説明

RFIDシステム用検知安定化システム、検知安定化方法および検知安定化用プログラム

【課題】利用環境もしくは利用方法に制限を設ける必要なく検知安定化が実現できるRFIDシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、RFID用検知安定化システムであって、複数の検知エリアに設置されたセンサと、前記センサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段とを有することを特徴とするRFID用検知安定化システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDシステムに関し、特にその検知を安定化することができる検知安定化システム、検知安定化方法および検知安定化用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固有IDを保持する装置と読み取る装置で構成されるRFID(Radio Frequency IDentification)システムにおいては、ID保持装置およびID読取装置のアンテナ指向性、マルチパスなどによる電波環境の乱れ、ID保持装置を添付するヒトやモノによるアンテナ特性変化、周辺に置かれたパソコンからの電波雑音などの影響によって、誤検知や検知漏れが発生し、IDの検知が不安定になるという問題があった。
【0003】
RFIDシステムにおける誤検知や検知漏れを少なくし検知を安定化するために、特許文献1では、ID保持装置とID読取装置の位置関係を積極的に変化させ、同時に複数のID保持装置が位置的に重なり合わないようにすることによって、読み取りに必要な電波が一瞬でも得られるような状態を作り出している。
【0004】
また、特許文献2では、ID読取装置によって検出する範囲を制限するために遮蔽板を設けることによって、電波の到達範囲を限定している。
【0005】
特許文献3や特許文献4では、ID保持装置を常に読み取りに適した方向に向くような容器に収めることによって、検知を安定化している。
【0006】
また、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8などでは、送信電力のコントロール、電源管理、SN比改善のための回路設計、送受信アンテナ構造の工夫など、RFIDシステムの装置そのものへの改良を加えることで、検知を安定化している。
【0007】
また、検知を安定化するための一般的な方法としては、読み取り結果の履歴に対して一定時間読み取りができなかった場合に、検知エリアから出たと判定するタイムアウト処理や、読み取り結果の履歴に対して一定時間における平均的な電波強度、もしくは一定時間における読み取り率を求める平均値計算処理や、電波強度もしくは一定時間における読み取り率が一定の値を下回った場合に検知エリアから出たと判定する閾値処理がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002-329174号公報
【特許文献2】特開2004-059320号公報
【特許文献3】特開2003-058843号公報
【特許文献4】特開2002-259932号公報
【特許文献5】特開2002-170082号公報
【特許文献6】特開2001-307052号公報
【特許文献7】特開平11-282977号公報
【特許文献8】特開平10-242893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第1の問題点は、RFIDシステムの検知安定化のために利用環境、もしくは利用方法に制限を設けなければいけないということである。
【0010】
その理由は、従来のRFIDシステムでは、多様な利用環境もしくは利用方法の全てにおいて完全に誤検知や検知漏れを解決することはできず、単一のRFIDシステムで誤検知や検知漏れを条件に応じて十分少なくするためには、利用環境もしくは利用方法を制限しなければならなかったためである。
【0011】
第2の問題点は、利用環境もしくは利用方法の変動によってRFIDシステムの検知が不安定になることを解決できないということである。
【0012】
その理由は、従来のRFIDシステムにおける装置そのものの改良では、ある利用環境もしくは利用方法における誤検知や検知漏れを改善することはできても、その利用環境もしくは利用方法が変化したときにRFIDシステムの検知が不安定になることを解決できないためである。また、利用環境もしくは利用方法に変動があるにもかかわらず、検知を安定化するための方法を動的に変更することができず、検知の安定性と検知の時間応答性や感度を両立させることが困難だったためである。
【0013】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて発明されたものであって、その目的は、利用環境もしくは利用方法に制限を設ける必要なく検知安定化が実現できるRFIDシステムを提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、利用環境もしくは利用方法の変動によって検知が不安定になることを解決できるRFIDシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、RFID用検知安定化システムであって、複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、前記ID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段とを有することを特徴とするRFID用検知安定化システムである。
【0016】
本発明は、RFID用検知安定化システムであって、複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、前記ID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段とを有することを特徴とするRFID用検知安定化システムである。
【0017】
本発明は、RFID用検知安定化システムであって、複数の検知エリアに設置されたセンサと、前記センサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段とを有することを特徴とするRFID用検知安定化システムである。
【0018】
本発明は、RFID用検知安定化システムであって、複数の検知エリアに設置されたセンサと、前記センサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段とを有することを特徴とするRFID用検知安定化システムである。
【0019】
本発明は、RFID用検知安定化方法であって、複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理とを有することを特徴とするRFID用検知安定化方法である。
【0020】
本発明は、RFID用検知安定化方法であって、複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理とを有することを特徴とするRFID用検知安定化方法である。
【0021】
本発明は、RFID用検知安定化方法であって、複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理とを有することを特徴とするRFID用検知安定化方法である。
【0022】
本発明は、RFID用検知安定化方法であって、複数の検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理とを有することを特徴とするRFID用検知安定化方法である。
【0023】
本発明は、RFID用検知安定化プログラムであって、前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段として機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラムである。
【0024】
本発明は、RFID用検知安定化プログラムであって、前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段として機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラムである。
【0025】
本発明は、RFID用検知安定化プログラムであって、前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段として機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラムである。
【0026】
本発明のRFIDシステム用検知安定化システムは、検知エリアの検知環境を検出し、この検出された検知環境に基づいて決定されたパラメータを用いて、検知対象に添付したID保持装置の読み取り結果から検知対象が検知エリアにいるかどうかを検知する。具体的には、検知エリアに設置したID保持装置の読み取り結果もしくは検知エリアに設置したセンサで得られる情報から、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出し、検出された動きの量に応じて決定されたパラメータを用いて、検知対象に添付したID保持装置の読み取り結果から検知対象が検知エリアにいるかどうかを検知する。このような構成を採用し、検出された検知エリア内のヒトやモノの動きの量を元にした安定化処理を施すことによって、本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の効果は、検知エリアに設置したID保持装置の読み取り結果もしくは検知エリアに設置したセンサで得られる情報から検出された検知エリア内の検知対象(ヒトやモノ)の動きの量を利用して、検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化できることにある。
【0028】
その理由は、検出された動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知エリア内の検知対象(ヒトやモノ)の動きの量に応じて検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムの検知を安定化することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の発明を実施するための最良の形態の概要を示す図である。
【図2】図2は本発明の第1の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は本発明の第1の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図4】図4は本発明の第2の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は本発明の第2の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図6】図6は本発明の第3の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は本発明の第4の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は本発明の実施例1の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は本発明の実施例1における動き検出手段の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は本発明の実施例1における動き検出の方法を示すグラフである。
【図11】図11は本発明の実施例1におけるセンサを用いた動き検出の方法を示すグラフである。
【図12】図12は本発明の実施例2の構成を示すブロック図である。
【図13】図13は本発明の実施例3の構成を示すブロック図である。
【図14】図14は本発明の実施例4の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は本発明の実施例5の構成を示すブロック図である。
【図16】図16は本発明の実施例7の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は本発明の実施例7の別の構成を示すブロック図である。
【図18】図18は本発明の実施例7の別の構成を示すブロック図である。
【図19】図19は本発明の実施例7の別の構成を示すブロック図である。
【図20】図20は本発明の実施例7を利用したサービスの概要を示す図である。
【図21】図21は本発明の実施例6の構成を示すブロック図である。
【図22】図22は本発明の第5の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図23】図23は本発明の第5の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図24】図24は本発明の第6の発明を実施するための最良の形態の概要を示す図である。
【図25】図25は本発明の第6の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図26】図26は本発明の第6の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図27】図27は本発明の第7の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図28】図28は本発明の第7の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図29】図29は本発明の実施例8の構成を示すブロック図である。
【図30】図30は本発明の実施例8におけるID保持装置の動き検出手段の構成を示すブロック図である。
【図31】図31は本発明の実施例8におけるID保持装置の動き検出の方法を示すグラフである。
【図32】図32は本発明の実施例8における検知対象の動き検出の方法を示すグラフである。
【図33】図33は本発明の実施例9の構成を示すブロック図である。
【図34】図34は本発明の実施例9における事後確率の計算方法を示す式である。
【図35】図35は本発明の実施例9における事後確率の計算方法を示す流れ図である。
【図36】図36は本発明の実施例9における状態遷移確率の計算方法を示す式である。
【図37】図37は本発明の実施例9における事前確率の計算方法を示す式である。
【図38】図38は本発明の実施例10の構成を示すブロック図である。
【図39】図39は本発明の第8の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図40】図40は本発明の第8の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図41】図41は本発明の第9の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図42】図42は本発明の第9の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図43】図43は本発明の第10の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図44】図44は本発明の第10の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
【図45】図45は本発明の第11の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図46】図46は本発明の第12の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図47】図47は本発明の第13の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【図48】図48は本発明の第14の発明を実施するための最良の形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
本発明は、検知エリアの検知環境の変化を検出し、この検知環境の変化に基づいて、ヒトやモノなどの検知対象に添付された検知対象用ID保持装置の検知の安定化を図るものである。検知エリアの検知環境の変化の代表的なものとして、検知エリア内に存在するヒトやモノの動きがある。以下の実施の形態では、検知エリア内に存在するヒトやモノの動きの量を検出し、これを検知対象用ID保持装置の検知の安定化に利用する例を説明する。
【0032】
図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施するための最良の形態は、ヒトやモノなどの検知対象に添付して保持する固有IDを無線通信によって送信する検知対象用ID保持装置1と、検知エリア内に設置され、保持する固有IDを無線通信によって送信する検知エリア用ID保持装置2a,2bと、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2が保持するIDを読み取るID読取装置3と、ID読取装置3で得られた検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果を用いて検知対象ID保持装置1の検知を安定化する検知安定化装置4と、検知結果を出力する検知結果出力装置5とから構成される。
【0033】
ID読取装置3は、IDを読み取るために受信した無線電波の強度を表す数値(以下、受信強度)をIDと共に読み取ることができてもよい。また、検知対象用ID保持装置1、検知エリア用ID保持装置2およびID読取装置3は、それぞれ複数あってもよい。
【0034】
検知安定化装置4は、ID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果が検知対象用ID保持装置1と検知エリア用ID保持装置2のどちらの読み取り結果かを判別するID判別手段41と、検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する動き検出手段42と、動き検出手段42で検出された動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段43と、パラメータ決定手段43で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の読み取り結果を処理し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する検知処理手段44とを備えている。
【0035】
次に、図2および図3を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0036】
ID判別手段41で判別された検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った(図3のステップA1)結果の履歴には、検知エリア内で検知対象であるヒトやモノが動くことにより、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができる場合にはその数値の変動が生じ、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができない場合には一定時間の読み取り率の変動が生じる。
【0037】
動き検出手段42は、読み取り結果の履歴に見られる変動から、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する(図3のステップA2)。
【0038】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42で検出された動きの量に応じて検知処理手段44で利用するパラメータを決定する(ステップA3)。
【0039】
検知処理手段44では、パラメータ決定手段43で決定されたパラメータに基づいて、ID判別手段41で判別された検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に処理を施し、検知対象ID保持装置1が検知エリアにいるかどうかを検知する(ステップA4)。
【0040】
検知処理手段44で処理された検知対象用ID保持装置が検知エリア内にいるかどうかを示す検知結果が検知結果出力装置5で出力される(ステップA5)。
【0041】
検知処理手段44の具体例としては、読み取り結果の履歴に対して一定時間(以下、タイムアウト時間とする)読み取りができなかった場合に、検知対象が検知エリアから出たと判定するタイムアウト処理や、読み取り結果の履歴に対して一定時間(以下、平均値計算時間長とする)における平均的な受信強度もしくは一定時間における読み取り率を求める平均値計算処理や、受信強度もしくは一定時間における読み取り率が一定の値(以下、閾値とする)を下回った場合に検知対象が検知エリアから出たと判定する閾値処理などがある。
【0042】
パラメータ決定手段43で決定され検知処理手段44で利用されるパラメータの具体例としては、前記検知処理手段44の具体例のそれぞれについて、タイムアウト時間、平均値計算時間長、閾値などがある。
【0043】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0044】
本発明を実施するための最良の形態では、検知エリア内に設置された、検知対象に添付するのと同様なID保持装置の読み取り結果の変動から、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出することができる。このように検出された動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムの検知を安定化することができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
図4を参照すると、本発明の第2の実施するための最良の形態は、図2に示された本発明の第1の実施するための最良の形態における検知エリア用ID保持装置2の代わりに検知エリア内に固定したセンサ6を有し、検知安定化装置7が、図2に示された第1の実施するための最良の形態における検知安定化装置4の構成における動き検出手段42の代わりに、センサ6で得られる情報から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する動き検出手段45を有する点で異なる。
【0047】
次に、図4および図5を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0048】
尚、図5のステップA1およびA3-A5で示される本発明を実施するための最良の形態におけるパラメータ決定手段43および検知安定化処理手段44の動作は、本発明の第1の実施するための最良の形態の各手段43および44の動作と同一のため、説明は省略する。
【0049】
本発明の第1の実施するための最良の形態では、ID読取装置3で得られる検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出していたが、動きの量を検出するために他のセンサが利用できる場合は、検知エリア用ID保持装置2が必要ないこともある。本発明を実施するための最良の形態における動き検出手段45は、検知エリアに設置したセンサで得られる情報から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する(ステップA6)。
【0050】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0051】
本発明を実施するための最良の形態では、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出することができるセンサで検出された動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムの検知を安定化することができる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
図6を参照すると、本発明の第3の実施するための最良の形態は、本発明の第1の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、検知エリア用ID保持装置2、ID読取装置3および検知結果出力装置5を備える。
【0054】
検知安定化用プログラム9は、検知安定化装置8に読み込まれ検知安定化装置8の動作を制御する。検知安定化装置8は、検知安定化プログラム9の制御により本発明の第1の発明を実施するための最良の形態における検知安定化装置4による処理と同一の処理を実行する。
【0055】
次に、本発明の第4の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0056】
図7を参照すると、本発明の第4の実施するための最良の形態は、本発明の第2の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、ID読取装置3、センサ6および検知結果出力装置5を備える。
【0057】
検知安定化用プログラム11は、検知安定化装置10に読み込まれ検知安定化装置10の動作を制御する。
【0058】
検知安定化装置10は、検知安定化プログラム11の制御により本発明の第2の実施するための最良の形態における検知安定化装置7による処理と同一の処理を実行する。
【0059】
本発明の第5の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
図22を参照すると、本発明の第5の実施するための最良の形態は、検知安定化装置12が、図2に示された本発明の第1の実施するための最良の形態における検知安定化装置4の構成における動き検出手段42の代わりに、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知対象の動きの量を検出する動き検出手段122を備えている点で異なる。
【0061】
次に、図22および図23を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0062】
尚、図23のステップA1およびA3〜A5で示される本発明を実施するための最良の形態におけるID判別手段41、パラメータ決定手段43および検知処理手段44の動作は、本発明の第1の実施するための最良の形態の各手段41,43および44の動作と同一のため、説明は省略する。
【0063】
本発明の第1の実施するための最良の形態では、ID読取装置3で得られる検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出していたが、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときには、検知対象以外の動きが検出されてしまうこともある。
【0064】
一方、ID判別手段41で判別された検知対象用ID保持装置1をID読取装置3で読み取った結果の履歴には、検知対象用ID保持装置1が動くことにより、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができる場合にはその数値の変動が生じ、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができない場合には一定時間の読み取り率の変動が生じる。
【0065】
そこで、本発明を実施するための最良の形態における動き検出手段122は、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果の履歴に見られる変動から、該当する検知対象用ID保持装置1が添付された検知対象の動きの量を検出する(ステップA7)。
【0066】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0067】
本発明を実施するための最良の形態では、検知対象に添付された検知対象用ID保持装置および検知エリア内に設置された検知エリア用ID保持装置の読み取り結果の変動から、検知対象の動きを検出できる。このため、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときでも、検出された検知対象の動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムの検知を安定化することができる。
【0068】
本発明の第6の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0069】
図24および図25を参照すると、本発明の第6の実施するための最良の形態は、図1および図2に示された本発明の第1の実施するための最良の形態と比べ、検知エリアが複数存在し、各検知エリアに検知エリア用ID保持装置2およびID読取装置3がそれぞれ1つもしくは複数設置されており、図2に示された本発明の第1の実施するための最良の形態における検知安定化装置4および検知結果出力装置5の代わりに、各検知エリアに設置したID読取装置3で得られた検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読取結果を用いて、検知対象用ID保持装置1が存在するエリアを検知するエリア検知安定化装置13、および、検知結果を出力するエリア検知結果出力装置14を有する点で異なる。ここで、エリア検知とは、複数のエリアの中から、検知対象が存在するエリアを判定することを意味するものとする。
【0070】
エリア検知安定化装置13は、各検知エリアに設置されたID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果が検知対象用ID保持装置1と検知エリア用ID保持装置2のどちらの読み取り結果かを判別するID判別手段131と、各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出するエリア検知用動き検出手段132と、エリア検知用動き検出手段132で検出された動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するエリア検知パラメータ決定手段133と、エリア検知パラメータ決定手段43で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置1の読取結果を処理し、検知対象が存在するエリアを検知するエリア検知処理手段134を備えている。
【0071】
次に、図25および図26を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0072】
ID判別手段131で判別された検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った(図26のステップA8)結果の履歴には、各検知エリア内でヒトやモノが動くことにより、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができる場合にはその数値の変動が生じ、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができない場合には一定時間の読み取り率の変動が生じる。
【0073】
エリア検知用動き検出手段132は、検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った結果の履歴に見られる変動から、各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する(図26のステップA9)。
【0074】
エリア検知パラメータ決定手段133は、エリア検知用動き検出手段132で検出された各検知エリアの動きの量に応じてエリア検知処理手段134で利用するパラメータを決定する(ステップA10)。
【0075】
エリア検知処理手段134では、エリア検知パラメータ決定手段133で決定されたパラメータに基づいて、ID判別手段131で判別された検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に処理を施し、検知対象が存在するエリアを検知する(ステップA11)。
【0076】
エリア検知処理手段134で処理されたエリア検知結果がエリア検知結果出力装置14で出力される(ステップA12)。
【0077】
エリア検知処理手段134の具体例としては、エリアパラメータ決定手段133で決定した状態遷移確率表に基づいて、検知対象用ID保持装置1の読み取り結果を確率的に処理して検知対象が存在するエリアを推定する方法がある。
【0078】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0079】
本発明を実施するための最良の形態では、複数の検知エリア内に設置された検知エリア用ID保持装置の読み取り結果の変動から検出することができる各検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムのエリア検知を安定化することができる。
【0080】
本発明の第7の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
図27を参照すると、本発明の第7の実施するための最良の形態は、エリア検知安定化装置14が、図25に示された本発明の第6の実施するための最良の形態におけるエリア検知安定化装置13の構成におけるエリア検知用動き検出手段132の代わりに、検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置された検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から、各検知エリア内における検知対象の動きの量を検出するエリア検知用動き検出手段135を備えている点で異なる。
【0082】
次に、図27および図28を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0083】
図28のステップA8およびA10-A13で示される本発明を実施するための最良の形態におけるID判別手段131、エリア検知パラメータ決定手段133およびエリア検知処理手段134の動作は、本発明の第6の実施するための最良の形態の各手段131、133および134の動作と同一のため、説明は省略する。
【0084】
本発明の第6の実施するための最良の形態では、ID読取装置3で得られる各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出していたが、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときには、検知対象以外の動きが検出されてしまうこともある。また、ID判別手段131で判別された検知対象用ID保持装置1をID読取装置3で読み取った結果の履歴には、検知対象用ID保持装置が動くことにより、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができる場合にはその数値の変動が生じ、ID読取装置3が受信強度を読み取ることができない場合には一定時間の読み取り率の変動が生じる。
【0085】
本発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知用動き検出手段135は、検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置された検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果の履歴に見られる変動から、各検知エリア内における検知対象の動きの量を検出する(ステップA13)。
【0086】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0087】
本発明を実施するための最良の形態では、検知対象に添付された検知対象用ID保持装置および各検知エリア内に設置された検知エリア用ID保持装置の読み取り結果の変動から、各検知エリア内における検知対象用ID保持装置が添付された検知対象の動きを検出できる。このため、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときでも、検出された動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムのエリア検知を安定化することができる。
【0088】
本発明の第8の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0089】
図39を参照すると、本発明の第8の実施するための最良の形態は、図22に示された本発明の第5の実施するための最良の形態における検知エリア用ID保持装置2の代わりに検知エリア内に固定したセンサ6を有し、検知安定化装置15が、図22に示された第5の実施するための最良の形態における検知安定化装置12の構成における動き検出手段122の代わりに、検知対象用ID保持装置1およびセンサ6で得られる情報から検知対象の動きの量を検出する動き検出手段151を有する点で異なる。
【0090】
次に、図39および図40を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0091】
尚、図40のステップA1およびA3-A5で示される本発明を実施するための最良の形態におけるパラメータ決定手段43および検知安定化処理手段44の動作は、本発明の第5の実施するための最良の形態の各手段43および44の動作と同一のため、説明は省略する。
【0092】
本発明の第5の実施するための最良の形態では、ID読取装置3で得られる検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知対象の動きの量を検出していたが、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出するために他のセンサが利用できる場合は、検知エリア用ID保持装置2が必要ないこともある。本発明を実施するための最良の形態における動き検出手段151は、検知対象用ID保持装置1の読取結果の変動および検知エリア内に設置したセンサで得られる情報から検知対象の動きの量を検出する(ステップA14)。
【0093】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0094】
本発明を実施するための最良の形態では、検知対象に添付された検知対象用ID保持装置の読取結果の変動および検知エリア内に設置されたヒトやモノの動きの量を検出することができるセンサで得られる情報から、検知対象の動きを検出できる。このため、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときでも、検出された検知対象の動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムの検知を安定化することができる。
【0095】
本発明の第9の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0096】
図41を参照すると、本発明の第9の実施するための最良の形態は、図25に示された本発明の第6の実施するための最良の形態における検知エリア用ID保持装置2の代わりに検知エリア内に固定したセンサ6を有し、検知安定化装置16が、図25に示された第6の実施するための最良の形態における検知安定化装置13の構成におけるエリア検知用動き検出手段132の代わりに、センサ6で得られる情報から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出するエリア検知用動き検出手段161を有する点で異なる。
【0097】
次に、図41および図42を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0098】
尚、図42のステップA8およびA10-A12で示される本発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知パラメータ決定手段133およびエリア検知処理手段134の動作は、本発明の第6の実施するための最良の形態の各手段133および134の動作と同一のため、説明は省略する。
【0099】
本発明の第6の実施するための最良の形態では、各検知エリアに設置したID読取装置3で得られる各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出していたが、動きの量を検出するために他のセンサが利用できる場合は、検知エリア用ID保持装置2が必要ないこともある。本発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知用動き検出手段161は、各検知エリアに設置したセンサで得られる情報から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する(ステップA15)。
【0100】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0101】
本発明を実施するための最良の形態では、複数の検知エリア内に設置されたヒトやモノの動きの量を検出することができるセンサで検出された各検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムのエリア検知を安定化することができる。
【0102】
本発明の第10の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
図43を参照すると、本発明の第10の実施するための最良の形態は、図27に示された本発明の第7の実施するための最良の形態における検知エリア用ID保持装置2の代わりに検知エリア内に固定したセンサ6を有し、検知安定化装置17が、図27に示された第7の実施するための最良の形態における検知安定化装置14の構成におけるエリア検知用動き検出手段135の代わりに、検知対象用ID保持装置1およびセンサ6で得られる情報から各検知エリア内における検知対象の動きの量を検出する動き検出手段171を有する点で異なる。
【0104】
次に、図43および図44を参照して本発明を実施するための最良の形態の動作について詳細に説明する。
【0105】
尚、図44のステップA8およびA10-A12で示される本発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知用パラメータ決定手段133およびエリア検知処理手段134の動作は、本発明の第7の実施するための最良の形態の各手段133および134の動作と同一のため、説明は省略する。
【0106】
本発明の第7の実施するための最良の形態では、各検知エリアに設置したID読取装置3で得られる検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から各検知エリア内における検知対象の動きの量を検出していたが、検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出するために他のセンサが利用できる場合は、検知エリア用ID保持装置2が必要ないこともある。本発明を実施するための最良の形態における動き検出手段171は、検知対象用ID保持装置1の読取結果の変動および各検知エリア内に設置したセンサで得られる情報から各検知エリア内における検知対象の動きの量を検出する(ステップA16)。
【0107】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0108】
本発明を実施するための最良の形態では、検知対象に添付された検知対象用ID保持装置の読取結果の変動および各検知エリア内に設置されたヒトやモノの動きの量を検出することができるセンサで得られる情報から、各検知エリア内における検知対象の動きを検出できる。このため、複数のヒトやモノが同時に検知エリア内にあるときでも、検出された動きの量に応じて検知処理に利用するパラメータを決定することによって、検知の時間応答性や感度を動的に変更することができ、利用環境もしくは利用方法を制限する必要なく、利用環境もしくは利用方法の変動に影響されずに、RFIDシステムのエリア検知を安定化することができる。
【0109】
本発明の第11の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0110】
図45を参照すると、本発明の第11の実施するための最良の形態は、図22に示された本発明の第5の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、検知エリア用ID保持装置2、ID読取装置3および検知結果出力装置5を備える。
【0111】
検知安定化用プログラム19は、検知安定化装置18に読み込まれ検知安定化装置18の動作を制御する。検知安定化装置18は、検知安定化プログラム19の制御により本発明の第5の発明を実施するための最良の形態における検知安定化装置12による処理と同一の処理を実行する。
【0112】
本発明の第12の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0113】
図46を参照すると、本発明の第12の実施するための最良の形態は、図39に示された本発明の第8の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、センサ6、ID読取装置3および検知結果出力装置5を備える。
【0114】
検知安定化用プログラム21は、検知安定化装置20に読み込まれ検知安定化装置20の動作を制御する。検知安定化装置20は、検知安定化プログラム21の制御により本発明の第8の発明を実施するための最良の形態における検知安定化装置15による処理と同一の処理を実行する。
【0115】
本発明の第13の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0116】
図47を参照すると、本発明の第13の実施するための最良の形態は、図25に示された本発明の第6の実施するための最良の形態,あるいは,図27に示された本発明の第7の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、検知エリア用ID保持装置2、ID読取装置3およびエリア検知結果出力装置14を備える。
【0117】
エリア検知安定化用プログラム23は、エリア検知安定化装置22に読み込まれエリア検知安定化装置22の動作を制御する。エリア検知安定化装置22は、エリア検知安定化プログラム23の制御により本発明の第6の発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知安定化装置13,あるいは,本発明の第7の発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知安定化装置14による処理と同一の処理を実行する。
【0118】
本発明の第14の実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0119】
図48を参照すると、本発明の第14の実施するための最良の形態は、図41に示された本発明の第9の実施するための最良の形態,あるいは,図43に示された本発明の第10の実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1、センサ6、ID読取装置3およびエリア検知結果出力装置14を備える。
【0120】
エリア検知安定化用プログラム25は、エリア検知安定化装置24に読み込まれエリア検知安定化装置24の動作を制御する。エリア検知安定化装置24は、エリア検知安定化プログラム25の制御により本発明の第9の発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知安定化装置16,あるいは,本発明の第10の発明を実施するための最良の形態におけるエリア検知安定化装置17による処理と同一の処理を実行する。
【実施例1】
【0121】
次に、本発明の実施例1を、図面を参照して説明する。かかる実施例1は、本発明の第1の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0122】
従来のRFIDシステムにおける検知を安定化するための一般的な方法として、読み取り結果の履歴に対して一定時間(以下、タイムアウト時間とする)読み取りができなかった場合に検知エリアから出たと判定するタイムアウト処理が用いられている。タイムアウト処理においては、タイムアウト時間を長くすることによって検知結果を安定化することができる。一方、タイムアウト時間を長くすればするほど検知結果の時間応答性が悪くなるという問題があった。そこで、本実施例は、タイムアウト処理に用いるタイムアウト時間を、検知エリアの状況に応じて動的に変更することによって、検知結果の安定性と時間応答性を両立することを目的とするものである。
【0123】
本実施例では、上述した実施するための最良の形態と同様に、検知対象用ID保持装置1はヒトやモノなどの検知対象に添付されるものとして説明する。また、本実施例では、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の具体例として、電源にボタン電池を用いて保持する固有IDを無線通信にて一定時間(例えば1秒)毎に送信するアクティブ型のRFIDタグを、ID読取装置3の具体例として、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2からIDと共に受信強度を表す値(例えば0から255までの256段階の整数値)を読み取ることができるRFIDリーダを用いた例について説明する。また、検知安定化装置4はパーソナルコンピュータによって実現され、検知結果出力装置5としてディスプレイを用いる。
【0124】
図8を参照すると、本実施例における検知安定化装置4は、ID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果が検知対象用ID保持装置1と検知エリア用ID保持装置2のどちらの読み取り結果かを判別するID判別手段41と、検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出する動き検出手段42と、動き検出手段42で検出された動きの量を受け取り、パラメータとしてタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定し検知処理手段44に渡すパラメータ決定手段43と、パラメータ決定手段43で決定されたパラメータおよび検知対象用ID保持装置1の読み取り結果を受け取り、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知し、検知結果を検知結果出力装置5に渡す検知処理手段44とを備える。
【0125】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42から受け取った動きの量からタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段431を備え、パラメータとしてタイムアウト時間を検知処理手段44に渡す。
【0126】
検知処理手段44は、パラメータ決定手段43から受け取ったタイムアウト時間を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果にタイムアウト処理を施し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内に存在するかどうかを検知するタイムアウト処理手段441を備え、検知結果を検知結果出力装置5に渡す。
【0127】
ID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果には、検知対象用ID保持装置と検知エリア用ID保持装置との読み取り結果が混在している。動き検出手段42では検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果、検知処理手段44では検知対象用ID保持装置1の読み取り結果がそれぞれ必要なため、ID判別装置41は、ID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果が検知対象用ID保持装置1と検知エリア用ID保持装置2のどちらの読み取り結果かを判別する。ID判別装置41は、例えば、使用する全ID保持装置について、IDとID保持装置種別(例えば、検知対象用ID保持装置1か検知エリア用ID保持装置2か)とが対応付けられたデータベースを備えており、読み取ったID保持装置のIDにより、検知対象用か検知エリア用かを判別できる。
【0128】
検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った結果の履歴には、検知エリア内でヒトやモノが動くことによって、受信強度の変動が生じる。図9を参照すると、動き検出手段42は、検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った結果について、時刻、読み取ったRFIDタグのIDおよび受信強度を一組にして履歴として保持する履歴記憶手段421と、履歴記憶手段421で保持する検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果の履歴から最新の一定時間分(例えば最新の5秒分)を抽出する履歴抽出手段442と、履歴抽出手段422で抽出された履歴の電界強度値を数値列とみなして分散値を算出する分散値計算手段423で構成される。
【0129】
図9に示した計算式の通り、電界強度値の分散値は、抽出された履歴の各ステップの電界強度値から全ステップの電界強度値の平均値を引いた差分値を求め、この差分値の二乗平均を計算することで求められる。分散値計算手段423で算出された分散値は、抽出した一定時間の履歴における受信強度の変動の度合いを表すため、この分散値をもって検知エリア内のヒトやモノの動きの量を表す値とする。
【0130】
タイムアウト時間決定手段431では、動き検出手段42で検出された動きの量が多い場合には検知対象のヒトやモノが検知エリアに出入りする可能性が高いと推定し、タイムアウト時間を短く、動きの量が少ない場合には出入りする可能性が低いと推定し、タイムアウト時間を長く決定する。動きの量が多いか少ないかを判定する閾値は、実際に検知エリア内でヒトやモノが動いている場面を想定して行った実験の計測結果を用いることにより、検知エリア内で検知対象のヒトやモノが動いているかどうかを区別できるような値に設定することができる。
【0131】
例えば、図10を参照すると、上のグラフに示した検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った結果に見られる検知エリアでヒトが動いている時間帯における受信強度の変動は、下のグラフに示した分散値計算手段423で計算された読み取り結果の一定時間(図10には5秒間の場合を示した)の電界強度の分散値によって明確に判別可能であることが分かる。図10に示した例の場合、動きの量が多いか少ないかを判別する閾値として10を設定することによって、検知エリア内でのヒトやモノの動きを検出することができる。閾値の決定方法としては、例えば、検知エリア内でヒトやモノが全く動いていない場合の前記電界強度分散値の5秒間にわたる平均値と、ヒトやモノが動いている場合の電界強度分散値の1分間にわたる平均値を、1対1で内分するという方法を用いることができる。
【0132】
また、動きが多いとき少ないときそれぞれの場合のタイムアウト時間は、RFIDタグの発信周期やRFIDリーダの受信感度に応じて設定する。例えば、ある会議室において人を検知対象とした場合には、動きが多いときに用いるタイムアウト時間(短い値)を3秒、動きが少ないときに用いるタイムアウト時間(長い値)を10秒に設定する。
【0133】
タイムアウト処理手段441では、タイムアウト時間決定手段431で決定されたタイムアウト時間に応じて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果にタイムアウト処理を施す。ここで、タイムアウト処理とは、タイムアウト時間内にIDの読み取りができなかった場合に、検知対象が検知エリアから出たと判定する処理のことを指す。たとえば、タイムアウト時間が3秒の場合、3秒以上IDの読み取りができなかったときに、検知対象のヒトやモノが検知エリアから出たと検知する。
【0134】
タイムアウト処理手段441で処理された検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを示す検知結果は、ディスプレイで出力される。
【0135】
本実施例では、検知エリアに検知対象に添付するのと同じID保持装置を設置することによって検出できる検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じてタイムアウト時間を決定することにより、利用環境や利用方法の変動による電波環境の複雑さや乱れに影響されずに、検知結果の時間応答性を劣化させることなく検知を安定化できる。
【0136】
また、検知エリアに検知対象に添付するのと同じID保持装置を設置するだけで、検知結果の時間応答性を劣化させることなく検知を安定化できるため、従来のRFIDシステムの利用環境もしくは利用方法を制限する必要がない。
【0137】
以上、本発明の実施例1では、ID保持装置およびID読取装置としてIDと共に電界強度が読み取れるアクティブ型のRFIDを用いる場合について説明したが、IDと共に電界強度が読み取れないアクティブ型のRFIDを用いることもできる。この場合、動き検出手段42で分散計算の対象となる検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果における受信強度を表す数値の代わりに、例えば、過去3秒間の読み取り率の値を用いることによって、実施例1と同様の処理を行うことができる。これは、検知エリア用ID保持装置2をID読取装置3で読み取った結果の履歴において、検知エリア内でヒトやモノが動くことによって、受信強度と共に読み取り率にも変動が生じるためである。
【0138】
また、ID保持装置が電源を持たずに保持する固有IDをID読取装置からの励起によって無線通信で送信し、ID読取装置がIDを読み取るパッシブ型のRFIDを用いることもできる。この場合、ID読取装置によって、一定時間(例えば1秒)間隔ごとに、IDの読み取りを行う設定にする必要がある。
【実施例2】
【0139】
次に、本発明の実施例2を、図面を参照して説明する。かかる実施例2は本発明の第1の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0140】
従来のRFIDシステムにおける検知を安定化するための一般的な方法として、読み取り結果の電波強度が一定の値(以下、閾値とする)を下回った場合に検知エリアから出たと判定する閾値処理が用いられている。閾値処理においては、閾値を設定することによって検知対象のヒトやモノが検知エリアにいないにもかかわらず弱い電波を受信してしまうことによる検知の不安定性を防ぐことができる。一方、検知エリア内のヒトやモノの動きによってID読取装置の受信感度が変化するため、一定の閾値では十分な安定化効果が得られないという問題があった。そこで、本実施例は、閾値処理で用いる閾値を検知エリアの状況に応じて動的に決定し、検知の安定性と感度を両立することを目的とするものである。
【0141】
図12を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1に比べて、パラメータ決定手段43がパラメータとして閾値処理に利用する閾値を決定し検知処理手段44に渡し、検知処理手段44がパラメータ決定手段43で決定された閾値をパラメータとして受け取り、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する点で異なる。
【0142】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42から受け取った動きの量から閾値処理に利用する閾値を決定する閾値決定手段432を備え、パラメータとして閾値を検知処理手段44に渡す。
【0143】
検知処理手段44は、パラメータ決定手段43から受け取った閾値を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に閾値処理を施し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する閾値処理手段442を備え、検知結果を検知結果出力装置5に渡す。
【0144】
閾値決定手段432では、動き検出手段42で検出された動きの量が多い場合には、ID読取装置3の読み取り感度が低くなり受信強度が相対的に小さくなるため、閾値を小さく、動きの量が少ない場合には、読み取り感度が高くなり受信強度が相対的に大きくなるため、閾値を大きく決定する。動きが多いとき少ないときそれぞれの場合の閾値は、実際に検知エリア内でヒトやモノが動いている場面を想定して行った実験の計測結果を用いることにより、RFIDリーダの受信感度に応じて設定する。例えば、ある会議室において人を検知対象とした場合には、動きが多いときに用いる閾値(小さい値)を120、動きが少ないときに用いる閾値(大きい値)を150に設定できる。
【0145】
閾値処理手段442では、閾値決定手段432で決定された閾値に応じて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に閾値処理を施す。ここで、閾値処理とは、受信強度が閾値に満たなかった場合に検知対象が検知エリアから出たと判定する処理のことを指す。たとえば、閾値が150の場合、受信強度が150よりも小さかったときに、検知対象のヒトやモノが検知エリアから出たと検知する。
【0146】
閾値処理手段442で処理された検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを示す検知結果がディスプレイで出力される。
【0147】
本実施例では、検知エリアに検知対象に添付するのと同様なID保持装置を設置することによって検出できる検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて閾値を決定することにより、利用環境や利用方法の変動による電波環境の複雑さや乱れに影響されずに、検知結果の感度を劣化させることなく検知を安定化できる。
【0148】
また、検知エリアに検知対象に添付するのと同様なID保持装置を設置するだけで、検知結果の感度を劣化させることなく検知を安定化できるため、従来のRFIDシステムの利用環境もしくは利用方法を制限する必要がない。
【0149】
本発明の実施例2でID保持装置およびID読取装置として利用できる他の装置は、本発明の実施例1と同一のため、説明は省略する。
【実施例3】
【0150】
次に、本発明の実施例3を、図面を参照して説明する。かかる実施例は本発明の第1の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0151】
従来のRFIDシステムにおける検知を安定化するための一般的な方法として、読み取り結果の履歴に対して一定時間(以下、平均値計算時間長とする)における読み取り結果の平均的な電波強度を求める平均値計算処理が用いられている。平均値計算処理においては、平均値計算時間長を長くすることによってID読取装置による検知結果を安定化することができる。一方、平均値計算時間長を長くすればするほど検知結果の時間応答性が悪くなるという問題があった。そこで、本実施例は、平均値計算処理に用いる平均値計算時間長を、検知エリアの状況に応じて動的に変更することによって、検知結果の安定性と時間応答性を両立することを目的とするものである。
【0152】
図13を参照すると、本実施例は、本発明の実施例2に比べて、パラメータ決定手段43がパラメータとして平均値計算処理に利用する平均値計算時間長および閾値処理に利用する閾値を決定し検知処理手段44に渡し、検知処理手段44がパラメータ決定手段43で決定された平均値計算時間長および閾値をパラメータとして受け取り、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する点で異なる。
【0153】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42から受け取った動きの量から平均値計算処理に利用する平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段433および閾値処理に利用する閾値を決定する閾値決定手段432を備え、パラメータとして平均値計算処理時間長および閾値を検知処理手段44に渡す。
【0154】
検知処理手段44は、パラメータ決定手段43から受け取った平均値計算時間長および閾値を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に平均値計算処理および閾値処理を施し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する平均値計算処理手段443および閾値処理手段442を備え、検知結果を検知結果出力装置5に渡す。
【0155】
本実施例における閾値決定手段432および閾値処理手段442の動作は、本発明の実施例2の各手段432および442の動作と同一のため、説明は省略する。
【0156】
平均値計算時間長決定手段433では、動き検出手段42で検出された動きの量が多い場合には、検知対象のヒトやモノが検知エリアに出入りする可能性が高いと推定し、平均値計算時間長を短く、動きの量が少ない場合には、出入りする可能性が低いと推定し、平均値計算時間長を長く決定する。動きが多いとき少ないときそれぞれの場合の平均値計算時間長は、実際に検知エリア内でヒトやモノが動いている場面を想定して行った実験の計測結果を用いることにより、RFIDタグの発信周期やRFIDリーダの受信感度に応じて設定する。例えば、ある会議室において人を検知対象とした場合には、動きが多いときに用いる平均値計算時間長(短い値)を3秒、動きが少ないときに用いる平均値計算時間長(長い値)を10秒に設定できる。
【0157】
平均値計算処理手段443では、平均値計算時間長決定手段433で決定された平均値計算時間長に応じて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果の履歴に平均値計算処理を施す。ここで、平均値計算処理とは、ID読取装置3による検知対象用ID保持装置1の読み取り結果の履歴について、その受信強度の平均値を計算する処理のことを指す。例えば、平均値計算時間長が10秒の場合、検知対象用ID保持装置の読み取り結果の最新10秒分の履歴についての受信強度の平均値をもって、現在の読み取り結果の受信強度とする。平均値計算処理手段443で処理された受信強度が閾値処理手段442の処理対象となる。
【0158】
本実施例では、本発明の実施例2の効果に加え、検知エリア内に設置したID保持装置の読み取り結果から検出できる検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じて平均値計算時間長を決定することにより、利用環境や利用方法の変動による電波環境の複雑さや乱れに影響されずに、検知結果の時間応答性を劣化させることなく検知を安定化できる。
【0159】
本発明の実施例3でID保持装置およびID読取装置として利用できる他の装置は、本発明の実施例1と同一のため、説明は省略する。
【実施例4】
【0160】
次に、本発明の実施例4を、図面を参照して説明する。かかる実施例は本発明の第1の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0161】
図14を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1に比べて、パラメータ決定手段43がパラメータとして閾値処理に利用する閾値およびタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定し検知処理手段44に渡し、検知処理手段44がパラメータ決定手段43で決定された閾値およびタイムアウト時間をパラメータとして受け取り、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する点で異なる。
【0162】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42から受け取った動きの量から閾値処理に利用する閾値を決定する閾値決定手段432およびタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段431を備え、パラメータとして閾値およびタイムアウト時間を検知処理手段44に渡す。
【0163】
検知処理手段44は、パラメータ決定手段43から受け取った閾値およびタイムアウト時間を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に閾値処理およびタイムアウト処理を施し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する閾値処理手段442およびタイムアウト処理手段441を備え、検知結果を検知結果出力装置5に渡す。
【0164】
本実施例におけるタイムアウト時間決定手段431およびタイムアウト処理手段441の動作は、本発明の実施例1の各手段431および441の動作と同一であり、本実施例における閾値決定手段432および閾値処理手段442の動作は、本発明の実施例3の各手段432および442の動作と同一のため、説明は省略する。
【0165】
閾値処理手段442で処理された検知結果がタイムアウト処理手段441の処理対象となる。
【0166】
本実施例は、本発明の実施例1、実施例2及び実施例3と同様な効果を持つ。
【実施例5】
【0167】
次に、本発明の実施例5を、図面を参照して説明する。かかる実施例は本発明の第1の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0168】
図15を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1に比べて、パラメータ決定手段43がパラメータとして平均値計算処理に利用する平均値計算時間長、閾値処理に利用する閾値およびタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定し検知処理手段44に渡し、検知処理手段44がパラメータ決定手段43で決定された平均値計算時間長、閾値およびタイムアウト時間をパラメータとして受け取り、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する点で異なる。
【0169】
パラメータ決定手段43は、動き検出手段42から受け取った動きの量から平均値計算処理に利用する平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段433、閾値処理に利用する閾値を決定する閾値決定手段432およびタイムアウト処理に利用するタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段431を備え、パラメータとして平均値計算時間長、閾値およびタイムアウト時間を検知処理手段44に渡す。
【0170】
検知処理手段44は、パラメータ決定手段43から受け取った平均値計算時間長、閾値およびタイムアウト時間を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に平均値計算処理、閾値処理およびタイムアウト処理を施し、検知対象用ID保持装置1が検知エリア内にいるかどうかを検知する平均値計算処理手段443、閾値処理手段442およびタイムアウト処理手段441を備え、検知結果を検知結果出力装置5に渡す。
【0171】
本実施例におけるタイムアウト時間決定手段431、タイムアウト処理手段441、閾値決定手段432および閾値処理手段442の動作は、本発明の実施例4の各手段431、441、432および442の動作と同一であり、本実施例における平均値計算時間長決定手段433および平均値計算処理手段443の動作は、本発明の実施例3の各手段433および443の動作と同一のため、説明は省略する。平均値計算処理手段443で処理された受信強度が閾値処理手段442の処理対象となる。
【0172】
本実施例は、本発明の実施例3および実施例4と同様な効果を持つ。
【実施例6】
【0173】
次に、本発明の実施例6を、図面を参照して説明する。かかる実施例は本発明の第2の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0174】
実施例6では、図21に示される如く、上述した実施例1の検知エリア用ID保持装置2、ID判別手段41に代えて、センサ6を検知エリア内に設置し、動き検出手段45はセンサで得られる情報からヒトやモノの動きの量を検出する例について説明する。尚、実施例1と同様な部分については説明を省略する。
【0175】
センサとしては、検知エリアに設置したカメラ、非可視光(赤外線、熱赤外線など)センサ、床圧センサ、振動センサ、マイクロフォンなど、ヒトやモノの動きの量を検出可能なセンサを利用することができる。例えば、センサ本体に加わる加速度を1秒間に50回測定して電圧として出力するような加速度計を、検知エリアの床に設置することによって、これを振動センサとして利用し、検知エリア内のヒトやモノの動きを検出することが可能である。
【0176】
検知エリアの床に設置した加速度計で計測された電圧の時系列変化の例を図11上に示す。同じ計測データについて、各時点において過去50ステップ分(1秒間分)の計測電圧から計算される分散値の時系列変化を図11下に示す。このように、動き検出手段45では、検知エリア内のヒトやモノの動きを、検知エリア内でヒトやモノが動いている時間帯に発生する計測電圧の変動を下のグラフに示した分散値の時系列変化から判別することによって、明確に検出可能である。
【0177】
タイムアウト時間決定手段431では、例えば、図11に示した例の場合、過去50ステップ分の計測電圧の分散値に対して、動きの量が多いか少ないかを判別するための閾値に0.002を設定することによって、検知エリア内でのヒトやモノの動きを検出することができ、この閾値によって上述した実施例1と同様にタイムアウト時間を決定することができる。閾値の決定方法としては、例えば、検知エリア内でヒトやモノが全く動いていない場合の前記計測電圧分散値の一分間にわたる平均値と、ヒトやモノが動いている場合の前記計測電圧分散値の一分間にわたる平均値を、1対1で内分するという方法を用いることができる。
【0178】
本実施例では、検知エリアに検知エリア内のヒトやモノの動きを検出するセンサを設け、検知エリア内のヒトやモノの動きの量に応じてタイムアウト時間を決定することにより、利用環境や利用方法の変動による電波環境の複雑さや乱れに影響されずに、検知結果の時間応答性を劣化させることなく検知を安定化できる。
【0179】
尚、検知安定化処理については、実施例1と同様なタイムアウト処理に限ることなく、他の実施例で述べたものについても適用可能である。
【実施例7】
【0180】
次に、本発明の実施例7を、図面を参照して説明する。
【0181】
本実施例は、本発明の実施例1から実施例6における検知処理手段44による検知安定化処理を、検知対象毎および検知結果を利用するユーザ(以下、観測者と呼ぶ)毎に設定されたサービスレベルに応じて切り替えることを目的とするものである。
【0182】
図16を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1から実施例6に比べて、検知安定化装置4が、検知対象毎および観測者毎のサービスレベルを保存しておくためのサービスレベル記憶装置46を備える点で異なる。
【0183】
サービスレベル記憶装置46に保存されるサービスレベル情報は、検知対象を特定するためのID(すなわち検知対象用ID保持装置1が保持するID)、観測者を特定するためのID、およびサービスレベルの組で表される。
【0184】
サービスレベルに応じて、ID読取装置3による検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に検知処理手段44が施す検知安定化処理内容を変更することによって、検知対象毎および観測者毎に安定性や時間応答性の異なる検知結果を提供できる。例えば、サービスレベルは「高精度」と「ノーマル」の二段階で表せる。サービスレベルが「高精度」の場合、実施例1から実施例5で説明したような動き検出手段42、パラメータ決定手段43および検知処理手段44を用いて安定化した検知結果を、検知結果出力装置5で観測者に提供する。サービスレベルが「ノーマル」の場合、検知処理手段44では、ID読取装置3による検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に何の安定化処理も行わずに、読取装置3による読み取り結果をそのまま検知結果として検知結果出力装置5で観測者に提供する。
【0185】
また、図17のように、サービスレベル記憶装置46に保存されたサービスレベルに応じて、動き検出手段42で動き検出のために使用する検知エリア用ID保持装置2の組み合わせを変更することによって、検知対象毎および観測者毎に動き検出精度を変更することができ、検知対象毎および観測者毎に安定性や時間応答性の異なる検知結果を提供できる。
【0186】
また、図18にように、サービスレベル記憶装置46に保存されたサービスレベルに応じて、ID読取装置3による検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に検知処理手段44が施す検知安定化処理内容と、動き検出手段42で動き検出のために使用する検知エリア用ID保持装置2の組み合わせを共に変更することで、検知対象毎および観測者毎に安定性や時間応答性の異なる検知結果を提供できる。
【0187】
また、図19のように、検知対象毎および観測者毎のサービスレベルを制御するためのサービスレベル制御装置312を備えていてもよい。サービスレベル制御装置312は、サービスレベル設定手段321およびサービスレベル制御手段322を備える。
【0188】
サービスレベル設定手段321では、検知対象毎および観測者毎のサービスレベルを設定する。
【0189】
サービスレベル制御手段322は、サービスレベル設定手段321で設定されたサービスレベルをサービスレベル記憶装置46に保存する。
【0190】
本実施例によって、例えば、検知対象毎に異なる精度の検知結果を提供したいサービスなどへの適用が可能になる。図20に示すように、本実施例の全体を検知安定化サービスとして、検知安定化サービスを提供しているサービス提供者、検知安定化サービスを利用するサービス利用者、検知の対象となる検知対象、および検知結果を受け取る観測者が存在する例について説明する。
【0191】
サービス利用者(例えば企業)は、検知対象(例えば従業員)毎および観測者(例えば管理職)毎のサービスレベル設定をサービス提供者(例えばASPサービス提供企業)に依頼する。ここではサービスレベルが「高精度」と「ノーマル」の二段階で表される例について説明する。
【0192】
サービス利用者は検知対象毎および観測者毎の職位や職種などに応じて、サービスレベルの設定を依頼する。サービス提供者は依頼に応じて、サービスレベル設定手段を用いて検知対象毎および観測者毎のサービスレベルを設定する。設定されたサービスレベルはサービスレベル記憶装置に保存される。サービス提供者は、検知安定化装置の処理内容に応じて、すなわちサービスレベルが「高精度」か「ノーマル」かに応じて、課金を行う。
【0193】
サービス利用者によって依頼されサービス提供者によって設定されたサービスレベルに応じて、検知対象毎および観測者毎に提供される検知結果の安定性や時間応答性が異なる。
【0194】
これにより、検知対象毎および観測者毎に異なる品質の検知結果提供を、サービス利用者として最適なコストで実現することができるような、検知結果安定化サービスを実現できる。
【0195】
本実施例により、検知安定化装置の処理内容をサービスレベルに応じて変更することによって、検知対象毎および観測者毎に異なる安定性や時間応答性の検知結果を提供することができる。
【実施例8】
【0196】
次に,本発明の実施例8を,図面を参照して説明する。かかる実施例8は本発明の第5の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0197】
図29を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1から実施例7に比べて、検知安定化装置12が、実施例1から実施例7における検知安定化装置4の構成における動き検出手段42の代わりに、検知対象用ID保持装置1および検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から、検知対象の動きの量を検出する動き検出手段122を備えている点で異なる。
【0198】
本実施例における動き検出手段122は、実施例1における動き検出手段42と同じようにして検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知エリア内のヒトやモノの動きの量(以下、場の動きとする)を検出する場の動き検出手段1221と、検知対象用ID保持装置1の読み取り結果から該当する検知対象用ID保持装置1の動きを検出するID保持装置の動き検出手段1222と、場の動き検出手段1221で検出された場の動きと、ID保持装置の動き検出手段1222で検出された検知対象用ID保持装置1の動きを組み合わせて、検知対象の動きの量を検出する検出対象の動き検出手段1223を備える。
【0199】
本実施例における場の動き検出手段1221の動作は、本発明の実施例1の動き検出手段42の動作と同一のため、説明は省略する。
【0200】
検知対象用ID保持装置1をID読取装置3で読み取った結果の履歴には、検知対象用ID保持装置1が動くことによって、受信強度の変動が生じる。図30を参照すると、ID保持装置の動き検出手段1222は、検知対象用ID保持装置1の読み取り結果について、時刻、読み取ったID保持装置のIDおよび受信強度を一組にして履歴として保持する履歴記憶手段12221と、履歴記憶手段12221で保持する検知対象用ID保持装置1の読み取り結果の履歴から最新の一定時間分(例えば最新の5秒分)を抽出する履歴抽出手段12222と、履歴抽出手段12222で抽出された履歴の電界強度値を数値列とみなして分散値を算出する分散値計算手段12223で構成される。
【0201】
図30に示した計算式の通り、電界強度値の分散値は、抽出された履歴の各ステップの電界強度値から全ステップの電界強度値の平均値を引いた差分値を求め、この差分値の二乗平均を計算することで求められる。分散値計算手段12223で算出された分散値は、抽出した一定時間の履歴における受信強度の変動の度合いを表すため、この分散値をもって検知対象用ID保持装置1の動きの量を表す値とする。
【0202】
例えば、図31を参照すると、上のグラフに示した検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に見られる該当する検知対象用ID保持装置1が添付された検知対象が動いている時間帯における受信強度の変動は、下のグラフに示した分散値計算手段12223で計算された読み取り結果の一定時間(図31には5秒間の場合を示した)の電界強度の分散値によって明確に判別可能であることが分かる。図31に示した例の場合、動きの量が多いか少ないかを判別する閾値として50を設定することによって、検知対象用ID保持装置1の動きを検出することができる。閾値の決定方法としては、例えば、検知対象用ID保持装置1が全く動いていない場合の前記電界強度分散値の5秒間にわたる平均値と、検知対象用ID保持装置1が動いている場合の電界強度分散値の1分間にわたる平均値を、1対1で内分するという方法を用いることができる。
【0203】
検出対象の動き検出手段1223は、場の動き検出手段1221で検出された場の動きと、ID保持装置の動き検出手段1222で検出された検知対象用ID保持装置1の動きが、共に多い場合にのみ検知対象の動きが多いと判定して、該当する検知対象用ID保持装置1が添付された検知対象の動きを検出する。例えば、同じ検知エリアに二人のヒト(ユーザAとユーザB)がいて、ユーザAのみが実際にエリア内を動いたときの、場の動き検出手段1221、ID保持装置の動き検出手段1222、および検知対象の動き検出手段1223で検出された動きを図32に示す。この例では、場の動き検出手段1221およびID保持装置の動き検出手段1222のそれぞれに5秒間のタイムアウト処理を行ったうえで、検知対象の動き検出処理を行っている。図32に示したとおり、場の動きとID保持装置の動きを組み合わせることにより、検知対象の動きが正しく検出できる。
【0204】
本実施例では、検知エリアに複数のヒトやモノが存在する場合でも、検知対象の動きを検出して適切なパラメータを設定することにより、実施例1から実施例7と同様の効果を実現することができる。
【実施例9】
【0205】
次に、本発明の実施例9を、図面を参照して説明する。かかる実施例9は本発明の第6の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0206】
図33を参照すると、本実施例は、本発明の実施例1に比べて、検知エリアが複数存在し各検知エリアに検知エリア用ID保持装置2およびID読取装置3がそれぞれ1つもしくは複数設置されており、図8に示された本発明の実施例1における検知安定化装置4および検知結果出力装置5の代わりに、各検知エリアに設置したID読取装置3で得られた検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読取結果を用いて検知対象が存在するエリアを検知するエリア検知安定化装置13、および、検知結果を出力するエリア検知結果出力装置14を備える点で異なる。
【0207】
本実施例におけるエリア検知安定化装置13は、各検知エリアに設置されたID読取装置3で読み取られたID保持装置の読み取り結果が検知対象用ID保持装置1と検知エリア用ID保持装置2のどちらの読み取り結果かを判別するID判別手段131と、実施例1における動き検出手段42と同じようにして各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から各検知エリア内のヒトやモノの動きの量を検出するエリア検知用動き検出手段132と、エリア検知用動き検出手段132で検出された動きの量を受け取り、パラメータとして確率過程処理に利用する状態遷移確率を決定しエリア検知処理手段134に渡すエリア検知パラメータ決定手段133と、エリア検知パラメータ決定手段134で決定されたパラメータおよび検知対象用ID保持装置1の読み取り結果を受け取り、検知対象が存在するエリアを検知し、検知結果をエリア検知結果出力装置14に渡すエリア検知処理手段134を備えている。
【0208】
本実施例におけるID判別手段131およびエリア検知用動き検出手段132の動作は、本発明の実施例1の各手段41および42の動作と同一のため、説明は省略する。
【0209】
エリア検知パラメータ決定手段133は、エリア検知用動き検出手段132から受け取った動きの量から確率過程処理に利用する状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定手段1331を備え、パラメータとして状態遷移確率をエリア検知処理手段134に渡す。状態遷移確率決定手段1331で決定する状態遷移確率については、確率過程処理手段1341と共に後で説明する。
【0210】
エリア検知処理手段134は、エリア検知パラメータ決定手段133から受け取った状態遷移確率を用いて検知対象用ID保持装置1の読み取り結果に確率過程処理を施し、検知対象が存在するエリアを検知する確率過程処理手段1341を備え、検知結果をエリア検知結果処理装置14に渡す。
【0211】
確率過程処理手段1341における検知処理の計算方法を図34に、動作を図35に示す。各エリアについて、検知対象がそのエリアに存在する確率(事後確率)を順次計算し、算出された事後確率が最大となるようなエリアをエリア検知結果として出力する。
【0212】
状態遷移確率決定手段1331では、例えば図36に示した算出式を用いて、動き検出手段132で検出された動きの量に応じて状態遷移確率を決定し、確率過程処理手段1341における計算に利用する(ステップB1)。このように決定された状態遷移確率は、エリア検知用動き検出手段132で動きが検出されたエリアには検知対象が出入りしやすく、動きが検出されなかったエリアには検知対象が出入りしにくく検知を制約する性質を持つ。図36に示したような動きの有無に応じた状態遷移確率の大きさは、エリア間の移動しやすさや用途に応じてあらかじめ決定する。
【0213】
ステップB1で算出された状態遷移確率と1単位時間前の事後確率の積を算出(ステップB2)した上で、計算対象とするエリアについて総和を計算することにより、各エリアから計算対象としたエリアに移動してくる確率和を得ることができる。
【0214】
次に、検知対象用ID保持装置1の読み取り結果から、図37に示した計算式を用いて事前確率を算出する(ステップB3)。このように決定された事前確率は、ある検知対象用ID保持装置1の読み取り結果が得られたときに、各エリアに検知対象が存在する確率を示す。図37における出力確率は、あらかじめ実施する予備実験で、検知対象用ID保持装置1を各エリアに一定時間(たとえば1分間)存在させたときに、各ID読取装置3で得られた検知対象用ID保持装置1の読み取り結果を取得し、各読み取り結果について、実際に検知対象用ID保持装置1が読み取られた確率を算出して決定する。
【0215】
算出された事前確率とステップB1およびB2のループで算出済みの確率和の積を算出(ステップB4)した上で、総和を計算し正規化する(ステップB5)ことにより、各エリアに検知対象用ID保持装置1が存在する確率(事後確率)を得ることができる(ステップB6)。
【0216】
各エリアについて算出された事後確率を比較して、その確率値が最大となるエリアをエリア検知結果としてエリア検知結果出力装置14に渡す。
【0217】
エリア検知結果処理手段134で処理された検知対象用ID保持装置1が存在するエリアを示す検知結果は、エリア検知結果出力装置14で出力される。
【0218】
本実施例では、検知エリアが複数存在し各検知エリアに検知エリア用ID保持装置2およびID読取装置3がそれぞれ1つもしくは複数設置されているときでも、各エリアにおけるヒトやモノの動きを検出して適切なパラメータを設定することにより、本発明の実施例1と同様な効果を持つことができる。
【実施例10】
【0219】
次に、本発明の実施例10を、図面を参照して説明する。かかる実施例10は本発明の第7の実施するための最良の形態に対応するものである。
【0220】
図38を参照すると、本実施例は、本発明の実施例9に比べて、エリア検知安定化装置13が、実施例9における検知安定化装置13の構成におけるエリア検知用動き検出手段132の代わりに、検知対象用ID保持装置1および各検知エリアに設置した検知エリア用ID保持装置2の読み取り結果から検知対象の動きの量を検出するエリア検知用動き検出手段135を備えている点で異なる。
【0221】
本実施例における動き検出手段135の動作は、本発明における実施例8の動き検出手段122の動作と同一のため、説明は省略する。
【0222】
本実施例では、検知エリアが複数存在し各検知エリアに検知エリア用ID保持装置2およびID読取装置3がそれぞれ1つもしくは複数設置されているときでも、かつ、検知エリアに複数のヒトやモノが存在する場合でも、各エリアにおける検知対象の動きを検出して適切なパラメータを設定することにより、本発明の実施例8および実施例10と同様の効果を実現することができる。
【0223】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0224】
(付記1) RFID用検知安定化システムであって、
検知エリアの検知環境の変化を検出する検出手段と、
前記検出した検知環境の変化に基づいて、検知対象に添付又は保持された検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0225】
(付記2) 前記検出手段は、検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段であることを特徴とする付記1に記載のRFID用検知安定化システム。
【0226】
(付記3) 前記検出手段は、検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、検知エリアの検知対象の動きの量を検出する動き検出手段であることを特徴とする付記1に記載のRFID用検知安定化システム。
【0227】
(付記4) 前記検知安定化処理手段は、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理手段と
を有することを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【0228】
(付記5) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段を有し、
前記検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段を有する
ことを特徴とする付記4に記載のRFID用検知安定化システム。
【0229】
(付記6) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段を有し、
前記検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段を有する
ことを特徴とする付記4に記載のRFID用検知安定化システム。
【0230】
(付記7) 前記パラメータ決定手段は、
前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段とを有し、
前記検知処理手段は、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施す平均値計算処理手段と、
前記平均値計算処理手段の出力に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段とを有する
ことを特徴とする付記4に記載のRFID用検知安定化システム。
【0231】
(付記8) 前記パラメータ決定手段は、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段とを有し、
前記検知処理手段は、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段と、
前記閾値処理手段の出力に対して前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段とを有する
ことを特徴とする付記4に記載のRFID用検知安定化システム。
【0232】
(付記9) 前記パラメータ決定手段は、
前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段とを有し、
前記検知処理手段は、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施す平均値計算処理手段と、
前記平均値計算処理手段の出力に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段と、
前記閾値処理手段の出力に対して前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段とを有する
ことを特徴とする付記4に記載のRFID用検知安定化システム。
【0233】
(付記10) 検知安定化処理レベルを保存するサービスレベル記憶手段と、
前記サービスレベル記憶手段に保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段と
を有することを特徴とする付記1から付記9のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【0234】
(付記11) 検知安定化処理レベルを設定するサービスレベル設定手段と、
前記サービスレベル設定手段で設定された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段と
を有することを特徴とする付記1から付記10のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【0235】
(付記12) 検知安定化処理レベルを設定するサービスレベル設定手段と、
前記サービスレベル設定手段で設定された検知安定化処理レベルを保存するサービスレベル記憶手段と、
前記サービスレベル記憶手段に保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段と
を有することを特徴とする付記1から付記11のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【0236】
(付記13) RFID用検知安定化システムであって、
検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果に基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記検出した動きの量に基づいて、検知対象に添付又は保持された検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0237】
(付記14) RFID用検知安定化システムであって、
センサと、
前記センサの情報に基づいて、検知エリアの検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記検出した動きの量に基づいて、検知対象に添付又は保持された検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0238】
(付記15) 検知エリアに設置したID保持装置の読み取り結果から検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段を備えたことを特徴とするRFIDシステム。
【0239】
(付記16) 検知エリアに設置したID保持装置の読み取り結果から検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する方法。
【0240】
(付記17) RFID用検知安定化方法であって、
検知エリアの検知環境の変化を検出する検出処理と、
前記検出した検知環境の変化に基づいて、検知対象に添付又は保持された検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0241】
(付記18) 前記検出処理は、検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する処理であることを特徴とする付記17に記載のRFID用検知安定化方法。
【0242】
(付記19) 前記検出処理は、検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、検知エリアの検知対象の動きの量を検出する処理であることを特徴とする付記17に記載のRFID用検知安定化方法。
【0243】
(付記20) 前記検知安定化処理は、
検出された動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記決定されたパラメータに基づいて、検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理と
を有することを特徴とする付記17から付記19のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【0244】
(付記21) 前記パラメータの決定において、検出された動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定し、
前記検知結果の安定化において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施す
ことを特徴とする付記20に記載のRFID用検知安定化方法。
【0245】
(付記22) 前記パラメータの決定において、検出された動きの量から閾値処理のための閾値を決定し、
前記検知結果の安定化において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された閾値に基づいて閾値処理を施す
ことを特徴とする付記20に記載のRFID用検知安定化方法。
【0246】
(付記23) 前記パラメータの決定において、検出された動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長および閾値処理のための閾値を決定し、
前記検知結果の安定化において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施した後に、決定された閾値に基づいて閾値処理を施す
ことを特徴とする付記20に記載のRFID用検知安定化方法。
【0247】
(付記24) 前記パラメータの決定において、検出された動きの量から閾値処理のための閾値およびタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定し、
前記検知結果の安定化において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された閾値に基づいて閾値処理を施した後に、決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施す
ことを特徴とする付記20に記載のRFID用検知安定化方法。
【0248】
(付記25) 前記パラメータの決定において、検出された動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長、閾値処理のための閾値およびタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定し、
前記検知結果の安定化において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施した後に、決定された閾値に基づいて閾値処理を施し、さらに後に、決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施す
ことを特徴とする付記20に記載のRFID用検知安定化方法。
【0249】
(付記26) 検知安定化処理レベルを保存し、保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更することを特徴とする付記17から付記25のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【0250】
(付記27) 検知安定化処理レベルを設定し、設定された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更することを特徴とする付記17から付記26のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【0251】
(付記28) 検知安定化処理レベルを設定し、設定された検知安定化処理レベルを保存し、保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更することを特徴とする付記17から付記27のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【0252】
(付記29) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知エリアの検知環境の変化を検出する検出手段と、
前記検出した検知環境の変化に基づいて、検知対象に添付又は保持された検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0253】
(付記30) 前記RFID用検知安定化プログラムは、前記検出手段を、検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段として機能させることを特徴とする付記29に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0254】
(付記31) 前記RFID用検知安定化プログラムは、前記検出手段を、検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、検知エリアの検知対象の動きの量を検出する動き検出手段として機能させることを特徴とする付記29に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0255】
(付記32) 前記RFID用検知安定化プログラムは、前記検知安定化処理手段を、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理手段と
して機能させることを特徴とする付記29から付記31のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0256】
(付記33) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記32に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0257】
(付記34) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記32に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0258】
(付記35) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、
前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施す平均値計算処理手段と、
前記平均値計算処理手段の出力に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記32に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0259】
(付記36) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段と、
前記閾値処理手段の出力に対して前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記32に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0260】
(付記37) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、
前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、
検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施す平均値計算処理手段と、
前記平均値計算処理手段の出力に対して前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて閾値処理を施す閾値処理手段と、
前記閾値処理手段の出力に対して前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記32に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0261】
(付記38) 前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知安定化処理レベルを保存するサービスレベル記憶手段に保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段として機能させることを特徴とする付記29から付記37のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0262】
(付記39) 前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知安定化処理レベルを設定するサービスレベル設定手段と、
前記サービスレベル設定手段で設定された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段と
して機能させることを特徴とする付記29から付記38のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0263】
(付記40) 前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知安定化処理レベルを設定し、サービスレベル記憶手段に保存するサービスレベル設定手段と、
前記サービスレベル記憶手段に保存された検知安定化処理レベルに応じて検知安定化処理方法を変更する機能を有した検知処理手段と
して機能させることを特徴とする付記29から付記39のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0264】
(付記41) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知エリアに設置したID保持装置の読み取り結果から検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段として機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0265】
(付記42) RFID用検知安定化システムであって、
検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて、検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0266】
(付記43) RFID用検知安定化システムであって、
検知エリアに設置されたセンサと、
前記センサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0267】
(付記44) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段を有し、
前記検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段を有する
ことを特徴とする付記42又は付記43に記載のRFID用検知安定化システム。
【0268】
(付記45) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段を有し、
前記検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて、閾値処理を施す閾値処理手段を有する
ことを特徴とする付記42又は付記43に記載のRFID用検知安定化システム。
【0269】
(付記46) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段を有し、
前記検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて、平均値計算処理を施す平均値計算処理手段を有する
ことを特徴とする付記42又は付記43に記載のRFID用検知安定化システム。
【0270】
(付記47) RFID用検知安定化方法であって、
検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて、検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0271】
(付記48) RFID用検知安定化方法であって、
検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて、検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0272】
(付記49) 前記パラメータ決定処理において、前記動き検出処理で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定し、
前記検知処理において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施す
ことを特徴とする付記47又は付記48に記載のRFID用検知安定化方法。
【0273】
(付記50) 前記パラメータ決定処理において、前記動き検出処理で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定し、
前記検知処理において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された閾値に基づいて閾値処理を施す
ことを特徴とする付記47又は付記48に記載のRFID用検知安定化方法。
【0274】
(付記51) 前記パラメータ決定処理において、前記動き検出処理で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定し、
前記検知処理において、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、決定された平均値計算時間長に基づいて平均値計算処理を施す
ことを特徴とする付記47又は付記48に記載のRFID用検知安定化方法。
【0275】
(付記52) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0276】
(付記53) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量から検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置の検知結果を安定化する検知安定化手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0277】
(付記54) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量からタイムアウト処理のためのタイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記タイムアウト時間決定手段で決定されたタイムアウト時間に基づいてタイムアウト処理を施すタイムアウト処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記52又は付記53に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0278】
(付記55) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量から閾値処理のための閾値を決定する閾値決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記閾値決定手段で決定された閾値に基づいて、閾値処理を施す閾値処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記52又は付記53に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0279】
(付記56) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量から平均値計算処理のための平均値計算時間長を決定する平均値計算時間長決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記平均値計算時間長決定手段で決定された平均値計算時間長に基づいて、平均値計算処理を施す平均値計算処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記52又は付記53に記載のRFID用検知安定化プログラム。
【0280】
(付記57) RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0281】
(付記58) RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0282】
(付記59) RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたセンサと、
前記センサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0283】
(付記60) RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたセンサと、
前記センサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【0284】
(付記61) 前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定手段を有し、
前記エリア検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定手段で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理手段を有する
ことを特徴とする付記57から付記60のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【0285】
(付記62) RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0286】
(付記63) RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0287】
(付記64) RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0288】
(付記65) RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【0289】
(付記66) 前記パラメータ決定処理は、前記動き検出処理で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定処理を有し、
前記エリア検知処理は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定処理で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理を有する
ことを特徴とする付記62から付記65のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【0290】
(付記67) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0291】
(付記68) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0292】
(付記69) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0293】
(付記70) RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【0294】
(付記71) 前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定手段で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理手段として機能させる
ことを特徴とする付記67から付記70のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0295】
本発明によれば、RFIDシステムを用いたヒトやモノの位置もしくは存在の取得や、RFIDを用いたヒトやモノの位置もしくは存在の取得をコンピュータに実現するためのプログラムといった用途に適用できる。
【符号の説明】
【0296】
1 検知対象用ID保持装置
2 検知エリア用ID保持装置
3 ID読取装置
4 検知結果安定化装置
5 検知結果出力装置
6 センサ
7 検知安定化装置
8 検知安定化装置
9 検知安定化用プログラム
10 検知安定化装置
11 検知安定化用プログラム
12 検知安定化装置
13 エリア検知安定化装置
14 エリア検知結果出力装置
15 検知安定化装置
16 エリア検知安定化装置
17 エリア検知安定化装置
18 検知安定化装置
19 検知安定化用プログラム
20 検知安定化装置
21 検知安定化用プログラム
22 エリア検知安定化装置
23 エリア検知安定化用プログラム
24 エリア検知安定化装置
25 エリア検知安定化用プログラム
41 ID判別手段
42 動き検出手段
43 パラメータ決定手段
44 検知処理手段
45 動き検出手段
46 サービスレベル記憶装置
122 動き検出手段
131 ID判別手段
132 エリア検知用動き検出手段
133 エリア検知パラメータ決定手段
134 エリア検知処理手段
135 エリア検知用動き検出手段
151 動き検出手段
161 エリア検知用動き検出手段
171 エリア検知用動き検出手段
312 サービスレベル制御装置
321 サービスレベル設定手段
322 サービスレベル制御手段
411 履歴記憶手段
412 履歴抽出手段
413 分散値計算手段
421 タイムアウト時間決定手段
422 閾値処理手段
423 平均値計算処理手段
431 タイムアウト処理手段
432 閾値決定手段
433 平均値計算時間長決定手段
1221 場の動き検出手段
1222 ID保持装置の動き検出手段
1223 検知対象の動き検出手段
12221 履歴記憶手段
12222 履歴抽出手段
12223 分散値計算手段
1331 状態遷移確率決定手段
1341 確率過程処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【請求項2】
RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置と、
前記ID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【請求項3】
RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたセンサと、
前記センサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【請求項4】
RFID用検知安定化システムであって、
複数の検知エリアに設置されたセンサと、
前記センサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化システム。
【請求項5】
前記パラメータ決定手段は、前記動き検出手段で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定手段を有し、
前記エリア検知処理手段は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定手段で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理手段を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のRFID用検知安定化システム。
【請求項6】
RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【請求項7】
RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【請求項8】
RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【請求項9】
RFID用検知安定化方法であって、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出処理と、
前記動き検出処理で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理と
を有することを特徴とするRFID用検知安定化方法。
【請求項10】
前記パラメータ決定処理は、前記動き検出処理で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定処理を有し、
前記エリア検知処理は、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定処理で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理を有する
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載のRFID用検知安定化方法。
【請求項11】
RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【請求項12】
RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたID保持装置の読み取り結果と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【請求項13】
RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報に基づいて、各検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【請求項14】
RFID用検知安定化プログラムであって、
前記RFID用検知安定化プログラムは情報処理装置を、
複数の検知エリアに設置されたセンサの情報と、検知対象に添付されたID保持装置の読み取り結果とに基づいて、検知エリア内の検知対象の動きの量を検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段で得られた動きの量からエリア検知処理に利用するためのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、
前記パラメータ決定手段で決定されたパラメータに基づいて検知対象用ID保持装置のエリア検知結果を安定化するエリア検知処理手段と
して機能させることを特徴とするRFID用検知安定化プログラム。
【請求項15】
前記RFID用検知安定化プログラムは、
前記パラメータ決定手段を、前記動き検出手段で得られた動きの量から確率過程処理のための状態遷移確率を決定する状態遷移確率決定手段として機能させ、
前記検知処理手段を、検知対象用ID保持装置の読み取り結果に対して、前記状態遷移確率決定手段で決定された状態遷移確率に基づいて確率過程処理を施す確率過程処理手段として機能させる
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載のRFID用検知安定化プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2012−94184(P2012−94184A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20181(P2012−20181)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【分割の表示】特願2006−46597(P2006−46597)の分割
【原出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】