説明

PoC/W通信システム、PoCサーバ、PoC/W通信方法及びPoC/W通信プログラム

【課題】 PTT(Push to Talk)通信において、ユーザによる端末操作を必要とせずに、発言権を取得し、音声を他の端末装置に送信できる。
【解決手段】 本発明によるPoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)通信システムは、通信網5に接続される指名端末2と、複数の端末装置3と、通信網5に接続されるPoCサーバ1を具備する。PoCサーバ1は、端末装置3のいずれかに対し、PTT(Push to Talk)通信における発言権を付与するための発言権信号を送信し、発言権信号が受信される端末装置(3)は、端末装置(3)に入力される音声をトリガとして音声を音声パケットに変換し、PoCサーバ(1)を介して指名端末2や、他の端末装置(3)に対して音声パケットを転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、特にPoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)通信を利用した通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等のセルラ網を利用したPoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)が注目されている。PTT(Push to Talk)機能は、“押して”“話す”というトランシーバのように通話することができる技術やサービスであり、携帯電話のように相手の電話番号をダイヤルするのではなく、通話可能な相手を選択しボタンを押すことで、1対1あるいは、1対多の通話が可能になる。このため、PoC/Wは特に、ユーザが同一グループ全体や特定の個人と繰り返し不定期に通話を行う必要がある場合に適している。
【0003】
PTT機能は、インターネットプロトコルを利用してデータ通信網で通話を行う、いわゆるVoIPの1つであり、携帯電話やPDAといった携帯端末向けに開発され仕様方式の標準化が進められている。通常の回線交換方式と違い、データ通信網を使用するため、通話コストが安くなることから、利用者にとってのメリットも大きい。
【0004】
PoC/Wでは、相手との接続後は通話用のボタンを押している時間だけ、相手に音声を転送することができるが、ボタンを押している間は相手からの声は聞こえない。つまり会話を行うためには、お互いに短いやり取りでボタンを押したり離したりする必要がある。従来では、発言を希望するユーザが、通話用のボタンを押しつづけなければ発言権を得られず、通話することができない。このため、両手がふさがれるような作業者や運転中のドライバは、ボタン操作ができないので、発言権を得ることができないという操作性の問題があった。
【0005】
又、PoC/Wでは、グループ化した複数の相手ユーザにも同時接続し、通話用のボタンを押している端末からグループ内の他の全てのユーザに音声を送信することができる。しかし、同時に2つ以上の端末から音声を送信することはできない。このため、ユーザは発言権を持つユーザの発言終了を待つか、事前に発言の順番を取り決める等の処置が必要となる。
【0006】
PTT機能を利用した技術が特開2004−289841号公報に開示されている(特許文献1参照)。この開示例では、無線ネットワークが発呼側のためのプッシュ・ツー・トーク操作とトラフィック・チャネルの発信を同時に開始するように、発呼側が無線ネットワークと通信する。呼出し側の移動局すなわち発呼側は、プッシュ・ツー・トーク操作の開始を要求するショート・データ・バースト(SDB)メッセージを送信し、このSDBメッセージに、その発呼側の発信を実施する指示を含める。このように、プッシュ・ツー・トーク設定における待ち時間を短縮している。
【0007】
しかしながら、送話をする際、発呼側である無線端末を操作して無線ネットワークと通信して発言権を得る必要がある。
【特許文献1】特開2004−289841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、PTT(Push to Talk)通信において、ユーザによる端末操作を必要とせずに、発言権を取得し、音声を他の端末装置に送信できるPoC/W通信システム、PoCサーバ、PoC/W通信方法及びPoC/W通信プログラムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、端末装置の状態を示すプレゼンス情報に基づいて、同一グループに登録された端末装置に発言権を付与できるPoC/W通信システム、PoCサーバ、PoC/W通信方法及びPoC/W通信プログラム及び発言権指名方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明によるPoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)通信システムは、通信網(5)に接続される複数の端末装置(2、3)と、通信網(5)に接続されるPoCサーバ(1)を具備する。PoCサーバ(1)は、端末装置(2、3)のいずれかに対し、PTT(Push to Talk)通信における発言権を付与するための発言権信号を送信する発言権信号が受信される端末装置(3)は、端末装置(3)に入力される音声をトリガとして音声を音声パケットに変換し、他の端末装置(3)に対して音声パケットを転送する。このように、端末装置(3)は、他の端末装置(2、3)から発言権を取得でき、ユーザによる操作を必要とせずに音声を他の端末装置(2、3)に送信することができる。
【0012】
第1の態様に係るPoC/W通信システムの複数の端末装置は、指名端末(2)と第1の端末装置(例えば3−A)を含み、指名端末(2)は、発言権を付与する端末装置を指定するための指名情報を、PoCサーバ(1)に送信し、PoCサーバ(1)は指名情報に応じて、発言権信号を第1の端末装置(例えば3―A)に送信する。又、PoCサーバ(1)は、発言権信号によって発言権を付与された第1の端末装置(例えば3―A)から送信される音声パケットを複製し、音声パケットを指名端末(1)又は/及び第2の端末装置(例えば3―B)に転送するのが好ましい。
【0013】
更にPoCサーバは、PTT通信を実行するための接続勧誘信号を複数の端末装置(3)に送信し、複数の端末装置(3)のいずれかの端末装置(3)は、接続勧誘信号に応答して参加表明信号をPoCサーバに送信する。PoCサーバ(1)は、これらの参加表明信号を送信する端末装置と、PoCサーバ(1)との間のセッションを確立し、PTT通信を実行する。
【0014】
PoCサーバ(1)との間のセッションが確立された端末装置(3)は、PoCサーバ(1)に対し、端末装置(3)の状態を示すプレゼンス情報を送信し、PoCサーバ(1)は、プレゼンス情報と端末装置(3)とを関連付けたユーザ情報を指名端末(2)に送信し、指名端末(2)は、前記ユーザ情報を表示する。以上の構成により、指名端末(2)を操作するユーザは、プレゼンス情報を参照することで、発言権を付与する端末装置を決定し、指名端末(2)を操作することで、端末装置(例えば3―A)に発言権を付与することができる。
【0015】
通信網(5)に接続され、端末装置(3)のそれぞれの位置情報を保持する外部サーバ(4)を更に具備し、前記外部サーバは、位置情報をPoCサーバ(1)に送信することが好ましい。PoCサーバ(1)は、位置情報と端末装置(3)とを関連付けたユーザ情報を指名端末(2)に送信し、指名端末(2)は、ユーザ情報を表示する。
【0016】
第2の態様に係るPoC/W通信システムのPoCサーバ(1)は、第1及び第2の端末装置(3)から送信される第1及び第2の端末装置(3)の状態を示すプレセンス情報の各々に基づき、発言権を付与する端末装置(3)を第1の端末装置(例えば3―A)と決定し、第1の端末装置(例えば3―A)に対し発言権信号を送信し、発言権信号によって発言権を付与された第1の端末装置(3−A)から送信される音声パケットを複製し、音声パケットを第2の端末装置(例えば3−B)に転送する。このように自動的に発言権者を指定してPTT通信における音声の転送を行うことができる。
【0017】
以上のように、本発明によるPoC/W通信システムは、PTT通信における発言権を端末装置(3)に付与し、端末装置の操作を必要とせずに音声を他の端末装置(2、3)に送信することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるPoC/W通信システム、PoCサーバ及び発言権指名方法によれば、PTT通信においてユーザによる端末操作に依存せずに発言権を取得し、グループに登録された他の端末装置に音声を送信できる。
【0019】
又、端末装置の状態を示すプレゼンス情報に基づいて、グループに登録された端末装置の中の特定の端末装置に発言権を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明によるPoC/W通信システムの実施の形態が説明される。本実施の形態においては、IP通信が可能なセルラ網である通信網5を利用してPTT(Push to Talk)通信を実行するPoC/W通信システムを一例に説明される。尚、通信網5をセルラ網として使用する場合を通常モード、IP網としてPTT通信を実施する場合をPTT通信モードと、以下に記述される。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1及び図2、図5及び図6を参照して本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態が説明される。
【0022】
(構成)
図1は、本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態における構成図である。PoC/W通信システムは、PoCサーバ1と、指名端末2と、少なくとも1つ以上の携帯端末3−A〜3−nと、外部サーバ4とを具備し、それぞれの装置は相互に通信網5で接続される。指名端末2は複数であってもよく、指名端末2毎に少なくとも1つ以上の携帯端末3が関連付けられてグループリストとしてPoCサーバ1に登録される。本実施の形態によるPoCサーバ1は、指名端末2からの要求によりグループリスト内の携帯端末3との間のセッションを確立し、各装置間においてPTT通信を実行させる。
【0023】
指名端末2は、好適にはPCや携帯電話、PDAのような表示装置、情報処理装置、入力装置を備えた端末装置であり、通信網5に接続され、入力装置からの操作によって、PTT通信モードにおいてPoCサーバ1に登録された同一グループ内の携帯端末3に発言権を与える。又、指名端末2を使用するユーザが発言権を決定するために参考とするユーザ情報を表示装置に表示する。
【0024】
携帯端末3は、IP通信可能なセルラ網やLAN等のIPパケット網のような通信網5に接続して相互に通信可能な携帯電話、PDA、携帯PCである。又、携帯端末3は、電話回線を利用できる通常モードと、PTT通信が利用できるPTT通信モードの切り替え可能な携帯電話が好適である。携帯端末3はPoCサーバからのINvite信号に応じて通常モードからPTT通信モードに切り替わる。又、PTT通信モードにおいて発言権が付与された携帯端末3は、保有するマイクロフォンに入力された音声を音声パケットに変換して、通信網5を介しPoCサーバに送信する。PoCサーバ1は、送信された音声パケットを関連する同一グループリスト内の他の携帯端末3及び指名端末2に転送する。
【0025】
本発明によるPoC/W通信システムは、工場内において監督者が、各作業現場の作業状況を一括管理する場合に、好適に用いられる。例えば、監督者が指名端末2を操作し、各作業現場の作業者が携帯端末3−A〜3−nを使用する。PTT通信モードにおいて、監督者は指名端末2を操作して発言権を作業者に付与し、発言権を与えられた作業者は携帯端末3を用いて作業状況や故障状況等を監督者に報告することができる。又、同一グループリストに登録された他の携帯端末3にもその状況を同時に通報することができる。
【0026】
図2は、PoCサーバ1の構成図である。PoCサーバ1は、CPU11と、通信部12と、メモリやハードディスク等の記憶装置あるいはMOやCDROM等の記憶媒体に格納されるプレゼンス情報D/B13及びグループリストD/B14と、プレゼンス制御部15と、グループリスト管理部16と、PTT制御部17とを具備する。
【0027】
プレゼンス制御部15、グループリスト管理部16及びPTT制御部17は、メモリやハードディスク等の記憶装置に格納されるプログラムであり、CPU11によって実行される。
【0028】
通信部12は、通信網12に接続されるネットワークインターフェース及び信号やデータの送受信を実行する送受信制御部を含み指名端末2、携帯端末3−A〜3−n、外部サーバ4との間の信号やデータを送受信する。
【0029】
プレゼンス制御部15は、PTT通信モードにおいて、携帯端末3から送信されるプレゼンス情報と、その携帯端末3とを関連付けてプレゼンス情報D/B13に格納する。又、ユーザ情報取得部171が取得した位置情報とともに、指名端末2に送信する。図8(a)に示されるように、プレゼンス情報D/B13の構造は、携帯端末3を識別するための端末IDと携帯端末3の位置情報及びプレゼンス情報とが関連付けられて格納される。プレゼンス情報とは、好適には、指名端末2が発言権を付与する携帯端末3を決定するために用いる情報である。携帯端末3を使用しているユーザの作業状況等のようなユーザの現在の状態を示す情報(例えば、「作業現場へ車で移動中」や「作業中」、「接客中」、「昼休憩のため外出中」等の文字情報)や、作業プラントの状況を示す情報(例えば、「故障」「稼動中」等の文字情報や故障を告げる警告信号)や、携帯端末3自身の接続可能状況(例えば、「圏外」や「接続可能」を示す信号、「他のアプリケーションを使用中」等の文字情報)である。位置情報は、ユーザの位置を示す情報であり、外部サーバ4から送信される各携帯端末3の位置情報である。例えば、端末装置3の位置である「プラントA」や「休憩所」や「移動中」を示す文字情報や、位置座標や、地図を含む画像情報等である。位置情報は、外部サーバ4に対し各携帯端末3から送信される位置情報、又は外部サーバに事前に登録されたユーザ固有(固定)の位置情報である。又、外部サーバ4に対し各携帯端末3から送信される位置情報としては、ユーザの操作によって携帯端末3に入力された位置情報、携帯端末3に搭載されたGPSによる位置座標や地図を含む画像情報でも良い。
【0030】
グループリスト管理部16は、図示しない入力装置からユーザによって入力された情報に基づき、PoC/Wグループを生成・削除・編集し、グループリストとしてグループリストD/B14に格納する。又、入力装置からの入力情報に基づきグループリストを抽出、図示しない表示装置に表示させる。尚、グループリストは、指名端末2から送信される情報に基づいて生成・削除・編集されても良い。図7に示されるように、グループリストD/B14の構造は、指名端末2毎に、グループを識別するグループIDと携帯端末3を識別する端末IDと、IPアドレスやURL等の指名端末2及び携帯端末3のPoC/Wアドレスとが関連付けられて格納される。又、各携帯端末3に対し発言権の有無が付与される。
【0031】
PTT制御部17は、ユーザ情報取得部171と、指名部172と、発言権管理部173と、音声パケット複製部174と、パケット送信部175とを備える。PTT制御部17は、グループリストに登録された装置間のセッション接続処理、発言権を付与するための発言権信号の制御、発言権が付与された携帯端末3から送信された音声パケットを複製及び他の携帯端末3への転送を実行する。
【0032】
ユーザ情報取得部171は、通信部12を介して外部サーバ4から受信される各携帯端末3の位置情報を、その携帯端末3の端末IDとプレゼンス情報とに関連付けてプレゼンス情報D/B13に格納する。
【0033】
発言権管理部173は、指名端末2から送信される指名情報を受信し、グループリストの発言権を付与する携帯端末に発言権有りのフラグを立て、発言権を与えられた携帯端末3に対し発言権を付与する発言権信号を発行する。又、新たな指名情報に基づき発言権有りのフラグを切り替え、発言権の切り替えを行う。
【0034】
音声パケット複製部174は、携帯端末3から送信される音声パケットを複製し、その音声パケットをパケット送信部175から同一グループの携帯端末3及び指名端末2に転送する。
【0035】
(動作)
図5は、本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態における発言権の指名処理及び音声送話処理の動作シーケンス図である。
【0036】
本実施の形態では、指名端末2と携帯端末3−A、3−B及び3−Cが同一グループとしてPoCサーバ1のグループリストに登録されているものとする。尚、グループリストは、ユーザの操作によって指名端末2から通信網5を介してPoCサーバ1に登録されても、直接PoCサーバ1に入力されても良い。
【0037】
ユーザ(監督者)の入力装置の操作により指名端末2から、PTT通信の参加を求めるinvite信号が通信網5を介してPoCサーバ1に送信される(ステップS2)。
【0038】
PoCサーバ1の接続部173は、Invite信号に含まれるグループIDに対応する携帯端末3−Aから3−Cに対しInvite信号を送信する(ステップS4)。Invite信号を受信した携帯端末3−A及び3−Bは、それぞれPTT通信のための接続を許可するための参加表明信号をPoCサーバ1に送信する(ステップS6)。この際、携帯端末3はInvite信号を受信すると自動的に送信元のPoCサーバ1に参加表明信号を送信しても、Invite信号に基づき、音や表示によってPTT通信の参加を求め、ユーザの操作によって参加表明信号を送信しても構わない。尚、本実施の形態における携帯端末3−Cは通信網5の通信圏外にある、あるいは故障しているため通信網5と接続できず、Invite信号を受信できない。このため、携帯端末3−Cは参加表明信号を送信できない。
【0039】
PoCサーバ1の接続部172は、携帯端末3−A及び3−Bのそれぞれから受信される参加表明信号に応答して、指名端末2及び携帯端末3−A及び3−Bのそれぞれと、PoCサーバ1との間のセッションを確立し、携帯端末3−A及び3−Bは通常モードからPTT通信モードに変更する(ステップS8)。又、セッションの確立は、好適にはSIP(Session Initiation Protocol)に基づいて行なわれる。セッション確立によってPoCサーバ1に接続された携帯端末3−A及び3−Bは、それぞれ自身のプレゼンス情報をPoCサーバ1に送信する(ステップS10)。例えば、携帯端末3−Aを使用するユーザが作業中である場合、作業中を示すプレゼンス情報がPoCサーバ1に送信される。PoCサーバ1のプレゼンス制御部15は、そのプレゼンス情報「作業中」と端末ID「携帯端末3−A」とを対応させてプレゼンス情報D/B13に格納する。又、ユーザ情報取得部171は、セッション接続した携帯端末3−A及び3−Bの位置情報を外部サーバ4に要求し、例えば位置情報「プラントA」や「プラントB」を外部サーバ4から取得し、それぞれの端末IDに対応させてプレゼンス情報D/B13に格納する。尚、圏外にあり、接続できなかった携帯端末3−C、あるいはセッション確立後に通信網5の圏外への移動や故障によって接続が切れた場合、図8(a)に示される携帯端末3−Cのように、プレゼンス情報は不通を示す情報(例えば「圏外」)が格納される。セッション接続した全ての携帯端末3からのプレゼンス情報を取得すると、プレゼンス制御部15は、プレゼンス情報D/B13から対象となる携帯端末3−A及び3−Bのプレゼンス情報と位置情報を抽出し、ユーザ情報として指名端末2に送信する(ステップS12)。
【0040】
指名端末2はPoCサーバから受信されるユーザ情報を表示装置に表示する(ステップS14)。指名端末2のユーザは、表示されるユーザ情報を見ることで携帯端末3−A及び3−Bの状況を把握でき、発言権を与える携帯端末3を決定する参考とする事ができる。入力装置からのユーザの操作によって携帯端末3−Aに対し発言権を付与するための指名情報がPoCサーバ1に送信される(ステップS16)。この際、ユーザは、入力装置を操作して、指名端末2の表示装置に表示される携帯端末名から発言権を付与する携帯端末を選択しても、予め携帯端末に割り当てられたボタン等を押下することによって選択しもよい。指名情報には、発言権を付与する携帯端末3の端末IDが含まれ、PoCサーバ1の発言権管理部173は、グループリストを参照して、その端末IDに対応する携帯端末3、例えば携帯端末3−Aに対し発言権信号を送信する(ステップS18)。発言権信号が受信された携帯端末3−Aは、音やランプ等の通知機能によってユーザに当該携帯端末3−Aに発言権が付与された事を通知する(ステップS20)。音やランプによって発言権が付与された事を知ったユーザは、携帯端末3−Aが備えるマイクロフォンに対し通話を始める。携帯端末3−Aは、入力された音声をトリガとして、音声を音声パケットに変換してPoCサーバ1に送信する(ステップS22)。尚、発言権取得を通知するランプや表示等の視覚に対する通知機能は、発言権が解除されるまで点灯している。
【0041】
PoSサーバの音声パケット複製部174は、携帯端末3−Aから送信された音声パケットを複製する。次に、グループリストを参照して、同じグループとして登録されている携帯端末3−A以外の携帯端末3と指名端末2のPoC/Wアドレスを複製した音声パケットの送信アドレスとして携帯端末3−B及び3−C、指名端末2に転送する(ステップS24)。このように、発言権を付与された携帯端末3−Aを使用するユーザは、携帯端末3−Aを操作することなく音声を入力する(声を発する)だけで他の携帯端末3−B、3−Cや指名端末2に送話する事ができ、携帯端末3を操作することが出来ない状況においてもPTT通信による送話が可能となる。
【0042】
図6は、本発明によるPoC/W通信システムの発言権者の切り替え処理とPTT通信の終了処理の動作シーケンス図である。
【0043】
発言権者を携帯端末3−Aから携帯端末3−Bに切り替える場合について説明される。
【0044】
指名端末2を操作するユーザは入力装置を操作して、発言権者に携帯端末3−Bを指定すると、携帯端末3−Bに発言権を付与するための指名情報がPoCサーバ1に送信される(ステップS32)。PoCサーバ1の接続部172は、グループリストを参照し、発言権「有り」となっている携帯端末3−Aに対し、発言権を解除するための発言停止信号を送信するとともに、携帯端末3−Bに対し発言権信号を送信する(ステップS34)。この際、発言権管理部173は、グループリストの携帯端末3−Aの発言権を「無し」に設定し、携帯端末3−Bの発言権に「有り」と設定する。携帯端末3−Aは、受信される発言停止信号をトリガとして、入力される音声を音声パケットに変換して送信することを停止し、この停止処理を実行したことをPoCサーバ1に通知する。発言権信号が受信された携帯端末3−Bは、ステップS20及びS22と同様な動作により、ユーザによって入力された音声を音声パケットに変換してPoCサーバ1に送信する(ステップS36)。
【0045】
PoSサーバ1の音声パケット複製部174は、ステップS24と同様な動作により携帯端末3−Bから送信された音声パケットを指名端末2、携帯端末3−A及び3−Cに転送する(ステップS38)。このように、携帯端末3−A及び3−Bを操作することなく、指名端末2によって発言権者を携帯端末3−Aから3−Bに切り替えることができる。
【0046】
PTT通信を終了する際、ユーザの操作により指名端末2からPoCサーバ1に対しPoC/W終了信号が送信される(ステップS42)。PoCサーバ1はPoC/W終了信号に基づき、セッション接続している携帯端末3−A及び3−Bに対しPoC/W終了信号を発行する(ステップS44)。PoC/W終了信号が受信された携帯端末3−A及び3−Bはそれぞれ、終了許可信号をPoCサーバ1に送信する(ステップS46)。PoCサーバ1は終了許可信号を受信すると、携帯端末3−A、3−B及び指名端末2との間のセッションを開放する。携帯端末3−A及び3−Bは、それぞれのPTT通信モードを終了し、通常モード(ここでは携帯電話としての通信機能)に復帰する。
【0047】
以上のように、本発明によるPoC/W通信システムは、PTT通信の際、指名端末2によって携帯端末3に発言権を付与し、同一グループ内の携帯端末3及び指名端末2に対し音声を送信することができる。又、携帯端末3からプレゼンス情報が指名端末2に送信されるため、指名端末2において、グループ内の携帯端末3の現在の状況を把握することができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図3及び図4を参照して、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態が説明される。本実施の形態においては、IP通信が可能なセルラ網である通信網5を利用したPoC/W通信システムを一例に説明される。
【0049】
(構成)
図3は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における構成図である。第2の実施の形態における構成は、第1の実施の形態における指名端末2がない構成である。PoCサーバ1’は、PTT通信中に発言権を携帯端末3に付与し、発言権を付与された携帯端末3は音声を音声パケットとして同一グループの他の携帯端末3に送信する。
【0050】
図4は、本発明に係るPoCサーバ1’の第2の実施の形態における構成図である。PoCサーバ1’は第1の実施の形態におけるプレゼンス情報D/B13に換えてプレゼンス情報D/Bを備え、発言権管理部173に換えて発言者決定部173’を備える。発言者決定部173’は、位置情報又は/及びプレゼンス情報に基づいて発言権を付与する優先順位や発言時間を設定し、プレゼンス情報D/B13’に格納する(図8(b)参照)。又、プレゼンス情報D/B13’を参照し、優先順位や発言時間に基づいて発言権信号や発言停止信号を送信して携帯端末3−A〜3−nのいずれかに発言権を付与する。プレゼンス情報D/B13’に設定される優先順位や発言時間は、位置情報やプレゼンス情報に対応して設定されていても良いし、位置情報やプレゼンス情報に関係なく携帯端末3毎に予め設定されていても良い。
【0051】
(動作)
図9は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における発言権の指名処理及び音声送話処理の動作シーケンス図である。
【0052】
本実施の形態では、携帯端末3−A、3−B、3−C・・・3−nが同一グループとしてPoCサーバ1’のグループリストに登録されているものとする。尚、グループリストは、ユーザの操作によって端末装置3−A〜3−nのうちの一つから通信網5を介してPoCサーバ1に登録されても、直接PoCサーバ1’に入力されても良い。
【0053】
ユーザの入力装置の操作により携帯端末3−A〜3−nのうちの一つ(ここでは携帯端末3−A)から、PTT通信の参加を求めるinvite信号が通信網5を介してPoCサーバ1’に送信される(ステップS52)。
【0054】
ユーザの操作によってPoCサーバ1’の接続部172は、携帯端末3−Aから送信されるInvite信号に含まれるグループIDに対応する携帯端末3−Aから3−Cに対しInvite信号を送信する(ステップS54)。Invite信号を受信した携帯端末3−B〜3−nは、それぞれPTT通信のための接続を許可するための参加表明信号をPoCサーバ1’に送信する(ステップS56)。この際、各携帯端末3はInvite信号を受信すると自動的に送信元のPoCサーバ1’に参加表明信号を送信しても、Invite信号に基づき、ユーザに対し音や表示によってPTT通信の参加を求め、ユーザの操作によって参加表明信号を送信しても構わない。尚、本実施の形態における携帯端末3−Cは通信網5の通信圏外にある、あるいは故障しているため通信網5と接続できず、Invite信号を受信できない。このため、携帯端末3−Cは参加表明信号を送信できない。
【0055】
PoCサーバ1’の接続部172は、携帯端末3−B〜3−n(携帯端末3−Cを除く)のそれぞれから受信される参加表明信号に応答して、携帯端末3−Aから3−n(携帯端末3−Cを除く)のそれぞれと、PoCサーバ1との間のセッションを確立する(ステップS58)。又、セッションの確立は、好適にはSIP(Session Initiation Protocol)に基づいて行なわれる。セッション確立によってPoCサーバ1に接続された携帯端末3−A〜3−n(携帯端末3−Cを除く)は、それぞれ自身のプレゼンス情報をPoCサーバ1’に送信する(ステップS60)。位置情報及びプレゼンス情報の送信は、第1の実施の形態におけるステップS10と同様である。この際、発言権を得るための優先順位や発言時間を送信しても構わない。携帯端末3−Cのプレゼンス情報は、第1の実施の形態における携帯端末3−Cと同様なので説明は省略される。
【0056】
PoCサーバ1’の発言者決定部173’は、プレゼンス情報D/B13’を参照して、位置情報やプレゼンス情報を基に優先順位を決定し、それぞれの端末IDに対応付けてプレゼンス情報D/B13’に格納する。例えば、図8(b)に示されるように、携帯端末3−Aは位置情報が「プラントA」であるため位置情報「プラントB」の携帯端末3−Bより高い優先順位が設定され、携帯端末3−nはプレゼンス情報が「休憩中」であるため「作業中」の携帯端末3−A及び3−Bより低い優先順位が設定される。又、圏外である携帯端末3−Cには接続しないため、優先順位や発言時間は設定されない。発言時間は、図8(b)のように位置情報やプレゼンス情報に基づいた時間配分でも、全て同じ時間に設定されても良い。尚、優先順位や発言時間は、発言者決定部173’が設定せずに、ユーザが携帯端末3に入力し、携帯端末3から直接取得しても構わない。
【0057】
PoCサーバ1’の発言者決定部173’は、プレゼンス情報D/B13’を参照して、優先順位の高い携帯端末3、例えば携帯端末3−Aに発言権信号を送信する(ステップS62)。発言権信号が受信された携帯端末3−Aは、音やランプ等の通知機能によってユーザに当該携帯端末3−Aに発言権が付与された事を通知する(ステップS64)。音やランプによって発言権が付与された事を知ったユーザは、携帯端末3−Aが備えるマイクロフォンに対し通話を始める。携帯端末3−Aは、入力された音声をトリガとして、音声を音声パケットに変換してPoCサーバ1’に送信する(ステップS66)。
【0058】
PoSサーバ1’の音声パケット複製部174は、携帯端末3−Aから送信された音声パケットを複製する。次に、グループリストを参照して、同じグループとして登録されている携帯3−B〜3−n(携帯3−Cは除く)のPoC/Wアドレスを複製した音声パケットの送信アドレスとして、携帯3−B〜3−n(携帯3−Cは除く)に転送する(ステップS68)。このように、発言権を付与された携帯端末3−Aを使用するユーザは、携帯端末3−Aを操作することなく音声を入力する(声を発する)だけで他の携帯3−B〜3−n(携帯3−Cは除く)に送話する事ができ、ユーザが携帯端末3を操作することが出来ない状況においてもPTT通信による送話が可能となる。
【0059】
図10は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における発言権者の切り替え処理の動作シーケンス図である。
【0060】
発言権者を携帯端末3−Aから携帯端末3−Bに切り替える場合について説明される。
【0061】
携帯端末3−Aに発言権信号が送信されてから、プレゼンス情報D/B13’に設定されている発言時間が経過すると、PoCサーバ1’の発言者決定部173’は、発言権停止信号を携帯端末3−Aに送信するとともに(ステップS72)、携帯端末3−Bに対し発言権信号を送信する(ステップS74)。この際、発言者決定部173’は、グループリストの携帯端末3−Aの発言権を「無し」に設定し、携帯端末3−Bの発言権に「有り」と設定する。携帯端末3−Aは、受信される発言停止信号をトリガとして、入力される音声を音声パケットに変換して送信することを停止し、この停止処理を実行したことをPoCサーバ1に通知する。発言権信号が受信された携帯端末3−Bは、ステップS64及びS66と同様な動作により、ユーザによって入力された音声を音声パケットに変換してPoCサーバ1’に送信する(ステップS76)。
【0062】
PoSサーバ1’の音声パケット複製部174は、ステップS68と同様な動作により携帯端末3−Bから送信された音声パケットを携帯端末3−A〜3−n(携帯端末3−Cを除く)に転送する(ステップS78)。このように、携帯端末3−A及び3−Bを操作することなく、自動的に発言権者を携帯端末3−Aから3−Bに切り替えることができる。尚、本実施の形態では、発言時間によって発言権を持つ携帯端末3の切り替えを実行したが、時間以外の切り替え条件でも構わない。
【0063】
PTT通信を終了する際、ユーザの操作により例えばPTT通信を開始した(最初にInvite信号を送信した)携帯端末3−AからPoCサーバ1’に対しPoC/W終了信号が送信される。PoC/W終了信号が受信されたPoCサーバ1’の接続部172は、第1の実施の形態におけるステップS44からS48と同様に携帯端末3−A〜3−n(携帯端末3−Cは除く)の間のセッションを解除し、携帯端末3−A〜3−n(携帯端末3−Cは除く)は、それぞれのPTT通信モードを終了し、通常の通信モード(例えば、携帯電話としての通信機能)に復帰する。
【0064】
以上のように、携帯端末3−A〜3−nの間におけるPTT通信において、両手を使用して作業しているユーザは携帯端末3を操作しなくても送話させたい携帯端末3を指定し、送話することができる。これにより、携帯端末3の操作をせずに作業状況や運送状況を監督者に定期的に報告することができる。又、PTT機能により、IPパケット網を利用して送話するため、電話回線を用いるよりも安価に通話することができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。尚、本実施の形態においてPoSサーバ1及び1’は、外部サーバ4から位置情報を取得したが、GPS機能やRFID(Radio Frequency Identification)によって位置情報を得られる各携帯端末3から直接取得しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態における構成図である。
【図2】図2は、本発明によるPoCサーバの第1の実施の形態における構成図である。
【図3】図3は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における構成図である。
【図4】図4は、本発明によるPoCサーバの第2の実施の形態における構成図である。
【図5】図5は、本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態における発言権の指名処理及び音声送話処理の動作シーケンス図である。
【図6】図6は、本発明によるPoC/W通信システムの第1の実施の形態における発言権者の切り替え処理とPTT通信の終了処理の動作シーケンス図である。
【図7】図7は、本発明によるグループリストデータベースの構成図である。
【図8】図8(a)は、本発明によるプレゼンス情報データベース第1の実施の形態における構成図である。 図8(b)は、本発明によるプレゼンス情報データベース第2の実施の形態における構成図である。
【図9】図9は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における発言権の指名処理及び音声送話処理の動作シーケンス図である。
【図10】図10は、本発明によるPoC/W通信システムの第2の実施の形態における発言権者の切り替え処理の動作シーケンス図である。
【符号の説明】
【0067】
1、1’:PoCサーバ
2:指名端末
3、3−A〜3−n:携帯端末
4:外部端末
5:通信網
11:CPU
12:通信部
13、13’:プレゼンス情報D/B
14:グループリストD/B
15:プレゼンス制御部
16:グループリスト管理部
17:PTT制御部
171、171’:ユーザ情報取得部
172:接続部
173:発言権管理部
173’:発言者決定部
174:音声パケット複製部
175:パケット送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続される複数の端末装置と、
前記通信網に接続されるPoCサーバを具備し、
前記PoCサーバは、前記端末装置のいずれかに対し、PTT(Push to Talk)通信における発言権を付与するための発言権信号を送信し、
前記発言権信号が受信される端末装置は、前記端末装置に入力される音声をトリガとして前記音声を音声パケットに変換し、前記複数の端末装置に含まれる他の端末装置に対して前記音声パケットを転送する
PoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記複数の端末装置は、指名端末と第1の端末装置を含み、
前記指名端末は、発言権を付与する端末装置を指定するための指名情報を、前記PoCサーバに送信し、
前記PoCサーバは前記指名情報に応じて、前記発言権信号を第1の端末装置に送信し、前記発言権信号によって発言権を付与された前記第1の端末装置から送信される前記音声パケットを複製し、前記音声パケットを前記指名端末に転送する
PoC/W通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記複数の端末装置は、第2の端末装置を更に含み、
前記PoCサーバは前記音声パケットを前記第2の端末装置に転送する
PoC/W通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムにおいて、
前記PoCサーバは、PTT通信を実行するための接続勧誘信号を前記複数の端末装置に送信し、
前記複数の端末装置のいずれかは、前記接続勧誘信号に応答して参加表明信号を前記PoCサーバに送信し、
前記PoCサーバは、前記参加表明信号を送信する端末装置と、前記PoCサーバとの間のセッションを確立する
PoC/W通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記PoCサーバとの間のセッションが確立された端末装置は、前記PoCサーバに対し、前記端末装置の状態を示すプレゼンス情報を送信し、
前記PoCサーバは、前記プレゼンス情報と前記端末装置とを関連付けたユーザ情報を前記指名端末に送信し、
前記指名端末は、前記ユーザ情報を表示する
PoC/W通信システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記通信網に接続され、前記複数の端末装置のそれぞれの位置情報を保持する外部サーバを更に具備し、
前記外部サーバは、前記位置情報を前記PoCサーバに送信し、
前記PoCサーバは、前記位置情報と前記複数の端末装置とを関連付けたユーザ情報を前記指名端末に送信し、
前記指名端末は、前記ユーザ情報を表示する
PoC/W通信システム。
【請求項7】
請求項1に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記複数の端末装置は、第1の端末装置と第2の端末装置を含み、
前記PoCサーバは、前記第1及び第2の端末装置から送信される前記第1及び第2の端末装置の状態を示すプレセンス情報の各々に基づき、発言権を付与する端末装置を前記第1の端末装置と決定し、前記第1の端末装置に対し発言権信号を送信し、前記発言権信号によって発言権を付与された前記第1の端末装置から送信される前記音声パケットを複製し、前記音声パケットを前記第2の端末装置に転送する。
PoC/W通信システム。
【請求項8】
請求項6に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記通信網に接続される外部サーバを更に具備し、
前記第1の端末装置及び第2の端末装置の位置情報を保持する
前記外部サーバは、前記第1の端末装置及び第2の端末装置の位置情報を保持し、前記位置情報を前記PoCサーバに送信し、
前記PoCサーバは、前記プレセンス情報の各々及び前記位置情報に基づき、発言権を付与する端末装置を前記第1の端末装置と決定し、前記第1の端末装置に対し発言権信号を送信し、前記発言権信号によって発言権を付与された前記第1の端末装置から送信される前記音声パケットを複製し、前記音声パケットを前記第2の端末装置に転送する。
PoC/W通信システム。
【請求項9】
請求項2から8いずれか1項に記載のPoC/W通信システムにおいて、
前記PoCサーバは、前記複数の端末装置と、それぞれに固有のアドレスとを関連付けて登録されたグループリストを保持し、前記アドレスに従い前記アドレスに対応する端末装置に前記音声パケットを転送する
PoC/W通信システム。
【請求項10】
複数の端末装置を関連付けてグループリストとして登録するグループリスト管理部と、
前記複数の端末装置との間のPTT(Push to Talk)通信における発言権を与えるための発言権信号を前記複数の端末装置のいずれかに送信し、前記端末装置から送信される音声パケットを複製して、前記グループリストに登録された他の端末装置に転送するPTT制御部とを備える
PoCサーバ。
【請求項11】
請求項10に記載のPoCサーバにおいて、
前記PTT制御部は、前記グループリストに登録された特定の端末装置からの要求に応じて、前記グループリストに登録された端末装置とのセッションを確立する接続部と、
前記セッションが確立された端末装置から前記端末装置の状態を示すプレゼンス情報を取得するプレゼンス制御部とを更に備え、
前記プレゼント情報制御部は、前記プレゼンス情報と前記端末装置とを関連付けて、前記複数の端末装置のいずれかに送信する
PoCサーバ。
【請求項12】
請求項10及び11に記載のPoCサーバにおいて、
前記グループリストを格納するグループリストデータベースを更に具備し、
前記グループリスト管理部は、グループを識別するグループIDと、前記端末装置を識別する端末IDと、前記端末装置の固有のアドレスであるPoC/Wアドレスを関連付けて、前記グループリストデータベースに格納する
PoCサーバ。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のPoCサーバにおいて、
前記プレゼンス情報を格納するプレゼンス情報データベースと、
外部サーバから前記複数の端末装置の各々の位置情報を取得するユーザ情報取得部とを更に具備し、
前記ユーザ情報取得部は、前記端末装置を識別する端末IDと、前記位置情報と、前記プレゼンス情報とを関連付けて前記プレゼンス情報データベースに格納する。
【請求項14】
請求項10から13いずれか1項に記載のPoCサーバにおいて、
前記PTT制御部は、前記グループリストに登録された特定の携帯端末からの要求に応じて、グループリストに含まれる他の端末装置に対し前記発言権信号を送信する発言権管理部を備える
PoCサーバ。
【請求項15】
請求項11から13いずれか1項に記載のPoCサーバにおいて、
前記PTT制御部は、前記プレゼンス情報に基づいて前記発言権を付与する端末装置を決定し、前記端末装置に対して発言権信号を送信する発言者決定部を備える
PoCサーバ。
【請求項16】
請求項15に記載のPoCサーバにおいて、
前記発言者決定部は、前記位置情報に基づいて前記発言権を付与する端末装置を決定し、前記端末装置に対して発言権信号を送信する
PoCサーバ。
【請求項17】
端末装置のいずれかに対し、PTT(Push to Talk)通信における発言権を付与するための発言権信号を送信するステップと、
前記発言権信号を受信し、入力される音声をトリガとして前記音声を音声パケットに変換して送信するステップと、
前記音声パケットを受信し、前記音声パケットを複製して前記端末装置に関連する他の端末装置に前記音声パケットを転送するステップとを具備する
PoC/W(Push to Talk over Cellular/Wireless)通信方法。
【請求項18】
請求項17に記載のPoC/W通信方法において、
PoCサーバが、PTT通信を実行するための接続勧誘信号を送信するステップと、
端末装置が、前記接続勧誘信号を受信し、前記接続勧誘信号に応答して参加表明信号を送信するステップと。
前記参加表明信号を受信し、前記参加表明信号に基づき、前記参加表明信号を送信した前記端末装置と前記PoCサーバとの間のセッションを確立するステップとを更に具備する
PoC/W通信方法。
【請求項19】
請求項18に記載のPoC/W通信方法において、
前記セッションが確立された前記端末装置が、前記端末装置の状態を示すプレゼンス情報を送信するステップと、
前記プレゼンス情報を受信し、前記プレゼンス情報を表示するステップとを更に具備する
PoC/W通信方法。
【請求項20】
請求項17から19いずれか1項に記載のPoC/W通信方法において、
発言権を付与する端末装置を指定するための指名情報を送信するステップと、
前記指名情報を受信し、前記指名情報に基づいて前記発言権信号を送信するステップとを更に具備する
PoC/W通信方法。
【請求項21】
請求項19いずれか1項に記載のPoC/W通信方法において、
前記プレゼンス情報に基づいてPTT通信における発言権を付与する端末装置を決定するステップを更に含み、
前記端末装置に対し、前記発言権信号を送信する
PoC/W通信方法。
【請求項22】
複数の端末装置を関連付けてグループリストとして格納するステップと、
PTT(Push to Talk)通信における発言権を付与するための発言権信号を前記複数の端末装置のいずれかに送信するステップと、
前記発言権信号によって発言権が付与された端末装置から送信された音声パケットを複製するステップと、
前記音声パケットを前記グループリストに含まれる端末装置に転送するステップとをコンピュータに実行させる
PoC/W通信プログラム。
【請求項23】
前記複数の端末装置との間のセッションを確立するステップと、
前記セッションを確立した端末装置から送信される前記端末装置の状態を示すプレゼンス情報に基づき前記発言権を付与する端末装置を決定し、前記端末装置に前記発言権信号を送信するステップとを更にコンピュータに実行させる
PoC/W通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−245934(P2006−245934A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57863(P2005−57863)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】