説明

[1,4]−ビピペリジンの薬学的な塩の製造

本発明は、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物形態および水和物の形態、およびN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの結晶形態を提供し;そして該化合物は、ケモカイン(特にCCR3)活性のモジュレーターであり、特に喘息および/または鼻炎を処置するのに有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの形態、およびそのナトリウム塩の溶媒和物形態(例えば水和物)および無水物の形態に;このような形態を製造する方法に;このような形態を含む医薬組成物に;およびケモカイン(例えばCCR3)もしくはH1介在疾病状態の処置における、活性な治療薬としてのこのような形態の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド:
【化1】

およびそのナトリウム塩は、WO 03/004487の実施例10Aの実施例で開示されている。WO 03/004487の実施例10Aにおいて、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩は、無水物の形態(以後無水物形態Aと呼ぶ)として開示されている。無水物形態AのX線粉末回折パターンは、図Aとして以下に提供されている。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドは、Annual Reports in Medicinal Chemistry (2003) 38 page 135 に示されている。
【0003】
この書類において、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩についての記載は、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのモノ−ナトリウム塩についての記載である。
【0004】
驚くべきことに、さらに2つのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物の形態(無水物形態Bおよび無水物形態C)があることが見出された。
【発明の開示】
【0005】
従って、本発明は、3.8(±0.1°)、7.5(±0.1°)、11.2(±0.1°)、13.0(±0.1°)、13.8(±0.1°)、15.0(±0.1°)、15.7(±0.1°)、18.8(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.7(±0.1°)、22.6(±0.1°)、および30.2(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物の形態(無水物形態B)を提供する。
【0006】
本発明はまた、4.3(±0.1°)、8.5(±0.1°)、14.6(±0.1°)、15.3(±0.1°)、16.1(±0.1°)、17.4(±0.1°)、18.7(±0.1°)、20.5(±0.1°)、22.1(±0.1°)、22.6(±0.1°)、23.1(±0.1°)、および29.6(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物の形態(無水物形態C)を提供する。
【0007】
また、驚くべきことに、4つのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態A、水和物形態B、水和物形態Cおよび水和物形態D)があることが見出された。
【0008】
従って、本発明は、4.2(±0.1°)、8.2(±0.1°)、8.5(±0.1°)、9.1(±0.1°)、11.5(±0.1°)、12.7(±0.1°)、14.8(±0.1°)、15.4(±0.1°)、16.6(±0.1°)、17.4(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.2(±0.1°)、20.4(±0.1°)、23.2(±0.1°)、29.1(±0.1°)、および29.8(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態A)を提供する。1つの特定の態様において、本発明は、結晶水が3〜10%(w/w)である、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aを提供する。
【0009】
本発明はまた、4.5(±0.1°)、7.3(±0.1°)、8.3(±0.1°)、13.3(±0.1°)、14.5(±0.1°)、14.8(±0.1°)、15.4(±0.1°)、16.6(±0.1°)、18.7(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.1(±0.1°)、21.5(±0.1°)、21.9(±0.1°)、22.3(±0.1°)、23.5(±0.1°)、および24.9(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態B)を提供する。1つの特定の態様において、本発明は、結晶水が5〜7%(w/w)である、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Bを提供する。
【0010】
本発明はまた、4.2(±0.1°)、7.5(±0.1°)、8.0(±0.1°)、11.4(±0.1°)、12.5(±0.1°)、15.1(±0.1°)、15.8(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.9(±0.1°)、20.5(±0.1°)、21.1(±0.1°)、22.7(±0.1°)、24.6(±0.1°)、26.1(±0.1°)、27.8(±0.1°)、および29.2(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態C)を提供する。1つの特定の態様において、本発明は、結晶水が3〜10%(w/w)である、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Cを提供する。
【0011】
本発明はまた、8.8(±0.1°)、10.5(±0.1°)、11.8(±0.1°)、12.9(±0.1°)、15.6(±0.1°)、17.1(±0.1°)、18.9(±0.1°)、20.8(±0.1°)、23.3(±0.1°)、25.6(±0.1°)、26.1(±0.1°)、26.9(±0.1°)、28.1(±0.1°)、30.6(±0.1°)、32.5(±0.1°)、および33.1(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態D)を提供する。
【0012】
本発明はまた、3.6(±0.1°)、7.1(±0.1°)、8.3(±0.1°)、9.3(±0.1°)、9.8(±0.1°)、14.1(±0.1°)、15.9(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.6(±0.1°)、19.3(±0.1°)、21.7(±0.1°)、23.1(±0.1°)、24.1(±0.1°)、25.0(±0.1°)、25.8(±0.1°)、および26.3(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の溶媒和物の形態(溶媒和物形態E)を提供する。
【0013】
驚くべきことに、水和物形態Aは、水和物形態BおよびD、および溶媒和物形態Eよりも製造し易い;そしてその製造は、水和物形態BおよびD、および溶媒和物形態Eの製造よりも、資源、材料、および時間の点で経済的である。驚くべきことに、水和物形態AおよびCは、水和物形態BおよびD、および溶媒和物形態Eより安定である。
【0014】
さらに、驚くべきことに、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの2つの多形(形態Aおよび形態B)を見出した。
【0015】
従って、本発明は、7.3(±0.1°)、8.5(±0.1°)、10.6(±0.1°)、13.4(±0.1°)、14.7(±0.1°)、15.4(±0.1°)、15.9(±0.1°)、19.9(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.7(±0.1°)、25.8(±0.1°)、および26.6(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)を提供する。
【0016】
本発明はまた、9.9(±0.1°)、10.5(±0.1°)、11.0(±0.1°)、11.6(±0.1°)、13.3(±0.1°)、13.9(±0.1°)、14.9(±0.1°)、18.0(±0.1°)、19.0(±0.1°)、20.4(±0.1°)、22.2(±0.1°)、および23.0(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)を提供する。
【0017】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物形態Bは、以下の通りに製造され得る。4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンを、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートと、適切な溶媒(例えばジクロロメタン)中で、温度を30℃未満に保って(例えば10〜30℃の範囲の温度で)、反応させる。固体のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドが形成し、それを分離し、次に水性水酸化ナトリウムに溶解する。水溶液を適切な有機溶媒(例えばジクロロメタン)で抽出し、有機抽出物を合わせ、溶媒の体積を減らし、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を溶液から結晶化させる。塩をエタノール−水から再結晶してもよい。塩を水性水酸化ナトリウムおよびジクロロメタン中に懸濁し、有機層を分離し、濾過し、残渣を水でトリチュレートし、次に、五酸化リンの存在下、減圧下(例えば50mmHg未満)、例えば20〜60℃の範囲の温度で乾燥する。
【0018】
あるいは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物形態Bは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aを取り、五酸化リンの存在下、減圧下(例えば50mmHg未満)、例えば20〜60℃の範囲の温度で乾燥することによって製造され得る。
【0019】
あるいは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物形態Bは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aを取り、例えば窒素雰囲気下で、環境温度(すなわち室温、例えば10〜30℃)から100℃まで加熱することによって製造され得る。
【0020】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物形態Cは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Bを取り、環境温度(すなわち室温、例えば10〜30℃)から100℃の温度で、例えば窒素雰囲気下で加熱することによって製造され得る。
【0021】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aは、下記の通り製造され得る。4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンを、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートと、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で、環境温度で(例えば10〜30℃の範囲の温度)で反応させ、適切な溶媒中でN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを形成し;そして
a. 濃水酸化ナトリウム水溶液(例えば8〜12N)を加え、次に水を加える。次に、得られた混合物を撹拌し、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(場合により適切な溶媒が混入している)を沈殿させ、該粗生成物を水で再結晶し、濾過して乾燥した後水和物形態Aを得るか、あるいは適切な溶媒を蒸留し、そしてN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を水溶液から沈殿させ、濾過し、乾燥して水和物形態Aを得る;または
b. 水を加え、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを沈殿させる。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを水と混合し、30〜60℃の範囲の温度まで加熱し、濃水酸化ナトリウム水溶液(例えば8〜12N)を加え、混合物を冷却して、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を沈殿させ、濾過し、乾燥して水和物形態Aを得る。
【0022】
あるいは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aは、下記の通り製造され得る。4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンを、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートと、適切な有機溶媒(例えばクロロベンゼン、またはテトラヒドロフランおよびトルエンの混合物)中で、10〜50℃の範囲の温度で反応させ、適切な溶媒中のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを形成し;そして濃水酸化ナトリウム水溶液(例えば8〜12N)を加える。得られた混合物を加熱し(例えば50〜80℃の範囲の温度まで)、水相を分離する。IMS(工業用メチル化スピリッツ)(例えばIMS 74OP)、および所望によりトルエンを水相に加え、得られた混合物を0〜10℃まで冷却する。固体形態を濾過して取り、乾燥し(例えば15〜40℃、15〜40mbar)、水和物形態Aを提供する。
【0023】
あるいは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Aは、以下によって製造され得る。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)および水性水酸化ナトリウムを混合し、混合物を加熱し(例えば40〜60℃)、次に冷却した混合物をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機抽出物の溶媒の体積を減少させてもよく、そして抽出物を、例えば撹拌しながら、冷却し(例えば−10から10℃)、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を沈殿させ、濾過して乾燥した後水和物形態Aを得る。水和物形態Aは、減圧下で(例えば50mmHg未満)、30〜50℃で乾燥され得る。
【0024】
あるいは、水和物形態Aは、水和物形態Dのサンプルを、減圧下で(例えば50mmHg未満で)、10〜100℃の範囲の温度で(例えば20〜50℃)、乾燥することによって製造され得る。
【0025】
あるいは、水和物形態Aは、溶媒和物形態Eのサンプルを、大気圧で、0〜30℃の範囲の温度で乾燥することによって製造され得る。
【0026】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Bは、テトラヒドロフラン中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンの溶液を、テトラヒドロフラン中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートの溶液と、15〜35℃の範囲の温度で、混合することによって製造され得る。水酸化ナトリウム水溶液(例えば濃溶液(例えば10N);1当量)を加え、水和物形態Bを反応混合物から沈殿させる。
【0027】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物形態Cは、以下によって製造され得る。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を、水およびアセトンの混合液(例えば約1:4のv/v比)に、還流温度で溶解させ、そしてその溶液を室温まで冷却し、次にそれを0℃付近まで冷却する。水和物形態Cは、冷却中に溶液から結晶化する。
【0028】
あるいは、水和物形態Cは、溶媒和物形態Eのサンプルを、減圧下で(例えば200mbar未満)、10〜100℃(例えば20〜50℃)の範囲の温度で、乾燥することによって製造され得る。
【0029】
水和物形態Dは、以下によって製造され得る。水および2−プロパノールの混合液(例えば約1:1のv/v比)中の、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の混合物を、50〜80℃まで加熱し、溶液を形成する。溶液を0〜10℃まで冷却し(例えば、0.3〜0.7℃/分;例えば約0.5℃/分の速度で)、撹拌し、次に濾過する。残渣を水で洗浄し、それは水和物形態Dを含む。
【0030】
溶媒和物形態Eは、以下によって製造され得る。水、IMS(例えばIMS 74OP)、およびトルエンの混合液(例えば約40:20:3のv/v比)中の、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の混合物を、50〜80℃まで加熱し、溶液を形成する。溶液を0〜10℃まで冷却し(例えば0.3〜0.7℃/分;例えば約0.5℃/分の速度で)、次に濾過し、溶媒和物形態Eを含む残渣を得る。
【0031】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)は、以下によって製造され得る。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを、エタノールから結晶化し、次に結晶化された生成物を逆相クロマトグラフィーを用いて精製し、水性アンモニアおよびアセトニトリルの混合物で溶出する。望ましいフラクションを合わせ、凍結乾燥し、残渣をアセトニトリルでトリチュレートし、次に減圧下、環境温度(10から30℃)で乾燥する。
【0032】
あるいは、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)は、以下によって製造され得る。N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)、およびアセトニトリルを混合し、その混合物を40〜60℃まで加熱する。そうして形成されたスラリーから得た固体を、減圧下、例えば30から50℃の範囲の温度で乾燥する。
【0033】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)は、以下によって製造され得る。ジクロロメタン中の、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート、および4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンを混合する。混合物を撹拌する。次に、
1. 水を加える。有機層を分離し、放置し、生成物を溶液から結晶化させる。固体を集めて、減圧下(例えば50mmHg未満)、例えば30〜50℃の範囲の温度で乾燥させ得る。
または、
2. 溶液から固体を沈殿させる。固体をジクロロメタンで洗浄してもよい。固体を減圧下(例えば50mmHg未満)、例えば30〜50℃の範囲の温度で乾燥させる。
【0034】
さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物の製造方法を提供する。
【0035】
本発明の化合物は、医薬として、特にケモカイン受容体(特にCCR3)活性のモジュレーターとして活性を有し、自己免疫性疾患、炎症性疾患、増殖性疾患もしくは過剰増殖性疾患、または免疫介在疾患(移植された臓器もしくは組織の拒絶反応、および後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む)の処置に用いられ得る。
【0036】
これらの状態の例は、
(1)[呼吸管]
以下を含む気道の閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息 (例えば遅発性喘息または気道過剰応答)};気管支炎{例えば好酸球性気管支炎};急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎、または偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎または腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む季節性鼻炎、または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻腔ポリープ症;類肺繊維症(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、鎮咳活性、気道の炎症状態に関連する慢性咳の処置、または医原誘発性咳;
(2)[骨および関節]
リウマチ性、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症を含む関節炎(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎またはライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群、または全身性硬化症;
(3)[皮膚および眼]
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症、または春季結膜炎;
(4)[胃腸管]
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患または腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎、または湿疹);
(5)[同種移植片拒絶反応]
例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚、または角膜の移植後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;および/または
(6)[他の組織もしくは疾患]
アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、狼瘡疾患(例えばエリテマトーデスまたは全身性エリテマトーデス)、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(例えばらい腫性らい)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑または月経周期異常;
である。
【0037】
本発明の化合物はまた、H1アンタゴニストであり、そしてアレルギー性疾患の処置に用いられ得る。
本発明の化合物はまた、一般的に風邪と言われるものの徴候および/または症状(例えば一般的な風邪もしくはインフルエンザ、または他の呼吸器ウイルス感染に関するものの徴候および/または症状)を制御するために用いられ得る。
【0038】
本発明のさらなる特徴に従って、治療(予防を含む)による、温血動物(例えばヒト)の処置方法に使用するための本発明の化合物を提供する。
【0039】
本発明のさらなる特徴に従って、ケモカイン受容体活性の調節が必要な温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン受容体活性(特にCCR3受容体活性)を調節する、またはH1と拮抗する方法であって、該動物に、有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0040】
本発明はまた、医薬として使用するための本発明の化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、治療(例えばケモカイン受容体活性(特にCCR3受容体活性)を調節する、または温血動物(例えばヒト)においてH1と拮抗する)に使用するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0041】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)において、
(1)[呼吸管]
以下を含む気道の閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば不可逆性COPD);喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息または気道過剰応答)};気管支炎{例えば好酸球性気管支炎};急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎、もしくは薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎、または偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、または腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む季節性鼻炎、または血管運動神経性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻腔ポリープ症;類肺繊維症(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、鎮咳活性、気道の炎症状態を伴う慢性咳の処置、または医原誘発性咳;
(2)[骨および関節]
リウマチ性、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症を含む関節炎(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、またはライター病)、ベーチェット病、シェーグレン症候群、または全身性硬化症;
(3)[皮膚および眼]
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症、または春季結膜炎;
(4)[胃腸管]
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患、または腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎、または湿疹);
(5)[同種移植片拒絶反応]
腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚、または角膜の移植後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;および/または
(6)[他の組織もしくは疾患]
アルツハイマー病、多発性硬化症、アテローム硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、狼瘡疾患(例えばエリテマトーデス、または全身性エリテマトーデス)、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、ハンセン病(例えばらい腫性らい)、歯周病、セザリー症候群、特発性血小板減少性紫斑、または月経周期異常;
(7) H1アンタゴニストおよびアレルギー性疾患の処置に用いられ得る;または
(8) 一般的に風邪と呼ばれるものの徴候および/または症候 (例えば一般的な風邪、またはインフルエンザ、または他の呼吸器ウイルス感染に関する徴候および/または症状) を制御するため;
の処置に使用するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0042】
さらなる態様において、本発明の化合物は、喘息{例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、または塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息または気道過敏症)};または鼻炎{急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎、または慢性鼻炎(例えば乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎、もしくは薬物性鼻炎);クループ性鼻炎、フィブリン性鼻炎または偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、または腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む季節性鼻炎または血管運動神経性鼻炎の処置に有用である。
【0043】
いっそうさらなる態様において、本発明の化合物は、喘息の処置に有用である。
本発明はまた、喘息もしくは鼻炎の処置に使用する医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0044】
本発明は、さらに、温血動物(例えばヒト)において、ケモカイン介在疾病状態(特にCCR3介在疾病状態、特に喘息)を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0045】
温血動物(例えばヒト)の治療的処置、特にケモカイン受容体(例えばCCR3受容体)活性を調節する、またはH1に拮抗するために、本発明の化合物を使用するために、該化合物は、通常、標準的な製薬上の常法に従って、医薬組成物として製剤化される。
【0046】
従って、別の態様において、本発明は、本発明の化合物、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、もしくは担体を含む医薬組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、もしくは担体と混合することを含む、該組成物の製造方法を提供する。投与方法によって、医薬組成物は、0.05から99%w(重量パーセント)、例えば0.05から80%w、例えば0.10から70%w、または0.10から50%wの、活性成分を含み得る。全ての重量パーセントは、組成物の総量に基づく。
【0047】
本発明の医薬組成物は、処置することが望ましい疾病状態に標準的な方法で、例えば局所投与(例えば肺および/または気道に、または皮膚に)、経口投与、直腸投与、または非経腸投与によって投与され得る。これらの目的のために、本発明の化合物は、エアゾール、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、粉剤、顆粒、水性もしくは油性溶液または懸濁液、(脂質)エマルジョン、分散用粉剤、坐剤、軟膏、クリーム、滴剤、および滅菌処理された注射可能な水性もしくは油性溶液または懸濁液の形態で、当業界に既知の方法によって製剤化され得る。
【0048】
適切な本発明の医薬組成物は、0.1mgから1gの本発明の化合物を含む単位投与形で、例えば錠剤もしくはカプセル剤で、経口投与に適切なものである。
【0049】
別の態様において、本発明の医薬組成物は、静脈内注射、皮下注射、もしくは筋肉内注射に適切なものである。
それぞれの患者は、例えば、0.01mg/kgから100mg/kgの本化合物、好ましくは0.1mg/kgから20mg/kgの範囲の本発明の化合物の静脈内投与、皮下投与、もしくは筋肉内投与を受け得る(該組成物は1日1回から4回投与される)。静脈内投与、皮下投与、および筋肉内投与は、ボラス注射によっても行われ得る。あるいは、静脈内投与は、一定時間に亘る連続注入によって行われ得る。あるいは、それぞれの患者は、1日の非経腸投与量とほぼ等価の1日の経口投与量を受け得る(該組成物は1日1回から4回投与される)。
【0050】
下記に、ヒトにおける治療的もしくは予防的使用のための、本発明の化合物(化合物X)を含む代表的な医薬投与形を示す。
【表1】

【0051】
緩衝液、薬学的に許容される共溶媒(例えばポリエチレン グリコール、ポリプロピレン グリコール、グリセロール、またはエタノール)、または複合体形成剤(例えばヒドロキシ プロピル β−シクロデキストリン)は、製剤化の目的で用いられ得る。本発明の組成物は、薬学業界に周知の慣用の手順によって得られる。錠剤は、慣用の方法によって、例えば酢酸フタル酸セルロースのコーティングを提供することで、腸溶性にしてもよい。
【0052】
本発明は、異なる指定をしない限り、以下の非限定的実施例によって説明される。
(i) 記載の場合は、H−NMRデータは、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率で示される、主要な示性プロトンについてのδ値の形態で記載し、300MHzもしくは400MHzで、異なる指定をしない限り、重水素化DMSO−D6(CDSOCD)、メタノール−D4(CDOD)、またはCDClを溶媒として用いて測定される;
(ii) 質量スペクトル(MS)は、70eVの電子エネルギーで、化学イオン化(CI)モードで、直接曝露プローブを用いて行った;記載の場合は、イオン化は、電子イオン化(EI)、または高速原子衝撃(FAB)、またはエレクトロスプレー(ESI)によって行った;m/zの値で示す場合、一般的に親マスを示すイオンのみを記載し、異なる指定をしない限り、正のマス・イオンで記載する−(M+H)
(iii) 実施例の表題化合物は、ACD/Index name program version 4.55 (Advanced Chemistry Development, Inc)を用いて命名した;
(iv) 異なる指定をしない限り、逆相HPLCは、Symmetry、NovaPak もしくは Xterra 逆相シリカカラムを用いて行う;および
(v) 下記の略号を用いる:
【表2】

【0053】
方法
X線粉末回折方法(XRPD)
分析は、位置敏感型検出器(position sensitive detector (PSD))を取り付けた Siemens model D5000、X'celerator 検出器を取り付けた Philips X'pert Pro、またはシンチレーション検出器を取り付けた Rigaku MiniFlex X線粉末回折装置で行った。サンプル(約10mg)を、ゼロ−バックグラウンド・ホルダー上に薄い粉末の層として置き、銅Kα放射(λ=1.54056Å)を照射した。回折を、2から40° 2θの間で、典型的には0.007° 2θのステップ・サイズで、1もしくは2秒のステップ時間で集めた。
【0054】
熱重量分析法(TGA)
サンプル(約5mg)を、TA Instruments Model Q500 thermogravimetric analyser(TGA)のサンプル・パンに置いた。サンプルを、窒素雰囲気下で、スキャン速度:10℃/分で、環境温度から300℃まで加熱した。
【0055】
下記の図を示す:
図A:無水物形態AのXRPD
図1:無水物形態BのXRPD
図2:無水物形態CのXRPD
図3:水和物形態AのXRPD
図4:水和物形態BのXRPD
図5:水和物形態CのXRPD
図6:水和物形態DのXRPD
図7:溶媒和物形態EのXRPD
図8:N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)のXRPD
図9:N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)のXRPD
【0056】
無水物形態AのサンプルのXRPDを図Aに示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表3】

【実施例】
【0057】
実施例1
本実施例は、無水物形態BのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン (20g)を、ジクロロメタン(150ml)に溶解した。4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(9.3ml)を、温度を<30℃に保って、冷却しながら滴下した。2時間後、固体を集め、ジクロロメタンで洗浄した。固体を0.25M水性水酸化ナトリウム(400ml)に溶解した。この溶液をジクロロメタンで3回抽出した。有機相を集め、結晶化が始まるまで溶媒を一部蒸発させ、次に生成物を結晶化させた。固体を集め、エタノール/水(320ml, 30ml)から再結晶し、次に真空で乾燥した。
得られた固体を、2M水性水酸化ナトリウム/ジクロロメタン(それぞれ100ml)に懸濁し、ジクロロメタン層を分離し、濾過した。そうして集めた固体を水でトリチュレートし、次にジクロロメタンで洗浄した。真空で、Pで、40℃で乾燥し、表題化合物を得た。
m.pt. 229.5〜231℃.
Karl Fischer 分析により、水:0.26%を示す。TGAによる水分:0.57%(w/w)。
【0058】
無水物形態BのサンプルのXRPDを図1に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表4】

【0059】
実施例2
本実施例は、無水物形態BにおけるN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(水和物形態A)(実施例5参照;2.63g)を、真空で、40℃で、五酸化リンの存在下で4日間乾燥し、表題化合物(2.30g)を得た。
MS [M+H]+ (EI) 526/528
1H NMR δ (CD3OD) 1.28 - 1.42 (2H, m), 1.70 - 1.82 (4H, m), 1.96 - 2.04 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.43 - 2.54 (3H, m), 2.56 - 2.66 (2H, m), 2.80 - 2.87 (2H, m), 4.34 - 4.42 (3H, m), 6.87 - 6.90 (1H, m), 7.09 - 7.10 (1H, m), 7.19 - 7.23 (2H, m), 7.35 - 7.38 (1H, m), 7.75 - 7.79 (2H, m).
13C NMR δ (CD3OD) 21.4, 29.3, 31.6, 43.2, 47.2, 63.8, 74.5, 117.3, 119.1, 124.7, 128.0, 129.7, 132.1, 133.8, 142.0, 144.0, 158.3, 162.8.
【0060】
実施例3
本実施例は、無水物形態BにおけるN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(水和物形態A)(実施例5参照;約10mg)を、TA Instruments Model Q500 thermogravimetric analyser (TGA)のサンプル・パン上に置いた。サンプルを、窒素雰囲気下で、スキャン速度:10℃/分で、環境温度から100℃に加熱した。生成した乾燥された物質を、XRPD分析前に、環境条件下で冷却した。
TGAによる水分:0.22%(w/w)。
【0061】
実施例4
本実施例は、無水物形態CにおけるN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(水和物形態B)(実施例10参照;約10mg)を、TA Instruments Model Q500 thermogravimetric analyser (TGA)のサンプル・パン上に置いた。サンプルを、窒素雰囲気下で、スキャン速度:10℃/分で、環境温度から100℃まで加熱した。生成した乾燥された物質を、XRPD分析前に、環境条件下で冷却した。
TGAによって質量の減少は検出されなかった。
【0062】
無水物形態CのサンプルのXRPDを図2に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表5】

【0063】
実施例5
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)(実施例13参照;8.8g)に、2M 水性水酸化ナトリウム(25ml)および水(50ml)を加えた。懸濁液を50℃に加熱して溶液を得た。溶液を冷却し、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機フラクションから溶媒(70ml)を除き、残液を5℃で撹拌し、沈殿を起こさせた。さらに、DCM(50ml)を、撹拌を助けるために加えた。スラリーを濾過し、DCM(20ml)で洗浄し、真空で、40℃で乾燥し、表題化合物を得た。
m.pt. 240℃.
MS [M+H]+ (EI) 526/528
1H NMR δ (CD3OD) 1.28 - 1.42 (2H, m), 1.70 - 1.82 (4H, m), 1.96 - 2.04 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.43 - 2.54 (3H, m), 2.56 - 2.66 (2H, m), 2.80 - 2.87 (2H, m), 4.34 - 4.42 (3H, m), 6.87 - 6.90 (1H, m), 7.09 - 7.10 (1H, m), 7.19 - 7.23 (2H, m), 7.35 - 7.38 (1H, m), 7.75 - 7.79 (2H, m) (4.87に水の大きなピークがある)。
13C NMR δ (CD3OD) 21.4, 29.3, 31.6, 43.2, 47.2, 63.8, 74.5, 117.3, 119.1, 124.7, 128.0, 129.7, 132.1, 133.8, 142.0, 144.0, 158.3, 162.8
TGAによる水分:8.80%(w/w);Karl Fischer分析による水含量:9.3%(w/w)。
【0064】
水和物形態AのサンプルのXRPDを図3に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表6】

【0065】
実施例6
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
THF(600ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(60g)の溶液に、N下、25℃で、THF(250ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(28.43ml)の溶液を滴下した。反応物を、N下、25℃で、45分間撹拌した。水性水酸化ナトリウム(10M, 18.8ml)を加え、その後すぐに水(40ml)を添加した。24時間撹拌後、沈殿物を濾過し、粗製の物質を得た(73.8g)。粗製の物質(10g)および水(50ml)を加え、混合物を60℃まで加熱し、固体を溶解させた。溶液を35℃まで冷却し、4時間撹拌し、沈殿させ、次に20℃まで冷却し、20時間撹拌した。沈殿物を濾過し、固体を得た。これを乾燥し(30℃, 10mbar)、表題化合物を得た(9.16g)。
NMRデータは実施例5のものと一致した。
TGAによる水分:8.3%(w/w)
【0066】
実施例7
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
THF(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液に、N下、25℃で、THF(20ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(2.32ml)を滴下し、反応物を、N下、25℃で3時間撹拌した。水(14ml)を加え、反応物を18時間撹拌した。沈殿物を濾過し、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを固体として得た。この固体に水(30ml)を加え、混合物を40℃に加熱した。10M 水性水酸化ナトリウム(1.52ml)を加え、反応物を35℃まで冷却し、沈殿させた。混合物を20時間撹拌し、次に沈殿物を濾過した。固体を乾燥し(30℃, 10mbar)、表題化合物を得た(7.31g)。
NMRデータは実施例5のものと一致した。
TGAによる水分:8.7%(w/w)
【0067】
実施例8
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
THF(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液に、N下、25℃で、THF(10ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(2.32ml)を滴下し、反応物を、N下、25℃で、1時間撹拌した。水(50ml)中の10M 水性水酸化ナトリウム(1.52ml)を加え、反応物を20℃で18時間撹拌した。THF(60ml)を蒸留によって除き(反応温度 46〜60℃, 500mbar)、溶液を35℃まで冷却し、沈殿させた。20℃で18時間撹拌した後、沈殿物を濾過した。固体を乾燥し(33℃, 25mbar)、表題化合物を得た(7.07g)。
NMRデータは実施例5のものと一致した。
TGAによる水分:8.3%(w/w)
【0068】
実施例9
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
THF(70ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液に、N下、25℃で、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(2.33ml)を、一度に加えた。反応物を、N下、25℃で、30分間撹拌した。水(14ml)中の水性水酸化ナトリウム(10M, 1.52ml)を加え、反応物を2時間撹拌した。さらに、10M 水性水酸化ナトリウム(1.52ml)を加え、反応物を20℃で20時間撹拌した。溶媒(50ml)を蒸留によって除去し(1bar)、溶液を20℃まで冷却した。水(10ml)を加え、溶液を18時間撹拌し、沈殿させた。混合物を濾過し、乾燥し(30℃, 9mbar)、表題化合物を得た(5.35g)。
NMRデータは、実施例5のものと一致した。
TGAによる水分:3.5%(w/w);Karl Fischer分析による水含量:3.8%(w/w)。
【0069】
実施例10
本実施例は、水和物形態BとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
THF(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液に、N下、25℃で、THF(20ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(2.33ml)を滴下し、反応物を、N下、25℃で、15分間撹拌した。次に、10M 水性水酸化ナトリウム(1.52ml)を加え、反応物を24時間撹拌した。形成した沈殿物を濾過し、固体を得た。それを乾燥し(40℃, 10〜30mbar)、表題化合物を得た(7.04g)。
m.pt. 237℃
1H NMR δ (CD3OD) 1.28 - 1.42 (2H, m), 1.70 - 1.82 (4H, m), 1.96 - 2.04 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.43 - 2.54 (3H, m), 2.56 - 2.66 (2H, m), 2.80 - 2.87 (2H, m), 4.34 - 4.42 (3H, m), 6.87 - 6.90 (1H, m), 7.09 - 7.10 (1H, m), 7.19 - 7.23 (2H, m), 7.35 - 7.38 (1H, m), 7.75 - 7.79 (2H, m)(4.87 に水の大きなピークがある).
13C NMR δ (CD3OD) 21.4, 29.3, 31.6, 43.2, 47.2, 63.8, 74.5, 117.3, 119.1, 124.7, 128.0, 129.7, 132.1, 133.8, 142.0, 144.0, 158.3, 162.8.
TGAによる水分:6.52%(w/w);Karl Fischer分析による水含量:6.3%(w/w)。
【0070】
水和物形態BのXRPDを図4に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表7】

【0071】
実施例11
本実施例はN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)の製造を説明している。
4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(4.9g)をジクロロメタン(50ml)に溶解した。4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(3.8ml)を滴下した。得られた溶液を1時間撹拌し、次に SCX-2 カラム(50g SCX-2樹脂; International Sorbent Technology Ltd)に加え、メタノールで、次にメタノール−水性アンモニア(比重0.88; 9:1)で溶出した。アンモニア性フラクションを蒸発させ、残渣をエーテルと共に16時間撹拌した。得られた固体をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール中7M アンモニア 6:1)によって精製し、次にエーテルでトリチュレートし、固体を得た。固体をエタノールから再結晶し、次にRPHPLC(Xterra(登録商標)カラム;95:5から5:95 水性アンモニア:MeCN)によって精製された。フラクションを含む生成物を凍結乾燥し、次にアセトニトリルでトリチュレートし、最後に、真空で、室温で乾燥し、表題化合物を得た(3.1g)。
m.pt. 233-235℃
1H NMR δ (CD3OD + NaOD) 1.27 - 1.39 (2H, m), 1.71 - 1.84 (4H, m), 1.97 - 2.03 (2H, m), 2.36 (3H, s), 2.44 - 2.52 (3H, m), 2.58 - 2.66 (2H, m), 2.79 - 2.85 (2H, m), 4.35 - 4.42 (3H, m), 6.88 (1H, dd), 7.08 (1H, d), 7.23 (2H, d), 7.37 (1H, d), 7.76 (2H, d).
融点未満で、TGAによって重量の減少は検出されなかった。
【0072】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)のサンプルのXRPDを図8に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表8】

【0073】
実施例12
本実施例はN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)(実施例13参照;4.89g)に、アセトニトリル(50ml)を加え、混合物を50℃まで加熱した。さらに、アセトニトリル(50ml)を加え、得られたスラリーを、50℃で終夜撹拌した。次にヒーターを切り、フラスコを油浴中で室温まで冷却した。スラリーを濾過し、得られた固体を、真空で、40℃で終夜乾燥し、表題化合物を得た(4.45g)。
XRPDデータは実施例11のものと一致した。
【0074】
実施例13
本実施例は、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)の製造を説明している。
4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5.0g)を、ジクロロメタン(40ml)に溶解した。4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(3.3ml)を滴下した。混合物を30分間撹拌し、次に水を加えた。層を分離し、有機相を放置し、その間に生成物が結晶化した。固体を集め、ジクロロメタンで洗浄し、真空で、40℃で乾燥し、表題化合物を得た(6.2g)。
m.pt. 207-212℃
1H NMR δ(CD3OD + NaOD): 1.27-1.40 (2H, m), 1.70 - 1.84 (4H, m), 1.96 - 2.05 (2H, m), 2.36 (3H, s), 2.44 - 2.52 (3H, m), 2.56 - 2.67 (2H, m), 2.79 - 2.86 (2H, m), 4.34 - 4.43 (3H, m), 6.88 (1H, dd), 7.09 (1H, d), 7.22 (2H, d), 7.37 (1H, d), 7.74 - 7.77 (2H, m)
TGAによる水分:0.11%(w/w)
【0075】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)のサンプルのXRPDを、図9に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表9】

【0076】
実施例14
本実施例はN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)の製造を説明している。
DCM(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(7.93g)の溶液に、N下、室温で、DCM(25ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(3.68ml)の溶液を滴下した。得られた溶液を室温で3時間撹拌し、その間に沈殿が起こった。得られた固体を濾過し、DCM(80ml)で洗浄した。湿気を含む固体を、真空で35℃で終夜乾燥し、表題化合物を得た(9.63g)。
XRPDデータは、実施例13のものと一致した。
【0077】
実施例15
本実施例は、水和物形態CとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(2.93g)のナトリウム塩に、水(6ml)およびアセトン(24ml)を加え、得られたスラリーを還流し、溶液を得た。溶液を室温まで冷却し、さらに氷/水で冷却した。得られたスラリーを濾過し、次に真空で35℃で終夜乾燥し、表題化合物を得た(1.96g)。
1H NMR δ (CD3OD): 1.28 - 1.42 (2H, m), 1.70 - 1.82 (4H, m), 1.96 - 2.04 (2H, m), 2.35 (3H, s), 2.43 - 2.54 (3H, m), 2.56 - 2.66 (2H, m), 2.80 - 2.87 (2H, m), 4.34 - 4.42 (3H, m), 6.87 - 6.90 (1H, m), 7.09 - 7.10 (1H, m), 7.19 - 7.23 (2H, m), 7.35 - 7.38 (1H, m), 7.75 - 7.79 (2H, m); 4.87に大きな水のピークがある。
【0078】
水和物形態CのサンプルのXRPDを図5に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表10】

【0079】
実施例16
本実施例は、水和物形態AとしてN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
クロロベンゼン(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液を真空で蒸留して溶媒(15ml)を除去した。この溶液に、N下、25℃で、クロロベンゼン(5ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート(2.32ml)を一度に加えた。残った試薬を流し込むのにクロロベンゼン(2.5ml)を用いた。30分後、水(40ml)中の10M 水性水酸化ナトリウム(1.67ml)を加えた。反応物を70℃に加熱し層を分離させた。分離後、水相をトルエン(25ml)で洗浄し、次に集めた。結晶化を誘発させるために、水(15ml)、IMS 74 OP(27ml)およびトルエン(3.66ml)を、水相に加え、混合物を5℃まで冷却した。5℃で18時間撹拌した後、沈殿物を濾過した。固体をすぐに乾燥し(33℃, 25mbar)、表題化合物を得た(8.17g)。
XRPDは、実施例5のものと一致している。
TGAによる水分:9.06%(w/w)。
【0080】
実施例17
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
トルエン(50ml)中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジン(5g)の溶液を、真空下で蒸留し、溶媒(27ml)を除去した。溶液を、N下、40℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(25ml)を加えた。この溶液に、テトラヒドロフラン(5ml)中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネート (2.32ml)を、一度に加えた。30分後、水(40ml)中の10M 水性水酸化ナトリウム(1.67ml)を加えた。トルエン(15ml)を加え、次に溶媒(20ml)を、真空下で蒸留した。反応混合物を60℃に加熱し、層を分離させた。分離後、水相に、水(15ml)、IMS 74 OP(25ml)を加え、反応物を5℃まで冷却した。5℃で20時間撹拌した後、沈殿物を濾過し、水(10ml)/IMS 74 OP(5ml)混合物で洗浄した。固体をすぐに乾燥し(33℃, 25mbar)、表題化合物を得た(8.15g)。
XRPDは、実施例5のものと一致している。
【0081】
実施例18
本実施例は、水和物形態DとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(8g)に、水(24ml)および2−プロパノール(24ml)を加え、得られたスラリーを70℃まで加熱し、溶液を得た。溶液を5℃まで2時間10分(0.5℃/分)にわたって冷却した。得られたスラリーを4日間撹拌した後、該物質の約半量を容器から取出した。スラリーを濾過し、水(30ml)で洗浄した。湿ったケークの一部をバイアルに詰め、5日間保存し、表題化合物を含む湿ったケークを得た。
【0082】
水和物形態DのサンプルのXRPDを図6に示す。XRPDの主要な回折ピークは以下の通りである。
【表11】

【0083】
実施例19
本実施例は、本明細書中で溶媒和物形態Eと記載されているN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の形態の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(164g)に、水(984ml)、IMS 74 OP(492ml)、およびトルエン(73.8ml)を加え、得られた混合物を70℃に加熱し、溶液を得た。混合物を5℃に冷却し、該物質を終夜撹拌した。得られたスラリーのほぼ半量を濾過し、5℃の水/IMS 74 OP(150ml)の2:1混合物で洗浄し、265gの表題化合物を含む湿ったケークを得た。
該ケークの分析は、TGAにより、それが71.8%(w/w)の溶媒を含むことを示す。
【0084】
溶媒和物形態EのサンプルのXRPDを、図7に示す。XRPDの主要なピークは以下の通りである。
【表12】

【表13】

【0085】
実施例20
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(水和物形態D)の湿ったケークを単離した後(実施例18参照)、すぐに真空オーブンに移し、真空で35℃で乾燥し、表題化合物を得た。
XRPDは実施例5のものと一致している。
【0086】
実施例21
本実施例は、水和物形態AとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(溶媒和物形態E)の湿ったケーク(実施例19参照)から、溶媒を濾過によって除いた。得られた物質をすぐにペトリ皿に移し薄いケークを得て、ドラフト中で乾燥し、表題化合物を得た。
XRPDは実施例5のものと一致している。
【0087】
実施例22
本実施例は、水和物形態CとしてのN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の製造を説明している。
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(溶媒和物形態E)の湿ったケーク(実施例19参照)を、密閉真空オーブン中で週末にわたって保存した。次に該物質をオーブン中で35℃で100mbarで乾燥し、表題化合物を得た。
XRPDは実施例15のものと一致している。
【0088】
実施例23
薬理学的な分析:カルシウム・フラックス [Ca2+]アッセイ
ヒトの好酸球
ヒトの好酸球を、前述(Hansel et al., J. Immunol. Methods, 1991, 145, 105-110)のように、EDTA抗凝固性末梢血から単離した。細胞を再度懸濁(5×10個/ml)し、低カリウム溶液 (LKS;NaCl 118mM, MgSO 0.8mM, グルコース 5.5mM, NaCO 8.5mM, KCl 5mM, HEPES 20mM, CaCl 1.8mM, BSA 0.1%, pH 7.4)中で、5μMの FLUO-3/AM+Pluronic F127 2.2μl/ml(Molecular Probes)で、室温で1時間負荷した。負荷後、細胞を200Gで5分間遠心分離し、LKS中で、2.5×10個/mlで再度懸濁した。次に、細胞を96ウェル FLIPr プレート(5μM フィブロネクチンと共に2時間プレインキュベートしたポリ−D−リジン プレート, Becton Dickinson)に、25μl/ウェルで移した。プレートを200Gで5分間遠心分離し、細胞をLKS(200μl;室温)で2回洗浄した。
【0089】
実施例の化合物を、DMSOに前もって溶解し、最終濃度0.1%(v/v) DMSOで加えた。アッセイをA50濃度のエオタキシンを添加することによって開始し、fluo-3 蛍光(λEx=490nm, λEm=520nm)における一過性の増大を、FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader, Molecular Devices, Sunnyvale, U.S.A.)を用いてモニターした。
【0090】
ヒトの好酸球の走化性
ヒトの好酸球は、前述(Hansel et al., J. Immunol. Methods, 1991, 145, 105-110)のように、EDTA抗凝固性末梢血から単離した。細胞を、200IU/mlのペニシリン、200μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを含むRPMI中で、10×10個/mlで再度懸濁し、10%のHIFCSを室温で加えた。
【0091】
好酸球(700μl)を、7μlの賦形剤もしくは化合物(10% DMSO中、100×望ましい最終濃度)の何れかと共に、15分間37℃でプレインキュベートした。走化性プレート(ChemoTx, 孔径3μl, Neuroprobe)を、一定濃度の実施例の化合物もしくは溶媒を含む、28μlの一定濃度のエオタキシン(0.1から100nM)を、走化性プレートの下方のウェルに添加することによって負荷した。次にフィルターをウェルの上に置き、25μlの好酸球懸濁液を、フィルターの上部に加えた。プレートを、95% 空気/5% COの加湿雰囲気中で、37℃で1時間インキュベートして、ケモタキシスを行わせた。
【0092】
移動しなかった細胞を含む培地を、注意深くフィルター上で吸引し、除去した。フィルターを、5mM EDTAを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、全ての接着細胞を除去した。フィルターを介して移動した細胞を、遠心分離(300G, 5分, 室温)によってペレットにし、フィルターを除去し、上清を96−ウェルプレート(Costar)のそれぞれのウェルに移した。ペレットにした細胞を、0.5% Triton x100 を含む、28μlのPBSを添加することによって溶解し、凍結/解凍を2サイクル行った。次に、細胞のライセート(lysate)を上清に加えた。移動した好酸球の数は、Strath et al., J. Immunol. Methods, 1985, 83, 209 の方法に従って、上清中の好酸球のペルオキシダーゼ活性を測定することによって定量した。
【0093】
実施例の化合物は、ヒトの好酸球の走化性を媒介するエオタキシンのアンタゴニストであることが見出された。
【0094】
実施例24
本発明の化合物のヒスタミン H1 受容体結合活性は、アッセイ緩衝液(2mM MgCl、250mM スクロース、および100mM NaClを含む50mM Tris(pH 7.4))中で、ヒトのH1受容体を発現させたリコンビナントのCHO−K1細胞(Euroscreen SA, Brussels, Belgium, product code ES-390-M)から調製された2μgの膜に対する、1nM [3H]−ピリラミン(Amersham, Bucks, Product code TRK 608, 比活性 30Ci/mmol)の、1時間、室温での競合置換によって評価した。
【表14】

【図面の簡単な説明】
【0095】
【図A】無水物形態AのXRPD
【図1】無水物形態BのXRPD
【図2】無水物形態CのXRPD
【図3】水和物形態AのXRPD
【図4】水和物形態BのXRPD
【図5】水和物形態CのXRPD
【図6】水和物形態DのXRPD
【図7】溶媒和物形態EのXRPD
【図8】N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)のXRPD
【図9】N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)のXRPD
【図A】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
3.8(±0.1°)、7.5(±0.1°)、11.2(±0.1°)、13.0(±0.1°)、13.8(±0.1°)、15.0(±0.1°)、15.7(±0.1°)、18.8(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.7(±0.1°)、22.6(±0.1°)、および30.2(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物の形態(無水物形態B)。
【請求項2】
4.3(±0.1°)、8.5(±0.1°)、14.6(±0.1°)、15.3(±0.1°)、16.1(±0.1°)、17.4(±0.1°)、18.7(±0.1°)、20.5(±0.1°)、22.1(±0.1°)、22.6(±0.1°)、23.1(±0.1°)、および29.6(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の無水物の形態(無水物形態C)。
【請求項3】
4.2(±0.1°)、8.2(±0.1°)、8.5(±0.1°)、9.1(±0.1°)、11.5(±0.1°)、12.7(±0.1°)、14.8(±0.1°)、15.4(±0.1°)、16.6(±0.1°)、17.4(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.2(±0.1°)、20.4(±0.1°)、23.2(±0.1°)、29.1(±0.1°)、および29.8(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態A)。
【請求項4】
結晶水が3〜10%(w/w)である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
4.5(±0.1°)、7.3(±0.1°)、8.3(±0.1°)、13.3(±0.1°)、14.5(±0.1°)、14.8(±0.1°)、15.4(±0.1°)、16.6(±0.1°)、18.7(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.1(±0.1°)、21.5(±0.1°)、21.9(±0.1°)、22.3(±0.1°)、23.5(±0.1°)、および24.9(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態B)。
【請求項6】
結晶水が5〜7%(w/w)である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
4.2(±0.1°)、7.5(±0.1°)、8.0(±0.1°)、11.4(±0.1°)、12.5(±0.1°)、15.1(±0.1°)、15.8(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.9(±0.1°)、20.5(±0.1°)、21.1(±0.1°)、22.7(±0.1°)、24.6(±0.1°)、26.1(±0.1°)、27.8(±0.1°)、および29.2(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態C)。
【請求項8】
結晶水が3〜10%(w/w)である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
8.8(±0.1°)、10.5(±0.1°)、11.8(±0.1°)、12.9(±0.1°)、15.6(±0.1°)、17.1(±0.1°)、18.9(±0.1°)、20.8(±0.1°)、23.3(±0.1°)、25.6(±0.1°)、26.1(±0.1°)、26.9(±0.1°)、28.1(±0.1°)、30.6(±0.1°)、32.5(±0.1°)、および33.1(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水和物の形態(水和物形態D)。
【請求項10】
3.6(±0.1°)、7.1(±0.1°)、8.3(±0.1°)、9.3(±0.1°)、9.8(±0.1°)、14.1(±0.1°)、15.9(±0.1°)、17.7(±0.1°)、18.6(±0.1°)、19.3(±0.1°)、21.7(±0.1°)、23.1(±0.1°)、24.1(±0.1°)、25.0(±0.1°)、25.8(±0.1°)、および26.3(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の溶媒和物の形態(溶媒和物形態E)。
【請求項11】
7.3(±0.1°)、8.5(±0.1°)、10.6(±0.1°)、13.4(±0.1°)、14.7(±0.1°)、15.4(±0.1°)、15.9(±0.1°)、19.9(±0.1°)、20.2(±0.1°)、21.7(±0.1°)、25.8(±0.1°)、および26.6(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの結晶形態(形態A)。
【請求項12】
9.9(±0.1°)、10.5(±0.1°)、11.0(±0.1°)、11.6(±0.1°)、13.3(±0.1°)、13.9(±0.1°)、14.9(±0.1°)、18.0(±0.1°)、19.0(±0.1°)、20.4(±0.1°)、22.2(±0.1°)、および23.0(±0.1°) 2θ における特異的ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの結晶形態(形態B)。
【請求項13】
請求項1から12の何れかに記載の化合物、および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
治療に使用するための、請求項1から12の何れかに記載の化合物。
【請求項15】
治療に使用する医薬の製造における、請求項1から12の何れかに記載の化合物の使用。
【請求項16】
ケモカイン介在疾病状態に罹患しているもしくはそのリスクがある哺乳動物においてケモカイン介在疾病状態を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物に、治療有効量の請求項1から12の何れかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項17】
無水物形態Bを製造する方法であって、
a. N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の水に濡れた形態もしくは水和物の形態を、五酸化リンの存在下、減圧下で乾燥させること;または
b. 環境温度から100℃まで、水和物形態Aを加熱すること;
を含む方法。
【請求項18】
無水物形態Cを製造する方法であって、水和物形態Bを、環境温度から100℃まで、加熱することを含む方法。
【請求項19】
水和物形態Aを製造する方法であって、4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンを、4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートと、適切な溶媒中で、環境温度で反応させ、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを、適切な溶媒中に形成させ;それに濃水酸化ナトリウム水溶液を加え、次に水を加え;そして
a. 得られた混合物を撹拌し、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩(場合により適切な溶媒が混入している)を、水和物形態Aで沈殿させ、これを濾過し、乾燥させること;または
b. 該適切な溶媒を蒸留し、水和物形態Aを水溶液から沈殿させること;
を含む方法。
【請求項20】
水和物形態Aを製造する方法であって、濃水酸化ナトリウム水溶液を、水中のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの混合物に、30〜60℃の範囲の温度で加え、混合物を冷却し、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を沈殿させ、水和物形態Aを濾過し乾燥することを含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の水和物形態Aを製造する方法であって、
a. N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを水と混合し、混合物を30〜60℃の範囲の温度まで加熱し;そして
b. 濃水酸化ナトリウム水溶液を加え、混合物を冷却し、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を沈殿させ、水和物形態Aを濾過し、乾燥すること;
を含む方法。
【請求項22】
水和物形態Aを製造する方法であって、濃水酸化ナトリウム水溶液をN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドに、適切な有機溶媒中で加え;混合物を加熱し、水層を分離し;IMSを、所望によりトルエンを、水相に加え、得られた混合物を冷却し;そして形成した固体を濾過し乾燥することを含む方法。
【請求項23】
水和物形態Aを製造する方法であって、N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)と、水性水酸化ナトリウムの混合物を加熱し;該混合物を冷却し、そして冷却した混合物をジクロロメタンで抽出し;抽出物を合わせ;所望により合わせた有機抽出物の容積を減らし;ジクロロメタン混合物を冷却し、その結果N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩を沈殿させ;そして形成した固体を濾過して取り、乾燥することを含む方法。
【請求項24】
水和物形態Aを製造する方法であって、水和物形態Dを、減圧下、10〜100℃の範囲の温度で乾燥させることを含む方法。
【請求項25】
水和物形態Aを製造する方法であって、溶媒和物形態Eを、大気圧で、0〜30℃の範囲の温度で乾燥させることを含む方法。
【請求項26】
水和物形態Bを製造する方法であって、テトラヒドロフラン中の4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1,4'−ビピペリジンの溶液を、テトラヒドロフラン中の4−メチルベンゼンスルホニル イソシアネートの溶液と、15〜35℃の範囲の温度で混合し;水酸化ナトリウム水溶液を加え、そして沈殿した固体を集めることを含む方法。
【請求項27】
水和物形態Cを製造する方法であって、水およびアセトンの混合液中のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の溶液を、還流温度から0℃付近まで冷却し、そして形成した固体生成物を集めることを含む方法。
【請求項28】
水和物形態Cを製造する方法であって、溶媒和物形態Eを、減圧下、10〜100℃の範囲の温度で乾燥させることを含む方法。
【請求項29】
水和物形態Dを製造する方法であって、水および2−プロパノールの混合液中のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の溶液を、50〜80℃から0〜10℃まで冷却し、析出物を濾過して取ることを含む方法。
【請求項30】
溶媒和物形態Eを製造する方法であって、水、IMSおよびトルエンの混合液中のN−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドのナトリウム塩の溶液を、50〜80℃から0〜10℃まで冷却し、析出物を濾過して取ることを含む方法。
【請求項31】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)を製造する方法であって、
a. N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル-ベンゼンスルホンアミドを、逆相クロマトグラフィーを用いて精製し、水性アンモニアおよびアセトニトリルの混合物で溶出すること;および
b. N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含むフラクションを凍結乾燥し、残渣をアセトニトリルでトリチュレートし、次に析出物を減圧下で環境温度で乾燥すること;
を含む方法。
【請求項32】
N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態A)を製造する方法であって、
a. N−[[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)[1,4'−ビピペリジン]−1'−イル]カルボニル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(形態B)およびアセトニトリルの混合物を、40〜60℃まで加熱すること;および
b. そのようにして形成したスラリーから得られた固体を減圧下で乾燥すること;
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−513876(P2007−513876A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539426(P2006−539426)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001590
【国際公開番号】WO2005/044268
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】