説明

[1,2,4]−トリアゾール二環式アデノシンA2aレセプタアンタゴニスト

【課題】アデノシンA2aレセプタアンタゴニストを提供すること。
【解決手段】構造式(I)を有する化合物:


ここで、nは、0、1、2または3である;Aは、C(R)またはNである;RおよびR1aは、H、(C〜C)−アルキル、ハロ、CNまたは−CFである;Xは、−C(O)−、−O−、−SO0〜2−、または必要に応じて置換したメチレン、イミノ、アリーレンまたはヘテロアリールジイルである;Yは、−O−、−SO0〜2−、または必要に応じて置換したアリーレン、ヘテロアリールジイル、または窒素含有ヘテロシクロアルキル、または条件付きで、結合である;Rは、必要に応じて置換したアリールまたはヘテロアリールである;そしてRは、必要に応じて置換したアリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである;またはR−Yは、縮合ピペリジニル、置換ピペラジニルまたは置換ピペリジニルである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
本発明は、置換[1,2,4]−トリアゾール二環式アデノシンA2aレセプタアンタゴニスト、中枢神経系疾患(特に、パーキンソン病)の治療における該化合物の使用、および該化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0002】
アデノシンは、多数の生理的機能の内生モジュレーターとして知られている。心血管系のレベルでは、アデノシンは、強力な血管拡張薬であり、また、心臓抑制剤である。中枢神経系では、アデノシンは、鎮静効果、抗不安効果および抗癲癇効果を誘発する。呼吸器系では、アデノシンは、気管支収縮を誘発する。腎臓レベルでは、それは、二相性作用を発揮し、低濃度では血管収縮を誘発し、また、高用量では、血管拡張を誘発する。アデノシンは、脂肪細胞における脂肪分解阻害剤として作用し、また、血小板における抗凝集剤として作用する。
【0003】
アデノシンの作用は、Gタンパク質とカップリングしたレセプタのファミリーに属する異なる膜特異的レセプタとの相互作用により、媒介される。分子生物学の進歩に伴って、生化学的研究および薬理学的研究により、アデノシンレセプタの少なくとも4種の亜型を同定することが可能となった:A、A2a、A2bおよびA。AおよびAは、親和性が高く、アデニル酸シクラーゼという酵素の活性を阻害するのに対して、A2aおよびA2bは、親和性が低く、同じ酵素の活性を刺激する。アンタゴニストとしてA、A2a、A2bおよびAレセプタと相互作用できるアデノシンの類似物もまた、同定されている。
【0004】
2aレセプタの選択的アンタゴニストは、それらの副作用が低いので、薬理学的な関心が高まっている。中枢神経系では、A2aアンタゴニストは、抗欝特性を有し得、認知機能を刺激できる。さらに、データにより、A2aレセプタは、基底核(これは、運動の制御に重要であることが知られている)において、高密度で存在していることが明らかとなっている。それゆえ、A2aアンタゴニストは、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)が原因の運動障害、アルツハイマー病のような老人性痴呆症、および器質的精神病を改善できる。
【0005】
一部のキサンチン関連化合物は、Aレセプタ選択性アンタゴニストであることが発見されており、また、キサンチン化合物および非キサンチン化合物は、A2a対Aの選択性の程度が変わりつつ、高いA2a親和性を有することが発見されている。ある種のイミダゾロ置換およびピラゾロ置換トリアゾロ−ピリミジンアデノシンA2aレセプタアンタゴニストは、以前に、例えば、特許文献1;特許文献2;および特許文献3で開示された。ある種のピラゾロ置換トリアゾロ−ピリミジンアデノシンA2aレセプタアンタゴニストは、2001年5月24日に出願された米国特許出願第09/207,143号で開示されている。ある種のイミダゾロ置換トリアゾロ−ピリミジンアデノシンA2aレセプタアンタゴニストは、2001年10月15日に出願された米国仮特許出願第60/329,567号で開示されている。特許文献4は、抗欝薬として、ある種のトリアゾロ−トリアジンを開示している;特許文献5および特許文献6は、アデノシンA2aレセプタアンタゴニストとして、ある種のトリアゾロ−ピリミジンを開示している;そして特許文献7は、アデノシンA2aレセプタアンタゴニストとして、ある種のトリアゾロピリジンを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第95/01356号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/05138号パンフレット
【特許文献3】国際公開第98/52568号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5,565,460号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開0976753号明細書
【特許文献6】国際公開第99/43678号パンフレット
【特許文献7】国際公開第01/17999号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
以下の構造式で表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1】


ここで:
Aは、C(R)またはNである;
およびR1aは、別個に、H、(C〜C)−アルキル、ハロ、CNおよび−CFからなる群から選択される;
Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−ヘテロアリールジイル、R−アリーレンまたは
【化2】


である;
pおよびqは、別個に、2〜3である;
QおよびQは、別個に、
【化3】


からなる群から選択されるが、但し、QおよびQの少なくとも1個は、
【化4】


である;
Rは、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−(C〜C)アルケニルまたはR−(C〜C)アルキニルである;
は、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−アリール(C〜C)アルキルまたはR−ヘテロアリール(C〜C)アルキルである;またはR−Yは、
【化5】


である;
U、VおよびWは、別個に、NおよびCRからなる群から選択されるが、但し、U、VおよびWの少なくとも1個は、CRである;
nは、1、2または3である;そして
(a)Aは、C(R)であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、R−ヘテロアリールジイルまたは−N(R)−である;またはAは、C(R)であり、Yは、結合であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、−N(R)−またはR−ヘテロアリールジイルであるが、但し、Xが、−N(R)−またはR−ヘテロアリールジイルである場合、Rは、フェニルまたはフェニル−(C〜C)アルキルではない;または
(b)Aは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、Yは、R−アリーレンであり、そしてRは、
【化6】


である;
またはnは、2または3である;そして
(c)Aは、Nであり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)−、R−アリーレンまたはR−ヘテロアリールジイルである;またはAは、Nであり、Yは、結合であり、そしてXは、−C(O)−、−N(R)−、R−アリーレンまたはR−ヘテロアリールジイルである;またはAは、Nであり、Yは、−N(R9a)−、−C(O)N(R9a)−または−O−(CH−N(R9a)−であり、そしてXは、−N(R)−である;またはAは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、そしてYおよびRは、一緒になって、
【化7】


である;
またはnは、0である;そして
(d)Aは、Nであり、Yは、結合であり、Xは、−N(R)−であり、そしてRは、
【化8】


である;または
(e)Aは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、そしてYおよびRは、一緒になって、
【化9】

であり、ここで、Zは、−C(O)−CH−、−C(O)−CH(C〜Cアルキル)−、−CH−CH(C〜Cアルキル)−または−CH(C〜Cアルキル)−CH−である;
およびR3aは、別個に、H、−OH、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルおよびジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルからなる群から選択される;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CFおよび−CNからなる群から選択される1個〜3個の置換基である;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)−アルコキシ、ハロ、−CF、−CN、−NH、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、アミノ(C〜C)−アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル−アミノ、(C〜C)アルカンスルホニルアミノ、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル、R−(C〜C)アルケニル、R−(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ−C(O)−アミノまたはヘテロシクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシおよびハロからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
およびR7aは、別個に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、R−アリールおよびR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか、または同じ炭素上のRおよびR7a置換基は、=Oを形成できる;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CFおよび−CNからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
およびR9aは、別個に、H、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ハロ−(C〜C)アルケニル、CF−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、−(C〜C)シクロアルキルおよび(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキルからなる群から選択される;そして
10は、H、−C(O)−O−(C〜C)アルキル、R−アリール、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(R−アリール)またはR−アリール−(C〜C)アルキルである、
化合物。
(項目2)
Aが、Nである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Xが、−O−、−S−、−N(R)−またはR−アリーレンである、項目1に記載の化合物。
(項目4)
Yが、結合またはピペラジニルである、項目1に記載の化合物。
(項目5)
が、R−アリールである、項目1に記載の化合物。
(項目6)
Rが、フリルである、項目1に記載の化合物。
(項目7)
次式の化合物からなる群から選択される、項目1に記載の化合物:
【化10】


ここで、R−Y−(CH−N(R)−は、以下の表で定義したとおりである:
【化11】



(項目8)
薬学的に受容可能な担体中にて項目1に記載の化合物の治療有効量を含有する、医薬組成物。
(項目9)
中枢神経系疾患または脳卒中を処置する医薬を調製するための、項目1に記載の化合物の使用。
(項目10)
鬱病、認知障害または神経変性疾患を処置するための、項目9に記載の化合物の使用。
(項目11)
パーキンソン病、老人性痴呆症または器質性精神病を処置するための、項目10に記載の方法。
(項目12)
薬学的に受容可能な担体中にて項目1に記載の化合物とパーキンソン病を処置するのに有用な1〜3種の他の薬剤との組合せの治療有効量を含有する、医薬組成物。
(項目13)
パーキンソン病を処置する医薬を調製するための、項目1に記載の化合物とパーキンソン病を処置するのに有用な1〜3種の他の薬剤との組合せの使用。
(項目14)
単一パッケージで別々の容器にパーキンソン病を処置するのに併用される医薬組成物を含むキットであって、1つの容器は、薬学的に受容可能な担体中にて式Iの化合物の有効量を含有する該医薬組成物を備え、ここで、別々の容器にて、1種またはそれ以上の医薬組成物は、それぞれ、薬学的に受容可能な担体中にてパーキンソン病の処置で有用な薬剤の有効量を含有する、
キット。
【0008】
本発明は、以下の構造式でI表わされる化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0009】
【化12】

ここで:
Aは、C(R)またはNである;
およびR1aは、別個に、H、(C〜C)−アルキル、ハロ、CNおよび−CFからなる群から選択される;
Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−ヘテロアリールジイル、R−アリーレンまたは
【0010】
【化13】

である;
pおよびqは、別個に、2〜3である;
QおよびQは、別個に、
【0011】
【化14】

からなる群から選択されるが、但し、QおよびQの少なくとも1個は、
【0012】
【化15】

である;
Rは、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−(C〜C)アルケニルまたはR−(C〜C)アルキニルである;
は、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−アリール(C〜C)アルキルまたはR−ヘテロアリール(C〜C)アルキルである;またはR−Yは、
【0013】
【化16】

である;
U、VおよびWは、別個に、NおよびCRからなる群から選択されるが、但し、U、VおよびWの少なくとも1個は、CRである;
nは、1、2または3である;そして
(a)Aは、C(R)であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、R−ヘテロアリールジイルまたは−N(R)−である;またはAは、C(R)であり、Yは、結合であり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、R−アリーレン、−N(R)−またはR−ヘテロアリールジイルであるが、但し、Xが、−N(R)−またはR−ヘテロアリールジイルである場合、Rは、フェニルまたはフェニル−(C〜C)アルキルではない;または
(b)Aは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、Yは、R−アリーレンであり、そしてRは、
【0014】
【化17】

である;
またはnは、2または3である;そして
(c)Aは、Nであり、そしてXは、−C(R)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)−、R−アリーレンまたはR−ヘテロアリールジイルである;またはAは、Nであり、Yは、結合であり、そしてXは、−C(O)−、−N(R)−、R−アリーレンまたはR−ヘテロアリールジイルである;またはAは、Nであり、Yは、−N(R9a)−、−C(O)N(R9a)−または−O−(CH−N(R9a)−であり、そしてXは、−N(R)−である;またはAは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、そしてYおよびRは、一緒になって、
【0015】
【化18】

である;
またはnは、0である;そして
(d)Aは、Nであり、Yは、結合であり、Xは、−N(R)−であり、そしてRは、
【0016】
【化19】

である;または
(e)Aは、Nであり、Xは、−N(R)−であり、そしてYおよびRは、一緒になって、
【0017】
【化20】

であり、ここで、Zは、−C(O)−CH−、−C(O)−CH(C〜Cアルキル)−、−CH−CH(C〜Cアルキル)−または−CH(C〜Cアルキル)−CH−である;
およびR3aは、別個に、H、−OH、C〜Cアルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルおよびジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルからなる群から選択される;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CFおよび−CNからなる群から選択される1個〜3個の置換基である;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)−アルコキシ、ハロ、−CF、−CN、−NH、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、アミノ(C〜C)−アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイル−アミノ、(C〜C)アルカンスルホニルアミノ、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル、R−(C〜C)アルケニル、R−(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ−C(O)−アミノまたはヘテロシクロアルキル(C〜C)アルキルからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
は、H、−OH、(C〜C)アルコキシおよびハロからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
およびR7aは、別個に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、R−アリールおよびR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか、または同じ炭素上のRおよびR7a置換基は、=Oを形成できる;
は、H、(C〜C)アルキル、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルコキシ、ハロ、−CFおよび−CNからなる群から別個に選択される1個〜3個の置換基である;
およびR9aは、別個に、H、(C〜C)アルキル、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル、ハロ−(C〜C)アルケニル、CF−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)シクロアルキルおよび(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキルからなる群から選択される;そして
10は、H、−C(O)−O−(C〜C)アルキル、R−アリール、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(R−アリール)またはR−アリール−(C〜C)アルキルである。
【0018】
本発明の他の局面は、薬学的に受容可能な担体中にて式Iの少なくとも1種の化合物の治療有効量を含有する医薬組成物である。
【0019】
本発明のさらに他の局面は、中枢神経系疾患(例えば、鬱病、認知障害および神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、老人性痴呆症または器質性精神病)または脳卒中を治療する方法であり、該方法は、このような治療が必要な哺乳動物に、式Iの少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する。特に、本発明は、パーキンソン病を治療する方法に関し、該方法は、このような治療が必要な哺乳動物に、式Iの少なくとも1種の化合物を投与する工程を包含する。
【0020】
本発明のさらに他の局面は、式Iに記載の少なくとも1種の化合物とパーキンソン病を治療するのに有用な1種またはそれ以上の薬剤(例えば、ドーパミン;ドーパミン作動性アゴニスト;モノアミン酸化酵素の阻害剤、B型(MAO−B);DOPA脱炭酸酵素阻害剤(DCI);またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤)との組合せでパーキンソン病を治療する方法である。薬学的に受容可能な担体中に式Iの少なくとも1種の化合物とパーキンソン病を治療するのに有用な1種またはそれ以上の薬剤を含有する医薬組成物もまた、請求されている。本発明の組成物を投与する工程を包含する方法では、式Iの1種またはそれ以上の化合物と1種またはそれ以上の他の抗パーキンソン病剤とは、同時に、または別々の剤形で順次に、投与され得る。従って、また、単一パッケージで別々の容器にパーキンソン病を治療するのに併用される医薬組成物を含むキットも請求されており、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能な担体中に式Iの化合物の有効量を含有する医薬組成物を含み、ここで、別々の容器に、1種またはそれ以上の医薬組成物は、それぞれ、薬学的に受容可能な担体中にてパーキンソン病の治療で有用な薬剤の有効量を含有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
上記式Iの化合物を参照すると、式Iの好ましい化合物は、AがNである化合物である。Rは、好ましくは、フリルである。R1aは、好ましくは、水素である。好ましい化合物の他の群には、Xが、−O−、−S−、−N(R)−またはR−アリーレンであるものがあり、Xが−N(R)−である化合物は、さらに好ましい。Rは、好ましくは、C〜Cアルキルであり、メチルおよびエチルは、最も好ましい。
【0022】
Yの好ましい定義は、結合またはピペラジニル(すなわち、次式の基
【0023】
【化21】

であって、ここで、QおよびQは、それぞれ、窒素であり、pおよびqは、それぞれ、2であり、そして各Rおよび各R7aは、それぞれ、Hである)である。Rは、好ましくは、R−アリール、さらに好ましくは、R−フェニルである。
【0024】
Yおよび/またはRが、
【0025】
【化22】

のとき、Qは、好ましくは、Nであり、Qは、好ましくは、Nであり、pおよびqは、それぞれ好ましくは、2であり、各RおよびR7aは、好ましくは、水素であり、そしてR10は、好ましくは、−C(O)−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキルまたは−C(O)−(R−アリール)である。
【0026】
は、好ましくは、H、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)−アルコキシ、ハロおよび−CFからなる群から選択される1個または2個の置換基である。H、メトキシ、メトキシエトキシ、フルオロおよびクロロは、さらに好ましい。
【0027】
は、好ましくは、H、ハロまたは(C〜C)アルキルである。RおよびR3aは、好ましくは、Hおよび(C〜C)アルキルから別個に選択される。R9aは、好ましくは、Hまたは(C〜C)アルキルである。Rは、好ましくは、水素である。
【0028】
本明細書中で使用する場合、用語アルキルは、飽和の直鎖または分枝炭素鎖を含む。
【0029】
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0030】
アルケニルとは、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分枝炭化水素鎖を意味する。同様に、アルキニルとは、少なくとも1個の三重結合を有する直鎖または分枝炭化水素鎖を意味する。
【0031】
アリールとは、6個〜10個の炭素原子の単一芳香族炭素環または二環式縮合炭素環(例えば、フェニルまたはナフチル)を意味する。
【0032】
ヘテロアリールとは、5個〜6個の原子の単環式ヘテロ芳香族基(これは、2個〜5個の炭素原子および1個〜3個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、N、OおよびSからなる群から別個に選択される)または5個〜10個の原子の二環式ヘテロ芳香族基(これは、1個〜9個の炭素原子および1個〜3個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、N、OおよびSからなる群から別個に選択される)を意味するが、但し、それらの環は、隣接酸素および/またはイオウ原子を含まない。単環式ヘテロアリール基の例には、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニルおよびトリアゾリルがある。二環式ヘテロアリール基の例には、ナフチジル(例えば、1,5または1,7)、イミダゾピリジル、ピリドピリミジルおよび7−アザインドリルがある。フェニル環に隣接した炭素原子にて縮合される、上で定義されるようなヘテロアリール環を含むベンゾ縮合ヘテロアリール基もまた、ヘテロアリールの定義に含まれる。ベンゾ縮合ヘテロアリール基の例には、インドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンゾチエニル(すなわち、チオナフテニル)、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾキサゾリルおよびベンゾフラザニルがある。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が、考慮される。全てのヘテロアリール基に対する環窒素のN−オキシドもまた、含まれる。R置換ヘテロアリールおよびR置換ヘテロアリールは、置換可能な環炭素原子が上で定義した置換基を有するこのような基を意味する。
【0033】
ヘテロアリールジイルとは、2個の異なる基に結合したヘテロアリール基を意味する。例えば、本発明の状況では、YがR−ヘテロアリールジイルであるとき、一方の環メンバーは、−(CH−基に結合され、そして他の環メンバーは、可変Rに結合されている;R置換基は、残りの環炭素の1個またはそれ以上に結合されている。一例として、ピリジンジイル環を示す:
【0034】
【化23】


【0035】
同様に、アリーレンとは、二価アリール環、すなわち、2個の異なる基に結合したアリール環(例えば、フェニレン)を意味する。
【0036】
ヘテロシクロアルキルとは、3員〜6員の飽和環を意味し、これは、2個〜5個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、N、SおよびOからなる群から選択されるが、但し、2個のヘテロ原子は、互いに隣接していない。典型的なヘテロシクロアルキル環は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびチオモルホリニルである。
【0037】
Yおよび/またはRが、
【0038】
【化24】

を含むとき、各R置換基およびR7a置換基は、別個に、上の定義に含まれる群から選択される;好ましくは、これらの置換基の2個以下は、水素以外のものである。
【0039】
本発明のある種の化合物は、異なる立体異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー異性体およびアトロプ異性体)形態で存在し得る。本発明は、純粋形態および混合物(ラセミ混合物を含めて)の両方で、これらの立体異性体の全てを考慮する。
【0040】
ある種の化合物は、事実上酸性であり、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物がある。これらの化合物は、薬学的に受容可能な塩を形成し得る。このような塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、金塩および銀塩が挙げられる。
【0041】
ある種の塩基性化合物もまた、薬学的に受容可能な塩(例えば、酸付加塩)を形成する。例えば、そのピリド−窒素原子は、強酸を備えた塩を形成し得るのに対して、塩基性官能基(例えば、アミノ基)を有する化合物はまた、弱酸を備えた塩を形成する。塩形成に適当な酸の例には、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、および当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸がある。これらの塩は、通常の様式で、その遊離塩基形態を、塩を生成するのに十分な量の所望の酸と接触することにより、調製される。この遊離塩基形態は、この塩を適当な希釈塩基水溶液(例えば、希釈NaOH水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水および重炭酸ナトリウム水溶液)で処理することにより、再生され得る。この遊離塩基形態は、ある程度、ある種の物理的特性(例えば、極性溶媒中での溶解性)について、それらの各個の塩形態とは異なるが、これらの酸および塩基の塩は、それ以外は、本発明の目的のために、それらの各個の遊離塩基形態と同等である。
【0042】
このような酸および塩基の全ての塩は、本発明の範囲内において、薬学的に受容可能な塩であると解釈され、全ての酸および塩基の塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形態と同等であると考えられる。
【0043】
式Iの化合物は、当該技術分野で公知の一般方法により、調製される。好ましくは、式Iの化合物は、以下の反応図式で示された方法により、調製される。これらの図式および以下の実施例では、以下の略語が使用される:Phは、フェニルであり、Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、TFAは、トリフルオロ酢酸であり、BSAは、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドであり、DMFは、ジメチルホルムアミドであり、EtOAcは、酢酸であり、THFは、テトラヒドロフランであり、そしてDBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンである。
【0044】
式IIaの化合物(ここで、Aは、C(R)である)は、出願WO01/11799で記述された方法により、調製できる。それに加えて、Yが結合ではない化合物は、図式1で図示した方法により、調製できる。
【0045】
(図式1)
【0046】
【化25】

Xがアリーレンである場合、2型の中間体は、例えば、塩化物に活性化され得、これは、次いで、求核試薬4(例えば、Y=ピペラジニル)と反応されて、IIaを提供し得る。あるいは、臭化物3は、型5の求核試薬と反応されて、IIaを提供し得る。
【0047】
式IIbの化合物(ここで、Aは、Nであり、そしてXは、−O−、−S−または−N(R)−である)は、図式2および3で記述した方法により、調製できる。
【0048】
(図式2)
【0049】
【化26】

塩化物6は、塩基の存在下にて、アミン、アルコールまたはチオールで処理されて、7が得られる。適当なヒドラジンと反応すると、8が得られる。次いで、BSAのような試薬との脱水的環化により、式IIbの所望化合物が得られる。
【0050】
この図式の変形では、ヒドラジドRCONHNH中のRは、除去可能保護基(例えば、t−ブトキシまたはベンジルオキシ)であり得る。このような場合、8の脱保護により、8aが得られ、
【0051】
【化27】

これは、RCOOHまたは対応する酸塩化物、無水物または混合無水物でアシル化され得る。これにより、新しい8が生じ、これは、式IIbの所望化合物に変換され得る。
【0052】
図式3では、これらの工程の順序は、式IIbの化合物を調製するために、逆にされている。
【0053】
(図式3)
【0054】
【化28】

図式4では、式IIcの化合物(ここで、Aは、Nであり、そしてXは、−C(R)(R3a)−である)が調製される。
【0055】
(図式4)
【0056】
【化29】

ケト−エステル11は、ピリミジン12に変換され、次いで、塩化物13に変換される。ヒドラジンと反応させると、14が得られ、BSA環化により、15が生じる。そのオレフィン性結合は、開裂されて、アルデヒド16が得られる。IIc中のYが窒素原子を介してアルキレン鎖に結合されるとき、16の還元アミノ化により、所望化合物IIcが生じる。
【0057】
式IIdまたはIIeの化合物(ここで、Aは、Nであり、そしてXは、−S−、−SO−または−SO−である)を調製する方法は、図式5で記述する。
【0058】
(図式5)
【0059】
【化30】

塩化物6は、NaSと反応され、次いで、その中間体は、塩化物またはその等価物でアルキル化されて、7aが得られる。これは、次いで、図式2のように、IIdに変換される。引き続いて酸化を使用して、式IIeのスルホキシドまたはスルホンを調製する。
【0060】
化合物IIf(ここで、Rは、R10部分を含む)について、このような部分は、図式6で示すように、変性され得る。R10がt−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルなどであるとき、その基は、例えば、それぞれ、酸(例えば、TFA)で処理するか水素化分解により、Hに変換され得る。得られる17は、次いで、異なる化合物IIfに変換され得る。R10=アルコキシカルボニルまたはアロイルについて、アシル化は、クロロギ酸アルキルまたは塩化アロイルまたは類似のアシル化剤を使って、達成され得る。R10=アラルキルについて、17の還元アルキル化は、アリールアルデヒドおよびNaBH(OAc)を使って、達成され得る。
【0061】
(図式6)
【0062】
【化31】

類似の方法論を使用して、式IIgの化合物を調製できる:
【0063】
【化32】


【0064】
(調製例1)
【0065】
【化33】

工程1:2−(4−フルオロフェニル)エタノール(2.80g、20.0mmol)に、SOCl(7.14g、60mmol)を加える。2滴のDMFを加え、そして70℃で、3時間加熱する。濃縮し、ヘキサンと氷水との間で分配し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、殆ど無色のオイルとして、その塩化物を得る。
【0066】
工程2:工程1の塩化物(1.00g、6.3mmol)と40%CHNH水溶液(20g、260mmol)とを混ぜ合わせる。封管中にて、65℃で、2.5時間加熱する。冷却し、水で希釈し、そしてEtOAcで抽出する。そのEtOAcを0.5M HClで抽出し、20%NaOHで塩基化し、そしてCHClで抽出する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルとして、表題アミンを得る。
【0067】
同様に、対応するアルコールを以下のアミンに変換する:
【0068】
【化34】


【0069】
同様に、対応するアルコールを、メシレートを経由して、以下のアミンに変換する:
【0070】
【化35】


【0071】
(調製例2)
【0072】
【化36】

THF(5ml)中にて、1−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン(0.50g、2.5mmol)、2−ブロモエタノール(0.37g、3.0mmol)およびEtN(0.30g、3.0mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で4時間加熱し、冷却し、そして水とCHClとの間で分配する。このCHClをブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルとして、表題アルコールを得る。
【0073】
同様に、以下を調製する:
【0074】
【化37】


【0075】
(調製例3)
【0076】
【化38】

工程1:CHCl(10ml)中の調製例2の生成物(0.50g、2.1mmol)に、SOCl(0.49g、4.2mmol)を加える。2滴のDMFを加え、そして4時間攪拌する。濃縮し、EtOAcと水との間で分配し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、殆ど無色のオイルとして、その塩化物を得る。
【0077】
工程2:EtOH(10ml)中で、工程1の生成物(0.51g、2.0mmol)と40%CHNH水溶液(10ml、130mmol)とを混ぜ合わせる。封管中にて、80℃で、2時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてEtOAcと水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルとして、表題アミンを得る。
【0078】
同様に、以下を調製する:
【0079】
【化39】



【0080】
(調製例4)
【0081】
【化40】

トルエン(40ml)中にて、2,4−ジフルオロブロモベンゼン(4.0g、20.7mmol)、2−メチルピペラジン(24.9g、249mmol)、NaO−tBu(2.79g、29.0mmol)、±−BINAP(0.77g、1.2mmol)およびPd(dba)(0.24g、0.41mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で16時間加熱し、冷却し、そして1N HCl(4×50ml)で抽出する。NaOHでpH13まで塩基化し、そしてCHClで抽出する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、褐色オイルとして、生成物を得る。
【0082】
(調製例5)
【0083】
【化41】

工程1:トルエン(100ml)中にて、2,4−ジフルオロアニリン(10.0g、77.4mmol)および2−ブロモエチルアミン・HBr(15.9g、77.4mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で16時間加熱し、冷却し、そのトルエン層を除去する。その油層を水に溶解し、NaOHでpH 11に塩基性化し、そしてCHClで抽出する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そして120−30℃(1mM)で蒸留する。シリカゲルクロマトグラフィーにかけると、褐色オイルとして、生成物が得られる。
【0084】
工程2:工程1の生成物(3.0g、17mmol))をCHCl(25ml)に溶解する。氷で冷却し、そしてEtN(5.3ml、38mmol)を加え、続いて、臭化2−ブロモプロピオニル(2.1ml、19mmol)を加える。室温まで暖め、16時間攪拌し、氷で冷却し、さらに多くの臭化物(1.1g)およびEtN(1.0g)を加える。室温まで暖め、2時間攪拌し、水洗し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、粗褐色オイルを得る。
【0085】
工程3:工程2の生成物(5.86g、19mmol)を、DMF(15ml)中にて、DIPEA(2.97g、23mmol)およびKI(1.58g、9.5mmol)で処理する。80℃で、18時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、褐色固形物として、生成物を得る。
【0086】
工程4:工程3の生成物(1.33g、5.86mmol)をTHF(20ml)に溶解し、そして氷で冷却する。1.0M BH・THF溶液(15ml、15mmol)をゆっくりと加える。室温まで暖め、1時間攪拌し、追加BH・THF溶液(7ml)を加え、そして2時間攪拌する。氷で冷却し、そしてMeOHでゆっくりとクエンチする。濃縮し、そしてCHClおよび0.5N NaOHで分配する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色オイルとして、表題化合物を得る。
【0087】
(調製例6)
【0088】
【化42】

工程1:N−ベンジル−4−ピペリドン(3.57ml、20mmol)、3−エトキシメタクロレイン(3.76ml、30mmol)、NHOAc(0.82g、11mmol)および28%アンモニア水(4.17ml、62mmol)を混ぜ合わせる。封管中にて、90℃で、48時間加熱し、冷却し、そしてEtOと1N NaHCOとの間で分配する。このEtOを1N HClで抽出し、その抽出物をNaOHでpH13まで塩基性化する。EtOで抽出し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。このオイルを、0.5mmで、Kugelrohr蒸留にかけて、90〜160℃で集め、橙色オイルとして、生成物を得る。
【0089】
工程2:工程1の生成物(1.73g、7.3mmol)を10:1のMeOH/濃HCl(44ml)に溶解する。10%Pd/C(0.40g)を加え、そして60psiで、18時間水素化する。セライトで濾過し、そして固形物に濃縮する。95%EtOHに溶解し、そしてNaO−tBu(0.70g)を加える。濃縮し、EtOHで処理し、濾過し、そして濃縮して、黄色固形物として、粗生成物を得た。
【0090】
工程3:DMF(10ml)中にて、工程2の生成物(0.200g、1.35mmol)、1−ブロモ−2−クロロエタン(0.45ml、5.4mmol)およびDIPEA(0.28ml、1.6mmol)を混ぜ合わせる。48時間攪拌し、1N NaOH(5ml)を加え、そしてEtOで抽出する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色オイルとして、生成物を得る。
【0091】
工程4:工程3の生成物(0.22g、1.0mmol)を、40%MeNH水溶液(5.0ml)およびEtOH(5ml)と混ぜ合わせる。封管中にて、100℃で、3時間加熱し、冷却し、1N NaOH(3ml)を加え、濃縮し、そしてCHClと水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、淡黄色オイルとして、表題化合物を得る。
【0092】
(調製例7)
【0093】
【化43】

EtOH(20ml)中にて、塩化4−フルオロベンジル(1.74g、12.0mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(3.17g、36mol)、KI(0.20g、1.2mmol)およびNaHCO(1.51g、18mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で4時間加熱し、濾過し、そして濃縮する。1N HClおよびEtOAcで分配し、その水層をNaOHで塩基性化する。CHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。0.5mmで100℃まで蒸留して、無色液体として、表題化合物を得る。
【0094】
(調製例8)
【0095】
【化44】

MeOH(10ml)中にて、2,4−ジフルオロフルオロ−N−メチルアニリン(1.00g、6.98mmol)および4M HCl/ジオキサン(10ml)を混ぜ合わせる。白色固形物まで濃縮する。3−メチル−2−オキサゾリジノン(0.60g、6.98mmol)を加える。160℃で、18時間加熱する。冷却し、NaOHで塩基性化し、そしてCHClで抽出する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色オイルとして、表題化合物を得る。これは、アニリンメチルが除去された、生成物の一部を含有する。
【0096】
(実施例1)
【0097】
【化45】


工程1:EtOH(8ml)中にて、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(0.50g、3.0mmol)、2−(4−メトキシ−フェニル)エチルアミン(0.51g、3.4mmol)およびKCO(0.46g、3.4mmole)を混ぜ合わせる。封管中にて、90℃で、1時間加熱する。さらに16時間攪拌し、水(15ml)で希釈し、濾過し、そしてPLCで精製して、白色固形物として、そのクロロピリミジンを得た。
【0098】
工程2:EtOH(3ml)中にて、工程1の生成物(0.30g、1.08mmol)、2−フロ酸ヒドラジド(0.16g、1.3mmol)および1.0N HCl(0.4ml)を混ぜ合わせる。封管中にて、90℃で、16時間加熱する。NHで塩基性化し、EtOAcで抽出し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、そのヒドラジドを得る。
【0099】
工程3:工程2の生成物をBSA(4.0ml)に加える。120℃で、18時間加熱する。CHOHに注ぎ、濃縮し、そしてPLCで精製して、白色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e 351(M+1)。
【0100】
類似の様式で、以下の化合物を調製する(工程1で、塩基として、EtNを使用する)。
【0101】
【化46】

ここで、R−Y−(CH−N(R)は、以下の表で定義したとおりである:
【0102】
【化47】


同様にして、フロ酸ヒドラジドに代えて安息香酸ヒドラジドを使用することにより、黄色固形物として、実施例1−15を調製する:
【0103】
【化48】


【0104】
(実施例2)
【0105】
【化49】

工程1:THF(6mL)中のNaH(オイル中の60%、0.16g、4.0mmol)に、2−(4−メトキシ−フェニル)エタノール(0.46g、3.0mmol)を加える。0.5時間攪拌し、そして2−アミノ−4,6−ジクロロピリジン(0.50g、3.0mmol)を加える。還流状態で、24時間加熱する。濾過し、CHClで洗浄し、濃縮し、そしてPLCで精製して、白色固形物として、そのクロロピリミジンを得る。
【0106】
実施例1と同様にして、工程2および3を行い、白色固形物として、表題化合物を得る、MS:m/e 352(M+1)。
【0107】
類似の様式で、以下を調製する:
【0108】
【化50】

ここで、R−Y−(CH−O−は、以下の表で定義したとおりである:
【0109】
【化51】

同様に、フロ酸ヒドラジドに代えて5−クロロ−2−フロ酸ヒドラジドを使用することにより、黄色固形物として、実施例2−7を調製する:
【0110】
【化52】


【0111】
(実施例3)
【0112】
【化53】

工程1:
【0113】
【化54】

DMF(30ml)中にて、3−ヨードベンジルアルコール(2.00g、8.5mmol)、アクリロニトリル(0.67ml、10.2mmol)およびEtN(4.3ml、26mmol)を混ぜ合わせる。Nでパージし、そして(PhP)PdCl(0.12g、0.17mmol)を加える。封管中にて、120℃で、3日間加熱し、冷却し、そしてCHClと飽和NaHCOとの間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィーにかけると、黄色オイルとして、そのニトリルが得られる。
【0114】
工程2:
【0115】
【化55】

DMF(15ml)中にて、工程1の生成物(1.25g、7.9mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロライド(1.42g、9.4mmol)およびイミダゾール(0.69g、10.2mmol)を混ぜ合わせる。7時間攪拌し、EtOと水との間で分配し、そのEtOを乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、無色オイルとして、そのシリルエーテルを得る。
【0116】
工程3:
【0117】
【化56】

カリウムt−ブトキシド(2.34g、24.4mmol)のTHF(20ml)沸騰懸濁液に、5時間にわたって、THF(20ml)中の工程2の生成物(2.15g、7.9mmol)および3−(2−フリル)−5−フェニルスルホニルメチル[1,2,4]トリアゾール(2.27g、7.9mmol)の溶液を滴下する。18時間加熱し、冷却し、水(30ml)を加え、そして5%CHOH/CHClで3回抽出する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、その二環物を得る。
【0118】
工程4:
【0119】
【化57】

THF(5ml)中の工程3の生成物(0.75g、1.8mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中の1.0M、2.14ml)を加える。2時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、そのアルコールを得る。
【0120】
工程5:
【0121】
【化58】

CHCl(10ml)中の工程4の生成物(0.200g、0.65mmol)に、SOCl(0.19ml、2.6mmol)およびピリジン2滴を加える。還流状態で1時間加熱し、冷却し、1N NaOHで洗浄し、濃縮し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色固形物として、その粗塩化物を得る。
【0122】
工程6:工程5の生成物(0.090g、0.28mmol)を、DMF(4ml)中の1−(2,4−ジフロオロ−フェニル)ピペラジン(0.065g、0.33mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.058ml)と混ぜ合わせる。3日間攪拌し、3時間にわたって60℃まで加熱し、冷却し、濃縮し、そしてPLCで精製して、白色固形物として、表題化合物を得る:MS m/e=487(M+1)。
【0123】
類似の様式で、1−(4−(2−メトキシエトキシ)フェニル)ピペラジンを使用して、白色固形物として、実施例3−2を得る。
【0124】
【化59】


【0125】
(実施例4)
【0126】
【化60】

工程1:DMF(6ml)中にて、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(0.50g、3.0mmol)およびNaS(0.29g、3.7mmole)を混ぜ合わせる。1時間攪拌する。4−メトキシフェネチルクロライド(0.64g、3.77mmol)を加え、そして80℃で、18時間加熱する。水を加え、そしてEtOAcで抽出する。PLCで精製して、白色固形物として、クロロピリミジンを得る。
【0127】
工程2および3:実施例1、工程2および3と同様に行って、白色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e 368(M+1)。
【0128】
類似の様式で、調製例3−2、工程1および調製例3−6、工程1の生成物から、以下を調製する:
【0129】
【化61】


【0130】
(実施例5)
【0131】
【化62】

工程1:EtOH(6ml)中にて、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(1.00g、6.10mmol)、2−フロ酸ヒドラジド(0.97g、7.7mmol)およびKCO(1.13g、8.2mmole)を混ぜ合わせる。封管中にて、100℃で、18時間加熱する。冷却し、濾過し、そして水洗して、生成物を得る。その濾液をEtOAcで抽出し、濃縮し、そしてEtOAcから再結晶して、黄色固形物として、追加生成物を得る。
【0132】
工程2:工程1の生成物(0.50g、2.13mmol)をBSA(15ml)に加える。120℃で、18時間加熱し、冷却し、そしてCHOH(20ml)に注ぐ。濃縮し、そして還流状態で、50%EtOH(40ml)中にて、1時間加熱する。EtOHを除去し、そしてCHClで抽出する。乾燥し、そして濃縮して、白色固形物として、生成物を得る。
【0133】
工程3:DMF(2ml)中にて、工程2の生成物(0.093g、0.39mmol)、調製例3−2の生成物(0.127g、0.43mmol)およびDBU(0.059ml、0.42mmol)を混ぜ合わせる。140℃で2時間加熱し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e 493(M+1)。
【0134】
類似の様式で、調製例1または調製例3からの適当なアミンを使用して、以下を調製する:
【0135】
【化63】





【0136】
類似の様式で、出発物質として2−アミノ−4,5,6−トリクロロピリジンを使用して、黄色固形物として、実施例5−44を得る:
【0137】
【化64】


【0138】
(実施例6)
【0139】
【化65】

工程1:DMF(5ml)中にて、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(0.477g、2.73mmol)、調製例3−2の生成物(0.800g、2.73mmol)およびDIPEA(0.57ml、3.27mmole)を混ぜ合わせる。封管中にて、90℃で、14時間加熱する。冷却し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、生成物を得る。
【0140】
工程2:EtOH(12ml)中にて、工程1の生成物(1.07g、2.54mmol)、t−ブチルカルバザート(1.01g、7.61mmol)および4.0M HCl/ジオキサン(0.76ml、3.04mmole)を混ぜ合わせる。封管中にて、100℃で、18時間加熱し、冷却し、そして2N NH/MeOH M(10ml)を加える。濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、生成物を得る。
【0141】
工程3:工程2の生成物(0.90g、1.74mmol)をCHCl−MeOH(1:17、20ml)に溶解する。4.0M HCl/ジオキサン(5.0ml、20mmole)を加える。18時間攪拌し、1N NaOH(10ml)を加え、CHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、生成物を得る。
【0142】
工程4:3−シアノ安息香酸(0.047g、0.32mmol)のDMF(3ml)溶液に、工程3の生成物(0.110g、0.26mmol)、EDCI(0.061g、0.32mol)、HOBt・HO(0.043g、0.32mmol)およびNMM(0.035ml、0.32mmol)を加える。3時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、生成物を得る。
【0143】
工程5:工程4の生成物(0.101g、0.18mmol)をBSA(6.0ml)に加える。120℃で、18時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてMeOH(20ml)を添加し、0.5時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e 528(M+1)。
【0144】
類似の様式で、出発物質として調製例3の生成物を使用して、白色固形物として、実施例6−2を得る。
【0145】
【化66】


【0146】
(実施例7)
【0147】
【化67】

工程1:DMF(3ml)中にて、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(0.515g、3.14mmol)およびNaS(0.294g、3.76mmole)を混ぜ合わせる。1時間攪拌する。DMF(2ml)中の調製例3、工程1の生成物(0.900g、3.45mmol)を加え、そして80℃で、18時間加熱する。冷却し、CHClを加え、そして濾過する。濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、生成物を得る。
【0148】
工程2〜5:実施例6、工程2〜5に従って、工程1の生成物を処理して、灰白色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e 493(M+1)。
【0149】
(実施例8)
【0150】
【化68】

工程1:EtOH(100ml)中にて、3−オキソ−6−ヘプタン酸エチル(6.68g、39.2mmol)および炭酸グアニジン(12.7g、70.6mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で、20時間加熱し、冷却し、そしてCHCl(100ml)を加える。濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、白色固形物を得る。
【0151】
工程2:工程1の生成物(2.35g、14.2mmol)をPOCl(20ml)を処理する。還流状態で、2時間加熱し、濃縮し、氷水に注ぎ、そしてNaOHでpH9に塩基性化する。CHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色オイルを得る。
【0152】
工程3:EtOH(10ml)中にて、工程2の生成物(0.90g、4.9mmol)、2−フロ酸ヒドラジド(0.865g、6.86mmol)および4.0M HCl/ジオキサン(1.47ml、5.88mmol)を混ぜ合わせる。封管中にて、100℃で、18時間加熱し、冷却し、そして2N NH/MeOH(10ml)を加える。濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色固形物として、生成物を得る。
【0153】
工程4:工程3の生成物(0.8g、2.9mmol)をBSA(10ml)に加える。130℃で、6時間加熱し、冷却し、そして濃縮する。水洗して、黄色固形物を得る。
【0154】
工程5:工程4の生成物(0.10g、0.39mmol)をTHF(8ml)に溶解し、氷で冷却し、水(5ml)を加え、次いで、NaIO(0.419g、1.96mmol)を加える。OSOの2個の結晶を加え、そして5時間攪拌する。CHClおよび水で分配し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物を得る。
【0155】
工程6:工程5の生成物(0.080g、0.31mmol)をCHCl(5ml)に溶解する。1−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン(0.185g、0.93mmol)、AcOH(0.30ml)およびNaCNBH(0.066g、0.31mmol)を加える。18時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで精製して、白色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e=440(M+1)。
【0156】
類似の様式で、適当なアリール−ピペラジンを使用して、黄色粉末として、実施例8−2を得る。
【0157】
【化69】


【0158】
(実施例9)
【0159】
【化70】

工程1:1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(3.25g、25mmol)をTHF(40ml)に溶解し、そして氷で冷却する。BocO(5.45g、25mmol)を少しずつ加える。暖め、3時間攪拌し、濃縮し、そして熱ヘキサン(50ml)で処理する。−15℃に冷却し、そのヘキサンをデカントすると、粘稠な橙色オイルが残る。
【0160】
工程2:CHCl(40ml)中にて、工程1の生成物(3.49g、15.0mmol)およびEtN(1.72g、17.0mmol)を混ぜ合わせ、そして氷で冷却する。CHCl(10ml)中にて、MsCl(1.96g、17.0mmol)を少しずつ加える。温め、0.5時間攪拌し、そして濃縮する。EtOと水との間で分配し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、固形物を伴う粘稠なオイルとして、粗生成物を得る。
【0161】
工程3:工程2の粗生成物(4.6g、約15mmol)と40%MeNH水溶液(35g、0.45mol)およびEtOH(35ml)とを混ぜ合わせる。1時間後、濃縮し、そしてCHClと1N NaOHとの間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルとして、粗生成物を得る。
【0162】
工程4:DMF(8ml)中にて、工程3の粗生成物(0.46g、約1.5mmol)と、実施例5、工程2の生成物(0.236g、1.00mmol)およびKCO(0.207g、1.50mmol)とを混ぜ合わせる。封管中にて、130℃で、18時間加熱し、濃縮し、そしてEtOAc(10%MeOH)と水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにかけ、そしてEtOで倍散して、黄色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e=443(M+1)。
【0163】
(実施例10)
【0164】
【化71】

工程1:トルエン(40ml)中にて、2−(4−ブロモフェニル)エタノール(4.88g、24.3mmol)、ピペラジン(12.5g、146mmol)、NaO−tBu(3.27g、34.0mmol)、±−BINAP(0.91g、1.5mmol)およびPd(dba)(0.28g、0.49mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で、2時間加熱し、冷却し、そして1N HCl(4×50ml)で抽出する。NaOHでpH13に塩基性化し、そしCHClで抽出する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、褐色オイルを得る。
【0165】
工程2:工程1の生成物(4.02g、19.5mmol)をCHCl(50ml)に溶解する。BocO(4.51g、20.5mmol)を加え、次いで、EtN(3.26ml、23.4mmol)を加える。1時間攪拌し、そして1N NaOHで洗浄する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、褐色オイルを得る。
【0166】
工程3:CHCl(20ml)中にて、工程2の生成物(1.00g、3.26mmol)およびEtN(0.73ml、5.2mmol)を混ぜ合わせる。氷で冷却し、そしてMsCl(0.30ml、3.9mmol)を徐々に加える。1時間攪拌し、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルを得る。
【0167】
工程4:工程3の生成物(1.15g、2.99mmol)をEtOH(10ml)に溶解する。40%MeNH水溶液(10ml)を加え、そして封管中にて、100℃で、16時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてCHClと1N NaOHとの間で分配する。乾燥し(MgSO)、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色オイルを得る。
【0168】
工程5:DMF(8ml)中にて、工程4の生成物(0.466g、1.46mmol)、実施例5、工程2の生成物(0.229g、0.97mmol)およびKCO(0.202g、1.46mmol)を混ぜ合わせる。封管中にて、140℃で、18時間加熱し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色発泡体として、表題化合物を得、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色オイルとして、生成物を得る。MS:m/e=519(M+1)。
【0169】
(実施例11)
【0170】
【化72】

実施例10の化合物(0.215g、0.41mmol)を1:1のCHCl−MeOH(10ml)に溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(2.0ml)を加える。18時間攪拌し、そして7M NH/MeOH(4.0ml)を加える。濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、白色発泡体として、生成物を得る。MS:m/e=419(M+1)。
【0171】
(実施例12)
【0172】
【化73】

実施例11の化合物(0.050g、0.12mmol)をCHCl(5ml)に溶解する。DIPEA(0.031ml、0.18mmol)およびAcCl(0.010ml、0.14mmol)を加える。1時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで乾燥して、白色発泡体として、表題化合物を得る。MS:m/e=461(M+1)。
【0173】
(実施例13)
【0174】
【化74】

工程1:1−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン(1.00g、5.05mmol)をCHCl(5ml)に溶解する。氷で冷却し、そして塩化クロロアセチル(0.45ml、5.6mmol)と共に、N−メチルモルホリン(0.66ml、6.05mmol)を加える。2時間攪拌し、濃縮し、そしてEtOAcと水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルを得る。
【0175】
工程2:工程1の生成物(1.49g、5.4mmol)をEtOH(10ml)に溶解する。40%MeNH水溶液(15ml)を加え、そして封管中にて、100℃で、48時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてCHClと1N NaOHとの間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルを得る。
【0176】
工程3:DMF(4ml)にて、工程2の生成物(0.137g、0.51mmol)、実施例5、工程2の生成物(0.080g、0.34mmol)およびKCO(0.070g、0.51mmol)を混ぜ合わせる。封管中にて、140℃で、18時間加熱し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色発泡体として、表題化合物を得、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、生成物を得る。MS:m/e=469(M+1)。
【0177】
類似の様式で、工程1で臭化2−ブロモプロピオニルを使用して、灰白色粉末として、実施例13−2を調製する。
【0178】
【化75】


【0179】
(実施例14)
【0180】
【化76】


工程1:実施例13−2、工程2の生成物(0.405g、1.43mmol)をTHF(10ml)に溶解する。1.0M LiAlH/EtO(0.86ml、0.86mmol)を加える。60℃で、4時間加熱し、冷却し、水(0.065ml)を加え、次いで、15%NaOH(0.065mol)を加え、次いで、水(3×0.065ml)を加える。濾過し、そして濃縮する。CHClと1N HClとの間で分配する。その水溶液を、NaOHで、pH12に塩基性化し、CHClで抽出し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。PLCで精製して、無色オイルを得る。
【0181】
工程2:工程1の生成物を、実施例13、工程3の手順に従って、実施例5、工程2の生成物で処理して、黄色オイルとして、表題化合物を得る。MS:m/e=469(M+1)。
【0182】
(実施例15)
【0183】
【化77】

工程1:EtOH(15ml)中にて、1−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン(1.98g、10.0mmol)、2−ブロモプロピオン酸エチル(1.81g、10.0mmol)およびKCO(1.38g、10.0mmol)を混ぜ合わせる。80℃で、18時間加熱し、さらに多くの臭素(0.07g)を加え、さらに5時間加熱し、冷却し、濾過し、そして濃縮する。EtOと水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、無色液体を得る。
【0184】
工程2:工程1の生成物(2.38g、8.0mmol)と40%MeNH水溶液(9.3g、0.12mol)およびEtOH(5ml)とを混ぜ合わせる。封管中にて、80℃で、18時間加熱し、冷却し、濃縮し、そしてEtOAcと水との間で分配する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色固形物を得る。MeOH−水から再結晶すると、白色針状物が得られる(融点112−3℃)。
【0185】
工程3:実施例14、工程1と同様に(24時間の加熱)、工程2の生成物をLiAlHで処理して、黄色オイルを得る。
【0186】
工程4:工程3の生成物を、実施例13、工程3の手順に従って、実施例5、工程2の生成物で処理して、無色オイルとして、表題化合物を得る。MS:m/e=451(M+1)。
【0187】
(実施例16)
【0188】
【化78】

実施例5−41の化合物(0.206g、0.50mmol)を1:1のMeOH−CHCl(10ml)に溶解する。4M HCI/ジオキサン(4.0ml)を加えた.2時間撹拌し、そして2M MH/MeOHでクエンチする。濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、黄色オイルとして、表題化合物を得る。MS:m/e=314(M+1)。
【0189】
類似の様式で、実施例16−2および16−3を調製する:
【0190】
【化79】


【0191】
(実施例17)
【0192】
【化80】

DMF(4ml)中にて、実施例16の化合物(0.070g、0.22mmol)、塩化4−メトキシベンゾイル(0.058g、0.34mmol)およびDIPEA(0.058g、0.45mmol)を混ぜ合わせる。2時間攪拌し、濃縮し、そしてPLCで精製して、黄色固形物として、表題化合物を得る。MS:m/e=448(M+1)。
【0193】
類似の様式で、実施例16の各化合物を実施例17−2および17−3に変換する。
【0194】
【化81】



【0195】
(実施例18)
【0196】
【化82】

CHCl(10ml)中にて、実施例17−2の化合物(0.119g、0.38mmol)、2,4−ジフルオロ−ベンズアルデヒド(0.054g、0.38mmol)およびNaBH(OAc)(0.157g、0.74mmol)を混ぜ合わせる。3時間攪拌し、さらに多くのアルデヒド(0.016g)およびホウ水素化物(0.045g)を加える。18時間攪拌し、CHClで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、次いで、ブラインで洗浄する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。PLCで精製し、無色オイルとして、表題化合物を得る。MS:m/e 440(M+1)。
【0197】
(実施例19)
【0198】
【化83】

工程1:トルエン(20ml)中にて、2,4−ジフルオロブロモベンゼン(2.00g、10.4mmol)、4−ピペラジノンエチレンケタール(2.27g、15.5mmol)、NaO−tBu(1.39g、14.5mmol)、±−BINAP(0.387g、0.65mmol)およびPd(dba)(0.119g、0.21mmol)を混ぜ合わせる。還流状態で、18時間加熱し、冷却し、そして濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィーにかけると、褐色オイルが得られる。
【0199】
工程2:THF(25ml)中にて、工程1の生成物(2.55g、10.0mmol)と5N HCl(40ml)とを混ぜ合わせる。5日間攪拌し、そしてNHOHで塩基化する。濃縮し、そしてCHClと水との間で分配する。ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、褐色オイルを得る。
【0200】
工程3:MeOH(15ml)中の工程2の生成物(1.75g、8.3mmol)を氷で冷却し、そしてNaBH(0.16g、4.1mmol)を加える。1時間攪拌し、氷に注ぎ、そしてCHClで抽出する。ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルを得る。
【0201】
工程4:CHCl(30ml)中にて、工程3の生成物(1.65g、7.7mmol)とEtNとを混ぜ合わせる。氷で冷却し、そして塩化メタンスルホニル(1.07g、9.4mmol)を加える。1時間攪拌し、そして飽和NaHCOで洗浄する。乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、黄色オイルを得る。
【0202】
工程5:工程4の生成物(1.00g、3.4mmol)をEtOH(10ml)に溶解する。40%MeNH水溶液(20ml、0.2mol)を加える。封管中にて、100℃で、3時間加熱し、冷却し、そして濃縮する。CHClと水との間で分配する。ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮する。PLCで精製して、黄色オイルを得る。
【0203】
工程6:DMF(3ml)中にて、工程5の生成物(0.035g、0.15mmol)と、実施例5、工程2の生成物(0.041mg、0.18mmol)およびKCO(0.031g、0.23mmol)とを混ぜ合わせる。140℃で、18時間加熱する。濃縮し、そしてPLCで精製して、無色粘性物質として、表題化合物を得る。MS:m/e 426(M+1)。
【0204】
本発明の化合物は、それらのアデノシンA2aレセプタアンタゴニスト活性のために、鬱病、認知機能障害および神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)、アルツハイマー病のような老人性痴呆症、および器質性精神病を治療するのに有用である。特に、本発明の化合物は、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病)が原因の運動機能障害を改善できる。
【0205】
式Iの化合物と併用して投与され得るパーキンソン病を治療するのに有用であることが公知の他の薬剤には、以下が挙げられる:L−DOPA;ドーパミン作動性アゴニスト(キンピロール、ロピニロール、プラミペキソール、ペルゴリドおよびブロモクリプチン);MAO−B阻害剤(例えば、デプレニルおよびセレジリン);DOPA脱炭酸酵素阻害剤(例えば、カルビドパおよびベンセラニド);ならびにCOMT阻害剤(例えば、トルカポンおよびエンタカポン)。3種の他の薬剤のうちの1種は、式Iの化合物(好ましくは、1種)と併用できる。
【0206】
本発明の化合物の薬理学的活性は、A2aレセプタ活性を測定する以下のインビトロおよびインビボアッセイにより、決定した。
【0207】
(ヒトアデノシンA2aおよびAレセプタ競合結合アッセイプロトコル)
膜源:
2a:ヒトA2aアデノシンレセプタ膜、Catalog #RB−HA2a,Receptor Biology,Inc.,Beltsville,MD。膜希釈緩衝液中で、17μg/100μlまで希釈する(以下を参照)。
アッセイ緩衝液:
膜希釈緩衝液:ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(Gibco/BRL)+10mM MgCl
【0208】
化合物希釈緩衝液:ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(Gibco/BRL)+10mM MgCl(これは、1.6mg/mlメチルセルロースおよび16%DMSOで補足した)。毎日、新たに調製した。
リガンド:
2a:[3H]−SCH 5826、カスタム合成、AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックは、膜希釈緩衝液中にて、1nMで、調製する。最終アッセイ濃度は、0.5nMである。
【0209】
:[3H]−DPCPX、AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックは、膜希釈緩衝液中にて、2nMで、調製する。最終アッセイ濃度は、1nMである。
非特異的結合:
2a:非特異的結合を決定するために、100nMのCGS 15923(RBI,Natick,MA)を加える。ワーキングストックは、化合物希釈緩衝液中にて、400nMで調製する。
【0210】
:非特異的結合を決定するために、100μMのNECA(RBI,Natick,MA)を加える。ワーキングストックは、化合物希釈緩衝液中にて、400μMで調製する。
【0211】
(化合物希釈)
100% DMSO中に化合物の1mMストック溶液を調製する。化合物希釈緩衝液に希釈する。3μM〜30pMの範囲の10の濃度で試験する。化合物希釈緩衝液中、4×最終濃度でワーキング溶液を調製する。
【0212】
(アッセイ手順)
深いウェルの96ウェルプレートにおいてアッセイを実施する。全アッセイ容積は200μlである。50μlの化合物希釈緩衝液(全リガンド結合)または50μlのCGS15923ワーキング溶液(A2a非特異的結合)または50μlのNECAワーキング溶液(A非特異的結合)または50μlの薬物ワーキング溶液を添加する。50μlのリガンドストック(A2aについて[3H]−SCH 58261、Aについて[3H]−DPCPX)を添加する。適切なレセプタを含む希釈された膜(100μl)を添加する。混合する。90分間、室温でインキュベートする。Brandel細胞ハーベスターを用いてPakard GF/Bフィルタープレート上に回収する。45μlのMicroscint20(Packard)を添加して、Pakard TopCountマイクロシンチレーションカウンターを用いてカウントする。反復カーブフィッティングプログラム(Excel)を用いて変位カーブを適合させることによってIC50を決定する。Cheng−Prusoff方程式を用いてKi値を決定する。
【0213】
(ラットにおけるハロペリドール誘導カタレプシー)
雄性Sprague−Dawlayラット(Charles River,Calco,Italy)(体重175〜200g)を使用する。カタレプシー状態を、垂直グリッド試験における動物の試験の90分前に、ドーパミンレセプタアンタゴニストハロペリドール(1mg/kg、sc)の皮下投与によって誘導する。この試験について、これらのラットを、ベンチテーブルに約70度の角度で配置される25×43プレキシグラスケージのワイヤメッシュカバー上に配置する。このラットを、全4つの肢を外転させ伸長させてグリッド上に置いた(「カエルのポーズ」)。このような不自然なポーズの使用は、カタレプシーに関するこの試験の特異性のために必須である。第1の片脚の完全な移動までの肢の配置からの時間スパン(下降潜伏(decent latency))を、120秒間最大で測定した。
【0214】
評価の下で、選択的なA2Aアデノシンアンタゴニストを、動物のスコアリングの1時間前および4時間前に、0.03mg/kgと3mg/kgとの間の範囲の用量で経口投与する。
【0215】
(ラットにおける中前脳束の6−OHDA損傷)
成体雄性Sprague−Dawlayラット(Charles River,Calco,Como,Italy)(体重275〜300g)を全ての実験において使用する。これらのラットを、1ケージあたり4匹の群にて収容し、制御された温度および12時間の明/暗サイクル下で、餌および水を自由に与える。手術の前日、ラットを一晩絶食させ、水を自由に与えた。
【0216】
中前脳束の一側性6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)損傷を、Ungerstedtら、Brain Research,24(1970)、485〜493頁、およびUngerstedt、Eur.J.Pharmacol.、5(1968)、107〜110頁に記載の方法(わずかな変更を伴う)に従って、実行する。簡単にまとめると、これらの動物を、ノルアドレナリン作動性末端による毒素の取り込みをブロックするために、抱水クロラール(400mg/kg、ip)で麻酔し、そしてデシプラミン(10mpk、ip)で6−OHDA注入の30分前に処置する。次いで、これらの動物を、定位フレームに置く。頭蓋骨上の皮膚に反映させ、定位で調整する(Pellegrinoら(Pellegrino L.J.Pellegrino A.S.およびCushman A.J.、A Stereotaxic Atlas of the Rat Brain、1979、New York:Plenum Press)の図解書に従って、ブレグマから−2.2後方(AP)、ブレグマから+1.5側方(ML)、硬膜から7.8腹側(DV)をとる)。次いでバー穴を、損傷部位上の頭蓋骨に開け、Hamiltonシリンジにつけた針を左MFB内に挿入する。次いで、8μgの6−OHDA−HClを、0.05%アスコルビン酸(抗酸化剤として)を含む生理食塩水(4μl)中に溶解し、そして注入ポンプを用いて1μl/1分の一定流速で注入する。さらに5分後、この針を引き抜き、そして手術外傷を閉じ、そしてこれらの動物を2週間回復のために静置する。
【0217】
損傷の2週間後、これらのラットに、L−DOPA(50mg/kg、ip)+ベンセラジド(25mg/kg、ip)を投与し、そして自動化ロータメータによる2時間の試験時間において数量化された完全な対側性回転の数を基礎として選択する(プライミング試験)。2時間あたり少なくとも200回の完全な回転を示さない全てのラットを、この研究から除く。
【0218】
選択したラットに、プライミング試験3日後(最大のドーパミンレセプタ感受性)に試験薬物を与える。新規のA2Aレセプタアンタゴニストを、閾値以下用量のL−DOPA(4 mpk、ip)+ベンセラジド(4 mpk、ip)の注入および回転行動の評価の前に、異なる時点(すなわち、1時間、6時間、12時間)で、0.1mg/kgと3mg/kgとの間の範囲の用量レベルで経口投与する。
【0219】
上記手順を使用して、本発明の好ましいおよび/または代表的な化合物について、以下の結果を得た。
【0220】
本発明の化合物に関する結合アッセイの結果は、約0.3〜約50nMのA2aKi値を示し、好ましい化合物は、0.3と10nMとの間のKi値を示した。
【0221】
選択性を、AレセプタについてのKiをA2aレセプタについてのKiで除算することによって決定する。本発明の化合物は、約1〜約1600の範囲の選択性を有する。好ましい化合物は、>100の選択性を有するものである。
【0222】
好ましい化合物は、ラットにおいて抗カタレプシー活性について、1〜3mg/kgで経口試験した場合、下降潜伏における約50〜70%の減少を示した。
【0223】
式Iの3種の化合物の1種は、本発明の方法(好ましくは、1方法)で投与できる。
【0224】
本発明で記述した化合物から医薬組成物を調製するためには、不活性で薬学的に受容可能な担体は、固体または液体のいずれかであり得る。固形製剤には、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシュ剤および座剤が挙げられる。これらの粉末および錠剤は、約5%〜約70%の活性成分から構成され得る。適当な固体担体は、当該分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、ラクトースがある。錠剤、粉末、カシュ剤およびカプセル剤は、経口投与に適当な固体投薬形状として使用できる。
【0225】
座剤を調製するためには、低溶融性ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)が、まず、溶融され、その活性成分は、攪拌により、その中で均一に分散される。溶融した均一混合物は、次いで、好都合な大きさにした鋳型に鋳込まれ、冷却され、それにより、固化する。
【0226】
液状製剤には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一例としては、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得る。
【0227】
液状製剤には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
【0228】
吸入に適当なエアロゾル製剤には、溶液および粉末形状固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能な担体(例えば、不活性圧縮気体)と組み合わせられ得る。
【0229】
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれか用の液状製剤に転化するように向けられた固形製剤も含まれる。このような液体形状には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0230】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形状をとり得、この目的のために当該技術分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0231】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0232】
好ましくは、この医薬製剤は、単位剤形である。このような形状では、この製剤は、適切な量の各活性成分を含有する単位用量(例えば、所望の目的を達成する有効量)に細分される。
【0233】
単位用量の製剤中での式Iの活性化合物の量は、特定の用途に従って、約0.1mg〜1000mg、さらに好ましくは、約1mg〜300mgで、変えられ得るかまたは調整され得る。
【0234】
使用する実際の投薬量は、患者の要件および治療する状態の重症度に依存して、変えられ得る。特定の状況に適当な投薬レジメンの決定は、当該技術の範囲内である。一般に、処置は、この化合物の最適用量未満であるさらに少ない投薬量で、開始される。その後、この投薬量は、その状況で最適な効果に達するまで、少しずつ増やされる。便宜上、全毎日投薬量は、もし望ましいなら、その日に、分割して少しずつ投与され得る。
【0235】
本発明の化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩を投与する量および頻度は、患者の年齢、状態および体格だけでなく治療する症状の重症度のような因子を考慮して、担当医の判断に従って、調節される。経口投与に典型的な式Iの化合物の推奨投薬レジメンは、中枢神経系疾患(例えば、パーキンソン病)を軽減するために、2回〜4回に分割した用量で、10mg/日〜2000mg/日の範囲、好ましくは、10mg/日〜1000mg/日であり得る。これらの化合物は、この投薬量範囲内で投与するとき、非毒性である。
【0236】
パーキンソン病を治療する際に使用される他の薬剤の用量および投薬レジメンは、患者の年齢、性別および状態や疾患の重症度を考慮して、添付文書にある認可された用量および投薬レジメンに照らして、担当医により決定される。式Iの化合物および他の抗パーキンソン病薬剤の組合せを投与するとき、単独療法として投与した成分の用量と比較して、成分の用量が少なくて有効であると予想される。組み合わせて投与するとき、式Iの化合物と、パーキンソン病を処置する他の薬剤とは、同時または順次に投与できる。これは、この組合せの成分が、好ましくは、異なる投薬スケジュールとき(例えば、一方の成分を、毎日投与し、他を、6時間ごとに投与する)、または好ましい医薬組成物が異なるとき(例えば、一方は、好ましくは錠剤であり、一方は、カプセルである)、特に有用である。従って、別々の剤形を含むキットが有利である。
【0237】
以下は、本発明の化合物を含有する薬学的投薬形態の例である。当業者は、投薬形態が式Iの化合物およびドーパミン作動剤の両方を含有するように改変できることを認識している。本発明の範囲は、その薬学的組成物局面にて、提示された実施例には限定されない。
【0238】
(薬学的投薬形態実施例)
(実施例A−錠剤)
【0239】
【化84】

(製造様式)
適切な混合機にて、品目番号1および2を、10〜15分間混合する。この混合物を品目番号3と共に顆粒化する。湿らした顆粒を、必要なら、粗いふるい(例えば、1/4”、0.63cm)に通して粉砕する。湿らした顆粒を乾燥させる。乾燥した顆粒を、必要なら、ふるい分けし、そして品目番号4と混合し、10〜15分間混合する。品目番号5を加え、1〜3分間混合する。その混合物を適当な大きさまで圧縮して、適当な錠剤機で秤量する。
【0240】
(実施例B−カプセル)
【0241】
【化85】

(製造方法)
適切な配合機にて、品目番号1、2および3を、10〜15分間混合する。品目番号4を加え、1〜3分間混合する。その混合物を、適切なカプセル化機械にて、適切なツーピース硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0242】
本発明は、上で述べた特定の実施態様に関連して記述されているものの、その多くの代替、改良および変更は、当業者に明らかである。このような全ての代替、改良および変更は、本発明の精神および範囲内に入ることを意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の化合物。

【公開番号】特開2010−18634(P2010−18634A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245977(P2009−245977)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【分割の表示】特願2003−549353(P2003−549353)の分割
【原出願日】平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】