説明

たんぱく質キナーゼインヒビターとしてのスルフイミド

本発明は、たんぱく質キナーゼインヒビターとしての、次の一般式:


のスルフイミドに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たんぱく質キナーゼインヒビターとしてのスルフイミドに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの生物系方法、例えば、真核細胞内のDNA複製、エネルギー代謝、細胞増殖又は細胞分化は、たんぱく質の可逆性リン酸化により調節される。たんぱく質のリン酸化の程度は、特に、たんぱく質の作用、局在化又は安定性に対する影響を有する。たんぱく質キナーゼ及びたんぱく質ホスファターゼの酵素ファミリーは、それぞれ、たんぱく質のリン酸化及び脱リン酸化に関与する。
【0003】
特効のあるたんぱく質キナーゼ又はたんぱく質ホスファターゼの抑制により、人間又は動物の身体の疾患の対症療法又は臨時の治療が可能である方式において生物系方法に介入することができることが望まれている。
たんぱく質キナーゼは、これに関して特別な関心があり、それらの抑制により、ガンの治療が可能となる。
【0004】
次のたんぱく質キナーゼファミリーが、例えば、抑制分子に関するターゲットとして検討されている;
a)細胞周期キナーゼ、すなわち、その活性が、細胞分裂のサイクルの進行を抑制するキナーゼ。細胞周期キナーゼは、実質的に、サイクリン依存性キナーゼ(cdk)、ポロ様キナーゼ(Plk)及びオーロラキナーゼを含む;
b)血管形成を調節する受容体チロシンキナーゼ(血管形成の受容体チロシンキナーゼ)、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)/VEGF受容体システム、繊維芽細胞成長因子(FGF)/FGF受容体システム、Eph配位子/EphB4システム、及びTie配位子/Tieシステムに含まれる受容体チロシンキナーゼ;
c)その活性が、細胞の増殖に寄与する受容体チロシンキナーゼ(増殖性受容体チロシンキナーゼ)、例えば、血小板由来成長因子(PDGF)配位子/PDGF受容体システム、c−kit配位子/c−kit受容体システム及びFMS様チロシンキナーゼ3(Flt−3)配位子/Flt−3システムに含まれる受容体チロシンキナーゼ;
d)細胞分裂の指示された進行をモニターするチェックポイントキナーゼ、例えば、ATM及びATR、Chk1及びChk2、Mps1、Bub1及びBubR1;
e)その活性により、アポトーシスから細胞が保護されるキナーゼ(抗アポトーシスキナーゼ、いわゆる、生存経路におけるキナーゼ、抗アポトーシスキナーゼ)、例えば、Akt/PKB、PDK1、IカッパーBキナーゼ(IKK)、PIM1、及びインテグリン結合キナーゼ(ILK);
f)腫瘍細胞の移動のために必要なキナーゼ(移動性キナーゼ)、例えば、焦点接着キナーゼ(FAK)及びRhoキナーゼ(ROCK)。
【0005】
これらのたんぱく質キナーゼの1種又は2種以上の抑制により、腫瘍成長が抑制される可能性が広がる。
これに関しては、細胞周期キナーゼを抑制することに加えて、1種又は2種以上のさらなるキナーゼ(複数ターゲット腫瘍成長インヒビター=MTGI,multi−target tumour growth inhibitor)の抑制によって腫瘍成長を抑制する構造に関する必要性が特にある。さらに、血管形成を調節する受容体チロシンキナーゼを抑制することが特に好ましい。
【0006】
次の特許出願の構造が、構造的に近い先行技術を形成する。
国際公開第2002/096888号パンフレットは、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターとして、アニリノピリミジン誘導体を開示する。アニリンに関して、スルフイミド置換基は開示されていない。
【0007】
国際公開第2004/026881号パンフレットは、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターとして、大環状のアニリノピリミジン誘導体を開示する。アニリンに関して、スルフイミド置換基の可能性は、開示されていない。
国際公開第2005/037800号パンフレットは、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターとして、オープン型のアニリノピリミジン誘導体が開示されている。アニリンに関して、スルフイミド置換基の可能性は、開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの先行技術の構造体において、それらが細胞周期キナーゼを抑制することは、一般的である。この先行技術からスタートして、本発明の目的は、新規なたんぱく質キナーゼインヒビター類を提供することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、腫瘍成長を抑制することができるたんぱく質キナーゼのインヒビターを提供することである。細胞周期キナーゼに加えて、血管形成を抑制する受容体チロシンキナーゼを抑制する新規な構造類に関する必要性が特にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願の目的は、次の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマーにより達成される:
【化1】

(式中、
1は、下記;
(i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、−CF3又は−OCF3;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C1〜C6−アルコキシ又はC2〜C6−アルキニル基(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6−アルコキシ、−CF3及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);あるいは
(iii)フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
2は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル若しくはナフチル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、次の(a)及び/又は(b)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている;
(a)ハロゲン、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、−C(O)R6、−O(CO)−R12、−SO2NR89、−SO2−R12、−S(O)(NR8)R12、−(N)S(O)R1314、−CF3、−OCF3、−N[(CO)−(C1〜C6−アルキル)]2
(b)C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C3〜C8−シクロアルキル、フェニル、ナフチル(各ケースにおいて、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−NR89、−C(O)OR16、−SO2NR89、−CF3又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている));
であり、
3は、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−C(O)NR89、−C(S)NR89、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);並びに/あるいは
(iii)C3〜C7−シクロアルキル環(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3、−NR89及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
mは0〜4であり、
4は、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり;あるいは
3及びR4が一緒になって、5〜7員環(membered ring)(Qに縮合され、そしてヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、そして当該環が5員である場合には、Qからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成し、
5は、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは0又は1である)、−C(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)NR89、−C(S)OR12、−C(S)NR89又は−R12であるか、あるいは
4及びR5が一緒になって、次の式;
【化2】

(式中、
W及びYは、お互いに独立して、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている−CH2−基であり、当該C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ置換基は、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それ自体、所望により置換されているか、そして/又はイミド二重結合に加えて、1つ又は2つのさらなる二重結合を所望により含み、そして
oは1〜3である)の5〜7員環を形成し、
Xは、−O−、−S−又は−NR15−であり;
ここで、R15は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環;あるいは
(iii)−C(O)−(C1〜C6)−アルキル、−C(O)−フェニル、又は−C(O)−ベンジル;
であり、そして(ii)及び(iii)は、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されているか、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、X、R15及びR2が一緒になって3〜8員環(窒素原子に加えて1つ又は2つ以上のさらなるヘテロ原子を所望により含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1〜3個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは1つ又は2つ以上の−C(O)−基により所望により中断されている)を形成し、
Qは、フェニル、ナフチル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環であり、
6は、下記;
(i)水素又はヒドロキシ;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル又はC1〜C6−アルコキシ基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3、により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)
であり、
7は、水素又はC1〜C6−アルキル基であり、
8及びR9は、お互いに独立して、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C2〜C6−アルケニル基、C3〜C8−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、置換されることができる)を形成し、
10及びR11は、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
12、R13、R14は、お互いに独立して−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、
16は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている):
である。
【0011】
先行技術文献は、たんぱく質キナーゼを抑制する、アニリノピリミジン誘導体上のスルフイミド置換基を提案していない。たんぱく質キナーゼを抑制する他の構造類に関するスルフイミド置換基は開示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次の定義は、本発明に従う。
<Cn−アルキル>
n個の炭素原子を有する、一価の、直鎖又は分岐鎖の、飽和炭化水素基
【0013】
1〜C6アルキル基には、とりわけ、例えば、下記;
メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、イソプロピル−、イソブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、イソペンチル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、neo−ペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−1,2−ジメチルブチル−が含まれる。
メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基が好ましい。
【0014】
<Cn−アルケニル>
n個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を有する、一価の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基
【0015】
2〜C10のアルケニル基には、とりわけ、例えば、下記:
ビニル−、アリル−、(E)−2−メチルビニル−、(Z)−2−メチルビニル−、ホモアリル−、(E)−ブタ−2−エニル−、(Z)−ブタ−2−エニル−、(E)−ブタ−1−エニル−、(Z)−ブタ−1−エニル−、ペンタ−4−エニル−、(E)−ペンタ−3−エニル−、(Z)−ペンタ−3−エニル−、(E)−ペンタ−2−エニル−、(Z)−ペンタ−2−エニル−、(E)−ペンタ−1−エニル−、(Z)−ペンタ−1−エニル−、ヘキサ−5−エニル−、(E)−ヘキサ−4−エニル−、(Z)−ヘキサ−4−エニル−、(E)−ヘキサ−3−エニル−、(Z)−ヘキサ−3−エニル−、(E)−ヘキサ−2−エニル−、(Z)−ヘキサ−2−エニル−、(E)−ヘキサ−1−エニル−、(Z)−ヘキサ−1−エニル−、イソプロペニル−、2−メチルプロパ−2−エニル−、1−メチルプロパ−2−エニル−、2−メチルプロパ−1−エニル−、(E)−1−メチルプロパ−1−エニル−、(Z)−1−メチルプロパ−1−エニル−、3−メチルブタ−3−エニル−、2−メチルブタ−3−エニル−、1−メチルブタ−3−エニル−、3−メチルブタ−2−エニル−、(E)−2−メチルブタ−2−エニル−、(Z)−2−メチルブタ−2−エニル−、(E)−1−メチルブタ−2−エニル−、(Z)−1−メチルブタ−2−エニル−、(E)−3−メチルブタ−1−エニル−、(Z)−3−メチルブタ−1−エニル−、(E)−2−メチルブタ−1−エニル−、(Z)−2−メチルブタ−1−エニル−、(E)−1−メチルブタ−1−エニル−、(Z)−1−メチルブタ−1−エニル−、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル−、1−エチルプロパ−1−エニル−、1−プロピルビニル−、1−イソプロピルビニル−、4−メチルペンタ−4−エニル−、3−メチルペンタ−4−エニル−、2−メチルペンタ−4−エニル−、1−メチルペンタ−4−エニル−、4−メチルペンタ−3−エニル−、(E)−3−メチルペンタ−3−エニル−、(Z)−3−メチルペンタ−3−エニル−、(E)−2−メチルペンタ−3−エニル−、(Z)−2−メチルペンタ−3−エニル−、(E)−1−メチルペンタ−3−エニル−、(Z)−1−メチルペンタ−3−エニル−、(E)−4−メチルペンタ−2−エニル−、(Z)−4−メチルペンタ−2−エニル−、(E)−3−メチルペンタ−2−エニル−、(Z)−3−メチルペンタ−2−エニル−、(E)−2−メチルペンタ−2−エニル−、(Z)−2−メチルペンタ−2−エニル−、(E)−1−メチルペンタ−2−エニル−、(Z)−1−メチルペンタ−2−エニル−、(E)−4−メチルペンタ−1−エニル−、(Z)−4−メチルペンタ−1−エニル−、(E)−3−メチルペンタ−1−エニル−、(Z)−3−メチルペンタ−1−エニル−、(E)−2−メチルペンタ−1−エニル−、(Z)−2−メチルペンタ−1−エニル−、(E)−1−メチルペンタ−1−エニル−、(Z)−1−メチルペンタ−1−エニル−、3−エチルブタ−3−エニル−、2−エチルブタ−3−エニル−、1−エチルブタ−3−エニル−、(E)−3−エチルブタ−2−エニル−、(Z)−3−エチルブタ−2−エニル−、(E)−2−エチルブタ−2−エニル−、(Z)−2−エチルブタ−2−エニル−、(E)−1−エチルブタ−2−エニル−、(Z)−1−エチルブタ−2−エニル−、(E)−3−エチルブタ−1−エニル−、(Z)−3−エチルブタ−1−エニル−、2−エチルブタ−1−エニル−、(E)−1−エチルブタ−1−エニル−、(Z)−1−エチルブタ−1−エニル−、2−プロピルプロパ−2−エニル−、1−プロピルプロパ−2−エニル−、2−イソプロピルプロパ−2−エニル−、1−イソプロピルプロパ−2−エニル−、(E)−2−プロピルプロパ−1−エニル−、(Z)−2−プロピルプロパ−1−エニル−、(E)−1−プロピルプロパ−1−エニル−、(Z)−1−プロピルプロパ−1−エニル−、(E)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル−、(Z)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル−、(E)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル−、(Z)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル−、(E)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル−、(Z)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル−、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニルが含まれる。
ビニル又はアリル基が好ましい。
【0016】
<Cn−アルキニル>
n個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を有する、一価の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基
【0017】
2〜C10アルキニル基には、とりわけ、例えば:
エチニル−、プロパ−1−イニル−、プロパ−2−イニル−、ブタ−1−イニル−、ブタ−2−イニル−、ブタ−3−イニル−、ペンタ−1−イニル−、ペンタ−2−イニル−、ペンタ−3−イニル−、ペンタ−4−イニル−、ヘキサ−1−イニル−、ヘキサ−2−イニル−、ヘキサ−3−イニル−、ヘキサ−4−イニル−、ヘキサ−5−イニル−、1−メチルプロパ−2−イニル−、2−メチルブタ−3−イニル−、1−メチルブタ−3−イニル−、1−メチルブタ−2−イニル−、3−メチルブタ−1−イニル−、1−エチルプロパ−2−イニル−、3−メチルペンタ−4−イニル−、2−メチルペンタ−4−イニル−、1−メチルペンタ−4−イニル−、2−メチルペンタ−3−イニル−、1−メチルペンタ−3−イニル−、4−メチルペンタ−2−イニル−、1−メチルペンタ−2−イニル−、4−メチルペンタ−1−イニル−、3−メチルペンタ−1−イニル−、2−エチルブタ−3−イニル−、1−エチルブタ−3−イニル−、1−エチルブタ−2−イニル−、1−プロピルプロパ−2−イニル−、1−イソプロピルプロパ−2−イニル−、2,2−ジメチルブタ−3−イニル−、1,1−ジメチルブタ−3−イニル−、1,1−ジメチルブタ−2−イニル−又は3,3−ジメチルブタ−1−イニル−が含まれる。
エチニル、プロパ−1−イニル又はプロパ−2−イニル基が好ましい。
【0018】
<Cn−シクロアルキル>
n個の炭素原子を有する、一価の、環式炭化水素環
3〜C7−シクロアルキル環には、下記;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル:
が含まれる。
シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環が好ましい。
【0019】
<Cn−アルコキシ>
式:−OR(R=アルキルである)の、直鎖又は分岐鎖のCn−アルキルエーテル残差
【0020】
<Cn−アリール>
n−アリールは、n個の炭素原子を有し、ヘテロ原子を有しない一価の芳香環システムである。C6−アリールは、フェニルと同一である。C10−アリールは、ナフチルと同一である。
フェニルが好ましい。
【0021】
<ヘテロ原子>
ヘテロ原子は、酸素、窒素又は硫黄原子を含むように理解されるべきである。
【0022】
<ヘテロアリール>
ヘテロアリールは、炭素と異なる少なくとも1つのヘテロ原子を有する一価の、芳香環系である。見出されるヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子である。原子価結合は、芳香族炭素原子又は窒素原子上にありうる。
【0023】
本発明に従う単環式ヘテロアリール環は、5又は6環原子を有する。
5環原子を有するヘテロアリール環には、例えば、次の環:チエニル、チアゾリル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル及びチアジアゾリルが含まれる。
【0024】
6環原子を有するヘテロアリール環には、例えば、次の環:ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルが含まれる。
本発明に従う二環式ヘテロアリール環には、9又は10環原子が含まれる。
【0025】
9環原子を有するヘテロアリール環には、例えば、次の環:フタリジル−、チオフタリジル−、インドリル−、イソインドリル−、インダゾリル−、ベンゾチアゾリル−、インドロニル−、イソインドロニル−、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、アゾシニル(azocinyl)、インドリジニル、プリニルが含まれる。
【0026】
10環原子を有するヘテロアリール環には、例えば、次の環:イソキノリニル−、キノリニル−、ベンゾキサジノニル−(benzoxazinonyl−)、フタラジノニル−(phthalazinonyl−)、キノロニル−(quinolonyl−)、イソキノロニル−、キナゾリニル−、キノキサリニル−、シンノリニル−、フタラジニル−、1,7−又は1,8−ナフチリジニル−、キノリニル−、イソキノリニル−、キナゾリニル−又はキノキサリニル−が含まれる。
5又は6環原子を有する単環式ヘテロアリール環が好ましい。
【0027】
<ヘテロシクリル>
本発明の文脈におけるヘテロシクリルは、完全に水素化されたヘテロアリール(完全に水素化されたヘテロアリール−飽和ヘテロシクリル)、すなわち、炭素と異なる少なくとも1つのヘテロ原子を有する非芳香環系である。見出されるヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子である。原子価結合は、炭素原子又は窒素原子上である。
【0028】
3環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、アジリジニルが含まれる。
4環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、アゼチジニル、オキセタニルが含まれる。
5環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、次の環:ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル及びテトラヒドロフラニルが含まれる。
【0029】
6環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、次の環:ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル及びチオモルホリニルが含まれる。
7環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、次の環:アゼパニル、オキセパニル、[1,3]−ジアゼパニル、[1,4]−ジアゼパニルが含まれる。
8環原子を有するヘテロシクリル環には、例えば、オキソカニル、アゾカニルが含まれる。
【0030】
<ハロゲン>
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。臭素が好ましい。
【0031】
好ましい下位群は、一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマーであり、ここで、
1が、ハロゲン、−CF3、−OCF3、C1〜C4−アルキル又はニトロであり、
2が、C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環あるいは3〜7個の環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12及び/又はC1〜C4−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、それ自体、所望により置換されている)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
3が、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C3−アルキル及び/又はC1〜C3−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
mが、0又は1であり、
4が、C1〜C5−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
3及びR4が一緒になって、5員環(Qに縮合され、そしてQからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成し、
5が、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは0又は1であり、R12はCF3である)又はC1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル若しくはフェニル環又は3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環、あるいは単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化3】

(式中、W及びYは、それぞれ、−CH2−基であり、そしてoは1である)
の5員環を形成し、
Xは、−O−、−S−又は−NR15−であり、
ここで、R15は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環、あるいは
(iii)−C(O)−(C1〜C6)−アルキル、−C(O)−フェニル、又は−C(O)−ベンジル;
であり、そして
(ii)及び(iii)は、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、X、R15及びR2が一緒になって3〜8員環(窒素原子に加えて、1つ又は2つ以上のさらなるヘテロ原子を所望により含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1〜3個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは1つ又は2つ以上の−C(O)−基により所望により中断されている)を形成し、
Qが、フェニル、ナフチル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環であり、
6が、C2〜C5−アルキル、C4〜C6−アルケニル、C4〜C6−アルキニル又はC2〜C5−アルコキシ基、C4〜C6−シクロアルキル又はフェニル環、3〜5個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、
7が、水素又はC1〜C6−アルキル基であり、
8及びR9が、お互いに独立して、水素及び/又はC1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環、及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシにより、1回又は2回以上、置換されることができる)を形成し、
10及びR11が、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
12が、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、−NR89、C1〜C6−アルキル、及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
13及びR14が、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル基であり、そして
16が、C1〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環である。
【0032】
特別な関心がある、好ましい下位群からの化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマーは、式(I)におけるものであり、ここで
4が、C1〜C5−アルキル基又はC3〜C6−シクロアルキル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
3及びR4が一緒になって、5員環(Qに縮合され、そしてQからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成し、
5が、−SO212であり、ここで、R12は、C1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル若しくはフェニル環又は3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環あるいは単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化4】

(式中、W及びYは、それぞれ、−CH2基であり、そしてoは1である)
の5員環を形成する。
【0033】
さらに好ましい下位群は、一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマーであり、ここで、
1が、水素、ハロゲン又は−CF3であり、
2が、C1〜C10−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ又は−NH−C(O)−C1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
mが、0であり、
4が、C1〜C6−アルキル基であり、
5が、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは、0又は1に等しい)であり、
Xが、−NH−であり、
Qが、フェニル環であり、
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ニトロ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0034】
一般式(I)では、Qは、フェニル、ナフチル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環であることができる。Qは、好ましくは、フェニル又は単環式ヘテロアリール環である。Qは、さらに好ましくは、フェニル又は6環原子を有する単環式ヘテロアリール環、特にピリジル環である。Qは、特に好ましくは、フェニル環である。
【0035】
一般式(I)では、R1は、下記;
(i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、−CF3又は−OCF3;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C1〜C6−アルコキシ又はC2〜C6−アルキニル基(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6−アルコキシ、−CF3及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);あるいは
(iii)フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
であることができる。
【0036】
1は、好ましくは、ハロゲン、−CF3、−OCF3、C1〜C4−アルキル又はニトロである。
1は、さらに好ましくは、ハロゲン、−CF3又はC1〜C2−アルキルである。
1は、さらにいっそう好ましくは、臭素及びCF3である。
【0037】
一般式(I)では、R2は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル又はナフチル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、次のa)並びに/あるいはb)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている、
a)ハロゲン、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、−C(O)R6、−O(CO)−R12、−SO2NR89、−SO2−R12、−S(O)(NR8)R12、−(N)S(O)R1314、−CF3、−OCF3、−N[(CO)−(C1〜C6−アルキル)]2;並びに/あるいは
b)C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C3〜C8−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル及び/又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール(各ケースにおいて、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−NR89、−C(O)OR16、−SO2NR89、−CF3又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている))
であることができる。
【0038】
2は、好ましくは、C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル又は単環式又は二環式のヘテロアリール環、3〜7個の環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12及び/又はC1〜C4−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、それ自体、所望により置換されている)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)である。
【0039】
2は、さらに好ましくは、C2〜C6−アルキル、C2〜C8−アルケニル又はC2〜C8−アルキニル基、C3〜C6−シクロアルキル、フェニル環、6環原子を有する単環式ヘテロアリール環、5〜7環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12及び/又はC1〜C4−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、それ自体、所望により置換されている)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)である。
【0040】
2は、特に好ましくは、C1〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ及び/又は−NH−C(O)−C1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)である。
【0041】
一般式(I)では、Xは、−O−、−S−又は−NR15−であることができ、ここで
15が、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環;あるいは
(iii)−C(O)−(C1〜C6)−アルキル、−C(O)−フェニル、又は−C(O)−ベンジルであることができ、
ここで、(ii)及び(iii)は、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、
X、R15及びR2が一緒になって、3〜8員環(窒素原子に加えて1つ又は2つ以上のさらなるヘテロ原子を所望により含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1〜3個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは1つ又は2つ以上の−C(O)−基により所望により中断されている)を形成する。
【0042】
Xは、好ましくは、−O−、−S−又は−NR15−であり、ここで
15は、水素、あるいはC1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、好ましくは、X、R15及びR2が一緒になって、3〜6員環(窒素原子に加えて1つのさらなるヘテロ原子を含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1個又は2個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは−C(O)−基により中断されている)を形成する。
【0043】
Xは、さらに好ましくは、−NR15−であり、ここで
15が、水素、あるいはC3〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又は3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
Xが−NR15−である場合には、好ましくは、X、R15及びR2が一緒になって、5又は6員環(窒素原子に加えて、さらなるヘテロ原子を含み、そしてヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)を形成する。
Xは、特に好ましくは−NR15−(式中、R15は水素である)である。
【0044】
一般式(I)では、R3は、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−C(O)NR89、−C(S)NR89、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);並びに/あるいは
(iii)C3〜C7−シクロアルキル環(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ,−CF3、−OCF3、−NR89及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
であることができる。
【0045】
3は、好ましくは、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−C(O)NR89、−C(S)NR89、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C5−アルキル及び/又はC1〜C5−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
である。
【0046】
3は、さらに好ましくは、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C3−アルキル及び/又はC1〜C3−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
である。
【0047】
3は、さらにいっそう好ましくは、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−NR89;並びに/あるいは
(ii)C1〜C3−アルキル及び/又はC1〜C3−アルコキシ基:
である。
3は、特に好ましくは、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、−CF3、メチル又はメトキシである。
一般式(I)では、mは、0〜4、好ましくは0又は1、さらに好ましくは0であることができる。
【0048】
一般式(I)では、R4は、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であることができ、あるいは
3及びR4が一緒になって、5〜7員環(Qに縮合され、そしてヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、そして当該環が5員である場合には、Qからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成する。
【0049】
4は、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、ハロゲンにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、あるいは、好ましくは、R3及びR4が一緒になって、5〜7員環(Qに縮合され、そしてヒドロキシ、ハロゲン又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、そして当該環が5員である場合には、二重結合を所望により含む)を形成する。
【0050】
4は、さらにいっそう好ましくは、C1〜C5−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、あるいは、好ましくは、R3及びR4が一緒になって、5員環(Qに縮合され、そしてQからの二重結合に加えて、さらに二重結合を含む)を形成する。
【0051】
4は、特に好ましくは、C1〜C4−アルキル基、C3〜C5−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89又はハロゲンにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
4は、特に好ましくは、C1〜C3−アルキル基である。
【0052】
一般式(I)では、R5は、−SO2−(CH2n−R12(nは、0又は1に等しい)、−C(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)NR89、−C(S)OR12、−C(S)NR89又は−R12であることができ、ここで
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0053】
5は、好ましくは、−SO212、−C(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)NR89、−C(S)OR12、−C(S)NR89又は−R12であり、ここで、
12が、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、又は
4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化5】

又は次の式(2):
【化6】

(式中、
W及びYは、各ケースにおいて、お互いに独立して、−CH2−基(ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、ここで、上記C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ置換基は、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それ自体、所望により置換され、そして/あるいはイミド二重結合に加えて、1つ又は2つのさらなる二重結合を所望により含み、そして
oは1〜3である)
の5〜7員環を形成する。
【0054】
5はまた、好ましくは、−SO212又は−C(O)R12であり、ここで、
12が、C1〜C5−アルキル、C2〜C5−アルケニル及び/又はC2〜C5−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、あるいは
好ましくは、R4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化7】

又は次の式(2):
【化8】

(式中、
W及びYは、各ケースにおいて、お互いに独立して、−CH2−基(ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、oは1〜3である)
の5〜7員環を形成する。
【0055】
5は、さらに好ましくは、−SO2−(CH2n−R12(nは、0又は1に等しい)であり、ここで
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ニトロ、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0056】
同様に、R5は、さらに好ましくは、−SO212であり、ここで、
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環又は3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、あるいは
好ましくは、R4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化9】

(式中、W及びYは、それぞれ、−CH2−基であり、そしてoは1である)
の5員環を形成する。
【0057】
5は、特に好ましくは、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは、0又は1に等しい)であって、ここで、
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基又はフェニル、ピリジル、チエニル又はチアジアゾリル環(ニトロ、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0058】
同様に、R5は、特に好ましくは、−SO212であり、ここで、R12は、C1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ニトロ、ハロゲン及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それ自体、所望により置換されている)である。
【0059】
一般式(I)では、R6は、下記;
(i)水素又はヒドロキシ;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル又はC1〜C6−アルコキシ基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている):
であることができる。
【0060】
6は、好ましくは、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C4−アルキル、C3〜C5−アルケニル、C3〜C5−アルキニル又はC1〜C5−アルコキシ基、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環、3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている):
である。
【0061】
6は、さらに好ましくは、C2〜C5−アルキル、C4〜C6−アルケニル、C4〜C6−アルキニル又はC2〜C5−アルコキシ基、C4〜C6−シクロアルキル又はフェニル環、3〜5個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0062】
6は、特に好ましくは、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ基又はC3〜C7−シクロアルキル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
一般式(I)では、R7は、水素又はC1〜C6−アルキル基であることができる。
【0063】
一般式(I)では、R8及びR9は、お互いに独立して、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C2〜C6−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、置換されることができる)を形成する。
【0064】
8及びR9は、好ましくは、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C5−アルキル、C2〜C5−アルケニル基、C3〜C7−シクロアルキル及び/又はフェニル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている):
であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシ、−NR1011及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、置換されることができる)を形成する。
【0065】
8及びR9は、さらに好ましくは、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環、及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、置換されることができる)を形成する。
【0066】
8及びR9は、特に好ましくは、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環及び/又は単環式ヘテロアリール環であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5又は6員環(窒素原子に加えて、1つのさらなるヘテロ原子を所望により含む)を形成する。
【0067】
一般式(I)では、R10及びR11は、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であることができる。
【0068】
10及びR11は、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシ、ハロゲン又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であることができる。
【0069】
10及びR11は、さらに好ましくは、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であることができる。
10及びR11は、特に好ましくは、お互いに独立して、水素又はメチル基であることができる。
【0070】
一般式(I)では、R12、R13、R14は、お互いに独立して、−CF3又はC1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であることができる。
【0071】
12、R13、R14は、好ましくは、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0072】
12は、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、−NR89、C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0073】
12は、さらに好ましくは、C1〜C5−アルキル、C2〜C5−アルケニル、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環、3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、−NR89、C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0074】
12は、特に好ましくは、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ニトロ、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0075】
12は、同様に、特に好ましくは、C1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0076】
13及びR14は、好ましくは、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である。
【0077】
13及びR14は、さらに好ましくは、お互いに独立して、C1〜C5−アルキル、C2〜C5−アルケニル及び/又はC2〜C5−アルキニル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環である。
13及びR14は、特に好ましくは、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル基である。
【0078】
一般式(I)では、R16は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている):
である。
【0079】
16は、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であることができる。
【0080】
16は、さらに好ましくは、C1〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環であることができる。
16は、特に好ましくは、C1〜C6−アルキル基であることができる。
【0081】
同様に、本発明に包含されるものとみなされるものは、上述の可能性がある、上記置換基の好ましい、そして特に好ましい意味の全ての可能性のある組み合わせから生ずる全ての化合物である。
本発明の特別な実施形態は、さらに、上記置換基に関する例内に直接開示されている意味の組み合わせから生ずる化合物から成る。
【0082】
本発明に従う化合物を、次の各ステップ;
a)次の式(IV)の2−クロロピリミジンを、次の式(III)の求核試薬と反応させ、次の式(II)の化合物を得るステップ:
【化10】

b)次の式(II)のチオエーテルのイミネーション(imination)により、次の式(I)の化合物を得るステップ:
【化11】

(式中、Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、請求項1〜17に記載の一般式(I)内に示される意義を有する)
を含む方法により調製することができる。
【0083】
本発明は、同様に、次の式(IV):
【化12】

(式中、R1、R2及びXは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
の中間体に関する。
【0084】
式(IV)の中間体は、次の式(VI)の2,4−ジクロロピリミジンを、次の式(V)の求核試薬と反応させることにより調製されうる:
【化13】

(式中、R1、R2及びXは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)。
【0085】
あるいは、本発明に従う化合物は、次の式(IV)の2−クロロピリミジンを、次の式(VII)の求核試薬と反応させることにより調製することができる:
【化14】

(式中、Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する。
【0086】
本発明は、同様に、次の式(VII):
【化15】

(式中、Q、R3、R4及びR5は、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
の中間体に関する。
【0087】
式(VII)の中間体は、次の各ステップ;
a)次の式(IX)のチオエーテルのイミネーションにより、次の式(VIII)のスルフイミドを得るステップ:
【化16】

b)ニトロ基の還元により、次の式(VII)の中間体を得るステップ;
【化17】

(式中、Q、R3、R4及びR5は、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
を含む方法により調製されうる。
【0088】
あるいは、式(VII)の中間体はまた、次の各ステップ;
a)次の式(X)のチオエーテルのイミネーションにより、次の式(XI)のスルフイミドを得るステップ;
【化18】

b)保護基の脱離により、次の式(VII)の中間体を得るステップ;
【化19】

(式中、Q、R3、R4及びR5は、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
を含む方法により調製されうる。
【0089】
たんぱく質キナーゼの次のグループ分けは、本出願の基礎をなす;
A.細胞周期キナーゼ:a)CDK、b)Plk、c)オーロラ
B.血管形成受容体チロシンキナーゼ:a)VEGF−R、b)Tie、c)FGF−R、d)EphB4
C.増殖性受容体チロシンキナーゼ:a)PDGF−R、Flt−3、c−Kit
D.チェックポイントキナーゼ:a)ATM/ATR、b)Chk1/2、c)TTK/hMps1、BubR1、Bub1
E.抗アポトーシスキナーゼ:a)AKT/PKB、b)IKK、c)PIM1、d)ILK
F.移動性キナーゼ:a)FAK、b)ROCK
【0090】
<A.細胞周期キナーゼ:a)CDK、b)Plk、c)オーロラ>
細胞分裂の真核性サイクルは、事象の統合且つ調節された順番を経験させることにより、娘細胞にゲノムの重複及びその分布を確保する。細胞周期は、4つの連続相に分けられる;G1相は、細胞が増殖するDNA複製前の時間を表し、そして外部刺激に敏感である。S相では、細胞が、そのDNAを複製し、そしてG2相では、それが、有糸分裂に入るための準備をする。有糸分裂(M相)では、複製されたDNAが分離され、そして細胞分裂が完了する。
【0091】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、セリン/トレオニンキナーゼのファミリー(その要素は、それらのアクチベーションのための調節サブユニットとして、サイクリン(Cyc)の結合を要求する)が、細胞周期を介して、細胞を動かす。異なるCDK/Cycペアーが、異なる相の細胞周期において活性である。上記細胞周期の基本作用に関して重要であるCDK/Cycペアーは、例えば、CDK4(6)/CycD、CDK2/CycE、CDK2/CycA、CDK1/CycA及びCDK1/CycBである。
【0092】
細胞周期内への導入及び限界点の通過(開始された細胞分裂の完了に関するさらなる成長信号から細胞の独立性を特徴付ける)は、CDK4(6)/CycD及びCDK2/CycE複合体の活性により制御される。これらのCDK複合体の必須基質は、レチノブラストーマたんぱく質(Rb)、レチノブラストーマがん抑制遺伝子の生成物である。Rbは、転写性コリプレッサーたんぱく質である。実質的に理解されていない他の機構の他にも、Rbは、E2F型の転写因子と結合し且つ不活性化し、そしてヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を伴う転写レプレッサー複合体を形成する(Zhang H.S.ら(2000).Exit from G1 and S phase of the cell cycle is regulated by repressor compleses containing HDAC−Rb−hSWI/SNF and Rb−hSWI/SNF.Cell 101,79−89)。CDKによるRbのリン酸化により、その生成物が、S相を介したDNA合成及び進行のために要求される遺伝子の転写活性化をもたらす、結合されたE2F転写因子が放出される。
【0093】
Rbリン酸化の追加の作用は、Rb−HDAC複合体を解体することであり、それにより、さらに遺伝子が活性化される。CDKによるRbのリン酸化は、上記限界点を超えて進むことと同一視されるべきである。CDK2/CycE及びCDK2/CycA複合体の活性は、S相を介した進行及びそれらの完了のために必要である。DNAの複製が完了した後、CycA又はCycBとの複合体内のCDK1が、G2相の通過及び上記細胞の有糸分裂内への進入を制御する(図1)。上記G2相から有糸分裂内への移行において、ポロ様キナーゼPlk1が、CDK1の活性化に寄与する。有糸分裂が進行しながら、Plk1は、中心体の熟成、紡錘糸器官の構成、染色体の分離及び娘細胞の分離内にさらに含まれる。
【0094】
3要素:オーロラ−A、オーロラ−B及びオーロラ−Cのオーロラキナーゼのファミリーは、人間の身体内に存在する。上記オーロラキナーゼは、細胞分裂(有糸分裂)の際、重要な過程を調節する。
オーロラ−Aは、上記中心体及び紡錘糸微小管上に局在化し、そこでは、それにより、種々の基質たんぱく質、とりわけ、キネシンEg5、TACC、PP1が加リン酸反応される。しかし、紡錘糸器官の発生の正確な機構及びそれら内のオーロラ−Aの役割は、実質的に明確ではない。
【0095】
オーロラ−Bは、上記中心体構造上に局在化する複数のたんぱく質複合体の一部であり、そしてオーロラ−Bの他にも、とりわけ、INCENP、サバイビン(survivin)及びborealin/dasra Bを含む(Vagnarelli & Earnshaw,Chromosomal passengers:the four−dimensional regulation of mitotic events.Chromosoma.2004 Nov;113(5):211−22.Epub 2004 Sep 4に概観が要約されている)。オーロラ−Bのキナーゼ活性により、微小管(microtubulin)紡錘糸器官への全ての結合が、染色体のペアーの分裂前に正確であることが確保される(いわゆる紡錘糸チェックポイント)。このケースでは、オーロラ−Bの基質は、とりわけ、ヒストンH3及びMCAKである。染色体の分離後、オーロラ−Bは、その局在化を変え、そして2つの娘細胞の間に残る接続ブリッジ上に有糸分裂(細胞質分裂)の最終相の際に見出されうる。オーロラ−Bは、その基質MgcRacGAP、ビメンチン、デスミン、ミオシンの調節軽鎖(light regulatory chain)、及びその他のリン酸化により、娘細胞の切断を調節する。
【0096】
オーロラ−Cは、そのアミノ酸配列、局在化、基質特異性及び作用が、オーロラ−Bに非常に似ている(Li Xら,Direct association with inner centromere protein(INCENP)activates the novel chromosomal passenger protein,Aurora−C.J Biol Chem.2004 Nov 5;279(45):47201−11.Epub 2004 Aug 16;,Chenら,Overexpression of an Aurora−C kinase−deficient mutant disrupts the Aurora−B/INCENP complex and induces polyploidy.J Biomed Sci.2005;12(2):297−310;Yan Xら,Aurora−C is directly associated with Survivin and required for cytokinesis.Genes to ells 2005 10,617−626)。
【0097】
オーロラ−B及びオーロラ−Cの間の主要な相違は、睾丸内のオーロラ−Cの強い過剰発現である(Tseng TCら,Protein kinase profile of sperm and eggs:cloning and characterization of two novel testis−specific protein kinases(AIE1,AIE2)related to yeast and fly chromosome segregation regulators.DNA Cell Biol.1998 Oct;17(10):823−33.)。
【0098】
有糸分裂内のオーロラキナーゼの必須作用により、それらが、細胞増殖の妨害により生じるガン又は他の疾患の治療のための小抑制分子の進行のために重要なターゲットたんぱく質となる。説得力のある実験データは、in vitro及びin vivoでのオーロラキナーゼの抑制により、細胞増殖の進行が防がれ、そして計画された細胞死(アポトーシス)が誘導されることを示している。
【0099】
(1)siRNA技術(Du & Hannon.Suppression of p160ROCK bypasses cell cycle arrest after Aurora−A/STK15 depletion.Proc Natl Acad Sci U S A.2004 Jun 15;101(24):8975−80.Epub 2004 Jun 3;Sasai Kら,Aurora−C kinase is a novel chromosomal passenger protein that can complement Aurora−B kinase function in mitotic cells.Cell Motil Cytoskeleton.2004 Dec;59(4):249−63)、又は主要な負のオーロラキナーゼの過剰発現(Hondaら,Exploring the functional interactions between Aurora B,INCENP,and survivin in mitosis.Mol Biol Cell.2003 Aug;14(8):3325−41.Epub 2003 May 29)、及び(3)具体的には、オーロラキナーゼを抑制する小化学系分子(Hauf Sら,The small molecule Hesperadin reveals a role for Aurora B in correcting kinetochore−microtubule attachment and in maintaining the spindle assembly checkpoint.J Cell Biol.2003 Apr 28;161(2):281−94.Epub 2003 Apr 21.;Ditchfield Cら,Aurora B couples chromosome alignment with anaphase by targeting BubR1,Mad2,and Cenp−E to kinetochores.J Cell Biol. 2003 Apr 28;161(2):267−80.)を用いてこれを示すことが可能である。
【0100】
オーロラキナーゼの不活性化により、(1)有糸分裂の紡錘糸器官の不完全な進行又は進行がないこと(主に、オーロラ−A抑制と共に)、及び/又は(2)紡錘糸チェックポイントのブロッキングによる姉妹染色分体の不完全な分離又は分離がないこと(主に、オーロラ−B/−C抑制と共に)、及び/又は(3)娘細胞の不完全な分離(主に、オーロラ−B/−C抑制と共に)に至る。これらのオーロラキナーゼの不活性化の結果(1〜3)は、単独で、又は組み合わせとして、異数性及び/又は倍数性に至り、そして最後に、早急に、又は繰り返された有糸分裂の後、非生存可能状態に、又は増殖型細胞の計画された細胞死(有糸分裂のカタストロフィ)に至る。
【0101】
特効のあるキナーゼインヒビターは、種々の段階において、細胞周期に影響を及ぼしうる。従って、例えば、G1相における、又はG1相からS相への移行における細胞周期の遮断が、CDK4又はCDK2インヒビターを用いて期待されるべきである。
【0102】
<B.血管形成受容体チロシンキナーゼ>
受容体チロシンキナーゼ及びそれらの配位子は、細胞の成長及び分化の調節に含まれる複数の細胞系過程に非常に重要な関与者である。本明細書において、特別な関心は、血管内皮成長因子(VEGF)/VEGF受容体システム、繊維芽細胞成長因子(FGF)/FGF受容体システム、Eph配位子/Eph受容体システム、及びTie配位子/Tie受容体システムにある。新しい血管(新血管新生)の高い形成に関連する病理学的状況、例えば、腫瘍性疾患では、血管形成の増殖因子及びそれらの受容体の高い発現が見られる。
【0103】
VEGF/VEGF受容体システム、FGF/FGF受容体システムのインヒビター(Rousseauら,The tyrp1−Tag/tyrp1−FGFR1−DN bigenic mouse:a model for selective inhibition of tumor development,angiogenesis,and invasion into the neural tissue by blockade of fibroblast growth factor receptor activity.Cancer Res.64,:2490,2004),of the EphB4 system(Kerteszら,The soluble extracellular domain of EphB4(sEphB4)antagonizes EphB4−EphrinB2 interaction,modulates angiogenesis and inhibits tumor growth.Blood.2005 Dec 1;[Epub ahead of print])、及びTie配位子/Tieシステムのインヒビター(Siemeisterら,Two independent mechanisms essential for tumor angiogenesis:inhibition of human melanoma xenograft growth by interfering with either the vascular endothelial growth factor receptor pathway or the Tie−2 pathway.Cancer Res.59,3185,1999)が、腫瘍内の血管系の進行を抑制することができるので、酸素及び栄養素供給から腫瘍を遮断し、そして腫瘍の成長を抑制することができる。
【0104】
<C.増殖性受容体チロシンキナーゼ>
受容体チロシンキナーゼ及びそれらの配位子は、細胞の増殖に非常に重要な関与者である。本明細書において、特別な関心は、血小板由来成長因子(PDGF)配位子/PDGF受容体システム、c−kit配位子/c−kit受容体システム及びFMS様チロシンキナーゼ3(Flt−3)配位子/Flt−3システムである。細胞の高い成長に関連する病理学的状況、例えば、腫瘍性疾患では、増殖性の成長因子及びそれらの受容体又はキナーゼ活性化突然変異の高い発現が見られる。これらの受容体チロシンキナーゼの酵素活性の抑制により、腫瘍成長の減少がもたらされる。
【0105】
例えば、とりわけ、PDGF−R及びc−kitを抑制する小化学系分子STI571/Glivecを用いて検討することにより、これを示すことが可能である(Oestmann A.,PDGF receptors−mediators of autocrine tumor growth and regulators of tumor vasculature and stroma,Cytokine Growth Factor Rev.2004 Aug;15(4):275−86;Roskoski R.,Signaling by Kit protein−tyrosine kinase−the stem cell factor receptor.Biochem Biophys Res Commun.2005 Nov 11;337(1):1−13.;Markovic A.ら,FLT−3:a new focus in the understanding of acute leukemia.Int J Biochem Cell Biol.2005 Jun;37(6):1168−72.Epub 2005 Jan 26.に概観が要約されている)。
【0106】
<D.チェックポイントキナーゼ>
本出願の文脈において、「チェックポイントキナーゼ」は、細胞分裂の指示された進行をモニターする細胞周期キナーゼ、例えば、ATM及びATR、Chk1及びChk2、Mps1、Bub1及びBubR1を意味する。特定の重要性は、G2相及び有糸分裂の際の紡錘糸チェックポイントにおけるDNA損傷である。
【0107】
ATM、ATR、Chk1及びChk2キナーゼは、細胞へのDNA損傷により活性化され、そしてCDK1の不活性化を介して、G2相内の細胞周期を停止するに至る(Chen & Sanchez,Chk1 in the DNA damage response:conserved roles from yeasts to mammals.DNA Repair 3,1025,2004)。Chk1の不活性化は、DNA損傷により誘発されたG2停止の損失を、損傷を受けたDNAの存在下における細胞周期の進行に生じさせ、そして最後に細胞死に至る(Takaiら,Aberrant cell cycle checkpoint function and early embryonic death in Chk1(−/−)mice.Genes Dev.2000 Jun 15;14(12):1439−47;Koniarasら,Inhibition of Chk1−dependent G2 DNA damage checkpoint radiosensitizes p53 mutant human cells.Oncogene.2001 Nov 8;20(51):7453−63.;Liuら,Chk1 is an essential kinase that is regulated by Atr and required for the G(2)/M DNA damage checkpoint.Genes Dev.2000 Jun 15;14(12):1448−59.)。
【0108】
Chk1、Chk2又はChk1及びChk2の不活性化により、DNA損傷により生じたG2停止が防止され、そして増殖型ガン細胞を、DNA損傷療法、例えば、化学療法又は放射線治療に対しさらに敏感にする。DNA損傷をもたらす化学療法は、例えば、DNAらせん構造の切断を誘発する物質、DNA−アルキル化物質、トポイソメラーゼインヒビター、オーロラキナーゼインヒビター、有糸分裂の紡錘糸の構造に影響を与える物質、腫瘍への制限された酸素供給のための低酸素ストレス(例えば、抗血管形成薬剤、例えば、VEGFキナーゼインヒビターにより誘発された)である。
【0109】
細胞周期内の第2の本質的なチェックポイントは、有糸分裂の際、紡錘糸器官の染色体への正しい構造及び接着を制御することである。キナーゼTTK/hMps1、Bub1及びBubR1は、この、いわゆる紡錘糸チェックポイントに含まれる(Kopsら,On the road to cancer:aneuploidy and the mitotic checkpoint.Nat Rev Cancer.2005 Oct;5(10):773−85に概観が要約されている)。これらは、上記紡錘糸器官にまだ接着していない凝縮された染色体のキネトコア上に局在化し、そして、いわゆる、アナフェーズ・プロモーティング・コンプレックス/シクロサム(APC/C,anaphase−promoting complex/cyclosome)を抑制する。
【0110】
上記紡錘糸器官の上記キネトコアへの正確な接着が完了した後、紡錘糸チェックポイントキナーゼMps−1、Bub1、及びBubR1が不活性化され、そのようにして、APC/Cが活性化され、そして対となる染色体の分離が生じる。上記紡錘糸チェックポイントキナーゼの抑制により、全てのキネトコアが上記紡錘糸器官に接着される前に、対となる染色体の分離に至り、従って、細胞により許容されない不完全な染色体分布に至り、そして最後に、細胞周期停止又は細胞死に至る。
【0111】
<E.抗アポトーシスキナーゼ>
種々の機構により、細胞が、非最適生存条件の際に細胞死から保護される。腫瘍細胞では、これらの機構により、腫瘍の成長塊内で、細胞の生存優位性がもたらされる(酸素、グルコース及びさらなる栄養素の不足により特徴付けられ、腫瘍細胞が細胞外マトリックスに接着することなく生き抜くこと可能とし、場合によっては、転移をもたらすか、又は治療薬に対する抵抗性をもたらす)。本質的な抗アポトーシスのシグナル経路には、PDK1−AKT/PKBシグナル経路(Altomare & Testa.Perturbations of the AKT signaling pathway in human cancer.Oncogene.24,7455,2005)、NFκBシグナル経路(Viatourら,Phosphorylation of NFkB and IkB proteins:implications in cancer and inflammation)、PIM1シグナル経路(Hammermanら,Pim and Akt oncogenes are independent regulators of hematopoietic cell growth and survival.Blood.2005 105,4477,2005)及びインテグリン結合キナーゼ(ILK)シグナル経路(Persad & Dedhar.The role of integrin−linked kinase(ILK)in cancer progression.Cancer Met.Rev.22,375,2003)が含まれる。抗アポトーシスキナーゼ、例えば、AKT/PBK、PDK1、IκBキナーゼ(IKK)、PIM1、又はILKの抑制により、腫瘍細胞が、治療薬の作用に、又は腫瘍環境内で好ましくない生存条件に敏感になる。上記抗アポトーシスのキナーゼの抑制の後、腫瘍細胞が、オーロラ抑制により生じた有糸分裂の妨害により敏感に反応し、そして多数の細胞死を受ける。
【0112】
<F.移動性キナーゼ>
侵襲的な、組織侵入腫瘍の成長及び転移に関する前提条件は、上記腫瘍細胞が、移動により組織構造を離れることができることである。種々の細胞の機構は、調節する細胞移動:焦点接着キナーゼ(FAK)の活性を経由した細胞外マトリックス調節のたんぱく質へのインテグリン−媒介化接着;RhoA/Rhoキナーゼ(ROCK)シグナル経路を経由した収縮性のアクチンフィラメントの集合の制御(M.C.Frame,Newest findings on the oldest oncogene;how activated src does it.J.Cell Sci.117,989,2004に概観が要約されている)に含まれる。
【0113】
本発明に従う化合物は、例えば、下記に有効である;
ガン、例えば、固形腫瘍、腫瘍成長又は転移成長、特に;
毛細血管拡張性運動失調症、基礎的な細胞ガン、膀胱ガン、脳腫瘍、乳ガン、頚部ガン、中枢神経系の腫瘍、結腸直腸ガン、子宮内膜ガン、胃ガン、胃腸ガン、頭及び首の腫瘍、急性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性顆粒球性白血病、ヘアリー・セル白血病、肝臓ガン、肺腫瘍、非小細胞肺ガン、小細胞肺ガン、B−細胞リンパ腫、ホジキンのリンパ腫、非ホジキンのリンパ腫、T−細胞リンパ腫、メラノーマ、中皮腫、骨髄腫、筋腫、食道の腫瘍、口の腫瘍、卵巣ガン、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、腎臓部ガン、肉腫、カポージ肉腫、平滑筋肉腫、皮膚ガン、扁平上皮癌、睾丸ガン、甲状腺ガン、胃腸組織の結合組織腫瘍、皮膚の結合組織肉腫、過好酸球増加シンドローム、肥満細胞ガン;
心臓血管疾患、例えば、ステノーズ(stenose)、動脈硬化症、ステント−誘発再狭窄:
血管線維腫、クローン病、子宮内膜症、血管腫。
【0114】
医薬生成物を与えるための本発明に従う化合物の剤型は、医療技術において慣用の賦形剤を用いて、一又は複数の有効成分を所望の投与形態に転化させることにより、それ自体公知の様式において行われる。
【0115】
これに関して用いることができる賦形剤は、例えば、担体物質、充填剤、崩壊剤、バインダー、湿潤剤、潤滑剤、吸収剤及び吸着剤、希釈剤、溶媒、共溶媒、乳化剤、可溶化剤、マスキングフレーバー、着色料、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、浸透圧を変えるための塩又はバッファーである。
【0116】
これに関して、参照が、Remington’s Pharmaceutical Science,15th ed.Mack Publishing Company,East Pennsylvania(1980)になされるべきである。
【0117】
医薬剤型は、下記;
「固形」形態、例えば、錠剤、コーティングされた錠剤、ピル、坐薬、カプセル剤、経皮システム;又は
「半固形」形態、例えば、軟膏、クリーム、ゲル、坐薬、乳剤;又は
「液状」形態、例えば、液剤、チンキ剤、懸濁剤又は乳剤:
であることができる。
【0118】
本発明の文脈における賦形剤は、例えば、塩、糖(単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖及び/又は多糖類)、たんぱく質、アミノ酸、ペプチド、脂肪、ワックス、オイル、炭化水素及びそれらの誘導体であることができ、上記賦形剤は、天然起源であることができ、又は合成若しくは一部合成により得ることができる。
【0119】
経口投与のために好適なのは、特に、錠剤、コーティングされた錠剤、カプセル剤、ピル、粉末薬、顆粒、香錠、懸濁剤、乳剤又は液剤である。非経口投与のために好適なのは、特に、懸濁剤、乳剤、そして特に、液剤である。
【実施例】
【0120】
<本発明に従う化合物の調製>
<工程別形1>
【0121】
【化20】

【0122】
置換基Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、一般式(I)に示される意味を有する。式(IV)の2−クロロピリミジンを、式(III)の求核試薬と反応させて、式(II)の化合物を得ることができる。次いで、得られた式(II)のチオエーテルを、式(I)の生成物に、イミネーションにより転化させることができる(イミネーション方法に関して、例えば、下記を参照せよ:a)Johnsonら,J.Org.Chem.1979,44,2065;b)Oaeら,Org.Chem.Sulfur 1977,383;c)Kucsmanら,Phosphorous Sulfur 1977,3,9;d)Sharplessら,J.Org.Chem.2001,66,594;e)Katsukiら,Tetrahedron Lett.2001,42,7071;f)Bolmら,Org.Lett.2004,6,1305;g)Carreiraら,Helv.Chim.Acta 2002,85,3773;h)Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349;i)Bolmら,Org.Lett.2005,7,4983;j)Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349)。
【0123】
<式(IV)の中間体の調製>
【0124】
【化21】

【0125】
置換基R1、R2及びXは、一般式(I)に示される意味を有する。
式(VI)の2,4−ジクロロピリミジンを、式(V)の求核試薬と反応させ、式(IV)の化合物を得ることができる(例えば、下記を参照せよ:a)U.Lueckingらの国際公開第2005037800号パンフレット;b)J.Bryantらの国際公開第2004048343号パンフレット;c)U.Lueckingらの国際公開第2003076437号パンフレット;d)T.Brumbyらの国際公開第2002096888号パンフレット)。
【0126】
<工程別形2>
【0127】
【化22】

【0128】
置換基Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、一般式(I)に示される意味を有する。
式(IV)の2−クロロピリミジンを、式(VII)の求核試薬と反応させ、式(I)の生成物を得ることができる。溶媒として、例えば、イソプロパノール、アセトニトリル又は1−ブタノールを用いることが、そして所望により、酸、例えば、塩酸を添加することが好適である。
【0129】
<式(VII)の中間体の調製>
【0130】
【化23】

【0131】
置換基Q、R3、R4、R5及びmは、一般式(I)に示される意味を有する。
式(IX)のチオエーテルを、式(VIII)のスルフイミドに転化させることができる(イミネーション方法に関して、例えば、下記を参照せよ:a)Johnsonら,J.Org:Chem.1979,44,2065;b)Oaeら,Org.Chem.Sulfur 1977,383;c)Kucsmanら,Phosphorous Sulfur 1977,3,9;d)Sharplessら,J.Org.Chem.2001,66,594;e)Katsukiら,Tetrahedron Lett.2001,42,7071;f)Bolmら,Org.Lett.2004,6,1305;g)Carreiraら,Helv.Chim.Acta2002,85,3773;h)Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349;i)Bolmら,Org.Lett.2005,7,4983;Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349)。次のニトロ基の還元に関して、複数の方法を用いることができる(例えば、下記を参照せよ:R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH,New York,1989,411−415)。例えば、記載される、ラネーニッケルを用いた水素化、又はTHF中の塩化チタン(III)の使用が好適である。
【0132】
あるいは、式(VII)の中間体をまた、次の方法により調製することができる(スキーム5)。
【0133】
【化24】

【0134】
置換基Q、R3、R4、R5及びmは、一般式(I)に示される意味を有する。
【0135】
式(X)のチオエーテルを、式(XI)のスルフイミドに転化させることができる(イミネーション方法に関して、例えば、下記を参照せよ:a)Johnsonら,J.Org:Chem.1979,44,2065;b)Oaeら,Org.Chem.Sulfur 1977,383;c)Kucsmanら,Phosphorous Sulfur 1977,3,9;d)Sharplessら,J.Org.Chem.2001,66,594;e)Katsukiら,Tetrahedron Lett.2001,42,7071;f)Bolmら,Org.Lett.2004,6,1305;g)Carreiraら,Helv.Chim.Acta 2002,85,3773;h)Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349;i)Bolmら,Org.Lett.2005,7,4983;Bolmら,Org.Lett.2006,8,2349)。これに、保護基の脱離が続き、式(VII)の中間体を形成する。記載されるように、例えば、メタノール中に、炭酸カリウムを用いることが特に好適である。
【0136】
<工程別形1(例1〜例22)>
<例1>
<(RS)−S−(4−{[5−ブロモ−4−(イソプロピルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0137】
【化25】

【0138】
<1a)中間体の調製>
<化合物1.1>
<(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)イソプロピルアミン>
【0139】
【化26】

【0140】
3.3mL(23.8ミリモル)のトリエチルアミン及び2.0mL(23.3ミリモル)の2−アミノプロパンを、0℃において、23mLのアセトニトリル内の4.87g(21.4ミリモル)の5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンの溶液に添加した。当該反応混合物を、室温で一晩中攪拌し、次いで、溶媒を揮散させた。得られた残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。4.09g(16.4ミリモル;収率:76%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.21(s,1H),7.30(d,1H),4.25(m,1H),1.15(d,6H)。
【0141】
<化合物1.2>
<5−ブロモ−N4−イソプロピル−N2−(4−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン>
【0142】
【化27】

【0143】
10mLのアセトニトリル中の2mL(16.3ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンの溶液を、室温で、20mLのアセトニトリル中の4.08g(16.3ミリモル)の(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)イソプロピルアミンの溶液に添加した。ジオキサン中の塩酸の4モル溶液4.1mL及び水4.1mLを、当該混合物に添加し、次いで、16時間の間、還流させながら攪拌した。冷却後、精製した沈殿物を、吸引しながらろ過し、水で洗浄し、そして乾燥させた。塩酸塩の状態の4.94g(12.7ミリモル;収率:78%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):10.39(s,1H),8.18(s,1H),7.88(br,1H),7.49(m,2H),7.29(m,2H),4.30(m,1H),2.5(s,3H),1.21(d,6H).
MS:353(ES).
【0144】
<1b)最終生成物の調製>
1.36g(4.8ミリモル)のクロラミン−T三水和物(Aldrich)を、室温において、20mLのアセトニトリル中の1.56g(4.0ミリモル)の5−ブロモ−N4−イソプロピル−N2−(4−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの塩酸塩に添加した。当該混合物を、室温で16時間攪拌し、次いで、エチルアセテートで希釈した。上記混合物を、吸引しながらろ過し、そしてろ過ケーキを、エチルアセテートで洗浄した。混合された有機相を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、そして濃縮した。得られた残差を、HPLCにより精製した。
【0145】
カラム :Purospher Star C18 5μ
長さ×ID:125×25mm
溶離剤 :A:H2O+0.2%NH3、B:MeCN
流速 :25mL/分
勾配 :50%A+50%B(1’)_50⇒64%B(10’)⇒95%B(0.5’)
検出器 :UV254nm
温度 :室温
RT(分):7.8〜8
289mg(0.55ミリモル;収率:14%)の生成物を得た。
【0146】
1H−NMR(DMSO):9.64(s,1H),8.08(s,1H),7.88(m,2H),7.59(m,2H),7.51(m,2H),7.19(m,2H),6.58(d,1H),4.30(m,1H),2.87(s,3H),2.28(s,3H),1.22(d,6H).
13C−NMR(DMSO):158.4(s),157.8(s),156.3(d),145.2(s),142.3(s),141.5(s),129.6(d),127.8(d),126.4(s),126.2(d),119.0(d),94.4(s),43.0(d),37.6(q),22.4(q),21.3(q).
MS:522(ES+).
【0147】
<例2>
<(RS)−S−(3−{[5−ブロモ−4−(イソプロピルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0148】
【化28】

【0149】
<2a)中間体の調製>
<化合物2.1)>
<5−ブロモ−N4−イソプロピル−N2−(3−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン>
【0150】
【化29】

【0151】
ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.14mL及び水0.17mLを、2mLのアセトニトリル中の0.152g(0.61ミリモル)の(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)−イソプロピルアミン及び0.077g(0.55ミリモル)の3−メチルスルファニルフェニルアミンの溶液に添加し、次いで当該混合物を、50℃で24時間攪拌した。冷却後、上記混合物を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液に添加した。それを、エチルアセテートを用いて抽出した。混合された有機相を、塩化ナトリウムの飽和溶液を用いて洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の除去及び残差のエチルアセテート/ヘキサン9/1からの再結晶化により、0.17gの生成物(理論の79%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.20(s,1H),7.99(s,1H),7.77(s,1H),7.37(d,1H),7.14(t,1H),6.75(d,1H),6.47(d,1H),4.34−4.27(m,1H),2.40(s,3H),1.21(d,6H).
【0152】
<2b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.15g(0.42ミリモル)の5−ブロモ−N4−イソプロピル−N2−(3−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンを、3.0mLのアセトニトリル内で、0.132g(0.47ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜10%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.14gの生成物(理論の63%)を得た。
【0153】
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.57(s,1H),8.31(s,1H),8.02(s,1H),7.68(d,1H),7.51(d,2H),7.38(t,1H),7.24(d,1H),7.15(d,2H),6.53(d,1H),4.40−4.33(m,1H),2.87(s,3H),2.24(s,3H),1.22−1.18(m,6H).
【0154】
<例3>
<(RS)−S−(4−{[5−ブロモ−4−(シクロプロピルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0155】
【化30】

【0156】
<3a)中間体の調製>
<化合物3.1>
<(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)シクロプロピルアミン>
【0157】
【化31】

【0158】
化合物1.1と同様に、15mLのアセトニトリル中の1.0g(4.39ミリモル)の5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンの溶液を、0.74mL(5.3ミリモル)のトリエチルアミンの存在下で、0.27g(4.74ミリモル)のシクロプロピルアミンと反応させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン)による精製により、0.76gの生成物(理論の70%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):8.21(s,1H),7.70(br,1H),2.81−2.74(m,1H),0.74−0.59(m,4H).
【0159】
<化合物3.2>
<5−ブロモ−N4−シクロプロピル−N2−(4−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン>
【0160】
【化32】

【0161】
化合物2.1と同様に、0.2g(0.8ミリモル)の(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)−シクロプロピルアミンを、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.18mL、及び水0.23mLの存在下で、3mLのアセトニトリル中の0.102g(0.73ミリモル)の4−メチルスルファニル−フェニルアミンと反応させた。0.25gの生成物(理論の88%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.28(s,1H),7.97(s,1H),7.80(d,2H),7.16(d,2H),7.01(br,1H),2.78−2.75(m,1H),2.38(s,3H),0.78−0.76(m,2H),0.62−0.59(m,2H).
【0162】
<3b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.21g(0.6ミリモル)の5−ブロモ−N4−シクロプロピル−N2−(4−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンを、5.0mLのアセトニトリル中の0.185g(0.66ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。混合物を、エチルアセテートで希釈した。生じた沈殿物を、吸引しながらろ過し、そしてエチルアセテートで洗浄した。ろ過物を濃縮し、そして残差をクロマトグラフにかけた(メタノール0〜15%を有するジクロロメタン/メタノール)。0.23g(74%)の生成物を得た。
【0163】
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.75(s,1H),8.04(s,1H),8.01(d,2H),7.59(d,2H),7.52(d,2H),7.20−7.18(m,3H),2.87(s,3H),2.79−2.74(m,1H),2.27(s,3H),0.80−0.75(m,2H),0.66−0.62(m,2H).
【0164】
<例4>
<(RS)−S−(3−{[5−ブロモ−4−(シクロプロピルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0165】
【化33】

【0166】
<4a)中間体の調製>
<化合物4.1>
<5−ブロモ−N4−シクロプロピル−N2−(3−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン>
【0167】
【化34】

【0168】
化合物2.1と同様に、0.58g(2.33ミリモル)の(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)−シクロプロピルアミンを、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.53モル、及び水0.67mLの存在下で、7.0mLのアセトニトリル中の0.296g(2.12ミリモル)の3−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。0.6gの生成物(理論の73%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.28(s,1H),7.99(s,1H),7.94(s,1H),7.51(dd,1H),7.15(t,1H),7.05(d,1H),6.75(d,1H),2.79−2.75(m,1H),2.39(s,3H),0.83−0.79(m,2H),0.64−0.60(m,2H).
【0169】
<4b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.19g(0.54ミリモル)の5−ブロモ−N4−シクロプロピル−N2−(3−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンを、5.0mLのアセトニトリル中の0.168g(0.59ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜10%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.13gの生成物(理論の47%)を得た。
【0170】
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.65(s,1H),8.48(s,1H),8.03(s,1H),7.78(d,1H),7.50(d,2H),7.40(t,1H),7.25(d,1H),7.16(d,2H),7.12(d,1H),2.94−2.92(m,1H),2.86(s,3H),2.25(s,3H),0.82−0.79(m,2H),0.67−0.55(m,2H).
【0171】
<例5>
<(RS)−S−(4−{[4−(イソプロピルアミノ)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0172】
【化35】

【0173】
<5a)中間体の調製>
<化合物5.1>
<(2−クロロピリミジン−4−イル)イソプロピルアミン>
【0174】
【化36】

【0175】
化合物1.1と同様に、15mLのアセトニトリル中の0.347g(2.33ミリモル)の2,4−ジクロロピリミジンの溶液を、0.39mL(2.83ミリモル)のトリエチルアミンの存在下で、0.22mL(2.52ミリモル)のイソプロピルアミンと反応させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン)による精製により、0.26gの生成物(理論の65%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):7.81(br,2H),6.35(br,1H),4.00(br,1H),1.09(d,6H).
【0176】
<化合物5.2>
<N4−イソプロピル−N2−(4−メチルスルファニルフェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン>
【0177】
【化37】

【0178】
化合物2.1と同様に、0.26g(1.51ミリモル)の(2−クロロピリミジン−4−イル)イソプロピル−アミンを、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.34mL、及び水0.43mLの存在下で、5mLのアセトニトリル中の0.192g(1.38ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。0.31gの生成物(理論の75%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):8.89(s,1H),7.72−7.70(m,3H),7.13(d,2H),6.98(br,1H),5.85(d,1H),4.07(br,1H),2.38(s,3H),1.13(d,6H).
【0179】
<5b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.28g(1.02ミリモル)のN4−イソプロピル−N2−(4−メチルスルファニル−フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンを、9.0mLのアセトニトリル中の0.316g(1.12ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜10%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.26gの生成物(理論の58%)を得た。
【0180】
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.39(s,1H),7.93(d,2H),7.78(d,1H),7.57−7.50(m,4H),7.21−7.10(m,3H),5.94(d,1H),4.25−3.95(br,1H),2.86(s,3H),2.27(s,3H),1.16−1.14(m,6H).
【0181】
<例6>
<(RS)−S−{4−[(4−アニリノ−5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0182】
【化38】

【0183】
<6a)中間体の調製>
<化合物6.1>
<(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)フェニルアミン>
【0184】
【化39】

【0185】
化合物1.1と同様に、5mLのアセトニトリル中の0.3g(1.32ミリモル)の5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンの溶液を、0.22mL(1.6ミリモル)のトリエチルアミンの存在下で、0.13mL(1.42ミリモル)のアニリンと反応させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン)による精製により、0.289gの生成物(理論の77%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.26(s,1H),8.42(s,1H),7.50(d,2H),7.36(t,2H),7.16(t,1H).
【0186】
<化合物6.2>
【0187】
【化40】

【0188】
化合物2.1と同様に、0.286g(1.0ミリモル)の(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)−フェニルアミンを、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.23mL、及び水0.29mLの存在下で、3.0mLのアセトニトリル中の0.127g(0.91ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。エチルアセテートからの再結晶化により、0.248gの生成物(理論の64%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.33(s,1H),8.59(s,1H),8.18(s,1H),7.59−7.51(m,4H),7.34(t,2H),7.14(t,1H),7.05(d,2H),2.37(s,3H).
【0189】
<b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.232g(0.6ミリモル)の5−ブロモ−N2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−N4−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンを、5.0mLのアセトニトリル中の0.186g(0.66ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜10%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.179gの生成物(理論の54%)を得た。
【0190】
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.76(s,1H),8.76(s,1H),8.22(s,1H),7.71(d,2H),7.54(d,2H),7.50(d,2H),7.45(d,2H),7.37(t,2H),7.20−7.17(m,3H),2.86(s,3H),2.26(s,3H).
【0191】
<例7>
<(RS)−S−[4−({5−ブロモ−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ピリミジン−2−イル}アミノ)フェニル]−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0192】
【化41】

【0193】
<7a)中間体の調製>
<化合物7.1>
<2−(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)エタノール>
【0194】
【化42】

【0195】
化合物1.1と同様に、5mLのアセトニトリル中の0.34g(1.49ミリモル)の5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンの溶液を、0.25mL(1.81ミリモル)のトリエチルアミンの存在下で、0.1mL(1.61ミリモル)のエタノールアミンと反応させた。ヘキサン/エチルアセテート7/3からの再結晶化により、0.28gの生成物(理論の74%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):8.20(s,1H),7.52(t,1H),4.77(t,1H),3.52−3.33(m,4H).
【0196】
<化合物7.2>
<2−[5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]エタノール>
【0197】
【化43】

【0198】
化合物2.1と同様に、0.28g(1.11ミリモル)の2−(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)エタノールを、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.25mL、及び水0.32mLの存在下で、4mLのアセトニトリル中の0.14g(1.01ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。0.31gの生成物(理論の79%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.21(s,1H),7.97(s,1H),7.65(d,2H),7.15(d,2H),6.74(t,1H),4.75(t,1H),3.57−3.53(m,2H),3.47−3.42(m,2H),2.38(s,3H).
【0199】
<7b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.28g(0.79ミリモル)の2−[5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]エタノールを、7.0mLのアセトニトリル中で、0.244g(0.87ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜20%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.25gの生成物(理論の61%)を得た。
【0200】
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.67(s,1H),8.05(s,1H),7.87(d,2H),7.59(d,2H),7.52(d,2H),7.20(d,2H),6.90(t,1H),4.79(t,1H),3.59−3.55(m,2H),3.48−3.45(m,2H),2.87(s,3H),2.27(s,3H).
【0201】
<例8>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}ピリミジン−2−イル)−アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0202】
【化44】

【0203】
<8a)中間体の調製>
<化合物8.1>
<(R)−2−[5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]プロパン−1−オール>
【0204】
【化45】

【0205】
化合物2.1と同様に、0.27g(1.01ミリモル)の(R)−2−[(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]プロパン−1−オール(国際公開第2005037800号パンフレットを参照)を、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.23mL、及び水0.29mLの存在下で、4mLのアセトニトリル中の0.128g(0.92ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。0.25gの生成物(理論の67%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.21(s,1H),7.98(s,1H),7.65(d,2H),7.15(d,2H),6.23(d,1H),4.84(t,1H),4.22−4.15(m,1H),3.52−3.44(m,2H),2.38(s,3H),1.15(d,3H).
【0206】
<8b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.24g(0.65ミリモル)の(R)−2−[5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]プロパン−1−オールを、6.0mLのアセトニトリル中の0.202g(0.71ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(メタノール10〜25%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.247gの生成物(理論の71%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.67(s,1H),8.06(s,1H),7.86(d,2H),7.59(d,2H),7.52(d,2H),7.20(d,2H),6.39(d,1H),4.87(t,1H),4.23−4.17(m,1H),3.52−3.43(m,2H),2.87(s,3H),2.27(s,3H),1.17(d,3H).
【0207】
<例9>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0208】
【化46】

【0209】
<9a)中間体の調製>
<化合物9.1>
<(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール>
【0210】
【化47】

【0211】
化合物2.1と同様に、0.3g(1.02ミリモル)の(R)−3−[(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(国際公開第2005037800号パンフレットを参照)を、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.23mL、及び水0.29mLの存在下で、3mLのアセトニトリル中の0.129g(0.93ミリモル)の4−メチルスルファニルフェニルアミンと反応させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン)による精製により、0.29gの生成物(理論の72%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO):9.22(s,1H),8.00(s,1H),7.64(d,2H),7.15(d,2H),5.95(d,1H),4.78(s,1H),4.07−3.98(m,1H),2.39(s,3H),1.16−1.08(m,9H).
【0212】
<9b)最終生成物の調製>
例1と同様に、0.28g(0.7ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニル−フェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オールを、6.0mLのアセトニトリル中の0.218g(0.78ミリモル)のクロラミン−T三水和物と反応させた(24時間)。クロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート0〜100%を有するエチルアセテート/ヘキサン、次いで、メタノール5〜10%を有するエチルアセテート/メタノール)による精製により、0.21gの生成物(理論の53%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.68(s,1H),8.08(s,1H),7.86(d,2H),7.60(d,2H),7.52(d,2H),7.19(d,2H),6.07(d,1H),4.83(s,1H),4.07−4.01(m,1H),2.87(s,3H),2.27(s,3H),1.16−1.14(m,6H),1.10(s,3H).
【0213】
<例10>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−[(5−メチル−2−ピリジル)スルホニル]スルフイミド>
【0214】
【化48】

【0215】
<10a)中間体の調製>
中間体は、化合物9.1である。
【0216】
<10b)最終生成物の調製>
300mg(0.76ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、192mg(1.12ミリモル)の5−メチルピリジン−2−スルホンアミド、265mg(1.21ミリモル)のヨードソベンゼン及び266mg(0.76ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートを、フラスコ内に計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で62時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。100mg(0.18ミリモル;収率:23%)の生成物を得た。
【0217】
あるいは、最終生成物を、次の方法において調製することができる:
300mg(0.76ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、260mg(1.51ミリモル)の5−メチルピリジン−2−スルホンアミド、121mg(3.00ミリモル)の酸化マグネシウム、374mg(1.16ミリモル)のヨードベンゼンジアセテート及び33mg(0.08ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーをフラスコに計量し、そして10mLのジクロロメタンを添加した。当該混合物を室温で19時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール9:1)により精製した。42mg(0.08ミリモル;収率:10%)の生成物を得た。
【0218】
1H−NMR(400MHz,DMSO):9.70(s,1H),8.37(br,1H),8.09(s,1H),7.91(m,2H),7.69(m,4H),6.06(d,1H),4.83(s,1H),4.04(m,1H),2.98(s,3H),2.29(s,3H),1.12(m,9H).
MS:567(ES+)
【0219】
<例11>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−[(4−クロロ−3−ピリジル)スルホニル]−S−メチルスルフイミド>
【0220】
【化49】

【0221】
<最終生成物の調製>
285mg(0.76ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、207mg(1.08ミリモル)の4−クロロピリジン−3−スルホンアミド、252mg(1.15ミリモル)のヨードソベンゼン及び253mg(0.76ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を室温で144時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。38mg(0.07ミリモル;収率9%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.70(s,1H),8.86(m,1H),8.53(m,1H),8.09(s,1H),7.84(m,2H),7.63(m,2H),7.54(m,1H),6.07(d,1H),4.83(s,1H),4.04(m,1H),3.00(s,3H),1.12(m,9H).
MS:587(ES+).
【0222】
<例12>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]−S−メチルスルフイミド>
【0223】
【化50】

【0224】
<最終生成物の調製>
287mg(0.76ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、202mg(1.08ミリモル)の4−メトキシベンゼンスルホンアミド、254mg(1.16ミリモル)のヨードソベンゼン及び255mg(0.72ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で90時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。23mg(0.04ミリモル;収率:6%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.69(s,1H),8.08(s,1H),7.87(m,2H),7.59(m,4H),6.92(m,2H),6.07(d,1H),4.84(s,1H),4.03(m,1H),3.72(s,3H),2.87(s,3H),1.12(m,9H).
MS:582(ES+).
【0225】
<例13>
<(RS)−N−(ベンジルスルホニル)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチルスルフイミド>
【0226】
【化51】

【0227】
<最終生成物の調製>
287mg(0.72ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、185mg(1.08ミリモル)のフェニルメタンスルホンアミド、254mg(1.16ミリモル)のヨードソベンゼン及び255mg(0.72ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で142時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。54mg(0.10ミリモル;収率:13%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.69(s,1H),8.08(s,1H),7.90(m,2H),7.62(m,2H),7.26(m,5H),6.07(d,1H),4.82(s,1H),4.13(s,2H),4.03(m,1H),2.77(s,3H),1.12(m,9H).
MS:566(ES+).
【0228】
<例14>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド>
【0229】
【化52】

【0230】
<最終生成物の調製>
294mg(0.74ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、165mg(1.11ミリモル)のトリフルオロメチルスルホンアミド、260mg(1.18ミリモル)のヨードソベンゼン及び261mg(0.74ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で142時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。12mg(0.02ミリモル;収率:3%)の生成物を得た。
【0231】
あるいは、最終生成物を、次の方法により調製することができる:
200mg(0.50ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)及び150mg(1.01ミリモル)のトリフルオロメチルスルホンアミドを、7.2mLのジクロロメタンと混合した。101mg(2.52ミリモル)の酸化マグネシウム、22mg(0.05ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマー及び324mg(1.01ミリモル)のヨードベンゼンジアセテートを、混合物に添加した。当該混合物を、室温で2時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、初めに、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール9:1)により精製した。28mg(0.05ミリモル;収率:10%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.81(s,1H),8.11(s,1H),7.97(m,2H),7.82(m,2H),6.09(d,1H),4.62(br,1H),4.05(m,1H),3.17(s,3H),1.12(m,9H).
MS:544(ES+).
【0232】
<例15>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(フェニルスルホニル)スルフイミド>
【0233】
【化53】

【0234】
<最終生成物の調製>
294mg(0.74ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、174mg(1.08ミリモル)のフェニルスルホンアミド、260mg(1.18ミリモル)のヨードソベンゼン及び261mg(0.74ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で91時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。64mg(0.12ミリモル;収率:16%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.68(s,1H),8.08(s,1H),7.88(m,2H),7.61(m,4H),7.41(m,3H),6.06(d,1H),4.82(s,1H),4.03(m,1H),2.89(s,3H),1.11(m,9H).
MS:552(ES+).
【0235】
<例16>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]スルホニル}スルフイミド>
【0236】
【化54】

【0237】
<最終生成物の調製>
246mg(0.62ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、224mg(0.93ミリモル)の4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド、217mg(1.00ミリモル)のヨードソベンゼン及び218mg(0.62ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして7mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で91時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。27mg(0.12ミリモル;収率:7%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.73(s,1H),8.13(s,1H),7.89(m,2H),7.78(m,2H),7.63(m,2H),7.39(m,2H),6.11(d,1H),4.87(s,1H),4.07(m,1H),2.99(s,3H),1.11(m,9H).
MS:636(ES+).
【0238】
<例17>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−[(5−クロロ−2−チエニル)スルホニル]−S−メチルスルフイミド>
【0239】
【化55】

【0240】
<最終生成物の調製>
246mg(0.62ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、184mg(0.93ミリモル)の5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド、218mg(1.00ミリモル)のヨードソベンゼン及び218mg(0.62ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして7mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で91時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。1mg(0.02ミリモル;収率:3%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.73(s,1H),8.09(s,1H),7.91(m,2H),7.67(m,2H),7.18(m,1H),7.01(m,1H),6.07(d,1H),4.83(s,1H),4.04(m,1H),2.99(s,3H),1.11(m,9H).
MS:592(ES+).
【0241】
<例18>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−メシル−S−メチルスルフイミド>
【0242】
【化56】

【0243】
<最終生成物の調製>
287mg(0.72ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、103mg(1.08ミリモル)のメチルスルホンアミド、254mg(1.16ミリモル)のヨードソベンゼン及び255mg(0.72ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして8mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で88時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。12mg(0.03ミリモル;収率:3%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.70(s,1H),8.08(s,1H),7.94(m,2H),7.73(m,2H),6.07(d,1H),4.82(s,1H),4.05(m,1H),2.95(s,3H),2.71(s,3H),1.11(m,9H).
MS:490(ES+).
【0244】
<例19>
<(RS)−N−{[5−(アセチルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]スルホニル}−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチルスルフイミド>
【0245】
【化57】

【0246】
<最終生成物の調製>
250mg(0.63ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、210mg(0.94ミリモル)のN−(5−スルファモイル[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)アセトアミド、221mg(1.01ミリモル)のヨードソベンゼン及び222mg(0.63ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして6mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で96時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。9mg(0.02ミリモル;収率:2%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):12.84(s,1H),9.81(s,1H),8.15(s,1H),7.97(m,2H),7.77(m,2H),6.17(d,1H),4.05(m,1H),3.12(s,3H),2.20(s,3H),1.11(m,9H).
【0247】
<例20>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−(エチルスルホニル)−S−メチルスルフイミド>
【0248】
【化58】

【0249】
<最終生成物の調製>
250mg(0.63ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、103mg(0.94ミリモル)のエチルスルホンアミド、221mg(1.01ミリモル)のヨードソベンゼン及び222mg(0.63ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして6mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で130時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。24mg(0.05ミリモル;収率:8%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.74(s,1H),8.13(s,1H),7.97(m,2H),7.77(m,2H),6.13(d,1H),4.85(br,1H),4.09(m,1H),3.00(s,3H),2.82(q,2H),1.11(m,12H).
【0250】
<例21>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(プロピルスルホニル)スルフイミド>
【0251】
【化59】

【0252】
<最終生成物の調製>
250mg(0.63ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、116mg(0.94ミリモル)の1−プロピルスルホンアミド、221mg(1.01ミリモル)のヨードソベンゼン及び222mg(0.63ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして6mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で250時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。55mg(0.11ミリモル;収率:17%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.85(s,1H),8.12(s,1H),7.91(m,2H),7.75(m,2H),6.27(d,1H),4.04(m,1H),2.95(s,3H),2.75(m,2H),1.56(m,2H),1.11(m,9H),0.85(tr,3H).
【0253】
<例22>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−N−(tert−ブチルスルホニル)−S−メチルスルフイミド>
【0254】
【化60】

【0255】
<最終生成物の調製>
250mg(0.63ミリモル)の(R)−3−[{5−ブロモ−2−(4−メチルスルファニルフェニルアミノ)ピリミジン−4−イル)}アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(化合物9.1)、129mg(0.94ミリモル)のtert−ブチルスルホンアミド、221mg(1.01ミリモル)のヨードソベンゼン及び222mg(0.63ミリモル)の鉄(III)アセチルアセトネートをフラスコに計量し、そして6mLのアセトニトリルを添加した。当該混合物を、室温で250時間攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。15mg(0.03ミリモル;収率:4%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.74(s,1H),8.09(s,1H),7.92(m,2H),7.74(m,2H),6.11(d,1H),4.04(m,1H),2.94(s,3H),1.11(m,18H).
【0256】
<工程別形2(例23〜例34)>
<例23>
<(RS)−S−{4−[(4−{[2−(アセチルアミノ)エチル]アミノ}−5−ブロモピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−(トリルスルホニル)スルフイミド>
【0257】
【化61】

【0258】
<23a)中間体の調製>
<化合物23.1>
<N−[2−(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)エチル]アセトアミド>
【0259】
【化62】

【0260】
0.14mL(1.42ミリモル)のN−(2−アミノエチル)アセトアミド及び0.22mL(1.60ミリモル)のトリエチルアミンを、室温において、4.2mLのアセトニトリル中の300mg(1.32ミリモル)の5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンの溶液に添加した。当該混合物を、室温で24時間攪拌し、次いで、エチルアセテートで希釈した。それを、NaClの飽和溶液、10%濃度のクエン酸溶液及びNaHCO3の飽和溶液で洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、そして濃縮した。得られた残差をエチルアセテートで再結晶化させた。294mg(1.00ミリモル;収率:75%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.21(s,1H),7.98(tr,1H),7.74(tr,1H),3.37(m,2H),3.20(m,2H),1.76(s,3H).
【0261】
<化合物23.2>
<(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−トシルスルフイミド>
【0262】
【化63】

【0263】
10.0g(35.3ミリモル)のクロラミン−T三水和物(Aldrich)を、室温において、120mLのアセトニトリル中の5.0g(29.6ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼンに添加した。当該混合物を、室温で4時間攪拌し、次いで、エチルアセテートで希釈した。当該混合物を吸引しながらろ過し、そしてろ過ケーキを、エチルアセテートで洗浄した。混合された有機相を乾燥(Na2SO4)させ、ろ過し、そして濃縮した。得られた残差を、メタノールから再結晶化させた。2.2g(6.5ミリモル;収率:22%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):.8.39(m,2H),8.03(m,2H),7.57(m,2H),7.21(m,2H),3.01(s,3H),2.27(s,3H).
MS:338(EI).
【0264】
<化合物23.3>
<(RS)−S−(4−アミノフェニル)−S−メチル−N−トシルスルフイミド>
【0265】
【化64】

【0266】
60mLのエタノール中の500mg(1.48ミリモル)の(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−トシルスルフイミドの溶液を、500mgのラネーニッケル(50%、水−湿潤)と混合し、そして大気圧及び室温において、2時間、水素雰囲気の下で水素化した。水素取込みは、110mLに達した。混合物をろ過し、そして濃縮した。残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール9:1)により精製した。124mg(0.40ミリモル;収率:27%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):7.49(m,2H),7.33(m,2H),7.19(m,2H),6.57(m,2H),5.94(s,2H),2.78(s,3H),2.29(s,3H).
MS:309(ES).
【0267】
<23b)最終生成物の調製>
3mLのイソプロパノール中の65mg(0.22ミリモル)のN−[2−(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]アセトアミド及び62mg(0.20ミリモル)の(RS)−S−(4−アミノフェニル)−S−メチル−N−トシルスルフイミドの混合物を、ジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.005mLと混合し、そして70℃で18時間攪拌した。上記混合物を、さらにジオキサン中の塩酸の4モル溶液0.005mLと混合し、そして70℃でさらに72時間攪拌した。上記混合物を、ロータリーエバポレータ内で濃縮し、そして得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。28mg(0.05ミリモル;収率:25%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):9.64(s,1H),8.08(s,1H),7.88(m,2H),7.59(m,2H),7.51(m,2H),7.19(m,2H),6.58(d,1H),4.30(m,1H),2.87(s,3H),2.28(s,3H),1.22(d,6H).
MS:522(ES+).
【0268】
<例24〜例32>
<a)中間体の調製>
<化合物24.1>
<(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−[(5−メチル−2−ピリジル)スルホニル]スルフイミド>
【0269】
【化65】

【0270】
879mg(2.73ミリモル)のヨードソベンゼンジアセテートを、室温において、12mLのジクロロメタン中の300mg(1.77ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼン、610mg(3.55ミリモル)の5−メチル−2−ピリジンスルホンアミド、285mg(7.10ミリモル)の酸化マグネシウム及び78mg(0.18ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーの懸濁液に添加した。当該混合物を、24h攪拌し、次いで、濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。326mg(0.96ミリモル;収率:54%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.41(m,2H),8.31(m,1H),8.12(m,2H),7.76(m,1H),7.70(m,1H),3.11(s,3H),2.29(s,3H).
MS:340(ES+).
【0271】
<化合物24.2>
<(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−[(4−クロロ−3−ピリジル)スルホニル]スルフイミド>
【0272】
【化66】

【0273】
879mg(2.73ミリモル)のヨードソベンゼンジアセテートを、室温において、12mLのジクロロメタン中の300mg(1.77ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼン、683mg(3.55ミリモル)の5−クロロ−3−ピリジンスルホンアミド、285mg(7.10ミリモル)の酸化マグネシウム及び78mg(0.18ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーの懸濁液に添加した。当該混合物を、24h攪拌し、次いで、濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。294mg(0.82ミリモル;収率:46%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.94(s,1H),8.61(m,1H),8.39(m,2H),8.11(m,2H),7.64(m,1H),3.12(s,3H).
MS:360(ES+).
【0274】
<化合物24.3>
<(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−[(4−ニトロフェニル)スルホニル]スルフイミド>
【0275】
【化67】

【0276】
879mg(2.73ミリモル)のヨードソベンゼンジアセテートを、室温において、2mLのジクロロメタン中の300mg(1.77ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼン、716mg(3.55ミリモル)の4−ニトロベンゼンスルホンアミド、285mg(7.10ミリモル)の酸化マグネシウム及び78mg(0.18ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーの懸濁液に添加した。当該混合物を、24h攪拌し、次いで、濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。484mg(1.31ミリモル;収率:74%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.37(m,2H),8.25(m,2H),8.06(m,2H),7.93(m,2H),3.09(s,3H).
MS: 370(ES+).
【0277】
<化合物24.4>
<(RS)−S−(4−ニトロフェニル)−S−メチル−N−メシルスルフイミド>
【0278】
【化68】

【0279】
879mg(2.73ミリモル)のヨードソベンゼンジアセテートを、室温において、12mLのジクロロメタン中の300mg(1.77ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼン、337mg(3.55ミリモル)のメタンスルホンアミド、285mg(7.10ミリモル)の酸化マグネシウム及び78mg(0.18ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーの懸濁液に添加した。当該混合物を、24h攪拌し、次いで、濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。133mg(0.51ミリモル;収率:29%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.43(m,2H),8.14(m,2H),3.06(s,3H),2.86(s,3H).
MS:263(ES+).
【0280】
<化合物24.5>
<(RS)−S−メチル−S−(4−ニトロフェニル)−N−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]スルフイミド>
【0281】
【化69】

【0282】
879mg(2.73ミリモル)のヨードソベンゼンジアセテートを、室温において、12mLのジクロロメタン中の300mg(1.77ミリモル)の1−メチルスルファニル−4−ニトロベンゼン、663mg(3.55ミリモル)の4−メトキシベンゼンスルホンアミド、285mg(7.10ミリモル)の酸化マグネシウム及び78mg(0.18ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマーの懸濁液に添加した。当該混合物を、24h攪拌し、次いで、濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。119mg(0.34ミリモル;収率:19%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):8.36(m,2H),8.04(m,2H),7.61(m,2H),6.94(m,2H),3.74(s,3H),3.01(s,3H).
MS:355(ES+).
【0283】
<b)最終生成物の調製>
例23と同様に、中間体24.1〜24.5から、例えば、次の最終生成物を調製することができる。
【0284】
【表1】

【0285】
【表2】

【0286】
<例33(例14と同一)>
<(RS)−S−{4−[(5−ブロモ−4−{[(R)−2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン−2−イル)アミノ]フェニル}−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド>
【0287】
【化70】

【0288】
<33a)中間体の調製>
<化合物33.1>
<(RS)−S−メチル−S−{4−[(トリフルオロアセチル)アミノ]フェニル}−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド>
【0289】
【化71】

【0290】
2.44g(10.4ミリモル)の2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メチルスルファニルフェニル)アセトアミド及び2.80g(18.8ミリモル)のトリフルオロメチルスルホンアミドを、145mLのジクロロメタンと混合した。2.09g(51.9ミリモル)の酸化マグネシウム、460mg(1.04ミリモル)のロジウム(II)アセテートダイマー及び6.68g(20.75ミリモル)のヨードベンゼンジアセテートを、当該混合物に添加した。当該混合物を室温で1時間攪拌し、そしてろ過し、そしてろ過ケーキを、ジクロロメタンで洗浄した。ろ過物の濃縮の際、結晶が析出し、そして吸引しながらろ過され、そして少量のジクロロメタンで洗浄された。乾燥により、3.60g(9.42ミリモル;収率:91%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):11.65(br,1H),7.93(m,4H),3.21(s,3H).
【0291】
<化合物33.2>
<(RS)−S−(4−アミノフェニル)−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド>
【0292】
【化72】

【0293】
25mLのメタノール中の1000mg(2.62ミリモル)の(RS)−S−メチル−S−{4−[(トリフルオロアセチル)アミノ]フェニル}−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミドの溶液を、361mg(2.62ミリモル)の炭酸カリウムと混合し、そして室温で23時間攪拌した。さらに360mg(2.62ミリモル)の炭酸カリウムを添加し、そして当該混合物を、室温でさらに22時間攪拌した。当該混合物を水で希釈し、そしてエチルアセテートで抽出した(2回)。混合された有機相を、NaClの飽和溶液で洗浄し、Whatmanによりろ過し、そして濃縮した。得られた残差を、クロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート1:4)により精製した。193mg(0.67ミリモル;収率:26%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):7.52(m,2H),6.66(m,2H),6.18(s,2H),3.08(s,3H)。
【0294】
<33b)最終生成物の調製>
50mg(0.17ミリモル)の(RS)−S−(4−アミノフェニル)−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド及び51mg(0.17ミリモル)の(R)−3−[(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−2−メチルブタン−2−オール(国際公開第2005037800号パンフレットを参照)を、90℃で74時間、2mLの1−ブタノール中で攪拌し、次いで、ロータリーエバポレータ内で濃縮した。残差をクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール8:2)により精製した。6mg(0.01ミリモル;収率:6%)の生成物を得た。
【0295】
<例34>
<(RS)−S−(4−{[4−{[(1R,2R)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]アミノ}−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]アミノ}フェニル)−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミド>
【0296】
【化73】

【0297】
<34a)中間体の調製>
<化合物34.1>
<(2R,3R)−3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン−4−イルアミノ)ブタン−2−オール>
【0298】
【化74】

【0299】
4.8mL(34.8ミリモル)のトリエチルアミンを、0℃において、70mLのアセトニトリル中の3.78g(17.4ミリモル)の2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン及び2.19g(17.4ミリモル)の(2R,3R)−3−アミノブタン−2−オールヒドロクロリドに液滴として添加した。当該混合物を、ゆっくり室温まで温め、次いで、48時間攪拌した。当該混合物を、半分濃縮したNaCl溶液に添加し、そしてエチルアセテートで抽出した。混合された有機相を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、そして濃縮した。得られた残差を、HPLCにより精製した。1.45g(5.4ミリモル;31%収率)の生成物を得た。
【0300】
カラム :XブリッジC18 5μ
長さ×ID :100×30mm
溶離剤 :A:H2O B:アセトニトリル
バッファー :A/0.1%TFA
勾配 :60%A+40%B(2’)_40⇒70%B(10’)⇒99%B(0.5’)
流速 :40.0mL/分
検出 :DAD(210〜500nm)TAC;MS−ESI+(125〜800m/z)TIC
温度 :室温
RT(分) :5.0〜6.0
【0301】
<34b)最終生成物の調製>
50mg(0.19ミリモル)の(2R,3R)−3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン−4−イルアミノ)−ブタン−2−オール及び53mg(0.94ミリモル)の(RS)−S−(4−アミノフェニル)−S−メチル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]スルフイミドを、室温において、4時間、2mLの1−ブタノール内で攪拌した。当該混合物を、ロータリーエバポレータ内で濃縮し、そして残差を、クロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール95:5)により精製した。40mg(0.19ミリモル;収率:42%)の生成物を得た。
1H−NMR(DMSO):10.20(s,1H),8.32(s,1H),8.06(m,2H),7.90(m,2H),6.14(d,1H),5.11(br,1H),4.16(m,1H),3.80(m,1H),3.23(s,3H),1.25(d,3H),1.09(d,3H).
MS:520(ES+).
【0302】
<アッセイ1>
<オーロラ−Cキナーゼアッセイ>
組換型オーロラ−Cたんぱく質を、一過性にトランスフェクトされたHEK293細胞内で発現させ、次いで、精製した。用いられたキナーゼ基質は、ベルリンのJerini AGから購入したアミノ酸配列ビオチン−FMRLRRLSTKYRTを有するビオチン化ペプチドであった。オーロラ−C[試験混合物中の5nM、試験体積5μL]を、22℃で90分間、分析用バッファー[25mM HEPES pH7.4、0.5mM MnCl2、0.1mM Naオルト−バナデート、2.0mM ジチオトレイトール、0.05% ウシ血清アルブミン(BSA)、0.01% Triton X−100、3μM アデノシン三リン酸(ATP)、0.67nCi/μL ガンマ−33P−ATP、2.0μM 基質ペプチドビオチン−FMRLRRLSTKYRT、1.0% ジメチルスルホキシド]内で、種々の濃度の試験物質(0μM及び範囲0.001〜20μM内に10箇所の測定点、二重反復試験)の存在下でインキュベートした。
【0303】
12.5μLのEDTA/検出溶液[16mM EDTA、40mM ATP、0.08% Triton X−100、4mg/mL PVTストレプトアビジンSPAビーズ(Amersham)]を添加することにより反応を停止させた。10分間の定温放置の後、上記SPAビーズを、1000×Gにおいて10分間、遠心分離することによりペレット化した。測定を、PerkinElmer Topcountシンチレーション・カウンター内で実施した。測定されたデータを、0%抑制(インヒビターなしの酵素反応)及び100%抑制(0.1μMのスタウロスポリン(Sigma)の存在下での酵素反応)に正規化した。IC50値を、当企業のソフトウェアを用い、4パラメータフィットを用いて決定した。
【0304】
<アッセイ2>
<CDK1/CycBキナーゼアッセイ>
バキュロウイルスに感染した昆虫細胞(Sf9)から精製された組換型CDK1−及びCycB−GST融合たんぱく質を、ProQinase GmbH、Freiburgから購入した。キナーゼ基質として用いたヒストンIIISは、Sigmaから購入することができる。CDK1/CycB(200ng/測定点)を、22℃で10分間、分析用バッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl2、0.1mM Naオルト−バナデート、1.0mM ジチオトレイトール、0.5μM ATP、10μg/測定点 ヒストンIIIS、0.2μCi/測定点 33P−ガンマ−ATP、0.05% NP40、1.25% ジメチルスルホキシド]内で、種々の濃度の試験物質(0μM、及び0.01〜100μMの範囲内)の存在下でインキュベートした。EDTA溶液(250mM、pH8.0、15μL/測定点)を添加することにより反応を停止させた。
【0305】
15μLの各反応混合物を、P30フィルターストリップ(Wallac)上に充填し、そしてフィルターストリップを3回、0.5%濃度のリン酸内で、各回10分間洗浄っして、組み込まれていない33P−ATPを取り除いた。上記フィルターストリップを70℃で1時間乾燥させた後、上記フィルターストリップを、シンチレーターストリップ(MeltiLexTM A,Wallac)でカバーし、そして90℃で1時間ベークした。導入された33P(基質リン酸化)の量を、γ線カウンター(Wallac)内でシンチレーション測定することにより決定した。
【0306】
<アッセイ3>
<CDK2/CycEキナーゼアッセイ>
バキュロウイルスに感染した昆虫細胞(Sf9)から精製された組換型CDK2−及びCycE−GST融合たんぱく質を、ProQinase GmbH,Freiburgから購入した。キナーゼ基質として用いられるヒストンIIISを、Sigmaから購入した。CDK2/CycE(50ng/測定点)を、22℃で10分間、分析用バッファー[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl2、0.1mM Naオルト−バナデート、1.0mM ジチオトレイトール、0.5μM ATP、10μg/測定点 ヒストン IIIS、0.2μCi/測定点 33P−ガンマ−ATP、0.05% NP40、1.25% ジメチルスルホキシド]内で、種々の濃度の試験物質(0μM、及び0.01〜100μMの範囲内)の存在下でインキュベートした。EDTA溶液(250mM、pH8.0、15μL/測定点)を添加することにより反応を停止させた。
【0307】
15μLの各反応混合物を、P30フィルターストリップ(Wallac)上に充填し、そしてフィルターストリップを3回、0.5%濃度のリン酸内で、各回10分間洗浄して、組み込まれていない33P−ATPを取り除いた。上記フィルターストリップを70℃で1時間乾燥させた後、上記フィルターストリップを、シンチレーターストリップ(MeltiLexTM A,Wallac)でカバーし、そして90℃で1時間ベークした。導入された33P(基質リン酸化)の量を、γ線カウンター(Wallac)内でシンチレーション測定することにより決定した。
【0308】
<アッセイ4>
<KDRキナーゼアッセイ>
組換型KDRたんぱく質を、大腸菌内で発現させ、次いで精製した。用いられたキナーゼ基質は、Biosynthanから購入したアミノ酸配列ビオチン−DFGLARDMYDKEYYSVGを有するビオチン化ペプチドであった。KDR[試験体積5μL]を、22℃で45分間、分析用バッファー[50mM HEPES pH7.0、25.0mM MgCl2、1.0mM MgCl2、0.1mM Naオルト−バナデート、1.0mM ジチオトレイトール、0.001% NP40、10μM ATP、0.03μM 基質ペプチドビオチン−ポリGluTyr、1.0% ジメチルスルホキシド]内で、種々の濃度の試験物質(0μM、及び0.001〜20μM範囲内に10箇所の測定点、二重反復試験)の存在下でインキュベートした。
【0309】
5μLのEDTA/検出溶液[50mM HEPES pH7.5、125mM EDTA、0.2% BSA、0.1μM ストレプトアビジン−XLent(CisBio)、2nM PT66−Eu(PerkinElmer)]を添加することにより、反応を停止させた。波長350nmの光を用いて励起させた後の620nm及び665nmにおける蛍光の発光を、BMG LabsystemのRubystar HTRF機器において測定した。
測定されたデータ(発光665/発光620の比に10,000を乗ずる)を、0%抑制(インヒビターなしの酵素反応)及び100%抑制(酵素に加え、全てのアッセイ成分)に正規化した。IC50値を、当企業のソフトウェアを用い、4パラメータフィットを用いて決定した。
【0310】
<アッセイ5>
<MCF7増殖アッセイ>
培養された人間のMCF7胸部腫瘍細胞(ATCC HTB−22)を、96ウェルの複数滴定培養皿内の200μLの成長培地(RPMI1640、10% ウシ胎仔血清、2mU/mL インスリン、0.1nM エストラジオール)内において、5000細胞/測定点の密度で培養した。24時間後、培養皿(ゼロ培養皿)からの細胞を、クリスタルバイオレット(下記参照)を用いて染色する一方で、他の培養皿の培地を、種々の濃度(0μM、及び0.1〜30μMの範囲;溶媒 ジメチルスルホキシドの最終濃度は、0.5%であった)における試験物質が添加された新鮮な培養培地で置換した。
【0311】
上記細胞を、上記試験物質の存在下で、4日間インキュベートした。上記細胞をクリスタルバイオレットで染色して、細胞増殖を決定した:室温で15分間、11%濃度のグルタルアルデヒド溶液を20μL/測定点に添加することにより上記細胞を固定した。固定された細胞を、水で3回洗浄した後、上記培養皿を室温で乾燥させた。0.1%濃度のクリスタルバイオレット溶液を、100μL/測定点に添加して、上記細胞を染色した(酢酸を添加して、pHを、pH3に調製した)。固定された細胞を、水で3回洗浄した後、上記培養皿を、室温で乾燥させた。10%濃度の酢酸溶液を100μL/測定点に添加して、上記染料を溶解させ、そして吸光度を、595nmの波長における光度測定により測定した。細胞増殖の変化率は、ゼロポイント培養皿(=0%)の吸光度と、未処理の(0μM)細胞(=100%)の吸光度とに対する計測を正規化することにより計算された。IC50値を、当企業のソフトウェアを用い、4パラメータフィットを用いて決定した。
【0312】
<例35>
例1〜例9及び例11〜例23の化合物を、種々のキナーゼアッセイにおいて、それらのインヒビター作用に関して試験した(表1)。
【0313】
【表3】

【0314】
スルフイミド置換されたアミノピリミジンから、選択的キナーゼインヒビター及び複数ターゲットキナーゼインヒビターの両方を調製することが可能である。例7は、VEGF−R2チロシンキナーゼの選択的インヒビターを表し、一方、例8はまた、VEGF−R2の他にも、オーロラCキナーゼを抑制し、例3は、VEGF−R2及びオーロラCを抑制し、そして例11は、VEGF−R2の他にも、セリン/トレオニンキナーゼオーロラC及びCDK2に対して活性を有する。例9は、VEGF−R2及びCDK2キナーゼの抑制を示す。
【0315】
<例36>
上記例のいくつかの化合物を、MCF7増殖アッセイにおいてそれらの抗増殖作用に関して試験した(表2)。試験された化合物は、マイクロモル及びマイクロモル以下の濃度において、MCF7人間胸部腫瘍細胞の増殖を効果的に抑制した。特に、例9、10、13、14、15、16及び17は、優れた抗増殖活性を示した。
【0316】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー;
【化1】

(式中、
1は、下記;
(i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、−CF3又は−OCF3;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C1〜C6−アルコキシ又はC2〜C6−アルキニル基(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6−アルコキシ、−CF3及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);あるいは
(iii)フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
2は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル又はナフチル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、次のa)及び/又はb)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている;
a)ハロゲン、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12、シアノ、−C(O)R6、−O(CO)−R12、−SO2NR89、−SO2−R12、−S(O)(NR8)R12、−(N)S(O)R1314、−CF3、−OCF3、−N[(CO)−(C1〜C6−アルキル)]2;並びに/あるいは
b)C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C3〜C8−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル及び/又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール(各ケースにおいて、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−NR89、−C(O)OR16、−SO2NR89、−CF3又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている));
であり、
3は、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−C(O)NR89、−C(S)NR89、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);並びに/あるいは
(iii)C3〜C7−シクロアルキル環(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3、−NR89及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
mは0〜4であり、
4は、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり;あるいは
3及びR4が一緒になって、5〜7員環(Qに縮合されて、そしてヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、そして当該環が5員である場合には、Qからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成し、
5は、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは0又は1である)、−C(O)R12、−C(O)OR12、−C(O)NR89、−C(S)OR12、−C(S)NR89又は−R12であるか、あるいは
4及びR5が一緒になって、次の式;
【化2】

又は
【化3】

(式中、
W及びYは、お互いに独立して、−CH2−基(ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、当該C1〜C6−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシ置換基は、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それ自体、所望により置換され、そして/又はイミド二重結合に加えて、1つ又は2つのさらなる二重結合を所望により含む)であり、そして
oは1〜3である)の5〜7員環を形成し、
Xは、−O−、−S−又は−NR15−であり;
ここで、R15は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環;あるいは
(iii)−C(O)−(C1〜C6)−アルキル、−C(O)−フェニル、又は−C(O)−ベンジル;
であり、そして(ii)及び(iii)は、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されているか、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、X、R15及びR2が一緒になって、3〜8員環(窒素原子に加えて1つ又は2つ以上のさらなるヘテロ原子を所望により含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1〜3個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは1つ又は2つ以上の−C(O)−基により所望により中断されている)を形成し、
Qは、フェニル、ナフチル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環であり、
6は、下記;
(i)水素又はヒドロキシ;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル又はC1〜C6−アルコキシ基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている);
であり、
7は、水素又はC1〜C6−アルキル基であり、
8及びR9は、お互いに独立して、下記;
(i)水素;並びに/あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C2〜C6−アルケニル基、C3〜C8−シクロアルキル及び/又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又は単環式ヘテロアリール環(ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つ又は2つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、置換されることができる)を形成し、
10及びR11は、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
12、R13、R14は、お互いに独立して−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル及び/又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、
16は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル、C3〜C6−アルケニル、C3〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている):
である。
【請求項2】
1が、ハロゲン、−CF3、−OCF3、C1〜C4−アルキル又はニトロであり、
2が、C1〜C10−アルキル、C2〜C10−アルケニル又はC2〜C10−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環又は3〜7個の環原子を有するヘテロシクリル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、−NR7−C(O)−R12及び/又はC1〜C4−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、それ自体、所望により置換されている)により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
3が、下記;
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、−OCF3、−NR89、−NR7−C(O)−R12、−NR7−C(O)−OR12、−NR7−C(O)−NR89、−NR7−SO2−R12;並びに/あるいは
(ii)C1〜C3−アルキル及び/又はC1〜C3−アルコキシ基(ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6−アルコキシ、−CF3、−OCF3又は−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている);
であり、
mが、0又は1であり、
4が、C1〜C5−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ、−OCF3及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
3及びR4が一緒になって、5員環(Qに縮合され、そしてQからの二重結合に加えて、さらなる二重結合を所望により含む)を形成し、
5が、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは0又は1であり、R12はCF3である)であるか、あるいはC1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル若しくはフェニル環又は3〜6個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ニトロ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であるか、あるいは
4及びR5が一緒になって、次の式(1):
【化4】

(式中、W及びYは、それぞれ、−CH2−基であり、そしてoは1である)
の5員環を形成し、
Xは、−O−、−S−又は−NR15−であり、
ここで、R15は、下記;
(i)水素;あるいは
(ii)C1〜C6−アルキル基、C3〜C8−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環;あるいは
(iii)−C(O)−(C1〜C6)−アルキル、−C(O)−フェニル、又は−C(O)−ベンジル;
であり、そして
(ii)及び(iii)は、ヒドロキシ、−NR1011、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている、あるいは
Xが−NR15−である場合には、代わりに、X、R15及びR2が一緒になって3〜8員環(窒素原子に加えて、1つ又は2つ以上のさらなるヘテロ原子を所望により含み、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、−C(O)R12、−SO212、ハロゲン又は基−NR89により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換され、1〜3個の二重結合を所望により含み、そして/あるいは1つ又は2つ以上の−C(O)−基により所望により中断されている)を形成し、
Qが、フェニル、ナフチル又は単環式若しくは二環式ヘテロアリール環であり、
6が、C2〜C5−アルキル、C4〜C6−アルケニル、C4〜C6−アルキニル又はC2〜C5−アルコキシ基、C4〜C6−シクロアルキル又はフェニル環、3〜5個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89、シアノ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)であり、
7が、水素又はC1〜C6−アルキル基であり、
8及びR9が、お互いに独立して、水素及び/又はC1〜C4−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環、及び/又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR1011又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であるか、あるいは
8及びR9が窒素原子と一緒になって、5〜7員環(窒素原子に加えて、1つのさらなるヘテロ原子を所望により含み、そしてヒドロキシにより、1回又は2回以上、置換されることができる)を形成し、
10及びR11が、お互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキル基(ヒドロキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
12が、CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル又はC2〜C6−アルキニル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、−NR89、C1〜C6−アルキル、及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
13及びR14が、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル基であり、そして
16が、C1〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環である、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項3】
Qが、フェニル環である、請求項1又は2に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項4】
1が、臭素又はCF3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項5】
2が、C1〜C6−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ及び/又は−NH−C(O)−C1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項6】
Xが、−NR15−であり、ここで、R15が、水素である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項7】
3が、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、−CF3、メチル又はメトキシである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項8】
mが0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項9】
4が、C1〜C4−アルキル基又はC3〜C5−シクロアルキル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89又はハロゲンにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項10】
5が−SO212であり、ここで、R12が、C1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ニトロ、ハロゲン及び/又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項11】
5が、−SO2−(CH2n−R12であり、ここで、nが0又は1であり、R12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(ニトロ、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項12】
6が、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ基又はC3〜C7−シクロアルキル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、−NR89及び/又はC1〜C6−アルコキシにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項13】
7が、水素又はC1〜C6−アルキル基である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項14】
8及びR9が、水素及び/又はC1〜C6−アルキル基、C3〜C6−シクロアルキル及び/又はフェニル環、及び/又は単環式ヘテロアリール環であるか、あるいは
8及びR9が、窒素原子と一緒になって、5又は6員環(窒素原子に加えて、さらなる1つのヘテロ原子を所望により含む)を形成する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項15】
10及びR11が、お互いに独立して、水素又はメチル基である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項16】
12が、C1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項17】
13及びR14が、お互いに独立して、C1〜C6−アルキル基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項18】
16が、C1〜C6−アルキル基である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項19】
1が、水素、ハロゲン又は−CF3であり、
2が、C1〜C10−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ又は−NH−C(O)−C1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
mが、0であり、
4が、C1〜C6−アルキル基であり、
5が、−SO2−(CH2n−R12(式中、nは、0又は1である)であり、
Xが、−NH−であり、
Qが、フェニル環であり、
12が、−CF3であるか、あるいはC1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ニトロ、ハロゲン、−CF3、C1〜C6−アルキル、−NH−C(O)−C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又は−OCF3により、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項20】
1が、水素又はハロゲンであり、
2が、C1〜C10−アルキル基、C3〜C7−シクロアルキル又はフェニル環(各ケースにおいて、ヒドロキシ、C1〜C6−アルキル基又は−NR7−C(O)−R12により、1回又は2回以上、同一又は異なって、所望により置換されている)であり、
mが0であり、
4が、C1〜C6−アルキル基であり、
5が、−SO212であり、
Xが、−NR15−(式中、R15は、水素である)であり、
Qが、フェニル環であり、
12が、C1〜C6−アルキル基、フェニル又は単環式ヘテロアリール環(各ケースにおいて、ニトロ、ハロゲン又はC1〜C6−アルキルにより、1回又は2回以上、同一又は異なって、それら自体、所望により置換されている)である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、並びにその塩、ジアステレオマー及びエナンチオマー。
【請求項21】
次の各ステップを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物の調製方法;
a)次の式(IV)の2−クロロピリミジンを、次の式(III)の求核試薬と反応させ、次の式(II)の化合物を与えるステップ:
【化5】

b)次の式(II)のチオエーテルのイミネーションにより、次の式(I)の化合物を得るステップ:
【化6】

(式中、Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、請求項1〜20のいずれか一項に記載の一般式(I)に示される意味を有する)。
【請求項22】
次の式(IV):
【化7】

(式中、R1、R2及びXは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
の中間体。
【請求項23】
次の式(VI)の2,4−ジクロロピリミジンを、次の式(V)の求核試薬と反応させることによる、次の式(IV)の中間体の調製方法:
【化8】

(式中、R1、R2及びXは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)。
【請求項24】
次の式(IV)の2−クロロピリミジンを、次の式(VII)の求核試薬と反応させることによる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の次の式(I)の化合物の調製方法:
【化9】

(式中、Q、R1、R2、R3、R4、R5、X及びmは、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)。
【請求項25】
次の式(VII):
【化10】

(式中、Q、R3、R4及びR5は、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
の中間体。
【請求項26】
次の各ステップ;
a)次の式(IX)のチオエーテルのイミネーションにより、次の式(VIII)のスルフイミドを得るステップ:
【化11】

b)ニトロ基を還元することにより、次の式(VII)の中間体を得るステップ:
【化12】

(式中、Q、R3、R4及びR5は、1〜20のいずれか一項の一般式(I)に示される意味を有する)
を含む、前記式(VII)の中間体の調製方法。
【請求項27】
薬剤として用いるための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
ガンを治療するための薬剤を製造するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項29】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬製剤。

【公表番号】特表2009−539788(P2009−539788A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513582(P2009−513582)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004913
【国際公開番号】WO2007/140957
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】