説明

TOLL様受容体(TLR7)モジュレーターとしての9−置換−8−オキソ−アデニン化合物

本発明は、式(I)


〔式中、R、Y、X、LおよびRは明細書に定義の通りである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、ならびにその製造、それを含む医薬組成物および治療におけるその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデニン誘導体、その製造、それを含む医薬組成物および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は、先天性および後天性免疫から成り、その両方が協調して働き、宿主を微生物感染から保護する。先天性免疫は、免疫細胞の細胞表面上に発現するトール様受容体(TLR)を介した保存された病原関連分子パターンを認識できることが示されている。侵襲病原体の認識が、続いて貪食細胞上のサイトカイン産生(インターフェロンアルファ(IFNα)を含む)および共刺激分子の上方制御の引き金を引き、T細胞機能の調節をもたらす。それ故、先天性免疫は後天性免疫と密接に関連し、後天性応答の発達および制御に影響を与え得る。
【0003】
TLRは、NH末端細胞外ロイシンリッチリピートドメイン(LRR)およびToll/IL−1受容体(TIR)相同ドメインと呼ばれる保存された領域を含むCOOH末端細胞内テイルにより特徴付けられるI型膜貫通型受容体のファミリーである。この細胞外ドメインは様々な数のLRRを含み、これがリガンド結合に関連すると考えられる。11個のTLRが、ヒトおよびマウスで今日まで報告されている。それらは互いにリガンド特異性、発現パターン、およびそれらが誘導できる標的遺伝子が異なる。
【0004】
TLRを介して作用するリガンド(免疫応答修飾因子(IRMS)としても既知)、例えば、性器疣贅の処置用の製品Imiquimodを含むUS特許4689338に記載のイミダゾキノリン誘導体、およびWO98/01448、WO99/28321およびWO2007/034882に記載のアデニン誘導体が開発されている。
【0005】
本特許出願は、ウイルスまたはアレルギー性疾患および癌の処置に有用な、TLR7を介して作用する免疫調節特性を有する9−置換−8−オキソアデニン化合物群を記載する。
【発明の概要】
【0006】
本発明によって、式(I):
【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、またはC−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、ここで、各基の任意の可能な炭素原子は所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、モノ−またはジ−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合または酸素または硫黄原子、スルフィニル(SO)、スルホニル(SO)またはNR(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)であり;
ただし、Rがヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルであり、そしてXが酸素であるとき、Yは単結合以外であり;
Lは結合または直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキレン基であり、ここで、本アルキレン基中の3個までの炭素原子は酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)に置き換わっていてよく;そして
は、飽和または部分的に不飽和の窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むが、ただし、該ヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である4−8員ヘテロ環であり、そのヘテロ環は、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルスルフィニルまたはC1−6アルキル基(ここで、1〜3個の炭素原子は、所望により酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR基(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)に置き換わっていてよい)から選択される1個以上の基で置換されていてよく;
【0007】
または、Rは、部分式(i)
【化2】

の基であり、
ここで、Rは水素またはC1−6アルキルであり;
は水素またはC1−6アルキルであり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−Cシクロアルキルまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環であり、ここで、各基は所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)10、OR10、C(O)R10、CO10、OC(O)R10、SONR1112、CONR1112、NR1112、NR11SO10、NR11CO10、NR11COR10から選択される1個以上の基で置換されていてよく、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基Rはまた、所望により1個以上のC−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環またはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、ここで、任意のC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基Rはまた、所望により1個以上のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、
そして、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル基、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環置換基は、所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよく;
または、RおよびRは、隣接する炭素原子と一体となって、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよい3−8員飽和炭素環または3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環を形成してよく;
【0008】
は水素、S(O)16、C(O)R16、SONR1718、CONR1718、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、後4者の基はハロゲン、シアノ、S(O)19、OR19、C(O)R19、OC(O)R19、CO19、SONR2021、CONR2021、NR2021、NR20SO19、NR20CO19またはNR20COR19から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
ここで、mは0、1または2である;
ただし、RがC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールであるとき、Rは水素または非置換C−Cアルキルではなく、
そしてRおよびRが水素またはC−Cアルキルであるならば、RはC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールで一置換されたC−Cアルキル以外であり;
ここで、R10、R13、R16およびR19は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;
11、R12、R14、R15、R17、R18、R20またはR21は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;
またはR11とR12、R14とR15、R17とR18またはR20とR21は、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子と所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、本ヘテロ環式環はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、アミド、またはNR34CO35またはNR34COR35基(式中、R34およびR35は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択される)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。〕
により示されるアデニン化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0009】
本明細書の文脈において、特記しない限り、アルキル置換基または置換基のアルキル部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。それらは、例えば1〜6個の炭素原子を含み得る。C−Cアルキル基/部分の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。同様に、アルキレン基/部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキレン基/部分の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンおよび1、2−または3−エチルプロピレンを含む。アルケニルまたはアルキニル基は、例えば2〜6個の炭素原子を含む、不飽和の直鎖または分枝鎖基である。
【0010】
シクロアルキルまたは炭素環基は、例えば、3〜8個の炭素原子を含み、飽和である環である。
【0011】
ヘテロ環式基は、飽和でも、部分的に不飽和でも、不飽和でもよく、3〜20個の原子を含み、少なくとも1個、および適切には1〜4個の原子が、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子である。環は単環式でも、縮合、架橋、またはスピロ二環式ヘテロ環式環系でもよい。単環式ヘテロ環式環は、1〜5個がN、O、およびSから選択されるヘテロ原子である約3〜12個の環原子を含み、適切には3〜7個の環員原子を含む。二環式ヘテロ環は、7〜17個の環員原子を含み、適切には7〜12個の環員原子を含む。二環式ヘテロ環は、約7〜約17個の環原子を、適切には7〜12個の環原子を含む。二環式ヘテロ環式環は縮合、スピロ、または架橋環系であり得る。
【0012】
疑いを避けるため、“部分的に不飽和”として記載した環は1個以上の多重結合を含んでよいが、本質的に芳香族性ではない。
【0013】
飽和または部分的に飽和のヘテロ環式基の例は、環状エーテル(オキシラン類)、例えばエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および置換環状エーテルを含む。窒素含有ヘテロ環は、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロトリアジン、テトラヒドロピラゾールなどを含む。典型的硫黄含有ヘテロ環は、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロ−1,3−ジチオール−2−イル、およびヘキサヒドロチエピン−4−イルを含む。他のヘテロ環は、ジヒドロ−オキサチオール−4−イル、テトラヒドロ−オキサゾリル、テトラヒドロ−オキサジアゾリル、テトラヒドロジオキサゾリル、テトラヒドロ−オキサチアゾリル、ヘキサヒドロトリアジニル、テトラヒドロ−オキサジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジオキソリニル、オクタヒドロベンゾフラニル、オクタヒドロベンゾイミダゾリル、およびオクタヒドロベンゾチアゾリルを含む。硫黄含有ヘテロ環について、SOまたはSO基を含む酸化された硫黄ヘテロ環も含む。例は、テトラヒドロチオフェンのスルホキシドおよびスルホン形態を含む。1個または2個のオキソまたはチオキソ置換基を担持するヘテロシクリル基の適当な意味は、例えば、2−オキソピロリジニル、2−チオキソピロリジニル、2−オキソイミダゾリジニル、2−チオキソイミダゾリジニル、2−オキソピペリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニルまたは2,6−ジオキソピペリジニルである。
【0014】
本質的に芳香族性であるヘテロ環式基は、“ヘテロアリール”基と呼ぶ。これらの基は、1個以上(例えば1〜4個)のN、O、およびSから選択されるヘテロ原子を包含する、芳香族性の単、二、または多環式ヘテロ環式環である。用語ヘテロアリールは、1価基および2価基の両方を含む。ヘテロアリール基の例は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアゼニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、プテリジニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、フェナジニル、ベンズイソキノリニル、ピリドピラジニル、チエノ[2,3−b]フラニル、2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、4H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニルを含む。“ヘテロアリール”はまた、少なくとも1個の環がO、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子を含む芳香環であり、他の環が所望によりO、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子を含んで良い非芳香族性の、飽和または部分的に不飽和の環である環系、例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジニルおよび3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジニルを含む。
【0015】
好ましくはRは水素である。
特定の態様において、Yは、直鎖C1−6アルキレン、例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルのような非置換C1−6アルキレンである。特に、Rはn−ブチルである。
【0016】
基の具体例は、酸素、硫黄、またはNR(式中、Rは上記で定義の通りである)である。XがNR基であるとき、適当なR基は水素またはメチル、および特に水素を含む。
さらなる態様において、Xは酸素である。
【0017】
L基中のいずれかの炭素原子が酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNRに置き換わっているとき、これらは、Lの末端原子が炭素であるように、アルキレン鎖の中間一に配置されているのが適当である。
【0018】
LがNR基を含むとき、Rは、水素またはC1−6アルキル、例えば水素またはメチルであるのが適当である。特定の態様において、Lのアルキレン基中の2個までの炭素原子が酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNRに置き換わっていてよい。さらなる特定の態様において、L中の1個を超えない炭素原子が酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNRに置き換わっている。
【0019】
特定の態様において、Lは結合または直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキレン、および特にn−プロピレンのような直鎖アルキレンである。
他の態様において、Lは、2個の炭素原子が、一方がカルボニル基に、他方がNR基に置き換わったアルキレン鎖である。
【0020】
さらなる態様において、Rは飽和または部分的に不飽和の窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むが、ただし、該ヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である4−8員ヘテロ環であり、これは上記の通り所望により置換されていてよい。特に、Rはピロリジン、ピペリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン−1−オキシドまたはチオモルホリン−1、1−ジオキシドである。Rは、ピロリジニルまたはモルホリンのような飽和窒素含有ヘテロ環であるのが適当である。
【0021】
特定の態様において、環Rは、環窒素原子を介してL基に結合する。
環Rは非置換であってよい。
【0022】
あるいは、環Rはハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルスルフィニルまたはC1−6アルキル基(ここで、1〜3個の炭素原子は、所望により酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR基(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)に置き換えられていてよい)から独立して選択される1個以上の置換基、例えば1〜3個の置換基を担持してよい。
【0023】
特に、Rが環であるとき、それは、所望により1個または2個のオキソ基で置換されてよい。
の適当な置換基の例は、C1−3アルコキシC1−2アルキル基、例えばメトキシメチルのようなアルコキシアルキル基を形成するように、所望により酸素原子で中断されていてよいアルキル基である。
環Rの他の適当な置換基は、ジメチルカルバモイルのようなジ−C1−6アルキルカルバモイルである。
【0024】
他の態様においてRは、部分式(i)
【化3】

〔式中、R、R、RおよびRは上記で定義の通りである。〕
の基である。
【0025】
特に、RおよびRは、独立して水素またはC1−3アルキルである。
例えば、Rは、水素またはメチルである。
さらなる態様において、Rは水素またはメチルである。
は、水素または、所望により置換されていてよいメチルのような上記で定義の通り所望により置換されていてよいC1−6アルキルであるのが適当である。
【0026】
特定の態様において、Rは水素または、所望によりC2−5アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ(所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよい)、カルバモイル(所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよい)、6−10員アリール(所望によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、または所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよいアミノで置換されていてよい)から選択される1個以上の基で置換されていてよいC1−6アルキルである。
【0027】
例えばRは、メトキシのようなC1−6アルコキシで置換されたC1−6アルキル基である。
の具体例は、水素またはCONR1718(式中、R17およびR18は上記で定義の通りである)を含む。特に、R17およびR18は、メチルのようなC1−6アルキル基であるか、またはR17とR18は、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子および所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環、例えばモルホリン環を形成する。
【0028】
本発明の化合物の例は、次のものを含む:
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド;
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N,N−トリメチルグリシンアミド;
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]ピロリジン−2,5−ジオン;
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;および
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[メチル−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチル)−アミノ]−プロピル}−7,9−ジヒドロ−プリン−8−オン、
およびその薬学的に許容される塩。
【0029】
本発明は、さらに、上記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、式(II)
【化4】

〔式中、X、R、YおよびLは式(I)に定義の通りであり、そしてZは脱離基である。〕
の化合物と、式(III)
【化5】

〔式中、Rが置換または非置換飽和または不飽和4−8員ヘテロ環であるとき、それが窒素原子により式(III)のHに結合している以外、Rは式(I)に関して定義した通りである。〕
の化合物を反応させることを含む、方法を提供する。
【0030】
適当な脱離基Zは、臭素、または塩素のようなハロゲン原子、ならびにメシレートおよびトシレートである。本反応は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミドのような有機溶媒中、例えば、過剰のアミンを使用して、好ましくは穏やかな温度乃至高温で、例えば0〜150℃の範囲の温度で行うのが適当である。本反応は、炭酸アルカリ金属(例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)のような塩基の存在下で行ってよい。
【0031】
式(II)の化合物は、次のスキームに記載の通りに製造し得る:
【化6】

【0032】
式(B)の化合物を、式(A)の化合物とアンモニアを、有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグリム、アセトニトリルまたは前記溶媒のいずれか一つの水性混合物中で反応させることにより製造する。本反応は、オートクレーブ中、例えば、20〜200℃の範囲の温度で行ってよい。
【0033】
式(C)の化合物は、式(B)の化合物とアルカノールを、水素化ナトリウムまたはカリウムt−ブトキシドのような塩基の存在下、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグリム、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような有機溶媒中、好ましくは高温で、例えば20〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造し得る。あるいはナトリウムのようなアルカリ金属をアルカノールに溶解し、次いで式(B)の化合物と、好ましくは高温で、例えば20〜150℃の範囲の温度で反応させてよい。
【0034】
式(D)の化合物は、式(C)の化合物の臭素化により製造する。本反応は、臭素、ヒドロペルブロミック酸(hydroperbromic acid)またはN−ブロモスクシンイミド(NBS)のような臭素化剤を、四塩化炭素、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸または二硫化炭素のような有機溶媒中で使用して行い得る。反応温度は、一般に、0℃乃至溶媒の沸点までである。
【0035】
式(E)の化合物は、式(D)の化合物とナトリウムメトキシドを、メタノールのような有機溶媒中、例えば、20〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造する。
【0036】
式(F)の化合物は、式(E)の化合物をトリフルオロ酢酸のような酸で、メタノールのような有機溶媒中処理することにより得ることができる。
【0037】
式(G)の化合物は、式(F)の化合物と、式Z−L−Z(式中、Lは式(I)に関して定義の通りであり、各Zはハロゲン、メシレートまたはトリフラートのような脱離基である)の化合物を反応させることにより製造する。本反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルのような有機溶媒中、塩基存在下で、好ましくは室温(20℃)で行い得る。炭酸アルカリ金属、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム;炭酸アルカリ土類金属、例えば炭酸カルシウム;水酸化金属、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム;水素化金属、例えば水素化ナトリウム;または金属アルコキシド、例えばカリウムt−ブトキシドのような塩基を使用してよい。
【0038】
式(II)の化合物は、式(G)の化合物を酸で処理することにより得てよい。本反応は、メタノールのような有機溶媒中、塩酸、臭化水素酸または硫酸のような無機酸またはトリフルオロ酢酸のような有機酸中で行い得る。
【0039】
あるいは、式(I)の化合物は、式(IV)
【化7】

〔式中、L、R、R、XおよびYは式(I)に関して定義の通りであり、そしてR38はメチルのようなC1−4アルキル基である。〕
の化合物と、塩酸、臭化水素酸または硫酸のような無機酸、またはトリフルオロ酢酸のような有機酸のいずれかである酸を反応させることにより製造し得る。本反応は、メタノールのような有機溶媒中で行い得る。
【0040】
式(IV)の化合物は、式(IVA)
【化8】

〔式中、L、R、R、XおよびYは式(I)に関して定義の通りであり、そしてR38は式(IV)に関して定義の通りである。〕
の化合物と、式(V)
【化9】

〔式中、LおよびRは式(I)に関して定義の通りであり、そしてZはハロゲン、メシレートまたはトリフラートのような脱離基である。〕
の化合物を反応させることにより製造し得る。反応条件は、上記式(II)の化合物を形成するための式(G)の化合物の反応について上記したものに準ずる。
式(IVA)の化合物は、上記化合物(G)に類似し、類似の方法を使用して製造できる。
【0041】
別の態様において、式(I)の化合物は、式(VI)
【化10】

〔式中、RおよびLは式(I)に関して定義の通りであり、そしてZは、ハロゲン、特に塩素のような脱離基である。〕
の化合物と、式(VII)
【化11】

〔式中、R、YおよびXは式(I)に関して定義の通りである。〕
の化合物を反応させることにより製造するのが適当である。本反応は、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または水素化物のようなアルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩または水素化物のような塩基、または特にXが酸素または硫黄原子であるとき、トリエチルアミンのような有機塩基の存在下で行うのが適当である。プロペノールまたはブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはジグリムのようなアルコールのような有機溶媒の存在下、例えば50−200℃の範囲の高温で行い得る。
【0042】
式(VI)の化合物は、式(VIII)
【化12】

〔式中、LおよびRは式(I)に関して定義の通りであり、そしてZは式(VI)に関して定義の通りである。〕
の化合物と、ナトリウムメトキシドのような金属アルコキシドを反応させ、続いて酸で処理することにより製造するのが適当である。本反応は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンのような有機溶媒中、0℃乃至溶媒の沸点までの範囲である温度で行うのが適当である。
【0043】
式(VIII)の化合物は、続いて、式(IX)
【化13】

〔式中、LおよびRは式(I)に関して定義の通りであり、そしてZは式(VI)に関して定義の通りである。〕
の化合物を、化合物(D)の製造について上記のものに準じた条件を使用して臭素化することにより製造できる。
【0044】
式(IX)の化合物は、式(X)
【化14】

〔式中、Zは上記で定義の通りである。〕
の化合物と、上記で定義の式(V)の化合物を、広くは化合物(IV)と(V)の反応に関連して上記のものに準じた条件を使用してカップリングさせることにより製造できる。
【0045】
式(I)の化合物はまた、式(XI)
【化15】

〔式中、R、X、Y、LおよびRは、式(I)に関して上記で定義の通りである。〕
の化合物を、式(VIII)の化合物から式(VI)の化合物への変換について上記のものに類似の条件を使用して反応させることにより製造してもよい。
【0046】
式(XI)の化合物は、例えば次のスキームに略記した方法を使用して製造し得る:
【化16】

【0047】
化合物(V)と(VII)のカップリングは、これらの反応体が関与する反応について上記のものに類似の条件を使用して行うことができる。
【0048】
さらなる態様において、式(I)の化合物は、次の一般的スキームにより製造し得る:
【化17】

〔式中、R、X、Y、LおよびRは式(I)に関して定義の通りであり、そしてZは、ハロゲン、例えば塩素のような脱離基である。〕。
【0049】
このスキームにおいて、式(I)の化合物は、式(XIV)の化合物と式(XV)の化合物を、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または水素化物、例えばナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、水酸化物または水素化物のような塩基の存在下で反応させることにより製造し得る。本反応は、ハロゲン化炭化水素、例えば四塩化炭素、クロロホルムなどのような有機溶媒中、0℃乃至溶媒の沸点までの範囲である温度で行うのが適当である。
【0050】
式(XIV)の化合物は、式(XVII)の化合物と適当な環化試薬の反応により製造するのが適当である。例えば、Xがアミノであるとき、環化試薬はグアニジンであり、Xがヒドロキシルであるとき、環化試薬はウレアであり、そしてXがメルカプトであるとき、環化試薬はベンゾイルチオシアネート(benzoyliothiocyanate)である。本反応は、上記のような塩基およびTHFなどの有機溶媒の存在下、簡便には室温からおおよそ溶媒の沸点までの範囲である温度で行うことができる。
【0051】
あるいは、式(XVII)の化合物を、式(XVI)の化合物との反応により直接式(I)の化合物に環化できる。同様に、本反応は、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、水酸化物または水素化物のようなアルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または水素化物のような塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジンまたはナトリウムメトキシドのような金属アルコキシドのような有機塩基の存在下で行い得る。テトラヒドロフランまたはメタノールまたはエタノールのようなアルキルアルコールのような有機溶媒を用い得る。室温乃至溶媒の沸点までの範囲である温度を使用し得る。
【0052】
式(XVII)の化合物は、式(XVIII)の化合物と式(XIX)の化合物の反応により製造し得る。同様に、本反応は、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、水酸化物または水素化物のようなアルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または水素化物のような塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジンまたはナトリウムメトキシドのような金属アルコキシドのような有機塩基の存在下で行うのが適当である。テトラヒドロフランまたはメタノールまたはエタノールのようなアルキルアルコールのような有機溶媒を使用し得る。0℃乃至溶媒の沸点までの範囲である温度を使用し得る。
【0053】
上記の式(V)、(VII)、(X)、(XV)、(XVI)、(XVIII)、(XIX)の化合物ならびに式Z−L−Zの化合物は既知化合物であるか、または、それらは慣用法により、例えばWO2005092893に記載の通り、既知化合物から製造できる。
【0054】
本発明の方法において、反応体中のヒドロキシルまたはアミノ基のようなある種の官能基が保護基により保護する必要があるかもしれないことは当業者には当然である。それ故、式(I)の化合物の化合物は、適当な段階での、1個以上の保護基の除去を含み得る。
【0055】
官能基の保護および脱保護は‘Protective Groups in Organic Chemistry’, edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973)および‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。
【0056】
上記式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩に変換してよい。
【0057】
式(I)の化合物は立体異性形態で存在できる。本発明は、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体(アトロプ異性体を含む)およびラセミ体を含むその混合物の使用を包含することは理解すべきである。互変異性体およびその混合物の使用も本発明の一局面を構成する。エナンチオマー的に純粋な形態が特に望ましい。
【0058】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は医薬として、特にトール様受容体(特にTLR7)活性のモジュレーターとしての活性を有し、それ故、次のものの処置に使用し得る:
1. 呼吸器:次のものを含む気道の閉塞性疾患:間欠性および永続性両方の、そして全ての重症度の、および気道過敏反応性の他の原因を含む、気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発を含む)および粉塵誘発性喘息を含む、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および、結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に付随する線維症を含む、肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態に関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む、鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス感染;
【0059】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0060】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;自己免疫性、網膜に影響する変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0061】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0062】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後のまたは輸血後の急性および慢性のもの;または慢性移植片対宿主病;
【0063】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む、他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0064】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖性系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0065】
8. 感染症:性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザのようなウイルス疾患;結核およびマイコバクテリウム・アビウム、ハンセン病のような細菌疾患;真菌疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、カリニ肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染およびリーシュマニア症のような他の感染症。
【0066】
それ故、本発明は、治療に使用するための、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0067】
さらなる局面において、本発明は、治療に使用するための医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0068】
本明細書の文脈において、用語“治療する”は、反する具体的な指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療”および“治療的”はこれに従い解釈すべきである。
【0069】
予防は、当該疾患または状態の以前のエピソードに罹患しているか、または他の方法で特にリスクが高いと見なされるヒトの処置に特に適する。特定の疾患または状態を発症するリスクが高いヒトは、該疾患または状態の家族歴があるか、または、遺伝子試験またはスクリーニングにより該疾患または状態の発症に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0070】
特に、本発明の化合物は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染および皮膚症の処置に使用し得る。
【0071】
前記で定義の抗癌治療は、唯一の治療として適用してよく、または、本発明の化合物に加えて、通常の手術または放射線療法または化学療法を含んでよい。このような化学療法は、次のカテゴリーの抗腫瘍剤の1種以上を含み得る:−
(i) 内科的腫瘍学において使用されているような、他の抗増殖性/抗新生物剤およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾラミドおよびニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンおよび葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシルおよびテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンおよびタキソイド、例えばタキソールおよびタキソテールおよびポロキナーゼ阻害剤);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン);
(ii) 細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよびシプロテロンアセテート)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンおよびブセレリン)、プロゲストーゲン(例えばメゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)および5α−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii) 抗侵襲剤(例えばc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、例えば4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(;国際特許出願WO01/94341)およびN−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J. Med. Chem., 2004, 47, 6658-6661)、およびメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばマリマスタット、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤またはヘパラナーゼに対する抗体);
【0072】
(iv) 増殖因子機能の阻害剤:このような阻害剤は例えば増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体(例えば抗erbB2抗体トラスツマブ[HerceptinTM]、抗EGFR抗体パニツムマブ(panitumumab)、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux, C225]およびStern et al. Critical reviews in oncology/haematology, 2005, Vol. 54, pp11-29により記載の何らかの増殖因子または増殖因子受容体抗体)を含む;このような阻害剤はまたチロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI 774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI 1033)、erbB2チロシンキナーゼ阻害剤、例えばラパチニブ、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、例えばイマチニブ、セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えばRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY 43-9006))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを介する細胞シグナル伝達の阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インシュリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX-680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX-528およびAX39459)およびサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えばCDK2および/またはCDK4阻害剤;
【0073】
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害するもの[例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(AvastinTM)およびVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651の実施例2)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)、例えば国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に記載の化合物および他の機構により作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンジオスタチンの阻害剤)];
(vi) 血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213に開示の化合物;
(vii) アンチセンス治療、例えば上記の標的を指向したもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii) 例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するためのアプローチ、GDEPT(遺伝子特異的酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用したもの、および化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を上げるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療を含む遺伝子治療アプローチ;および
(ix) 例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を上昇させるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用したアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用したアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用したアプローチを含む免疫治療アプローチ。
【0074】
本発明は、さらに、閉塞性気道疾患または状態(例えば喘息またはCOPD)を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0075】
上記の治療的使用について、投与する投与量は、もちろん、用いる化合物、投与方式、望む処置および適応される障害により変わる。例えば、本発明の化合物の1日投与量は、吸入ならば、0.05マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)の範囲であり得る。あるいは、化合物を経口投与するならば、本発明の化合物の1日投与量は0.01マイクログラム/体重キログラム(μg/kg)〜100ミリグラム/体重キログラム(mg/kg)の範囲であり得る。
【0076】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、それ自体で使用してよいが、一般には式(I)化合物/塩(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わさった医薬組成物の形で投与される。適当な医薬製剤の選択および製造のための慣用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs”, M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0077】
投与の方式によって、本医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、なお好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0078】
本発明はまた、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物も提供する。
【0079】
本発明は、さらに、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造法を提供する。
【0080】
医薬組成物は、局所的に(例えば皮膚または肺および/または気道に)、例えば、クリーム、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形で;または全身的に、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤または顆粒剤の形で経口投与により;または注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または輸液を含む)用滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンの形で非経腸投与により;または坐薬の形での直腸投与により投与してよい。
【0081】
本発明の化合物(薬学的に許容される塩を含む)の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアロゾルは、経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入用に、本化合物は望ましくは粉砕する。粉砕した化合物は、好ましくは10マイクロメーター(μm)未満の質量中央粒子径を有し、噴射剤混合物に、分散剤、例えばC−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイン酸)、胆汁塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤の助けを借りて分散し得る。
【0082】
本発明の化合物はまた乾燥粉末吸入器の手段により投与し得る。本吸入器は、単回または多回投与量吸入器であってよく、呼気駆動型乾燥粉末吸入器であってよい。
【0083】
一つの可能性は、粉砕した本発明の化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または他のポリオールの混合である。適当な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは、粉砕した化合物を他の物質でコーティングしてよい。本粉末混合物はまた硬ゼラチンカプセルに分配してもよく、各々所望量の活性化合物を含む。
【0084】
他の可能性は、粉砕した粉末の、吸入過程中に破壊する球体への加工である。この球体化粉末を、多回投与量吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)(投与ユニットが所望量を定量し、次いでそれが患者により吸入される)として既知の吸入器の薬剤貯蔵部に充填してよい。このシステムで、活性成分は、担体物質を伴って、または伴わずに、患者に送達される。
【0085】
経口投与用に、本発明の化合物をアジュバントまたは担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ポテトデンプン、コーンデンプンまたはアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン;および/または平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、蝋、パラフィンなどと混合し、次いで錠剤に圧縮してよい。コーティング錠が必要であれば、上記の通りに製造したコアを、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルクおよび二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液でコーティングしてよい。あるいは、錠剤を、易揮発性の有機溶媒に溶解した適当なポリマーでコートしてよい。
【0086】
軟ゼラチンカプセルの製造のために、本発明の化合物を、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬ゼラチンカプセルは、上記の錠剤用賦形剤のいずれかを使用して、化合物の顆粒を含み得る。また本発明の化合物の液体または半固体製剤を硬ゼラチンカプセルに充填してよい。
【0087】
経口適用用液体製剤は、シロップ剤または懸濁剤、例えば、バランスが糖とエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物である本発明の化合物を含む溶液の形であり得る。所望により、そのような液体製剤は、着色剤、風味剤、サッカリンおよび/または濃化剤としてカルボキシメチルセルロースまたは当業者に既知の他の賦形剤を含み得る。
【0088】
本発明の化合物はまた上記状態の処置に使用するための他の化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0089】
それ故、本発明は、さらに、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは製剤を、記載の状態の1種以上の処置のために、他の1種または複数種の治療剤と同時に、または連続的に、または組み合わせ製剤として投与する組み合わせ治療に関する。
【0090】
特に、炎症性疾患COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置のために、本発明の化合物を、例えば腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばRemicade、CDP-870およびアダリムマブ)およびTNF受容体免疫グロブリン分子(例えばEnbrel);局所的に投与するものであれ全身的に投与するものであれ非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン)、COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路のいずれで投与するものであれ);メトトレキサート、レフノミド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤と組み合わせ得る。
【0091】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト例えば;ジロートン;ABT-761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えばZeneca ZD-2138;化合物SB-210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL-739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL-746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK-591、MK-886、およびBAY x 1005の組み合わせに関する。
【0092】
本発明は、さらに、本発明の化合物とフェノチアジン−3−1s、例えばL-651392;アミジノ化合物、例えばCGS-25019c;ベンゾキサルアミン類、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド類、例えばBIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195から成る群から選択されるロイコトリエン類(LTB4、LTC4、LTD4、およびLTE4)の受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0093】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEアイソザイム阻害剤の組み合わせに関する。
【0094】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、経口的、局所的または非経腸的に適用する;ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチンの組み合わせに関する。
【0095】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物とヒスタミン4型受容体のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0096】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とアルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、ナファゾリンヒドロクロライド、オキシメタゾリンヒドロクロライド、テトラヒドロゾリンヒドロクロライド、キシロメタゾリンヒドロクロライド、トラマゾリンヒドロクロライドまたはエチルノルエピネフリンヒドロクロライドの組み合わせに関する。
【0097】
本発明は、さらに、本発明の化合物とムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニスト、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、イプラトロピウムブロマイド、チオトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、ピレンゼピンまたはテレンゼピンを含む抗コリン剤の組み合わせに関する。
【0098】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、およびピルブテロールの組み合わせに関する。
【0099】
本発明は、さらに、本発明の化合物とクロモン、例えばクロモグリク酸ナトリウムまたはネドクロミルナトリウムの組み合わせに関する。
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とインシュリン様増殖因子I型(IGF−1)模倣剤の組み合わせに関する。
【0100】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とグルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニドまたはモメタゾンフロエートの組み合わせに関する。
【0101】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−9およびMMP−12の阻害剤の組み合わせに関する。
【0102】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリー)およびC−X3−CファミリーについてCX3CR1のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0103】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と、サイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤を含む、アルファ−、ベータ−、およびガンマ−インターフェロン;インターロイキン(IL)1〜15を含むIL、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤を含む、サイトカインまたはサイトカイン機能のモジュレーターの組み合わせに関する。
【0104】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはアンタゴニストまたはIg機能を調節する抗体、例えば抗IgE(オマリズマブ)の組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物と他の全身的または局所的に適用する抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオールの組み合わせに関する。
【0105】
本発明は、さらに、本発明の化合物と抗細菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツの組み合わせに関する。
【0106】
本発明の化合物は、癌の処置のための既存の治療剤と組み合わせても使用でき、例えば適当な薬剤は次のものを含む:
(i) 内科的腫瘍学で使用されているような、抗増殖性/抗新生物剤またはそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスダート、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンまたはニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシルまたはテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンまたはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンまたはミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビン、またはタキソイド、例えばタキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカンまたはカンプトテシン);
(ii) 細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンまたはヨードキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドまたはシプロテロンアセテート)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンまたはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えばメゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールまたはエキセメスタン)または5α−レダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii) 癌細胞侵襲を阻害する薬剤(例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばマリマスタットまたはウロキナーゼ プラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤);
(iv) 増殖因子機能の阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツマブ、または抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI-774)または6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、または肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
【0107】
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害するもの(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856またはWO98/13354に開示の化合物)、または他の機構により作用する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能またはアンジオスタチンの阻害剤);
(vi) 血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4、またはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434またはWO02/08213に開示の化合物;
(vii) アンチセンス治療に使用される薬剤、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンスのような上記の標的の一つに指向するもの;
(viii) 遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するためのアプローチ、GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するものおよび化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を増加させるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療のようなものに使用される薬剤;または
(ix) 免疫治療アプローチ、例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエキソビボおよびインビボアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクトした免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用したアプローチ、サイトカイントランスフェクトした腫瘍細胞株を使用するアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチに使用する薬剤。
【0108】
本発明を以下の説明的実施例を参照してさらに説明する。
【実施例】
【0109】
実験
特記しない限り、有機溶液は硫酸マグネシウムで乾燥させた。RPHPLCは、アセトニトリルと水性酢酸アンモニウム、アンモニア、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のいずれかを適宜緩衝液として使用する、Waters Symmetry C8、Xterra、またはPhenomenex Geminiカラムを使用した逆相分取HPLCを意味する。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルで行った。SCXでの処理は、混合物をSCXに吸着させ、適当な溶媒、例えばメタノールまたはアセトニトリルで溶出し、次いで遊離塩基生成物を水性アンモニア/メタノールで溶出したことを意味する。
本発明を以下の説明的実施例を参照してさらに説明する。
【0110】
次の略語を使用する:
【表1】

【0111】
特記しない限り有機溶液は硫酸マグネシウムで乾燥させた。RPHPLCは、アセトニトリルと水性酢酸アンモニウム、アンモニア、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のいずれかを適宜緩衝液として使用する、Waters Symmetry C8、XterraまたはPhenomenex Geminiカラムを使用した逆相分取高速液体クロマトグラフィーを意味する。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルで行った。
【0112】
実施例1
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化18】

(i) 2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
2,6−ジクロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン(55g)をMeOH中7N−水性アンモニア(500ml)に溶解し、密閉フラスコ中、100℃で6時間加熱した。反応混合物をrtに冷却し、一夜静置した。濾過により副題化合物を得た。収量40g。
1H NMR δ (CDCl3) 8.02 (1H, s), 5.94 (2H, brs), 5.71 (1H, dd), 4.15 - 4.22 (1H, m), 3.75 - 3.82 (1H, m), 1.27 - 2.12 (6H, m).
【0113】
(ii) 2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
工程(i)の生成物(40g)をブタノール中19%(w/w)−ナトリウムブトキシド(250ml)に溶解した。反応混合物を還流下6時間撹拌した。得られた懸濁液をrtに冷却し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ、真空で濃縮した。副題化合物をジエチルエーテル/イソヘキサン(1/1、300ml)から結晶化して、濾過により得た。収量19g。
1H NMR δ (CDCl3) 7.87 (1H, s), 5.56 - 5.68 (3H, m), 4.31 - 4.35 (2H, t), 4.14 - 4.17 (1H, m), 3.76 - 3.80 (1H, m), 1.49 - 2.08 (10H, m), 0.98 (3H, t).
【0114】
(iii) 8−ブロモ−2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル) 9H−プリン−6−アミン
工程(ii)の生成物(30g)を乾燥ジクロロメタン(200ml)に溶解した。溶液をrtでNBS(27g)を少しずつ添加しながら撹拌した。混合物をrtで一夜撹拌した。20%(w/v)−硫酸ナトリウム(200ml)を添加し、分離した水相をDCMで抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗浄した。真空濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、塩水で洗浄し、乾燥させた。溶液をシリカゲルを通して濾過し、真空で濃縮した。残渣をジエチルエーテルおよびイソヘキサン(1/1、200ml)でトリチュレートし、次いで濾過して、副題化合物(26g)を得た。濾液を真空で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン)で精製して、さらに2.5gの生成物を得た。固体を合わせて、副題化合物を黄色固体として得た。収量28.5g。mp 148−50℃
1H NMR δ (CDCl3) 5.59-5.64 (3H, m), 4.32 (2H, m), 4.17 (1H, m), 3.74 (1H, m), 3.08 (1H, m), 2.13 (1H, d), 1.48 - 1.83 (8H, m), 0.98 (3H, t).
【0115】
(iv) 2−ブトキシ−8−メトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル) 9H−プリン−6−アミン
ナトリウム(3.7g)を無水MeOH(400ml)に窒素雰囲気下で添加した。この溶液に、工程(iii)の生成物(28.5g)を添加し、混合物を65℃で9時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、500mlの水を添加した。水相を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させた。副題化合物をジエチルエーテルからの結晶化後に得た。収量14.2g。
1H NMR δ (CDCl3) 5.51(1H, dd), 5.28 (2H, brs), 4.29 (2H, t), 4.11 - 4.14 (4H, m), 3.70 (1H, m), 2.76 - 2.80 (1H, m), 2.05 (1H, d), 1.47 - 1.81 (8H, m), 0.97 (3H, t).
【0116】
(v) 2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン、TFA塩
工程(iv)の生成物(24g)を無水MeOH(300ml)に溶解し、30mlのTFAを添加した。反応混合物をrtで3日間撹拌し、真空で濃縮した。副題化合物を、MeOH/酢酸エチルでトリチュレート後に白色結晶固体として得た。収量21g。
1H NMR δ (CD3OD) 4.48 (2H, t), 4.15 (3H, s), 1.80 (2H, quintet), 1.50 (2H, sextet), 0.99 (3H, t).
【0117】
(vi) 9−(3−クロロプロピル)−2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン
工程(v)の生成物(50g)を、急速に撹拌しているDMF(400ml)中の炭酸カリウム(60g)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(21ml)の混合物に、10分間にわたりrtで少しずつ添加し、混合物を3時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥させた。粗生成物をアセトニトリルから再結晶した。収量29.83g。
MS: ESI (+ve): 314
【0118】
(vii) 6−アミノ−9−(3−クロロプロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(vi)の生成物(29.8g)をMeOH(60ml)に溶解し、ジオキサン中4M 塩化水素(60ml)で処理した。混合物をrtで2時間撹拌し、0℃に冷却し、3.5%水性アンモニア溶液で中和した。固体を濾取し、水、次いでMeOHで洗浄し、乾燥させた。収量27.2g。
1H NMR δ (DMSO-d6) 9.88 (1H, s), 6.41 (2H, s), 4.15 (2H, t), 3.80 (2H, t), 3.65 (2H, t), 2.14-2.07 (2H, m), 1.68 - 1.61 (2H, m), 1.43 - 1.34 (2H, m), 0.92 (3H, t).
【0119】
(viii) 6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(vii)の生成物(0.15g)をDMSO(2mL)に溶解し、ピロリジン(0.18g)を添加した。反応混合物をrtで16時間撹拌した。反応混合物をフィルター・ディスクを通して濾過し、RP−分取−HPLCで精製して、表題化合物を得た(0.044g)。
1H NMR δ (DMSO-d6) 9.83 (1H, s), 6.37 (2H, s), 4.15 (2H, t), 3.71 (2H, t), 2.41 - 2.30 (6H, m), 1.84 - 1.73 (2H, m), 1.69 - 1.58 (6H, m), 1.43 - 1.32 (2H, m), 0.92 (3H, t)
MS: ESI (+ve): 335
【0120】
実施例2−4は、実施例1と同じ方法で、適当なアミンを使用して製造した:
【0121】
実施例2
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド
【化19】

1H NMR δ (DMSO-d6) 9.82 (1H, s), 6.38 (2H, s), 4.14 (2H, t), 3.82 - 3.68 (1H, m), 3.68 - 3.54 (1H, m), 3.48 - 3.35 (1H, m), 3.10 - 2.97 (4H, m), 2.77 (3H, s), 2.35 - 2.21 (4H, m), 2.04 - 1.91 (2H, m), 1.80 - 1.58 (5H, m), 1.45 - 1.31 (2H, m), 0.92 (3H, t)
MS:APCI (+ve): 406
【0122】
実施例3
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化20】

1H NMR δ (DMSO-d6) 9.81 (1H, s), 6.37 (2H, s), 4.15 (2H, t), 3.77 - 3.57 (2H, m), 3.30 - 3.23 (1H, m), 3.19 (3H, s), 3.11 - 2.98 (2H, m), 2.86 - 2.74 (1H, m), 2.48 - 2.41 (1H, m), 2.30 - 2.18 (1H, m), 2.09 - 1.97 (1H, m), 1.84 - 1.72 (3H, m), 1.69 - 1.55 (4H, m), 1.47 - 1.33 (3H, m), 0.92 (3H, t)
MS:APCI (+ve): 379
【0123】
実施例4
−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N,N−トリメチルグリシンアミド
【化21】

1H NMR δ (DMSO-d6) 9.83 (1H, s), 6.38 (2H, s), 4.14 (2H, t), 3.68 (2H, t), 3.13 (2H, s), 3.00 (3H, s), 2.78 (3H, s), 2.39 (2H, t), 2.18 (3H, s), 1.82 - 1.72 (2H, m), 1.69 - 1.58 (2H, m), 1.44 - 1.33 (2H, m), 0.91 (3H, t)
MS: APCI (+ve): 380
【0124】
実施例5
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]ピロリジン−2,5−ジオン
【化22】

実施例1 工程(vii)の生成物(0.15g)をDMSO(2mL)に溶解し、スクシンイミド(0.25g)および炭酸カリウム(0.07g)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物をフィルター・ディスクを通して濾過し、RP−分取−HPLCで精製して、表題化合物を得た(0.065g)。
1H NMR δ (DMSO-d6) 6.41 (2H, s), 4.14 (2H, t), 3.66 (2H, t), 3.40 - 3.33 (2H, m), 2.58 (4H, s), 1.93 - 1.82 (2H, m), 1.69 - 1.58 (2H, m), 1.44 - 1.34 (2H, m), 0.92 (3H, t)
MS:ESI (+ve): 363
【0125】
実施例6および7は、実施例5と同じ方法で、適当なアミンを使用して製造した:
【0126】
実施例6
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化23】

1H NMR δ (DMSO-d6) 6.40 (2H, s), 4.15 (2H, t), 3.70 (2H, t), 3.31 (3H, s), 3.21 (3H, s), 3.19 - 3.04 (2H, m), 2.74 - 2.62 (1H, m), 1.79 - 1.56 (4H, m), 1.45 - 1.31 (2H, m), 0.96 - 0.82 (6H, m)
MS: ESI (+ve): 353
【0127】
実施例7
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[メチル−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチル)−アミノ]−プロピル}−7,9−ジヒドロ−プリン−8−オン
【化24】

1H NMR δ(DMSO-d6) 9.83 (1H, s), 6.38 (2H, s), 4.14 (2H, t), 3.73 - 3.60 (2H, m), 3.60 - 3.47 (5H, m), 3.45 - 3.37 (2H, m), 3.12 (2H, d), 2.41 - 2.24 (3H, m), 2.17 (3H, s), 1.84 - 1.72 (2H, m), 1.69 - 1.56 (2H, m), 1.44 - 1.32 (2H, m), 0.91 (3H, t)
MS: ESI (+ve): 422
【0128】
実施例8
生物学的アッセイ
ヒトTLR7アッセイ
組み換えヒトTLR7を、既にpNiFty2−SEAPレポータープラスミドを安定に発現するHEK293細胞株に安定に発現させた;レポーター遺伝子の統合は、抗生物質ゼオシンでの選択により維持した。ヒトTLR7の最も一般的な変異配列(EMBL配列AF240467により示される)を、哺乳動物細胞発現ベクターpUNOにクローン化し、このレポーター細胞株にトランスフェクトした。安定に発現するトランスフェクタントを抗生物質ブラストサイジンを使用して選択した。このレポーター細胞株で、分泌アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現を、近位ELAM−1プロモーターと組み合わさった5個のNFkB部位を含むNFkB/ELAM−1複合性プロモーターにより制御する。TLRシグナル伝達はNFkBの転位およびプロモーターの活性化に至り、SEAP遺伝子の発現をもたらす。TLR7特異的活性化を、37℃で標準化合物との、0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)存在下、一夜のインキュベーション後の、SEAPのレベルの測定により評価した。化合物による濃度依存的SEAP産生誘導を、その化合物についてSEAPの最大レベルの半分をもたらす化合物の濃度として示した(pEC50)。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、またはC−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、ここで、各基の任意の可能な炭素原子は所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、モノ−またはジ−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合または酸素または硫黄原子、スルフィニル、スルホニルまたはNR(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)である;
ただし、Rがヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルであり、そしてXが酸素であるとき、Yは単結合以外であり;
Lは結合または直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキレン基であり、ここで、本アルキレン基中の3個までの炭素原子は酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNRに置き換わっていてよく、ここで、Rは水素またはC1−6アルキルであり;そして
は、飽和または部分的に不飽和の窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むが、ただし、該ヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である4−8員ヘテロ環であり、そのヘテロ環は、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルスルフィニルまたはC1−6アルキル基(ここで、1〜3個の炭素原子は、所望により酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR基(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)で置換されていてよい)から選択される1個以上の基で置換されていてよく;
またはRは、部分式(i)
【化2】

の基であり、
ここで、Rは水素またはC1−6アルキルであり;
は水素またはC1−6アルキルであり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−Cシクロアルキルまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環であり、ここで、各基は所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)10、OR10、C(O)R10、CO10、OC(O)R10、SONR1112、CONR1112、NR1112、NR11SO10、NR11CO10、NR11COR10から選択される1個以上の基で置換されていてよく、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基Rはまた、所望により1個以上のC−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環またはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、ここで、任意のC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基Rはまた、所望により1個以上のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、
そして、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル基、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環置換基は、所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよく;
または、RおよびRは、隣接する炭素原子と一体となって、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよい3−8員飽和炭素環または3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環を形成してよく;
は水素、S(O)16、C(O)R16、SONR1718、CONR1718、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、後4者の基はハロゲン、シアノ、S(O)19、OR19、C(O)R19、OC(O)R19、CO19、SONR2021、CONR2021、NR2021、NR20SO19、NR20CO19またはNR20COR19から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1または2である;
ただし、RがC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールであるとき、Rは水素または非置換C−Cアルキルではなく、
そしてRおよびRが水素またはC−Cアルキルであるならば、RはC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールで一置換されたC−Cアルキル以外であり;
10、R13、R16およびR19は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;そして
11、R12、R14、R15、R17、R18、R20またはR21は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;
またはR11とR12、R14とR15、R17とR18またはR20とR21は、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子と所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、本ヘテロ環式環はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、アミド、または気NR34CO35またはNR34COR35(式中、R34およびR35は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択される)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。〕
のアデニン化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(I):
【化3】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、またはC−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、ここで、各基の任意の可能な炭素原子は所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ、モノ−またはジ−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合または酸素または硫黄原子、スルフィニル、スルホニルまたはNR(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)である;
ただし、Rがヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルであり、そしてXが酸素であるとき、Yは単結合以外であり;
Lは結合または直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキレン基であり、ここで、本アルキレン基中の3個までの炭素原子は酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)に置き換わっていてよく;そして
は、飽和または部分的に不飽和の窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むが、ただし、該ヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である4−8員ヘテロ環であり、そのヘテロ環は、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルスルフィニルまたはC1−6アルキル基(ここで、1〜3個の炭素原子は、所望により酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR基(式中、Rは水素またはC1−6アルキルである)で置換されていてよい)から選択される1個以上の基で置換されていてよく;
またはRは、部分式(i)
【化4】

の基であり、
ここで、Rは水素またはC1−6アルキルであり;
は水素またはC1−6アルキルであり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−Cシクロアルキルまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環であり、ここで、各基は所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)10、OR10、C(O)R10、CO10、OC(O)R10、SONR1112、CONR1112、NR1112、NR11SO10、NR11CO10、NR11COR10から選択される1個以上の基で置換されていてよく、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基Rはまた、所望により1個以上のC−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環またはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、ここで、任意のC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基Rはまた、所望により1個以上のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基で置換されていてよく、
そして、任意のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル基、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたは3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環式環置換基は、所望により、ハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよく;
または、RおよびRは、隣接する炭素原子と一体となって、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)13、OR13、C(O)R13、CO13、OC(O)R13、SONR1415、CONR1415、NR1415、NR13SO13、NR14CO13またはNR14COR13基から独立して選択される1個以上の基で置換されていてよい3−8員飽和炭素環または3−8員の飽和または部分的に飽和のヘテロ環を形成してよく;
は水素、S(O)16、C(O)R16、SONR1718、CONR1718、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、後4者の基はハロゲン、シアノ、S(O)19、OR19、C(O)R19、OC(O)R19、CO19、SONR2021、CONR2021、NR2021、NR20SO19、NR20CO19またはNR20COR19から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1または2である;
ただし、RがC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールであるとき、Rは水素または非置換C−Cアルキルではなく、
そしてRおよびRが水素またはC−Cアルキルであるならば、RはC−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリールで一置換されたC−Cアルキル以外であり;
10、R13、R16およびR19は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;そして
11、R12、R14、R15、R17、R18、R20またはR21は、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基から選択され、これは、任意の可能な炭素原子を、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノまたはジ−C1−6アルキルアミノから選択される1個以上の基で置換されていてよく;
またはR11とR12、R14とR15、R17とR18またはR20とR21は、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子と所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、本ヘテロ環式環はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C−Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、スルファモイル、C1−6アルキルスルファモイル、ジ−C1−6アルキルスルファモイル、カルバモイル、C1−6アルキルカルバモイル、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、アミド、または気NR34CO35またはNR34COR35から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、ここで、R34およびR35は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択される;
ただし、Rが水素原子であり、Yが直鎖Cアルキレン基であり、Xが酸素原子であり、そしてLがCアルキレン基であるならば、Rは2−ピペリジニルまたは4−アミノ−1−ピペリジニル基ではない。〕
のアデニン化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が非置換C1−6アルキレンであり、Rが水素である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が酸素である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
LがC1−6アルキレン基であり、ここで、Lのアルキレン基の2個までの炭素原子が酸素、硫黄、SO、SO、カルボニルまたはNR(式中、Rが水素またはC1−6アルキルである)に置き換わっている、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、所望により請求項1または2に定義の通り置換されていてよい、飽和または部分的に不飽和の窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むが、ただし、該ヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である4−8員ヘテロ環である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が所望により置換されていてよいピロリジン、ピペリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン−1−オキシドまたはチオモルホリン−1、1−ジオキシドである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が、部分式(i)

の基であり、ここで、R、R、RおよびRは請求項1または2に定義の通りである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
またはRが独立して水素またはC1−3アルキルであり、そしてRが水素または所望により請求項1または2に定義の通り置換されていてよいC1−6アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が水素または、所望によりC2−5アルコキシカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ(所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよい)、カルバモイル(所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよい)、6−10員アリール(所望によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、または、アミノ(所望により同一でも異なってもよい1個または2個のC1−6アルキル基で置換されてよい)で置換されていてよい)から選択される1個以上で置換されていてよいC1−6アルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が水素または基CONR1718(式中、R17およびR18は請求項1または2に定義の通りである)である、請求項8〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
次のものから選択される、請求項1または2に記載の化合物:
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N−ジメチル−L−プロリンアミド;
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;
−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]−N,N,N−トリメチルグリシンアミド;
1−[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル]ピロリジン−2,5−ジオン;
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン;および
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[メチル−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチル)−アミノ]−プロピル}−7,9−ジヒドロ−プリン−8−オン、
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1または2に定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
(a) 式(II)
【化5】

〔式中、Y、X、RおよびLは式(I)で定義の通りであり、そしてZは脱離基である。〕
の化合物と、式(III)
【化6】

〔式中、Rは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物を反応させるか、または
(b) 式(IV)
【化7】

〔式中、L、R、R、XおよびYは式(I)で定義の通りであり、そしてR38はC1−4アルキル基である。〕
の化合物と酸を反応させるか;または
(c) 式(VI)
【化8】

〔式中、RおよびLは式(I)で定義の通りであり、そしてZは脱離基である。〕
の化合物と、式(VII)
【化9】

〔式中、R、YおよびXは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物を反応させるか;または
(d) 式(XI)
【化10】

〔式中、R、X、Y、LおよびRは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物を金属アルコキシドと反応させ、続いて酸で処理するか;または
(e) 式(XIV)
【化11】

〔式中、X、LおよびRは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物と、式(XV)
【化12】

〔式中、RおよびYは式(I)で定義の通りであり、そしてZは脱離基である。〕
の化合物を反応させるか;または
(f) 式(XVII)
【化13】

〔式中、LおよびRは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物と、式(XVI)
【化14】

〔式中、R、XおよびYは式(I)で定義の通りである。〕
の化合物を反応させ、所望によりその後次の工程の1個以上を行う:
・得られた式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換する
・何らかの保護基を除去する
・本化合物の薬学的に許容される塩を形成させる
ことを含む、方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項15】
アレルギー性またはウイルス疾患または癌の処置に使用するためのまたは喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染および皮膚症の処置に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2010−522151(P2010−522151A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554081(P2009−554081)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000958
【国際公開番号】WO2008/114008
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】