー111をイジェクトレバーと兼用にさせている。そのバッテリカバー111は、携帯端末1の中央付近の角の部分を軸112によって回転可能に支持するとともに、それの近傍の端部を、装着時のPCカード4と接触する脱着用部材114の端部と連結させている。その連結は、軸113を用いて行うことにより、バッテリカバー111の軸112を中心とした動きに対応できるようになっている。
【0076】
上記のように構成した場合、ユーザはバッテリカバー111を外す操作を図中に示す矢印のように行うと、バッテリカバー111は軸112を中心に回転する。その回転は、軸113が取り付けられている端部をPCカード4の挿入口に向かって動かす。それにより、脱着用部材114も同じ方向に動いてPCカード4をコネクタ12から分離させる。
【0077】
このように、第11の実施の形態では、ユーザはバッテリカバー111を操作するだけでPCカード4を取り出すことができるようになっている。そのため、ユーザはPCカード4を迅速、且つ簡単に取り出すことができる。
【0078】
バッテリカバー111は、携帯端末1の筐体となる部材である。そのため、バッテリカバー111の幅がカードスロットの幅より大きいか否かに関わらず、脱着用部材114の幅をカードスロットの幅より小さくすることにより、PCカードユニットの幅をカードスロットの幅に抑えることができる。第11の実施の形態では、脱着用部材114の幅をカードスロットの幅より小さくすることで、PCカードユニットの実際上の幅をカードスロットの幅に抑えている。
【0079】
なお、PCカード4の装着は、バッテリカバー111を取り付けた状態にした後、カードカバー64を開けてPCカード4をコネクタガイド61に沿って挿入することで行えばよい。
<第12の実施の形態>
携帯端末のなかには、未使用時における意図しない操作を回避するためのカバー(オペレーションガードカバー)を取り付けられるようになっているものもある。第12の実施の形態は、そのような携帯端末1に適用されたものである。
【0080】
図17は、第12の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は未使用時における断面図、同図(c)は使用時における断面図である。先ず、この図17を参照して、第12の実施の形態が適用された携帯端末1について説明する。
【0081】
オペレーションガードカバー(以降、ガードカバーと略す)121は、携帯端末1の上面全体を覆うことで、キー操作部2への操作ができないようにするものである。その端部には内側に向けて突出した突起が形成されている。他方の携帯端末1の側面の筐体には、その突起の形状に合わせて溝が形成されている。それにより、ガードカバー121は、その溝に突起を挿入していくようにして携帯端末1に装着することができるようになっている。そのガードカバー121は、携帯端末1の使用時においてはそれの背面(上面と対向する面)を覆うように装着することができるようになっている(図17(c)参照)。そのような装着が容易に行えるようにする意味もあって、ガードカバー121は透明な部材で製作されている。
【0082】
図18は、上記携帯端末1に適用された第12の実施の形態によるPCカードイジェクト機構の操作方法を説明する図である。図18(a)は携帯端末1の未使用時における背面側から見た場合の斜視図、図18(b)は図18(a)中のA−A線断面図である。その図18を参照して、第12の実施の形態によるPCカードイジェクト機構、及びその操作方法について詳細に説明する。なお、図18(a)中に実線で示すPCカード4は、理解を容易とするために表したものである。
【0083】
ガードカバー121の内側には、その中央付近に1対の突起122が形成されている。携帯端末1の背面には、図18(b)に示すように、ガードカバー121に形成されたその突起122の位置に合わせて、装着されたPCカード4をコネクタ12から分離させるための脱着用部材123を配置している。その脱着用部材123の外側には、突起122の形状に合わせて形成した凹部124を設けている。それにより、背面を覆うようにガードカバー121を携帯端末1に装着したときには、ガードカバー121の突起122が脱着用部材123の凹部124内に収まるようになっている。
【0084】
携帯端末1の背面側には、ユーザはガードカバー121を表示部3が配設されているほうから装着する。突起122は、携帯端末1の背面とガードカバー121の内面との間の隙間よりも大きく(高く)形成されている。そのため、背面に装着する際にはガードカバー121は多少変形し、突起122はその変形によって生じる弾性力で背面に軽く押しつけられながら移動することになる。突起122が脱着用部材123の凹部124の位置に達したときには、突起122はその弾性力によって凹部124内に押し込まれる(図18(b)参照)。そのようにして突起122を凹部124内に収めることでガードカバー121の装着が完了する。なお、その状態から装着時とは逆の操作を行うことで、ガードカバー121を取り外すことができる。
【0085】
上記のようにしてガードカバー121の突起122を脱着用部材123の凹部124に収めた状態にした後、そのガードカバー121を携帯端末1に対して図18中に示す矢印方向に移動させると、その動きは突起122を介して脱着用部材123に伝達される。それにより、脱着用部材123は、PCカード4を外部に向けて押しだし、それをコネクタ12から分離させる。
【0086】
このように、第12の実施の形態では、ガードカバー121をイジェクトレバーとして利用している。それにより、上述した他の実施の形態と比較すると、携帯端末1に搭載させるPCカードユニットの部品点数を少なくしたり、その構成を簡単化したりすることができるという効果も得ることができる。
【0087】
また、この第12の実施の形態においても、ガードカバー121に設けた一対の突起122の幅をカードスロットの幅よりも小さくすることで、PCカードユニットの幅をカードスロットの幅に抑えることができる。
【0088】
なお、第12の実施の形態では、携帯端末1を使用できる状態にガードカバー121を装着した場合にPCカード4を脱着できるようにしているが、その反対に、携帯端末1を使用できない状態に装着した場合(図17(a)、及び(b)参照)にPCカード4を脱着できるようにしても良い。或いは、その何れの状態に装着してもPCカード4を脱着できるようにしても良い。
<第13の実施の形態>
携帯端末に入力されたデータは、最終的にはホストコンピュータに送られ、そこで管理される。普通、携帯端末は、ホストコンピュータとのデータ通信を行う機能を備えていない。このため、携帯端末に蓄えられたデータは、専用の装置を介してホストコンピュータに送られる。その専用の装置が光(通信)アダプタである。第13の実施の形態は、その光アダプタをイジェクトレバーとして利用したものである。
【0089】
図19は、第13の実施の形態が適用された携帯端末(携帯型端末装置)と光アダプタを示す図である。図19(a)は携帯端末1の装着方法、図19(b)は装着時の携帯端末1と光アダプタの断面図を示している。この図19を参照して、第13の実施の形態について詳細に説明する。
【0090】
図19(a)に示すように、光アダプタ131の上面には窪みが形成されている。携帯端末1は、その窪み内に収めるようにして装着される。そのように装着することにより、携帯端末1に設けられた通信用の窓が、光アダプタ131に設けられた通信用の窓(共に図示せず)と対向して、光信号を用いた通信が行える状態となる。
【0091】
上記光アダプタ131の窪みには、1対の突起132が形成されている。他方の携帯端末1には、その突起131が収まる形状の凹部が形成されている。その凹部は、例えば第12の実施の形態のように、PCカード4を脱着するための脱着用部材に形成したものである。その凹部には、図19(b)に示すように、携帯端末1を光アダプタ131に装着すると突起132が収まるようになっている。それにより、光アダプタ131に装着した携帯端末1を図19中に示す矢印方向に動かすことでPCカードを取り出せるようにしている。
【0092】
このように、第13の実施の形態では、光アダプタ131をイジェクトレバーとして利用している。そのため、第13の実施の形態においても、上記第12の実施の形態と同様の効果を得ることができる。この第13の実施の形態においては、光アダプタ131に設けた一対の突起132の幅をカードスロットの幅よりも小さくすることで、携帯端末1に搭載されたPCカードユニットの幅をカードスロットの幅に抑えている。
【0093】
なお、第13の実施の形態、及び上記第12の実施の形態では、製品化されているものをイジェクトレバーとして利用することにより、新たに部材は製品をユーザに持たせることなくPCカードを脱着できるようにしているが、他の部材や製品をイジェクトレバーとして用いるようにしても良い。例えば、ペンといった常にユーザが携帯しているような製品をイジェクトレバーとして用いるようにした場合には、それを紛失したり、破損したりしても不具合が発生しないようになる。また、第13の実施の形態においては、光アダプタ131の他に、ガードカバー121といった他の製品、或いは部材もイジェクトレバーとして利用できるようにしても良い。
【0094】
なお、本実施の形態(第1〜第13の実施の形態)は、携帯端末に本発明を適用したものだが、本発明が適用できるのは携帯端末に限定されるものではない。本発明は、必要に応じて、PCカードを装着することができる装置に幅広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1の実施の形態が適用された携帯型端末装置の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態が適用された携帯型端末装置の透視図である。
【図3】第2の実施の形態が適用された携帯型端末装置の斜視図である。
【図4】第2の実施の形態が適用された携帯型端末装置の透視図である。
【図5】第2の実施の形態に採用されるロック機構例を示す図である。
【図6】第3の実施の形態が適用された携帯型端末装置を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に採用されるロック機構例を示す図である。
【図8】第4の実施の形態が適用された携帯型端末装置の透視図である。
【図9】第5の実施の形態が適用された携帯型端末装置の斜視図である。
【図10】第5の実施の形態が適用された携帯型端末装置の透視図である。
【図11】第6の実施の形態が適用された携帯型端末装置を示す図である。
【図12】第7の実施の形態が適用された携帯型端末装置を示す図である。
【図13】第8の実施の形態が適用された携帯型端末装置を示す図である。
【図14】第9の実施の形態が適用された携帯型端末装置の断面図である。
【図15】第10の実施の形態が適用された携帯型端末装置の断面図である。
【図16】第11の実施の形態が適用された携帯型端末装置の断面図である。
【図17】第12の実施の形態が適用された携帯型端末装置を示す図である。
【図18】第12の実施の形態の操作方法を説明する図である。
【図19】第13の実施の形態が適用された携帯型端末装置と光アダプタを示す図である。
【図20】従来のPCカードイジェクト機構が適用された携帯型端末装置の斜視図である。
【図21】従来のPCカードイジェクト機構が適用された携帯型端末装置の透視図である。
【符号の説明】
【0096】
1 携帯型端末装置
4 PCカード
5、21、31、41、51、62、71、81、91 イジェクトレバー
11 ガイド部材
12 コネクタ
13、23、32 伝達用部材
14、24、43、54、114、123 脱着用部材
26、34、35 つまみ
33 ヒンジ
61 コネクタガイド
64 カードカバー
83、93 接触用部材
102 バッテリ
101、111 バッテリカバー
121 オペレーションガードカバー
131 光アダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されるイジェクト機構であって、
前記カードスロットが形成している開口の長手方向上における該開口の範囲内に、該カードスロットに並べた形で配置され、ユーザが操作する操作部分が該装置の筐体に設けられた穴から突出した操作部材と、
前記範囲内に配置され、前記操作部分が操作されたとき、前記カードスロット内のコネクタと接続されている前記PCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、
を具備したことを特徴とするPCカードイジェクト機構。
【請求項2】
PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されるイジェクト機構であって、
前記装置の筐体の一部として配置した操作部材と、
前記操作部材が操作されたとき、前記カードスロット内のコネクタと接続されている前記PCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、
を具備したことを特徴とするPCカードイジェクト機構。
【請求項3】
前記操作部材に、前記カードスロット内に挿入されたPCカードを覆わせた、
ことを特徴とする請求項2記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項4】
前記操作部材を、前記装置に装着されたバッテリを取り外す場合に操作可能とした、
ことを特徴とする請求項1、または2記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項5】
前記操作部材を、前記装置のバッテリカバーと兼用させた、
ことを特徴とする請求項2記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項6】
前記操作部材を所定の状態に維持して、前記分離手段による前記PCカードと前記コネクタの分離を防止するための手段を、
更に具備したことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項7】
PCカード接続用のコネクタを内部に配置したカードスロットを備えた装置に適用されるイジェクト機構であって、
前記カードスロット内のコネクタと接続されている前記PCカードを該コネクタと分離させる分離手段と、
前記分離手段を外部から操作するための操作手段と、
を具備したことを特徴とするPCカードイジェクト機構。
【請求項8】
前記分離手段は、前記カードスロットが形成している開口の長手方向上における該開口の範囲内に収めた、
ことを特徴とする請求項7記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項9】
前記操作手段として、前記装置への操作を防止するためのカバーを用いた、
ことを特徴とする請求項7、または8記載のPCカードイジェクト機構。
【請求項10】
前記装置は携帯型端末装置であり、前記操作手段として、前記携帯型端末装置が装着される通信用のアダプタを用いた、
ことを特徴とする請求項7、または8記載のPCカードイジェクト機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−250558(P2007−250558A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160697(P2007−160697)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願平9−111673の分割
【原出願日】平成9年4月30日(1997.4.30)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】