説明

はんだ付け検査方法、はんだ付け検査用の検査データ作成方法、およびはんだ付け検査装置

【課題】ティーチングを行わなくとも、個々の基板に適した検査用ウィンドウを設定し、標準検査データを用いた検査を行えるようにする。
【解決手段】はんだ付け検査機2には、各種部品について、ランドの数および相対位置関係を示す情報を含む標準検査データが登録される。また前工程の部品実装機1から検査対象基板の部品実装データ(各部品の位置および部品種を示すもの)と検査対象基板のはんだ付け前の画像の提供を受ける。つぎに、自装置での撮像により生成したはんだ付け後の基板の画像とはんだ付け前の基板の画像との差画像を生成し、この差画像と部品実装データおよび標準検査データを用いて、各部品に適合するはんだ付け部位を抽出する。さらにこの抽出結果に基づき、はんだ付け後の基板の画像の各はんだ付け部位に検査用ウィンドウを設定し、対応する部品種の標準検査データを用いた検査を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、はんだ付け工程を終了した後のプリント基板を対象に、各部品のはんだ付け状態を検査する方法、およびその検査のための検査データを作成する方法、ならびにはんだ付け検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装基板は、一般に、プリント配線板にクリームはんだを印刷する工程(はんだ印刷工程)、クリームはんだが塗布された位置に部品を搭載する工程(部品実装工程)、部品登載後の基板を加熱して部品を基板にはんだ付けする工程(はんだ付け工程)を順に実行することにより製作される。また、各工程の実行後には、それぞれ処理後の基板に不良が発生していないかどうかの検査を実行するのが一般的である。
【0003】
この種の検査のための代表的な検査機として、画像処理の技術を使用する外観検査装置がある。この外観検査装置には、検査に先立ち、検査対象部位の位置、検査用ウィンドウの設定データ(ウィンドウの位置や大きさなど)、検査対象部位を抽出するための2値化しきい値、抽出された検査対象部位の適否判定のための判定基準などが登録される(以下、これらのデータを「検査データ」と総称する。)。
【0004】
検査用ウィンドウの設定データは、検査の目的や検査対象部位に応じて異なるものになる。たとえば、部品実装工程後の検査では、部品の欠落や間違った部品が搭載されているのを検出するために、部品が実装される位置にその部品と同等の大きさの検査用ウィンドウを設定する。また、はんだ付け工程後の検査では、各ランド上に形成されたはんだフィレットの形状を検査するために、ランド単位の検査用ウィンドウを設定する。
【0005】
検査用ウィンドウの設定データを決定する従来の方法として、モデルの基板の画像を表示し、その表示画面に対する領域指定操作(マウスなどによるもの)を受け付け、指定された領域の位置や大きさを設定データとする方法がある。
このほか、基板のCADデータを利用する方法もある。たとえば、部品検査用のウィンドウの設定データを決める場合には、CADデータに登録されている部品の枠情報(部品の輪郭を表すもの)を用いてCADデータ上に自動的に検査用ウィンドウを貼り付け、そのウィンドウの位置や大きさを設定データとすることができる。
【0006】
さらに、部品種毎に標準的な検査データを登録した部品ライブラリとCADデータなどの基板の設計データとを組み合わせることにより、検査ウィンドウの設定データ以外の検査データも含めて自動作成することも可能である(特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】特許第2570239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザーの指定操作に応じて検査用ウィンドウの設定データを決定する方法には、作業量が膨大なものになり、時間や手間がかかるという問題があった。また、CADデータを用いて部品検査用のウィンドウの設定データを決定する方法でも、CADデータ中の部品の枠情報が必ずしも部品の大きさを正確に表していない場合があることから、貼り付けられたウィンドウの手直しが必要となり、ユーザーの設定作業を軽減するのは困難であった。
【0009】
また、特許文献1に記載の方法は、基板のCADデータ中の各部品の実装位置と部品ライブラリの標準検査データとを対応づけるものであるが、その対応づけの鍵が両者間で一致していないという問題がある。CADデータは、部品品番毎に個別のデータとして形成されており、実装される部品を具体的に特定できるのに対し、部品ライブラリでは、機能や形状が同様の部品が「バリエーション」と称されるグループに分類され、バリエーション単位でデータが登録されている。このため、CADデータに対応するバリエーションを特定するには、特許文献1のように両データを対応づけるテーブルが必要になり、処理が複雑化し、検査データを効率良く作成できないという問題が生じている。
【0010】
この発明は上記の問題点に着目してなされたもので、ティーチングを行わなくとも、個々の基板に適した検査用ウィンドウを設定して、標準検査データを用いた検査を行えるようにすることを、第1の目的とする。
【0011】
また、この発明では、ティーチングを行う場合にも、CADデータのような基板設計データを用いなくとも、各部品と標準検査データとを容易に対応づけて登録できるようにすることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明によるはんだ付け検査方法では、各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データを登録するステップと、検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを取得するステップとを、あらかじめ実行する。そして、検査対象の基板をはんだ付け前およびはんだ付け後にそれぞれ撮像し、各撮像により生成された画像間の差異に基づき前記基板上のはんだ付け部位の分布状態を表す差画像を生成し、実装部品データを取得した各部品について、それぞれ以下の処理を実行する。
【0013】
まず、対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、差画像中の処理対象部品に対応する領域から、標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出する。つぎに、抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれはんだ付け後の基板の画像の対応箇所に個別の検査用ウィンドウを設定し、各ウィンドウ内の画像を対象に、前記実装部品データが示す部品種の標準検査データを用いた検査を実行する。
【0014】
上記において、各種部品の標準検査データには、はんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報のほか、検査対象を抽出するための2値化しきい値、抽出された検査対象部位の適否判定のための判定基準などが含まれる。
実装部品データは、CADデータなどの基板設計データから作成することができるが、これに限らず、部品実装状態の検査装置から、部品検査用のウィンドウの設定位置およびこのウィンドウに対応する部品の部品種を表す情報を、実装部品データとして取得することもできる。
【0015】
上記方法によれば、検査対象の基板のはんだ付け前の画像およびはんだ付け後の画像を用いて、各はんだ付け部位の分布状態を示す差画像を生成し、この差画像を部品実装データおよび標準検査データに基づき処理することによって、部品毎に、実際のはんだ付け部位に対応する箇所に検査用ウィンドウを設定することができる。また、その他の検査データについては、標準検査データを使用することができるので、ランドの位置や大きさのばらつきに対応しながら、効率の良い検査を実行することができる。
【0016】
なお、はんだ印刷工程において、クリームはんだの印刷範囲がランドからずれたり、ランドからはみ出した状態になることがあるが、このような場合でも、はんだ付け工程において溶融したはんだの表面張力の作用によって、ランド外のはんだがランド内に引き戻されることがある。しかし、このような場合には、各画像間で差異が抽出される領域がランド以外の部分にまで拡張され、その差異に基づき抽出されたはんだ付け部位が実際の場所から位置ずれしたり、実際よりも大きくなる可能性がある。
【0017】
上記の問題に対応するには、標準検査データを用いた検査に先立ち、はんだ付け後の基板の画像から基板の地の色が現れた領域を抽出し、処理対象の部品の各はんだ付け部位に対する検査用ウィンドウを前記領域の抽出結果に基づき補正するのが望ましい。
ここで、「基板の地の色が現れた領域」とは、部品やランドが存在しない基板本体の表面に対応すると考えることができる。この領域は、はんだ付け後の基板の画像をあらかじめ設定したしきい値で2値化するなどして抽出することができる。ウィンドウの補正処理では、ウィンドウのうち、基板の地の色の領域に重なる部分を削除したり、ウィンドウの境界が基板の地の色の領域の境界に近づくようにウィンドウの幅を拡張することができる。このような補正処理により、はんだの印刷領域に不備がある場合でも、ランドに対応する範囲内に検査用ウィンドウを設定することが可能になり、検査用ウィンドウの設定条件を精度良く決定することが可能になる。
【0018】
この発明によるはんだ付け検査用の検査データの作成方法では、各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データを登録するステップと、検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを取得するステップとを、あらかじめ実行する。そして、特定の基板のはんだ付け後の画像およびはんだ付け前の画像を取得し、これらの画像間の差異に基づき特定の基板上のはんだ付け部位の分布状態を表す差画像を生成する。さらに、実装部品データを取得した各部品について、それぞれ以下の処理を実行する。
【0019】
まず、処理対象の部品に対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、差画像中の処理対象部品に対応する領域から、標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出する。つぎに、抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれその位置および大きさに基づき、はんだ付け検査用のウィンドウの設定データを個別に作成する。つぎに、作成された各設定データと前記実装部品データが示す部品種に対応する標準検査データとを組み合わせたものを、検査データとして登録する。
【0020】
上記の方法によれば、CADデータなどの基板設計データを使用せずに、実際の基板を撮像して得られた画像や、部品実装データおよび標準検査データを用いて、はんだ付け検査用の検査データを作成することができる。よって、検査データの作成に要する時間を大幅に削減することができる。
【0021】
この発明によるはんだ付け検査装置は、各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データが登録された記憶手段と、検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを入力するデータ入力手段と、検査対象のはんだ付け後基板の画像を入力する第1の画像入力手段と、前記はんだ付け後基板について、この基板をはんだ付け前に撮像して生成された画像を入力する第2の画像入力手段と、前記第1、第2の各画像入力手段が入力した画像間の差異に基づき、前記基板上のはんだ付け部位の分布状態を示す差画像を生成する差画像生成手段と、実装部品データに基づき、各部品の部品種に対応する標準検査データを記憶手段から読み出し、読み出された標準検査データおよび部品実装データならびに前記差画像を用いて、第1の画像入力手段が入力した画像に対する検査実行手段を具備する。
【0022】
上記の検査実行手段は、実装部品データが入力された各部品について、対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、差画像中の処理対象部品に対応する領域から、標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出するステップと、抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれ入力画像の対応箇所に個別の検査用ウィンドウを設定し、各ウィンドウ内の画像を対象に、実装部品データが示す部品種の標準検査データを用いた検査を実行するステップとを、それぞれ実行する。
【0023】
上記の構成において、第1の画像入力手段は、検査対象の基板を撮像する撮像手段から画像を取り込む手段(カメラ用インターフェース、A/D変換回路などを含む。)、所定の記憶媒体に格納された画像を読み出す手段、他の装置から伝送される画像データを受信する手段などとして構成することもできる。第2の画像入力手段も第1の画像入力手段と同様の構成を適用することができる。
【0024】
好ましい態様としては、第1の画像入力手段を撮像手段から画像を取り込む手段として構成する一方、第2の画像手段を、1つ前の工程終了後の基板を検査する検査装置(部品実装状態の検査装置)から、その装置での検査に使用した画像データの伝送を受ける手段として構成するのが良い。
【0025】
上記の検査装置では、検査対象の基板毎に、その基板のはんだ付け前およびはんだ付け後の画像を取得して、これらの画像からはんだ付け検査用のウィンドウを自動抽出する。そして前記第1の画像入力手段から入力したはんだ付け後の画像中の各部品に対し、それぞれはんだ付け部位毎に検査用ウィンドウを設定し、対応する部品種の標準検査データを用いた検査を実行することができる。さらに、この検査装置の第1、第2の画像入力手段に上記した好ましい態様を適用した場合には、検査対象の基板を受け付けた後、撮像手段からの画像を取り込むとともに、1つ前の工程の検査装置からの画像配信を受け、検査用ウィンドウを自動抽出した後に検査を実行することができる。
【0026】
さらに好ましい態様におけるはんだ付け検査装置では、検査実行手段に、標準検査データを用いた検査に先立ち、第1の画像入力手段から入力したはんだ付け後基板の画像から基板の地の色に対応する領域を抽出し、処理対象の部品の各はんだ付け部位に対する検査用ウィンドウを、前記領域の抽出結果に基づき補正する手段が含まれる。
【発明の効果】
【0027】
この発明の検査方法および検査装置によれば、ティーチング処理を行わなくとも、各部品の実際のはんだ付け部位に応じた検査用ウィンドウを設定し、対応する部品種の標準検査データを用いて効率良く検査を実行することができる。
【0028】
また、検査用データの設定方法によれば、検査用のCADデータのような基板設計データを用いなくとも、各部品のはんだ付け検査用のウィンドウの設定データと標準検査データとを容易に対応づけて、効率良く検査データを作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、部品検査機が有する主要な機能の一例を示す。
この部品検査機1は、部品実装工程を経てリフロー炉に導入される前の基板を検査対象として、部品の実装間違い、位置ずれ、回転ずれなど、部品実装状態の適否を検査するものである。
【0030】
上記の部品検査機1は、実装前基板画像入力部11、実装後基板画像入力部12、差画像生成部13、2値化処理部14、ノイズ除去部15、部品抽出部16、ウィンドウデータ作成部17、検査部18、および複数種の部品にかかる標準検査データが登録された部品ライブラリ19を有する。
【0031】
実装後基板画像とは、検査対象の基板、すなわち部品実装工程を経た基板の画像である。一方、実装前基板画像とは、前記検査対象の基板の部品実装前の画像、すなわちこの基板をクリームはんだ印刷後に撮像して得られた画像である。なお、実装前基板画像、実装後基板画像は、いずれもr,g,bの各色データを組み合わせたディジタルカラー画像である。また画像間における基板本体の位置や大きさの差はあらかじめ補正されているものとする。
【0032】
差画像生成部13は、前記実装前基板画像と実装後基板画像とを差分演算処理し、その演算結果から差画像を生成する。この差分演算では、画像間の対応する画素毎に、それぞれr,g,bの色データ毎の差を求め、その差を所定のしきい値と比較する。ここでは、いずれか1つでも色データの差が前記しきい値を上回った画素には、各色毎の差分データを反映させたデータ値を設定し、それ以外の画素のデータ値をゼロとした差画像を生成する。これにより、前記2つの画像間で色彩に大きな差異が生じた部分が差画像上に反映されるようになる。なお、上記の差分演算処理では、色データに代えて、明度、彩度、色相値などの差を画素毎に求めてもよい。
【0033】
2値化処理部14は、前記差画像生成部13により生成された差画像を所定のしきい値で2値化し、前記色彩の差異が生じた部分を黒、その他の部分を白とする白黒画像を生成する。なお、上記の白黒の設定は逆にしてもよい。
【0034】
ノイズ除去部15は、前記2値画像に対し、輪郭の平滑化や膨張・収縮処理などを実行して、差分演算処理時に生じたノイズを除去する。部品抽出部16は、ノイズ除去後の2値画像に輪郭追跡処理やラベリング処理を実行することにより、黒画素の領域を切り分けて抽出する。
【0035】
図2は、代表的な部品であるチップ部品を例にして、特定の部品にかかる実装前基板画像および実装後基板画像の例を示すとともに、これらの画像から生成される差画像および2値画像を示す。なお、実装前・実装後の各基板画像において、101は画像中のランドを、102はクリームはんだの印刷領域を、103は部品を、それぞれ示す(後記する図8においても同様である。)。また、差画像においては、色彩の変化が抽出された画素を所定の塗りつぶしパターンにより示す。
【0036】
実装前基板は、ランド上にクリームはんだが印刷されたものであり、実装後基板は、クリームはんだの上に部品が搭載されたものである。したがって、実装前基板画像と実装後基板画像との差分演算を実行すると、部品実装工程で付加された部品の画像103(部品本体の画像のほか電極部分の画像を含む。)に対応する領域103aで所定の色彩分布が抽出される。この領域103a内の各画素は、2値化により一律に黒画素に変換される。前記部品抽出部16は、この領域103aすなわち部品の画像を抽出していることになる。
【0037】
前記部品ライブラリ19では、同種の機能を有し、外観の差異が小さい部品を「バリエーション」と呼ばれるグループにまとめ、バリエーション毎に、部品やランドなどの大きさデータを含む標準検査データを登録している。また各バリエーションには、それぞれ「バリエーション名」と呼ばれる個別の識別情報が付与されている。
【0038】
前記部品抽出部16は、ノイズ除去後の2値画像に現れた黒画素領域の大きさを部品ライブラリ19内の各バリエーションの部品の大きさデータと順に比較することにより、黒画素領域に対応する部品のバリエーションを特定する。以下では、この部品に対応するバリエーションを特定する処理を「部品の特定処理」という。
【0039】
ウィンドウデータ作成部17は、部品抽出部16により特定された各部品について、検査用のウィンドウ(以下、「部品ウィンドウ」という。)の設定条件を示すデータ(以下、設定データ」という。)を作成する。この実施例では、部品に相当する黒画素領域103aに外接する矩形を設定し、この矩形の位置および大きさを表すデータ(たとえば、矩形の左上頂点および右下頂点の座標)を部品ウィンドウの設定データとしている。
【0040】
さらに、ウィンドウデータ作成部17は、前記部品ウィンドウの設定データに前記部品抽出部16による部品特定結果を示す情報(以下、「部品特定情報」という。この情報は特定された部品のバリエーション名を含むものとなる。)を対応づける。
【0041】
この実施例では、検査に先立ち、クリームはんだの印刷状態が良好であり、かつ部品の実装状態も良好な基板について、前記実装前基板画像および実装後基板画像を生成して上記一連の処理を実行し、部品毎に、部品ウィンドウの設定データと部品特定情報との組み合わせを得るようにしている。ここで作成されたデータの組み合わせは基板単位でファイル化され(以下、このファイルを「ウィンドウ設定用ファイル」という。)、登録用のメモリ(後記する図14のメモリ57)に登録される。
【0042】
検査時には、実装後基板画像入力部12から検査部18に、検査対象の画像が供給される。検査部18は、前記ウィンドウ設定用ファイルに格納された設定データに基づき、供給された実装後基板画像上に部品ウィンドウを設定する。さらに検査部18は、部品ライブラリ19から前記設定データに組み合わせられた部品特定情報に対応する標準データを読み出し、この標準検査データを用いた画像処理や検査を実行する。
【0043】
図3は、上記の部品検査機1におけるティーチングの手順を示す。この実施例のティーチングは、前記ウィンドウ設定用ファイルの作成を目的とするもので、処理に先立ち、クリームはんだの印刷状態が良好な特定の基板を撮像して実装前基板画像を生成した後、この基板に部品を実装し、その実装状態が適切であることを確認した上で2回目の撮像を行い、実装後基板画像を生成する。
【0044】
最初のST1(STは「ステップ」の略である。以下も同じ。)では、前記実装後基板画像を入力し、つぎのST2で、実装前基板画像を入力する。
つぎのST3では、前記ST1,2で入力した画像を用いて、前述した要領で差画像を生成する。ST4ではこの差画像を2値化し、さらにノイズ除去処理を実行する。ST5では、ノイズ除去後の2値画像に輪郭追跡処理やラベリング処理を実行し、各部品に対応する黒画素領域を抽出する。
【0045】
以下では、抽出した部品に順に着目して、部品毎にST6〜8のステップを実行する。まず、ST6では、着目中の部品の大きさデータとして前記黒画素領域の構成画素数を抽出し、これを部品ライブラリ19内の各バリエーションの大きさデータと比較する。ここで、大きさの差が所定の誤差範囲にあるバリエーションが見つかると、そのバリエーションを着目中の部品に該当するものとして特定する。なお、特定されたバリエーションのバリエーション名は、部品特定情報として図示しない作業メモリに保存される。
【0046】
部品が特定されると、つぎのST7では、前記黒画素領域に外接する矩形を設定した後に、この矩形の位置や大きさを部品ウィンドウの設定データとして抽出する。さらにST8では、前記設定データにST6で設定した部品特定情報を対応づける。
【0047】
以下も同様にして、部品毎に、その部品を特定するとともに、部品ウィンドウの設定データを作成し、これを部品特定情報と組み合わせる。
すべての部品に対する処理が終了すると、ST9が「YES」となってST10に進み、部品毎の組み合わせデータを前記ウィンドウ設定用ファイルとしてとりまとめ、これを登録用のメモリに格納する。
【0048】
なお、上記の手順において部品ウィンドウの設定データの精度を高めるには、複数枚の基板につき、それぞれ実装後基板画像と実装前基板画像とを作成した上で、前記ST3〜9の処理を基板毎に実行し、各基板毎に求められた設定データを平均化したものを最終の設定データとするのが望ましい。
【0049】
また、図3では、説明を簡単にするために、基板上のすべての部品について、差画像から変換された2値画像を用いて部品を特定するものとしたが、実際の部品には、大きさデータから部品を特定するのが困難な部品もある。このような部品については、あらかじめ、部品の位置を教示して前記ST6〜9の処理から除外しておくか、ST6において、ユーザーに部品種を入力させるようにするとよい。
【0050】
つぎに、上記のティーチングにより登録されたウィンドウ設定用ファイルを用いた検査について説明する。検査の際には、検査対象の基板に対応するウィンドウ設定用ファイルが読み出され、作業用メモリにセットされる。そして検査対象の基板毎に、つぎの図4に示す手順を実行することにより、部品の有無および実装状態の適否が検査される。
【0051】
図4において、最初のST11では、検査対象の基板の実装後基板画像が入力される。
つぎのST12では、前記作業メモリから部品ウィンドウの設定データと部品特定情報との最初の組み合わせを読み出す。ST13では、前記ST12で読み出した設定データに基づき、前記実装後基板画像上に部品ウィンドウを設定する。
【0052】
ST14では、前記部品ライブラリ19から部品特定情報に対応する標準検査データを読み出す。そして、続くST15では、ST12で設定した部品ウィンドウ内の画像を前記標準検査データを用いて処理することにより、部品の有無や実装状態の適否などを検査する。
なお、部品の有無を検査するための方法としては、前記部品ウィンドウを部品の幅方向に沿って走査しつつ、電極の色彩が現れる領域の有無を判別する方法が考えられる。また、実装状態の適否を判別する場合には、部品ウィンドウ内の画像を2値化するなどして部品を抽出し、その重心や主軸角を計測するなどの処理が行われる。
【0053】
上記ST12〜15の処理は、前記ウィンドウ設定用ファイル内にセットされたすべてのデータの組み合わせ毎に実行される。最後のデータの組み合わせに対する処理が終了すると、ST16が「YES」となってST17に進み、検査結果を出力する。これをもって、1枚の部品実装後基板に対する検査が終了する。
【0054】
上記の図3,4のティーチングや検査によれば、特定の基板の実装前基板画像と実装後基板画像とを用いて各部品の位置や大きさを抽出することにより、基板上の部品を特定するとともに各部品に対する部品ウィンドウの設定データを作成することができる。さらに検査では、設定データに基づいて部品ウィンドウを設定した後、この設定データに対応づけられた部品特定情報に基づき部品ライブラリ19から必要な標準検査データを読み出して検査を行うことが可能になる。よって、ユーザーによる領域指定を行ったり、CADデータから自動抽出したウィンドウを補正するなどの煩雑な処理が不要になり、部品ウィンドウの設定データを簡単かつ精度良く作成することができる。
【0055】
なお、上記図3の例では、実装後基板画像および実装前基板画像とも、良好な品質のものを使用することを前提として、部品ウィンドウの設定データを作成するようにしたが、これに限らず、少なくとも実装前基板のはんだ印刷状態が良好であれば、実装後基板画像の部品に多少の位置ずれが生じても対応することができる。
【0056】
図5は、部品実装後基板の部品の実装位置がずれた場合の対応例を示す。この実施例では、前記部品実装後画像と部品実装前画像との差画像を用いて部品ウィンドウW1を設定した後、このウィンドウW1の位置を、クリームはんだの印刷領域(以下、「はんだ領域」という。)に基づいて補正するようにしたものである、
【0057】
この図5において、W1はチップ部品の部品ウィンドウであり、Oはこの部品ウィンドウW1の中心点である。また、点線の矩形領域104,105は、両サイドのランドに対応するはんだ領域である。これらの領域104,105は、前記部品前実装基板画像をクリームはんだに適した色彩により2値化することにより抽出されたものである。
【0058】
この実施例では、はんだ領域104,105毎に中心点c,cを求めた後、これらの中心点c,c間の中点Oを求め、この中点Oに対する前記中心点Oの距離D1を抽出している。また部品ウィンドウW1の端縁とこれに対応するはんだ領域104,105の端縁との距離D2を抽出し、これらの距離D1,D2をそれぞれ所定のしきい値と比較している。ここで、距離D1,D2のいずれかがしきい値を上回った場合には、これがしきい値以内になるように、部品ウィンドウW1の位置を補正する。図3の場合には、距離D1が所定値以内になるように、矢印Fの方向に部品ウィンドウW1を移動させるのが望ましい。
【0059】
この実施例のように、実際の基板の画像から部品を抽出し、その抽出結果に基づき部品ウィンドウW1を設定する場合には、部品が位置ずれすると、部品ウィンドウW1も適切な場所に定められなくなる。しかし、図5に示した補正処理によれば、はんだ領域を基準として部品が適切に実装されている範囲に部品ウィンドウWの位置を修正することができるから、部品ウィンドウW1の位置が適切になるように補正することができる。
【0060】
なお、図5の例では、部品ウィンドウW1およびはんだ領域104,105の端縁間の距離として、上端縁間の距離D2のみを示しているが、実際には下端縁間の距離も計測し、上下の距離をそれぞれしきい値と比較するのが望ましい。また、上下方向のみならず、左右方向についても同様に、はんだ領域104,105を基準にして部品ウィンドウW1の位置を修正するのが望ましい。
【0061】
さらに、上記図5の処理を導入すれば、部品の欠落や大幅な位置ずれを考慮する必要がない場合には、部品ウィンドウの設定データを登録せずに、基板毎に部品ウィンドウの設定処理を行い、各部品ウィンドウにおいて前記標準検査データを適用した検査を実行することもできる。図6は、この場合の検査の手順を示すものである。なお、この手順はST21から開始されるものとする。
【0062】
この手順では、最初のST21で実装後基板画像を入力した後に、つぎのST22で実装前基板画像を入力する。
なお、ST21では、後記するカメラ51からの画像を入力し、ST22では、他の検査機から送信された画像を入力することができる。ただし、これに限らず、各ステップとも、あらかじめ生成して保存されていた画像を入力するようにしてもよい。
【0063】
ST23〜25では、前記図3のST3〜5と同様の処理を行うことにより、各部品に対応する黒画素領域を抽出する。
この後は、抽出した部品に順に着目して、部品毎にST26〜30のステップを実行する。まず、ST26では、着目中の部品にかかる黒画素領域の構成画素数を部品ライブラリ19内の各部品の大きさデータと比較することにより、部品を特定する。
【0064】
つぎのST27では、前記黒画素領域に外接する矩形を設定する方法により、部品ウィンドウの設定データを作成する。なお、この設定データは、前記ティーチング処理の場合と同様に、ST26の部品特定結果を示す情報(部品特定情報)と組み合わせられて、作業用メモリに保存される。
【0065】
つぎのST28では、前記実装前基板画像の前記黒画素領域を含むように所定大きさの領域を設定し、その領域内の画像を2値化することにより、図5に示したはんだ領域104,105を抽出する。ST29では、前記ST27で設定した部品ウィンドウがはんだ領域に対して適切な位置にあるかどうかを判別する。この判別処理は、作業メモリ内の仮想の2次元座標系に前記部品ウィンドウやはんだ領域を設定し、前記図5に示した距離D1,D2などを判別する方法で行われる。ここで、部品ウィンドウの位置が適切でないと判断すると、ST30に進み、位置関係が適切になるように部品ウィンドウの設定位置を補正する。
【0066】
抽出されたすべての部品について、ST26〜30の処理が実行されると、ST31が「YES」となる。以下のST32〜36では、再度、各部品に順に着目しながら、部品毎に検査を実行し、その検査結果を出力する。なお、このST32〜36の処理は、前記図4のST13〜17と同様のものであるので、詳細な説明は省略する。
【0067】
上記の検査手順によれば、基板毎に、その基板上の実際の部品を含むように部品ウィンドウを設定することができる。また、前記図5に示した方法を用いて部品ウィンドウの位置を補正しているので、部品に位置ずれが生じている場合でも、部品ウィンドウを本来あるべき位置に補正して部品の位置が不適当であることを検出することができ、検査の精度を確保することができる。
なお、上記図6の手順では、基板上の各部品の特定処理と部品ウィンドウの設定処理とを完了した後に、各部品の検査を実行しているが、これに限らず、部品の特定処理、部品ウィンドウの設定処理、および検査を、部品毎に順に実行するようにしてもよい。
【0068】
図7は、この発明の他の実施例であるはんだ付け検査機の機能を示す。
このはんだ付け検査機2は、リフロー炉ではんだ付けがなされた基板を対象として、各部品のはんだ付けの適否を検査するもので、実装部品データ入力部20、実装後基板画像入力部21、リフロー後基板画像入力部22、差画像生成部23、2値化処理部24、ノイズ除去部25、ランド抽出部26、ウィンドウデータ作成部27、検査部28、部品ライブラリ29などを具備する。
【0069】
リフロー後基板画像とは、この基板検査装置が検査対象とする基板、すなわちリフロー炉ではんだ付けされた基板の画像である。なお、この実施例では、リフロー後基板の撮像において、赤、緑、青の三原色の光源が基板に対してそれぞれ異なる角度をもって配置された照明装置(下記の特許文献2参照。)を使用して、画像上のはんだの部分にその勾配の変化を反映した色彩分布が生じるようにしている。
【0070】
【特許文献2】特公平6−1173号公報
【0071】
実装後基板画像は、この検査対象の基板のリフロー炉に投入される前の画像である。なお、この実装後基板画像として、前記した部品検査機1が検査対象として入力した画像を転用することができる。
【0072】
実装部品データとは、検査対象の基板上の各部品について、前記部品検査機1で特定された部品位置や部品種を示すデータである。部品位置は、具体的には前記部品ウィンドウの設定データにより表され、部品種は、前記部品特定情報、すなわち部品ライブラリ19,29に共通するバリエーション名で表される。ここで入力された実装部品データは、ランド抽出部26や検査部27に提供される。
【0073】
差画像生成部23、2値化処理部24、ノイズ除去部25は、それぞれ前記部品検査機1の同じ名称の処理部13,14,15と同様の処理を実行する。
【0074】
この実施例のはんだ付け検査機2では、検査対象の基板のリフロー後基板画像と実装後基板画像とを入力し、これらの画像からはんだ付け状態の検査用のウィンドウ(以下、「ランドウィンドウ」という。)を自動抽出して、検査を行うようにしている。
図8は、特定の部品にかかる実装後基板画像およびリフロー後基板画像の例と、これらの画像から生成される差画像および2値画像を、それぞれ示す。なお、この例の差画像では、色彩の変化の態様が複雑であるため、便宜上、変化が抽出された部分を一種類のパターンで示す。
【0075】
基板がリフロー炉で加熱処理されると、ランド上のクリームはんだは溶融・固化し、その表面は鏡面状に変化する。前記した照明装置による照明下でこのはんだを撮像すると、ランドに対応する領域に赤、緑、青の各色彩が傾斜状態に応じて分布した画像106が生成される。
【0076】
実装後基板画像とリフロー後基板画像との差画像では、上記のはんだの変化に伴う色彩の変化が抽出される。すなわち、部品が搭載されていないランドの外縁部分に対応する領域101aが抽出される。この領域101a内の画素は2値化により一律に黒画素に変換される。
【0077】
前記ランド抽出部26は、前記実装部品データの示す部品位置、および部品ライブラリ19から読み出したランド情報(ランドの数や位置を表すもの)に基づき、前記ノイズ除去後の2値画像から各部品のランドに対応する黒画素領域を抽出する。ウィンドウデータ作成部27は、前記ランドウィンドウとして、前記黒画素領域に外接する矩形状のウィンドウを設定し、その設定データ(ウィンドウの位置および大きさを示すもの)を検査部28に提供する。
【0078】
検査部28は、前記ウィンドウデータ作成部27から渡された設定データに基づき、前記リフロー後基板画像に部品毎にランドウィンドウを設定する。また、この検査部28は、前記実装部品データ中の部品特定情報に基づき、各部品に対応する標準検査データを読み出し、その内容に応じて前記ランドウィンドウ内の画像を処理しつつ、はんだ付け状態の適否を検査する。
【0079】
上記のリフロー後基板画像と実装後基板画像との間に生じた差異からランドウィンドウを設定する方法は、クリームはんだがランド上に適切に塗布されており、溶融後のはんだもランドの範囲にとどまっていることを前提とする。しかし、ランドの形成位置や大きさには微小なばらつきがあり、またクリームはんだの塗布量にもばらつきがあるから、クリームはんだがランドからはみ出したり、位置ずれすることがある。このような場合には、差分演算および2値化により抽出された黒画素領域がランドに適合しなくなり、はんだの位置や大きさを正しく判別できない可能性がある。
【0080】
上記の点に鑑み、この実施例では、ウィンドウデータ作成部27に、黒画素領域に基づいて設定したランドウィンドウの大きさを調整する機能を持たせている。この調整は、前記リフロー後基板画像から基板の地の色を有する画素(以下、「背景画素」という。)を抽出し、その抽出結果を用いてランドウィンドウの境界を変更する方法により行われる。
【0081】
図9は、ランドウィンドウの調整処理の具体例を示す。
図9(1)の実装後基板画像では、クリームはんだ102がランド101に対して位置ずれしており、図9(2)の実装後基板画像では、クリームはんだ102の量が多く、ランド101が完全に覆われた状態になっている。しかし、いずれの例でも、リフロー後基板画像上のはんだ106は、ランド101の形成範囲内に収まっている。これは、リフロー工程ではんだが溶融した際の表面張力の作用によって、ランド外のはんだが適切な範囲に引き戻されたことによるものである。
【0082】
しかしながら、このような状態の実装後基板画像とリフロー後基板画像とを用いて差分演算や2値化処理を実行すると、ランドの外側でも黒画素が抽出され、図9(1)の例のように、ランドウィンドウW2の位置がずれたり、図9(2)の例のように、ランドウィンドウW2の大きさが通常よりも大きく設定されることになる。
【0083】
ウィンドウデータ作成部27は、前記リフロー後基板画像を前記基板の地の色に応じたしきい値で2値化することにより、背景画素を抽出する。そして、設定したランドウィンドウW2から背景画素に対応する画素を削除することにより、ランドウィンドウW2の境界がランド101の境界に合うように調整する。さらに、図9(1)の例のように、ランドウィンドウW2の位置ずれにより、ウィンドウW2の一部の境界(図9(1)ではウィンドウW2の下縁部)と背景画素の領域との間に所定の距離δが生じた場合には、その距離δを縮める方向にランドウィンドウの幅を拡張するのが望ましい。
【0084】
上記のような調整によれば、ランドウィンドウW2を実際のランドに対応するように設定することができる。なお、差分演算処理では部品103に隠されたはんだ部分まで抽出することができないため、ランドウィンドウW2の部品側の境界は不正確になる。しかし、はんだ付けの検査では、主として部品本体よりも外側の検査しか行わないので、検査に大きな影響が生じることはない。
【0085】
図10は、上記のはんだ付け検査機が1枚のリフロー後基板を検査する場合の処理の流れを示す。なお、この処理では、最初のステップをST41とする。
【0086】
この図10の手順は、検査対象の基板種にかかる実装部品データが入力された後に開始される。まず、ST41では、検査対象のリフロー後基板画像を入力し、つぎのST42で、実装後基板画像を入力する。なお、リフロー後基板画像は自装置のカメラ51から入力することができ、実装部品データおよび実装後基板画像は、前記した部品検査機1から伝送することができる。
【0087】
ST43では、前記ST41,42で入力した画像を用いて差画像を生成する。ST44では、この差画像を2値化し、さらにノイズ除去処理を実行する。以下のST45〜49では、前記実装部品データに基づき、各部品に順に着目しながら、ランドウィンドウの設定データの作成およびそのサイズの調整処理を実行する。
【0088】
まず、ST45では、着目中の部品の実装部品データから部品位置や部品種を認識する。そして、前記部品位置に基づき、前記2値画像上に所定大きさのサーチ領域を設定し、そのサーチ領域においてランドに対応する黒画素領域を抽出する。なお、この抽出処理では、前記部品種に基づき部品ライブラリ29を検索して抽出すべきランドの数や各ランドと部品との相対位置関係を認識し、その数や位置関係に適合する所定数の黒画素領域を前記部品種に対応する部品のランドとして抽出する。
【0089】
つぎのST46では、抽出した黒画素領域毎にランドウィンドウの設定データを作成する。この場合にも、前記部品ウィンドウの設定データと同様に、黒画素領域に外接するウィンドウを設定し、そのウィンドウの位置や大きさを部品のラベルに対応づけたデータを作成する。
【0090】
ST47では、前記ランドウィンドウの大きさや部品ウィンドウに対する相対位置を前記標準検査データのランドにかかるデータと比較し、大幅な位置ずれや大きさの違いがないかどうかを判別する。ここで、設定したランドウィンドウの位置や大きさが適切でないと判断すると、ST48に進み、前記リフロー後基板画像を2値化して背景画素を抽出する。続くST49では、前記図9に示した要領で、前記背景画素の抽出結果に基づいてランドウィンドウの大きさを調整する。
【0091】
基板上のすべての部品について、ST45〜49の処理が実行されると、再び各部品に順に着目しながら検査のための手順を実行する。まず、ST51では、着目部品の設定データに基づき、リフロー後基板画像上にランドウィンドウを設定する。つぎにST52では、前記部品ライブラリ29から着目部品に対応する標準検査データを読み出す。ST53では、この標準検査データに基づき、ランドウィンドウ内の画像データを処理したり、その処理結果を判別することにより、はんだ付け状態を検査する。
【0092】
すべての部品について上記ST51〜53の処理が終了すると、ST54が「YES」となってST55に進み、検査結果を出力し、前記リフロー後基板に対する処理を終了する。
【0093】
なお、上記の実施例では、部品検査機1から基板毎に実装部品データの提供を受けているが、これに限らず、前記図3の実施例のように、部品検査機1でウィンドウ設定用ファイルを作成して登録する場合には、そのファイル内のウィンドウの設定データや部品特定情報を実装部品データとして使用することができる。この場合のはんだ付け検査機2では、検査に先立ち、部品検査機1からウィンドウ設定用ファイルの送信を受け、受信したファイルをメモリに登録した上で検査を開始することになる。
【0094】
上記した部品検査機1やはんだ付け検査機2によれば、実際の検査対象の基板の画像を処理することによって、実際の部品やランドに対応するように検査用ウィンドウを設定することができる。よって、部品やランドの位置や大きさにばらつきが生じても、検査用ウィンドウを適切に設定することができ、被検査部位である部品やはんだ付け部を精度良く検査することができる。
【0095】
つぎに、ここまでに示した実施例では、差画像を用いて自装置で使用する検査用ウィンドウの設定データを作成したが、これに限らず、他の検査機で使用する検査用ウィンドウの設定データを作成することもできる。
図11および図12は、リード部品を検査対象とする場合に、リフロー後の各リードのはんだ付け状態を検査する際のランドウィンドウの設定データを部品検査機で作成する場合の例を示す。リード部品のはんだ付け状態を検査するには、リード毎にランドウィンドウを設定する必要がある。この実施例では、リードは部品実装後に初めて画像上に現れる構成である点に着目し、はんだ付け検査機2でなく、部品検査機1でランドウィンドウの設定データを作成するようにしている。
【0096】
図11の実装後基板画像において、104は部品本体の画像を、105はリードを、それぞれ示す。また106は1つのリードに対応するランドであり、107は前記ランド106上のクリームはんだである。
この実施例でも、前記図2の例と同様に、実装前基板画像と実装後基板画像との差画像を作成した後に2値化を行って、リードを含む部品全体の画像領域104aを抽出する(図11参照)。
さらにこの実施例では、図12に示すように、前記画像領域104aから各リードの先端エッジを構成する点P0〜P9(以下、これらを「先端エッジ点」という。)を抽出する。そして、この先端エッジ点P0〜P9を基準に、当該先端エッジ点を含む所定範囲に矩形領域W30〜W39を設定し、これらをそれぞれランドウィンドウとする。これらのランドウィンドウW30〜W39の設定データは、はんだ付け検査機2に送信され、前記リード部品のはんだ付け検査の際に使用される。なお、先端エッジ点P0〜P9は、画像の投影処理、パターンマッチングなどの公知の画像処理を用いて抽出することができる。
【0097】
つぎに、前記した検査機1,2の具体的な使用例について説明する。
図13は、部品実装基板の製造および検査を自動化した基板製造ラインの例を示す。この基板製造ラインには、プリント配線板へのクリームはんだの印刷を行うためのはんだ印刷機201、はんだ印刷後の基板に部品を実装するためのマウンタ202、部品実装後の基板を加熱処理するリフロー炉203の各装置が配備される。また、はんだ印刷機201とマウンタ202との間には、はんだ印刷検査機3が、マウンタ202とリフロー炉203との間には部品検査機1が、リフロー炉203の下流には、はんだ付け検査機2が、それぞれ配備される。これらの装置間には、基板搬送用のコンベアが配備されており、各装置に基板が順に送られて処理される。また、各検査機1,2,3は、LAN回線などのネットワーク回線4を介して接続され、相互に通信可能な状態に設定される。
【0098】
各検査機1,2,3は、いずれも、カラー画像生成用のCCDカメラ51やXYの2軸に対する駆動機構を含む基板ステージ53(いずれも、図14に示す。)などを具備する。また、各検査機1,2,3とも、カメラ51の近傍に基板照明用の照明装置(図示せず。)が配備される。特に前記はんだ付け検査機2には、前記した3原色の光源を有する照明装置が導入される。
【0099】
部品検査機1およびはんだ付け検査機2には、それぞれ図1,7に示した機能が設定されており、検査対象の基板を撮像して検査対象画像を生成するとともに、この基板について、1つ前の工程の検査機(部品検査機1でははんだ印刷検査機3、はんだ付け検査機2では部品検査機1)から、その検査機で検査時に生成した画像データの提供を受ける。そして、提供された画像と自装置で生成した画像とを用いて、前述した要領で検査用ウィンドウの設定データを作成するとともに、部品ライブラリ19,29から各部品に対応する標準検査データを読み出して、検査を実行する。また、部品検査機1は、検査を終了した基板について、その基板上の各部品につき設定した部品ウィンドウの設定データや部品特定情報を、前記実装部品データとしてはんだ付け検査機2に提供することができる。また前記図11,12に示した例のように、特定の部品についてランドウィンドウの設定データを作成し、これをはんだ付け検査機2に提供することもできる。
【0100】
はんだ印刷検査機3は、従来と同様の構成のもので、あらかじめ基板種毎に作成された基準検査データを用いて、検査対象の基板の画像を処理して、各ランドにおけるはんだ付け状態の適否を判別する。さらに、このはんだ印刷検査機3では、検査に使用した画像を部品検査機1に提供できるように、順にメモリに蓄積する。
【0101】
なお、部品検査機1やはんだ付け検査機2が前工程の検査機から画像提供を受けるには、この検査機に対し、自装置で処理中の基板の識別情報を含む画像送信要求を行う必要がある。この場合に、バーコードや2次元コードに加工した識別情報を個々の基板にマーキングして良いが、製造途中で基板の抜き取りが行われることがない場合には、各検査機1,2,3で搬入された基板に連続番号を付与し、その番号を基板の識別情報として使用するようにしてもよい。
【0102】
図14は、上記各検査機1,2,3に共通する構成を示す。
この検査機は、コンピュータから成る制御部50に、画像入力部52、XYステージ制御部54、入力部55、モニタ56、メモリ57、通信インターフェース58などが接続されたものである。なお、制御部50には、CPUのほか、基本的なプログラムが格納されたROMや作業用メモリであるRAMが含まれる。一方、メモリ57は、大容量のハードディスク装置であって、検査にかかるプログラム、部品ライブラリなどが格納される。また、検査に使用した画像データや検査結果なども、このメモリ57内に蓄積される。
【0103】
画像入力部52は、前記カメラ51と制御部50との間に介装されるもので、画像入力用のインターフェース回路やA/D変換回路を含む。XYステージ制御部54は、制御部50からの指示に応じて、前記カメラ51の撮像領域に被検査部位が含まれるように前記基板ステージ53を移動させる。入力部55は、キーボードやマウスなどであって、検査やティーチングの動作モードを選択したり、検査開始時に検査対象の基板の種類を入力するなどの目的に使用される。モニタ56は、データ入力時のユーザーインターフェースの提示や検査対象の画像や検査結果を表示するために用いられる。
【0104】
部品検査機1やはんだ付け検査機2では、前記入力部55を用いて、あらかじめウィンドウ設定用ファイルを作成して登録するか否かを選択することができる。また、ウィンドウ設定用ファイルを登録せずに、検査対象の画像と1つ前の工程の検査機から提供された画像とを用いて自動検査を行う場合には、検査用ウィンドウの補正を行うかどうかの選択や、ウィンドウの自動設定処理から除外する部品を指定する操作を行うことができる。このような構成により、検査対象の基板における部品やランドのばらつき度合や、ユーザー側の目的などに応じて、検査機1,2の仕様を変更することができ、利便性の高い検査機を提供することができる。
【0105】
つぎに、上記の検査機1,2では、検査用ウィンドウの設定データ以外の検査データについては、部品ライブラリの標準検査データを転用するので、あらかじめ検査データを作成する必要なしに検査を実行することができる。ただし、これに代えて、従来と同様のティーチング処理により各部品の基準の検査データ(部品の実装位置、検査用プログラムへのリンクデータ、判定基準値、その他検査に必要なすべての情報を組み合わせたもの)を作成してもよい。この場合にも、部品ライブラリを用いて基準検査データを作成するようにすれば、前記検査時と同様の方法で検査用ウィンドウの設定データを作成し、これに該当する標準検査データを対応づけることができる。
【0106】
図15は、部品検査用の基準検査データを作成する場合の処理の手順を示す。この処理では、あらかじめ、クリームはんだの印刷状態が良好な特定の基板を撮像して実装前基板画像を生成する。さらに、この基板に部品を実装し、その実装状態が適切であることを確認した上で2回目の撮像を行い、実装後基板画像を撮像する。なお、この図の処理では、最初のステップをST61とする。
【0107】
まずST61〜65では、前記図3のST1〜5と同様の処理を実行することにより、基板上の各部品を抽出する。この後、各部品に順に着目しながら、着目部品の検査データを作成する。
【0108】
ST66では、前記図3のST6と同様にして、着目部品の大きさを部品ライブラリ19内の各バリエーションの大きさデータと比較することにより、部品を特定する。ST67では、特定された部品について、前記図3のST7と同様の方法で部品ウィンドウの設定データを作成する。
【0109】
つぎのST68では、部品ライブラリ19から前記ST66で特定した部品の標準検査データを読み出す。そして、ST69において、読み出したデータを標準検査データと対応づけることにより、着目部品に応じた検査データを設定する。
【0110】
以下も同様にして、部品毎に、実際の基板の画像から作成した部品ウィンドウの設定データと標準検査データとを組み合わせて、検査データを作成する。作成された検査データは作業用メモリに一時保存される。
すべての部品に対する処理が終了すると、ST70が「YES」となってST71に進む。ST71では、前記一時保存された各部品の検査データをとりまとめた検査データファイルを作成し、これを前記メモリ57内に登録し、処理を終了する。
【0111】
なお、上記基準検査データの作成のうち、特に部品ウィンドウの設定データの作成については、複数枚の基板を用いてそれぞれデータを作成し、各データを平均化したものを最終の設定データとするのが望ましい。
【0112】
上記の検査データの作成処理によれば、実装前基板画像と実装後基板画像とを用いて各部品の位置や大きさを簡単に抽出できる上、各部品をその大きさに基づき特定することで、部品ライブラリの標準データを対応づけることができる。よって、従来のCADデータを使用する方法のように、部品と標準データとの対応づけに手間取ることがなく、検査データを効率良く作成することができる。ただし、大きさデータからの特定が困難な部品については、ユーザーに部品の種類を選択させるなど、個別に対応するのが望ましい。
【0113】
なお、はんだ付け検査用の検査データについても、図10のST41〜46と同様の手順でランドウィンドウの設定データを作成した後、この設定データと部品に対応する標準検査データとを組み合わせて、はんだ付け検査用の基準検査データを作成することができる。また、部品実装検査、はんだ付け検査のいずれについても、パーソナルコンピュータなど検査機以外の装置で検査データを作成し、これを前記図1,7に示した検査機1,2に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】部品検査機の機能ブロック図である。
【図2】特定の部品の実装前基板画像と実装後基板画像から差画像および2値画像を生成した例を示す説明図である。
【図3】ウィンドウ設定用ファイルの作成のためのティーチング処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】部品検査の手順を示すフローチャートである。
【図5】部品ウィンドウの補正方法を示す説明図である。
【図6】部品検査の他の手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明にかかるはんだ付け検査機の機能ブロック図である。
【図8】特定の部品の実装後基板画像とリフロー後基板画像から差画像および2値画像を生成した例を示す説明図である。
【図9】ランドウィンドウの補正方法を示す説明図である。
【図10】はんだ付け検査の手順を示すフローチャートである。
【図11】部品実装検査機においてランドウィンドウの設定データを作成する方法を示す説明図である。
【図12】部品実装検査機においてランドウィンドウの設定データを作成する方法を示す説明図である。
【図13】基板製造ラインの具体例を示す説明図である。
【図14】図13の検査機に共通する構成を示すブロック図である。
【図15】部品検査用の基準検査データの作成手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
1 部品検査機
2 はんだ付け検査機
11 実装前基板画像入力部
12 実装後基板画像入力部
13,23 差画像生成部
14,24 2値化処理部
16 部品抽出部
17,27 ウィンドウデータ作成部
18,28 検査部
19,29 部品ライブラリ
20 実装部品データ入力部
21 実装後基板画像入力部
22 リフロー後基板画像入力部
50 制御部
51 カメラ
58 通信インターフェース
W1 部品ウィンドウ
W2,W30〜39 ランドウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のはんだ付け状態を検査する方法において、
各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データを登録するステップと、検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを取得するステップとを、あらかじめ実行し、
検査対象の基板をはんだ付け前およびはんだ付け後にそれぞれ撮像し、各撮像により生成された画像間の差異に基づき前記基板上のはんだ付け部位の分布状態を表す差画像を生成し、
前記実装部品データを取得した各部品について、
対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、前記差画像中の処理対象部品に対応する領域から、前記標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出するステップと、
抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれ前記はんだ付け後の画像の対応箇所に個別の検査用ウィンドウを設定し、各ウィンドウ内の画像を対象に、前記実装部品データが示す部品種の標準検査データを用いた検査を実行するステップとを、
それぞれ実行する、ことを特徴とするはんだ付け検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載された方法において、
前記標準検査データを用いた検査に先立ち、前記はんだ付け後の基板の画像から基板の地の色が現れた領域を抽出し、処理対象の部品のはんだ付け部位に対する検査用ウィンドウを前記領域の抽出結果に基づき補正する、はんだ付け検査方法。
【請求項3】
基板上のはんだ付け状態を検査するための検査データを作成する方法であって、
各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データを登録するステップと、検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを取得するステップとを、あらかじめ実行し、
特定の基板のはんだ付け後の画像およびはんだ付け前の画像を取得し、これらの画像間の差異に基づき前記特定の基板上のはんだ付け部位の分布状態を表す差画像を生成し、
前記実装部品データを取得した各部品について、
対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、前記差画像中の処理対象部品に対応する領域から、前記標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出するステップと、
抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれその位置および大きさに基づき、はんだ付け検査用のウィンドウの設定データを個別に作成するステップと、
作成された各設定データと前記実装部品データが示す部品種に対応する標準検査データとを組み合わせたものを、検査データとして登録するステップとを、
それぞれ実行する、ことを特徴とするはんだ付け検査用の検査データ作成方法。
【請求項4】
基板上の各部品のはんだ付け状態を検査する装置であって、
各種部品についてそれぞれはんだ付け部位の数および各はんだ付け部位の相対位置関係を示す情報を含む標準検査データが登録された記憶手段と、
検査対象の基板上の各部品の位置および部品種を示す実装部品データを入力する実装部品データ入力手段と、
検査対象のはんだ付け後基板の画像を入力する第1の画像入力手段と、
前記はんだ付け後基板について、この基板をはんだ付け前に撮像して生成された画像を入力する第2の画像入力手段と、
前記第1、第2の各画像入力手段が入力した2つの画像間の差異に基づき、前記基板上のはんだ付け部位の分布状態を示す差画像を生成する差画像生成手段と、
前記実装部品データに基づき、各部品の部品種に対応する標準検査データを前記記憶手段から読み出し、読み出された標準検査データおよび部品実装データならびに前記前記差画像を用いて、前記第1の画像入力手段が入力した画像に対する検査を実行する検査実行手段とを備え、
前記検査実行手段は、前記実装部品データが入力された各部品について、
対応する実装部品データが示す部品の位置、および当該実装部品データが示す部品種の標準検査データに基づき、前記差画像中の処理対象部品に対応する領域から、前記標準検査データが示す数および相対位置関係に適合するはんだ付け部位を抽出するステップと、
抽出された各はんだ付け部位につき、それぞれ前記入力画像の対応箇所に個別の検査用ウィンドウを設定し、各ウィンドウ内の画像を対象に、前記実装部品データが示す部品種の標準検査データを用いた検査を実行するステップとを、それぞれ実行する、はんだ付け検査装置。
【請求項5】
前記検査実行手段には、前記標準検査データを用いた検査に先立ち、前記第1の画像入力手段が入力したはんだ付け後基板の画像から基板の地の色が現れた領域を抽出し、処理対象の部品のはんだ付け部位に対する検査用ウィンドウを前記領域の抽出結果に基づき補正する手段が含まれている、請求項4に記載されたはんだ付け検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−175831(P2008−175831A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87041(P2008−87041)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【分割の表示】特願2005−203886(P2005−203886)の分割
【原出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】