説明

アイドルストップ制御装置

【課題】アイドルストップ制御装置において、自動停止条件を全て無効にすることなく、運転者が希望するタイミングでもアイドルストップを行うことができるようにする。
【解決手段】所定の自動停止条件が成立すると車両のエンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを再始動させるアイドルストップ制御装置において、自動停止条件は、アイドルストップを問題なく実施するために定められた必要不可欠な車両状態条件及び運転状態条件と、アイドルストップと再始動とが頻繁に繰り返されるのを抑制するための再実施条件とからなる。そして、押されているときにだけオンするアイドルストップユーザ要求スイッチ9が設けられており、自動停止条件のうちの再実施条件だけが成立していない場合(S130:NO)に、運転者がスイッチ9を押せば(S140:YES)、即座にエンジン3を停止させるようになっている(S150)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエンジンを自動的に停止及び始動させるアイドルストップ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両(自動車)においては、所定の自動停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを自動的に再始動させる、自動停止再始動制御装置(一般にはアイドルストップ(またはアイドリングストップ)制御装置と呼ばれる)を備えたものが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この種のアイドルストップ制御装置において、自動停止条件としては、例えば「バッテリの残存容量が十分ある」といった条件であって、エンジンを停止させても車両における機能や各部に支障が生じない車両状態であることを確認するための車両状態条件や、例えば「ブレーキペダルが踏まれ、アクセルペダルが踏まれていない」といった条件であって、エンジンを停止させても問題のない運転状態であることを確認するための運転状態条件などがある。
【0004】
更に、自動停止条件としては、例えば「前回にエンジンを自動停止させてからの経過時間が閾値以上である」といった条件であって、アイドルストップの実施頻度(即ち、エンジンが自動停止される頻度)を故意に抑制するための再実施条件もある。その再実施条件は、車両を車庫に入れる場合や渋滞時などにおいて、エンジンの自動停止と再始動とが頻繁に繰り返されてしまうことを防ぐために設けられる。
【0005】
そして、特許文献1では、前回エンジン自動停止からの経過時間と比較される上記閾値を、運転者が操作する調整ボリュームの位置に応じて可変設定するようにしており、それにより、運転者が、自分の好みに応じて、アイドルストップし難くしたりアイドルストップし易くしたりすることができるようにしている。尚、ここで言う「アイドルストップ」とは、その後に自動的に再始動されることとなるエンジン停止のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−257272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は、運転者が望んだときにアイドルストップを実施できるものではなく、いつアイドルストップするかは、結局システム任せになる。
よって、運転者がアイドルストップを望んだ時と実際にアイドルストップが実施される時とが一致せず、ストレスを感じるといった問題が生じる。また、こうしたことから、運転者が燃費低減や地球温暖化ガス削減といった環境対策に貢献しているということを実感し難い。
【0008】
尚、運転者が特定の操作を行うと自動停止条件を全て無効化して(即ち自動停止条件の成立/非成立に関係なく)アイドルストップを実施する、というように構成することで、運転者が望んだときにアイドルストップを実施できるようにすることも考えられる。しかし、そのように構成すると、自動停止条件のうち重要性が高い条件を無視してアイドルストップすることとなるため、車両における機能や車両の運転に支障が生じてしまう可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、アイドルストップ制御装置において、自動停止条件を全て無効にすることなく、運転者が希望するタイミングでもアイドルストップを行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のアイドルストップ制御装置は制御手段を備えており、その制御手段は、所定の自動停止条件が成立すると車両のエンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを再始動させる。
【0011】
ここで、自動停止条件は、第1条件と第2条件とからなる。尚、その第1条件と第2条件との各々は、複数項目の条件が満たされたという条件であっても良い。
そして、このアイドルストップ制御装置は、指令入力手段を備えており、その指令入力手段は、車両の運転者により指令入力行為が行われると、第2条件を無効にする無効化指令を出力し、指令入力行為が行われなくなると、無効化指令の出力を停止する。
【0012】
更に、制御手段は、指令入力手段から無効化指令が出力されているときには、第1条件と第2条件とのうち、第1条件が成立したことのみでエンジンを停止させる。つまり、第2条件を無効化し、第1条件の成立のみでエンジンを停止させる。
【0013】
このような請求項1のアイドルストップ制御装置によれば、エンジンの作動中(運転中)において、自動停止条件のうちの第1条件は成立しているが第2条件は成立していない場合に、車両の運転者が指令入力手段への指令入力行為を行えば、制御手段は即座にエンジンを停止(アイドルストップ)させることとなる。
【0014】
よって、自動停止条件を全て無効にすることなく、運転者が希望するタイミングでもアイドルストップを行うことができるようになる。特に、運転者が指令入力行為を行ったとしても、第1条件は有効であるため、その第1条件の成立によって確保される事項は保証しつつ、運転者が希望するタイミングでのアイドルストップを実現することができる。
【0015】
更に、指令入力手段は、無効化指令を出力したままになるものではなく、運転者が指令入力行為を行わなくなると無効化指令の出力を停止するものであるため、第2条件が無効化されたままになってしまうことがない。
【0016】
つまり、指令入力手段として、例えば、一度押すと次に押されるまでオンのままになるラッチ型プッシュスイッチ(オルタネート型スイッチ)や、レバーが倒された位置でオンとオフとの何れかになるレバー型スイッチ等、操作力を取り除いてもオン状態を維持するタイプのスイッチを用いたとすると、そのスイッチをオフするのを運転者が忘れてしまう可能性があり、その場合には第2条件が無効化されたままになってしまう。しかし、請求項1のアイドルストップ制御装置によれば、そういう懸念を回避することができる。
【0017】
次に、請求項2のアイドルストップ制御装置は、請求項1のアイドルストップ制御装置において、故障判定手段を備えており、その故障判定手段は、指令入力手段が故障していると判定した場合に、その指令入力手段からの無効化指令を無効化する。つまり、指令入力手段が無効化指令を出力しても、その無効化指令を制御手段が受け付けないようにする。
【0018】
このアイドルストップ制御装置によれば、指令入力手段が故障して無効化指令を出力したままになったとしても、第1条件の成立のみでアイドルストップが実施されることはなくなり、第2条件の本来の役割を生かすことができる。また、アイドルストップの実施回数が過度に増えるのを抑制することができ、延いては、エンジンを始動させるためのスタータの作動回数が、それの耐用回数(故障しないと保証されている作動回数)を超えてしまう可能性を下げることができる。
【0019】
次に、請求項3のアイドルストップ制御装置は、請求項1,2のアイドルストップ制御装置において、報知手段を備えており、その報知手段は、エンジンの作動中に第1条件が成立した場合に、運転者に対して、「指令入力手段への指令入力行為を行えばエンジンが停止すること」を知らせる。
【0020】
この構成によれば、運転者は、指令入力行為を行うことでアイドルストップがすぐに行われる状態であることを知ることができる。よって、使い勝手が非常に良くなる。
次に、請求項4のアイドルストップ制御装置は、請求項1〜3のアイドルストップ制御装置において、自動停止回数判定手段を備えており、その自動停止回数判定手段は、制御手段がエンジンを停止させた回数(即ち、アイドルストップの実施回数)が規定値を超えたと判定した場合に、指令入力手段を無効化する。尚、指令入力手段を無効化する構成としては、指令入力手段が無効化指令を出力しないようにする構成と、指令入力手段が無効化指令を出力してもその無効化指令を制御手段が受け付けないようにする構成との、何れでも良い。
【0021】
このアイドルストップ制御装置によれば、アイドルストップの実施回数が規定値を超えたなら、以後は、指令入力手段が無効化されて、第1条件の成立のみでアイドルストップが実施されることはなくなる。よって、アイドルストップの実施回数が過度に増えるのを抑制することができ、エンジンを始動させるためのスタータの作動回数が、それの耐用回数(故障しないと保証されている作動回数)を超えてしまう可能性を下げることができる。尚、このため、アイドルストップの実施回数の判定閾値である上記規定値は、スタータの耐用回数よりも小さい値に設定することが好ましい。
【0022】
ところで、第2条件としては、自動停止条件のうち、車両の安全性を確保する上では無くても良い条件(即ち、その条件が非成立でアイドルストップを実施したとしても、車両の安全性には影響がない条件)であることが望ましい。
【0023】
このため、例えば、第2条件としては、制御手段がエンジンを停止させる頻度(アイドルストップの実施頻度)を抑制するための条件(以下、停止頻度抑制条件という)とすることが考えられる。
【0024】
その停止頻度抑制条件は、前述した再実施条件に相当するものであり、例えば、前回にエンジンを自動停止させてからの経過時間と走行距離との両方又は一方が所定値以上であることや、前回にエンジンを自動停止させてからの車速が所定値以上になったこと、といった条件が考えられる。そして、その停止頻度抑制条件が非成立でアイドルストップを実施したとしても、車両の安全性は元より車両における機能や各部にも影響がなく、また車両の運転にも殆ど支障がないからである。よって、第2条件を停止頻度抑制条件とすれば、車両の安全性を確保しつつ、運転者が希望するタイミングでのアイドルストップを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態のアイドルストップ制御装置を表す構成図である。
【図2】第1実施形態のアイドルストップ実施判定処理を表すフローチャートである。
【図3】再始動実施判定処理を表すフローチャートである。
【図4】第2実施形態のアイドルストップ実施判定処理を表すフローチャートである。
【図5】第3実施形態のアイドルストップ実施判定処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明が適用された実施形態のアイドルストップ制御装置について説明する。
[第1実施形態]
まず図1は、実施形態のアイドルストップ制御装置1を表す構成図である。
【0027】
このアイドルストップ制御装置1は、車両のエンジン3を制御するエンジン制御装置5と連携して、エンジン3を自動的に停止及び始動させるアイドルストップ制御を行うが、そのアイドルストップ制御の一部として、エンジン3を始動させるためのスタータ7の制御(スタータ制御)も行う。尚、ここでは、車両の変速機は手動変速機(マニュアルトランスミッション)であるものとして説明する。
【0028】
そして、アイドルストップ制御装置1には、アイドルストップ制御及びスタータ制御を行うための情報として、車載バッテリの出力電圧であるバッテリ電圧、車両の運転者が始動用操作(例えばキーシリンダに挿したキーをスタート位置に捻る操作や、スタートボタンを押す操作)を行うとアクティブレベルになるスタータ信号、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するセンサからのブレーキ信号、アクセルペダルが踏まれたことを検出するセンサからのアクセル信号、クラッチペダルが踏まれたことを検出するセンサからのクラッチ信号、シフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するセンサからのシフト位置信号、車両の走行速度(車速)を検出するセンサからの車速信号、ブレーキ負圧(ブレーキ倍力装置の負圧)を検出するセンサからのブレーキ負圧信号、クランク軸センサやカム軸センサからの回転信号、及び後述するアイドルストップユーザ要求スイッチ9からの信号等が入力されている。
【0029】
また、アイドルストップ制御装置1は、アイドルストップ制御及びスタータ制御のための処理を実行するマイコン11と、前述したバッテリ電圧やスタータ信号等の各種信号をマイコン11に入力させる入力回路13と、マイコン11がエンジン制御装置5と通信するための通信回路15と、マイコン11からの指令に応じてスタータ7を駆動する出力回路17とを備えている。
【0030】
尚、バッテリ電圧は、入力回路13に設けられている分圧抵抗(図示省略)により、マイコン11に入力可能な値に分圧され、マイコン11は、その分圧された電圧を内部のA/D変換器(図示省略)でA/D変換することにより、バッテリ電圧の値を検出する。また、マイコン11は、入力回路13から入力される信号のうちのアナログ信号についても、内部のA/D変換器でA/D変換することにより、その信号の電圧値を検出する。また、マイコン11(延いては、当該アイドルストップ制御装置1)は、車両におけるイグニッション系電源ラインにバッテリ電圧が供給されている場合(いわゆるイグニッションオンの場合)に、そのイグニッション系電源ラインからの電力で動作する。
【0031】
次に、マイコン11が行う処理の内容について説明する。
まず、マイコン11は、車両の運転者が前述の始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベル(例えばハイ)になると、エンジン始動のためにスタータ7を作動させるスタータ制御処理を行う。
【0032】
具体的な処理として、マイコン11は、スタータ7を駆動して該スタータ7にエンジン3をクランキングさせる。すると、エンジン制御装置5によりエンジン3に対する燃料噴射と点火とが行われる。尚、エンジンがディーゼルエンジンであれば、点火は行われず、燃料噴射だけが行われる。そして、マイコン11は、エンジンが完爆状態(始動が完了した状態であり、いわゆるエンジンがかかった状態)になったと判定すると、スタータ7の駆動を止める。尚、マイコン11は、前述の回転信号からエンジン回転数を算出し、そのエンジン回転数に基づいて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定する。
【0033】
このようなスタータ制御処理によりエンジン3が始動されて作動状態となる。
そして、マイコン11は、エンジン3が作動状態である場合(即ち、エンジン3の運転中)に、図2に示すアイドルストップ実施判定処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
【0034】
図2に示すように、マイコン11は、アイドルストップ実施判定処理の実行を開始すると、まずS110にて、アイドルストップを許可する自動停止条件のうち、車両状態条件が成立しているか否かを判定する。
【0035】
車両状態条件は、エンジン3を停止させても車両における機能や各部に支障が生じない車両状態であることを確認するための条件であり、例えば、下記(a1)〜(a3)の各条件が全て満たされているという条件である。
【0036】
(a1)バッテリ電圧が所定値以上であること。
これは、スタータ7の電力源がバッテリ電圧であるためであり、エンジン3の再始動が可能なことを確認するための条件である。
【0037】
(a2)ブレーキ負圧(ブレーキ倍力装置の負圧)の絶対値が所定値以上であること。
これは、ブレーキ性能の維持が可能なことを確認するための条件である。
(a3)エンジン3の冷却水温が所定範囲内であること。
【0038】
これは、エンジン3の暖気やラジエータファンによる冷却が不要であることを確認するための条件である。
そして、上記S110にて、車両状態条件が成立していないと判定したならば、そのまま当該アイドルストップ実施判定処理を終了するが、車両状態条件が成立していると判定したならば、S120に進んで、自動停止条件のうちの運転状態条件が成立しているか否かを判定する。
【0039】
運転状態条件は、エンジン3を停止させても問題のない運転状態であることを確認するための条件であり、例えば、下記(b1)〜(b5)の各条件が全て満たされているという条件である。
【0040】
(b1)ブレーキペダルが踏まれている。
(b2)シフト位置がニュートラルであるか、あるいはシフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルが踏まれている。
【0041】
(b3)アクセルペダルが踏まれていない。
(b4)車速が所定値以下である。
(b5)操舵角が所定値以下である。
【0042】
そして、上記S120にて、運転状態条件が成立していないと判定したならば、そのまま当該アイドルストップ実施判定処理を終了するが、運転状態条件が成立していると判定したならば、S130に進んで、自動停止条件のうちの再実施条件が成立しているか否かを判定する。
【0043】
再実施条件は、アイドルストップの実施頻度を抑制して車両の使い勝手を向上させるための条件(停止頻度抑制条件に相当)であり、例えば、下記(c1),(c2)の各条件が全て満たされているという条件である。
【0044】
(c1)前回にエンジン3を自動停止させてからの車速が一度でも所定値以上になった。
(c2)前回にエンジン3を自動停止させてからの経過時間が所定値以上である。
【0045】
尚、上記(c2)については、経過時間の代わりに走行距離でも良く、また、経過時間と走行距離との両方が所定値以上である、という条件でも良い。また、その経過時間や走行距離は、前回にエンジン3を自動停止して再始動させてからの経過時間や走行距離でも良い。一方、S130では、上記(c1)と(c2)との何れか一方の条件が満たされたなら、再実施条件が成立したと判定するようにしても良い。
【0046】
そして、マイコン11は、上記S130にて、再実施条件が成立していると判定したならば、自動停止条件が成立したと判定したことになり、その場合には、S150に進んで、エンジン3を自動停止するための処理を行い、その後、当該アイドルストップ実施判定処理を終了する。
【0047】
S150では、具体的には、エンジン制御装置5にエンジン停止指令を送信する。すると、エンジン制御装置5は、エンジン3への燃料噴射を停止したり、エンジン3への吸気供給経路を遮断したりすることにより、エンジン3を停止させる。
【0048】
そして、このS150の処理によってエンジン3が停止された場合には、後述する自動始動条件の成立によってエンジン3が自動的に再始動される。よって、本実施形態では、S150の処理でエンジン3が停止されることが、アイドルストップ(エンジン3の自動停止)であり、S150の処理でエンジン3が停止されてからエンジン3が自動的に再始動されるまでの間が、アイドルストップ中(エンジン3の自動停止中)である。
【0049】
一方、マイコン11は、上記S130にて、再実施条件が成立していないと判定した場合には、S140に移行する。
そして、S140では、アイドルストップユーザ要求スイッチ9(以下単に、スイッチ9ともいう)からの信号に基づいて、そのスイッチ9がオンされているか否かを判定する。
【0050】
ここで、アイドルストップユーザ要求スイッチ9は、押されているときにだけオンするモーメンタリ型の押しボタンスイッチであり、車室内において運転者の手が届く場所に設けられている。そして、アイドルストップユーザ要求スイッチ9からアイドルストップ制御装置1に入力される信号(スイッチ信号)は、当該スイッチ9が押されてオンしているときに、オンを示すアクティブレベル(例えばロー)になり、当該スイッチ9が押されておらずオフしているときには、オフを示す非アクティブレベル(例えばハイ)になる。
【0051】
このため、S140では、アイドルストップユーザ要求スイッチ9から、該スイッチ9が運転者によって押圧操作されていることを示すアクティブレベルの信号(以下、オン信号という)が、出力されているか否かを判定しているとも言える。
【0052】
尚、本実施形態では、アイドルストップユーザ要求スイッチ9が、指令入力手段に相当し、そのスイッチ9を押す操作が、指令入力行為に相当し、そのスイッチ9からアイドルストップ制御装置1に出力されるオン信号が、無効化指令に相当している。
【0053】
そして、マイコン11は、上記S140にて、アイドルストップユーザ要求スイッチ9がオンされていない(スイッチ9からオン信号が出力されていない)と判定した場合には、そのまま当該アイドルストップ実施判定処理を終了する。
【0054】
これに対し、上記S140にて、アイドルストップユーザ要求スイッチ9がオンされている(スイッチ9からオン信号が出力されている)と判定した場合には、再実施条件が非成立であるにも拘わらず、S150に進んで、エンジン3を自動停止するための処理を行う。
【0055】
一方、マイコン11は、アイドルストップ中に、図3に示す再始動実施判定処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
図3に示すように、マイコン11は、再始動実施判定処理の実行を開始すると、まずS210にて、エンジン3を再始動させる条件である自動始動条件が成立したか否かを判定する。
【0056】
自動始動条件は、例えば、下記(d1)〜(d4)の条件のうち少なくとも1つが満たされたという条件である。
(d1)ブレーキペダルが放された。
【0057】
(d2)ブレーキペダルは踏まれたままだが、シフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルのリリース(即ち、クラッチペダルの踏み込みを緩めてクラッチを接続しようとする動作)が開始された。
【0058】
(d3)ブレーキペダルが踏まれたままだが、シフト位置がニュートラルからニュートラル以外に操作された(その時点でクラッチペダルは踏まれている)。
(d4)図2のS110で判定した車両状態条件が非成立になった。
【0059】
そして、S210にて、自動始動条件が成立していないと判定した場合には、そのまま当該再始動実施判定処理を終了するが、自動始動条件が成立したと判定したならば、S220に進んで、エンジン3を自動的に再始動させる処理を行う。具体的には、前述したスタータ制御処理を行う。そして、その後、当該再始動実施判定処理を終了する。
【0060】
また、上記S220の処理によってエンジン3が再始動すると、マイコン11は、再び、図2のアイドルストップ実施判定処理を一定時間毎に繰り返し実行することとなる。
以上のようなアイドルストップ制御装置1において、マイコン11は、アイドルストップユーザ要求スイッチ9からオン信号が出力されているときには、自動停止条件のうち、再実施条件が非成立(S130:NO)でも、それ以外の条件(車両状態条件及び運転状態条件)が成立したことのみでエンジン3を停止させることとなる(S140:YES→S150)。このため、エンジン3の作動中において、自動停止条件のうちの再実施条件だけが成立していない場合に、運転者がアイドルストップユーザ要求スイッチ9を押せば、マイコン11は即座にエンジン3を停止(アイドルストップ)させることとなる。
【0061】
よって、本実施形態のアイドルストップ制御装置1によれば、自動停止条件を全て無効にすることなく、運転者が希望するタイミングでもアイドルストップを行うことができるようになる。具体的には、運転者がアイドルストップユーザ要求スイッチ9を押したとしても、再実施条件以外の車両状態条件及び運転状態条件は有効であり、その車両状態条件及び運転状態条件の成立によって確保される事項は保証しつつ、運転者が希望するタイミングでのアイドルストップを実現することができる。
【0062】
特に、再実施条件は、それが非成立でアイドルストップを実施したとしても車両の安全性には影響がない条件であるため、本実施形態のアイドルストップ制御装置1によれば、車両の安全性を確保しつつ、運転者が希望するタイミングでのアイドルストップを実現することができる。
【0063】
更に述べると、自動停止条件のうち、車両状態条件と運転状態条件は、アイドルストップを問題なく実施するために定められる必要不可欠な条件であるが、再実施条件は、渋滞時や車庫入れ時や停止寸前の減速時等といった特定の状況においてアイドルストップと再始動とが頻繁に繰り返されるのを抑制するために、その特定の状況を一般的な考え方で想定して設定される条件であることから、全てのユーザ(運転者)が満足するものであるとは限らない。そこで、本実施形態では、その再実施条件のみを無効化するためのスイッチ9を設け、再実施条件が非成立であることのみでアイドルストップが実施されない状況(即ち、車両状態条件及び運転状態条件は成立しているが再実施条件は非成立の状況)でスイッチ9が押されたならば、再実施条件が無効化されて即座にアイドルストップが実施されるようにしている。
【0064】
そして、本実施形態のアイドルストップ制御装置1によれば、運転者は、スイッチ9を押すという自分の意志及び行動によってアイドルストップするという感覚が得られる。よって、燃費低減や地球温暖化ガス削減といった環境対策に貢献しているということを、運転者に実感させ易い。
【0065】
そして更に、スイッチ9は、モーメンタリ型のスイッチであるため、再実施条件が無効化されたままになってしまうことがない。
尚、本実施形態では、マイコン11が制御手段に相当している。また、自動停止条件のうち、車両状態条件及び運転状態条件が、第1条件に相当し、再実施条件が、第2条件に相当しているが、第1条件と第2条件との各々は、前述したものに限らず、自動停止条件自体も、前述した条件に限るものではない。
【0066】
一方、図2の処理は、下記のように変更することもできる。
まず、S130でNOと判定したなら当該図2の処理が終了するように変更し、更に、S140の判定をS120とS130との間で行い、その判定でNOと判定したならS130に進むが、その判定でYESと判定したならS130をスキップしてS150へ進むように変更しても良い。
[第2実施形態]
第2実施形態のアイドルストップ制御装置1は、第1実施形態と比較すると、アイドルストップユーザ要求スイッチ9には、図1における点線で示すように、パイロットランプ(表示灯)9aが内蔵されており、そのパイロットランプ9aが点灯することで、当該スイッチ9の押圧部(押しボタン部)が光るようになっている。
【0067】
更に、マイコン11は、図2の処理に代えて、図4のアイドルストップ実施判定処理を行う。尚、図4において、図2と同じ処理については、その図2と同一のステップ番号を付しているため、説明を省略する。
【0068】
そして、図4のアイドルストップ実施判定処理は、図2の処理に対して、S136,S138,S142の処理が追加されたものである。
即ち、図4のアイドルストップ実施判定処理では、S110で車両状態条件が成立していないと判定した場合(S110:NO)、あるいは、S120で運転状態条件が成立していないと判定した場合(S120:NO)には、S138に移行して、スイッチ9のパイロットランプ9aを消灯させる処理を行った後、当該アイドルストップ実施判定処理を終了する。
【0069】
また、S130にて、再実施条件が成立していないと判定した場合に、S136に移行して、スイッチ9のパイロットランプ9aを点灯させる処理を行った後、S140に進む。
【0070】
そして、S140でスイッチ9がオンされていると判定した場合、あるいは、S130で再実施条件が成立していると判定した場合には、S142でスイッチ9のパイロットランプ9aを消灯させる処理を行った後、S150に進みエンジン3を自動停止させる。
【0071】
つまり、本実施形態では、自動停止条件のうちの再実施条件以外が成立している場合であって、スイッチ9が有効になっている場合にだけ、パイロットランプ9aを点灯させるようにしている。
【0072】
このため、そのパイロットランプ9aの点灯により、運転者に対して、今スイッチ9を押せばエンジン3が停止するということを知らせることができる。よって、運転者は、スイッチ9を押すことでアイドルストップがすぐに行われる状態であることを知ることができ、使い勝手が非常に良くなる。また、運転者が間違ってスイッチ9を押すことを防止することもできる。
【0073】
尚、本実施形態では、スイッチ9のパイロットランプ9aが報知手段に相当している。
一方、変形例として、S136の処理をS120とS130との間で行うようにしても良い。
【0074】
また、パイロットランプ9aを点灯させることに変えて、例えば「今スイッチ9を押せばエンジン3を停止できます」といったメッセージを、音声で出力したり、表示装置に表示させたりしても良い。
【0075】
また、パイロットランプ9aを消灯させることに加えて、あるいはパイロットランプ9aを消灯させることに変えて、スイッチ9を物理的に押すことができないようにし、パイロットランプ9aを点灯させることに加えて、あるいはパイロットランプ9aを点灯させることに変えて、スイッチ9を物理的に押すことができるようにしても良い。例えば、スイッチ9を押すことができないようにする方法としては、スイッチ9の押圧部を動かないようにロックしたり、スイッチ9の押圧部の前にシャッターが降りるようにしたり、スイッチ9の押圧部が人の指が届かない位置に引っ込むようにしたりすることが考えられる。
[第3実施形態]
第3実施形態のアイドルストップ制御装置1は、第2実施形態と比較すると、下記(1)〜(3)の点が異なっている。
【0076】
(1)マイコン11は、アイドルストップの実施回数(S150でエンジン3を停止させた総回数)を計数して、その計数値をEEPROM等のデータ書き換え可能な不揮発性メモリ(図示省略)に記憶している。
【0077】
(2)マイコン11は、スイッチ9の故障を検出するための診断処理を行い、その診断結果を、例えば上記不揮発性メモリに記憶している。
その診断処理としては、例えば、イグニッションオンの状態になって当該マイコン11が起動したときに、スイッチ9のオン/オフを判定し、オンであれば、スイッチ9がオン状態に固着していると判定する、といった処理や、スイッチ9が所定時間継続してオンであれば、スイッチ9がオン状態に固着していると判定する、といった処理や、当該マイコン11が起動したときから所定時間の間、スイッチ9のオン/オフを判定し、その所定時間継続してオンであれば、スイッチ9がオン状態に固着していると判定する、といった処理が考えられる。
【0078】
また、診断処理としては、前述のS140でスイッチ9がオンされていると判定してS150でエンジン3を停止させたにも拘わらず、その後もスイッチ9が継続して所定時間オンのままならば、スイッチ9がオン状態に固着していると判定する、といった処理でも良い。尚、この場合は、スイッチ9の戻り不良と考えられる。
【0079】
また、診断処理としては、前述のパイロットランプ9aをオフさせている最中(つまり、普通ならばスイッチ9が押されない場合)に、スイッチ9が所定回数以上オンしたか否かを判定し、所定回数以上オンしたならば、スイッチ9の接点不良であると判定する、といった処理でも良い。
【0080】
つまり、診断処理は、スイッチ9が運転者の意図とは関係なくオンする故障を検出する処理であれば良い。
(3)マイコン11は、図4の処理に代えて、図5のアイドルストップ実施判定処理を行う。尚、図5において、図4と同じ処理については、その図4と同一のステップ番号を付しているため、説明を省略する。
【0081】
そして、図5のアイドルストップ実施判定処理は、図4の処理に対して、S132,S134の処理が追加されたものである。
即ち、図5のアイドルストップ実施判定処理では、S130にて、再実施条件が成立していないと判定した場合に、S132に移行して、現在のアイドルストップの実施回数が規定値Nth以下であるか否かを判定し、規定値Nth以下でなければ(規定値Nthを越えていれば)、S138に移行して、パイロットランプ9aを消灯させたまま当該アイドルストップ実施判定処理を終了する。
【0082】
また、上記S132にて、アイドルストップの実施回数が規定値Nth以下であると判定した場合には、S134に進み、前述した診断処理の診断結果を参照して、スイッチ9が故障しているか否かを判定する。そして、スイッチ9が故障していないと判定した場合には、S136に進むが、スイッチ9が故障していると判定した場合には、S138に移行して、パイロットランプ9aを消灯させたまま当該アイドルストップ実施判定処理を終了する。
【0083】
つまり、本実施形態では、アイドルストップの実施回数が規定値Nthを超えている場合(S132:NO)には、スイッチ9を無効化し、また、スイッチ9が故障していると判定した場合(S134:YES)にも、スイッチ9を無効化している。
【0084】
このため、アイドルストップの実施回数が規定値Nthを超えたなら、以後は、車両状態条件及び運転状態条件の成立のみでアイドルストップが実施されることはなくなる。よって、アイドルストップの実施回数が過度に増えるのを抑制することができ、スタータ7の作動回数が、それの耐用回数を超えてしまう可能性を下げることができる。尚、このため、上記規定値Nthは、スタータ7の耐用回数よりも小さい値に設定している。
【0085】
また、スイッチ9が故障して運転者の操作とは関係なくオンするようになったとしても、車両状態条件及び運転状態条件の成立のみでアイドルストップが実施されることはなくなり、再実施条件の本来の役割を生かすことができると共に、アイドルストップの実施回数が過度に増えるのを抑制することができる。
【0086】
尚、図5の処理では、S132でNOと判定した場合にも、S134でYESと判定した場合と同様に、S140の判定をスキップすることにより、スイッチ9からオン信号が出力されたとしても、そのオン信号を受け付けないようにすることで、該スイッチ9を無効化しているが、S132でNOと判定した場合には、スイッチ9を物理的に押すことができないようにすることで、該スイッチ9を無効化しても良い。
【0087】
また、本実施形態では、S132の処理が自動停止回数判定手段に相当し、S134の処理が故障判定手段に相当している。
一方、診断処理によってスイッチ9の故障を検出した場合には、図5の処理とは別に、そのスイッチ9のパイロットランプ9aを消灯させたままにしたり、そのスイッチ9が物理的に押せないようにしても良い。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0089】
例えば、指令入力手段としては、前述のスイッチ9に限らず、タッチパネル(表示装置に表示されるタッチスイッチ)や、音声入力装置であっても良い。そして、後者の場合、音声入力装置は、運転者が指令入力行為として、特定の言葉(例えば「アイドルストップ」という言葉)を発したならば、そのことを検知して、マイコン11に信号を出力すれば良く、マイコン11は、図2,図4,図5のS140にて、その音声入力装置から信号が出力されたか否かを判定すれば良い。
【0090】
また、アイドルストップ実施判定処理のS110又はS120でNOと判定している場合(即ち、第1条件が非成立である場合)であって、スイッチ9が有効でない場合に、そのスイッチ9が押された場合には、運転者に対して、そのスイッチ9が無効であることを、表示装置への表示や音声等によって知らせるようにしても良い。
【0091】
また、スイッチ9が所定時間以上押され続けた場合に、運転者に対して、表示装置への表示や音声等によって警告するようにしても良い。
また、スイッチ9が一度押されたら、所定時間が経過するまでは、スイッチ9の操作を無効化するように構成しても良い。
【0092】
一方、自動停止条件のうちの第1条件となり得る条件としては、例えば、下記の条件でも良い。
・変速機が自動変速機(いわゆるAT又はCVT)であるならば、ATF温度が所定範囲内であること(粘圧を確保するため)。
【0093】
・ブレーキマスタシリンダ圧が所定値以上であること(ブレーキ性能維持のため)。
・車両が傾斜状態でないこと(車両のずり下がり防止のため)。
・AT又はCVT用の電動オイルポンプが故障していない(AT又はCVT保護のため)。
【0094】
・スタータ7が正常であること(再始動可能なことの確認)。
・ボンネットが閉じていること(車両運転中であることの確認)。
・ドアが閉じていること(車両運転中であることの確認)。
【0095】
・シートベルトが装着されていること(車両運転中であることの確認)。
・他の装置からのアイドルストップ禁止要求がないこと。
また、自動停止条件のうちの第2条件となり得る条件(即ち、スイッチ9の操作で無効化してエンジン3を停止しても良い条件)としては、例えば、下記の条件でも良い。
【0096】
・イグニッションオン後、所定時間が経過している。
・シフト操作後、所定時間が経過している。
・ハザードランプが点滅中。
【0097】
・ウインカーランプが点滅中。
・操舵状態での右折待ち停車中。
また、運転状態条件として、走行中の道路前方に位置する信号機からの「赤信号の残り時間(あと何秒間、赤信号が継続されるか)」が所定時間以上を示している、または「青信号の残り時間(あと何秒間、青信号が継続されるか)」が所定時間未満であることを示していること、という条件を加えても良い。すなわち、運転状態条件は、赤信号で停車する可能性が高く、且つ、(b1)〜(b5)の全条件も満たしている場合にのみ満たされる。そして、運転状態条件が満たされた場合にのみ、アイドルストップユーザ要求スイッチ9によるエンジン停止が可能、もしくは、パイロットランプ9aが点灯状態となるようにしても良い。このように、運転状態条件に信号情報を始めとする車外からのインフラ情報を組み込むことで、ドライバビリティを損なうことなく、燃費低減や地球温暖化ガス削減といった環境対策に貢献しているということを、運転者が実感することができる。また、赤残り時間・青残り時間といった信号機からの情報に限らず、所謂インフラ協調技術を用いて、車々間情報(位置情報、車速情報、アクセル情報、ブレーキ情報、アイドルストップ実施情報)や、路車間情報(交差点の混雑度、事故情報)等を使って、アイドルストップユーザ要求スイッチ9によるエンジン停止が可能、もしくは、パイロットランプ9aが点灯状態となるようにしても良い。
【0098】
また、前述の自動始動条件(d2)により始動された場合であって、エンジン始動後でありクラッチがミートされるまでの間にドライバがブレーキペダルのみを踏んでいる場合、車速信号およびシフト位置信号に基づいてインプットシャフト(クラッチディスク)の回転数を演算し、演算した回転数に一致するようにエンジン回転数を揃える処理を行っても良い。このような処理を行った場合、ドライバはブレーキペダルとアクセルペダルとを同時に踏むことなく、又は、ブレーキペダルを放してアクセルペダルを踏むことなく、エンジン側(フライホイール)の回転数と、インプットシャフト側(クラッチ)の回転数が一致した状態でクラッチをミートすることができる。すなわちドライバは、ブレーキペダルの操作に専念しながらエンジンの再始動を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
1…アイドルストップ制御装置、3…エンジン、5…エンジン制御装置、7…スタータ、9…アイドルストップユーザ要求スイッチ、9a…パイロットランプ、11…マイコン、13…入力回路、15…通信回路、17…出力回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の自動停止条件が成立すると車両のエンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させる制御手段、を備えたアイドルストップ制御装置において、
前記自動停止条件は、第1条件と第2条件とからなり、
前記車両の運転者により指令入力行為が行われると、前記第2条件を無効にする無効化指令を出力し、前記指令入力行為が行われなくなると、前記無効化指令の出力を停止する指令入力手段を備え、
前記制御手段は、前記指令入力手段から前記無効化指令が出力されているときには、前記第1条件と前記第2条件とのうち、前記第1条件が成立したことのみで前記エンジンを停止させること、
を特徴とするアイドルストップ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアイドルストップ制御装置において、
前記指令入力手段が故障していると判定した場合に、その指令入力手段からの前記無効化指令を無効化する故障判定手段を備えていること、
を特徴とするアイドルストップ制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアイドルストップ制御装置において、
前記エンジンの作動中に前記第1条件が成立した場合に、前記運転者に対して、前記指令入力手段への前記指令入力行為を行えば前記エンジンが停止すること、を知らせる報知手段を備えていること、
を特徴とするアイドルストップ制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のアイドルストップ制御装置において、
前記制御手段が前記エンジンを停止させた回数が規定値を超えたと判定した場合に、前記指令入力手段を無効化する自動停止回数判定手段を備えていること、
を特徴とするアイドルストップ制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のアイドルストップ制御装置において、
前記第2条件は、前記制御手段が前記エンジンを停止させる頻度を抑制するための条件であること、
を特徴とするアイドルストップ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−196339(P2011−196339A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66714(P2010−66714)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】