説明

[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β、δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)の新規形態

高脂血症、高コレステロール血症、骨粗鬆症、良性前立腺肥大症(BPH)、およびアルツハイマー病の治療薬として有用である、その粉末X線回折、固体NMR、および/またはラマンスペクトル法によって特徴付けられる形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIXおよび形態XXXと命名された[R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の新規形態、さらに同物質の調製法および医薬組成物を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学名[R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩により知られる医薬品として有用なアトロバスタチンカルシウムの新規形態、その製造および分離法、これらの化合物および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物、およびこのような組成物を用いて高脂血症、高コレステロール血症、骨粗鬆症、良性前立腺肥大症およびアルツハイマー病を患う、ヒト患者を含む患者を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG−CoA)からメバロン酸への変換は、コレステロール生合成経路の初期かつ律速的段階である。この段階は酵素HMG−CoAレダクターゼによって触媒される。スタチン類はHMB−CoAレダクターゼがこの変換を触媒するのを妨害する。このため、スタチン類は総体的に強力な脂質低下剤となる。
【0003】
その全文を本願に引用して援用する米国特許第5,273,995号に開示されるアトロバスタチンカルシウムは、現在リピトール(登録商標)として販売され、化学名[R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β、δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)三水和物および以下の式を有する。
【化1】

【0004】
アトロバスタチンカルシウムは、選択的、競合的HMG−CoAレダクターゼ阻害剤である。このように、アトロバスタチンカルシウムは強力な脂質低下化合物であり、従って、血中脂質低下および/または血中コレステロール低下剤として有用である。
【0005】
数多くの特許がアトロバスタチン、アトロバスタチン製剤、さらにアトロバスタチンを調製するための方法および重要な中間生成物を開示して公表している。これらには次の米国特許:第4,681,893号、第5,273,995号、第5,003,080号、第5,097,045号、第5,103,024号、第5,124,482号、第5,149,837号、第5,155,251号、第5,216,174号、第5,245,047号、第5,248,793号、第5,280,126号、第5,397,792号、第5,342,952号、第5,298,627号、第5,446,054号、第5,470,981号、第5,489,690号、第5,489,691号、第5,510,488号、第5,686,104号、第5,998,633号、第6,087,511号、第6,126,971号、第6,433,213号および第6,476,235号を含み、引用により本願に援用する。
【0006】
さらに、数多くの公表された国際特許明細書および特許が、結晶型アトロバスタチン、および非晶質のアトロバスタチンを調製する方法を開示している。これらは、米国特許第5,969,156号、米国特許第6,121,461号、米国特許第6,605,729号、国際公開番号第WO00/71116号、国際公開番号WO01/28999号、国際公開番号WO01/36384号、国際公開番号WO01/42209号、国際公開番号WO02/41834号、国際公開番号WO02/43667号、国際公開番号WO02/43732号、国際公開番号WO02/051804号、国際公開番号WO02/057228号、国際公開番号WO02/057229号、国際公開番号WO02/057274号、国際公開番号WO02/059087号、国際公開番号WO02/072073号、国際公開番号WO02/083637号、国際公開番号WO02/083638号、国際公開番号WO03/050085号、国際公開番号WO03/070702号、および国際公開番号第WO04/022053を含む。
【0007】
アトロバスタチンはそのカルシウム塩、すなわち[R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β、δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)として調製される。カルシウム塩はアトロバスタチンを経口投与用に、例えば錠剤、カプセル剤、口中錠、散剤などに簡便に製剤化することができるので望ましい。
【0008】
アトロバスタチンカルシウムを製造する方法は、大規模な製造に変更できるものである必要がある。さらに、生成物は容易に濾過することができかつ容易に乾燥することができる形態であることが望ましい。最終的に、生成物は特別な保存条件を必要とせずに長期間安定であることが経済的に望ましい。
【0009】
さらに、数多くの薬物の非晶質型は、結晶型と比較して異なる溶出特性、場合によっては異なるバイオアベイラビリティパターンを示すことが開示されている(Konno
T., Chem. Pharm. Bull., 1990; 38; 2003-2007)。一部の治療的適応では、1つのバイオアベイラビリティパターンが他のものよりも好ましいことがある。
【0010】
薬物開発の過程では、その薬物の最も安定した結晶型を発見することが重要であると一般に考えられている。この最も安定した結晶型は、最も優れた化学的安定性を有し、従って製剤の有効期間が最も長い可能性が高い形態である。しかし、例えば塩、水和物、多形、結晶および非結晶型などの複数の形態の薬物を有することも有利である。物理的な形態が異なれば提供される長所が異なるので、薬物の1つの理想的な物理的形態は存在しない。最も安定な形態およびこのような他の形態の探索は困難であり、結果は予測しがたい。
【0011】
薬物開発の成功には、患者に対する治療的に有効な投与であるための一定の基準を満たすことを必要とする。これらの基準は、(1)剤形の製造を成功させるための基準、および(2)薬物製剤を患者に投与した後の薬物の送達および処理を成功させるための基準、の2つのカテゴリーに分けられる。
【0012】
多様な経路で投与するための多種類の薬物製剤があり、異なる製剤にとって最適な薬物形態は異なる可能性がある。上記のように、治療の必要がある患者への薬物分布が成功するように、薬物製剤は十分な有効期限を有していなければならない。さらに、薬物製剤は経口投与されるとき患者の消化管内で溶解する形態で薬物を提供しなければならない。速放性錠剤、カプセル、懸濁液またはサシェなどの速放性剤形での経口投与については、一般に、用量の完全な溶解および最適なバイオアベイラビリティを確保するために、溶解度の高い薬物の塩または剤形を有することが望ましい。一部の薬物、特に溶解度の低い薬物または湿潤性の低い薬物については、一般に、消化管内に投与するときに結晶型よりも高い初期溶解度を有する非結晶型薬物形態を利用することが有利である可能性がある。薬物の非結晶型は結晶型よりも化学的安定性が劣る場合が多い。従って、剤形を製造、包装、保存および全世界の患者に配布するのに十分な時間その効力を維持するのに十分安定である、実用的な製品を提供するために、化学的に十分に安定な非結晶型薬物形態を特定することが有利である。
【0013】
その一方で、薬物形態の溶解度がより低い場合の方がよく作用する剤形がある。例えば、チュワブル錠または懸濁液またはサシェ剤形は舌を薬物に直接曝露させる。このような剤形については、悪味を最小限として固形状態にある薬物の割合を維持するために、口の中での薬物の溶解度を最小化することが望ましい。このような剤形については、溶解度の低い塩又は結晶型を使用することが望ましいことが多い。
【0014】
放出制御経口、または皮下または筋肉中などの注射剤形については、所望の薬物溶解度は送達経路、用量、剤形デザインおよび所望の放出期間の複合関数となる。溶解度の高い薬物については、放出制御剤形向けに溶解度の低い結晶塩または多形を利用して、緩慢な溶解による遅延放出の達成を支援することが望ましい。溶解度の低い薬物については、十分な溶出速度を達成し、放出制御剤形からの所望の薬物放出速度を維持するために、溶解度の高い結晶塩または多形、または非結晶型を利用することが必要となることもある。
【0015】
軟ゼラチンカプセル剤形(「ソフトゲル」)においては、薬物は少量のトリグリセリド油またはポリエチレングリコールなどの溶媒あるいは担体に溶解し、ゼラチンカプセル内に封入される。この剤形に最も適した薬物形態は、適切なソフトゲル担体中で溶解度の高いものである。一般に、トリグリセリド油中でより溶解度の高い薬物形態は水への溶解度が低い。ソフトゲル剤形に適した薬物形態の特定には、多様な塩、多形、結晶型および非結晶型の検討を要する。
【0016】
従って、薬物形態の所望の溶解度は意図する用途に依存し、また全ての薬物形態が等しいわけではないことが分かる。
【0017】
ヒトまたは動物の治療に実践的に有用な薬物形態については、薬物形態が最小の吸湿性を示すことが望ましい。吸湿性の高い薬物を含む剤形は保護包装を必要とし、また湿った環境で保存すると溶解度の変化を示すこともある。従って、薬物の非吸湿性結晶塩および多形を特定することが望ましい。薬物が非結晶型であるか、または溶解度および溶出速度の向上のために非結晶型が望まれる場合は、他の非結晶塩または形態と比べて吸湿性が低い非結晶塩または形態を特定することが望ましい。
【0018】
薬物、結晶または非結晶は、無水型で存在することもあれば、水和物または溶媒和物または水和/溶媒和物として存在することもある。薬物の水和状態および溶媒和状態はその溶解度および溶出挙動に影響する。
【0019】
薬物の融点は塩の種類、多形、結晶および非結晶型によって異なることがある。市販の打錠器上での錠剤の製造を可能にするためには、錠剤の製造中に薬物が融解することを防ぐために、薬物の融点が約60℃以上であり、好ましくは100℃以上であることが望ましい。この場合の好ましい薬物形態は、融点が最も高いものである。さらに、直射日光の元で、または赤道付近などの地理的領域において起こる高い環境保存温度において、固形剤形をとる固形薬物の化学的安定性を確保するために、高い融点を有することが望ましい。ソフトゲル剤形が望まれる場合は、剤形中の薬物の結晶化を最小にするために、低い融点を有する薬物形態を有することが好まれる。従って、薬物形態の所望の融点は意図する用途に依存し、また全ての薬物形態が等しいわけではないことが分かる。
【0020】
薬物の用量が高い場合、または小さな剤形が望まれる場合、塩、水和物、または溶媒和物の選択は力価/ユニット重量に影響する。例えば、高分子量対イオンの薬物塩の薬物力価/gは低分子量対イオンの薬物塩よりも低くなるであろう。力価/単位重量が最高である薬物形態を選択することが望ましい。
【0021】
異なる結晶多形および非結晶型の調製法は、薬物によって大きく異なる。これらの方法には、特に合成の最終段階に、また特に薬物が合成の最終段階で利用する溶媒の溶媒和として存在する傾向がある場合、毒性が最小の溶媒を用いることが望ましい。好ましい薬物形態は、その合成において毒性の低い溶媒を利用するものである。
【0022】
薬物が、商用スケールで良好な錠剤を形成する能力は、Hiestand
H, Smith D. Indices of tableting performance. Powder Technology,
1984;38:145-159に記載されている錠剤化指数などの薬物の多様な物理的性状に依存する。これらの指標は、例えばアトロバスタチンカルシウムなどの優れた錠剤化性能を有する薬物の形態を特定するために用いることがある。このような指標の1つは、脆性を反映し、かつ範囲が0(良好−低脆性)から1(不良−高脆性)である脆性破損指数(BFI)である。機械的性状、流動性および錠剤化性能の他の有用な指数または指標は、圧縮応力、絶対密度、固体率、動的押し込み硬さ、延性、弾性率、換算弾性率、準静的押し込み硬さ、剛性率、抗張力、降伏抗張力、最良結合指数、最悪結合指数、脆性/粘弾性結合指数、ひずみ指数、粘弾性数、内部摩擦有効角(剪断セル試験による)、凝集性(粉末雪崩試験)および流動変動性を含む。これらの測定値の多くは、好ましくは三軸液圧圧縮を用いて調製された薬物圧縮物について得られる。これらの指標の多くは、Hancock
B, Carlson G, Ladipo D, Langdon BおよびMullarney M. Comparison of the Mechanical
Properties of the Crystalline and Amorphous Forms of a Drug Substance.
International Journal of Pharmaceutics, 2002;241:73-85にさらに記載されている。
【0023】
流動に影響する薬物形態の性状は、錠剤剤形の製造だけでなく、カプセル剤、懸濁剤およびサシェの製造にも重要である。
【0024】
薬物粉末の粒度分布も、特に粉体流動への効果を介して、製造過程に大きな影響を与え得る。薬物の形態が異なると、粒度分布の特性も異なる。
【0025】
上述の議論より、全ての治療用途にとって理想的である1つの薬物形態はないことは明らかである。従って、例えば塩、多形、非結晶型などの、多様な製剤に使用することができる多様な固有の薬物形態を探索することが重要である。特定の製剤または治療的用途のための薬物形態の選択には、上述のような多様な性質の考察が必要であり、また特定の用途のための最良の形態は、特定の重要で良好な性質を1つ有する一方で、他の性状は許容できるかまたはわずかに許容できるものであることもある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0026】
驚くべきことに、かつ予想外なことに、我々はアトロバスタチンカルシウムの新規形態を見出している。従って、本発明はXX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、XXXと特定される形態、アトロバスタチンカルシウムの新規形態を提供する。アトロバスタチンの新規形態は、これまで報告されているアトロバスタチン形態と比べて純度が高く、安定性が高く、または製造および/または有利な物理特性を有している。
【0027】
一般に、本明細書に開示された新規形態のアトロバスタチンカルシウムは、高い水溶性および高い溶出速度を有する。速溶型剤形は消化管を通過する前に胃内で完全に溶解する必要があるので、これはこの剤形にとって利点である。さらに、新規形態の中には無毒性の溶媒を用いて調製できるものもある。これにより、あらゆる残留溶媒およびその毒性を回避することができる。さらに、新規形態の中には、上で解説したように包装または取り扱いの面から望ましい低吸湿性を有するものもある。また、新規形態の中には錠剤化性が有利であるために簡便に錠剤に形成することができるものもある。さらに、新規形態の中には容易かつ直接的に調製できるために費用の点で利点をもたらすものもある。また、新規形態の中には物理的に安定であり、かつ容易に他の形態に変換されないものもある。
【0028】
従って、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表1】

【0029】
第2の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表2】

【表3】

【0030】
第3の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表4】

【0031】
第4の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表5】

【0032】
第5の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表6】

【表7】

【0033】
第6の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXVのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表8】

【0034】
第7の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXVIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表9】

【表10】

【0035】
第8の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表11】

【0036】
第9の態様では、本発明はCuK照射Bruker回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表12】

【表13】

【0037】
第10の態様では、本発明はCuK照射Bruker回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXIXのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表14】

【0038】
第11の態様では、本発明はCuK照射Shimadzu回折装置により測定した、角度2θおよび相対強度が>10%である相対強度と相対ピーク幅で表される以下の粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる形態XXXのアトロバスタチンカルシウムに向けられる。
【表15】

【表16】

【0039】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤として、アトロバスタチンカルシウムの新規形態は、血中脂質低下および血中コレステロール低下剤として、さらには骨粗鬆症、良性前立腺肥大症(BPH)、およびアルツハイマー病の治療薬として有用である。
【0040】
本発明の他の実施形態は、上に言及した治療法において単位剤形中の有効な量の形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXII、形態XXVIII、形態XXIX、または形態XXXのアトロバスタチンカルシウムを投与するための医薬組成物である。最後に、本発明は形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIX、または形態XXXのアトロバスタチンカルシウムを製造するための方法に向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIX、または形態XXXのアトロバスタチンカルシウムは、粉末X線回折パターン、その固体状態核磁気共鳴スペクトル(NMR)、および/またはそのラマンスペクトルによって特徴付けられてもよい。
【0042】
本発明で開示されているアトロバスタチンカルシウムの「形態(forms)」は不規則な結晶(disordered
crystals)、液晶、柔粘性結晶(plastic crystals)、メソフェーズ(mesophases)などとして存在してもよい。不規則性を介して関係する形態は、本質的に同一の主要ピーク位置を有するが、不規則化の過程によってこれらのピーク幅が広がる。弱いピークの多くについては、ピーク幅が大きく広がるためもはやバックグラウンド上で不可視である。さらに、不規則性によって生じるピーク幅の広がりによって正確なピーク位置の決定にエラーを生じることがある。
【0043】
(粉末X線回折)
形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIX、および形態XXXのアトロバスタチンカルシウムを、その粉末X線回折パターンによって特徴付けた。従って、CuKα照射を用いたShimadzu XRD−6000 X線回折装置で形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、形態XXIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、および形態XXXの粉末X線回折パターンを実施した。この機器は高精度焦点X線管を搭載している。この管の電圧およびアンペア数はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。発散および散乱スリットは1°に設定し、受光スリットは0.15mmに設定した。回折照射はNaIシンチレーション検出器によって検出した。3℃/分(0.4秒/0.02°ステップ)で2.5から40°の2θのθ−2θ連続スキャンを用いた。シリコン標準物質を毎日分析して機器の照準を確認した。データを収集し、XRD−6000 V.4.1を用いて分析した。試料は、アルミニウムホルダーにセットして分析用に調製した。
【0044】
形態XXVIIIおよびXXIXの粉末X線回折パターンは、CuKα照射を用いてBruker D5000回折装置で実施した。機器には高精度焦点X線管を搭載した。この管の電圧およびアンペア数はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。発散および散乱スリットは1mmに設定し、受光スリットは0.6mmに設定した。回折照射はKevex PSI検出器によって検出した。2.4°/分(1秒/0.04°ステップ)で3.0から40°の2θのθ2θ連続スキャンを用いた。アルミナ標準物質を分析して機器の照準を確認した。データを収集し、Bruker axsソフトウェアバージョン7.0を用いて分析した。試料は、水晶ホルダーにセットして分析用に調製した。Bruker Instruments社がSiemans社を買収したことに留意しなければならない;従って、Bruker D5000機器はSiemans D5000と本質的に同じである。
【0045】
ShimazuシステムまたはBrukerシステムのような、本願に報告される測定に用いられるBragg−Bretano機器上でX線回折測定を実施するには、通常陥凹を有するホルダーに試料をセットする。試料粉末は、スライドガラスまたは同等物によって押さえられ、ランダムな試料面かつ適切な試料の高さとなるようにする。次に、試料ホルダーをShimazu測定機器にセットする。入射X線ビームは、始めはホルダー面に対して小角で試料に向け、次に入射ビームとホルダー面の角度が連続的に増加する弧に沿って動かす。このような粉末X線分析による測定値の差は、(a)試料調製のエラー(例:試料の高さ)、(b)機器のエラー(例:平板試料エラー)、(c)較正エラー、(d)オペレーターエラー(ピーク位置を決定する際に起こるエラーを含む)、および(e)材料の性質(例:好ましい配向および透明性エラー)を含む多様な因子によって発生する。較正エラーおよび試料の高さによるエラーによって、しばしば同じ方向に全てのピークがシフトすることになる。平板ホルダーを用いる際に試料の高さがわずかに異なると、XRPDピーク位置に大きな変位が生じる。体系的な研究により、Shimadzu XRD−6000を典型的なBragg−Bretano構成で使用すると、試料の高さが1mm異なるとピークが最高で1°2θシフトすることが示された(Chenら;
J Pharmaceutical and Biomedical Analysis, 2001; 26,63)。これらのシフトはX線回折図から特定することができ、またシフトを補償(全てのピーク位置の値に体系的な補正係数を適用する)または機器を再較正することで消去できる。上述のように、体系的な補正係数を適用してピーク位置を整合させることにより、多様な機器からの測定値を補正することが可能である。一般的に、この補正係数はShimadzuまたはBrukerより測定されたピーク位置を予想されたピーク位置に整合させ、またその範囲は0〜0.2°2θの範囲と思われる。
【0046】
表1〜11は、本明細書に開示されている各形態のアトロバスタチンカルシウムの粉末X線回折パターンについて、角度2θのピーク位置、相対強度および相対ピーク幅を列挙する。相対的に狭いピーク位置はShimadzuソフトウェアによりデフォルト設定を用いて拾い上げた。粉末X線回折パターンは、ピーク位置を自動的に確認するShimadzu XRD−6000バージョン2.6ソフトウェアを用いて処理した。「ピーク位置」は、ピークを示す強度プロフィールの最大強度を意味する。真度および精度を最大化するため、ピーク位置を選択する際は強度プロフィール全体を考慮する。ピーク位置を拾い上げる際は、大きな結晶からの強度スパイクおよびノイズから予測される強度変動を考慮した。
【0047】
Shimadzu XRD−6000の「Basic Process」バージョン2.6アルゴリズムにより以下の処理を用いた:
1.全てのパターンについて平滑化を実施した。
2.バックグラウンドを減算してピークの正味の相対強度を確認した。
3.全パターンの50%の強度において、CuKα1(1.5406Å)ピークによって発生したピークからCuKα2(1.5444Å)波長からのピークを減算した。
【0048】
ピークの拾い上げにはソフトウェアのデフォルト値を用い、また全てのピーク位置は1/10で四捨五入した。XRPDパターンの中には非常に拡散したおよび非常にノイズが多いパターンを示したものもあったため、ピーク位置は手作業で決定し、2θ角度の範囲として表示した(幅広いピークの開始時から幅広いピークの終了時まで)。全てのピーク位置は0.1°2θ単位に四捨五入した。以下の略語はピーク強度(s=強、m=中、w=弱)およびピーク幅(b=広い(広いはピーク幅0.2〜1.0°2θを表し、sh=肩、vb=非常に広い(非常に広いはピーク幅>1°2θのピークを表す))を表すために用いる。
【表17】


【表18】


【表19】


【表20】

【表21】


【表22】


【表23】

【表24】


【表25】


【表26】


【表27】


【表28】


【表29】



【0049】
表12は、形態XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムの2θピークの組合せ、すなわち各形態に固有のX線回折線群を列挙する。
【表30】

【表31】

【0050】
さらに、表13は形態XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムの2θピークの他の組合せ、すなわち各形態に固有の他のX線回折線群を列挙する。
【表32】

【表33】

【0051】
(小角粉末X線回折)
(方法論)
アトロバスタチンカルシウムの各ロットの粉末材料を、直径1〜2mmのガラス或いは水晶X線キャピラリーに充填した。ビームラインID2、European Synchrotron Radiation Facility(ESRF)(Grenoble、フランス)で小角X線回折(SAXD)実験を実施した。照射波長は0.996Åとした(シリコンチャネル−カットモノクロメーター)。画像倍増電荷結合素子(CCD)検出器を用いて二次元SAXD画像を記録し、またデータをnm−1単位の逆格子空間qとして表した。曝光時間を調節して、各個別の試料について検出器の最大ダイナミックを用いたところ、ほとんどの場合曝光時間は1秒未満であった。標準的な検出器補正を実施した後、二次元画像を絶対強度スケールに正規化し、対応する一次元X線回折曲線を得るために方位角上で積分した。単ピーク分析を用いたガウスフィットを用いてピーク位置を測定した。SAXDおよび(広角X線回折)WAXDq−スケールを、それぞれベヘン酸銀およびシリコン粉末で較正した。
【0052】
表14は、形態XX、XXII、XXIV、XXV、XXVIIおよびXXXのアトロバスタチンカルシウムについてのSAXRDピークを示す。
【表34】

【表35】

【0053】
(ラマンスペクトル法)
(方法論)
ラマンスペクトルは、Nicolet Magna 860フーリエ変換赤外線分光器に結合したラマンアクセサリーで測定した。アクセサリーは励起波長1064nmおよび約0.45Wのネオジミウム−ドープイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザー出力を利用した。スペクトルは、解像度4cm−1で測定した6または128共付加スキャンを表す。試料は一部を取って直径5mmのガラス管に入れ、この管を分光器にセットして分析用に調製した。Nicoletソフトウェアを用いてデフォルトの閾値および感度設定によりピーク表を生成した。使用時に分光器をイオウおよびシクロヘキサンで較正(波長)した。
【0054】
表15は、形態XX、XXII、XXIV、XXV、XXVIIおよびXXVIIIのアトロバスタチンカルシウムについてのラマンスペクトルを示す。
【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【0055】
(固体状態核磁気共鳴(NMR))
(方法論)
500MHz NMR分光計を用いて293Kで固体状態13C NMRおよび19F NMRスペルトルを測定した。試料約80mgを4mm ZrOスピナーに稠密に充填して分析した。一次元固体状態スペクトルは、周囲圧および293Kで、Bruker 4mm HFX BL交差分極マジック角度回転(CPMAS)プローブを用いた大口径Bruker−Biospin Avance DSX 500 MHz NMR分光計で測定した。回転サイドバンドを最小にするために、回転速度を4mm HFX BLプローブの最大規定回転速度である15.0kHに設定した。13C CPMASおよび19F MASピークは、Bruker−Biospin TOPSPIN 1.3ソフトウェアを用い、スペクトルウインドウ、および回転サイドバンドのピーク選択を消失させるピーク選択閾値強度を適切に設定して選択した。検出感度パラメータ(PC)は、通常0.5に設定した。
【0056】
13C CPMAS)
一次元13Cスペルトルは、H−13C交差分極マジック角度回転(CPMAS)を用いて測定した。信号感度を最適化するために、交差分極接触時間を2.3m秒に調節し、デカップリングパワーを80kHzに設定した。炭素スペクトルは、リサイクルディレイ8秒のスキャン約1,100回により測定した。外部試料にアダマンタンを用いて、その高磁場共鳴を29.5ppmに設定して参照した。
【0057】
19F MAS)
一次元19Fスペクトルは、マジック角度回転(MAS)とプロトンデカップリングを用いて測定した。デカップリング磁場は約65kHzに設定した。19Fで検出したH T緩和時間は、反転回復実験に基づいて算出した。全試料について、間隔をあけたスキャンよりシグナルを減算して、その間19Fプレサチュレーションパルスを適用し、プローブのバックグラウンドを減らした。スペクトルは、リサイクルディレイ10秒でスキャン約64回により測定した。試料は、外部試料にトリフルオロ酢酸(HOで50%V/Vに希釈)を用い、その共鳴を−76.54ppmに設定して参照した。
【0058】
表16は、形態XX、XXII、XXIV、XXV、XXVII、XXVIIIおよびXXXのアトロバスタチンカルシウムについての13C固体状態NMRスペクトルを示す。表17は、形態XX、XXII、XXIV、XXV、XXVII、XXVIIIおよびXXXのアトロバスタチンカルシウムについての19F固体状態NMRスペクトルを示す。
【表40】

【表41】

【表42】

【表43】


【表44】

【0059】
さらに、形態XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIXおよびXXXのアトロバスタチンカルシウムは、粉末X線回折および固体19F核磁気共鳴スペクトルで特徴付けることができる。例えば:
【0060】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:10.0、16.1、および19.2を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−112.0、−114.8、および−118.9を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXIIのアトロバスタチンカルシウム。
【0061】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.4、9.5および12.2を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−114.0、−116.8、および−117.9を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXIVのアトロバスタチンカルシウム。
【0062】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.4、8.7、19.2、および20.0を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−113.2、−116.3、および−118.4を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVのアトロバスタチンカルシウム。
【0063】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.9、7.5、および18.7を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−112.2、−113.0、および−117.2を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウム。
【0064】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.6,9.5、20.5、および22.3を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−116.4、−117.1、および−119.2を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウム。
【0065】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.1、9.0、および21.6を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−116.7および−118.6を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXXのアトロバスタチンカルシウム。
【0066】
本発明に記載するアトロバスタチンカルシウムの形態は、無水型で存在することもあれば、多様な量の水および/または溶媒を含んで存在することもある。一般に、これらの形態は無水型と同等であり、本発明の範囲内に包含することを意図している。
【0067】
水および/または溶媒の程度に関わらず、同等の粉末X線回折図を有する本発明のアトロバスタチンカルシウムの形態は、本発明の範囲内である。
【0068】
本明細書に記載のアトロバスタチンカルシウムの新規形態は、有利な性状を有する。
【0069】
物質が、商用スケールで良好な錠剤を形成する能力は、例えばHiestand
HとSmith D. Indices of Tableting Performance., Powder Technology,
1984;38:145-159に記載されているような、錠剤化指数などの薬物の多様な物理的性状に依存する。これらの指標は、優れた錠剤化性能を有するアトロバスタチンカルシウムの形態を特定するために用いることがある。このような指標の1つは、脆性を反映し、かつ範囲が0(良好−低脆性)から1(不良−高脆性)である脆性破壊指数(BFI)である。
【0070】
本発明は、形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムを得る条件下にある溶媒中の溶液またはスラリーからアトロバスタチンカルシウムを形成することを含む、形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムを調製する方法を提供する。
【0071】
形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムを形成する正確な条件は経験的に決定されることがあり、また実践上適切と確認されている数多くの方法を示すことのみが可能である。
【0072】
本発明の化合物は幅広い経口および非経口剤形で調製および投与することができる。従って、本発明の化合物は注射、すなわち静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内投与することができる。また、本発明の化合物は例えば鼻腔内などの吸入により投与することができる。さらに、本発明の化合物は経皮的に投与することができる。以下の剤形が活性成分として本発明の化合物を含むことは、当業者にとって明らかであろう。
【0073】
本発明の化合物より医薬組成物を調製するために、薬学的に許容できる担体は固形とすることも液状とすることもできる。固形製剤は散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散顆粒を含む。固形担体は、希釈剤、着香料、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用する1つまたはそれ以上の物質とすることができる。
【0074】
散剤においては、担体は微粉化された活性成分との混合される微粉化された固形物である。
【0075】
錠剤においては、活性成分は必要な結合性を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
【0076】
散剤および錠剤は、好ましくは2または10から約70%の活性化合物を含有する。適切な担体は炭酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボシキメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂などである。用語「製剤」は、他の担体の有無にかかわらず、活性成分がある担体によって囲まれることで、それに関係しているカプセルを提供する、活性化合物と担体としてのカプセル化材料の製剤化物を含むことを意図している。同様に、カシェ剤および口中錠も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤および口中錠は経口投与に適した固形剤形として使用することができる。
【0077】
坐剤を調製するためには、始めに脂肪酸グリセリドの混合物などの低融点ロウまたはカカオ脂を融解し、撹拌するなどして活性成分をその中に均一に分散する。次に融解した均質な混合物を使いやすいサイズの型に注ぎ、冷まして固形化する。
【0078】
液状製剤は、例えば水またはプロピレングリコール水溶液などの、溶液、懸濁剤、滞留浣腸剤、および乳剤を含む。非経口注射剤については、液状製剤は水性ポリエチレングリコール溶液中で溶液に製剤化することができる。
【0079】
経口使用に適した水性溶液は、活性成分を水に溶解し、所望であれば適切な着色料、着香料、安定化剤および増粘剤を添加して調製することができる。
【0080】
経口使用に適した水性懸濁剤は、微粉化された活性成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボシキメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁化剤などの粘稠材料を含んだ水に分散して製造することができる。
【0081】
また、使用直前に経口投与用の液状製剤に変換することを意図した固形製剤も含まれる。このような液状製剤は溶液、懸濁剤および乳剤を含む。これらの製剤は、活性成分のほかに、着色料、着香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散化剤、増粘剤、可溶化剤などを含むことがある。
【0082】
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。このような形態では、製剤は適切な量の活性成分を含む単位用量に細分割される。単位剤形は、包装された錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル入り散剤などの包装された製剤であって、当該包装が個別の量の製剤を含む製剤とすることができる。また、単位剤形はカプセル剤、錠剤、カシェ剤、または口中錠それ自体とすることもできるし、また包装された形態にあるこれらのいずれかの適切な個数とすることもできる。
【0083】
単位投与製剤中の活性成分の量は、個別の用途および活性成分の力価に応じて0.5mgから100mg、好ましくは2.5から80mgまで変更或いは調節することがある。所望であれば、組成物は他の適合する治療薬を含むことができる。
【0084】
血中脂質低下および/または血中コレステロール低下剤およびBPH、骨粗鬆症およびアルツハイマー病治療薬としての治療的使用において、本発明の薬学的方法において利用される形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウムは、初回用量1日約2.5mgから約80mgで投与される。約2.5mgから約20mgの1日用量範囲が好まれる。しかし、用量は患者の要件、治療する状態の重症度および使用する化合物に応じて変化することがある。個別の状況に適正な用量の決定は、当技術分野の技術範囲内である。一般に、投与は化合物の最適用量よりも低い小用量から始める。その後、状況のもとで最適な効果に達するまで少量ずつ用量を増加させる。簡便にするために、所望であれば1日総用量を分割し、1日の間に一部ずつ投与してもよい。
【0085】
以下の非限定的な実施例は、本発明の化合物を調製するための発明者の好ましい方法を例示する。
【実施例1】
【0086】
([R−(R,R)]−2−(4−フルオロフェニル)−β、δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXのアトロバスタチンカルシウム))
(形態XXのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(その全文を本願に引用して援用する米国特許第5,969,156号)の試料12.2gをメタノール(MeOH):HO(95:5,v:v)300mLに懸濁し、超音波処理した。生成した懸濁液を濾過しながら1Lのフラスコに移した。試料を、加熱しない水浴上のロータリーエバポレーター上で、吸引器で減圧して蒸発させた。得られた固形物を、周囲温度で一晩減圧乾燥させて形態XXのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0087】
(方法B)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料24mgをエタノール(EtOH):HO(4:1,v:v)7mLに溶解し、0.2μmナイロンフィルターで濾過した。生成した溶液を、栓をしないバイアル中で蒸発乾固させ、形態XXのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0088】
(形態XXIのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料3.6gを、43℃のテトラヒドロフラン:水(9:1,v/v)10mLに溶解した。1mLを取って濾過しながらバイアルに移し、予め加温したアセトニトリル(ACN)約1mLを1滴ずつ加えた。透明な溶液を冷蔵庫に入れた。1日以内に固形物が形成し、これを吸引濾過により回収し、周囲温度で風乾して形態XXIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0089】
(方法B)
形態I(米国特許第5,969,156号)の試料10.5gを、室温でイソプロビルアルコール(IPA)450mL/HO 50mL(9:1)中で20日間スラリー化した。次に試料を吸引濾過した。次に試料をACN 450mL/HO 50mL(9:1)で一晩スラリー化した。試料を5時間吸引濾過し、形態XXIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0090】
(形態XXIIのアトロバスタチンカルシウム)
形態XXのアトロバスタチンカルシウム(上述の方法で調整)の試料11.5gを、MeOH 29mLと混合し、周囲温度のオービタルシェーカーで1日振盪した。次に試料を周囲温度で1日減圧乾燥した。回収した固形物をMeOH 29mLと混合し、周囲温度のオービタルシェーカーで1時間未満スラリー化した。形成されたゲルをさらにMeOH 40mLと混合し、周囲温度のオービタルシェーカーで3日間スラリー化した。固形物を周囲温度で一日減圧乾燥させて形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0091】
(形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料1.5gを、フラスコ内でACN:水(9:1,v/v)約75mLでスラリー化し、周囲温度のオービタルシェーカーブロックに1日入れた。試料を4分割して遠心分離し、上清をデカントして廃棄した。回収した固形物を再びシェーカーブロックに1時間入れた。試料を1日未満風乾した。4分割したものを再び全部合わせ、周囲条件で試料をさらに3時間風乾して形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0092】
(方法B)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料11.0gを、周囲温度で500rpmとした磁気撹拌プレート上で、ACN:水(9:1,v/v)約430mLで2日間スラリー化した。0.22μmナイロンメンブランフィルターで試料を吸引濾過し、濾取した固形物を周囲条件で1日風乾して形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0093】
(形態XXIVのアトロバスタチンカルシウム)
非晶質のアトロバスタチンカルシウム(その全文を本願に引用して援用する米国特許第6,087,511号)と形態XXのアトロバスタチンカルシウム(上述の方法で調整)の混合物を含む試料1.0gを、フラスコ内のACN:水(9:1,v/v)195mLでスラリー化し、55℃で500rpmに設定した磁気撹拌プレート上に1日おいた。0.22μmナイロンメンブランフィルターを用いて試料を吸引濾過し、195mLの新鮮な溶媒を用い、同じ条件で固形物を1日スラリー化した。0.22μmナイロンメンブランフィルターを用いて試料を再度吸引濾過し、195mLの新鮮な溶媒を用い、同じ条件で固形物を1日スラリー化した。固形物を吸引濾過により分離し、ペトリ皿に入れて周囲条件で4日間風乾して形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0094】
(形態XXVのアトロバスタチンカルシウム)
形態XXのアトロバスタチンカルシウム(上記の方法で調整)の試料58mgをACN:水(9:1)2mLに入れて磁気撹拌プレート上で5日間スラリー化し、濾取して形態XXVのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0095】
(形態XXVIのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料2.0gを、バイアル内の水0.57mLでスラリー化し、MeOH 5.1mLを添加し、試料を58から60℃のオービタルシェーカーブロックに3日間入れた。生成物試料を70〜75℃で3日間減圧乾燥し、形態XXVIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0096】
(方法B)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料5.0gを、60℃の80:20(v/v)水/MeOH 200mLに溶解した。溶液が形成された後、60℃で撹拌する間にスラリーが生成した。2.5時間後にスラリーを吸引濾過により分離した。材料を45℃で一晩減圧乾燥し、形態XXVIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0097】
(形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
形態VIIIのアトロバスタチンカルシウム(その全文を本願に引用して援用する米国特許第6,605,729号)の試料を、温度可変粉末X線回折ユニットの試料ホルダー上で、5℃/分の昇温速度で加熱した。165℃に達する前に、35℃、80℃、100℃、115℃および140℃で約15分間温度を維持して、形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムは40℃まで冷却しても変化しなかった。
【0098】
(方法B)
温度可変XRPDを用いて、形態VIIIのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第6,605,729号)の試料を、実験中の湿度条件を無調節として加熱した。試料は、35℃から始めて4段階で加熱した。135℃まで続け(13.5分維持)その後148℃とし(15.5分維持)、その後35℃に戻し(15.5分維持)、形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムは148℃で得られ、35℃まで冷却しても変化しなかった。
【0099】
(形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウム)
非晶質のアトロバスタチンカルシウム(米国特許第6,087,511号)の試料0.3gを、50℃のエチレングリコール1mLで24時間スラリー化した。固形物を周囲条件で吸引濾過して分離し、形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0100】
(形態XXIXのアトロバスタチンカルシウム)
非晶質のアトロバスタチンカルシウム(米国特許第6,087,511号)の試料1.0gを、周囲温度の水:テトラヒドロフラン(4:1,v/v)8mLでスラリー化した。混合物に形態XIIのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第6,605,729号)の結晶核を加え、周囲条件で5時間撹拌した。吸引濾過して固形物を分離し、形態XXIXのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0101】
(形態XXXのアトロバスタチンカルシウム)
(方法A)
非晶質のアトロバスタチンカルシウム(米国特許第6,087,511号)3.0gおよびエチレングリコール24mLを含むスラリーを、周囲温度のオービタルシェーカーブロックで約1日振盪した。スラリーを吸引濾過し、固形物を周囲温度で6日間風乾して形態XXXのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【0102】
(方法B)
形態Iのアトロバスタチンカルシウム(米国特許第5,969,156号)の試料200mgを、密封したチャンバー内で周囲温度でACN蒸気に2ヶ月間曝露し、形態XXXのアトロバスタチンカルシウムを得た。
【図面の簡単な説明】
【0103】
本発明は、さらに以下にその短い具体例を示す付属の形態XX、XXI、XXII、XXIII、XXIV、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、およびXXXを表す以下の限定的でない実施例によってさらに説明される。
【図1】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図2】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図3】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図4】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図5】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図6】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXVのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図7】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXVIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図8】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図9】Bruker回折装置で実施した形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図10】Bruker回折装置で実施した形態XXIXのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図11】Shimadzu XRD−6000回折装置で実施した形態XXXのアトロバスタチンカルシウムの回折図である。
【図12】形態XXのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図13】形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図14】形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図15】形態XXVのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図16】形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図17】形態XXXのアトロバスタチンカルシウムの小角回折図である。
【図18】形態XXのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図19】形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図20】形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図21】形態XXVのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図22】形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図23】形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウムのラマンスペクトルである。
【図24】形態XXのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図25】形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図26】形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図27】形態XXVのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図28】形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図29】形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図30】形態XXXのアトロバスタチンカルシウムの固体13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図31】形態XXのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図32】形態XXIIのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図33】形態XXIVのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図34】形態XXVのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図35】形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図36】形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。
【図37】形態XXXのアトロバスタチンカルシウムの固体19F核磁気共鳴スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.1、4.1、5.0、7.6、16.7、18.2、19.2、20.1、20.5および23.1を含む粉末X線回折を有する形態XXIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項2】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:4.0、8.0、10.0、13.5、16.1、16.4、17.0、17.4、19.2、20.0および20.3を含む粉末X線回折を有する形態XXIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項3】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:4.1、5.0、6.3、7.7、8.5、9.1、10.5、16.7、18.4、20.2および21.4を含む粉末X線回折を有する形態XXIIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項4】
CuKα照射を用いて測定した以下の2θ値:2.9、7.4、7.8、8.7、9.5、10.0、12.2、18.0、18.6、19.0、および22.7を含む粉末X線回折を有する形態XXIVのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項5】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.1、5.2、7.4、8.7、10.4、12.7、16.6、18.1、19.2、20.0、20.7、23.2、および24.4を含む粉末X線回折を有する形態XXVのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項6】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.7、8.4、9.0、17.1、17.7、18.7、20.1、22.3、および23.0を含む粉末X線回折を有する形態XXVIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項7】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.9、4.5、7.1、7.5、9.6、10.6、11.8、13.0、15.3、および18.7を含む粉末X線回折を有する形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項8】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.6、9.5、12.2、16.5、17.0、18.0、20.5、21.5、および22.3を含む粉末X線回折を有する形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項9】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:8.0、10.2、11.5、14.5、15.3、18.0、19.6、20.2、22.3、および24.9を含む粉末X線回折を有する形態XXIXのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項10】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.1、9.0、9.7、12.0、16.5、17.0、20.9、21.6、22.5、および24.3を含む粉末X線回折を有する形態XXXのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項11】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:10.0、16.1、および19.2を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−112.0、−114.8、および−118.9を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項12】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.4、8.7、19.2、および20.0を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−113.2、−116.3、および−118.4を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項13】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.9、7.5、および18.7を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−112.2、−113.0、および−117.2を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項14】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:7.6,9.5、20.5、および22.3を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−116.4、−117.1、および−119.2を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXVIIIのアトロバスタチンカルシウム。
【請求項15】
CuK照射を用いて測定した以下の2θ値:3.1、9.0、および21.6を含む粉末X線回折、およびパーツ・パー・ミリオンで表示される以下の化学シフト:−116.7および−118.6を有する固体19F核磁気共鳴を有する、形態XXXのアトロバスタチンカルシウム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公表番号】特表2008−506764(P2008−506764A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522058(P2007−522058)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002181
【国際公開番号】WO2006/011041
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】