X線診断治療装置
【課題】シミュレーション時の情報を利用して治療の全般的な状態を把握すると共に、治療を受けている患者への負担を抑え、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させることができるX線診断治療装置を提供することである。
【解決手段】X線診断治療装置は、X線発生部14から被検体20にX線を照射し、X線検出器33でこれを検出して電気信号に変換する。変換された電気信号を、画像データとしてメモリ45に一時記憶し、記憶した画像がビデオ回路47で画像処理して画像モニタ17に表示する。一方、予めIVRシミュレータ35で得られたシミュレーション画像を、メインデータベース44に記憶する。操作部12で前記シミュレーション画像を参照画像として指定すると、画像モニタ17に、メモリ45に一時記憶した画像と、操作部12で指定した参照画像を表示する。
【解決手段】X線診断治療装置は、X線発生部14から被検体20にX線を照射し、X線検出器33でこれを検出して電気信号に変換する。変換された電気信号を、画像データとしてメモリ45に一時記憶し、記憶した画像がビデオ回路47で画像処理して画像モニタ17に表示する。一方、予めIVRシミュレータ35で得られたシミュレーション画像を、メインデータベース44に記憶する。操作部12で前記シミュレーション画像を参照画像として指定すると、画像モニタ17に、メモリ45に一時記憶した画像と、操作部12で指定した参照画像を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線診断治療装置に関し、より詳細には、インターベンショナルラジオロジシミュレータの情報を利用したX線診断治療装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線治療診断装置では、血管をガイドワイヤ、カテーテルを通して、血管壁等の疾患を経皮的に治療するための画像の提供等を実施している。そして、例えば、下記特許文献1には、経皮的に血管内に挿入したガイドワイヤやカテーテルを、血管の走行に沿わせて進め、血管壁等の疾患を治療する、インターベンショナルラジオロジ(lnterventional Radiology;以下IVRと記す)を実施するための画像を提供するX線治療診断装置が記載されている。
【0003】
目的部位まで短時間で治療用デバイスを到達させることは、治療を受けている患者への負担を抑えることと、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させる上で重要である。しかしながら、血管走行の個人差等により、術者の経験に基づく技術が必要となり、慣れない術者にとっては試行錯誤を繰り返すことによって、前述のリスクを増大させる懸念がある。
【0004】
そのため、こうした術者の研鑽のためのシステムとして、IVRシミュレータが存在する(例えば、下記特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−119507号公報
【特許文献2】特開2005−241883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、血管の走行に沿わせて、ガイドワイヤやカテーテル等の診断治療用の血管内デバイスを経皮的に操作するにあたり、血管走行には、個人差や、稀に見られる血管の奇形走行や奇形分岐等の、特別な走行状態が血管内デバイスの血管内の進行の支障となることがある。このような特別な走行状態の血管部分を通過させるには、個人差や奇形の可能性を十分理解しておく必要があり、その知識が不足していると、その血管部分を通過させるのに時間がかかり、当該血管部分に負担をかけ、ひいては全身状態にも影響を及ぼす合併症を引き起こすというリスクも孕んでいる。
【0006】
短時間での通過は、治療を受けている患者への負担を抑えることと、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させる上で重要であるが、術者の経験に基づく技術が必要であり、慣れない術者にとっては試行錯誤を繰り返すことによって、前述のリスクを増大させる懸念がある。
【0007】
また、前述したIVRシミュレータは、一般的な治療シミュレーションにとどまっており、これから実際に治療する患者に対する治療シミュレーションを実施する段階にはないため、個人に特有の奇形走行血管に対する具体的な手技を検討するまでには至っていない。
【0008】
このIVRシミュレータが、実際に治療する患者のデータに基づいて、X線装置による現実の治療前の事前シミュレーション(事前検討)にまで発展したとしても、事前検討に於ける情報を有効に利用して、X線装置による現実の治療に役立てることができないものであった。
【0009】
したがって本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シミュレーション時の情報を利用して治療の全般的な状態を把握すると共に、治療を受けている患者への負担を抑え、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させることができるX線診断治療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明のX線診断治療装置は、被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記線発生手段より照射されたX線を、前記被検体を透過して検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記線発生手段より照射されたX線を、前記被検体を透過して検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段で処理された画像を表示する表示手段と、を備えたX線診断治療装置に於いて、診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、を具備し、前記表示手段は、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シミュレーション時の情報を利用して治療の全般的な状態を把握すると共に、治療を受けている患者への負担を抑え、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させることができるX線診断治療装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係るX線診断治療装置を示すもので、図1は全体構成を示す外観図、図2は全体構成を示すブロック構成図である。
【0015】
本実施形態のX線診断治療装置10は、寝台11と、この寝台11に設けられた操作部12と、X線発生部14と、X線検出部15と、これらX線発生部14及びX線検出部15を対向関係に配置したC字形状のCアーム16と、複数の画像モニタ17とから構成される。
【0016】
前記寝台11は被検体20を載置するためのもので、この寝台11を挟んでCアーム16の両端部に対向関係で前記X線発生部14とX線検出部15が搭載されている。前記Cアーム16は、Cアーム・寝台機構制御部27により駆動されて回転する。このとき、X線発生部14とX線検出器15とが、同一の回転軸の軸周りを回転する。
【0017】
X線発生部14は、X線管31及びX線絞り器32を有している。X線管31は、高電圧発生器30から電力供給を受けて、X線検出部15内の後述するX線検出器33に向けてX線を放射する。高電圧発生器30は、X線制御部29及びCアーム・寝台機構制御部27を介してシステムコントローラ25によって、管電圧及びフィラメント電流が任意に調整されるようになっている。尚、システムコントローラ25は、このX線診断治療装置10全体の制御動作を司るものである。このシステムコントローラ25は、また、X線管31によるX線の発生の制御と同期して、X線検出器33の制御も併せて行う。
【0018】
一方、X線検出部15はX線検出器33と、図示されないデータ変換部を有して構成される。X線検出器33は、前述したX線管31より被検体20を介して入射するX線を検出して、その強度に応じた電気信号をデータ変換部に出力する。このデータ変換部で変換された画像データは、システムコントローラ25内の検出器インターフェース(I/F)41からバス40を介して、記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)43及び一次記憶用のメモリ45に供給される。
【0019】
システムコントローラ25は、前記検出器インターフェース41、X線/支持器制御インターフェース(I/F)42、ハードディスクドライブ43、シミュレーション用の過去画像を記憶しているメインデータベース(RAID)44、メモリ45、ビデオ(Video)回路47及びシミュレータインターフェース(I/F)48を有して構成される。また、このシステムコントローラ25には、前記操作部12と、X線検出部15と、画像モニタ17と、X線/可動部制御コントローラ26と、IVRシミュレータ35が接続されている。
【0020】
前記X線/可動部制御コントローラ26は、術者が操作部12を操作することによってCアーム・寝台機構制御部27を介して、Cアーム16や寝台11の移動量、X線管31から放射されるX線を制御するためのものである。このX線/可動部制御コントローラ26は、システムコントローラ25内のX線/支持器制御インターフェース42から角度情報等を得る。
【0021】
IVRシミュレータ35は、患者の画像情報に基づく擬似X線画像と、擬似カテーテルや擬似IVR治療デバイスを擬似操作している状況を合成表示することにより、IVR手技をシミュレートするための装置である。このIVRシミュレータ35により事前に得られた画像等が、システムコントローラ25内のシミュレータインターフェース48を介してメインデータベース44に記憶されている。
【0022】
ビデオ回路47では、X線検出部15で得られた画像データを画像モニタ17に表示するべく画像処理が行われる。術者は、この画像モニタ17に表示された画像等を確認しながら操作部12を操作することにより、X線診断治療を行うことができる。
【0023】
このような構成のX線診断治療装置10に於いて、操作部12の図示されないスイッチによる撮影開始操作が術者によって行われる。すると、この操作部12からの操作信号がシステムコントローラ25により処理され、X線/可動部制御コントローラ26、Cアーム・寝台機構制御部27を介して、Cアーム16や寝台11の移動量が制御され、更にX線制御部29により高電圧発生器30が制御されて、X線発生部14内のX線管31から、X線絞り器32を介してX線が照射され始める。
【0024】
ここで照射されたX線は、寝台11上に載置された被検体20を透過し、透過X線がX線検出部15内のX線検出器33に入射される。X線検出器33に入射された透過X線は、システムコントローラ25によってX線の照射に同期して図示されないデータ変換部でデジタルデータ化されて、画像データとしてメモリ45に一時記憶される。そして、この記憶された画像がビデオ回路47にて画像処理されて画像モニタ17に表示される。それと共に、表示画像はハードディスクドライブ43に画像ファイルとして保存される。
【0025】
X線照射は、操作部12の操作により中断することができ、これによって撮影が終了する。また、予め設定された撮影時間が経過しても、自動的に撮影が終了する。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
尚、以下の説明に於いては、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報の参照例について説明するが、このシミュレーション情報の参照は、前述した実際のX線診断治療が実行されている状態で行われる。
【0028】
先ず、ステップS1では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの動画が、AVI形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたAVI形式の動画が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記動画の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0029】
次いで、ステップS2にて、シミュレーション時の動画がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の動画がメインデータベース44に読み込まれる。
【0030】
更に、ステップS3では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS2でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。そして、ステップS4では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される当該画像がメインデータベース44から選択される。
【0031】
この後、ステップS5にて、画像モニタ17に前記ステップS4で選択されたシミュレーション画像が表示される。
【0032】
図4は、第1の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の動画像を表している。
【0033】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図4に示されるような成功例の動画像50を参照することができる。したがって、難所でのカテーテル操作を、術者がイメージすることができる。また、難所をクリアしたときの状況を、動画により把握することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0035】
前述した第1の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像として動画像を使用していたが、この第2の実施形態では参照画像として静止画像を使用するようにしている。
【0036】
尚、以下に述べる実施形態に於いては、X線診断治療装置10の構成は前述した第1の実施形態と同じであるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その構成及び動作の説明は省略し、異なる動作についてのみ説明するものとする。
【0037】
図5は、本発明の第2の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0038】
先ず、ステップS11では、前述した第1の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。但し、ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの静止画が、BMP形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたBMP形式の静止画が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記静止画の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0039】
次いで、ステップS12にて、シミュレーション時の静止画がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の静止画がメインデータベース44に読み込まれる。
【0040】
そして、ステップS13では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS12でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS14では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0041】
この後、ステップS15にて、画像モニタ17に前記ステップS14で選択されたシミュレーション画像が表示される。
【0042】
図6は、第2の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像を表している。
【0043】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図6に示されるような成功例の静止画像51を参照することができる。したがって、難所で形状を常時確認することができると共に、難所を詳しく観察することができる。
【0044】
(第3の実施形態)
前述した第1及び第2の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像としてX線による画像を使用していたが、この第3の実施形態では参照画像としてCT画像若しくはCT風の画像を使用するようにしている。尚、ここでCT画像とは、ボリュームレンダリング、Ray Sum、MIP、MinIP、Cath View等である。
【0045】
図7は、本発明の第3の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0046】
先ず、ステップS21では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35の手技シミュレーションに使用された患者のCT画像がIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたCT画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてCTのDICOMヘッダからX線のDICOMヘッダに変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0047】
次いで、ステップS22にて、シミュレーションに使用されたCT画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、DICOMヘッダ変換後のCT画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0048】
更に、ステップS23では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS22でインポートされたCT画像が、検査の参照画像に設定される。そして、ステップS24では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0049】
この後、ステップS25にて、画像モニタ17に前記ステップS24で選択されたCT画像が表示される。
【0050】
図8は、第3の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例のCT画像を表している。
【0051】
従来は、X線診断治療装置では、病変部のプラークの性状を調べることができないものであったが、本実施形態によれば、図8に示されるようなCT画像52を参照することにより、病変部のプラークの性状を知ることができる。また、手技中に、カテーテルやガイドワイヤでプラークを破損するリスク、解離を作るリスク、血管パーフォレーションするリスク、を低減することができる。更に、動脈瘤をパーフォレーションするリスクを低減することができる。
【0052】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0053】
前述した第1乃至第3の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像を表示することについて説明したが、参照画像と共に、IVRシミュレータ使用時の手技時のコメント、使用したデバイス情報、手技の状況やコメント等を表示するようにしてもよい。
【0054】
図9は、本発明の第4の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0055】
先ず、ステップS31では、前述した第1乃至第3の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0056】
次いで、ステップS32にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0057】
そして、ステップS33では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS32でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS34では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0058】
この後、ステップS35にて、画像モニタ17に前記ステップS34で選択されたシミュレーション画像が表示される。それと共に、画像モニタ17の情報表示部に、患者情報のコメント欄に記されているコメントが参照されて出力される。
【0059】
図10は、第4の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像53及び手技時のコメントが表示された情報表示部53aを表している。
【0060】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図10に示されるように、情報表示部53aのコメント欄54に参照されるようなコメントを参照することができる。したがって、難所でのカテーテル操作の注意点や使用するカテーテルの種類等、種々の情報を得ることができる。
【0061】
尚、図10では参照画像として静止画を表示するものとしているが、これに限られるものではなく、動画像でもよく、また、CT画像等であっても良いのは勿論である。
【0062】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0063】
前述した第4の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像と共に、IVRシミュレータ使用時の手技時のコメント、使用したデバイス情報、手技の状況やコメント等を表示するようにした例について説明したが、技術的な情報以外に、例えば、シミュレーションでの手技時の角度情報、時間または検査開始からの経過時間等を表示するようにしてもよい。
【0064】
図11は、本発明の第5の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0065】
初めに、ステップS41では、前述した第1乃至第4の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0066】
次いで、ステップS42にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0067】
そして、ステップS43では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS42でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS44では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0068】
この後、ステップS45にて、画像モニタ17に前記ステップS44で選択されたシミュレーション画像が表示されると共に、画像モニタ17の情報表示部に、前述した手技時の角度情報や検査開始からの経過時間等の文字情報が出力される。
【0069】
図12は、第5の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像55及び手技時の角度情報、元画像を撮影した日時、及び検査開始からの経過時間が表示された情報表示部55aを表している。
【0070】
例えば、シミュレーション画像だけでは表現できない情報等の場合は、本実施形態のように情報表示部にその情報を表示することによって、より多くの手技に有効な情報を得ることができる。
【0071】
尚、図12では参照画像として静止画を表示するものとしているが、これに限られるものではなく、動画像でもよく、また、CT画像等であっても良いのは勿論である。
【0072】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0073】
前述した第1乃至第4の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像やIVRシミュレータ使用時の手技時の情報を画像モニタ17に表示して有効活用している例について述べたが、この第6の実施形態は、画像付帯情報付帯角度情報を利用して、シミュレータで手技実施時の画像が得られる支持器位置を再現しようとするものである。
【0074】
図13は、本発明の第6の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0075】
ステップS51では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0076】
次いで、ステップS52にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0077】
更に、ステップS53では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS52でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。続いて、ステップS54では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0078】
そして、ステップS55では、前記ステップS53で設定された参照画像の角度情報が利用されて、収集した画像の撮影角度を再現するオートアングル機能により、Cアーム16の撮影角度が再現される。
【0079】
例えば、シミュレーションの情報を有効に利用するためには、従来は、X線装置での観察角度を、支持器をマニュアルで操作してシミュレーション時の観察角度と合わせる必要があったが、本実施形態によれば、オートアングル機能を利用することにより、短時間で、且つ手間がかかることなくシミュレーション時の観察角度を再現することができる。更に、シミュレーション時の情報を有効に活用することができる。
【0080】
また、前述した第1乃至第6の実施形態以外にも、以下のような例が考えられる。
【0081】
(1)前述した第1乃至第6の実施形態を2つ以上、任意に組み合わせて同時に表示するようにする。
【0082】
IVRシミュレータから得られる情報は多く、個別に参照すると手間がかかるが、このようにすると、一度に多くの手技に関する情報を得ることができる。
【0083】
(2)カテーテル操作、治療行為等の成功例をシミュレーション画像上に表示するようにする。
【0084】
従来は、難所にさしかかったとき、試行錯誤で対応するしかなかったが、このように、成功例を参照することにより、カテーテル操作を術者がイメージすることができる。
【0085】
(3)カテーテル操作、治療行為等の失敗例をシミュレーション画像上に表示するようにする。
【0086】
このようにすれば、例えば、手技を失敗したときのリスクを知りたい場合等は、手技を失敗したときの操作や、患者へのダメージを、実際に失敗することなく知ることができる。
【0087】
(4)手技中にIVRシミュレータを使用してシミュレーション画像を作成し、その結果を取り込み表示するようにする。
【0088】
このようにすると、事前シミュレーションを行っていない手技に於いても、IVRシミュレータを活用したい、或いは、事前に取得したシミュレーション時の情報だけなく、手技中に取得した最新のシミュレーション時の情報を活用したい場合等、手技中に操作室に設置したIVRシミュレータを使用してシミュレーション画像を作成し、その結果を取り込んで表示することで、最新のIVRシミュレーション情報を活用することができる。
【0089】
(5)X線装置に取り込んだ3D画像を2D画像へと変換する機能を付加するようにする。
【0090】
例えば、CTやIVRシミュレータから得られる3D画像からX線風の画像(2D画像)を作りたい場合等は、このようにして、3D画像からX線風の画像を作成することで、比較・参照が容易になる。
【0091】
また、画像モニタ17に表示される画像や情報を、図14に示されるように、リスト表示することも可能である。
【0092】
例えば、図14(a)は画像種別リスト選択表示であって、文字による表示例であり、図14(b)は画像種別リスト選択表示であって、画像による表示例である。また、図14(c)はコメント別リストが表示された例である。図14(d)は複合型別リスト表示の例であって、この場合、図14(b)及び(c)を複合したリスト表示である。
【0093】
これらのリストは、メインデータベース44に保存されている画像やコメント等の情報から読み出されるもので、操作部12内の図示されない表示切換え釦等により、画像モニタ17上を見ながら切換え、選択が可能である。
【0094】
更に、前述したリスト表示について、以下の機能を有するようにしても良い。
【0095】
すなわち、(i)支持器位置情報、検査状況の情報から、図14に示される表示リストの表示順をソートさせる機能である。このソートは、例えば、現在の位置に近い画像を優先的に並べるもの、或いは、検査経過時間から時間的に近いものを優先的に並べるもの、等が考えられる。
【0096】
また、(ii)一度使用したものを記憶し、図14に示される表示リストの表示順からソートさせる機能である。こうしたソートは、例えば、一度使用したものの表示優先度を下げる、一度使用したものを表示リストから外す、一度使用したものを優先的に表示する、等が考えられる。
【0097】
このようなソート機能を持たせることにより、術者にとって更に使いやすいものとなる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0099】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明によるX線診断治療装置を示すもので、全体構成を示す外観図である。
【図2】本発明によるX線診断治療装置を示すもので、全体構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の動画像を表した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像を表した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例のCT画像を表した図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像53及び手技時のコメントが表示された情報表示部53aを表した図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図12】第5の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像55及び手技時の角度情報、元画像を撮影した日時、及び検査開始からの経過時間が表示された情報表示部55aを表した図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図14】(a)は画像種別リスト選択表示であって文字による表示例を示した図、(b)は画像種別リスト選択表示であって画像による表示例を示した図、(c)はコメント別リストが表示された例を示した図、(d)は複合型別リスト表示の例を示した図である。
【符号の説明】
【0101】
10…X線診断治療装置、11…寝台、12…操作部、14…X線発生部、15…X線検出部、16…Cアーム、17…画像モニタ、20…被検体、25…システムコントローラ、26…X線/可動部制御コントローラ、27…Cアーム・寝台機構制御部、29…X線制御部、30…高電圧発生器、31…X線管、32…X線絞り器、33…X線検出器、35…IVRシミュレータ、41…検出器インターフェース(I/F)、42…X線/支持器制御インターフェース(I/F)、43…ハードディスクドライブ(HDD)、44…メインデータベース(RAID)、45…メモリ、47…ビデオ(Video)回路、48…シミュレータインターフェース(I/F)。
【技術分野】
【0001】
本発明はX線診断治療装置に関し、より詳細には、インターベンショナルラジオロジシミュレータの情報を利用したX線診断治療装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線治療診断装置では、血管をガイドワイヤ、カテーテルを通して、血管壁等の疾患を経皮的に治療するための画像の提供等を実施している。そして、例えば、下記特許文献1には、経皮的に血管内に挿入したガイドワイヤやカテーテルを、血管の走行に沿わせて進め、血管壁等の疾患を治療する、インターベンショナルラジオロジ(lnterventional Radiology;以下IVRと記す)を実施するための画像を提供するX線治療診断装置が記載されている。
【0003】
目的部位まで短時間で治療用デバイスを到達させることは、治療を受けている患者への負担を抑えることと、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させる上で重要である。しかしながら、血管走行の個人差等により、術者の経験に基づく技術が必要となり、慣れない術者にとっては試行錯誤を繰り返すことによって、前述のリスクを増大させる懸念がある。
【0004】
そのため、こうした術者の研鑽のためのシステムとして、IVRシミュレータが存在する(例えば、下記特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−119507号公報
【特許文献2】特開2005−241883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、血管の走行に沿わせて、ガイドワイヤやカテーテル等の診断治療用の血管内デバイスを経皮的に操作するにあたり、血管走行には、個人差や、稀に見られる血管の奇形走行や奇形分岐等の、特別な走行状態が血管内デバイスの血管内の進行の支障となることがある。このような特別な走行状態の血管部分を通過させるには、個人差や奇形の可能性を十分理解しておく必要があり、その知識が不足していると、その血管部分を通過させるのに時間がかかり、当該血管部分に負担をかけ、ひいては全身状態にも影響を及ぼす合併症を引き起こすというリスクも孕んでいる。
【0006】
短時間での通過は、治療を受けている患者への負担を抑えることと、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させる上で重要であるが、術者の経験に基づく技術が必要であり、慣れない術者にとっては試行錯誤を繰り返すことによって、前述のリスクを増大させる懸念がある。
【0007】
また、前述したIVRシミュレータは、一般的な治療シミュレーションにとどまっており、これから実際に治療する患者に対する治療シミュレーションを実施する段階にはないため、個人に特有の奇形走行血管に対する具体的な手技を検討するまでには至っていない。
【0008】
このIVRシミュレータが、実際に治療する患者のデータに基づいて、X線装置による現実の治療前の事前シミュレーション(事前検討)にまで発展したとしても、事前検討に於ける情報を有効に利用して、X線装置による現実の治療に役立てることができないものであった。
【0009】
したがって本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シミュレーション時の情報を利用して治療の全般的な状態を把握すると共に、治療を受けている患者への負担を抑え、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させることができるX線診断治療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明のX線診断治療装置は、被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記線発生手段より照射されたX線を、前記被検体を透過して検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記線発生手段より照射されたX線を、前記被検体を透過して検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段で処理された画像を表示する表示手段と、を備えたX線診断治療装置に於いて、診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、を具備し、前記表示手段は、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シミュレーション時の情報を利用して治療の全般的な状態を把握すると共に、治療を受けている患者への負担を抑え、手技の長時間化に伴う合併症のリスクを低減させることができるX線診断治療装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係るX線診断治療装置を示すもので、図1は全体構成を示す外観図、図2は全体構成を示すブロック構成図である。
【0015】
本実施形態のX線診断治療装置10は、寝台11と、この寝台11に設けられた操作部12と、X線発生部14と、X線検出部15と、これらX線発生部14及びX線検出部15を対向関係に配置したC字形状のCアーム16と、複数の画像モニタ17とから構成される。
【0016】
前記寝台11は被検体20を載置するためのもので、この寝台11を挟んでCアーム16の両端部に対向関係で前記X線発生部14とX線検出部15が搭載されている。前記Cアーム16は、Cアーム・寝台機構制御部27により駆動されて回転する。このとき、X線発生部14とX線検出器15とが、同一の回転軸の軸周りを回転する。
【0017】
X線発生部14は、X線管31及びX線絞り器32を有している。X線管31は、高電圧発生器30から電力供給を受けて、X線検出部15内の後述するX線検出器33に向けてX線を放射する。高電圧発生器30は、X線制御部29及びCアーム・寝台機構制御部27を介してシステムコントローラ25によって、管電圧及びフィラメント電流が任意に調整されるようになっている。尚、システムコントローラ25は、このX線診断治療装置10全体の制御動作を司るものである。このシステムコントローラ25は、また、X線管31によるX線の発生の制御と同期して、X線検出器33の制御も併せて行う。
【0018】
一方、X線検出部15はX線検出器33と、図示されないデータ変換部を有して構成される。X線検出器33は、前述したX線管31より被検体20を介して入射するX線を検出して、その強度に応じた電気信号をデータ変換部に出力する。このデータ変換部で変換された画像データは、システムコントローラ25内の検出器インターフェース(I/F)41からバス40を介して、記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)43及び一次記憶用のメモリ45に供給される。
【0019】
システムコントローラ25は、前記検出器インターフェース41、X線/支持器制御インターフェース(I/F)42、ハードディスクドライブ43、シミュレーション用の過去画像を記憶しているメインデータベース(RAID)44、メモリ45、ビデオ(Video)回路47及びシミュレータインターフェース(I/F)48を有して構成される。また、このシステムコントローラ25には、前記操作部12と、X線検出部15と、画像モニタ17と、X線/可動部制御コントローラ26と、IVRシミュレータ35が接続されている。
【0020】
前記X線/可動部制御コントローラ26は、術者が操作部12を操作することによってCアーム・寝台機構制御部27を介して、Cアーム16や寝台11の移動量、X線管31から放射されるX線を制御するためのものである。このX線/可動部制御コントローラ26は、システムコントローラ25内のX線/支持器制御インターフェース42から角度情報等を得る。
【0021】
IVRシミュレータ35は、患者の画像情報に基づく擬似X線画像と、擬似カテーテルや擬似IVR治療デバイスを擬似操作している状況を合成表示することにより、IVR手技をシミュレートするための装置である。このIVRシミュレータ35により事前に得られた画像等が、システムコントローラ25内のシミュレータインターフェース48を介してメインデータベース44に記憶されている。
【0022】
ビデオ回路47では、X線検出部15で得られた画像データを画像モニタ17に表示するべく画像処理が行われる。術者は、この画像モニタ17に表示された画像等を確認しながら操作部12を操作することにより、X線診断治療を行うことができる。
【0023】
このような構成のX線診断治療装置10に於いて、操作部12の図示されないスイッチによる撮影開始操作が術者によって行われる。すると、この操作部12からの操作信号がシステムコントローラ25により処理され、X線/可動部制御コントローラ26、Cアーム・寝台機構制御部27を介して、Cアーム16や寝台11の移動量が制御され、更にX線制御部29により高電圧発生器30が制御されて、X線発生部14内のX線管31から、X線絞り器32を介してX線が照射され始める。
【0024】
ここで照射されたX線は、寝台11上に載置された被検体20を透過し、透過X線がX線検出部15内のX線検出器33に入射される。X線検出器33に入射された透過X線は、システムコントローラ25によってX線の照射に同期して図示されないデータ変換部でデジタルデータ化されて、画像データとしてメモリ45に一時記憶される。そして、この記憶された画像がビデオ回路47にて画像処理されて画像モニタ17に表示される。それと共に、表示画像はハードディスクドライブ43に画像ファイルとして保存される。
【0025】
X線照射は、操作部12の操作により中断することができ、これによって撮影が終了する。また、予め設定された撮影時間が経過しても、自動的に撮影が終了する。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
尚、以下の説明に於いては、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報の参照例について説明するが、このシミュレーション情報の参照は、前述した実際のX線診断治療が実行されている状態で行われる。
【0028】
先ず、ステップS1では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの動画が、AVI形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたAVI形式の動画が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記動画の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0029】
次いで、ステップS2にて、シミュレーション時の動画がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の動画がメインデータベース44に読み込まれる。
【0030】
更に、ステップS3では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS2でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。そして、ステップS4では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される当該画像がメインデータベース44から選択される。
【0031】
この後、ステップS5にて、画像モニタ17に前記ステップS4で選択されたシミュレーション画像が表示される。
【0032】
図4は、第1の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の動画像を表している。
【0033】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図4に示されるような成功例の動画像50を参照することができる。したがって、難所でのカテーテル操作を、術者がイメージすることができる。また、難所をクリアしたときの状況を、動画により把握することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0035】
前述した第1の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像として動画像を使用していたが、この第2の実施形態では参照画像として静止画像を使用するようにしている。
【0036】
尚、以下に述べる実施形態に於いては、X線診断治療装置10の構成は前述した第1の実施形態と同じであるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その構成及び動作の説明は省略し、異なる動作についてのみ説明するものとする。
【0037】
図5は、本発明の第2の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0038】
先ず、ステップS11では、前述した第1の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。但し、ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの静止画が、BMP形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたBMP形式の静止画が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記静止画の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0039】
次いで、ステップS12にて、シミュレーション時の静止画がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の静止画がメインデータベース44に読み込まれる。
【0040】
そして、ステップS13では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS12でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS14では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0041】
この後、ステップS15にて、画像モニタ17に前記ステップS14で選択されたシミュレーション画像が表示される。
【0042】
図6は、第2の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像を表している。
【0043】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図6に示されるような成功例の静止画像51を参照することができる。したがって、難所で形状を常時確認することができると共に、難所を詳しく観察することができる。
【0044】
(第3の実施形態)
前述した第1及び第2の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像としてX線による画像を使用していたが、この第3の実施形態では参照画像としてCT画像若しくはCT風の画像を使用するようにしている。尚、ここでCT画像とは、ボリュームレンダリング、Ray Sum、MIP、MinIP、Cath View等である。
【0045】
図7は、本発明の第3の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0046】
先ず、ステップS21では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35の手技シミュレーションに使用された患者のCT画像がIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存されたCT画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてCTのDICOMヘッダからX線のDICOMヘッダに変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0047】
次いで、ステップS22にて、シミュレーションに使用されたCT画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、DICOMヘッダ変換後のCT画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0048】
更に、ステップS23では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS22でインポートされたCT画像が、検査の参照画像に設定される。そして、ステップS24では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0049】
この後、ステップS25にて、画像モニタ17に前記ステップS24で選択されたCT画像が表示される。
【0050】
図8は、第3の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例のCT画像を表している。
【0051】
従来は、X線診断治療装置では、病変部のプラークの性状を調べることができないものであったが、本実施形態によれば、図8に示されるようなCT画像52を参照することにより、病変部のプラークの性状を知ることができる。また、手技中に、カテーテルやガイドワイヤでプラークを破損するリスク、解離を作るリスク、血管パーフォレーションするリスク、を低減することができる。更に、動脈瘤をパーフォレーションするリスクを低減することができる。
【0052】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0053】
前述した第1乃至第3の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像を表示することについて説明したが、参照画像と共に、IVRシミュレータ使用時の手技時のコメント、使用したデバイス情報、手技の状況やコメント等を表示するようにしてもよい。
【0054】
図9は、本発明の第4の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0055】
先ず、ステップS31では、前述した第1乃至第3の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0056】
次いで、ステップS32にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0057】
そして、ステップS33では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS32でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS34では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0058】
この後、ステップS35にて、画像モニタ17に前記ステップS34で選択されたシミュレーション画像が表示される。それと共に、画像モニタ17の情報表示部に、患者情報のコメント欄に記されているコメントが参照されて出力される。
【0059】
図10は、第4の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像53及び手技時のコメントが表示された情報表示部53aを表している。
【0060】
例えば、カテーテル操作が難所にさしかかったとき、従来は試行錯誤して対応していたが、本実施形態によれば、図10に示されるように、情報表示部53aのコメント欄54に参照されるようなコメントを参照することができる。したがって、難所でのカテーテル操作の注意点や使用するカテーテルの種類等、種々の情報を得ることができる。
【0061】
尚、図10では参照画像として静止画を表示するものとしているが、これに限られるものではなく、動画像でもよく、また、CT画像等であっても良いのは勿論である。
【0062】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0063】
前述した第4の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像と共に、IVRシミュレータ使用時の手技時のコメント、使用したデバイス情報、手技の状況やコメント等を表示するようにした例について説明したが、技術的な情報以外に、例えば、シミュレーションでの手技時の角度情報、時間または検査開始からの経過時間等を表示するようにしてもよい。
【0064】
図11は、本発明の第5の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0065】
初めに、ステップS41では、前述した第1乃至第4の実施形態と同様に、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0066】
次いで、ステップS42にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0067】
そして、ステップS43では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS42でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。次いで、ステップS44では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0068】
この後、ステップS45にて、画像モニタ17に前記ステップS44で選択されたシミュレーション画像が表示されると共に、画像モニタ17の情報表示部に、前述した手技時の角度情報や検査開始からの経過時間等の文字情報が出力される。
【0069】
図12は、第5の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像55及び手技時の角度情報、元画像を撮影した日時、及び検査開始からの経過時間が表示された情報表示部55aを表している。
【0070】
例えば、シミュレーション画像だけでは表現できない情報等の場合は、本実施形態のように情報表示部にその情報を表示することによって、より多くの手技に有効な情報を得ることができる。
【0071】
尚、図12では参照画像として静止画を表示するものとしているが、これに限られるものではなく、動画像でもよく、また、CT画像等であっても良いのは勿論である。
【0072】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0073】
前述した第1乃至第4の実施形態では、IVRシミュレータ35による参照画像やIVRシミュレータ使用時の手技時の情報を画像モニタ17に表示して有効活用している例について述べたが、この第6の実施形態は、画像付帯情報付帯角度情報を利用して、シミュレータで手技実施時の画像が得られる支持器位置を再現しようとするものである。
【0074】
図13は、本発明の第6の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0075】
ステップS51では、IVRシミュレータ35によるシミュレーション情報が保存される。ここでは、IVRシミュレータ35を使用した手技シミュレーションの画像が、所定の形式でIVRシミュレータ35のハードディスクドライブ(図示せず)に保存される。そして、前記ハードディスクドライブに保存された画像が、図示されないIVRシミュレータのファイルコンバータが使用されてDICOM形式に変換される。この際、元となるCT画像のヘッダ情報が参照されて、存在しない情報(画像処理等)にはダミーの値が入れられ、角度情報や患者情報等は、そのまま前記画像の画像付帯情報部(図示せず)に格納される。
【0076】
次いで、ステップS52にて、シミュレーション時の画像がX線診断治療装置10内に受け付けられる。ここでは、X線診断治療装置10のインポート機能が使用されて、ネットワークサーバ(図示せず)を介してIVRシミュレータ35の図示されないハードディスクドライブから、作成されたDICOM形式の画像がメインデータベース44に読み込まれる。
【0077】
更に、ステップS53では、過去に撮影した画像を検査中に参照可能な機能であるリンク設定機構が利用されて、前記ステップS52でインポートされたシミュレーション画像が、検査の参照画像に設定される。続いて、ステップS54では、検査開始後に、操作部12内の図示されないメインコンソールに設けられている「画像ファイル切換え釦」が術者によって押されると、モニタ画像17に表示される画像がメインデータベース44から選択される。
【0078】
そして、ステップS55では、前記ステップS53で設定された参照画像の角度情報が利用されて、収集した画像の撮影角度を再現するオートアングル機能により、Cアーム16の撮影角度が再現される。
【0079】
例えば、シミュレーションの情報を有効に利用するためには、従来は、X線装置での観察角度を、支持器をマニュアルで操作してシミュレーション時の観察角度と合わせる必要があったが、本実施形態によれば、オートアングル機能を利用することにより、短時間で、且つ手間がかかることなくシミュレーション時の観察角度を再現することができる。更に、シミュレーション時の情報を有効に活用することができる。
【0080】
また、前述した第1乃至第6の実施形態以外にも、以下のような例が考えられる。
【0081】
(1)前述した第1乃至第6の実施形態を2つ以上、任意に組み合わせて同時に表示するようにする。
【0082】
IVRシミュレータから得られる情報は多く、個別に参照すると手間がかかるが、このようにすると、一度に多くの手技に関する情報を得ることができる。
【0083】
(2)カテーテル操作、治療行為等の成功例をシミュレーション画像上に表示するようにする。
【0084】
従来は、難所にさしかかったとき、試行錯誤で対応するしかなかったが、このように、成功例を参照することにより、カテーテル操作を術者がイメージすることができる。
【0085】
(3)カテーテル操作、治療行為等の失敗例をシミュレーション画像上に表示するようにする。
【0086】
このようにすれば、例えば、手技を失敗したときのリスクを知りたい場合等は、手技を失敗したときの操作や、患者へのダメージを、実際に失敗することなく知ることができる。
【0087】
(4)手技中にIVRシミュレータを使用してシミュレーション画像を作成し、その結果を取り込み表示するようにする。
【0088】
このようにすると、事前シミュレーションを行っていない手技に於いても、IVRシミュレータを活用したい、或いは、事前に取得したシミュレーション時の情報だけなく、手技中に取得した最新のシミュレーション時の情報を活用したい場合等、手技中に操作室に設置したIVRシミュレータを使用してシミュレーション画像を作成し、その結果を取り込んで表示することで、最新のIVRシミュレーション情報を活用することができる。
【0089】
(5)X線装置に取り込んだ3D画像を2D画像へと変換する機能を付加するようにする。
【0090】
例えば、CTやIVRシミュレータから得られる3D画像からX線風の画像(2D画像)を作りたい場合等は、このようにして、3D画像からX線風の画像を作成することで、比較・参照が容易になる。
【0091】
また、画像モニタ17に表示される画像や情報を、図14に示されるように、リスト表示することも可能である。
【0092】
例えば、図14(a)は画像種別リスト選択表示であって、文字による表示例であり、図14(b)は画像種別リスト選択表示であって、画像による表示例である。また、図14(c)はコメント別リストが表示された例である。図14(d)は複合型別リスト表示の例であって、この場合、図14(b)及び(c)を複合したリスト表示である。
【0093】
これらのリストは、メインデータベース44に保存されている画像やコメント等の情報から読み出されるもので、操作部12内の図示されない表示切換え釦等により、画像モニタ17上を見ながら切換え、選択が可能である。
【0094】
更に、前述したリスト表示について、以下の機能を有するようにしても良い。
【0095】
すなわち、(i)支持器位置情報、検査状況の情報から、図14に示される表示リストの表示順をソートさせる機能である。このソートは、例えば、現在の位置に近い画像を優先的に並べるもの、或いは、検査経過時間から時間的に近いものを優先的に並べるもの、等が考えられる。
【0096】
また、(ii)一度使用したものを記憶し、図14に示される表示リストの表示順からソートさせる機能である。こうしたソートは、例えば、一度使用したものの表示優先度を下げる、一度使用したものを表示リストから外す、一度使用したものを優先的に表示する、等が考えられる。
【0097】
このようなソート機能を持たせることにより、術者にとって更に使いやすいものとなる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0099】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明によるX線診断治療装置を示すもので、全体構成を示す外観図である。
【図2】本発明によるX線診断治療装置を示すもので、全体構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の動画像を表した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像を表した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例のCT画像を表した図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像53及び手技時のコメントが表示された情報表示部53aを表した図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図12】第5の実施形態に従って、IVRシミュレータ35で事前に実施されたカテーテル操作の成功した例の静止画像55及び手技時の角度情報、元画像を撮影した日時、及び検査開始からの経過時間が表示された情報表示部55aを表した図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に従ったX線診断治療装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図14】(a)は画像種別リスト選択表示であって文字による表示例を示した図、(b)は画像種別リスト選択表示であって画像による表示例を示した図、(c)はコメント別リストが表示された例を示した図、(d)は複合型別リスト表示の例を示した図である。
【符号の説明】
【0101】
10…X線診断治療装置、11…寝台、12…操作部、14…X線発生部、15…X線検出部、16…Cアーム、17…画像モニタ、20…被検体、25…システムコントローラ、26…X線/可動部制御コントローラ、27…Cアーム・寝台機構制御部、29…X線制御部、30…高電圧発生器、31…X線管、32…X線絞り器、33…X線検出器、35…IVRシミュレータ、41…検出器インターフェース(I/F)、42…X線/支持器制御インターフェース(I/F)、43…ハードディスクドライブ(HDD)、44…メインデータベース(RAID)、45…メモリ、47…ビデオ(Video)回路、48…シミュレータインターフェース(I/F)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にX線を照射するX線発生手段と、
前記被検体を透過して前記X線発生手段より照射されたX線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、
前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、
診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、
前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示する表示手段と、
を具備することを特徴とするX線診断治療装置。
【請求項2】
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られた前記シミュレーション情報は、実際の患者のデータに基づいて実施された情報であることを特徴とする請求項1に記載のX線診断治療装置。
【請求項3】
前記シミュレーション情報は、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション画像であることを特徴とする請求項2に記載のX線診断治療装置。
【請求項4】
前記シミュレーション画像は、動画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項5】
前記シミュレーション画像は、静止画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項6】
前記シミュレーション画像は、CT画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項7】
前記シミュレーション画像は、磁気共鳴イメージング装置等の他のモダリティ画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項8】
前記シミュレーション情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で予め得られた文字情報であることを特徴とする請求項2に記載のX線診断治療装置。
【請求項9】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた画像を観察する方向を含む角度情報であることを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項10】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた当該デバイスの種類を含む情報であることを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項11】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた状況を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項12】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた病変を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項13】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの成功画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項14】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの不成功画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項15】
前記表示手段は、該装置が利用可能な形態をリストとして表示し、
前記指定手段は、前記表示手段に表示された前記リストの中から所望のシミュレーション情報を指定する
ことを特徴とする請求項2乃至14の何れか1に記載のX線診断治療装置。
【請求項16】
前記リストは、診断治療の流れに応じた順に前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項15に記載のX線診断治療装置。
【請求項17】
前記リストは、不要になると前記表示手段に表示されなくなることを特徴とする請求項16に記載のX線診断治療装置。
【請求項18】
被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記被検体を透過して前記X線発生手段より照射されたX線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段で処理された画像を表示する表示手段と、を備えたX線診断治療装置に於いて、
診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、
を具備し、
前記表示手段は、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示することを特徴とするX線診断治療装置。
【請求項19】
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られた前記シミュレーション情報は、実際の患者のデータに基づいて実施された情報であることを特徴とする請求項18に記載のX線診断治療装置。
【請求項20】
前記シミュレーション情報は、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション画像であることを特徴とする請求項19に記載のX線診断治療装置。
【請求項21】
前記シミュレーション画像は、動画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項22】
前記シミュレーション画像は、静止画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項23】
前記シミュレーション画像は、CT画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項24】
前記シミュレーション情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で予め得られた文字情報であることを特徴とする請求項18に記載のX線診断治療装置。
【請求項25】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた画像を観察する方向を含む角度情報であることを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項26】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた当該デバイスの種類を含む情報であることを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項27】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた状況を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項28】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた病変を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項29】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの成功画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項30】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの不成功画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項31】
前記表示手段は、該装置が利用可能な形態をリストとして表示し、
前記指定手段は、前記表示手段に表示された前記リストの中から所望のシミュレーション情報を指定する
ことを特徴とする請求項19乃至30の何れか1に記載のX線診断治療装置。
【請求項32】
前記リストは、診断治療の流れに応じた順に前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項31に記載のX線診断治療装置。
【請求項33】
前記リストは、不要になると前記表示手段に表示されなくなることを特徴とする請求項32に記載のX線診断治療装置。
【請求項1】
被検体にX線を照射するX線発生手段と、
前記被検体を透過して前記X線発生手段より照射されたX線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、
前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、
診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、
前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示する表示手段と、
を具備することを特徴とするX線診断治療装置。
【請求項2】
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られた前記シミュレーション情報は、実際の患者のデータに基づいて実施された情報であることを特徴とする請求項1に記載のX線診断治療装置。
【請求項3】
前記シミュレーション情報は、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション画像であることを特徴とする請求項2に記載のX線診断治療装置。
【請求項4】
前記シミュレーション画像は、動画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項5】
前記シミュレーション画像は、静止画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項6】
前記シミュレーション画像は、CT画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項7】
前記シミュレーション画像は、磁気共鳴イメージング装置等の他のモダリティ画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項8】
前記シミュレーション情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で予め得られた文字情報であることを特徴とする請求項2に記載のX線診断治療装置。
【請求項9】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた画像を観察する方向を含む角度情報であることを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項10】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた当該デバイスの種類を含む情報であることを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項11】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた状況を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項12】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた病変を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項8に記載のX線診断治療装置。
【請求項13】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの成功画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項14】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの不成功画像を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線診断治療装置。
【請求項15】
前記表示手段は、該装置が利用可能な形態をリストとして表示し、
前記指定手段は、前記表示手段に表示された前記リストの中から所望のシミュレーション情報を指定する
ことを特徴とする請求項2乃至14の何れか1に記載のX線診断治療装置。
【請求項16】
前記リストは、診断治療の流れに応じた順に前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項15に記載のX線診断治療装置。
【請求項17】
前記リストは、不要になると前記表示手段に表示されなくなることを特徴とする請求項16に記載のX線診断治療装置。
【請求項18】
被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記被検体を透過して前記X線発生手段より照射されたX線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線検出手段により変換された電気信号を画像データとして一時的に記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段で処理された画像を表示する表示手段と、を備えたX線診断治療装置に於いて、
診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に於いて検出される生体情報の検出状況を収集可能な血管内検査シミュレーション装置と、
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された前記シミュレーション情報を参照情報として指定する指定手段と、
を具備し、
前記表示手段は、前記画像処理手段で処理された画像と、前記指定手段で指定された前記参照情報を表示することを特徴とするX線診断治療装置。
【請求項19】
予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られた前記シミュレーション情報は、実際の患者のデータに基づいて実施された情報であることを特徴とする請求項18に記載のX線診断治療装置。
【請求項20】
前記シミュレーション情報は、予め前記血管内検査シミュレーション装置で得られたシミュレーション画像であることを特徴とする請求項19に記載のX線診断治療装置。
【請求項21】
前記シミュレーション画像は、動画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項22】
前記シミュレーション画像は、静止画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項23】
前記シミュレーション画像は、CT画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項24】
前記シミュレーション情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で予め得られた文字情報であることを特徴とする請求項18に記載のX線診断治療装置。
【請求項25】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた画像を観察する方向を含む角度情報であることを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項26】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた当該デバイスの種類を含む情報であることを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項27】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた状況を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項28】
前記文字情報は、前記血管内検査シミュレーション装置で診断治療用の血管内デバイスを使用した検査中に得られた病変を表現するコメントを含むことを特徴とする請求項24に記載のX線診断治療装置。
【請求項29】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの成功画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項30】
前記シミュレーション画像は、手技のシミュレーションの不成功画像を含むことを特徴とする請求項20に記載のX線診断治療装置。
【請求項31】
前記表示手段は、該装置が利用可能な形態をリストとして表示し、
前記指定手段は、前記表示手段に表示された前記リストの中から所望のシミュレーション情報を指定する
ことを特徴とする請求項19乃至30の何れか1に記載のX線診断治療装置。
【請求項32】
前記リストは、診断治療の流れに応じた順に前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項31に記載のX線診断治療装置。
【請求項33】
前記リストは、不要になると前記表示手段に表示されなくなることを特徴とする請求項32に記載のX線診断治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−200274(P2008−200274A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39743(P2007−39743)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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