説明

αアミラーゼ活性を有する酵素及びその使用方法

【課題】新規なα−アミラーゼ、及びα−アミラーゼをコードするポリヌクレオチドおよび、α−アミラーゼの設計方法及びその使用方法を提供する。
【解決手段】特定の配列、又はその断片であって、他の特定の配列を有するポリペプチドと同一の生物学的機能又は活性を保持するポリペプチド断片をコードする配列、を含む核酸。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号1を含む配列、又はその断片であって、配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと同一の生物学的機能又は活性を保持するポリペプチド断片をコードし、配列番号1の全長に対して少なくとも95%の配列同一性を有する前記断片をコードする配列:
(b) αアミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、以下の(i)〜(iv)のいずれかの配列;
(i) 配列番号1の全長に対して少なくとも約85%、約90%又は約95%の配列同一性を有する配列;
(ii) 長さが配列番号1の少なくとも約200、約300、約400若しくは約500残基であって、配列番号1に対して約95%の配列同一性を有する配列;
(iii) 長さが配列番号1の少なくとも150ヌクレオチドであって、配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列;又は
(iv) 長さが配列番号1の少なくとも75ヌクレオチドであって、配列番号1に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列:
(c)αアミラーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、ストリンジェントな条件下で配列番号1とハイブリダイズする配列であって、前記ストリンジェントな条件が、2×SSC、0.1%SDSにより室温にて15分間;0.1×SSC、0.5%SDSにより室温にて30分から1時間;0.1×SSC、0.5%SDSによりハイブリダイゼーション温度から68℃の間にて15分から30分間;又は0.15M NaClにより72℃にて15分間;を含む洗浄を含む前記配列:
(d)配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドをコードする配列、又は長さが配列番号2の少なくとも75、100又は150アミノ酸残基であり、アミラーゼ活性を有し、配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと同一の生物学的機能又は活性を保持するポリペプチド断片をコードする配列:及び
(e) (a)、(b)、(c)又は(d)の配列に対して相補的な配列:
からなる群より選択される配列を含む、単離、合成又は組換え核酸であって、
前記配列同一性はBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)、BLASTN又はBLASTPプログラムを含む配列比較アルゴリズムを用いた解析によって決定される、前記核酸。
【請求項2】
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はその断片であって、長さが少なくとも75若しくは100残基であり配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有するか、長さが少なくとも150アミノ酸残基であって配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと同一の生物学的機能又は活性を保持する前記断片をコードする配列を有するポリペプチド:
(b) αアミラーゼ活性を有するか又はαアミラーゼポリペプチド若しくはその断片に対して特異的に結合する抗体を作製する、以下の(i)又は(ii)のいずれかのポリペプチド;
(i) 配列番号2に対して少なくとも約90%若しくは約95%の配列同一性を有する;又は
(ii) 長さが少なくとも150アミノ酸残基であり配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有するか、又は長さが少なくとも75アミノ酸残基であり配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと同一の生物学的機能又は活性を保持する、(i)の断片:及び
(c)請求項1記載の核酸によってコードされるポリペプチド:
からなる群より選択される、単離、合成又は組換えポリペプチドであって、
前記配列同一性はBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)、BLASTN又はBLASTPプログラムを含む配列比較アルゴリズムを用いた解析によって決定される、前記ポリペプチド。
【請求項3】
(a)請求項2記載のポリペプチド:及び
(b)請求項1記載の核酸によってコードされるポリペプチド:
からなる群より選択されるポリペプチドに対して特異的に結合する、単離、合成又は組換え抗体。
【請求項4】
ポリクローナル又はモノクローナルである、請求項3の単離、合成又は組換え抗体。
【請求項5】
(a)請求項2記載のポリペプチド:及び
(b)請求項1記載の核酸によってコードされるポリペプチド:
からなる群より選択される組換えポリペプチドを生産する方法であって、
前記ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入する工程:及び
前記ポリペプチドの発現を可能にする条件下で前記宿主細胞を培養する工程:
を含む前記方法。
【請求項6】
請求項1記載の核酸を含む核酸を得ること、又は請求項2記載のポリペプチドをコードする核酸を得ること:及び
ポリヌクレオチドにおいて一つ以上のヌクレオチドを別のヌクレオチドに改変すること、ポリヌクレオチドにおいて一つ以上のヌクレオチドを欠失すること、又は、ポリヌクレオチドに一つ以上のヌクレオチドを付加すること:
を含む変異体ポリヌクレオチドを作製する方法。
【請求項7】
改変が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異誘発、アセンブリーPCR、有性PCR変異誘発、in vivo変異誘発、カセット変異誘発、帰納的アンサンブル変異誘発、指数的アンサンブル変異誘発、部位特異的変異誘発、遺伝子リアセンブリー、遺伝子部位飽和変異誘発及びこれらの方法の組合せからなる群より選択される方法によって導入される、請求項6の方法。
【請求項8】
(a)請求項1記載の核酸の配列:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドの配列:
からなる群より選択される配列が保存されている内部データ記憶装置又はリモートデータ記憶システムを含むコンピュータで読取り可能な媒体。
【請求項9】
デンプンを含む物質を、
(a)請求項1記載の核酸の配列を有するポリヌクレオチドによってコードされ、グリコシド又はグルコシド結合を加水分解し得るポリペプチド:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドの配列を有し、グリコシド又はグルコシド結合を加水分解し得るポリペプチド:
からなる群より選択されるポリペプチドと接触させることを含む、デンプン中のグリコシド又はグルコシド結合を加水分解する方法。
【請求項10】
α-1,4-グルコシド結合を含む組成物を含むサンプルを、
(a)請求項1記載の核酸の配列を有するポリヌクレオチドによってコードされ、α-1,4-グルコシド結合を切断又は加水分解し得るポリペプチド:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドの配列を有し、α-1,4-グルコシド結合を切断又は加水分解し得るポリペプチド:
からなる群より選択される配列を有するポリペプチドと接触させる工程を含む、α-1,4-グルコシド又はグリコシド結合の切断又は加水分解を触媒する方法。
【請求項11】
アミラーゼポリペプチドを同定するためのアッセイであって、
請求項2記載のポリペプチドを、基質分子と接触させる工程:及び
基質レベルにおける減少又は前記ポリペプチドと基質との間の反応の特異的反応生成物レベルにおける増加のどちらかを検出する工程であって、基質レベルにおける減少若しくは特異的反応生成物レベルにおける増加によって機能性ポリペプチドが示される前記工程を含む前記アッセイ。
【請求項12】
請求項1記載の核酸の配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、核酸プローブ。
【請求項13】
オリゴヌクレオチドがDNA、RNA又はペプチド核酸(PNA)である、請求項12のプローブ。
【請求項14】
(a)請求項1記載の核酸によってコードされるポリペプチド:及び
(b)請求項2記載のポリペプチド:
からなる群より選択されるポリペプチドを含む、タンパク質調製品。
【請求項15】
固体又は液体を含む、請求項14のタンパク質調製品。
【請求項16】
(a)請求項1記載の核酸の配列を有するポリヌクレオチドによってコードされ、α-1,4-グルコシド結合を加水分解し得るポリペプチド:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドの配列を有し、α-1,4-グルコシド結合を加水分解し得るポリペプチド:からなる群より選択される少なくとも一つのポリペプチドを化合物と混合する工程を含む、化合物を改変する方法。
【請求項17】
(a)請求項1記載の核酸の配列:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドをコードする配列:
からなる群より選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項18】
(a)請求項1記載の核酸の配列:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドをコードする配列:
からなる群より選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
【請求項19】
(a)請求項1記載の核酸の配列:及び
(b)請求項2記載のポリペプチドをコードする配列:
からなる群より選択される配列を有するポリヌクレオチドを含み、宿主細胞内で複製し得る、発現又はクローニングベクター。
【請求項20】
ベクターが、ウイルスベクター、プラスミドベクター、ファージベクター、ファージミドベクター、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ、人工染色体、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベクターからなる群より選択される、請求項17又は19記載のベクター。
【請求項21】
請求項19に記載の発現又はクローニングベクターを含む、宿主細胞。
【請求項22】
宿主が、原核生物、真核生物、真菌、酵母及び植物からなる群より選択される、請求項5、18、19又は21のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項23】
デンプンを請求項2のポリペプチドと接触させることを含む、デンプン含有組成物を液化するための方法。
【請求項24】
請求項23の方法によって製造された液化シロップ。
【請求項25】
対象物を洗滌に充分な条件下で請求項2のポリペプチドと接触させることを含む、対象物を洗滌するための方法。
【請求項26】
繊維製品を糊抜きに充分な条件下で請求項2のポリペプチドと接触させることを含む、繊維製品の糊抜きのための方法。
【請求項27】
繊維を、繊維特性の改良に有効な量である請求項2のポリペプチドと処理する、リグノセルロース繊維の処理のための方法。
【請求項28】
請求項2のポリペプチドを繊維表面の効率的な脱インキに有効な量で使用する、再生紙パルプの酵素的脱インキのための請求項27記載の方法。
【請求項29】
請求項2のポリペプチドを含む洗浄性添加剤。
【請求項30】
有効量の請求項2のポリペプチドを用いてデンプンを液化し可溶性デンプン加水分解物を得ること、及び、前記可溶性デンプン加水分解物を糖化することによってシロップを得ることを含む、高マルトースシロップ又は高グルコースシロップ又は混合シロップを製造するための方法。
【請求項31】
デンプンが、コメ、発芽米、トウモロコシ、オオムギ、コムギ、マメ科植物及びサツマイモより選択される原料に由来する、請求項23又は30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
産出作業の間に形成され、完成した掘削穴を囲む地下構造物内に見出される、粘着性でデンプンを含む有害な流体を除去することによって、前記地下構造物からの産出流体の流量を増加させる方法であって、
前記産出流体を前記掘削穴から流れ出させること;
前記構造物からの前記産出流体の流量を期待流速より減少させること;
水溶性流体と請求項2のポリペプチドを一緒に混合することによって、酵素処理剤を調剤すること;
前記掘削穴内部の所望する位置に前記酵素処理剤をポンプで注入すること;
前記粘着性でデンプンを含む有害な流体を、前記酵素処理剤によって分解して前記地下構造物から前記掘削穴の表層に移動させること;
を含み、前記酵素処理剤がデンプンを含む流体中のαグルコシド結合に効果的に作用する前記方法。
【請求項33】
プロセッサと、配列を保存している内部データ記憶装置又はリモートデータ記憶システムとを含むコンピュータシステムであって、
前記配列が
(a) 請求項1記載の核酸の配列;及び
(b) 請求項2記載のポリペプチドの配列;
から成る群より選択される前記コンピュータシステム。
【請求項34】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、アルコール製造方法。
【請求項35】
デンプン含有組成物を、αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又はその他の酵素と接触させることを更に含む、請求項34のアルコール製造方法。
【請求項36】
アルコールが燃料エタノールを含む、請求項34のアルコール製造方法。
【請求項37】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、トウモロコシ湿式粉砕加工方法。
【請求項38】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項37のトウモロコシ湿式粉砕加工方法。
【請求項39】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む洗浄剤。
【請求項40】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項39の洗浄剤。
【請求項41】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、パン焼き方法。
【請求項42】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項41のパン焼き方法。
【請求項43】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、飲料。
【請求項44】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項43の飲料。
【請求項45】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、パン生地、ベーカリー製品またはベークド製品。
【請求項46】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項45のパン生地、ベーカリー製品またはベークド製品。
【請求項47】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む小麦粉を含む、パン焼き用プレミックス。
【請求項48】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項47のパン焼き用プレミックス。
【請求項49】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、パン焼き用添加剤。
【請求項50】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項49のパン焼き用添加剤。
【請求項51】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、繊維製品。
【請求項52】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項51の繊維製品。
【請求項53】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、紙、パルプ又は再生紙。
【請求項54】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項53の紙、パルプ又は再生紙。
【請求項55】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含む、充填剤又はフィルム形成剤。
【請求項56】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素を更に含む、請求項55の充填剤又はフィルム形成剤。
【請求項57】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、掘削方法。
【請求項58】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項57の掘削方法。
【請求項59】
請求項2のアミラーゼポリペプチドを含むアミラーゼとシグナル配列とを含む、アミラーゼ活性を有するポリペプチド。
【請求項60】
シグナル配列が、別のアミラーゼタンパク質又はアミラーゼでないタンパク質に由来する配列を含む、請求項59のポリペプチド。
【請求項61】
シグナル配列がアミノ末端シグナル配列である、請求項59のポリペプチド。
【請求項62】
シグナル配列の長さが13〜36アミノ酸残基である、請求項59のポリペプチド。
【請求項63】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む乾燥粉砕加工方法であって、場合により、挽いた全粒の前記アミラーゼポリペプチドによる液化が低温の酵素的液化であってもよい前記方法。
【請求項64】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項63の乾燥粉砕加工方法。
【請求項65】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、醸造加工方法。
【請求項66】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項65の醸造加工方法。
【請求項67】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、繊維製品を加工する方法。
【請求項68】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項67の繊維製品を加工する方法。
【請求項69】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、紙又はパルプを加工する方法。
【請求項70】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項69の紙又はパルプを加工する方法。
【請求項71】
請求項2のアミラーゼポリペプチドの使用を含む、飲料の製造方法。
【請求項72】
αアミラーゼ活性を有する第二のポリペプチド、βアミラーゼ又は他の酵素の使用を更に含む、請求項71の飲料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図7−7】
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【図7−8】
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【図7−9】
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【図8】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−142080(P2008−142080A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305644(P2007−305644)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【分割の表示】特願2002−568693(P2002−568693)の分割
【原出願日】平成14年2月21日(2002.2.21)
【出願人】(503089489)ヴェレニウム コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】