説明

ねじれを持つポリマー、その使用方法、およびランダムコポリマーの製造方法

【課題】基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体ポリマーとを具備する光学デバイスを提供。
【解決手段】半導体ポリマーは、繰返し単位の1つが下記の式(I)の基であるコポリマー、またはホモポリマーである。Xは結合b−dに対して結合a−bおよび結合c−dの間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来のポリ(フルオレン)系ポリマーよりも凝集しにくくブルーシフトした発光を示す少なくとも1つの半導体ポリマーを支持する基板を具備した光学デバイスに関する。本発明はまた、前記デバイスに使用する新規ホモポリマーおよびコポリマー、前記ポリマーを調製するためのモノマー、および本発明のポリマーの調製に特に適したスタティスティカルコポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、共役ポリマーへの関心が高まっている。これらはポリマー主鎖に沿って非局在化したπ−電子系をもっているポリマーである。非局在化したπ−電子系はポリマーに半導体特性を与え、ポリマー鎖に沿って高い移動度を持った正電荷および負電荷キャリアを支持する能力を与える。これらの共役ポリマーの薄膜は、光学デバイスたとえば発光デバイスの製造に使用される。これらのデバイスは、従来の半導体材料を使用して作製したデバイスよりも多くの利点を有しており、これらの利点は大面積ディスプレイの可能性、低い直流動作電圧および製造の単純化を含んでいる。このタイプのデバイスは、例えば、WO−A−90/13148、US5,512,654、およびWO−A−95/06400に記載されている。
【0003】
有機およびポリマー発光材料に基づくディスプレイの世界市場は、近年、スタンフォードリソーシズ Inc. によって、高い成長率で2002年には2億ドルになると見積もられ、当該分野において高い産業的関心を刺激している(D.E. Mentley, ”Flat Information Displays: Market and Technology Trends”, 9th edition, 1998)。効率的で高い安定性をもつ低電力消費のLEDデバイスは、商業的要求を満たすものであるが、多数の企業および学術研究団体によって製造されてきた(例えば、A. C. Grimsdale et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 402; R. H. Friend et al., Nature 1999,397,12を参照のこと)。無機LEDの開発と比較してのポリマー系LED(PLED)のこの急速な開発の結果として(Sheats et al., Science 1996,273,884)、初めて有効な単色のアクティブおよびパッシブにアドレスするマトリクスのディスプレイが動作することが実証され、1999年にはフィリップス社がPLEDディスプレイ部品(例えば、自動車および電気通信産業のLEPバックライト)の製造ラインの開始を発表した。
【0004】
現在のところ、フルカラー、オールプラスチックスクリーンの実現に向けての多大な努力が費やされている。この目標を達成するための主要な課題は、(1)三原色である赤、緑および青の光を発光する共役ポリマーの入手、および(2)共役ポリマーを加工および二次加工してフルカラーディスプレイ構造にするのが容易でなければならない、ということである。PLEDデバイスは、第一の要求に合致する大きな有望性を示している。なぜなら、発光色の操作を共役ポリマーの化学構造を変化させることによって達成できるからである。しかしながら、共役ポリマーの化学的性質の調節は実験室スケールではしばしば容易かつ安価であるが、産業的スケールでは高価かつ複雑なプロセスとなることがある。第二の要求であるフルカラーマトリクスデバイスの加工と製造の容易さは、どのようにして微細なマルチカラーピクセルをミクロパターニングするか、およびどのようにしてフルカラーの発光を達成するかという問題を提起する。インクジェットプリンティングおよびハイブリッドインクジェットプリンティング技術は、近年、PLEDデバイスのパターニングにとって大きな関心事である(例えば、R. F. Service, Science 1998,279, 1135; Wudl et al., Appl. Phys. Lett. 1998,73,2561; J. Bharathan, Y. Yang, Appl. Phys. Lett. 1998,72,2660; and T. R. Hebner, C. C. Wu, D. Marcy, M. L. Lu, J. Sturm, Appl. Phys. Lett. 1998,72,519を参照のこと)。
【発明の概要】
【0005】
フルカラーディスプレイの開発に貢献するために、直接的なカラー調整、良好な加工性および安価な大量生産の可能性を示す共役ポリマーが求められている。ステップラダーポリマーであるポリ−2,7−フルオレンは、青色発光ポリマーのへの多くの研究の主題となっている(例えば、A. W. Grice, D. D. C. Bradley, M. T. Bernius, M. Inbasekaran, W. W. Wu, and E. P. Woo, Appl. Phys. Lett. 1998, 73,629; J. S. Kim, R. H. Friend, and F. Cacialli, Appl. Phys. Lett. 1999,74,3084; WO-A-00/55927 and M. Bernius et al., Adv. Mater., 2000,12, No. 23,1737を参照のこと)。この種の共役ポリマーは優れた加工性を持っており、これは離れたC−9位での可溶性基の結合によって与えられるが、広範囲の共役を妨害することなく、それ故に固体状態で高い蛍光量子収量(79%に及ぶ)をもたらす(例えば、Q. Pei, Y. Yang, J Am. Chem. Soc. 1996,118,7416を参照のこと)。ポリ−2,7−フルオレンの他の利点は、優れた熱的安定性(T>400℃)および化学的安定性、並びに良好な膜形成特性である。しかしながら、このポリマーの剛直な性質は、望ましくない発光色のレッドシフトとエキシマ形成による低いルミネセンス効率をもたらす鎖間凝集を増強させる(例えば、V. N. Bliznyuk, S. A. Carter, J. C. Scott, G. Klarer, R. D. Miller, and D. C. Miller, Macromolecules, 1999,32,361を参照のこと)。凝集は、2,7−ジブロモフルオレンと他のハロゲン化モノマーとのスタティスティカル共重合(統計共重合)によってある程度減少してきた。
【0006】
9,9−二置換フルオレンモノマーをベースとするホモポリマーおよびコポリマーの製造プロセスは、AA−BBおよびABタイプのモノマー両方の金属媒介クロスカップリングによるものである。現在、当該分野においてかなりの先行技術が存在している。このようなコポリマーは、ジブロモ置換モノマーを、Ni(II)塩からインサイチューで形成されたNi(0)触媒と接触させることによるクロスカップリングによって作ることができる(Yamamoto カップリング, Progress in Polymer Science, Vol. 17, p. 1153, 1992)(E. P. Woo et al., U. S. 5,708,130; 5,962,631)。アリールボロン酸およびエステルとアリールまたはビニルハライドとの間でのPd(0)媒介クロスカップリング(Suzuki カップリング, A. Suzuki et al., Synth. Commun., 1981,11,513)が、相間移動触媒および無機塩基の存在下において開発され、PLEDとしての用途のために比較的高品質のポリ(フルオレン)誘導体を生成している(M. Inbasekaran, US 5,777,070)。ホール輸送特性を持つ種々のコモノマーへの拡張も実現している(WO-A-99/54385)。さらなる開発においては、触媒と塩基の組合せを選択して、ボロン官能基を−BX(XはFまたはOHである)に転換している。
【0007】
上記したように、ポリ(フルオレン)系ホモポリマーの主要な欠点が固体状態で凝集する傾向にあり、光励起または二重電荷注入(エレクトロルミネセンス)による刺激を介した蛍光条件下で励起状態の複合体(エキシマ)の形成をもたらすことはよく知られている。この傾向を減らす1つの方法は、コポリマーを使用して凝集を解消することである(US-A-5,777,070 ; D. Kim, et al., Macromolecules, 1999,32,1476を参照のこと)。別のアプローチは、ラダー状の平坦化ポリマー(U. Scherf and K. Mullen, Adv. Polym. Sci., 1995, 123, 1)、およびポリ(インデノフルオレン)(S. Setayesh et al., Macromolecules, 2000,33,2016)を使用することである。エンドキャップとしての(G. Klaerner, R. D. Miller and C. J. Hawker, Abstracts of Papers of the American Chemical Society, 216: 300-POLY, Part 3 Aug, 23 1998)、フルオレン構成ブロックの9位(S. Setayesh et al., J Am. Chem. Soc., 2001,123,946)におけるデンドリマー置換基は、凝集を抑制するために使用されている。また、ホールをトラップする末端基は、おそらく凝集体形成の抑制によって、デバイスの性能を増強する(T. Miteva et al., Adv. Mater., 2001,13, 565)。2,3−二置換パターンを持つポリ(1,4−フェニレンビニレン)ホモポリマーおよびコポリマーはねじれる傾向を示し、この歪みはポリマー誘導体のルミネセンス効率を向上させるのに使用されてきたことが特筆される(WO−A−01/07052を参照のこと)。主鎖がm−リンクしたポリフェニレンにおける破壊された共役の原因は、最近、S.Y.Hong et al., Macromolecules, 2001, 34,6474によって議論されている。
【0008】
ポリ(フルオレン)系ポリマーに見られる凝集を減少させるエレクトロルミネセンスポリマーを開発することは非常に望ましい。本発明においては、フルオレン誘導体の同族体をベースとするコモノマーを組み入れたエレクトロルミネセンスポリマーの設計および前記ポリマーを組み入れた光学デバイスを説明する。
【0009】
従って、本発明の第一の態様においては、基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体ポリマーとを具備し、前記半導体ポリマーは、繰返し単位の1つが下記の式(I)の基であるコポリマー、または繰返し単位が下記の式(I)の基であるホモポリマーである光学デバイスを提供する。
【化1】

【0010】
ここで、AおよびBは同一でも異なっていてもよく、各々、全体または一部にアリール基またはヘテロアリール基を含み、前記Aの基は結合a−bに縮合し、前記Bの基は結合c−dに縮合し、かつ
Xは連結単位であり、Xは結合b−dに対して結合a−bおよび結合c−dの間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。
【0011】
連結単位Xは、AおよびBが結合b−dの周りでねじれ、結合a−bおよび結合c−dが同一平面上になく、代わりに結合b−dの周りで結合a−bと結合c−dの間に少なくとも5°のねじれ角があるように選択される。好ましくは、ねじれ角は5°ないし75°であり、より好ましくは、ねじれ角は10°ないし70°であり、さらにより好ましくは、ねじれ角は30°ないし60°であり、最も好ましくは、ねじれ角は40°ないし55°である。
【0012】
上記の式(I)の繰返し単位を組み込むと、結果として、ポリマー主鎖にねじれ角を導入することになる。これは2つの効果がある。第一に、ポリマー中の共役の全体的な広がりが減少し、このことはこれらの材料のHOMO−LUMOバンドギャップを増加させる効果を持ち、ブルーシフトした発光をもたらす。第二に、ポリマー主鎖中へのねじれの導入は、既存のポリ(フルオレン)系ポリマーで経験する凝集の減少を引き起こす。
【0013】
上記の式(I)の基において、アリール基は、例えば、1以上の環に6個から14個の炭素を持つ芳香族炭化水素基であって、オプションで少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。例えば、1以上の置換基が、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、下記に示すアルキル基、下記に示すハロアルキル基、下記に示すアルコキシアルキル基、下記に示すアリールオキシ基、および下記に示すアルコキシ基からなる群より選択される。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、およびアントラセニル基を含む。
【0014】
上記の式(I)の基において、前記ヘテロアリール基は、例えば、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1個から3個のヘテロ原子を含む5員環ないし7員環の芳香族ヘテロ環基であってもよい。前記基は、オプションで、少なくとも1つの置換基と置換され、例えば1以上の置換基が、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、下記に示すアルキル基、下記に示すハロアルキル基、下記に示すアルコキシアルキル基、下記に示すアリールオキシ基、および下記に示すアルコキシ基からなる群より選択される。このようなヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル基を含む。
【0015】
上記アルキル基は、1個から20個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキル基である。
【0016】
上記ハロアルキル基は、少なくとも1つのハロゲン原子と置換された、上記で定義したアルキル基である。
【0017】
上記アルコキシ基は、1個から20個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルコキシ基である。
【0018】
上記アルコキシアルキル基は、上記で定義した少なくとも1つのアルコキシ基で置換された、上記で定義したアルキル基である。
【0019】
上記アリールオキシ基のアリール基は、1以上の環に6個から14個の炭素原子を持つ芳香族炭化水素基であって、オプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシアルキル基、および上記で定義したアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい
好ましくは、基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体ポリマーとを具備し、前記半導体ポリマーは、繰返し単位の1つが下記の式(II)の基であるコポリマーまたは繰返し単位が下記の式(II)の基であるホモポリマーである光学デバイスが提供される。
【化2】

【0020】
ここで、YおよびYは同一でも異なっていてもよく、各々、単結合、または結合しているフェニル基と共役する連結単位を示し、
Xは連結単位であり、Xは結合b−dの周りで2つのフェニル基の間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。
【0021】
またはYが、それが結合しているフェニル基と共役する連結単位である場合、その連結単位とそれが結合しているフェニル基はいっしょになって、式(II)の単位をコポリマーまたはホモポリマーにおける次の単位に連結させる共役基を形成する。従って、例えばYは、結合しているフェニル基と縮合してナフチレン連結単位を形成するフェニル基、または結合しているフェニル基と縮合してフルオレニル連結単位を形成するインデニル基であり得る。
【0022】
より好ましくは、基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体ポリマーとを具備し、前記半導体ポリマーが、繰返し単位の1つが下記の式(III)の基であるコポリマーまたは繰返し単位が下記の式(III)の基であるホモポリマーであり光学デバイスが提供される。
【化3】

【0023】
ここで、mおよびnは同一でも異なっていてもよく、各々は0または1、2または3の整数である。
【0024】
およびRは同一でも異なっていてもよく、各々は、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシ基、上記で定義したアルコキシアルキル基、アリール基(1以上の環に6個から14個の炭素原子を持つ芳香族炭化水素基を具備し、オプションで少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、前記置換基はニトロ基、シアノ基、アミノ基、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシアルキル基、および上記で定義したアルコキシ基からなる群より選択される)、上記で定義したアリールオキシ基、および上記で定義した少なくとも1つのアリール基で置換された上記で定義したアルキル基を含むアラルキル基からなる群より選択される。
【0025】
Xは連結単位であり、Xは結合b−dの周りで2つのフェニル環の間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。1より多いR基及び/又はR基がある場合、各Rまたは各Rは同一でも他のものと異なっていてもよい。
【0026】
本発明の光学デバイスにおいて、コポリマーまたはホモポリマー中の繰返し単位が式(III)の基である場合、Xは好ましくは式−A−B−C−の基であり、A、B、およびCは同一でも異なっていてもよく、各々はO,S,SO,SO,NR,N(R3’)(R3’’),C(R)(R),Si(R4’)(R5’)、およびP(O)(OR)からなる群より選択される。
【0027】
ここで、R,R3’、およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシ基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリール基、上記で定義したアリールオキシ基、上記で定義したアラルキル基、および式−N(Rの少なくとも1つの基で置換された上記で定義したアルキル基(ここで、各R基は同一でも異なっていてもよく、水素原子、上記で定義したアルキル基、および上記で定義したアリール基からなる群より選択される)からなる群より選択される。
【0028】
,R,R4’およびR5’は同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリール基、上記で定義したアリールオキシ基、上記で定義したアラルキル基、および置換基で置換された上記で定義したアルキル基からなる群より選択される[前記置換基は上記で定義したアリール基、下記で定義したヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される(前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニル、およびスピロビフルオレニル基は二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、上記で定義したアリール基、下記で定義したヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される)]か、またはRおよびRは共にそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を示す。
【0029】
は、水素原子、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリール基、上記で定義したアリールオキシ基、および上記で定義したアラルキル基からなる群より選択され。
【0030】
前記へテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子、および窒素原子からなる群より選択される1個ないし3個のヘテロ原子を含む5員環ないし7員環の芳香族ヘテロ環基であり、前記ヘテロアリール基はオプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリールオキシ基、および上記で定義したアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0031】
好ましくは、R、R3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択され、前記アルキル基はオプションで式−N(Rの基で置換され、ここで各Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される。より好ましくは、R、R3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々は1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基を示し、前記アルキル基はオプションで式−N(Rの基で置換され、ここで各R基は同一でも異なっていてもよく、1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基である。
【0032】
好ましくは、R、R、R4’およびR5’は同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、1個ないし10個の炭素原子をもつアルキル基、1個ないし10個の炭素原子をもつアルコキシ基、および置換基で置換された1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基(例えば、メチル基)からなる群より選択され、前記置換基はアリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択され、前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニルおよびスピロビフルオレニル基は(好ましくはアルキル基に対してパラの位置において)二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、アリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される。より好ましくは、R、R、R4’およびR5’は同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基、および5個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基からなる群より選択される。そして、最も好ましくは、R、Rの各々またはR4’およびR5’が水素原子であるか、またはRまたはR4’が水素原子を表し、RまたはR5’が7個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基を表す。
【0033】
好ましくは、Rは水素原子または1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基を表し、最も好ましくは、水素原子または1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基である。
【0034】
式(III)の繰返し単位の好ましい例は、mおよびnが各々0であり、Xは式−A−B−C−の連結単位であるものである。ここで、
(i) AおよびCは各々メチレン基を表し、BはO、S、SO、NR、N(R3’)(R3’’)、およびC(R)(R)からなる群より選択され、ここでR、R3’、R3’’、R、RおよびRは、式(III)の繰返し単位の上記定義において定義したとおりである。
【0035】
(ii) AおよびCは各々メチレン基を表し、BはO、S、SO、NRからなる群より選択され、ここでRは水素原子および1個ないし6個の炭素原子をもつアルキル基からなる群より選択され、前記アルキル基はオプションで式−N(R{ここで各R基は同一でも異なっていてもよく、水素原子および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される}、N(R3’)(R3’’){ここでR3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々は1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基を表し、前記アルキル基はオプションで式−N(Rで置換され、ここで各R基は同一でも異なっていてもよく、水素原子および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される}、およびC(R)(R){ここでRおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基、1個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基、および置換基で置換された1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基(例えば、メチル基)からなる群より選択され、前記置換基はアリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択され、前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニルおよびスピロビフルオレニル基は(好ましくはアルキル基に対してパラの位置において)二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、アリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される}の基で置換される。
【0036】
(iii) AおよびCは各々メチレン基を表し、BはO、S、SO、N(R3’)(R3’’){ここでR3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々は1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基を表し、前記アルキル基はオプションで式−N(Rの基で置換され、ここで各R基は同一でも異なっていてもよく、1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基である。}、およびC(R)(R){ここでRおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子、1個ないし3個の炭素原子、および5個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基からなる群より選択され、ここで特にRおよびRの各々が水素原子であるか、またはRが水素原子を表し、Rが7個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基を表す)からなる群より選択される。
【0037】
(iv) AおよびCは各々OまたはSを表し、BはO、S、SO、NR、N(R3’)(R3’’)およびC(R)(R)からなる群より選択され、ここでR、R3’、R3’’、R、RおよびRは式(III)の繰返し単位の上記定義において定義したとおりである。
【0038】
(v) AおよびCは各々OまたはSを表し、Bは式C(R)(R)の基であり、ここでRおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々は水素原子または1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基を表す。または、
(vi) AおよびC各々はOを表し、Bは式C(R)(R)はであり、ここでRおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々は1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基を表す。
【0039】
特に好ましい繰返し単位は下記の群から選択される。
【化4】

【0040】
本発明の光学デバイスに使用される半導体ポリマーの多くは新規である。従って、本発明のさらなる態様においては、繰返し単位の1つが上記で定義した式(II)の基である半導体コポリマー、または繰返し単位が上記で定義した式(II)の基である半導体ホモポリマーが提供される。但し、YおよびYが各々単結合を表す場合には、Xは−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−および−O−P(O)(OH)−O−からなる群より選択される連結単位を表してはならず、Yがその結合しているフェニル基と縮合してナフタレニル基を形成するフェニル基を表し、Yがその結合しているフェニル基と縮合してナフタレニル基を形成するフェニル基を表す場合には、Xは式−O−CH−O−の基を表してはならない。
【0041】
好ましくは、本発明の半導体ポリマーは、繰返し単位の1つが上記で定義した式(III)の基であるコポリマーまたは繰返し単位が上記で定義した式(III)の基であるホモポリマーである。但し、YおよびYが各々単結合を表す場合には、Xは−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−および−O−P(O)(OH)−O−からなる群より選択される連結単位を表してはならない。
【0042】
本発明のコポリマーおよびホモポリマーの、式(III)の繰返し単位における置換基R、R3’、R3’’、R、R、R、およびR並びに連結単位−A−B−C−についての好ましい、より好ましい、そして最も好ましいオプションは、本発明の光学デバイスについて上記で記載したとおりである。
【0043】
好ましくは、本発明の光学デバイスに使用されるポリマーはコポリマーまたはターポリマーである。これらのコポリマーは、交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーを含む。これらは以下の一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)によって示すことができる。
【化5】

【0044】
ここで、(I)は上記で定義した繰返し単位であり、D、DおよびDはポリマー鎖中の隣接単位と共役した繰返し単位であり、nは3より大きい整数であり、x:yの比は99:1〜1:99であり、x:(y+z)の比は99:1〜1:99である。
【0045】
繰返し単位D、DおよびDは通常エレクトロルミネセンスポリマーに使用されるあらゆる共役単位であり、例えば、Burroughes et al., Nature, 1990,347, 539; WO-A-93/14177; WO-A-94/29883; US-A-5,514,878; WO-A-99/54385; US-A5,672,678 ; WO-A-00/55927; EP-A-0707020; および同時継続中の出願PCT/GB00/04594に開示されているものである。具体的な例としては、下記の式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)および(XV)の共役単位を含む。
【化6】

【0046】
ここで、RないしR15およびR17ないしR33の各々は同種また異種であり、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシ基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリール基、上記で定義したアリールオキシ基、上記で定義したアラルキル基、および式−COR16からなる群より選択され、ここでR16はヒドロキシ基、上記で定義したアルキル基、上記で定義したハロアルキル基、上記で定義したアルコキシ基、上記で定義したアルコキシアルキル基、上記で定義したアリール基、上記で定義したアリールオキシ基、上記で定義したアラルキル基、アミノ基、そのアルキル基が上記で定義したものであるアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(ここで各アルキル基は同一でも異なっていてもよく、上記で定義したものである)、そのアラルキル基が上記で定義したものであるアラルキルオキシ基、および少なくとも1つのハロゲン原子で置換された上記で定義したアルコキシ基を有するハロアルコキシ基からなる群より選択される。
【0047】
、ZおよびZの各々は同一でも異なっていてもよく、O、S、SO、SO、NR、N(R3’)(R3’’)、C(R)(R)、Si(R4’)(R5’)、およびP(O)(OR)からなる群より選択され、ここでR、R3’、R3’’、R、R、R4’、R5’およびRは上記で定義したとおりである。
【0048】
、X、XおよびXの各々は同一でも異なっていてもよく、
上記で定義したアリール基、
1個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキレン基、
2個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルケニレン基、および
1個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキニレン基
から選択されるか、または
とXは共に、及び/又は、XとXは共に、下記の式(V)の連結基を表してもよい。
【化7】

【0049】
ここで、Xは上記で定義したアリール基を表し、
e1,e2,f1およびf2の各々は同一でも異なっていてもよく、0または1ないし3の整数であり、
g、q1、q2、q3およびq4の各々は同一でも異なっていてもよく、0、1または2であり、
h1、h2、j1、j2、j3、l1、l2、l3、l4、rおよびsの各々は同一でも異なっていてもよく、0または1ないし4の整数であり、
i,k1,k2,o1、およびo2の各々は同一でも異なっていてもよく、0または1ないし5の整数であり、および
p1、p2、p3およびp4の各々は0または1である。
【0050】
上記の一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)の交互ABコポリマーおよびターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびターポリマーにおいては、以下のものが好ましい。
【0051】
(A)繰返し単位(I)が上記で定義した式(II)の繰返し単位であるもの。
【0052】
(B)繰返し単位(I)が上記で定義した式(III)の繰返し単位であるもの。
【0053】
(C)繰返し単位(I)が上記で定義した式(III)の好ましい、より好ましいおよび最も好ましい単位のうちの1つであるもの。
【0054】
(D)繰返し単位D、DおよびDが上記で定義した式(VIII)、(IX)、(XIV)および(XV)からなる群より選択されるもの。
【0055】
(E)繰返し単位D、DまたはDが式(VIII)の単位であり、ここでZ、ZおよびZがO、SおよびC(R)(R) からなる群より選択され、ここでRおよびRが上記で定義したとおりのものであるもの。
【0056】
(F)繰返し単位D、DまたはDが式(VIII)の単位であり、ここでe1およびe2のおのおのは0であり、Z、ZまたはZは式C(R)(R)の基であり、ここでRおよびRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、1個ないし10個の炭素原子をもつアルキル基(例えばn−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシルおよび3,7−ジメチルルオクチル基)、および置換基で置換された1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基(例えばメチル基)からなる群より選択され、前記置換基はアリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択され、前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニルおよびスピロビフルオレニル基は(好ましくはパラ位において)二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、アリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択されるもの。
【0057】
(G)繰返し単位D、DまたはDが下記式を有する式(XV)の単位であるもの。
【化8】

【0058】
ここでR34およびR35は同一でも異なっていてもよく、各々は上記で定義したアルキル基である。
【0059】
(H)x:yの比が10:90〜50:50である式(VI)のスタティスティカルコポリマー。
【0060】
(I)x:yの比が10:90〜45:55である式(VI)のスタティスティカルコポリマー。
【0061】
これらのうちで好ましいのは、一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)の交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーであって、繰返し単位(I)が(A)で定義したものであり、繰返し単位D、DおよびDが(D)に定義したものである。より好ましいのは、一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)の交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーであって、繰返し単位(I)が(B)で定義したものであり、繰返し単位D、DおよびDが(E)または(G)で定義したものである。さらに好ましいのは、一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)の交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーであって、繰返し単位(I)が(C)で定義したものであり、繰返し単位D、DおよびDが(E)または(G)で定義したものである。特に好ましいのは、一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)の交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーであって、繰返し単位(I)が(C)で定義したものであり、繰返し単位D、DおよびDが(F)または(G)で定義したものである。最も好ましいのは、(H)で定義した式(VI)のスタティスティカルコポリマーであって、繰返し単位(I)が(C)で定義したものであり、繰返し単位Dが(F)または(G)で定義したものである。
【0062】
本発明の光学デバイスは、基板に支持された本発明による半導体ポリマーのみを具備していてもよいし、本発明の半導体ポリマーは他の半導体ポリマー例えばWO−A−99/48160に開示されているものとブレンドしてもよい。
【0063】
本発明による光学デバイスの製造に使用される半導体ポリマーは、標準的な一群の重縮合法のいずれを用いても製造することができる(例えば、Heck, Suzuki, Yamamoto, Horner, Wessling および Gilch の重縮合法; US-A-5,777,070 および レビュー記事”Electroluminescent Conjugated Polymers-Seeing Polymers in a New Light”, A. Kraft, A. C. Grimsdale and A. B. Holmes, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1998, 37,402-428を参照のこと。これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)。当業者であれば、目標とする本発明の半導体ポリマーの性質に応じて、望ましいモノマーおよび好適な重縮合法を選択できる。
【0064】
単純性および柔軟性によって好ましい方法の1つは、スズキ反応(Suzuki reaction)である。すなわち、本発明のポリマーは下記のスキーム1に従って合成することができる。
【化9】

【0065】
ここで、Eは上記で定義した式(I)、(II)または(III)の繰返し単位であり、
Dは上記で定義した式D、DまたはDの繰返し単位であり、
およびYは脱離基であり、
およびWはボロン酸基[B(OH)]、式B(OR35のボロネートエステル基(ここでR35は上記で定義したアルキル基および上記で定義したアリール基からなる群より選択されるか、または2つのR35基は共に2個ないし10個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキレン基を表す)、および式B(OR36のボラン(ここでR36は上記で定義したアルキル基、上記で定義したアリール基、および上記で定義したアラルキル基からなる群より選択される)からなる群より選択され、
は3より大きい整数である。
【0066】
典型的には、上記において、脱離基YおよびYは臭素またはヨウ素でよい。置換基WおよびWは式B(OR35のボロネートエステル基でよく、ここで2つのR35基は共に2個ないし6個の炭素原子を持つアルキレン基、例えば2,3−ジメチルブチレン基を表す。パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)でよい。塩基はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、最も好ましくは、WO00/53656、PCT/GB00/00771に開示されているテトラエチルアンモニウムヒドロキシドでよい。この反応は、必要な塩基として炭酸ナトリウムおよび相間移動触媒としてAliquat(登録商標)を含むトルエン中で行うことができる。
【0067】
下記のスキーム2は、上記のスキーム1で提示した一般型のスズキ重合に属する2つの具体例を示している。
【化10】

【0068】
すでに上述したように、我々は、特に式(I)およびDの繰返し単位を具備するシタティスティカル半導体コポリマーがいいと思っている。我々は、このようなスタティスティカルコポリマーを合成する好ましい方法(これはスズキ重合法の変形である)を発見した。この方法は、ポリマー主鎖に沿ってまさにランダムな仕方で、正確な量の式(I)の繰返し単位を導入することを可能にする。この方法は、本発明に適用されるだけでなく、他のランダムスタティスティカル共役ポリマーの合成にも適用される。
【0069】
したがって、本発明のさらなる態様においては、ランダムスタティスティカル共役ポリマーの製造方法が提供される。この方法では、パラジウム(0)またはパラジウム(II)触媒および塩基の存在下で、xモルの式Y−F−Yのモノマー、yモルのW−F−W、およびzモルの式W−G−Wのモノマーを反応させて、
(ここで、YおよびYは、脱離基であり、
、W、W、およびWは、ボロン酸基[B(OH)]、式B(OR35のボロネートエステル基(ここでR35は上記で定義したとおりである)、および式B(OR36のボラン(ここでR36は上記で定義したとおりである)からなる群より選択され、
およびGはラジカルであって、その性質が重合時に得られる重合生成物中のFおよびGの基が共役するようなものであり、および
:(y+z)のモル比が1:1である)
下記の式(XVI)のランダムスタティスティカル共役ポリマーを与える(ここで、F、G、x、yおよびzは上記で定義したとおりであり、(x+y):zのモル比は1より大きい)。
【化11】

【0070】
典型的には、上記において、脱離基YおよびYは臭素またはヨウ素でよい。置換基W、W、WおよびWは各々、式B(OR35のボロネートエステル基を表し、ここで各ボロネートエステル基中の2つのR35基は2個ないし6個の炭素原子を持つアルキレン基、例えば2,3−ジメチルブチレン基を表す。パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)でよい。この反応は必要な塩基として炭酸ナトリウムおよび相間移動触媒としてAliquat(登録商標)を含むトルエン中で行うことができる。好ましくは、パラジウム触媒をテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド塩基と組み合わせる。
【0071】
驚くべきことに、トリシクロヘキシルホスフィンは、パラジウム(II)アセテートおよびテトラエチルアンモニウムヒドロキシドとトルエン中で合せると、非常に急速な重合と高分子量ポリマーをもたらすことがわかった。ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイル)ホモポリマーに関して、200,000−350,000の範囲で典型的なMp(GPCにより測定)が得られた。また、トリ(tert−ブチルホスフィン)も使用することができた。これらの具体的なホスフィンは、A. F. Littke and G. C. Fu, J. Am. Chem. Soc., 2001,123,6989(およびその中で引用されたリファレンス)によって、効果的なスズキカップリング触媒に適しているとして開示されているが、高分子量ポリマーもまた得られることは驚くべきことである。好ましい化学量論として、1mol%パラジウムアセテート、3mol%ホスフィン、およびジブロモアレン1モルあたり5当量のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0072】
このスズキ重合法の変更形態は、まさにランダムなスタティスティカルコポリマーが生成され、少量の所望のモノマー単位を大量のコモノマー単位を含むポリマー主鎖に組み込むことができるので、特に有用である。本発明のコポリマーの具体例において、上記で定義した式(VI)のコポリマーを上記方法を使用して合成することができ[上記方法において、モノマーW−G−W中のGは、上記で定義した式(I)の繰返し単位である]、式(VI)の前記コポリマーは式(I)をもつ繰返し単位よりも大きい繰返し単位Dのモル分率をもっており、小さなねじれをポリマー主鎖に沿って導入させる。この少量の繰返し単位(I)のランダムな導入は、式(I)の前記繰返し単位の導入によって生成されるポリマーにおける共役の減少の程度に対する制御を可能にする。結果として、HOMO−LUMOバンドギャップにおける変化は、ポリマー発光における所望のブルーシフトを生じさせるための要求に応じて調整することができ、ポリマーの凝集を減少させる程度も同様に調整することができる。
【0073】
適切な重合法のさらなる例は、下記のスキーム3に図示するような、ホスホネートとアルデヒドの Horner-Emmons 重縮合である。
【化12】

【0074】
上記に示す重合法において、エンドキャッピング単位を、必要があれば、導入することができる。例えば、所定時間後にアリールブロミドまたはアリールボロネートを添加することによって、ポリマーさらなる鎖延長を妨げる。
【0075】
上記で定義した式Y−E−YおよびW−E−Wの本発明のねじれモノマーは、合成有機化学の分野でよく知られた標準的な方法で合成することができる。このような方法の例を、下記のスキーム4ないし7に図示する。
【化13】

【化14】

【化15】

【0076】
上記縮重合反応で使用されるモノマーの多くは新規である。本発明のさらなる態様においては、式Y−E−YおよびW−E−W(E、W、W、YおよびYは、上記で定義したとおりである。)のモノマーを提供する。ただし、各YおよびYの各々が臭素原子である場合、Eはジベンゾオキセピニル(dibenzoxepinyl)、ジベンゾチエピニル(dibenzothiepinyl)、ジベンゾチエピニルS−オキシド(dibenzothiepinyl S-oxide)、またはジベンゾチエピニルS,S−ジオキシド基を表さない。
【0077】
本発明の光学デバイスは、光学デバイスの製造に関する分野におけるあらゆる既知の方法に基づいて製造することができる。好適な製造方法は、例えば下記の文献に開示されており、これらの内容はこれらへの参照によって本明細書に組み込まれる:WO-A-90/13148; US-A-5,512,654; WO-A-95/06400; R. F. Service, Science 1998,279, 1135; Wudl et al., Appl. Phys. Lett. 1998,73,2561; J. Bharathan, Y. Yang, Appl. Phys. Lett. 1998,72,2660; and T. R. Hebner, C. C. Wu, D. Marcy, M. L. Lu, J. Sturm, Appl. Phys. Lett. 1998,72,519).
例えば、本発明による典型的な薄膜LED光学デバイスは、Oプラズマ処理されたITOコートのガラス、ポリ(スチレンスルホネート)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)のホール注入層、本発明の半導体コポリマーの薄膜、およびCa−Alカソードを具備する。PEDOT:PSS膜(典型的にはおおよそ70nmの厚さ)は、30分間N下で100℃に加熱する前に、ろ過したHO溶液からスピンすることができる。スピンコーティングは、窒素充填グローブボックス中でキシレン溶液から本発明の発光コポリマー膜(典型的にはおおよそ100nmの厚さ)を成膜するためにも使用することができる。Caカソード(典型的にはおおよそ500Åの厚さ)およびAl保護層(典型的にはおおよそ150Åの厚さ)は、真空(例えば、ベース圧力約5×10−6mbar)中での熱蒸着により、シャドウマスクでパターン化して成膜することができる。
【0078】
本発明による水溶性で多価電解質のコポリマーは、アンモニウム塩と好適なフルオレンモノマーの共重合によって製造することができる。好適なポリマーの選択は、発光多価電解質の、インクジェットプリンティングおよびレイヤーバイレイヤー成膜を有利にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1で調製したねじれモノマー12のX線結晶構造。
【図2】実施例2で調製した一般式33の種々の半導体ポリマーのUV/VIS溶液スペクトル。
【図3】実施例2で調製した一般式33の半導体ポリマーおよび2つの先行技術のコポリマーに関する薄膜フォトルミネセンススペクトル。
【図4】実施例3で調製した式36の半導体スタティスティカルコポリマーを組み込んだ二層エレクトロルミネセンスデバイスの電流−電圧フォトルミネセンス曲線。
【図5】本発明のエレクトロルミネセンスデバイスの模式図。
【図6】指定したコポリマーの薄膜フォトルミネセンススペクトル(励起波長360nm)。
【図7】指定したコポリマーの薄膜フォトルミネセンススペクトル(励起波長360nm)。
【図8】指定したコポリマーの薄膜フォトルミネセンススペクトル(励起波長360nm)。
【図9】指定したコポリマーの薄膜フォトルミネセンススペクトル(励起波長360nm)。
【図10】PF6コポリマー36(m=75;n=25)のエレクトロルミネセンススペクトル。デバイスの構築は本明細書に概略した手順によった。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明は、図面を参照して、本発明の下記の実施例の考察することによってさらに理解することができる。
【0081】
実施例1
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピン(7)の合成
【化16】

【0082】
4,4’−ジブロモ−2,2’−ビス−ヒドロキシメチルビフェニル23(その構造は上記スキーム4に示している)(5 g, 0.013モル, 「D. M. Hall, F. Minhaj, J Chem. Soc., 1957,4584」によって開示された手順で調製した)をTHF(50ml)に溶解した。HBr(48%wt/wt水溶液、40ml)を添加し、溶液で一昼夜還流した。この期間が経過した後、THFを減圧下で取り除き、黄色のオイルをDCM/HO(DCMはジクロロメタン)間に抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、減少させ、アセトン(100ml)から再結晶化して、3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピン(12)を微細な白色結晶(1g)として得た。母液を繰返し再結晶することにより、さらなる生成物を得た。3回再結晶後の全収量(2.2g,0.0062モル、48%収量)、微細白色結晶。
【0083】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : 4.30 (4H, s, CH2), 7.39 (2H, d, ArH, J 8), 7.58-7.63 (4H, m, ArH) ; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) 67.0, 122.4, 128.9, 132.1, 132.7, 136.8, 139.0; Elemental analysis (calculated for C14HlOBr2O, C 47.50, H 2.85 %); found: C 47.44, H 2.94 %;
mp. 129-131℃。
【0084】
こうして調製した3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピン(12)のX線結晶構造を、単結晶X線クリスタログラフィーを使用して得た。これを図1に示す。これから、ビフェニル結合の周りでフェニル環の間に41.25°のねじれ角があることを測定することができた。
【0085】
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピンの製造について上記で説明したのと同様な合成方法を使用して、さらに下記に示すねじれモノマー15,17,25−32を調製した。多くのモノマーのねじれ角を、3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロジベンゾ[c,e]オキセピンについてと同様に測定した。ねじれ角の数値を各番号の後の括弧内に示す。29、30、および32はジブロモ誘導体に転換されないが、クロスカップリング反応における活用の可能性は明白であることに注目すべきである
【化17】

【0086】
実施例2
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピン(12)と、9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2,7−ビス−(イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラ−メチル−1,3,2−ジオキサボロネート)13および2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレンとのスタティスティカル重合
9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2,7−ビス−(イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロネート)(下記の構造13)(1.84g,3.13mmol)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン(154mg,0.313mmol)および3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]オキセピン12(1g,2.82mmol)(上記実施例1で説明したように調製)を、窒素下でフレーム乾燥したシュレンクチューブ内に入れた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40mg,0.03mmol)、トルエン(40ml)、炭酸ナトリウム水溶液(6ml、2M)、およびAliquat(登録商標)(120mg)をその後に添加し、溶液を脱気した。得られた混合物を100℃、48時間、窒素下で加熱した。次に、得られた粘性の液体をメタノール中に沈殿させ、オフホワイトの固形物を得た。最後に、ポリマーをろ過したトルエン溶液からメタノール中に再沈殿させ、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)−コ−(5,7−ジヒドロジベンゾ[c,e]オキセピン)(下記の構造33:55%のフルオレンおよび45%の12から誘導された構造単位)を得た。
【0087】
通常キャリブレーションGPC(PS標準,30℃)Mn12K,MWD5、バイモーダル(bimodal));
1H-NMR (250 MHz, CDCl3) 0.80 (br, 10H, CH3+CH2), 1.12 (br, 12H, CH2), 2.12 (br, 4H, CH2), 4.50 (br, 3.6H, CH2, 45 %の4H CH2シグナル ヘキシル置換基中の芳香環に隣接したメチレン基 2.12ppmにおける4Hシグナルと相関), 7.50-7.87 (12H, Ar-H);
溶液 UV (メチレンクロライド, RT) λmax 366 nm;
薄膜UV λmax 372 nm;
サイクリックボルタンメトリー(鉄(II)フェロセンで補正したAg/AgCl) Eox 1.46 V, Ered -0. 84V Eox-Ered 2.3 eV;
PLスペクトル (メチレンクロライド) λmax 412 nm, λmax (ショルダー) 445 nm ;
PLスペクトルλmax 418nm, λmax (ショルダー) 450 nm。
【化18】

【0088】
上記重合法で使用された9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2−(イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロネート)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン、および3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロジベンゾ[c,e]オキセピンの相対量を変化させることによって、下記の表1に示した一連のスタティスティカルコポリマーを調製した[Bが0%のポリマーは、当然ながら、ホモポリマーのポリ(ジ−n−ヘキシルフルオレン)である]。
【化19】

【0089】
これらのポリマー33の溶液UV/VIS吸収スペクトルを得て、図2に示した(この図において、“エーテル”という用語は、33における構造Bのねじれモノマー単位のことをいう)。図からわかるように、本発明のコポリマーではブルーシフトした発光が得られ、そのシフトは構造Bのねじれモノマー単位の量を増すにつれて大きくなっている。
【0090】
25%の単位Bと75%の単位Aを持つ式33のスタティスティカルコポリマーのUV/VIS吸収スペクトルを、下記の構造34を持つポリ(ジ−n−ヘキシルフルオレン)および75%の9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレニル基および25%のフェニル基を含む下記の構造35を持つコポリマーのスペクトルとを比較した(図3参照)。図からわかるように、本発明のランダムコポリマーは、2つの先行技術のポリマーと比較したとき、可視領域における長波長テールがかなり減っている。
【化20】

【0091】
本実施例のコポリマーのフォトルミネセンススペクトルを測定し、図4(ジクロロメタン中)および図5(薄膜)に示した。5,7−ジヒドロジベンゾ[c,e]オキセピンの量が減少するにつれて、発光はより長波長にシフトする。さらに、コポリマーのサイクリックボルタンメトリーのデータを測定し、下記にその結果を示した。
【化21】

【0092】
実施例3
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]チエピン(15)と、9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2,7−ビス−(イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロネート)13とのスタティスティカル重合
3,9−ジブロモ−5,7−ジヒドロ−ジベンゾ[c,e]チエピン15(0.37g,1.00mmol,1当量)および9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2,7−ビス−(イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロネート)13(0.50g,1.00mmol,1当量)を乾燥脱気テトラヒドロフラン(30ml)(脱気はポンプ−凍結−融解の3サイクルによって行った)に溶解した溶液に、CsCO(5ml HO中で3.3g,2M)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.021g,0.02mmol,0.02当量)を窒素雰囲気下で添加した。加熱して4日間還流した後、濃縮ポリマー溶液を短いシリカプラグ(パスツールピペット)を通してろ過し、その後、メタノール(500ml)から沈殿させた。乾燥した後、掲題のポリマー36を32%収量で白色固体(0.18g)として得た。
【0093】
νmax (CHClg)/cm-1 3037, 2931, 2860, 2393, 1605, 1465, 1262, 1003, 820;
δ(500 MHz; CDC13) : 7.85-7.38 (12 H, m, ArH), 3.76 (2 H, br s, SCH2), 3.52 (2 H, br s, SCH2), 2.10 (4 H, br s, ArC (CH2C5H11)2), 1.22-1.05 (12 H, br s, alkyl), 0.83-0.64 (10 H, m, alkyl) ; GPC (CHCl3) Mw 1.4-104, Mn 4.3・103, Mw/Mn 3.3; TGA: 391 C (5% 重量ロス); λmax (CHCl3)/nm 356。
【化22】

【0094】
実施例4
エレクトロルミネセンスデバイスの製造
インジウム−スズ酸化物(ITO)をコートしたガラス基板をストライプ(3mm幅)にパターン化し、水、アセトンおよびエタノールで洗浄した。ホール注入層、ポリ(3,4−エチレン−ジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDT:PSS)を、ITO上にスピンコートした(2000rpm,30秒)。PEDT:PSS層をホットプレート(130℃)上で5分間乾燥した。次に、上記実施例3で調製した発光ポリマーFを、PEDT:PSS層の上にスピンコートした。その後、デバイスを高真空コーティングユニットに導入し、シャドウマスク(2mmストライプ)をセットした。カソード金属であるカルシウムを、シャドウマスクを通して有機層上に成膜し、続いてアルミニウムを成膜した。各ピクセルのサイズは3mm×2mmである。最後に、デバイスを封止して湿気を遮断した。成膜は高真空下(1×10−5mbar)で行った。一般的には、PEDT:PSSは水溶液として提供され、発光ポリマーは有機溶媒に溶解した溶液として調製される。カソードとしては仕事関数の低い金属が通常使用される。層の典型的な厚さは下記のとおりである。ITO(190nm)/PEDT:PSS(50nm)/発光ポリマー(60nm)/Ca(40nm)/Al(200nm)。直流バイアス(0〜30V)を電極に印加することによってデバイスを調べた。エレクトロルミネセンス特性を、ヒューレット−パッカードE3631A直流電源、ケイスリー2000デジタルマルチメーター、トプコンBM−8輝度計、およびアミンコ−ボーマンで測定した。デバイスの構造を図示した概略図を図7に示す(この図中のPFは実施例3のコポリマーFのことをいう)。また、上記のものとほとんど同様に製造したが、Ca層を除外した別のデバイスを製造した。
【0095】
このように製造したデバイスの種々の物理特性を測定し、下記の表2に提示する。
【化23】

【0096】
上記のfcm01デバイスの電流電圧ルミネセンス曲線を図6に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体ポリマーとを具備する光学デバイスであって、前記半導体ポリマーは、繰返し単位の1つが下記の式(I)の基であるコポリマー、または繰返し単位が下記の式(I)の基であるホモポリマーであることを特徴とする光学デバイス。
【化1】

ここで、AおよびBは同一でも異なっていてもよく、各々、全体または一部にアリール基またはヘテロアリール基を含み、前記Aの基は結合a−bに縮合し、前記Bの基は結合c−dに縮合し、かつ
Xは連結単位であり、Xは結合b−dに対して結合a−bおよび結合c−dの間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。
【請求項2】
結合a−bおよび結合c−dの間のねじれ角が、結合b−dに対して5°ないし75°である請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
結合a−bおよび結合c−dの間のねじれ角が、結合b−dに対して10°ないし70°である請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
結合a−bおよび結合c−dの間のねじれ角が、結合b−dに対して30°ないし60°である請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
結合a−bおよび結合c−dの間のねじれ角が、結合b−dに対して40°ないし55°である請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか記載の光学デバイスであって、前記アリール基が、1以上の環に6個から14個の炭素を持つ芳香族炭化水素基であって、オプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、下記に示すアルキル基、下記に示すハロアルキル基、下記に示すアルコキシアルキル基、下記に示すアリールオキシ基、および下記に示すアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、
上記アルキル基は、1個から20個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキル基であり、
上記ハロアルキル基は、少なくとも1つのハロゲン原子と置換された、上記のアルキル基であり、
上記アルコキシ基は、1個から20個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルコキシ基であり、
上記アルコキシアルキル基は、上記の少なくとも1つのアルコキシ基で置換された、上記のアルキル基であり、
上記アリールオキシ基のアリール基は、1以上の環に6個から14個の炭素原子を持つ芳香族炭化水素基であって、オプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、上記のアルキル基、上記のハロアルキル基、上記のアルコキシアルキル基、および上記のアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい
ことを特徴とする光学デバイス。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか記載の光学デバイスであって、前記ヘテロアリール基が、硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選択される1個から3個のヘテロ原子を含む5員環ないし7員環の芳香族ヘテロ環基であり、前記基はオプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項6に示すアリールオキシ基、および請求項6に示すアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されていることを特徴とする光学デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記式(I)の繰返し単位が、下記の式(II)の基であることを特徴とする光学デバイス。
【化2】

ここで、YおよびYは同一でも異なっていてもよく、各々、単結合、または結合しているフェニル基と共役する連結単位を示し、
Xは連結単位であり、Xは結合b−dに対して2つのフェニル基の間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。
【請求項9】
請求項8に記載の光学デバイスであって、YおよびYは同一でも異なっていてもよく、フェニル基(結合している式(II)のフェニル基と縮合してナフチレン連結単位を形成する)およびインデニル基(結合している式(II)のフェニル基と縮合してフルオレニル連結単位を形成する)から選択されることを特徴とする光学デバイス。
【請求項10】
およびYの各々が単結合であることを特徴とする請求項8に記載の光学デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の光学デバイスであって、前記式(I)の繰返し単位が下記の式(III)の基であることを特徴とする光学デバイス。
【化3】

ここで、mおよびnは同一でも異なっていてもよく、各々、0または1、2または3の整数であり、
およびRは同一でも異なっていてもよく、各々、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシ基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、アリール基(1以上の環に6個から14個の炭素原子を持つ芳香族炭化水素基を具備し、オプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、および請求項6に示すアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい)、請求項6に示すアリールオキシ基、および上記の少なくとも1つのアリール基で置換された請求項6に示すアルキル基を含むアラルキル基からなる群より選択され、
Xは連結単位であり、Xは結合b−dに対して2つのフェニル環の間に少なくとも5°のねじれ角が存在するようになっている。
【請求項12】
請求項11に示す光学デバイスであって、Xは式−A−B−C−を持つ基であり、A,BおよびCは同一でも異なっていてもよく、各々、O,S,SO,SO,NR,N(R3’)(R3’’),C(R)(R),Si(R4’)(R5’)およびP(O)(OR)からなる群より選択され、
,R3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシ基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項6に示すアリールオキシ基、請求項11に示すアラルキル基、および式−N(Rを持つ少なくとも1つの基で置換された請求項11に示すアルキル基(各R基は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、請求項6に示すアルキル基、および請求項11に示すアリール基からなる群より選択される)からなる群より選択され、
,R,R4’およびR5’は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項6に示すアリールオキシ基、請求項11に示すアラルキル基、並びに請求項11に示すアリール基、下記に示すヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基(前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニル、およびスピロビフルオレニル基は二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、請求項11に示すアリール基、下記に示すヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される)からなる群より選択された置換基で置換された請求項6に示すアルキル基からなる群より選択されるか、またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにカルボニル基を示し、
は、水素原子、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項6に示すアリールオキシ基、および請求項11に示すアラルキル基からなる群より選択され、
前記へテロアリール基は、硫黄原子、酸素原子、および窒素原子からなる群より選択される1個ないし3個のヘテロ原子を含む5員環ないし7員環の芳香族ヘテロ環基であり、前記ヘテロアリール基は、オプションで、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項6に示すアリールオキシ基、および請求項6に示すアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている
ことを特徴とする光学デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々メチレン基を示し、BはO,S,SO,SO,NR,N(R3’)(R3’’)およびC(R)(R)からなる群より選択される(R,R、R3’’、R、RおよびRは請求項12に示したものである)ことを特徴とする光学デバイス。
【請求項14】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々メチレン基を示し、BはO,S,SO,SO,NRからなる群より選択され、Rは水素原子および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択され、前記アルキル基はオプションで、式−N(R{各R基は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される}、式−N(R3’)(R3’’){R3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々1個ないし6個の炭素原子をもつアルキル基[オプションで式−N(R(各R基は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子および1個ないし6個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される)]を表す}、および式C(R)(R){RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基、1個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基、並びにアリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基(前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニルおよびスピロビフルオレニル基は二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、各々、アリール基、ヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される)からなる群より選択される置換基で置換された1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択される}を持つ基で置換されていることを特徴とする光学デバイス。
【請求項15】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結結合であり、AおよびCは各々メチレン基を示し、BはO,S,SO,N(R3’)(R3’’)からなる群より選択され、R3’およびR3’’は同一でも異なっていてもよく、各々1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基であり、前記アルキル基はオプションで、式−N(R(各R基は同一でも異なっていてもよく、1個ないし3個の炭素原子をもつアルキル基である)、および式C(R)(R)(各R基およびR基は同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子、1個ないし3個の炭素原子を持つアルキル基、5個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基からなる群より選択される)の基で置換されていることを特徴とする光学デバイス。
【請求項16】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々メチレン基を示し、Bは式C(R)(R)の基であり、RおよびRの各々が水素原子であるか、またはRが水素原子でRが7個ないし10個の炭素原子を持つアルコキシ基を示すことを特徴とする光学デバイス。
【請求項17】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々OまたはSを示し、BはO,S,SO,N(R3’)(R3’’)およびC(R)(R)からなる群より選択される(R,R3’,R3’’,R,RおよびRは請求項12に示したものである)ことを特徴とする光学デバイス。
【請求項18】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々OまたはSを示し、Bは式C(R)(R)の基であり、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々、水素原子または1個ないし10個の炭素原子を持つアルキル基を示すことを特徴とする光学デバイス。
【請求項19】
請求項12に記載の光学デバイスであって、mおよびnは各々0であり、Xは式−A−B−C−を持つ連結単位であり、AおよびCは各々Oを示し、Bは式C(R)(R)の基であり、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々1個から3個の炭素原子を持つアルキル基を示すことを特徴とする光学デバイス。
【請求項20】
式(III)の単位が下記の基から選択されることを特徴とする請求項12に記載の光学デバイス。
【化4】

【請求項21】
繰返し単位の1つが請求項8ないし10のいずれか1項で定義した式(II)の半導体コポリマー、または繰返し単位が請求項8ないし10のいずれか1項で定義した式(II)の半導体ホモポリマーであって、但し、YおよびYが各々単結合を示す場合には、Xは−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、および−O−P(O)(OH)−O−からなる群より選択される連結単位を示すことはなく、Yがフェニル基を示し、結合しているフェニル基と縮合してナフタレニル基を形成し、かつYがフェニル基を示し、結合しているフェニル基と縮合してナフタレニル基を形成する場合には、Xは式−O−CH−O−を持つ基を示すことはないことを特徴とする半導体コポリマーまたは半導体ホモポリマー。
【請求項22】
繰返し単位の1つが請求項11ないし20のいずれか1項で定義した式(III)の半導体コポリマー、または繰返し単位が請求項11ないし20のいずれか1項で定義した式(III)の半導体ホモポリマーであって、但し、YおよびYが各々単結合を示す場合には、Xは−CO−O−CO−、−CO−NH−CO−、および−O−P(O)(OH)−O−からなる群より選択される連結単位を示すことはないことを特徴とする半導体コポリマーまたは半導体ホモポリマー。
【請求項23】
交互ABコポリマーおよび交互ターポリマー、並びにスタティスティカルコポリマーおよびスタティスティカルターポリマーからなる群より選択される請求項21または請求項22に記載の半導体コポリマー。
【請求項24】
下記一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)のコポリマーから選択されることを特徴とする請求項23に記載の半導体コポリマー。
【化5】

ここで、(I)は上記で定義した繰返し単位であり、上記D、DおよびDはポリマー鎖中の隣接単位と共役した繰返し単位であり、nは3より大きい整数であり、x:yの比は99:1〜1:99であり、x:(y+z)の比は99:1〜1:99である。
【請求項25】
x:yの比は10:90〜50:50であり、x:(y+z)の比は90:10〜50:50であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項26】
x:yの比は10:90〜45:55であり、x:(y+z)の比は90:10〜45:55であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項27】
請求項24ないし26のいずれか記載の半導体コポリマーであって、繰返し単位D、DおよびDが、式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)および(XV)の下記の共役単位から選択されることを特徴とする半導体コポリマー。
【化6】

ここで、RないしR15およびR17ないしR33の各々は、同一でも異なっていてもよく、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシ基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項6に示すアリールオキシ基、請求項11に示すアラルキル基、および式−COR16を持つ基からなる群より選択され、R16は、ヒドロキシ基、請求項6に示すアルキル基、請求項6に示すハロアルキル基、請求項6に示すアルコキシ基、請求項6に示すアルコキシアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項6に示すアリールオキシ基、請求項11に示すアラルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基(そのアルキル基は請求項6に示すものである)、ジアルキルアミノ基(各アルキル基は同一でも異なっていてもよく、各々請求項6に示すものである)、アラルキルオキシ基(そのアラルキル基は請求項11に示すものである)、およびハロアルコキシ基(少なくとも1つのハロゲン原子で置換されている請求項6に示すアルコキシ基を含む)からなる群より選択され、
,ZおよびZの各々は同一でも異なっていてもよく、O、S、SO、SO、NR、N+(R3’)(R3’’)、C(R)(R)、Si(R4’)(R5’),および、P(O)(OR)からなる群より選択され、R、R3’、R3’’、R、R、R4’、R5’、およびRは請求項12に示すものであり、
、X、XおよびXの各々は同一でも異なっていてもよく、
請求項6に示すアリール基、
1個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキレン基、
2個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルケニレン基、および
1個ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキニレン基
から選択されるか、または
とXは共に、及び/又は、XとXは共に、下記の式(V)をもつ連結基を示してもよい。
【化7】

ここで、Xは請求項6に示すアリール基を表し、
e1,e2,f1、およびf2の各々は同一でも異なっていてもよく、0または1ないし3の整数であり、
g、q1、q2、q3およびq4の各々は同一でも異なっていてもよく、0、1または2であり、
h1、h2、j1、j2、j3、l1、l2、l3、l4、rおよびsは同一でも異なっていてもよく、0または1ないし4の整数であり、
i,k1,k2,o1およびo2の各々は同一でも異なっていてもよく、0または1ないし5の整数であり、
p1、p2、p3およびp4の各々は0または1である。
【請求項28】
繰返し単位(I)が、請求項8ないし10のいずれか1項に示す式(II)の繰返し単位であることを特徴とする請求項27に記載の半導体コポリマー。
【請求項29】
繰返し単位(I)が、請求項11ないし20のいずれかに示す式(III)の繰返し単位であることを特徴とする請求項27に記載の半導体コポリマー。
【請求項30】
繰返し単位D、DおよびDが、請求項27に式(VIII)、(IX)、(XIV)および(XV)の単位からなる群より選択されることを特徴とする請求項27ないし29のいずれか1項に記載の半導体コポリマー。
【請求項31】
請求項27ないし29のいずれか記載の半導体コポリマーであって、繰返し単位D、DまたはDは式(VIII)の単位であり、Z、ZおよびZはO,SおよびC(R)(R)からなる群より選択され、RおよびRは請求項12に示されるものであることを特徴とする半導体コポリマー。
【請求項32】
請求項27ないし29のいずれか記載の半導体コポリマーであって、繰返し単位D、DまたはDは式(VIII)の単位であり、e1およびe2の各々は0であり、Z、Z、またはZは、式C(R)(R)[RおよびRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、1個から10個の炭素原子を持つアルキル基、並びに請求項11に示すアリール基、請求項12に示すヘテロアリール基、フルオレニル基、およびスピロビフルオレニル基(前記アリール、ヘテロアリール、フルオレニル、およびスピロビフルオレニル基は、二置換アミノ基で置換され、その置換基は同一でも異なっていてもよく、各々請求項11に示すアリール基、請求項12に示すヘテロアリール基、フルオレニル基およびスピロビフルオレニル基からなる群より選択される)からなる群より選択される置換基で置換された、1個から10個の炭素原子を持つアルキル基からなる群より選択されることを特徴とする半導体コポリマー。
【請求項33】
請求項27ないし29のいずれか記載の半導体コポリマーであって、繰返し単位D、DまたはDが、下記式を有する式(XV)の単位であることを特徴とする半導体コポリマー。
【化8】

ここで、R34およびR35は同一でも異なっていてもよく、各々、請求項6に示すアルキル基である。
【請求項34】
前記コポリマーが式(VI)のスタティスティカルコポリマーであり、Dが請求項27、および30ないし32のいずれか1項で定義したものであり、x:yの比が10:90〜50:50であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項35】
前記コポリマーが式(VI)のスタティスティカルコポリマーであり、Dが請求項27および30ないし32のいずれか1項で定義したものであり、x:yの比が10:90〜45:55であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項36】
前記繰返し単位(I)が請求項28で定義したものであり、繰返し単位D、DおよびDが請求項30で定義したものであることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項37】
前記繰返し単位(I)が請求項29で定義したものであり、前記繰返し単位D、DおよびDが請求項31または33で定義したものであることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項38】
前記繰返し単位(I)が請求項29で定義したものであり、前記繰返し単位D、DおよびDが請求項32または33で定義したものであることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項39】
前記コポリマーが式(VI)のスタティスティカルコポリマーであり、繰返し単位(I)が請求項29で定義したものであり、前記繰返し単位D、DおよびDが請求項32または33で定義したものであり、x:yの比が10:90〜50:50であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項40】
前記コポリマーが式(VI)のスタティスティカルコポリマーであり、前記繰返し単位(I)が請求項29で定義したものであり、前記繰返し単位D、DおよびDが請求項32または33で定義したものであり、x:yの比が10:90〜45:55であることを特徴とする請求項24に記載の半導体コポリマー。
【請求項41】
基板と、前記基板によって支持された少なくとも1つの半導体コポリマーを具備し、前記半導体コポリマーが請求項23ないし40のいずれか1項に記載の半導体コポリマーであることを特徴とする光学デバイス。
【請求項42】
式Y−E−YおよびW−E−Wのモノマーから選択されることを特徴とするモノマー。
ここで、Eは、請求項1ないし20のいずれか1つに示す式(I)、(II)または(III)の繰返し単位であり、
Dは、請求項24、27および31ないし33のいずれか1つに示す式D、DまたはDを持つ繰返し単位であり、
およびYは、脱離基であり、
およびWは、ボロン酸基[B(OH)]、式B(OR35のボロネートエステル基(R35は、請求項6に示すアルキル基、および請求項11に示すアリール基からなる群より選択されるか、または2つのR35は共に2個ないし10個の炭素原子を持つ直鎖または枝分れ鎖のアルキレン基を示す)、および式B(OR36のボラン(R36は、請求項6に示すアルキル基、請求項11に示すアリール基、請求項11に示すアラルキル基からなる群より選択される)、からなる群より選択され、および
は3より大きい整数である。
【請求項43】
脱離基YおよびYが臭素またはヨウ素であることを特徴とする請求項42に記載のモノマー。
【請求項44】
置換基WおよびWが式B(OR35のボロネートエステル基であり、2つの基R35は共に2個ないし6個の炭素原子を持つアルキレン基を示すことを特徴とする請求項42に記載のモノマー。
【請求項45】
パラジウム(0)またはパラジウム(II)触媒および塩基の存在下で、xモルの式Y−F−Yのモノマー、yモルのW−F−W、およびzモルの式W−G−Wのモノマーを反応させて、
(ここで、YおよびYは、脱離基であり、
、W、W、およびWは、ボロン酸基[B(OH)]、式B(OR35のボロネートエステル基、および式B(OR36のボラン(R35およびR36は請求項42に示すものである)からなる群より選択され、
およびGはラジカルであって、その性質が重合時に得られる重合生成物中のFおよびGの基が共役するようなものであり、および
:(y+z)のモル比が1:1である)
下記の式(XVI)のランダムスタティスティカル共役ポリマーを与える(ここで、F、G、x、yおよびzは上記に示すものであり、(x+y):zのモル比が1より大きい)ことを特徴とするランダムスタティスティカル共役ポリマーの製造方法。
【化9】

【請求項46】
脱離基YおよびYが臭素またはヨウ素であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
置換基W、W、W、およびWは、各々、式B(OR35のボロネートエステル基を示し、各ボロネートエステル基中の2つのR35基は共に2個ないし6個の炭素原子を持つアルキレン基を示すことを特徴とする請求項45または46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−109374(P2010−109374A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−267580(P2009−267580)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【分割の表示】特願2002−531235(P2002−531235)の分割
【原出願日】平成13年9月26日(2001.9.26)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】