説明

作業機械の暖房装置

【課題】厳寒地においてエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱を用いて加熱する際、エンジンの排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する能力が外気の影響により低下することを防止できる作業機械の暖房装置を提供すること。
【解決手段】吹出口41と、送風機42と、この送風機42から吹出口41に向かって流れる空気を加熱するヒータコア44と、エンジン冷却装置20からヒータコア44にエンジン冷却水を導く暖房用配管45と、この暖房用配管45を流れるエンジン冷却水をエンジン10の排気ガスの熱で加熱する加熱手段50とを備え、加熱手段50は、エンジン10の排気マニホールドから作業機械の外部に向かって延びた排気管11内(消音器12のケース12a内)に位置して暖房用配管45の一部を成す受熱管51を備え、この受熱管51は排気管11内の排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラック、油圧ショベルなどの作業機械に備えられる暖房装置であって、その作業機械に搭載されたエンジンの排気ガスの熱でエンジン冷却水を加熱し、加熱後の冷却水を暖房の熱源とする作業機械の暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の自動車用暖房装置は、エンジンの排気ガスの熱を吸収する第1熱交換器と、この第1熱交換器から熱を伝達される流体が収容された熱サイフォンと、この熱サイフォン内の流体の熱をエンジン冷却水に伝達して温水を生成する第2熱交換器と、この第2熱交換器により生成された温水をヒータコアに導く管路とを備える。ヒータユニットはファンの下流に位置し、ファンから送られてくる空気に温水の熱を伝達する。ヒータコアから熱を伝達された空気は車室内に導かれ、この結果、車室内が暖房される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56−82619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ダンプトラック、油圧ショベル等の作業機械は厳寒地で使用される場合がある。この場合、その作業機械には、オペレータが作業機械に乗った直後から、すなわちエンジンの始動直後から、運転室内の暖房を開始できることが必要である。
【0005】
前述のように特許文献1に開示の自動車用暖房装置は、エンジンの排気ガスの熱を暖房に利用している。エンジンの排気ガスはエンジンの始動直後から得られるものであるから、この自動車用暖房装置は、一見、厳寒地で使用される作業機械にも好適なものでありそうであるが、この自動車用暖房装置において排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する機器、すなわち第1熱交換器、第2熱交換器および熱サイフォンは厳寒地の外気により冷却されてしまうことが考えられ、この場合、エンジンの始動直後は暖房に十分な熱をエンジン冷却水に伝達できないおそれがある。
【0006】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、厳寒地においてエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱を用いて加熱する際、エンジンの排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する能力が外気の影響により低下することを防止できる作業機械の暖房装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明に係る作業機械の暖房装置は次のように構成されている。
【0008】
〔1〕 本発明に係る作業機械の暖房装置は、空気の吹出口と、この吹出口から吹出される空気の流れを生起させる送風機と、この送風機から前記吹出口に向かって流れる空気を加熱するヒータコアと、エンジン冷却装置から前記ヒータコアにエンジン冷却水を導く暖房用配管と、この暖房用配管を流れるエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱で加熱する加熱手段とを備え、前記ヒータコアは前記加熱手段により加熱されたエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する作業機械の暖房装置において、前記加熱手段は、エンジンの排気マニホールドから作業機械の外部に向かって延びた排気管内に位置して前記暖房用配管の一部を成す受熱管を備え、この受熱管は前記排気管内の排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達することを特徴とする。
【0009】
この「〔1〕」に記載の作業機械の暖房装置において、加熱手段は、エンジンの排気マニホールドから延びた排気管内に位置して配管の一部を成す受熱管を備え、この受熱管において排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する。つまり、従来の技術においては、熱を伝達するための機器(第1熱交換器、第2熱交換器および熱サイフォン)を用いて、排気ガスの熱を間接的にエンジン冷却水に伝達していたが、本発明に係る作業機械の暖房装置においては、排気管内に受熱管が位置することによって排気ガスの熱を直接的にエンジン冷却水に伝達することができる。これにより、厳寒地においてエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱を用いて加熱する際、エンジンの排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する能力が外気の影響により低下することを防止できる。
【0010】
〔2〕 本発明に係る作業機械の暖房装置は、「〔1〕」に記載の作業機械の暖房装置において、前記排気管の外部に位置する前記配管の部分と前記受熱管とを、その受熱管の延びた方向において複数個所で接続する複数の接続管と、前記複数の接続管のそれぞれに個別に設けられ、その接続管を開閉するバルブと、これら複数のバルブを制御手段とを備え、前記制御手段は、前記複数のバルブのうち1個を選択的に開けることによって、エンジン冷却水が前記排気管内に入ってから出るまでの距離を変更することを特徴とする。
【0011】
この「〔2〕」に記載の作業機械の暖房装置において、制御手段は、複数のバルブのうち1個を選択的に開けることによって、エンジン冷却水が排気管内に入ってから出るまでの距離を変更する。これにより、排気管内でエンジン冷却水に排気ガスの熱が伝達される時間、すなわち、エンジン冷却水に伝達する熱量を変更できる。
【0012】
〔3〕 本発明に係る作業機械の暖房装置は、「〔2〕」に記載の作業機械の暖房装置において、制御手段は、暖房に要求される熱量を判定する判定手段を備え、この判定手段により判定された熱量が大きいほど前記距離が長くなり、その熱量が小さいほど前記距離が短くなるよう前記複数のバルブを制御することを特徴とする。これによって、暖房に要求される熱量に応じて、排気管内でエンジン冷却水に伝達する熱量を変更できる。
【0013】
〔4〕 本発明に係る作業機械の暖房装置は、「〔1〕」〜「〔3〕」のいずれか1に記載の作業機械の暖房装置において、前記受熱管は、前記排気管の一部を成す消音器のケース内に位置することを特徴とする。これにより、受熱管を設けることが、受熱管の周囲に位置することになる機器とのレイアウト上の関係で障害になりにくい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る作業機械の暖房装置は、前述のように、厳寒地においてエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱を用いて加熱する際、エンジンの排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する能力が外気の影響により低下することを防止できる。この結果、オペレータが作業機械に乗った直後から、すなわちエンジンの始動直後から、運転室内の暖房を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る暖房装置が備えられる作業機械の一例である油圧ショベルの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る暖房装置の概略を示す図である。
【図3】エンジンの内部のみでエンジン冷却水が循環する場合のサーモスタットの状態を示す図である。
【図4】エンジンとラジエータの間でエンジン冷却水が循環する場合のサーモスタットの状態を示す図である。
【図5】図4に示した暖房装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した制御系の構成により行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る作業機械の暖房装置について図1〜図6を用いて説明する。
【0017】
図1に示す油圧ショベル1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2と、この走行体2の上部に旋回可能に結合し、運転室4、機械室5およびカウンタウェイト6を有する旋回体3と、この旋回体3の前部に設けられ、ブーム7a、アーム7bおよびバケット7cを有するフロント作業装置7とを備える。
【0018】
機械室5内には、エンジン10(ディーゼルエンジン)が格納されている。このエンジン10には、排気ガスが排出される排気マニホールド(図示していない)が設けられている。この排気マニホールドには、油圧ショベル1の外部に向かって延びた排気管11が接続されている。この排気管11は、排気音を低減する消音器12と、この消音器12から上方向に延びて機械室5の天井を貫通して設けられ排気筒13(図1参照)とを備える。
【0019】
また、機械室5内においてエンジン10には水冷式のエンジン冷却装置20が付設されている。このエンジン冷却装置20は、ラジエータ22とエンジン10の内部との間でエンジン冷却水を循環させる冷却回路21と、ラジエータ22を通過する空気の流れを生じさせる冷却ファン23とを備える。
【0020】
冷却回路21は、エンジン冷却水に流れを生じさせる冷却水ポンプ24と、この冷却水ポンプ24から吐出されたエンジン冷却水をエンジン10の内部に導く内部管路25と、この内部管路25をラジエータ22に接続する排出管路26と、ラジエータ22を通過したエンジン冷却水を冷却水ポンプ24に導く導入管路27とを備える。つまり、冷却回路におけるエンジン冷却水の循環は、冷却水ポンプ24から吐出された後、内部管路25を流れながらエンジン10の熱を吸収し、次に、排出管路26を通じてラジエータ22に導かれて放熱し、次に、導入管路27を通じて冷却水ポンプ24に導かれ、この冷却水ポンプ24から再び吐出される、というものである。このエンジン冷却水の循環が繰り返されることによって、エンジン10は冷却されるのである。
【0021】
冷却回路21には、サーモスタット28が設けられている。このサーモスタット28は、内部管路25と排出管路26の間に介在して設けられている。このサーモスタット28は、導入管路27に接続されたバイパス管路29と、内部管路25からのエンジン冷却水の流動先を、排出管路26およびバイパス管路管路29のいずれかに選択的に切り換える弁体30とを備える。この弁体30は、エンジン冷却水の規定温度(例えば80℃)、すなわち、エンジン10の各部が適正温度に達することを妨げないエンジン冷却水の温度の下限値として設定された温度よりも、エンジン冷却水の温度が低いときには、図3に示すように排出管路26を閉じた状態でバイパス管路29を開いた状態となり、そのエンジン冷却水の温度が規定温度以上のときには図4に示すように排出管路26を開いた状態でバイパス管路29を閉じた状態となる。つまり、サーモスタット28はエンジン10の各部が適正温度に達していない状態においては、エンジン冷却水をラジエータ22で冷却せずに、エンジン10の内部のみで循環させるようになっている。
【0022】
本実施形態に係る暖房装置40は、図2に示すように、空気の吹出口41と、この吹出口41から吹出される空気の流れを生起させる送風機42と、この送風機42を駆動する送風機モータ43(電動モータ)と、送風機42から吹出口41に向かって流れる空気を加熱するヒータコア44とを備える。これら吹出口41、送風機42、送風機モータ43、ヒータコア44は運転室4内に設けられている。
【0023】
暖房装置40はさらに、冷却回路21のサーモスタット28よりも上流側において内部管路25から分岐して設けられた配管であって、エンジン冷却装置20からヒータコア44にエンジン冷却水を導く暖房用配管45と、この暖房用配管45内を流れるエンジン冷却水を加熱する加熱手段50とを備える。
【0024】
加熱手段50は、排気管11の一部を成す消音器12のケース12a内に位置し、暖房用配管45の一部を成す受熱管51を備え、この受熱管51において排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達するようになっている。受熱管51において加熱されたエンジン冷却水(温水)はヒータコア44に導かれ、このヒータコア44において空気を加熱するための熱源となる。
【0025】
加熱手段50はさらに、受熱管51においてエンジン冷却水に伝達される熱量の調整を可能にする調整手段60を備える。この調整手段60は、消音器12の外部(排気管11の外部)に位置する暖房用配管45の部分と受熱管51とを、その受熱管51の延びた方向において複数個所、例えば4箇所で接続する第1〜第4接続管61〜64と、これら第1〜第4接続管61〜64のそれぞれに個別に設けられた電磁弁であり、その接続管を開閉する第1〜第4バルブ71〜74のそれぞれとを備える。第1〜第4バルブ71〜74のうち第1バルブ71のみが開いた状態、同じく第2バルブ72のみが開いた状態、同じく第3バルブ73のみが開いた状態、同じく第4バルブ74のみが開いた状態の順に、エンジン冷却水が消音器12のケース12a内に入ってから出るまでの距離が長くなる。
【0026】
図5に示すように、暖房装置40はさらに、ヒータコア44の入口44aにおけるエンジン冷却水の温度である温水入口温度を検出信号(電気信号)に変換して出力する温水入口温度センサ101と、運転室4の外部の温度である外気温度を検出信号(電気信号)に変換して出力する外気温度センサ102と、吹出口41における空気の温度である吹出口温度を検出信号(電気信号)に変換して出力する吹出口温度センサ103と、室温の設定値の入力操作に基づき指令信号(電気信号)を出力する室温設定装置104と、吹出風量の設定値の入力操作に基づき指令信号(電気信号)を出力する風量設定装置105と、温水入口温度の検出信号、外気温度の検出信号、吹出口温度の検出信号、室温の設定値の指令信号、および、吹出風量の設定値の指令信号を入力し、これらの信号に基づき第1〜第4バルブ71〜74を制御する制御手段である制御装置100とを備える。
【0027】
制御装置100は、CPU、ROM、RAMにより処理を行うマイクロコンピュータであり、制御プログラムにより設定された手段である判定手段100aを備える。この判定手段100aは、温水入口温度の検出信号、外気温度の検出信号、吹出口温度の検出信号、室温の設定値の指令信号、および、吹出風量の設定値の指令信号が制御装置100に入力されると、温水入口温度、外気温度と室内温度の設定値の差、吹出口温度と室内温度の設定値の差、吹出風量の設定値に基づき、暖房に要求される熱量を判定するものである。
【0028】
そして、制御装置100は、その判定手段100aにより判定された熱量に基づき、第1〜第4バルブ71〜74のうち1個を選択的に開けることによって、エンジン冷却水が消音器12のケース12a内に入ってから出るまでの距離を変更するようになっている。ただし、運転室4内の温度が上昇し過ぎることを防止するため、温水入口温度が100℃以上の場合には、第1〜第4バルブ71〜74の全てを閉じるようになっている。
【0029】
なお、制御装置100は、吹出風量の設定値の指令信号に基づき送風機モータ43を制御するものでもある。
【0030】
制御装置100により行われる第1〜第4バルブ71〜74の制御の流れを、図6を用いて説明する。
【0031】
図6に示すように、制御装置100は、室温設定装置104からの室温の設定値の指令信号を入力し、その室温の設定値を記憶するとともに、風量設定装置105からの吹出風量の設定値の指令信号を入力し、その吹出風量の設定値を記憶する(ステップS1)。
【0032】
次に、制御装置100は、温水入口温度センサ101からの温水入口温度の検出信号、外気温度センサ102からの外気温度の検出信号、吹出口温度センサ103からの吹出口温度の検出信号を入力する(ステップS2)。
【0033】
次に、制御装置100は判定手段100aによって、温水入口温度、外気温度と室内温度の設定値の差、吹出口温度と室内温度の設定値の差、吹出風量の設定値に基づき、暖房に要求される熱量を判定する(ステップS3)。
【0034】
次に、制御装置100は、判定手段100aにより判定した熱量に基づき、第1〜第4バルブ71〜74のうちから1つを選択して開け(ステップS4)、ステップS2からのルーチンに戻る。その後、「ステップS2→ステップS3→ステップS4」のルーチンが繰り返される。これにより、第1〜第4バルブ71〜74の状態は、例えば暖房の開始直後は第4バルブ74のみが開けられた状態となり、その後、室内温度の上昇により暖房に要求される熱量が1段階ずつ下がることに連動して、第3バルブ73のみが開けられた状態、第2バルブ72のみが開けられた状態、第1バルブ71のみが開けられた状態へ順次移行する。
【0035】
本実施形態に係る作業機械の暖房装置40によれば次の効果を得られる。
【0036】
本実施形態に係る暖房装置40において、加熱手段50は、エンジン10の排気管11内(消音器12のケース12a内)に位置する受熱管51によって、排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する。つまり、従来の技術においては、熱を伝達するための機器(第1熱交換器、第2熱交換器および熱サイフォン)を用いて、排気ガスの熱を間接的にエンジン冷却水に伝達していたが、本実施形態に係る暖房装置40においては、排気管11内に受熱管51が位置することによって排気ガスの熱を直接的にエンジン冷却水に伝達することができる。これにより、厳寒地においてエンジン冷却水をエンジン10の排気ガスの熱を用いて加熱する際、エンジン10の排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する能力が外気の影響により低下することを防止できる。
【0037】
本実施形態に係る暖房装置40において、制御装置100は、第1〜第4バルブ71〜74のうち1個を選択的に開けることによって、エンジン冷却水が排気管11内(消音器12のケース12a内)に入ってから出るまでの距離を変更する。これにより、排気管11内でエンジン冷却水に排気ガスの熱が伝達される時間、すなわち、エンジン冷却水に伝達する熱量を変更できる。
【0038】
本実施形態に係る暖房装置40において、制御装置100は、エンジン冷却水が排気管11内(消音器12のケース12a内)に入ってから出るまでの距離が、判定手段100aにより判定された熱量が大きいほど長くなり、その熱量が小さいほど短くなるよう第1〜第4バルブ71〜74を制御する。これにより、暖房に要求される熱量に応じて、排気管11内でエンジン冷却水に伝達する熱量を変更できる。
【0039】
本実施形態に係る暖房装置40において、受熱管51は排気管11の一部を成す消音器12のケース12a内に位置する。これにより、受熱管51を設けることが、受熱管51の周囲に位置することになる機器とのレイアウト上の関係で障害になりにくい。
【0040】
本実施形態に係るダ暖房装置40は、油圧ショベル1に適用されている。油圧ショベル1に搭載されるエンジン10は、自動車に搭載されるエンジンよりも大型のエンジンである場合が多く、この場合、自動車よりも多くの排気量を得られるため、暖房に十分な熱量を確実に得ることができる。
【0041】
なお、本実施形態に係る暖房装置40は油圧ショベル1に適用されたものであったが、本発明の適用対象となる作業機械は、ダンプトラックなどの他の種類の作業機械であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 油圧ショベル
2 走行体
2a 履帯
3 旋回体
4 運転室
5 機械室
6 カウンタウェイト
7 フロント作業装置
7a ブーム
7b アーム
7c バケット
10 エンジン
11 排気管
12 消音器
12a ケース
13 排気筒
20 エンジン冷却装置
21 冷却回路
22 ラジエータ
23 冷却ファン
24 冷却水ポンプ
25 内部管路
26 排出管路
27 導入管路
28 サーモスタット
29 バイパス管路
30 弁体
40 暖房装置
41 吹出口
42 送風機
43 送風機モータ
44 ヒータコア
44a 入口
45 暖房用配管
50 加熱手段
51 受熱管
60 調整手段
61〜64 第1〜第4接続管
71〜74 第1〜第4バルブ
101 温水入口温度センサ
102 外気温度センサ
103 吹出口温度センサ
104 室温設定装置
105 風量設定装置
100 制御装置
100a 判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の吹出口と、この吹出口から吹出される空気の流れを生起させる送風機と、この送風機から前記吹出口に向かって流れる空気を加熱するヒータコアと、エンジン冷却装置から前記ヒータコアにエンジン冷却水を導く暖房用配管と、この暖房用配管を流れるエンジン冷却水をエンジンの排気ガスの熱で加熱する加熱手段とを備え、前記ヒータコアは前記加熱手段により加熱されたエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する作業機械の暖房装置において、
前記加熱手段は、エンジンの排気マニホールドから作業機械の外部に向かって延びた排気管内に位置して前記暖房用配管の一部を成す受熱管を備え、この受熱管は前記排気管内の排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝達する
ことを特徴とする作業機械の暖房装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の暖房装置において、
前記排気管の外部に位置する前記暖房用配管の部分と前記受熱管とを、その受熱管の延びた方向において複数個所で接続する複数の接続管と、
前記複数の接続管のそれぞれに個別に設けられ、その接続管を開閉するバルブと、
これら複数のバルブを制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記複数のバルブのうち1個を選択的に開けることによって、エンジン冷却水が前記排気管内に入ってから出るまでの距離を変更する
ことを特徴とする作業機械の暖房装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械の暖房装置において、
前記制御手段は、暖房に要求される熱量を判定する判定手段を備え、この判定手段により判定された熱量が大きいほど前記距離が長くなり、その熱量が小さいほど前記距離が短くなるよう前記複数のバルブを制御する
ことを特徴とする作業機械の暖房装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械の暖房装置において、
前記受熱管は、前記排気管の一部を成す消音器のケース内に位置する
ことを特徴とする作業機械の暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−35402(P2013−35402A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172918(P2011−172918)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】