管状火炎バーナ及びラジアントチューブ式加熱装置
【課題】高い燃焼安定性を備えた管状火炎バーナ及びこれを搭載したラジアントチューブ式加熱装置を提供する。
【解決手段】管状の燃焼室11の外周に燃料ガスaと酸素含有ガスbを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズル12、13が隣接して設けられ、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、燃焼室11の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、第1のスリット状ノズル12は燃焼室11の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズル13は前記接線方向と平行になるように設けられている管状火炎バーナ10及びこれを用いたラジアントチューブ式加熱装置20、41、42、43である。
【解決手段】管状の燃焼室11の外周に燃料ガスaと酸素含有ガスbを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズル12、13が隣接して設けられ、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、燃焼室11の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、第1のスリット状ノズル12は燃焼室11の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズル13は前記接線方向と平行になるように設けられている管状火炎バーナ10及びこれを用いたラジアントチューブ式加熱装置20、41、42、43である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状火炎バーナ及びそれを搭載したラジアントチューブ式加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炉や燃焼器に取り付けられるバーナとして、先端部が開放された管状の燃焼室を有し、この燃焼室の基端部の閉塞端部近傍に燃料ガスを吹き込むスリット形状のノズルと酸素含有ガスを吹き込むスリット形状のノズルが、前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて設けられている非予混合型の管状火炎バーナが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、スリット形状のノズルを4方に設けた管状火炎バーナを搭載したラジアントチューブ式加熱装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
これらの管状火炎バーナは、高速の旋回流中で安定な火炎が形成されるので、燃焼量の調節範囲が広く、燃焼排ガスの温度のバラツキも小さい。また、酸素比や空気比を下げて、NOxなどの有害物質の発生、ススの発生、及び未燃焼のまま排出されるガスを低減することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3358527号公報
【特許文献2】特開2004−77012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえば、図12(A)、(B)に示すように特許文献2に記載された管状火炎バーナ80では、燃料ガスaを吹き込むスリット状ノズル82と酸素含有ガスbを吹き込むスリット状ノズル83の開口端部84の位置が互いに離れているため、燃焼室81での燃料ガスaと酸素含有ガスbの混合性が悪い。従って、燃料ガスaと酸素含有ガスbの混合比が変動した場合、燃焼が不安定となり、燃焼排ガスの温度のバラツキが大きくなる。その結果、酸素比や空気比を下げることができず、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスも増加するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性を高め、燃料ガスと酸素含有ガスの混合比が変動した場合においても、安定な燃焼が可能な管状火炎バーナ及びそれを搭載したラジアントチューブ式加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る管状火炎バーナは、管状の燃焼室の外周に燃料ガスと酸素含有ガスを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズルが隣接して設けられた管状火炎バーナにおいて、
前記第1、第2のスリット状ノズルは、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、前記第1のスリット状ノズルは前記燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、前記第2のスリット状ノズルは前記接線方向と平行になるように設けられている。
【0008】
第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記燃料ガスを供給することもできるし、前記第1のスリット状ノズルから前記燃料ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを供給することもできる。
【0009】
また、第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、前記燃焼管と前記外管との隙間を仕切り板によって区分して前記燃料ガスの通路と、前記酸素含有ガスの通路を形成することもできる。これによって、管状火炎バーナの燃焼領域を管状火炎バーナの先側に形成することができる。
また、第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記第1、第2のスリット状ノズルが、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けることも可能である。
【0010】
そして、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置は、以上の第1の発明に係る管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設している。ここで、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に設けられた外管の長さは、該ラジアントチューブ式加熱装置の炉壁の厚みより長く、燃焼領域(燃焼管の先側を含む)が該ラジアントチューブ式加熱装置の炉内に位置するのが好ましい。
【0011】
このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスを前記管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを有することもできる。
【0012】
また、このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスに前記管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを有することもできる。
【0013】
そして、このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に別の前記管状火炎バーナを配設し、2つの前記管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの前記酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有することもできる。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明に係る管状火炎バーナは、第1、第2のスリット状ノズルが、燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、第1のスリット状ノズルは燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズルは接線方向と平行になるように設けられているので、燃料ガス及び酸素含有ガスの混合比が変動した場合においても、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が良いため、可燃範囲が広い安定燃焼が可能な管状火炎バーナが得られる。また、燃焼排ガスの温度のバラツキも小さく、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスの発生も少なく低公害化を達成できる。
【0015】
特に、第1、第2のスリット状ノズルが、燃焼室の長さ方向同一位置に、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組設けられている場合は、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が更に向上し、より効率的に燃料ガスを燃焼室内で燃焼させることができる。
【0016】
また、燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、燃焼管と外管との隙間を仕切り板によって区分して燃料ガスの通路と、酸素含有ガスの通路を形成することによって、燃料ガスと酸素含有ガスが混合して管状に燃焼する領域を、管状火炎バーナの先側に形成できる。これによって、管状火炎バーナの異常加熱等を防止できる。
【0017】
第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置は、第1の発明に係る管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設したので、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が増してより効率的に燃料ガスを燃焼させることができると共に、燃焼室の内面によって火炎が形成されるので、ラジアントチューブの表面温度を均一化させ、加熱ラジアントチューブの部分的加熱による熱的劣化を減少させ、ラジアントチューブの長寿命化を達成できる。
また、管状火炎バーナの燃焼管と外管との隙間を仕切り板によって区分して燃料ガスの通路と、酸素含有ガスの通路を形成することによって、炉内にあるラジアントチューブを積極的に加熱できる。
【0018】
特に、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に、酸素含有ガスを管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを設けた場合には、自己排ガスの熱量を有効に使用して熱効率を上げることができる。
【0019】
第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に、酸素含有ガスに管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを設けた場合には、供給する酸素含有ガス中の酸素含有率を低減して低NOx化が達成できる。
【0020】
そして、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に別の管状火炎バーナを配設し、2つの管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有する場合、更に自己排ガスの熱量を有効に使用して熱効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナの構造を示す側面図、(B)はA−A矢視断面図、(C)はB−B矢視断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナの燃焼可燃範囲を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナの側面図である。
【図8】同管状火炎バーナの背面図である。
【図9】図7におけるC−C矢視断面図である。
【図10】図9におけるD−D矢視断面図である。
【図11】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナを用いたラジアントチューブ式加熱装置の一使用状況の説明図、(B)は本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナを用いたラジアントチューブ式加熱装置の一使用状況の説明図である。
【図12】(A)、(B)は従来例に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明する。図1(A)〜(C)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナ10は、管状の燃焼室11の外周に酸素含有ガスの一例である空気bを供給する第1のスリット状ノズル12と、燃料ガスaを供給する第2のスリット状ノズル13が隣接して設けられている。そして、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、燃焼室11の長さ方向同一位置に設けられている。また、第1のスリット状ノズル12は燃焼室11の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズル13は接線方向と平行になるように設けられている。
【0023】
第1、第2のスリット状ノズル12、13の断面は、長辺の長さが短辺の例えば、5〜20倍程度の長方形となって、その開口端部14、15が断面円形の燃焼室11の内周面に沿って開口している。なお、開口端部14、15は燃焼室11の長手方向(即ち、軸方向)に対して同一位置に僅少の間隔を有して並んで形成されている。
【0024】
この第1のスリット状ノズル12には、燃焼室11に空気bを供給する図示しない空気供給パイプが接続され、第2のスリット状ノズル13には燃焼室11に燃料ガスaを供給する図示しない燃料ガス供給パイプが接続されている。そして、燃焼室11の開放された先側から燃焼排ガス(排ガス)fが排出される。なお、この実施の形態では第1、第2のスリット状ノズル12、13の断面積を同一としたが、空気を供給する第1のスリット状ノズル12の断面積を、燃料ガスを供給する第2のスリット状ノズル13に対して大きくしてもよい。
【0025】
そして、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、近接して平行に設けられており、それぞれの開口端部14、15から吹き入れた空気b及び燃料ガスaは、燃焼室11の内周面に沿って平行流を形成したのちに、この平行流を形成したガスは、燃焼室11の内周面に近い領域で燃料ガスaと空気bが効率良く急速に混合されながら旋回流cを形成するようになっている。その旋回流cとなった混合ガスに点火プラグ又はパイロットバーナ等の点火装置(図示せず)によって点火すると、燃焼室11内に管状の火炎が生成される。
【0026】
本実施の形態では、第1のスリット状ノズル12と、第2のスリット状ノズル13を対として、燃焼室11の内周面に互いに対向して2対設けているが、1対のみ又は3対以上設けてもよい。また、空気bを第2のスリット状ノズル13によって、燃料ガスaを第1のスリット状ノズル12によって供給してもよい。
【0027】
上記のように構成された管状火炎バーナ10においては、燃料ガスaと空気bの混合性が良好なため、酸素利用効率を高めることができる。更に、余分な酸素ガスを供給する必要がなくなるため、燃料ガス成分が過濃な状態になる領域においても燃焼させることが可能となる。その結果、管状火炎バーナ10自身の可燃範囲が広がり、燃料ガスaと空気bの混合割合が変動しても安定燃焼が可能となる。また燃焼排ガスfの温度のバラツキも小さく、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスの発生も少なく低公害化を達成できる。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置20について説明する。
図2に示すように、ラジアントチューブ式加熱装置20は、炉壁40に配設されたW字型のラジアントチューブ21と、ラジアントチューブ21の一方の開放端に装着された管状火炎バーナ10によって構成されている。
【0029】
管状火炎バーナ10により生成された管状の火炎dの燃焼排ガスfは燃焼室11の先端からラジアントチューブ21内に噴出する。ラジアントチューブ21は、通常耐熱鋳鋼製でU型又はW型をしており、一方の開放端に装着された管状火炎バーナ10の先端から噴出した管状の火炎dの燃焼排ガスfにより加熱され、表面からの輻射により被加熱物を加熱する。そして他端部から燃焼排ガスfを炉外に排出する。
【0030】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置20においては、管状火炎バーナ10で生成される管状の火炎dの燃料ガスの温度バラツキが小さいため、ラジアントチューブ21の温度バラツキも小さくなり、ラジアントチューブ21の寿命を延ばすことができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置41について、図3にて説明する。なお、ラジアントチューブ式加熱装置20と同一の構成要素については同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
ラジアントチューブ式加熱装置41は、ラジアントチューブ21の一端部に管状火炎バーナ10を装着し、他端部にレキュペレータ22を装着する。空気bは、レキュペレータ22を用いて管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfにより予熱される。
ここで、レキュペレータ22は、外部が筒状に形成されて、内部に空気bを導入する空気導入管25と、その内部で温められた空気bを排出する空気排出管23を有している。
【0032】
まず、空気導入管25から空気bが取り入れられレキュペレータ22の内部に導入され、ラジアントチューブ21から排出される燃焼排ガスfと熱交換され、空気排出管23を通って管状火炎バーナー10に供給される。また、熱交換されたあとの燃焼排ガスfは、排気管24から排出される。
【0033】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置41においては、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfの顕熱を用いるため、燃料ガスaの消費量を低減することができ省エネルギを達成できる。
【0034】
更に、本発明の第3の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置42について、図4にて説明する。
ラジアントチューブ式加熱装置42は、ラジアントチューブ21の一端部に管状火炎バーナ10を装着し、他端部にレキュペレータ26を装着する。
レキュペレータ26は、外部が筒状に形成されて、内部に空気を導入する空気導入管28と、その内部で温められた空気を排出する空気排出管27を有している。空気排出管27の出口側にエジェクタ30を装着している。燃焼排ガスfは、排気管29及びエジェクタ30を介して排気される。ここで、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfは、レキュペレータ26によって抜熱された後、エジェクタ30によってその一部を熱交換後の空気(酸素含有ガス)bに含有させる(即ち、一部を混合させる)。
【0035】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置42においては、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfが空気bに含有されるため空気bの酸素含有率を低減することが可能で低NOx化が達成できる。
【0036】
更に、本発明の第4の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載した交番燃焼型ラジアントチューブ式加熱装置43について、図5にて説明する。
交番燃焼型ラジアントチューブ式加熱装置43は、ラジアントチューブ21の両端部に管状火炎バーナ10を装着する。そして、レキュペレータ35、第1〜第4の切換え弁31〜34、空気導入管36、排気管37、排気導入管38、空気排出管39が設けられている。
【0037】
次に、動作について説明すると、図5に示すラジアントチューブ式加熱装置43は、交番燃焼型なので、たとえば、ラジアントチューブ21の一端部に設けられた(図5の上部に設けられた)管状火炎バーナ10が燃焼しているときは、ラジアントチューブ21の他端部に設けられた(下部の)管状火炎バーナ10は休止している。その場合、下部の管状火炎バーナ10側より、燃焼排ガスfは、第1の切換え弁31を経由して排気導入管38を通ってレキュペレータ35に導入される。この時、第2の切換え弁32は閉じられ上部の管状火炎バーナ10側に排気させないようにしている。
【0038】
次に、レキュペレータ35には、空気導入管36から空気bが取り入れられ、レキュペレータ35で燃焼排ガスfと熱交換され、燃焼排ガスfは排気管37を通って排気される。ここで、温められた空気bは、空気排出管39に排出される。空気排出管39では、第3の切換え弁33は閉じられており、第4の切換え弁34を経由して上部の管状火炎バーナ10に送られる。ここで、燃焼室11の内周面に互いに対向して設けられた2つの第1のスリット状ノズル12を通して予熱された空気bが供給される。
【0039】
上部の管状火炎バーナ10が休止し、下部の管状火炎バーナ10が燃焼している場合は、第1、第4の切換え弁31、34が閉じられた状態で燃焼動作を行う。
このように、複数の管状火炎バーナ10を交互に交番燃焼させ、レキュペレータ35と第1〜第4の切換え弁31〜34を切替えることで、排出される燃焼排ガスfによって互いの管状火炎バーナ10に供給する空気bを予熱する。
【0040】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置43においては、互いの管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfの顕熱を用いるため、燃料ガスaの消費量をより低減することができ省エネルギを達成できる。
【0041】
次に、管状火炎バーナ10の燃焼安定の効果を図6のグラフで示す。実験は、燃料ガスはメタンを使用し、空気流量を200Nm3/h固定とし、燃料ガス流量を変化させ燃焼可燃範囲を確認している。
グラフ縦軸は、燃料ガスに対する空気比を示している。数値が大きくなるほど空気比が大きくなる。横軸には、本発明の実施例と従来例を並べて示している。
【0042】
図6のグラフより、従来例(図12に示す管状火炎バーナ)の燃焼可燃範囲が空気比0.9〜2.0の範囲であるのに対し、本発明に係る管状火炎バーナ10は、燃焼可燃範囲が空気比0.6〜2.0の範囲である。通常は、空気比1.0で燃焼されるのが標準であるので、燃料ガス過濃領域の燃焼可燃範囲が大幅に広がっている。従って、従来は、変動による失火を考慮して空気比を例えば1.2に設定していたが、本発明では空気比を1.1に下げることが可能となり、その分省エネルギを達成できる。
【0043】
なお、図1に示す管状火炎バーナ10を使用して、図2〜図5に示すラジアントチューブ式加熱装置20、41、42、43のように、管状の火炎dの火炎長が長く、炉壁40の内側で燃焼している場合は、管状火炎バーナ10が加熱されることはない。しかしながら、図11(A)に示すように、管状火炎バーナ10の位置が炉壁40の外側又は外側近傍にあり、燃焼空気が高温の場合は火炎長が短くなって、燃焼位置が炉壁40内にあることになる。
【0044】
炉壁40は通常断熱材によって構成されているので、炉壁40に接するラジアントチューブ21も断熱されていることになり、管状火炎バーナ10の燃焼管45及び炉壁40に接するラジアントチューブ21も異常加熱される場合がある。そこで、以下にこの問題を解決した本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ46について説明する。
【0045】
図7〜図10、図11(B)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ46は、燃焼室を形成する燃焼管(内管)45aと、燃焼管45aと隙間を有して同心上、かつ外側に配置され、少なくとも一端部又は両端部から燃焼管45aが突出する外管48とを有している。外管48の両側は環状板49、50によって閉塞され、環状板49、50の内側には燃焼管45aが挿通している。外管48の中央にはフランジ51が設けられ、炉壁40にねじ固定できるようになっている。また、外管48は炉壁40の厚みより長くなっているのが好ましい。
【0046】
図9、図10に示すように、燃焼管45aと外管48との間には、第1の仕切り板52、53と、第2の仕切り板54、55がそれぞれ対向して平行に設けられ、酸素含有ガス通路の一例である空気通路56、57と、燃料ガス通路58、59を形成している。
この実施の形態では、外管48の先側に位置する燃焼管45aには180度位置に対向して開口部60、61が設けられ、この開口部60、61を第2の仕切り板54、55でそれぞれ2つに分けて、第1のスリット状ノズル62、63と、第2のスリット状ノズル64、65とを形成している。
【0047】
第1のスリット状ノズル62、63の外側には、第1、第2仕切り板52〜55と平行に、ガイド板66、66aが設けられ、かつ垂直にガイド板75、75aが設けられ、第1のスリット状ノズル62、63から空気を燃焼管45aの内側接線方向に供給する構造となっている。また、第2の仕切り板54、55の内側端部は、燃焼管45aの内側接線方向に傾斜(例えば、15〜25度程度)して、燃料ガスを燃焼管45aの内側半径方向に流す第2のスリット状ノズル64、65を形成している。この第2のスリット状ノズル64、65の外側には、第1、第2の仕切り板52〜55と平行にガイド板74、74aが設けられ、更に垂直にガイド板76、76aが設けられている。ここで、第1のスリット状ノズル62、63の内側から同一円周方向にそれぞれ空気を流し、第2のスリット状ノズル64、65から燃料ガスをそれぞれ燃焼管45の同一円周方向で略内側接線方向に流すようにしている。
【0048】
図8、図9に示すように、外管48の基側には、それぞれ空気通路56、57に空気を供給する接続管67、68が設けられ、接続管67、68の端部にはそれぞれフランジ67a、68aが設けられている。一方、外管48の基側には、燃料ガス通路58、59に連結されるガス供給管69、70が設けられている。
【0049】
また、燃焼管45aの途中位置で開口部60、61が形成されている手前位置には、中央に点火装置71aが嵌入する開孔71が形成された閉塞板72が設けられている。そして、点火装置71aの先端は開孔71から燃焼管45aの先側に突出し、点火装置71aの後端は前後に調整可能な支持部材72aによって支持されている。
【0050】
この管状火炎バーナ46を用いたラジアントチューブ式加熱装置73を図11(B)に示すが、第1のスリット状ノズル62、63、及び第2のスリット状ノズル64、65から供給された空気及び燃料ガスが、燃焼管45a内に旋回流を形成するようにして流れ、管状の火炎dを発生する。この場合は、管状火炎バーナ46の燃焼領域Bは、炉壁40の内側(即ち、炉内)に位置しているので、積極的に外側のラジアントチューブ21に吸熱され、燃焼管45a、外管48が異常高温になることはない。
【0051】
前記実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置73においては、図3〜図5に示すように、燃焼用空気を燃焼排ガスを用いて積極的に予熱するレキュペレータを設けていないが、図3〜図5に示すように、レキュペレータ22、26、35を設けることによって、更に熱効率を向上させることができる。
【0052】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0053】
10:管状火炎バーナ、11:燃焼室、12:第1のスリット状ノズル、13:第2のスリット状ノズル、14、15:開口端部、20:ラジアントチューブ式加熱装置、21:ラジアントチューブ、22:レキュペレータ、23:空気排出管、24:排気管、25:空気導入管、26:レキュペレータ、27:空気排出管、28:空気導入管、29:排気管、30:エジェクタ、31:第1の切換え弁、32:第2の切換え弁、33:第3の切換え弁、34:第4の切換え弁、35:レキュペレータ、36:空気導入管、37:排気管、38:排気導入管、39:空気排出管、40:炉壁、41:ラジアントチューブ式加熱装置、42:ラジアントチューブ式加熱装置、43:ラジアントチューブ式加熱装置、、45、45a:燃焼管、46:管状火炎バーナ、48:外管、49、50:環状板、51:フランジ、52、53:第1の仕切り板、54、55:第2の仕切り板、56、57:空気通路、58、59:燃料ガス通路、60、61:開口部、62、63:第1のスリット状ノズル、64、65:第2のスリット状ノズル、66、66a:ガイド板、67、68:接続管、67a、68a:フランジ、69、70:ガス供給管、71:開孔、71a:点火装置、72:閉塞板、72a:支持部材、73:ラジアントチューブ式加熱装置、74、74a、75、75a、76、76a:ガイド板
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状火炎バーナ及びそれを搭載したラジアントチューブ式加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炉や燃焼器に取り付けられるバーナとして、先端部が開放された管状の燃焼室を有し、この燃焼室の基端部の閉塞端部近傍に燃料ガスを吹き込むスリット形状のノズルと酸素含有ガスを吹き込むスリット形状のノズルが、前記燃焼室の内周面の接線方向に向けて設けられている非予混合型の管状火炎バーナが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、スリット形状のノズルを4方に設けた管状火炎バーナを搭載したラジアントチューブ式加熱装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
これらの管状火炎バーナは、高速の旋回流中で安定な火炎が形成されるので、燃焼量の調節範囲が広く、燃焼排ガスの温度のバラツキも小さい。また、酸素比や空気比を下げて、NOxなどの有害物質の発生、ススの発生、及び未燃焼のまま排出されるガスを低減することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3358527号公報
【特許文献2】特開2004−77012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえば、図12(A)、(B)に示すように特許文献2に記載された管状火炎バーナ80では、燃料ガスaを吹き込むスリット状ノズル82と酸素含有ガスbを吹き込むスリット状ノズル83の開口端部84の位置が互いに離れているため、燃焼室81での燃料ガスaと酸素含有ガスbの混合性が悪い。従って、燃料ガスaと酸素含有ガスbの混合比が変動した場合、燃焼が不安定となり、燃焼排ガスの温度のバラツキが大きくなる。その結果、酸素比や空気比を下げることができず、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスも増加するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性を高め、燃料ガスと酸素含有ガスの混合比が変動した場合においても、安定な燃焼が可能な管状火炎バーナ及びそれを搭載したラジアントチューブ式加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る管状火炎バーナは、管状の燃焼室の外周に燃料ガスと酸素含有ガスを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズルが隣接して設けられた管状火炎バーナにおいて、
前記第1、第2のスリット状ノズルは、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、前記第1のスリット状ノズルは前記燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、前記第2のスリット状ノズルは前記接線方向と平行になるように設けられている。
【0008】
第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記燃料ガスを供給することもできるし、前記第1のスリット状ノズルから前記燃料ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを供給することもできる。
【0009】
また、第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、前記燃焼管と前記外管との隙間を仕切り板によって区分して前記燃料ガスの通路と、前記酸素含有ガスの通路を形成することもできる。これによって、管状火炎バーナの燃焼領域を管状火炎バーナの先側に形成することができる。
また、第1の発明に係る管状火炎バーナにおいて、前記第1、第2のスリット状ノズルが、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けることも可能である。
【0010】
そして、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置は、以上の第1の発明に係る管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設している。ここで、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に設けられた外管の長さは、該ラジアントチューブ式加熱装置の炉壁の厚みより長く、燃焼領域(燃焼管の先側を含む)が該ラジアントチューブ式加熱装置の炉内に位置するのが好ましい。
【0011】
このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスを前記管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを有することもできる。
【0012】
また、このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスに前記管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを有することもできる。
【0013】
そして、このラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に別の前記管状火炎バーナを配設し、2つの前記管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの前記酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有することもできる。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明に係る管状火炎バーナは、第1、第2のスリット状ノズルが、燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、かつ、第1のスリット状ノズルは燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズルは接線方向と平行になるように設けられているので、燃料ガス及び酸素含有ガスの混合比が変動した場合においても、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が良いため、可燃範囲が広い安定燃焼が可能な管状火炎バーナが得られる。また、燃焼排ガスの温度のバラツキも小さく、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスの発生も少なく低公害化を達成できる。
【0015】
特に、第1、第2のスリット状ノズルが、燃焼室の長さ方向同一位置に、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組設けられている場合は、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が更に向上し、より効率的に燃料ガスを燃焼室内で燃焼させることができる。
【0016】
また、燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、燃焼管と外管との隙間を仕切り板によって区分して燃料ガスの通路と、酸素含有ガスの通路を形成することによって、燃料ガスと酸素含有ガスが混合して管状に燃焼する領域を、管状火炎バーナの先側に形成できる。これによって、管状火炎バーナの異常加熱等を防止できる。
【0017】
第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置は、第1の発明に係る管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設したので、燃料ガスと酸素含有ガスの混合性が増してより効率的に燃料ガスを燃焼させることができると共に、燃焼室の内面によって火炎が形成されるので、ラジアントチューブの表面温度を均一化させ、加熱ラジアントチューブの部分的加熱による熱的劣化を減少させ、ラジアントチューブの長寿命化を達成できる。
また、管状火炎バーナの燃焼管と外管との隙間を仕切り板によって区分して燃料ガスの通路と、酸素含有ガスの通路を形成することによって、炉内にあるラジアントチューブを積極的に加熱できる。
【0018】
特に、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に、酸素含有ガスを管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを設けた場合には、自己排ガスの熱量を有効に使用して熱効率を上げることができる。
【0019】
第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に、酸素含有ガスに管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを設けた場合には、供給する酸素含有ガス中の酸素含有率を低減して低NOx化が達成できる。
【0020】
そして、第2の発明に係るラジアントチューブ式加熱装置において、ラジアントチューブの他端部に別の管状火炎バーナを配設し、2つの管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有する場合、更に自己排ガスの熱量を有効に使用して熱効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナの構造を示す側面図、(B)はA−A矢視断面図、(C)はB−B矢視断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナの燃焼可燃範囲を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナの側面図である。
【図8】同管状火炎バーナの背面図である。
【図9】図7におけるC−C矢視断面図である。
【図10】図9におけるD−D矢視断面図である。
【図11】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナを用いたラジアントチューブ式加熱装置の一使用状況の説明図、(B)は本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナを用いたラジアントチューブ式加熱装置の一使用状況の説明図である。
【図12】(A)、(B)は従来例に係るラジアントチューブ式加熱装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明する。図1(A)〜(C)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナ10は、管状の燃焼室11の外周に酸素含有ガスの一例である空気bを供給する第1のスリット状ノズル12と、燃料ガスaを供給する第2のスリット状ノズル13が隣接して設けられている。そして、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、燃焼室11の長さ方向同一位置に設けられている。また、第1のスリット状ノズル12は燃焼室11の内周面の接線方向を向いて設けられ、第2のスリット状ノズル13は接線方向と平行になるように設けられている。
【0023】
第1、第2のスリット状ノズル12、13の断面は、長辺の長さが短辺の例えば、5〜20倍程度の長方形となって、その開口端部14、15が断面円形の燃焼室11の内周面に沿って開口している。なお、開口端部14、15は燃焼室11の長手方向(即ち、軸方向)に対して同一位置に僅少の間隔を有して並んで形成されている。
【0024】
この第1のスリット状ノズル12には、燃焼室11に空気bを供給する図示しない空気供給パイプが接続され、第2のスリット状ノズル13には燃焼室11に燃料ガスaを供給する図示しない燃料ガス供給パイプが接続されている。そして、燃焼室11の開放された先側から燃焼排ガス(排ガス)fが排出される。なお、この実施の形態では第1、第2のスリット状ノズル12、13の断面積を同一としたが、空気を供給する第1のスリット状ノズル12の断面積を、燃料ガスを供給する第2のスリット状ノズル13に対して大きくしてもよい。
【0025】
そして、第1、第2のスリット状ノズル12、13は、近接して平行に設けられており、それぞれの開口端部14、15から吹き入れた空気b及び燃料ガスaは、燃焼室11の内周面に沿って平行流を形成したのちに、この平行流を形成したガスは、燃焼室11の内周面に近い領域で燃料ガスaと空気bが効率良く急速に混合されながら旋回流cを形成するようになっている。その旋回流cとなった混合ガスに点火プラグ又はパイロットバーナ等の点火装置(図示せず)によって点火すると、燃焼室11内に管状の火炎が生成される。
【0026】
本実施の形態では、第1のスリット状ノズル12と、第2のスリット状ノズル13を対として、燃焼室11の内周面に互いに対向して2対設けているが、1対のみ又は3対以上設けてもよい。また、空気bを第2のスリット状ノズル13によって、燃料ガスaを第1のスリット状ノズル12によって供給してもよい。
【0027】
上記のように構成された管状火炎バーナ10においては、燃料ガスaと空気bの混合性が良好なため、酸素利用効率を高めることができる。更に、余分な酸素ガスを供給する必要がなくなるため、燃料ガス成分が過濃な状態になる領域においても燃焼させることが可能となる。その結果、管状火炎バーナ10自身の可燃範囲が広がり、燃料ガスaと空気bの混合割合が変動しても安定燃焼が可能となる。また燃焼排ガスfの温度のバラツキも小さく、NOxなどの有害物質、スス及び未燃焼のまま排出されるガスの発生も少なく低公害化を達成できる。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置20について説明する。
図2に示すように、ラジアントチューブ式加熱装置20は、炉壁40に配設されたW字型のラジアントチューブ21と、ラジアントチューブ21の一方の開放端に装着された管状火炎バーナ10によって構成されている。
【0029】
管状火炎バーナ10により生成された管状の火炎dの燃焼排ガスfは燃焼室11の先端からラジアントチューブ21内に噴出する。ラジアントチューブ21は、通常耐熱鋳鋼製でU型又はW型をしており、一方の開放端に装着された管状火炎バーナ10の先端から噴出した管状の火炎dの燃焼排ガスfにより加熱され、表面からの輻射により被加熱物を加熱する。そして他端部から燃焼排ガスfを炉外に排出する。
【0030】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置20においては、管状火炎バーナ10で生成される管状の火炎dの燃料ガスの温度バラツキが小さいため、ラジアントチューブ21の温度バラツキも小さくなり、ラジアントチューブ21の寿命を延ばすことができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置41について、図3にて説明する。なお、ラジアントチューブ式加熱装置20と同一の構成要素については同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
ラジアントチューブ式加熱装置41は、ラジアントチューブ21の一端部に管状火炎バーナ10を装着し、他端部にレキュペレータ22を装着する。空気bは、レキュペレータ22を用いて管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfにより予熱される。
ここで、レキュペレータ22は、外部が筒状に形成されて、内部に空気bを導入する空気導入管25と、その内部で温められた空気bを排出する空気排出管23を有している。
【0032】
まず、空気導入管25から空気bが取り入れられレキュペレータ22の内部に導入され、ラジアントチューブ21から排出される燃焼排ガスfと熱交換され、空気排出管23を通って管状火炎バーナー10に供給される。また、熱交換されたあとの燃焼排ガスfは、排気管24から排出される。
【0033】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置41においては、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfの顕熱を用いるため、燃料ガスaの消費量を低減することができ省エネルギを達成できる。
【0034】
更に、本発明の第3の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載したラジアントチューブ式加熱装置42について、図4にて説明する。
ラジアントチューブ式加熱装置42は、ラジアントチューブ21の一端部に管状火炎バーナ10を装着し、他端部にレキュペレータ26を装着する。
レキュペレータ26は、外部が筒状に形成されて、内部に空気を導入する空気導入管28と、その内部で温められた空気を排出する空気排出管27を有している。空気排出管27の出口側にエジェクタ30を装着している。燃焼排ガスfは、排気管29及びエジェクタ30を介して排気される。ここで、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfは、レキュペレータ26によって抜熱された後、エジェクタ30によってその一部を熱交換後の空気(酸素含有ガス)bに含有させる(即ち、一部を混合させる)。
【0035】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置42においては、管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfが空気bに含有されるため空気bの酸素含有率を低減することが可能で低NOx化が達成できる。
【0036】
更に、本発明の第4の実施の形態に係る管状火炎バーナ10を搭載した交番燃焼型ラジアントチューブ式加熱装置43について、図5にて説明する。
交番燃焼型ラジアントチューブ式加熱装置43は、ラジアントチューブ21の両端部に管状火炎バーナ10を装着する。そして、レキュペレータ35、第1〜第4の切換え弁31〜34、空気導入管36、排気管37、排気導入管38、空気排出管39が設けられている。
【0037】
次に、動作について説明すると、図5に示すラジアントチューブ式加熱装置43は、交番燃焼型なので、たとえば、ラジアントチューブ21の一端部に設けられた(図5の上部に設けられた)管状火炎バーナ10が燃焼しているときは、ラジアントチューブ21の他端部に設けられた(下部の)管状火炎バーナ10は休止している。その場合、下部の管状火炎バーナ10側より、燃焼排ガスfは、第1の切換え弁31を経由して排気導入管38を通ってレキュペレータ35に導入される。この時、第2の切換え弁32は閉じられ上部の管状火炎バーナ10側に排気させないようにしている。
【0038】
次に、レキュペレータ35には、空気導入管36から空気bが取り入れられ、レキュペレータ35で燃焼排ガスfと熱交換され、燃焼排ガスfは排気管37を通って排気される。ここで、温められた空気bは、空気排出管39に排出される。空気排出管39では、第3の切換え弁33は閉じられており、第4の切換え弁34を経由して上部の管状火炎バーナ10に送られる。ここで、燃焼室11の内周面に互いに対向して設けられた2つの第1のスリット状ノズル12を通して予熱された空気bが供給される。
【0039】
上部の管状火炎バーナ10が休止し、下部の管状火炎バーナ10が燃焼している場合は、第1、第4の切換え弁31、34が閉じられた状態で燃焼動作を行う。
このように、複数の管状火炎バーナ10を交互に交番燃焼させ、レキュペレータ35と第1〜第4の切換え弁31〜34を切替えることで、排出される燃焼排ガスfによって互いの管状火炎バーナ10に供給する空気bを予熱する。
【0040】
上記のように構成されたラジアントチューブ式加熱装置43においては、互いの管状火炎バーナ10の燃焼排ガスfの顕熱を用いるため、燃料ガスaの消費量をより低減することができ省エネルギを達成できる。
【0041】
次に、管状火炎バーナ10の燃焼安定の効果を図6のグラフで示す。実験は、燃料ガスはメタンを使用し、空気流量を200Nm3/h固定とし、燃料ガス流量を変化させ燃焼可燃範囲を確認している。
グラフ縦軸は、燃料ガスに対する空気比を示している。数値が大きくなるほど空気比が大きくなる。横軸には、本発明の実施例と従来例を並べて示している。
【0042】
図6のグラフより、従来例(図12に示す管状火炎バーナ)の燃焼可燃範囲が空気比0.9〜2.0の範囲であるのに対し、本発明に係る管状火炎バーナ10は、燃焼可燃範囲が空気比0.6〜2.0の範囲である。通常は、空気比1.0で燃焼されるのが標準であるので、燃料ガス過濃領域の燃焼可燃範囲が大幅に広がっている。従って、従来は、変動による失火を考慮して空気比を例えば1.2に設定していたが、本発明では空気比を1.1に下げることが可能となり、その分省エネルギを達成できる。
【0043】
なお、図1に示す管状火炎バーナ10を使用して、図2〜図5に示すラジアントチューブ式加熱装置20、41、42、43のように、管状の火炎dの火炎長が長く、炉壁40の内側で燃焼している場合は、管状火炎バーナ10が加熱されることはない。しかしながら、図11(A)に示すように、管状火炎バーナ10の位置が炉壁40の外側又は外側近傍にあり、燃焼空気が高温の場合は火炎長が短くなって、燃焼位置が炉壁40内にあることになる。
【0044】
炉壁40は通常断熱材によって構成されているので、炉壁40に接するラジアントチューブ21も断熱されていることになり、管状火炎バーナ10の燃焼管45及び炉壁40に接するラジアントチューブ21も異常加熱される場合がある。そこで、以下にこの問題を解決した本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ46について説明する。
【0045】
図7〜図10、図11(B)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る管状火炎バーナ46は、燃焼室を形成する燃焼管(内管)45aと、燃焼管45aと隙間を有して同心上、かつ外側に配置され、少なくとも一端部又は両端部から燃焼管45aが突出する外管48とを有している。外管48の両側は環状板49、50によって閉塞され、環状板49、50の内側には燃焼管45aが挿通している。外管48の中央にはフランジ51が設けられ、炉壁40にねじ固定できるようになっている。また、外管48は炉壁40の厚みより長くなっているのが好ましい。
【0046】
図9、図10に示すように、燃焼管45aと外管48との間には、第1の仕切り板52、53と、第2の仕切り板54、55がそれぞれ対向して平行に設けられ、酸素含有ガス通路の一例である空気通路56、57と、燃料ガス通路58、59を形成している。
この実施の形態では、外管48の先側に位置する燃焼管45aには180度位置に対向して開口部60、61が設けられ、この開口部60、61を第2の仕切り板54、55でそれぞれ2つに分けて、第1のスリット状ノズル62、63と、第2のスリット状ノズル64、65とを形成している。
【0047】
第1のスリット状ノズル62、63の外側には、第1、第2仕切り板52〜55と平行に、ガイド板66、66aが設けられ、かつ垂直にガイド板75、75aが設けられ、第1のスリット状ノズル62、63から空気を燃焼管45aの内側接線方向に供給する構造となっている。また、第2の仕切り板54、55の内側端部は、燃焼管45aの内側接線方向に傾斜(例えば、15〜25度程度)して、燃料ガスを燃焼管45aの内側半径方向に流す第2のスリット状ノズル64、65を形成している。この第2のスリット状ノズル64、65の外側には、第1、第2の仕切り板52〜55と平行にガイド板74、74aが設けられ、更に垂直にガイド板76、76aが設けられている。ここで、第1のスリット状ノズル62、63の内側から同一円周方向にそれぞれ空気を流し、第2のスリット状ノズル64、65から燃料ガスをそれぞれ燃焼管45の同一円周方向で略内側接線方向に流すようにしている。
【0048】
図8、図9に示すように、外管48の基側には、それぞれ空気通路56、57に空気を供給する接続管67、68が設けられ、接続管67、68の端部にはそれぞれフランジ67a、68aが設けられている。一方、外管48の基側には、燃料ガス通路58、59に連結されるガス供給管69、70が設けられている。
【0049】
また、燃焼管45aの途中位置で開口部60、61が形成されている手前位置には、中央に点火装置71aが嵌入する開孔71が形成された閉塞板72が設けられている。そして、点火装置71aの先端は開孔71から燃焼管45aの先側に突出し、点火装置71aの後端は前後に調整可能な支持部材72aによって支持されている。
【0050】
この管状火炎バーナ46を用いたラジアントチューブ式加熱装置73を図11(B)に示すが、第1のスリット状ノズル62、63、及び第2のスリット状ノズル64、65から供給された空気及び燃料ガスが、燃焼管45a内に旋回流を形成するようにして流れ、管状の火炎dを発生する。この場合は、管状火炎バーナ46の燃焼領域Bは、炉壁40の内側(即ち、炉内)に位置しているので、積極的に外側のラジアントチューブ21に吸熱され、燃焼管45a、外管48が異常高温になることはない。
【0051】
前記実施の形態に係るラジアントチューブ式加熱装置73においては、図3〜図5に示すように、燃焼用空気を燃焼排ガスを用いて積極的に予熱するレキュペレータを設けていないが、図3〜図5に示すように、レキュペレータ22、26、35を設けることによって、更に熱効率を向上させることができる。
【0052】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0053】
10:管状火炎バーナ、11:燃焼室、12:第1のスリット状ノズル、13:第2のスリット状ノズル、14、15:開口端部、20:ラジアントチューブ式加熱装置、21:ラジアントチューブ、22:レキュペレータ、23:空気排出管、24:排気管、25:空気導入管、26:レキュペレータ、27:空気排出管、28:空気導入管、29:排気管、30:エジェクタ、31:第1の切換え弁、32:第2の切換え弁、33:第3の切換え弁、34:第4の切換え弁、35:レキュペレータ、36:空気導入管、37:排気管、38:排気導入管、39:空気排出管、40:炉壁、41:ラジアントチューブ式加熱装置、42:ラジアントチューブ式加熱装置、43:ラジアントチューブ式加熱装置、、45、45a:燃焼管、46:管状火炎バーナ、48:外管、49、50:環状板、51:フランジ、52、53:第1の仕切り板、54、55:第2の仕切り板、56、57:空気通路、58、59:燃料ガス通路、60、61:開口部、62、63:第1のスリット状ノズル、64、65:第2のスリット状ノズル、66、66a:ガイド板、67、68:接続管、67a、68a:フランジ、69、70:ガス供給管、71:開孔、71a:点火装置、72:閉塞板、72a:支持部材、73:ラジアントチューブ式加熱装置、74、74a、75、75a、76、76a:ガイド板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の燃焼室の外周に燃料ガスと酸素含有ガスを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズルが隣接して設けられた管状火炎バーナにおいて、
前記第1、第2のスリット状ノズルは、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、
かつ、前記第1のスリット状ノズルは前記燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、前記第2のスリット状ノズルは前記接線方向と平行になるように設けられていることを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項2】
請求項1記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記燃料ガスを供給することを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項3】
請求項1記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記燃料ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを供給することを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の管状火炎バーナにおいて、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、前記燃焼管と前記外管との隙間を仕切り板によって区分して前記燃料ガスの通路と、前記酸素含有ガスの通路を形成したことを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1、第2のスリット状ノズルが、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられていることを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設したことを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項7】
請求項6記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に設けられた外管の長さは、該ラジアントチューブ式加熱装置の炉壁の厚みより長く、燃焼領域が該ラジアントチューブ式加熱装置の炉内に位置することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスを前記管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項9】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスに前記管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項10】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に別の前記管状火炎バーナを配設し、2つの前記管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの前記酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項1】
管状の燃焼室の外周に燃料ガスと酸素含有ガスを別々に供給する第1、第2のスリット状ノズルが隣接して設けられた管状火炎バーナにおいて、
前記第1、第2のスリット状ノズルは、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられ、
かつ、前記第1のスリット状ノズルは前記燃焼室の内周面の接線方向を向いて設けられ、前記第2のスリット状ノズルは前記接線方向と平行になるように設けられていることを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項2】
請求項1記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記燃料ガスを供給することを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項3】
請求項1記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1のスリット状ノズルから前記燃料ガスを、前記第2のスリット状ノズルから前記酸素含有ガスを供給することを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の管状火炎バーナにおいて、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に外管を設けると共に、前記燃焼管と前記外管との隙間を仕切り板によって区分して前記燃料ガスの通路と、前記酸素含有ガスの通路を形成したことを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の管状火炎バーナにおいて、前記第1、第2のスリット状ノズルが、ガスの吹き出し方向を揃えて複数組、前記燃焼室の長さ方向同一位置に設けられていることを特徴とする管状火炎バーナ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の管状火炎バーナをラジアントチューブの一端部に配設したことを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項7】
請求項6記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記燃焼室を形成する燃焼管の外側に設けられた外管の長さは、該ラジアントチューブ式加熱装置の炉壁の厚みより長く、燃焼領域が該ラジアントチューブ式加熱装置の炉内に位置することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスを前記管状火炎バーナの燃焼排ガスにより予熱するレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項9】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に、前記酸素含有ガスに前記管状火炎バーナの燃焼排ガスの一部を混合させるレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【請求項10】
請求項6又は7記載のラジアントチューブ式加熱装置において、前記ラジアントチューブの他端部に別の前記管状火炎バーナを配設し、2つの前記管状火炎バーナを交番燃焼させた燃焼排ガスにより互いの前記酸素含有ガスを予熱するレキュペレータを有することを特徴とするラジアントチューブ式加熱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−251761(P2012−251761A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63941(P2012−63941)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)NSプラント設計株式会社 (275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(306022513)新日鉄住金エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)NSプラント設計株式会社 (275)
【Fターム(参考)】
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