X線画像診断装置及び可搬記録媒体
【課題】 医療における被曝履歴の管理を容易とするとともに、ネットワーク接続されていない機器環境においても、被曝線量履歴データを閲覧可能とするX線画像診断装置、及び可搬記録媒体を提供する。
【解決手段】 X線画像診断装置(X線CT装置1)は検査の都度、被曝線量履歴データを被曝線量履歴管理データベース127に蓄積する。システム制御装置124は被曝線量履歴ビューアアプリケーション(ビューア128)に従って、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を一覧表示する。システム制御装置124は可搬メディアM1にビューア128と被曝線量履歴データ群とを書き込む。外部端末2では、可搬メディアM1をメディアドライブ装置203にて読み取り、ビューア128を実行すれば、可搬メディアM1に記録されている被曝線量履歴データを表示できる。
【解決手段】 X線画像診断装置(X線CT装置1)は検査の都度、被曝線量履歴データを被曝線量履歴管理データベース127に蓄積する。システム制御装置124は被曝線量履歴ビューアアプリケーション(ビューア128)に従って、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を一覧表示する。システム制御装置124は可搬メディアM1にビューア128と被曝線量履歴データ群とを書き込む。外部端末2では、可搬メディアM1をメディアドライブ装置203にて読み取り、ビューア128を実行すれば、可搬メディアM1に記録されている被曝線量履歴データを表示できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像撮影による被曝線量の管理に好適なX線画像診断装置及び可搬記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より医療施設における被検体の診断のために、X線を用いて被検体内部を撮影するX線診断装置、X線透視撮影装置、X線CT(Computed Tomography)装置等が利用されている。
また近年、医療被曝への関心が高まり、検査における被曝履歴を各医療機関または被検者個人が管理したいという要望が高まっている。
ところで、医療に関する情報の利用や管理に関する技術として、特許文献1には、被検者に関する画像やレポートの格納サーバのアドレス情報等を、被検者の申し送り情報として、X線CT装置にて可搬記録メディアに保存する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−241559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1では、申し送り情報を外部端末にて閲覧しようとする場合、その外部端末がネットワークを介してサーバに接続されている必要があった。そのため、診療所等のネットワーク接続されていない医療現場ではサーバ内の申し送り情報等を閲覧できなかった。
【0005】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、被曝履歴の管理を容易とするとともに、ネットワーク接続されていない機器環境においても、被曝線量履歴データを閲覧可能とするX線画像診断装置及び可搬記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を取得するX線画像診断装置であって、各検査の都度、前記被検体に照射したX線の線量を、被曝線量履歴データとして被曝線量履歴データベースに蓄積して記憶する被曝線量履歴蓄積手段と、前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧手段と、前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データの全部または一部と、コンピュータに読み込ませることにより前記閲覧手段を実現する閲覧用プログラムとを共に、同一の可搬記録媒体に記録する記録制御手段と、を備えることを特徴とするX線画像診断装置である。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明のX線画像診断装置によって、検査における被曝線量の履歴である被曝線量履歴データと、当該被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧用プログラムと、が共に記録されたことを特徴とする可搬記録媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のX線画像診断装置及び可搬記録媒体により、被曝履歴の管理を容易とするとともに、ネットワーク接続されていない機器環境においても、被曝線量履歴データを閲覧可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】X線CT装置1(X線画像診断装置)と外部端末2のハードウエア構成図
【図2】X線CT装置1における被曝線量履歴データの蓄積処理の流れを説明するシーケンス図
【図3】X線CT装置1における被曝線量履歴データ群の表示処理について説明するシーケンス図
【図4】X線CT装置1における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図
【図5】被曝線量履歴データ群及びビューアアプリケーション128の可搬メディアM1への書き込み処理の流れを説明するシーケンス図
【図6】メディア保存項目の指定画面W1の一例を示す図
【図7】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示処理の流れを説明するシーケンス図
【図8】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示の一例を示す図
【図9】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図(被検者番号を検索条件とした例)
【図10】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図(期間を検索条件とした例)
【図11】被曝線量履歴データ表示項目の指定画面W2の一例
【図12】指定された表示項目のみが表示された被曝線量履歴データ群の表示画面の一例
【図13】第2の実施の形態における、可搬メディアM2への被曝線量履歴データ及び画像データの保存について説明する概念図
【図14】X線CT装置1における被曝線量履歴データ及び画像データの書き込み処理の流れを説明するシーケンス図
【図15】X線CT装置1または外部端末2における被曝線量履歴データ及び画像データの表示画面の一例を示す図
【図16】X線CT装置1における被曝線量に応じた識別表示処理の流れを説明するシーケンス図
【図17】識別表示された被曝線量履歴データ群の一覧の表示例を示す図
【図18】X線CT装置1における被曝線量に基づく撮影条件上限値の提示処理の流れを説明するシーケンス図
【図19】被曝線量に基づく撮影条件上限値の表示画面W4の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係るX線画像診断装置及び可搬記録媒体の構成について説明する。
【0012】
本発明に係るX線画像診断装置は、X線CT装置、X線診断装置、X線透視撮影装置等、X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を撮影(取得)する装置である。以下、好適な実施例として、本発明に係るX線画像診断装置をX線CT装置1に適用した例を説明する。
【0013】
また本発明の可搬記録媒体は、当該記録媒体に対応するドライブ装置やコンピュータ等を用いることにより、データの読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、ユーザが自在に持ち運ぶことが可能なものである。例えば、CD(Compact Disc)、DVD等の光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気メモリ、ICカード、メモリカード、USBメモリ等の不揮発性の半導体メモリ等を含む。以下、これらの可搬記録媒体を可搬メディアM1、M2という。
【0014】
図1は、X線CT装置1及び外部端末2のハードウエア構成を示す図である。
X線CT装置1と外部端末2とは、可搬メディアM1を介して被曝線量履歴データD1及びビューアアプリケーション128(閲覧用プログラム)を共有する。そのため、X線CT装置1及び外部端末2は、医師、技師、或いは被検者等が被曝線量履歴データD1を閲覧するために、特に通信設備を必要としない。
【0015】
まず、X線CT装置1のハードウエア構成について説明する。
図1に示すように、X線CT装置1は、スキャナ100、及び操作卓120を備える。
【0016】
スキャナ100は、X線源101、コリメータ102、寝台103、X線検出器104、データ収集装置105、X線制御装置106、及び寝台制御装置107を備えて構成される。
操作卓120は、入力装置121、画像演算装置122、記憶装置123、システム制御装置124、表示装置125、及びメディアドライブ装置126を備えて構成される。
【0017】
X線CT装置1は、寝台103に固定される被検体3を、スキャナ100の開口部に搬入してスキャンすることにより、被検体3を透過したX線データ(以下、透過X線データという)を取得する。スキャナ100のX線管101はX線源であり、X線制御装置106により制御されて被検体3に対してX線を連続的または断続的に照射する。X線制御装置106は、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線管電圧及びX線管電流に従って、X線管101に印加または供給するX線管電圧及びX線管電流を制御する。
【0018】
コリメータ102は、X線管101から放射されたX線を、例えばファンビーム(扇形のビーム)等のX線として被検体3に照射させるものである。X線源101から照射され、コリメータ102を介して被検体3を透過したX線はX線検出器104に入射する。X線検出器104は、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成されるX線検出素子群をスキャナ周回方向に例えば1000個程度、列方向(体軸方向)に例えば1〜320個程度配列したものであり、被検体3を介してX線管101に対向するように配置される。X線検出器104はX線管101から放射されて被検体3を透過したX線を検出し、検出した透過X線データをデータ収集装置105に出力する。
【0019】
データ収集装置105は、X線検出器104の個々のX線検出素子により検出される透過X線データを収集する。収集された透過X線データは、操作卓120の画像演算装置122に出力される。
【0020】
寝台103は、被検体3を載置する天板、及び天板を被検体体軸方向、左右方向、上下方向の各方向へ移動させる各移動機構を備え、寝台制御装置107の制御により天板が移動される。これにより、被検体3がスキャナ100のX線照射空間の所定位置に搬入及び搬出される。
【0021】
操作卓120の画像演算装置122は、データ収集装置105が収集した透過X線データを取得すると、その透過X線データに含まれる誤差やX線検出器のオフセット電圧補正、感度補正等の補正処理を施し、補正された透過X線データを用いて、スキャノグラム撮影時には、スキャノグラム像を作成し、本撮影時には、複数ビューの透過X線データを用いて断層像を再構成する。再構成されたスキャノグラム像または断層像等は、表示装置125に表示されるとともに、記憶装置123に記憶される。
【0022】
表示装置125は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路で構成され、システム制御装置124に接続される。表示装置125は画像演算装置122から出力される再構成画像やスキャノグラム像、並びにシステム制御装置124が取り扱う種々の情報を表示するものである。
【0023】
記憶装置123は、ハードディスク等により構成されるものであり、システム制御装置124に接続される。記憶装置123には、データ収集装置105が収集した透過X線データや、画像演算装置122により再構成されたスキャノグラム像、断層像等が記憶される。また、これらのデータの他、X線CT装置1の機能を実現するためのプログラム、データ等を記憶する。
【0024】
入力装置121は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の操作装置、及び各種スイッチボタン等により構成され、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置124に出力する。操作者は、表示装置125及び入力装置121を使用して対話的にX線CT装置1を操作する。
【0025】
メディアドライブ装置126は、可搬メディアM1に対応するドライブ装置等であり、例えば、CDドライブ、DVDドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、ICカードリーダ/ライタ、メモリカードスロット、USBポート等のドライブ装置またはスロット、ポート等のインターフェースを含む。メディアドライブ装置126は、システム制御装置124の制御にしたがって、可搬メディアM1に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。
【0026】
システム制御装置124は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。システム制御装置124は、操作卓120内の入力装置121、表示装置125、画像処理装置122、メディアドライブ装置126、及び記憶装置123等を制御する。また、システム制御装置124は、スキャナ100内のX線検出器104、データ収集装置105、X線制御装置106、寝台制御装置107等を制御する。
【0027】
また、本発明のX線CT装置1において、システム制御装置124は、スキャナ100による撮影(検査)の都度、その検査における被曝線量に関するデータを被曝線量履歴管理データベース127に蓄積して記憶させる。被曝線量履歴管理データベース127は、操作卓120の記憶装置123に設けられる。被曝線量履歴管理データベース127に記憶される被曝線量に関するデータ(以下、被曝線量履歴データという)については、後述する。
【0028】
また、システム制御装置124は、後述する被曝線量履歴ビューアアプリケーション128(以下、ビューア128と省略する)を起動し、実行する。
【0029】
ここで、ビューア128は、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データD1を閲覧可能に表示するためのプログラムである。このビューア128に係るプログラムを可搬メディアM1に記録すれば、外部に持ち出すことが可能である。
ビューア128の実行時には、当該ビューア128のプログラムはシステム制御装置124のCPUにより呼び出され、RAMのワークメモリ領域に展開される。CPUは入力装置121等からの指示に応じた各種処理を、ビューア128のプログラムに従って実行する。なお、ビューア128は、X線CT装置1、外部端末2を含む種々の機器にて実行可能とするため、OS(オペレーションシステム)に依存しない形式で記述されることが好ましい。
【0030】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、ビューア128のプログラムと、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データD1の一部または全部とを、可搬メディアM1に保存する機能を有する。
この可搬メディアM1への被曝線量履歴データD1等の保存機能は、ビューア128に含まれるものとしてもよいし、他のアプリケーションプログラムとして、X線CT装置1に搭載されているものとしてもよい。
【0031】
また、ビューア128を起動することにより、システム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127にアクセスして、被曝線量履歴データを表示装置125に表示させる。
これらの保存機能や表示機能については、後述する。
【0032】
次に、外部端末2について説明する。
図1に示すように、外部端末2は、表示装置201、システム制御装置202、メディアドライブ装置203、入力装置204等を備えた、例えばコンピュータである。
【0033】
外部端末2のシステム制御装置202は、CPU、ROM、RAM等により構成される。CPUは、図示しない記憶部、ROM、可搬メディアM1等の記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バスを介して接続された各部を駆動制御する。
【0034】
ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、システム制御装置202が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。記憶部はハードディスク等であり、システム制御装置202が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納されている。これらのプログラムコードは、システム制御装置202により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
【0035】
メディアドライブ装置203は、X線CT装置1におけるメディアドライブ装置126と同様に、可搬メディアM1に対応するドライブ装置である。メディアドライブ装置203は、システム制御装置202の制御にしたがって、可搬メディアM1に対してデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0036】
入力装置204は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の各種入力装置を含み、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置202に出力する。表示装置201は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有し、システム制御装置202の制御にしたがって、所定の表示データをディスプレイ装置に表示する。
【0037】
外部端末2は、X線CT装置1によって被曝線量履歴データ群及びビューア128が保存された可搬メディアM1を、メディアドライブ装置203にて読み取ることにより、ビューア128を実行することが可能となる。
【0038】
外部端末2でビューア128が起動されると、システム制御装置202は、入力装置204からの入力指示にしたがって、可搬メディアM1に記憶されている被曝線量履歴データD1を表示装置201に表示させたり、新規被曝線量履歴データを可搬メディアM1に追加記憶させたりする。外部端末2における被曝線量履歴データD1の表示や新規被曝線量履歴データの追記については後述する。
【0039】
次に、図2〜図13を参照しながら、X線CT装置1及び外部端末2の動作について説明する。
【0040】
まず、X線CT装置1における被曝線量履歴データD1の蓄積処理について、図2を用いて説明する。
X線CT装置1において、一連のスキャン(検査)が終了すると、システム制御装置124は、X線制御装置106に対して検査終了通知を送信する(ステップS100)。X線制御装置106は、記憶装置126に備えられた被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データD1を送信する(ステップS101)。
【0041】
被曝線量履歴データD1は、当該検査に関する、被検者番号、被検者名等の被検者情報、検査日付や検査時刻、計測時間、検査部位名等の検査情報、管電流値、管電圧値、AEC(自動露出機能)のON/OFF情報、スキャンタイプ、CTDIvol(Computed Tomography Does Index)や、DLP(Does−Length Product for a Complete examination)等の被曝線量情報等を含む(図4参照)。
被曝線量履歴管理データベース127は、X線制御装置106から送信された被曝線量履歴データD1を保存する(ステップS102)。
【0042】
この被曝線量履歴データD1の蓄積処理によって、操作者が特別の操作をしなくても、検査の都度、自動的に被曝線量履歴データを被曝線量履歴管理データベース127に保存できる。
【0043】
次に、図3を参照して、X線CT装置1における被曝線量履歴データD1の表示処理について説明する。
操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0044】
X線CT装置1において、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、システム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS110)。被曝線量履歴データ群とは、蓄積された複数の被曝線量履歴データである。
被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、当該被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS111)。システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群の表示指令を表示装置125に対して送信する(ステップS112)。表示装置125は受信した表示指令に応じて、被曝線量履歴データ群を表示する(ステップS113)。
【0045】
図4は、ビューアアプリ128における被曝線量履歴データ群の表示例である。
図4に示すように、表示装置125の表示画面には、検索条件入力エリアK1、被曝線量履歴の一覧表示エリアC1が設けられるとともに、検索開始ボタンB1、メディア作成開始ボタンB2、表示項目選択ボタンB3等の各種操作ボタンが表示される。
【0046】
一覧表示エリアC1には、被曝線量履歴データ群が一覧表示される。全ての被曝線量履歴データの表示指令がある場合は、被曝線量履歴管理データベース127から読み出した全ての被曝線量履歴データが表示されるが、検索条件入力エリアK1に検索条件の入力があった場合は、入力された検索条件に合致したレコード(被曝線量履歴データ)のみが抽出されて表示される。また、表示項目選択ボタンB3の押下された場合には、別の表示項目選択ウィンドウW2(図11参照)が開かれ、一覧表示エリアC1に表示させる項目を適宜選択できる。検索及び表示項目の選択については、後述する。
【0047】
図4に示す例では、特に検索条件が入力されていないため、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群が一覧表示エリアC1に全て表示される。
【0048】
被曝線量履歴データは、1レコードに、例えば、被検者番号「1000100」、被検者氏名「ヤマダ タロウ」、計測日時「08/07/10」、計測時刻「14:28:42」、計測時間「10.0[s]」、部位「頭部」、管電流値「200[mA]」、管電圧値「120[kV]」、AEC(自動露出機能)「OFF」、スキャンタイプ「N」、CTDIvol「50.0[mGy]」、DLP「750.0[mGy・cm]」といった各項目の内容が表示される。
【0049】
次に、図5を参照して、X線CT装置1における被曝線量履歴データとビューア128の可搬メディアM1への書き込み処理について説明する。
操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0050】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から可搬メディアM1への書き込み指示が入力されると、まず、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS120)。被曝線量履歴管理データベース127は、被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124へ送信する(ステップS121)。次に、システム制御装置124は、取得した被曝線量履歴データ群に対して、暗号化処理またはパスワード設定処理を行う(ステップS122)。この暗号化処理及びパスワード設定処理は、セキュリティ保護等の観点から行われるものである。パスワードは、操作者により任意に設定される。また、暗号化処理は、所望のセキュリティレベルに応じた暗号化アルゴリズムを用いるものとする。
【0051】
システム制御装置124は、暗号化またはパスワードにより保護された被曝線量履歴データ群と、ビューア128(被曝線量履歴ビューアアプリケーション128)のプログラムとを、書き込み指令とともにメディアドライブ装置126に送信する(ステップS123)。メディアドライブ装置126は、挿入されている可搬メディアM1に対して被曝線量履歴データ群と、ビューア128のプログラムとを書き込む(ステップS124)。
【0052】
可搬メディアM1へ書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている全ての被曝線量履歴データとしてもよいし、その一部のみとしてもよい。
被曝線量履歴データの一部を選択可能とするため、システム制御装置124は、ステップS120の前に、操作者の入力指示に従って図6に示すメディア保存項目の指定画面W1を表示装置125に表示させ、可搬メディアM1に保存する項目の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0053】
図6のメディア保存項目の指定画面W1には、「被検者番号」、「被検者名」、「AEC ON/OFF」、「スキャンタイプ」等、被曝線量履歴データに含まれる各項目のチェックボックスが表示される。チェックボックスにチェックが入力されると、その項目は保存される。被曝線量履歴データに含まれる項目のうち、指定画面W1にない項目については、常に保存されるものとする。
なお、図6の指定画面W1に示す選択項目は一例であり、この内容に限定されない。特に、正確な被曝線量データの管理のために、計測時間、管電流値、管電圧値、CTDIvol、DLPといった被曝線量に直接関係する項目については、必ず保存されることが望ましい。
【0054】
また、図5の可搬メディアM1への書き込み処理において、被検者を特定し、その被検者に関する被曝線量履歴データのみを可搬メディアM1に保存するようにしてもよい。
【0055】
一の被検者を特定し、その被検者についての被曝線量履歴データのみをビューア128のプログラムとともに可搬メディアM1に保存するようにすれば、当該可搬メディアM1を、個人用の被曝線量管理メディアとして利用することが可能となる。すなわち、従来より個人に頒布されている薬手帳(紙媒体)のように、被曝線量について個人が管理するメディアとして利用できる。例えば、被検者が自己の被曝線量履歴データが格納された可搬メディアM1を、既に検査を行った病院とは異なる病院等に持っていき、医師のPC(外部端末2)でその可搬メディアM1を読み込み、保存されているビューア128を起動し、保存されている被曝線量履歴データを参照しながら、別の検査の計画を立てたりすることが可能となる。また、被検者が自己のPC(外部端末2)で被曝線量履歴データを自由に閲覧することも可能となる。
【0056】
また、複数の被曝線量履歴データを可搬メディアM1に保存する場合には、医療機関における各X線画像診断装置の照射線量管理を、管理者のPC等で一括して行うことができ、利便性が向上する。
【0057】
次に図7〜図12を参照して、外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示処理について説明する。
図7のシーケンス図に示すように、まず、外部端末2のメディアドライブ装置203に可搬メディアM1が挿入されると、メディアドライブ装置203は、可搬メディアM1に記録されている情報を読み込み、その情報をシステム制御装置202に送信する(ステップS130)。
システム制御装置202は、ステップS130で受信した可搬メディアM1の情報から被曝線量履歴データ群の読み出し指令をメディアドライブ装置203に対し、送信する(ステップS131)。
【0058】
メディアドライブ装置203は、被曝線量履歴データ群の読み出し指令に従って、被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置202に送信する(ステップS132)。メディアドライブ装置203に保存されている被曝線量履歴データ群は、パスワードまたは暗号化処理によって保護された状態である。
【0059】
次に、システム制御装置202は、パスワードまたは暗号化による保護を解除するためのパスワード入力画面の表示指令を表示装置201に送信する(ステップS133)。表示装置201は、表示指令に応じて、パスワード入力画面を表示する(ステップS134)。
【0060】
パスワード入力画面において、入力装置204からパスワードが入力され、システム制御装置201に送信されると(ステップS135)、システム制御装置202は、設定されているパスワードと入力されたパスワードの照合を行い(ステップS136)、パスワードが一致する場合は、被曝線量履歴データ群のパスワードロックを解除、または復号処理する(ステップS137)。
【0061】
その後、システム制御装置202は、表示装置201に対して、保護が解除された被曝線量履歴データ群の表示指令を表示装置201に送信し(ステップS138)、表示装置201は、表示指令に応じて、被曝線量履歴データ群を一覧表示する(ステップS139)。
【0062】
図8は、外部端末2において表示される被曝線量履歴データの一例である。図8に示す被曝線量履歴データは、X線CT装置1において保存された被曝線量履歴データと同一のものである(図4参照)。また、表示画面には、図4と同様に、被曝線量履歴データ表示エリアC1、検索条件入力エリアK1、メディア作成開始ボタンB2、表示項目選択ボタンB3が設けられる。
【0063】
図9に示すように、検索条件入力エリアK1の被検者番号入力欄11に、「1000100」が入力され、検索開始ボタンB1が押下されると、システム制御装置202は、可搬メディアM1に保存されている被曝線量履歴データ群の中から、該当する被検者番号に関する被曝線量履歴データを抽出し、表示する。
【0064】
また、図10に示すように、検索条件入力エリアK1の期間指定検索欄13に期間が入力された場合は、システム制御装置202は、その期間内に行われた検査についての被曝線量履歴データを抽出し、表示する。
図10の例では、被曝線量履歴データの、「計測日付」が、開始日付「08/04/01」〜終了日付「08/07/31」の期間に該当する検査が抽出され、表示されている。
【0065】
外部端末2における表示処理において、表示項目を操作者が指定して表示させることも可能である。
この場合、図7のステップS130〜S139の表示処理に先立ち、システム制御装置202は、図11に示すような表示項目指定画面W2を表示装置201に表示させ、表示項目の指定を受け付ける。
表示項目指定画面W2には、例えば、「被検者番号」、「被検者名」、「検査日付」、「検査時刻」、「検査時間」、「検査部位」、「管電流値」、「管電圧値」、「AEC ON/OFF」、「スキャンタイプ」等の指定可能な各項目のチェックボックスが表示される。
なお、被曝線量に関する項目「CTDIvol」や「DLP」については、必ず表示されることが望ましいため、この例のように、指定可能な項目に含まない方がよい。
【0066】
操作者の操作によって、表示させたい項目のチェックボックスに対し、チェックが入力され、「OK」ボタンが押下されると、チェックが入力された項目のみが被曝線量履歴データ表示エリアC1に表示される。
【0067】
図12は、図11の表示項目指定画面W2において、「被検者番号」、「被検者名」、「検査日付」、「検査時刻」、「検査時間」、「検査部位」、「管電流値」、「AEC ON/OFF」が指定された場合の被曝線量履歴データの表示例である。
このように、表示項目を指定可能とすることにより、操作者は所望の項目のみを効率よく閲覧できるようになる。
【0068】
また、可搬メディアM1に被曝線量履歴データを書き込んだX線CT装置1とは異なる他のX線CT装置1B(不図示)にて、別の検査を行った場合には、同一の可搬メディアM1に、他のX線CT装置1Bにおける検査の新規被曝線量履歴データD2を追加して記録することが好ましい。
【0069】
新規被曝線量履歴データD2の追記は、他のX線CT装置1Bからの書き込み(図2参照)、またはPC(外部端末2)の入力装置からのデータ入力による書き込みのいずれとしてもよい。他のX線CT装置1Bから新規被曝線量履歴データを書き込む場合には、他人(可搬メディアM1の所有者以外)の被曝線量履歴データが誤って可搬メディアM1に書き込まれないように、被検者情報の照会処理等を行ってからデータを書き込むようにすることが望ましい。
【0070】
また、新規被曝線量履歴データD2の追記は、被検者個人が行うものとはしないで、医師や技師等、新規被曝線量履歴データの追記に関して正当な権限を有する者のみが行えるように書き込み権限の制限を設けることが望ましい。
例えば、医師や技師のパスワードでビューア128にアクセスした場合には、新規被曝線量履歴データD2の書き込みを許可し、その他のパスワードでアクセスした場合には被検者本人であっても書き込み不可とする。
【0071】
以上説明したように、第1の実施の形態において、X線CT装置1は、検査の都度、その検査の被曝線量(CTDIvol、DLP等)を被検者情報や検査情報等とともに被曝線量履歴データとして被曝線量履歴管理データベース127に蓄積して記憶しておく。
そのため、被曝線量履歴データが自動的に保存されるため、被曝線量の管理が容易となる。
【0072】
また、X線CT装置1は、ビューア128を有しており、システム制御装置124がビューア128を起動することにより、被曝線量履歴管理データベース127の内容がX線CT装置1にて閲覧可能となる。更に、X線CT装置1のシステム制御装置124は、被曝線量履歴データとビューア128のプログラムとを同一の可搬メディアM1に書き込む処理を行う。可搬メディアM1に書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群の全てとしてもよいし、一部としてもよい。
【0073】
このように、可搬メディアM1内に被曝線量履歴データと、それを閲覧するためのビューア128とが記録されているため、可搬メディアM1に対応するメディアドライブ装置を有する外部端末であれば、特にネットワーク接続環境がなくても被曝線量履歴データを閲覧できる。そのため、小規模な診療所等、通信設備の整っていない機器環境でも、被曝線量の履歴を閲覧したり、追記したりできるようになり、被曝線量履歴の管理に関し、使い勝手の良い仕組みを提供できる。
【0074】
また、可搬メディアM1に被曝線量履歴データやビューア128を書き込む際に、パスワードロックを設定したり、暗号化処理したりするので、被検者個人の情報を有効に保護できる。
【0075】
なお、上述の第1の実施の形態では、X線CT装置1を本発明のX線画像診断装置の具体例としているため、被曝線量に関するデータは、「CTDIvol」や「DTI」といった値を取得しているが、他の値を取得するようにしてもよい。また、医用画像機器に関する規格(例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine等)が整備された場合には、その規格に準拠するデータ項目の中から被曝線量データに関する項目を取得するようにすれば、標準的なX線画像診断装置の多くから被曝線量履歴データを容易に取得できるため、より適切な被曝線量管理を行えるようになる。
【0076】
(第2の実施の形態)
次に、図13〜図15を参照して、第2の実施の形態のX線画像診断装置(X線CT装置1)、及び可搬メディアM2について、説明する。
【0077】
第2の実施の形態のX線CT装置1は、第1の実施の形態と同様に、被曝線量履歴データ及びビューア128を可搬メディアM2に書き込むとともに、被曝線量履歴データに関連する画像データも可搬メディアM2に書き込む。可搬メディアM2は、第1の実施の形態の可搬メディアM2と同様に、対応するドライブ装置やコンピュータ等を用いることにより、データの読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、ユーザが自在に持ち運ぶことが可能なものである。
以下の説明において、第1の実施の形態のX線CT装置1と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0078】
図13に示すように、X線CT装置1の記憶装置123には、被曝線量履歴管理データベース127とともに、画像データ群129が記憶されている。画像データ群129には、X線CT装置1で撮影した断層像やスキャノグラム画像等が含まれる。なお、画像データは検査毎に管理される。すなわち、各検査の被曝線量履歴データと画像データとが関連付けられているものとする。
【0079】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群の全てまたは一部と、その被曝線量履歴データに関連付けられた画像データとを読み出し、暗号化・パスワード設定処理等のセキュリティ保護処理を行い、パスワード設定情報等、被曝線量履歴ビューアアプリケーション(ビューア)128とともに、可搬メディアM2に保存する。
【0080】
図14を参照して、被曝線量履歴データ、画像データ、及びビューア128の可搬メディアM2への書き込み処理について説明する。
まず、操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0081】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から可搬メディアM2への書き込み指示が入力されると、記憶装置123に対して、被曝線量履歴データ群、画像データ群の読み出し指令を送信する(ステップS220)。記憶装置123は、被曝線量履歴管理データベース127から被曝線量履歴データ群を読み出すとともに、各被曝線量履歴データに関連する画像データ群を読み出し、システム制御装置124へ送信する(ステップS221)。次に、システム制御装置124は、取得した被曝線量履歴データ群及び画像データ群に対して、暗号化処理またはパスワード設定処理を行う(ステップS222)。
【0082】
システム制御装置124は、暗号化またはパスワードにより保護された被曝線量履歴データ群及び画像データ群と、ビューア128(被曝線量履歴ビューアアプリケーション128)のプログラムとを、書き込み指令とともにメディアドライブ装置126に送信する(ステップS223)。メディアドライブ装置126は、挿入されている可搬メディアM2に対して、被曝線量履歴データ群、画像データ群、及びビューア128のプログラムを書き込む(ステップS224)。
【0083】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、可搬メディアM2へ書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている全ての被曝線量履歴データとしてもよいし、その一部のみとしてもよい。この場合、図6に示すメディア保存項目の指定画面W1を表示装置125に表示させ、可搬メディアM2に保存する項目の選択を受け付けるようにすればよい。また、メディア保存項目の指定画面W1にて、画像データを保存するか否かを選択するようにしてもよい。
【0084】
可搬メディアM2に書き込まれた被曝線量履歴データや画像データは、第1の実施の形態と同様に、外部端末2にて閲覧可能となる。
外部端末2における表示処理の流れは、図7に示すシーケンス図と同様である。ただし、図7のシーケンス図のステップS130の可搬メディアM1は「可搬メディアM2」とし、ステップS131、ステップS132、ステップS137、ステップS138、ステップS139の「被曝線量履歴データ群」は「被曝線量履歴データ群及び画像データ群」とする。
【0085】
すなわち、外部端末2のメディアドライブ装置203に可搬メディアM1が挿入されると、メディアドライブ装置203は、可搬メディアM2に記録されている情報を読み込む。システム制御装置202は、可搬メディアM2から被曝線量履歴データ群及び画像データ群をメディアドライブ装置203に読み取らせる。メディアドライブ装置203は、被曝線量履歴データ群及び画像データ群を読み出し、システム制御装置202に送信する。次に、システム制御装置202は、パスワード入力画面を表示装置201に表示させる。パスワード入力画面においてパスワードが入力されると、システム制御装置202は、設定されているパスワードと入力されたパスワードの照合を行い、パスワードが一致する場合は、被曝線量履歴データ群及び画像データ群のパスワードロックを解除、または復号処理する。その後、システム制御装置202は、表示装置201に保護が解除された被曝線量履歴データ群及び画像データ群を送信し、表示させる。
【0086】
図15は、外部端末2において表示される被曝線量履歴データ群及び画像データ群の一例である。図15に示す被曝線量履歴データは、ここでは被検者氏名「ヤマダ タロウ」に関するものである。また、表示画面には、被曝線量履歴データ表示エリアC1、検索条件入力エリアK1、表示項目選択ボタンB3、メディア作成開始ボタンB2に加え、画像データ表示エリアC2が設けられる。画像データ表示エリアC2には、可搬メディアM2に記憶されている画像が表示される。
【0087】
可搬メディアM2に記憶されている画像データがすべてサムネイル表示されるようにしてもよいし、被曝線量履歴データ表示エリアC1に表示されている被曝線量履歴データの一覧から、選択された検査に関する画像データのみが、画像データ表示エリアC2に表示するようにしてもよい。
【0088】
第2の実施の形態についても、第1の実施の形態と同様に、図10に示すような検索表示処理を行ったり、図11に示すような表示項目指定画面W2を表示装置201に表示させ、表示項目の指定を受け付けるようにすることが好ましい。
【0089】
以上説明したように、第2の実施の形態のX線CT装置1及び可搬メディアM2によれば、被曝線量履歴データ群と、この被曝線量履歴データ群に関連する画像データ群を、ビューア128とともに可搬メディアM2に保存することが可能となる。
【0090】
したがって、ネットワーク接続環境のない外部端末2においても、被曝線量データとそれに関連する画像データとが閲覧可能となり、被曝線量管理メディアとしての利便性が向上する。
例えば、被検者が自分の被曝線量履歴データと画像データとが書き込まれた可搬メディアM2を、検査をした病院とは異なる他の診療所に持ち込み、医師のPC(外部端末2)にて、被曝線量履歴データを参照しつつ、CT検査の画像等を確認できるため、セカンドオピニオンとして別の医師の診断を仰いだり、今後の検査の計画について助言を受けたりすることも可能となる。
【0091】
更に、他のX線CT装置にて新たな検査を行った場合には、可搬メディアM2に、新規被曝線量履歴データ及び新規画像データを追記することが好ましい。新規被曝線量履歴データ及び新規画像データを追記に関しては、他のX線CT装置1Bからの書き込み(図2参照)、またはPC(外部端末2)の入力装置からのデータ入力による書き込みのいずれとしてもよい。他のX線CT装置1Bから被曝線量履歴データ及び画像データを書き込む場合には、他人(可搬メディアM2の所有者以外)の被曝線量履歴データ及び画像データが誤って可搬メディアM2に書き込まれないように、被検者情報の照会処理等を行ってから被曝線量履歴データ及び画像データを書き込むようにすることが望ましい。
【0092】
(第3の実施の形態)
次に、図16〜図17を参照して、第3の実施の形態について、説明する。
第3の実施の形態のビューア130は、第1の実施の形態のビューア128の機能に加え、被曝線量履歴データを表示する際に、被曝線量に応じた識別表示を行う機能を有する。
以下の説明において、第1または第2の実施の形態のX線CT装置1と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0093】
図16は、第3の実施の形態のビューア130が実行する識別表示処理を説明するシーケンス図である。
図16に示すように、X線CT装置1のシステム制御装置124は、図3のステップS110〜ステップS111と同様に、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS300)。被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、当該被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS301)。
システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群のうち、被曝線量に関連する項目の値や、被曝線量履歴データから求められる値について、所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS302)。
【0094】
ここで、被曝線量の判定対象とする値は、例えば、「CTDIvol」や「DLP」等の値である。また、閾値は検査部位毎に設定される。閾値は操作者が設定してもよいし、予めビューア130に設定された値としてもよい。また、閾値は、「安全」、「やや危険」、「危険」のように、被曝線量のレベルに応じて複数設定されるものとしてもよい。
【0095】
システム制御装置124は、ステップS302の処理による各被曝線量履歴データの閾値判定が終了すると、その判定結果とともに被曝線量履歴データ群を表示装置125に送信する(ステップS303)。表示装置125は、閾値判定結果に応じて各被曝線量履歴データを異なる表示形式で表示する(ステップS304)。例えば、安全レベルが、「危険」レベルと判定された被曝線量履歴データを赤で表示し、「やや危険」レベルと判定された被曝線量履歴データを黄色で表示する等、色分け表示を行ったり、所定の閾値を超えている被曝線量履歴データを反転表示させたり、太字表示を行ったりして、他の被曝線量履歴データから識別できるように表示する。
【0096】
図17に示す例では、被検者番号「1000104」のレコードと、被検者番号「1000102」のレコードとが、斜線や網掛けといった模様を用いて識別表示されている。
【0097】
以上説明したように、ビューア130によって、被曝線量履歴データ群を一覧表示する際に、被曝線量に応じた識別表示を行うことにより、操作者は簡単に被曝線量の多い検査を確認できる。
【0098】
なお、この第3の実施の形態のビューア130は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様に、可搬メディアM1(またはM2)に被曝線量履歴データとともに書き込まれ、必要に応じて関連する画像データもともに書き込まれる。したがって、X線CT装置1、外部端末2のいずれにおいても、上述のビューア130による、被曝線量に応じた識別表示処理が実行可能である。
【0099】
(第4の実施の形態)
次に、図18〜図19を参照して、第4の実施の形態のビューア131について説明する。
第4の実施の形態において、ビューア131は、第1または第2の実施の形態のビューア128の機能に加え、被曝線量に関する撮影条件の上限値を提示する機能を有する。
以下の説明において、第1、第2、または第3の実施の形態のX線CT装置1等と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0100】
図18は、第4の実施の形態のビューア131が実行する撮影条件提示処理を説明するシーケンス図である。
【0101】
図18に示すように、X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS400)。この読み出し指令は、一の被検者を指定して行う。被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、指定された被検者についての被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS401)。
システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群に基づいて、撮影条件の上限値を算出する(ステップS402)。
【0102】
ここで、撮影条件の上限値の算出について説明する。
国際放射線防護委員会(ICRP)によれば、年間の許容被曝限度を、実効線量で、職業人は50mSv/年、一般公衆は、1mSv/年と定めている。以下、一例として、ICPRにより提示された許容被曝限度を、許容被曝線量の指標値として用いることとする。
【0103】
システム制御装置124は、被曝線量履歴データに基づいて、現在から所定期間内(例えば過去1年間)の実効線量を算出する。X線の放射線荷重係数は1なので、1Gy=1Svである。
システム制御装置124は、算出した実効線量と許容被曝線量の指標値とから、次の検査で許容できる線量を算出し、検査部位または所望の画質に応じた管電流値や管電圧値等、撮影条件の上限値(推奨設定条件)を算出する。
システム制御装置124は、ステップS402の処理による撮影条件の上限値を算出すると、その算出結果を表示装置125に送信する(ステップS403)。表示装置125は、撮影条件の上限値(推奨設定条件)を表示する(ステップS404)。
【0104】
図19は、推奨設定条件の提示画面W4の一例である。
図19に示すように、表示画面W4には、「ヤマダ タロウさんの現在の撮影条件の上限値」として、頭部、腹部、頸部、胸部、下肢、等の各部位について、管電流値や管電圧値等の推奨設定条件が表示される。
【0105】
以上説明したように、ビューア131によって、次の検査での撮影条件の上限値を被曝線量履歴データ及び許容被曝線量の指標値に基づいて算出し、次の検査における推奨設定条件として提示できる。そのため、検査技師等は提示された推奨設定条件を参考にして、X線CT装置1の撮影条件を設定できるようになる。また、被検者にとっても、次に行う検査の被曝線量について具体的な設定値を確認できるため、特に放射線についての知識がなくても、検査による影響に注意を払いやすくなる。
【0106】
なお、この第4の実施の形態のビューア131は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様に、可搬メディアM1(またはM2)に被曝線量履歴データとともに書き込まれ、必要に応じて関連する画像データもともに書き込まれる。したがって、X線CT装置1、外部端末2のいずれにおいても、上述のビューア131による、被曝線量に基づく、撮影条件の上限値の提示処理が実行可能である。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0108】
1・・・X線CT装置(X線画像診断装置)
100・・・スキャナ
101・・・X線管
102・・・コリメータ
103・・・寝台
104・・・X線検出器
105・・・データ収集装置
106・・・X線制御装置
107・・・寝台制御装置
120・・・操作卓
121・・・入力装置
122・・・画像演算装置
123・・・記憶装置
124・・・システム制御装置
125・・・表示装置
126・・・メディアドライブ装置
127・・・被曝線量履歴管理データベース
128・・・被曝線量履歴ビューアアプリケーション
2・・・外部端末
201・・・外部端末の表示装置
202・・・外部端末のシステム制御装置
203・・・外部端末のメディアドライブ装置
204・・・外部端末の入力装置
M1・・可搬メディア(可搬記録媒体)
W1・・・・メディア保存項目の指定画面
W2・・・・被曝線量履歴データ表示項目の指定画面
129・・・画像データ群
M2・・・・可搬メディア(可搬記録媒体;第2の実施形態)
130、131・・・被曝線量履歴ビューアアプリケーション(第3、第4の実施形態)
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像撮影による被曝線量の管理に好適なX線画像診断装置及び可搬記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より医療施設における被検体の診断のために、X線を用いて被検体内部を撮影するX線診断装置、X線透視撮影装置、X線CT(Computed Tomography)装置等が利用されている。
また近年、医療被曝への関心が高まり、検査における被曝履歴を各医療機関または被検者個人が管理したいという要望が高まっている。
ところで、医療に関する情報の利用や管理に関する技術として、特許文献1には、被検者に関する画像やレポートの格納サーバのアドレス情報等を、被検者の申し送り情報として、X線CT装置にて可搬記録メディアに保存する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−241559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1では、申し送り情報を外部端末にて閲覧しようとする場合、その外部端末がネットワークを介してサーバに接続されている必要があった。そのため、診療所等のネットワーク接続されていない医療現場ではサーバ内の申し送り情報等を閲覧できなかった。
【0005】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、被曝履歴の管理を容易とするとともに、ネットワーク接続されていない機器環境においても、被曝線量履歴データを閲覧可能とするX線画像診断装置及び可搬記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を取得するX線画像診断装置であって、各検査の都度、前記被検体に照射したX線の線量を、被曝線量履歴データとして被曝線量履歴データベースに蓄積して記憶する被曝線量履歴蓄積手段と、前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧手段と、前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データの全部または一部と、コンピュータに読み込ませることにより前記閲覧手段を実現する閲覧用プログラムとを共に、同一の可搬記録媒体に記録する記録制御手段と、を備えることを特徴とするX線画像診断装置である。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明のX線画像診断装置によって、検査における被曝線量の履歴である被曝線量履歴データと、当該被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧用プログラムと、が共に記録されたことを特徴とする可搬記録媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のX線画像診断装置及び可搬記録媒体により、被曝履歴の管理を容易とするとともに、ネットワーク接続されていない機器環境においても、被曝線量履歴データを閲覧可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】X線CT装置1(X線画像診断装置)と外部端末2のハードウエア構成図
【図2】X線CT装置1における被曝線量履歴データの蓄積処理の流れを説明するシーケンス図
【図3】X線CT装置1における被曝線量履歴データ群の表示処理について説明するシーケンス図
【図4】X線CT装置1における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図
【図5】被曝線量履歴データ群及びビューアアプリケーション128の可搬メディアM1への書き込み処理の流れを説明するシーケンス図
【図6】メディア保存項目の指定画面W1の一例を示す図
【図7】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示処理の流れを説明するシーケンス図
【図8】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示の一例を示す図
【図9】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図(被検者番号を検索条件とした例)
【図10】外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示画面の一例を示す図(期間を検索条件とした例)
【図11】被曝線量履歴データ表示項目の指定画面W2の一例
【図12】指定された表示項目のみが表示された被曝線量履歴データ群の表示画面の一例
【図13】第2の実施の形態における、可搬メディアM2への被曝線量履歴データ及び画像データの保存について説明する概念図
【図14】X線CT装置1における被曝線量履歴データ及び画像データの書き込み処理の流れを説明するシーケンス図
【図15】X線CT装置1または外部端末2における被曝線量履歴データ及び画像データの表示画面の一例を示す図
【図16】X線CT装置1における被曝線量に応じた識別表示処理の流れを説明するシーケンス図
【図17】識別表示された被曝線量履歴データ群の一覧の表示例を示す図
【図18】X線CT装置1における被曝線量に基づく撮影条件上限値の提示処理の流れを説明するシーケンス図
【図19】被曝線量に基づく撮影条件上限値の表示画面W4の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係るX線画像診断装置及び可搬記録媒体の構成について説明する。
【0012】
本発明に係るX線画像診断装置は、X線CT装置、X線診断装置、X線透視撮影装置等、X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を撮影(取得)する装置である。以下、好適な実施例として、本発明に係るX線画像診断装置をX線CT装置1に適用した例を説明する。
【0013】
また本発明の可搬記録媒体は、当該記録媒体に対応するドライブ装置やコンピュータ等を用いることにより、データの読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、ユーザが自在に持ち運ぶことが可能なものである。例えば、CD(Compact Disc)、DVD等の光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気メモリ、ICカード、メモリカード、USBメモリ等の不揮発性の半導体メモリ等を含む。以下、これらの可搬記録媒体を可搬メディアM1、M2という。
【0014】
図1は、X線CT装置1及び外部端末2のハードウエア構成を示す図である。
X線CT装置1と外部端末2とは、可搬メディアM1を介して被曝線量履歴データD1及びビューアアプリケーション128(閲覧用プログラム)を共有する。そのため、X線CT装置1及び外部端末2は、医師、技師、或いは被検者等が被曝線量履歴データD1を閲覧するために、特に通信設備を必要としない。
【0015】
まず、X線CT装置1のハードウエア構成について説明する。
図1に示すように、X線CT装置1は、スキャナ100、及び操作卓120を備える。
【0016】
スキャナ100は、X線源101、コリメータ102、寝台103、X線検出器104、データ収集装置105、X線制御装置106、及び寝台制御装置107を備えて構成される。
操作卓120は、入力装置121、画像演算装置122、記憶装置123、システム制御装置124、表示装置125、及びメディアドライブ装置126を備えて構成される。
【0017】
X線CT装置1は、寝台103に固定される被検体3を、スキャナ100の開口部に搬入してスキャンすることにより、被検体3を透過したX線データ(以下、透過X線データという)を取得する。スキャナ100のX線管101はX線源であり、X線制御装置106により制御されて被検体3に対してX線を連続的または断続的に照射する。X線制御装置106は、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線管電圧及びX線管電流に従って、X線管101に印加または供給するX線管電圧及びX線管電流を制御する。
【0018】
コリメータ102は、X線管101から放射されたX線を、例えばファンビーム(扇形のビーム)等のX線として被検体3に照射させるものである。X線源101から照射され、コリメータ102を介して被検体3を透過したX線はX線検出器104に入射する。X線検出器104は、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成されるX線検出素子群をスキャナ周回方向に例えば1000個程度、列方向(体軸方向)に例えば1〜320個程度配列したものであり、被検体3を介してX線管101に対向するように配置される。X線検出器104はX線管101から放射されて被検体3を透過したX線を検出し、検出した透過X線データをデータ収集装置105に出力する。
【0019】
データ収集装置105は、X線検出器104の個々のX線検出素子により検出される透過X線データを収集する。収集された透過X線データは、操作卓120の画像演算装置122に出力される。
【0020】
寝台103は、被検体3を載置する天板、及び天板を被検体体軸方向、左右方向、上下方向の各方向へ移動させる各移動機構を備え、寝台制御装置107の制御により天板が移動される。これにより、被検体3がスキャナ100のX線照射空間の所定位置に搬入及び搬出される。
【0021】
操作卓120の画像演算装置122は、データ収集装置105が収集した透過X線データを取得すると、その透過X線データに含まれる誤差やX線検出器のオフセット電圧補正、感度補正等の補正処理を施し、補正された透過X線データを用いて、スキャノグラム撮影時には、スキャノグラム像を作成し、本撮影時には、複数ビューの透過X線データを用いて断層像を再構成する。再構成されたスキャノグラム像または断層像等は、表示装置125に表示されるとともに、記憶装置123に記憶される。
【0022】
表示装置125は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路で構成され、システム制御装置124に接続される。表示装置125は画像演算装置122から出力される再構成画像やスキャノグラム像、並びにシステム制御装置124が取り扱う種々の情報を表示するものである。
【0023】
記憶装置123は、ハードディスク等により構成されるものであり、システム制御装置124に接続される。記憶装置123には、データ収集装置105が収集した透過X線データや、画像演算装置122により再構成されたスキャノグラム像、断層像等が記憶される。また、これらのデータの他、X線CT装置1の機能を実現するためのプログラム、データ等を記憶する。
【0024】
入力装置121は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の操作装置、及び各種スイッチボタン等により構成され、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置124に出力する。操作者は、表示装置125及び入力装置121を使用して対話的にX線CT装置1を操作する。
【0025】
メディアドライブ装置126は、可搬メディアM1に対応するドライブ装置等であり、例えば、CDドライブ、DVDドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、ICカードリーダ/ライタ、メモリカードスロット、USBポート等のドライブ装置またはスロット、ポート等のインターフェースを含む。メディアドライブ装置126は、システム制御装置124の制御にしたがって、可搬メディアM1に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。
【0026】
システム制御装置124は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。システム制御装置124は、操作卓120内の入力装置121、表示装置125、画像処理装置122、メディアドライブ装置126、及び記憶装置123等を制御する。また、システム制御装置124は、スキャナ100内のX線検出器104、データ収集装置105、X線制御装置106、寝台制御装置107等を制御する。
【0027】
また、本発明のX線CT装置1において、システム制御装置124は、スキャナ100による撮影(検査)の都度、その検査における被曝線量に関するデータを被曝線量履歴管理データベース127に蓄積して記憶させる。被曝線量履歴管理データベース127は、操作卓120の記憶装置123に設けられる。被曝線量履歴管理データベース127に記憶される被曝線量に関するデータ(以下、被曝線量履歴データという)については、後述する。
【0028】
また、システム制御装置124は、後述する被曝線量履歴ビューアアプリケーション128(以下、ビューア128と省略する)を起動し、実行する。
【0029】
ここで、ビューア128は、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データD1を閲覧可能に表示するためのプログラムである。このビューア128に係るプログラムを可搬メディアM1に記録すれば、外部に持ち出すことが可能である。
ビューア128の実行時には、当該ビューア128のプログラムはシステム制御装置124のCPUにより呼び出され、RAMのワークメモリ領域に展開される。CPUは入力装置121等からの指示に応じた各種処理を、ビューア128のプログラムに従って実行する。なお、ビューア128は、X線CT装置1、外部端末2を含む種々の機器にて実行可能とするため、OS(オペレーションシステム)に依存しない形式で記述されることが好ましい。
【0030】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、ビューア128のプログラムと、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データD1の一部または全部とを、可搬メディアM1に保存する機能を有する。
この可搬メディアM1への被曝線量履歴データD1等の保存機能は、ビューア128に含まれるものとしてもよいし、他のアプリケーションプログラムとして、X線CT装置1に搭載されているものとしてもよい。
【0031】
また、ビューア128を起動することにより、システム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127にアクセスして、被曝線量履歴データを表示装置125に表示させる。
これらの保存機能や表示機能については、後述する。
【0032】
次に、外部端末2について説明する。
図1に示すように、外部端末2は、表示装置201、システム制御装置202、メディアドライブ装置203、入力装置204等を備えた、例えばコンピュータである。
【0033】
外部端末2のシステム制御装置202は、CPU、ROM、RAM等により構成される。CPUは、図示しない記憶部、ROM、可搬メディアM1等の記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バスを介して接続された各部を駆動制御する。
【0034】
ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、システム制御装置202が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。記憶部はハードディスク等であり、システム制御装置202が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納されている。これらのプログラムコードは、システム制御装置202により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
【0035】
メディアドライブ装置203は、X線CT装置1におけるメディアドライブ装置126と同様に、可搬メディアM1に対応するドライブ装置である。メディアドライブ装置203は、システム制御装置202の制御にしたがって、可搬メディアM1に対してデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0036】
入力装置204は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の各種入力装置を含み、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置202に出力する。表示装置201は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有し、システム制御装置202の制御にしたがって、所定の表示データをディスプレイ装置に表示する。
【0037】
外部端末2は、X線CT装置1によって被曝線量履歴データ群及びビューア128が保存された可搬メディアM1を、メディアドライブ装置203にて読み取ることにより、ビューア128を実行することが可能となる。
【0038】
外部端末2でビューア128が起動されると、システム制御装置202は、入力装置204からの入力指示にしたがって、可搬メディアM1に記憶されている被曝線量履歴データD1を表示装置201に表示させたり、新規被曝線量履歴データを可搬メディアM1に追加記憶させたりする。外部端末2における被曝線量履歴データD1の表示や新規被曝線量履歴データの追記については後述する。
【0039】
次に、図2〜図13を参照しながら、X線CT装置1及び外部端末2の動作について説明する。
【0040】
まず、X線CT装置1における被曝線量履歴データD1の蓄積処理について、図2を用いて説明する。
X線CT装置1において、一連のスキャン(検査)が終了すると、システム制御装置124は、X線制御装置106に対して検査終了通知を送信する(ステップS100)。X線制御装置106は、記憶装置126に備えられた被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データD1を送信する(ステップS101)。
【0041】
被曝線量履歴データD1は、当該検査に関する、被検者番号、被検者名等の被検者情報、検査日付や検査時刻、計測時間、検査部位名等の検査情報、管電流値、管電圧値、AEC(自動露出機能)のON/OFF情報、スキャンタイプ、CTDIvol(Computed Tomography Does Index)や、DLP(Does−Length Product for a Complete examination)等の被曝線量情報等を含む(図4参照)。
被曝線量履歴管理データベース127は、X線制御装置106から送信された被曝線量履歴データD1を保存する(ステップS102)。
【0042】
この被曝線量履歴データD1の蓄積処理によって、操作者が特別の操作をしなくても、検査の都度、自動的に被曝線量履歴データを被曝線量履歴管理データベース127に保存できる。
【0043】
次に、図3を参照して、X線CT装置1における被曝線量履歴データD1の表示処理について説明する。
操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0044】
X線CT装置1において、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、システム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS110)。被曝線量履歴データ群とは、蓄積された複数の被曝線量履歴データである。
被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、当該被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS111)。システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群の表示指令を表示装置125に対して送信する(ステップS112)。表示装置125は受信した表示指令に応じて、被曝線量履歴データ群を表示する(ステップS113)。
【0045】
図4は、ビューアアプリ128における被曝線量履歴データ群の表示例である。
図4に示すように、表示装置125の表示画面には、検索条件入力エリアK1、被曝線量履歴の一覧表示エリアC1が設けられるとともに、検索開始ボタンB1、メディア作成開始ボタンB2、表示項目選択ボタンB3等の各種操作ボタンが表示される。
【0046】
一覧表示エリアC1には、被曝線量履歴データ群が一覧表示される。全ての被曝線量履歴データの表示指令がある場合は、被曝線量履歴管理データベース127から読み出した全ての被曝線量履歴データが表示されるが、検索条件入力エリアK1に検索条件の入力があった場合は、入力された検索条件に合致したレコード(被曝線量履歴データ)のみが抽出されて表示される。また、表示項目選択ボタンB3の押下された場合には、別の表示項目選択ウィンドウW2(図11参照)が開かれ、一覧表示エリアC1に表示させる項目を適宜選択できる。検索及び表示項目の選択については、後述する。
【0047】
図4に示す例では、特に検索条件が入力されていないため、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群が一覧表示エリアC1に全て表示される。
【0048】
被曝線量履歴データは、1レコードに、例えば、被検者番号「1000100」、被検者氏名「ヤマダ タロウ」、計測日時「08/07/10」、計測時刻「14:28:42」、計測時間「10.0[s]」、部位「頭部」、管電流値「200[mA]」、管電圧値「120[kV]」、AEC(自動露出機能)「OFF」、スキャンタイプ「N」、CTDIvol「50.0[mGy]」、DLP「750.0[mGy・cm]」といった各項目の内容が表示される。
【0049】
次に、図5を参照して、X線CT装置1における被曝線量履歴データとビューア128の可搬メディアM1への書き込み処理について説明する。
操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0050】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から可搬メディアM1への書き込み指示が入力されると、まず、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS120)。被曝線量履歴管理データベース127は、被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124へ送信する(ステップS121)。次に、システム制御装置124は、取得した被曝線量履歴データ群に対して、暗号化処理またはパスワード設定処理を行う(ステップS122)。この暗号化処理及びパスワード設定処理は、セキュリティ保護等の観点から行われるものである。パスワードは、操作者により任意に設定される。また、暗号化処理は、所望のセキュリティレベルに応じた暗号化アルゴリズムを用いるものとする。
【0051】
システム制御装置124は、暗号化またはパスワードにより保護された被曝線量履歴データ群と、ビューア128(被曝線量履歴ビューアアプリケーション128)のプログラムとを、書き込み指令とともにメディアドライブ装置126に送信する(ステップS123)。メディアドライブ装置126は、挿入されている可搬メディアM1に対して被曝線量履歴データ群と、ビューア128のプログラムとを書き込む(ステップS124)。
【0052】
可搬メディアM1へ書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている全ての被曝線量履歴データとしてもよいし、その一部のみとしてもよい。
被曝線量履歴データの一部を選択可能とするため、システム制御装置124は、ステップS120の前に、操作者の入力指示に従って図6に示すメディア保存項目の指定画面W1を表示装置125に表示させ、可搬メディアM1に保存する項目の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0053】
図6のメディア保存項目の指定画面W1には、「被検者番号」、「被検者名」、「AEC ON/OFF」、「スキャンタイプ」等、被曝線量履歴データに含まれる各項目のチェックボックスが表示される。チェックボックスにチェックが入力されると、その項目は保存される。被曝線量履歴データに含まれる項目のうち、指定画面W1にない項目については、常に保存されるものとする。
なお、図6の指定画面W1に示す選択項目は一例であり、この内容に限定されない。特に、正確な被曝線量データの管理のために、計測時間、管電流値、管電圧値、CTDIvol、DLPといった被曝線量に直接関係する項目については、必ず保存されることが望ましい。
【0054】
また、図5の可搬メディアM1への書き込み処理において、被検者を特定し、その被検者に関する被曝線量履歴データのみを可搬メディアM1に保存するようにしてもよい。
【0055】
一の被検者を特定し、その被検者についての被曝線量履歴データのみをビューア128のプログラムとともに可搬メディアM1に保存するようにすれば、当該可搬メディアM1を、個人用の被曝線量管理メディアとして利用することが可能となる。すなわち、従来より個人に頒布されている薬手帳(紙媒体)のように、被曝線量について個人が管理するメディアとして利用できる。例えば、被検者が自己の被曝線量履歴データが格納された可搬メディアM1を、既に検査を行った病院とは異なる病院等に持っていき、医師のPC(外部端末2)でその可搬メディアM1を読み込み、保存されているビューア128を起動し、保存されている被曝線量履歴データを参照しながら、別の検査の計画を立てたりすることが可能となる。また、被検者が自己のPC(外部端末2)で被曝線量履歴データを自由に閲覧することも可能となる。
【0056】
また、複数の被曝線量履歴データを可搬メディアM1に保存する場合には、医療機関における各X線画像診断装置の照射線量管理を、管理者のPC等で一括して行うことができ、利便性が向上する。
【0057】
次に図7〜図12を参照して、外部端末2における被曝線量履歴データ群の表示処理について説明する。
図7のシーケンス図に示すように、まず、外部端末2のメディアドライブ装置203に可搬メディアM1が挿入されると、メディアドライブ装置203は、可搬メディアM1に記録されている情報を読み込み、その情報をシステム制御装置202に送信する(ステップS130)。
システム制御装置202は、ステップS130で受信した可搬メディアM1の情報から被曝線量履歴データ群の読み出し指令をメディアドライブ装置203に対し、送信する(ステップS131)。
【0058】
メディアドライブ装置203は、被曝線量履歴データ群の読み出し指令に従って、被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置202に送信する(ステップS132)。メディアドライブ装置203に保存されている被曝線量履歴データ群は、パスワードまたは暗号化処理によって保護された状態である。
【0059】
次に、システム制御装置202は、パスワードまたは暗号化による保護を解除するためのパスワード入力画面の表示指令を表示装置201に送信する(ステップS133)。表示装置201は、表示指令に応じて、パスワード入力画面を表示する(ステップS134)。
【0060】
パスワード入力画面において、入力装置204からパスワードが入力され、システム制御装置201に送信されると(ステップS135)、システム制御装置202は、設定されているパスワードと入力されたパスワードの照合を行い(ステップS136)、パスワードが一致する場合は、被曝線量履歴データ群のパスワードロックを解除、または復号処理する(ステップS137)。
【0061】
その後、システム制御装置202は、表示装置201に対して、保護が解除された被曝線量履歴データ群の表示指令を表示装置201に送信し(ステップS138)、表示装置201は、表示指令に応じて、被曝線量履歴データ群を一覧表示する(ステップS139)。
【0062】
図8は、外部端末2において表示される被曝線量履歴データの一例である。図8に示す被曝線量履歴データは、X線CT装置1において保存された被曝線量履歴データと同一のものである(図4参照)。また、表示画面には、図4と同様に、被曝線量履歴データ表示エリアC1、検索条件入力エリアK1、メディア作成開始ボタンB2、表示項目選択ボタンB3が設けられる。
【0063】
図9に示すように、検索条件入力エリアK1の被検者番号入力欄11に、「1000100」が入力され、検索開始ボタンB1が押下されると、システム制御装置202は、可搬メディアM1に保存されている被曝線量履歴データ群の中から、該当する被検者番号に関する被曝線量履歴データを抽出し、表示する。
【0064】
また、図10に示すように、検索条件入力エリアK1の期間指定検索欄13に期間が入力された場合は、システム制御装置202は、その期間内に行われた検査についての被曝線量履歴データを抽出し、表示する。
図10の例では、被曝線量履歴データの、「計測日付」が、開始日付「08/04/01」〜終了日付「08/07/31」の期間に該当する検査が抽出され、表示されている。
【0065】
外部端末2における表示処理において、表示項目を操作者が指定して表示させることも可能である。
この場合、図7のステップS130〜S139の表示処理に先立ち、システム制御装置202は、図11に示すような表示項目指定画面W2を表示装置201に表示させ、表示項目の指定を受け付ける。
表示項目指定画面W2には、例えば、「被検者番号」、「被検者名」、「検査日付」、「検査時刻」、「検査時間」、「検査部位」、「管電流値」、「管電圧値」、「AEC ON/OFF」、「スキャンタイプ」等の指定可能な各項目のチェックボックスが表示される。
なお、被曝線量に関する項目「CTDIvol」や「DLP」については、必ず表示されることが望ましいため、この例のように、指定可能な項目に含まない方がよい。
【0066】
操作者の操作によって、表示させたい項目のチェックボックスに対し、チェックが入力され、「OK」ボタンが押下されると、チェックが入力された項目のみが被曝線量履歴データ表示エリアC1に表示される。
【0067】
図12は、図11の表示項目指定画面W2において、「被検者番号」、「被検者名」、「検査日付」、「検査時刻」、「検査時間」、「検査部位」、「管電流値」、「AEC ON/OFF」が指定された場合の被曝線量履歴データの表示例である。
このように、表示項目を指定可能とすることにより、操作者は所望の項目のみを効率よく閲覧できるようになる。
【0068】
また、可搬メディアM1に被曝線量履歴データを書き込んだX線CT装置1とは異なる他のX線CT装置1B(不図示)にて、別の検査を行った場合には、同一の可搬メディアM1に、他のX線CT装置1Bにおける検査の新規被曝線量履歴データD2を追加して記録することが好ましい。
【0069】
新規被曝線量履歴データD2の追記は、他のX線CT装置1Bからの書き込み(図2参照)、またはPC(外部端末2)の入力装置からのデータ入力による書き込みのいずれとしてもよい。他のX線CT装置1Bから新規被曝線量履歴データを書き込む場合には、他人(可搬メディアM1の所有者以外)の被曝線量履歴データが誤って可搬メディアM1に書き込まれないように、被検者情報の照会処理等を行ってからデータを書き込むようにすることが望ましい。
【0070】
また、新規被曝線量履歴データD2の追記は、被検者個人が行うものとはしないで、医師や技師等、新規被曝線量履歴データの追記に関して正当な権限を有する者のみが行えるように書き込み権限の制限を設けることが望ましい。
例えば、医師や技師のパスワードでビューア128にアクセスした場合には、新規被曝線量履歴データD2の書き込みを許可し、その他のパスワードでアクセスした場合には被検者本人であっても書き込み不可とする。
【0071】
以上説明したように、第1の実施の形態において、X線CT装置1は、検査の都度、その検査の被曝線量(CTDIvol、DLP等)を被検者情報や検査情報等とともに被曝線量履歴データとして被曝線量履歴管理データベース127に蓄積して記憶しておく。
そのため、被曝線量履歴データが自動的に保存されるため、被曝線量の管理が容易となる。
【0072】
また、X線CT装置1は、ビューア128を有しており、システム制御装置124がビューア128を起動することにより、被曝線量履歴管理データベース127の内容がX線CT装置1にて閲覧可能となる。更に、X線CT装置1のシステム制御装置124は、被曝線量履歴データとビューア128のプログラムとを同一の可搬メディアM1に書き込む処理を行う。可搬メディアM1に書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群の全てとしてもよいし、一部としてもよい。
【0073】
このように、可搬メディアM1内に被曝線量履歴データと、それを閲覧するためのビューア128とが記録されているため、可搬メディアM1に対応するメディアドライブ装置を有する外部端末であれば、特にネットワーク接続環境がなくても被曝線量履歴データを閲覧できる。そのため、小規模な診療所等、通信設備の整っていない機器環境でも、被曝線量の履歴を閲覧したり、追記したりできるようになり、被曝線量履歴の管理に関し、使い勝手の良い仕組みを提供できる。
【0074】
また、可搬メディアM1に被曝線量履歴データやビューア128を書き込む際に、パスワードロックを設定したり、暗号化処理したりするので、被検者個人の情報を有効に保護できる。
【0075】
なお、上述の第1の実施の形態では、X線CT装置1を本発明のX線画像診断装置の具体例としているため、被曝線量に関するデータは、「CTDIvol」や「DTI」といった値を取得しているが、他の値を取得するようにしてもよい。また、医用画像機器に関する規格(例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine等)が整備された場合には、その規格に準拠するデータ項目の中から被曝線量データに関する項目を取得するようにすれば、標準的なX線画像診断装置の多くから被曝線量履歴データを容易に取得できるため、より適切な被曝線量管理を行えるようになる。
【0076】
(第2の実施の形態)
次に、図13〜図15を参照して、第2の実施の形態のX線画像診断装置(X線CT装置1)、及び可搬メディアM2について、説明する。
【0077】
第2の実施の形態のX線CT装置1は、第1の実施の形態と同様に、被曝線量履歴データ及びビューア128を可搬メディアM2に書き込むとともに、被曝線量履歴データに関連する画像データも可搬メディアM2に書き込む。可搬メディアM2は、第1の実施の形態の可搬メディアM2と同様に、対応するドライブ装置やコンピュータ等を用いることにより、データの読み取り及び書き込みが可能な記録媒体であり、ユーザが自在に持ち運ぶことが可能なものである。
以下の説明において、第1の実施の形態のX線CT装置1と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0078】
図13に示すように、X線CT装置1の記憶装置123には、被曝線量履歴管理データベース127とともに、画像データ群129が記憶されている。画像データ群129には、X線CT装置1で撮影した断層像やスキャノグラム画像等が含まれる。なお、画像データは検査毎に管理される。すなわち、各検査の被曝線量履歴データと画像データとが関連付けられているものとする。
【0079】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群の全てまたは一部と、その被曝線量履歴データに関連付けられた画像データとを読み出し、暗号化・パスワード設定処理等のセキュリティ保護処理を行い、パスワード設定情報等、被曝線量履歴ビューアアプリケーション(ビューア)128とともに、可搬メディアM2に保存する。
【0080】
図14を参照して、被曝線量履歴データ、画像データ、及びビューア128の可搬メディアM2への書き込み処理について説明する。
まず、操作者の操作によって、ビューア128がシステム制御装置124により起動されているものとする。
【0081】
X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から可搬メディアM2への書き込み指示が入力されると、記憶装置123に対して、被曝線量履歴データ群、画像データ群の読み出し指令を送信する(ステップS220)。記憶装置123は、被曝線量履歴管理データベース127から被曝線量履歴データ群を読み出すとともに、各被曝線量履歴データに関連する画像データ群を読み出し、システム制御装置124へ送信する(ステップS221)。次に、システム制御装置124は、取得した被曝線量履歴データ群及び画像データ群に対して、暗号化処理またはパスワード設定処理を行う(ステップS222)。
【0082】
システム制御装置124は、暗号化またはパスワードにより保護された被曝線量履歴データ群及び画像データ群と、ビューア128(被曝線量履歴ビューアアプリケーション128)のプログラムとを、書き込み指令とともにメディアドライブ装置126に送信する(ステップS223)。メディアドライブ装置126は、挿入されている可搬メディアM2に対して、被曝線量履歴データ群、画像データ群、及びビューア128のプログラムを書き込む(ステップS224)。
【0083】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、可搬メディアM2へ書き込まれる被曝線量履歴データは、被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている全ての被曝線量履歴データとしてもよいし、その一部のみとしてもよい。この場合、図6に示すメディア保存項目の指定画面W1を表示装置125に表示させ、可搬メディアM2に保存する項目の選択を受け付けるようにすればよい。また、メディア保存項目の指定画面W1にて、画像データを保存するか否かを選択するようにしてもよい。
【0084】
可搬メディアM2に書き込まれた被曝線量履歴データや画像データは、第1の実施の形態と同様に、外部端末2にて閲覧可能となる。
外部端末2における表示処理の流れは、図7に示すシーケンス図と同様である。ただし、図7のシーケンス図のステップS130の可搬メディアM1は「可搬メディアM2」とし、ステップS131、ステップS132、ステップS137、ステップS138、ステップS139の「被曝線量履歴データ群」は「被曝線量履歴データ群及び画像データ群」とする。
【0085】
すなわち、外部端末2のメディアドライブ装置203に可搬メディアM1が挿入されると、メディアドライブ装置203は、可搬メディアM2に記録されている情報を読み込む。システム制御装置202は、可搬メディアM2から被曝線量履歴データ群及び画像データ群をメディアドライブ装置203に読み取らせる。メディアドライブ装置203は、被曝線量履歴データ群及び画像データ群を読み出し、システム制御装置202に送信する。次に、システム制御装置202は、パスワード入力画面を表示装置201に表示させる。パスワード入力画面においてパスワードが入力されると、システム制御装置202は、設定されているパスワードと入力されたパスワードの照合を行い、パスワードが一致する場合は、被曝線量履歴データ群及び画像データ群のパスワードロックを解除、または復号処理する。その後、システム制御装置202は、表示装置201に保護が解除された被曝線量履歴データ群及び画像データ群を送信し、表示させる。
【0086】
図15は、外部端末2において表示される被曝線量履歴データ群及び画像データ群の一例である。図15に示す被曝線量履歴データは、ここでは被検者氏名「ヤマダ タロウ」に関するものである。また、表示画面には、被曝線量履歴データ表示エリアC1、検索条件入力エリアK1、表示項目選択ボタンB3、メディア作成開始ボタンB2に加え、画像データ表示エリアC2が設けられる。画像データ表示エリアC2には、可搬メディアM2に記憶されている画像が表示される。
【0087】
可搬メディアM2に記憶されている画像データがすべてサムネイル表示されるようにしてもよいし、被曝線量履歴データ表示エリアC1に表示されている被曝線量履歴データの一覧から、選択された検査に関する画像データのみが、画像データ表示エリアC2に表示するようにしてもよい。
【0088】
第2の実施の形態についても、第1の実施の形態と同様に、図10に示すような検索表示処理を行ったり、図11に示すような表示項目指定画面W2を表示装置201に表示させ、表示項目の指定を受け付けるようにすることが好ましい。
【0089】
以上説明したように、第2の実施の形態のX線CT装置1及び可搬メディアM2によれば、被曝線量履歴データ群と、この被曝線量履歴データ群に関連する画像データ群を、ビューア128とともに可搬メディアM2に保存することが可能となる。
【0090】
したがって、ネットワーク接続環境のない外部端末2においても、被曝線量データとそれに関連する画像データとが閲覧可能となり、被曝線量管理メディアとしての利便性が向上する。
例えば、被検者が自分の被曝線量履歴データと画像データとが書き込まれた可搬メディアM2を、検査をした病院とは異なる他の診療所に持ち込み、医師のPC(外部端末2)にて、被曝線量履歴データを参照しつつ、CT検査の画像等を確認できるため、セカンドオピニオンとして別の医師の診断を仰いだり、今後の検査の計画について助言を受けたりすることも可能となる。
【0091】
更に、他のX線CT装置にて新たな検査を行った場合には、可搬メディアM2に、新規被曝線量履歴データ及び新規画像データを追記することが好ましい。新規被曝線量履歴データ及び新規画像データを追記に関しては、他のX線CT装置1Bからの書き込み(図2参照)、またはPC(外部端末2)の入力装置からのデータ入力による書き込みのいずれとしてもよい。他のX線CT装置1Bから被曝線量履歴データ及び画像データを書き込む場合には、他人(可搬メディアM2の所有者以外)の被曝線量履歴データ及び画像データが誤って可搬メディアM2に書き込まれないように、被検者情報の照会処理等を行ってから被曝線量履歴データ及び画像データを書き込むようにすることが望ましい。
【0092】
(第3の実施の形態)
次に、図16〜図17を参照して、第3の実施の形態について、説明する。
第3の実施の形態のビューア130は、第1の実施の形態のビューア128の機能に加え、被曝線量履歴データを表示する際に、被曝線量に応じた識別表示を行う機能を有する。
以下の説明において、第1または第2の実施の形態のX線CT装置1と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0093】
図16は、第3の実施の形態のビューア130が実行する識別表示処理を説明するシーケンス図である。
図16に示すように、X線CT装置1のシステム制御装置124は、図3のステップS110〜ステップS111と同様に、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS300)。被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、当該被曝線量履歴管理データベース127に記憶されている被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS301)。
システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群のうち、被曝線量に関連する項目の値や、被曝線量履歴データから求められる値について、所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS302)。
【0094】
ここで、被曝線量の判定対象とする値は、例えば、「CTDIvol」や「DLP」等の値である。また、閾値は検査部位毎に設定される。閾値は操作者が設定してもよいし、予めビューア130に設定された値としてもよい。また、閾値は、「安全」、「やや危険」、「危険」のように、被曝線量のレベルに応じて複数設定されるものとしてもよい。
【0095】
システム制御装置124は、ステップS302の処理による各被曝線量履歴データの閾値判定が終了すると、その判定結果とともに被曝線量履歴データ群を表示装置125に送信する(ステップS303)。表示装置125は、閾値判定結果に応じて各被曝線量履歴データを異なる表示形式で表示する(ステップS304)。例えば、安全レベルが、「危険」レベルと判定された被曝線量履歴データを赤で表示し、「やや危険」レベルと判定された被曝線量履歴データを黄色で表示する等、色分け表示を行ったり、所定の閾値を超えている被曝線量履歴データを反転表示させたり、太字表示を行ったりして、他の被曝線量履歴データから識別できるように表示する。
【0096】
図17に示す例では、被検者番号「1000104」のレコードと、被検者番号「1000102」のレコードとが、斜線や網掛けといった模様を用いて識別表示されている。
【0097】
以上説明したように、ビューア130によって、被曝線量履歴データ群を一覧表示する際に、被曝線量に応じた識別表示を行うことにより、操作者は簡単に被曝線量の多い検査を確認できる。
【0098】
なお、この第3の実施の形態のビューア130は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様に、可搬メディアM1(またはM2)に被曝線量履歴データとともに書き込まれ、必要に応じて関連する画像データもともに書き込まれる。したがって、X線CT装置1、外部端末2のいずれにおいても、上述のビューア130による、被曝線量に応じた識別表示処理が実行可能である。
【0099】
(第4の実施の形態)
次に、図18〜図19を参照して、第4の実施の形態のビューア131について説明する。
第4の実施の形態において、ビューア131は、第1または第2の実施の形態のビューア128の機能に加え、被曝線量に関する撮影条件の上限値を提示する機能を有する。
以下の説明において、第1、第2、または第3の実施の形態のX線CT装置1等と同一の各部は、同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0100】
図18は、第4の実施の形態のビューア131が実行する撮影条件提示処理を説明するシーケンス図である。
【0101】
図18に示すように、X線CT装置1のシステム制御装置124は、入力装置121から被曝線量履歴データの表示指示があると、被曝線量履歴管理データベース127に対して、被曝線量履歴データ群の読み出し指令を送信する(ステップS400)。この読み出し指令は、一の被検者を指定して行う。被曝線量履歴管理データベース127は、読み出し指令に応じて、指定された被検者についての被曝線量履歴データ群を読み出し、システム制御装置124に送信する(ステップS401)。
システム制御装置124は、受信した被曝線量履歴データ群に基づいて、撮影条件の上限値を算出する(ステップS402)。
【0102】
ここで、撮影条件の上限値の算出について説明する。
国際放射線防護委員会(ICRP)によれば、年間の許容被曝限度を、実効線量で、職業人は50mSv/年、一般公衆は、1mSv/年と定めている。以下、一例として、ICPRにより提示された許容被曝限度を、許容被曝線量の指標値として用いることとする。
【0103】
システム制御装置124は、被曝線量履歴データに基づいて、現在から所定期間内(例えば過去1年間)の実効線量を算出する。X線の放射線荷重係数は1なので、1Gy=1Svである。
システム制御装置124は、算出した実効線量と許容被曝線量の指標値とから、次の検査で許容できる線量を算出し、検査部位または所望の画質に応じた管電流値や管電圧値等、撮影条件の上限値(推奨設定条件)を算出する。
システム制御装置124は、ステップS402の処理による撮影条件の上限値を算出すると、その算出結果を表示装置125に送信する(ステップS403)。表示装置125は、撮影条件の上限値(推奨設定条件)を表示する(ステップS404)。
【0104】
図19は、推奨設定条件の提示画面W4の一例である。
図19に示すように、表示画面W4には、「ヤマダ タロウさんの現在の撮影条件の上限値」として、頭部、腹部、頸部、胸部、下肢、等の各部位について、管電流値や管電圧値等の推奨設定条件が表示される。
【0105】
以上説明したように、ビューア131によって、次の検査での撮影条件の上限値を被曝線量履歴データ及び許容被曝線量の指標値に基づいて算出し、次の検査における推奨設定条件として提示できる。そのため、検査技師等は提示された推奨設定条件を参考にして、X線CT装置1の撮影条件を設定できるようになる。また、被検者にとっても、次に行う検査の被曝線量について具体的な設定値を確認できるため、特に放射線についての知識がなくても、検査による影響に注意を払いやすくなる。
【0106】
なお、この第4の実施の形態のビューア131は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様に、可搬メディアM1(またはM2)に被曝線量履歴データとともに書き込まれ、必要に応じて関連する画像データもともに書き込まれる。したがって、X線CT装置1、外部端末2のいずれにおいても、上述のビューア131による、被曝線量に基づく、撮影条件の上限値の提示処理が実行可能である。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0108】
1・・・X線CT装置(X線画像診断装置)
100・・・スキャナ
101・・・X線管
102・・・コリメータ
103・・・寝台
104・・・X線検出器
105・・・データ収集装置
106・・・X線制御装置
107・・・寝台制御装置
120・・・操作卓
121・・・入力装置
122・・・画像演算装置
123・・・記憶装置
124・・・システム制御装置
125・・・表示装置
126・・・メディアドライブ装置
127・・・被曝線量履歴管理データベース
128・・・被曝線量履歴ビューアアプリケーション
2・・・外部端末
201・・・外部端末の表示装置
202・・・外部端末のシステム制御装置
203・・・外部端末のメディアドライブ装置
204・・・外部端末の入力装置
M1・・可搬メディア(可搬記録媒体)
W1・・・・メディア保存項目の指定画面
W2・・・・被曝線量履歴データ表示項目の指定画面
129・・・画像データ群
M2・・・・可搬メディア(可搬記録媒体;第2の実施形態)
130、131・・・被曝線量履歴ビューアアプリケーション(第3、第4の実施形態)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を取得するX線画像診断装置であって、
各検査の都度、前記被検体に照射したX線の線量を、被曝線量履歴データとして被曝線量履歴データベースに蓄積して記憶する被曝線量履歴蓄積手段と、
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧手段と、
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データの全部または一部と、コンピュータに読み込ませることにより前記閲覧手段を実現する閲覧用プログラムとを共に、同一の可搬記録媒体に記録する記録制御手段と、
を備えることを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記記録制御手段は、
当該X線画像診断装置によって取得した画像のうち、前記可搬記録媒体に記録する被曝線量履歴データに関連する画像を更に当該可搬記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データのうち、前記可搬記録媒体への記録内容を指定する指定手段を備え、
前記記録制御手段は、前記指定手段により指定された記録内容を前記閲覧用プログラムと共に、前記可搬記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
複数の検査の被曝線量履歴データを一覧表示する際に、被曝線量に応じて各被曝線量履歴データを識別表示する識別表示手段として機能させるプログラムを、 更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項5】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
対象とする被検体について、その被検体の所定期間内での被曝線量及び所定の許容被曝線量の指標値に基づき、次の検査における推奨設定条件を算出し、提示する推奨設定条件提示手段として、機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項6】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
入力された検索条件に従い、前記被曝線量履歴データを検索し、表示する検索手段として、機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項7】
請求項1に記載のX線画像診断装置によって、
検査における被曝線量の履歴である被曝線量履歴データと、
当該被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧用プログラムと、 が共に記録されたことを特徴とする可搬記録媒体。
【請求項8】
当該可搬記録媒体に記録される被曝線量履歴データは、一の被検体に関するものであることを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項9】
当該可搬記録媒体には、更に、
前記被曝線量履歴データに関連する画像が記録されていることを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項10】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
新規被曝線量履歴データを当該可搬記録媒体に追記するための書込手段として機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項11】
前記書込手段は、更に、ユーザに応じた書き込み権限を設定することを特徴とする請求項10に記載の可搬記録媒体。
【請求項1】
X線を被検体に照射することにより被検体内部の画像を取得するX線画像診断装置であって、
各検査の都度、前記被検体に照射したX線の線量を、被曝線量履歴データとして被曝線量履歴データベースに蓄積して記憶する被曝線量履歴蓄積手段と、
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧手段と、
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データの全部または一部と、コンピュータに読み込ませることにより前記閲覧手段を実現する閲覧用プログラムとを共に、同一の可搬記録媒体に記録する記録制御手段と、
を備えることを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記記録制御手段は、
当該X線画像診断装置によって取得した画像のうち、前記可搬記録媒体に記録する被曝線量履歴データに関連する画像を更に当該可搬記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記被曝線量履歴データベースに記憶されている被曝線量履歴データのうち、前記可搬記録媒体への記録内容を指定する指定手段を備え、
前記記録制御手段は、前記指定手段により指定された記録内容を前記閲覧用プログラムと共に、前記可搬記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
複数の検査の被曝線量履歴データを一覧表示する際に、被曝線量に応じて各被曝線量履歴データを識別表示する識別表示手段として機能させるプログラムを、 更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項5】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
対象とする被検体について、その被検体の所定期間内での被曝線量及び所定の許容被曝線量の指標値に基づき、次の検査における推奨設定条件を算出し、提示する推奨設定条件提示手段として、機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項6】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
入力された検索条件に従い、前記被曝線量履歴データを検索し、表示する検索手段として、機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項7】
請求項1に記載のX線画像診断装置によって、
検査における被曝線量の履歴である被曝線量履歴データと、
当該被曝線量履歴データを閲覧可能に表示させるための閲覧用プログラムと、 が共に記録されたことを特徴とする可搬記録媒体。
【請求項8】
当該可搬記録媒体に記録される被曝線量履歴データは、一の被検体に関するものであることを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項9】
当該可搬記録媒体には、更に、
前記被曝線量履歴データに関連する画像が記録されていることを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項10】
前記閲覧用プログラムは、コンピュータを、
新規被曝線量履歴データを当該可搬記録媒体に追記するための書込手段として機能させるプログラムを、
更に含むことを特徴とする請求項7に記載の可搬記録媒体。
【請求項11】
前記書込手段は、更に、ユーザに応じた書き込み権限を設定することを特徴とする請求項10に記載の可搬記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−264163(P2010−264163A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119576(P2009−119576)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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