説明

RFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するシステム、そのようなシステムを用いる方法、そのようなシステムにおいて用いられる記録媒体、及びそのようなシステムにおいて用いられるプログラム

【課題】RFIDリーダが受信した情報を、クライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力することができるシステムおよびその方法を提供すること。
【解決手段】本発明のシステムは、複数のRFIDリーダが通信可能に接続されたサーバ20と、該RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を使用する生産管理アプリケーションプログラム52がインストールされたクライアント端末10とを備え、サーバ20とクライアント端末10とがネットワーク30を通して通信可能に接続されており、クライアント端末10が、RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を、サーバ20を介して、入力する入力手段2と、タグ情報を、該クライアント端末10で稼動している生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力するタグ情報出力手段5と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するシステム、そのようなシステムを用いる方法、そのようなシステムにおいて用いられる記録媒体、及びそのようなシステムにおいて用いられるプログラムに関し、特に、RFIDリーダが受信した情報を、そのアプリケーションプログラム自身では、そのアクティブウインドウに出力することができないアプリケーションプログラムを有するシステムにおいて、RFIDリーダが受信した情報をクライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するシステム、そのようなシステムを用いる方法、そのようなシステムにおいて用いられる記録媒体、及びそのようなシステムにおいて用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場などの生産現場において、RFIDタグを製品に付けて、製品の生産管理が行われている。通常、工場では、一つの製品が多数の工程により加工されて完成するので、製品の一つ一つに製品ロットナンバーを付け、各工程における投入履歴が管理されている。例えば、各製品にRFIDタグを付け、このRFIDタグ内のメモリに製品ロットナンバーがタグ情報として記憶させられている。
【0003】
RFIDタグは、RFIDリーダからの電力用搬送波を受信すると、RFIDタグのメモリに記憶されたタグ情報を無線により送信し、送信されたタグ情報が、RFIDリーダにより受信され、非接触に読み取られる。工場では、各工程の入り口のゲートにRFIDリーダを設置しており、製品がゲートを通過することにより、自動的にタグ情報がこのRFIDリーダに受信される。
【0004】
読み取られたタグ情報は、例えば、生産管理アプリケーションプログラムに入力され、製品がある工程に投入された履歴として記憶されて、製品の生産管理が行われる。例えば、図17に示す例では、サーバにRFIDリーダが通信可能に接続されており、このサーバと、生産管理アプリケーションプログラムがインストールされたクライアント端末とが、ネットワークを通して通信可能に接続されている。
【0005】
図17に示す例では、RFIDリーダが受信したタグ情報は、サーバを介して、クライアント端末に入力された後、このタグ情報が、生産管理アプリケーションプログラムに入力される。具体的には、この生産管理アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに、入力されたタグ情報が出力される。生産管理アプリケーションプログラムは、あたかもキーボードからタグ情報が入力されたかのように、このタグ情報が入力されることになる。
【0006】
図17に示すように、生産管理アプリケーションプログラムは、RFIDリーダに対して、RFIDタグから受信したタグ情報を出力するように命令し、この命令に応答して、RFIDリーダは、受信したタグ情報をクライアント端末に出力する。
【0007】
ここで、生産管理アプリケーションプログラムは、RFID接続ロジックが組み込まれていることが必要となる。このRFID接続ロジックが、クライアント端末に入力されたタグ情報を、そのアクティブウインドウに出力する機能を有する。RFID接続ロジックは、例えば、生産管理アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに、タグ情報を出力できるように、生産管理アプリケーションプログラムに追加されるプログラムの記載である。
【0008】
この生産管理アプリケーションプログラムが、市販品ではなく、工場において開発したプログラムである場合には、そのプログラムにRFID接続ロジックを組み込むことができる。しかし、RFIDリーダが受信したタグ情報を用いるアプリケーションプログラムが多数ある場合には、アプリケーションプログラムのそれぞれに対して、RFID接続ロジックを組み込む作業が必要となる。この作業は、非常に煩雑である。
【0009】
また、アプリケーションプログラムが市販品であり、且つ、RFID接続ロジックが組み込まれていないものである場合には、図18に示すように、このアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに、RFIDリーダが受信したタグ情報を出力することができない。
【0010】
一方、RFIDタグと同様に、工場などの生産現場において、バーコードを製品に付けて、製品の生産管理が行われている。製品に付けられたバーコードは、バーコードリーダにより読み取られて、読み取られたバーコード情報が、生産管理アプリケーションプログラムに入力されて、製品の生産管理が行われる。
【0011】
特許文献1には、アプリケーションプログラムとは独立したバーコード接続ロジックが提案されている。図19に示すように、このような独立したバーコード接続ロジックを用いれば、バーコード接続ロジックが組み込まれていないアプリケーションプログラムであっても、このアプリケーションプログラムのアクティブウインドウにバーコード情報を出力することが可能となる。
しかし、バーコードを用いた管理は、バーコードと、バーコードリーダの読み取り面との位置関係に制限があり、またバーコードは、汚れや傷に対して、読み取り精度の劣化を起こし易いため、自動化が難しく、手作業による読み取り作業はスループットを低下させるという問題点がある。
【0012】
また、図20に示すように、クライアント端末が、RFIDリーダを介して、複数のRFIDタグから、複数のタグ情報を入力する場合がある。RFIDリーダは、電力用搬送波が届く範囲に複数のRFIDタグが存在する場合には、ほぼ同時に、それぞれのRFIDタグからタグ情報を読み取ることができる。
【0013】
図20には、クライアント端末で実行される生産管理アプリケーションプログラムが、作業者ナンバーRFIDタグからのタグ情報として作業者ナンバーを、製品ロットナンバーRFIDタグからのタグ情報として製品ロットナンバーを、製造機械ナンバーRFIDタグからのタグ情報として製造機械ナンバーを、それぞれを入力する例が示されている。
【0014】
図20に示す画面は、タグ情報が、作業者ナンバー、製品ロットナンバー、製造機械ナンバーの順番に入力される構成を有している。
【0015】
ここで、生産管理アプリケーションプログラムが、上述したRFID接続ロジックを備えていても、工程の作業者は、アクティブウインドウの画面に表示された入力順番に、RFIDタグをRFIDリーダに読み込ませる必要がある。図20に示す例では、作業者は、RFIDリーダに対して、最初に作業者ナンバーRFIDタグを読み込ませ、二番目に製造機械ナンバーRFIDタグを読み込ませ、最後に製造機械ナンバーRFIDタグを読み込ませる必要がある。もし、作業者が、RFIDリーダにRFIDタグを読み込ませる順番を間違えると、クライアント端末には間違えた順番でタグ情報が入力される。
【0016】
そこで、複数のRFIDタグのタグ情報を生産管理アプリケーションプログラムに読み込ませるロジックを生産管理アプリケーションプログラムに組み込むことが、対策として挙げられる。
【0017】
図21に、複数のRFIDタグのタグ情報を読み込ませるロジックを生産管理アプリケーションプログラムに組み込んだ例を示す。このロジックを用いることにより、アクティブウインドウには、RFIDリーダに読み込まれた複数のタグ情報が、アクティブウインドウに入力するべき順番に揃えられて入力することができる。
【0018】
しかし、この方法を用いる場合には、クライアント端末で稼動し、複数のタグ情報の入力を必要とする全てのアプリケーションプログラムに対して、上記ロジックを組み込む作業が必要となる。また、画面ごとに、タグ情報を入力する数又は順番が異なるので、上記ロジックは、アプリケーションプログラム又は画面それぞれに対応するように設計する必要がある。この作業は、やはり、非常に煩雑であって、時間のかかる作業である。
【0019】
【特許文献1】特開平6−214697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、本発明の目的は、上述した従来技術が有する欠点を解消し得る、RFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムに出力するシステムおよびその方法を提供することにある。特に、RFIDリーダが受信した情報を、クライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力することができるシステム、そのようなシステムを用いる方法、そのようなシステムにおいて用いられる記録媒体、及びそのようなシステムにおいて用いられるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
以上の課題を解決するために、本発明のRFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムに出力するシステムは、クライアント端末が、上記タグ情報を、該クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに出力するタグ情報出力手段を有していることとした。すなわち、本発明のシステムは、RFIDリーダが通信可能に接続されたサーバと、該RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を使用するアプリケーションプログラムがインストールされたクライアント端末とを備え、上記サーバと上記クライアント端末とがネットワークを通して通信可能に接続されており、上記クライアント端末が、上記RFIDリーダが上記RFIDタグから受信し、上記サーバを介して入力した上記タグ情報を、上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに出力するタグ情報出力手段を、有していることとした。また、本発明は、上記アプリケーションプログラムが、上記タグ情報出力手段なしでは、上記RFIDリーダが受信した上記タグ情報を、入力することができないシステムに適用されることが好ましい。
【0022】
また、本発明のシステムは、上記タグ情報出力手段が、入力した上記タグ情報を、上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力することが好ましい。
【0023】
また、本発明のシステムは、上記クライアント端末が、入力した上記タグ情報を記憶する記憶手段と、入力した上記タグ情報を、上記記憶手段に記憶されているのかを調べ、もし、上記タグ情報が、上記記憶手段に記憶されていれば、該タグ情報を破棄し、そうでなければ、上記タグ情報と、該タグ情報を入力した時間とを、該時間を上記タグ情報に関連づけて、上記記憶手段に記憶し、記憶されてから所定の時間が経過した上記タグ情報を、該タグ情報を入力した上記時間と共に、上記記憶手段から削除する2度読み防止手段と、を備えていることが好ましい。
【0024】
また、本発明のシステムは、上記タグ情報出力手段が、上記クライアント端末が実行可能なプログラムを構成要素として有しており、上記プログラムが、上記記憶手段に記憶されていることが好ましい。
【0025】
また、本発明のシステムは、上記アプリケーションプログラムが、そのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号を有しており、上記記憶手段には、上記画面識別番号と、上記クライアント端末が入力した複数のタグ情報を上記アプリケーションプログラムに出力する順番とが、関連づけられて登録された出力順番定義ファイルが記憶されており、複数のタグ情報を入力した上記クライアント端末は、そのアクティブウインドウに表示されている画面の画面識別番号を取得した後、上記出力順番定義ファイルを参照し、取得した画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に従って、入力したタグ情報を上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに出力することが好ましい。
【0026】
また、本発明のシステムは、複数の上記タグ情報として、製品ロット番号と、この製品を製造するのに用いられる製造機械の番号と、この製造機械を操作する作業者の番号とが、上記クライアント端末に入力されることが好ましい。
【0027】
また、本発明のシステムは、上記RFIDリーダが、上記クライアント端末以外の端末を介して、上記サーバに接続していることが好ましい。
【0028】
また、本発明のRFIDリーダが受信したタグ情報をアプリケーションプログラムに出力する方法は、上記RFIDリーダがRFIDタグから受信した上記タグ情報を使用する上記アプリケーションプログラムがインストールされており、且つ、タグ情報出力手段を備えたクライアント端末が、上記タグ情報を、上記RFIDリーダが通信可能に接続されており、且つ、上記クライアント端末とネットワークを通して通信可能に接続されている、サーバを介して入力し、入力した上記タグ情報を、上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに、上記タグ情報出力手段を介して、出力することとした。
【0029】
また、本発明のRFIDリーダが受信したタグ情報をアプリケーションプログラムに出力する方法は、上記アプリケーションプログラムが、そのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号を有しており、上記クライアント端末は、上記画面識別番号と、上記クライアント端末が入力した複数のタグ情報を上記アプリケーションプログラムに出力する順番とが、関連づけられて登録された出力順番定義ファイルを記憶する記憶手段を有し、上記クライアント端末は、複数のタグ情報を入力し、アクティブウインドウに表示している画面の画面識別番号を取得した後、上記出力順番定義ファイルを参照し、取得した上記画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に基づいて、入力したタグ情報を上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに出力することが好ましい。
【0030】
また、本発明の記録媒体は、RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を入力するステップと、入力した前記タグ情報を、該タグ情報を使用するアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するステップとを、該アプリケーションプログラムが稼動しているコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることとした。
【0031】
また、本発明のプログラムは、RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を入力するステップと、入力した上記タグ情報を、該タグ情報を使用するアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するステップとを、該アプリケーションプログラムが稼動しているコンピュータに実行させることとした。
【0032】
また、本発明のプログラムは、上記アプリケーションプログラムが、本発明のプログラムなしでは、上記RFIDリーダが受信した上記タグ情報を、そのアクティブウインドウに出力することができないプログラムに適用されることが好ましい。
【0033】
また、本発明のプログラムは、入力した上記タグ情報が、記憶手段に格納されている2度読み防止ファイルに記憶されているのかを調べ、もし、上記タグ情報が、上記2度読み防止ファイルに記憶されていれば、入力した該タグ情報を破棄し、そうでなければ、入力した上記タグ情報と、該タグ情報を入力した時間とを、該時間を上記タグ情報に関連づけて、上記2度読み防止ファイルに記憶するステップと、記憶されてから所定の時間が経過した上記タグ情報を、入力した上記時間と共に、上記2度読み防止ファイルから削除するステップと、をコンピュータに実行させることが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
上述した本発明のシステム又は方法によれば、本発明のRFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムに出力するシステムおよびその方法によれば、RFIDリーダが受信した情報を、クライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムに出力することができる。また、本発明の記録媒体又はプログラムによれば、同様の効果が奏される。
【0035】
また、本発明のシステム及びその方法は、上記アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号と、上記クライアント端末が入力した複数のタグ情報を上記アプリケーションプログラムに出力する順番とが関連づけられて登録された出力順番定義ファイルとを用いて、複数のタグ情報を入力した上記クライアント端末が、そのアクティブウインドウに表示されている画面の画面識別番号を取得した後、上記出力順番定義ファイルを参照し、取得した画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に従って、入力したタグ情報を上記クライアント端末で稼動している上記アプリケーションプログラムに出力することが好ましい。これにより、RFIDリーダが、ほぼ同時に受信した複数のRFIDタグ情報を、クライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムに出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明のRFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムに出力するシステムをその好ましい一実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。図1に、上記システムのシステム構成図を示す。図2に、RFIDタグのメモリ60に記憶されている情報を示す。図3に、図1のクライアント端末10の機能ブロック図を示す。図4に、図1のクライアント端末10のハードウェア構成を示す。
【0037】
本発明の第1実施形態のRFIDリーダが受信したタグ情報をアプリケーションプログラムに出力するシステム80(以下、本システム80ともいう)は、工場70内の複数の工程において、各工程に投入される製品の投入履歴を、クライアント端末10で稼動する生産管理アプリケーションプログラム52(図4参照)のアクティブウインドウに出力するシステムである。工場70では、図示しないが、各工程に投入される各製品にRFIDタグが付けられている。一方、工程の入り口のゲートには、RFIDリーダR1,R2…RNが設置されており、製品がゲートを通過することにより、自動的にタグ情報がこれらのRFIDリーダに受信される。各RFIDリーダが受信したRFIDタグのタグ情報は、本システム80により、クライアント端末10で稼動する生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力される。
【0038】
本システム80は、図1に示すように、複数のRFIDリーダR1,R2…RN(以下、RFIDリーダRともいう)が通信可能に接続されたサーバ20と、該RFIDリーダRがRFIDタグから受信したタグ情報を使用する生産管理アプリケーションプログラム52がインストールされたクライアント端末10とを備え、サーバ20とクライアント端末10とがネットワーク30を通して通信可能に接続されている。
また、本システム80では、クライアント端末10が、RFIDリーダRがRFIDタグから受信したタグ情報を、サーバ20を介して、入力する入力手段2(図3参照)と、タグ情報を、該クライアント端末10で稼動している生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力するタグ情報出力手段5(図3参照)と、を有している。
【0039】
ここで、アクティブウインドウは、マルチウインドウ環境を有するクライアント端末10上で稼動しているアプリケーションプログラムにおいて、入力フォーカスを有するウインドウである。また入力フォーカスは、マルチウインドウ環境において、ある時点でどのウインドウがキーボードからの入力を受け取るかを意味し、例えば、マウスのポインタまたはカーソルが存在するウインドウが、キーボードからの入力を受け取ることになる。
また、このアクティブウインドウは、計算機システム操作対象ウインドウまたはユーザ入力操作対象ウインドウともいわれる。
【0040】
本システム80により、そのアクティブウインドウに製品ロットナンバーなどのタグ情報が出力された生産管理アプリケーションプログラム52は、製品が工程に投入された履歴を記憶して、製品の生産管理の処理を行う。
【0041】
RFIDリーダRは、電波の届く範囲内に存在するRFIDタグが送信する情報を受信して、受信した情報を文字コードにデコードし、RFIDリーダが接続されているサーバ20にこの文字コードを出力する。
また、RFIDリーダRNは、図1に示すように、クライアント端末10以外の端末40を介して、サーバ20に接続している。RFIDリーダRNは、端末40を介して、受信したタグ情報を、サーバ20に出力する。
【0042】
本システム80では、RFIDリーダRは、IPアドレスをそれぞれ有しており、クライアント端末10は、そのIPアドレスを選択することにより、製品のタグ情報を入力すべき工程に設置されたRFIDリーダを特定する。
【0043】
RFIDタグは、図示しないが、電波を送受信するアンテナと、ICチップとを備えている。このICチップは、メモリ60を有しており、このメモリ60は、図2に示すように、タグIDを記憶する領域60aと、製品の製品ロットナンバーを記憶する領域60bとを有している。タグIDは、各RFIDタグに対して一意的に定められた識別番号であり、あるRFIDタグを他のRFIDタグから識別する。また、製品ロットナンバーは、製品の生産管理のために付与された識別番号である。従って、各製品は、このRFIDタグが付けられることにより、工程において、他の製品から識別される。
【0044】
また、ICチップのメモリ60の記憶領域に余裕があれば、製品が加工を受けた工程コードおよびその日時などの他の生産管理情報を、メモリ60に記憶させてもよい。
【0045】
サーバ20には、複数のRFIDリーダRが接続されている。また、サーバ20は、ネットワーク30を介して、クライアント端末10と接続されている。
【0046】
本システム80のサーバ20には、RFIDリーダRとの情報のやり取りを介在するミドルウェアがインストールされている。このミドルウェアは、RFIDリーダの仕様の違いを吸収する働きを有している。このミドルウェアが実行されることにより、クライアント端末10が、RFIDリーダRに、タグ情報を出力するように命令を行う場合には、1種類の命令で指示することができるようになり、また、クライアント端末10が、RFIDリーダRが受信したタグ情報を入力する場合には、タグ情報を定められた所定の形式で入力できるようになる。
【0047】
このミドルウェアとしては、例えば、オペレーティングシステムであるウインドウズ(登録商標)用のダイナミックリンクライブラリ(Dynamic link library:DLL)がある。
【0048】
このように、サーバ20に上記ミドルウェアがインストールされている場合には、RFIDリーダRが受信したタグ情報は、サーバ20において、このミドルウェアを介在させて、クライアント端末10に入力される。また、クライアント端末10からのRFIDリーダRへの命令も、このミドルウェアを介在させて、RFIDリーダRに伝えられる。
【0049】
ネットワーク30は、本システム80では、有線または無線によるローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)である。
【0050】
クライアント端末10は、図3に示すように、各手段を制御する制御手段1と、RFIDリーダRがRFIDタグから受信したタグ情報を入力する入力手段2と、入力したタグ情報を記憶する記憶手段4と、タグ情報を生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力するタグ情報出力手段5と、後述する2度読み防止手段6とを備えている。
【0051】
クライアント端末10は、例えば、図4に示すように、CPU11を用いたハードウェアで構成することができる。CPU11には、メモリ12、ハードディスクドライブ13、キーボード14、ディスプレイ15、プリンタ16、入出力インターフェース17およびリムーバブルメディア記憶装置18が接続されている。また、クライアント端末10は、マウスなどの入力装置を有していてもよい。
クライアント端末10は、入出力インターフェース17により、ネットワーク30と通信可能に接続されている。
このようなクライアント端末10は、例えば、パーソナルコンピュータまたはワークステーションなどを用いて構成することができる。また、上記サーバ20は、クライアント端末10と同様のハードウェアを用いて構成することができる。
【0052】
ハードディスクドライブ13には、オペレーティングシステム51、生産管理アプリケーションプログラム52、RFIDキーボードウェッジプログラム53および2度読み防止ファイル54などが記憶されている。
生産管理アプリケーションプログラム52またはRFIDキーボードウェッジプログラム53は、記録媒体としてのリムーバブルメディアを介して、リムーバブルメディア記憶装置18からクライアント端末10にインストールされる。また、これらのプログラムは、ネットワーク30を介して、クライアント端末10にインストールしてもよい。
【0053】
本システム80のクライアント端末10において、制御手段1は、CPU11により実現される。入力手段2は、キーボード14、入出力インターフェース17、リムーバブルメディア記憶装置18またはマウスにより実現される。出力手段3は、ディスプレイ15、プリンタ16、入出力インターフェース17またはリムーバブルメディア記憶装置18により実現される。
【0054】
また、記憶手段4は、ハードディスクドライブ13またはメモリ12により実現される。タグ情報出力手段5は、クライアント端末10が実行可能なRFIDキーボードウェッジプログラム53を構成要素として有している。このタグ情報出力手段5は、CPU11が、オペレーティングシステム51と協働するRFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより実現される。2度読み防止手段6は、CPU11が、2度読み防止ファイル54を用いて、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより実現される。
【0055】
タグ情報出力手段5について、さらに説明すると、タグ情報出力手段5は、CPU11がRFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより、生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに、RFIDリーダRが受信した製品ロットナンバーなどのタグ情報が出力するものである。
【0056】
また、生産管理アプリケーションプログラム52またはRFIDキーボードウェッジプログラム53は、オペレーティングシステム51と協働して、CPU11により実行されるが、生産管理アプリケーションプログラム52またはRFIDキーボードウェッジプログラム53の処理の一部または全部を、これらのプログラム単独で行うようにしてもよい。
【0057】
本システム80では、クライアント端末10が、RFIDリーダRに対して、所定の間隔で、タグ情報を出力するように命令する。これは、生産管理アプリケーションプログラム52がタグ情報を使用するために、クライアント端末10が、RFIDリーダRに対して、タグ情報を問い合わせるものである。そして、命令を受けたRFIDリーダRは、RFIDタグから受信したタグ情報を、サーバ20を介して、クライアント端末10に出力する。
上記所定の間隔は、例えば、0.01〜0.2秒にすることができる。
【0058】
さらに説明すると、クライアント端末10において、RFIDキーボードウェッジプログラム53に基づいて実行するCPU11が、RFIDリーダRを選択し、図5に示すように、RFIDリーダRに対して、所定の間隔で、タグ情報を出力するように命令する。
そして、CPU11は、RFIDキーボードウェッジプログラム53に基づいて、このRFIDリーダRがRFIDタグから受信し且つクライアント端末10が入力したタグ情報を、図5に示すように、該タグ情報を使用する生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力させることを、該生産管理アプリケーションプログラム52が稼動しているクライアント端末10に実行させる。その結果、生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウには、あたかもクライアント端末10のキーボード14から入力されたかのように、タグ情報が出力される。
【0059】
本システム80では、生産管理アプリケーションプログラム52は、RFIDキーボードウェッジプログラム53なしでは、RFIDリーダが受信したタグ情報を、入力することができないので、該タグ情報を、そのアクティブウインドウに出力することができない。
【0060】
また、本システム80では、クライアント端末10が、入力したタグ情報を記憶する記憶手段4を備えている。また、クライアント端末10は、入力したタグ情報を、記憶手段4に記憶されているのかを調べ、もし、タグ情報が、記憶手段4に記憶されていれば、該タグ情報を破棄し、そうでなければ、タグ情報と、該タグ情報を入力した時間とを、該時間をタグ情報に関連づけて、記憶手段4に記憶し、記憶されてから所定の時間が経過したタグ情報を、該タグ情報を入力した時間と共に、記憶手段4から削除する2度読み防止手段6を備えている。
【0061】
具体的には、記憶手段4は、上述したように、例えばハードディスクドライブ13またはメモリ12により実現される。また、2度読み防止手段6は、CPU11が、2度読み防止ファイル54を用いて、RFIDキーボードウェッジプログラム53に基づいて実行することにより実現される。
【0062】
2度読み防止手段6は、所定の時間の間に、同じタグIDを有するRFIDタグのタグ情報を、クライアント端末10が入力することを防止する。これは、RFIDタグを付けた製品が、工程のゲートを通過する際に、RFIDリーダが、同じRFIDタグを、異なる時間に2度以上受信してしまった結果、RFIDリーダが同じタグ情報をクライアント端末10に対して、2度以上出力する場合があるためである。
【0063】
従って、クライアント端末10は、2度読み防止手段6により、上記所定の時間の間は、同じタグ情報を入力することを防止している。この所定の時間は、例えば、RFIDリーダとRFIDタグとの間に電波が届く範囲を、RFIDタグの付いた製品が移動するのに要する時間よりも長い時間として定めることができる。
【0064】
上記2度読み防止ファイル54は、図6に示す例のように、テーブル形式のファイルであり、タグIDが記憶される領域54aと、タグ情報を入力した時間が記憶される領域54bとを有する。領域54aに記憶されるタグIDは、領域54bに記憶される、このタグIDが入力された時間と、一対一に対応している。
【0065】
図6に示す例では、2度読み防止ファイル54には、2つの異なる製品に対応した2つのタグ情報が記録されている。1つ目のタグ情報は、タグIDが001であり、このタグ情報は、2007年2月21日11時28分30秒に、クライアント端末10に入力されたものである。2つ目のタグ情報は、タグIDが003であり、このタグ情報は、2007年2月21日11時28分40秒に、クライアント端末10に入力されたものである。
なお、RFIDキーボードウェッジプログラム53が起動した時点では、2度読み防止ファイル54の内容は、すべて消去された状態にあり、タグ情報は何も記憶されていない。また、図6に示す例では、2度読み防止ファイル54には、タグ情報の製品ロットナンバーは記憶されていない。
【0066】
次に上述した第1実施形態のシステムの動作の例を、図7〜図9を参照して、以下に説明する。図7〜9に示す動作の例は、CPU11が、上述したRFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより行われる。
【0067】
まず、クライアント端末10において、CPU11が、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行しこのプログラムが起動すると、ステップS1において、CPU11は、ディスプレイ15に設定画面を表示する。クライアント端末10の作業者は、キーボード15を用いて、設定条件を入力する。その後、CPU11は、入力された設定条件に基づいて、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行する。
【0068】
図8に上記設定画面の例を示す。入力すべき設定条件の項目は、1)タグ情報を入力するRFIDリーダRが設置されている工程、2)CPU11がRFIDリーダRに対してタグ情報を出力するように命令する間隔である第1の所定の時間、3)2度読み防止手段6が用いる第2の所定の時間、4)CPU11がアクティブウインドウに出力した後に待機する第3の所定の時間である。
【0069】
図8に示す例では、上記1)の工程は、チェックボックスをチェックすることにより特定される。ここでは、工場70の1階にあるA工程に設置されたRFIDリーダR1が選択されている。
また、上記2)の第1の所定の時間は、「RFIDリーダ問い合わせ間隔」と表示されており、ここでは100ミリ秒(0.1秒)と入力されている。
【0070】
また、上記3)の第2の所定の時間は、「タグ情報保持時間」と表示されており、ここでは4秒と入力されている。
また、上記4)の第3の所定の時間は、「アクティブウインドウ表示後の待機時間」と表示されており、ここでは240ミリ秒(0.24秒)と入力されている。
【0071】
クライアント端末10の作業者は、各項目を正しく入力した後に、「開始」を選択する。
【0072】
次に、ステップS2において、CPU11は、RFIDリーダR1に対して、RFIDリーダR1がRFIDタグから受信したタグ情報を出力するように命令する。
【0073】
次に、ステップS3において、CPU11は、RFIDリーダR1から、タグ情報を入力したかを判断する。もし、RFIDリーダR1から、まだタグ情報を入力していない場合には、ステップS4に進む。一方、RFIDリーダR1から、タグ情報を入力した場合には、ステップS5に進む。
【0074】
ステップS4において、CPU11は、第1の所定の時間を待機した後に、S2へ戻る。
【0075】
一方、ステップS5において、CPU11は、記憶手段4に格納されている2度読み防止ファイル54に記憶されてから第2の所定の時間が経過したタグ情報のタグIDを、入力した時間共に、2度読み防止ファイル54から削除する。具体的には、CPU11は、2度読み防止ファイル54の領域54bに記憶されているタグ情報を入力した時間を調べ、第2の所定の時間、図8に示す例では4秒、を経過しているタグ情報があれば、そのタグIDと、このタグIDに関連付けられた時間とを、2度読み防止ファイル54から削除する。
なお、RFIDキーボードウェッジプログラム53を起動した時点では、記憶されているタグ情報は存在していない。
【0076】
次に、ステップS6において、CPU11は、入力したタグ情報のタグIDが、2度読み防止ファイル54に記憶されているのかを調べ、もし、このタグIDが、2度読み防止ファイル54に記憶されていれば、ステップS7に進む。一方、入力したタグIDが、2度読み防止ファイル54に記憶されていなければ、ステップS8に進む。
【0077】
ステップS7において、CPU11は、入力した上記タグ情報を破棄した後に、ステップS10の前に進む。
【0078】
一方、ステップS8において、CPU11は、入力したタグIDと、該タグIDを入力した時間とを、該時間をタグIDに関連づけて、2度読み防止ファイル54に記憶する。
【0079】
次に、ステップS9において、CPU11は、入力したタグ情報の製品ロットナンバーを、該タグ情報を使用する生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力する。
アクティブウインドウに、タグ情報としての製品ロットナンバーを出力するには、例えば、生産管理アプリケーションプログラム52に、製品ロットナンバーを、キー・ストロークに対応する文字列として送信する方法がある。具体的には、マイクロソフト(登録商標)社の.NetC#(ドット・ネット・シー・シャープ)言語を用いる場合には、下記のプログラムを用いることにより、アクティブウインドウに製品ロットナンバーを出力することができる。
【0080】
System.Windows.Forms.SendKeys.SendWait(data)
ここで、”data”は、入力したタグ情報の製品ロットナンバーである。
【0081】
図9に、クライアント端末10のディスプレイ15に表示された、生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウの例を示す。このアクティブウインドウは、生産管理アプリケーションプログラム52の作業履歴投入の画面である。このアクティブウインドウには、クライアント端末10を操作している者が、作業者ID「aaaa」を持つ作業者であり、作業履歴が管理される工程が、工場70の「1階 A工程」であり、このA工程に投入された製品の製品ロットナンバーが、「1111」であることが表示されている。この製品ロットナンバーは、CPU11が、このアクティブウインドウに出力したタグ情報である。
作業者は、問題がなければ、「投入ボタン」を選択して、A工程に製品の投入を指示する。
【0082】
然る後に、ステップS10において、CPU11は、第3の所定の時間を待機した後、S2の前に戻る。
【0083】
次に、上述したRFIDキーボードウェッジプログラム53の処理により、2度読み防止ファイル54にタグ情報を記憶する例を、図10および図11を参照して以下に説明する。
【0084】
図10に示す例では、ステップS20において、CPU11が、RFIDリーダR1から、タグID「001」および製品ロットナンバー「1111」を有するタグ情報を入力する。
【0085】
次に、ステップS21において、CPU11は、入力したタグ情報のタグID「001」が、2度読み防止ファイル54に記憶されているのかを調べる。図10に示す例では、このタグIDが、2度読み防止ファイル54にすでに記憶されているので、次に、ステップS22において、CPU11は、入力したタグ情報を破棄する。
【0086】
一方、図11に示す例では、ステップS30において、CPU11が、RFIDリーダR1から、タグID「004」および製品ロットナンバー「4444」を有するタグ情報を入力する。
【0087】
次に、ステップS31において、CPU11は、入力したタグ情報のタグID「004」が、2度読み防止ファイル54に記憶されているのかを調べる。図11に示す例では、このタグIDが、2度読み防止ファイル54には記憶されていないので、次に、ステップS32において、CPU11は、入力したタグ情報のタグIDと、このタグ情報を入力した時間とを、2度読み防止ファイル54に記憶する。
【0088】
上述した本システム80によれば、RFIDリーダRが受信した情報を、クライアント端末10で稼動している生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに出力することができる。
【0089】
また、クライアント端末10はタグ情報出力手段5を有しているので、生産管理アプリケーションプログラム52がRFID接続ロジックを有していなくても、クライアント端末10は、生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウにタグ情報を出力することができる。
【0090】
また、クライアント端末10は2度読み防止手段6を有しているので、不要なタグ情報の入力を防止できる。
【0091】
次に、本発明の第2実施形態のシステムを、図12〜図16を参照しながら以下に説明する。第2実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図12〜図16において、図1〜図11と同じ構成要素に同じ符号を付してある。
【0092】
本発明の第2実施形態のシステム80(以下、本システム80ともいう)は、図12に示すように、クライアント端末10が、RFIDリーダを介して、ほぼ同時に複数のRFIDタグからタグ情報を入力できる。RFIDリーダは、電力用搬送波が届く範囲に複数のRFIDタグが存在する場合には、ほぼ同時に、それぞれのRFIDタグからタグ情報を受信することができる。ここで、ほぼ同時とは、人間の時間感覚においてほぼ同時という意味であり、実際には、RFIDリーダは、それぞれのRFIDタグからタグ情報を順番に受信している。
【0093】
工程の作業者は、例えば、製品ロットナンバーRFIDタグT2が付された製品を製造機械に投入する時に、作業者ナンバーRFIDタグT1及び製造機械ナンバーRFIDタグT3を、製造機械の製品投入の入り口のゲートに設置されたRFIDリーダR1に読み込ませることにより、RFIDリーダR1に、ほぼ同時に3つのRFIDタグを読み込ませる。
【0094】
本システム80では、生産管理アプリケーションプログラム52は、そのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号を有しており、上記記憶手段としてのハードディスクドライブ13には、上記画面識別番号と、クライアント端末10が入力した複数のタグ情報を生産管理アプリケーションプログラム52に出力する順番とが、関連づけられて登録された出力順番定義ファイル55が記憶されている。複数のタグ情報を入力したクライアント端末10は、そのアクティブウインドウに表示されている画面の画面識別番号を取得した後、出力順番定義ファイル55を参照し、取得した画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に従って、入力したタグ情報をクライアント端末10で稼動している生産管理アプリケーションプログラム52に出力する。
【0095】
本システム80では、上述した処理は、CPU11がRFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより行われる。
【0096】
本システム80では、図12に示すように、複数のタグ情報として、製品ロットナンバーRFIDタグT2からのタグ情報として製品ロットナンバーと、製造機械ナンバーRFIDタグT3からのタグ情報として、この製品を製造するのに用いられる製造機械ナンバーと、作業者ナンバーRFIDタグT1からのタグ情報として、この製造機械を操作する作業者ナンバーとが、クライアント端末10に入力される。
【0097】
その他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
【0098】
次に、本システム80について、更に以下に詳述する。
【0099】
図13(a)に、作業者ナンバーRFIDタグT1のメモリ61に記憶されている情報を示す。メモリ61は、タグIDを記憶する領域61aと、作業者ナンバーを記憶する領域61bと、タグ情報の種別コードを記憶する領域61cとを有している。作業者ナンバーは、製造機械を操作する作業者ごとに異なるナンバー(番号)が決められており、ある作業者と他の作業者とを識別するために用いられる。図13(a)の例では、作業者ナンバーRFIDタグT1の種別コードは、001であり、作業者ナンバーは1234である。
【0100】
図13(b)に、製品ロットナンバーRFIDタグT2のメモリ62に記憶されている情報を示す。メモリ62は、タグIDを記憶する領域62aと製品ロットナンバーを記憶する領域62bと、タグ情報の種別コードを記憶する領域62cとを有している。図13(b)の例では、製品ロットナンバーRFIDタグT2の種別コードは、002であり、製品ロットナンバーは1111である。
【0101】
図13(c)に、製造機械ナンバーRFIDタグT3のメモリ63に記憶されている情報を示す。メモリ63は、タグIDを記憶する領域63aと、製造機械ナンバーを記憶する領域63bと、タグ情報の種別コードを記憶する領域63cとを有している。製造機械ナンバーは、製造機械ごとに異なるナンバーが決められており、ある製造機械と他の製造機械とを識別するために用いられる。例えば、ある工程に同じ加工を行う複数の製造機械がある場合には、それぞれの製造機械には異なる製造機械ナンバーが定められており、ある製造機械と他の製造機械とが識別される。また、同じ製造機械が、異なる工程で用いられる場合には、工程ごとに製造機械ナンバーを変更しても良い。図13(c)の例では、製造機械ナンバーRFIDタグT3の種別コードは、003であり、製造機械ナンバーは01である。
【0102】
図13(a)〜(c)に示すように、各RFIDタグは、種別が異なると、異なる種別コードを有している。
【0103】
上記作業者ナンバーは、他の作業者と識別できるものであればよく、数字と共に、文字又はその他の記号を含んでいても良く、又は数字を含んでなく、文字又はその他の記号のみから構成されていても良い。上記製品ロットナンバー又は上記製造機械ナンバーの構成についても同様である。
【0104】
上記画面識別番号は、生産管理アプリケーションプログラム52で用いられる画面ごとに定められており、ある画面と他の画面とを識別するために用いられる。タグ情報を入力する数又は順番は、画面ごとに異なる場合があるので、上記画面識別番号により、画面を特定する。ここで、画面とは、アクティブウインドウに表示されうる画面構成のことであり、この画面はタグ情報の入力欄を備えている。
【0105】
生産管理アプリケーションプログラム52が複数の画面を有している場合には、各画面は、異なる画面識別番号を有する。クライアント端末10が、複数のアプリケーションプログラムを有している場合には、各アプリケーションプログラムが有する画面には、それぞれ異なる画面識別番号が定められている。
【0106】
出力順番定義ファイル55は、ハードディスクドライブ13に記憶されており、CPU11が、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行する際に用いられる。
【0107】
出力順番定義ファイル55は、図14に示す例のように、テーブル形式のファイルであり、アクティブウインドウの画面識別番号が記憶される領域55aと、複数のタグ情報のアクティブウインドウへの出力順番が記憶される領域55bとを有する。各画面識別番号は、タグ情報の出力順番と関連づけられて、出力順番定義ファイル55に登録されている。
【0108】
図14の画面識別番号1は、図12の例に示すアクティブウインドウの画面の識別番号である。図12のアクティブウインドウは、生産管理アプリケーションプログラム52の作業履歴投入の画面である。この画面は、タグ情報が、作業者ナンバー、製品ロットナンバー、製造機械ナンバーの順番に入力される構成を有している。ここで、工程コードは、図8を用いて説明したように、すでに選択された状態となっているので、このアクティブウインドウでは、入力欄とはなっていない。
【0109】
RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11は、複数のタグ情報を入力した後、まず、アクティブウインドウに表示されている画面の画面識別番号を取得する。その後、CPU11は、出力順番定義ファイル55を参照して、取得した画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に従って、入力したタグ情報をクライアント端末で稼動しているアプリケーションプログラムに出力する。
【0110】
図14に示すように、出力順番定義ファイル55には、画面識別番号1と関連付けられた3つのタグ情報に対して、第1に出力するタグ情報が作業者ナンバーであり、第2の出力するタグ情報が製品ロットナンバーであり、第3に出力するタグ情報が製造機械ナンバーであることが登録されている。
【0111】
従って、RFIDリーダR1が、出力順番定義ファイル55に登録された順番とは異なる順番でRFIDタグのタグ情報を受信し、その順番で複数のタグ情報がクライアント端末10に入力されても、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11は、出力順番定義ファイル55に登録された順番に、入力したタグ情報を並び替えて、タグ情報それぞれをアクティブウインドウに出力する。
【0112】
図12に示す例では、作業者ナンバーの入力欄にタグ情報「1234」が入力され、製品ロットナンバーの入力欄にタグ情報「1111」が入力され、製造機械ナンバーの入力欄にタグ情報「01」が入力されている。
【0113】
また、図14に示すように、出力順番定義ファイル55には、作業者ナンバーと製品ロットナンバーとを出力する間に、「Tab」をアクティブウインドウに出力することが登録されている。同様に、製品ロットナンバーと製造機械ナンバーとを出力する間にも、「Tab」をアクティブウインドウに出力することが登録されている。更に、出力順番定義ファイル55には、製造機械ナンバーを出力した後には、「Enter」を出力することが登録されている。ここで、「Tab」又は「Enter」をアクティブウインドウに出力するとは、キーボードにおいて「Tab」キー又は「Enter」キーが押された時のキー信号に相当する特殊コードを、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11が、アクティブウインドウに出力する意味である。
【0114】
即ち、図12に示すように、作業者ナンバーの入力欄にタグ情報「1234」が入力された後に、アクティブウインドウに「Tab」キーに相当する特殊コードが出力されると、アクティブウインドウのカーソル位置が、作業者ナンバーの入力欄から製品ロットナンバーの入力欄に移動する。次に、製品ロットナンバーの入力欄にタグ情報「1111」が入力された後に、アクティブウインドウに「Tab」キーに相当する特殊コードが出力されると、アクティブウインドウのカーソル位置が、製品ロットナンバーの入力欄から製造機械ナンバーの入力欄に移動する。最後に、製造機械ナンバーの入力欄にタグ情報「01」が入力された後に、アクティブウインドウに「Enter」キーに相当する特殊コードが出力されると、「投入」ボタンにアクティブウインドウの入力フォーカスが移動する。
【0115】
出力順番定義ファイル55は、例えばテキスト形式のファイルとすることができる。RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11は、出力順番定義ファイル55に登録された出力順番に基づいて、複数のタグ情報のキー・ストロークに対応する文字列を、「Tab」キー又は「Enter」キーに相当する特殊コード共に送信することができる。具体的には、マイクロソフト(登録商標)社の.NetC#(ドット・ネット・シー・シャープ)言語を用いる場合には、下記のプログラムを用いることにより、アクティブウインドウに製品ロットナンバーを出力することができる。
【0116】
System.Windows.Forms.SendKeys.SendWait(data)
ここで、”data”は、出力順番定義ファイル55に登録された出力順番に揃えられたタグ情報のキー・ストロークに対応する文字列、及び、「Tab」又は「Enter」キーに相当する特殊コードである。
【0117】
RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11は、アクティブウインドウに画面識別番号1を有する作業履歴投入の画面が表示された状態で、上記3つのタグ情報を入力すると、出力順番定義ファイル55を参照して、「作業者ナンバー」、「Tab」、「製品ロットナンバー」、「Tab」、「製造機械ナンバー」、「Enter」の順にアクティブウインドウに出力する。
【0118】
また、図14に示す例では、画面識別番号1と共に、画面識別番号2が、そのタグ情報の出力順番と関連付けられて登録されている。画面識別番号2は、図15に示す画面を有する生産管理アプリケーションプログラム52の例である。図15での画面は、タグ情報が、作業者ナンバー、製品ロットナンバーの順番に入力される構成を有しており、製造機械ナンバーの入力欄はない。出力順番定義ファイル55には、画面識別番号2と関連付けられた2つのタグ情報に対して、第1に出力するタグ情報が作業者ナンバーであり、第2の出力するタグ情報が製品ロットナンバーであることが登録されている。
【0119】
このように、出力順番定義ファイル55は、アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに対応して、登録情報が定められている。また、図14に示す例では、出力順番定義ファイル55には、2組の画面識別番号及びタグ情報の出力順番が登録されているが、出力順番定義ファイル55には、必要に応じて、更に多くの画面識別番号及びタグ情報の出力順番が登録されていても良い。
【0120】
次に上述した第2実施形態のシステムの動作の例を、図12及び図16を参照して以下に説明する。図16に示す動作の例は、CPU11が、上述したRFIDキーボードウェッジプログラム53を実行することにより行われる。
【0121】
まず、ステップS40において、本システム80を起動して、クライアント端末10において生産管理アプリケーションプログラム52を起動する。
【0122】
次に、ステップS41において、生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウとして作業履歴投入画面を開く。
【0123】
次に、ステップS42において、作業者ナンバーの入力欄にカーソルを移動する。カーソルの移動は、作業者が手動で行っても良いし、生産管理アプリケーションプログラム52において、アクティブウインドウとして作業履歴投入画面が開かれた場合に、自動的にカーソルが作業者ナンバーの入力欄に移動するようにしても良い。
【0124】
次に、ステップS43において、作業者が、製品ロットナンバーRFIDタグT2が付された製品を製造機械に投入する時に、作業者ナンバーRFIDタグT1及び製造機械ナンバーRFIDタグT3を、製造機械の製品投入の入り口のゲートに設置されたRFIDリーダR1に読み込ませることにより、RFIDリーダR1に、ほぼ同時に3つのRFIDタグを読み込ませる。そして、RFIDキーボードウェッジプログラム53を実行するCPU11が、作業者ナンバーRFIDタグT1、製品ロットナンバーRFIDタグT2、及び、製造機械RFIDタグT3をRFIDリーダR1に読み込ませる。
【0125】
ここで、作業者ナンバーRFIDタグT1は、作業者が携帯している個人識別カードに組み込まれていて良いし、製造機械近くの作業台の上に置かれていても良い。また製造機械ナンバーRFIDタグT3も、製造機械近くの作業台の上に置かれていても良い。
【0126】
次に、ステップS44において、CPU11は、アクティブウインドウに表示している画面の画面識別番号を取得する。図12に示す例では、CPU11は、作業履歴投入画面の画面識別番号01を取得する。
【0127】
次に、ステップS45において、CPU11は、出力順番定義ファイル55を参照し、取得した画面識別番号01に関連付けられたタグ情報を出力する順番に基づいて、入力したタグ情報をクライアント端末10で稼動している生産管理アプリケーションプログラム52に出力する。
【0128】
次に、ステップS46において、工程に投入する次の製品があるのかが判断される。もし、次に工程に投入する製品があれば、S42の前に戻る。一方、次に工程に投入する製品が無ければ、処理を終了する。
【0129】
上述した本システム80によれば、複数RFIDタグからのタグ情報を、ほぼ同時にRFIDリーダにより読み取って、クライアント端末10で稼動する生産管理アプリケーションプログラム52のアクティブウインドウに入力することができる。
【0130】
また、出力順番定義ファイル55を用いることにより、その登録情報を変更することで、様々なアクティブウインドウに対応して、複数のタグ情報をアクティブウインドウに出力することができる。
【0131】
本発明のRFIDリーダが受信した情報をアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するシステム、方法、記録媒体またはプログラムは、上述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0132】
例えば、上述した実施形態では、本システム80が、工場70における製品の生産管理に用いられていたが、本発明のシステム、方法、端末またはプログラムは、クライアント端末10で稼動するアプリケーションプログラムにタグ情報を出力する用途であれば、他の用途に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、タグ情報を使用するアプリケーションプログラムとして、生産管理アプリケーションプログラム52を用いていたが、タグ情報を使用するプログラムであれば、他のアプリケーションプログラムであってもよい。
【0133】
また、上述した実施形態におけるネットワーク30はLANであったが、WANまたはインターネットであってもよい。
また、上述した実施形態におけるサーバ20には、上記ミドルウェアがインストールされていたが、このミドルウェアはインストールされていなくてもよい。この場合には、RFIDキーボードウェッジプログラム53は、各RFIDリーダに対応した仕様に基づいて、命令を指示し、タグ情報を入力することになる。
【0134】
また、上述した実施形態において、RFIDリーダRは、RFIDタグへの書き込み機能を有していてもよい。
【0135】
また、上述した第2実施形態では、アプリケーションプログラムが、生産管理アプリケーションプログラム52であったが、アプリケーションプログラムは、ものの移動を管理する製品移動管理プログラムであっても良い。本発明のシステムを、ものの移動を管理する製品移動管理プログラムに適用すれば、ものの移動に関する情報を記録することが可能となる。例えば、製品倉庫の出入り口には、RFIDリーダが備えており、このRFIDリーダが読み取ったタグ情報が、クライアント端末で実行する製品移動管理プログラムに入力されて、製品の移動を管理することができる。この場合、製品倉庫から、作業者が複数の製品を持って、倉庫から出た場合、上記出入り口のRFIDリーダが、作業者が携帯しているオペレータRFIDタグ、及び製品に付されているRFIDタグから、作業者ナンバー、及び製品ロットナンバーを読み取って、製品移動管理プログラムが日時と共に登録できる。即ち、誰が、どの製品を、幾つ、何時に製品倉庫から持ち出したのかというものの移動履歴を記録することができる。本発明のクライアント端末が入力した複数のタグ情報を製品移動管理プログラムに出力するシステムによれば、オペレータID及び複数の製品ロットナンバーを、同時にクライアント端末で実行する製品移動管理プログラムに入力して、管理することができる。
【0136】
また、上述した各実施形態において、CPU11がRFIDキーボードウェッジプログラムを実行する処理は、その一部又は全部をハードウェアを用いて処理するように構成しても良い。
【0137】
上述した一の実施形態のみが有する部分は、他の実施形態とすべて適宜相互に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1は、第1実施形態のシステム構成図を示す。
【図2】図2は、RFIDタグのメモリに記憶されている情報を示す図である。
【図3】図3は、図1のクライアント端末の機能ブロック図を示す。
【図4】図4は、図1のクライアント端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】図5は、RFIDリーダとクライアント端末との間におけるタグ情報の流れを説明する図である。
【図6】図6は、2度読み防止ファイルの構成を示す図である。
【図7】図7は、本発明のRFIDキーボードウェッジプログラムの処理の例を説明する図である。
【図8】図8は、RFIDキーボードウェッジプログラムの設定条件入力画面を示す図である。
【図9】図9は、生産管理アプリケーションプログラムのアクティブウインドウを示す図である。
【図10】図10は、入力したタグIDを2度読み防止ファイルに記憶する例を示す図である。
【図11】図11は、入力したタグIDを2度読み防止ファイルに記憶する他の例を示す図である。
【図12】図12は、第2実施形態を説明する図である。
【図13】図13(a)は、作業者ナンバーRFIDタグのメモリに記憶されている情報を示し、図13(b)は、製品ロットナンバーRFIDタグメモリに記憶されている情報を示し、図13(c)は、製造機械ナンバーRFIDタグメモリに記憶されている情報を示す。
【図14】図6は、出力順番定義ファイルの構成を示す図である。
【図15】図15は、図12の変形例を説明する図である。
【図16】図16は、第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図17】図17は、従来の例によるRFIDリーダとクライアント端末との間におけるタグ情報の流れを説明する図である。
【図18】図18は、従来の他の例によるRFIDリーダとクライアント端末との間におけるタグ情報の流れを説明する図である。
【図19】図19は、従来の例によるキーボードリーダとクライアント端末との間におけるバーコード情報の流れを説明する図である。
【図20】図20は、従来の例による複数のRFIDリーダとクライアント端末との間におけるタグ情報の流れを説明する図である。
【図21】図21は、従来の他の例による複数のRFIDリーダとクライアント端末との間におけるタグ情報の流れを説明する図である。
【符号の説明】
【0139】
2 入力手段
4 記憶手段
5 タグ情報出力手段
6 2度読み防止手段
10 クライアント端末
20 サーバ
30 ネットワーク
52 生産管理アプリケーションプログラム
53 RFIDキーボードウェッジプログラム
54 2度読み防止ファイル
55 出力順番定義ファイル
70 工場
80 システム
R、R1、R2、RN RFIDリーダ
T1 作業者ナンバーRFIDタグ
T2 製品ロットナンバーRFIDタグ
T3 製造機械ナンバーRFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDリーダが通信可能に接続されたサーバと、該RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を使用するアプリケーションプログラムがインストールされたクライアント端末とを備え、前記サーバと前記クライアント端末とがネットワークを通して通信可能に接続されている、RFIDリーダが受信したタグ情報をアプリケーションプログラムに出力するシステムであって、
前記クライアント端末が、
前記RFIDリーダが前記RFIDタグから受信し、前記サーバを介して入力した前記タグ情報を、前記クライアント端末で稼動している前記アプリケーションプログラムに出力するタグ情報出力手段を、
有していることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムは、前記タグ情報出力手段なしでは、前記RFIDリーダが受信した前記タグ情報を、入力することができないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タグ情報出力手段が、入力した前記タグ情報を、前記クライアント端末で稼動している前記アプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力することを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記クライアント端末が、
入力した前記タグ情報を記憶する記憶手段と、
入力した前記タグ情報を、前記記憶手段に記憶されているのかを調べ、もし、前記タグ情報が、前記記憶手段に記憶されていれば、該タグ情報を破棄し、そうでなければ、前記タグ情報と、該タグ情報を入力した時間とを、該時間を前記タグ情報に関連づけて、前記記憶手段に記憶し、記憶されてから所定の時間が経過した前記タグ情報を、該タグ情報を入力した前記時間と共に、前記記憶手段から削除する2度読み防止手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記タグ情報出力手段は、前記クライアント端末が実行可能なプログラムを構成要素として有しており、
前記プログラムが、前記記憶手段に記憶されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記アプリケーションプログラムは、そのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号を有しており、
前記記憶手段には、前記画面識別番号と、前記クライアント端末が入力した複数のタグ情報を前記アプリケーションプログラムに出力する順番とが、関連づけられて登録された出力順番定義ファイルが記憶されており、
複数のタグ情報を入力した前記クライアント端末は、そのアクティブウインドウに表示されている画面の画面識別番号を取得した後、前記出力順番定義ファイルを参照し、取得した画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に従って、入力したタグ情報を前記クライアント端末で稼動している前記アプリケーションプログラムに出力する、請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
複数の前記タグ情報として、製品ロット番号と、この製品を製造するのに用いられる製造機械の番号と、この製造機械を操作する作業者の番号とが、前記クライアント端末に入力される請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記RFIDリーダは、前記クライアント端末以外の端末を介して、前記サーバに接続していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
RFIDリーダが受信したタグ情報をアプリケーションプログラムに出力する方法であって、
前記RFIDリーダがRFIDタグから受信した前記タグ情報を使用する前記アプリケーションプログラムがインストールされており、且つ、タグ情報出力手段を備えたクライアント端末が、
前記タグ情報を、前記RFIDリーダが通信可能に接続されており、且つ、前記クライアント端末とネットワークを通して通信可能に接続されている、サーバを介して入力し、
入力した前記タグ情報を、前記クライアント端末で稼動している前記アプリケーションプログラムに、前記タグ情報出力手段を介して、出力することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記アプリケーションプログラムは、そのアクティブウインドウに表示している画面を識別する画面識別番号を有しており、
前記クライアント端末は、前記画面識別番号と、前記クライアント端末が入力した複数のタグ情報を前記アプリケーションプログラムに出力する順番とが、関連づけられて登録された出力順番定義ファイルを記憶する記憶手段を有し、
前記クライアント端末は、
複数のタグ情報を入力し、
アクティブウインドウに表示している画面の画面識別番号を取得した後、
前記出力順番定義ファイルを参照し、取得した前記画面識別番号に関連付けられたタグ情報を出力する順番に基づいて、入力したタグ情報を前記クライアント端末で稼動している前記アプリケーションプログラムに出力する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を入力するステップと、
入力した前記タグ情報を、該タグ情報を使用するアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するステップとを、該アプリケーションプログラムが稼動しているコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
RFIDリーダがRFIDタグから受信したタグ情報を入力するステップと、
入力した前記タグ情報を、該タグ情報を使用するアプリケーションプログラムのアクティブウインドウに出力するステップとを、該アプリケーションプログラムが稼動しているコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
前記アプリケーションプログラムは、前記プログラムなしでは、前記RFIDリーダが受信した前記タグ情報を、そのアクティブウインドウに出力することができないことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
入力した前記タグ情報が、記憶手段に格納されている2度読み防止ファイルに記憶されているのかを調べ、もし、前記タグ情報が、前記2度読み防止ファイルに記憶されていれば、入力した該タグ情報を破棄し、そうでなければ、入力した前記タグ情報と、該タグ情報を入力した時間とを、該時間を前記タグ情報に関連づけて、前記2度読み防止ファイルに記憶するステップと、
記憶されてから所定の時間が経過した前記タグ情報を、入力した前記時間と共に、前記2度読み防止ファイルから削除するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項12または13に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−9542(P2009−9542A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335207(P2007−335207)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】