説明

無端成形体の製造方法

【課題】導電性付与剤の凝集を防止し、高品質の画像を形成することに貢献する無端成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
100質量部の導電性付与剤、及び、0.1〜50質量部の樹脂を混合して、樹脂含有導電性付与剤組成物を調製する工程と、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に更に溶媒及び前記樹脂と同種の樹脂を混合し、前記樹脂、前記同種の樹脂及び導電性付与剤の合計100質量%に対して前記導電性付与剤が1〜25質量%の割合とした導電性樹脂組成物を調整する工程と、前記導電性樹脂組成物を成形する工程とを有する無端成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端成形体の製造方法に関し、さらに詳しくは、例えば、画像形成装置等に装着されたときに、高品質の画像を形成することに貢献する無端成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種装置、例えば、プーリ、駆動装置、無限軌道装置、画像形成装置等に、無端成形体等が使用されている。その一例を挙げると、例えば、画像形成装置には、金属製ドラム体又は弾性ローラに代えて、又は、これらに加えて、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等によって形成された無端成形体が、例えば、転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルト、定着ベルト及び現像ベルト等として、用いられている。
【0003】
このような無端成形体は、通常、成形材料を遠心成形法、押出成形法等で無端状に成形することによって製造される。遠心成形法としては、例えば、遠心成形用の筒状金型を加熱すると共に回転させ、この筒状金型の内部に流動性の成形材料を注入して筒状金型の内周面に成形材料を展開し、展開させた成形材料を架橋又は硬化等した後、筒状金型を冷却して、成形された無端成形基体を筒状金型から取り出し、無端成形基体を所望の長さに切断等して、無端成形体を製造する方法が挙げられる。
【0004】
遠心成形法に使用される成形材料は、画像形成装置に装着される無端成形体の場合には、通常、樹脂、導電性付与剤、所望により溶媒及び/又は各種添加剤等を混合して、調製され、一般的には、樹脂及び所望により各種添加剤等を溶媒に溶解した樹脂溶液と、導電性付与剤を分散させた分散液又は導電性付与剤とを混合して、調製される。
【0005】
このようにして製造される無端成形体は、表面抵抗率又は体積抵抗率等の電気特性が不均一である場合には、例えば、無端成形体を画像形成装置の転写搬送ベルト又は搬送ベルト等として装着すると、記録体を均一に静電吸着することができなくなり、記録体の位置ずれが生じ、特にタンデム型画像形成装置の場合には、形成される画像の品質が低下することがある。また、無端成形体を画像形成装置の転写ベルト、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、定着ベルト又は現像ベルト等として装着すると、表面抵抗率又は体積抵抗率の低い位置に現像剤が過剰に担持され、過剰に担持された現像剤によって、ハーフトーン画像等に「黒点」が生じて、形成される画像の品質が低下することがある。
【0006】
ところで、無端成形体が装着される画像形成装置には、像担持体に帯電した電気を除去する除電機構を備えた装置と備えていない装置とがある。前記除電機構及び無端成形体を備えた画像形成装置において、像担持体の除電が適正に行われない場合、又は、像担持体の除電機構を備えていない画像形成装置に無端成形体が装着される場合には、無端成形体の電気特性が不均一であると、やはり、形成される画像の品質が低下することがある。
【0007】
そこで、無端成形体の製造方法等について各種の検討がなされている。例えば、成形材料をメッシュのフィルター等に通過させて、カーボンブラック凝集体を除去する方法(例えば、特許文献1及び2参照。)、及び、第一の樹脂組成物と第二の樹脂組成物とを用いる方法(特許文献3参照。)等が挙げられ、また、カーボンブラックの凝集塊が少ない、カーボンブラック分散ポリイミド樹脂材料を調製するために、ポリイミド樹脂材料にカーボンブラックを分散させるときの条件として、分散処理条件、カーボンブラックとポリイミド樹脂との相溶性、カーボンブラックの吸油量、分散時の剪断力等を適宜選択することについて言及されている(特許文献4参照。)。
【0008】
【特許文献1】特許第3461005号明細書
【特許文献2】特開2006−71831号公報の段落番号0070欄
【特許文献3】特開2003−5531号公報の請求項9等
【特許文献4】特開2000−172085号公報の段落番号0019欄
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、導電性付与剤の凝集を防止し、高品質の画像を形成することに貢献する無端成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、100質量部の導電性付与剤、及び、0.1〜50質量部の樹脂を混合して、樹脂含有導電性付与剤組成物を調製する工程と、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に更に溶媒及び前記樹脂と同種の樹脂を混合し、前記樹脂、前記同種の樹脂及び導電性付与剤の合計100質量%に対して前記導電性付与剤が1〜25質量%の割合とした導電性樹脂組成物を調整する工程と、前記導電性樹脂組成物を成形する工程とを有する無端成形体の製造方法であり、
請求項2は、前記樹脂は、ポリアミドイミド樹脂である請求項1に記載の無端成形体の製造方法であり、
請求項3は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物は、導電性付与剤100質量部に対して更に100〜2000質量部の溶媒が混合されて調製される請求項1に記載の無端成形体の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る無端成形体の製造方法は、導電性付与剤に予め所定量の樹脂を混合して樹脂含有導電性付与剤組成物を調整し、この樹脂含有導電性付与剤組成物に残りの樹脂を混合して導電性樹脂組成物を調整するから、導電性付与剤を樹脂に均一に分散させることができるうえ、導電性付与剤等の凝集体の形成を防止することができる。したがって、この発明によれば、高品質の画像を形成することに貢献する無端成形体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明に係る無端成形体の製造方法について、無端成形体として、例えば、図2に示される画像形成装置に好適に装着される無端ベルト1を例に説明する。この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造される無端ベルト1は、例えば、図1に示されるように、後述する導電性樹脂組成物によって、環状に形成されて成る。無端ベルト1は、図1に示されるように、単層構造とされているが、二以上の層を積層した多層構造とされてもよい。無端ベルト1の厚さは、特に限定されないが、通常、例えば、0.03〜1mmであるのが好ましく、0.05〜0.2mmであるのがより好ましく、0.07〜0.14mm程度であるのが特に好ましい。無端ベルト1の厚さが0.03mm未満であると、無端ベルト1の機械的強度が低下することがあり、一方、1mmを超えると、無端ベルト1の可撓性が低下し、耐久性に劣ることがある。無端ベルト1の幅及び内周径は、無端ベルト1の用途等、すなわち、画像形成装置に配設される位置(構成部分)、張架される複数のローラ間隔等に応じて、所望の幅及び内周径となるように、任意に設定される。その一例を挙げると、例えば、無端ベルト1の幅は200〜350mmであり、内周径は200〜2,500mmである。
【0013】
この無端ベルト1は、通常、1×10〜1×1013Ω・cmの体積抵抗率を有するのが好ましく、1×1010〜1×1012Ω・cmであるのが特に好ましい。体積抵抗率が前記範囲内にあると、無端ベルト1を画像形成装置に使用した場合に、高品質の画像を形成することができる。体積抵抗率は、体積抵抗測定装置(三菱化学株式会社製、商品名:Hiresta−UP、使用プローブ:URS)により測定することができる。
【0014】
この発明に係る無端成形体の製造方法においては、まず、導電性付与剤と樹脂とを混合(この発明においては、混合に分散及び懸濁等の意味も含まれる。)して、樹脂含有導電性付与剤組成物を調製する。この工程を樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程と称する。
【0015】
樹脂含有導電性付与剤組成物を調製するのに使用される導電性付与剤としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の各種カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛粉末、金属又は合金等からなる針状、球状、板状及び不定形等の粉末、セラミックス粉末、表面が金属メッキされた各種粒子等が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが、粒径、導電性及び樹脂との親和性等がバランスよく優れている点で、好ましい。また、カーボンブラックは、樹脂との親和性が向上する点で、酸化処理により、カルボキシ基、ヒドロキシ基等を付加した酸化処理カーボンブラックがより好ましく、pH6以下の酸化処理カーボンブラックも好ましい。
【0016】
導電性付与剤の好ましい形状は球状又は不定形である。球状又は不定形をなす導電性付与剤の粒子のサイズは、導電性付与剤と後述する樹脂とを均一に混合することができる点で、通常、一次粒子径として0.01〜0.1μm程度がよいが、この発明に係る無端成形体の製造方法においては、導電性付与剤と後述する樹脂とをより一層均一に混合することができるから、導電性付与剤の粒子のサイズは、一次粒子径として、0.1μm程度以上でもよい。導電性付与剤がカーボンブラックの場合、そのBET比表面積は、一次粒子径との相関性が強く、50〜300m/gであることが好ましく、100〜200m/gがより好ましい。
【0017】
樹脂含有導電性付与剤組成物を調製するのに使用される樹脂は、ある程度の強度を有し、繰返し変形に耐える可撓性に富む樹脂単体又は複数種類の樹脂であるのがよく、このような樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、架橋型ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、ポリアミドイミド樹脂がより好ましく、特に、芳香族ポリアミドイミド樹脂が、強度、可撓性、寸法安定性及び耐熱性等の機械的特性がバランスよく優れている点で、好ましい。
【0018】
前記芳香族ポリアミドイミド樹脂は、トリカルボン酸無水物とジイソシアネート化合物とを反応させるジイソシアネート法により製造することができ、原料の入手、反応性及び副生成物が少ない等の点で優れている。ジイソシアネート法で製造される芳香族ポリアミドイミド樹脂の他にも、重縮合反応を好適に進めることができるのであれば、ジイソシアネート化合物に代えてジアミン化合物を用いて製造される芳香族ポリアミドイミド樹脂も、好ましい。ジアミン化合物を用いて得られる芳香族ポリアミドイミド樹脂は、ヤング率が高く、無端ベルト1を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂として好適である。また、トリカルボン酸無水物の一部をテトラカルボン酸二無水物に代えてイミド結合を増加させた芳香族ポリアミドイミド樹脂は、耐湿性に優れている。芳香族ポリアミドイミド樹脂は、適宜の溶媒中で、常圧下、及び、常温下又は加熱下で反応させることにより、容易に合成することができる。
【0019】
前記トリカルボン酸無水物としては、芳香族トリカルボン酸無水物が好ましく、例えば、トリメリット酸無水物、3,4,4’−ジフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、2,3,5−ピリジントリカルボン酸無水物、ナフタレントリカルボン酸無水物、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの酸無水物は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
トリカルボン酸無水物の一部に代えて用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
前記ジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート化合物を好ましく挙げることができる。また、ジイソシアネート化合物として、芳香族ジイソシアネート化合物と共に、又は芳香族ジイソシアネート化合物に代えて、脂肪族ジイソシアネート化合物及び/又は脂環式ジイソシアネート化合物を、又はこれらの誘導体であるアミン類を使用することもできる。
【0022】
芳香族ジイソシアネート化合物として、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−ジイソシアネートジフェニルスルホン、4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、2,4−トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、これらの芳香族ジイソシアネート化合物の誘導体であるジアミン類も原料として利用できる。脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物の中でも、無端ベルト1の耐熱性、機械的特性及び溶解性等を考慮すると、使用する全ジイソシアネート化合物中の60質量%以上、好ましくは70質量%以上を、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、イソホロンジイソシアネート又はこれらの誘導体であるジアミン類とすることが好ましい。さらに、無端ベルト1の寸法安定性を考慮すると、使用する全ジイソシアネート化合物中の70質量%以上をジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート又はこの誘導体である4,4′−ジアミノジフェニルメタンとすることがより好ましい。
【0023】
芳香族ポリアミドイミド樹脂を合成する重縮合反応に使用される溶媒としては、溶解性の点で極性溶媒が好ましく、反応性を考慮すると非プロトン性極性溶媒が特に好ましい。非プロトン性極性溶媒として、例えば、N,N−ジアルキルアミド類が挙げられ、N,N−ジアルキルアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、及び、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド等が挙げられる。また、極性溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等も好ましい。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
なお、芳香族ポリアミドイミド樹脂を合成するのに溶媒が使用される場合には、得られる芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液における芳香族ポリアミドイミド樹脂の含有量は、特に制限されないが、例えば、5〜50質量%に調整されているのが好ましく、10〜40質量%に調整されているのが特に好ましい。芳香族ポリアミドイミド樹脂の含有量が前記範囲内にあると、後述する導電性樹脂組成物を成形する工程における作業性及び樹脂含有導電性付与剤組成物等の取扱性等に優れる。
【0025】
また、樹脂としてポリアミドイミド樹脂を選択する場合には、前記のようにポリアミドイミド樹脂を予め合成する他に、ポリアミドイミド樹脂の原料である前記トリカルボン酸無水物と前記ジイソシアネート化合物とが一部重合したポリアミド酸又はこのポリアミド酸の溶液を用いることもできる。
【0026】
樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程においては、前記導電性付与剤100質量部と、前記樹脂0.1〜50質量部とを混合する。導電性付与剤と樹脂とを前記範囲で混合すると、樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程は勿論、後述する導電性樹脂組成物を調製する工程においても、また、後述する導電性樹脂組成物を成形する工程においても、導電性付与剤と樹脂との均一な混合状態(この発明においては、混合状態に分散状態又は懸濁状態等の意味も含まれる。)を達成することができる。導電性付与剤と樹脂との均一な混合状態を長期間にわたって保持することができるうえ、導電性付与剤の粒径が大きくても導電性付与剤と樹脂との均一な混合状態を達成することができる点で、樹脂の混合割合は、導電性付与剤100質量部に対して、0.5〜40質量部であるのが好ましく、1〜35質量部であるのがより好ましく、4〜15質量部であるのが特に好ましい。
【0027】
ここで、前記樹脂として、前記反応、例えば、重縮合反応により溶媒中で合成された芳香族ポリアミドイミド樹脂を選択する場合には、樹脂と導電性付与剤とを混合する場合の他に、芳香族ポリアミドイミド樹脂の溶液、分散液又は懸濁液(これらを芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液と称する。)と導電性付与剤とを混合してもよい。この場合に、芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液と導電性付与剤との混合割合は、芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液に含有される芳香族ポリアミドイミド樹脂の樹脂成分に換算して前記配合量とされる。
【0028】
樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程においては、導電性付与剤及び樹脂に加えて、導電性付与剤100質量部に対して100〜2000質量部の溶媒を混合することができる。前記混合割合で導電性付与剤と樹脂と溶媒とを混合すると、導電性付与剤と樹脂とのより一層均一な混合状態を達成することができる。導電性付与剤と樹脂とのより一層均一な混合状態を長期間にわたって保持することができる点で、溶媒の混合割合は、導電性付与剤100質量部に対して200〜1500質量部であるのが好ましく、300〜900質量部であるのが特に好ましい。溶媒は、前記重縮合反応に使用される溶媒として例示した溶媒と同種類の溶媒等が挙げられる。
【0029】
樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程においては、この発明の目的を阻害しない限り、導電性付与剤及び樹脂に加えて、他の成分を混合してもよい。他の成分としては、例えば、分散剤、シリコーン系化合物、フッ素系有機化合物、カップリング剤、滑剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、老化防止剤、補強性充填材、反応助剤、反応抑制剤等の各種添加剤等が挙げられる。これら他の成分の樹脂含有導電性付与剤組成物における含有量は、これら他の成分の添加により前記樹脂含有導電性付与剤組成物に発現させる特性に応じて適宜に決定されることが、できる。
【0030】
分散剤は、使用する溶媒の極性に合わせて選択されるのが好ましく、好適に選択される分散剤として、例えば、極性溶媒用の高分子分散剤(分子量約2000以上)等が挙げられる。分散剤の添加量は特に制限はないが、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に用いられる樹脂及び後述する導電性樹脂組成物に用いられる導電性付与剤の質量の合計100質量部に対して、0.01〜100質量部であるのが好ましく、0.1〜80質量部程度が特に好ましい。また、必要に応じ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤等を分散剤と併用することも可能である。なお、分散剤は上記例示に限定されない。
【0031】
導電性付与剤と樹脂とは、例えば、ジェットミル、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機、三本ロール、ホモジナイザー、ボールミル、ポットミル、ビーズミル及び超音波分散装置等の混合機又は分散装置等を用いて、混合される。導電性付与剤と樹脂との混合条件は、樹脂と導電性付与剤との均一な混合状態を達成することができる条件であればよく、例えば、温度、混合時間、混合方法等を、導電性付与剤の樹脂に対する分散性等に応じて、任意の条件を選択することができる。好ましくは、溶媒中で、導電性付与剤と樹脂とを混合する。
【0032】
このようにして、樹脂と導電性付与剤とが均一に混合された樹脂含有導電性付与剤組成物を調整することができる。
【0033】
この発明に係る無端成形体の製造方法においては、次いで、前記樹脂含有導電性付与剤組成物と樹脂と溶媒とを混合して、導電性樹脂組成物を調製する。この工程を導電性樹脂組成物調製工程と称する。
【0034】
導電性樹脂組成物を調製するのに使用される樹脂は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物を調製するのに使用される樹脂と同種の樹脂である。導電性樹脂組成物を調製するのに使用される樹脂と前記樹脂含有導電性付与剤組成物を調製するのに使用される樹脂とが同種の樹脂であると、導電性付与剤の樹脂に対する分散性がほぼ等しく、導電性樹脂組成物においても樹脂と導電性付与剤とを均一に混合することができる。導電性樹脂組成物を調製するのに使用される樹脂は、導電性付与剤と樹脂との均一な混合状態を長期間にわたって保持することができる点で、前記樹脂含有導電性付与剤組成物を調製するのに使用される樹脂と同じ樹脂であるのが好ましい。ここで、「同種」とは、両樹脂において、それらの主鎖の繰り返し単位中に含有される特徴的な構造又は結合、例えば、ポリアミド樹脂であればアミド結合、ポリイミド樹脂であればイミド結合、ポリアミドイミド樹脂であればイミド結合及びアミド結合の少なくとも一部が同一である樹脂をいい、「同じ」とは、両樹脂において、それらの主鎖の繰り返し単位中に特徴的な構造又は結合が同一であり、かつ、それら樹脂を構成するモノマーが同一である樹脂をいう。
【0035】
導電性樹脂組成物を調製するのに使用される溶媒は、特に制限されないが、導電性付与剤と樹脂とのより一層均一な混合状態を達成することができる点で、前記重縮合反応に使用される溶媒として例示した溶媒と同種類の溶媒であるのが好ましく、樹脂として芳香族ポリアミドイミド樹脂又は芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液を選択する場合には、芳香族ポリアミドイミド樹脂を合成する際に使用された溶媒と同じ溶媒であるのが好ましい。
【0036】
導電性樹脂組成物は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている樹脂、この樹脂と同種の樹脂、及び、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている導電性付与剤の合計100質量%に対して、導電性樹脂組成物に混合される導電性付与剤が1〜25質量%の割合となるように、調整される。導電性付与剤の混合割合が1質量%より少ないと、発現する導電性が小さいことがあり、一方、導電性付与剤の混合割合が25質量%を超えると、無端ベルト1の機械的強度が低下することがある。無端ベルト1の導電性と機械的強度とをより一層高い水準で両立することができる点で、導電性付与剤は、前記合計100質量%に対して、5〜22質量%の割合で混合されるのが好ましく、8〜20質量%の割合で混合されるのが特に好ましい。
【0037】
導電性樹脂組成物は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている樹脂、この樹脂と同種の樹脂、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている導電性付与剤、及び、溶媒の合計100質量%に対して、導電性樹脂組成物に混合される樹脂が5〜90質量%の割合となるように、調整されるのが好ましく、8〜80質量%の割合となるように、調整されるのが特に好ましい。ここで、溶媒の質量は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物を調整するのに溶媒が混合されている場合には、この前記樹脂含有導電性付与剤組成物を調整するのに混合された溶媒の質量と前記樹脂含有導電性付与剤組成物とは別に新たに混合される溶媒の質量との合計質量である。樹脂が前記割合で混合されると、導電性樹脂組成物の粘度を成形に都合のよい粘度に容易に調整することができる。
【0038】
導電性樹脂組成物は、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている樹脂、この樹脂と同種の樹脂、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に混合されている導電性付与剤、及び、溶媒の合計100質量%に対して、導電性樹脂組成物に混合される溶媒が、例えば、50〜95質量%の割合となるように、調整されるのが好ましく、60〜92質量%の割合となるように、調整されるのが特に好ましい。ここで、溶媒の質量は前記した通りである。溶媒が前記割合で混合されると、導電性樹脂組成物の粘度を成形に都合のよい粘度に容易に調整することができる。なお、無端ベルト1を後述する遠心成形によって成形する場合には、前記溶媒の混合割合にかかわらず、その成形時における導電性樹脂組成物の粘度を50,000mPa・s以下になるように、溶媒の混合割合を調整するのが好ましい。導電性樹脂組成物の粘度が50,000mPa・sを超えると、厚さの均一な無端ベルト1を遠心成形によって製造するのが困難になることがある。導電性樹脂組成物の粘度の下限については、特に限定されるものではないが、10mPa・s以上であるのが好ましい。
【0039】
導電性樹脂組成物調製工程においては、この発明の目的を阻害しない限り、導電性付与剤、樹脂及び溶媒に加えて、他の成分を混合してもよい。他の成分としては、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に含有されてもよい前記他の成分を挙げることができる。
【0040】
導電性付与剤、樹脂及び溶媒は、前記割合を満足するように、前記樹脂含有導電性付与剤組成物調製工程で調整した樹脂含有導電性付与剤組成物、樹脂及び溶媒を、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機、三本ロール、ホモジナイザー、ボールミル、ポットミル、ビーズミル及び超音波分散装置等の混合機又は分散装置等を用いて、混合される。導電性付与剤、樹脂及び溶媒の混合条件は、溶媒に樹脂及び導電性付与剤を均一に混合することができる条件であればよく、例えば、温度、混合時間、混合方法等を、前記導電性付与剤の前記樹脂に対する分散性、樹脂の溶媒に対する分散性等に応じて、任意の条件を選択することができる。
【0041】
このようにして、導電性付与剤と樹脂と溶媒とが均一に混合された導電性樹脂組成物を調製することができる。
【0042】
この発明に係る無端成形体の製造方法においては、次いで、前記導電性樹脂組成物を成形する。この工程を成形工程と称する。前記導電性樹脂組成物の成形方法は、前記樹脂等に応じて、公知の成形方法を選択することができる。例えば、樹脂として熱可塑性樹脂を選択した場合には、遠心成形、押出成形、射出成形等により、一方、樹脂として熱硬化性樹脂を選択した場合には、遠心成形、RIM成形等により、無端ベルト1を成形することができる。これらの成形方法の中でも、材料を問わずに適用可能であり、かつ厚さ精度に優れる等の点で、遠心成形が好ましい。
【0043】
遠心成形によると、溶媒を含有することにより流動性を発現した導電性樹脂組成物を円筒形の金型に注入し、金型を回転させて遠心力で金型内周面に導電性樹脂組成物の層を均一に展開し、導電性樹脂組成物の層から溶媒を乾燥除去して、無端ベルト基体が製造される。金型は各種金属管を用いることができる。好適な金型としては、金型の内周面は鏡面研磨されており、鏡面となった内周面はフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の離型剤により離型処理され、形成した無端ベルト基体が内周面から容易に脱型できるようにされた金属管を挙げることができる。
【0044】
なお、導電性樹脂組成物に含まれる樹脂としてポリアミドイミド樹脂を選択する場合には、上述した遠心成形による他に、ポリアミド酸又はポリアミド酸の溶液を混合してなる導電性樹脂組成物を、金型の内周面や外周面に浸漬方式、遠心方式、塗布方式等によってコートし、又は、注形型に充填する等の適宜な方式で筒状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベルト形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する公知の方法(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等)等により、無端ベルト1を製造することもできる。
【0045】
このようにして金型内周面に展開された導電性樹脂組成物の層から溶媒を除去して、無端ベルト基体が製造される。ここで、除去される溶媒は、金型内周面に展開された導電性樹脂組成物に含有された溶媒である。金型内周面に展開された導電性樹脂組成物の層から溶媒を除去する処理として、加熱処理を挙げることができるが、溶媒を除去するには、以下の一次溶媒除去工程及び二次溶媒除去工程からなる溶媒除去処理を行うのが好ましい。
【0046】
前記一次溶媒除去工程は、金型を回転して金型内周面に展開された導電性樹脂組成物の層から溶媒を除去しつつ成形して、導電性樹脂組成物の層をフィルム状成形体とする。一次溶媒除去工程は、金型を回転したまま5〜60分間、40〜150℃の熱風を金型内に通過させることにより、溶媒が除去される。熱風温度が150℃を超えると、及び/又は、加熱時間が60分を超えると、成形されるフィルム状成形体が酸化されることがある。
【0047】
二次溶媒除去工程は、一次溶媒除去工程で成形されたフィルム状成形体を金型ごと遠心成形機から取り出し、金型ごと加熱して、フィルム状成形体から溶媒を除去し、無端ベルト基体とする。例えば、熱風乾燥器、オーブン等の加熱器を用いる場合には、フィルム状成形体を金型ごと、200〜300℃で1〜3時間加熱すればよく、また、過熱水蒸気炉を用いる場合には、フィルム状成形体を金型ごと、200〜260℃の過熱水蒸気で、30〜60分間加熱すればよい。
【0048】
このようにして無端ベルト基体とした後、無端ベルト基体を金型から取り出し、放冷する。なお、金型ごと無端ベルト基体を放冷すると、金型と無端ベルト基体との熱膨張率の差により、無端ベルト基体を脱型することができる。脱型した円筒状の無端ベルト基体における両側端部を除去し、所定幅に裁断して、無端ベルト1が製造される。無端ベルト基体を切断する切断機は、無端ベルト基体の切断開始点と切断終了点とが略一致するように、切断することができる装置であればよい。
【0049】
この発明に係る無端成形体の製造方法においては、所望により、無端ベルト1の端部に弾性材料で形成された紐状又は帯状の細長い部材を接着剤等により接着する工程を行ってもよい。このガイド部材は、無端ベルト1の作動中の横ぶれ防止用のガイドとして機能する。ガイド部材の材料は、適度なゴム弾性と耐摩耗性とを有する弾性材料、例えばウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、フッ素系樹脂エラストマー、スチレン系エラストマー等があげられる。これらの中でも、耐摩耗性に優れる、JIS K 6253−1997によるA硬度が30以上95以下のウレタン系エラストマーが好適である。
【0050】
この発明に係る無端成形体の製造方法によれば、溶媒の存在下又は非存在下においても導電性付与剤と樹脂とを均一に分散させることができるうえ、導電性付与剤又は導電性付与剤と樹脂との凝集体の形成を防止することができる。特に、この発明に係る無端成形体の製造方法によれば、導電性付与剤の一次粒子径が大きくても導電性付与剤と樹脂とを均一に分散させることができる。したがって、この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造された無端成形体は、その全体にわたって電気特性が均一であるから、例えば、図2に示される画像形成装置等に装着された場合に、高品質の画像を形成することに大きく貢献することができる。
【0051】
この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造される無端ベルト1は、例えば、図2に示される画像形成装置10に好適に装着される。なお、この無端ベルト1は、図2に示されるように、転写搬送ベルトとして二本の支持ローラ42に張架されている。
【0052】
画像形成装置10は、図2に示されるように、四種の現像ユニットに装備された像担持体11B、11C、11M及び11Yを転写搬送ベルト1上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置であり、したがって、現像ユニットB、C、M及びYが転写搬送ベルト1上に直列に配置されている。
【0053】
現像ユニットBは、図2に示されるように、静電潜像が形成される回転可能な像担持体11Bと、像担持体11Bに当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体11Bを帯電させる帯電手段12Bと、像担持体11Bの上方に設けられ、像担持体11Bに静電潜像を形成する露光手段13Bと、像担持体11Bに当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体11Bに一定の層厚で現像剤22Bを供給し、静電潜像を現像する現像手段20Bと、像担持体11Bの下方に転写搬送ベルト1を介して当接又は圧接するように設けられ、現像された静電潜像を像担持体11Bから転写搬送ベルト1で搬送される記録体16上に転写する転写手段14Bと、記録体16に転写されず像担持体11Bに残留した現像剤22B等を除去するクリーニング手段15Bとを備えている。図2に示されるように、現像ユニットBにおける像担持体11Bと転写手段14Bとは、二本の支持ローラ42に張架された転写搬送ベルト1を介して当接又は圧接している。そして、記録体16は、転写搬送ベルト1により、像担持体11Bと転写手段14Bとの当接部を通過するように、搬送される。この転写搬送ベルト1は記録体16を搬送すると共に、転写手段14Bと協働して像担持体11Bに現像された静電潜像を転写する。像担持体11B、帯電手段12B、露光手段13B、転写手段14B及びクリーニング手段15Bは、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。
【0054】
前記現像手段20Bは、図2に示されるように、像担持体11Bに対向する位置に開口部を有し、現像剤22Bを収納する筐体21Bと、筐体21Bの開口部に、像担持体11Bに当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体11Bに現像剤22Bを一定の層厚で供給する回転可能な現像剤担持体23Bと、現像剤担持体23Bの上方に設けられ、現像剤担持体23Bに当接又は圧接して現像剤22Bの層厚を規制すると共に、摩擦帯電により現像剤22Bを帯電させる現像剤規制部材24Bとを備えている。現像剤担持体23B及び現像剤規制部材24Bは、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。前記現像剤22Bは、摩擦により帯電可能で、記録体16に定着可能な現像剤であれば、乾式現像剤でも湿式現像剤でもよく、また、非磁性現像剤でも磁性現像剤でもよい。現像ユニットBは、筐体21B内に黒色現像剤を収納している。
【0055】
現像ユニットC、M及びYは、図2に示されるように、現像ユニットBと同様に構成されている。現像ユニットC、M及びYはそれぞれ、筐体21C、21M及び21Y内に、シアン現像剤22C、マゼンタ現像剤22M及び黄色現像剤22Yを収納している。
【0056】
画像形成装置10の底部には、図2に示されるように、記録体16として複数枚の記録体を積層収容するカセット41が設置され、カセット41内の記録体は給紙ローラ等によって1枚ずつ送り出されて、転写搬送ベルト1上に搬送される。
【0057】
画像形成装置10における記録体16の搬送方向下流には、図2に示されるように、記録体16に転写された各種現像剤(静電潜像)を定着させる定着手段30が配置されている。定着手段30は、例えば、発熱可能な定着ローラを備えた熱ローラ定着装置、オーブン定着器等の加熱定着装置、加圧可能な定着ローラを備えた圧力定着装置等を用いることができる。画像形成装置10は、図2に示されるように、定着装置用無端ベルト5を備えた定着装置30が配置されている。定着装置30は、図2にその断面が示されるように、記録体16を通過させる開口35を有する筐体34内に、定着ローラ31と、定着ローラ31の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ33と、定着ローラ31及び無端ベルト支持ローラ33に巻き掛けられた定着装置用無端ベルト5と、定着ローラ31と対向配置された加圧ローラ32とを備え、定着装置用無端ベルト5を介して定着ローラ31と加圧ローラ32とが、互いに当接又は圧接するように、回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。無端ベルト支持ローラ33は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。定着ローラ31、無端ベルト支持ローラ33及び加圧ローラ32はそれぞれ、加熱体(図示しない。)が内蔵され、加圧ローラ32はスプリング等の付勢手段(図示しない。)によって、定着装置用無端ベルト5を介して定着ローラ31に圧接している。定着装置用無端ベルト5と加圧ローラ32との圧接された間を記録体16が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体16に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
【0058】
画像形成装置10は、次にように作用する。まず、現像ユニットBの像担持体11Bが、帯電手段12Bにより一様に帯電され、露光手段13Bにより画像が露光されて、像担持体11Bの表面に静電潜像が形成される。一方、現像手段20Bにおいて、現像剤担持体23B及び現像剤規制部材24Bにより、黒色現像剤22Bが所望の層厚に規制され、所望のように帯電される。そして、この黒色現像剤22Bが現像剤担持体23Bから像担持体11Bに供給され、像担持体11Bに形成された静電潜像が現像されて、現像剤像として可視化される。次いで、この現像剤像が、像担持体11Bと転写手段14Bとの間に転写搬送ベルト1により搬送される記録体16上に、転写される。このようにして、現像剤像が記録体16上に黒像に顕像化される。
【0059】
次いで、現像ユニットBと同様にして、現像ユニットC、M及びYによって、現像剤像が黒像に顕像化された記録体16に、それぞれシアン像、マゼンタ像及び黄色像が重畳され、カラー像が顕像化される。
【0060】
次いで、カラー像が顕像化された記録体16は、搬送手段により定着手段30に搬送され、定着ローラ31と加圧ローラ32との定着装置用無端ベルト5を介した当接部又は圧接部を通過するときに加熱及び/又は加圧されて、転写されたカラー像が永久画像として定着される。このようにして、記録体16にカラー画像を形成することができる。
【0061】
この画像形成装置10によれば、転写搬送ベルト1として、この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造される無端ベルト1が装着されているから、高品質の画像を形成することができる。また、図2に図示していないが、帯電手段12B、12C、12M及び12Yによって帯電した像担持体11B、11C、11M及び11Yの電気を除去する除電手段を備えていなくても、また、除電手段を備えていても除電が適正に行われない場合にも、高品質の画像を形成することができる。
【0062】
なお、この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造される無端ベルト1を、前記像担持体11と同様の役割を担う転写ベルト(感光ベルトとも称することがある。)、像担持体11で顕像化された現像剤像が一旦転写(一次転写)され、次いで、記録体16に転写(二次転写)されて、記録体に画像を転写する際に、一次記録体として使用される中間転写ベルト及び前記現像剤担持体と同様の役割を担う現像ベルトとして、画像形成装置10に組み込んでも、転写搬送ベルト及び定着ベルトの場合と同様に、画像形成装置10によって、高品質の画像を長期間にわたって形成することができる。
【0063】
画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置10は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置10は、各色の現像ユニットを備えた複数の像担持体を転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置とされているが、画像形成装置は、単一の現像ユニットを備えたモノクロ画像形成装置であっても、像担持体上に担持された現像剤像を無端ベルトに順次一次転写を繰り返す四サイクル型カラー画像形成装置等であってもよい。画像形成装置10は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
【実施例】
【0064】
(実施例1)
反応容器中に、N−メチル−2−ピロリドンと、トリメリット酸無水物と、これと当量のジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートと、反応原料(トリメリット酸無水及びジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート)の合計モル数に対して2mol%のフッ化カリウム(触媒)とを加え、撹拌しながら30分間かけて室温から150℃に昇温後、同温度を5時間保持して、反応物濃度(実質的全閉環のポリアミドイミド樹脂)20質量%の芳香族ポリアミドイミド溶液を得た。この溶液に、N−メチル−2−ピロリドンをさらに加え、反応物濃度15質量%のポリアミドイミド溶液を調製した。
【0065】
700質量部のN−メチル−2−ピロリドンと、100質量部の酸化処理カーボンブラック(商品名「プリンテックス150T」、Degussa社製、pH4.0、揮発分10.0%)と、25質量部の分散剤(塩基性官能基含有共重合物、商品名「アジスパーPB−822」、味の素ファインテック株式会社製)と、前記酸化処理カーボンブラック100質量部に対してポリアミドイミド樹脂が4.5質量部となる量の前記ポリアミドイミド溶液(約30質量部)とを、25℃、2時間の条件でジェットミルにより混合し、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。
【0066】
次いで、調整した前記樹脂含有導電性付与剤組成物と前記ポリアミドイミド溶液とを、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に含有されている酸化処理カーボンブラックと、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に含有されているポリアミドイミド樹脂と、前記ポリアミドイミド溶液に含有されているポリアミドイミド樹脂との合計100質量%に対して、前記樹脂含有導電性付与剤組成物に含有されている酸化処理カーボンブラックの割合が16質量%となるように、25℃、12時間、プレミックス装置で混合して、導電性樹脂組成物1を調製した。なお、導電性樹脂組成物におけるN−メチル−2−ピロリドンの含有量はポリアミドイミド樹脂とN−メチル−2−ピロリドンと酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して85質量%であり、導電性樹脂組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量は、ポリアミドイミド樹脂と酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して84質量%、ポリアミドイミド樹脂とN−メチル−2−ピロリドンと酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して12.6質量%であり、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラックの含有量は、ポリアミドイミド樹脂と酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して16質量%、ポリアミドイミド樹脂とN−メチル−2−ピロリドンと酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して2.4質量%であった。
【0067】
次いで、金型両端の開口部に、リング状の蓋(内径170mm、外径250mm)をそれぞれ嵌合して、金型を閉塞し、導電性樹脂組成物を1,000rpmの速度で回転する金型内周に190g注入した。この金型は、内径226mm、外径246mm、長さ400mmの大きさを有し、金型内面はポリッシングにより鏡面研磨されている。次いで、金型を同速度で30分間回転させて金型内周面に前記導電性樹脂組成物の層を均一に展開した。次いで、金型を同速度で回転させつつ、熱風乾燥機により金型周囲の温度を80℃に保ち、この状態を30分間保持し、フィルム状成形体を成形した。
【0068】
その後、金型の回転を停止し、フィルム状成形体を金型ごと遠心成形機から取り出し、250℃に調節された過熱水蒸気炉で50分間過熱水蒸気処理した後、室温で放冷して、無端ベルト基体とした。金型ごと無端ベルト基体を冷却したところ、金型と無端ベルト基体との熱膨張率の差により、無端ベルト基体が剥離した。
【0069】
次いで、剥離した無端ベルト基体の両端部をそれぞれ切断し、周長約226mm、幅240mm、厚さ100μmの大きさに切り出し、無端ベルト1を作製した。
【0070】
(実施例2)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が11.3質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物2を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物2を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト2を作製した。
【0071】
(実施例3)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が0.1質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物3を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物3を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト3を作製した。
(実施例4)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が0.5質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物4を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物4を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト4を作製した。
(実施例5)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が1質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物5を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物5を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト5を作製した。
【0072】
(実施例6)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が35質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物6を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物6を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト6を作製した。
(実施例7)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が40質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物7を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物7を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト7を作製した。
(実施例8)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が50質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物8を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物8を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト8を作製した。
【0073】
(比較例1)
実施例1と同様にして調整した反応物濃度15質量%のポリアミドイミド溶液と、酸化処理カーボンブラック(商品名「プリンテックス150T」、Degussa社製、pH4.0、揮発分10.0%)とを、前記ポリアミドイミド溶液に含有されているポリアミドイミド樹脂と酸化処理カーボンブラックとの合計100質量%に対して、酸化処理カーボンブラックの割合が16質量%となるように、混合し、ポットミルで24時間混合分散して、導電性樹脂組成物9を調製した。次いで、この導電性樹脂組成物9を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト9を作製した。
(比較例2)
前記樹脂含有導電性付与剤組成物におけるポリアミドイミド樹脂の含有量が55質量部となるように前記ポリアミドイミド溶液の混合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂含有導電性付与剤組成物を調整した。次いで、この樹脂含有導電性付与剤組成物を用いて、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラック、ポリアミドイミド樹脂及びN−メチル−2−ピロリドンの含有量が、実施例1における導電性樹脂組成物と同様になるように、樹脂含有導電性付与剤組成物、前記ポリアミドイミド溶液及び前記溶媒の混合量を変更して、導電性樹脂組成物10を調製し、さらに、この導電性樹脂組成物10を用いて、実施例1と同様にして、無端ベルト10を作製した。
【0074】
実施例1〜8並びに比較例1及び2で調整した導電性樹脂組成物1〜10(9kg)を、大気圧下、ろ布の表面積700cm、ろ布のメッシュ#300の条件でろ過し(ろ過タンクの容積:直径270mm×300mm)、ろ過時間及びろ過物の有無等により、導電性樹脂組成物における酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂との混合状態を評価した。その結果、導電性樹脂組成物1〜8は、ろ過時間が短く、速やかにろ過され、また、ろ布上には、酸化処理カーボンブラック、酸化処理カーボンブラックの凝集物及び酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂との凝集物等の固形物がろ別されず、酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂とが均一に混合されていた。特に、導電性樹脂組成物1及び2 > 導電性樹脂組成物5及び6 > 導電性樹脂組成物4、7 > 導電性樹脂組成物3、8の順で、酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂との均一性が高く、均一な混合状態を長時間にわたって保持していた。これに対して、導電性樹脂組成物9及び10は、ろ過時間が長く、また、ろ布上には、酸化処理カーボンブラック、酸化処理カーボンブラックの凝集物又は酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂との凝集物等の固形物がろ別され、酸化処理カーボンブラックとポリアミドイミド樹脂とが均一に混合されていなかった。特に導電性樹脂組成物9はこれらの欠点が顕著であった。
【0075】
実施例1〜8並びに比較例1及び2で製造した無端ベルト1〜10をそれぞれ、図2に示される、除電機構を備えていない画像形成装置(商品名「C series 3400n」、株式会社沖データ製)に、転写搬送ベルト1として装着し、温度22℃、相対湿度60%の環境下、10,000枚印刷した後、ハーフトーン画像を印刷して、印刷されたハーフトーン画像に黒点が生じているかを目視にて評価した。その結果、無端ベルト1〜8を転写搬送ベルト1として装着した場合には、いずれの場合にも、ハーフトーン画像に黒点の存在は認められなかったのに対して、無端ベルト9及び10を転写搬送ベルト1として装着した場合には、いずれの場合にも、ハーフトーン画像に黒点がわずかに認められた。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造された無端ベルトの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、この発明に係る無端成形体の製造方法によって製造された無端ベルトの一例が好適に装着されるタンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0077】
1 無端ベルト
5 定着装置用無端ベルト
10 画像形成装置
11B、11C、11M、11Y 像担持体
12B、12C、12M、12Y 帯電手段
13B、13C、13M、13Y 露光手段
14B、14C、14M、14Y 転写手段
15B、15C、15M、15Y クリーニング手段
16 記録体
20 現像手段
21B、21C、21M、21Y、34 筐体
22B、22C、22M、22Y 現像剤
23B、23C、23M、23Y 現像剤担持体
24B、24C、24M、24Y 現像剤規制部材
30 定着装置
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 無端ベルト支持ローラ
35 開口部
41 カセット
42 支持ローラ
B、C、M、Y 現像ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100質量部の導電性付与剤、及び、0.1〜50質量部の樹脂を混合して、樹脂含有導電性付与剤組成物を調製する工程と、
前記樹脂含有導電性付与剤組成物に更に溶媒及び前記樹脂と同種の樹脂を混合し、前記樹脂、前記同種の樹脂及び導電性付与剤の合計100質量%に対して前記導電性付与剤が1〜25質量%の割合とした導電性樹脂組成物を調整する工程と、
前記導電性樹脂組成物を成形する工程とを有する無端成形体の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂は、ポリアミドイミド樹脂である請求項1に記載の無端成形体の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂含有導電性付与剤組成物は、導電性付与剤100質量部に対して更に100〜2000質量部の溶媒が混合されて調製される請求項1に記載の無端成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−83440(P2008−83440A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263902(P2006−263902)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【復代理人】
【識別番号】100118809
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 育男
【Fターム(参考)】