説明

もずくエキス入り健康食品飲料

【課題】
味が良く、飲み易いものであると共に、体内で吸収し易いもずくエキス入りの健康食品飲料を提供する。
【解決手段】
もずくを主成分とし、これにもろみ酢及び黒糖及び適宜の飲料水を加えて混ぜ合わせ、攪拌加熱処理すると同時に、これを静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加し、静電誘導作用により上記の溶液の分子を微細化し、その後殺菌処理して成る、健康食品飲料とした。もずくのエキス、即ちフコイダンを抽出するに際し、静電誘導反応装置を用いて交流高圧電界による静電誘導作用に加えて、電磁気的な交流磁場を同時にもろみ酢、及びもずくに作用させ、電子、原子、分子レベルでの作用を通じて、フコイダンを体内吸収し易い分子量にした。上記飲料水に代えて、後述の静電誘導水を用いても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、もずくの有効成分であるフコイダンを豊富に含み、体内に吸収し易い健康食品飲料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
もずくの有効成分であるフコイダンは、もずく、メカブ、コンブ等の海藻類に含まれる硫酸化多糖類の一種で、海藻特有のぬめりの中に存在している。構造としては、「フコース」と呼ばれている糖に硫酸基が結合したものが、数多く連結した成分の総称としてフコイダンと呼ばれている。このフコイダンは非常に安定した、壊れにくい糖分で構成されており、消化、吸収の過程で違う物質になることが殆どないため、フコイダンが持っている本来の力を十分発揮できる食品成分である。また、フコイダンが含まれているヌメリ成分には、食事、医療、健康、運動等とあらゆる方面で重要視されるアミノ酸約18種が含まれており、もずくエキスなどでフコイダンを摂取するとこれらの栄養を十分補給することができるとされている。また、上記ぬめり成分の中には、胃腸に優しく、現代人の健康管理に不可欠な食物繊維が含まれており、フコイダンを摂取することでこの食物繊維を補給することができる。また、フコイダンを構成する「フコース」はマイナス電荷(イオン)の硫酸基である。この様なフコイダンの期待される効果・効能は抗癌作用、抗腫瘍作用、抗血液凝固作用、整腸作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス・抗菌作用等であると言われている。
【0003】
従って、この様な健康維持に適したもずくやフコイダンの入った飲料やいわゆる健康食品が市場に出回っている。
【特許文献1】特公昭63−39224号公報
【特許文献1】特開2002−335918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来出回っているもずくやフコイダン入りの加工食品や飲料等は、水飴や醤油、酢、砂糖、食塩等を加えて、味を良くして飲みやすいように、また、食べやすいようにしているが、もともとフコイダンは体内での吸収が悪い欠点がある。高純度のフコイダンを含有する、例えばトンガ王国産モズクでも分子量が32〜162万もの高分子であり、効率的に体内に取り込むことはできない。もともと、人間の腸から吸収可能なフコイダンの分子量は5000以下であると言われている。最良のフコイダンでも約3000〜4000分子と分子量がまだ大きいため、栄養素が吸収される量はわずか3〜4%であり、後は体外に排出される。
【0005】
そこで、この発明は、味が良く、飲み易いものであると共に、体内で吸収し易いもずくエキス入りの健康食品飲料を提供することにより上記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、もずくを主成分とし、これにもろみ酢、黒糖、及び水を混ぜてこの溶液を静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加しながら又は印加後、攪拌加熱し、この静電誘導処理によりこの溶液の分子を微細化し、その後殺菌処理して成る、健康食品飲料とした。
【0007】
請求項2の発明は、もずくを主成分とし、これにもろみ酢、黒糖、及び静電誘導水を混ぜてこの溶液を静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加しながら、又は印加後、攪拌加熱し、この静電誘導処理によりこの溶液の分子を微細化し、その後殺菌処理して成る、健康食品飲料とした。ここで言う静電誘導処理とは、静電誘導特殊反応装置を用いて一定時間交流電圧を印加して交流高電圧電界に水や液体を置くことにより、静電誘導作用が生じ、水や液体は特殊な機能性を持たせる処理をいう。これにより、例えば、水や液体の蒸発が抑制され、水や液体のクラスターが縮小され、吸光度が下がり、透過率が上がり紫外部で吸収がおきるものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2の発明によれば、静電誘導処理することにより、上記フコイダンの分子量を、体内に吸収し易い分子量に小さくし、もろみ酢の酸味をさらにマイルドにし、また、もずく中に含まれているフコイダンの抽出効率を高め、抽出の際出てくるヒ素も分解除去される。また、黒糖により適当な甘さにして、誰もが飲み易い飲料となった。特に請求項2の発明では、もずくや、もろみ酢、黒糖を混ぜる際に使用する水そのものをも静電誘導処理した水で混ぜ、さらに混ぜた液体に静電誘導処理するため、よりフコイダン等の分子量を小さくし、味をマイルドにして体内に吸収し易くなった。また、これらの飲料を摂取することにより不純物も尿とともに排出され易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明は、もずくから抽出したフコイダンを主成分とし、これにもろみ酢、黒糖及び水を加えてこれらを静電誘導処理により混ぜ合わせた、健康食品飲料であり、この静電誘導処理により、上記フコイダンの分子量を体内に吸収し易い小さな分子量にし、かつ誰にでも飲み易い飲料にした。
【実施例1】
【0010】
以下、この発明の実施例1を詳述する。もずくを主成分とし、これにもろみ酢及び黒糖及び適宜の飲料水を加えて混ぜ合わせ、これを静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加し、静電誘導作用により上記の溶液の分子を微細化し、これと同時に、又は上記静電誘導処理後に攪拌加熱処理し、その後殺菌処理して成る、健康食品飲料とした。もずくのエキス、即ちフコイダンを抽出するに際し、静電誘導反応装置を用いて交流高圧電界による静電誘導作用に加えて、電磁気的な交流磁場を同時にもろみ酢、及びもずくに作用させ、電子、原子、分子レベルでの作用を通じて、フコイダンを体内吸収し易い分子量にした。また、上記もろみ酢は酸味をさらにマイルドにし、もずく中に含まれているフコイダンの抽出効率を高めた。なお、上記適宜の飲料水に代えて、後述の静電誘導水を用いても良い。
【0011】
上記静電誘導処理とは、水又は液体に交流の高電圧を印加して静電誘導を誘発させることにより、水又は液体の分子に回転、振動を与え、分子集団の離合分散を促進させるもので、これにより静電誘導処理された水又は液体は特殊な機能性を持つ。また、上記静電誘導とは、帯電体の接近によって物体内の電荷分布が変化する現象のことを言い、金属のような電気を通す導体に限らず、電気を流さない絶縁体についても起こる。また、このように静電誘導処理により出来た水を静電誘導水という。
【0012】
例えば、水に交流電圧を印加し静電誘導を誘発させ、しかる後に、静電誘導を解除すると、以下の性状変化が認められる。a.溶存酸素量が増加する。b.原水pHが酸性側の場合はアルカリ性に、アルカリ性側の場合は酸性に移行する。c.導電率、酸化還元電位は原水の条件によって増減する。d.表面張力が強まる。e.密度が増す。f.浸透圧が高まる。g.蒸発が抑制される。h.体積が減少する。i.クラスターが縮小し、しかもその状態が安定している。j.紫外で吸収が起き、吸光度が下がり、透過率が上がる、などである。そして、これらの結果、水がまろやかに成り、砂糖が良く溶ける。遊離塩素が減少する。また、この水と共にアルコールを飲むとアルコールの吸収が良くなる。この水を与えると動物、植物の成長が促進する。また、この水を加えると食品の鮮度が維持される。この水を使うと染色効果が向上する。この水を加えると有機物の分解を促進する、等の効果がでる。
【0013】
上記もずくは、沖縄産のもずくを用い、もずくのエキス、即ち、フコイダンを抽出する。もずくは、まず洗浄し異物を除去する。そして水を切る。
【0014】
上記もろみ酢は、沖縄原産の黒麹もろみ酢が良く、沖縄原産の黒麹菌により生成された天然のクエン酸とアミノ酸を豊富に含んでいる。酢は体に良いということで、様々な酢が販売され、使用されているが、ほとんどの酢は酢酸が酸味の主成分である。一方、もろみ酢はクエン酸が酸味の主成分であるため、酸味が控えめでマイルドである。また、最近、ストレスや不規則な食生活によって体内でのエネルギー代謝サイクルを正常に働かせることができず、疲労物質が蓄積しやすくなっている人が増えている。クエン酸はそのエネルギー代謝サイクルのガソリンのような役目を果たしている。また、アミノ酸は日本人の死亡原因の上位を占める心筋梗塞や脳卒中と深い因果関係のあるコレステロール値を下げる働きがある。また、黒酢を使用する場合もある。
【0015】
また、上記黒糖は、沖縄産の良質な黒糖を使用した。黒糖は、白糖に比べ、ビタミンB1、B2などのミネラルを多く含み、また吸収力がよく、黒い部分に含まれる「フェニルグルコシド」という成分に糖の吸収を抑制する効果があり、これを食べても血糖値の上昇がゆるやかな現象がある。従って、ダイエット効果にもつながる栄養バランスのとれた食材である。
【0016】
以下にこの発明のもずくエキス入り健康食品飲料の製造の具体的実施例を示す。
上記もずく、もろみ酢、黒糖及び静電誘導水を用いて、もずくのエキスの抽出等を行う。まず、もずく1kgに、静電誘導水1リットル、黒糖入りもろみ酢720mlを配合して容器に入れ、これに交流2500Vを24時間印加しながら、又は印加した後、70〜80°Cで加熱しつつ攪拌し、遠心分離機により5000回転/1分の回転で遠心分離し、その後、うわずみを取り出し、これを120°Cのオートクレープに入れて20分間加熱し、配合液A(図1では丸1で示す)を作る。また、黒糖500g、静電誘導水1リットル、琉球黒酢720mlを容器に入れ、これに交流2500Vを24時間印加し、その後、100°Cで2〜3分間加熱し、これを120°Cのオートクレープに入れて20分間加熱して配合液B(図1では丸2で示す)を作る。そして、これらの配合液A及びBを混ぜて、この発明の健康食品飲料が出来上がる。
【0017】
これにより、上記飲料に含まれるフコイダンの量を5〜10%、その生理活性が有意に認められる硫酸基の割合13%以上を品質として確保している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の具体的実施例の概略構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
もずくを主成分とし、これにもろみ酢、黒糖、及び水を混ぜてこの溶液を静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加してこの静電誘導処理作用によりこの溶液の分子を微細化し、これと同時に、又は印加後に攪拌加熱し、その後殺菌処理して成ることを特徴とする、健康食品飲料。
【請求項2】
もずくを主成分とし、これにもろみ酢、黒糖、及び静電誘導水を混ぜてこの溶液を静電誘導装置により、一定時間交流電圧を印加してこの静電誘導処理作用によりこの溶液の分子を微細化し、これと同時に、又は印加後に攪拌加熱し、その後殺菌処理して成ることを特徴とする、健康食品飲料。



【図1】
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【公開番号】特開2008−22787(P2008−22787A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199880(P2006−199880)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(506251948)宏幸株式会社 (1)
【Fターム(参考)】