作業用補助具
【課題】機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、テントのシートを凸状に形成できるようにすると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようにする。
【解決手段】伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3,4は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部1s、1tを支持するものである。この例で、伸縮支持部材3の伸縮部材3bの一端は支柱2aのフック2iに係止され、この伸縮部材3bの他端はアーム3aの先端に固定される。アーム3a及び伸縮部材3bは、当該伸縮部材3bが収縮され、当該アーム3aが回転されて収納ボックス5に収納される。
【解決手段】伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3,4は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部1s、1tを支持するものである。この例で、伸縮支持部材3の伸縮部材3bの一端は支柱2aのフック2iに係止され、この伸縮部材3bの他端はアーム3aの先端に固定される。アーム3a及び伸縮部材3bは、当該伸縮部材3bが収縮され、当該アーム3aが回転されて収納ボックス5に収納される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断器や断路器、スイッチギアなどの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するテントに適用可能な作業用補助具に関する。詳しくは、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持することで、撓んだ伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようにすると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気の監視・制御を行うスイッチギア(SWG)などの機器を点検作業する際に雨が降ると、ビニールシートなどにより当該スイッチギアの作業範囲を覆って当該ビニールシートをテント(第1のテント)の屋根として使用し、雨水がスイッチギアの電子機器に浸入することを防ぐ場合が多い。
【0003】
この場合、例えばスイッチギアの操作盤側のキュービクル(筐体)に備えられた2個のフックに、ビニールシートの角の孔部を引っ掛けてビニールシートの一端を固定する。このビニールシートの一端に対峙する他端を固定して当該ビニールシートをスイッチギアの作業範囲に展開する場合、例えば、当該ビニールシートの他端を近くの外柵などにロープで固定する。このビニールシートを固定する為の外柵が近くにない場合、地中に杭を打って固定し、当該杭にロープでビニールシートの他端を固定して当該ビニールシートをスイッチギアの作業範囲に展開する。このようにして、第1のテントを設置する。
【0004】
また、機器の点検作業をする際に、市販のテント(第2のテント)を使用する場合もある。例えば、このテントは、4本の支柱と、これらの支柱を補強する補強部材と、シートから構成される。補強部材は、例えば、支柱同士を所定の間隔で結合して骨組みを構成する棒状の部材などがある。この第2のテントによれば、補強部材で補強された4本の支柱によりシートを支える。
【0005】
このような従来例に関連して、特許文献1には、雨除け機能付き配電盤が開示されている。この配電盤の雨除け機能によれば、掛具が、扉設置面の所定位置に突出・退避可能に設けられ、雨除け用シートが、突出したときの各掛具に掛け渡されて両側に垂らされ、扉設置面前方空間の上面と左右の各側面とを覆う。これにより、降雨時には、配電盤の扉を開けたときに雨が内部に降り込むのを防止し、晴天時には、掛具を扉設置面から退避できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開平7−115713号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来例に係る第1のテントによれば、スイッチギアの操作盤側のキュービクルに備えられたフックに、ビニールシートの角を引っ掛けて当該ビニールシートの一端を固定し、この他端を近くの外柵や、地中に打ち付けた杭などにロープで固定している。しかしながら、外柵や杭にビニールシートの他端を固定した場合、降雨がビニールシートの所定位置に溜り、当該ビニールシートが雨水の重みで弛むおそれがある。この弛んだ状態が続けば、雨水の重みにより、杭などに固定されたビニールシートが外れ、雨水がスイッチギアの電子機器に浸入するおそれがある。
【0008】
また、第2のテントによれば、第1のテントと同様に降雨がビニールシートの所定位置に溜り、当該ビニールシートが雨水の重みで弛むおそれがある。また、支柱を4本設置すると共に当該支柱同士を補強部材で補強しているので、このテントを組み立てる工数が多くなる。
【0009】
また、特許文献1に記載の雨除け機能付き配電盤によれば、雨除け用シートが、配電盤に前面に備えられた各掛具に掛け渡されて両側に垂らされ、扉設置面前方空間を覆っている。しかしながら、上述のテントと同じように、降雨が雨除け用シートの中央部に溜り、当該雨除け用シートの中央部が雨水の重みで弛むおそれがある。この弛んだ状態が続けば、雨水の重みにより、掛具に掛け渡された雨除け用シートが外れ、雨水が配電盤の電子機器に浸入するおそれがある。
【0010】
そこで、本発明はこのような従来例に係る課題を解決したものであって、シートを凸状に形成できるようにすると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようにした作業用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る第1の作業用補助具は、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、前記シートの一辺を支持する第1及び第2の支持部材と、前記第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、前記第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第1の作業用補助具によれば、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、第1及び第2の支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの一辺を支持する。第1の伸縮支持部材は、上述の第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの一方の側端部を支持する。第2の伸縮支持部材は、第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの他方の側端部を支持する。これにより、円弧状に撓んで展開された2本の伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようになると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようになる。
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係る第2の作業用補助具は、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、前記機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、前記第1の伸縮支持部材が係止された前記引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る第2の作業用補助具によれば、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、シートは、機器の作業場所の所定範囲を覆う。第1の伸縮支持部材は、機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの一方の側端部を支持する。第2の伸縮支持部材は、第1の伸縮支持部材が係止された引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの他方の側端部を支持する。これにより、円弧状に撓んで展開された2本の伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようになると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る第1の作業用補助具によれば、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、これらの伸縮支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持するものである。
【0016】
この構成によって、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材によりシートを持ち上げて、当該シートを凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシートに雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材に余計な力が加わらず、当該シートを長時間に渡って安定できる。しかも、伸縮支持部材は伸縮かつ可撓性を有しているので、組み立て時に位置決めに融通が利き、容易に組み立てることができる。また、伸縮支持部材を収縮することにより、運搬可能な作業用補助具を提供できるようになる。
【0017】
本発明に係る第2の作業用補助具によれば、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、機器の引っ掛部の各々に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、これらの伸縮支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持するものである。
【0018】
この構成によって、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材によりシートを持ち上げて、当該シートを凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシートに雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材に余計な力が加わらず、当該シートを長時間に渡って安定できる。しかも、機器の引掛け部に伸縮支持部材の一端が係止されるので、部品数を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
続いて、本発明に係る作業用補助具について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明に係る第1の実施例としてのテント100の構成例を示す斜視図である。図1に示すテント100は、例えば遮断器や断路器などの操作箱などの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するために設置される。
【0021】
テント100は、シート1、支柱2a、2b、伸縮支持部材3、4、収納ボックス5を備えて構成される。支柱2a、2bは第1及び第2の支持部材の一例を構成し、シート1の一辺を支持する。支柱2aと支柱2bは同様の構成であり、支持台2c、連結棒2d〜2f、締付部材2g、2h及びフック2iを有して構成される。この例で、支持台2cは中央に開口部2jを有する。この開口部2jに、連結棒2dの一端がネジ締めなどにより結合される。連結棒2dの他端には、連結棒2eの一端が締付部材2gにより結合される。例えば、連結棒2dの他端に連結棒2eの一端が挿入され、挿入後に、この連結棒2d及び2eの連結部が、締付部材2gのネジ締めなどにより締め付けられて結合される。同様にして、連結棒2eと連結棒2fが、締付部材2hにより締め付けられて結合される。この連結棒2fの先端(支柱2aの先端)には、「L」形状のフック2iが取り付けられる。このフック2iには、シート1及び伸縮支持部材3が引っ掛けられる。
【0022】
伸縮支持部材3は第1の伸縮支持部材の一例を構成し、回転腕部の一例として機能するアーム3a及び伸縮部材3bから構成される。この伸縮部材3bの一端は支柱2aのフック2iに係止され、この伸縮部材3bの他端はアーム3aの先端に固定される。伸縮部材3bは一列の格子形状(パンタグラフ形状)を有し、伸縮かつ可撓性を有してシート1の一方の側端部1sを支持する。例えば、格子状の伸縮部材3bは、各格子の面をシート1の側端部1sに当接して、当該シート1を支持する。
【0023】
もう一方の伸縮支持部材4は第2の伸縮支持部材の一例を構成し、回転腕部の一例として機能するアーム4a及び伸縮部材4bから構成される。この伸縮部材4bの一端は支柱2bのフック2iに係止され、この伸縮部材4bの他端はアーム4aの先端に固定される。伸縮部材4bは、一列の格子形状を有し、伸縮かつ可撓性を有してシート1の他方の側端部1tを支持する。例えば、格子状の伸縮部材4bは、各格子の面をシート1の側端部1tに当接して、当該シート1を支持する。
【0024】
アーム4a、4bは、収納ボックス5の取付け金具5a、5bに一端が回転自在に取り付けられ、他端が収納ボックス5から出し入れされる。収納ボックス5は地面に設置される。また、収納ボックス5は、伸縮支持部材3,4を収納する。
【0025】
シート1は、2本の姿勢棒1a、1b、2個の孔部1c、1d及びシート本体1pから構成される。シート1は、機器の作業場所の所定範囲を覆う。シート1のシート本体1pは四角形の形状であり、当該シート本体1pの一辺には、姿勢棒1aが取り付けられ、この一辺に対峙する一辺には、姿勢棒1bが取り付けられる。姿勢棒1aが取り付けられたシート本体1pの一辺には、所定の間隔を有して孔部1c、1dが設けられる。この孔部1cには、支柱2aのフック2iが通されて引っ掛けられる。また、孔部1dには、支柱2bのフック2iが通されて引っ掛けられる。
【0026】
支柱2a、2bのフック2iにシート本体1pの姿勢棒1aが引っ掛けられた状態で、シート本体1pが、伸縮支持部材3、4の伸縮部材3b、4bに被せられる。このように、テント100は構成される。なお、テント100の縦と横と高さのサイズは、200cm〜250cm程度である。すなわち、テント100のアーム3aから支柱2aまでの距離、支柱2aから支柱2bまでの距離、及び支柱2a、2bの高さが、200cm〜250cm程度である。
【0027】
図2は、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の構成例を示す斜視図である。図2に示す収納ボックス5は、取付け金具5a、5b、足部5c、5d、蓋部5e及び収納部5fを備えて構成される。収納部5fの外部の底面には、足部5c、5dが回転自在に取り付けられる。例えば、足部5c、5dの中心部と収納部5fの底面とがピン5gで係合される。テント100を設置する場合、足部5c、5dは、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定される。これにより、収納部5fの底面の接地面積が増加するので、収納ボックス5が安定する。足部5c、5dの形状は、例えば二股形状である。
【0028】
収納部5fの内部の底面には、取付け金具5a、5bが取り付けられる。例えば、取付け金具5aは、「L」字形状の板金である。この取付け金具5aは、抵抗溶接(スポット溶接)により、一組の取付け金具5aが所定の間隔を有して向き合った状態で、収納部5fの底面に取り付けられる。この取付け金具5aの間には、伸縮支持部材3のアーム3aの一端が係合される。この例で、アーム3aの一端は図示しない孔部を有する。
【0029】
また、取付け金具5aも、収納部5fの底面に対して垂直に起き上がった垂直板5jに孔部を有する。アーム3aの孔部と、取付け金具5aの垂直板5jの孔部が、適合されてピン5kが挿通されてこのピン5kが抜け止めされる。このようにして、取付け金具5aにより、アーム3aを収納ボックス5の底面に回転自在に取り付ける。また、取付け金具5bも、取付け金具5aと同じ「L」字形状の板金であり、収納部5fの底面に取り付けられ、この取付け金具5bの間には、アーム3bの一端が係合される。
【0030】
蓋部5eは、収納部5fに蝶番5iを介して開閉自在に取り付けられる。蓋部5eの深さは、収納部5fの深さよりも深く設計される。これは、アーム3a、4aの先端に取り付けられた伸縮部材3b、4b(図中は一部破砕)を収納するためである。このように、収納ボックス5は構成される。
【0031】
また、アーム3a、4aの先端には、回転自在に姿勢維持部材3c、4cが取り付けられる。この例で、アーム3aの先端は、円弧状に形成されると共に中央部が刳り貫かれて二股を成している。さらに、アーム3aは、この二股を貫通する孔部(図示せず)を有する。また、姿勢維持部材3cの係合部3wは凸型に形成され、この凸型の係合部3wは孔部(図示せず)を有する。アーム3aの二股に凸型の係合部3wが挿入され、アーム3aの孔部と係合部3wの孔部が適合されてピン3fが挿通されてこのピン3fが抜け止めされる。このように取り付けると、姿勢維持部材3cは、ピン3fを回転軸にして、アーム3aの先端の円弧に沿って回転する。姿勢維持部材3cの先端には、一列の格子形状の伸縮部材3b(図中は一部破砕)が取り付けられる。また、伸縮支持部材4のアーム4aの先端にも、アーム3aと同様にして姿勢維持部材4cが取り付けられる。この姿勢維持部材4cの一端には、一列の格子形状の伸縮部材4bが取り付けられる。このように、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4は構成される。なお、アーム3a、4aは、図中の展開された状態において、収納部5fの外枠5f’により支持される。
【0032】
図3A及びBは、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の機能例を示す斜視図である。図3Aに示す伸縮支持部材3、4のアーム3a、4aは、図2に示した状態、すなわちアーム3a、4aが展開された状態から、折り畳まれた状態へ移行したものである。この状態へ移行するためには、先ず、アーム3a、4aの先端に取り付けられた格子状の伸縮部材3b、4b(図中は一部破砕)を縮めて畳む。次に、図2に示した展開されたアーム3aを、取付け金具5aに係合されたピン5kを回転軸にして、反時計回りに略180°回転する。
【0033】
このとき、アーム3aの先端に取り付けられた姿勢維持部材3cも同時に、ピン3fを回転軸にして、この姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bの姿勢を一定に維持しながら、アーム3aが回転すると共に回転する。例えば、姿勢維持部材3cは、伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転する。アーム3aを180°回転後、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bは、この水平姿勢を維持すると共に収納部5fの略中央に位置する。
【0034】
また、アーム3aと同様にして、図2に示した展開されたアーム4aを、取付け金具5bに係合されたピン5kを回転軸にして、反時計回りに略180°回転する。このとき、アーム4aの姿勢維持部材4cの先端に取り付けられた伸縮部材4bは、水平姿勢を維持すると共に収納部5fの略中央に位置する。
【0035】
伸縮部材3b、4bが中央に位置しているので、伸縮部材3b、4bの端部が収納部5fの外枠5f’からはみ出ることなく当該伸縮部材3b、4bを収納できる。また、水平姿勢を維持しているので、蓋部5eを閉めた場合に、当該蓋部5eに伸縮部材3b、4bがつかえることなく蓋部5eを閉めることができる。なお、蓋部5eを閉めた後、蓋部5eの前方に取り付けられたフック5mを、収納部5fのフック係合部(図示せず)に係合して、蓋部5eを収納部5fに固定する。
【0036】
図3Bに示す収納ボックス5は、収納ボックス5の蓋部5eが蝶番5iを介して閉じられたものである。蓋部5eには、把持部5nが取り付けられる。この例で、図3Aに示したようにアーム3a、4aが折り畳まれた状態で蓋部5eが閉じられている。更に、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する。これにより、アーム3a、4a及び伸縮部材3b、4bを有した伸縮支持部材3、4をコンパクトに収納できると共に、遮断器や断路器などの操作箱などの機器の点検作業時に、伸縮支持部材3、4が収納された収納ボックス5を、把持部5nを持って容易に持ち運びできる。また、伸縮支持部材4、5と収納ボックス5とを一体化しているので、保管スペースを狭くできる。
【0037】
図4A及びBは、姿勢維持部材3cに取り付けられた伸縮部材3bの構成例を示す正面図である。図4に示す伸縮部材3bは、格子状に一列に組まれた部材であり、鉄線3e、係合ピン3f、ピアノ線(硬鋼線)3g、ピン3h及びリング3iを備えて構成される。
【0038】
姿勢維持部材3cには、2本の鉄線3eの各一端が、係合ピン3fにより回転自在に係合される。姿勢維持部材3cに係合された2本の鉄線3eの各他端は、鉄線3e’に係合ピン3fにより回転自在に係合される。また、2本の鉄線3e’の略中心部が係合ピン3fにより回転自在に係合される。このように、この例で、鉄線3eが2本、鉄線3e’が2本ほど伸縮部材3bの根本に設置されて格子状に組まれる。
【0039】
各ピアノ線3gは、格子状に組まれた鉄線3e、3e’の上に格子状に組まれる。鉄線3e’の一端とピアノ線3gの一端は、ピン3hにより回転自在に係合される。また、ピアノ線3gと、このピアノ線3gと交差するピアノ線3gの略中心部がピン3hにより回転自在に係合される。また、中心部がピン3hにより係合されたピアノ線3gの一端は、他のピアノ線3gの一端とピン3hにより回転自在に係合される。このようにして、16本のピアノ線3gが格子状に組まれる。格子状に組まれたピアノ線3gの最上部には、このピアノ線3gの略半分の長さのピアノ線3g’が、最上部のピアノ線3gにピン3hにより係合される。略半分の長さのピアノ線3g’には、リング3iがピン3hにより係合される。このように、伸縮部材3bは、鉄線3e、3e’及びピアノ線3g、3g’が係合ピン3f、ピン3hにより係合されて、格子状に組み立てられる。
【0040】
なお、ピアノ線3gの線径は、3mm〜5mm程度である。鉄線3e、3e’は、ピアノ線3gよりも強固に成形される。これは、伸縮部材3bの根本に設置された鉄線3e、3e’が、伸縮部材3bの上方に設置されたピアノ線3gの荷重を支えるためである。鉄線3e、3e’の素材には、金属や樹脂などが使用される。
【0041】
伸縮部材3bは、伸長された格子形状を維持するために、ロック機構3jを備える。このロック機構3jはストッパー3v及び引掛け部3pから構成される。このストッパー3vは棒部材の一例として機能し、伸縮部材3bの鉄線3eの所定位置に取り付けられる。例えば、ストッパー3vは、長さ調整可能な棒状の部材であり、このストッパー3vの一端が、鉄線3eの所定位置に回転自在に取り付けられる。ストッパー3vの他端は、鉄線3e’の引掛け部3pに係止される。
【0042】
この引掛け部3pは受止め部の一例として機能し、ストッパー3vと向き合う位置の鉄線3e’に取り付けられる。引掛け部3pはストッパー3vを受け止めて固定する。ロック機構3jは、ストッパー3vが回転されて引掛け部3pの所定位置に設定され、伸縮部材3bを所定の格子形状に固定すると共に当該伸縮部材3bの長さを維持する。
【0043】
図4Bに示す伸縮部材3bは、鉄線3e’の引掛け部3pに係止されたストッパー3vの他端が取り外されて、格子形状の伸縮部材3bが収縮した状態である。この状態で、伸縮部材3bは、図3に示した収納ボックス5に収納される。なお、図1に示したもう一方の伸縮部材4bは、図中の伸縮部材3bと同様の構成のため詳細な説明は省略する。
【0044】
図5は、ロック機構3jの構成例(その1)を示す正面図である。図5に示すロック機構3jのストッパー3vは、連結棒3k、3m、ネジ3n及びピン3rから構成される。この連結棒3mの後端部には、孔部が設けられる。この孔部に鉄線3eの係合部の孔部(図示せず)が適合された状態で、ピン3rが挿通されて抜け止めされる。これにより、連結棒3mが、鉄線3eに固定されると共に、ピン3rを回転軸にして回転するようになる。
【0045】
連結棒3mには、連結棒3kが連結される。例えば、連結棒3mは筒状の棒であり、連結棒3mの径は連結棒3kの径よりも大きく設定される。大径の連結棒3mの内部に小径の連結棒3kを挿入してストッパー3vを所望の長さに設定する。設定後、ネジ3nを右回転して当該ネジ3nの先端を連結棒3kに当接する。当接された状態で、更にネジ3nを右回転して、連結棒3kと連結棒3mとを圧力により密着させて固定する。これにより、所望の長さに設定されたストッパー3vを形成できる。
【0046】
ストッパー3vを形成後、ストッパー3vの先頭の連結棒3kの先端を、鉄線3e’の引掛け部3pの所定位置に引っ掛けて固定する。これにより、図4Aに示した格子形状を形成後、伸縮部材3bが、この伸縮部材3bの自重により収縮して図4Bに示した収縮形状に移行する動作を抑制することができる。
【0047】
図6A及びBは、ロック機構3jの構成例(その2)を示す説明図である。図6Aは、図5の矢印X1の方向から見た上面図である。図6Bは、図6Aの矢印X2の方向から見た断面図である。図6Bに示すロック機構3jの引掛け部3pは、引掛板3s及び底板3tから構成される。複数の引掛板3sは、底板3tに所定の角度(約45°)を有した状態で、所定の間隔をあけて底板3tに溶接されて固定される。複数の引掛板3sが固定された底板3tは、鉄線3e’の凹部3xにネジなどで固定される。鉄線3e’に固定された底板3tの引掛板3sに、ストッパー3vの連結棒3kの先端が引っ掛けられる。
【0048】
これにより、伸縮部材3bはロックされた状態となる(ロック機能)。従って、ストッパー3vの連結棒3kに矢印Pの方向に加わり、この連結棒3kが矢印Qの方向に移動する動作を止めることができる。これにより、図5で述べたように、伸縮部材3bの格子形状を形成後、ストッパー3vの連結棒3kを引掛板3sに引っ掛けることにより、伸縮部材3bが、この伸縮部材3bの自重により収縮して図4Bに示した収縮形状に移行する動作を抑制することができる。
【0049】
図7A及びBは、ロック機構3jの機能例を示す正面図である。図7A及びBに示すロック機構3jは、上述したロック機能の他に、伸縮部材3bの全長を調整する長さ調整機能を有する。この長さ調整機能は、点検する機器の大きさに合わせて図1に示したシート1を展開する範囲を設定する場合に適用される。
【0050】
この例で、図7Aに示すロック機構3jのストッパー3vの連結棒3kは、図6Bに示した引掛け部3pの引掛板3sに引っ掛けられて固定された状態である(第1の状態)。このとき、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度を角度θ1とする。また、ピン3fとピン3f’との距離を距離L1とする。また、図4に示した各ピアノ線3gで形成する略ひし形の各格子も同様に角度θ1を成し、ピン3hとピン3h’との距離も距離L1となる。
【0051】
点検する機器のサイズが小さくて第1の状態よりも、伸縮部材3bの全長を短く調整する場合、ロック機構3jのストッパー3vの引っ掛ける位置を調整する。例えば、図7Bに示すロック機構3jのストッパー3vの連結棒3kは、図6Bに示した引掛板3sの下段に位置する引掛板3s’に引っ掛けられて固定された状態である(第2の状態)。このとき、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度を角度θ2とする。また、ピン3fとピン3f’との距離を距離L2とする。また、図示しないが、各ピアノ線3gで形成する略ひし形の各格子も同様に角度θ2を成し、ピン3hとピン3h’との距離も距離L2となる。
【0052】
ここで、第1の状態と第2の状態を比較すると、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度の関係は、角度θ1>角度θ2となり、ピン3fとピン3f’との距離は、距離L1>距離L2となっている。また、図示しないが、ピアノ線3gとピアノ線3gとが成す角度の関係も、角度θ1>角度θ2となり、ピン3hとピン3h’との距離も、距離L1>距離L2となる。すなわち、第2の状態の格子形状を構成する略ひし形の各格子は、第1の状態の格子形状の各格子が押しつぶされて形成され、伸縮部材3bの全長は短く調整される。これにより、伸縮部材3bの全長を短く調整することができる。
【0053】
図8は、ピアノ線3gの構成例を示す一部破砕の斜視図である。図8に示すピアノ線3gの両端及び中央部には、平坦部3y及び開口部3zが設けられる。例えば、平坦部3yは、断面円形のピアノ線3gの先端が、押しつぶされて形成される。開口部3zは、平坦部3yの略中央部に設けられる。
【0054】
ピアノ線3gと他のピアノ線3g’とを結合する場合、ピアノ線3g、3g’の平坦部3yを重ね合わせて平坦部3yの開口部3zの位置を適合する。適合後、この開口部3zにピン3hを挿通して、当該ピン3hの先端の凹部30aに抜け止め用のリング30bを嵌合する。これにより、ピアノ線3gと他のピアノ線3g’とがピン3hを回転軸として回転自在に結合される。
【0055】
図9A及びBは、テント100の使用例を示す斜視図である。この例で、遮断器や断路器などの操作箱50の点検作業時に、降雨などに備えて補助的に作業場所を確保するためにテント100を設置する。この例で、テント100は、持ち運びや収納のために、分解されてコンパクトな形にされている。例えば、伸縮支持部材3、4は、図3Bに示したように収納ボックス5に収納されている。支柱2a、2bは、締付部材2g、2hが取り外されて連結棒2d〜2fが分離されている。シート1は、姿勢棒1aを中心にしてロール状に巻かれている。なお、シート1から姿勢棒1a、1bを取り外して、当該シート1を折り畳むようにしてもよい。
【0056】
図9Aに示すテント100は、テント100の骨組みを完成した状態である。テント100が分解されてコンパクトな形にされた状態から、図9Aに示すように、テント100の骨組みを完成するためには、先ず、作業者は、図9Aに示す操作箱50の両側に支柱2a、2bを設置する。例えば、作業者は、支柱2aの連結棒2dの他端に連結棒2eの一端を挿入し、挿入後に、この連結棒2d及び2eの連結部を、締付部材2gにより締め付けて結合する。この場合、操作箱50の高さ、かつ、作業者の身長よりも高くなるように、支柱2a、2bの高さを調整する。
【0057】
次に、作業者は、収納ボックス5を操作箱50の前方に、図3Bに示した持ち運び状態で設置する。設置後、作業者は、収納ボックス5の足部5c、5dを収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転して設定し、収納ボックス5を地面に安定して設置する。その後、作業者は、収納ボックス5の蓋部5eのフック5mを解除して、当該蓋部5eを開く。作業者は、蓋部5eを開いた後、シート1を支持する伸縮支持部材3、4を設置する。
【0058】
この例で、作業者は、図3Aに示した折り畳まれた状態の伸縮支持部材3のアーム3aを展開する。例えば、作業者は、取付け金具5aに係合されたピン5k(図3A参照)を回転軸にして、アーム3aを時計回りに略180°回転する。このとき、アーム3aの先端に取り付けられた姿勢維持部材3cも同時にピン3f(図3A参照)を回転軸にして、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転する。
【0059】
回転後、作業者は、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3b(図4B参照)を伸ばすと共に湾曲させて格子形状を形成し、当該伸縮部材3bの先端のリング3iを、所定の高さに設置した支柱2aの先端のフック2iに引っ掛けて固定する。リング3iを支柱2aのフック2iに固定した後、作業者は、図5に示したロック機構3jのストッパー3vを引掛け部3pに引っ掛けて固定する。これにより、格子形状に形成された伸縮部材3bの格子形状を維持できると共に、伸縮部材3bの長さを一定に維持できる。従って、伸縮支持部材3が安定する。このようにして、伸縮支持部材3を設置する。
【0060】
同様にして、作業者は、もう一方の伸縮支持部材4を設置する。例えば、作業者は、伸縮支持部材4のアーム4aを展開し、当該アーム4aの先端に取り付けられた伸縮部材4bを伸ばして支柱2bに固定する。これにより、図9Aに示すように、シート1を凸状に張るための骨組みが完成する。
【0061】
図9Bに示すテント100は、図9Aに示したテント100の骨組みにシート1を張り、当該テント100の組み立てを完成した状態である。このように、テント100の骨組みにシート1を張るためには、先ず、作業者は、姿勢棒1aを中心にしてロール状に巻かれたシート1の孔部1c、1dを、支柱2a、2bのフック2iに引っ掛ける。引っ掛けた後、作業者は、ロール状に巻かれたシート1を、伸縮支持部材3、4の伸縮部材3b、4bの上を転がしながら展開する。シート1は、伸縮支持部材3、4に支持された状態で、湾曲された伸縮部材3b、4bの形状に沿って凸状の曲線を描きながら垂れ下がる。このようにして、テント100の骨組みにシート1を張り、当該テント100を組み立てる。
【0062】
このように、本発明に係る第1の実施例としてのテント100によれば、操作箱50の点検作業時に、補助的に当該操作箱50の作業場所を確保する場合であって、伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3,4は、操作箱50の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部1s、1tを支持するものである。
【0063】
従って、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材3,4の伸縮部材3b、4bによりシート1を持ち上げて、当該シート1を凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシート1に雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材3,4に余計な力が加わらず、当該シート1を長時間に渡って安定できる。しかも、伸縮支持部材3,4は伸縮かつ可撓性を有しているので、組み立て時に位置決めに融通が利き、容易に組み立てることができる。また、伸縮支持部材3,4を収縮することにより、運搬可能なテント100を提供できるようになる。
【0064】
なお、操作箱50の点検作業が終了し、組み立てたテント100を分解する場合は、組み立てた順番と反対の順番でテント100を分解する。すなわち、作業者は、伸縮支持部材3,4の伸縮部材3b、4b上に展開されたシート1を、一旦伸縮部材3b、4b上から取り外す。その後、作業者は、展開されたシート1の姿勢棒1bを芯にして、姿勢棒1aに向かって当該シート1を巻いてロール状に形成する。その後、作業者は、図5に示したロック機構3jの引掛け部3pに引っ掛けられたストッパー3vを解除する。解除後、作業者は、支柱2a、2bの先端のフック2iに固定されたリング3iを取り外して、湾曲されて格子形状に形成された伸縮部材3b、4bを縮めて畳む。
【0065】
収縮後、伸縮部材3b、4bを支持するアーム3a、4aを、反時計回りに略180°回転する。このとき、アーム3a、4bの先端に取り付けられた姿勢維持部材3c、4cも、同時にピン3f(図3A参照)を回転軸にして回転する。例えば、姿勢維持部材3cは、当該姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転すると共に収納部5fの中央に位置する。これにより、伸縮部材3b、4b、アーム3a、4aを収納ボックス5にコンパクトに収納できる。
【0066】
その後、作業者は、収納ボックス5の蓋部5eを閉じて、この蓋部5eのフック5mを、収納ボックス5の収納部5fのフック係合部(図示せず)に係合して、蓋部5eを収納部5fに固定する。固定後、作業者は、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する(図3B参照)。その後、支柱2a、2bを分解する。このようにして、テント100を分解してコンパクトにする。
【0067】
なお、格子状の伸縮部材3bの替わりに、釣竿のような棒状の伸縮部材を用いることも考えられる。この場合、当該棒状の伸縮部材の根本を姿勢維持部材3c、4cに取り付け、棒状の伸縮部材を伸ばして当該棒状の伸縮部材の先端を支柱2a、2bのフック2iに取り付ける。
【0068】
また、格子状の伸縮部材3b、4bは、各格子の面をシート1に当接して当該シート1を支持したが、当該伸縮部材3b、4bの各格子の面を縦向き(垂直)にして、当該伸縮部材3b、4bの各格子の角がシート1に立つように支持してもよい。伸縮部材3b、4bの各格子の角がシート1に立つように支持すると湾曲し難くなるので、各格子の面をシート1に当接して当該シート1を支持する場合と比較して、シート1を支える強度が強くなる。
【0069】
また、テント100は、操作箱50の点検作業以外にも、アウトドアの日除け用としても利用できる。
【実施例2】
【0070】
続いて、本発明に係る第2の実施例としてのテント200について説明する。図10は、テント200における収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の構成例を示す斜視図である。第1の実施例に示したテント100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図10に示す収納ボックス5’は、足部5c、5d、蓋部5e、収納部5f及びレール5p、5q、を備えて構成される。収納部5fの外部の底面には、足部5c、5dが回転自在に取り付けられる。蓋部5eは、収納部5fに蝶番5iを介して開閉自在に取り付けられる。収納ボックス5’の収納部5fの内部底面には、レール5pとレール5qが平行に取り付けられる。レール5pとレール5qの長さは等しく設定される。レール5p、5bの係合部5rの形状は「H」形状である。
【0072】
伸縮支持部材3’、4’は、アーム3a’、4a’、伸縮部材3b、4b及び位置変更部材3c’、4c’から構成される。伸縮支持部材3’のアーム3a’は滑動腕部の一例として機能し、レール5pの「H」形状の係合部5rの首部を掴むように、滑動(スライド)自在に取り付けられ、当該アーム3a’の一端が収納ボックス5’から出し入れされる。また、伸縮支持部材4’のアーム4a’は、レール5qの係合部5rにスライド自在に取り付けられ、当該アーム4a’の一端が収納ボックス5’から出し入れされる。
【0073】
このアーム3a’、4a’には、位置変更部材3c’、4c’がスライド自在に取り付けられる。この例で、位置変更部材3c’、4c’の係合部5tの形状は「H」形状である。位置変更部材3c’、4c’は、この「H」形状の係合部5tが、アーム3a’、4a’の上面のスリット5sに挿入されてスライド自在に係合される。なお、スリット5sの範囲は、アーム3a’、4a’の先端部から後端部近傍までである。これは、位置変更部材3c’が後端部から抜け出ることを防ぐためである。位置変更部材3c’の先端には、伸縮部材3b(図中一部破砕)が取り付けられる。位置変更部材4c’の先端には、伸縮部材4bが取り付けられる。このように、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’は構成される。
【0074】
なお、アーム3a’、4a’がレール5p、5bから抜けないようにする抜け止め機構を備えるようにしてもよい。例えば、レール5pの係合部5rの終端部に所定深さの開口部(図示せず)を設け、また、アーム3a’の終端部に自動起立型の爪部(図示せず)を設ける。アーム3a’が許容量を超えてスライドされると、アーム3a’の爪部が、レール5pの開口部を通過する際に、自動的に起立して開口部に引っ掛かってアーム3a’のスライドを停止する。これにより、アーム3a’がレール5pから抜けないようにできる。
【0075】
図11A及びBは、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の機能例を示す斜視図である。図11Aに示す伸縮支持部材3’、4’のアーム3a’、4a’は、図10に示した状態、すなわちアーム3a’、4a’が伸長方向にスライドされた状態から、収縮方向にスライドされて収納された状態へ移行したものである。この状態へ移行するためには、先ず、アーム3a’、4a’の先端に取り付けられた格子状の伸縮部材3b、4bを縮めて畳む。次に、伸長方向にスライドされたアーム3a’を、収縮方向(収納部5fの内部方向)にスライドすると共に、アーム3a’の位置変更部材3c’を当該アーム3a’の略中央部にスライドする。同様にして、伸長方向にスライドされたアーム4a’を、収縮方向にスライドすると共に、アーム4a’の位置変更部材4c’を当該アーム4a’の略中央部にスライドする。
【0076】
これにより、アーム3a’、4a’が収納部5fの内部に収まると共に、位置変更部材3c’、4c’に取り付けられた伸縮部材3b、4bの位置が中央に変更するので、伸縮部材3b、4bの端部が収納部5fの外枠5f’からはみ出ることなく当該伸縮部材3b、4bを収納できる。また、伸縮部材3b、4bが水平姿勢を維持しているので、蓋部5eを閉めた場合に、当該蓋部5eにこの伸縮部材3b、4bがつかえることなく蓋部5eを閉めることができる。
【0077】
図11Bに示す収納ボックス5’は、収納ボックス5’の蓋部5eが蝶番5iを介して閉じられたものである。蓋部5eには、把持部5nが取り付けられる。この例で、図11Aに示したようにアーム3a’、4a’が折り畳まれた状態で蓋部5eが閉じられている。更に、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する。
【0078】
このように、本発明に係る第2の実施例としてのテント200の収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’によれば、伸縮部材3b、4bを支持するアーム3a’、4a’がスライド自在に収納ボックス5’に収納されるものである。
【0079】
従って、アーム3a’、4a’の長さを所望の長さに調整できる。これにより、テント200の幅を、機器の大きさや作業場所の環境に合わせて正確に設定できる。
【実施例3】
【0080】
続いて、本発明に係る第3の実施例としてのテント300について説明する。図12A及びBは、テント300の構成及び使用例を示す斜視図である。第1の実施例に示したテント100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。テント300は、引掛け部の一例である少なくとも二個のフック60a、60bを有したスイッチギア60の点検作業時に、補助的に作業場所を確保するために設置される。
【0081】
テント300は、シート1、伸縮支持部材3、4、収納ボックス5を備えて構成される。伸縮支持部材3は、スイッチギア60のフック60aに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシート1の一方の側端部1sを支持する。伸縮支持部材4は、伸縮支持部材3が係止されたフック60aとは異なるフック60bに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシート1の他方の側端部1tを支持する。
【0082】
伸縮支持部材3は、アーム3a及び伸縮部材3bから構成される。伸縮部材3bの先端のリング3i(図4A参照)がフック60aに引っ掛けられて固定される。同様に、伸縮支持部材4は、アーム4a及び伸縮部材4bから構成される。伸縮部材4bの先端のリング3iがフック60bに引っ掛けられて固定される。
【0083】
伸縮部材3b、4bのリング3iをフック60a、60bに固定後、図12Aに示したテント300の骨組みにシート1を張り、当該テント300を組み立てる。この例で、テント300の伸縮支持部材3、4のリング3iが、スイッチギア60のフック60a、60bに係止されて固定されるので、テント300は、図9に示したテント100の支柱2a、2bを必要としない。これにより、テント100に比べてテント300を構成する部品数を少なくできる。
【0084】
図13A及びBは、テント300とスイッチギア60との結合例を示す側面図である。図13Aに示す破線円内を拡大したものが図13Bである。図13Bに示すフック60a、60bの形状は略「J」形状である。フック60a、60bは、スイッチギア60の前面側(操作側)に、フック60a、60bの円弧部60cが上を向くように取付けられている。
【0085】
このフック60aの円弧部60cの先端から伸縮部材3bの先端のリング3iが挿入されて、当該伸縮部材3bがフック60aに固定される。同様に、もう一方のフック60bの円弧部60cの先端から伸縮部材4bの先端のリング3iが挿入されて、当該伸縮部材4bがフック60bに固定される。また、フック60a、60bには、シート1の孔部1c、1dが装着されて固定される。このように、テント300とスイッチギア60とが結合される。
【0086】
図12及び図13を参照して説明したように、本発明に係る第3の実施例に係るテント300によれば、少なくとも二個のフック60a、60bを有したスイッチギア60の点検作業時に、補助的に当該スイッチギア60の作業場所を確保する場合であって、スイッチギア60のフック60a、60bに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3、4は、スイッチギア60の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部を支持するものである。
【0087】
従って、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材3、4によりシート1を持ち上げて、当該シート1を凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシート1に雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材3、4に余計な力が加わらず、当該シート1を長時間に渡って安定できる。しかも、スイッチギア60のフック60a、60bを利用して伸縮支持部材3、4の一端が係止されるので、部品数を少なくできる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、遮断器や断路器、スイッチギアなどの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するためのテントに適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る第1の実施例としてのテント100の構成例を示す斜視図である。
【図2】収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の構成例を示す斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の機能例を示す斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は、伸縮部材3bの構成例を示す正面図である。
【図5】ロック機構3jの構成例(その1)を示す正面図である。
【図6】(A)及び(B)は、ロック機構3jの構成例(その2)を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、ロック機構3jの機能例を示す正面図である。
【図8】ピアノ線3gの構成例を示す一部破砕の斜視図である。
【図9】(A)及び(B)は、テント100の使用例を示す斜視図である。
【図10】収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の構成例を示す斜視図である。
【図11】(A)及び(B)は、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の機能例を示す斜視図である。
【図12】(A)及び(B)は、テント300の構成及び使用例を示す斜視図である。
【図13】(A)及び(B)は、テント300とスイッチギア60との結合例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0090】
1 シート
2a、2b 支柱(第1及び第2の支持部材)
3、4 伸縮支持部材(第1及び第2の伸縮支持部材)
3a、4a アーム(回転腕部)
3a’、4a’ アーム(滑動腕部)
3b、4b 伸縮部材
3c、4c (姿勢維持部材)
3j ロック機構
3v ストッパー(棒部材)
3p 引掛け部(受止め部)
5 収納ボックス(収納箱)
100、200、300 テント(作業用補助具)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断器や断路器、スイッチギアなどの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するテントに適用可能な作業用補助具に関する。詳しくは、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持することで、撓んだ伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようにすると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気の監視・制御を行うスイッチギア(SWG)などの機器を点検作業する際に雨が降ると、ビニールシートなどにより当該スイッチギアの作業範囲を覆って当該ビニールシートをテント(第1のテント)の屋根として使用し、雨水がスイッチギアの電子機器に浸入することを防ぐ場合が多い。
【0003】
この場合、例えばスイッチギアの操作盤側のキュービクル(筐体)に備えられた2個のフックに、ビニールシートの角の孔部を引っ掛けてビニールシートの一端を固定する。このビニールシートの一端に対峙する他端を固定して当該ビニールシートをスイッチギアの作業範囲に展開する場合、例えば、当該ビニールシートの他端を近くの外柵などにロープで固定する。このビニールシートを固定する為の外柵が近くにない場合、地中に杭を打って固定し、当該杭にロープでビニールシートの他端を固定して当該ビニールシートをスイッチギアの作業範囲に展開する。このようにして、第1のテントを設置する。
【0004】
また、機器の点検作業をする際に、市販のテント(第2のテント)を使用する場合もある。例えば、このテントは、4本の支柱と、これらの支柱を補強する補強部材と、シートから構成される。補強部材は、例えば、支柱同士を所定の間隔で結合して骨組みを構成する棒状の部材などがある。この第2のテントによれば、補強部材で補強された4本の支柱によりシートを支える。
【0005】
このような従来例に関連して、特許文献1には、雨除け機能付き配電盤が開示されている。この配電盤の雨除け機能によれば、掛具が、扉設置面の所定位置に突出・退避可能に設けられ、雨除け用シートが、突出したときの各掛具に掛け渡されて両側に垂らされ、扉設置面前方空間の上面と左右の各側面とを覆う。これにより、降雨時には、配電盤の扉を開けたときに雨が内部に降り込むのを防止し、晴天時には、掛具を扉設置面から退避できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開平7−115713号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来例に係る第1のテントによれば、スイッチギアの操作盤側のキュービクルに備えられたフックに、ビニールシートの角を引っ掛けて当該ビニールシートの一端を固定し、この他端を近くの外柵や、地中に打ち付けた杭などにロープで固定している。しかしながら、外柵や杭にビニールシートの他端を固定した場合、降雨がビニールシートの所定位置に溜り、当該ビニールシートが雨水の重みで弛むおそれがある。この弛んだ状態が続けば、雨水の重みにより、杭などに固定されたビニールシートが外れ、雨水がスイッチギアの電子機器に浸入するおそれがある。
【0008】
また、第2のテントによれば、第1のテントと同様に降雨がビニールシートの所定位置に溜り、当該ビニールシートが雨水の重みで弛むおそれがある。また、支柱を4本設置すると共に当該支柱同士を補強部材で補強しているので、このテントを組み立てる工数が多くなる。
【0009】
また、特許文献1に記載の雨除け機能付き配電盤によれば、雨除け用シートが、配電盤に前面に備えられた各掛具に掛け渡されて両側に垂らされ、扉設置面前方空間を覆っている。しかしながら、上述のテントと同じように、降雨が雨除け用シートの中央部に溜り、当該雨除け用シートの中央部が雨水の重みで弛むおそれがある。この弛んだ状態が続けば、雨水の重みにより、掛具に掛け渡された雨除け用シートが外れ、雨水が配電盤の電子機器に浸入するおそれがある。
【0010】
そこで、本発明はこのような従来例に係る課題を解決したものであって、シートを凸状に形成できるようにすると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようにした作業用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る第1の作業用補助具は、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、前記シートの一辺を支持する第1及び第2の支持部材と、前記第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、前記第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第1の作業用補助具によれば、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、第1及び第2の支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの一辺を支持する。第1の伸縮支持部材は、上述の第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの一方の側端部を支持する。第2の伸縮支持部材は、第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの他方の側端部を支持する。これにより、円弧状に撓んで展開された2本の伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようになると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようになる。
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係る第2の作業用補助具は、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、前記機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、前記第1の伸縮支持部材が係止された前記引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る第2の作業用補助具によれば、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、シートは、機器の作業場所の所定範囲を覆う。第1の伸縮支持部材は、機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの一方の側端部を支持する。第2の伸縮支持部材は、第1の伸縮支持部材が係止された引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシートの他方の側端部を支持する。これにより、円弧状に撓んで展開された2本の伸縮支持部材によりシートを凸状に形成できるようになると共に、当該シートを支持する骨組みを容易に組み立てることができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る第1の作業用補助具によれば、機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、これらの伸縮支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持するものである。
【0016】
この構成によって、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材によりシートを持ち上げて、当該シートを凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシートに雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材に余計な力が加わらず、当該シートを長時間に渡って安定できる。しかも、伸縮支持部材は伸縮かつ可撓性を有しているので、組み立て時に位置決めに融通が利き、容易に組み立てることができる。また、伸縮支持部材を収縮することにより、運搬可能な作業用補助具を提供できるようになる。
【0017】
本発明に係る第2の作業用補助具によれば、少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保する場合であって、機器の引っ掛部の各々に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有した第1及び第2の伸縮支持部材を備え、これらの伸縮支持部材は、機器の作業場所の所定範囲を覆うシートの両側端部を支持するものである。
【0018】
この構成によって、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材によりシートを持ち上げて、当該シートを凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシートに雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材に余計な力が加わらず、当該シートを長時間に渡って安定できる。しかも、機器の引掛け部に伸縮支持部材の一端が係止されるので、部品数を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
続いて、本発明に係る作業用補助具について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明に係る第1の実施例としてのテント100の構成例を示す斜視図である。図1に示すテント100は、例えば遮断器や断路器などの操作箱などの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するために設置される。
【0021】
テント100は、シート1、支柱2a、2b、伸縮支持部材3、4、収納ボックス5を備えて構成される。支柱2a、2bは第1及び第2の支持部材の一例を構成し、シート1の一辺を支持する。支柱2aと支柱2bは同様の構成であり、支持台2c、連結棒2d〜2f、締付部材2g、2h及びフック2iを有して構成される。この例で、支持台2cは中央に開口部2jを有する。この開口部2jに、連結棒2dの一端がネジ締めなどにより結合される。連結棒2dの他端には、連結棒2eの一端が締付部材2gにより結合される。例えば、連結棒2dの他端に連結棒2eの一端が挿入され、挿入後に、この連結棒2d及び2eの連結部が、締付部材2gのネジ締めなどにより締め付けられて結合される。同様にして、連結棒2eと連結棒2fが、締付部材2hにより締め付けられて結合される。この連結棒2fの先端(支柱2aの先端)には、「L」形状のフック2iが取り付けられる。このフック2iには、シート1及び伸縮支持部材3が引っ掛けられる。
【0022】
伸縮支持部材3は第1の伸縮支持部材の一例を構成し、回転腕部の一例として機能するアーム3a及び伸縮部材3bから構成される。この伸縮部材3bの一端は支柱2aのフック2iに係止され、この伸縮部材3bの他端はアーム3aの先端に固定される。伸縮部材3bは一列の格子形状(パンタグラフ形状)を有し、伸縮かつ可撓性を有してシート1の一方の側端部1sを支持する。例えば、格子状の伸縮部材3bは、各格子の面をシート1の側端部1sに当接して、当該シート1を支持する。
【0023】
もう一方の伸縮支持部材4は第2の伸縮支持部材の一例を構成し、回転腕部の一例として機能するアーム4a及び伸縮部材4bから構成される。この伸縮部材4bの一端は支柱2bのフック2iに係止され、この伸縮部材4bの他端はアーム4aの先端に固定される。伸縮部材4bは、一列の格子形状を有し、伸縮かつ可撓性を有してシート1の他方の側端部1tを支持する。例えば、格子状の伸縮部材4bは、各格子の面をシート1の側端部1tに当接して、当該シート1を支持する。
【0024】
アーム4a、4bは、収納ボックス5の取付け金具5a、5bに一端が回転自在に取り付けられ、他端が収納ボックス5から出し入れされる。収納ボックス5は地面に設置される。また、収納ボックス5は、伸縮支持部材3,4を収納する。
【0025】
シート1は、2本の姿勢棒1a、1b、2個の孔部1c、1d及びシート本体1pから構成される。シート1は、機器の作業場所の所定範囲を覆う。シート1のシート本体1pは四角形の形状であり、当該シート本体1pの一辺には、姿勢棒1aが取り付けられ、この一辺に対峙する一辺には、姿勢棒1bが取り付けられる。姿勢棒1aが取り付けられたシート本体1pの一辺には、所定の間隔を有して孔部1c、1dが設けられる。この孔部1cには、支柱2aのフック2iが通されて引っ掛けられる。また、孔部1dには、支柱2bのフック2iが通されて引っ掛けられる。
【0026】
支柱2a、2bのフック2iにシート本体1pの姿勢棒1aが引っ掛けられた状態で、シート本体1pが、伸縮支持部材3、4の伸縮部材3b、4bに被せられる。このように、テント100は構成される。なお、テント100の縦と横と高さのサイズは、200cm〜250cm程度である。すなわち、テント100のアーム3aから支柱2aまでの距離、支柱2aから支柱2bまでの距離、及び支柱2a、2bの高さが、200cm〜250cm程度である。
【0027】
図2は、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の構成例を示す斜視図である。図2に示す収納ボックス5は、取付け金具5a、5b、足部5c、5d、蓋部5e及び収納部5fを備えて構成される。収納部5fの外部の底面には、足部5c、5dが回転自在に取り付けられる。例えば、足部5c、5dの中心部と収納部5fの底面とがピン5gで係合される。テント100を設置する場合、足部5c、5dは、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定される。これにより、収納部5fの底面の接地面積が増加するので、収納ボックス5が安定する。足部5c、5dの形状は、例えば二股形状である。
【0028】
収納部5fの内部の底面には、取付け金具5a、5bが取り付けられる。例えば、取付け金具5aは、「L」字形状の板金である。この取付け金具5aは、抵抗溶接(スポット溶接)により、一組の取付け金具5aが所定の間隔を有して向き合った状態で、収納部5fの底面に取り付けられる。この取付け金具5aの間には、伸縮支持部材3のアーム3aの一端が係合される。この例で、アーム3aの一端は図示しない孔部を有する。
【0029】
また、取付け金具5aも、収納部5fの底面に対して垂直に起き上がった垂直板5jに孔部を有する。アーム3aの孔部と、取付け金具5aの垂直板5jの孔部が、適合されてピン5kが挿通されてこのピン5kが抜け止めされる。このようにして、取付け金具5aにより、アーム3aを収納ボックス5の底面に回転自在に取り付ける。また、取付け金具5bも、取付け金具5aと同じ「L」字形状の板金であり、収納部5fの底面に取り付けられ、この取付け金具5bの間には、アーム3bの一端が係合される。
【0030】
蓋部5eは、収納部5fに蝶番5iを介して開閉自在に取り付けられる。蓋部5eの深さは、収納部5fの深さよりも深く設計される。これは、アーム3a、4aの先端に取り付けられた伸縮部材3b、4b(図中は一部破砕)を収納するためである。このように、収納ボックス5は構成される。
【0031】
また、アーム3a、4aの先端には、回転自在に姿勢維持部材3c、4cが取り付けられる。この例で、アーム3aの先端は、円弧状に形成されると共に中央部が刳り貫かれて二股を成している。さらに、アーム3aは、この二股を貫通する孔部(図示せず)を有する。また、姿勢維持部材3cの係合部3wは凸型に形成され、この凸型の係合部3wは孔部(図示せず)を有する。アーム3aの二股に凸型の係合部3wが挿入され、アーム3aの孔部と係合部3wの孔部が適合されてピン3fが挿通されてこのピン3fが抜け止めされる。このように取り付けると、姿勢維持部材3cは、ピン3fを回転軸にして、アーム3aの先端の円弧に沿って回転する。姿勢維持部材3cの先端には、一列の格子形状の伸縮部材3b(図中は一部破砕)が取り付けられる。また、伸縮支持部材4のアーム4aの先端にも、アーム3aと同様にして姿勢維持部材4cが取り付けられる。この姿勢維持部材4cの一端には、一列の格子形状の伸縮部材4bが取り付けられる。このように、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4は構成される。なお、アーム3a、4aは、図中の展開された状態において、収納部5fの外枠5f’により支持される。
【0032】
図3A及びBは、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の機能例を示す斜視図である。図3Aに示す伸縮支持部材3、4のアーム3a、4aは、図2に示した状態、すなわちアーム3a、4aが展開された状態から、折り畳まれた状態へ移行したものである。この状態へ移行するためには、先ず、アーム3a、4aの先端に取り付けられた格子状の伸縮部材3b、4b(図中は一部破砕)を縮めて畳む。次に、図2に示した展開されたアーム3aを、取付け金具5aに係合されたピン5kを回転軸にして、反時計回りに略180°回転する。
【0033】
このとき、アーム3aの先端に取り付けられた姿勢維持部材3cも同時に、ピン3fを回転軸にして、この姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bの姿勢を一定に維持しながら、アーム3aが回転すると共に回転する。例えば、姿勢維持部材3cは、伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転する。アーム3aを180°回転後、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bは、この水平姿勢を維持すると共に収納部5fの略中央に位置する。
【0034】
また、アーム3aと同様にして、図2に示した展開されたアーム4aを、取付け金具5bに係合されたピン5kを回転軸にして、反時計回りに略180°回転する。このとき、アーム4aの姿勢維持部材4cの先端に取り付けられた伸縮部材4bは、水平姿勢を維持すると共に収納部5fの略中央に位置する。
【0035】
伸縮部材3b、4bが中央に位置しているので、伸縮部材3b、4bの端部が収納部5fの外枠5f’からはみ出ることなく当該伸縮部材3b、4bを収納できる。また、水平姿勢を維持しているので、蓋部5eを閉めた場合に、当該蓋部5eに伸縮部材3b、4bがつかえることなく蓋部5eを閉めることができる。なお、蓋部5eを閉めた後、蓋部5eの前方に取り付けられたフック5mを、収納部5fのフック係合部(図示せず)に係合して、蓋部5eを収納部5fに固定する。
【0036】
図3Bに示す収納ボックス5は、収納ボックス5の蓋部5eが蝶番5iを介して閉じられたものである。蓋部5eには、把持部5nが取り付けられる。この例で、図3Aに示したようにアーム3a、4aが折り畳まれた状態で蓋部5eが閉じられている。更に、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する。これにより、アーム3a、4a及び伸縮部材3b、4bを有した伸縮支持部材3、4をコンパクトに収納できると共に、遮断器や断路器などの操作箱などの機器の点検作業時に、伸縮支持部材3、4が収納された収納ボックス5を、把持部5nを持って容易に持ち運びできる。また、伸縮支持部材4、5と収納ボックス5とを一体化しているので、保管スペースを狭くできる。
【0037】
図4A及びBは、姿勢維持部材3cに取り付けられた伸縮部材3bの構成例を示す正面図である。図4に示す伸縮部材3bは、格子状に一列に組まれた部材であり、鉄線3e、係合ピン3f、ピアノ線(硬鋼線)3g、ピン3h及びリング3iを備えて構成される。
【0038】
姿勢維持部材3cには、2本の鉄線3eの各一端が、係合ピン3fにより回転自在に係合される。姿勢維持部材3cに係合された2本の鉄線3eの各他端は、鉄線3e’に係合ピン3fにより回転自在に係合される。また、2本の鉄線3e’の略中心部が係合ピン3fにより回転自在に係合される。このように、この例で、鉄線3eが2本、鉄線3e’が2本ほど伸縮部材3bの根本に設置されて格子状に組まれる。
【0039】
各ピアノ線3gは、格子状に組まれた鉄線3e、3e’の上に格子状に組まれる。鉄線3e’の一端とピアノ線3gの一端は、ピン3hにより回転自在に係合される。また、ピアノ線3gと、このピアノ線3gと交差するピアノ線3gの略中心部がピン3hにより回転自在に係合される。また、中心部がピン3hにより係合されたピアノ線3gの一端は、他のピアノ線3gの一端とピン3hにより回転自在に係合される。このようにして、16本のピアノ線3gが格子状に組まれる。格子状に組まれたピアノ線3gの最上部には、このピアノ線3gの略半分の長さのピアノ線3g’が、最上部のピアノ線3gにピン3hにより係合される。略半分の長さのピアノ線3g’には、リング3iがピン3hにより係合される。このように、伸縮部材3bは、鉄線3e、3e’及びピアノ線3g、3g’が係合ピン3f、ピン3hにより係合されて、格子状に組み立てられる。
【0040】
なお、ピアノ線3gの線径は、3mm〜5mm程度である。鉄線3e、3e’は、ピアノ線3gよりも強固に成形される。これは、伸縮部材3bの根本に設置された鉄線3e、3e’が、伸縮部材3bの上方に設置されたピアノ線3gの荷重を支えるためである。鉄線3e、3e’の素材には、金属や樹脂などが使用される。
【0041】
伸縮部材3bは、伸長された格子形状を維持するために、ロック機構3jを備える。このロック機構3jはストッパー3v及び引掛け部3pから構成される。このストッパー3vは棒部材の一例として機能し、伸縮部材3bの鉄線3eの所定位置に取り付けられる。例えば、ストッパー3vは、長さ調整可能な棒状の部材であり、このストッパー3vの一端が、鉄線3eの所定位置に回転自在に取り付けられる。ストッパー3vの他端は、鉄線3e’の引掛け部3pに係止される。
【0042】
この引掛け部3pは受止め部の一例として機能し、ストッパー3vと向き合う位置の鉄線3e’に取り付けられる。引掛け部3pはストッパー3vを受け止めて固定する。ロック機構3jは、ストッパー3vが回転されて引掛け部3pの所定位置に設定され、伸縮部材3bを所定の格子形状に固定すると共に当該伸縮部材3bの長さを維持する。
【0043】
図4Bに示す伸縮部材3bは、鉄線3e’の引掛け部3pに係止されたストッパー3vの他端が取り外されて、格子形状の伸縮部材3bが収縮した状態である。この状態で、伸縮部材3bは、図3に示した収納ボックス5に収納される。なお、図1に示したもう一方の伸縮部材4bは、図中の伸縮部材3bと同様の構成のため詳細な説明は省略する。
【0044】
図5は、ロック機構3jの構成例(その1)を示す正面図である。図5に示すロック機構3jのストッパー3vは、連結棒3k、3m、ネジ3n及びピン3rから構成される。この連結棒3mの後端部には、孔部が設けられる。この孔部に鉄線3eの係合部の孔部(図示せず)が適合された状態で、ピン3rが挿通されて抜け止めされる。これにより、連結棒3mが、鉄線3eに固定されると共に、ピン3rを回転軸にして回転するようになる。
【0045】
連結棒3mには、連結棒3kが連結される。例えば、連結棒3mは筒状の棒であり、連結棒3mの径は連結棒3kの径よりも大きく設定される。大径の連結棒3mの内部に小径の連結棒3kを挿入してストッパー3vを所望の長さに設定する。設定後、ネジ3nを右回転して当該ネジ3nの先端を連結棒3kに当接する。当接された状態で、更にネジ3nを右回転して、連結棒3kと連結棒3mとを圧力により密着させて固定する。これにより、所望の長さに設定されたストッパー3vを形成できる。
【0046】
ストッパー3vを形成後、ストッパー3vの先頭の連結棒3kの先端を、鉄線3e’の引掛け部3pの所定位置に引っ掛けて固定する。これにより、図4Aに示した格子形状を形成後、伸縮部材3bが、この伸縮部材3bの自重により収縮して図4Bに示した収縮形状に移行する動作を抑制することができる。
【0047】
図6A及びBは、ロック機構3jの構成例(その2)を示す説明図である。図6Aは、図5の矢印X1の方向から見た上面図である。図6Bは、図6Aの矢印X2の方向から見た断面図である。図6Bに示すロック機構3jの引掛け部3pは、引掛板3s及び底板3tから構成される。複数の引掛板3sは、底板3tに所定の角度(約45°)を有した状態で、所定の間隔をあけて底板3tに溶接されて固定される。複数の引掛板3sが固定された底板3tは、鉄線3e’の凹部3xにネジなどで固定される。鉄線3e’に固定された底板3tの引掛板3sに、ストッパー3vの連結棒3kの先端が引っ掛けられる。
【0048】
これにより、伸縮部材3bはロックされた状態となる(ロック機能)。従って、ストッパー3vの連結棒3kに矢印Pの方向に加わり、この連結棒3kが矢印Qの方向に移動する動作を止めることができる。これにより、図5で述べたように、伸縮部材3bの格子形状を形成後、ストッパー3vの連結棒3kを引掛板3sに引っ掛けることにより、伸縮部材3bが、この伸縮部材3bの自重により収縮して図4Bに示した収縮形状に移行する動作を抑制することができる。
【0049】
図7A及びBは、ロック機構3jの機能例を示す正面図である。図7A及びBに示すロック機構3jは、上述したロック機能の他に、伸縮部材3bの全長を調整する長さ調整機能を有する。この長さ調整機能は、点検する機器の大きさに合わせて図1に示したシート1を展開する範囲を設定する場合に適用される。
【0050】
この例で、図7Aに示すロック機構3jのストッパー3vの連結棒3kは、図6Bに示した引掛け部3pの引掛板3sに引っ掛けられて固定された状態である(第1の状態)。このとき、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度を角度θ1とする。また、ピン3fとピン3f’との距離を距離L1とする。また、図4に示した各ピアノ線3gで形成する略ひし形の各格子も同様に角度θ1を成し、ピン3hとピン3h’との距離も距離L1となる。
【0051】
点検する機器のサイズが小さくて第1の状態よりも、伸縮部材3bの全長を短く調整する場合、ロック機構3jのストッパー3vの引っ掛ける位置を調整する。例えば、図7Bに示すロック機構3jのストッパー3vの連結棒3kは、図6Bに示した引掛板3sの下段に位置する引掛板3s’に引っ掛けられて固定された状態である(第2の状態)。このとき、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度を角度θ2とする。また、ピン3fとピン3f’との距離を距離L2とする。また、図示しないが、各ピアノ線3gで形成する略ひし形の各格子も同様に角度θ2を成し、ピン3hとピン3h’との距離も距離L2となる。
【0052】
ここで、第1の状態と第2の状態を比較すると、鉄線3e’と鉄線3eとが成す角度の関係は、角度θ1>角度θ2となり、ピン3fとピン3f’との距離は、距離L1>距離L2となっている。また、図示しないが、ピアノ線3gとピアノ線3gとが成す角度の関係も、角度θ1>角度θ2となり、ピン3hとピン3h’との距離も、距離L1>距離L2となる。すなわち、第2の状態の格子形状を構成する略ひし形の各格子は、第1の状態の格子形状の各格子が押しつぶされて形成され、伸縮部材3bの全長は短く調整される。これにより、伸縮部材3bの全長を短く調整することができる。
【0053】
図8は、ピアノ線3gの構成例を示す一部破砕の斜視図である。図8に示すピアノ線3gの両端及び中央部には、平坦部3y及び開口部3zが設けられる。例えば、平坦部3yは、断面円形のピアノ線3gの先端が、押しつぶされて形成される。開口部3zは、平坦部3yの略中央部に設けられる。
【0054】
ピアノ線3gと他のピアノ線3g’とを結合する場合、ピアノ線3g、3g’の平坦部3yを重ね合わせて平坦部3yの開口部3zの位置を適合する。適合後、この開口部3zにピン3hを挿通して、当該ピン3hの先端の凹部30aに抜け止め用のリング30bを嵌合する。これにより、ピアノ線3gと他のピアノ線3g’とがピン3hを回転軸として回転自在に結合される。
【0055】
図9A及びBは、テント100の使用例を示す斜視図である。この例で、遮断器や断路器などの操作箱50の点検作業時に、降雨などに備えて補助的に作業場所を確保するためにテント100を設置する。この例で、テント100は、持ち運びや収納のために、分解されてコンパクトな形にされている。例えば、伸縮支持部材3、4は、図3Bに示したように収納ボックス5に収納されている。支柱2a、2bは、締付部材2g、2hが取り外されて連結棒2d〜2fが分離されている。シート1は、姿勢棒1aを中心にしてロール状に巻かれている。なお、シート1から姿勢棒1a、1bを取り外して、当該シート1を折り畳むようにしてもよい。
【0056】
図9Aに示すテント100は、テント100の骨組みを完成した状態である。テント100が分解されてコンパクトな形にされた状態から、図9Aに示すように、テント100の骨組みを完成するためには、先ず、作業者は、図9Aに示す操作箱50の両側に支柱2a、2bを設置する。例えば、作業者は、支柱2aの連結棒2dの他端に連結棒2eの一端を挿入し、挿入後に、この連結棒2d及び2eの連結部を、締付部材2gにより締め付けて結合する。この場合、操作箱50の高さ、かつ、作業者の身長よりも高くなるように、支柱2a、2bの高さを調整する。
【0057】
次に、作業者は、収納ボックス5を操作箱50の前方に、図3Bに示した持ち運び状態で設置する。設置後、作業者は、収納ボックス5の足部5c、5dを収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転して設定し、収納ボックス5を地面に安定して設置する。その後、作業者は、収納ボックス5の蓋部5eのフック5mを解除して、当該蓋部5eを開く。作業者は、蓋部5eを開いた後、シート1を支持する伸縮支持部材3、4を設置する。
【0058】
この例で、作業者は、図3Aに示した折り畳まれた状態の伸縮支持部材3のアーム3aを展開する。例えば、作業者は、取付け金具5aに係合されたピン5k(図3A参照)を回転軸にして、アーム3aを時計回りに略180°回転する。このとき、アーム3aの先端に取り付けられた姿勢維持部材3cも同時にピン3f(図3A参照)を回転軸にして、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転する。
【0059】
回転後、作業者は、姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3b(図4B参照)を伸ばすと共に湾曲させて格子形状を形成し、当該伸縮部材3bの先端のリング3iを、所定の高さに設置した支柱2aの先端のフック2iに引っ掛けて固定する。リング3iを支柱2aのフック2iに固定した後、作業者は、図5に示したロック機構3jのストッパー3vを引掛け部3pに引っ掛けて固定する。これにより、格子形状に形成された伸縮部材3bの格子形状を維持できると共に、伸縮部材3bの長さを一定に維持できる。従って、伸縮支持部材3が安定する。このようにして、伸縮支持部材3を設置する。
【0060】
同様にして、作業者は、もう一方の伸縮支持部材4を設置する。例えば、作業者は、伸縮支持部材4のアーム4aを展開し、当該アーム4aの先端に取り付けられた伸縮部材4bを伸ばして支柱2bに固定する。これにより、図9Aに示すように、シート1を凸状に張るための骨組みが完成する。
【0061】
図9Bに示すテント100は、図9Aに示したテント100の骨組みにシート1を張り、当該テント100の組み立てを完成した状態である。このように、テント100の骨組みにシート1を張るためには、先ず、作業者は、姿勢棒1aを中心にしてロール状に巻かれたシート1の孔部1c、1dを、支柱2a、2bのフック2iに引っ掛ける。引っ掛けた後、作業者は、ロール状に巻かれたシート1を、伸縮支持部材3、4の伸縮部材3b、4bの上を転がしながら展開する。シート1は、伸縮支持部材3、4に支持された状態で、湾曲された伸縮部材3b、4bの形状に沿って凸状の曲線を描きながら垂れ下がる。このようにして、テント100の骨組みにシート1を張り、当該テント100を組み立てる。
【0062】
このように、本発明に係る第1の実施例としてのテント100によれば、操作箱50の点検作業時に、補助的に当該操作箱50の作業場所を確保する場合であって、伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3,4は、操作箱50の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部1s、1tを支持するものである。
【0063】
従って、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材3,4の伸縮部材3b、4bによりシート1を持ち上げて、当該シート1を凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシート1に雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材3,4に余計な力が加わらず、当該シート1を長時間に渡って安定できる。しかも、伸縮支持部材3,4は伸縮かつ可撓性を有しているので、組み立て時に位置決めに融通が利き、容易に組み立てることができる。また、伸縮支持部材3,4を収縮することにより、運搬可能なテント100を提供できるようになる。
【0064】
なお、操作箱50の点検作業が終了し、組み立てたテント100を分解する場合は、組み立てた順番と反対の順番でテント100を分解する。すなわち、作業者は、伸縮支持部材3,4の伸縮部材3b、4b上に展開されたシート1を、一旦伸縮部材3b、4b上から取り外す。その後、作業者は、展開されたシート1の姿勢棒1bを芯にして、姿勢棒1aに向かって当該シート1を巻いてロール状に形成する。その後、作業者は、図5に示したロック機構3jの引掛け部3pに引っ掛けられたストッパー3vを解除する。解除後、作業者は、支柱2a、2bの先端のフック2iに固定されたリング3iを取り外して、湾曲されて格子形状に形成された伸縮部材3b、4bを縮めて畳む。
【0065】
収縮後、伸縮部材3b、4bを支持するアーム3a、4aを、反時計回りに略180°回転する。このとき、アーム3a、4bの先端に取り付けられた姿勢維持部材3c、4cも、同時にピン3f(図3A参照)を回転軸にして回転する。例えば、姿勢維持部材3cは、当該姿勢維持部材3cの先端に取り付けられた伸縮部材3bが天井を向いた姿勢(水平姿勢)を維持するように回転すると共に収納部5fの中央に位置する。これにより、伸縮部材3b、4b、アーム3a、4aを収納ボックス5にコンパクトに収納できる。
【0066】
その後、作業者は、収納ボックス5の蓋部5eを閉じて、この蓋部5eのフック5mを、収納ボックス5の収納部5fのフック係合部(図示せず)に係合して、蓋部5eを収納部5fに固定する。固定後、作業者は、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する(図3B参照)。その後、支柱2a、2bを分解する。このようにして、テント100を分解してコンパクトにする。
【0067】
なお、格子状の伸縮部材3bの替わりに、釣竿のような棒状の伸縮部材を用いることも考えられる。この場合、当該棒状の伸縮部材の根本を姿勢維持部材3c、4cに取り付け、棒状の伸縮部材を伸ばして当該棒状の伸縮部材の先端を支柱2a、2bのフック2iに取り付ける。
【0068】
また、格子状の伸縮部材3b、4bは、各格子の面をシート1に当接して当該シート1を支持したが、当該伸縮部材3b、4bの各格子の面を縦向き(垂直)にして、当該伸縮部材3b、4bの各格子の角がシート1に立つように支持してもよい。伸縮部材3b、4bの各格子の角がシート1に立つように支持すると湾曲し難くなるので、各格子の面をシート1に当接して当該シート1を支持する場合と比較して、シート1を支える強度が強くなる。
【0069】
また、テント100は、操作箱50の点検作業以外にも、アウトドアの日除け用としても利用できる。
【実施例2】
【0070】
続いて、本発明に係る第2の実施例としてのテント200について説明する。図10は、テント200における収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の構成例を示す斜視図である。第1の実施例に示したテント100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図10に示す収納ボックス5’は、足部5c、5d、蓋部5e、収納部5f及びレール5p、5q、を備えて構成される。収納部5fの外部の底面には、足部5c、5dが回転自在に取り付けられる。蓋部5eは、収納部5fに蝶番5iを介して開閉自在に取り付けられる。収納ボックス5’の収納部5fの内部底面には、レール5pとレール5qが平行に取り付けられる。レール5pとレール5qの長さは等しく設定される。レール5p、5bの係合部5rの形状は「H」形状である。
【0072】
伸縮支持部材3’、4’は、アーム3a’、4a’、伸縮部材3b、4b及び位置変更部材3c’、4c’から構成される。伸縮支持部材3’のアーム3a’は滑動腕部の一例として機能し、レール5pの「H」形状の係合部5rの首部を掴むように、滑動(スライド)自在に取り付けられ、当該アーム3a’の一端が収納ボックス5’から出し入れされる。また、伸縮支持部材4’のアーム4a’は、レール5qの係合部5rにスライド自在に取り付けられ、当該アーム4a’の一端が収納ボックス5’から出し入れされる。
【0073】
このアーム3a’、4a’には、位置変更部材3c’、4c’がスライド自在に取り付けられる。この例で、位置変更部材3c’、4c’の係合部5tの形状は「H」形状である。位置変更部材3c’、4c’は、この「H」形状の係合部5tが、アーム3a’、4a’の上面のスリット5sに挿入されてスライド自在に係合される。なお、スリット5sの範囲は、アーム3a’、4a’の先端部から後端部近傍までである。これは、位置変更部材3c’が後端部から抜け出ることを防ぐためである。位置変更部材3c’の先端には、伸縮部材3b(図中一部破砕)が取り付けられる。位置変更部材4c’の先端には、伸縮部材4bが取り付けられる。このように、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’は構成される。
【0074】
なお、アーム3a’、4a’がレール5p、5bから抜けないようにする抜け止め機構を備えるようにしてもよい。例えば、レール5pの係合部5rの終端部に所定深さの開口部(図示せず)を設け、また、アーム3a’の終端部に自動起立型の爪部(図示せず)を設ける。アーム3a’が許容量を超えてスライドされると、アーム3a’の爪部が、レール5pの開口部を通過する際に、自動的に起立して開口部に引っ掛かってアーム3a’のスライドを停止する。これにより、アーム3a’がレール5pから抜けないようにできる。
【0075】
図11A及びBは、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の機能例を示す斜視図である。図11Aに示す伸縮支持部材3’、4’のアーム3a’、4a’は、図10に示した状態、すなわちアーム3a’、4a’が伸長方向にスライドされた状態から、収縮方向にスライドされて収納された状態へ移行したものである。この状態へ移行するためには、先ず、アーム3a’、4a’の先端に取り付けられた格子状の伸縮部材3b、4bを縮めて畳む。次に、伸長方向にスライドされたアーム3a’を、収縮方向(収納部5fの内部方向)にスライドすると共に、アーム3a’の位置変更部材3c’を当該アーム3a’の略中央部にスライドする。同様にして、伸長方向にスライドされたアーム4a’を、収縮方向にスライドすると共に、アーム4a’の位置変更部材4c’を当該アーム4a’の略中央部にスライドする。
【0076】
これにより、アーム3a’、4a’が収納部5fの内部に収まると共に、位置変更部材3c’、4c’に取り付けられた伸縮部材3b、4bの位置が中央に変更するので、伸縮部材3b、4bの端部が収納部5fの外枠5f’からはみ出ることなく当該伸縮部材3b、4bを収納できる。また、伸縮部材3b、4bが水平姿勢を維持しているので、蓋部5eを閉めた場合に、当該蓋部5eにこの伸縮部材3b、4bがつかえることなく蓋部5eを閉めることができる。
【0077】
図11Bに示す収納ボックス5’は、収納ボックス5’の蓋部5eが蝶番5iを介して閉じられたものである。蓋部5eには、把持部5nが取り付けられる。この例で、図11Aに示したようにアーム3a’、4a’が折り畳まれた状態で蓋部5eが閉じられている。更に、収納部5fの長手方向に対して垂直方向を向くように回転されて設定された足部5c、5dを、当該長手方向に対して平行な向きを向くように回転する。
【0078】
このように、本発明に係る第2の実施例としてのテント200の収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’によれば、伸縮部材3b、4bを支持するアーム3a’、4a’がスライド自在に収納ボックス5’に収納されるものである。
【0079】
従って、アーム3a’、4a’の長さを所望の長さに調整できる。これにより、テント200の幅を、機器の大きさや作業場所の環境に合わせて正確に設定できる。
【実施例3】
【0080】
続いて、本発明に係る第3の実施例としてのテント300について説明する。図12A及びBは、テント300の構成及び使用例を示す斜視図である。第1の実施例に示したテント100と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。テント300は、引掛け部の一例である少なくとも二個のフック60a、60bを有したスイッチギア60の点検作業時に、補助的に作業場所を確保するために設置される。
【0081】
テント300は、シート1、伸縮支持部材3、4、収納ボックス5を備えて構成される。伸縮支持部材3は、スイッチギア60のフック60aに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシート1の一方の側端部1sを支持する。伸縮支持部材4は、伸縮支持部材3が係止されたフック60aとは異なるフック60bに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されてシート1の他方の側端部1tを支持する。
【0082】
伸縮支持部材3は、アーム3a及び伸縮部材3bから構成される。伸縮部材3bの先端のリング3i(図4A参照)がフック60aに引っ掛けられて固定される。同様に、伸縮支持部材4は、アーム4a及び伸縮部材4bから構成される。伸縮部材4bの先端のリング3iがフック60bに引っ掛けられて固定される。
【0083】
伸縮部材3b、4bのリング3iをフック60a、60bに固定後、図12Aに示したテント300の骨組みにシート1を張り、当該テント300を組み立てる。この例で、テント300の伸縮支持部材3、4のリング3iが、スイッチギア60のフック60a、60bに係止されて固定されるので、テント300は、図9に示したテント100の支柱2a、2bを必要としない。これにより、テント100に比べてテント300を構成する部品数を少なくできる。
【0084】
図13A及びBは、テント300とスイッチギア60との結合例を示す側面図である。図13Aに示す破線円内を拡大したものが図13Bである。図13Bに示すフック60a、60bの形状は略「J」形状である。フック60a、60bは、スイッチギア60の前面側(操作側)に、フック60a、60bの円弧部60cが上を向くように取付けられている。
【0085】
このフック60aの円弧部60cの先端から伸縮部材3bの先端のリング3iが挿入されて、当該伸縮部材3bがフック60aに固定される。同様に、もう一方のフック60bの円弧部60cの先端から伸縮部材4bの先端のリング3iが挿入されて、当該伸縮部材4bがフック60bに固定される。また、フック60a、60bには、シート1の孔部1c、1dが装着されて固定される。このように、テント300とスイッチギア60とが結合される。
【0086】
図12及び図13を参照して説明したように、本発明に係る第3の実施例に係るテント300によれば、少なくとも二個のフック60a、60bを有したスイッチギア60の点検作業時に、補助的に当該スイッチギア60の作業場所を確保する場合であって、スイッチギア60のフック60a、60bに一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有した伸縮支持部材3、4を備え、これらの伸縮支持部材3、4は、スイッチギア60の作業場所の所定範囲を覆うシート1の両側端部を支持するものである。
【0087】
従って、円弧状に撓んで展開された伸縮支持部材3、4によりシート1を持ち上げて、当該シート1を凸状に形成できる。これにより、凸状に形成されたシート1に雨や塵などが溜らないので、伸縮支持部材3、4に余計な力が加わらず、当該シート1を長時間に渡って安定できる。しかも、スイッチギア60のフック60a、60bを利用して伸縮支持部材3、4の一端が係止されるので、部品数を少なくできる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、遮断器や断路器、スイッチギアなどの機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するためのテントに適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る第1の実施例としてのテント100の構成例を示す斜視図である。
【図2】収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の構成例を示す斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は、収納ボックス5及び伸縮支持部材3、4の機能例を示す斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は、伸縮部材3bの構成例を示す正面図である。
【図5】ロック機構3jの構成例(その1)を示す正面図である。
【図6】(A)及び(B)は、ロック機構3jの構成例(その2)を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、ロック機構3jの機能例を示す正面図である。
【図8】ピアノ線3gの構成例を示す一部破砕の斜視図である。
【図9】(A)及び(B)は、テント100の使用例を示す斜視図である。
【図10】収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の構成例を示す斜視図である。
【図11】(A)及び(B)は、収納ボックス5’及び伸縮支持部材3’、4’の機能例を示す斜視図である。
【図12】(A)及び(B)は、テント300の構成及び使用例を示す斜視図である。
【図13】(A)及び(B)は、テント300とスイッチギア60との結合例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0090】
1 シート
2a、2b 支柱(第1及び第2の支持部材)
3、4 伸縮支持部材(第1及び第2の伸縮支持部材)
3a、4a アーム(回転腕部)
3a’、4a’ アーム(滑動腕部)
3b、4b 伸縮部材
3c、4c (姿勢維持部材)
3j ロック機構
3v ストッパー(棒部材)
3p 引掛け部(受止め部)
5 収納ボックス(収納箱)
100、200、300 テント(作業用補助具)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、
前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、
前記シートの一辺を支持する第1及び第2の支持部材と、
前記第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、
前記第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とする作業用補助具。
【請求項2】
前記第1及び第2の伸縮支持部材を収納する収納箱を備えることを特徴とする請求項1に記載の作業用補助具。
【請求項3】
前記第1及び第2の伸縮支持部材は、
前記収納箱の所定位置に一端が回転自在に取り付けられ、他端が前記収納箱から出し入れされる回転腕部と、
前記回転腕部の先端に回転自在に取付けられた姿勢維持部材と、
前記姿勢維持部材に取り付けられ、伸縮かつ可撓性を有した、一列の格子形状の伸縮部材とを備え、
前記姿勢維持部材は、
前記伸縮部材の姿勢を一定に維持しながら、前記回転腕部の回転と共に回転することを特徴とする請求項2に記載の作業用補助具。
【請求項4】
前記第1及び第2の伸縮支持部材は、
前記収納箱の所定位置に滑動自在に取り付けられ、一端が前記収納箱から出し入れされる滑動腕部と、
前記滑動腕部に滑動自在に取付けられた位置変更部材と、
前記位置変更部材に取り付けられ、伸縮かつ可撓性を有した、一列の格子形状の伸縮部材とを備え、
前記位置変更部材は、
前記滑動腕部が滑動すると共に所定方向に滑動して前記伸縮部材の位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の作業用補助具。
【請求項5】
前記伸縮部材は、ロック機構を備え、
前記ロック機構は、
当該伸縮部材の所定位置に回転自在に取り付けられた棒部材と、
前記棒部材を受け止めて固定する受止め部とを備え、
前記棒部材が回転されて前記受止め部の所定位置に設定され、前記伸縮部材を所定の格子形状に固定すると共に、当該伸縮部材の長さを維持することを特徴とする請求項3及び4に記載の作業用補助具。
【請求項6】
少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、
前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、
前記機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、
前記第1の伸縮支持部材が係止された前記引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とする作業用補助具。
【請求項1】
機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、
前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、
前記シートの一辺を支持する第1及び第2の支持部材と、
前記第1の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、
前記第2の支持部材に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とする作業用補助具。
【請求項2】
前記第1及び第2の伸縮支持部材を収納する収納箱を備えることを特徴とする請求項1に記載の作業用補助具。
【請求項3】
前記第1及び第2の伸縮支持部材は、
前記収納箱の所定位置に一端が回転自在に取り付けられ、他端が前記収納箱から出し入れされる回転腕部と、
前記回転腕部の先端に回転自在に取付けられた姿勢維持部材と、
前記姿勢維持部材に取り付けられ、伸縮かつ可撓性を有した、一列の格子形状の伸縮部材とを備え、
前記姿勢維持部材は、
前記伸縮部材の姿勢を一定に維持しながら、前記回転腕部の回転と共に回転することを特徴とする請求項2に記載の作業用補助具。
【請求項4】
前記第1及び第2の伸縮支持部材は、
前記収納箱の所定位置に滑動自在に取り付けられ、一端が前記収納箱から出し入れされる滑動腕部と、
前記滑動腕部に滑動自在に取付けられた位置変更部材と、
前記位置変更部材に取り付けられ、伸縮かつ可撓性を有した、一列の格子形状の伸縮部材とを備え、
前記位置変更部材は、
前記滑動腕部が滑動すると共に所定方向に滑動して前記伸縮部材の位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の作業用補助具。
【請求項5】
前記伸縮部材は、ロック機構を備え、
前記ロック機構は、
当該伸縮部材の所定位置に回転自在に取り付けられた棒部材と、
前記棒部材を受け止めて固定する受止め部とを備え、
前記棒部材が回転されて前記受止め部の所定位置に設定され、前記伸縮部材を所定の格子形状に固定すると共に、当該伸縮部材の長さを維持することを特徴とする請求項3及び4に記載の作業用補助具。
【請求項6】
少なくとも二個の引掛け部を有した機器の点検作業時に、補助的に当該機器の作業場所を確保するための作業用補助具であって、
前記機器の作業場所の所定範囲を覆うシートと、
前記機器の引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの一方の側端部を支持する第1の伸縮支持部材と、
前記第1の伸縮支持部材が係止された前記引っ掛部とは異なる引っ掛部に一端が係止され、伸縮かつ可撓性を有し、他端が地面に設置されて前記シートの他方の側端部を支持する第2の伸縮支持部材とを備えることを特徴とする作業用補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−102808(P2009−102808A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272887(P2007−272887)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(596133119)中電プラント株式会社 (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(596133119)中電プラント株式会社 (101)
【Fターム(参考)】
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