説明

PseudomonasaeruginosaおよびKlebsiella毒性遺伝子、毒性タンパク質、およびこれらの使用

Pseudomonas aeruginosaおよびKlebsiella由来の一連の遺伝子は、毒性に関係する生成物をコードすることが示される。従って、これらの遺伝子の同定は、弱毒化微生物を生じさせることを可能にする。さらに、この遺伝子またはこれらにコードされる生成物は、抗菌薬物を同定するために、病原体関連疾患の同定についての診断方法ために、およびワクチンの製造において用いられ得る。本発明は、一部には、46遺伝子の発見に基づく。グラム陰性細菌の毒性を低くするように変異させた場合、それらは、新規の抗菌治療方法において用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、毒性遺伝子および毒性タンパク質、ならびにこれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、グラム陰性細菌から得られた遺伝子およびタンパク質/ペプチド、ならびに治療および薬物のスクリーニングにおけるこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヘルスケアの専門家によると、微生物によって引き起こされる感染性疾患は、世界中でいずれの他の単一の原因よりも、より多くの死の原因である。アメリカ合衆国単独での感染性疾患を処置するための医療の年間コストの現在の見積もりは、約1200億ドルである。抗生物質処置が、多くの微生物感染に対して有効である一方、病原性細菌の間の抗生物質耐性は、健康の懸念を増大させる。実際、アメリカ医師会は、「抗菌薬に対する耐性の世界的な増加は、すべての利用可能な抗菌薬に対して耐性である細菌株の出現を含み、それは、潜在的に危機的な比率の公衆衛生問題を作り出している」と結論を下している。
【0003】
PseudomonasおよびKlebsiellaは、グラム陰性細菌の2つの属であって、感染された宿主生物体に対して、重大な健康リスクをもたらす。それは、一部には、多くの抗生物質に対するそれらの耐性のためである。これらの細菌は、特に、肺において、生命にかかわる感染を引き起こすことで有名である。ガン患者および火傷患者もまた、一般に、重篤なPseudomonas感染を被り、これは、免疫系欠損を有する特定の他の個人と同様である。Klebsiella sp.は、多くの型の感染の原因である一方、医療環境の外で、Klebsiella細菌によって引き起こされる最も一般的な感染は、肺炎である。
【0004】
当該分野において、新規の抗菌治療の方法についての必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、一部には、46遺伝子の発見に基づく。グラム陰性細菌の毒性を低くするように変異させた場合、それらは、新規の抗菌治療方法において用いられ得る。本発明は、病原性株に由来する弱毒化細菌変異体を提供する。これらの弱毒化細菌株は、本明細書中で、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46として同定されるVIRX遺伝子中に変異を有し;そして、同遺伝子型細菌株の存在下において観察される増殖と比較した場合、Dictyosteliumアメーバ増殖の低減された阻害を示す。本明細書中で使用される場合、用語「病原性の」は、宿主生物に対して、疾患、損傷または害を引き起こす薬剤の能力として定義される。本明細書中で使用される場合、用語「弱毒化された」は、同遺伝子系毒性生物に対して、より毒性が低くなった生物を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「変異体」は、その生物の表現型において発現される遺伝子の特定の変異を有する生物を意味する。変異は、挿入不活性化または遺伝子の欠失であり得る。その変異は、遺伝子の挿入不活性化であることが好ましい。
【0006】
本発明はまた、病原性グラム陰性細菌株に由来する弱毒化細菌変異体を提供する。これらの弱毒化グラム陰性細菌株は、本明細書中で、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46として同定されるVIRX遺伝子において変異を有し;そして、同遺伝子型細菌株の存在下において観察される増殖と比較した場合、Dictyosteliumアメーバ増殖の低減された阻害を示す。変異は、挿入不活性化または遺伝子の欠失であり得る。その変異は、遺伝子の挿入不活性化であることが好ましい。弱毒化グラム陰性細菌変異体が、PseudomonasまたはKlebiella spp.に由来することもまた、好ましい。この弱毒化グラム陰性細菌変異体が、P.aeruginosaまたはK.pneumoniaeの株であることが、より好ましい。
【0007】
本発明はさらに、オペロンの一部であり得るVIRX遺伝子を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「オペロン」は、いくつかの遺伝子を含み、通常は補完的な機能を有する、細菌遺伝子発現および細菌遺伝子調節の単位である。オペロン中の遺伝子への挿入は、代表的には、この遺伝子の機能およびオペロン中の下流または上流に位置する他の遺伝子の機能を干渉する。遺伝子に起因する機能とは、その機能および/または同じオペロン中の下流もしくは上流に位置する任意の遺伝子の機能をいう。従って、本発明はまた、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される、遺伝子をコードするオペロンを含む細菌株を提供し、この細菌株は、変異を欠如する同遺伝子型細菌株に対して、VIRX遺伝子の発現を減少させる変異を含む。1つの実施形態において、変異を欠如する同遺伝子型細菌株の存在下において、Dictyosteliumアメーバの増殖と比較した場合、その変異は、Dictyosteliumアメーバ増殖の阻害を減少させる。
【0008】
本発明は、1以上の、以下の弱毒化Pseudomonas変異体株を提供する:MUT1;MUT2;MUT3;MUT4;MUT5;MUT6;MUT7;MUT8;MUT9;MUT10;MUT11;MUT12;MUT13;MUT14;MUT15;MUT16;MUT17;MUT18;およびMUT19。本発明はまた、1以上の、以下の弱毒化Klebsiella変異体株を提供する:MUT20;MUT21;MUT22;MUT23;MUT24;MUT25;MUT26;MUT27;MUT28;MUT29;MUT30;MUT31;MUT32;MUT33;MUT34;MUT35;MUT36;MUT37;MUT38;MUT39;MUT40;MUT41;MUT42;MUT43;MUT44;MUT45;およびMUT46。
【0009】
さらに、本発明は、抗菌薬を同定するための方法であって、候補組成物が、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つのポリペプチドと接触される方法を提供する。候補組成物の存在下におけるポリペプチドの生物学的活性は、候補組成物の非存在下におけるポリペプチドの生物学的活性と比較される。ポリペプチドの生物学的活性の変化は、その候補組成物が抗菌薬であることを示唆する。いくつかの実施形態において、その候補組成物は、少なくとも2種の分子を含有する。その候補組成物は、少なくとも1つの約500ダルトン未満の分子または少なくとも1つの約500ダルトンを超える分子を含有し得る。この候補組成物は、例えば、免疫グロブリン、多糖、脂質、核酸またはこれらの組み合わせであり得る。
【0010】
さらに、本発明は、抗菌薬を同定するための方法であって、候補組成物が、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つのポリヌクレオチドと接触される方法を提供する。候補組成物の存在下におけるポリヌクレオチドの発現は、候補組成物の非存在下におけるポリヌクレオチドの発現と比較される。ポリヌクレオチドの発現の変化は、その候補組成物が抗菌薬であることを示唆する。いくつかの実施形態において、その候補組成物は、少なくとも2種の分子を含有する。その候補組成物は、少なくとも1つの約500ダルトンの未満の分子または少なくとも1つの約500ダルトンを超える分子を含有し得る。この候補組成物は、ポリペプチド、多糖、脂質、核酸(例えば、リボ核酸)またはこれらの組み合わせであり得る。好ましい実施形態において、候補組成物のリボ核酸は、低分子干渉(small interfering)リボ核酸である。
【0011】
さらに、本発明は、被験体中に存在する病原体の毒性の程度を決定するための方法であって、以下:
(a)第1の被験体由来のサンプル中の、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つのポリペプチドの発現のレベルを測定する工程;ならびに
(b)工程(a)の上記サンプル中の上記ポリペプチドの量を、上記病原体の存在を有さないことが公知の第2の被験体由来のコントロールサンプル中に存在するポリペプチドの量と比較する工程であって、ここで、上記コントロールサンプルと比較した、第1の被験体中のポリペプチドの発現レベルにおける変化は、病原体の毒性の程度を示唆する工程、を包含する方法を提供する。
【0012】
好ましい実施形態において、被験体は哺乳動物である。より好ましくは、その被験体は、ヒトである。
【0013】
本発明はまた、被験体中に存在する病原体の毒性の程度を測定するための方法であって、以下:
(a)第1の被験体由来のサンプル中の、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つのポリヌクレオチドの発現のレベルを測定する工程;ならびに
(b)工程(a)の上記サンプル中の上記ポリヌクレオチドの量を、上記病原体の存在を有さないことが公知の第2の被験体由来のコントロールサンプル中において存在するポリヌクレオチドの量と比較する工程であって、ここで、上記コントロールサンプルと比較した、第1の被験体中におけるポリペプチドの発現レベルにおける変化は、病原体の毒性の程度を示唆する工程、を包含する方法を提供する。
【0014】
好ましい実施形態において、被験体は哺乳動物である。より好ましくは、その被験体は、ヒトである。
【0015】
さらに、本発明は、外来抗原および外来DNAのためのワクチンならびにベクターとして用いられ得る、弱毒化細菌株を提供する。これらの弱毒化細菌株は、対応する細菌株に関連する疾患に対して有効なワクチンの調製のために有用である。好ましい実施形態において、弱毒化細菌株は、PseudomonasまたはKlebsiella spp.に由来する。
【0016】
さらに、本発明は、他の病原体からクローニングされた外来遺伝子のためのベクターとして用いられ得る弱毒化細菌株を提供する。それらの遺伝子はタンパク質中に発現され、それらが由来する病原体に対する防御的免疫応答を惹起する。好ましい実施形態において、ベクターとして用いられる弱毒化細菌株は、PseudomonasまたはKlebsiella spp.に由来する。
【0017】
他に定義されない限り、本明細書中で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当該分野の当業者によって、一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似するか、または等価な方法および材料は、本発明の実施においてか、または本発明の試験において用いられ得るが、適切な方法および材料は、下に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が、参考として援用される。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、単なる実例であって限定されることは意図されない。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、一部には、グラム陰性細菌の毒性を低くするように変異させた場合の46遺伝子の発見に基づく。これら毒性遺伝子の19個は、P.aeruginosa PT894において同定されたが、一方、残りの27個の遺伝子は、Klebsiellaの変異誘発に由来した。これらの細菌変異体は、同遺伝子型細菌株に対して弱毒化毒性を有し、「MUTX」と名付けられる。本明細書中に、各々の新規の弱毒化MUTX株に影響する毒性遺伝子、およびそれらによってコードされるヌクレオチドおよびポリペプチドが、提供される。作用した遺伝子によってコードされる配列は、集合的に「VIRX核酸」または「VIRXポリヌクレオチド」と称され、対応するコードポリペプチドは、「VIRXポリペプチド」または「VIRXタンパク質」と称される。他に示されない限り、「VIRX」は、本明細書中に開示される任意の新規配列を称することを意味する。
【0020】
本発明のペプチドおよび遺伝子は、感染を処置するための治療薬の調製のために有用である。なぜならば、これらは、野生型病原体の毒性を弱毒化するからである。治療は、予防的または治療的であり得る。治療を受ける被験体は、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル、ゴリラまたはチンパンジー)、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコまたはげっ歯動物(マウスまたはラットを含む)であり得る。
【0021】
(I.毒性因子をコードするPseudomonasおよびKlebsiella遺伝子の同定)
宿主生物に対する毒性因子(例えば、病原体または毒素)をコードする遺伝子を、Dictyostelium discoideumの増殖を比較することによって同定した。この同定は、2002年6月7日出願の国際出願PCT/IB02/03277に詳細に述べられているような、同定可能な遺伝子変化を有するPseudomonasおよびKlebsiellaの試験変異体の存在下および非存在下において行われた。Dictyosteliumアメーバは、K.pneumoniaeのような細菌を、食作用によって摂食する。Dictyostelium細胞を、K.pneumoniae細菌と共にプレートする場合、各アメーバは、細菌が食菌された領域の細菌生育(lawn)中に、プラークを形成する。病原性細菌(例えば、P.aeruginosa株PT894)をK.pneumoniae細菌の生育に加えることにより、アメーバの増殖を阻害する。
【0022】
Pseudomonasの試験変異体を、当該分野で公知の方法に従うトランスポゾン挿入によって作製し、Dictyostelium増殖アッセイ(2002年6月7日出願のPCT/IB02/03277を参照のこと)において毒性について試験した。Klebsiella変異体をまた、当該分野で公知の方法に従うトランスポゾン挿入によって作製し、Dictyostelium増殖アッセイ(2002年6月7日出願のPCT/IB02/03277を参照のこと)において、毒性細菌に対して特に感受性であると見出された株であるPHG1a変異体Dictyostelium株(Cornillonら,J.Biol.Chem.,275(44):34287−92,2000)を用いて毒性を試験した。詳細には、プラスポゾン(plasposon)pNKBOR(Genbank登録番号:AF310136)を用いた標準的な細菌エレクトロポーレーション技術によって、Klebsiella変異体を得て、そして50μg/mlカナマイシンを含有する固体LB培地上で選択した(Rossignolら,Res.Microbiol.,152(5):481−5,2001)。当該分野で公知の他の変異誘発方法(例えば、紫外線照射曝露、挿入剤または形質転換ファージを用いた処置)もまた、変異体を作製するために用いられ得る。低減した毒性を生じる変異を、変異体病原体に曝露されたDictyostelium試験宿主生物の増殖が、野生型病原体に曝露されたDictyostelium試験宿主生物より大きい場合に同定した。続いて、低減した毒性を示す病原体中の特異的な遺伝子変異を、当該分野で周知の技術によって同定し、そして特徴付けた。Klebsiella変異体中の特異的な遺伝子変異の同定を、プラスミドレスキューおよび(Rossignolら,Res.Microbiol.,152(5):481−5,2001)に従ってBglIIまたはApaI制限酵素を用いた挿入部位変異体におけるゲノムDNAのクローニングによって実施した。Pseudomonas変異体における特異的な遺伝子の変異の同定を、トランスポゾンおよびアクセプタープラスミド中へ周囲の細菌ゲノムDNAのサブクローニングによって、実施した。トランスポゾンの挿入部位を同定するために、増殖したレスキュープラスミドについて、DNA配列決定を実施した。Join−Lambertら、Antimicrob. Agents Chemother.、45(2):571−6、2001によって記載されたような、ラットの死亡率アッセイは、哺乳動物宿主中での弱毒化毒性活性を実証するために使用され得る。
【0023】
VIRX遺伝子を有する19種のPseudomonas弱毒化MUTX生物を、下の表1に要約する。
【0024】
【表1−1】

【0025】
【表1−2】

本発明において開示され、毒性について新規の役割を指定されるVIRX遺伝子を有する27種のKlebsiella弱毒化MUTX生物を、下の表2に要約する。
【0026】
【表2−1】

【0027】
【表2−2】

(II.弱毒化細菌変異体)
(A.弱毒化Pseudomonas aeruginosa変異体)
(MUT1)
Pseudomonas細菌変異体(MUT1)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PA0650)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表3Aに示すVIR1核酸(配列番号1)をコードする。
【0028】
【表3A】

配列番号1によってコードされるVIR1タンパク質(配列番号2)は、表3Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0029】
【表3B】

毒性におけるVIR1の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0030】
(MUT2)
Pseudomonas細菌変異体(MUT2)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ATPスルフリラーゼ小サブユニット(CysD;PA4443)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表4Aに示すVIR2核酸(配列番号3)をコードする。
【0031】
【表4A】

配列番号3によってコードされるVIR2タンパク質(配列番号4)は、表4Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0032】
【表4B】

毒性におけるVIR2の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0033】
(MUT3)
Pseudomonas細菌変異体(MUT3)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、CysQ(PA5175)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表5Aに示すVIR3核酸(配列番号5)をコードする。
【0034】
【表5A】

配列番号5によってコードされるVIR3タンパク質(配列番号6)は、表5Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0035】
【表5B】

(MUT4)
Pseudomonas細菌変異体(MUT4)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、D−アミノ酸デヒドロゲナーゼの小サブユニット(dadA;PA5304)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表6Aに示すVIR4核酸(配列番号7)をコードする。
【0036】
【表6A】

配列番号7によってコードされるVIR4タンパク質(配列番号8)は、表6Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0037】
【表6B】

毒性におけるVIR4の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0038】
(MUT5)
Pseudomonas細菌変異体(MUT5)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、イミダゾールグリセロールリン酸シンターゼのシクラーゼサブユニット(hisF;PA5140)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表7Aに示すVIR5核酸(配列番号9)をコードする。
【0039】
【表7A】

配列番号9によってコードされるVIR5タンパク質(配列番号10)は、表7Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0040】
【表7B】

(MUT6)
Pseudomonas細菌変異体(MUT6)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、N−アセチル−グルタミル−リン酸レダクターゼ(ArgC;PA0662)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表8Aに示すVIR6核酸(配列番号11)をコードする。
【0041】
【表8A】

配列番号11によってコードされるVIR6タンパク質(配列番号12)は、表8Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0042】
【表8B】

毒性におけるVIR6の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0043】
(MUT7)
Pseudomonas細菌変異体(MUT7)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(AceF;PA5016)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表9Aに示すVIR7核酸(配列番号13)をコードする。
【0044】
【表9A】

配列番号13によってコードされるVIR7タンパク質(配列番号14)は、表9Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0045】
【表9B】

(MUT8)
Pseudomonas細菌変異体(MUT8)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、NADHデヒドロゲナーゼI鎖H(nuoH;PA2643)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表10Aに示すVIR8核酸(配列番号15)をコードする。
【0046】
【表10A】

配列番号15によってコードされるVIR8タンパク質(配列番号16)は、表10Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0047】
【表10B】

(MUT9)
Pseudomonas細菌変異体(MUT9)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ピオベルジン(pyoverdine)シンターゼD(PvdD;PA2399)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表11Aに示すVIR9核酸(配列番号17)をコードする。
【0048】
【表11A−1】

【0049】
【表11A−2】

【0050】
【表11A−3】

配列番号17によってコードされるVIR9タンパク質(配列番号18)は、表11Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0051】
【表11B】

(MUT10)
Pseudomonas細菌変異体(MUT10)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、RND多剤排出トランスポーターMexD(mexD;PA4598)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表12Aに示すVIR10核酸(配列番号19)をコードする。
【0052】
【表12A】

配列番号19によってコードされるVIR10タンパク質(配列番号20)は、表12Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0053】
【表12B】

(MUT11)
Pseudomonas細菌変異体(MUT11)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、PA3721をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表13Aに示すVIR11核酸(配列番号21)をコードする。
【0054】
【表13A】

配列番号21によってコードされるVIR11タンパク質(配列番号22)は、表13Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0055】
【表13B】

(MUT12)
Pseudomonas細菌変異体(MUT12)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、PA0596をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表14Aに示すVIR12核酸(配列番号23)をコードする。
【0056】
【表14A】

配列番号23によってコードされるVIR12タンパク質(配列番号24)は、表14Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0057】
【表14B】

(MUT13)
Pseudomonas細菌変異体(MUT13)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、PA5256をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表15Aに示すVIR13核酸(配列番号25)をコードする。
【0058】
【表15A】

配列番号25によってコードされるVIR13タンパク質(配列番号26)は、表15Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0059】
【表15B】

(MUT14)
Pseudomonas細菌変異体(MUT14)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ピオチェリン(pyochelin)生合成タンパク質pchC(PA4229)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表16Aに示すVIR14核酸(配列番号27)をコードする。
【0060】
【表16A】

配列番号27によってコードされるVIR14タンパク質(配列番号28)は、表16Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0061】
【表16B】

(MUT15)
Pseudomonas細菌変異体(MUT15)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ジヒドロアエルギノイック酸(dihydroaeruginoic acid)シンテターゼpchE(PA4226)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表17Aに示すVIR15核酸(配列番号29)をコードする。
【0062】
【表17A−1】

【0063】
【表17A−2】

配列番号29によってコードされるVIR15タンパク質(配列番号30)は、表17Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0064】
【表17B】

(MUT16)
Pseudomonas細菌変異体(MUT16)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ピオチェリンシンテターゼpchF(PA4225)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表18Aに示すVIR16核酸(配列番号31)をコードする。
【0065】
【表18A−1】

【0066】
【表18A−2】

配列番号31によってコードされるVIR16タンパク質(配列番号32)は、表18Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0067】
【表18B】

(MUT17)
Pseudomonas細菌変異体(MUT17)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ABCトランスポーターの推定のATP結合構成要素であるpchH(PA4223)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表19Aに示すVIR17核酸(配列番号33)をコードする。
【0068】
【表19A】

配列番号33によってコードされるVIR17タンパク質(配列番号34)は、表19Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0069】
【表19B】

毒性におけるVIR17の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0070】
(MUT18)
Pseudomonas細菌変異体(MUT18)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ABCトランスポーターの推定のATP結合構成要素であるpchI(PA4222)をコードする遺伝子として同定した。この遺伝子は、表20Aに示すVIR18核酸(配列番号35)をコードする。
【0071】
【表20A】

配列番号37によってコードされるVIR18タンパク質(配列番号36)は、表20Bにおいて一文字アミノ酸コードを用いて提示される。
【0072】
【表20B】

毒性におけるVIR18の役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0073】
(MUT19)
Pseudomonas細菌変異体(MUT19)を、P.aeruginosa野生型株PT894中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、P.aeruginosa血清型09推定O抗原生合成経路(VIR19)をコードする遺伝子クラスターとして同定した。MUT19中でVIR19遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表21に示す。
【0074】
【表21】

毒性におけるこのクラスターの役割を、ファージを用いて、同遺伝子型細菌株と比較したDictyostelium増殖アッセイにおいて弱毒化毒性を再び観察した野生型PT894株に、この変異を再び形質導入して、確認した。
【0075】
(B.弱毒化Klebsiella変異体)
(MUT20)
Klebsiella細菌変異体(MUT20)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、メット(met)G−dld遺伝子内領域における仮定の転写調節因子(VIR20)をコードする遺伝子として同定した。MUT20中でVIR20遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表22に示す。
【0076】
【表22】

(MUT21)
Klebsiella細菌変異体(MUT21)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、シスタチオナーゼ(VIR21)をコードする遺伝子として同定した。MUT21中でVIR21遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表23に示す。
【0077】
【表23】

(MUT22)
Klebsiella細菌変異体(MUT22)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、リボソーム結合因子A(VIR22)として同定した。MUT22中でVIR22遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表24に示す。
【0078】
【表24】

(MUT23)
Klebsiella細菌変異体(MUT23)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、アスパルトキナーゼ/ホモセリンデヒドロゲナーゼ(VIR23)をコードする遺伝子として同定した。MUT23中でVIR23遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表25に示す。
【0079】
【表25】

(MUT24)
Klebsiella細菌変異体(MUT24)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、シスタチオン(cystathione)シンテターゼ(VIR24)をコードする遺伝子として同定した。MUT24中でVIR24遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表26に示す。
【0080】
【表26】

(MUT25)
Klebsiella細菌変異体(MUT25)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ホスホリボシルホルミルグリシンアミジンシンターゼ(VIR25)をコードする遺伝子として同定した。MUT25中でVIR25遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表27に示す。
【0081】
【表27】

(MUT26)
Klebsiella細菌変異体(MUT26)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ホモセリントランススクシニラーゼ(transsuccinylase)(VIR26)をコードする遺伝子として同定した。MUT26中でVIR26遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表28に示す。
【0082】
【表28】

(MUT27)
Klebsiella細菌変異体(MUT27)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、3’−ホスホアデノシン5’−ホスホサルフェートレダクターゼ(VIR27)をコードする遺伝子として同定した。MUT27中でVIR27遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表29に示す。
【0083】
【表29】

(MUT28)
Klebsiella細菌変異体(MUT28)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、Sfiタンパク質(VIR28)をコードする遺伝子として同定した。MUT28中でVIR28遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表30に示す。
【0084】
【表30】

(MUT29)
Klebsiella細菌変異体(MUT29)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、転写活性化因子タンパク質LysR(VIR29)をコードする遺伝子として同定した。MUT29中でVIR29遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表31に示す。
【0085】
【表31】

(MUT30)
Klebsiella細菌変異体(MUT30)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、TrpD(VIR30)をコードする遺伝子として同定した。MUT30中でVIR30遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表32に示す。
【0086】
【表32】

(MUT31)
Klebsiella細菌変異体(MUT31)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、N−アセチルグルコサミン−6−ホスフェートデアセチラーゼ(VIR31)をコードする遺伝子として同定した。MUT31中でVIR31遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表33に示す。
【0087】
【表33】

(MUT32)
Klebsiella細菌変異体(MUT32)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、WaaQ(VIR32;Regueら.J.Bacteriol.183(12):3564−73,2001)をコードする遺伝子として同定した。MUT32中でVIR32遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表34に示す。
【0088】
【表34】

(MUT33)
Klebsiella細菌変異体(MUT33)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、2−イソプロピルリンゴ酸シンターゼ(VIR33)をコードする遺伝子として同定した。MUT33中でVIR33遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表35に示す。
【0089】
【表35】

(MUT34)
Klebsiella細菌変異体(MUT34)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(VIR34)をコードする遺伝子として同定した。MUT34中でVIR34遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表36に示す。
【0090】
【表36】

(MUT35)
Klebsiella細菌変異体(MUT35)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、UDP−ガラクトピラノースムターゼ(VIR35;Clarkeら,J.Bacteriol.,177:5411−18,1995)をコードする遺伝子として同定した。MUT35中でVIR35遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表37に示す。
【0091】
【表37】

(MUT36)
Klebsiella細菌変異体(MUT36)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、O−抗原輸送系(export system)パーミアーゼタンパク質rfba(VIR36;Bronnerら,Mol.Microbiol.,14:505−19,1994)をコードする遺伝子として同定した。MUT36中でVIR36遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表38に示す。
【0092】
【表38】

(MUT37)
Klebsiella細菌変異体(MUT37)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ウリジルトランスフェラーゼ(VIR37)をコードする遺伝子として同定した。MUT37中でVIR37遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表39に示す。
【0093】
【表39】

(MUT38)
Klebsiella細菌変異体(MUT38)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ピリドキシンホスフェート生合成タンパク質PdxJ−PdxA(VIR38)をコードする遺伝子として同定した。MUT38中でVIR38遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表40に示す。
【0094】
【表40】

(MUT39)
Klebsiella細菌変異体(MUT39)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、トリオースホスフェートイソメラーゼ(VIR39)をコードする遺伝子として同定した。MUT39中でVIR39遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表41に示す。
【0095】
【表41】

(MUT40)
Klebsiella細菌変異体(MUT40)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(VIR40)をコードする遺伝子として同定した。MUT40中でVIR40遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表42に示す。
【0096】
【表42】

(MUT41)
Klebsiella細菌変異体(MUT41)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、ガラコシル(galacosyl)トランスフェラーゼ(VIR41;Clarkeら,J.Bacteriol.,177:5411−18,1995)をコードする遺伝子として同定した。MUT41中でVIR41遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表43に示す。
【0097】
【表43】

(MUT42)
Klebsiella細菌変異体(MUT42)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、シロヘムシンテターゼ(VIR42;Kolkoら,J.Bacteriol.,183:328−35,2001)をコードする遺伝子として同定した。MUT42中でVIR42遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表44に示す。
【0098】
【表44】

(MUT43)
Klebsiella細菌変異体(MUT43)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、7,8−ジヒドロ−6−ヒドロキシメチルプテリン−ピロホスホキナーゼ(VIR43)をコードする遺伝子として同定した。MUT43中でVIR43遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表45に示す。
【0099】
【表45】

(MUT44)
Klebsiella細菌変異体(MUT44)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ(VIR44)をコードする遺伝子として同定した。MUT44中でVIR44遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表46に示す。
【0100】
【表46】

(MUT45)
Klebsiella細菌変異体(MUT45)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、DNAメチル化酵素(VIR45)をコードする遺伝子として同定した。MUT45中でVIR45遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表47に示す。
【0101】
【表47】

(MUT46)
Klebsiella細菌変異体(MUT46)を、Klebsiella sp.野生型株中へのトランスポゾン挿入によって作製した。Dictyostelium増殖アッセイにおいて、変異した微生物は、同遺伝子型細菌株と比較して、より毒性が少なかった。トランスポゾン挿入の直後にヌクレオチド配列をクローニングし、推定の内膜タンパク質(VIR46)をコードする遺伝子として同定した。MUT46中でVIR46遺伝子を同定する挿入部位核酸配列を、表48に示す。
【0102】
【表48】

(IV.適切な標的病原体)
他のPseudomonas sp.およびKlebsiella sp.ならびに多くの他の微生物(グラム陰性細菌株を含む)は、本明細書中で同定されるアミノ酸へのアミノ酸配列同一性もしくは類似性を有するVIRX関連ペプチドまたはVIRX関連タンパク質をコードする毒性遺伝子を含む可能性が高い。適切な細菌病原体としては、Pneumococci sp.、Klebsiella, sp.、Pseudomonas(例えば、P.aeruginosa、Salmonella(例えば、Salmonella typhimurium)、Legionella(例えば、Legionella pneumophilia)、Escherichia(例えば、Escherichia coli)、Listeria(例えば、Listeria monocytogenes)、Staphylococcus(例えば、Staphylococcus aureus)、Streptococci sp.、Vibrio(例えば、Vibrio cholerae)が挙げられ得るが、これらに限定されない。本発明の病原性ミコバクテリアとしては、例えば、Mycobacterium tuberculosisが挙げられ得る。本発明の病原性真菌としては、例えば、Candida albicansが挙げら得る。本発明の病原性単細胞真核生物としては、例えば、Leishmania donovaniが挙げられ得る。
【0103】
本発明に従ってVIRX遺伝子を同定すると、他の微生物中の関連遺伝子または関連ペプチドを検索するために、その遺伝子配列を使用することが可能である。このことは、既存のデータベース(例えば、EMBLまたはGenBank)の中の検索によって、実行され得る。遺伝子配列の間の同一性のレベルおよびアミノ酸配列の間の同一性または類似性のレベルは、公知の方法を用いて計算され得る。本発明に関して、同一性および類似性を決定するための方法に基づく、公に利用可能なコンピューターとしては、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschulら,J.Molec.Biol.,1990;215:403−410)、NCBIから利用可能なBLASTXプログラム、ならびにGenetics Computer Group,Madison WIから利用可能なGapプログラムが挙げられる。
【0104】
好ましくは、本発明の種々の局面において有用であり得るペプチドは、本明細書中で同定されたペプチドと40%を超える類似性を有する。より好ましくは、そのペプチドは、60%を超える配列類似性を有する。最も好ましくは、そのペプチドは、80%を超える配列類似性(例えば、95%の類似性)を有する。本明細書で同定されたポリヌクレオチド配列に関連して、本発明の種々の局面において有用であり得る関連ポリヌクレオチドは、本明細書中で同定された配列と40%を超える同一性を有し得る。より好ましくは、そのポリヌクレオチド配列は60%を超える配列同一性を有する。最も好ましくは、そのポリヌクレオチド配列は、80%を超える配列同一性(例えば、95%の同一性)を有する。
【0105】
他の微生物由来の関連分子に加えて、本発明は、本明細書中で同定されたペプチドおよびポリヌクレオチドに対して作製された生物学的機能を顕著に変化させない改変体を含む。遺伝暗号の縮重が、本明細書中で特定されたポリヌクレオチドからの微小な塩基変化を有するポリヌクレオチドを生じ得るが、それにもかかわらず、そのポリヌクレオチドは同じペプチドをコードするということは、当業者には明らかである。相補的なポリヌクレオチドもまた、本発明の範囲内である。アミノ酸レベルにおける保存的な置換もまた、認識される。例えば、種々の酸性アミノ酸または塩基性アミノ酸は、実質的な機能の喪失を伴わずに置換され得る。
【0106】
転写を調節する高度に洗練された機構は、細菌において発展し、存在していることが当該分野で認識される。ほとんどの細菌遺伝子は、オペロン中に組織化される。このオペロンは、関連タンパク質をコードする遺伝子の群である。オペロンは、抑制され得るか、またはそのようにそれら遺伝子の調節を誘導され得るかのどちらかである。オペロンは、オペレーター、プロモーター、調節因子、および構造遺伝子からなる。この調節遺伝子は、オペレーターに結合するリプレッサータンパク質をコードし、構造遺伝子のプロモーター(従って、転写)を妨害する。この調節因子は、オペロン中の他の遺伝子に隣接される必要はない。リプレッサータンパク質が除かれると、転写が起こり得る。
【0107】
トランスポゾン変異誘発は、通常は、トランスポゾンが挿入される遺伝子、および同じオペロンの下流の任意の遺伝子を不活化する。VIRX遺伝子がオペロン中の構造遺伝子である場合、VIRX遺伝子の不活化は、同じオペロン中および不活化VIRX遺伝子の下流に位置する、他の構造遺伝子の発現を乱す。例えば、pchE遺伝子中への挿入はまた、pchF遺伝子、pchG遺伝子、pchH遺伝子およびpchI遺伝子を不活化する。なぜなら、それらすべては、pchEFGHIオペロンの内部に存在し、かつ不活化pchE遺伝子の下流だからである。従って、本発明は、オペロン中に存在するVIRX遺伝子の変化および同じオペロン中およびVIRX遺伝子の下流に位置する構造遺伝子の発現の減少を引き起こす核酸の変化に起因する毒性の弱毒化を含む。1つの実施形態において、本発明は、本発明のVIRX遺伝子を保有するオペロンの第一の遺伝子を不活化する改変である。VIRX遺伝子およびVIRX含有オペロンの核酸の改変は、挿入不活性化または遺伝子欠失であり得る。VIRX遺伝子およびVIRX含有オペロンの核酸の変化は、挿入不活性化であることが好ましい。
【0108】
本発明はまた、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子をコードするオペロンを含む細菌株を提供し、この細菌株は、変異を欠如する同遺伝子型細菌株に対して、VIRX遺伝子の発現を減少させる変異を含む。1つの実施形態において、この変異は、変異を欠如する同遺伝子型細菌株の存在下において、Dictyosteliumアメーバの増殖と比較した場合、Dictyosteliumアメーバの増殖の阻害を低減させる。別の実施形態において、弱毒化細菌株は、同遺伝子型細菌株と比較した場合、VIRX遺伝子を含有するオペロンの2つ以上の変異を有する。
【0109】
(V.VIRX核酸およびVIRXポリペプチドは、抗菌薬剤を同定するために使用され得る)
(A.スクリーニング)
別個の実施形態において、本明細書中で開示されるVIRX遺伝子、またはそれらのポリヌクレオチド生成物もしくはポリペプチド生成物は、潜在的な抗菌薬の同定のためのスクリーニングアッセイにおいて用いられる。慣用的なスクリーニングアッセイは当業者に公知であり、適切な方法における本発明のVIRX生成物を用いて、適合され得る。例えば、本発明の生成物は、潜在的な薬物のための標的として用いられ得、この潜在的な薬物は、その潜在的な抗菌活性を示唆する標的を、不活化または結合する薬物の能力を備える。本発明の方法において、1種以上の試験化合物は、アッセイ混合物において提示され得るか、または生成され得る。好ましくは、アッセイ混合物において、1つの化合物が提示されるか、または生成される。
【0110】
(B.抗菌候補組成物の特徴)
VIRX核酸およびポリペプチドは、本発明において有用な候補組成物または病原体関連疾患もしくは感染の処置における、薬物または治療法を同定するために用いられ得る。候補組成物は、スクリーニングアッセイにおける分析のための1以上の分子を含み得、そして合成分子または半合成分子であり得る。そのような分子は、無機化学分子および有機化学分子を含む。その分子は、約500ダルトン未満であり得るか、または500ダルトンを超え得る。その分子は、天然に存在し得る。天然に存在する分子としては、例えば、糖類、脂質、ペプチド、タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせ(例えば、アミノ配糖体、糖脂質、リポ多糖類またはマクロライド)が挙げられ得る。タンパク質は、免疫グロブリン(例えば、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体)であり得る。核酸は、DNAまたはRNA(例えば、低分子干渉RNA(siRNA))であり得る。その分子の正確な供給源は、本発明の方法にとって重要ではない。その分子は、例えば、市販の合成化合物ライブラリー(例えば、Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI)または細菌、真菌、植物、および動物の抽出物(例えば、Xenova(Slough,UK)から利用可能)の形態で天然に存在する分子のライブラリーに由来し得る。合成(もしくは、半合成)分子または天然に存在する分子は、当該分野で公知の標準的な化学的方法、物理的方法、または生化学的方法を用いて改変され得る。
【0111】
(VI.VIRX核酸およびVIRXポリペプチドは、病原体の毒性の程度を検出するために、使用され得る)
診断試験は、疾患の型および適切な関連治療を決定する際に、医師を補助し得る。以下のように、本発明の別個の実施形態は、病原体、病原体関連疾患または病原体の毒性の存在を検出するための毒性マーカーとしてのVIRX遺伝子、またはそれらのポリヌクレオチドもしくは核酸生成物の使用を提供する。当業者に公知の多くの診断アッセイのアプローチが存在する。概して、使用される診断方法は、(a)潜在的に疾患の被験体または疾患の被験体からサンプルを得る工程;(b)サンプル中の、少なくとも1つのポリペプチド毒性マーカーまたはポリヌクレオチド毒性マーカーのレベルを測定する工程;および(c)工程(a)のサンプル中に存在する毒性マーカーの量を、病原体の存在を有さないことが公知の第二の被験体由来のコントロールサンプル中の毒性マーカーの量と比較する工程を包含する。この方法において、コントロールサンプルと比較した場合の第一の被験体中の毒性マーカーの発現レベルにおける変化は、病原体、病原体関連疾患、または病原体の毒性の存在を示唆する。好ましくは、被験体は哺乳動物である。より好ましくは、その被験体は、ヒトである。当業者は、診断試験が、アレイ型フォーマットにおいて実施され得ることを認識する。このアレイ型フォーマットにおける、例えば、2以上のVIRX遺伝子またはVIRX遺伝子産物の存在は、病原体、病原体関連疾患、または病原体の毒性の存在を示唆する。
【0112】
(VII.本発明の弱毒化生物は、ワクチン調製において使用され得る)
別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載された弱毒化生物の、ワクチン調製における使用を提供する。弱毒化微生物に基づくワクチンの調製は、当業者に公知である。ワクチン組成物は、感染に対する有効な免疫化を提供するために、必要とされるか、または所望される場合、適切なキャリアまたはアジュバント(例えば、ミョウバン)と共に処方され得る。ワクチン処方物の調製は、当業者に明らかである。弱毒化微生物は、本明細書中で同定される任意のVIRX遺伝子の発現を乱す変異体と共に調製され得る。当業者は、特定のVIRX遺伝子の発現を乱すための方法に気付く。用いられ得る技術としては、挿入不活性技術または遺伝子欠失技術が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従う弱毒化微生物はまた、他の遺伝子中(例えば、本明細書中で同定された第二の遺伝子、または微生物の増殖に必要とされる別個の遺伝子(例えば、Aro変異)中に)にさらなる変異を含む。弱毒化微生物はまた、異種抗原、治療タンパク質、または核酸(DNAまたはRNA)の送達のためのキャリアシステムとして用いられ得る。この実施形態において、弱毒化微生物は、異種抗原、タンパク質または核酸を、インビボで特定の部位へ送達するために用いられる。異種抗原、ペプチドまたは核酸の弱毒化微生物への導入は、従来技術によって実行され得る。その技術としては、組み換え構築物(例えば、ベクター)の使用が挙げられ、そのベクターは、異種抗原または治療タンパク質を発現するポリヌクレオチドを含み、適切なプロモーター配列もまた含む。あるいは、異種抗原またはタンパク質をコードする遺伝子は、その生物のゲノムおよびコントロール発現に対して用いられる内因性プロモーターに組み入れられ得る。本発明のワクチンにおいて、投与される本発明の変異体の薬学的に有効な投薬量は、被験体の年齢、体重および性別、ならびに投与の形態に依存して異なり得る。その被験体は、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル、ゴリラまたはチンパンジー)、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、またはげっ歯動物(マウスまたはラットを含む)であり得る。
【0113】
(VIII.定義)
本明細書中で使用される場合、以下の用語の各々は、この節中におけるそれと関連する意味を有する。
【0114】
本明細書中で使用される場合、用語「病原体」は、疾患を引き起こす因子(特に、細菌または真菌のような生きている微生物)を含むことが意図される。用語「薬剤(agent)」および「因子(factor)」は、本発明の方法において有用な病原体または毒素を記載するために、本明細書中で相互変換可能に使用される。病原体としては、任意の細菌、マイコバクテリア、真菌および単細胞真核生物が挙げられ、それらの野生型およびそれらの変異体を含み、それら病原体は、宿主生物に対して疾患を引き起こすか、または損傷もしくは害をもたらす。病原体はまた、有毒物質(例えば、毒素)であり得、生きている細胞または生物によって生成され、宿主に導入された場合、疾患を引き起こす能力を有する。
【0115】
本明細書中で使用される場合、用語「病原性」は、宿主生物に対する疾患、損傷または害を引き起こす薬剤の能力として定義される。
【0116】
本明細書中で使用される場合、用語「弱毒化」は、同遺伝子系病原性生物に対して、より毒性が低く作製された生物を意味する。
【0117】
本明細書中で使用される場合、用語「毒性」は、宿主生物に対する薬剤の病原性の程度を測定することである。毒性は、通常は、薬剤の用量または病原体の細胞数として表され、所定の期間内に宿主生物における病理学的応答を誘発する。本明細書中で使用される場合、「毒性の減少(reducing the virulence)」は、病原体によって媒介される、宿主生物に対する疾患、損傷もしくは害の進行、または経過を、弱毒化、縮小(diminish)、減少(decrease)、抑制するか、または抑止する化合物の能力として定義される。
【0118】
本明細書中で使用される場合、用語「宿主生物」は、任意の生きている生物を含むことが意図される。好ましくは、その宿主生物は、真核生物(例えば、脊椎動物)である。より好ましくは、その宿主生物は、哺乳動物である。最も好ましくは、その宿主生物は、ヒトである。
【0119】
本明細書中で使用される場合、用語「変異体」は、その生物の表現型において発現される遺伝子の特異的変異を保有する生物である。
【0120】
本明細書中で使用される場合、用語「変異」は、遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列の1以上の核酸の変化である。変異としては、遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列へのさらなる核酸の挿入(例えば、遺伝子の挿入不活性化)が挙げられ得る。あるいは、変異としては、遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列の核酸の1以上の欠失が挙げられ得るが、これに限定されない。
【0121】
本明細書中で使用される場合、用語「オペロン」は、通常補完的な機能を有するいくつかの遺伝子を含む細菌遺伝子発現および細菌遺伝子調節の一単位である。代表的には、オペロンとしては、遺伝子産物の調節因子によって認識され得る核酸中の、核酸および制御要素が挙げられる。オペロン中の遺伝子への挿入は、その遺伝子の機能および、そのオペロン中の下流または上流に位置する他の遺伝子の機能を干渉する。本明細書中では、遺伝子に帰属する機能とは、その機能および/または同じオペロン中の下流または上流に位置する任意の遺伝子の機能を称することが理解される。
【0122】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に有効な投薬量」は、少なくとも部分的には、所望される効果を達成するため、または処置される特定の状態の発症を遅らせるため、処置される特定の状態の進行を阻害するため、または処置される特定の状態の発症もしくは進行を完全に停止するために必要な量を意味する。
【0123】
用語「類似性」および「同一性」は、当該分野で公知である。用語「同一性」の使用は、比較される配列中の対応する同一の位置の間の同一の適合に基づく配列比較を称する。用語「類似性」は、アミノ酸配列の間の比較を称し、対応する位置の同一のアミノ酸だけでなく、対応する位置の機能的に類似のアミノ酸もまた配慮する。従って、ポリペプチド配列の間の類似性は、配列類似性に加えて、機能類似性を示す。
【0124】
(等価物)
本発明の特定の実施形態の前述の詳細な説明から、細菌遺伝子が同定され、毒性における新規の役割を割り当てられたことは、明らかであるはずである。さらに、これらの遺伝子およびそれらの生成物は、抗菌薬の同定、病原性関連疾患または感染の診断およびワクチンの調製において有用である。特定の実施形態は、本明細書中で詳細に開示されているが、これは、例示のみの目的のための実施例によってなされ、以下の添付された特許請求の範囲の範囲に対して、限定されることは意図されない。特に、種々の代替、変化および改変が、特許請求の範囲によって定義されたような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に成され得ることが、本発明者らによって企図される。例えば、特定の病原体の選択、またはアッセイもしくは予防接種のために選択される病原体の組み合わせ、本発明の病原体を利用する診断アッセイにおいて用いられる試験条件、または弱毒化変異体を誘導するために用いられる変異誘発の方法は、本明細書中に記載された実施形態の知識を有する当業者にとって、慣用的な様式であると考えられる。
【実施例】
【0125】
この実施例は、例示のみの目的のために提供され、本発明が、決してこの実施例に限定されるものとして解釈されるべきではないが、むしろ提供された教示の結果として明白になる任意の変形物およびすべての変形物を含むことが解釈されるべきである。
【0126】
(実施例1 試験細菌変異体中の弱毒化毒性についてのスクリーニングのために用いた株および培養条件)
これらの研究で用いたD.discoideum野生型株DH1−10は、DH1のサブクローンである(Cornillonら,J.Biol.Chem.,275(44):34287−92,2000)。21℃においてHL5培地(14.3g/l ペプトン(Oxoid),7.15g/l 酵母抽出物,18g/1 マルトース,0.64g/l NaHPO2HO,0.49g/l KHPO,pH6.7)(Cornillonら,J.Cell.Sci.,107(Pt 10):2691−704,1994)中で細胞を増殖させ、一週間に2度、継代培養した。
【0127】
37℃においてLuria−Bertani(LB)寒天上で、細菌を一晩増殖させた。50mlフラスコ中の5ml PB(2%(wt/vol)ペプトン,0.3%(wt/vol)MgCl.6HO,1%(wt/vol)KSO)(Essarら,J.Bacteriol.,172(2):884−900,1990)に、単一コロニーを播種し、使用の前に、37℃において8時間増殖させた。種々の株の増殖を、栄養分のある(rich)培地(PB)中で、播種後の異なった時間において培養物の吸光度(600nm)を測定することにより試験し、用いたすべての株について同等であることを見出した。これらの条件下において、各株について類似したOD600sを得、菌体密度感知(quorum sensing)の誘導は最大であった。最小阻止濃度(MIC)を、微量希釈方法(Thornsberryら,NCCLS,3:48−56,1983)によってミュラー−ヒントン培養液中で決定した。減少した毒性を産出する変異を、変異体病原体に曝露されたDictyostelium試験宿主生物の増殖が、野生型病原体に曝露されたDictyostelium試験宿主生物の増殖を超えた場合に同定した。減少した毒性を示す病原体における特異的な遺伝的変異を、当該分野で周知の技術によって同定し、特徴付けた。
【配列表】























































































【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原性細菌株に由来する弱毒化細菌変異体であって、ここで、該弱毒化変異体は、以下:
(i)VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子の変異;ならびに
(ii)同遺伝子型細菌株の存在下において観察される増殖と比較する場合、Dictyosteliumアメーバの増殖の減少された阻害、
を有する、弱毒化変異体。
【請求項2】
前記変異が、挿入不活化または遺伝子欠失である、請求項1に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項3】
前記変異体が、グラム陰性細菌である、請求項1に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項4】
前記弱毒化グラム陰性細菌変異体が、Pseudomonas種である、請求項3に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項5】
前記Pseudomonas種が、Pseudomonas aeruginosaである、請求項4に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項6】
前記弱毒化Pseudomonas変異体が、MUT1;MUT2;MUT3;MUT4;MUT5;MUT6;MUT7;MUT8;MUT9;MUT10;MUT11;MUT12;MUT13;MUT14;MUT15;MUT16;MUT17;MUT18;およびMUT19からなる群より選択される、請求項5に記載の弱毒化Pseudomonas変異体。
【請求項7】
前記グラム陰性細菌変異体が、Klebsiella種である、請求項3に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項8】
前記Klebsiella種が、Klebsiella pneumoniaeである、請求項7に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項9】
前記弱毒化Klebsiella変異体が、MUT20;MUT21;MUT22;MUT23;MUT24;MUT25;MUT26;MUT27;MUT28;MUT29;MUT30;MUT31;MUT32;MUT33;MUT34;MUT35;MUT36;MUT37;MUT38;MUT39;MUT40;MUT41;MUT42;MUT43;MUT44;MUT45;およびMUT46からなる群より選択される、請求項8に記載の弱毒化Klebsiella変異体。
【請求項10】
抗菌薬を同定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)候補組成物を、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる、少なくとも1つのポリペプチドと接触させる工程;ならびに
(b)該候補組成物の存在下および非存在下において、該ポリペプチドの生物活性を比較する工程であって、ここで、該ポリペプチドの生物活性の変化は、該候補組成物が抗菌薬であることを示唆する工程、
を包含する、方法。
【請求項11】
前記候補組成物が、少なくとも2つの分子を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記候補組成物が、少なくとも1つの約500ダルトン未満の分子を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記候補組成物が、少なくとも1つの約500ダルトンを超える分子を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記候補組成物が、ポリペプチド、多糖、脂質、核酸またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、少なくとも1つの分子を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、免疫グロブリンである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
抗菌薬を同定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)候補組成物を、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる、少なくとも1つのポリヌクレオチドと接触させる工程;ならびに
(b)該候補組成物の存在下および非存在下において、該ポリヌクレオチドの発現を比較する工程であって、ここで、該ヌクレオチドの発現の変化は、該候補組成物が抗菌薬であることを示唆する工程、
を包含する、方法。
【請求項17】
前記候補組成物が、少なくとも2つの分子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記候補組成物が、少なくとも1つの約500ダルトン未満の分子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記候補組成物が、少なくとも1つの約500ダルトンを超える分子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記候補組成物が、ポリペプチド、多糖、脂質、核酸またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、少なくとも1つの分子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記核酸が、リボ核酸である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記核酸が、低分子干渉リボ核酸である、請求項21に記載の核酸。
【請求項23】
被験体中の病原体の毒性の程度を決定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)第1の被験体由来のサンプル中の、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR43、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる、少なくとも1つのポリペプチドの発現のレベルを測定する工程;ならびに
(b)工程(a)の該サンプル中の該ポリペプチドの量を、該病原体の存在を有さないことが公知の第2の被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較する工程であって、ここで、該コントロールサンプルと比較した、該第1の被験体中の該ポリペプチドの発現レベルにおける変化が、該病原体の毒性の程度を示唆する工程、を包含する、方法。
【請求項24】
前記被験体が、哺乳動物である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記哺乳動物被験体が、ヒトである、請求項24に記載の哺乳動物被験体。
【請求項26】
被験体中の病原体の毒性の程度を決定するための方法であって、該方法は、以下:
(a)前記第1の被験体由来のサンプル中の、VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子によってコードされる、少なくとも1つのポリヌクレオチドの発現のレベルを測定する工程;ならびに
(b)工程(a)の該サンプル中の該ポリヌクレオチドの量を、該病原体の存在を有さないことが公知の第2の被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリヌクレオチドの量と比較する工程であって、ここで、該コントロールサンプルと比較した、該第1の被験体中の該ポリヌクレオチドの発現レベルにおける変化が、該病原体の毒性の程度を示唆する工程、
を包含する、方法。
【請求項27】
前記被験体が、哺乳動物である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記哺乳動物被験体が、ヒトである、請求項27に記載の哺乳動物被験体。
【請求項29】
前記変異体が、異種抗原をコードし、そして発現する、請求項1に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項30】
前記変異体が、真核細胞において、異種抗原をコードし、そして発現するプラスミドを含む、請求項1に記載の弱毒化細菌変異体。
【請求項31】
病原性微生物によって引き起こされる疾患に対するワクチンであって、以下:
(a)薬学的に有効な投薬量の、1つ以上の請求項1に記載の弱毒化細菌変異体、および;
(b)薬学的に受容可能な希釈剤または薬学的に受容可能なキャリア
を含む、ワクチン。
【請求項32】
病原性細菌株に由来する弱毒化細菌変異体であって、ここで該弱毒化変異体は、以下:
(i)pchE、pchF、pchG、pchHおよびpchIからなる群より選択される遺伝子の変異;ならびに
(ii)同遺伝子型細菌株の存在下において観察される増殖と比較する場合、Dictyosteliumアメーバの増殖の減少された阻害;
を有する、弱毒化変異体。
【請求項33】
VIR1、VIR2、VIR3、VIR4、VIR5、VIR6、VIR7、VIR8、VIR9、VIR10、VIR11、VIR12、VIR13、VIR14、VIR15、VIR16、VIR17、VIR18、VIR19、VIR20、VIR21、VIR22、VIR23、VIR24、VIR25、VIR26、VIR27、VIR28、VIR29、VIR30、VIR31、VIR32、VIR33、VIR34、VIR35、VIR36、VIR37、VIR38、VIR39、VIR40、VIR41、VIR42、VIR44、VIR45およびVIR46からなる群より選択される遺伝子をコードするオペロンを含む細菌株であって、ここで、該細菌株は、該変異を欠如する同遺伝子型細菌株に関連して、該遺伝子の発現を減少させる変異を含む、細菌株。
【請求項34】
前記変異が、該変異を欠如する同遺伝子型細菌株の存在下において、Dictyosteliumアメーバの増殖と比較した場合、Dictyosteliumアメーバの増殖の阻害を減少させる、請求項33に記載の細菌株。

【公表番号】特表2006−524984(P2006−524984A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560985(P2004−560985)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000836
【国際公開番号】WO2004/057018
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505225887)ユニバーシティー オブ ジュネーブ (1)
【Fターム(参考)】