説明

PPARリガンドを形成する6−オキサゾール−4−イルメトキシ−アルコキシメチルで置換された安息香酸誘導体、その製造方法および薬物の形態での使用

本発明は、アルコキシメチルで置換された安息香酸誘導体、ならびに、生理学的に許容できるそれらの塩および生理学的に機能的なそれらの誘導体に関する。また本発明は、式(I)で示される化合物(式中の基は、特定の意味を有する)、生理学的に許容できるそれらの塩、および、前記化合物の製造方法にも関する。本発明の化合物は、例えば、脂肪酸代謝の障害、グルコース利用障害、および、インスリン耐性が関連する障害を予防および/または治療するのに用いることができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシメチルで置換された安息香酸誘導体、それらの製造方法およびそれらの医薬品としての使用に関し、さらに、それらの生理学的に許容できる塩および生理学的に機能的な誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
当業界において、高脂血症および糖尿病を治療するための類似の構造を有する化合物が説明されている(WO2000/064888)。その上、WO2003/010158は、チオフェンカルボキサミドを説明しており、WO2002096863は、フェニル環にカルボキシル基を有さないフェニルアルキルオキシ−フェニル誘導体を説明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、具体的には、治療上の使用に適した脂質および/または炭水化物代謝を調節することができ、従って、2型糖尿病、および、アテローム性動脈硬化症、および、それらの種々の続発症のような病気の予防および/または治療に適している有効な化合物を発見するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これは、驚くべきことに、具体的には優れたPPARアルファの作用に加えて、優れたPPARガンマの作用も示す、以下で説明される式Iで示される化合物を選択することによって達成された。
【0005】
本発明は、式I:
【化1】

で示される化合物、ならびに、それらの生理学的に許容できる塩、溶媒化合物および生理学的に機能的な誘導体に関し、
式中:
R1は、H、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C2)−アルキル、(C1〜C6)−アルキルメルカプト、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルメルカプト、F、CF3、フェニル、フェノキシであり;
R2は、H、O−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルキル、CF3、トリフルオロメトキシであるか、または、
R1およびR2は、フェニル環と一緒になって、融合したナフチルであり;
R3は、H、(C1〜C6)−アルキル、フェニル、シクロヘキシルであり;
R4およびR5は、H(この場合、mは1または2が可能)、または、CH3(この場合、mは1のみ)であり;
R6は、H、(C1〜C6)−アルキルであり;
Xは、CH(nが1の場合)、または、S(nが0の場合)であり;
nは、0または1であり;
mは、1または2であることを意味する。
【0006】
好ましい式Iで示される化合物は、R1またはR2がHではないものである。
【0007】
具体的に好ましい式Iで示される化合物は、
R1は、Hであり;
R2は、O−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルキル、CF3、トリフルオロメトキシであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1であるものであるか、
または、
R1は、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C2)−アルキル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルメルカプト、F、フェニル、フェノキシであり;
R2は、Hであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキル、フェニル、シクロヘキシルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1であるものか、
または、
R1およびR2は同一であり、H、Me、OMeであるか、または、
R1およびR2は、フェニル環と一緒になって、融合したナフチルであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1であるものである。
【0008】
さらに具体的に好ましい式Iで示される化合物は、
R1は、H、F、Meであり;
R2は、H、OMe、CF3であり;
R3は、H、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5は、Meであり;
R6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1であるものか、
または、
R1は、H、F、Me、Phであり;
R2は、H、OMe、CF3であり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、2であるものである。
【0009】
置換基R1、R2、R3およびR6におけるアルキルラジカルは、直鎖状でもよいし、または、分枝鎖状でもよい。
【0010】
製薬上許容できる塩の水溶性は、最初の化合物または基礎となる化合物の水溶性より大きいため、製薬上許容できる塩は医療用途に特に適している。これらの塩は、製薬上許容できるアニオンまたはカチオンを有していなければならない。本発明の化合物の適切な製薬上許容できる酸付加塩は、無機酸の塩であり、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸の塩であり、さらに、有機酸の塩であり、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸、および、酒石酸の塩である。適切な製薬上許容できる塩基性塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩やカルシウム塩)、トロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン、または、エチレンジアミンである。
【0011】
例えばトリフルオロ酢酸塩のような製薬的に許容できないアニオンとの塩も、製薬上許容できる塩の製造または精製、および/または、非治療的な用途、例えばインビトロでの用途において有用な中間体として同様に本発明の範囲に含まれる。
【0012】
本明細書で用いられる用語「生理学的に機能的な誘導体」は、本発明の式Iで示される化合物のあらゆる生理学的に許容できる誘導体を意味し、例えば哺乳動物(例えばヒト)に投与すると、式Iで示される化合物またはそれらの活性な代謝産物を(直接的または間接的に)形成することができるエステルである。
【0013】
また生理学的に機能的な誘導体としては、本発明の化合物のプロドラッグが挙げられ、例えばH.Okada等,,Chem.Pharm.Bull.1994,42,57〜61で説明されているものである。このようなプロドラッグは、インビボで本発明の化合物に代謝することができる。これらのプロドラッグは、それ自身が活性を有してもよいし、または、活性を有していなくてもよい。
【0014】
また本発明の化合物は、例えば無定形や結晶質の多形の形態のような様々な多形の形態で存在していてもよい。本発明の化合物の多形の形態はいずれも本発明の範囲に含まれ、本発明のさらなる形態である。
【0015】
以下、「式Iで示される化合物」と言う場合は常に、上述のような式Iで示される化合物、および、本明細書で説明されているようなそれらの塩、溶媒化合物および生理学的に機能的な誘導体を意味する。
【0016】
用途
本発明はさらに、PPAR受容体リガンドとしての式Iで示される化合物、および、それらの医薬組成物の使用に関する。本発明のPPAR受容体リガンドは、PPAR受容体活性の調節因子として適切である。ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、リガンドによって活性化することができる転写因子であり、核ホルモン受容体のクラスに属する。3種のPPARアイソフォーム、すなわちPPARアルファ、PPARガンマ、および、PPARデルタがあり、これらは、異なる遺伝子によってコードされている(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR):構造、活性化のメカニズム、および、多様な機能:Motojima K,Cell Struct Funct.,1993年10月18日(5),267〜77)。
【0017】
PPAR受容体は、遺伝子産物が直接的または間接的に脂質および炭水化物代謝に決定的に関与する多数の遺伝子の規制の様々な局面において主要な役割を果たす。従って、例えばPPARアルファ受容体は、肝臓における脂肪酸の異化またはリポタンパク質代謝の規制において重要な役割を果たし、その一方で、PPARガンマは、例えば脂肪細胞の分化の調節に決定的に関与する。PPARガンマには2種の変異体、すなわちPPARガンマ1およびガンマ2が存在する(Vidal−Puig等,J.Clin.Invest.,97:2553〜2561,1996)。異なるPPAR受容体は異なる組織分布を有し、異なる生理学的機能を調節する。しかしながらPPAR受容体はまた、それに加えて、炭水化物または脂質代謝には直接関連していないプロセスのようなその他のたくさんの生理学的なプロセスの規制にも関与する。異なるPPAR受容体の活性は、様々な脂肪酸、脂肪酸誘導体、および、合成化合物で様々な程度に調節することができる。機能、生理学的作用および病態生理学に関連する総論については、Joel Berger等,,Annu.Rev.Med.,2002,53,409〜435;Timothy Wilson等,,J.Med.Chem.,2000,Vol.43,No.4,527〜550;Steven Kliewer等,,Recent Prog Horm Res.,2001,56,239〜63を参照。
【0018】
本発明は、PPAR受容体の活性、特にPPARアルファ、および、PPARガンマの活性の調節に適した式Iで示される化合物に関する。調節のプロファイルに応じて、式Iで示される化合物は、以下で説明される徴候の治療、制御および予防、ならびにそれらに関連する多数のその他の製薬用途に適している(例えば、Joel Berger等,,Annu.Rev.Med.,2002,53,409〜435;Timothy Wilson等,J.Med.Chem.,2000,Vol.43,No.4,527〜550;Steven Kliewer等,,Recent Prog Horm Res.2001;56:239〜63;Jean−Charles Fruchart,Bart StaelsおよびPatrick Duriez:PPARS,Metabolic Disease and Arteriosclerosis,Pharmacological Research,Vol.44,No.5,2001;Sander Kersten,Beatrice Desvergne&Walter Wahli:Roles of PPARs in health and disease,NATURE,第405巻,2000年25月5日;Ines Pineda Torra,Giulia Chinetti,Caroline Duval,Jean−Charles FruchartおよびBart Staels:Peroxisome proliferator−activated receptors:from transcriptional control to clinical practice,Curr Opin Lipidol 12:2001,245〜254を参照)。
【0019】
このタイプの化合物は、具体的には、以下の治療および/または予防に適している:
1.−脂肪酸代謝の障害、および、グルコース利用障害、
−インスリン耐性が関連する障害。
【0020】
2.糖尿病、特に2型糖尿病(それに関連する続発症の予防も含む)である。これらに関する具体的な形態は、以下の通りである:
−高血糖症、
−インスリン耐性における改善、
−耐糖能における改善、
−膵臓β細胞の保護、
−大血管および微小血管疾患の予防。
【0021】
3.異常脂質血症、およびそれらの続発症、例えばアテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、脳血管疾患などであり、特に以下の要因の1種またはそれ以上を特徴とするものが挙げられる(ただしこれらに限定されない):
−高い血漿トリグリセリド濃度、高い食後の血漿トリグリセリド濃度、
−低いHDLコレステロール濃度、
−低いアポAリポタンパク質濃度、
−高いLDLコレステロール濃度、
−低比重LDLコレステロール粒子、
−高いアポBリポタンパク質濃度。
【0022】
4.代謝症候群に関連する可能性がある様々なその他の状態、例えば以下が挙げられる:
−肥満症(過剰体重)、例えば中心性肥満、
−血栓症、凝固亢進およびプロトロンビンの段階(動脈および静脈の)、
−高血圧、
−心不全、例えば、心筋梗塞、高血圧性心疾患または心筋症の後の心不全(ただしこれらに限定されない)。
【0023】
5.炎症反応または細胞分化が関与するさらなる障害または状態であり、例えば以下が挙げられる:
−アテローム性動脈硬化症、例えば、冠状動脈硬化症、例えば狭心症、または、心筋梗塞、卒中など(ただしこれらに限定されない)、
−血管再狭窄、または、再閉塞、
−慢性炎症性腸疾患、例えばクローン病、および、潰瘍性大腸炎、
−膵臓炎、
−その他の炎症性の状態、
−網膜疾患、
−脂肪細胞腫瘍、
−脂肪細胞の癌腫、例えば脂肪肉腫、
−充実性腫瘍および新生物、例えば、消化管癌、肝臓癌、胆道癌および膵臓癌、内分泌腫瘍、肺癌、腎臓および尿路の癌、生殖管の癌、前立腺癌など(ただしこれらに限定されない)、
−急性および慢性骨髄増殖性疾患、および、リンパ腫、
−血管新生、
−神経変性障害、
−アルツハイマー病、
−多発性硬化症、
−パーキンソン病、
−紅斑落屑性の皮膚疾患、例えば乾癬、
−尋常性座瘡、
−PPARで調節されるその他の皮膚疾患および皮膚病変、
−湿疹、および、神経皮膚炎、
−皮膚炎、例えば脂漏性皮膚炎または光線過敏性皮膚炎、
−角膜炎および角化症、例えば脂漏性角化症、老人性角化症、日光性角化症、光によって誘発される角化症、または、毛包性角化症、
−ケロイドおよびケロイドの予防、
−疣贅、例えばコンジローマまたは尖圭コンジローム、
−ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染、例えば、性病の疣贅、ウイルス性疣贅、例えば伝染性軟属腫、白斑症、
−丘疹性皮膚炎、例えば扁平苔癬、
−皮膚癌、例えば基底細胞癌腫、黒色腫または皮膚T細胞リンパ腫、
−局所的な良性の表皮性腫瘍、例えば角皮症、表皮母斑、
−凍瘡、
−高血圧、
−シンドロームX、
−多嚢胞卵巣症候群(PCOS)、
−喘息、
−変形性関節症、
−紅斑性狼瘡(LE)、または、炎症性リウマチ疾患、例えばリウマチ様関節炎、
−血管炎、
−衰弱(悪液質)、
−痛風、
−虚血/再潅流症候群、
−急性呼吸窮迫症候群(ARDS)。
【0024】
調合物
望ましい生物学的作用を達成するのに必要な式Iで示される化合物の量は多数の要因に依存し、このような要因としては、例えば、選択された具体的な化合物、目的とする使用、投与様式、および、患者の臨床症状が挙げられる。1日用量は、一般的に、1日あたり、および、体重1キログラムあたり0.001mg〜100mg(一般的には0.01mg〜50mg)の範囲であり、例えば0.1〜10mg/kg/日である。静脈内の場合の用量は、例えば、0.001mg〜1.0mg/kgの範囲が可能であり、適切には、1キログラムあたり、および、1分あたり10ng〜100ngを含む輸液として投与することができる。これらの目的に適した輸液は、1ミリリットルあたり例えば0.1ng〜10mg、一般的には1ng〜10mgを含んでいてもよい。単回投与は、例えば、1mg〜10gの活性成分を含んでいてもよい。従って、注射用アンプルは、例えば1mg〜100mgを含んでいてもよく、例えばカプセルまたは錠剤のような経口投与可能な単回投与用の製剤は、例えば、0.05〜1000mg、一般的には0.5〜600mgを含んでいてもよい。上記の状態の治療のためには、式Iで示される化合物は、化合物としてそのまま用いてもよいが、好ましくは、許容できる担体を含む医薬組成物の形態である。当然ながら、担体は、組成物中のその他の成分と適合し、患者の健康状態有害ではないという意味で許容できるものでなければならない。担体は、固体でもよいし、または、液体でもよいし、またはその両方でもよく、好ましくは、単回投与用として(例えば錠剤として)本化合物と製剤化され、この場合、0.05%〜95重量%の活性成分を含んでいてもよい。同様にその他の医薬活性物質が含まれていてもよく、このような物質としては、その他の式Iで示される化合物が挙げられる。本発明の医薬組成物は、既知の製薬方法のいずれか一種によって生産することができ、このような方法は、実質的に、上記成分と、薬理学的に許容できる担体および/または賦形剤とを混合することからなる。
【0025】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、外用、経口(例えば、舌下)、および、非経口(例えば、皮下の、筋肉内、皮内、または、静脈内)投与に適しているが、最も適切な投与様式は、それぞれ個々のケースにおいて、治療しようとする状態の性質および重症度、および、それぞれのケースで用いられる式Iで示される化合物の性質に依存する。また、コーティングされた製剤、および、コーティングされた徐放性製剤も本発明の範囲に含まれる。好ましくは、酸および胃液耐性製剤である。適切な胃液耐性のコーティングは、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニル酢酸フタル酸、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ならびに、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0026】
経口投与に適した医薬配合物は、例えばカプセル剤、カシェ剤、口内錠(suckable tablet)、または、錠剤のような別個の単位の形態であってもよく、これらはそれぞれ、規定量の式Iで示される化合物を、粉末または顆粒として、水性または非水性の液体中の溶液または懸濁液として;または、水中油型、または、油中水型エマルジョンとして含む。これらの組成物は、上述したように、どのような適切な製薬方法で製造してもよく、このような方法は、活性成分と担体(1種またはそれ以上の追加成分からなる可能性がある)とを接触させる工程を含む。本組成物は、一般的に、活性成分と、液体および/または微粉化した固体担体との一様かつ均一な混合によって製造され、その後、生成物を必要に応じて成形してもよい。従って、例えば錠剤は、本化合物の粉末または顆粒を、必要に応じて1種またはそれ以上の追加成分と共に圧縮または成形することによって製造することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、本化合物を例えば粉末または顆粒のような流動しやすい形態に錠剤化し、必要に応じて結合剤、流動促進剤、不活性希釈剤、および/または、1種(またはそれ以上の)表面活性剤/分散剤と混合することによって製造することができる。成形錠剤は、適切な機械で、粉末形態であり、不活性な液体希釈剤で加湿した本化合物を成形することによって製造することができる。
【0027】
経口(舌下)投与に適した医薬組成物としては、口内錠が挙げられ、これは、式Iで示される化合物を、矯味矯臭薬剤、一般的にはスクロース、および、アラビアゴムまたはトラガカントと共に含み、さらに、トローチ剤が挙げられ、これは、本化合物を、ゼラチン、および、グリセロールまたはスクロース、および、アラビアゴムのような不活性なベース中に含む。
【0028】
非経口投与に適した医薬組成物として好ましくは、式Iで示される化合物の滅菌水性製剤が挙げられ、このような滅菌水性製剤は、好ましくは対象のレシピエントの血液と等張である。これらの製剤は、好ましくは静脈内投与されるが、皮下、筋肉内または皮内注射によって投与してもよい。これらの製剤は、好ましくは、本化合物と水とを混合し、得られた溶液を滅菌し、血液と等張にすることによって製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般的に、0.1〜5重量%の活性な本化合物を含む。
【0029】
直腸内投与に適した医薬組成物は、好ましくは、単回投与の坐剤の形態である。これらは、式Iで示される化合物と1種またはそれ以上の従来の固形担体(例えばカカオバター)とを混合し、得られた混合物を成形することによって生産することができる。
【0030】
皮膚への外用に適した医薬組成物は、好ましくは、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または、油剤の形態である。用いることができる担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、および、これらの物質の2種またはそれ以上の組み合わせである。活性成分は、一般的に、組成物に0.1〜15重量%の濃度で存在し、例えば0.5〜2%の濃度で存在する。
【0031】
また、経皮投与も可能である。経皮での使用に適した医薬組成物は、単一のパッチの形態であってもよく、これは患者の表皮に長期間密着させる場合に適している。このようなパッチは、適切には、必要に応じて緩衝化した水溶液中に活性成分を包含させてもよいし、接着剤に溶解および/または分散させてもよいし、または、ポリマー中に分散させてもよい。適切な活性成分の濃度は、約1%〜35%であり、好ましくは約3%〜15%である。具体的には、活性成分を電子輸送またはイオン導入によって放出させてもよく、例えばPharmaceutical Research,2(6):318(1986)で説明されている通りである。
【0032】
式Iで示される化合物は、代謝性疾患に有利な作用を有する点で際立っている。これらは、脂質および糖代謝に有利に影響を与え、具体的にこれらはトリグリセリドレベルを低くすることから、II型糖尿病、および、動脈硬化症、および、それらの多様な続発症の予防および治療に適している。
【0033】
その他の医薬品との組み合わせ
本発明の化合物は、単独で投与してもよいし、または、例えば、代謝障害、または、高頻度でそれらに付随する障害に有利な作用を有する1種またはそれ以上の追加の薬理学的に活性な物質と組み合わせて投与してもよい。このような医薬品の例は、
1.血糖を低くする医薬品、抗糖尿病剤、
2.異常脂質血症を治療するための活性成分、
3.抗アテローム性動脈硬化剤、
4.抗肥満薬、
5.抗炎症剤の活性成分、
6.悪性腫瘍を治療するための活性成分、
7.血小板凝集阻止薬の活性成分、
8.高血圧を治療するための活性成分、
9.心不全を治療するための活性成分、および、
10.糖尿病によって引き起こされる合併症、または、糖尿病に関連する合併症を治療および/または予防するための活性成分である。
【0034】
これらは、具体的には作用を相乗的に改善するために、本発明の式Iで示される化合物と組み合わせることができる。活性成分の組み合わせは、活性成分を患者に別々に投与するか、または、一種の医薬配合物に複数の活性成分が存在する組み合わせ製品の形態で投与するかのいずれかによって投与することができる。
【0035】
例を以下に示す:
抗糖尿病剤
適切な抗糖尿病剤は、例えば、Rote Liste 2001,第12章、または、USP Dictionary of USAN and International Drug Names,米国薬局方(US Pharmacopeia),ロックビル2003で開示されている。抗糖尿病剤としては、あらゆるインスリンおよびインスリン誘導体が挙げられ、例えば、ランタス(Lantus(R))(www.lantus.comを参照)、または、アピドラ(Apidra(R))、および、その他の即効性のインスリン(US6,221,633を参照)、GLP−1受容体調節因子例えばWO01/04146で説明されているGLP−1受容体調節因子、または、例えばノボ・ノルディスク社(Novo Nordisk A/S)のWO98/08871で開示されたGLP−1受容体調節因子である。経口で有効な血糖降下活性物質としては、好ましくは、スルホニル尿素、ビグアニジン、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、経口GLP−1アゴニスト、DPP−IV阻害剤、カリウムチャンネル開口薬、例えば、WO97/26265、および、WO99/03861で開示されたカリウムチャンネル開口薬、インスリン抵抗性改善剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓の酵素の阻害剤、グルコース摂取の調節因子、脂質代謝を変化させ、血中の脂質組成に変化を引き起こす化合物、食物摂取または食物吸収を減少させる化合物、PPARおよびPXR調節因子、ならびに、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分が挙げられる。
【0036】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0037】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、肝臓のグルコース生産に影響を与える物質と組み合わされ、このような物質としては、例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(WO01/94300、WO02/096864、WO03/084923、WO03/084922、WO03/104188を参照)が挙げられる。
【0038】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、スルホニル尿素と組み合わせて投与され、このようなスルホニル尿素としては、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、または、グリメピリドが挙げられる。
【0039】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分と組み合わせて投与され、このようなATP依存性カリウムチャンネルとしては、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド、または、レパグリニドが挙げられる。
【0040】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ビグアニドと組み合わせて投与され、このようなビグアニドとしては、例えば、メトホルミンが挙げられる。
【0041】
さらなる実施態様において、式Iで示される化合物は、メグリチニドと組み合わせて投与され、このようなメグリチニドとしては、例えば、レパグリニドが挙げられる。
【0042】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、チアゾリジンジオンと組み合わせて投与され、このようなチアゾリジンジオンとしては、例えば、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、または、ドクター・レディーズ・リサーチ・ファウンデーション(Dr.Reddy’s Research Foundation)のWO97/41097で開示された化合物、具体的には5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンが挙げられる。
【0043】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、DPPIV阻害剤と組み合わされ、このようなDPPIV阻害剤は、例えば、WO98/19998、WO99/61431、WO99/67278、WO99/67279、WO01/72290、WO02/38541、WO03/040174で説明されているものであり、具体的にはP93/01(1−シクロペンチル−3−メチル−1−オキソ−2−ペンタン塩化アンモニウム)、P−31/98、LAF237(1−[2−[3−ヒドロキシ−アダマンタ−1−イルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−(S)−カルボニトリル)、TS021((2S、4S)−4−フルオロ−1−[[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]アセチル]ピロリジン−2−カルボニトリルモノベンゼンスルホナート)である。
【0044】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、PPARガンマアゴニストと組み合わせて投与され、このようなPPARガンマアゴニストとしては、例えば、ロジグリタゾン、ピオグリタゾンが挙げられる。
【0045】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、SGLT−1および/または2に対する阻害作用を有する化合物と組み合わせて投与され、このような化合物としては、例えばWO2004/007517、WO2004/052902、および、WO2004/052903で直接的または間接的に開示されたものが挙げられる。
【0046】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、このようなα−グルコシダーゼ阻害剤としては、例えば、ミグリトール、または、アカルボースが挙げられる。
【0047】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、WO199946262、WO200372197、WO2003072197、WO2005044814で説明されているものが挙げられる。
【0048】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、WO2004074288で説明されているものが挙げられる。
【0049】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3ベータ(GSK−3ベータ)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、US2005222220、WO2005085230、PCT/EP2005/005346、WO2003078403、WO2004022544、WO2003106410、WO2005058908、US2005038023、WO2005009997、US2005026984、WO2005000836、WO2004106343、EP1460075、WO2004014910、WO2003076442、WO2005087727、WO2004046117で説明されているものが挙げられる。
【0050】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、プロテインキナーゼCベータ(PKCベータ)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、ルボキシストーリンが挙げられる。
【0051】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、「I−カッパBキナーゼ」(IKK阻害剤)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、WO2001000610、WO2001030774、WO2004022553、WO2005097129で説明されているものが挙げられる。
【0052】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、糖質コルチコイド受容体様調節因子と組み合わせて投与され、このような調節因子としては、例えば、WO2005090336で説明されているものが挙げられる。
【0053】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤と組み合わせて投与され、このようなアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤としては、例えば、WO199946262、WO200372197、WO2003072197、WO2005044814で説明されているものが挙げられる。
【0054】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、WO2004074288で説明されているものが挙げられる。
【0055】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3ベータ(GSK−3ベータ)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、US2005222220、WO2005085230、PCT/EP2005/005346、WO2003078403、WO2004022544、WO2003106410、WO2005058908、US2005038023、WO2005009997、US2005026984、WO2005000836、WO2004106343、EP1460075、WO2004014910、WO2003076442、WO2005087727、WO2004046117で説明されているものが挙げられる。
【0056】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、プロテインキナーゼCベータ(PKCベータ)の阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、ルボキシストーリンが挙げられる。
【0057】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、エンドセリン−A受容体アンタゴニストと組み合わせて投与され、このようなアンタゴニストとしては、例えば、アボセンタン(avosentan)(SPP−301)が挙げられる。
【0058】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、「I−カッパBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、WO2001000610、WO2001030774、WO2004022553、WO2005097129で説明されているものが挙げられる。
【0059】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、糖質コルチコイド受容体様調節因子と組み合わせて投与され、このような調節因子としては、例えば、WO2005090336で説明されているものが挙げられる。
【0060】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、エンドセリン−A受容体アンタゴニストと組み合わせて投与され、このようなアンタゴニストとしては、例えば、アボセンタン(avosentan)(SPP−301)が挙げられる。
【0061】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、上述の化合物の1種より多くの組み合わせと共に投与され、このような組み合わせとしては、例えば、スルホニル尿素とメトホルミン、スルホニル尿素とアカルボーズ、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンの組み合わせなどが挙げられる。
【0062】
脂質調節因子
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、HMGCoAレダクターゼ阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、イバスタチン(ivastatin)、イタバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンが挙げられる。
【0063】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、胆汁酸吸収阻害剤と組み合わせて投与される(例えば、US6,245,744、US6,221,897、US6,277,831、EP0683773、EP0683774を参照)。
【0064】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、高分子の胆汁酸吸着剤と組み合わせて投与され、このような吸着剤としては、例えば、コレスチラミン、コレセベラムが挙げられる。
【0065】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、コレステロール吸収阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えばWO0250027で説明されているもの、または、エゼチミブ、チクエシド(tiqueside)、パマクエシド(pamaqueside)が挙げられる。
【0066】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、LDL受容体誘導物質と組み合わせて投与される(例えば、US6,342,512を参照)。
【0067】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、充填剤、好ましくは不溶性充填剤と組み合わせて投与される(例えば、イナゴマメ/Caromax(R)を参照)(Zunft
H J;等,Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia,ADVANCES IN THERAPY(2001年9月,10月),18(5),230〜6)。キャロマックスとは、ニュートリノヴァ,ニュートリション・スペシャリティーズ&フード・イングリイーディエンツ社(Nutrinova,Nutrition Specialties&Food Ingredients GmbH),インダストリーパーク・ヘキスト(Industriepark Hoechst),65926 フランクフルト/マイン)製のイナゴマメを含む製品である)。Caromax(R)との組み合わせは、1つの製剤にしてもよいし、または、式Iで示される化合物とCaromax(R)とを別々に投与にすることもできる。この点について、Caromax(R)は、例えばベーカリー製品またはムーズリバーのような食品の形態で投与することもできる。
【0068】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、PPARアルファアゴニストと組み合わせて投与される。
【0069】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、混合型のPPARアルファ/ガンマアゴニストと組み合わせて投与され、このような混合型のPPARアルファ/ガンマアゴニストとしては、例えば、AZ242(テサグリタザル,(S)−3−(4−[2−(4−メタンスルホニルオキシフェニル)エトキシ]フェニル)−2−エトキシプロピオン酸)、BMS298585(N−[(4−メトキシフェノキシ)カルボニル]−N−[[4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ]フェニル]メチル]グリシン)が挙げられ、または、WO99/62872、WO99/62871、WO01/40171、WO01/40169、WO96/38428、WO01/81327、WO01/21602、WO03/020269、WO00/64888、または、WO00/64876で説明されている通りである。
【0070】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、PPARデルタアゴニストと組み合わせて投与され、このようなデルタアゴニストとしては、例えば、GW−501516が挙げられる。
【0071】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、例えば、WO2005073199で説明されているようなホルモン感受性リパーゼ(HSL)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0072】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、フィブラートと組み合わせて投与され、このようなフィブラートとしては、例えば、フェノフィブラート、ゲムフィプロジル、クロフィブラート、ベザフィブラートが挙げられる。
【0073】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、ニコチン酸、または、ナイアシンと組み合わせて投与される。
【0074】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、CETP阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えばCP−529、414(トルセトラピブ)が挙げられる。
【0075】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、ACAT阻害剤と組み合わせて投与される。
【0076】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、MTP阻害剤と組み合わせて投与され、このような阻害剤としては、例えば、インプリタピド(implitapide)が挙げられる。
【0077】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、抗酸化剤と組み合わせて投与される。
【0078】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リポタンパク質リパーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0079】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0080】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、スクアレン合成酵素阻害剤と組み合わせて投与される。
【0081】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リポタンパク質(a)アンタゴニストと組み合わせて投与される。
【0082】
抗肥満薬
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リパーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、このようなリパーゼ阻害剤としては、例えば、オーリスタットが挙げられる。
【0083】
一実施態様において、 追加の活性成分は、フェンフルラミン、または、 デクスフェンフルラミンである。
【0084】
その他の実施態様において、追加の活性成分は、シブトラミンである。
【0085】
カンナビノイド受容体1アンタゴニスト(例えば、リモナバン、スリナバント(surinabant)、アゼチジン誘導体、および/または、例えば、EP0656354、WO00/15609、WO02/076949、WO2005080345、WO2005080328、WO2005080343、WO2005075450、WO2005080357、WO200170700、WO2003026647−48、WO200302776、WO2003040107、WO2003007887、WO2003027069、US6,509,367、WO200132663、WO2003086288、WO2003087037、WO2004048317、WO2004058145、WO2003084930、WO2003084943、WO2004058744、WO2004013120、WO2004029204、WO2004035566、WO2004058249、WO2004058255、WO2004058727、WO2004069838、US20040214837、US20040214855、US20040214856、WO2004096209、WO2004096763、WO2004096794、WO2005000809、WO2004099157、US20040266845、WO2004110453、WO2004108728、WO2004000817、WO2005000820、US20050009870、WO200500974、WO2004111033−34、WO200411038−39、WO2005016286、WO2005007111、WO2005007628、US20050054679、WO2005027837、WO2005028456、WO2005063761−62、WO2005061509、WO2005077897)で説明されているものが挙げられる。
【0086】
さらなる実施態様において、式Iで示される化合物は、CART調節因子(「マウスにおいて、コカイン−アンフェタミンで調節された転写は、エネルギー代謝、不安および胃内容排出に影響を与える」Asakawa,A等,M.:Hormone and Metabolic Research(2001),33(9),554〜558を参照)、NPYアンタゴニスト、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]−シクロヘキシルメチル}−アミド塩酸塩(CGP71683A))、MC4アゴニスト(例えば、1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド;(WO01/91752))、オレキシンアンタゴニスト(例えば、1−(2−メチル−ベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イルウレア塩酸塩(SB−334867−A))、H3アゴニスト(3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オンシュウ酸塩(WO00/63208));TNFアゴニスト、CRFアンタゴニスト(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO00/66585))、CRFBPアンタゴニスト(例えば、ウロコルチン)、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]−エタノール塩酸塩(WO01/83451))、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCK−Aアゴニスト(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO99/15525))、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デクスフェンフルラミン)、混合型のセロトニン作用性、および、ノルアドレナリン作用性の化合物(例えば、WO00/71549)、5HTアゴニスト、例えば1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO01/09111)、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン)、成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(WO01/85695))、TRHアゴニスト(例えば、EP0462884を参照)、脱共役タンパク質2または3調節因子、レプチンアゴニスト(例えば、Lee,Daniel W.;Leinung,Matthew C.;Rozhavskaya−Arena,Marina;Grasso,Patricia.Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity.Drugs of the Future(2001),26(9),873〜881を参照)、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、WO00/40569)、PPAR調節因子(例えば、WO00/78312)、RXR調節因子、または、TR−βアゴニスト)と組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の一実施態様において、追加の活性成分はレプチンである。
【0088】
一実施態様において、追加の活性成分は、デキサムファタミン(dexamphatamine)、アンフェタミン、マジンドール、または、フェンテルミンである。
【0089】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、冠動脈循環および血管系に対する作用を有する医薬品、例えばACE阻害剤(例えばラミプリル)、アンギオテンシン−レニン系に作用する医薬品、カルシウムアンタゴニスト、ベータブロッカーなどと組み合わせて投与される。
【0090】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、抗炎症作用を有する医薬品と組み合わせて投与される。
【0091】
一実施態様において、上記式で示される化合物は、癌治療および癌予防に使用される医薬品と組み合わせて投与される。
【0092】
当然のことながら、本発明の化合物と、1種またはそれ以上の上述の化合物と、任意に1種またはそれ以上のその他の薬理学的に活性な物質との適切な組み合わせはいずれも、本発明によって付与される保護の範囲内とみなされる。
【0093】
本化合物の活性を以下のように試験した:
細胞のPPARアルファ分析におけるPPARアゴニストのEC50値の決定
原理
ヒトPPARアルファに結合し、それをアゴニストのようにして活性化する物質の効力は、本明細書においてPPARアルファレポーター細胞系と称する安定してトランスフェクションされたHEK細胞系(HEK=ヒト胎児腎臓)を用いて解析した(この細胞系は、本明細書においてPPARアルファレポーター細胞系と称する)。この細胞系は、2種の遺伝因子、すなわちルシフェラーゼレポーター構成要素(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)、および、PPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を含み、これらの遺伝因子は、PPARアルファリガンドに応じたルシフェラーゼレポーター構成要素の発現に介在する。安定して、かつ構成的に発現された融合タンパク質GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBDは、PPARアルファレポーター細胞系の細胞核中で、GAL4タンパク質部分を介して、ルシフェラーゼレポーター構成要素の5’上流にあるGAL4DNA結合モチーフに結合し、これらは細胞系のゲノムに安定して統合された。分析で脂肪酸を枯渇させたウシ胎児血清(cs−FCS)が用いられる場合、PPARアルファリガンドを添加しないとルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現はほんのわずかであった。PPARアルファリガンドは、PPARアルファ融合タンパク質と結合し、それらを活性化し、それによって、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を引き起こす。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を介した化学発光によって検出することができる。
【0094】
細胞系の構築
PPARアルファレポーター細胞系を二段階で製造した。まず第一に、ルシフェラーゼレポーター構成要素を構築し、HEK細胞に安定してトランスフェクションした。この目的のために、酵母転写因子GAL4の5個の結合部位(いずれの場合も、5’−CGGAGTACTGTCCTCCGAG−3’)を、長さが68bpの最小MMTVプロモーター(Genbank登録番号V01175)の5’上流にクローニングした。最小MMTVプロモーターの断片は、RNAポリメラーゼIIによる効率的な転写を可能にするために、CCAATボックスおよびTATA構成要素を含む。Sambrook J.等(Molecular cloning,コールドスプリングハーバーラボラトリープレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press),1989)の説明と同様にして、GAL4−MMTVコンストラクトのクローニングおよび配列解析を行った。次に、完全なホタルルシフェラーゼ遺伝子(Genbank登録番号M15077)を、GAL4−MMTV構成要素の3’下流にクローニングした。配列解析の後に、5個のGAL4結合部位、MMTVプロモーター、および、ルシフェラーゼ遺伝子からなるルシフェラーゼレポーター構成要素を、プラスミドpデルタM−GAL4−Luc−Zeoを得るために、ゼオシン(zeozin)耐性を付与するプラスミドにサブクローニングした。このベクターを、Ausubel,F.M.等(Current protocols in molecular biology,Vol.1〜3,ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley&Sons,Inc.),1995)で述べられているようにして、HEK細胞にトランスフェクションした。次に、ゼオシンを含む培地(0.5mg/ml)を用いて、極めて低いルシフェラーゼ遺伝子の基底の発現を示した適切な安定な細胞クローンを選択した。
【0095】
第二の工程において、PPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を、上述の安定な細胞クローンに導入した。この目的のために、最初は糖質コルチコイド受容体のN末端の76個のアミノ酸をコードするcDNA(Genbank登録番号P04150)を、酵母転写因子GAL4のアミノ酸1〜147をコードするcDNA断片(Genbank登録番号P04386)に連結した。ヒトPPARアルファ受容体のリガンド−結合ドメインのcDNA(アミノ酸S167−Y468;Genbank登録番号S74349)を、このGR−GAL4コンストラクトの3’末端にクローニングした。この方法で製造された融合コンストラクト(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を、サイトメガロウイルスプロモーターによるその場での構成的発現を可能にするためにプラスミドpcDNA3(インビトロジェン(Invitrogen)製)にサブクローニングした。このプラスミドを制限エンドヌクレアーゼで直線状にし、ルシフェラーゼレポーター構成要素を含む上述の細胞クローンに安定してトランスフェクションした。このようにして完成した、ルシフェラーゼレポーター構成要素を含み、PPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を構成的に発現するPPARアルファレポーター細胞系を、ゼオシン(0.5mg/ml)、および、G418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離した。
【0096】
分析手法
以下で説明する3日間の分析で、PPARアルファアゴニストの活性を決定した:
1日目
PPARアルファレポーター細胞系は、以下の付加物と混合したDMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)中で80%の密集度に培養した:10%のcs−FCS(ウシ胎児血清;番号SH−30068.03、ハイクローン(HyClone))、0.5mg/mlのゼオシン(番号R250−01、インビトロジェン)、0.5mg/mlのG418(番号10131−027、インビトロジェン)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(番号15140−122、インビトロジェン)、および、2mMのL−グルタミン(番号25030−024、インビトロジェン)。細胞培養用インキュベーターにおいて、標準的な細胞培養用ボトル(番号353112、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))中で37℃で5%CO2の存在下で培養を行った。80%の密集度の細胞を、PBS(番号14190−094,インビトロジェン)15mlで一回洗浄し、トリプシン溶液(番号25300−054,インビトロジェン)3mlで37℃で2分間処理し、上述のDMEM培地5mlに溶解させ、細胞計数器で計数した。500000細胞/mlに希釈した後、35000個の細胞を、透明なプラスチックをベースとする96ウェルのマイクロタイタープレート(番号3610,コーニング・コースター(Corning costar))の各ウェルにシーディングした。このプレートを、細胞培養用インキュベーターで、37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。
【0097】
2日目
試験されるPPARアルファアゴニストを、10mMの濃度になるようにDMSOに溶解させた。このストック溶液を、5%のcs−FCS(番号SH−30068.03,ハイクローン)、2mMのL−グルタミン(番号25030−024,インビトロジェン)、および、上述した抗生物質(ゼオシン,G418,ペニシリンおよびストレプトマイシン)と混合したDMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)で希釈した。
試験物質を、10μM〜100pMの範囲の11種の異なる濃度で試験した。より有効な化合物は、1μM〜10pM、または、100nM〜1pMの範囲の濃度で試験した。
1日目にシーディングしたPPARアルファレポーター細胞系の培地を吸引によって完全に除去し、この細胞に、培地で希釈した試験物質を即座に添加した。このような物質の希釈および添加を、ロボット(ベックマンFX(Beckman FX))によって行った。培地で希釈した試験物質の最終容量は、96ウェルのマイクロタイタープレートのウェル1つあたり100μlであった。溶媒の細胞傷害効果を回避するために、この分析におけるDMSO濃度は、0.1%v/v未満であった。各プレートに標準的なPPARアルファアゴニストを入れて、これを同様に、それぞれ個々のプレートにおいて分析が機能しているかどうかを実証するために11種の異なる濃度で希釈した。インキュベーターで、分析プレートを、37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。
【0098】
3日目
インキュベーターから試験物質で処理したPPARアルファレポーター細胞を取り出し、培地を吸引して除いた。これらの細胞を、ピペッティングによって、ブライト・グロー(Bright Glo)試薬(プロメガ(Promega)製)50μlに溶解させ、96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルに入れた。室温で、暗所で10分間インキュベートした後、ルミノメーター(トリラックス(Trilux),ワラック(Wallac)製)中でマイクロタイタープレートを測定した。マイクロタイタープレートの各ウェルにかかる測定時間は、1秒であった。
【0099】
評価
ルミノメーターからの生データを、マイクロソフトエクセル(Microsoft Excel)ファイルに移した。PPARアゴニストの用量−作用プロット、および、EC50値を、XL.Fitプログラムを用いて製造元(IDBS)が明記したように計算した。
【0100】
細胞のPPARガンマ分析におけるPPARアゴニストのEC50値の決定
原理
一過性トランスフェクションシステムを用いて、PPARアゴニストの細胞のPPARガンマ活性を決定した。これは、ルシフェラーゼレポータープラスミド(pGL3ベース−5xGAL4−TK)、および、PPARガンマ発現プラスミド(pcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD)の使用に基づく。両方のプラスミドを、ヒト胎児腎臓細胞(HEK細胞)に一時的にトランスフェクションさせた。続いて、これらの細胞において、レポータープラスミドのGAL4結合部位に結合した融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDの発現が起こった。PPARガンマ活性リガンドの存在下で、活性化された融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を誘導したが、これは、ルシフェラーゼ基質添加後に化学発光シグナルの形態で検出することができる。安定してトランスフェクションされたPPARアルファレポーター細胞系とは異なり、細胞のPPARガンマ分析において、2種の成分(ルシフェラーゼレポータープラスミド、および、PPARガンマ発現プラスミド)をHEK細胞に一時的にトランスフェクションさせたが、これは、PPARガンマ融合タンパク質の安定で永続的な発現は細胞毒性であるためである。
【0101】
プラスミドの構築
ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3ベースの5xGAL4−TKは、ベクターpGL3ベース(プロメガ製)に基づく。レポータープラスミドは、酵母転写因子GAL4の5個の結合部位(それぞれの結合部位は、配列5’−CTCGGAGGACAGTACTCCG−3’を有する)を、長さが160bpのチミジンキナーゼプロモーター断片(Genbank登録番号AF027128)と共に、pGL3ベースの5’上流にクローニングすることによって製造された。チミジンキナーゼプロモーターの3’下流は、ホタル由来の完全なルシフェラーゼ遺伝子(Genbank登録番号M15077)であり、これは、もともと用いられたプラスミドpGL3ベースの要素である。Sambrook J.等(Molecular cloning,コールドスプリングハーバーラボラトリープレス,1989)に記載の説明と同様にして、レポータープラスミドpGL3ベース−5xGAL4−TKのクローニングおよび配列解析を行った。
【0102】
PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDを、まずサイトメガロウイルスプロモーターの3’下流で、酵母転写因子GAL4のアミノ酸1〜147(Genbank登録番号P04386)をコードするcDNAをプラスミドpcDNA3(インビトロジェン製)にクローニングすることによって製造した。その後、GAL4DNA結合ドメインの3’下流におけるヒトPPARガンマ受容体のリガンド−結合ドメイン(LBD)のcDNA(アミノ酸I152−Y475;登録番号g1480099)をクローニングした。Sambrook J.等(Molecular cloning,コールドスプリングハーバーラボラトリープレス,1989)に記載の説明と同様にして、再度、PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDのクローニングおよび配列解析を行った。ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3ベース−5xGAL4−TK、および、PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDの他にも、プロメガ製の参照プラスミドpRL−CMV、および、ストラタジーン(Stratagene)製のプラスミドpBluescript SK(+)も細胞のPPARガンマ分析に用いられる。HEK細胞にトランスフェクションする前に、内毒素含量が最小のプラスミドの品質を確実にすることができるキアゲン(Qiagen)製のプラスミド製造キットを用いて4種全てのプラスミドを製造した。
【0103】
分析手法
以下で説明される4日間の分析で、PPARガンマアゴニストの活性を決定した。トランスフェクションの前に、以下の付加物と混合したDMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)中でHEK細胞を培養した:10%のFCS(番号16000−044,インビトロジェン)、1%のペニシリン−ストレプトマイシン溶液(番号15140−122,インビトロジェン)、および、2mMのL−グルタミン(番号25030−024,インビトロジェン)。
【0104】
1日目
まず第一に、溶液A、すなわちDMEM培地に加えて、これまでに述べられた4種全てのプラスミドを含むトランスフェクション混合物を製造した。以下の量を用いて、分析用の96ウェルのマイクロタイタープレートそれぞれに対して溶液A3mlを作製した:抗生物質および無血清DMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)2622μl、参照プラスミドpRL−CMV(1ng/μl)100μl、ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3ベース−5xGAL4−TK(10ng/μl)100μl、PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD(100ng/μl)100μl、および、プラスミドpBluescript SK(+)(500ng/μl)78μl。次に、96ウェルのマイクロタイタープレートそれぞれのために、溶液B(2ml)を、DMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)1.9mlと、ポリフェクト(PolyFect)トランスフェクション試薬(キアゲン製)100μlとを混合することによって製造した。その後、溶液A(3ml)と溶液B(2ml)と混合し、溶液C(5ml)を得て、これを複数回ピペッティングすることによって徹底的に混合し、室温で10分間インキュベートした。容量175cm2の細胞培養用ボトルからの80%の密集度のHEK細胞を、PBS(番号14190−094,インビトロジェン)15mlで一回洗浄し、トリプシン溶液(番号25300−054,インビトロジェン)3mlで37℃で2分間処理した。次に、この細胞を、10%のFCS(番号16000−044,インビトロジェン)、1%のペニシリン−ストレプトマイシン溶液(番号15140−122,インビトロジェン)、および、2mMのL−グルタミン(番号25030−024,インビトロジェン)と混合したDMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)15mlに溶解させた。細胞計数器で細胞懸濁液を計数した後、懸濁液を250000細胞/mlに希釈した。1つのマイクロタイタープレートにおいて、この細胞懸濁液15mlと、溶液C(5ml)とを混合した。この懸濁液200μlを、透明なプラスチックベース(番号3610、コーニング・コースター(Corning costar))を有する96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルにシーディングした。プレートを、細胞培養用インキュベーターで、37℃、5%のCO2で24時間インキュベートした。
【0105】
2日目
試験しようとするPPARアゴニストを、DMSOに10mMの濃度で溶解させた。このストック溶液を、2%のUltroser(番号12039−012、バイオセプラ(BioSepra))、1%のペニシリン−ストレプトマイシン溶液(番号15140−122,インビトロジェン)、および、2mMのL−グルタミン(番号25030−024,インビトロジェン)と混合したDMEM培地(番号41965−039,インビトロジェン)で希釈した。試験物質を、10μM〜100pMの範囲の合計で11種の異なる濃度で試験した。比較的有効な化合物を、1μM〜10pMの範囲の濃度で試験した。
【0106】
1日目にトランスフェクションされ、シーディングしたHEK細胞の培地を、吸引で完全に除去し、細胞に培地で希釈した試験物質を即座に添加した。この物質の希釈および添加は、ロボット(ベックマンFX)によって行った。培地で希釈した試験物質の最終容量は、96ウェルのマイクロタイタープレートのウェル1つあたり100μlであった。各プレートに、標準的なPPARガンマアゴニストを入れ、これを同様に、それぞれ個々のプレートにおいて分析が機能しているかどうかを実証するために11種の異なる濃度で希釈した。インキュベーターで、分析プレートを、37℃、5%CO2で48時間インキュベートした。
【0107】
4日目
吸引によって培地を除去した後、細胞を溶解させるために、各ウェルに、デュアル−グローTM(Dual−GloTM)試薬(デュアル−グローTMルシフェラーゼ分析系;プロメガ)50μlを製造元の説明書に従って添加し、細胞中で形成されたホタルルシフェラーゼ(Photinus pyralis)の基質を提供した。室温で、暗所で10分間インキュベートした後に、計測器でホタルルシフェラーゼが介在する化学発光を測定した(測定時間/ウェル・秒;トリラックス(Trilux),ワラック(Wallac)製)。次に、各ウェルに、ホタルルシフェラーゼの活性を止めるためにデュアル−グローTMストップ&グロー試薬(デュアル−グローTMルシフェラーゼ分析系;プロメガ)50μlを添加し、参照プラスミドpRL−CMVによって発現されたウミシイタケルシフェラーゼの基質を提供した。暗所でさらに10分間、室温でインキュベートした後、再度計測器で、ウミシイタケルシフェラーゼが介在する化学発光を1秒/ウェルで測定した。
【0108】
評価
ルミノメーターからの生データを、マイクロソフトエクセルファイルに移した。マイクロタイタープレートの1つのウェルから得られた各測定ごとに、ホタル/ウミシイタケルシフェラーゼ活性の比率を決定した。この比率から、PPARアゴニストの用量−作用プロットおよびEC50値を、XL.Fitプログラムを用いて製造元(IDBS)が明記したように計算した。
【0109】
以下の表Iに、いくつかの本発明の式Iで示される化合物の活性に関する結果を示す:
【表1】

【0110】
【化2】

【0111】
表Iから、本発明の式Iで示される化合物は、PPARアルファ受容体、および、PPARガンマ受容体を活性化することから、例えば、臨床で用いられているフィブラートと同様に、体内でトリグリセリドを低くすることが明らかである(例えば、J.−Ch.Fruchard等:PPARS,Metabolic Disease and Atherosclerosis,Pharmacological Research,第44巻,第5号,2001;S.Kersten等:Roles of PPARs in health and disease,NATURE,VOL 405,2000年5月25日;I.Pineda等:Peroxisome proliferator−activated receptors:from transcriptional control to clinical practice,Curr Opin Lipidol 12:2001,245〜254を参照)。
【0112】
以下で詳述する実施例は、本発明を説明するのに役立つが、しかしながら本発明を制限しない。
【0113】
【化3】

【0114】
【表2】

【0115】
【表3】

【0116】
方法
本発明の式Iで示される化合物は、以下の反応スキームに従って得ることができる:
方法A
【化4】

【0117】
化合物A−1を、WO2004076390で説明されている方法によって製造する(ここにおいて、R6は上述の意味を有する)。次に、この臭化物と一級ジオール(過量)とを、極性溶媒中の塩基の存在下で、20〜40℃で反応させ、生成物A−2を得る(ここにおいてR4、R5およびmは上述の意味を有する)。次に、化合物A−2と、WO2004076428、WO2004076427、WO2004076426、WO2004075815、WO2004076390、WO2003020269で説明されているように製造されたヨウ化物A−3とを、極性溶媒中の塩基の存在下で、20〜40℃で反応させ(ここにおいて、R1、R2、R3、Xおよびnは上述の意味を有する)、化合物A−4を得る。最終的に、水/メタノール、または、水/エタノール混合物中の水酸化物と共に、0〜40℃で(R6=一級または二級アルキルの場合)、または、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン混合物中で、0〜40℃で(R6=三級アルキルの場合)、化合物A−4を撹拌することによってエステル切断させる。この方法によって、以下に示す実施例を合成することができる。
【0118】
用いられる略語は以下の意味を有する:
tBu tert−ブチル
Cy シクロヘキシル
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EI 電子衝撃イオン化(MSにおいて)
equiv. 当量
ESI エレクトロンスプレーイオン化(MSにおいて)
Et エチル
h 時間
HPLC 高圧, 高速液体クロマトグラフィー
LCMS カップリングされた液体クロマトグラフィー−マススペクトロスコピー
Me メチル
MS マススペクトロスコピー
MTBE tert−ブチルメチルエーテル
NMR 核磁気共鳴分光分析
Ph フェニル
iPr イソプロピル
nPr n−プロピル
Rf 保持率(TLCにおいて)
室温 室温
sat. 飽和
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0119】
上述の方法に従って、その他の化合物も製造することができる。
【実施例】
【0120】
実施例1
2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−m−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化5】

【0121】
tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート
【化6】

プロパンジオール25.5mlを、DMF(400ml)中の水素化ナトリウム(60重量%,ミネラルオイル中)の懸濁液3.37gに室温でゆっくり一滴ずつ添加した。ガス発生が止まった後、tert−ブチル2−ブロモメチル−6−メチルベンゾエート20gを添加し、この溶液を室温で72時間撹拌した。水を添加し、この溶液をMTBEで2回抽出し、有機相を合わせ、水と飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲル上で、ヘプタン/酢酸エチル勾配を用いてクロマトグラフィーにかけ、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート16gを無色の油として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO): δ=7.27-7.32 (m, 1H); 7.16-7.24 (m, 2H); 4.44 (s, 2H); 4.38 (t, J=6Hz, 1H); 3.39-3.46 (m, 4H); 2.27 (s, 3H); 1.66 (tt, J1=6Hz, J2=6Hz, 2H); 1.55 (s, 9H)。
【0122】
tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート
【化7】

tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエートは、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエートの合成と同様に、tert−ブチル2−ブロモメチル−6−メチルベンゾエート、および、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールから製造された。1H-NMR (500 MHz, DMSO): δ=7.27-7.32 (m, 1H); 7.16-7.24 (m, 2H); 4.44 (s, 2H); 4.39 (t, J=6Hz, 1H); 3.32-3.40 (m, 4H); 3.16 (d, J=6Hz, 2H); 3.10 (s, 2H); 2.27 (s, 3H); 1.55 (s, 9H); 0.79 (s, 6H)。
【0123】
tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート
【化8】

tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエートは、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエートの合成と同様に、tert−ブチル2−ブロモメチル−6−メチルベンゾエート、および、ブタン−1,4−ジオールから製造された。
1H-NMR (500 MHz, DMSO): δ=7.27-7.32 (m, 1H); 7.16-7.24 (m, 2H); 4.44 (s, 2H); 4.37 (t, J=6Hz, 1H); 3.32-3.40 (m, 4H); 2.27 (s, 3H); 1.55 (s, 9H); 1.50-1.59 (m, 2H); 1.40-1.48 (m, 2H)。
【0124】
2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−m−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化9】

【0125】
tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート200mgをMTBE1.0mlに溶解させ、水素化ナトリウム57mg(60%,ミネラルオイル中)を添加した。ガス発生が止まった後、5−メチル−2−m−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物446mgを添加し、この懸濁液を室温で一晩撹拌した。次に、水を添加し、この溶液をけいそう土製カートリッジ(VARIAN CHEM ELUT1010)に注入した。生成物をMTBEで溶出させ、濃縮した。精製しないで残留物をDCM/TFA(3:1)に溶解させ、40℃で5時間撹拌した。この溶液を濃縮し、予備的HPLCによって精製し、2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−m−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸202mgを得た。
C24H27NO5 (409.19): LCMS (ESI): 410.48 [MH+]。
【0126】
実施例2
2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化10】

2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H27NO5 (409.19): LCMS (ESI): 410.23 [MH+]。
【0127】
実施例3
2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−p−ビフェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化11】

2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−p−ビフェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−p−ビフェニルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H29NO5 (471.20): LCMS (ESI): 472.19 [MH+]。
【0128】
実施例4
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸
【化12】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H24F3NO6 (479.16): LCMS (ESI): 480.12 [MH+]。
【0129】
実施例5
2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−チエニルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化13】

2−メチル−6−[3−(5−メチル−2−チエニルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−チエニルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C21H23NO5S (401.13): LCMS (ESI): 402.13 [MH+]。
【0130】
実施例6
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチルメルカプトフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−プロポキシメチル}安息香酸
【化14】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチルメルカプトフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−プロポキシメチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(4−トリフルオロメチルメルカプトフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H24F3NO5S (495.13): LCMS (ESI): 496.14 [MH+]。
【0131】
実施例7
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸
【化15】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C23H24FNO5 (413.16): LCMS (ESI): 414.20 [MH+]。
【0132】
実施例8
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−フェノキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸
【化16】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(4−フェノキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(4−フェノキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H29NO6 (487.20): LCMS (ESI): 488.23 [MH+]。
【0133】
実施例9
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸
【化17】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H24F3NO5 (463.16): LCMS (ESI): 464.03 [MH+]。
【0134】
実施例10
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸
【化18】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチル−ベンゾエート、および、5−メチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H27NO6 (425.18): LCMS (ESI): 426.44 [MH+]。
【0135】
実施例11
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸
【化19】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチル−ベンゾエート、および、5−メチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H29NO7 (455.19): LCMS (ESI): 456.18 [MH+]。
【0136】
実施例12
2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸
【化20】

2−メチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシ−メチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H24F3NO6 (479.16): LCMS (ESI): 480.21 [MH+]。
【0137】
実施例13
2−{3−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−エチルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸
【化21】

2−{3−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−エチルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチル−ベンゾエート、および、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−エチルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C28H35NO5 (465.25): LCMS (ESI): 464.24 [MH+]。
【0138】
実施例14
2−{3−[5−エチル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化22】

2−{3−[5−エチル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−エチル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C28H29NO5 (459.20): LCMS (ESI): 460.09 [MH+]。
【0139】
実施例15
2−{3−[2−(3,4−ジメチルフェニル)−5−エチルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸
【化23】

2−{3−[2−(3,4−ジメチルフェニル)−5−エチルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−エチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C26H31NO5 (437.22): LCMS (ESI): 438.10 [MH+]。
【0140】
実施例16
2−メチル−6−[3−(5−エチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化24】

2−メチル−6−[3−(5−エチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−エチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H29NO5 (423.20): LCMS (ESI): 424.51 [MH+]。
【0141】
実施例17
2−エチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸
【化25】

2−エチル−6−{3−[5−メチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−エチル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H29NO6 (439.20): LCMS (ESI): 440.25 [MH+]。
【0142】
実施例18
2−{3−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−イソプロピルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化26】

2−{3−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−イソプロピルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−イソプロピルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H37NO5 (479.27): LCMS (ESI): 480.13 [MH+]。
【0143】
実施例19
2−{3−[5−イソプロピル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸
【化27】

2−{3−[5−イソプロピル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−イソプロピル−2−(2−ナフチル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H31NO5 (473.22): LCMS (ESI): 474.09 [MH+]。
【0144】
実施例20
2−{3−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化28】

2−{3−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C26H28F3NO5 (491.19): LCMS (ESI): 492.04 [MH+]。
【0145】
実施例21
2−{3−[5−イソプロピル−2−(3,4−ジメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化29】

2−{3−[5−イソプロピル−2−(3,4−ジメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−イソプロピル−2−(3,4−ジメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C27H33NO5 (451.24): LCMS (ESI): 452.10 [MH+]。
【0146】
実施例22
2−メチル−6−{3−[5−シクロヘキシル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}安息香酸
【化30】

2−メチル−6−{3−[5−シクロヘキシル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ]プロポキシメチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−シクロヘキシル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H35NO5 (477.25): LCMS (ESI): 478.52 [MH+]。
【0147】
実施例23
2−メチル−6−[3−(5−フェニル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸
【化31】

2−メチル−6−[3−(5−フェニル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−フェニル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C29H29NO5 (471.20): LCMS (ESI): 472.52 [MH+]。
【0148】
実施例24
2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸
【化32】

2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C24H26FNO5 (427.18): LCMS (ESI): 428.24 [MH+]。
【0149】
実施例25
2−[2,2−ジメチル−3−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]−6−メチル−安息香酸
【化33】

2−[2,2−ジメチル−3−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)プロポキシメチル]−6−メチル−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C26H31NO5 (437.22): LCMS (ESI): 438.53 [MH+]。
【0150】
実施例26
2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化34】

2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ−メチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H28FNO5 (441.20): LCMS (ESI): 442.27 [MH+]。
【0151】
実施例27
2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化35】

2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ−メチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C26H31NO6 (453.22): LCMS (ESI): 454.11 [MH+]。
【0152】
実施例28
2−{3−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチルプロポキシ−メチル}−6−メチル安息香酸
【化36】

2−{3−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]−2,2−ジメチル−プロポキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C28H32F3NO5 (519.22): LCMS (ESI): 520.46 [MH+]。
【0153】
実施例29
2−メチル−6−{4−[5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}安息香酸
【化37】

2−メチル−6−{4−[5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。C24H26FNO5 (427.18): LCMS (ESI): 428.45 [MH+]。
【0154】
実施例30
2−メチル−6−[4−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)ブトキシメチル]安息香酸
【化38】

2−メチル−6−[4−(5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメトキシ)ブトキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−メチル−2−p−トリルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H29NO5 (423.20): LCMS (ESI): 424.27 [MH+]。
【0155】
実施例31
2−メチル−6−{4−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}−安息香酸
【化39】

2−メチル−6−{4−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}−安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C25H29NO6 (439.20): LCMS (ESI): 440.15 [MH+]。
【0156】
実施例32
2−{4−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}−6−メチル安息香酸
【化40】

2−{4−[5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメトキシ]ブトキシメチル}−6−メチル安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、5−イソプロピル−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)オキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C27H30F3NO5 (505.21): LCMS (ESI): 506.30 [MH+]。
【0157】
実施例33
2−メチル−6−[4−(2−p−ビフェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ)ブトキシメチル]安息香酸
【化41】

2−メチル−6−[4−(2−p−ビフェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ)ブトキシメチル]安息香酸を、実施例1と同様にして、tert−ブチル2−(4−ヒドロキシブトキシメチル)−6−メチルベンゾエート、および、2−p−ビフェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメチルヨウ化物から得た。
C30H31NO5 (485.22): LCMS (ESI): 486.47 [MH+]。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1は、H、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C2)−アルキル、(C1〜C6)−アルキルメルカプト、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルメルカプト、F、CF3、フェニル、フェノキシであり;
R2は、H、O−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルキル、CF3、トリフルオロメトキシであるか、または、
R1およびR2は、フェニル環と一緒になって、融合したナフチルであり;
R3は、H、(C1〜C6)−アルキル、フェニル、シクロヘキシルであり;
R4およびR5は、H(この場合、mは1または2であってよい)、または、CH3(この場合、mは1のみ)であり;
R6は、H、(C1〜C6)−アルキルであり;
Xは、CH(nが1の場合)、または、S(nが0の場合)であり;
nは、0または1であり;
mは、1または2である]で示される化合物、ならびに、それらの生理学的に許容できる塩、溶媒化合物および生理学的に機能的な誘導体。
【請求項2】
R1またはR2は、Hではない、請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項3】
R1は、Hであり;
R2は、O−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルキル、CF3、トリフルオロメトキシであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項4】
R1は、(C1〜C6)−アルキル、O−(C1〜C2)−アルキル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルメルカプト、F、フェニル、フェノキシであり;
R2は、Hであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキル、フェニル、シクロヘキシルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項5】
R1およびR2は同一であり、H、Me、OMeであるか、または、
R1およびR2は、フェニル環と一緒になって、融合したナフチルであり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項6】
R1は、H、F、Meであり;
R2は、H、OMe、CF3であり;
R3は、H、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5は、Meであり;
R6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、1である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項7】
R1は、H、F、Me、Phであり;
R2は、H、OMe、CF3であり;
R3は、(C1〜C6)−アルキルであり;
R4、R5およびR6は、Hであり;
Xは、CHであり;
nは、1であり;
mは、2である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項8】
1種またはそれ以上の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物を含む医薬品。
【請求項9】
1種またはそれ以上の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、および、代謝障害またはそれに関連する障害に好ましい作用を有する1種またはそれ以上の活性成分を含む医薬品。
【請求項10】
1種またはそれ以上の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、および、1種またはそれ以上の抗糖尿病剤を含む医薬品。
【請求項11】
1種またはそれ以上の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物、および、1種またはそれ以上の脂質調節因子を含む医薬品。
【請求項12】
脂肪酸代謝の障害、および、グルコース利用障害を治療および/または予防するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項13】
インスリン耐性が関連する障害を治療および/または予防するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項14】
糖尿病、および、それに関連する続発症を治療および/または予防するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項15】
異常脂質血症、および、それらの続発症を治療および/または予防するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項16】
代謝症候群に関連する状態を治療および/または予防するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項17】
脂肪酸代謝の障害、および、グルコース利用障害を治療および/または予防するための、少なくとも1種の追加の活性成分と組み合わせた請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
インスリン耐性が関連する障害を治療および/または予防するための、少なくとも1種の追加の活性成分と組み合わせた、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
活性成分と、製薬的に適切な担体とを混合すること、および、この混合物を投与に適した形態にすることを含む、1種またはそれ以上の請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬品の製造方法。

【公表番号】特表2008−543895(P2008−543895A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517368(P2008−517368)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005570
【国際公開番号】WO2007/000235
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】