説明

β−アドレナリン受容体アゴニストとしてのインダン−2−イルアミノ−ヒドロキシエチル−キノリン・マレイン酸塩誘導体の多形結晶形態

炎症性または閉塞性気道疾患の処置において有用である、結晶形態Qアルファで示される(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩の新規多形結晶形態。結晶形態Qアルファを製造するための方法も記載する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶形態Qアルファで示される(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩の新規多形結晶形態およびそれを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩は、式I
【化1】

で示される化学構造を有する。
【0003】
本明細書で“式Iの化合物”の(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩は、強力なβ−2アドレナリン受容体アゴニストであり、気管支拡張剤として有用である。そのβ−アドレナリン受容体の作用の迅速な発生および長期、例えば、24時間以上の刺激作用は、呼吸器疾患、例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置のためにとりわけ適切である。
【0004】
式Iの化合物は、国際特許出願WO2000/75114およびWO2005/123684(これらの内容を出典明示により本明細書に包含させる)に記載されている方法により製造する。
【0005】
この化合物は医薬として使用するために研究されてきた。該化合物の種々の結晶多形形態の存在が、提案された使用に対して化合物の最も適当な形態を決定するために研究されてきた。
【発明の概要】
【0006】
今回、式Iの化合物の新規結晶形態が単離され、結晶形態Qアルファを示した。この結晶形態は非常に優れた安定性を有し、医薬投与剤形の製造における使用を容易にする。それは、例えば、保存において非結晶形態よりも崩壊または変換する可能性が低い。また、非結晶部分と比較して溶解挙動、すなわち崩壊のより低い動力学の変化がある。
【0007】
したがって、本発明は、第1の局面において、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を提供する。
【0008】
第2の局面において、本発明は、示差走査熱量測定法により、約192℃の融点(同時に分解)により特徴付けられる、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を提供する。
【0009】
第3の局面において、本発明は、X線回折像で下記特徴的な回折線(角度2θ±0.2°)5.3°、10.1°、12.7°、16.4°、20.0°および25.8°を有する、結晶形態Qアルファの結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を提供する。
【0010】
第4の局面において、本発明は、活性成分として、有効量の結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩と、所望により、薬学的に許容される担体を共に含む、医薬組成物を提供する。好ましくは、該組成物は吸入可能形である。
【0011】
第5の局面において、本発明は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置のための医薬の製造のための、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩の使用に関する。
【0012】
第6の局面において、本発明は、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を製造するための方法であって、エタノール ALIの溶液から(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を結晶化することを含む方法を提供する。
【0013】
本明細書で使用される用語は下記意味を有する:
本明細書で使用される“多形”は、1種以上の異なる結晶種に結晶化する化合物の能力である。多形(または結晶変態)は同一の化学構造を有するが、しばしば全く異なる物理化学的特性を有する。多形は互変的多形および単変的多形を含む。
【0014】
本明細書で使用される“非結晶”は、薬物(結晶化工程、乾燥、製粉)または製剤(造粒、圧縮)の製造中に現れ得る不規則な固体状態を意味する。非結晶固体のX線粉末回折パターンはシャープなピークを示さない。
【0015】
“疑似多形”は、多形のように、異なる物理学的特性を有するが、しかしながら、多形とは異なって、異なる化学組成物を有する化合物の溶媒和物または水和物である。要するに、それは化学量論的または非化学量論的いずれかの量の水(水和物の場合)または他の溶媒(溶媒和物の場合)を含む結晶形態である。
【0016】
結晶形態に関して本明細書で使用される“結晶学的に純粋”は、結晶形態が多くても約1%(w/w)の他の形態を含むことを意味する。したがって、例えば“結晶学的に純粋な結晶形態Qアルファ”は、≦約1%(w/w)の他の形態を含む。
本明細書で使用される“エタノール ALI”は、変性エタノールであり、さらに具体的には90%のエタノール、5%の水および5%のイソプロパノールを含む。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲を通して、文脈から他の解釈が必要でない限り、用語“含む”または“含み”もしくは“含まれる”のような派生語は、規定の整数または整数の群を含むが、他のいかなる個体または個体の群を除外しないことを意味することが理解されよう。
【0018】
今回、本発明の新規多形結晶形態は、添付の図面を引用して記載している。図面において:
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は結晶形態QアルファのX線回折像である。
【図2】図2は非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のX線回折像である。
【図3】図3は結晶形態Qアルファのラマンスペクトルである。
【図4】図4は非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のラマンスペクトルである。
【図5】図5は結晶形態QアルファのIRスペクトルである。
【図6】図6は非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のIRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を提供する。
【0021】
その部分的に非結晶形態の式Iの化合物は、国際特許出願WO2000/75114の実施例21の方法にしたがって製造してもよい。これは、(R)−8−ベンジルオキシ−5−オキシラニルカルボスチリルを5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミンと反応させ、8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−IH−キノリン−2−オンを得て、さらに脱保護反応に付し、ベンジル基を水素により置換し、マレイン酸塩として得られた化合物を回収することを含む。(R)−8−ベンジルオキシ−5−オキシラニル−カルボスチリル・マレイン酸はWO1995/25104に記載のとおりに製造してもよい。5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミンはWO2003/76387に記載のとおりに製造してもよい。
【0022】
しかしながら、式Iの化合物は、好ましくは国際特許出願WO2005/123684に記載の方法にしたがって製造し、ここで、前記8−ベンジルオキシ−5−(R)−オキシラニル−(1H)−キノリン−2−オン中間体は不斉水素化処理により製造する。
【0023】
最初は非結晶形態でのみ得られた式Iの化合物は、最初の合成後数年が経って結晶形態で初めて回収されたが、その最初の結晶化後、その非結晶形態から極めて容易に結晶化を誘導できることが見出された。したがって、今回、該結晶マレイン酸塩が、非結晶化合物エタノール性溶液への水の添加を含む、最初に使用された再結晶条件を越えて拡大した幅広い実験条件を使用して、容易に入手できるようになった。
【0024】
結晶形態Qアルファは、エタノール ALI(90%のエタノール、5%の水、5%のイソプロパノール)の溶液から式Iの化合物を結晶化することにより、例えば、3日間にわたって25℃±01で溶媒中で該化合物を平衡化にすることにより、または、これと同様に、例えば、下記実施例1に準じて製造してもよい。結晶化は、例えば、溶媒中の式Iの化合物の過飽和溶液を冷却するか、または、式Iの化合物の溶液に式Iの化合物があまり溶解しない溶媒を加えることにより誘導してもよい。式Iの化合物の当初溶液は環境温度または高温(還流温度まで)であってよい。
【0025】
結晶化を誘導するために結晶物質の“種晶”を溶液に加えることが好ましい。
結晶形態の式Iの化合物は容易に単離でき、それは結晶媒体から、例えば、濾取または遠心分離で単離できる。
【0026】
結晶形態Qアルファの製造のための後処理は、一般的に、母液から結晶化物を分離するための既知の方法、例えば、加圧および/または真空を利用しまたは利用しない濾過により、または、遠心分離し、次に結晶の乾燥により実施してもよい。
【0027】
非結晶部分は、適当な当分野で既知の方法により結晶形態に変換することができる。
結晶形態Qアルファは、多様な方法で特徴付けることができる。
結晶形態Qアルファは、例えば、10K/分の加熱速度で、示差走査熱量測定法により、約192℃の融点(同時に分解)を有する。
【0028】
結晶形態Qアルファは、図1に示されているX線回折像の特徴的な回折線(角度2θ±0.2°)を有する。これは実施例2にさらに詳細に記載されている。XRPDパターンは、特徴的な回折線(角度2θ±0.2°)5.3°、10.1°、12.2°、12.7°、12.9°、16.4°、20.0°、23.4°、24.5°、25.8°、26.8°、28.8°および29.7°を示す。5.3°、10.1°、12.7°、16.4°、20.0°および25.8°のピークは顕著なピークである。最も強い回折ピークは5.3°である。非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のX線回折像を図2に示し、それは、結晶形態QアルファのXRPDパターンと明白に区別できる。
【0029】
結晶形態QアルファはそのFT−ラマンスペクトルにより特徴付けることができる。結晶形態QアルファのFT−ラマンスペクトルを図3に示す。これは実施例3にさらに詳細に記載されている。非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のFT−ラマンスペクトルを図4に示し、それは、結晶形態QアルファのFT−ラマンスペクトルと明白に区別できる。
【0030】
結晶形態QアルファはそのFT−IRスペクトルにより特徴付けることができる。結晶形態QアルファのFT−IRスペクトルを図5に示す。これは実施例4にさらに詳細に記載されている。非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のFT−IRスペクトルを図6に示し、それは、結晶形態QアルファのFT−IRスペクトルと明白に区別できる。
【0031】
結晶形態Qアルファは実施例5に記載されている結晶学的データおよび実施例6に記載されている結晶充填により特徴付けることができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察された結晶形態Qアルファのサンプルは、大型針状結晶の集団を示す。
【0032】
式Iの化合物の第2の結晶形態、すなわち、qベータは、テトラヒドロフラン(THF)水(1/1 V/V)の溶液から80℃±01で該化合物を結晶化することにより得たが、これは純粋ではない。それは結晶形態Qアルファを含む。結晶形態qベータは、また、同じ溶液から25℃±01で該化合物を結晶化することにより得られ、このことはXRPDパターンで小さいピーク3.8°が存在することにより示された。しかしながら、それは再現することが可能ではなかった。非常に類似のX線回折像が無水ラセミ体化合物で観察され、これは、ラセミ化合物の水和物形態、すなわち疑似多形であることを示唆する。
【0033】
その抗炎症活性に鑑み、結晶形態Qアルファの式Iの化合物は、炎症状態、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置に有用である。本発明による処置は、対症的または予防的であり得る。
【0034】
本発明が適用できる炎症性または閉塞性気道疾患は、その類型および原因に関わりなく、例えば内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の両方、軽度の喘息、中度の喘息、重度の喘息、気管支炎喘息、運動誘発喘息、職業的喘息および細菌感染によって誘導される喘息を含む。喘息の処置には、喘鳴症候群を示し、主要な医学的懸念の確立された患者カテゴリーであり、しばしば初期のまたは早期の喘息として定義される“喘鳴小児”と診断されるまたは診断できる、例えば、4または5歳以下の対象の処置を包含すると理解されるべきである(便宜上、この特定の喘息状態は、“喘鳴小児症候群”と呼ぶ)。
【0035】
喘息の処置における予防効果は、症候発作、例えば、急性喘息または気管支収縮発作の頻度または重症度の減少、肺機能の改善または気道過反応性の改善により証明され得る。さらに、他の対症療法、すなわち症候発作を、それが起きたとき、制限もしくは中止するための、またはそれを意図した治療、例えば抗炎症剤(例えば、コルチコステロイド)または気管支拡剤の必要性の減少により証明できる。喘息における予防効果は、特に“モーニングディッピング(morning dipping)”になる傾向の対象において明らかになり得る。“モーニングディッピング”とは、喘息のかなりの割合に共通する、認識された喘息症候群であり、例えばおおよそ4から6amの時間、すなわち、前に投与された何らかの喘息対症治療から通常相当離れた時間に起こる喘息発作により特徴付けられる。
【0036】
本発明が適用できる他の炎症性または閉塞性気道疾患および状態は、急性肺外傷(ALI)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、それらと関連する慢性気管支炎もしくは呼吸困難を含む慢性閉塞性肺(pulmonary)、気道もしくは肺嚢(lung)疾患(COPD、COADまたはCOLD)、気腫、ならびに他の薬剤治療、特に、他の吸入薬剤治療の結果生じる気道過反応性の悪化を含む。本発明はまた、急性、アラキジン性(arachidic)、カタール性、クループ性、慢性もしくは結核様(phthinoid)気管支炎を含む、いかなるタイプもしくは起源であれ、気管支炎の処置に適用できる。さらに本発明が適用できる炎症性または閉塞性気道疾患は、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症および綿肺症を含む、いかなるタイプもしくは起源であれ、塵肺(しばしば気道の閉塞を伴い、慢性または急性であり、しばしば粉塵の繰り返し吸引により起こる、肺の炎症性の、一般に職業的な疾患)を含む。
【0037】
その抗炎症性活性、特に好酸球活性化の阻害関連を考慮して、結晶形態Qアルファの式Iの化合物はまた、好酸球関連疾患、例えば、好酸球増多症、特に、(例えば、肺組織の病的好酸球性進入(それが気道および/または肺に影響する限り過好酸球増多症を含む)が関与する)気道の好酸球関連疾患、ならびに、例えば、レフラー症候群に続発するもしくは併発する気道の好酸球関連疾患;好酸球性肺炎;(熱帯好酸球増多症を含む)寄生虫(特に後生動物)の侵入;気管支肺アスペルギルス症;チャーグ・ストラウス症候群を含む結節性多発性動脈炎;好酸球性肉芽腫;および薬物反応誘導により起こる気道が影響する好酸球関連疾患の処置において有用である。
【0038】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物はまた、皮膚の炎症性状態、例えば、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑症、過敏性血管炎、蕁麻疹、類天疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水疱症および皮膚の他の炎症性状態の処置に有用である。
【0039】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物はまた、他の疾患または状態、特に、炎症性要素を有する疾患または状態、例えば、目の疾患および状態の処置、例えば結膜炎、乾性角結膜炎および春季結膜炎;鼻に影響する疾患、例えばアレルギー性鼻炎;関節の疾患、例えばリウマチ性関節炎および炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置のために使用してもよい。
【0040】
さらに、結晶形態Qアルファの式Iの化合物はまた、嚢胞性線維症、肺高血圧および肺線維症の処置のために使用してもよい。
【0041】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物は、また、例えば、この薬剤の治療効果の増強剤として、または、この薬剤の必要用量もしくは潜在的副作用減少の手段として、特に抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン/抗アレルギー剤または鎮咳剤、特に、閉塞性または炎症性気道疾患、例えば、上記記載のものの処置において、気道疾患の処置のための他の薬剤物質と組合せて使用するための、共治療剤として有用である。結晶形態Qアルファの式Iの化合物は、固定された医薬組成物として他の薬剤物質と混合されても、または他の薬剤物質と別々に、他の薬剤物質の前に、同時にまたは後に投与してもよい。
【0042】
このような抗炎症剤は、ステロイド、特に、グルココルチコステロイド、例えばブデソニド、ベクロメタゾン(beclamethasone)ジプロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニド、デキサメタゾン、フルニソリド、フロ酸モメタゾンおよびトライアムシナロン、WO02/00679、WO02/88167、WO02/12265、WO02/12266およびWO02/100879に記載されているもの(それらの塩または誘導体、例えば、スルホ安息香酸、リン酸、イソニコチン酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸二水素、パルミチン酸、ピバル酸またはフランカルボン酸ナトリウム塩、可能なとき、水和物を含む);ドーパミンアゴニスト、例えば、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロ−エルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびバイオザン(それらの薬学的に許容される塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸との塩)、非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、WO00/00531、WO02/10143、WO03/082280、WO03/082787、WO03/104195、WO04/005229に記載されているもの;LTB4アンタゴニスト、例えば、BIIL284、CP−195543、DPC11870、LTB4エタノールアミド、LY293111、LY255283、CGS025019C、CP−195543、ONO−4057、SB209247、SC−53228およびUS5451700およびWO04/108720に記載されているもの;LTD4アンタゴニスト、例えば、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルカスト、アコレート、SR2640、Wy−48,252、ICI198615、MK−571、LY−171883、Ro24−5913およびL−648051;ドーパミン受容体アゴニスト、例えば、カベルゴリン、ブロモクリプチン、ロピニロールおよび4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)−プロピル]スルホニル]エチル]−アミノ]エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロンおよびそれらの薬学的に許容される塩(Viozan(登録商標)−AstraZenecaの塩酸塩);PDE4阻害剤、例えば、シロミラスト(Ariflo(登録商標)GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V−11294A(Napp)、BAY19−8004(Bayer)、SCH−351591(Schering−Plough)、Arofylline(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(Parke−Davis)、AWD−12−281(AstaMedica)、CDC−801(Celgene)、SelCID(TM)CC−10004(Celgene)、VM554/UM565(Vernalis)、T−440(田辺)、KW−4490(協和発酵工業)、GRC3886(Oglemilast、Glenmark)、および、WO92/19594、WO93/19749、WO93/19750、WO93/19751、WO98/18796、WO99/16766、WO01/13953、WO03/39544、WO03/104204、WO03/104205、WO04/000814、WO04/000839、WO04/005258、WO04/018450、WO04/018451、WO04/018457、WO04/018465、WO04/018431、WO04/018449、WO04/018450、WO04/018451、WO04/018457、WO04/018465、WO04/019944、WO04/019945、WO04/045607、WO04/037805、WO04/063197、WO04/103998、WO04/111044、WO05/012252、WO05012253、WO05/013995、WO05/030212、WO05/030725、WO05/087744、WO05/087745、WO05/087749およびWO05/090345に記載されているもの(それらの生理学的に許容される酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタン−スルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸との塩を含む);A2aアゴニスト、例えば、EP409595A2、EP1052264、EP1241176、WO94/17090、WO96/02543、WO96/02553、WO98/28319、WO99/24449、WO99/24450、WO99/24451、WO99/38877、WO99/41267、WO99/67263、WO99/67264、WO99/67265、WO99/67266、WO00/23457、WO00/77018、WO00/78774、WO01/23399、WO01/27130、WO01/27131、WO01/60835、WO01/94368、WO02/00676、WO02/22630、WO02/96462、WO03/086408、WO04/039762、WO04/039766、WO04/045618およびWO04/046083に記載されているもの;ならびに、A2bアンタゴニスト、例えば、WO02/42298およびWO03/042214に記載されているものを含む。
【0043】
このような気管支拡張剤は、抗コリン剤またはムスカリン受容体拮抗剤、特に、イプラトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、チオトロピウム(tiotropium)塩、CHF 4226(Chiesi)、SVT−40776およびグリコピロレートおよび他のグリコピロニウム塩、また、EP424021、US3714357、US5171744、US2005/171147、US2005/182091、WO01/04118、WO02/00652、WO02/51841、WO02/53564、WO03/00840、WO03/33495、WO03/53966、WO03/87094、WO04/018422、WO04/05285、WO04/96800、WO05/77361およびWO06/48225に記載のものを含む。
【0044】
適当なデュアル抗炎症性および気管支拡張は、デュアルβ−2アドレナリン受容体アゴニスト/ムスカリンアンタゴニスト、例えば、US2004/0167167、US2004/0242622、US2005/182092、US2005/256114、US2006/35933、WO04/74246、WO04/74812、WO04/89892およびWO06/23475に記載のものを含む。
【0045】
適当な抗ヒスタミン/抗アレルギー剤は、アセトアミノフェン、アクチバスチン、アステミゾール、アゼラスチン、バミピン、塩酸セチリジン、デクスクロフェニラミン、クロロ−フェノキサミン、フマル酸クレマスチン、デスロラチジン(desloratidine)、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、エバスチン、エメダスチン、エピナスチン、塩酸フェキソフェナジン、ケトチフェン、レボセチリジン、レボカバスチン、ロラチジン、メクリジン、ミゾラスチン、フェニラミン、プロメタジンおよびテフェナジン(tefenadine)、ならびにJP2004107299、WO03/099807およびWO04/026841に記載のもの(存在できる全ての薬理学的に許容される酸付加塩を含む)を含む。
【0046】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物およびステロイド、PDE4阻害剤またはLTD4アンタゴニストの組合せ剤は、特に、喘息の処置に使用することが適当である。
【0047】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物および抗コリン剤または抗ムスカリン剤、PDE4阻害剤、LTB4アンタゴニストの組合せ剤は、特に、COPDの処置に使用することが適当である。
【0048】
前記にしたがって、本発明はまた、有効量の上記定義の結晶形態Qアルファの式Iの化合物を、それらを必要とする対象、特にヒト対象に投与することを含む、炎症性状態、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置法を提供する。さらなる局面において、本発明は、炎症性状態、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造のための結晶形態Qアルファの式Iの化合物の使用を提供する。
【0049】
結晶形態Qアルファの式Iの化合物は、すべての適当な経路で、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセル形で;非経腸的に、例えば、静脈内に;例えば、炎症性または閉塞性気道疾患の処置において吸入により;例えば、アレルギー性鼻炎の処置において経鼻で;例えば、アトピー性皮膚炎の処置において皮膚に局所的に;または、例えば、炎症性腸疾患の処置において経直腸的に投与してもよい。
【0050】
さらなる局面において、本発明はまた、活性成分として結晶形態Qアルファの式Iの化合物を、所望により薬学的に許容される希釈剤または担体とともに含む医薬組成物を提供する。該組成物は、共治療薬、例えば上記記載の気管支拡張剤または抗炎症剤を含んでもよい。このような組成物を慣用の希釈剤または賦形剤およびガレヌス分野で既知の技術を使用して製造してもよい。したがって、経口投薬形は、錠剤およびカプセルを含んでもよい。局所投与用製剤は、クリーム、軟膏、ゲルまたは経皮送達システム、例えば、パッチの形であってよい。吸入用組成物は、エアロゾルもしくは他の噴霧可能製剤または乾燥粉末製剤を含んでもよい。
【0051】
該組成物が、エアロゾル製剤、好ましくは例えば、ヒドロ−フルオロ−アルカン(HFA)噴射剤、例えばHFA134aもしくはHFA227またはこれらの混合物を含むとき、1種以上の当分野で既知の共溶媒、例えばエタノール(20重量%まで)、および/または1種以上の界面活性剤、例えばオレイン酸またはソルビタントリオレート、および/また1種以上の充填剤、例えばラクトースを含んでもよい。組成物が乾燥粉末製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、所望により望む粒径分布の希釈剤または担体、例えばラクトース、および湿気による製造物の性能劣化に対する保護のための化合物、例えば、ステアリン酸マグネシウム、一般的に0.05−2.0%のステアリン酸マグネシウムと一緒に、10ミクロンまでの粒径を有する結晶形態Qアルファの式Iの化合物を含む。組成物が噴霧製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、水、共溶媒、例えばエタノールまたはプロピレングリコールおよび安定剤(これは界面活性剤であってよい)を含む賦形剤中、溶解または懸濁している結晶形態Qアルファの式Iの化合物を含む。
【0052】
本発明は、(A)吸入可能形、例えば、エアロゾルもしくは他の噴霧可能組成物または吸入可能粒子、例えば、微粒子形の結晶形態Qアルファの式Iの化合物;(B)吸入可能形の結晶形態Qアルファの式Iの化合物を含む吸入可能医薬;(C)吸入デバイスに関連する吸入可能形の結晶形態Qアルファの式Iの化合物を含む医薬生成物;および(D)吸入可能形の結晶形態Qアルファの式Iの化合物を含む吸入デバイスを含む。
【0053】
カプセル化形態の乾燥粉末の送達のための適当なデバイスは、US3,991,761(AEROLIZERTMデバイスを含む)またはWO05/113042に記載されており、適当なMDDPIデバイスはWO97/20589(CERTIHALERTMデバイスを含む)、WO97/30743(TWISTHALERTMデバイスを含む)、WO05/14089(GEMINITMデバイスを含む)およびWO05/37353(GYROHALERTMデバイスを含む)に記載されているものを含む。
【0054】
本発明の実施において、使用される結晶形態Qアルファの式Iの化合物の用量はもちろん、例えば、処置される特定の状態、所望の効果および投与経路に依存して変化する。一般的に、吸入による投与による適当な1日用量は、0.005から10mgであり、経口投与による適当な1日用量は、0.05から100mgである。
【0055】
本発明を、下記実施例により説明する。
【実施例】
【0056】
実施例
実施例1
結晶形態Qアルファの製造
国際特許出願WO05/123684に記載の方法により製造された50mgの(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を1mlのエタノール ALI(90%のエタノール、5%の水、5%のイソプロパノール)中で3日間にわたって25℃±01で平衡にする。生成物を濾過し、10分空気乾燥させる。式Iの化合物を白色の結晶形態で得る。
【0057】
実施例2
X線粉末回折による結晶形態Qアルファの特徴付け
実施例1にしたがって製造される結晶形態QアルファのX線回折像を、CuKα放出源を有するSCINTAGTMX線回折計を使用して測定する。そうして、測定されたX線回折像は図1を示し、反射線および最も重要な線の強度を下記表1に示す。
表1
結晶形態QアルファのX線回折線および強度
【表1】

【0058】
XRPDパターンは5.3°で強い回折ピークを示す。
α放出源を有する同じ回折計を使用して得られた非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のX線回折像を図2に示す。
【0059】
実施例3
ラマン分光法による結晶形態Qアルファの特徴付け
実施例1にしたがって製造される結晶形態QアルファのFT−ラマンスペクトルを、BRUKER OPTICS RFS 100TM分光計を使用して測定する。そうして、測定されたFT−ラマンスペクトルは図3を示し、反射線および最も重要な線の強度を下記表2に示す。
表2
結晶形態QアルファのFTラマンスペクトル線および強度
【表2】

【0060】
同じ分光計を使用して得られた非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のFT−ラマンスペクトルを図4に示す。
【0061】
実施例4
IR分光法による結晶形態Qアルファの特徴付け
実施例1にしたがって製造される結晶形態QアルファのFT−IRスペクトルを、透過KBr技術およびBRUKER OPTICS IFS−55TMFourier Transform Infrared(FTIR)分光計を使用して測定する。そうして、測定されたFT−IRスペクトルは図5を示す。主なIRバンドを、3391、3346、2966、2873、1876、1665、1603、1481、1385、1282、1247、1227、1150、1084、1033、872、833、657、591cm−1で記録する。
同じ分光計を使用して得られた非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩のIR−ラマンスペクトルを図6に示す。
【0062】
実施例5
結晶学的データによる結晶形態Qアルファの特徴付け
実施例1にしたがって製造される結晶形態Qアルファは下記表3の結晶学的データを有する。
表3
結晶形態Qアルファの結晶学的データ
【表3】

【0063】
実施例6
その結晶充填パターンによる結晶形態Qアルファの特徴付け
Qalphaの結晶充填は、H−結合および静電力により結合される(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン陽イオンおよびマレイン酸陰イオンからなる。H−結合の距離および角度は表4に示される特徴を有する。
表4
結晶形態Qアルファの結晶充填データ
【表4】

交互のインダン部分の縦列およびキノロンフラグメントの線を観察することができる。12個の利用できる水素原子の中で、11個はH−結合に関与している。N5だけが関与していない。
【0064】
実施例7
走査型電子顕微鏡による結晶形態Qアルファの特徴付け
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察された、実施例1にしたがって製造される結晶形態Qアルファのサンプルは、大型針状結晶の集団を示す。
【0065】
実施例8
物理化学安定性比較
結晶形態Qアルファのサンプルおよび非結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を1か月保存前後で圧力試験し、物理化学安定性比較を提供する。
第1の試験において、サンプルを60℃で相対湿度<30%を有するふたなし容器中で保存する。第2の試験において、サンプルを60℃でふたなし容器中で相対湿度約75%で保存する。結果を下記表5および6それぞれで示す。
【0066】
該試験は、(a)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定された純度;(b)HPLCにより測定されたエナンチオマー純度;(c)CuKα放出源(45kV、40mA)を有するSCINTAGTMX線回折計を使用して測定されたX線回折像により測定された物質の型;および(d)窒素流速50ml/分でTGA851e Mettler Toledo STAR System熱重量分析を使用して測定された水分含有量を測定する。
表5
圧力試験:1か月、60℃ ふたなし(R.H.<30% R.H.)
【表5】

*リリース分析(release analysis)から得た
#リコントロール分析(recontrol analysis)から得た
表6
圧力試験:1か月、60℃/75%RH ふたなし
【表6】

*リリース分析(release analysis)から得た
#リコントロール分析(recontrol analysis)から得た
【0067】
これらの試験は、非結晶物質がQアルファよりも崩壊しやすく、そして60℃/75%R.H.で保存したとき、非結晶物質は結晶形態Qアルファに変換されることを示す。結晶形態Qアルファの有意な変化は1か月保存後に観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩。
【請求項2】
示差走査熱量測定法により、同時分解を有する約192℃の融点により特徴付けられる、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩。
【請求項3】
X線回折像で下記特徴的な回折線(角度2θ±0.2°)5.3°、10.1°、12.7°、16.4°、20.0°および25.8°を有する、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩。
【請求項4】
X線回折像で下記特徴的な回折線(角度2θ±0.2°)12.2°、12.9°、23.4°、24.5°、26.8°、28.8°および29.7°を有する、請求項3に記載の結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩。
【請求項5】
医薬として使用するための、請求項1から4のいずれかに記載の結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩。
【請求項6】
活性成分として、有効量の結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩と、所望により、薬学的に許容される担体を共に含む、医薬組成物。
【請求項7】
1種、2種、3種またはそれ以上の抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン/抗アレルギー剤または鎮咳剤をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
吸入可能形である、請求項6または7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
炎症性または閉塞性気道疾患の処置のための医薬の製造のための、結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩の使用。
【請求項10】
結晶形態Qアルファで示される結晶(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を製造するための方法であって、90%のエタノール、5%の水および5%のイソプロパノールを含む変性エタノールの溶液から(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン・マレイン酸塩を結晶化することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−501631(P2010−501631A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526104(P2009−526104)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059039
【国際公開番号】WO2008/025816
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】