さや管推進工法
【課題】SII形継手によって管を継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法において、そのゴム輪6の圧損を防止する。
【解決手段】管Pの挿し口1を先行する管の受口2に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法である。その継合わせ部は、受口2に挿し口1がゴム輪6を介在して挿入され、そのゴム輪6は挿し口1の外周面に嵌めた押し輪9によって挿し口1内に押し込まれるSII形継手である。挿し口のフランジ20と押し輪9の間に推進力伝達材8が介在され、この推進力伝達材は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口に対する挿し口の挿し込みを許容する。押し輪9と受口端面の間には、その間隔保持するナット32とボルト33からなる間隙調整可能な部材30を介在する。間隔保持部材により、推進力及び挿し口の押し込みによるゴム輪の圧損を防止して水密性を維持する。
【解決手段】管Pの挿し口1を先行する管の受口2に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法である。その継合わせ部は、受口2に挿し口1がゴム輪6を介在して挿入され、そのゴム輪6は挿し口1の外周面に嵌めた押し輪9によって挿し口1内に押し込まれるSII形継手である。挿し口のフランジ20と押し輪9の間に推進力伝達材8が介在され、この推進力伝達材は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口に対する挿し口の挿し込みを許容する。押し輪9と受口端面の間には、その間隔保持するナット32とボルト33からなる間隙調整可能な部材30を介在する。間隔保持部材により、推進力及び挿し口の押し込みによるゴム輪の圧損を防止して水密性を維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送用配管を非開削で布設するさや管推進工法及びそれに使用する耐震推進管継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダクタイル鋳鉄管等の流体輸送用配管を埋設する工法としては、地面を開削して布設する開削工法が一般的であったが、近来は幹線道路だけではなく一般道路においても交通量が増加しているので、開削工法のために交通を遮断することは困難となっている。このため、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管(鞘管)としてヒューム管や鋼管等を推進埋設した後にダクタイル鋳鉄管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管として、その中に口径の小さい新管を挿入して管路を更新するパイプインパイプ工法等の推進工法が広く採用されるようになった。
【0003】
そのパイプインパイプ工法は、図19に示すように、発進坑Sと到達坑Rとの間の地中W内に埋設されている既設管P’内にこれよりも径の小さな新管Pを挿入敷設するものであり、発進坑Sには油圧ジャッキJが設置され、この油圧ジャッキJの後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを介して新管Pを押圧するようになっている。新管Pは、その先端部の挿し口1を先行の新管Pの後端部の受口2に挿入することによって順次接合され、既設管P’内に押し込まれて行く。なお、先頭の新管Pの先端部には挿入抵抗を小さくするための先導ソリK等が取り付けられる。
【0004】
このパイプインパイプ工法における既設管等もさや管1の一つであるため、この明細書(「特許請求の範囲」の記載も含む)においては、図19に示す、上記さや管推進工法、パイプインパイプ工法等のように、さや管1の中に新管2を推進挿入して二重管構造とする工法を、特に特定しない限り、総称して「さや管推進工法」と言う。
【0005】
一方、近年、管路にも耐震性が要求され、その耐震性を有する管継手構造として、受口2に対し挿し口1を所要範囲において伸縮可能(抜き差し可能)としたものがある。この耐震性管継手構造は、挿し口1先端(突起)を、受口2内面の所定長さ離れたロックリングと奥端部とに当接させるようにして、前記所要範囲の伸縮及び挿し口1の抜け出し・差し込みの防止を行うものである(特許文献1参照)。
この種の耐震性の管継手構造を上述の推進工法に採用する際、上記所要範囲の伸縮代を確保して新管Pを敷設するかが問題となり、その伸縮代の確保は、挿し口先端をロックリングと奥端部の中程に位置させて推進することである。
【0006】
その問題を解決した技術として、例えば、図20に示すように、ロックリング5付きの受口2に突起3付きの挿し口1がゴム輪6を介在して挿入され、そのゴム輪6は、受口2端面を貫通したTボルト7により押し輪9の受口端面への締付により押し込まれたSII継手において、その受口2の外側の挿し口1外周に設けたフランジ20と前記押し輪の間に推進力伝達材8が介在された管継手構造がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−276284号公報
【0007】
この管継手構造を用いた推進工法は、推進時、推進力伝達材8により、同図に示すように、挿し口1の先端(突起3)を伸縮代Lの中程に維持し、地震等の地盤変動時、挿し口1の引き抜き力に対しては、挿し口1がその突起3がロックリング5に当接するまで伸び代L1分、後退して(引き抜かれて)、その力を吸収すると共に、それ以上の引抜きを阻止し、挿し口1の挿し込み力に対しては、推進力伝達材8が収縮又は圧壊することにより、挿し口1がその縮み代L2分、軸方向に移動してその変動を吸収するとともに、それ以上の縮みを阻止して、継手の破損を防止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この管継手構造を用いた推進工法において、押し輪9はTボルト7にその軸方向に移動可能のため、後行きの管Pからその先行きの管Pへの推進力は、その管Pの挿し口1、フランジ20、推進力伝達材8、押し輪9、ゴム輪6及び受口2を介してその前の管(先行管)Pに伝えられることとなる。
このため、推進力が大きいと、押し輪9がさらに押し込まれてゴム輪6の圧損などが生じる恐れがある。また、地震等の地盤変動による推進力伝達材8の収縮又は圧壊時、押し輪9が少なからず押し込まれてゴム輪6の圧損などが生じる恐れがある。このゴム輪6の損傷は、この継手部の水密性の劣化に繋がり、問題である。
【0009】
この推進時及び挿し口1の押し込み時のゴム輪の圧損防止手段として、図20に示すように、Tボルト7の先端と推進力伝達材8の間に保護リング4を設けるとともに、Tボルト7をナット4aにより受口2端面に圧接固定してその軸方向に移動不能とし、推進力伝達材8からの力を、保護リング4、Tボルト7、受口2を介して先行管Pに伝えて、ゴム輪6に及ぼさないようにした技術がある(特許文献1 段落0030、図10参照)。
【0010】
しかし、この技術において、Tボルト7のねじ切り長さが規格されており、ナット4aをねじ込めない場合がある。すなわち、規格のTボルト7に新たにねじ切りを行わなければならず、煩雑である。
【0011】
この発明は、上記保護リング4等とは異なる構造でもってゴム輪6の圧損を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を達成するために、この発明は、まず、押し輪と受口端面に間に直接にその間隔保持部材を介在することとしたのである。
この間隔保持部材により、押し輪と受口端面の間隔が一定以上小さく(狭く)ならないようにすれば、上記推進力及び挿し口の押し込みによって、ゴム輪の圧損などが生じる恐れはなく、その押し輪の水密性に支障が生じることはない。
【0013】
つぎに、この発明は、その間隔保持部材を、ねじ棒又はそのねじ棒とナットとから構成したのである。
間隔保持部材がねじ棒からなる場合、ねじ棒を押し輪又は受口端面にねじ込み、そのねじ込み量により、押し輪と受口端面の間隔(間隔保持部材の長さ)が調整可能となり、また、間隔保持部材がナットとねじ棒からなる場合、そのナットとねじ棒のねじ合い度合によって、間隔保持部材の長さが調整可能となり、両者とも、押し輪の受口端面に対する任意の位置において、その間隔保持部材を介在して、上記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないようにすることができる。
【0014】
その間隔保持部材がナットとねじ棒からなる場合、ナットは、受口端面又は押し輪に直接に取付ければ、ナットを紛失することはなくなると共に、ナットが定位置にあるため、そのナットへのねじ棒のねじ込み及びそのねじ合わせ量の調節が容易となり、その作業性が良い。また、ナットを、上記締付ボルトが貫通した部材に設けられたものとすることもできる。
また、間隔保持部材がねじ棒の場合、そのねじ棒は、押し輪又は受口端面にねじ通してその先端を受口端面又は押し輪に当接するようにして、そのねじ棒の押し輪又は受口端面から受口端面側又は押し輪側に突出する部分で間隔保持部材を構成することもできる。この場合は、ねじ棒のねじ通し量によって間隔保持部材の長さが決定されることとなる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、以上のように、押し輪と受口端面の間に直接にその間隔保持部材を介在して、推進力及び挿し口の押し込みによるゴム輪の圧損を防止したので、その構造が簡単であり、コスト的に有利なものである。また、その間隔保持部材の介在作業も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施形態としては、管の挿し口を先行する管の受口に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法における、前記受口に挿し口がゴム輪を介在して挿入され、そのゴム輪は挿し口の外周面に嵌めた押し輪によって受口内に押し込まれて、受口に対し挿し口がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、挿し口の先端は前記動き得る所要長さの中程にあり、受口の外側の挿し口外周にはフランジが設けられ、このフランジと押し輪の間に推進力伝達材が介在されて、この推進力伝達材は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口に対する挿し口の挿し込みを許容するものであり、押し輪には受口端面に設けた締付ボルトが貫通して、その締付ボルトの先端部にナットがねじ込まれ、そのナットのねじ込みにより、その押し輪を受口端面に接近させてゴム輪が押し込まれ、かつ、前記押し輪と受口端面の間に、ナットとねじ棒とからなる間隔保持部材を介在し、そのナットとねじ棒は、その軸心が共に挿し口の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、間隔保持部材の挿し口の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナットは押し輪又は受口端面に直接に固定されており、この間隔保持部材により、前記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないようにした構成を採用できる。
【0017】
上記ナットを押し輪に取付ける手段としては、押し輪の締付ボルトが貫通した部材(取付部材)にそのナットを設けることもできる。
また、間隔保持部材としては、ねじ棒のみで構成することもできる。この場合は、押し輪と受口端面の間に、ねじ棒からなる間隔保持部材を押し輪又は受口端面にねじ込むことにより介在し、その間隔保持部材の前記ねじ込み度合によって、押し輪と受口端面の間隔を調整可能としたり、ねじ棒からなる間隔保持部材を押し輪又は受口端面にねじ通して、その間隔保持部材のねじ通した先端を受口端面又は押し輪に当接させ、その間隔保持部材の前記ねじ通し度合によって、押し輪と受口端面の間隔を調整可能としたりすることができる。
これらの構成は、例えば、S形管継手、SII形管継手などに採用する。
上記間隔保持部材(ねじ棒、ナット及び取付け部材)の材料としては、鉄等の金属以外に、樹脂等の間隙を維持できるものであれば、何れのものも採用できる。
【0018】
このように構成される管継手構造も推進工法に採用でき、その推進用管の受口と挿し口をその管継手構造とし、その管継手構造の間隔保持部材により、上記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないように押し輪と受口端面の間隔を調整した後、先行する管の受口に挿入した管を押圧する作業を繰り返して、管の挿し口を先行する管の受口に挿入して継合わせつつさや管内に推進させて管路を新設する。
【実施例】
【0019】
管継手構造に係る一実施例を図1乃至図6に示し、この実施例は、ダクタイル鋳鉄管PのSII形継手構造であって、従来と同様に、挿し口1の先端に突起3、受口2の内面にロックリング5がそれぞれ設けられ、ゴム輪6及びバックアップリング6aを介在して挿し口1を受口2に挿し込んだ後、押し輪9をゴム輪6に当てがい、Tボルト(締付ボルト)7を受口2端面のフランジ及び押し輪9に貫通し、その先端にナット7aをねじ込んで締結することにより、ゴム輪6を押し込んでシールしている。
そのナット7aのねじ込み量によってゴム輪6の押し込み量を調整する。この押し込み量は、同一呼び径の管Pであっても、その挿し口1、受口2の寸法公差により異なり、その公差に基づき、適宜に設定する。
【0020】
受口2の外側の挿し口1外周には環状のフランジ20が嵌め込まれ、このフランジ20は、断面L字状で4等分などの適宜に分割されてサドルバンド状となっており、その分割片21の両端に締結片22、中程にリブ23がそれぞれ設けられている。隣り合う分割片21、21の締結片22、22間にはローラ24が回転自在に設けられているとともに、ボルト・ナット25が挿通されており、そのボルト・ナット25を締結することにより、フランジ20が縮径して挿し口1の外周面に圧接される(特許文献1 段落0027等参照)。
【0021】
フランジ20と押し輪9の間には推進力伝達材8が設けられており、圧縮応力が1〜30kgf/cm2 (≒0.1〜3MPa)の樹脂発泡体で(樹脂単体の5倍以上の膨張率)、発泡倍率を変えることにより弾性限界応力が変化するものである。これらの材質の例を示すと、ポリスチレン、ポリウレタン等が代表的である。この推進力伝達材8は円環状であるが、周方向に分割されていてもよく、その際、間欠的でもよい。要は、推進力に抗する強さを有すればよい。また、この推進力伝達材8の外周面にはTボルト7が入り込む溝8aを有する。
【0022】
押し輪9と受口2の端面の間には、間隔保持部材30が設けられており、この間隔保持部材30は、図5に示すように、中央にTボルト7の貫通孔31aを有する基片31と、その基片31の両端に設けたナット32と、そのナット32にねじ込まれるボルト(ねじ棒)33とから成る。
そのボルト33をナット32にねじ込み、そのねじ込み量を調整することにより、この間隔保持部材30の幅t(図6参照)が調整できる。このため、ボルト33の形状は、ナット32にねじ込まれて出没してその突出量が調整できる棒状であれば、いずれでも良い。
【0023】
この実施例の構成は以上のとおりであり、図19に示した推進工法において、従来と同様にして、管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿入し、その継合わせ部において、図1、図3に示すように、1本おきのTボルト7に間隔保持部材30を嵌めて、フランジ20及び推進力伝達材8付のSII形継手を構成する。このとき、Tボルト7によるゴム輪6の押し込みに支障がないように、その間隔保持部材30の幅tは縮めておく。また、その間隔保持部材30は支障が無い限りにおいて、そのTボルト7への取付け時期は自由であるが、Tボルト7を受口2のフランジに貫通する時に取付けると良い。
【0024】
その先付き管Pの受口2と後行き管Pの挿し口1の継合わせが終了すれば(SII形継手の組み立てが完了すれば)、間隔保持部材30のボルト33を回してその頭部を受口端面に当接させる。このとき、同一呼び径の管Pであっても、その挿し口1,受口2の寸法公差により、ゴム輪の押し込み量が異なり、押し輪9と受口2の端面の間隔が異なる場合が多いが、その公差は、そのボルト33のねじ出し量(突出量)の調整によって吸収し得る。
【0025】
この状態で、ジャッキJで推進力を加えると、規定胴付寸法L2の位置まで挿し口1が挿入された状態(図1)で推進される。このとき、押し輪9と受口2端面の間隔は、推進力に間隔保持部材30が抗して一定に維持されるため、ゴム輪6に推進力が加わることが無く、また、仮に加わっても、ゴム輪6の水密機能の劣化を招く程度には加わらないため、水密性能に影響はない。
また、この推進は、仮にローリングを生じてもいずれかのローラ24で管Pを支持でき、推進力が過大になることを防止できるため、ローリングの懸念がある長距離推進には有効である。管Pの所要長さの敷設が終了すれば、さや管P’と新管Pの間にエアモルタル等が打設される。
【0026】
このようにしてさや管P’内に新管Pを新設した管路において、地震などの地殻変動が生じ、この継手部に、図6(a)に示すように、挿し口1に矢印方向の引き抜き力が働くと、挿し口1がその突起3がロックリング5に当接するまで伸び代L1分、後退して(引き抜かれて)、その力を吸収すると共に、それ以上の引抜きを阻止する。
一方、同図(b)に示すように、挿し口1に矢印方向の挿し込み力が働くと、推進力伝達材8が収縮又は圧壊することにより、挿し口1がその縮み代L2分、軸方向に移動してその変動を吸収するとともに、それ以上の縮みを阻止して、継手の破損を防止する。このとき、押し輪9と受口2端面の間隔は、その押し込み力に間隔保持部材30が抗して一定に維持され、ゴム輪6に押し込み力が加わることが無いため、ゴム輪6の圧損などは生じず、水密性能に影響はない。
【0027】
上記間隔保持部材30の基片31の長さは、2本のTボルト7を貫通させる等と任意であり、例えば、図7に示すように、その基片31を円環状のものとすることができる。また、間隔保持部材30は、ナット32を受口端面側、ボルト33を押し輪9側とすることもできる。さらに、ナット32(基片31)を受口2の端面又は押し輪9に溶接等によって直接に取付けることもできる。
【0028】
以上の実施例はいずれも間隔保持部材30をナット32とボルト33で構成したが、間隔保持部材30は、図8〜図17に示すようにボルト(ねじ棒)33のみによっても構成することができる。
【0029】
図8〜図10に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を押し輪9にねじ込んで押し輪9と受口2端面の間に介在したものである。
図11〜図12に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を受口2端面にねじ込んで押し輪9と受口2端面の間に介在したものである。
この両実施例では、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ込み度合によって、押し輪9と受口2端面の間隔を調整する。
【0030】
図13〜図15に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を押し輪9にねじ通して、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通した先端を受口2端面に当接させ、押し輪9と受口2端面の間に間隔保持部材(ボルト)33の一部を介在するようにしたものである。
図16〜図17に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を受口2端面(フランジ)にねじ通して、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通した先端を押し輪9に当接させ、押し輪9と受口2端面の間に間隔保持部材(ボルト)33の一部を介在するようにしたものである。
この両実施例は、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通し量(長さ)によって、押し輪9と受口2端面の間隔を調整する。
【0031】
これらの実施例は部品点数を削減できる効果があり、図19に示した推進工法において、図1に示した実施例と同様に、管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿入し、その継合わせ部において、図10、図15に示すように、1本おきのTボルト7に間隔保持部材(ボルト)33をねじ込み(ねじ通し)、そのとき、Tボルト7によるゴム輪6の押し込みに支障がないように、その間隔保持部材30の幅tを縮めておき、先行き管Pの受口2と後行き管Pの挿し口1の継合わせが終了すれば、ボルト33を回してその頭部(先端)を受口端面又は押し輪9に当接させて、押し輪9と受口端面を所要の間隔とする。
この状態で、管Pを推進する。
【0032】
以上の各実施例は、SII形継手に関するものであったが、S形継手等の押し輪によってゴム輪を挿し口1内に押し込む継手は勿論のこと、推進力伝達材8と受口2端面の間を所要間隔に維持する必要がある管継手において、この発明の間隙保持部材を採用することができ、この発明の効果を得ることができる。例えば、図1に示すものを図18に示す管継手構造等に採用することができる。
また、ボルト33は六角穴付ボルトとすれば、狭い場所での締め付けが有利となる。ボルト33とTボルト7の取付け位置の高低(管Pの径方向)は、推進力伝達材8の厚み、受口2のフランジの高さ、押し輪9のフランジの高さ等を考慮して、図10に示すように差を持たせたり、図15に示すように同一としたり等と任意である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施例の概略正面図
【図2】同実施例の切断図を示し、(a)は図1のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図3】同実施例の間隔保持部材の配置図
【図4】同実施例の推進力伝達材の断面図
【図5】同実施例の間隔保持部材の斜視図
【図6】同実施例の作用図
【図7】他の実施例の間隔保持部材を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図
【図8】他の実施例の概略正面図
【図9】同実施例の切断図を示し、(a)は図8のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図10】図8のZ−Z線断面図、同実施例の間隔保持部材の配置図
【図11】他の実施例の概略正面図
【図12】同実施例の切断図を示し、(a)は図11のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図13】他の実施例の概略正面図
【図14】同実施例の切断図を示し、(a)は図13のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図15】図13のZ−Z線断面図、同実施例の間隔保持部材の配置図
【図16】他の実施例の概略正面図
【図17】同実施例の切断図を示し、(a)は図16のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図18】図1の実施例における異なる管継手構造の切断図を示し、(a)は図1におけるX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図19】さや管推進工法の概略図
【図20】従来例の要部断面図
【符号の説明】
【0034】
P’さや管(既設管)
P 新管
1 挿し口
2 受口
3 突起
5 ロックリング
6 止水ゴム輪
7 Tボルト
8 推進力伝達材
20 フランジ
30 間隔保持部材
31 間隔保持部材の基片
32 間隔保持部材のナット
33 間隔保持部材のボルト(ねじ棒)
【技術分野】
【0001】
この発明は、水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送用配管を非開削で布設するさや管推進工法及びそれに使用する耐震推進管継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダクタイル鋳鉄管等の流体輸送用配管を埋設する工法としては、地面を開削して布設する開削工法が一般的であったが、近来は幹線道路だけではなく一般道路においても交通量が増加しているので、開削工法のために交通を遮断することは困難となっている。このため、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管(鞘管)としてヒューム管や鋼管等を推進埋設した後にダクタイル鋳鉄管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管として、その中に口径の小さい新管を挿入して管路を更新するパイプインパイプ工法等の推進工法が広く採用されるようになった。
【0003】
そのパイプインパイプ工法は、図19に示すように、発進坑Sと到達坑Rとの間の地中W内に埋設されている既設管P’内にこれよりも径の小さな新管Pを挿入敷設するものであり、発進坑Sには油圧ジャッキJが設置され、この油圧ジャッキJの後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを介して新管Pを押圧するようになっている。新管Pは、その先端部の挿し口1を先行の新管Pの後端部の受口2に挿入することによって順次接合され、既設管P’内に押し込まれて行く。なお、先頭の新管Pの先端部には挿入抵抗を小さくするための先導ソリK等が取り付けられる。
【0004】
このパイプインパイプ工法における既設管等もさや管1の一つであるため、この明細書(「特許請求の範囲」の記載も含む)においては、図19に示す、上記さや管推進工法、パイプインパイプ工法等のように、さや管1の中に新管2を推進挿入して二重管構造とする工法を、特に特定しない限り、総称して「さや管推進工法」と言う。
【0005】
一方、近年、管路にも耐震性が要求され、その耐震性を有する管継手構造として、受口2に対し挿し口1を所要範囲において伸縮可能(抜き差し可能)としたものがある。この耐震性管継手構造は、挿し口1先端(突起)を、受口2内面の所定長さ離れたロックリングと奥端部とに当接させるようにして、前記所要範囲の伸縮及び挿し口1の抜け出し・差し込みの防止を行うものである(特許文献1参照)。
この種の耐震性の管継手構造を上述の推進工法に採用する際、上記所要範囲の伸縮代を確保して新管Pを敷設するかが問題となり、その伸縮代の確保は、挿し口先端をロックリングと奥端部の中程に位置させて推進することである。
【0006】
その問題を解決した技術として、例えば、図20に示すように、ロックリング5付きの受口2に突起3付きの挿し口1がゴム輪6を介在して挿入され、そのゴム輪6は、受口2端面を貫通したTボルト7により押し輪9の受口端面への締付により押し込まれたSII継手において、その受口2の外側の挿し口1外周に設けたフランジ20と前記押し輪の間に推進力伝達材8が介在された管継手構造がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−276284号公報
【0007】
この管継手構造を用いた推進工法は、推進時、推進力伝達材8により、同図に示すように、挿し口1の先端(突起3)を伸縮代Lの中程に維持し、地震等の地盤変動時、挿し口1の引き抜き力に対しては、挿し口1がその突起3がロックリング5に当接するまで伸び代L1分、後退して(引き抜かれて)、その力を吸収すると共に、それ以上の引抜きを阻止し、挿し口1の挿し込み力に対しては、推進力伝達材8が収縮又は圧壊することにより、挿し口1がその縮み代L2分、軸方向に移動してその変動を吸収するとともに、それ以上の縮みを阻止して、継手の破損を防止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この管継手構造を用いた推進工法において、押し輪9はTボルト7にその軸方向に移動可能のため、後行きの管Pからその先行きの管Pへの推進力は、その管Pの挿し口1、フランジ20、推進力伝達材8、押し輪9、ゴム輪6及び受口2を介してその前の管(先行管)Pに伝えられることとなる。
このため、推進力が大きいと、押し輪9がさらに押し込まれてゴム輪6の圧損などが生じる恐れがある。また、地震等の地盤変動による推進力伝達材8の収縮又は圧壊時、押し輪9が少なからず押し込まれてゴム輪6の圧損などが生じる恐れがある。このゴム輪6の損傷は、この継手部の水密性の劣化に繋がり、問題である。
【0009】
この推進時及び挿し口1の押し込み時のゴム輪の圧損防止手段として、図20に示すように、Tボルト7の先端と推進力伝達材8の間に保護リング4を設けるとともに、Tボルト7をナット4aにより受口2端面に圧接固定してその軸方向に移動不能とし、推進力伝達材8からの力を、保護リング4、Tボルト7、受口2を介して先行管Pに伝えて、ゴム輪6に及ぼさないようにした技術がある(特許文献1 段落0030、図10参照)。
【0010】
しかし、この技術において、Tボルト7のねじ切り長さが規格されており、ナット4aをねじ込めない場合がある。すなわち、規格のTボルト7に新たにねじ切りを行わなければならず、煩雑である。
【0011】
この発明は、上記保護リング4等とは異なる構造でもってゴム輪6の圧損を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を達成するために、この発明は、まず、押し輪と受口端面に間に直接にその間隔保持部材を介在することとしたのである。
この間隔保持部材により、押し輪と受口端面の間隔が一定以上小さく(狭く)ならないようにすれば、上記推進力及び挿し口の押し込みによって、ゴム輪の圧損などが生じる恐れはなく、その押し輪の水密性に支障が生じることはない。
【0013】
つぎに、この発明は、その間隔保持部材を、ねじ棒又はそのねじ棒とナットとから構成したのである。
間隔保持部材がねじ棒からなる場合、ねじ棒を押し輪又は受口端面にねじ込み、そのねじ込み量により、押し輪と受口端面の間隔(間隔保持部材の長さ)が調整可能となり、また、間隔保持部材がナットとねじ棒からなる場合、そのナットとねじ棒のねじ合い度合によって、間隔保持部材の長さが調整可能となり、両者とも、押し輪の受口端面に対する任意の位置において、その間隔保持部材を介在して、上記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないようにすることができる。
【0014】
その間隔保持部材がナットとねじ棒からなる場合、ナットは、受口端面又は押し輪に直接に取付ければ、ナットを紛失することはなくなると共に、ナットが定位置にあるため、そのナットへのねじ棒のねじ込み及びそのねじ合わせ量の調節が容易となり、その作業性が良い。また、ナットを、上記締付ボルトが貫通した部材に設けられたものとすることもできる。
また、間隔保持部材がねじ棒の場合、そのねじ棒は、押し輪又は受口端面にねじ通してその先端を受口端面又は押し輪に当接するようにして、そのねじ棒の押し輪又は受口端面から受口端面側又は押し輪側に突出する部分で間隔保持部材を構成することもできる。この場合は、ねじ棒のねじ通し量によって間隔保持部材の長さが決定されることとなる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、以上のように、押し輪と受口端面の間に直接にその間隔保持部材を介在して、推進力及び挿し口の押し込みによるゴム輪の圧損を防止したので、その構造が簡単であり、コスト的に有利なものである。また、その間隔保持部材の介在作業も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施形態としては、管の挿し口を先行する管の受口に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法における、前記受口に挿し口がゴム輪を介在して挿入され、そのゴム輪は挿し口の外周面に嵌めた押し輪によって受口内に押し込まれて、受口に対し挿し口がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、挿し口の先端は前記動き得る所要長さの中程にあり、受口の外側の挿し口外周にはフランジが設けられ、このフランジと押し輪の間に推進力伝達材が介在されて、この推進力伝達材は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口に対する挿し口の挿し込みを許容するものであり、押し輪には受口端面に設けた締付ボルトが貫通して、その締付ボルトの先端部にナットがねじ込まれ、そのナットのねじ込みにより、その押し輪を受口端面に接近させてゴム輪が押し込まれ、かつ、前記押し輪と受口端面の間に、ナットとねじ棒とからなる間隔保持部材を介在し、そのナットとねじ棒は、その軸心が共に挿し口の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、間隔保持部材の挿し口の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナットは押し輪又は受口端面に直接に固定されており、この間隔保持部材により、前記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないようにした構成を採用できる。
【0017】
上記ナットを押し輪に取付ける手段としては、押し輪の締付ボルトが貫通した部材(取付部材)にそのナットを設けることもできる。
また、間隔保持部材としては、ねじ棒のみで構成することもできる。この場合は、押し輪と受口端面の間に、ねじ棒からなる間隔保持部材を押し輪又は受口端面にねじ込むことにより介在し、その間隔保持部材の前記ねじ込み度合によって、押し輪と受口端面の間隔を調整可能としたり、ねじ棒からなる間隔保持部材を押し輪又は受口端面にねじ通して、その間隔保持部材のねじ通した先端を受口端面又は押し輪に当接させ、その間隔保持部材の前記ねじ通し度合によって、押し輪と受口端面の間隔を調整可能としたりすることができる。
これらの構成は、例えば、S形管継手、SII形管継手などに採用する。
上記間隔保持部材(ねじ棒、ナット及び取付け部材)の材料としては、鉄等の金属以外に、樹脂等の間隙を維持できるものであれば、何れのものも採用できる。
【0018】
このように構成される管継手構造も推進工法に採用でき、その推進用管の受口と挿し口をその管継手構造とし、その管継手構造の間隔保持部材により、上記推進力が押し輪の水密性に支障を与えないように押し輪と受口端面の間隔を調整した後、先行する管の受口に挿入した管を押圧する作業を繰り返して、管の挿し口を先行する管の受口に挿入して継合わせつつさや管内に推進させて管路を新設する。
【実施例】
【0019】
管継手構造に係る一実施例を図1乃至図6に示し、この実施例は、ダクタイル鋳鉄管PのSII形継手構造であって、従来と同様に、挿し口1の先端に突起3、受口2の内面にロックリング5がそれぞれ設けられ、ゴム輪6及びバックアップリング6aを介在して挿し口1を受口2に挿し込んだ後、押し輪9をゴム輪6に当てがい、Tボルト(締付ボルト)7を受口2端面のフランジ及び押し輪9に貫通し、その先端にナット7aをねじ込んで締結することにより、ゴム輪6を押し込んでシールしている。
そのナット7aのねじ込み量によってゴム輪6の押し込み量を調整する。この押し込み量は、同一呼び径の管Pであっても、その挿し口1、受口2の寸法公差により異なり、その公差に基づき、適宜に設定する。
【0020】
受口2の外側の挿し口1外周には環状のフランジ20が嵌め込まれ、このフランジ20は、断面L字状で4等分などの適宜に分割されてサドルバンド状となっており、その分割片21の両端に締結片22、中程にリブ23がそれぞれ設けられている。隣り合う分割片21、21の締結片22、22間にはローラ24が回転自在に設けられているとともに、ボルト・ナット25が挿通されており、そのボルト・ナット25を締結することにより、フランジ20が縮径して挿し口1の外周面に圧接される(特許文献1 段落0027等参照)。
【0021】
フランジ20と押し輪9の間には推進力伝達材8が設けられており、圧縮応力が1〜30kgf/cm2 (≒0.1〜3MPa)の樹脂発泡体で(樹脂単体の5倍以上の膨張率)、発泡倍率を変えることにより弾性限界応力が変化するものである。これらの材質の例を示すと、ポリスチレン、ポリウレタン等が代表的である。この推進力伝達材8は円環状であるが、周方向に分割されていてもよく、その際、間欠的でもよい。要は、推進力に抗する強さを有すればよい。また、この推進力伝達材8の外周面にはTボルト7が入り込む溝8aを有する。
【0022】
押し輪9と受口2の端面の間には、間隔保持部材30が設けられており、この間隔保持部材30は、図5に示すように、中央にTボルト7の貫通孔31aを有する基片31と、その基片31の両端に設けたナット32と、そのナット32にねじ込まれるボルト(ねじ棒)33とから成る。
そのボルト33をナット32にねじ込み、そのねじ込み量を調整することにより、この間隔保持部材30の幅t(図6参照)が調整できる。このため、ボルト33の形状は、ナット32にねじ込まれて出没してその突出量が調整できる棒状であれば、いずれでも良い。
【0023】
この実施例の構成は以上のとおりであり、図19に示した推進工法において、従来と同様にして、管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿入し、その継合わせ部において、図1、図3に示すように、1本おきのTボルト7に間隔保持部材30を嵌めて、フランジ20及び推進力伝達材8付のSII形継手を構成する。このとき、Tボルト7によるゴム輪6の押し込みに支障がないように、その間隔保持部材30の幅tは縮めておく。また、その間隔保持部材30は支障が無い限りにおいて、そのTボルト7への取付け時期は自由であるが、Tボルト7を受口2のフランジに貫通する時に取付けると良い。
【0024】
その先付き管Pの受口2と後行き管Pの挿し口1の継合わせが終了すれば(SII形継手の組み立てが完了すれば)、間隔保持部材30のボルト33を回してその頭部を受口端面に当接させる。このとき、同一呼び径の管Pであっても、その挿し口1,受口2の寸法公差により、ゴム輪の押し込み量が異なり、押し輪9と受口2の端面の間隔が異なる場合が多いが、その公差は、そのボルト33のねじ出し量(突出量)の調整によって吸収し得る。
【0025】
この状態で、ジャッキJで推進力を加えると、規定胴付寸法L2の位置まで挿し口1が挿入された状態(図1)で推進される。このとき、押し輪9と受口2端面の間隔は、推進力に間隔保持部材30が抗して一定に維持されるため、ゴム輪6に推進力が加わることが無く、また、仮に加わっても、ゴム輪6の水密機能の劣化を招く程度には加わらないため、水密性能に影響はない。
また、この推進は、仮にローリングを生じてもいずれかのローラ24で管Pを支持でき、推進力が過大になることを防止できるため、ローリングの懸念がある長距離推進には有効である。管Pの所要長さの敷設が終了すれば、さや管P’と新管Pの間にエアモルタル等が打設される。
【0026】
このようにしてさや管P’内に新管Pを新設した管路において、地震などの地殻変動が生じ、この継手部に、図6(a)に示すように、挿し口1に矢印方向の引き抜き力が働くと、挿し口1がその突起3がロックリング5に当接するまで伸び代L1分、後退して(引き抜かれて)、その力を吸収すると共に、それ以上の引抜きを阻止する。
一方、同図(b)に示すように、挿し口1に矢印方向の挿し込み力が働くと、推進力伝達材8が収縮又は圧壊することにより、挿し口1がその縮み代L2分、軸方向に移動してその変動を吸収するとともに、それ以上の縮みを阻止して、継手の破損を防止する。このとき、押し輪9と受口2端面の間隔は、その押し込み力に間隔保持部材30が抗して一定に維持され、ゴム輪6に押し込み力が加わることが無いため、ゴム輪6の圧損などは生じず、水密性能に影響はない。
【0027】
上記間隔保持部材30の基片31の長さは、2本のTボルト7を貫通させる等と任意であり、例えば、図7に示すように、その基片31を円環状のものとすることができる。また、間隔保持部材30は、ナット32を受口端面側、ボルト33を押し輪9側とすることもできる。さらに、ナット32(基片31)を受口2の端面又は押し輪9に溶接等によって直接に取付けることもできる。
【0028】
以上の実施例はいずれも間隔保持部材30をナット32とボルト33で構成したが、間隔保持部材30は、図8〜図17に示すようにボルト(ねじ棒)33のみによっても構成することができる。
【0029】
図8〜図10に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を押し輪9にねじ込んで押し輪9と受口2端面の間に介在したものである。
図11〜図12に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を受口2端面にねじ込んで押し輪9と受口2端面の間に介在したものである。
この両実施例では、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ込み度合によって、押し輪9と受口2端面の間隔を調整する。
【0030】
図13〜図15に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を押し輪9にねじ通して、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通した先端を受口2端面に当接させ、押し輪9と受口2端面の間に間隔保持部材(ボルト)33の一部を介在するようにしたものである。
図16〜図17に示す実施例は、間隔保持部材30を成すボルト33を受口2端面(フランジ)にねじ通して、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通した先端を押し輪9に当接させ、押し輪9と受口2端面の間に間隔保持部材(ボルト)33の一部を介在するようにしたものである。
この両実施例は、その間隔保持部材(ボルト)33のねじ通し量(長さ)によって、押し輪9と受口2端面の間隔を調整する。
【0031】
これらの実施例は部品点数を削減できる効果があり、図19に示した推進工法において、図1に示した実施例と同様に、管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿入し、その継合わせ部において、図10、図15に示すように、1本おきのTボルト7に間隔保持部材(ボルト)33をねじ込み(ねじ通し)、そのとき、Tボルト7によるゴム輪6の押し込みに支障がないように、その間隔保持部材30の幅tを縮めておき、先行き管Pの受口2と後行き管Pの挿し口1の継合わせが終了すれば、ボルト33を回してその頭部(先端)を受口端面又は押し輪9に当接させて、押し輪9と受口端面を所要の間隔とする。
この状態で、管Pを推進する。
【0032】
以上の各実施例は、SII形継手に関するものであったが、S形継手等の押し輪によってゴム輪を挿し口1内に押し込む継手は勿論のこと、推進力伝達材8と受口2端面の間を所要間隔に維持する必要がある管継手において、この発明の間隙保持部材を採用することができ、この発明の効果を得ることができる。例えば、図1に示すものを図18に示す管継手構造等に採用することができる。
また、ボルト33は六角穴付ボルトとすれば、狭い場所での締め付けが有利となる。ボルト33とTボルト7の取付け位置の高低(管Pの径方向)は、推進力伝達材8の厚み、受口2のフランジの高さ、押し輪9のフランジの高さ等を考慮して、図10に示すように差を持たせたり、図15に示すように同一としたり等と任意である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施例の概略正面図
【図2】同実施例の切断図を示し、(a)は図1のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図3】同実施例の間隔保持部材の配置図
【図4】同実施例の推進力伝達材の断面図
【図5】同実施例の間隔保持部材の斜視図
【図6】同実施例の作用図
【図7】他の実施例の間隔保持部材を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図
【図8】他の実施例の概略正面図
【図9】同実施例の切断図を示し、(a)は図8のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図10】図8のZ−Z線断面図、同実施例の間隔保持部材の配置図
【図11】他の実施例の概略正面図
【図12】同実施例の切断図を示し、(a)は図11のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図13】他の実施例の概略正面図
【図14】同実施例の切断図を示し、(a)は図13のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図15】図13のZ−Z線断面図、同実施例の間隔保持部材の配置図
【図16】他の実施例の概略正面図
【図17】同実施例の切断図を示し、(a)は図16のX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図18】図1の実施例における異なる管継手構造の切断図を示し、(a)は図1におけるX−X線断面図、(b)は同Y−Y線断面図
【図19】さや管推進工法の概略図
【図20】従来例の要部断面図
【符号の説明】
【0034】
P’さや管(既設管)
P 新管
1 挿し口
2 受口
3 突起
5 ロックリング
6 止水ゴム輪
7 Tボルト
8 推進力伝達材
20 フランジ
30 間隔保持部材
31 間隔保持部材の基片
32 間隔保持部材のナット
33 間隔保持部材のボルト(ねじ棒)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ナット(32)とねじ棒(33)とからなる間隔保持部材(30)を介在し、そのナット(32)とねじ棒(33)は、その軸心が共に挿し口(1)の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、前記間隔保持部材(30)の前記挿し口(1)の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナット(32)は前記押し輪(9)又は受口(2)端面に直接に固定されており、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項2】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ナット(32)とねじ棒(33)とからなる間隔保持部材(30)を介在し、そのナット(32)とねじ棒(33)は、その軸心が共に挿し口(1)の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、前記間隔保持部材(30)の前記挿し口(1)の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナット(32)は、上記締付ボルト(7)が貫通した部材(31)に設けられており、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項3】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ねじ棒(33)からなる間隔保持部材(30)を前記押し輪(9)又は受口(2)端面にねじ込むことにより介在し、その間隔保持部材(30)は、その軸心が挿し口(1)の軸方向となって前記ねじ込み度合によって、前記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔が調整可能で、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項4】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、ねじ棒(33)からなる間隔保持部材(30)を上記押し輪(9)又は受口(2)端面にねじ通して、その間隔保持部材(30)のねじ通した先端を上記受口(2)端面又は押し輪(9)に当接させ、その間隔保持部材(30)は、その軸心が挿し口(1)の軸方向となって前記ねじ通し度合によって、前記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔が調整可能で、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記押し輪(9)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項5】
管Pの挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法であって、
上記管(P)の挿し口(1)を受口(2)に挿入した継合わせを、請求項1乃至4のいずれかに記載の管継手構造とし、その管継手構造の上記間隔保持部材(30)により、上記推進力が上記押し輪(9)の水密性に支障を与えないように上記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔を調整した後、先行する管(P)の受口(2)に挿入した管(P)を押圧する作業を繰り返し、上記管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設することを特徴とするさや管推進工法。
【請求項1】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ナット(32)とねじ棒(33)とからなる間隔保持部材(30)を介在し、そのナット(32)とねじ棒(33)は、その軸心が共に挿し口(1)の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、前記間隔保持部材(30)の前記挿し口(1)の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナット(32)は前記押し輪(9)又は受口(2)端面に直接に固定されており、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項2】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ナット(32)とねじ棒(33)とからなる間隔保持部材(30)を介在し、そのナット(32)とねじ棒(33)は、その軸心が共に挿し口(1)の軸方向となって両者のねじ合い度合によって、前記間隔保持部材(30)の前記挿し口(1)の軸方向の長さが調整可能で、さらに、前記ナット(32)は、上記締付ボルト(7)が貫通した部材(31)に設けられており、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項3】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、上記押し輪(9)と上記受口(2)端面の間に、ねじ棒(33)からなる間隔保持部材(30)を前記押し輪(9)又は受口(2)端面にねじ込むことにより介在し、その間隔保持部材(30)は、その軸心が挿し口(1)の軸方向となって前記ねじ込み度合によって、前記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔が調整可能で、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記ゴム輪(6)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項4】
管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法における、前記受口(2)に挿し口(1)がゴム輪(6)を介在して挿入され、そのゴム輪(6)は前記挿し口(1)の外周面に嵌めた押し輪(9)によって受口(2)内に押し込まれて、受口(2)に対し挿し口(1)がその軸方向に抜けない範囲で所要長さ動き得る管継手構造であって、
上記挿し口(1)の先端は上記動き得る所要長さの中程にあり、上記受口(2)の外側の挿し口(1)外周にはフランジ(20)が設けられ、このフランジ(20)と上記押し輪(9)の間に推進力伝達材(8)が介在されて、この推進力伝達材(8)は、推進力を伝達する強さを有するとともに、地震などの大きな圧縮力に対しては収縮又は圧壊して、受口(2)に対する挿し口(1)の挿し込みを許容するものであり、
上記押し輪(9)には上記受口(2)端面に設けた締付ボルト(7)が貫通して、その締付ボルト(7)の先端部にナット(7a)がねじ込まれ、そのナット(7a)のねじ込みにより、その押し輪(9)を前記受口(2)端面に接近させて上記ゴム輪(6)が押し込まれ、
かつ、ねじ棒(33)からなる間隔保持部材(30)を上記押し輪(9)又は受口(2)端面にねじ通して、その間隔保持部材(30)のねじ通した先端を上記受口(2)端面又は押し輪(9)に当接させ、その間隔保持部材(30)は、その軸心が挿し口(1)の軸方向となって前記ねじ通し度合によって、前記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔が調整可能で、この間隔保持部材(30)により、前記推進力が前記押し輪(9)の水密性に支障を与えないようにしたことを特徴とする管継手構造。
【請求項5】
管Pの挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設する推進工法であって、
上記管(P)の挿し口(1)を受口(2)に挿入した継合わせを、請求項1乃至4のいずれかに記載の管継手構造とし、その管継手構造の上記間隔保持部材(30)により、上記推進力が上記押し輪(9)の水密性に支障を与えないように上記押し輪(9)と受口(2)端面の間隔を調整した後、先行する管(P)の受口(2)に挿入した管(P)を押圧する作業を繰り返し、上記管(P)の挿し口(1)を先行する管(P)の受口(2)に挿入して継合わせつつさや管(P’)内に管路を新設することを特徴とするさや管推進工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−322611(P2006−322611A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99124(P2006−99124)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】
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