説明

RFIDラベル貼着装置

【課題】 本発明は、RFIDインレットとラベル片へのデータ処理を別々に行って所望の被貼着体に貼着可能としたため、不良原因の押圧や加熱等の影響のない正確なデータを保有可能なRFIDラベル貼着装置を提供することにある。
【解決手段】 帯状台紙上にRFIDインレットを所定間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記RFIDインレットに所望の情報をリード・ライトするとともに被貼着物に前記RFIDインレットを貼着可能な第1のRFIDインレット貼付機と、
帯状台紙上にラベル片を所定間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記ラベル片に所望の情報を印字して、前記被貼着物に貼着した前記RFIDインレットの上に重なるように貼着可能な第2のラベル貼付機と、
を備えて、所望の情報を有する前記RFIDインレットと前記ラベル片とからなるRFIDラベルを前記被貼着物に貼着可能としたRFIDラベル貼着装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回されたRFIDインレット連続体のRFIDインレットに所望の情報を書込み被貼着体に貼着する第一のRFIDインレット貼付機とラベル連続体のラベル片に所望の情報を印字した後に前記RFIDインレットに重なるように貼着する第二のラベル貼付機とを備えたRFIDラベル貼着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データの読み書きが可能なICチップを備えたRFID(Radio Frequency Identification)インレットが開発されている。RFIDインレットには、送受信アンテナと、この送受信アンテナに接続され、メモリを有するICチップモジュールとが設けられ、これらを透明材料から成るフィルムで覆うようにしており、非接触伝送方式にてデータの読み書きができるようになっている。
【0003】
RFIDインレットは、被貼着体に取り付けられて、専用のリーダ/ライタと共に使用され、そのICチップモジュールに被貼着体の物品情報と物流状況や環境などの情報をコード化したコード情報を書き込み可能にしてあり、またそれから読み出すことによって、物流管理等において利用可能としている。
【0004】
一方、被貼着体に貼着されたRFIDインレットの表面には、物品あるいは物流情報を有する物流ラベルが貼着されている。これらの物流ラベルには、伝票番号等の伝票固有情報、荷送人情報および荷受人情報等の情報欄が設けられ、この情報欄に印字された情報は、被貼着体を運送する運送人の視認情報として必須のものとされている。
【0005】
これらの物品あるいは物流情報等をRFIDインレットとラベル片の双方の媒体に保有可能なRFIDラベル連続体(RFIDインレットが台紙とラベル片との間にすでに内装されて連続的につながったラベル連続体)に所望の印字を行うには、前記RFIDラベル連続体は、印字部であるサーマルヘッドとプラテンローラの間に矜持され、前記プラテンローラの回転に伴い押圧されながら移送されて前記ラベル片に印字されるため、他の面に比べて凸状に盛りあがった段差となっている前記RFIDインレットのICと送受信アンテナとを接続する部分には強い押圧力が加えられるため接続部が離反したり、前記ICが破損したりすることがあった。
【0006】
また、前記ラベル片に印字する時の前記サーマルヘッドの加熱によって前記ICが破損することがあった。
【0007】
また、RFIDインレットを内装した前記RFIDラベル連続体に視認情報を印字する場合の印字可能領域は、ICチップと送受信アンテナ部分によって形成される段差を回避するために、限られた印字領域の設定がなされてきた。
【特許文献1】特開2004−42340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ラベル片にRFIDインレットが内装された形態のRFIDラベルの形態では印字を行わずに、ICに所望の情報の書込みとラベル片に所望の印字を行い所定の被貼着体に貼着可能としたために、前記ICと前記送受信アンテナに必要以上の押圧や加熱が加えられることがなく、その接続部が離反したり、またはラベル片に印字する時のサーマルヘッドの加熱や押圧力によってICが破損することがないRFIDラベル貼着装置を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、段差の原因となるRFIDインレットを内装した状態では印字せずに、ラベル連続体のラベル片に印字するために、ラベル片の全領域を印字可能領域として設定できるRFIDラベル貼着装置を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、前記RFIDインレットに正しい情報が書き込まれたかを判断可能で、必要であれば警報を発することもできるRFIDラベル貼着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち第1の発明は、帯状台紙の上にRFIDインレットを所定の間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記RFIDインレットに所望の情報をリード・ライトするとともに被貼着物に前記RFIDインレットを貼着可能な第1のRFIDインレット貼付機と、
帯状台紙の上にラベル片を所定の間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記ラベル片に所望の情報を印字して、前記被貼着物に貼着した前記RFIDインレットの上に重なるように貼着可能な第2のラベル貼付機と、
を備えて、所望の情報を有する前記RFIDインレットと前記ラベル片とからなるRFIDラベルを前記被貼着物に貼着可能としたRFIDラベル貼着装置である。
【0012】
また第2の発明は、前記RFIDインレットに書き込まれた情報を読み取る第一のセンサー手段と前記RFIDインレットに重ねて貼着した前記ラベル片に印字された情報を読み取る第二のセンサー手段とを備えたRFIDラベル貼着装置であって、
前記第一のセンサー手段により読み取った所定の情報と前記第二のセンサー手段により読み取った所定の情報とが整合しないときに警報を発する警報手段と、を備えたことを特徴とするRFIDラベル貼着装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるRFIDラベル貼着装置においては、ラベル片にRFIDインレットが内装された形態のRFIDラベルの状態で、サーマルヘッドとプラテンローラとの間を通らずにラベル片への所望の印字を行い所定の被貼着体に貼付可能としたため、前記ICと前記送受信アンテナには、押圧や加熱が加えられないため、その接続部が離反したり、ラベル片に印字する時のサーマルヘッドの加熱や押圧力によってICが破損することがない。
【0014】
さらに本発明によるRFIDラベル貼着装置においては、段差の原因となるRFIDインレットを内装していないためにラベル片の全領域を印字可能領域として設定できる。
【0015】
さらに本発明によるRFIDラベル貼着装置においては、RFIDインレットに正しい情報が書き込まれたかを判断可能で、必要であれば警報を発することもできるため、適正な情報を有するRFIDインレットが貼着された被貼着体だけを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
図1は本発明のRFIDラベル貼着装置のシステム全体の一例を示した概略構成図であり、図2はRFIDインレット貼付機の一例を示した概略構成図であり、図3は、ラベル貼付機の一例を示した概略構成図であり、図4はRFIDラベル貼着装置の処理フロー図である。
【0017】
RFIDラベル貼着装置1は主として、搬送手段2、RFIDインレット貼付機3、ラベル貼付機4、情報判定警報ゲート5、ホスト6とを備えている。
ホスト6は、RFIDインレット貼付機3、ラベル貼付機4、情報判定警報ゲート5に接続され、信号やデータの送受信を行っていて、所望の被貼着体Mの物品情報等を入力可能な入力手段を備えている。
搬送手段2は、被貼着体Mを搬送するコンベアCから構成されている。
【0018】
RFIDインレット貼付機3は主として、RFIDインレット供給部10、通信部11、RFIDインレット剥離部12、RFIDインレット貼付部13、台紙巻取部14とから構成されている。
RFIDインレット供給部10は、帯状台紙17に所定の間隔で複数枚仮着されたRFIDインレット16をロール状にしたRFIDインレット連続体15を回転可能に保持するRFIDインレット供給軸18を設け、案内ローラを介して後述する通信部11に繰出し可能にしてある。
尚、帯状台紙17のシリコンなどの剥離剤を塗布した面に粘着剤が塗布されたRFIDインレット16が合わされて仮着している。この粘着剤は、被貼着体Mに対して貼着した時に、剥がれ難い粘着剤からなる。
RFIDインレット16は、送受信アンテナと、この送受信アンテナに接続され、メモリを有するICチップと、これらを透明材料から成るフィルムで覆うようにして構成され、RFIDインレット16の終端部に位置する台紙17の裏面にはピッチマーク(黒色の矩形のマーク)が形成されている。
【0019】
通信部11は、RFIDインレット16と交信可能な位置に設けられRFIDインレット16に書き込みまたは読み込みすることができる。
RFIDインレット剥離部12は、転向ピン25を有し、転向ピン25の部分でRFIDインレット連続体15の台紙17のみを転向させ、台紙17からRFIDインレット16を剥離する。
【0020】
RFIDインレット貼付部13は、貼付けシリンダー21と、吸着板23と、圧着センサー(図示しない)と、を有する。
【0021】
貼付けシリンダー21は、シリンダー本体およびシリンダーロッド22を有し、シリンダー本体に取り付けてシリンダーロッド22を出没可能に取り付け、シリンダーロッド22の先端部に吸着板23を取り付けている。
シリンダーロッド22に取り付けた吸着板23がコンベアC上の物品Mに当接したときの接触状態ないし圧着状態を圧着センサーが、検出可能とする。
【0022】
吸着板23は、その底面に多数の吸着孔24を有し、吸着孔24から空気を吸引することによりこの底面にRFIDインレット16を吸着可能とする。
【0023】
RFIDインレット剥離部12において剥離されたRFIDインレット16を吸着板23により吸着し、貼付けシリンダー21(シリンダーロッド22)により吸着板23とともにRFIDインレット16を所定の被貼着体M方向に移動し、この被貼着体MにRFIDインレット16を貼り付ける。
この貼付け時に圧着センサーが吸着板23によるRFIDインレット16の被貼着体Mへの圧着状態を検出し、ついで吸着板23によるRFIDインレット16の吸着状態を解除して、被貼着体MにRFIDインレット16を貼り付けた状態で吸着板23が原位置に戻る。
【0024】
なお、上記RFIDインレット貼付部13としては、吸着板23が被貼着体M方向に移動して、被貼着体Mとの間の間隔がある状態で吸着板23が停止し、その停止位置から空気圧でRFIDインレット16を被貼着体Mに貼り付けるタイプも採用することができる。
更に、上記RFIDインレット貼付部13としては、スポンジ又はゴム材質などの弾性体からなる貼付ローラを回動可能に備えて、コンベアCを構成するローラの回転に伴って搬送される被貼着体Mに貼付するタイプも採用することができる。
【0025】
制御部20は、RFIDインレット貼付機3全体を制御するとともにホスト6とのデータの交信を行う。
【0026】
台紙巻取部14は、転向ピン25でRFIDインレット16が剥離された帯状台紙17を巻き取る回転可能な台紙巻取軸19を有しており、台紙巻取軸19が回転駆動するようにしてある。
【0027】
また、RFIDインレット供給部10と通信部11との間のRFIDインレット連続体15の移送路の下方にピッチ検出センサ26が配置されている。ピッチ検出センサ26は、所定の光を出射する図示せぬ発光部と発光部から出射された光を帯状台紙17からの反射光を受光し、受光した光の強度(単位時間当たりの受光量)に対応する電気信号を出力する図示せぬ受光部とからなり、帯状台紙17の裏面側に発光部と受光部を配し、帯状台紙17の裏面に印刷等によって形成されたピッチマークを、受光部の受光量に基づいて検出するようにしている。
ピッチ検出センサ26は、ピッチマークの検出結果に基づいて、RFIDインレット16の剥離基準位置やRFIDピッチデータとして検出可能に制御部20に信号を供給するようにしてある。
尚、通信部11とピッチ検出センサ26との間に一対のローラが設けられ、RFIDインレット連続体15を移送可能に設けられている。
【0028】
上記構成により、後述するホスト6から所定の被貼着体Mの書込データと書込信号が供給されると、通信部11でその書込データに基づいてRFIDインレット16のICに書込みが行われ、書込終了後にRFIDインレット連続体15は移送され、転向ピン25によってRFIDインレット16は剥離されて移送される。
移送されたRFIDインレット16は、RFIDインレット貼付部13の吸着板23に設けられた吸着孔24により吸着され、所望の被貼着体Mに貼付するために待機する。
【0029】
次に、被貼着体検出センサー100が被貼着体Mの先端を検出したときに、その検出信号を制御部20に送出するとともに、被貼着体Mの位置を規制する係止板27の図示しないモーターを駆動して、コンベアCを構成するローラの間から係止板27を屹立して、被貼着体Mを係止して、RFIDインレット16を貼り付ける。
【0030】
また、ラベル貼付機4は、ラベル供給部30と、印字部31と、ラベル剥離部32と、台紙巻取部34と、ラベル貼付部33と、制御部40と、を有する。
【0031】
ラベル供給部30は、ラベル供給軸38を有し、ラベル連続体35をロール状に保持して、印字部31方向にラベル連続体35を帯状に繰り出し可能とする。
ラベル連続体35は、帯状の台紙37と、台紙37上に仮着した複数枚のラベル片36と、を有する。
【0032】
印字部31は、サーマルヘッド38およびプラテンローラー39を有し、プラテンローラー39を回転駆動してラベル連続体35を移送するとともに、サーマルヘッド38に所望の印字情報信号を供給することによりラベル片36に印字する。
【0033】
ラベル剥離部32は、転向ピン51を有し、転向ピン51の部分でラベル連続体35の台紙37のみを転向させ、台紙37からラベル片36を剥離し、ラベル貼付部33方向に送り出す。
【0034】
台紙巻取部34は、台紙巻取り軸41を有し、転向ピン51で転向した台紙37をロール状に巻き取る。
【0035】
ラベル貼付部33は、貼付けシリンダー42と、吸着板44と、圧着センサーと、を有する。
【0036】
貼付けシリンダー42は、シリンダー本体およびシリンダーロッド43を有し、シリンダー本体に取り付けてシリンダーロッド43を出没可能に取り付け、シリンダーロッドの先端部に吸着板44を取り付けている。
シリンダーロッド43に取り付けた吸着板44がコンベアC上の物品Mに当接したときの接触状態ないし圧着状態を圧着センサーが、検出可能とする。
【0037】
吸着板44は、その底面に多数の吸着孔45を有し、吸着孔45から空気を吸引することによりこの底面にラベル片36を吸着可能とする。
【0038】
ラベル剥離部32において剥離されたラベル片36を吸着板44により吸着し、貼付けシリンダー42(シリンダーロッド43)により吸着板44とともにラベル片36を所定の被貼着体M方向に移動し、この被貼着体Mにラベル片36を貼り付ける。
この貼付け時に圧着センサーが吸着板44によるラベル片36の被貼着体Mへの圧着状態を検出し、ついで吸着板44によるラベル片36の吸着状態を解除して、被貼着体Mにラベル片36を貼り付けた状態で吸着板44が原位置に戻る。
【0039】
なお、上記ラベル貼付け部33としては、吸着板44が被貼着体M方向に移動して、被貼着体Mとの間の間隔がある状態で吸着板44が停止し、その停止位置から空気圧でラベル片36を被貼着体Mに貼り付けるタイプも採用することができる。
更に、上記ラベル片貼付部33としては、スポンジ又はゴム材質などの弾性体からなる貼付ローラを回動可能に備えて、コンベアCを構成するローラの回転に伴って搬送される被貼着体Mに貼付するタイプも採用することができる。
【0040】
制御部40は、ラベル貼付機4全体を制御するとともにホスト6とのデータの交信を行う。
【0041】
また、ラベル供給部30と印字部31との間のラベル連続体35の移送路の下方にピッチ検出センサ46が配置されている。ピッチ検出センサ46は、所定の光を出射する図示せぬ発光部と発光部から出射された光を帯状台紙37からの反射光を受光し、受光した光の強度(単位時間当たりの受光量)に対応する電気信号を出力する図示せぬ受光部とからなり、帯状台紙37の裏面側に発光部と受光部を配し、帯状台紙37の裏面に印刷等によって形成された図示せぬピッチマークを、受光部の受光量に基づいて検出するようにしている。
ピッチ検出センサ46は、ピッチマークの検出結果に基づいて、ラベル片36の印字基準位置や剥離基準位置などのデータとして制御部40に信号を供給するようにしてある。
【0042】
上記構成により、ホスト6から印字データと印字信号が供給されると、印字部31で印字データに基づく伝票番号、荷送人情報および荷受人情報等がラベル片36に印字される。そしてそのラベル片36は、剥離ピン51で剥離されてラベル貼付部33に移送され、前記ラベル貼付部33の吸着板44に吸引されて待機する。

次に、第二の被貼着体検出センサー101が被貼着体Mの先端を検出したときに、その検出信号を制御部40に送出するとともに、被貼着体Mの位置を規制する係止板47のモーターを駆動して、コンベアCを構成するローラの間から係止板47を屹立して被貼着体Mを停止する。
次に、前記制御部40からのラベル貼付け指示信号に基づき、吸着板44の先端部に吸着された前記ラベル片36を、被貼着体Mに貼着されたRFIDインレット16の上を覆うように貼着する。
【0043】
一方、コンベアCの幅方向(搬送方向と直行する方向)に、コンベアCを跨ぐようにコ字状に形成した情報判定警報ゲート(第一のセンサー手段48、第二のセンサー手段49、警報手段50)5が設けられている。
情報判定警報ゲート5は、ラベル貼付機4の下流側に設けられ、第一のセンサー手段48、例えばRFIDリーダーと、第二のセンサー手段49、例えばバーコードリーダーと、警報手段50、例えば警報器と、を有する。
第一のセンサー手段48は、RFIDインレット16に書き込まれた情報を読み取り可能なRFIDリーダーを有し、
第二のセンサー手段49は、バーコード、二次元コードなどを読取り可能なスキャナーあるいはCCDカメラ等が設けられており、被貼着体M自体あるいは予め貼着されたラベルに印字された固有のコードを示すバーコードなどを読取りすることができるように設けられている。
第一のセンサー手段48で読み取った情報と第二のセンサー手段49で読み取った情報とをホスト6に転送して、ホスト6においてそれらの情報の整合を判断し、整合していれば、そのままRFIDラベル(RFIDインレットとその上に貼付された印字情報を備えたラベル片)が貼付された被貼着体Mは所定の搬送工程へと流れ、整合されていない、あるいはRFIDインレット16上のデータが読み取りできないと判断された場合には、警報手段50、例えば警報器を鳴らして被貼着体Mに貼付されたデータRFIDインレットの情報の検証を行うようにしてある。
【0044】
しかして、RFIDインレット16に書き込まれた情報とラベル片36に書き込まれたバーコードあるいは2次元コード情報とに食い違いがあれば、ホスト6は警報手段50に警報制御信号を出力して、装填されたRFIDインレットの書き込み情報とラベル片に印字されたバーコードあるいは2次元コードとが正しくないことを知らせる。
【0045】
次に、図4のフローチャートに基づいてRFIDラベル貼着装置を説明する。
ステップS1では、被貼着体MがコンベアCにより搬送され、第一の被貼着体検知センサー101が、被貼着体Mの先端部を検知したと判断したときには、ステップS2に進み、検知していないと判断された場合には、ステップS1の判断が繰り返し行われる。
ステップS2では、ステップS1の検知信号に基づき、被貼着体Mを係止する係止板27を屹立して被貼着体Mを係止して、更に、RFIDインレットの貼付部13の吸着板44に所望のデータの書き込みがなされたRFIDインレット16を吸着して待機する。
そして、ステップS3では、所望の被貼着体Mに所望のRFIDインレット16を貼着する。
次に、ステップS4では、前記ラベル片36を貼着された被貼着体Mは、コンベアCを、更に搬送し、第二の被貼着体検知センサー101が前記被貼着体Mを検知したかどうかを判断してステップS5に進み、検知していないと判断された場合には、ステップS4の判断が繰り返し行われる。
次に、ステップS5では、ステップS4の検知信号に基づき、被貼着体Mを係止する係止板47を屹立して被貼着体Mを係止して、更に、RFIDインレットの貼付部33の吸着板44に所望のデータの印字がなされたラベル片36を吸着して待機する。
そして、ステップS6では、所望の被貼着体Mに所望のラベル片を貼着する。
次にステップS7では、情報判定警報ゲート5を通過する時に、情報判定警報ゲート5に設けられた第一の検出センサー48(RFIDリーダー)により、RFIDインレット貼付機3の通信部11で書き込まれたRFIDインレットの情報を読み出せるかどうかの判断を行い、読み出しができると判断された場合には、その情報をホスト6に供給し、ステップS8に進む。読み出しができないと判断された場合には、ステップS10の警報手段50で警報を鳴らして、データの不良を知らせる。
次に、ステップS8では、第二の検知センサー(バーコードリーダー)49によって、バーコードが読取られたか否かを判断する。バーコードが読取られたと判断した場合には、バーコードデータをホスト6に転送し、ステップS9に進む。バーコードの読み出しができないと判断された場合には、ステップS10の警報手段50で警報を鳴らして、データの不良を知らせる。尚、バーコードの内容は、一例としてメーカー名、製品形式や製品名などの情報がコード化されている。
【0046】
ステップS9では、ホスト6においてステップS7で転送されたデータとステップS8で転送されたデータとの整合性を判断する。整合性が取れていると判断された場合には被貼着体Mを所定の搬送経路に載せる。逆にその整合性が取れていない判断された場合には、ステップS10の警報手段50によって警報を鳴らし、被貼着体Mを所定の搬送経路から除外して、処理を終える。
【0047】
このように、本発明のRFIDラベル貼着装置では、RFIDインレットを内装したラベル片の連続体であるRFIDラベルの形態を経ることなくラベル片36に印字をおこなって被貼着体Mに貼着可能と構成するとともに、RFIDインレット16の所定のデータとラベル片36に印字された所定のデータ(バーコードデータ等)との整合性を取ることによって、正確なデータを有するRFIDインレット16及びラベル片36を提供することができる。
【0048】
この実施の形態では、各構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施するうえで好適な数、位置、形状等にすることができる。本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のRFIDラベル貼着装置システム全体の一例を示した概略構成図である。
【図2】同上、RFID貼付機の一例を示した概略構成図である。
【図3】同上、ラベル貼付機の一例を示した概略構成図である。
【図4】同上、RFIDラベル貼着装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ラベル貼着装置
2 搬送手段(コンベアC)
3 RFIDインレット貼付機
4 ラベル貼付機
5 情報判定ゲート(第一のセンサー手段、第二のセンサー手段、警報手段)
6 ホスト
10 RFIDインレット供給部
11 通信部
12 RFIDインレット剥離部
13 RFIDインレット貼付部
14 台紙巻取部
15 RFIDインレット連続体
16 RFIDインレット
17 帯状台紙
18 RFIDインレット供給軸
19 台紙巻取軸
20 制御部(RFIDインレット制御部)
21 貼付けシリンダー
22 シリンダーロッド
23 吸着板
24 吸着孔
25 転向ピン
26 ピッチ検出センサー
27 係止板
30 ラベル供給部
31 印字部
32 ラベル剥離部
33 ラベル貼付部
34 台紙巻取部
35 ラベル連続体
36 ラベル片
37 帯状台紙
38 サーマルヘッド
39 プラテンローラ
40 制御部(ラベル貼付機制御部)
41 台紙巻取軸
42 貼付シリンダー
43 シリンダーロッド
44 吸着板
45 吸着孔
46 ピッチ検出センサー
47 係止板
48 第一のセンサー手段(RFIDリーダー)
49 第二のセンサー手段(バーコードリーダー)
50 警報手段(警報器)
51 転向ピン
100 第一の被貼着体検知センサー
101 第二の被貼着体検知センサー
M 被貼着体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状台紙の上にRFIDインレットを所定の間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記RFIDインレットに所望の情報をリード・ライトするとともに被貼着物に前記RFIDインレットを貼着可能な第1のRFIDインレット貼付機と、
帯状台紙の上にラベル片を所定の間隔で複数枚仮着してロール状に巻回した前記ラベル片に所望の情報を印字して、前記被貼着物に貼着した前記RFIDインレットの上に重なるように貼着可能な第2のラベル貼付機と、
を備えて、所望の情報を有する前記RFIDインレットと前記ラベル片とからなるRFIDラベルを前記被貼着物に貼着可能としたRFIDラベル貼着装置。
【請求項2】
前記RFIDインレットに書き込まれた情報を読み取る第一のセンサー手段と前記RFIDインレットに重ねて貼着した前記ラベル片に印字された情報を読み取る第二のセンサー手段とを備えたRFIDラベル貼着装置であって、
前記第一のセンサー手段により読み取った所定の情報と前記第二のセンサー手段により読み取った所定の情報とが整合しないときに警報を発する警報手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のRFIDラベル貼着装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−153346(P2007−153346A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346633(P2005−346633)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】