説明

ぬいぐるみを兼用した袋

【課題】解決しようとする問題点は、携帯性を高めるために袋そのものとぬいぐるみを一体にするという点である。
【解決手段】袋本体1と、この袋本体1の生地の一部をぬいぐるみの生地の一部となるぬいぐるみ部Aを設け、さらに前記袋本体の生地とは別に残りのぬいぐるみの生地となるぬいぐるみ部Bを設け、前記ぬいぐるみ部Aと前記ぬいぐるみ部Bを互いにぬいぐるみの外面が内側になるように重ね合わせて周囲を接続して袋部Cを構成するとともに、前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bで構成される前記袋部Cには、袋部Cを反転させて袋本体の生地をぬいぐるみの袋部Cにしまうとともに、ぬいぐるみの外面を表出させる開口部を設けたぬいぐるみを兼用した袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯に便利なぬいぐるみを兼用した袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題の観点から、買い物の際には、買い物をする側で買い物袋を持参する運動が推進されている。そこで携帯に便利な折りたたみ式でコンパクトに収納できるエコバッグと称される各種の袋が提案されている。
【0003】
携帯可能なバックとしては、特開平9−206117号公報で紹介されるようなバッグなどが知られている。これらのバッグは、折りたたんだ際、コンパクトになるので、便利であり、周知のものとなっている。しかし、買い物用として、これらの袋は、環境問題を強く意識していないと常に携帯するという習慣が身に付かず、買い物の際には自宅に忘れているという状況が多々発生しているという欠点があった。
【0004】
一方、小さなぬいぐるみ等を常に携帯しているということが若者を中心に流行している。しかも、ぬいぐるみを携帯するかたちは、鞄の中に携帯していたり、あるいは携帯電話のストラップやキーホルダーなど様々である。こういうぬいぐるみなどは、常に携帯するという習慣が身に付きやすく癒しにもなっている。
【0005】
そこで、発明者は、携帯に便利なように、また習慣づけやすくする方法に着目し小さな買い物袋を折りたたみ、ファスナー付きの袋型ぬいぐるみの中に収納することを試みた。しかし、単に袋を収納できるというぬいぐるみは、常に袋をストックしておかないといけないという問題点があり、買い物の際には、袋が収納されて無く、用をたせないという問題点があった。
【特許文献1】特開平9−206117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、携帯性を高めるために袋そのものとぬいぐるみを一体にするという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のぬいぐるみを兼用した袋は、袋本体の生地の一部がぬいぐるみの生地の一部となり、また、前記袋本体の生地とは別に設けた残りのぬいぐるみの生地同士を重ねて周囲を縫い合わせるなどして接続して袋部が形成される。またさらにこの袋部を反転し、袋本体の生地を収納してぬいぐるみに変化させるようにした開口部を設けて構成されているので、ぬいぐるみと袋本体はどちらにも簡単に形を変えられるということを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のぬいぐるみを兼用した袋は、袋の一部をぬいぐるみの生地にするという着想により、袋とぬいぐるみは常に一体であり、袋を携帯することが習慣化されるという利点がある。また袋に印刷や刺繍などでぬいぐるみの外面を簡単に形成でき、この袋に形成されたぬいぐるみ生地形成部分に、残りのぬいぐるみ生地となる生地を縫い合わせるだけで簡単にぬいぐるみを兼用した袋が提供できるので製造コストも低減できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明装置の1実施例のぬいぐるみを兼用した袋1において、袋の状態の外面表面図Xとその袋1の断面説明図Yである。また、図2は、生地の一部にぬいぐるみの生地の一部であって、この袋1の内面4側に印刷によりぬいぐるみ部Aを形成した状態の説明図である。図3は、前記袋1の生地とは別に設けた残りのぬいぐるみの生地Bの表と裏を示した説明図である。図4は、図2で示したぬいぐるみ部Aの印刷面と、図3で示したぬいぐるみ部Bの印刷面同士を内側に重ね合わせ、周囲を縫い合わせて、袋部Cを形成した状態を示す説明図。図5は、図4で示した開口部11のファスナーを開口し、袋部Cを反転させるともに、袋の生地を袋部Cに収納してぬいぐるみを完成させた状態を示す説明図である。
【0010】
まず本発明のぬいぐるみを兼用した袋は、図1及び図2に示すように袋本体1と、この袋本体1の生地の一部にぬいぐるみの生地の一部となるぬいぐるみ部Aが袋本体の内側に印刷によって形成されている(図2)。さらに図3に示すように前記袋本体1の生地とは別に残りのぬいぐるみの生地となるぬいぐるみ部Bを設け、図4に示すように前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bを互いにぬいぐるみの外面が内側になるように重ね合わせて周囲を縫い合わせて(縫い合わせ部15で)袋部Cが形成されるようになっている。また、ぬいぐるみ部Bには、あらかじめ、ファスナー13で開閉できる開口部11が設けられており、前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bで構成される前記袋部Cの開口部になり、図5に示すように、この袋部Cを反転させて袋本体1の生地をぬいぐるみの袋部Cにしまうとともに、ぬいぐるみの外面を表出させてぬいぐるみ20の形に変身できるようになっている。
【0011】
前記ファスナー13は、ぬいぐるみ部Bの表裏どちらからでも開閉できるようにリバーシブルのファスナー13が好ましい。また、ファスナー13のつまみは、鞄などに装着できるように鎖とその先端にリング付きのキーホルダー仕様としても良い。あるいは、携帯電話に装着出来るようにストラップ紐で構成されても良い。
【0012】
ぬいぐるみを構成するぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bの少なくとも一方には、ぬいぐるみの外面となる部部にあらかじめ、ぬいぐるみの柄を印刷しておいてもよく、各種動物や乗り物、企業のマスコットなどいろいろ用途に応じ選択すればよい。さらに立体感を出すためには、刺繍又は、アップリケなどを縫いつけても良く、要は袋本体1の生地の一部がぬいぐるみの生地の一部になっていればよい。
【0013】
また、ぬいぐるみを構成するぬいぐるみ部A又はBは、立体的なものであっても良い。先ずぬいぐるみ部Aを立体的にする場合は、「ぬいぐるみを兼用した袋」が、袋状になっているときに袋の機能を損なわない範囲で構成するのがよく、またぬいぐるみ部Bを立体的にする場合は、袋本体1とは、別に構成されるので比較的立体加工はしやすくなる。例えば、ぬいぐるみを「ワニ」にした場合、開口部をファスナーをワニの口にしたたてて構成してもおもしろい。上記の実施例では、ぬいぐるみはネズミを図案化したものであるが、図3や図5に示したようにぬいぐるみ部Bには、あらかじめ尻尾21を設け立体感を出している。ぬいぐるみ部A及びぬいぐるみ部Bを縫い合わせるときには、この尻尾21を袋部C内に納めて縫い合わせるようにし、この袋部Cを反転してぬいぐるみに変化させるときに表出するようにすると変化があっておもしろい。
【0014】
上記実施例おいて、前記袋部Cに設けられた開口部1は、前記ぬいぐるみ部Bに設けられている実施例を示したが、前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bを互いに重ね合わせて周囲を接続して袋部Cを構成する際、接続する部分を一部開放して開口部を設けても良よい。
【0015】
さらに上記実施例において、前記袋部Cに設けられた開口部は、ファスナーにより開閉自在にしたが、ホックやボタン、マジックテープなどの適宜な開閉機構を取り付けてもよく、必要によって、特に開閉機構としなくてもよい。
【0016】
なお、袋本体1を構成する生地は、布地やナイロンなどの生地でも良く軽く、皺にならないような生地が好ましい。パラシュートなどの生地のような防水耐傷ナイロン繊維であれば軽くて、皺にもなりやすい。
【0017】
上記実施例において、「ぬいぐるみを兼用した袋」が、袋状になっているときにぬいぐるみ部A、Bが袋本体1の内側に装着した状態になっているが、こうすることで、袋になっているときにぬいぐるみ部A、Bがじゃまにならず、ぬいぐるみ部AとBの周囲を縫いつけた接続部を雑に作成しても雑さが目立たない。しかし、荷物を入れないで、袋の状態からぬいぐるみに変化させるとき、簡単にするためには、ぬいぐるみ部A、Bを袋本体の外側に装着すれば良い。この場合、ぬいぐるみ部AとBの周囲を縫いつけた接続部は、雑な感じを出さないようにしておくべきである。また、袋本体1に装着するぬいぐるみ部A,Bの取り付け位置も袋本体1の内側、外側以外に、袋本体1の角でであっても、上方であっても、適宜な位置で問題ない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上述べたように、小さなぬいぐるみ等は、常に携帯し易く、買い物の際には、買い物をする側で買い物袋を持参し易く環境問題の観点から、各企業もぬいぐるみを兼用した袋を消費者に配りやすく、産業上非常に有益なもとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ぬいぐるみを兼用した袋の外面及び袋の断面を示した説明図。
【図2】ぬいぐるみを兼用した袋の内面のぬいぐるみ部Aを示した説明図。
【図3】ぬいぐるみ部Bの表面がわと裏面側の説明図。
【図4】図2で示したぬいぐるみ部Aにぬいぐるみ部Bを重ね合わせて縫い合わせた説明図。
【図5】開口部11を開き、袋部Cを反転させて袋本体の生地をぬいぐるみの袋部Cにしまうとともに、ぬいぐるみの外面を表出させてぬいぐるみにした状態のぬいぐるみを兼用した袋の説明図。
【符号の説明】
【0020】
1 袋本体
2 袋外面
3a、3b ぬいぐるみ印刷部
4 袋内面
5 取手
10 ぬいぐるみ生地
11 開閉自在な開口部
A、B ぬいぐるみ部
13 ファスナー
15 縫い合わせ部
20 ぬいぐるみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体と、この袋本体の生地の一部にぬいぐるみの生地の一部となるぬいぐるみ部Aを設け、さらに前記袋本体の生地とは別に残りのぬいぐるみの生地となるぬいぐるみ部Bを設け、前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bを互いにぬいぐるみの外面が内側になるように重ね合わせて周囲を接続して袋部Cを構成するとともに、前記ぬいぐるみ部Aとぬいぐるみ部Bで構成される前記袋部Cには、袋部Cを反転させて袋本体の生地をぬいぐるみの袋部Cにしまうとともに、ぬいぐるみの外面を表出させる開口部を設けてなることを特徴とするぬいぐるみを兼用した袋。
【請求項2】
前記ぬいぐるみ部Aと前記ぬいぐるみ部Bの少なくとも一方にぬいぐるみの外面は印刷によりぬいぐるみの柄を印刷又は、刺繍によって構成することを特徴とする前記請求項1記載のぬいぐるみを兼用した袋。
【請求項3】
前記袋部Cに設けられた前記開口部は、前記ぬいぐるみ部Bに設けられていることを特徴とする前記請求項1又は請求項2記載のぬいぐるみを兼用した袋。
【請求項4】
前記袋部Cに設けられた開口部は、前記ぬいぐるみ部Aと前記ぬいぐるみ部Bを互いに重ね合わせて周囲を接続して前記袋部Cを構成する際、接続する部分を一部開放しておくことを特徴とする前記請求項1又は請求項2記載のぬいぐるみを兼用した袋。
【請求項5】
前記袋部Cに設けられた前記開口部には、ファスナー、ボタン、マジックテープなどの適宜な開閉機構を取り付けたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項4記載のぬいぐるみを兼用した袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−202938(P2009−202938A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79103(P2008−79103)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(501032537)
【Fターム(参考)】