説明

pn接合ダイオード及びpn接合ダイオードの製造方法

【課題】GaNナノコラムから成るパワーデバイス用のpn接合ダイオードの提供を目的とする。
【解決手段】パワーデバイス用のpn接合ダイオード1aであって、第1電極4aと、第1電極4aの表面に立設されており第1導電型を示す複数の第1ナノコラム部6aと、複数の第1ナノコラム部6aの各端部に設けられており第2導電型を示す複数の第2ナノコラム部8aと、複数の第2ナノコラム部8a上に設けられており第2導電型を示す半導体部12aと、半導体部12a上に設けられた第2電極14aとを備え、第1ナノコラム部6a及び第2ナノコラム部8aは、GaNから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、pn接合ダイオードとpn接合ダイオードの製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、サファイヤ基板上に設けられたGaNから成るナノコラムについて記載されている。非特許文献1に記載のナノコラムは、RFガンを用いてAl上に成長させたものであり、平均径が40〜45nmとなっている。このナノコラムは、GaN/Al0.18Ga0.82Nから成る多層構造を有している。また、特許文献1には、n型GaNナノロッドと、このn型GaNナノロッド上に設けられたInGaN量子井戸と、このInGaN量子井戸上に設けられたp型GaNナノロッドとを備える発光ダイオードが開示されている。
【非特許文献1】Masaki Yoshizawa et.al, “Self-organization of GaN/Al0.18Ga0.82Nmulti-layer nano-columns on (0001) Al2O3 by RF molecularbeam epitaxy for fabricating GaN quantum disks”, Journal of CrystalGrowth, 1998, 189/190, p138-p141。
【特許文献1】特開2005−228936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
比較的高電圧が印加されるパワーデバイスにはSiが従来より用いられている。しかし、Si半導体をパワーデバイスとして用いると、耐電圧やオン抵抗等の点で限界がある。そこで、Siに替わる素材としてワイドギャップ半導体であるGaNがある。しかし、従来のバルク型のGaN単結晶(以下、バルクGaN単結晶という)は他の半導体結晶に比べ比較的高い転位密度を有する。このバルクGaN単結晶を用いたパワーデバイスは現在研究段階にある。
【0004】
一方、本発明者等は、上述のGaNから成るナノコラムが従来のバルクGaN単結晶に比較して低い転位密度を有している、という知見を得た。そこで、本発明者等は、特許文献1に記載のような発光ダイオードではなくパワーデバイスに好適であり、ナノコラムの特徴を生かせるデバイス構造を検討し、本発明を成すに至った。本発明は、GaNから成るナノコラムを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、パワーデバイス用のpn接合ダイオードであって、1)第1電極と、2)複数のナノコラムを有しており第1電極上に設けられたナノコラム領域と、3)ナノコラム領域上に設けられた第2導電型の半導体部と、4)半導体部上に設けられた第2電極とを備え、ナノコラムの各々は、第1電極から半導体部に向かう方向に延びており、GaN又はAlGaNから成る第1導電型の第1ナノコラム部と、GaN又はAlGaNから成る第2導電型の第2ナノコラム部とを含み、第1ナノコラムと第2ナノコラムとはホモ接合により接続されている、ことを特徴とする。更に、本発明のpn接合ダイオードは、第1電極とナノコラム領域との間に設けられたAlN領域を更に有していてもよい。
【0006】
第1ナノコラム部と第2ナノコラム部とはpn接合を形成し、pn接合は複数のナノコラム毎に設けられる。このため、pn接合が設けられている箇所がpn接合ダイオード内において分散される。従って、このpn接合ダイオードは、熱放射が大きく高温化しにくいため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。よって、このpn接合ダイオードは、例えばパワーデバイスに好適である。このように、本発明のpn接合ダイオードによれば、GaNから成るナノコラムを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供される。また、このようなGaNから成るナノコラムでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減されるので結晶構造が高品質となる。
【0007】
本発明のpn接合ダイオードは、複数のナノコラム間に設けられた絶縁部を更に備えていてもよい。この絶縁部によりpn接合ダイオードの機械的強度や絶縁耐圧が向上される。
【0008】
また、本発明は、パワーデバイス用のpn接合ダイオードであって、1)第1電極と、2)第1電極上に設けられた基板と、3)複数のナノコラムを有しており基板上に設けられたナノコラム領域と、4)ナノコラム領域上に設けられた第2導電型の半導体部と、5)半導体部上に設けられた第2電極とを備え、ナノコラムの各々は、基板から半導体部に向かう方向に延びており、GaN又はAlGaNから成る第1導電型の第1ナノコラム部と、GaN又はAlGaNから成る第2導電型の第2ナノコラム部とを含み、第1ナノコラムと第2ナノコラムとはホモ接合により接続されている、ことを特徴とする。更に、本発明のpn接合ダイオードは、基板とナノコラムとの間に設けられたAlN領域を更に有していてもよく、基板は、GaAs又はSiから成るのが好ましい。
【0009】
第1ナノコラム部と第2ナノコラム部とはpn接合を形成し、pn接合は複数のナノコラム毎に設けられる。このため、pn接合が設けられている箇所がpn接合ダイオード内において分散される。従って、このpn接合ダイオードは、熱放射が大きく高温化しにくいため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。よって、このpn接合ダイオードは、例えばパワーデバイスに好適である。このように、本発明のpn接合ダイオードによれば、GaNから成るナノコラムを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供される。また、このようなGaNから成るナノコラムでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減されるので結晶構造が高品質となる。また、基板は、GaAs又はSiから成るためダイシングが容易となる。
【0010】
本発明のpn接合ダイオードは、前記ナノコラムの転位密度が、10cm−2より低いのが好ましい。このように、ナノコラムの結晶品質は向上される。
【0011】
本発明は、パワーデバイス用のpn接合ダイオードの製造方法であって、1)第1導電型を示しておりGaNから成る複数の第1ナノコラム部を、GaAs又はSiから成る第1導電型の基板上に形成する第1ナノコラム部形成工程と、2)第2導電型を示しておりGaNから成る複数の第2ナノコラム部を、複数の第1ナノコラム部の端部に形成する第2ナノコラム部形成工程と、3)第2ナノコラムの形成の後、第1ナノコラム部形成工程及び第2ナノコラム部形成工程の各工程におけるGaの供給量よりも多くのGaを供給することにより、第2ナノコラム部の端部同士が結合された第2導電型を示す半導体部を形成する半導体部形成工程とを有する、ことを特徴とする。更に、本発明のpn接合ダイオードの製造方法は、1)半導体部を形成した後に、該半導体部上に第2電極を形成する第1の電極形成工程と、2)第2電極を形成した後に、基板を除去する基板除去工程と、3)基板を除去した後に、第1ナノコラム部の端部に第1電極を形成する第2の電極形成工程とを更に有していてもよい。
【0012】
また、本発明は、パワーデバイス用のpn接合ダイオードの製造方法であって、1)第1導電型を示しておりGaNから成る複数の第1ナノコラム部を、GaAs又はSiから成る第1導電型の基板上に形成する第1ナノコラム部形成工程と、2)第2導電型を示しておりGaNから成る複数の第2ナノコラム部を、複数の第1ナノコラム部の端部に形成する第2ナノコラム部形成工程と、3)第2ナノコラムの形成の後、第1ナノコラム部形成工程及び第2ナノコラム部形成工程の各工程におけるGaの供給量よりも多くのGaを供給することにより、第2ナノコラム部の端部同士が結合された第2導電型を示す半導体部を形成する半導体部形成工程とを有する、ことを特徴とする。本発明のpn接合ダイオードの製造方法は、1)半導体部を形成した後に、該半導体部上に第2電極を形成する第1の電極形成工程と、2)第2電極を形成した後に、基板上に第1電極を形成する第2の電極形成工程と、を更に有していてもよい。
【0013】
第1ナノコラム部と第2ナノコラム部とはpn接合を形成し、pn接合は複数のナノコラム毎に設けられる。このため、pn接合が設けられている箇所がpn接合ダイオード内において分散される。従って、製造されるpn接合ダイオードは、熱放射が大きく高温化しにくくなるため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。よって、このpn接合ダイオードは、例えばパワーデバイスに好適である。このように、本発明のpn接合ダイオードの製造方法によれば、GaNから成るナノコラムを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが製造される。また、このようなGaNから成るナノコラムでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減されるので結晶構造が高品質となる。従って、本発明のpn接合ダイオードの製造方法は、従来のバルクGaN単結晶から成るpn接合ダイオードと比較して高品質なpn接合ダイオードが製造される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、GaNから成るナノコラムを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの構成を示す断面図である。pn接合ダイオード1aは、第1電極4a、ナノコラム領域5a、AlN領域7a、半導体部12a及び第2電極14aを備えるパワーデバイスである。ナノコラム領域5aは、AlN領域7aを介して第1電極4a上に設けられており、また、複数のナノコラム10a(nano-colmns)を有する。半導体部12aは、ナノコラム領域5a上に設けられており、第2電極14aは半導体部12a上に設けられている。
【0017】
ナノコラム10aの各々は、第1電極4aから半導体部12aに向かう方向に延びており、また、第1ナノコラム部6aと第2ナノコラム部8aとを有する。ナノコラム10aの各々は、互いに離隔して設けられている。ナノコラム10aの転位密度は10cm−2より低い。第1ナノコラム部6aは、AlN領域7aを介して第1電極4a上に設けられており第1導電型(p型又はn型の一方)を示すGaNから成る。第1ナノコラム部6aは、第1電極4aと接続されている。ナノコラム領域5aと第1電極4aとの間、より詳細には、第1ナノコラム部6aと第1電極4aとの間にはAlNから成るAlN領域7aが設けられており、第1ナノコラム部6aは、このAlN領域7aを介して、第1電極4aと接続されている。第2ナノコラム部8aは、複数の第1ナノコラムの各端部に設けられており第2導電型(p型又はn型の他方)を示すGaNから成る。第1ナノコラム部6aと第2ナノコラム部8aとはホモ接合により接続されている。第1ナノコラム部6aと第2ナノコラム部8aとはpn接合を形成する。半導体部12aは、複数の第2ナノコラム部8aの各端部に設けられており第2導電型を示すGaNから成る。半導体部12aは、1μm以上の厚みを有している。現在、2μm程度の厚みの半導体部12aが供給される。半導体部12aは、第2ナノコラム部8aと接続されている。第2電極14aは、上記半導体部12a上に設けられた電極であり、半導体部12aと接続されている。n型不純物としては、例えば、Siが好ましく、p型不純物としてはMg又はBeが好ましい。n型不純物の濃度は、例えば、1017cm−3以下である。現在、1014cm−3程度のn型不純物の濃度が供給される。また、p型不純物の濃度は、1018cm−3以上である。
【0018】
第1電極4aは、第1導電型がn型であり、第2導電型がp型の場合には、Ti/Au/Ti/Au(各厚みは20/100/20/300nm程度)により構成されている。第1電極4aは、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型の場合には、Ni/Au(各厚みは50/100nm程度)により構成されている。第2電極14aは、半導体部12a上に設けられており、半導体部12aと接続されている。第2電極14aは、第1導電型がn型であり、第2導電型がp型の場合には、Ni/Au(各厚みは50/100nm程度)により構成されている。第2電極14aは、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型の場合には、Ti/Au/Ti/Au(各厚みは20/100/20/300nm程度)により構成されている。
【0019】
なお、第1導電型がn型で、第2導電型がp型の場合、n型を示す第1ナノコラム部6aの長さL1aは、1μm以上である。現在、n型を示す第1ナノコラム部6aにおいては、3μm程度の長さL1aが実現される。また、p型を示す第2ナノコラム部8aの長さL2aは、0.1μm以上である。現在、p型を示す第2ナノコラム部8aにおいては、0.5μm程度の長さL2aが実現される。第1ナノコラム部6aの長さL1aは、第2ナノコラム部8aの長さL2aよりも厚い(図1には、第1導電型がn型で第2導電型がp型の場合が示されている)。一方、第1導電型がp型で、第2導電型がn型の場合、p型を示す第1ナノコラム部6aの長さL1aは、1μm以上である。現在、p型を示す第1ナノコラム部6aにおいては、3μm程度の長さL1aが実現される。n型を示す第2ナノコラム部8aの長さL2aは、0.1μm以上である。現在、n型を示す第2ナノコラム部8aにおいては、0.5μm程度の長さL2aが実現される。第1ナノコラム部6aの長さL1aは、第2ナノコラム部8aの長さL2aよりも薄い。
【0020】
以上説明した第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aでは、第1ナノコラム部6aと第2ナノコラム部8aとがpn接合を形成する。従って、GaNから成るナノコラム10aを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供される。また、このようなGaNから成るナノコラム10aでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1aの結晶構造は高品質である。また、pn接合ダイオード1aが有するpn接合はナノコラム10a毎に設けられている。このように、pn接合が設けられている箇所はpn接合ダイオード1a内において分散している。従って、熱放射が大きく高温化しにくいため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。このため、pn接合ダイオード1aは例えばパワーデバイスに好適である。また、合金(Ti/Au/Ti/AuやNi/Au)の第1電極4aは、熱伝導性に優れているため、高い放熱性を有する。また、第1ナノコラム部6aがn型を示す場合、この第1ナノコラム部6aは、合金(Ti/Au/Ti/Au)の第1電極4aに対する接触抵抗が低いため、電流による発熱が低減される。また、上記基板2aは、GaAs又はSiから成るためダイシングが容易となる。
【0021】
次に、図2を参照して、第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの製造方法について説明する。以下で説明するpn接合ダイオード1aの製造方法は、図2(a)に示す基板準備工程A1、図2(b)に示す形成工程A2、図2(c)に示す第1の電極形成工程A3、図2(d)に示す基板除去工程A4及び図2(e)に示す第2の電極形成工程A5を含む。はじめに、図2(a)を参照して、基板準備工程A1について説明する。図2(a)に示すように、以下に示す基板21aを用意する。基板21aは、面方位(111)を有しており第1導電型を示す低抵抗の7.6×10−2m(3インチ)径以上のSi基板である。現在、3.0×10−1m(12インチ)径のSi基板が供給されている。このような大口径の基板を用いてpn接合ダイオード1aが製造できるため、一枚の基板から得られるpn接合ダイオード1aの数が増加する。よって、製造コストや製造時間が削減できる。この基板21aをRCA洗浄した後、この洗浄後の基板21aをMBE装置に設置する。このMBE装置により、基板21aを、真空中において摂氏850度〜摂氏950度の範囲内の温度で10分〜40分間加熱する。これにより、基板21aに形成された自然酸化膜が除去される。なお、基板21aは、GaAs基板でもよい。このGaAs基板は、面方位(111)を有しており第1導電型を示す7.6×10−2m(3インチ)径以上の基板である。現在、1.5×10−1m(6インチ)径のGaAs基板が供給されている(以上、基板準備工程A1)。
【0022】
次に、図2(b)を参照して、形成工程A2について説明する。以下で説明する工程には、RFガンと、Kセルが取り付けられたMBE(Molecular Beam Epitaxy)とが用いられる。材料には、Ga(7N)及びAl(7N)と、RFガン用のN(6N)及びドーパント用のSiセル、Mgセル及びKセルが用いられる。形成工程A2は、ナノコラム形成工程と半導体部形成工程とを含む。まず、ナノコラム形成工程について説明する。Alを摂氏500度で基板21aの表面に蒸着し、1−3モノレイヤーを形成する。その後、活性窒素(N)をRFガンから供給する。これにより、基板21a表面にAlNから成るAlN領域71aを形成する。その後、摂氏750度〜摂氏850度の温度範囲で、AlN領域71aを設けた基板21a表面にGaと活性窒素とを供給し、ナノコラム10aの形成を行う。この時、活性窒素の供給量をGaの供給量より多くすることにより、Gaの核生成やGaNのマイグレーションが抑制される。これにより、AlN領域71a上に(0001)成長方位でナノコラムが成長し、ナノコラム10aが形成される。
【0023】
ナノコラム10aのうち、第1ナノコラム部6a及び第2ナノコラム部8aの形成について説明する。まず、n型を示す第1ナノコラム部6aを形成した後に、p型を示す第2ナノコラム部8aを形成する場合(第1導電型がn型であり第2導電型がp型の場合)について説明する。なお、n型不純物としては、例えば、Siが好ましく、p型不純物としてはMg又はBeが好ましい。n型不純物の濃度は、例えば、1017cm−3以下である。現在、1014cm−3程度のn型不純物の濃度が供給される。また、p型不純物の濃度は、1018cm−3以上である。
【0024】
(第1ナノコラム部形成工程)n型を示す第1ナノコラム部6aをAlN領域71a上において1μm以上に成長させる。現在、n型を示す第1ナノコラム部6aを3μm程度に成長させることも可能である。この成長は、n型不純物を添加しながら行われる。これにより、n型を示す複数の第1ナノコラム部6aが形成される(以上、第1ナノコラム部形成工程)。なお、第1ナノコラム部の形成条件は以下の通りである。
成長温度:摂氏800度
の流量:6sccm
RF入力:400W
圧力:2.7×10−3Pa(2×10−5Torr)
Gaセルの温度:摂氏1100度
Mgセルの温度:摂氏600度(シャッターは閉)
Siセルの温度:摂氏1000度(シャッターは開)
この場合、n型を示す第1ナノコラム部6aの厚みとキャリア濃度とを好適に設定することにより、パンチスルーの生じない好適なブレークダウンが実現可能となる。n型を示す第1ナノコラム部6aは、無転位の高品位ドリフト層となる。
【0025】
(第2ナノコラム部形成工程)上述のように形成したn型を示す複数の第1ナノコラム部6aの各端部に対し、p型を示す複数の第2ナノコラム部8aの各々を0.1μm以上に成長させる。現在、p型を示す第2ナノコラム部8aを0.5μm程度に成長させることも可能である。この成長は、p型不純物を添加しながら行われる。これにより、n型を示す複数の第1ナノコラム部6aの各端部にp型を示す複数の第2ナノコラム部8aが形成される(以上、第2ナノコラム部形成工程)。なお、第2ナノコラム部の形成条件は以下の通りである。
成長温度:摂氏800度
の流量:6sccm
RF入力:400W
圧力:2.7×10−3Pa(2×10−5Torr)
Gaセルの温度:摂氏1100度
Mgセルの温度:摂氏600度(シャッターは開)
Siセルの温度:摂氏1000度(シャッターは閉)
【0026】
次に、p型を示す第1ナノコラム部6aを形成し、n型を示す第2ナノコラム部8aを形成する場合(第1導電型がp型であり第2導電型がn型の場合)について説明する。なお、n型不純物としては、例えば、Siが好ましく、p型不純物としてはMg又はBeが好ましい。n型不純物の濃度は、例えば、1017cm−3以下である。現在、1014cm−3程度のn型不純物の濃度が供給される。また、p型不純物の濃度は、1018cm−3以上である。
【0027】
(第1ナノコラム部形成工程)p型を示す第1ナノコラム部6aをAlN領域71a上において1μm以上に成長させる。現在、p型を示す第1ナノコラム部6aを3μm程度に成長させることも可能である。この成長は、p型不純物を添加しながら行われる。これにより、p型を示す複数の第1ナノコラム部6aが形成される(以上、第1ナノコラム部形成工程)。
【0028】
(第2ナノコラム部形成工程)上述のように形成したp型を示す複数の第1ナノコラム部6aの各端部に対し、n型を示す複数の第2ナノコラム部8aの各々を0.1μm以上に成長させる。現在、n型を示す第2ナノコラム部8aを0.5μm程度に成長させることも可能である。この成長は、n型不純物を添加しながら行われる。これにより、p型を示す複数の第1ナノコラム部6aの各端部にn型を示す複数の第2ナノコラム部8aが形成される(以上、第2ナノコラム部形成工程)。この場合、n型を示す第1ナノコラム部6aの厚みとキャリア濃度とを好適に設定することにより、パンチスルーの生じない好適なブレークダウンが実現可能となる。n型を示す第2ナノコラム部8aは、無転位の高品位ドリフト層となる。
【0029】
次に、半導体部形成工程について説明する。上述のナノコラム形成工程におけるナノコラム10aの形成の後、第1ナノコラム部形成工程及び第2ナノコラム部形成工程の各工程におけるGaの供給量よりも多くのGaを供給することによって(別の表現を用いれば、Gaの供給量と活性窒素の供給量との比(Ga供給量)/(活性窒素供給量)の値を、ナノコラム10aの形成時に比較して大きくすることによって)、Gaの核生成やGaのマイグレーションを増加する。これにより、隣接するナノコラム10aの端部(第2ナノコラム部8aの端部)同士が結合される。その後、第2ナノコラム部8a(第2ナノコラム部8aの端部)からの半導体部12aの厚みが10μm以上に至るまで上述と同様の供給量でGa及び活性窒素の供給を継続する。現在、1000μm程度の厚みを有する半導体部12aの形成も可能である。この半導体部形成工程は、第2導電型の不純物を、第2ナノコラム部8aと同程度の濃度で供給しながら行われる。これにより、第2ナノコラム部8a上(第2ナノコラム部8aの端部)に半導体部121aが形成される(以上、半導体部形成工程)。以上で、形成工程A2が終了する。
【0030】
次に、図2(c)を参照して、第1の電極形成工程A3について説明する。この第1の電極形成工程A3では、半導体部121a上に第2電極14aを形成する。半導体部121aがp型の導電性を示す場合(第1導電型がn型であり第2導電型がp型の場合)、半導体部121aの表面にNi/Au(各厚みは50/100nm程度)を蒸着した後、リフトオフ法を用いて10mm角程度のp型電極としての第2電極14aを得る。また、半導体部121aがn型の導電性を示す場合(第1導電型がp型であり第2導電型がn型の場合)、半導体部121aの表面にTi/Au/Ti/Au(各厚みは20/100/20/300nm程度)を蒸着した後、リフトオフ法を用いて10mm角程度のn型電極としての第2電極14aを得る。なお、半導体部121aの表面にガードリングを設けることも可能である。このガードリングは金属マスクを用いたイオン注入等により形成可能である(以上、第1の電極形成工程)。
【0031】
次に、図2(d)を参照して、基板除去工程A4について説明する。この基板除去工程A4では、強酸性又は強アルカリ性を示す溶液を用いて基板21aをナノコラム10aから分離する。この溶液は、Siに対しては、HF+HNO(更に、CHCOOHを加えた溶液)等が用いられ、GaAsに対しては、HSO+H+HO、又は王水等が用いられる。これにより、駆動電圧の上昇が抑制される。また、半導体部121aの反りも解消される(以上、基板除去工程)。
【0032】
次に、図2(e)を参照して、第2の電極形成工程A5について説明する。この第2の電極形成工程A5では、基板21aを分離した後、この分離した基板21aに替えて、第1ナノコラム部6a上(第1ナノコラム部6aの端部)に第1電極41aを形成する。第1ナノコラム部6aがn型の導電性を示す場合(第1導電型がn型であり第2導電型がp型の場合)、第1ナノコラム部6aの端部に対しTi/Au/Ti/Au(各厚みは20/100/20/300nm程度)を蒸着することによりn型電極としての第1電極41aを得る。第1ナノコラム部6aがp型の導電性を示す場合(第1導電型がp型であり第2導電型がn型の場合)、第1ナノコラム部6aの端部に対しNi/Au(各厚みは50/100nm程度)を蒸着することによりp型電極としての第1電極41aを得る。次に、図2(e)の図中符号D1に示す線に沿ってダイシングを行う。これにより、pn接合ダイオード1aが得られる(以上、第2の電極形成工程)。なお、半導体部121aはGaNから成るため、サファイア基板等と比較してダイシングが容易である。
【0033】
上記のように第1ナノコラム部6aと第2ナノコラム部8aとはpn接合を形成する。従って、第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの製造方法によれば、GaNから成るナノコラム10aを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが製造される。また、このようなGaNから成るナノコラム10aでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1aの結晶構造は高品質である。
【0034】
<第2実施形態>
図3(a)は、第2実施形態に係るpn接合ダイオード1bの構成を示す断面図である。pn接合ダイオード1bは、基板2b、第1電極4b、ナノコラム領域5b、第1ナノコラム部6b、AlN領域7b、第2ナノコラム部8b、ナノコラム10b、半導体部12b及び第2電極14bを備えるパワーデバイスである。ナノコラム領域5b、第1ナノコラム部6b、AlN領域7b、第2ナノコラム部8b、ナノコラム10b、半導体部12b、第2電極14b、長さL1b及び長さL2bの各々は、上述の第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aのナノコラム領域5a、第1ナノコラム部6a、AlN領域7a、第2ナノコラム部8a、ナノコラム10a、半導体部12a、第2電極14a、長さL1a及び長さL2aの各々と同様である。以下では、pn接合ダイオード1bの各構成要素のうち、pn接合ダイオード1aと同様の構成要素についての詳細な説明を省略し、pn接合ダイオード1aと異なる構成要素である基板2b及び第1電極4bについて詳細に説明する。
【0035】
第1電極4bは、Al等の導電性の金属から成る。基板2bは、面方位(111)を有しており第1導電型を示す低抵抗の基板である。基板2bは、第1電極4b上に設けられており、第1電極4bは、基板2bと接続されている。基板2b上には複数の第1ナノコラム部6bが立設されており、基板2bは第1ナノコラム部6bと接続されている。より詳細には、基板2bは、AlN領域7bと接続されている。なお、基板2bがSiの場合、第1電極4bは、Al−Si合金である。また、基板2bは、GaAs基板でもよい。このGaAs基板は、面方位(111)を有しており第1導電型を示す7.6×10−2m(3インチ)径以上の基板である。現在、1.5×10−1m(6インチ)径のGaAs基板が供給されている。
【0036】
以上説明した第3実施形態に係るpn接合ダイオード1bでは、第1ナノコラム部6bと第2ナノコラム部8bとがpn接合を形成する。従って、GaNから成るナノコラム10bを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供される。また、このようなGaNから成るナノコラム10bでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1bの結晶構造は高品質である。また、pn接合ダイオード1bが有するpn接合はナノコラム10b毎に設けられている。このように、pn接合が設けられている箇所はpn接合ダイオード1b内において分散している。従って、熱放射が大きく高温化しにくいため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。このため、pn接合ダイオード1bは例えばパワーデバイスに好適である。また、Siから成る基板2bや、合金の第1電極4bは、熱伝導性に優れているため、高い放熱性を有する。
【0037】
次に、図4を参照して、第2実施形態に係るpn接合ダイオード1bの製造方法について説明する。以下で説明するpn接合ダイオード1bの製造方法は、図4(a)に示す基板準備工程B1、図4(b)に示す形成工程B2、図4(c)に示す第1の電極形成工程B3及び図4(d)に示す第2の電極形成工程B4を含む。基板準備工程B1、形成工程B2及び第1の電極形成工程B3は、それぞれ、上述の第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの製造方法のうち、基板準備工程A1、形成工程A2及び第1の電極形成工程A3の各々と同様に行われる。この場合、上記したpn接合ダイオード1aの製造方法において、基板21a、第1ナノコラム部6a、AlN領域71a、第2ナノコラム部8a、ナノコラム10a、半導体部121a及び第2電極14aに替えて、それぞれ、基板21b、第1ナノコラム部6b、AlN領域71b、第2ナノコラム部8b、ナノコラム10b、半導体部121b及び第2電極14bを用いる。上記において、pn接合ダイオード1aと同様の工程について説明した。引き続いて、pn接合ダイオード1aの製造方法と異なる図4(d)に示す第2の電極形成工程B4を詳細に説明する。なお、第2実施形態に係るpn接合ダイオード1bの製造方法には、第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの製造方法の基板除去工程を含まない。
【0038】
図4(d)を参照して第2の電極形成工程B4について説明する。第1の電極形成工程B3の後(基板2bは除去されない)、基板21b表面にAlを蒸着して第1電極41bを形成する。特に、基板21bがSi基板の場合、まず、基板21b表面の酸化膜をバッファードフッ酸を用いて除去した後、スパッタ法を用いてその表面にAl−Si(Siは1重量パーセント程度含有)を形成する。この場合、摂氏450度程度で約30分間アニールすることによりオーミック電極を得る。これにより、第1電極41bが形成される。次に、図4(d)の図中符号D2に示す線に沿ってダイシングを行う。これにより、pn接合ダイオード1bが得られる。
【0039】
上記のように第1ナノコラム部6bと第2ナノコラム部8bとはpn接合を形成する。従って、第2実施形態に係るpn接合ダイオード1bの製造方法によれば、GaNから成るナノコラム10bを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが製造される。また、このようなGaNから成るナノコラム10bでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1bの結晶構造は高品質である。
【0040】
<第3実施形態>
図3(b)は、第3実施形態に係るpn接合ダイオード1cの構成を示す断面図である。pn接合ダイオード1cは、第1電極4c、ナノコラム領域5c、第1ナノコラム部6c、AlN領域7c、第2ナノコラム部8c、ナノコラム10c、半導体部12c、第2電極14c及び絶縁部16cを備えるパワーデバイスである。第1電極4c、ナノコラム領域5c、第1ナノコラム部6c、AlN領域7c、第2ナノコラム部8c、ナノコラム10c、半導体部12c、第2電極14c、長さL1c及び長さL2cの各々は、上述の第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの第1電極4a、ナノコラム領域5a、第1ナノコラム部6a、AlN領域7a、第2ナノコラム部8a、ナノコラム10a、半導体部12a、第2電極14a、長さL1a及び長さL2aの各々と同様である。以下では、pn接合ダイオード1aと同様の構成要素についての詳細な説明を省略し、pn接合ダイオード1aと異なる構成要素である絶縁部16cについて詳細に説明する。pn接合ダイオード1aと異なる構成要素である絶縁部16cは、複数のナノコラム10cの間に設けられている。絶縁部16cは、SOG(Spin On Glass)等の無機系の素材から成る。
【0041】
以上説明した第3実施形態に係るpn接合ダイオード1cでは、第1ナノコラム部6cと第2ナノコラム部8cとがpn接合を形成する。従って、GaNから成るナノコラム10cを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが提供される。また、このようなGaNから成るナノコラム10cでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1cの結晶構造は高品質である。また、pn接合ダイオード1cが有するpn接合はナノコラム10a毎に設けられている。このように、pn接合が設けられている箇所はpn接合ダイオード1c内において分散している。従って、熱放射が大きく高温化しにくいため、大きな電流値に対しても良好な特性が維持される。このため、pn接合ダイオード1cは例えばパワーデバイスに好適である。また、合金(Ti/Au/Ti/AuやNi/Au)の第1電極4cは、熱伝導性に優れているため、高い放熱性を有する。また、第1ナノコラム部6cがn型を示す場合、この第1ナノコラム部6cは、合金(Ti/Au/Ti/Au)の第1電極4cに対する接触抵抗が低いため、電流による発熱が低減される。また、絶縁部16cにより、pn接合ダイオード1cの機械的強度や耐電圧が向上される。-
【0042】
次に、図5を参照して、第3実施形態に係るpn接合ダイオード1cの製造方法について説明する。以下で説明するpn接合ダイオード1cの製造方法は、図5(a)に示す基板準備工程C1、図5(b)に示す形成工程C2、図5(c)に示す第1の電極形成工程C3、図5(d)に示す基板除去工程C4、図5(e)に示す絶縁部形成工程C5及び図5(f)に示す第2の電極形成工程C6を含む。基板準備工程C1、形成工程C2、第1の電極形成工程C3、基板除去工程C4及び第2の電極形成工程C6は、それぞれ、上述の第1実施形態に係るpn接合ダイオード1aの製造方法のうち、基板準備工程A1、形成工程A2、第1の電極形成工程A3、基板除去工程A4及び第2の電極形成工程A5の各々と同様に行われる。この場合、上記したpn接合ダイオード1aの製造方法の説明において、基板21a、第1電極41a、第1ナノコラム部6a、AlN領域71a、第2ナノコラム部8a、ナノコラム10a、半導体部121a及び第2電極14aに替えて、それぞれ、基板21c、第1電極41c、第1ナノコラム部6c、AlN領域71c、第2ナノコラム部8c、ナノコラム10c、半導体部121c及び第2電極14cを用いる。上記において、pn接合ダイオード1aと同様の工程について説明した。引き続いて、pn接合ダイオード1aの製造方法と異なる図5(e)に示す絶縁部形成工程C5を詳細に説明する。
【0043】
図5(e)を参照して絶縁部形成工程C5について説明する。絶縁部形成工程C5は、基板除去工程C4の後であって第2の電極形成工程C6の前に行われる。絶縁部形成工程C5では、複数のナノコラム10c(第1ナノコラム部6c及び第2ナノコラム部8c)の間に、SOG等の無機系の素材から成る絶縁部16cが形成される。換言すると、複数のナノコラム10c同士の間に形成されるスペースに絶縁部16cが形成される。この絶縁部形成工程C5の後、第2の電極形成工程C6が行われる。
【0044】
上記のように第1ナノコラム部6cと第2ナノコラム部8cとはpn接合を形成する。従って、第3実施形態に係るpn接合ダイオード1cの製造方法によれば、GaNから成るナノコラム10cを有するパワーデバイス用のpn接合ダイオードが製造される。また、このようなGaNから成るナノコラム10cでは、ナノコラムを有さない従来のバルクGaN単結晶よりも転位密度が低減される。このため、pn接合ダイオード1cの結晶構造は高品質である。また、第1電極41cの形成前に絶縁部16cをナノコラム10cの間に設けるため、第1電極41cの形成時に第1電極41cを構成する金属材料がナノコラム10cの間に入り込むのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施形態に係るpn接合ダイオードの断面図である。
【図2】第1実施形態に係るpn接合ダイオードの製造方法を説明するための図である。
【図3】第2及び第3実施形態に係るpn接合ダイオードの断面図である。
【図4】第2実施形態に係るpn接合ダイオードの製造方法を説明するための図である。
【図5】第3実施形態に係るpn接合ダイオードの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0046】
1a,1b,1c…pn接合ダイオード、2a,2b,2c…基板、4a,4b,4c…第1電極、5a,5b,5c…ナノコラム領域、6a,6b,6c…第1ナノコラム部、7a,7b,7c…AlN領域、8a,8b,8c…第2ナノコラム部、10a,10b,10c…ナノコラム、12a,12b,12c…半導体部、14a,14b,14c…第2電極、16c…絶縁部。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーデバイス用のpn接合ダイオードであって、
第1電極と、
複数のナノコラムを有しており前記第1電極上に設けられたナノコラム領域と、
前記ナノコラム領域上に設けられた第2導電型の半導体部と、
前記半導体部上に設けられた第2電極と
を備え、
前記ナノコラムの各々は、前記第1電極から前記半導体部に向かう方向に延びており、GaN又はAlGaNから成る第1導電型の第1ナノコラム部と、GaN又はAlGaNから成る第2導電型の第2ナノコラム部とを含み、
前記第1ナノコラムと前記第2ナノコラムとはホモ接合により接続されている、ことを特徴とするpn接合ダイオード。
【請求項2】
前記第1電極と前記ナノコラム領域との間に設けられたAlN領域を更に有する、ことを特徴とする請求項1に記載のpn接合ダイオード。
【請求項3】
前記複数のナノコラム間に設けられた絶縁部を更に備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のpn接合ダイオード。
【請求項4】
パワーデバイス用のpn接合ダイオードであって、
第1電極と、
前記第1電極上に設けられた基板と、
複数のナノコラムを有しており前記基板上に設けられたナノコラム領域と、
前記ナノコラム領域上に設けられた第2導電型の半導体部と、
前記半導体部上に設けられた第2電極と
を備え、
前記ナノコラムの各々は、前記基板から前記半導体部に向かう方向に延びており、GaN又はAlGaNから成る第1導電型の第1ナノコラム部と、GaN又はAlGaNから成る第2導電型の第2ナノコラム部とを含み、
前記第1ナノコラムと前記第2ナノコラムとはホモ接合により接続されている、ことを特徴とするpn接合ダイオード。
【請求項5】
前記基板はGaAs又はSiから成る、ことを特徴とする請求項4に記載のpn接合ダイオード。
【請求項6】
前記基板と前記ナノコラム領域との間に設けられたAlN領域を更に有する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のpn接合ダイオード。
【請求項7】
前記ナノコラムの転位密度は、10cm−2より低い、ことを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載のpn接合ダイオード。
【請求項8】
パワーデバイス用のpn接合ダイオードの製造方法であって、
第1導電型を示しておりGaNから成る複数の第1ナノコラム部を、GaAs又はSiから成る第1導電型の基板上に形成する第1ナノコラム部形成工程と、
第2導電型を示しておりGaNから成る複数の第2ナノコラム部を、前記複数の第1ナノコラム部の端部に形成する第2ナノコラム部形成工程と、
前記第2ナノコラムの形成の後、前記第1ナノコラム部形成工程及び前記第2ナノコラム部形成工程の各工程におけるGaの供給量よりも多くのGaを供給することにより、前記第2ナノコラム部の端部同士が結合された第2導電型を示す半導体部を形成する半導体部形成工程と
を有する、ことを特徴とするpn接合ダイオードの製造方法。
【請求項9】
前記半導体部を形成した後に、該半導体部上に第2電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第2電極を形成した後に、前記基板を除去する基板除去工程と、
前記基板を除去した後に、前記第1ナノコラム部の端部に第1電極を形成する第2の電極形成工程と
を更に有する、ことを特徴とする請求項8に記載のpn接合ダイオードの製造方法。
【請求項10】
パワーデバイス用のpn接合ダイオードの製造方法であって、
第1導電型を示しておりGaNから成る複数の第1ナノコラム部を、GaAs又はSiから成る第1導電型の基板上に形成する第1ナノコラム部形成工程と、
第2導電型を示しておりGaNから成る複数の第2ナノコラム部を、前記複数の第1ナノコラム部の端部に形成する第2ナノコラム部形成工程と、
前記第2ナノコラムの形成の後、前記第1ナノコラム部形成工程及び前記第2ナノコラム部形成工程の各工程におけるGaの供給量よりも多くのGaを供給することにより、前記第2ナノコラム部の端部同士が結合された第2導電型を示す半導体部を形成する半導体部形成工程と
を有する、ことを特徴とするpn接合ダイオードの製造方法。
【請求項11】
前記半導体部を形成した後に、該半導体部上に第2電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第2電極を形成した後に、前記基板上に第1電極を形成する第2の電極形成工程と、
を更に有する、ことを特徴とする請求項10に記載のpn接合ダイオードの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−281284(P2007−281284A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107452(P2006−107452)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】