説明

おやすみサプリ

【課題】現代人が昼夜の区別がないボーダレス社会で、熟睡できる環境が少なくなっている。健康的な生き方をするためには、どうしても覚醒リズムを取り戻す方法を見つける必要がある。現在では医薬品に依存せざるを得ない状況である。最近、外国から睡眠効果のある牛乳が販売され始めている。喜ばしいことである。
しかし、海外旅行、国内旅行など移動することで不眠になるケースでは、携帯に便利な製品が喜ばれる。また、日本人は乳糖不耐症のため牛乳を消化する酵素(ラクターゼ)を持ち合わせていない。殆どの日本人は下痢を起すことがある。日本人の体内特性から考えても、ビタミンB12、ビタミンC、グリシン配合のサプリメントの方が日本人に優しい製品と考える。
【解決手段】ビタミンB12を1.5mg、ビタミンCを200mg、グリシンを3000mg配合して、粉末或は顆粒状もしくは打錠、カプセル化のいずれかを選び製品化する。それぞれの原料配合量は、睡眠・覚醒効果を検証し変更することがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ビタミンB12とビタミンCにグリシンを加えた睡眠及び覚醒効果を有するサプリメント
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている睡眠効果を有する製品は医薬品が主流である。最近、外国の研究で夜間に搾った牛乳に睡眠効果を有することが証明され、日本でも市販され始めている。牛乳の睡眠効果は、脳の松果体から分泌されるメラトニンと考えられる。
しかし、ビタミンとアミノ酸を適量配合した睡眠及び覚醒効果を有するサプリメントは、いまだ販売されていない。
【発明の開示】

【発明を解決しようとする課題】
【0003】
人間の覚醒リズムは、日が昇り、日が沈む太陽の動きに合わせて、作動するように出来ている。しかし、現代社会は文明の発達と共に、ストレスの多い職場、人間のスピードではついて行けない環境(体内吸収が速過ぎる食材も含めて)、都会での常に明るい生活環境(24時間営業のコンビニエンスストアなど)、夜の室内には明るすぎる照明、昼夜を問わず仕事をする人、夜遅くまで起きている人など人間を中心にした行動リズムが作られ、昼夜のボーダレス化が進み、人間本来の覚醒リズムが狂い始めている。
その結果、深い眠りを得ることが出来ず、体を充分癒すことが出来なくなってきた。本来、人間は眠ることで体を回復させ、自然治癒力を高める能力を維持してきた。眠ることが困難になると、当然、体に障害が起こり、精神的にも肉体的にも病気が発生しやすくなる。
人間にとって大切な睡眠を取り戻すために、医薬品ではなく体に優しいビタミンとアミノ酸で、深い睡眠を得るサプリメントを作ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段は、ビタミンB12、ビタミンC、グリシンを使用し、この3種類の原料を適量に配合して、粉末、顆粒、打錠、カプセル化のいずれかを選択して製品化する。粉末、顆粒においては、3種類の原料が均等に混合されるように撹拌して製品化し、水或は牛乳等に溶かして飲用する。打錠或はカプセルにおいては、噛まずに水などで摂取する。
製品化にあたって特に注意したことは、有効原料以外使用しないことである。あらゆる加工食品には体に良くない食品添加物が含まれている。3種類の原料以外を排除して製品化した。
【発明の効果】
【0005】
ビタミンB12、ビタミンC、グリシンの配合において、ビタミンB12は日本ビタミン学会編集のビタミン事典に睡眠・覚醒リズム障害とビタミンB12の関連が記載されている。非24時間睡眠・覚醒症候群や睡眠相遅延症候群などの障害に対して、ビタミンB12を1日1.5mg〜3.0mgの大量投与で改善がみられた報告がある。
また、ビタミン専門委員会委員として活躍している吉川敏一助教授の最新版ビタミンブックに、寝つきの悪さや時差ぼけにビタミンB12が有効であることが記載されている。寝つきの悪さは、睡眠・覚醒リズムと体温のリズムが同調しなくなったことが原因という報告がある。この実験がかつてドイツで実施されている。また、時差ぼけの早期解消に末梢神経障害の治療に応用されているビタミンB12が有効であり、仮説ではあるがビタミンB12が脳内で夜間に松果体から分泌されるメラトニンというホルモンの受容体の働きを高めることが推定されると記載されている。メラトニンは夜間に分泌され、脳の活性を抑える精神安定剤のようなホルモンで、昼夜の区別がつかない生活習慣ではメラトニンの分泌が抑制される。ビタミンB12がメラトニンの分泌を促進し、有効に利用するのを助ける働きがあると吉川助教授はビタミンブックで述べている。
ビタミンCの優れた効能効果は周知の事実ですが、ビタミンB12はビタミンの中で唯一金属(コバルト)を有するビタミンである。そのため、すぐに酸化分解され大変不安定なビタミンで、ビタミンCはビタミンB12の酸化分解を防ぎ、安定した状態を作りだす。
最近、味の素株式会社の研究で、グリシンが睡眠の調節機構に働いている有力な同調因子であることを発表した。グリシン3000mgを就寝前に摂取し、睡眠時の脳波を調べた。その結果、深い眠りを表す「徐波睡眠」の出現が早く、その量も増加することが示唆された。このことで、睡眠の質の向上、質の良い睡眠による健康的な身体維持を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ビタミンB12、ビタミンC、グリシンを適量配合したおやすみサプリは、その素材をできる限り天然、自然な状態に維持しかつその新鮮さを保持しつつ素材から商品化への加工工程において、添加物や熱、水、圧力、空気、酸化等の品質劣化要因の少ない商品形態に考慮しなければならない。また、一日摂取量、体内吸収、食べやすさ、取扱い易さ、コスト、関係法規の要因も考慮しなければならない。
おやすみサプリの製品化は、自体公知の食品添加物或は食品成分、賦形剤、医薬担体と自体公知の方法で配合し、薬理薬効を有する加工食品とすることができる。用いる食品添加物は特に限定するものではなく、目的とする薬理薬効の具体的用途に応じて当業者が適宜選択できる。また、形態も特に限定するものではなく、具体的用途に応じていろいろな形状にすることができる。
【実施例】
【0007】
おやすみサプリは、ビタミンB12を1.5mg、ビタミンCを200mg、グリシンを3000mg配合して、この3種類の粉末を充分混合させ製品化した。摂取方法は100cc程度の水に溶かして、就寝前に飲用することにした。
年齢は59歳の女性、飲用してからベットで横になり、30分程度経過すると、体が温かくなり、眠くなってきた。そのまま朝まで気がつかず、眠り続けた。
年齢は62歳の男性、夜3回程度毎日トイレで目が覚める。また、眠りが浅いため、ちょっとした音でもすぐ眼が覚める。おやすみサプリを飲んで、朝までグッスリと眠ることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0008】
現代社会は昼夜の区別がないボーダレス時代である。この時代だからこそ、医薬品にはない人間に優しい睡眠効果を有するサプリメントは、必要不可欠な製品と考える。本来、ビタミンB12は1日2〜5μgとごく微量の摂取で十分とされている。一般的な薬理作用は悪性貧血、神経障害、知覚異常、腰痛の治療に用いられている。ビタミンB12は比較的摂取しやすいビタミンで、魚や貝、卵、肉に多く含まれている。大量に摂取しても安全な水溶性ビタミンである。
ビタミンB12を1.5mg以上摂取することで睡眠・覚醒リズムが取り戻せるのであれば、現代人の必須ビタミンと考える。
また、ビタミンCはあらゆる疾患に対して関与するビタミンであるが、抗酸化ビタミンとしての効果も大きい。ビタミンB12は金属であるコバルトを有するため酸化されやすく、非常に不安定なビタミンである。そのため、ビタミンCの抗酸化作用はビタミンB12の酸化防止には大変重要なビタミンである。
また、グリシンは、味の素株式会社の研究で睡眠効果があることが発表されている。ビタミンB12とグリシンの睡眠効果は、共に松果体から分泌するメラトニンに関係している共通点がある。ビタミンB12とグリシンの共通効果を相互作用させ、睡眠・覚醒効果を有するサプリメントを製品化することは、現代社会のボーダレス時代に必要不可欠と考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンとアミノ酸配合による睡眠及び覚醒効果を有するサプリメント

【公開番号】特開2006−169221(P2006−169221A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382438(P2004−382438)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(596069874)株式会社クレッセンドコーポレーション (9)
【Fターム(参考)】