説明

VAO生産性スイート

【課題】一連の製造設備でのトランスポートを改善すること
【解決手段】半導体製造設備(製造所)の物理的システムおよび特性を仮想的にモデル化するように、製造所のコンフィギュレーションモジュールが構成される。製造所の物理的システムとインターフェースし、これら物理的システムからの作動データを収集するようにデータ取得モジュールが構成される。物理的システムから集められた作動データを収集し、集合するように、可視化モジュールが構成され、この可視化モジュールは、更に作動データを視覚的レンダリングに適したフォーマットとなるように処理するよう構成される。処理された作動データは可視化モジュールによって制御されるグラフィカルユーザーインターフェース内の製造所の視覚的コンテキスト内にディスプレイされる。可視化モジュールによって収集されたデータを分析し、製造所の働きに関する問い合わせに回答するように、分析モジュールが構成される。可視化モジュールによって収集されたデータ、分析モジュールによって発生されたデータ、またはそれらの組み合わせに応答し、製造所内のシステムを制御するように最適化モジュールが構成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
最新の半導体工場は独立した多数の供給者からの種々の自動化システムを使用している。本明細書で使用するような半導体工場なる用語と半導体製造所なる用語は、同義語であり、それぞれ工場および製造所(fab)と略称する。独立した種々の自動化システムは、ハードウェアとソフトウェアとを含み、これらハードウェアとソフトウェアは、製造所を通過する材料、データおよび制御信号の移動の自動化のために作動するようにインターフェースされている。製造所における主要な独立した自動化システムとして、MES(製造実行システム)、AMHS(自動化された材料取り扱いシステム)、MCS(材料制御システム)、工具接続のためのステーション制御装置、FFEM(機器フロントエンドモジュール)および工場の工具とAMHSとの間のインターフェースのためのランドポート、無線周波数識別器(RFID)およびバーコードのような材料トラッキングシステム、および関連する独立したソフトウェア製品を挙げることができ、これらソフトウェア製品は、工場で使用してもよいし、使用しなくてもよく、また欠陥検出、レシピ管理、スケジューリングおよびディスパッチ、統計的プロセス制御(SPC)およびその他類似する機能を取り扱うように、共にバンドルしてもよいし、しなくてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
特定の製造所内で別々に作動するように種々の自動化システムが構成されているが、現在の所、製造所規模でデータおよび制御信号を集めるような単一の自動化システムはない。この結果、独立した自動化システムが効果的に機能しているときでも、全システムの、すなわち製造所全体の生産性を最適にできない。独立した自動化システムは、ウェーハごとの半導体デバイスの歩留まりに直接影響することはないが、サイクル時間、スループット、WIP(進行中の作業)レベル、材料取り扱いなどの分野における製造所全体の生産性に影響を与える。
【0003】
新しい製造所がオンラインになるか、または新しいチップデザインの製造がスタートすると、製造所内に問題が生じることがある。このことは、デバイス、すなわちチップ、ウェーハごとの歩留まりに悪影響を与える。従って、製造所の稼動の開始時または新製品製造ランプの開始時において、製造所はウェーハごとのデバイスの歩留まりの改善に主な焦点を当てている。デバイスの歩留まりが改善するにつれ、製造所の焦点は製造所の運輸および生産性の改善に移る。製造所のトランスポート(輸送)の改善は、特により大きいウェーハの製造に関する問題となり得る。例えば、300mm以上のウェーハを製造するには、製造所内を通る、より自動化されたトランスポートが必要であり、よって製造所のトランスポートを改善することから利益が得られる。更に更にライン幅の小さい、より小型のテクノロジーノードのデバイスを製造するには、より多数のプロセスステップが必要となることがあり、このことは、製造所を通過する、より自動化されたトランスポートを必要とし、製造所におけるサイクル時間の管理をより複雑にする。従って、工場のトランスポートを改善すれば、より小型のテクノロジーノードのデバイスの製造をより有利にできる。
【0004】
一実施形態では、半導体製造設備(製造所)可視化システムが開示されている。この製造所可視化システムは、モニタすべき製造設備の物理的システムおよび属性を仮想的にモデル化するように構成された製造設備コンフィギュレーションモジュールを含む。更に製造設備の物理的システムとインターフェースし、物理システムから作動データを収集するように取得モジュールも構成されている。物理的システムから収集された作動データを収集し、集合するように可視化モジュールが構成されており、この可視化モジュールは、更に作動データを視覚的レンダリングに適したフォーマットになるように処理するよう構成されている。製造所可視化システムは、グラフィカルユーザーインターフェース内の前記製造設備の視覚的コンテキスト内で前記処理された作動データをディスプレイするよう、可視化モジュールによって制御されるグラフィカルユーザーインターフェースも備える。
【0005】
一実施形態では、半導体製造設備生産性システムが開示されている。このシステムは、GUIを通して製造所のデータを収集し、フィルタにかけ、プレゼンテーションするように構成された可視化モジュールを含む。このシステムは、可視化モジュールによって収集されたデータを分析し、製造設備の働きに関する問題を解決するように構成された分析モジュールも含む。このシステムは、可視化モジュールによって収集されたデータ、分析モジュールが発生したデータまたはそれらの組み合わせに応答し、前記製造設備内のシステムを制御するように構成された最適化モジュールも備える。
【0006】
一実施形態では、半導体製造設備(製造所)の作動をモニターするための方法が開示されている。この方法は、製造設備内の異なるシステムから作動データを取得する作動を含む。この方法は、取得した作動データを集合させる作動も含み、この方法は、更に集合させた作動データを前記製造設備の視覚コンテキスト内のGUIでレンダリングする作動も備える。
例として、本発明を示す添付図面を参照し、次の詳細な説明を読めば、本発明の上記およびそれ以外の特徴および利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の一実施形態に係わるVAOシステムの作動のフローの概観を示す図である。
【図1B】本発明の一実施形態に係わるVAOシステムを実施することによって実現できる、製造所の改良に対するある段階のアプローチを示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係わるVAOシステムの一般化されたアーキテクチャを示す。
【図2B】本発明の一実施形態に係わるVAOシステムの設置を示す図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係わる所定のOHVCマップファイルのためのオブジェクトの一組の構築例を示す。
【図3B】本発明の一実施形態に係わる、相互に接続されたノードの一組の例を示す。
【図3C】本発明の一実施形態に係わるジクストラアルゴリズムの流れを示す。
【図3D】本発明の一実施形態に係わる、相互に接続されたノードのうちの第2のうちのを処理するのに使用されるジクストラアルゴリズムの出力例を示す。
【図3E】本発明の一実施形態に係わるOHV位置の内挿方法を実施するためのVAOシステム内のデータフローを示す。
【図3F】本発明の一実施形態に係わる、更新された車両位置をレポートするデータ構造の一例を示す。
【図3G】本発明の一実施形態に係わる、車両が横断するためのルートのリストを含むデータ構造例を示す。
【図3H】本発明の一実施形態に係わる、一時的ノードによるネットワークの変更を例として示す。
【図4.1】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.2】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.3】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.4】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.5】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.6】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.7】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.8】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.9】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.10】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.11】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.12】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.13】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.14】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.15】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.16】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.17】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.18】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.19】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.20】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.21】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.22】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.23】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【図4.24】本発明の種々の実施形態に係わるVAOシステムによって発生される種々のGUIの、多数のスクリーンショットのうちの1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、発明を完全に理解できるようにするために、多数の特定の細部について記載する。しかしながら当業者であれば、これら特定の細部の一部またはすべてがなくても、本発明を実施できることが明らかであろう。その他の状況において、本発明を不必要に不明瞭にしないよう、周知のプロセスの作動については詳細には説明しない。
略語の定義
・AGV:自動化され、ガイドされる車両
・AMHS:自動化された材料取り扱いシステム
・BKM:最も知られた方法・・・工業的なベストのプラクティス
・DB:データベース
・EDA:電子デザイン自動化
・EFEM:機器フロントエンドモジュール・・・自動化された半導体機器では、ロードポート上のキャリアの間のウェーハをロードロックおよび/またはプロセスチャンバーへ移動させるツールのセクション
・FDIM:工場データ統合マネージャー・・・機器のデータを工場のデータシステムに対してコーディネートする製品
・FOSB:フロントオープニング出荷ボックス・・・設備の間で半導体ウェーハを運搬するためのキャリア
・FOUP:フロントオープニングの統一されたポッド・・・製造所内で半導体ウェーハを運搬するためのキャリア
・GUI:グラフィカルユーザーインターフェース
・ID:識別子
・LFC:リフター/エレベータおよび/またはそれに対応するコントローラ
・MES:製造実行システム
・MCS:材料制御システム
・MOHVC:マスターオーバーヘッド車両コントローラ
・OHT:オーバーヘッドホイストトランスポート(AMHSのフォーム)
・OHV:オーバーヘッドホイスト車両
・OHVC:オーバーヘッドホイスト車両コントローラ
・PM:予防的メンテナンス
・RFID:無線周波数識別器
・RGV:レールガイド車両(AMHSのフォーム)
・RPT:未処理プロセススループット
・RTD:リアルタイムディスパッチング
・SPC:統計的プロセス制御
・STC:材料保管/ストッカーおよび/またはそれに対応するコントローラ
・WIP:進行中の作業
【0009】
VAOシステムの概観
VAO生産性スイートとは、1つ以上のコンピュータシステムで実行できるツールの組み合わされた組のことである。このVAO生産性スイートは、VAOシステムとも称される。VAOシステムは、製造所のステータスおよび働きを視覚化し、分析し、最適化するための多数のコンポーネントを含む。可視化コンポーネント(VAO内のV)は、グラジカルユーザーインターフェース(GUI)を使って多数の製造所のシステムおよびそれらのデータ/ステータスの統合および視覚化を可能にする。分析コンポーネント(VAO内のA)は、多数の製造所のサブシステムおよびサイトからのデータに対し、高度な分析技術を使用することを可能にし、製造所のステータスの理解を助ける。最適化コンポーネント(VAO内のO)は、視覚化および分析パーツを使って識別された基礎となるデータおよびトレンドの理解に基づき、製造所の制御を可能にする。
【0010】
VAOシステムは、顧客によるカスタム化およびコンフィギュレーション可能性を考慮しており、よって半導体製造所のレイアウト、製品の優先度および時間経過に対するミックスおよびフォーカスの変化に関する顧客間の差に適合できるようにしている。従って、VAOシステムは、顧客のインフラストラクチャー特性の特定の組に適応できる。更にVAOシステムは、データの使用に合わせること、分析、および特定の顧客のビジネスニーズに対する最適化アプローチを可能にする。
【0011】
VAOシステムは、測定できる方法で製造所の生産性を改善する。この製造所の生産性の改善は、サイクル時間、工場のスループット、トランスポート効率(例えば変動の除去/低減)、在庫レベルなどの計量値で測定できる。VAOシステムは、製造所の全体のシステムの性能を検討するように構成されており、かかる検討事項として、製造所全体の計量値の測定および分析に基づき、製造所レベルの最適化を可能にする。
【0012】
図1Aは、本発明の一実施例に係わるVAOシステムの作動フローの概観を示す図である。VAOシステムは、3つのモジュール、すなわち1)視覚化モジュール、2)分析モジュール、および3)最適化モジュールを含む。図1Aに示されるように3つのVAOモジュールは、互いにインタラクティブに作動できるので、責任ある各モジュールのエリアに関して、統合された連続的な改善を可能にする。VAOシステムは、現在存在するアプリケーションと統合するように構成されており、新しいアプリケーションを追加することを可能にするものであると理解すべきである。更に、現在存在する製造所のインフラストラクチャをVAOシステムに置き換える必要はないと理解すべきである。VAOシステムの基礎となるアーキテクチャは、能力を追加する際のスケーリングが可能である。
【0013】
可視化モジュールは、GUIによりリアルタイムまたはほぼリアルタイムで、製造所のデータの収集、フィルタリングおよびプレゼンテーションを可能にするように構成されている、可視化モジュールは、製造所内の種々のソースからデータを収集し、データを統合し、フィルタにかけ、所望のフォームとし、視覚的にデータを提示する。可視化モジュールは、現在存在するデータ収集プログラムを置き換えるものではないが、製造所内の異なる独立したソースからのデータの統合およびプレゼンテーションを可能にすることにより、現在存在するデータ収集能力を改善するものであると理解すべきである。
【0014】
一実施形態では、可視化モジュールは製造所のルールを収集し、コード化するように構成されている。これらルールは、ビジネスルール(ロットサイズ、製品の相対値、製造容量対サイクル時間の相対的優先度など)と、稼動上のルール(PM(予防的メンテナンス)のためにどのようにツールのスケジュールをたてるか、どのように問題をレポートし、エスカレートするかなど)の双方を含む。ルールの収集およびコード化は、製造所からのデータが分析され、製造所の運用が最適化されるにつれ変化すると予想される。データの特定の組み合わせの可視化は、製造所を最適化するための所定の変化または機会を識別できると理解すべきである。
【0015】
分析モジュールは、可視化モジュールで提供されるデータのインフラストラクチャの上に構築され、製造所の性能の特徴に関する仮説をより詳細に作成し、調査するための追加的ツールおよび技術を提供する。一実施形態では、分析モジュールは、可視化モジュールが作動した後に作動され、特定の製造所の環境のために構成される。この分析モジュールは、種々の問い合わせに回答するのに必要な製造所のデータに関する分析を行うようになっている。簡単な問い合わせの例として、「ある特定のエラーの数は、昼のシフトと夜のシフトで大幅に変化するか?」を挙げることができる。より複雑な問い合わせの例として、「このバッチツールにおいて、キューサイズに関する特定のルールを変えることによってどれだけの量の製造容量を得ることができるか?」を挙げることができる。必要な分析を容易にするために、分析モジュールはどのデータを収集すべきか、どれだけの頻度でデータをサンプリングすべきかを識別するために、可視化モジュールにフィードバックできる。分析モジュールは、製造所の働きを最適にするための一部の機会を識別できるが、ある実施形態では、製造所の最適化の勧告しかしない。この実施形態では、製造所の制御命令の実行は、分析モジュールの外側で取り扱われる。例えば分析モジュールは、必要な容量を満たすために工場ではより多くの車両が必要であるとの回答をすることができるが、分析モジュールは、工場内により多くの車両を向ける責任を有していない。
【0016】
最適化モジュールは、分析モジュールの能力の上に構築されており、この最適化モジュールは、製造所に現在存在する自動化システムの性能を変える入力信号を制御または提供する能力を加える(アクション可能な制御)。最適化モジュールによって提供される最適化機能は、所定の制限およびバランスを使って標準的な最適化アプローチと、製品ミックス、製品プロセスフロー、ツールカウント分散およびマーケット重み付け(相対的製品コストの変化)の大幅な変化を操作する(変更し、反応する)能力の双方を可能にする。これら変化は、間欠的(例えば短期の価格の揺れ)または長期的(製造の増減)を含むことができる。これら可視化モジュール、分析モジュールおよび最適化モジュールは、事象を予想し、先制的なアクションをとるだけでなく、過去の特徴的ふるまいをパーフェクトにするよう、調和的に作動できる。更に、VAOスイートによって得られる最適化の解決案は、製造所内の種々の独立した自動化システムの設計および/または作動上の特性を改善するのに使用できる。
【0017】
更に可視化モジュール、分析モジュールおよび最適化モジュールは、互いにインターフェースするように構成されているが、VAOシステムは部分的に、または完全に設置できると理解すべきである。例えば一実施形態では、可視化モジュールしか設置されない。別の実施形態では、可視化モジュールと分析モジュールの双方が設置され、更に別の実施形態では、可視化モジュール、分析モジュールおよび最適化モジュールのすべてが設置される。図1Bは、本発明の一実施形態に従い、VAOシステムの実施によって実現できる製造所の改善に対するある段階の解決方法を示す図である。
【0018】
VAOシステムのアーキテクチャ
図2Aは、本発明の一実施形態に係わるVAOシステムの一般化されアーキテクチャを示す。このVAOシステムは、種々の製造所のシステムとインターフェースするように構成された多数のエージェントを含む。例えばこのVAOシステムは、製造所のMCS2002とインターフェースするように構成されたMCSデータおよび制御エージェント2001と、製造所のMES2004とインターフェースするように構成されたMESデータおよび制御エージェント2003と、製造所のAMHS2006とインターフェースするように構成されたAMHSデータエージェント2005とを含む。
【0019】
VAOシステムは、製造所のデータコンフィギュレーションモデル2007およびVAOデータベース(DB)2009も含み、これらの各々にはVAOシステムのVAO DBエージェント2011を介してアクセス可能である。更に、図2AのVAOシステムのアーキテクチャは、可視化エージェント2013、分析エージェント2015および最適化エージェント2017を示しており、これらエージェントは、それぞれ可視化モジュール、分析モジュールおよび最適化モジュールを実現するように構成されている。クライアントのログイン特権に従い、任意の数のクライアントターミナルにおいて、VAOシステムのモジュールが発生する種々のVAO GUI2019を見ることができる。VAOシステムの種々のエージェントと製造所とクライアントターミナルとの間のデータ伝送を容易にするように、サーバー2021を使用できる。このデータ伝送は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたはそれらの組み合わせを含む、基本的には任意のタイプのデータ伝送ネットワークを通して行うことができ、このデータ伝送は、基本的には任意のタイプの相互に理解されたデータ伝送プロトコルを使って行うことができる。
【0020】
図2Bは、本発明の一実施形態に係わるVAOシステムの設置を示す図である。図2Bの設置は、基本的には図2Aを参照して説明したアーキテクチャの拡張である。図2BのVAOシステムは、製造所のディスパッチシステム2024とインターフェースするように構成されたディスパッチデータおよび制御エージェント2023を更に含む。また、製造所のエンジニアリング/製造データベース2026とインターフェースするように、エンジニアリング/製造データベースデータエンジニアリング/2025も構成されており、製造所のストッカーシステム2028とインターフェースするように、ストッカーデータおよび制御エージェント2027が構成されており、製造所のOHTシステム2030とインターフェースするようにOHVCデータおよび制御エージェント2029が構成されており、製造所のコンベアシステム2032とインターフェースするようにコンベアデータおよび制御エージェント2031が構成されており、製造所のツールステーションコントローラ2034とインターフェースするようにツルデータおよび制御エージェント2033が構成されており、更に、製造所のツールフロントエンド2036とインターフェースするようにフロントエンドデータおよび制御エージェント2035が構成されている。
【0021】
VAOシステムは、特定の顧客のニーズを満たすためにカスタム化できるように設計されていることを理解すべきである。例えばVA0システムは、異なる多くのタイプのメッセージングシステム、データベースおよびインターフェースと作動するように構成でき、更に顧客固有のニーズを満たすようにカスタムデータ取得レイヤーを構築できる。これらカスタムデータ取得レイヤーは、データおよび/または提供された制御データを収集するよう、製造所のシステムとインターフェースするカスタムデータおよび制御エージェントとして構成できる。外部ソース、例えばデータベースまたはMCSもしくはMESからのデータを収集するのに使用されるデータエージェントを、データ取得レイヤーが備える。このデータエージェントは、データエージェントが収集したデータを取り込み、必要に応じてデータを処理し、データを適当な目的地にルーティングするように構成された制御エージェントによりカプセル化される。かかるデータ取得レイヤーは、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアもしくはそれらの組み合わせによって構成できる。更に、VAOシステムの可視化GUIは、どのデータをどのようにディスプイレするかについてカスタム化を可能にするために、エンドユーザーによってカスタム化できるように構成されている。
【0022】
VAOシステムは、製造所のデータソースからのデータを収集しても、製造所のデータソースまたはこれらの制御システムを変更しなくてもよいように、非侵入的になるように構成されている。VAOシステムは、製造に対するインパクトを最小とするためにフェイルオーバーを取り扱うようにも設計されている。例えばVAOシステムの作動上の障害が進行中の製造所の作動を妨害しないように、製造所のリソースから分離された独立した計算プラットフォーム上にVAOシステムのデータ取得レイヤーを構成できる。更に、VAOシステムの性能上の条件/目標を満たすのに必要な数の計算プラットフォームにわたってパラレルに作動するため、VAOシステムのモジュールおよびコンポーネントを分散できるよう、VAOシステムはスケーラブルとなっている。また他のモジュール/コンポーネントを乱すことなく、VAOシステムのモジュール/コンポーネントをアップグレードできる。従って、VAOシステム全体をシャットダウンしなくても、VAOシステムをアップグレードできる。更に、VAOシステムは、その働きのリモートモニタリングを可能にするためのリモート診断ロジックも含むことができる。
【0023】
VAOデータベースは、製造所およびこの製造所全体にわたって設置されるVAOシステムに関連する情報およびデータを記憶するように構成されている。例えば一実施形態では、VAOデータベースは、製造所データモデル情報、(VAO GUI要素およびユーザーによって発生されたGUI要素を含む)可視化GUIデータ、計量値を計算するためのパラメータ、分析計算のためのパラメータ、コンフィギュレーションパラメータ、サマリー履歴データ(例えば特にMES、MCS、顧客データベースおよびツールからの履歴データ)も含む。所定の製造所によって使用される計量値に基づき、この所定の製造所に対して可視化GUIをカスタム化できる。VAOシステムの種々のデータ取得レイヤーによって製造所のデータが収集される。この収集された製造所のデータは、VAOデータベース内で維持され、可視化GUIを通してリアルタイムでデータベースできる。更に、VAOデータベース内に記憶された製造所のデータから、カスタム化されたレポートを作成することもできる。更に顧客が自らのGUIを有する場合、VAOシステムは種々の技術、例えば特に.Net、ウェブサービスまたはストリーム化されたXMLを使って顧客のGUIを統合できる。
【0024】
可視化エージェント2013と、分析エージェント2015と、最適化エージェント2017とが結合し、1つのVAOコントローラモジュールを形成する。このVAOコントローラモジュールは、取得した製造所のデータの複雑なアルゴリズムの、統計的および/または論理に基づく分析を取り扱う。VAOシステムは、必要な製造所のデータに適用できる所定のアルゴリズム、統計および/またはルールに基づく分析の1組を含むように構成されている。VAOシステムのユーザーは、デリバリーの一部として提供される開発環境を使って、アルゴリズム、統計的分析またはルールに基づく分析の自らの組を作成することもできる。VAOコントローラモジュールは、リモート診断能力も含むことができる。VAOコントローラモジュールは、モデル化および/またはシミュレーションのための取得した製造所データを作成するようにも構成される。
【0025】
VAO生産性スイート(VAOシステム)の目的は、製造所の生産性を改善し、製造所の集中制御をサポートするために、半導体製造所に対して決定および制御能力を提供することにある。製造所の自動化された制御システムの任意の数のレベルでの制御の判断をするのに、適当なソースから収集された製造所のデータを使用する。VAOのシステムアーキテクチャは、顧客固有の、およびサイト固有の、製造所のインフラストラクチャーシステムにリンクするよう構成されている。一実施形態では、コンフィギュレーションツールを使ってコンフィギュレーションシステムを通し、リンクされたシステムを選択することが可能とされる。また、一実施形態では、多数の製造所のための集中コマンドおよび制御プラットフォームを提供するよう、ウェブに基づく能力および十分なセキュリティ条件がVAOシステムに設けられる。製造所の物理的サイズおよび製造所内の距離が増大するにつれ、更に多くの製造所がロケーション間のリンクを試みようとするにつれ、VAOシステムが提供する集中コマンドおよび制御プラットフォームは次第に適切かつ有効となる。
【0026】
VAOシステムは、予期しない入力またはフォーマット、作動の劣化したモード、VAOシステムのエラー、ハードウェアの故障などを含むオフノーマルおよび故障事象のフェイルセーフな取り扱いを可能にするように、十分ロバストな態様で構成されている。VAOシステムは最小のダウンタイムでアップグレード管理を可能にするようにも構成されている。更に、ステートをセーブする能力と共にアップグレードをトラッキングし、よって以前セーブされたVAOシステムのステートの再ローディングを可能にしている。VAOシステムは、すべてのログインアクティビティおよびすべてのユーザーのプログラミングの変更の記録を維持できる。これら記録は、適当に秘密状態とされたユーザーが見ることができる。
【0027】
VAOシステムは、一部のエンティティが他のエンティティよりも高いビュー/制御特権を有するように、階層的パスワード制御を含むパスワード制御を提供する。VAOシステムは、基本ユーザーのための現在存在する顧客セキュリティスキームを統合できるようにもなっている。VAOシステムは、異なるクラスのユーザーに対して異なるレベルのスクリーンアクセスを提供するように構成できる。また、書き込み能力を所定のクラスのユーザーおよび所定のスクリーンに制限することもできる。更に、VAOシステムは、ルールの変更、および/またはスクリーン変更特権を所定のクラスのユーザーに相関化するように構成できる。
【0028】
VAOシステムと製造所とを時間的に同期化し、よって製造所内の種々のデータソースに関連する種々のクロックとの同期化を可能にできる。またVAOシステムと外部のタイムクロックとを時間的にインターフェースすることができる。VAOシステムは多数の製造所のサイトにわたってデータをリンクするようにも構成できる。
【0029】
VAOシステムは、ハードウェアに依存しないように構成される。換言すれば、VAO生産性スイートは基本的に任意のタイプのハードウェア、例えばサーバー、ネットワーク装置およびクライアントシステム上で作動するように構成される。更に、vAOシステムは、オンラインマニュアルおよびオンラインヘルプリソースも含むことができる。
【0030】
VAOシステムは、現在存在する顧客のMESインターフェース、例えば特にSiView、factoryWorks、Fab300、Promis、WorkStream、Miracom、CAMSTARとインターフェースするように構成される。VAOシステムは、現在存在する顧客のRTDインターフェースとインターフェースするように構成される。VAOシステムは、冤罪存在する顧客のMCSインターフェース、特に例えばAsyst、Murata、Daifukuとインターフェースするように構成される。VAOシステムは、ステーション制御を可能にするように、EDAに準拠させることができる。VAOシステムは、製造所内の任意の数の機器のタイプに対し、機器データインターフェースを提供するように構成できる。VAOシステムは、設備およびウェブバックボーンインターフェースを提供するように構成できる。更に、VAOシステムの可視化エージェント、分析エージェントおよび最適化エージェントは、拡張可能となるように構成できる。従って、顧客、すなわち製造所は製造所固有の用途に必要なように、VAOシステムエージェントに対し、カスタム化された拡張案を開発できる。
【0031】
可視化モジュールの機能
可視化モジュールは、製造所の働き全体の統合されたビューを提供すると共に、(工場を通過して移動する車両のビューを含む)AMHSシステムのステータスと製造所内のツールのステータスの双方を示す。可視化モジュールは、製造所の働きの計量値をモニタするだけでなく、稼動中の製造所のビューも提供するための(GUIのフォームをした)多数のダッシュボードを提供する。
【0032】
可視化モニタは、マネージャーおよびシステムに対する工場データの収集、フィルタリングおよびプレゼンテーションを実行する。可視化モニタの目的は、データ収集プログラムを交換することではなく、異なるソースからのデータのプレゼンテーションおよび統合を可能にすることによりこれらデータ収集プログラムを改善することである。可視化モジュールは、製造所のルールの収集および符号化を考慮したものである。これらルールとしてビジネスルール(ロットサイズ、製品の相対値、製品容量対サイクル時間の相対的優先度など)と作動上のルール(PMのスケジュールをどのようにたてるか、問題をどのようにレポートし、エスカレートするか、など)の双方を含む。システム最適化のための分析を通して進化するにつれ、かつ製造所からのデータが分析されるにつれ、ルールの収集は変化する。データの正しい組み合わせを可視化する単なる行為だけで、所定の有利な変化を識別できる。製造所は可視化モジュールの出力に基づき、改善された性能を得るために変更を行うことができる。
【0033】
可視化モジュールは、高速の、例えばリアルタイムまたは近リアルタイムの品質管理および製造所の可視化を行うように構成される。例えば0.5秒につき1回のスクリーンリフレッシュよりも高い頻度で、可視化モジュールが提供する種々のGUIのためのスクリーンリフレッシュを行うことができる。可視化モジュールは、コンサルティング、サポート、プログラミングおよびデバッギングを容易にするよう、種々の言語、例えば英語、日本語、中国語、韓国語、ドイツ語などのディスプレイを高速で切り換えることを可能にするようにも構成されている。これら種々の言語の間の切り換えは、1つ以上のGUIボタンによってイネーブルできる。可視化モジュールは、種々の作動モードにおいて、製造所の選択領域からの静止画像およびビデオ画像を提供できる。更に可視化モジュールは、製造所内の種々のカメラへ制御インターフェースを提供することもできる。
【0034】
可視化モジュールは、製造所の種々の様相およびそれに関連するデータの多くのGUIダッシュボードのビューを提供するように構成されている。可視化モジュールが発生するGUIは、ナビゲーションおよびコマンドのためのインターフェースを提供する。可視化モジュールは、システム、アライメントボックス、ローミング設備などの上に特殊なセンサを搭載したトラベラー、例えばFOUPとインターフェースできる。可視化モジュールは、AMHSおよびツールステータスの変化が製造所で生じたときに、これら変化のGUIダッシュボードビューを提供するように構成されている。可視化モジュールは、種々のフォーム、例えばチャート、グラフ、表、マップなどでプレゼンテーションされた現在および履歴の製造所の統計値のGUIダッシュボードビューを提供するように構成されている。
【0035】
可視化モジュールは、相関化、トレンドおよびソートを実行する際に大きなデータの組を処理できる。例えば何十万もの列を含むデータの組を処理できる。可視化モジュールは、VAOシステムの外部にある種々のシステムに対し、レポート、グラフ、データおよびその他の情報をエキスポートすることを可能にするように構成されている。明らかに不良なデータをフィルタにかけ、フラグを立てるよう、可視化モジュールを制御できる。データのフィルタリングは、特定のアルゴリズムを使って実行できる。更に、人のチェックおよびフィルタリングのために、問題のあるデータにフラグを立てることができる。可視化モジュールは、問題、見解およびコメントなどに関する人による入力を捕捉し、検討および問題の解決を容易にするように、GUIに基づく機構を含むことができる。ツール、日にち、問題および基本的には他の適当な任意のインデックスにより、上記人による入力をカテゴリーに分け、ソートすることができる。
【0036】
可視化モジュールは、共用されるリソース、例えばFOUP、車両、プローブカードなどのGUIに基づく定義を可能にするように構成される。可視化モジュールは、製造所から取得した種々のデータのタイプに対して適用すべきルールを定義し、捕捉するための、GUIに基づく機構を提供するように構成されている。可視化モジュールは、製造所の要素、例えば製造所のサイト、建物、フェーズ、フロア、ベイ、ツール、作動、フロー、製品、モジュール、ルートなどの上の多数の(オーバーラップした)階層のGUIに基づく定義を可能にすることにより、多数の顧客のサイトおよび構造を取り扱うように構成されている。可視化モジュールは、製造所のモデル化およびシミュレーションツールに対するインターフェースを通して、種々の入力および出力構造をエキスポートしたりインポートしたりすることができる。
【0037】
製造所のデータのモデル化
製造所は、共通する要素を有するが、各製造所には、構造上および作動上の差がある。各製造所の階層、関係およびコンフィギュレーションを構築するために、VAOシステムの可視化モジュールは、製造所のロジックモデルを作成するためのツール/モジュールを提供する。この製造所のロジックモデルは、VAOシステムがモニタし、制御する物理的システムおよび属性を識別する。製造所のロジックモデルは、製造所の統合されたビューを構築するためにアプリケーションおよび工業エンジニアが使用するように提供すべきである。更に、可視化モニタのユーザーインターフェースでは、製造所のロジックモデル内の情報、例えば製造所のデータコンフィギュレーションモデルに基づき、ツールおよびそれらのサブコンポーネントのためのアイコンをディスプレイする。これによってVAOシステムは、ツールのサブコンポーネントレベルで所定深さにおけるステータスおよび統計値の更新値を提供することが可能となる。
【0038】
ルールエンジン
VAOシステムで提供されるルールエンジンとは記述、判断および分析のために利用できる論理的比較を可能にするツールまたはアプリケーションのことである。このルールエンジンは、ユーザーによる明示的ソフトウェアプログラム符号の提供をすることなく、関係のユーザーが指定した代数学的操作を実行するように構成されている。従って、「ルール」は、ユーザー、例えばアプリケーションエンジニア、プロダクトエンジニアまたは自動化エンジニアが設計し、実施することができる。VAOシステムのアーキテクチャ設計および人のインターフェース特性は、非ソフトウェアエンジニアによる効率的かつ生産的使用を可能にする。
【0039】
顧客の条件をより細かくするようにルールが作成されることが予想される。顧客により、および顧客のために作成されるルールは、「レッドルール」と称される。ふるまいおよび制御を細かくするVAOシステム内部のルールは、「ブルールール」と称される。VAOシステムは、レッドルールとブルールールを互いに分離し、かつこれらを保護できる。ブルールール内にVAOシステムの供給者の知的所有権(IP)を組み込んでもよいし、工場から工場へブルールールを複製してもよい。顧客のレッドルールは、保護する必要のある、顧客に所有権のある情報およびIPに関与し得る。コンフィギュレーションツールまたは製造所のロジックモデルから得られる多数の細部は、レッドルールのサブセットを形成し得る。従って、製造所のモデル化プロセスの一部として、例えば製造所のロジックモデルを開発する一部として、ルールにフラグを立てたり、または自動的に発生するための方法を使って、レッドルールを作成するのに必要な作業量を低減できる。
【0040】
トランスポートに依存するサイクル時間のモニタ
可視化モジュールのこの機能は、ロッドに対するトランスポートサイクル時間のうちのトランスポートレイヤーに依存する部分での計量値の収集を考慮したものである。MCSおよびこれより低いレベルのトランスポートコントローラから、トランスポート時間に関する情報を取得する。(例えば製品ロッドの自動化されたディスパッチと、モニタまたはテストロッドのマニュアルもしくは自動化されたディスパッチとを区別するために)ツール、ロッドおよびキャリアに関する情報がMESから得られる。可視化モジュールは、現在のデータおよび履歴データを使って、ベースラインおよびトレンドを設定することができ、次に、現在のデータを使って、サイクル時間の改善に関する進行状況をトラッキングできる。
【0041】
製造所のビデオカメラエージェント
製造所のビデオカメラエージェントは、ユーザーが選択したリアルタイムモニタだけでなく、後に再生するための記録の選択された事象でドライブされるトリガー(例えばトラヒック輻湊モニタを参照)を考慮したものである。製造所のビデオカメラエージェントによって強化できるアプリケーションとして、(カメラの数およびロケーションに応じて)トラヒック渋滞のトラッキング、停止した車両のトラッキングおよび製造所内のその他のエラー状態のトラッキングを挙げることができる。製造所のビデオカメラエージェントは、カメラ制御およびリンクエージェント、カメラのGUIスクリーンテンプレートエージェント、および記録の事象でドライブされるトリガーを支配するエージェントおよびルールを含む。
【0042】
トラヒック輻湊の記録および再生モジュール
この可視化モジュールコンポーネントは、限られた時間の間に製造所の選択された領域がトラヒックフローを記録し、後に再生することを可能にする。記録の「トリガー」は、定期的にマニュアルで行うことができるし、または分析モニタ(例えばトランスポートトラヒック輻湊モニタモジュールまたはトランスポートトラヒックステート分析機能を参照)からの、またはツール事象(例えば長い時間の後の炉、ストッカーもしくはその他の高要求量の要素の再スタート)からの、「事象」トリガーに基づいて行うことができる。
【0043】
記録エージェント部分は、ある時間の間に製造所の(あらかじめ選択された)領域内にあるか、この領域に進入したり領域から出る荷物に関するトランスポート情報の(圧縮された)記録を考慮したものであり、この所定の時間は、マニュアルでセットしてもよいし、あらかじめスケジュールを定めてもよいし、または外部事象および/またはエージェントによってトリガーしてもよい。後に分析できるようにデータを記憶できる。また、総メモリ、時間、または所定時間内の記録の回数に関する制限を設定するためのルールを決めてもよい。
【0044】
再生エージェント部分は、十分なセキュリティ特権のユーザーがクライアントのシステムでトラヒックの履歴を再生できるようにする。再生を通常速度、低速および高速で再生できるようにするための制御装置が設けられる。再生エージェントを使用することにより、ユーザーは輻湊の元となる原因を発見するのに役立つトレンド、または記録もしくはレポートのためのトリガーをするための別のアイデアを探すことができる。
【0045】
OHV位置内挿化方法
AMHSモニタによって得られるOHV位置およびステータスデータ取得頻度が、OHVの位置/移動をGUIスクリーン上に直接レンダリングするのに十分でないことがあり得る。例えば、製造所オペレータがGUIスクリーン上で1つのOHVの位置を追うことができないことがある。その理由は、OHVはOHV位置とステータスデータ収集ポイントとの間でGUIスクリーン上にディスプレイされる製造所のエリアの範囲を越えて移動し得るからである。利用できるOHV位置およびステータスデータ収集頻度に基づき、GUIスクリーン上にOHV位置/移動をレンダリングするための解決案について、以下、説明する。OHV位置に関連し、本明細書で説明を行うが、特にその他のルート制限されたトランスポートデバイス、例えばコンベア、レールガイド車両(RGV)および自動化されたガイド車両(AGV)にも同じ位置内挿方法を適用できる。
【0046】
半導体製造プラント(製造所)内の自動化された処理機器を保管位置との間で、製造プロセス(進行中の作業またはWIP)を受ける材料を移動させるのに、オーバーヘッドトランスポートシステムが使用される。プラントのオペレータは、製造サイクル時間を短縮し、高価な処理機器を完全に利用できる状態に維持するよう、材料の流れの効率を最大にすることに関心をもっている。材料の流れは運搬車両の利用可能性およびトラヒック管理のようなファクターによって大きく影響されるので、運搬車両が工場内を移動する際に、これらトランスポート車両の進行およびステータスを視覚的にモニタできることが有効である。
【0047】
オーバーヘッド車両(OHV)は、ディスパッチャーコントローラ(オーバーヘッド車両コントローラ、OHVC)との通信を維持し、車両がレールのネットワークを横断するときの位置を定期的にレポートする。レポートシステムは、ルートと称される部分にサブ分割されている。車両は移動する際の距離のカウントを累積するが、キーとなるロケーションにはレールに隣接して設置されたバーコードを有するプラカードがある。これらキーとなるロケーションとして、ルートへの入口、ルートからの出口、ドロップオフ/ピックアップポイント、OHVCドメイン間の転換部、運動プロフィルの変更が必要とされるロケーションを挙げることができる。車両は通過する際のバーコードプラカードを読み取りでき、プラカードが検出されたときのアクションをスタートできるバーコードリーダーを搭載している。バーコードプラカードを通過すると、ある事象が発生し、車両は適当なアクションをスタートする。ルートへの入口に遭遇すると、ルートのスタート点から測定される距離がゼロとされる。
【0048】
各OHVCは、各車両がルートドメインを横断するときにこのOHVCがモニタするルートおよび車両の集団を含む、スーパーバイザードメインを有する。ドメインを出る車両は、隣接するルートドメインのためのOHVCまで移動する。エリア内のOHVCは、マスターOHVC(MOHVC)下のステータスおよび車両情報を収集し、マスターOHVCはホストシステムに対するSEMI E−82インターフェースを実現する。ほとんどのケースでは、このホストシステムは、製造所の材料管理システム(MCS)となっており、このシステムは製造所の製造実行システム(MES)のための材料トランスポートおよび保管サブシステムを管理する。
【0049】
OHVのステータスおよび位置の収集を容易にするように、AMHSモニタと称されるサブシステムが設けられている。このAMHSモニタは、MOHVC、材料保管/ストッカー(STC)、リフト/エレベータ(LFC)およびMCSコントローラをポーリングするために、一連のデータ収集エージェントを使用し、その結果得られたステータスを中央データベースに記憶する。VAOシステムは、このデータベースからの車両位置を周期的に収集し、これを使って車両の位置をディスプレイする。一実施形態では、AMHSモニタは、十分に頻繁にOHV位置およびステータスを提供しない場合がある。例えばAMHSモニタは、5秒ごとに1回しかOHV位置およびステータスを提供しないことがある。この実施形態では、製造所のオペレータは、スクリーン上で1つの車両の位置を追うことができないことがある。その理由は、1回の更新期間内でスクリーンの範囲を越えて車両が移動する場合があるからである。本明細書に開示するOHV位置内挿方法は、OHV位置およびステータスサンプリングインスタンスの間のギャップを架橋するものである。本明細書の記載は、OHV位置に関連するものであるが、同じ位置内挿方法を他のルート制限されたトランスポートデバイス、特に例えばコンベア、レールガイド車両(RGV)および自動化されたガイド車両(AGV)にも適用できると理解すべきである。
【0050】
各OHVCは、1つのマップファイルを有する。オブジェクトの対応するセットを構築するために、各OHVCのためのマップファイルが読み出される。図3Aは、本発明の一実施形態に係わる所定のOHVCマップファイルのためのオブジェクトのセットの構築例を示す。各OHVCに対し、トランジットポイントConnectingModuleIDを別のOHVCのModuleIDへマッチングすることにより、接続されていない各隣接するOHVCを探す。ルートのスタート座標または終了座標(AtarMarkID、EndMarkID)のいずれかを探すためにTransitPoint MarkIDのペアの各々を使用し、ポイント間の位置のオフセットを計算する。これらポイントは一致していなければならないので、修正するために、隣接するモジュール内の各デカルト座標からオフセット量を減算する。
【0051】
次のように相互に接続されたノードのセットを作成する。各ルートに対するスタートポイントおよび終了ポイントを探し、各ユニークな終了ポイントに対するノードオブジェクトを作成する。ルート間で変換できる各ルートに対するNodeConnectionオブジェクトを作成する。ルートは指向性があるのでStartPointからEndPointまでの転換点しか含まない。図3Bは、本発明の一実施形態に係わる、相互接続されたノードのセット例を示す。この相互接続されたノードのセットは、2つのポイント間の最短パスを計算するためのエッジャーディクストラ(Edsger Dijkstra)のアルゴリズムへの入力を示す。図3Cは、本発明の一実施形態に係わるディクストラのアルゴリズムの拡張を示す。図3Dは、本発明の一実施形態に係わる相互接続されたノードのうちの第2ノードを処理するために適用されるディクストラのアルゴリズムの出力例を示す。図3DないのポイントNo.5は、真のノードではない。その理由は、別のコースはないからである(すなわちセグメントを共に接続することによってノードの数を低減できる)。あるルートから別のルートへOHVが移動する場合、このケースは頻繁に生じる。最短経路を探す際、まず働きを改善するために別のルートがないケースに対するチェックを行う。
【0052】
図3Eは、本発明の一実施形態に係わるOHV一内挿方法を実施するためのVAOシステム内のデータフローを示す。実行時間では、VAOデータ収集エージェントは、新しいOHVC位置に対し、AMHSモニタデータベースを周期的にポーリングする。次の情報と共に、VAOアプリケーションサーバー内にはデータサンプルが記憶される。
・OHV車両の製造所要素ID
・車両が存在する現在のエリアの製造所の要素ID
・車両が存在するフロアの製造所の要素ID
・車両が存在する(ラインおよびアークルート要素へのリンクを有する)ルートの製造所の要素ID
・ルートのスタート点に対する車両の位置
・データが更新された日にち/タイムスタンプ
・過去の車両のステータスの変更を示す日にち/時間およびステータス値のアレイ(ここで、ステータス値はスタートアップ、初期化、初期の待機、登録、BCテスト、ストップ中の待機、サーキュレーティング(待機走行)、ピックアップロケーションへの走行、ドロップオフロケーションまでの走行、ピックアップロケーションからローディング、ドロップオフロケーションへアンローディング、(ピックアップ)からの待機、(ドロップオフ)までの待機、元のインターロック、エラーを含む。
【0053】
次にクライアント内でOHVの位置およびステータスがバッファ化される。クライアントは新しいサンプルに対するウェブサービスを定期的にポーリングし、任意の変更のリストを検索する。データ構造では、更新された車両位置がレポートし戻される。図3Fは、本発明の位置実施形態に係わる更新された車両位置をレポートするデータ構造の一例を示す。次にクライアントは、車両が横断すべきルートのリストを含む、データ構造内に車両位置を所属させる。図3Gは、本発明の一実施形態に係わる、車両が横断すべきルートのリストを含むデータ構造の一例を示す。
【0054】
車両毎に1つのCarInterpolationインスタンスが存在する。CarPositionSampleオブジェクトのCarInterpolationのリストが空である場合、所定のルート位置および距離のもとでの新しいサンプルを記憶するだけである。CarPositionSampleオブジェクトのCarInterpolationのリストが空でない場合、最終サンプル位置から新しいサンプル位置までの経路を探す試みがなされる。ノードネットワークは数百ものノードを含むので、最短経路計算ごとにネットワークを再構築することは、実際的でない。その代わりに、最終車両位置および現在の車両位置を示す一時的ノードにより、同じネットワークを変更するだけである。単一方向性は厳密には不要であるので、問題を一般的なディクストラ実施方法によりぴったりと適合させる。(所定のコンベアまたはRGV実現例で遭遇する可能性のある)双方向のルートセグメントを取り扱うよう、一部のステップ(ケース)を追加することによってアルゴリズムを変えることができる。
【0055】
図3Hは本発明の一実施例に係わる一時的ノードを有するネットワーク変更例を示す。図3Hに示されるように、トラッキング方向が(3)、(5)、(1)、(2)のように構成されていると仮定した場合、方向の選択はないので、(8)、(5)、(9)が暗示される。スタートから終了までの分岐ポイントはないので、ディクストラ方法は使用しない。上記ディクストラの計算から得られた結果を記憶し、可能な場合には優先的に使用する。上記のテストに失敗した場合(すなわち図3H内の(8)と(9)との間の分岐ポイントがある場合)、(5)から(1)までの前の計算に関するチェックを行う。どのルートも単一方向であることが解っているので、この方法は可能である。従って、終了位置から1つのルートだけ戻り、スタート位置から1つのルートだけ進み、スタートおよび終了候補点を得ることが可能である。
【0056】
スクリーン上にディスプレイされている車両位置を更新するように、タイマーが作動する。一実施形態では、このタイマーは500ミリ秒ごとに作動する。タイマー事象ハンドラーは、現在の時間から任意の時間(例えば15秒)を減算し、この時間に基づいて現在の位置を計算する。これは、CarPositionSample値のアレイを通るように繰り返し、サンプル時間の間にターゲット時間が存在する連続オブジェクトを探すことによって実行できる。次に、全ルート距離に対し、経過時間のフラクションを乗算することにより、第2ルート内の現在のオフセットを計算する。
【0057】
例えばサンプル#1が12:00:00にあり、サンプル#2が12:00:05にあり、サンプル#3が12:00:10とする。サンプル#3に対するルートパス内の総距離は6mとなり、クライアントのディスプレイ時間は12:00:05.2となるので、サンプル#3に対する総時間のうちの4%、すなわち200ミリ秒しか経過しておらず、走行した距離は、24cmに設定される。計算されたルート経路に沿ったセグメント24に対するラインまたは円弧公式を使って、デカルト座標を計算できる。自動車のディスプレイは、時間がオフセットしているので、時間のディスプレイは車両のステータスとなる。車両のステータスは、グラフィックのカラーを決定するので、履歴ステータスと位置とを一致させることが重要である。位置サンプルに対するVehicleStatus2_Pairのアレイをサーチすることによって正しいステータスを発見できる。
【0058】
分析モジュールの機能
分析モジュールは、可視化モジュール内に提供されるデータインフラストラクチャの上に構築され、製造所の働きの特徴の仮説をより詳細に作成し、調査するための追加的ツールおよび技術を提供する。分析モジュールは基本分析、例えば日にち、シフト、米、ツール、メンテナンスなどによるE84エラーパレート分析だけでなく、より複雑な分析、例えば容量対キューサイズおよびツールの合否なども含む。分析モジュールによって発生される分析結果は、可視化フェーズに対する潜在的な変更条件(例えば収集するデータの変化およびどの頻度とするか)を表示できる。分析モジュールは働きを最適化するための機会を識別し、関連する製造所の調節勧告を提供できる。勧告される製造所の調節の実際の実行はマニュアルで行ってもよいし、または最適化モジュールにより調和させることができる。
【0059】
分析モジュールは、工場の問題および/または工場の働きの欠点に対応するデータパターンを識別し、対応する根本的な理由の決定を容易にするように構成されている。分析は、新しいダッシュボードビュー(GUI)およびデータの計量値を含むことができるが、分析モジュールによって可能とされる分析能力は、テストのための性能に関する仮説を作成し、調査するためのツールおよび技術の提供を含むと理解すべきである。この分析問題は製造所の変数の変動および基礎となる分布を理解することが、製造所の変数の平均値およびトレンドを理解するのと同じように重要であるという予測をもって構成される。更に、製造所の働きが改善するにつれ、かつ製造所の不効率の残りの理由が「エラー訂正」から「作動上のルールの改善」に変化するにつれ、製造所の変数の変動および基礎となる分布を理解することの重要性が高まる傾向がある。
【0060】
VAOシステムの分析モジュールは、次のものを含むが、これらだけに限定されない、多数の異なるタイプの分析技術を提供する。
・比較分析:時間を変えることができるように設定できる場合の良好な時間と不良な時間との間の差異
・基本値分析:トラヒック渋滞、WIPバースト
・機会的サーチ:恐らくは時間が進むにつれ、「缶詰」状態となる調査的分析
・シミュレーションおよび「ホワットイフ(whatif)」分析
・ルール変更分析
【0061】
多数の分析モジュールの機能について、以下説明する。分析モジュールは、判断および分析のために使用できる論理的データ比較を可能にするように構成されている。分析モジュールは、データ間の代数的関係のGUIに基づく作成および評価を行うようにも構成されている。例えばGUIは、ユーザーがトレードオフ値関数の使用およびデータ重みづけパラメータの仕様を含むルール代数学を入力し、編集し、操作できるように構成されている。更に、ユーザーが再使用可能な関数を作成し、セーブすることもできる。セーブされた機能は、分析モジュールが提供するGUI内のドロップダウンメニューを通してユーザーがアクセスできる。
【0062】
VAO生産性スイートの外部のアプリケーションに対するリンクを含むように、ルールを開発することもできる。分析モジュールは、発行された特権に従って種々のエンティティによるモジュールへのアクセス制御を可能にするよう別個のセットのルールを維持できる。更に、ルールを読み出し、削除し、および/または編集する能力をログインのクラスおよび/または特定ルールのセキュリティの設定に応じて決定できる。分析モジュールは、ルールの変更をトラッキング/ログし、以前セーブしたルールのステートにロールバックすることを可能にするように構成される。分析モジュールは製造所の論理モデルに対する入力へのリンクに基づき、一部のルールを発生するように構成できる。分析モジュールは製造所のサイトに従い、ルールを組織化し、分離することができる。例えば多数の製造所のサイトがVAOシステムに接続されるにつれ、あるサイトと別のサイトの間でルールの多少異なるバージョンが存在し得る。分析モジュールで使用するためのルールを開発し、テストし、次に顧客が使用できるようにレリースすることができる。
【0063】
分析モジュールは、統計的関数を含むフィルタ、ソートおよび機能上の組み合わせを適用することにより、現在存在するデータセットから新しい変数を抽出することを考慮したものである。分析モジュールは、時間軸上でデータを再生することを可能にするよう構成できる。再生のスピードはユーザーが調節できる。分析モジュールは、周波数−空間分析、すなわちフーリエ分析を所定のデータセットに対して実行するように構成できる。また、分析モジュールは、金融上の計量値、例えばリターンオンインベストメント(ROI)、アクティブティに基づくコスティング(ABC)などを計算するように構成できる。分析モジュールは、標準化された製造所の働きおよび診断アプリケーションを実行し、製造所のフィンガープリンティングまたはベースライニングを可能にするように構成できる。その後の詳細な分析をガイドし、性能を改善した前後の働きの改善を測定するのに、これらフィンガープリンティング/ベースライニングを使用できる。
【0064】
製造所内のトラヒック渋滞/輻湊を分析するように構成できる。例えば製造所内の所定のエリア(例えばツール、ルート、交差点、ベイ、フロアなど)内の所定のエンティティ(例えばFOUT、ウェーハ、車両)の密度を測定し、記録するタイムスケールで分析を実行できる。このトラヒックの渋滞/輻湊分析は、製造所のロジックモデルおよびルールエンジンに従い、時間履歴をトラッキングし、計量値をモニタし、警告を発生できる。また、警告を含むトラヒック渋滞/輻湊分析の結果を可視化モジュールへ伝え、現在ディスプレイされているコンテキスト内でレンダリングできる。更に、トラヒック渋滞/輻湊分析の結果を、最適化モジュールへ伝え、製造所内の補正または予防的措置をとることを可能にできる。
【0065】
製造所内のボトルネックおよびバーストを識別し、評価するように、分析モジュールを構成できる。このボトルネック/バースト分析は、ツール、トランスポート、キューイングおよび/またはプロセスフローに関連させることができる。平均値および変数の計算および比較を可能にするように、ユーザーが定めた、またはあらかじめ設定した時間スケールで、ボトルネック/バースト分析を実行できる。トランスポートに応じたロットサイクル時間を分析の態様をトラッキングするための計量値としてモニタするように、分析モジュールを構成できる。この分析モジュールは、製造所内の負荷バランスを評価するように構成できる。例えばこの負荷バランス分析は、平均的な方法で変化および時間スケールに関して種々のリフト、車両、ストッカー、ルートなどのトランスポート負荷を比較できる。変数の関数分析に基づき、製造所の作動場のステートを評価し、伝えるように分析モジュールを構成できる。ステートの定義を階層的、ブルーおよびレッドルールの関数とすることができる。一部のステートの例を、カオス状の製造所、オーバー負荷状態の製造所または正常な製造所とすることができる。製造所のステート分析は、製造所がいつ/どのように、あるステートから別のステートに移ったかをトラッキングするよう、フェーズ変化を識別することもできる。種々の学習システムを作動させ、パターンを識別し、改善のための変更を示唆するように分析モジュールを構成できる。
【0066】
人がガイドするデータのサーチおよび比較を考慮するために、データおよびコンテキスト情報を含む分析結果を外部プログラムへエキスポートするように、分析モジュールを構成できる。分析モジュールは種々の形態、例えばパレートプロット、コントゥアプロット、3Dプロットおよびカラープロットで、データおよび分析結果を伝えるための多数のGUIを提供するように構成される。製造所のステートフィンガープロットを記憶するように、「ヒートマップ」のプロットを発生することもできる。分析モジュールは、可視化モジュールを通してアクセスできるデータから、新しいグラフを作成するためのウィザードを提供するように構成できる。分析モジュールは、製造所の状態、例えばトラヒック渋滞およびボトルネックベイを見るためのGUIに基づくダッシュボードを提供する。分析モジュールは、WIP計算のためのGUIに基づくダッシュボードを提供する。
【0067】
一実施形態では、分析モジュールは、大規模なセットを取り扱い、可視化のための持続した新しい変数を定義するための強力なヒューマン(人)−インターフェース分析エンジンと結合された、半自動サーチ(BKM比較)を行う「機会識別子」を含む。この分析モジュールは、製造所のシミュレーション能力を提供するようにも構成できる。かかるシミュレーション能力によって、観察された製造所のデータに基づき、将来の製造所のデータを予測することが可能となり、更に観察された製造所のデータおよび予測された製造所のデータの双方に対し、サーチ、分析および計算を行うことが可能となり、判断の実行をサポートできるようになる。この製造所のシミュレーション能力は、入力および/またはルールのサブセットに対する「ホワットイフ」分析も含む。
【0068】
トラヒックの輻湊モニタモジュール
トラヒック輻湊モニタモジュールは、製造所におけるトラヒック輻湊イベントのための記録およびレポート能力を提供する。このトラヒック輻湊モニタモジュールは、製造所のトラックまたは領域のあるセクション内の車両密度を分析し、これに関してレポートできる。更に、トラヒック輻湊モニタモジュールは、製造所内の輻湊に対するローカルツールの効果を検討するように構成できる。例えばこのトラヒック輻湊モニタモジュールは、メンテナンス後または停止事象後に、大スループットツールがオンラインに復帰したときに、輻湊事象が生じる傾向があるかどうかを評価できる。
【0069】
輻湊事象が製造所内で生じるときに、輻湊事象を観察する他に、トラヒック輻湊モニタモジュールは輻湊事象に対する早期のプリカーサ/相関性、例えば差し迫ったトラヒック渋滞を識別するように構成できる。根本的な原因および/または早期のプリカーサ/相関性が学習されるにつれ、トラヒック輻湊モニタモジュールエージェントは他のエージェントに対して通知(警告、アラーム)を送ることができる。これら通知は記録をトリガーできるし、または後に自動制御要素により(可能な場合には最適化モジュールにより)差し迫った輻湊事象を緩和するように使用することができる。
【0070】
トラヒックステート分析モジュールは、製造所内または製造所の特定のエリア内の輻湊の特徴を定めるクオリティオブサービス(QoS)の計量値を計算するための分析を実行できる。トラヒック渋滞の記録をスタートすることをトラヒック輻湊モニタモジュールに命令したり、または製造所における悪いトラヒック状態を回避するための先制的アクションをとることを最適化モジュールに命令するためのトリガーとして、これらQoS計量値を使用できる。製造所におけるトランスポートフェーズの変化を決定するための分析を実行するように、トラヒックステート分析モジュールを構成することもできる。
【0071】
トラヒック輻湊モニタモジュールは、深刻な輻湊およびE84エラー率の増加のようなものに対するリアクションの情報を識別することに焦点を合わせているが、トラヒックステート分析モジュールは、輻湊の状況を改善するために、より固有の問題を識別すると共に、製造所のふるまい(ルール)の変更を提案するように作動する。例えばある領域のトラヒック密度がクリティカルな「渋滞」レベル近くまで増加したとき、トラヒックステート分析モジュールは、最適化モジュールに、ある事象を送るように作動し、影響を受けた領域までのトランスポートおよび影響を受けた領域を通過するトランスポートが、より高い優先度のジョブだけに限定されるようにし、他のジョブは(優先度または目的地のステートに応じて)ルーティングし直すか、または遅延させるようにすることもできる。
【0072】
E84事象モニタエージェント
MCSおよびOHVCからの情報、アクティブサイドからの情報およびパッシブサイドからのMES(ツールコントローラ)からの情報を取得し、これらを組み合わせるように、E84事象モニタエージェントが構成されている。従って、警告およびアクティブサイドからのタイミングに対する情報およびツールステート、ロードポート(E87)ステートに関する情報とパッシーブサイドからのキャリアIDを組み合わせて、次のようなE84に関連する問題事象のトレンドを高レベルで分析することができる。
・特に事象(または事象のシーケンス)が生じたときに、アクティーブログとパッシブログとが一致しない事象に対するタイプ(ツールで誘導、レディー状態にない、ハードウェア、未知など)による事象のパレート分析
・デリバリー車両によるパレート分析
・キャリアのタイプ(FOUP対FOSB、FOUPブランド/モデル、FOP ID)によるパレート分析
・目的地による(ツールグループによる、ツールによる、ロードポートによる)パレート分析、および
・一日のうちの時刻によるパレート分析
【0073】
E84事象モニタエージェントによって取得され、発生される情報を使って、E84事象の低減時の進行をトラッキングし、詳細な分析および補正活動のためのキーとなる領域/ツールを識別することができる。
【0074】
高度E84診断モジュール
高度E84診断モジュールは、E84事象モニタエージェントによって識別される、より持続的にトラブルが生じる製造所の領域および/またはツールに対して適用すべきソフトウェア、ハードウェアおよびサービス活動の、より強力な組み合わせを提供し、エラー率を低減すると共に、E84に関連する根本原因の分析を助ける。一実施形態では、高度E84診断モジュールは、直接的なE84パラレルI/Oモニタリングのための診断ハードウェアモジュールの組み合わせ、および/またはハンドオフ中に、存在および設置センサ、並びにRFID(キャリアID)データのE87キャリアおよびランドポートステートマシンの真のステートを捕捉するためのスカウトハードウェア接続およびFDIMツールモニタの組み合わせを含む。結果に基づき、高度E84診断モジュールは、特定のソフトウェアまたはハードウェアテストを示唆することができ、このテストの結果、ツールソフトウェアのふるまいを変えるためのリクエストまたは当該ツールのマニュアル装填モードと自動装填モードとを切り換えるための作動上の手順の変更のリクエストがなされる。
【0075】
RPT分析モジュール
RPT分析モジュールは、ツール事象へのFDIMリンクを使って詳細な内部ツールスループット分析およびレポートを実行するように構成されている。RPT分析モジュールは、詳細なツールレベルの情報を集め、ツール(および製造所)の生産性を最適にするよう、選択された特定のツール(およびレシピ)に対して変更できる。FDIMツール接続ソフトウェアは、ツールおよびツールコントローラに接続し、特定の詳細なタイミング情報を収集するのに使用できる。特定のツールおよび必要とされるタイミングの特定の詳細によっては、製造所から限られた物理的(ハードウェアによる)検出またはセンサ接続が必要となることがある。ツールから詳細な情報を収集するためにRPT接続エージェントを設けることができる。(ツールステートを例えばオンラインで、またはメンテナンス時に識別するよう)MESリンクから追加情報を取得するようにRPT接続エージェントを構成することもできる。RPT GUIエージェントは、特定の実行の詳細を検討するか、または多数の実行を比較し、(かつプログラムが進行する際には多数のツールを比較する)レポートを発生するための能力を提供する。
【0076】
作動上のボトルネックおよびWIPバランストラッキングエージェント
作動上のボトルネックおよびWIPバランストラッキングエージェントは「バブル/バースト」および「キューリザーブ」または上流側の事象に対する欠乏状態の保護の分析を含む、作動、ツールグループ、ツールによるキューサイズの計算を実行するように構成される。作動上のボトルネックおよびWIPバランストラッキングエージェントは、トランスポートと、ツールと、選択された作動上のエリアおよびツールグループ内のMESデータとを組み合わせ、ラインバランスを理解すると共に、ツール、保管、バッファおよびトランスポートシステムでの「バースト容量」の要求を理解するように構成される。
【0077】
(垂直炉のようにツールの内部バッファ内のロットを適正に取り扱うよう)EMS(ロットのロジカルロケーション)およびツール情報から作動上のキューサイズ情報を収集できる。作動(プロセスステップ)により、ツールグループにより、ベイ(物理的近接度)により、(キャリア、ウェーハおよび予想されるプロセス時間に関して測定された)キューサイズを分析することができる。より高度な分析は、クリティカリティにより(すなわちよりクリティカルなツールに対する欠乏のリスクファクターにより)、およびツールからの「距離」(ツールからの非ロードポート−待ち行列状態のロットの時間的分離および距離の分離を考慮した計量値)により、重り付けされた計量値を提供できる。ツールグループおよび作動により、「キューリザーブ」(停止事象からの保障)の計量値を発生するのに、これら測定値を使用できる。ウェーハ、キャリア、ジョブ、時間またはリスクファクター、例えば確率的事象(例えばツールの破壊、プロセスのスローダウン、人による干渉)などの可能性を含むことができる「確率的時間」およびマッチングする回復時間に換算してキューを計算することができる。還元すれば、「リザーブ」の単位を単にWIP量ではなく、「ディスクリザーブ」とすることができる。
【0078】
作動上のボトルネックおよびWIPバランストラッキングエージェントによって実行される別の分析は、下流側ツールおよびトランスポートシステムに対する「バースト」予測(高スループットツールの長い停止時間またはスキューされたディスパッチによって生じるWIPレベルのアンバランス)に向けられる。当初、これらは進行する時間内の特定製造所エリア内の保管量またはトランスポートのニーズの変化に対する表示を提供できる。製造所内の変動をバランスさせ、制御するよう、補正的措置をとるための最適化モジュール要素に対する入力として、これら表示を使用できる。
【0079】
最適化モジュールの機能
最適化モジュールは、高度な計算および/または製造所のモデルに基づき、(ニアタイムまたはリアルタイムで)最適化出力および制御信号を提供するように構成されている。従って、最適化モジュールは分析モジュールから、および/または独立した最適化技術から集められた知識に基づき、製造所の働きを改善するために製造所の稼働を実際に制御するように構成されている。最適化モジュールによって実施される最適化技術は、適合可能であり、再度プログラミングすることなく、かつルールの実質的な書き直しをすることなく、大幅に異なる問題のセットを取り扱うことができる。一実施形態では、最適化問題は「システムレベル」のモニタ(例えば新しく発生するふるまいに基づく、製造所内の「位相シフト」の識別)に基づき、製造所のシステムのふるまいの変更を提案する「学習」システムを含む。
【0080】
所定の制限およびバランスの標準的な最適化アプローチを使用する他に、最適化モジュールは、製品ミックス、製品プロセス符号、ツールカウント分配およびマーケットの重みづけ(相対的製品コストの変化)の大きな変化に応答して、製造所の制御を操作(変更、修正、反応)することもできる。これら変化は、間欠的な変化(例えば、短期容量価格スイング)または長期変化(製造のランプ関数状の変化)を含むことができる。更に、最適化モジュールは、事象を予測することもできる。
【0081】
最適化モジュールは、存在するままの工場を最適にするように構成されている。従って、最適化モジュールは、工場内の多数の値を制御し、一部の最大値関数を得ることができる。一実施形態では、最適化制御は最適化モジュールによる完全自動製造所最適化制御を可能にする前に、オフラインでマニュアルにより有効とするか、またはテストすることもできる。従って、最適化モジュールは示唆モードまたはアクションモードのいずれかで作動するように設定できる。
【0082】
最適化モジュールは、製造所内の特定のサブシステムに対し、直接的コマンドを送るように構成される。これらコマンドは、種々の目的のために、例えば優先度を変える、WIPに再命令する、ロットのステータスまたはツールのステータスを変える、などのために向けることができる。更に最適化モジュールはRTDシステムと相互作用するように構成される。最適化モジュールはリニア技術および非リニア技術の双方を含む種々の最適化技術を実施することもできる。種々の最適化技術でテストを作成し、実行し、製造所内での実施前にテストの安定性を証明することができる。更に最適化モジュールは、最適化技術の使用および最適化技術のマニュアルによりオーバーライドを記録するように構成される。更に、最適化モジュールは、分析モジュールと結合し、高度計算および/または製造所のモデルに基づき(ニアタイムまたはリアルタイムで)最適化出力および制御信号を提供するように構成される。
【0083】
追加的VAOシステムの能力
「データ」および「制御」インターフェースをMESおよびその他のAMHSソフトウェアコンポーネントに露出させるVAOエージェントの開発を通して、VAO生産性スイートは次のアプリケーションを可能にする。
1)仮想的材料取り扱い製品、
2)ステーションコントローラに基づく材料管理、
3)スーパークラスターツール、および
4)「オークション」に基づくディスパッチ
以下、上記アプリケーションの各々についてより詳細に説明する。上記アプリケーションは、VAOシステムによりイネーブルできる少数のアプリケーションを示すと理解すべきである。
【0084】
仮想的ロードポート
この概念は、現在の製品の拡張として材料取り扱いハードウェアを利用する「仮想的」製品または拡張製品を創出することである。この一例は、ツールロードポート(仮想的ロードポート)としてストッカー内でロードポートを利用することである。ストッカーは自らの上の製品であり、半導体ツールは自らの上の製品であるが、制御インターフェースおよびデータインターフェースを(VAOエージェントを介し)ストッカーロボット、ロードポートおよびコンベアに露出させることにより、ツールステーションコントローラはツールの拡張としてこれら機構を制御することを可能にする。このように製造所のMESによって見られるロードポートの数を増やし、よってツールに機構を加えることなく、ツールのバッファ能力を高めることができる。ツールによる使用のためにストッカーからロードポートが割り当てられる。
【0085】
ステーションコントローラに基づく材料管理
材料取り扱いシステムのためのデータおよび制御エージェントを作成することによって可能となる別の原理は、ツール自動化を保管ロケーション(例えばストッカーおよび別のツールロードポート)内に拡張し、ツール内に材料取り扱いシステムを実際に吸収できるようにすることである。自動化の観点から、材料の取り扱いは、これら「拡張された」ツールステーションコントローラによって完全に制御される。これら「拡張された」ツールステーションコントローラは、MCSおよびMESシステムによって命令されるのではなく、転送のロジスティックを直接互いに取り扱う。各ツールのステーションコントローラがストッカー内のロードポートまでの材料の移動を制御する場合、「ツール間」の転送はあるストッカーロードポートから別のポートへストッカーのロボットで転送することに等しい。
【0086】
スーパークラスターツール
この概念のより大きな拡張は、半導体ツール、例えばプロセスツールのベイおよび度量衡ツールのベイをこれらの間のコンベアまたはOHTシステムを直接制御することにより、1つの「スーパークラスターツール」にマージできるよう、スーパークラスターツールを創出することであり、よって1つのツールがプロセスを完了すると、ウェーハのロットをMESおよび中心ディスパッチソフトウェアからの介入を受けることなく、次のプロセスストップまで直接移動できるようになる。どのツールがどのツールに進むかを判断するために、従来のディスパッチを利用するのではなく、「オークション」に基づくディスパッチャーを利用することになる(次の概念を参照)。この種の自動化のワイドなスケールの実施は、ウェーハ製造所におけるツールカウントを大幅に削減でき、よってウェーハ製造所におけるMESディスパッチの複雑さを低減できる。材料の必要量を予想しながら材料の移動を実行できるので、クラスター化されるツール間のスループットも増加し、コンベアの伝送へのMCSへのディスパッチに対するMESのオーバーヘッドが解消される。同じインターフェースを使ってクラスターツール能力にストッカー保管およびアンダートラック保管を追加することもできる。
【0087】
「オークション」に基づくディスパッチ
この概念は、製造所全体にわたり、製造所のベイ内、または上記「スーパー」クラスター概念の内部で適用できる。所定のタイプの、利用できるかまたはほぼ利用できるすべての「ツール」からのオークション時にウェーハのロットが転送時間の入札をリクエストし、最低(時間)入札者がロットを受け取るように、「オークション」プロセスによってディスパッチを取り扱うことができる。「ホット」なロットは、オークションのためのロットを最初とすることができる。入札時間は、ロードポートが(ロットの完成を予想して)利用できるようになるまでの時間、およびツールまでの転送時間(ストッカーロボットの転送時間+適用できるOHTまたはコンベアのトランスポート時間)を含む計算値となる。入札が送られる前に、リアルタイムでサブシステムの故障を処理するように、ツール、ロードポート、コンベアルートまたはOHTのルートのステータスがチェックされる。このディスパッチ方法におけるロットは、最も近いツール(最低移動時間入札)まで移動されるので、スループットが最適化される。材料の移動に関する判断は、あらかじめ計画が立てられるものではないし、また古くなった情報に基づくものではなく、ツールおよび材料転送システムからの最新のリアルタイム情報によって決定される。
【0088】
VAO GUI
図4.1〜4.24は、本発明の種々の実施形態に係わる、VAOシステムによって発生される種々のGUIの多数のスクリーンショットを示す。図4.1〜4.24に示されたGUIは例示であり、VAOシステムの完全なGUI発生能力を示すものではないと理解すべきである。以下、図4.1〜4.24のGUIの例の各々について簡単に説明する。
【0089】
図4.1は、本発明の一実施形態に係わる製造所可視化GUIを示す。このGUIは、GUIの作動を制御するための多数の制御ボタンを含むトップメニューバー102を備える。ドロップダウンメニュー101は、テーブル/グラフのディスプレイを分析のための種々のフォーマットに変換することを可能にし、ドロップダウンメニュー103は、特定の製造所の選択を可能にし、ドロップダウンメニュー105は、選択された製造所の特定のフロアの選択を可能にし、ドロップダウンメニュー107は、選択された製造所の選択されたフロアの特定のフェーズ、すなわちセクションの選択を可能にし、ボタン109は、選択された製造所のフロアの側面図と平面図の切り換えを可能にし、ドロップダウンメニュー111は、選択された製造所のフロアの、あるタイプのディスプレイの選択を可能にする。ボタン113は、ディスプレイされた製造所のフロア上のストッカーのためのオン/オフスイッチである。ボタン115は、ディスプレイされた製造所のフロア上のリフターのためのオン/オフスイッチであり、ボタン117は、ディスプレイされた製造所のフロア上の機器のためのオン/オフスイッチであり、ボタン119は、ディスプレイされた製造所のフロア上のOHVルートのためのオン/オフスイッチであり、ボタン121は、ディスプレイされた製造所のフロア上のロードポートのためのオン/オフスイッチである。
【0090】
ドロップダウンメニュー123は、材料の再ルート化またはディスパッチプランの変更のようなアクションの制御を可能にし、ドロップダウンメニュー125は、ディスプレイ/分析のための種々の製造所のデータチャートの選択を可能にし、ボタン127は、GUIに示された選択された製造所のフロアのスナップショットの捕捉を可能にし、ボタン129は、ある言語から別の言語への瞬間的な翻訳、例えば英語から日本語、その逆の日本語から英語への翻訳を可能にする。フィールド131は、GUIにディスプレイされている選択された製造所フロアのステータスに対応するデータおよび時間を示す。インタラクティブマップ133は、フロア(F1、F2、F3、F4、F5)およびフェーズ(P1、P2、P3)により製造所を示す。インタラクティブマップ133内の列またはブロックを選択すると、製造所のうちのセクション(フロアおよびフェーズ)がGUIにディスプレイされる。このGUIは、ディスプレイ領域145を更に含み、この領域内で製造所の選択された部分の外部の略図/ダイヤグラムがディスプレイされる。
【0091】
GUIは更に下方ウィンドー134を含み、このウィンドーではタブフォームまたはグラフィックフォームのいずれかで製造所のデータ147がディスプレイされる。ボタン135は、下方ウィンドー134内でテーブル/グラフを発生させるよう、製造所のMCSデータへのアクセスを可能にする。ボタン137が選択されると、データが下方ウィンドー134内でタブフォームにレンダリングされる。ボタン139が選択されると、データは下方ウィンドー134内でグラフィックフォームにレンダリングされ、ボタン141は、新しいウィンドー内に製造所のデータのテーブルを発生する。ボタン143は、新しいウィンドー内に製造所のデータのグラフを発生する。GUIは、ディスプレイ領域145内に示されるように、製造所の内外へズームするためのズーム機能も提供する。
【0092】
図4.2は、本発明の一実施形態に係わる、図4.1のGUIで選択された、エリア149のズームインされた図を示す。図4.3は、本発明の一実施形態に従い、図4.1のGUI内のボタン141の選択に応答して発生されたウィンドーを示す。図4.4は、本発明の一実施形態に従い、ボタン139が選択された後の図4.1のGUIを示す。図4.5は、本発明の一実施形態に従い、図4.4の下方ウィンドー134内のグラフの各々に関連するドロップダウンメニューを示す。図4.6は、本発明の一実施形態に係わる図4.1のGUI内のボタン143の選択に応答して発生したウィンドーを示す。
【0093】
図4.7は、本発明の一実施形態に従い、インタラクティブなマップ133内の製造所の第2フロア(F2)が選択された後の、図4.1のGUIを示す。ディスプレイ領域145内には製造所の第2フロア(F2)の略図/ダイヤグラムが示されている。図4.8は、本発明の一実施形態に係わる、異常なステートにあるルートの識別と共に、図4.7の製造所の図を示す。例えばルート201は、異常なステートにあると識別されている。図4.9は、本発明の一実施形態に係わる、ボタン127のユーザークリックによって撮られた図4.7のGUIのスナップショットを示す。
【0094】
図4.10は、本発明の一実施形態に従い、インタラクティブなマップ133内の製造所の第5フロア(F5)が選択された後の、図4.1のGUIを示す。ディスプレイ領域145内には、製造所の第5フロア(F5)の略図/ダイヤグラムが示されている。図4.11は、本発明の一実施形態に係わる、日本語ボタン129Bの選択後の、図4.10のGUIを示す。図4.12は、本発明の一実施形態に従い、ドロップダウンメニュー107および105内の選択による製造所の第5フロア(F5)のフェーズ1(P1)の選択後の、図4.10のGUIを示す。ディスプレイ領域145内の製造所のビューは、製造所のルートに沿って移動中の車両207を示す。図を不明瞭にしないよう、図4.12内の車両のサブセットは参照番号207で識別されていると理解すべきである。
【0095】
図4.13は、本発明の一実施形態に従い、正常でないアイテムの識別をより簡単にできるよう、工場のディスプレイされている部分内の正常なアイテムのすべてがグレイアウトされた、図4.10のGUIを示す。種々のVAO GUIは、カラーでコード化された製造所内の種々のエンティティのステータスおよびタイプと共に、カラーでレンダリングされていると理解すべきである。したがって、図4.13のカラーバージョンでは、製造所内のグレイアウトされていないエンティティ、すなわち正常でないエンティティは、それらのステータスに対応するカラーで表示されている。説明のために、図4.13のグレイスケールバージョン内の正常でないエンティティは、参照番号213で識別されている。
【0096】
図4.14は、本発明の一実施形態に係わる、ディスプレイされた製造所の部分内のリフターエンティティの選択後、すなわちユーザーのクリックオン後の図4.10のGUIを示す。ディスプレイされた製造所の部分内のリフターエンティティが選択されると、ポップアップメニュー221がトリガーされ、このトリガーは、選択されたリフターに対するアラーム履歴またはジョブカウントをディスプレイするための選択可能なオプションが提供される。図4.15は、本発明の一実施形態に係わる、ディスプレイされた製造所部分内のツールエンティティの選択後の、すなわちユーザークリックオン後の、図4.10のGUIを示す。ディスプレイされた製造所部分内のツールエンティティが選択されると、ポップアップメニュー227がトリガーされ、このトリガーは選択されたツールに対するアラーム履歴をディスプレイするための選択可能なオプションを提供する。
【0097】
図4.16は、本発明の一実施形態に係わる、ディスプレイされた製造所の部分内のストッカーエンティティの選択後、すなわちユーザークリックオン後の、図4.10のGUIを示す。ディスプレイされた製造所部分内のストッカーエンティティが選択されると、ポップアップメニュー231がトリガーされ、このトリガーによって、選択されたストッカーに対するアラーム履歴、ジョブカウントまたはストッカー情報をディスプレイするための選択可能なオプションが提供される。図4.17は、本発明の一実施形態に係わる、図4.16のGUI内のポップアップメニュー231内のストッカー情報オプションの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。
【0098】
図4.18は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125の選択後の、すなわちユーザークリックオン後の、図4.10のGUIを示す。スプレッドシートのドロップダウンメニュー125が選択されると、ベイごとのトランスポートジョブ、ベイごとのキュー状態のジョブ、ストッカーごとのジョブカウント、リフターごとのジョブカウント、およびアラーム履歴を含む、種々のデータセットをディスプレイするための選択可能なオプションが提供される。図4.19は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125内のベイオプションごとのトランスポートジョブの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。図4.20は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125内のベイオプションごとのキュージョブの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。
【0099】
図4.21は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125内のストッカーオプション当たりのジョブカウントの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。図4.22は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125内のリフターオプション当たりのジョブカウントの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。図4.23は、本発明の一実施形態に係わる、スプレッドシートのドロップダウンメニュー125内のアラーム履歴オプションの選択に応答して発生されるウィンドーを示す。図4.24は、本発明の一実施形態に係わる、製造所の側面図をディスプレイするためのボタン109の切り換え後の、図4.1のGUIを示す。
【0100】
実施形態
一実施形態では、半導体製造設備(製造所)の可視化システムが提供される。この製造所可視化システムは、モニタすべき製造所の物理的システムおよび属性を仮想的にモデル化するように構成された製造所コンフィギュレーションモジュールを備える。この製造所コンフィギュレーションモジュールは、製造所ニアのコンポーネントの間の階層および関係を定める設備ロジックモデルを構築することを考慮したものである。この目的のために製造所コンフィギュレーションモジュールは、GUIを発生し、このGUIを通して製造所の物理的システムおよび属性、および製造所内のコンポーネントの間の階層および関係を仮想的にモデル化するためのツールおよびアイコンが提供される。
【0101】
製造所可視化システムは、製造所の物理的システムとインターフェースし、物理的システムからの作動データを収集するように構成されたデータ取得モジュールも含む。データ取得モジュールは、製造所内の各システムのためのデータエージェントおよび制御エージェントを提供するように構成される所定のシステムのためのデータエージェントおよび制御エージェントは、所定のシステムを変更することなく、かつ所定のシステムの正常な作動を妨害することなく、所定のシステムとインターフェースするようにカスタム化される。データエージェントは所定のシステムからのデータを取得するように構成される。制御エージェントは、取得したデータを可視化モジュールに直接伝送するように構成される。
【0102】
一実施形態では、データ取得モジュールは、材料管理システム、製造実行システムおよび自動化された材料取り扱いシステムの各々に対し、それぞれのデータエージェントおよびコントローラエージェントを提供する。この実施形態の拡張例では、データ取得モジュールは、ディスパッチシステム、エンジニアリングおよび製造データベース、ストッカーシステム、オーバーヘッドホイスト車両コントローラシステム、コンベアシステムおよび処理ツールシステムの各々に対し、それぞれのデータエージェントおよびコントローラエージェントを更に提供する。
【0103】
製造所可視化システムは、物理的システムから収集された作動データを集合させ、集めるように構成される可視化モジュールも含む。この可視化モジュールは、作動データを視覚的レンダリングに適したフォーマットに処理するようにも構成される。処理された作動データは可視化モジュールによって制御されるグラフィカルユーザーインターフェース内の製造所の視覚的コンテキスト内にディスプレイされる。一実施形態では、データ取得モジュールおよび可視化モジュールは、作動データを収集し、処理し、グラフィカルユーザーインターフェース内に製造設備のリアルタイムのディスプレイを可能にするように構成される。製造所可視化システムは、製造設備コンフィギュレーションモジュール、データ取得モジュール、可視化モジュールおよびグラフィカルユーザーインターフェースの作動に関連するデータを記憶するように構成されたデータベースも含むことができる。
【0104】
別の実施形態では、半導体製造所生産性システムが開示される。この製造所生産性システムは、可視化モジュールと、分析モジュールと、最適化モジュールとを含む。最適化モジュールは、グラフィカルユーザーインターフェースを通して製造設備のデータを収集し、フィルタにかけ、プレゼンテーションするように構成される。より詳細には、可視化モジュールは製造設備内の別々の独立したソースからのデータを統合し、提示するように構成される。一実施形態では、可視化モジュールは製造設備のルールを収集し、コード化するように構成され、これらルールはビジネスルールと作動ルールの双方を含む。分析モジュールは、可視化モジュールが収集したデータを分析し、製造設備の性能に関する質問に回答するように構成される。最適モジュールは可視化モジュールが収集したデータ、分析モジュールが発生したデータ、またはそれらの組み合わせに応答し、製造設備内のシステムを制御するように構成される。最適化モジュールは、示唆モードまたはアクションモードのいずれかで作動させることができる。
【0105】
分析モジュールは、製造設備の問題、欠点、または非効率性に対応するデータパターンを識別するように構成され、更に製造設備の性能に関する仮説を作成し、調査するためのツールを提供するようにも構成される。一実施形態では、分析モールは、異なる製造設備の作動時間の間の比較分析、特定の作動インスタンスに対応する基本バリュー分析、調査分析、製造設備のシミュレーションおよび製造設備のルール変更分析を実行するように構成される。分析モールは、製造設備のある領域内の車両密度を記録し、分析し、レポートするように構成されたトラヒック輻湊モニタモジュールも含むことができる。このトラヒック輻湊モジュールは、ペンディング中の輻湊事象の緩和を可能にするよう、輻湊事象に対するプリカーサを識別し、対応する通知を発行するよう、更に構成される。
【0106】
分析モジュールは、多数の付加的分析モジュールを更に含むことができる。例えば分析モジュールは、製造所内のトラヒック輻湊の特徴を定めるサービス計量値の質を計算するように構成されたトラヒックステート分析を含むことができる。分析モジュールは、E84事象データを取得し、取得したE84事象データに対するトレンド分析を実行するように構成されたE84事象モニタエージェントも含むことができる。分析モジュールは、内部ツールスループット分析およびレポートを実行するように構成された未処理のプロセススループット分析モジュールも更に含むことができる。更に分析モジュールは、作動、ツールグループおよびツールによるキューサイズを計算するように構成され、更に処理ロードバーストおよび対応するツールキューリザーブに対する効果を分析するように更に構成された作動ボトルネックおよび進行作業トラッキングエージェントを含むことができる。
【0107】
別の実施形態では、半導体製造所の稼働をモニタするための方法も開示される。この方法では、製造所内の異なるシステムから作動上のデータが取得される。この作動データは、製造設備内の異なるシステムの正常な作動を妨害することなく取得される。次に、取得された作動データは集められる。この集められた作動データは、製造設備の視覚コンテキスト内のGUIでレンダリングされる。製造所の視覚コンテキストは、作動データの取得先の異なるシステムに対するアイコンを示す。異なるシステムに対するアイコンに関連し、同時に異なるシステムのための集められた作動データがディスプレイされる。
【0108】
一実施形態は、製造設備内の種々のコンベア運搬のためのリアルタイムの位置データを含むように、自動化された材料取り扱いシステムに対する作動データが取得される。グラフィカルユーザーインターフェース内のルートマップ状の種々のコンベア運搬の視覚的レンダリングのリアルタイムの更新をするために、製造設備内の種々のコンベア運搬に対するリアルタイムの位置データが使用される。
【0109】
本明細書に開示するVAO生産性スイートは、目に見えるフォームで、例えばコンピュータが読み取りできるメディア上にデジタルフォーマットで記憶できると理解すべきである。また、本明細書に記載の発明は、コンピュータが読み取りできるメディア上の、コンピュータが読み取りできるコードとして具現化できる。コンピュータが読み取りできるメディアは、データを記憶できる任意のデータ記憶デバイスであり、このデータは、後にコンピュータシステムによって読み取りできる。コンピュータが読み取りできるメディアの例として、ハードドライブ、ネットワークに取り付けられた記録装置(NAS)、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープおよびその他の光学的および非光学的データ記憶デバイスが挙げられる。コンピュータが読み取りできるメディアは、コンピュータが読み取りできるコードを分散して記憶し、実行できるように、結合されたコンピュータシステムのネットワークを通して分散させることもできる。
【0110】
VAOシステムの一部を形成する本明細書に記載した作動のいずれも使用できるマシンの作動である。VAOシステムは、これら作動を実行するためのデバイスまたは装置にも関連する。この装置は、必要とされる目的のために、例えば特殊用コンピュータのために特別に構成できる。特殊用コンピュータとして構成されたとき、このコンピュータは、特殊目的の一部でない他の処理、プログラム実行またはルーチンも実行でき、かつこの特殊目的のためにも作動できる。これとは異なりコンピュータメモリ内、キャッシュに記憶されるか、またはネットワークを通して得られる1つ以上のコンピュータプログラムにより選択的に起動され、またはコンフィギュアされる汎用コンピュータによって作動を処理してもよい。ネットワークを通してデータが得られるとき、恐らくデータは、ネットワーク上の他のコンピュータ、すなわち計算リソースのクラウドによって処理される。
【0111】
VAOシステムの実施形態は、データのあるステートから別のステートに変換するマシンとしても構成できる。このデータは、電子信号として表示できるアーティクルを示し、データを電子的に操作できる。変換されたデータは、あるケースではディスプレイ上に視覚的に表示され、データの変換から結果として生じる物理的オブジェクトを示す。変換されたデータは一般的には記憶装置にセーブできるし、または物理的かつ近く可能なオブジェクトの構築または表示を可能にする特定のフォーマットでセーブできる。一部の実施形態では、プロセッサによって操作を実行できる。従って、かかる例ではプロセッサは、データをあるものから別のものに変換する。更にこの方法は、ネットワークを通して接続できる1つ以上のマシンまたはプロセッサによって処理できる。各マシンは、データをあるステートまたはものから、別のステートまたはものに変換でき、更にできを処理し、できを記憶装置にセーブし、ネットワークを通してデータを送信し、結果をディスプレイし、または結果を別のマシンに伝送することもできる。
【0112】
いくつかの実施形態に関連し、本発明について説明したが、当業者はこれまでの明細書を読み、図面を検討すれば、種々の変更、追加、並び替えおよびそれらの均等物を想到できると理解できよう。従って、本発明は、本発明の要旨内のかかるすべての変形、追加、並び替えおよびそれらの均等物も含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタすべき製造設備の物理的システムおよび属性を仮想的にモデル化するように構成された製造設備コンフィギュレーションモジュールと、
前記製造設備の物理的システムとインターフェースし、前記物理システムから作動データを収集するように構成されたデータ取得モジュールと、
前記物理的システムから収集された作動データを収集し、集合するように構成され、更に作動データを視覚的レンダリングに適したフォーマットになるように処理するよう構成された可視化モジュールと、
グラフィカルユーザーインターフェース内の前記製造設備の視覚的コンテキスト内で処理された前記作動データをディスプレイするよう前記可視化モジュールによって制御されるグラフィカルユーザーインターフェースとを備える、半導体製造設備可視化システム。
【請求項2】
前記製造設備コンフィギュレーションモジュールは、前記製造設備内のコンポーネントの間のヒエラルヒーおよび関係を定める設備ロジックモデルの構築を考慮したものである、請求項1に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項3】
前記製造設備コンフィギュレーションモジュールは、グラフィカルユーザーインターフェースを発生し、製造設備の物理的システムおよび属性、並びに前記製造設備内のコンポーネントの間のヒエラルヒーおよび関係の仮想的モデル化のためのツールおよびアイコンが、前記グラフィカルユーザーインターフェースによって提供される、請求項2に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項4】
前記データ取得モジュールは、前記製造設備内の各システムのためのデータエージェントおよび制御エージェントを提供するように構成されており、所定のシステムのための前記データエージェントおよび制御エージェントは、所定のシステムの変更を必要とすることなく、かつ前記所定のシステムの正常な作動を妨害することなく、前記所定のシステムとインターフェースするようにカスタム化されている、請求項1に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項5】
前記データエージェントは、前記所定のシステムからデータを取得するように構成され、前記制御エージェントは、前記取得したデータを前記可視化モジュールに直接伝送するように構成されている、請求項4に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項6】
データ取得モジュールは、材料制御システム、製造実行システム、および自動化された材料取り扱いシステムの各々のためのそれぞれのデータエージェントおよびコントローラエージェントを提供する請求項5に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項7】
前記データ取得モジュールは、ディスパッチシステム、エンジニアリングおよび製造データベース、ストッカーシステム、オーバーヘッドホイスト車両コントローラシステム、コンベアシステムおよび処理ツールシステムの各々のためのそれぞれのデータエージェントおよびコントローラエージェントを提供する、請求項6に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項8】
前記データ取得モジュールおよび可視化モジュールは、作動データを収集し、処理し、前記グラフィカルユーザーインターフェース内の製造設備の稼働のリアルタイムのディスプレイを可能にする、請求項1に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項9】
前記製造設備コンフィギュレーションモジュール、前記データ取得モジュール、前記可視化モジュールおよび前記グラフィカルユーザーインターフェースの作動に関連するデータを記憶するように構成されたデータベースを更に含む、請求項1に記載の半導体製造設備可視化システム。
【請求項10】
グラフィカルユーザーインターフェースを通して製造設備データを収集し、フィルタにかけ、プレゼンテーションするように構成された可視化モジュールと、
前記可視化モジュールによって収集されたデータを分析し、製造設備の働きに関する問題を解決するように構成された分析モジュールと、
前記可視化モジュールによって収集されたデータ、前記分析モジュールが発生したデータまたはそれらの組み合わせに応答し、前記製造設備内のシステムを制御するように構成された最適化モジュールとを備える、半導体製造設備生産性システム。
【請求項11】
前記可視化モジュールは、前記製造設備内の別々の独立したソースからのデータを統合し、プレゼンテーションするように構成されている、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項12】
前記可視化モジュールは、前記製造設備のルールを収集し、コード化するように構成されており、前記ルールは、ビジネスルールと作動ルールの双方を含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項13】
前記分析モジュールは、製造設備の問題、欠点または非効率性に対応するデータパターンを識別するように構成され、更に、製造設備の働きに関する仮説を作成し、調査するためのツールを提供するように構成されている、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項14】
前記分析モジュールは、異なる製造設備作動時間の間の比較分析、特定の作動インスタンスに対応する基本バリュー分析、調査分析、製造設備のシミュレーションおよび製造設備のルール変更分析を実行するように構成されている、請求項13に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項15】
前記分析モジュールは、前記製造設備のある領域内の車両密度を記録し、分析し、レポートするように構成され、更にペンディング中の輻湊事象の緩和を可能にするよう、輻湊事象に対するプリカーサを識別し、対応する通知を発行するように構成されたトラヒック輻湊モニタモジュールを含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項16】
前記分析モジュールは、前記製造設備内のトラヒック輻湊の特徴を定めるサービス計量値の質を計算するように構成されたトラヒックステート分析モジュールを含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項17】
前記分析モジュールは、E84事象データを取得し、前記取得したE84事象データに対するトレンド分析を実行するように構成されたE84事象モニタエージェントを含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項18】
前記分析モジュールは、内部ツールスループット分析およびレポートを実行するように構成された未処理のプロセススループット分析モジュールを含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項19】
前記分析モジュールは、作動、ツールグループおよびツールによるキューサイズを計算するように構成され、更に、処理中のロードバーストおよびツールキューリザーブに対する対応する効果を分析するように構成された、作動上のボトルネックトラッキングエージェントおよび進行中の作業トラッキングエージェントを含む、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項20】
示唆モードまたはアクションモードのいずれかで前記最適化モードを作動させることができる、請求項10に記載の半導体製造設備生産性システム。
【請求項21】
製造設備内の異なるシステムから作動データを取得するステップと、前記取得した作動データを集合させるステップと、
前記集合させた作動データを前記製造設備の視覚コンテキスト内のグラフィカルユーザーインターフェースでレンダリングするステップとを備える、半導体製造設備の作動をモニタするための方法。
【請求項22】
前記製造設備内の異なるシステムの正常な作動を妨害することなく、前記作動データを取得する、請求項21に記載の半導体製造設備の作動をモニタするための方法。
【請求項23】
前記製造設備の視覚コンテキストは、作動データを取得した先の異なるシステムのためのアイコンを示し、前記異なるシステムのための集合された作業データを前記異なるシステムのためのアイコンに関連して同時にディスプレイする、請求項21に記載の半導体製造設備の作動をモニタするための方法。
【請求項24】
前記製造設備の種々のコンベア輸送のためのリアルタイムの位置データを含むよう、自動化された材料取り扱いシステムのための作動データを取得する、請求項21に記載の半導体製造設備の作動をモニタするための方法。
【請求項25】
前記グラフィカルユーザーインターフェース内のルートマップ上の種々のコンベア輸送の視覚的レンダリングのリアルタイムの更新を行うのに、前記製造設備内の種々のコンベア輸送のためのリアルタイムの位置データを使用する、請求項24に記載の半導体製造設備の作動をモニタするための方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4.1】
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【図4.2】
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【図4.3】
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【図4.4】
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【図4.5】
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【図4.6】
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【図4.7】
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【図4.8】
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【図4.9】
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【図4.10】
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【図4.11】
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【図4.12】
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【図4.13】
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【図4.14】
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【図4.15】
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【図4.16】
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【図4.17】
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【図4.18】
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【図4.19】
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【図4.20】
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【図4.21】
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【図4.22】
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【図4.23】
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【図4.24】
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【公表番号】特表2011−518425(P2011−518425A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−547824(P2010−547824)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/034791
【国際公開番号】WO2009/105724
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(309031466)ムラテックオートメーション株式会社 (52)
【Fターム(参考)】