説明

よもぎ処理液

【課題】よもぎを簡易な方式により処理することにより得られ、よもぎの薬効を充分に発揮させることのできるよもぎ処理液を提供する。
【解決手段】よもぎの葉にPH12以上の苛性カリ水溶液を加えてなる液にクエン酸を加えPH6〜7に調整してなるよもぎ処理液。このよもぎ処理液を用いた皮膚用外用剤、化粧料、健康飲料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、よもぎを処理してなる新規な処理液に関する。
【背景技術】
【0002】
よもぎの抽出物には美白や抗皮膚炎等の薬効があるといわれている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
しかし、よもぎから薬効がある抽出物を取り出す操作は手間がかかり、より簡易な操作でよもぎの薬効を発揮させる技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−91279号公報
【特許文献2】特開2009−46432号公報
【特許文献3】特開2008−162964号公報
【特許文献4】特開2008−162960号公報
【特許文献5】特開2004−149500号公報
【特許文献6】特開2004−149500号公報
【特許文献7】特開2004−51551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、よもぎを簡易な方式により処理することにより得られ、よもぎの薬効を充分に発揮させることのできるよもぎ処理液を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨とするところは、よもぎの葉にPH12以上の苛性カリ水溶液を加えてなる液にクエン酸を加えPH6〜7に調整してなるよもぎ処理液であることにある。
【0007】
また、本発明の要旨とするところは、前記よもぎ処理液を用いた皮膚用外用剤であることにある。
【0008】
また、本発明の要旨とするところは、前記よもぎ処理液を用いた化粧料であることにある。
【0009】
また、本発明の要旨とするところは、前記よもぎ処理液を用いた健康飲料であることにある。
【0010】
また、本発明の要旨とするところは、前記よもぎ処理液を用いた入浴剤であることにある。
【0011】
また、本発明の要旨とするところは、前記よもぎ処理液を用いたうがい剤であることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、よもぎを簡易な方式により処理することにより得られ、よもぎの薬効を充分に発揮させることのできるよもぎ処理液が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
よもぎはキク科の多年草で別名モチグサ(餅草)という。
【0014】
本発明のよもぎ処理液は、よもぎの葉にPH12以上の苛性カリ水溶液を加えてなる液にクエン酸を加えPH6〜7に調整してなる。
【0015】
この苛性カリ水溶液はPH12以上であり、苛性カリ濃度が30重量%ほどの強アルカリ水であることが好ましい。よもぎの葉10乾燥重量部に対して、苛性カリ水溶液が5〜7重量部加えられることが好ましい。苛性カリ水溶液によもぎの葉を加えた液は1000〜5000rpm高速ほどの回転ミキサーで5〜30分攪拌されることが好ましい。この攪拌によりよもぎの葉が充分に粉砕され、苛性カリ水溶液が効率よくよもぎの葉に作用する。苛性カリ水溶液のよもぎの葉への作用によりよもぎの葉が分解されてグルコースが生成される。
【0016】
よもぎの葉に苛性カリ水溶液を加えた液に次いでクエン酸を加えて中和し、最終的にPH6〜7に調整することにより、本発明のよもぎ処理液が得られる。このよもぎ処理液にはこのよもぎの葉の苛性カリ水溶液処理により生成したグルコースが含まれている。
【0017】
このように、本発明においてはよもぎの葉に苛性カリ水溶液を加えさらにクエン酸を加えて中和して最終的にPH6〜7に調整するという簡単な手法で種々の薬効的効果を有するよもぎ処理液が得られる。
【0018】
この薬効的効果としては、美白効果、アトピー皮膚炎の症状緩和効果、育毛効果、しみの減縮効果、頭皮のクサの減少効果、床ずれの減少効果、ニキビのような吹き出物の消失あるいは減少効果、などが挙げられる。これらの効果には上述のよもぎの葉の苛性カリ水溶液処理により生成したグルコースの寄与もあると推定される。
【0019】
本発明のよもぎ処理液はそのまま、あるいは従来の化粧料の諸成分に混合して、美白効果を有する化粧料として用いることができる。
【0020】
本発明のよもぎ処理液は浴槽の湯に入れて気分を爽快にする入浴剤、あるいは美白効果を有する入浴剤として用いることができる。
【0021】
また、本発明のよもぎ処理液は爽快な健康飲料として、そのまま、あるいは希釈して、あるいは他の従来の飲料と混合して飲用することができる。
【0022】
また、本発明のよもぎ処理液は、そのまま、あるいは希釈して、口臭を緩和するうがい剤(うがい液)として用いられる。
【0023】
また、本発明のよもぎ処理液は、そのまま、あるいは希釈して、皮膚用外用剤として体に塗ることにより、体臭を抑制することができる。
【0024】
また、本発明のよもぎ処理液は補助的な助剤、添加剤とともに用いることができる。
【実施例】
【0025】
実施例においては、もぐさ用の葉裏の繊毛が除去されたよもぎの葉の乾燥粉末を用いた。
【0026】
実施例1
濃度30重量%のカセイカリ水溶液60ccに100gのよもぎの葉の粉末を添加し家庭用ミキサーにかけて20分運転した。このよもぎの葉を含むカセイカリ水溶液に液のpHが6.5になるようにクエン酸を添加し、よもぎ処理液を得た。
【0027】
この処理液中のグルコース濃度(パナソニック四国エレクトロニクス株式会社製のダイアセンサーによる測定)は、100mg/dLであった。
【0028】
この処理液を皮膚用外剤としてニキビのある18才男子が用い、ニキビの箇所に1日2回の塗布を20日間続けたところ、その箇所のニキビが消失した。
【0029】
実施例2
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を皮膚用外剤として頭皮にクサのある65才の女性が用い、クサのある箇所に1日2回の塗布を23日間続けたところ、クサが消失した。
【0030】
実施例3
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を美白剤として50才の女性が用い、顔に1日2回の塗布を16日間続けたところ、毛穴が引き締まった感じが得られ、かつ顔の美白効果が得られた。
【0031】
実施例4
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を化粧料として30才の女性が用い、顔に1日2回の塗布を10日間続けたところ、顔のシミが薄くなり、また、化粧のノリが良くなった。
【0032】
実施例5
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を育毛剤として70才の男性が用い、頭皮と顔に1日2回の塗布を14日間続けたところ、髪が増えた。
【0033】
実施例6
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を皮膚用外剤として70才の男性が用い、顔に1日2回の塗布を14日間続けたところ、顔のシミが薄くなり、また、シワが少なくなってきた。
【0034】
実施例7
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を皮膚用外剤として20才の男性が用い、アトピー性皮膚炎の患部に1日2回の塗布を25日間続けたところ、症状が改善された。
【0035】
実施例8
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を皮膚用外剤として20才の男性が用い、アトピー性皮膚炎の患部に1日2回の塗布を25日間続けたところ、症状が改善された。
【0036】
実施例9
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を育毛剤として70才の男性が用い、頭皮に1日2回の塗布を30日間続けたところ、髪が白色から黒みがかってきた。また、髪が増えた。
【0037】
実施例10
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を育毛剤として70才の女性が用い、頭皮に1日2回の塗布を30日間続けたところ、髪が白色から黒みがかってきた。
【0038】
実施例11
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を化粧料として70才の女性が用い、顔に1日2回の塗布を25日間続けたところ、顔のシミが薄くなった。
【0039】
実施例12
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を化粧料として32才の女性が用い、顔に1日2回の塗布を25日間続けたところ、顔のシミが薄くなった。
【0040】
実施例13
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を清涼飲料水として32才の女性が試飲した。飲用後清涼感を感じた。
【0041】
実施例14
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を水で180倍に希釈して1日3回、1週間うがいに使用し、口腔内のニコチン臭が緩和された。(40才の男性)
【0042】
実施例15
実施例1で用いたと同様のよもぎ処理液を浴湯100リットルにつき50ccの割合で浴槽に入れて入浴剤として使用し、疲れがとれる、安眠できる、足腰の痛みが和らぐ、頭のかさぶたがとれるという効果が得られた。(50才の男性)
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のよもぎ処理液は、皮膚用外用剤、化粧料、健康飲料、皮膚炎の治療剤、入浴剤、うがい剤として、またその有効成分として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
よもぎの葉にPH12以上の苛性カリ水溶液を加えてなる液にクエン酸を加えPH6〜7に調整してなるよもぎ処理液。
【請求項2】
請求項1に記載のよもぎ処理液を用いた皮膚用外用剤。
【請求項3】
請求項1に記載のよもぎ処理液を用いた化粧料。
【請求項4】
請求項1に記載のよもぎ処理液を用いた健康飲料。
【請求項5】
請求項1に記載のよもぎ処理液を用いた入浴剤。
【請求項6】
請求項1に記載のよもぎ処理液を用いたうがい剤。

【公開番号】特開2011−241199(P2011−241199A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117098(P2010−117098)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(597150865)
【Fターム(参考)】