アクセサリの電力管理
ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力を管理するための方法、装置、及び回路を提供する。1つの例では、ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力管理を改善するためのコマンドを提供する。他の例では、アクセサリに正しく動作するのに十分な電流を供給しながらポータブルコンピュータ装置が最大に利用可能な電流レベルで充電できるようにすることができるコマンドを提供する。別の例では、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルなどのアクセサリに害を及ぼす恐れのある高レベルの電流を引き出すのを防ぐ役に立つことができる一方で、他の例では、バッテリパックが、ポータブルコンピュータ装置に内部バッテリを充電しないよう指示できるようにすることができるコマンドを提供する。別の例では、ポータブルコンピュータ装置が、複数の電源のうちのいずれの電源を使用してアクセサリに給電すべきかを決定できるようにすることができる一方で、他の例では、アクセサリがポータブルコンピュータ装置から充電電流パラメータを取り出せるようにすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2010年1月6日に出願された米国仮特許出願第61/292,689号の利益を主張するものであり、該仮特許出願は引用により組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、様々な携帯用電子装置の人気が爆発しており、新型装置に対する一般の人々の関心及び欲求は全く衰える気配を見せない。この人気の高まりとともに、これらの携帯装置の種類の数が著しく増え、これら装置の機能性が著しく多様化してきた。
【0003】
興味深いことに、この多様化は、あまりにも徹底してきたために収束に向かい始めている。1つのこのような収束が、ポータブルコンピュータ装置で生じている。
【0004】
今では、電話機などの小型装置を使用して、以前ではより大型のコンピュータ装置に限られていた機能を実行することができる。これらの機能は、人々に実際に電話をかけることなどの本来の機能に留まらず、音楽を聴くこと、映画を観ること、文書を見ること、ウェブサーフィンすること、Eメールを読むことを含む。ネットブックなどのより大型の装置は、光学ドライブ及びその他の機能を切り離すことにより、超軽量サイズにスリム化されている。
【0005】
このように、これら装置の進化は、ポータブルコンピュータ装置という共通の目的に向けて収束している。これらのポータブルコンピュータ装置は、これまでは電話機及びネットブックに割り当てられていた様々な機能を扱うことができる。これらの装置を使用して、音楽を聴き、映画を鑑賞し、文書を見て編集し、ウェブサーフィンし、Eメール及び本を読むことに加え、他にも無数の機能を行うことができる。
【0006】
これらのポータブルコンピュータ装置のユーザは、装置をドッキングステーション内に置くことが多い。これらのドッキングステーションは、ポータブルコンピュータ装置を機械的に支持するとともに、画面を容易に見ることができるようにほぼ直立状態で適所に保持することができる。また、これらのポータブルコンピュータ装置とともにその他のアクセサリを使用することもできる。これらのアクセサリは、多くの場合、ポータブルコンピュータ装置に電力を供給し、この電力を使用してポータブルコンピュータ装置上の回路を起動し、内部バッテリを充電する。
【0007】
これらのポータブルコンピュータ装置は、比較的大きなバッテリを有しており、これらのバッテリを充電するために、対応する大きな電流が必要となる。しかしながら、ポータブルコンピュータ装置のバッテリが充電中の間は、アクセサリに動作のための電流が必要となる。また、アクセサリによっては、一定量の電流しか安全に供給できないものもある。
【0008】
従って、これらのポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力を管理するための方法、装置、及び回路が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
これに応じて、本発明の実施形態は、ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力を管理するための方法、装置、及び回路を提供する。本発明の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力管理を改善するコマンドセット及び支援回路を提供する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態は、アクセサリに正しく動作するのに十分な電流を供給しながらポータブルコンピュータ装置が最大に利用可能な電流レベルで充電できるようにすることができるコマンドを提供する。本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルなどのアクセサリに害を及ぼす恐れのある高レベルの電流を引き出すのを防ぐ役に立つことができる。本発明の別の例示的な実施形態は、バッテリパック又はその他のアクセサリが、ポータブルコンピュータ装置に内部バッテリを充電しないよう指示できるようにすることができる。本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置が、複数の電源のうちのいずれの電源を使用してアクセサリに給電すべきかを決定できるようにすることができる。本発明のさらに別の例示的な実施形態は、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置から充電電流パラメータを取得できるようにすることができる。
【0011】
本発明の1つの例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立して、外部電源から電力を受け取ることができる。アクセサリは、外部電源の電流能力を特定し、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。その後、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が、この正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨をポータブルコンピュータ装置に信号送信することができる。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法では、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリとの接続を確立することができる。次に、ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリに給電する外部電源の電流能力の指示を受け取ることができる。ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリの必要電流量を示すことができる電力指示をアクセサリから受け取ることもできる。次に、ポータブルコンピュータ装置は、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。その後、ポータブルコンピュータ装置は、この正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる別の方法を提供する。この方法は、ケーブルを介して電源との接続を確立するステップと、電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を受け取るステップと、ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の指示を受け取るステップと、より低い第2のレベルに等しい限度の電流を引き出すステップとを含むことができる。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法は、バッテリパックとの接続を確立するステップと、バッテリパックからの電流を使用して内部バッテリを充電することなく回路を動作させるためのコマンドを受け取るステップと、内部バッテリを充電することなく内部回路を動作させるための電流を引き出すステップとを含むことができる。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立することができる。次に、アクセサリは、アクセサリに給電するために第1の電源を使用すべきか、それとも第2の電源を使用すべきかを尋ねる要求をポータブルコンピュータ装置に行うことができる。次に、アクセサリは、アクセサリに給電するためにいずれの電源を使用すべきかを示す指示を受け取ることができる。その後、アクセサリは、指示された電源を使用して給電を受けることができる。
【0016】
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法は、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立するステップと、充電パラメータを求める要求をポータブルコンピュータ装置に行うステップと、ポータブルコンピュータ装置から充電パラメータを受け取るステップとを含むことができる。
【0017】
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法は、アクセサリとの接続を確立するステップと、アクセサリ上の抵抗器の識別符号を読み取るステップと、この抵抗器の識別符号に基づいて、1又はそれ以上のデフォルト値の組を決定するステップと、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するためのコマンドをアクセサリから受け取るステップと、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するステップとを含むことができる。
【0018】
本発明の様々な実施形態は、本明細書で説明するこれらの及びその他の特徴の1つ又はそれ以上を組み入れることができる。以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、本発明の本質及び利点をより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を組み入れることにより改善できる電子システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリを含むシステムの簡略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態を組み入れることにより改善される電子システムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態が採用できるパケットフォーマットを示す図である。
【図5】設定コマンドを利用したときのアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及び情報の流れを示す図である。
【図6】確認応答と通知の両方を採用した場合のアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及びデータの通信を示す図である。
【図7】アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置を含む電子システムにおける、コマンドを取得して戻す流れを示す図である。
【図8】アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の電力を管理するために本発明の様々な実施形態が採用するコマンドを一覧にしたテーブルである。
【図9】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図10】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図11】本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置が引き出す電流レベルを制御する方法を示す図である。
【図12】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図13】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図14】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【図15】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図16】本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図17】本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図18】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図19】本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。
【図20】本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図21】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図22】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図23】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【図24】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図25】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図26】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作のフロー図である。
【図27】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図28】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図29】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、本発明の実施形態の組み入れることにより改善できる電子システムを示す。この図は、本明細書に含まれる他の図と同様に例示のみを目的として示すものであり、本発明の考えられる実施形態又は特許請求の範囲のいずれも限定するものではない。
【0021】
この図は、ポータブルコンピュータ装置150及びアクセサリ130を含む。アクセサリ130は、この例ではドッキングステーションであるが、他の例では、ラジオ、モニタ、双方向ディスプレイなどの、その他の種類の装置であってもよい。ポータブルコンピュータ装置150は、この例ではタブレットコンピュータであるが、他のシステムでは、携帯型メディアプレーヤ、携帯電話機、モニタ、又はその他の電子装置などの、その他の種類の装置であってもよい。
【0022】
アクセサリ130は、挿入口140を有する挿入部135を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置150は、1又はそれ以上のレセプタクル155及び160を有することができる。これらのレセプタクル155及び160は、レセプタクル舌部165を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置150をアクセサリ130に嵌合させる場合、レセプタクル155又は160のいずれかに挿入部135を嵌め込むことができる。また、対応するレセプタクル舌部165を挿入口140に嵌め込むことができる。レセプタクル舌部165における接点(図示せず)が、挿入口140内の接点との電気的接続を形成する。これらの電気的接続は、アクセサリ130とポータブルコンピュータ装置150の間で共有できる電力及び信号のための経路を形成する。
【0023】
アクセサリ130及びポータブルコンピュータ装置150は、電力及びデータ信号を管理して共有するための様々な電子回路を含むことができる。これらの回路の例を以下の図に示す。
【0024】
図2は、本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置250及びアクセサリ230を含むシステム200の簡略ブロック図である。この実施形態では、(例えば、図1のポータブルコンピュータ装置150を実現する)ポータブルコンピュータ装置250が、計算、通信及び/又はメディア再生能力を提供することができる。ポータブルコンピュータ装置250は、プロセッサ210、記憶装置212、ユーザインターフェイス214、電力制御部216、ネットワークインターフェイス218、及びアクセサリ入力/出力(I/O)インターフェイス220を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置250は、様々な拡張能力を提供するためのその他の構成要素(明示せず)を含むこともできる。
【0025】
記憶装置212は、ディスク、フラッシュメモリ、又は他のいずれかの不揮発性記憶媒体を使用して実現することができる。いくつかの実施形態では、記憶装置212が、ポータブルコンピュータ装置250によって再生できるオーディオ、ビデオ、静止画像などのメディア資産を記憶することができる。記憶装置212は、ユーザの連絡先(名前、住所、電話番号など)、約束及びイベントの計画、メモ、及び/又はその他の個人情報などの、その他の情報を記憶することもできる。いくつかの実施形態では、記憶装置212が、プロセッサ210が実行する1又はそれ以上のアプリケーションプログラム(ビデオゲームプログラム、個人情報管理プログラム、メディア再生プログラムなど)を記憶することができる。
【0026】
ユーザインターフェイス214は、タッチパッド、タッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、マイクなどの入力装置、及びビデオ画面、インジケータライト、スピーカ、ヘッドホンジャックなどの出力装置、並びに補助電子装置(デジタル−アナログ又はアナログ−デジタル変換器、信号プロセッサなど)を含むことができる。ユーザは、ユーザインターフェイス214の入力装置を動作させてポータブルコンピュータ装置250の機能を呼び出し、ユーザインターフェイス214の出力装置を介してポータブルコンピュータ装置250からの出力を見ること及び/又は聞くことができる。
【0027】
1又はそれ以上の集積回路(従来のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなど)として実現できるプロセッサ210は、ポータブルコンピュータ装置250の動作を制御することができる。本発明の様々な実施形態では、プロセッサ210が、プログラムコードに応答して様々なプログラムを実行し、複数の同時実行プログラム又は処理を維持することができる。実行すべきプログラムコードの一部又は全部は、その時々にプロセッサ210内及び/又は記憶装置212などの記憶媒体内に常駐することができる。
【0028】
プロセッサ210は、好適なプログラムを通じてポータブルコンピュータ装置250に様々な機能を提供することができる。プロセッサ210は、例えば、ユーザインターフェイス214により提供されるユーザ入力信号に応答して、選択された資産のユーザ入力及び表示リストに応答して記憶装置212に記憶されたメディア資産のデータベースをナビゲートするためのデータベースエンジンを動作させることができる。プロセッサ210は、やはりプロセッサ210により動作される再生エンジンに資産情報を転送することにより、再生する(1又は複数の)資産のユーザ選択に応答し、このようにしてメディアコンテンツを再生できるようになる。プロセッサ210は、ポータブルコンピュータ装置250のその他の機能を制御するためのその他のプログラムを動作させることもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ210が、1又はそれ以上の接続されたアクセサリ(アクセサリ230など)との通信を管理するためのプロトコルデーモン及びその他のプログラムを実装し、これらのアクセサリの例については以下で説明する。
【0029】
電力マネジャ216は、ポータブルコンピュータ装置250に電力管理能力を提供する。例えば、電力マネジャ216は、バッテリ(明示せず)から配線217を介してアクセサリI/Oインターフェイス220へ、及びポータブルコンピュータ装置250のその他の構成要素へ電力を送達することができる(電力接続は図示せず)。電力マネジャ216は、アクセサリI/Oインターフェイス220及び配線219を介して電力を受け取り、受け取った電力をポータブルコンピュータ装置250の様々な構成要素へ送達することもできる。また、アクセサリ230から受け取った電力をバッテリへ送達し、これによりアクセサリI/Oインターフェイス220を介してバッテリを再充電できるようにすることもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ210上で、又は別個のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとして実行するプログラムコードにより生成された制御信号に応答して動作するプログラム可能回路又は制御可能回路を使用して、電力マネジャ216を実現することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、電力マネジャ216が、アクセサリI/Oインターフェイス220内のセンサ(明示せず)からの信号に応答する。このセンサは、接続されたアクセサリの種類を示す信号を生成することができ、電力マネジャ216は、この情報を利用して、例えば、バッテリからの電力又はアクセサリI/Oインターフェイス220から受け取った電力を分配するかどうかなどを決定することができる。電力マネジャ216は、利用可能な電源及び電力量に基づいてポータブルコンピュータ装置250の他の構成要素の電力消費量を調整すること、バッテリ内に蓄えられた電力をモニタすること、及び蓄えられた電力が最低レベルを下回った場合にユーザ警告を生成することなどの、その他の電力管理能力を提供することもできる。
【0031】
ネットワークインターフェイス218は、ポータブルコンピュータ装置250に音声及び/又はデータ通信能力を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ネットワークインターフェイス218が、(例えば、携帯電話技術、3G又はEDGEなどの高度データネットワーク技術、WiFi(IEEE 802.11ファミリの規格)、又はその他の移動体通信技術、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用して)無線音声及び/又はデータネットワークにアクセスするための無線周波数(RF)トランシーバ要素、GPS受信機要素、及び/又はその他の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェイス218が、無線インターフェイスに加えて、又はこれの代わりに、有線ネットワーク接続(イーサネットなど)を提供することができる。ネットワークインターフェイス218は、(アンテナ、変調器/復調器、エンコーダ/デコーダ、及びその他のアナログ及び/又はデジタル信号処理回路などの)ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組み合わせを使用して実現することができる。
【0032】
アクセサリI/Oインターフェイス220は、ポータブルコンピュータ装置250が様々なアクセサリと通信できるようにすることができる。例えば、アクセサリI/Oインターフェイス220は、コンピュータ、外部スピーカドック又はメディア再生ステーション、デジタルカメラ、(FM、AM及び/又は衛星などの)ラジオチューナ、車内娯楽システム、外部ビデオ装置、カードリーダ、ディスクリーダなどへの接続をサポートすることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセサリI/Oインターフェイス220が、複数のアクセサリへの接続をデイジーチェーン構成でサポートし、ポータブルコンピュータ装置250が複数のアクセサリとの同時通信を管理できるようにすることができる。これは、例えば、アクセサリI/Oインターフェイス220により提供される物理的通信ポートに複数の仮想ポートを関連付けることによって行うことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、アクセサリI/Oインターフェイス220が、iPod(登録商標)及びiPhone(登録商標)製品、並びに支援回路上で使用されるコネクタに対応する30ピンコネクタなどのコネクタを含むことができる。このコネクタは、電力及び接地のための接続、並びにユニバーサルシリアルバス(USB)、FireWire(IEEE 1394規格)、及び/又は汎用非同期受信機/送信機(UART)などの、様々な有線通信インターフェイスのための接続を提供することができる。このコネクタは、ポータブルコンピュータ装置250との間でアナログ及び/又はデジタルフォーマットで送信できるオーディオ及び/又はビデオ信号のための接続を提供することもできる。従って、アクセサリI/Oインターフェイス220は、複数の通信チャネルをサポートすることができ、所与のアクセサリは、これらのチャネルの一部又は全部を使用することができる。
【0034】
アクセサリ230は、コントローラ240、ユーザ入力装置242、オーディオ/ビデオ出力装置244、電力マネジャ246、電源248、及びPCD I/Oインターフェイス236を含むことができる。アクセサリは、その能力、複雑性、及びフォームファクタが広く異なることができる。様々なアクセサリは、図示していない構成要素を含むことができ、これらは、以下に限定されるわけではないが、固定又は取り外し可能記憶媒体を含む記憶装置(ディスク、フラッシュメモリなど)、レンズ、画像センサ、及び(アパーチャ、ズーム、露光時間、フレームレートなどの)これらの制御などのカメラ要素、及び音声を(単独で、又はビデオ記録との関連で)記録するためのマイクなどを含むことができる。
【0035】
コントローラ240は、アクセサリ230に関連する様々な動作を実行するためのプログラムコードを実行するマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含むことができる。例えば、アクセサリ230がサウンド及び/又はビデオシステムを内蔵する場合、コントローラ240により実行されるプログラムコードは、デジタルオーディオデコーディング、アナログ又はデジタルオーディオ処理などのためのプログラムを含むことができる。アクセサリ230がデジタルカメラを内蔵する場合、コントローラ240により実行されるプログラムコードは、ユーザが設定の調整、画像の取り込み、画像の表示、別の電子装置への画像データの転送などを行えるようにカメラを制御できるようにするプログラムを含むことができる。
【0036】
ユーザ入力装置242は、タッチパッド、タッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーボード、キーパッド、マイクなどの、ユーザが操作可能な制御機器を含むことができる。ユーザは、ユーザインターフェイス234の様々な入力制御機器を操作してアクセサリ230の機能を呼び出すことができ、このような機能は、ポータブルコンピュータ装置250と直接又は仲介物を介して、制御信号、データ、又はその他の通信をやりとりすることを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、アクセサリ230が、オーディオ/ビデオ出力装置244などの出力装置を提供することもできる。いくつかの実施形態では、オーディオ/ビデオ出力装置244が、スピーカ、及び/又は外部スピーカ又はヘッドホンを接続するための接続ポート、ビデオ画面、及び/又は外部ビデオ画面、インジケータライトを接続するための接続ポートなど、並びに(デジタル−アナログ又はアナログ−デジタル変換器、信号プロセッサなどの)補助電子装置を含むことができる。これらの構成要素を結合して、PCD I/Oインターフェイス250を介してオーディオ及び/又はビデオ信号を受け取ることができる。このような構成要素は、ユーザがアクセサリ230からの出力を見ること及び/又は聞くことを可能にすることができる。
【0038】
電力マネジャ246は、アクセサリ230の電力管理能力を提供することができる。例えば、電力マネジャ246を、電源248から電力を受け取るように構成することができる。いくつかの実施形態では、電源248が、(標準電気グリッドなどの)外部電源への接続を含むことができ、例えば、電源248は、アクセサリ230の内部又は外部のいずれに存在してもよいAC−DC変換器を含むことができる。他の実施形態では、電源248が、バッテリ又はその他のエネルギー貯蔵装置を含むことができる。電力マネジャ246は、電源248からアクセサリ230の様々な構成要素へ電力を送達することができる。また、いくつかの実施形態では、電力マネジャ246が、PCD I/Oインターフェイス236を介して上流のアクセサリへ電力を送達することができる。
【0039】
PCD I/Oインターフェイス236は、アクセサリ230がポータブルコンピュータ装置250と直接又は仲介物を介して通信できるようにすることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、PCD I/Oインターフェイス236が、USBインターフェイスを内蔵することができる。例えば、PCD I/Oインターフェイス236は、標準、ミニ、又はマイクロUSBポートを提供することができる。他の実施形態では、PCD I/Oインターフェイス236が、様々なipod(登録商標)製品で使用されているコネクタと嵌合する30ピンコネクタなどの、ポータブルコンピュータ装置に含まれるコネクタと直接嵌合できるコネクタを含むことができる。このようなコネクタを使用して、ポータブルコンピュータ装置250との間で電力をやりとりし、オーディオ及び/又はビデオ信号をアナログ及び/又はデジタルフォーマットで受け取り、USB、UART、及び/又はFireWireなどの様々なインターフェイスを介して情報を通信することができる。
【0040】
アクセサリ230は、ポータブルコンピュータ装置250と相互作用するいずれの電子装置であってもよい。いくつかの実施形態では、アクセサリ230が、ポータブルコンピュータ装置250の動作に対する遠隔制御、又は入力制御と出力制御の両方を含むことができる遠隔ユーザインターフェイス(表示画面など)を提供することができる。アクセサリ230は、ポータブルコンピュータ装置250の様々な機能を制御できるとともに、ポータブルコンピュータ装置250からメディアコンテンツを受け取り、(例えば、メディアコンテンツの種類に応じてオーディオスピーカ及び/又はビデオ画面を通じて)このようなコンテンツをユーザに提示することもできる。他の実施形態では、ポータブルコンピュータ装置250が、アクセサリ230の記憶媒体から記憶データを取り出すこと、アクセサリ230に内蔵されたカメラによって画像取り込み動作を開始することなどの、アクセサリ230の動作を制御することができる。上述したように、アクセサリ230とポータブルコンピュータ装置250の間の通信は、直接的なものであっても、又は仲介ソースを介したものであってもよく、仲介物の有無はアクセサリ230にとって透過的とすることができる。
【0041】
本明細書で説明するシステム構成及び構成要素は例示的なものであり、変形及び修正が可能であると理解されるであろう。ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリは、本明細書に明記していないその他の能力を有することもできる。例えば、このポータブルコンピュータ装置及びアクセサリに、携帯電話、全地球測位システム(GPS)、広帯域データ通信、インターネット接続性などを組み込むこともできる。
【0042】
様々なインターフェイスにおけるコネクタは、望む通りに相補的であっても、又はそうでなくてもよい。2つのコネクタが相補的でない場合、アダプタを提供して2つの装置を接続することができる。本明細書では、コネクタを、ピンを有するものとして、一般に構成要素を接続するための配線を有する従来の電子装置に関連する用語として説明していることがあるが、(光信号通信などの)その他の信号経路を代用できると理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、接続の一部を無線とすることができ、無線インターフェイスを提供する場合はコネクタを省くことができる。
【0043】
さらに、本明細書では、特定のブロックを参照してポータブルコンピュータ装置及びアクセサリを説明しているが、これらのブロックは、説明の便宜上定義するものであり、構成部品の特定の物理的配置を意味するためのものではないと理解されたい。さらに、これらのブロックは、物理的に異なる構成要素に対応する必要はない。ブロックは、プロセッサをプログラムすること、又は適当な制御回路を提供することによって様々な動作を実行するように構成することができ、様々なブロックは、最初の構成がどのように得られるかに応じて再構成可能であっても、又はそうでなくてもよい。本発明の実施形態は、回路とソフトウェアのあらゆる組み合わせを使用して実現される電子装置を含む様々な装置内で実現することができる。
【0044】
図3に、本発明の実施形態を組み入れることにより改善される電子システムを示す。この図は、電源310、アクセサリ330、及びポータブルコンピュータ装置350を含む。電源310は、壁コンセント、又は車のコンセントなどの他の電源に結合することができる。電源310は、アクセサリ330に電力を供給することができる。ポータブルコンピュータ装置350は、直接、或いはケーブル又はその他の電子経路を介してアクセサリ330に接続することができる。
【0045】
電源310により供給される電力を使用して、アクセサリ330及びポータブルコンピュータ装置350に給電することができる。電源310からの電力を使用して、ポータブルコンピュータ装置350の内部にあるバッテリ(図示せず)を充電することもできる。電源310により供給される電力は、効率的に管理されることが望ましい。従って、本発明の実施形態は、ポータブルコンピュータ装置350が電子システムの電力管理に関してアクセサリ330又はその他の電子装置と通信できるようにするコマンド及び支援回路を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリが、ポータブルコンピュータ装置からアクセサリへのプロトコルに従ってコマンド及びデータを交換することにより、接続された状態で通信することができ、本明細書ではこのプロトコルを「アクセサリプロトコル」とも呼ぶ。これらのコマンド及びデータは、関連するインターフェイスにより提供されるいずれかの有線又は無線伝送媒体を使用して通信することができる。
【0047】
アクセサリプロトコルは、ポータブルコンピュータ装置とこれに接続されたあらゆるアクセサリの間で交換されるメッセージのフォーマットを定義する。例えば、アクセサリプロトコルは、各メッセージ(本明細書ではコマンドとも呼ぶ)が、ヘッダ及び任意のペイロードを含むパケットで送信されるように指定することができる。ヘッダは、(開始インジケータ、パケット長、及び受信者が処理するコマンドを識別するコマンドコードなどの)基本情報を提供し、ペイロードは、コマンドに関連するいずれかのデータを提供し、その関連するデータの量はコマンドごとに異なることができ、コマンドの中には、可変長のペイロードを提供できるものもある。いくつかの実施形態では、いずれかの特定のコマンドコードが一方向でのみ有効であるようにコマンドを定義することができる。パケットは、当業で知られているようなエラー検出又はエラー訂正コードを含むこともできる。
【0048】
アクセサリプロトコルは、様々なクラスのアクセサリがサポートできる(又はサポートできない)一群の関連コマンドである複数の「専門用語」を定義することができる。1つの実施形態では、コマンドコードが、コマンドが属する専門用語を識別する第1のバイト、及び専門用語内の特定のコマンドを識別する第2のバイトを含むことができる。他のコマンド構造を使用することもできる。アクセサリプロトコル内で定義される全ての専門用語を、全てのアクセサリ、又はアクセサリを接続できる全てのポータブルコンピュータ装置がサポートする必要はない。
【0049】
いくつかの実施形態では、アクセサリプロトコルを使用する全てのアクセサリ及び全てのポータブルコンピュータ装置が、ポータブルコンピュータ装置と全てのアクセサリに共通のコマンドを含む少なくとも「一般的」な専門用語をサポートする。この一般的専門用語は、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリが互いに識別及び認証し合って、各々が(もしあれば)他のいずれの専門用語をサポートするかを含む、これらの装置のそれぞれの能力に関する一般情報を提供できるようにするコマンドを含むことができる。この一般的専門用語は、アクセサリが主張する識別情報及び能力をポータブルコンピュータ装置が認証するために(或いは逆もまた同様)使用できる認証コマンドを含むこともでき、認証に失敗した場合には、アクセサリ(又はポータブルコンピュータ装置)が一部の(又は全部の)コマンド又は専門用語を呼び出すのを阻止することができる。
【0050】
アクセサリプロトコルは、呼び出すべきポータブルコンピュータ装置の機能を示すコマンドをアクセサリが送信できるようにする単純な遠隔用語、ポータブルコンピュータ装置のユーザインターフェイスの全部又は一部をアクセサリ上で複製することに関するコマンド及びデータを通信する(これにより、より高度な遠隔制御をサポートする)ために使用できる遠隔ユーザインターフェイス用語、ユーザが、ポータブルコンピュータ装置を操作することによってチューナアクセサリを制御し、及び/又はアクセサリを操作することによってポータブルコンピュータ装置内のチューナを制御できるようにするチューナ用語、及びアクセサリがポータブルコンピュータ装置上にデータを記憶できるようにする記憶用語などの、他の様々な専門用語を含むこともできる。アクセサリプロトコルとともに、いずれかの専門用語又は専門用語の組み合わせ、或いは他のコマンド又は一群のコマンドを使用することができる。
【0051】
本発明の様々な実施形態では、これらのコマンドをパケットとして送信することができる。これらのパケットは、電力管理動作に関する情報を含むことができる。このようなパケットの例を以下の図に示す。
【0052】
図4は、本発明の実施形態が採用できる、コマンドを伝えるためのパケットフォーマットを示す図である。このパケットは、プリアンブル又は同期情報410を含み、この後にパケット開始フィールド420が続く。フィールド430では、パケットのロード長が識別される。フィールド440では、コマンドが属する専門用語が識別される。フィールド450では、コマンド自体が識別される。フィールド460ではコマンドデータが続く。フィールド470を使用して、チェックサム又はCRCを行うことができる。
【0053】
本発明の実施形態に含まれるコマンドには、具体的には設定コマンド及び取得コマンドという2つのタイプがある。設定コマンドは、受信装置に内部値を設定するように指示する。取得コマンドは、受信装置に情報を要求する。設定コマンドを採用するシステム内の動作例を以下の図に示す。
【0054】
図5は、設定コマンドを利用したときのアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及び情報の流れを示す図である。この例では、コマンドを受け取ったことを示す確認応答信号を採用する。また、この例では、設定コマンドが、アクセサリからポータブルコンピュータ装置へ、或いはポータブルコンピュータ装置からアクセサリへ移動することができる。
【0055】
動作510において、アクセサリが、設定コマンド及び対応するデータを送信することができる。動作515において、この設定コマンド及びデータをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作525において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作530において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作535において、ポータブルコンピュータ装置が、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。
【0056】
本発明の様々な実施形態では、受け取った確認中のコマンドを識別するように確認応答を構築することができる。例えば、ポータブルコンピュータ装置は、特定のコマンド及びデータを受け取ったことを識別する確認応答を送信することができる。本発明の他の実施形態では、動作510においてアクセサリにより送信される設定コマンド及びデータが、アクセサリに関連する識別番号を有することができる。この場合、動作525においてポータブルコンピュータ装置により送信される確認応答も、この識別番号を含むことができる。この識別番号を、カウンタ又はその他の機構を使用して追跡することができる。
【0057】
ここでも、一般に、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが設定コマンドを開始してもよい。従って、動作540において、ポータブルコンピュータ装置が設定コマンド及びデータを送信することができる。この設定コマンド及びデータを、動作545においてアクセサリが受け取ることができる。動作555において、アクセサリが確認応答を送信し、動作560において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作565において、アクセサリが、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。
【0058】
本発明の様々な実施形態では、通知を使用することができる。確認応答と通知は、前者が、コマンド及びデータを受け取ったことを示すのに対し、後者は、コマンド及びデータに基づいて動作が行われたことを示すという点で異なる。本発明の実施形態による典型的なシステムでは、ポータブルコンピュータ装置が数多くの通知を生成する。従って、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のトラフィックを減少させるために、アクセサリは、通知を登録することができる。すなわち、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が実行するいくつかの種類の動作についての通知を受け取ることを要求することができる。一方、典型的なシステムでは、通常、アクセサリは数多くの通知を生成しないので、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリからの通知を登録することはない。従って、アクセサリが、全ての通知をポータブルコンピュータ装置に提供することは一般的である。この例を以下の図に示す。
【0059】
図6は、確認応答と通知の両方を採用した場合のアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及びデータの通信を示す図である。動作610において、アクセサリが通知を登録することができる。動作615において、ポータブルコンピュータ装置がこの登録を受け取ることができる。この登録により、ポータブルコンピュータ装置があるクラス又は種類の機能を実行したときにアクセサリが通知を受け取りたい旨をポータブルコンピュータ装置に知らせることができる。動作620において、アクセサリからポータブルコンピュータ装置へ設定コマンド及びデータを送信することができる。動作625において、この設定コマンド及びデータをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作630において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作635においてアクセサリがこれを受け取ることができる。動作640において、ポータブルコンピュータ装置が、設定コマンド及びデータに基づいて動作する。この動作が完了すると、動作645において、ポータブルコンピュータ装置が通知を送信することができる。動作650において、通知を受け取ることができる。この時点で、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が装置自体を更新したと悟ることができ、動作620において送信されたコマンド及びデータに基づく態様で動作する。
【0060】
ここでも、通常、ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリの通知を登録することはないが、本発明のいくつかの実施形態ではこれを行うことができる。この例では、アクセサリが、動作ごとに通知を送信することができる。動作660において、ポータブルコンピュータ装置から設定コマンド及びデータが送信され、動作635においてアクセサリがこれを受け取ることができる。動作670において、アクセサリから確認応答が送信され、動作675において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作680において、アクセサリが、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。この動作が完了すると、動作685において、アクセサリから通知が送信され、動作690において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。
【0061】
様々な状況では、一方の装置が、設定コマンド及びデータを使用してもう一方の装置に特定の態様で動作するように指示することにより、もう一方の装置がそのように動作することを確実にすることができる。時には、一方の装置が、もう一方の装置から機能パラメータに関する情報を取り出す必要がある場合がある。このような状況では、取得コマンドを使用することができる。設定コマンドと同様に、取得コマンドも、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが開始してもよい。これらのコマンドでは、要求された情報を戻すことが、確認応答機能と通知機能の両方の意味を含むので、確認応答又は通知は必要ない。以下の図に例を示す。
【0062】
図7は、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置を含む電子システムにおける、コマンドを取得して戻す流れを示す図である。動作710において、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置へ取得コマンドを送信し、動作715において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作730において、ポータブルコンピュータ装置が、要求されたデータを取り出すことができる。多くの場合、この動作は、レジスタから値を読み取るのと同じくらい容易である。動作740において、ポータブルコンピュータ装置が要求されたデータを戻し、動作745において、アクセサリがこれを受け取ることができる。
【0063】
ここでも、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが取得コマンドを開始してもよい。従って、動作750において、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリに取得コマンドを提供することができる。動作755において、アクセサリが取得コマンド及びデータを受け取り、動作760において、要求されたデータを取り出すことができる。データを取り出した後、動作770において、アクセサリが要求されたデータを戻し、動作775において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。
【0064】
本発明の様々な実施形態では、特定の機能のために様々なコマンドを使用し、これらのコマンドを特定の方向で使用することができる。本発明の様々な実施形態が採用するいくつかのコマンド、これらの典型的な方向、及びこれらのペイロードを以下の図で一覧にする。
【0065】
図8は、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の電力を管理するために本発明の様々な実施形態が採用するコマンドを一覧にしたテーブルである。コマンドの典型的なペイロードであるという理由で、典型的な流れ方向も示している。これらのコマンドの各々については、以下の図でさらに詳細に説明する。
【0066】
図9は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源910、アクセサリ930、及びポータブルコンピュータ装置950を含む。電源910は、アクセサリ930及びポータブルコンピュータ装置950の両方に電力を供給することができる。このようなシステムでは、ポータブルコンピュータ装置950が、その内部バッテリをできるかぎり高速で充電したいと望むことができる。従って、ポータブルコンピュータ装置950は、アクセサリ930の動作に不要な全ての電流を使用したいと望む。
【0067】
アクセサリ930は、電源910の電流能力を特定することができる。本発明の様々な実施形態では、電源910により与えられる1又はそれ以上のピン又は信号線上の電圧レベル又は抵抗器の値のいずれかを読み取ることによってこれを行うことができる。本発明の特定の実施形態では、電源910が、USBタイプの接続を介して電力を供給することができ、USBデータ線上の電圧レベル又は抵抗器の値が電源910の電流能力を示す。本発明の他の実施形態では、識別抵抗器などの他の種類の識別を使用することもできる。例えば、電源910は、その電流能力に関する信号又はその他の指示を行うことができる。アクセサリ930は、この利用可能な電流から必要な動作電流を差し引くことができる。SetAvailableCurrentコマンドを使用して、正味の利用可能な電流をポータブルコンピュータ装置950へ送信することができる。このコマンドは、ポータブルコンピュータ装置950が使用すべき電流制限を含むことができる。アクセサリ930及びポータブルコンピュータ装置950が実行する動作を以下の図に示す。
【0068】
図10は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作1010において、アクセサリが、電源の電流能力を特定することができる。動作1020において、アクセサリが、電源の電流能力からアクセサリ自体の必要電流量を差し引いて正味電流を求めることができる。動作1030において、この正味電流を、SetAvailableCurrentコマンドの一部としてポータブルコンピュータ装置へ送信し、ポータブルコンピュータ装置は、動作1040においてこの設定コマンドを受け取ることができる。動作1050において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作1060において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作1070において、ポータブルコンピュータ装置が、利用可能な電流レベルを正味電流に設定することができる。この後、ポータブルコンピュータ装置は、動作1030において、アクセサリにより示された正味電流を超えない電流を引き出すことができる。この時点で、ポータブルコンピュータ装置は、この変更の通知をアクセサリに提供することができる。
【0069】
図11に、本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置が引き出す電流レベルを制御する方法を示す。動作1110において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作1120において、アクセサリが、外部電源から電力を受け取ることができる。動作1130において、アクセサリが、外部電源の電流能力を特定することができる。動作1140において、アクセサリが、外部電源の電流能力から必要な動作電流を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。ここでも、この動作により、アクセサリが正しく動作するのに十分な電力を有することを確実にすることができる。動作1150において、アクセサリが、正味電流能力と等しい限度の電流をポータブルコンピュータ装置が引き出すべきである旨を、接続を介してポータブルコンピュータ装置へ信号送信することができる。
【0070】
上記の例では、アクセサリが電源の電流能力を特定することができる。本発明の他の実施形態では、ポータブルコンピュータ装置が電源の電流能力を特定することができる。ポータブルコンピュータ装置は、電源により与えられる配線上の抵抗器の値又は電圧レベルを読み取るによってこれを行うことができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリが、これらのピンのパススルーとして機能する。これにより、ポータブルコンピュータ装置は、これらの配線上の抵抗器の値又は電圧レベルを直接読み取ることができるようになる。本発明の他の実施形態では、アクセサリが、これらの抵抗器の値又は電圧レベルを読み取り、この抵抗器の値又は電圧レベルをポータブルコンピュータ装置に転送することができる。以下の図に例を示す。
【0071】
図12は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。このシステムでは、ポータブルコンピュータ装置1250が、電源1210の電流能力を特定することができる。アクセサリ1230は、SetReserveCurrentコマンドを使用して、必要な動作電流をポータブルコンピュータ装置1250に通信することができる。このコマンドは、そのペイロード内に、アクセサリ1230が動作するのに必要な電流を含むことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1250は、電源1210の電流能力からアクセサリ1230が必要とする動作電流を減じた限度の電流を引き出すことができる。ここでも、この動作により、アクセサリ1230が十分な動作電流を有し、ポータブルコンピュータ装置1250によって電流不足に陥らないことを確実にする。
【0072】
図13に、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す。動作1310において、アクセサリが、その必要電流量を決定することができる。動作1320において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流能力を特定することができる。動作1330において、アクセサリが、その必要電流量をポータブルコンピュータ装置へ送信し、動作1340において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作1350において、確認応答が送信され、動作1360において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作1370において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引いて正味電流を求めることができる。動作1380において、ポータブルコンピュータ装置が、利用可能な電流レベルを正味電流に設定することができる。これに続き、動作1370において、ポータブルコンピュータ装置が、求めた正味電流に等しい限度の電流を引き出すことができる。この時点で、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリへ通知を送信することができる。
【0073】
図14は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作1410において、ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立することができる。動作1420において、ポータブルコンピュータ装置が、外部電源電力の電流能力の指示をアクセサリから受け取ることができる。動作1430において、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリの必要電流量を示す指示をアクセサリから受け取ることができる。動作1440において、ポータブルコンピュータ装置が、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。動作1450において、ポータブルコンピュータ装置が、動作1440で求めた正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0074】
いくつかのシステムでは、電源が、電流を第1のレベルで供給できることを示すことができる。しかしながら、電源をアクセサリ又はポータブルコンピュータ装置に接続するために使用されるケーブルが、電流をこの第1のレベルで供給できず、より低い第2のレベルでしか提供できない場合もある。このような状況では、ケーブルが、ポータブルコンピュータ装置が低い方の第2のレベルでのみ電流を引き出すべきである旨を示せることが望ましい。これをいかにして行うかについての例を以下の図に示す。
【0075】
図15は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この例では、電源1510が、ケーブル1560及びケーブル挿入部1565を介してポータブルコンピュータ装置1550に電力を供給することができる。ケーブル挿入部1565は、ポータブル装置1550のコネクタレセプタクル(図示せず)と嵌合する。
【0076】
電源1510は、電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を行うことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1550は、電流を第1のレベルで引き出すことができるというこの指示を読み取ることができる。次に、ケーブル1560は、ケーブル1560が電流をより低い第2のレベルでしか供給できない旨をポータブルコンピュータ装置1550に知らせる。ケーブル1560は、SetMaxCurrentコマンドを使用してこれを行うことができる。これに応じて、ポータブルコンピュータ装置1550は、第2のより低いレベルで電流を引き出し、これによりケーブル1560を保護することができる。これらの動作を示す略図を以下の図に示す。
【0077】
図16は、本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。動作1610において、ケーブルが、ケーブルの電流制限を決定することができる。動作1620において、この電流制限をポータブルコンピュータ装置へ送信することができる。動作1615において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流制限を特定することができる。動作1625において、ポータブルコンピュータ装置が、これを電流制限として設定することができる。動作1630において、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルの電流制限を受け取ることができる。動作1640において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作1650において、ケーブルがこれを受け取ることができる。動作1660において、ポータブルコンピュータ装置の電流制限をケーブルのより低い電流制限に設定し、これによりケーブルを保護することができる。
【0078】
図17は、本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。動作1710において、ポータブルコンピュータ装置と電源の間の接続をケーブルを介して確立することができる。動作1720において、ポータブルコンピュータ装置が、電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を受け取ることができる。動作1730において、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルが電流をより低い第2のレベルでしか供給できない旨の指示を受け取ることができる。これに応じて、動作1740において、ポータブルコンピュータ装置が、より低い第2のレベルに等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態では、バッテリパックを使用してポータブルコンピュータ装置に電力を供給することができる。このような状況では、ポータブルコンピュータ装置の内部バッテリを充電するためにバッテリパックからの電力を使用しないことが望ましい場合がある。ポータブルコンピュータ装置に、バッテリパックからの電流を使用してその内部バッテリを充電させるのではなく、動作のみを行わせることにより、バッテリパックから内部バッテリへの電荷移動によって生じる電力損失が解消される。以下の図に例を示す。
【0080】
図18は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この例では、バッテリパック1870が、ケーブル1860及びケーブル挿入部1865を介してポータブルコンピュータ装置1850に電力を供給することができる。この例では、バッテリパック1870が、内部バッテリを充電しないようにというコマンドをポータブルコンピュータ装置1850へ送信することができる。同様に、バッテリパック1870は、ポータブルコンピュータ装置1850にその内部バッテリを充電するように指示するコマンドを送信することもできる。バッテリパックは、SetBatteryChargingコマンドを使用してこれを行うことができる。このコマンドのペイロードは、ポータブルコンピュータ装置1850がその内部バッテリを充電すべきかどうかを示すビットを含むことができる。ポータブルコンピュータ装置1850は、その内部バッテリを充電しないようにというコマンドを受け取った後、その回路を動作させるのに十分な電流を引き出すことはできるが、内部バッテリは充電しない。このシステムの要素が実行する動作の例を以下の図に示す。
【0081】
図19は、本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。動作1910において、内部バッテリを充電しないようにというコマンドがバッテリパックから送信され、動作1920において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作1930において、確認応答が送信され、動作1940において、バッテリパックがこれを受け取ることができる。動作1950において、ポータブルコンピュータ装置が、その回路をバッテリパックからの電力を使用して動作させることはできるが、内部バッテリは充電しない。この変更の通知を、ポータブルコンピュータ装置からバッテリパックへ送信することができる。
【0082】
図20は、本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作のフロー図である。動作2010において、ポータブルコンピュータ装置とバッテリパックの間の接続を確立することができる。動作2020において、ポータブルコンピュータ装置が、その回路を、バッテリパックからの電流を使用して内部バッテリを充電することなく動作させるようにというコマンドを受け取ることができる。これに応じて、ポータブルコンピュータ装置は、動作2030において、電流を引き出してその内部回路を動作させることはできるが、内部バッテリは充電しない。
【0083】
本発明の様々な実施形態では、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が、1つよりも多くの電力線を共有することができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間で、USB電源及びアクセサリ電源を共有することができる。このような状況では、アクセサリが、いずれの電源から電流を引き出すこともできる。この構成では、電源がUSB配線を介して電力を供給することができる。ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリが必要電力量をUSB電源から受け取り、これにより残りのUSB電力をポータブルコンピュータ装置ために残しておくことを望むことができる。或いは、ポータブルコンピュータ装置は、全ての利用可能な電力をUSB配線から受け取り、アクセサリ電源を使用してアクセサリに電力を戻すことを望むこともできる。
【0084】
この理由として、ポータブルコンピュータ装置が引き出すことができる電流量に関する柔軟性が向上することが挙げられる。例えば、本発明の特定の実施形態では、電源が、例えば、2.0アンペアの電流を供給することができる。アクセサリは、その動作に0.2アンペアの電流を必要とすることができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリが、1.0アンペア又は2.0アンペアの電流を引き出すようにポータブルコンピュータ装置に指示することができる。ポータブルコンピュータ装置のために1.8アンペアを利用できるので、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置に1.0アンペアを引き出すように指示する。従って、ポータブルコンピュータ装置の内部バッテリは、1.8アンペア全体を受け取れる場合ほど高速に充電することができない。従って、ポータブルコンピュータ装置は、USB電源で利用可能な2.0アンペアを引き出し、アクセサリの供給線を使用してアクセサリに0.2アンペアを戻したいと望むことができる。この構成では、ポータブルコンピュータ装置の動作及びその内部バッテリを充電するために正味1.8アンペアが残る。この例を以下の図に示す。
【0085】
図21は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。電源2110は、アクセサリ2130及びポータブルコンピュータ装置2150の両方に電流を提供することができる。ポータブルコンピュータ装置2150及びアクセサリ2130は、第1の電力線2142及び第2の電力線2144を共有することができる。アクセサリ2130は、ポータブルコンピュータ装置2150に、いずれの電力線を使用すべきかを尋ねるコマンドを送信することができる。アクセサリ2130は、GetPrefPowerコマンドを使用してこれを行うことができる。このコマンドは、そのペイロード内に、第1の電力線を使用する場合に必要な電流、及び第2の電力線を使用する場合に必要となり得る電流を含むことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1250は、RetPerflPowerコマンドを使用して、アクセサリ1230に第1の電力線2142又は第2の電力線2144を使用するように指示することができる。このコマンドは、そのペイロード内で、使用する電源を識別する。
【0086】
詳細には、第1の電力線2142は、USB電源を伝えることができる。この電源は、アクセサリ2130内の電力マネジャ2134によって電源2110から引き出される。電力マネジャ2134は、この電力を、ポータブルコンピュータ装置2150内の電力制御部2154に電力線2142で供給することができる。電力制御部2154は、この電力を利用して、ポータブルコンピュータ装置2150内のバッテリ2152を配線2153を介して充電するとともに、他の回路の動作のための電流を供給することができる。バッテリ2152は、電力を配線2155で電力制御部2154へ戻すことができる。電力制御部2154は、このバッテリ電力をアクセサリ電力として第2の電力線2144で電力マネジャ2134に供給することができる。この構成では、アクセサリ2130が、USB電力から第1の電力線2142で直接給電を受けることもでき、或いはバッテリ2152を介して第2の電力線2144で電力を受け取ることもできる。この図の装置が実行する動作を以下の図に示す。
【0087】
図22は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2210において、アクセサリが、好ましい電力を取得するためのコマンド、すなわち、アクセサリが第1の電源から電流を引き出すことにより動作すべきか、それとも第2の電源から電流を引き出すことにより動作すべきかを送信することができる。動作2220において、このコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作2230において、ポータブルコンピュータ装置が好ましい電源を決定し、動作2240において、この情報をアクセサリへ送信することができる。動作2250において、アクセサリが好ましい電源を受け取り、動作2260において、その電源から電流を引き出すことができる。
【0088】
図23は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作2310において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作2320において、アクセサリが、第1の電源を使用してアクセサリに給電すべきか、それとも第2の電源を使用してアクセサリに給電すべきかを尋ねる要求をポータブルコンピュータ装置に行うことができる。動作2330において、アクセサリが、いずれの電源を使用してアクセサリに給電すべきかを示す指示を受け取ることができる。動作2340において、アクセサリが、指示された電源を使用してアクセサリに給電することができる。
【0089】
本発明の様々な実施形態では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置から充電及び電力管理に関する情報を読み取ることが望ましい。1つのこのようなパラメータは、ポータブルコンピュータ装置が供給できる最大充電電流を含むことができる。この情報を、GetUltraHighPowerコマンドを使用して要求し、RetUltraHighPowerコマンドを使用して戻すことができる。この例を以下の図に示す。
【0090】
図24は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源2410、アクセサリ2430、及びポータブルコンピュータ装置2450を含む。アクセサリ2430は、GetCharginglnfoコマンドを使用して、充電情報を取り出すためのコマンドをポータブルコンピュータ装置2450へ送信することができる。ポータブルコンピュータ装置2450は、RetCharginglnfoコマンドを使用して、アクセサリ2430に充電情報を戻すことができる。これらの動作を以下の図に示す。
【0091】
図25は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2510において、アクセサリが、充電情報を取得するためのコマンドを送信することができる。動作2520において、この情報を取得するためのコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。次に、動作2530において、例えばレジスタからこの情報を読み取ることができる。動作2540において、充電情報が戻され、動作2550において、アクセサリがこれを受け取ることができる。この充電情報は、利用可能な電流制限、最大電流制限、内部バッテリの充電状態、及びその他のパラメータなどの、上述した充電情報を含むことができる。
【0092】
図26は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作のフロー図である。動作2610において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作2620において、充電情報を求める要求をポータブルコンピュータ装置へ送信することができる。動作2630において、ポータブルコンピュータ装置から充電情報を受け取ることができる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリ上の抵抗器の値を使用することによってアクセサリを識別することができる。例えば、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置と通信するために使用できる、その2又はそれ以上のピン間の規定値を有する抵抗器を含むことができる。この識別から、ポータブルコンピュータ装置内に1又はそれ以上のデフォルト値を設定することができる。時には、これらの値に規定値を上乗せ又は補完を行うことが望ましい場合もある。この例を以下の図に示す。
【0094】
図27は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源2710、アクセサリ2730、及びポータブルコンピュータ装置2750を含む。ポータブルコンピュータ装置2750は、アクセサリ2730上の抵抗器の識別符号を検出することができる。ポータブルコンピュータ装置2750は、この抵抗器の識別符号からいくつかのパラメータのデフォルト値を決定することができる。アクセサリ2730は、これらのデフォルト値に上乗せ又は補完を行うための1又はそれ以上のコマンドをポータブルコンピュータ装置2750へ送信することができる。これらの装置が実行する動作を以下の図に示す。
【0095】
図28は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2810において、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリ上の識別抵抗器を読み取ることができる。動作2820において、ポータブルコンピュータ装置が、この識別抵抗器に基づいて様々なパラメータのデフォルト値を決定することができる。動作2830において、アクセサリが、このデフォルト値に補完又は上乗せを行うための1又はそれ以上のコマンドを送信することができる。動作2840において、このコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作2850において、アクセサリへ確認応答が送信され、動作2860において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作2870において、ポータブルコンピュータ装置が、デフォルト値に補完又は上乗せを行うことができる。これらの変更の通知を、ポータブルコンピュータ装置からアクセサリに提供することができる。
【0096】
図29は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作2910において、ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立することができる。動作2920において、アクセサリの抵抗器の識別符号を読み取ることができる。動作2930において、ポータブルコンピュータ装置が、抵抗器の識別符号に基づいて1又はそれ以上のデフォルト値を決定することができる。動作2940において、ポータブルコンピュータ装置が、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するためのコマンドをアクセサリから受け取ることができる。動作2950において、ポータブルコンピュータ装置が、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正することができる。
【0097】
本発明の実施形態についての上記の説明は、例示及び説明を目的として示したものである。網羅的であること、又は説明した厳密な形に本発明を限定することは意図しておらず、上記教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。これらの実施形態は、本発明の原理及びその実際の応用を最良に説明し、これにより当業者が様々な実施形態において、及び意図される特定の用途に適した様々な修正を行って本発明を最大限に利用できるようにするために選択して記載したものである。従って、本発明が、以下の特許請求の範囲に含まれる全ての修正物及び同等物を対象とすることを意図されたものであることが理解されよう。
【符号の説明】
【0098】
1110 アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立
1120 外部電源から電力を受け取り
1130 外部電源の電流能力を特定
1140 外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を特定
1150 ポータブルコンピュータ装置が正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨を、接続を介してポータブルコンピュータ装置へ信号送信
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2010年1月6日に出願された米国仮特許出願第61/292,689号の利益を主張するものであり、該仮特許出願は引用により組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、様々な携帯用電子装置の人気が爆発しており、新型装置に対する一般の人々の関心及び欲求は全く衰える気配を見せない。この人気の高まりとともに、これらの携帯装置の種類の数が著しく増え、これら装置の機能性が著しく多様化してきた。
【0003】
興味深いことに、この多様化は、あまりにも徹底してきたために収束に向かい始めている。1つのこのような収束が、ポータブルコンピュータ装置で生じている。
【0004】
今では、電話機などの小型装置を使用して、以前ではより大型のコンピュータ装置に限られていた機能を実行することができる。これらの機能は、人々に実際に電話をかけることなどの本来の機能に留まらず、音楽を聴くこと、映画を観ること、文書を見ること、ウェブサーフィンすること、Eメールを読むことを含む。ネットブックなどのより大型の装置は、光学ドライブ及びその他の機能を切り離すことにより、超軽量サイズにスリム化されている。
【0005】
このように、これら装置の進化は、ポータブルコンピュータ装置という共通の目的に向けて収束している。これらのポータブルコンピュータ装置は、これまでは電話機及びネットブックに割り当てられていた様々な機能を扱うことができる。これらの装置を使用して、音楽を聴き、映画を鑑賞し、文書を見て編集し、ウェブサーフィンし、Eメール及び本を読むことに加え、他にも無数の機能を行うことができる。
【0006】
これらのポータブルコンピュータ装置のユーザは、装置をドッキングステーション内に置くことが多い。これらのドッキングステーションは、ポータブルコンピュータ装置を機械的に支持するとともに、画面を容易に見ることができるようにほぼ直立状態で適所に保持することができる。また、これらのポータブルコンピュータ装置とともにその他のアクセサリを使用することもできる。これらのアクセサリは、多くの場合、ポータブルコンピュータ装置に電力を供給し、この電力を使用してポータブルコンピュータ装置上の回路を起動し、内部バッテリを充電する。
【0007】
これらのポータブルコンピュータ装置は、比較的大きなバッテリを有しており、これらのバッテリを充電するために、対応する大きな電流が必要となる。しかしながら、ポータブルコンピュータ装置のバッテリが充電中の間は、アクセサリに動作のための電流が必要となる。また、アクセサリによっては、一定量の電流しか安全に供給できないものもある。
【0008】
従って、これらのポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力を管理するための方法、装置、及び回路が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
これに応じて、本発明の実施形態は、ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力を管理するための方法、装置、及び回路を提供する。本発明の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置と1又はそれ以上のアクセサリの間の電力管理を改善するコマンドセット及び支援回路を提供する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態は、アクセサリに正しく動作するのに十分な電流を供給しながらポータブルコンピュータ装置が最大に利用可能な電流レベルで充電できるようにすることができるコマンドを提供する。本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルなどのアクセサリに害を及ぼす恐れのある高レベルの電流を引き出すのを防ぐ役に立つことができる。本発明の別の例示的な実施形態は、バッテリパック又はその他のアクセサリが、ポータブルコンピュータ装置に内部バッテリを充電しないよう指示できるようにすることができる。本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置が、複数の電源のうちのいずれの電源を使用してアクセサリに給電すべきかを決定できるようにすることができる。本発明のさらに別の例示的な実施形態は、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置から充電電流パラメータを取得できるようにすることができる。
【0011】
本発明の1つの例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立して、外部電源から電力を受け取ることができる。アクセサリは、外部電源の電流能力を特定し、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。その後、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が、この正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨をポータブルコンピュータ装置に信号送信することができる。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法では、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリとの接続を確立することができる。次に、ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリに給電する外部電源の電流能力の指示を受け取ることができる。ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリの必要電流量を示すことができる電力指示をアクセサリから受け取ることもできる。次に、ポータブルコンピュータ装置は、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。その後、ポータブルコンピュータ装置は、この正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる別の方法を提供する。この方法は、ケーブルを介して電源との接続を確立するステップと、電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を受け取るステップと、ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の指示を受け取るステップと、より低い第2のレベルに等しい限度の電流を引き出すステップとを含むことができる。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法は、バッテリパックとの接続を確立するステップと、バッテリパックからの電流を使用して内部バッテリを充電することなく回路を動作させるためのコマンドを受け取るステップと、内部バッテリを充電することなく内部回路を動作させるための電流を引き出すステップとを含むことができる。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立することができる。次に、アクセサリは、アクセサリに給電するために第1の電源を使用すべきか、それとも第2の電源を使用すべきかを尋ねる要求をポータブルコンピュータ装置に行うことができる。次に、アクセサリは、アクセサリに給電するためにいずれの電源を使用すべきかを示す指示を受け取ることができる。その後、アクセサリは、指示された電源を使用して給電を受けることができる。
【0016】
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、アクセサリを動作させる方法を提供する。この方法は、ポータブルコンピュータ装置との接続を確立するステップと、充電パラメータを求める要求をポータブルコンピュータ装置に行うステップと、ポータブルコンピュータ装置から充電パラメータを受け取るステップとを含むことができる。
【0017】
本発明のさらに別の例示的な実施形態は、ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法を提供する。この方法は、アクセサリとの接続を確立するステップと、アクセサリ上の抵抗器の識別符号を読み取るステップと、この抵抗器の識別符号に基づいて、1又はそれ以上のデフォルト値の組を決定するステップと、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するためのコマンドをアクセサリから受け取るステップと、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するステップとを含むことができる。
【0018】
本発明の様々な実施形態は、本明細書で説明するこれらの及びその他の特徴の1つ又はそれ以上を組み入れることができる。以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、本発明の本質及び利点をより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を組み入れることにより改善できる電子システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリを含むシステムの簡略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態を組み入れることにより改善される電子システムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態が採用できるパケットフォーマットを示す図である。
【図5】設定コマンドを利用したときのアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及び情報の流れを示す図である。
【図6】確認応答と通知の両方を採用した場合のアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及びデータの通信を示す図である。
【図7】アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置を含む電子システムにおける、コマンドを取得して戻す流れを示す図である。
【図8】アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の電力を管理するために本発明の様々な実施形態が採用するコマンドを一覧にしたテーブルである。
【図9】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図10】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図11】本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置が引き出す電流レベルを制御する方法を示す図である。
【図12】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図13】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図14】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【図15】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図16】本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図17】本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図18】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図19】本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。
【図20】本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。
【図21】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図22】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図23】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【図24】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図25】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図26】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作のフロー図である。
【図27】本発明の実施形態による電子システムを示す図である。
【図28】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。
【図29】本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、本発明の実施形態の組み入れることにより改善できる電子システムを示す。この図は、本明細書に含まれる他の図と同様に例示のみを目的として示すものであり、本発明の考えられる実施形態又は特許請求の範囲のいずれも限定するものではない。
【0021】
この図は、ポータブルコンピュータ装置150及びアクセサリ130を含む。アクセサリ130は、この例ではドッキングステーションであるが、他の例では、ラジオ、モニタ、双方向ディスプレイなどの、その他の種類の装置であってもよい。ポータブルコンピュータ装置150は、この例ではタブレットコンピュータであるが、他のシステムでは、携帯型メディアプレーヤ、携帯電話機、モニタ、又はその他の電子装置などの、その他の種類の装置であってもよい。
【0022】
アクセサリ130は、挿入口140を有する挿入部135を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置150は、1又はそれ以上のレセプタクル155及び160を有することができる。これらのレセプタクル155及び160は、レセプタクル舌部165を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置150をアクセサリ130に嵌合させる場合、レセプタクル155又は160のいずれかに挿入部135を嵌め込むことができる。また、対応するレセプタクル舌部165を挿入口140に嵌め込むことができる。レセプタクル舌部165における接点(図示せず)が、挿入口140内の接点との電気的接続を形成する。これらの電気的接続は、アクセサリ130とポータブルコンピュータ装置150の間で共有できる電力及び信号のための経路を形成する。
【0023】
アクセサリ130及びポータブルコンピュータ装置150は、電力及びデータ信号を管理して共有するための様々な電子回路を含むことができる。これらの回路の例を以下の図に示す。
【0024】
図2は、本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置250及びアクセサリ230を含むシステム200の簡略ブロック図である。この実施形態では、(例えば、図1のポータブルコンピュータ装置150を実現する)ポータブルコンピュータ装置250が、計算、通信及び/又はメディア再生能力を提供することができる。ポータブルコンピュータ装置250は、プロセッサ210、記憶装置212、ユーザインターフェイス214、電力制御部216、ネットワークインターフェイス218、及びアクセサリ入力/出力(I/O)インターフェイス220を含むことができる。ポータブルコンピュータ装置250は、様々な拡張能力を提供するためのその他の構成要素(明示せず)を含むこともできる。
【0025】
記憶装置212は、ディスク、フラッシュメモリ、又は他のいずれかの不揮発性記憶媒体を使用して実現することができる。いくつかの実施形態では、記憶装置212が、ポータブルコンピュータ装置250によって再生できるオーディオ、ビデオ、静止画像などのメディア資産を記憶することができる。記憶装置212は、ユーザの連絡先(名前、住所、電話番号など)、約束及びイベントの計画、メモ、及び/又はその他の個人情報などの、その他の情報を記憶することもできる。いくつかの実施形態では、記憶装置212が、プロセッサ210が実行する1又はそれ以上のアプリケーションプログラム(ビデオゲームプログラム、個人情報管理プログラム、メディア再生プログラムなど)を記憶することができる。
【0026】
ユーザインターフェイス214は、タッチパッド、タッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、マイクなどの入力装置、及びビデオ画面、インジケータライト、スピーカ、ヘッドホンジャックなどの出力装置、並びに補助電子装置(デジタル−アナログ又はアナログ−デジタル変換器、信号プロセッサなど)を含むことができる。ユーザは、ユーザインターフェイス214の入力装置を動作させてポータブルコンピュータ装置250の機能を呼び出し、ユーザインターフェイス214の出力装置を介してポータブルコンピュータ装置250からの出力を見ること及び/又は聞くことができる。
【0027】
1又はそれ以上の集積回路(従来のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなど)として実現できるプロセッサ210は、ポータブルコンピュータ装置250の動作を制御することができる。本発明の様々な実施形態では、プロセッサ210が、プログラムコードに応答して様々なプログラムを実行し、複数の同時実行プログラム又は処理を維持することができる。実行すべきプログラムコードの一部又は全部は、その時々にプロセッサ210内及び/又は記憶装置212などの記憶媒体内に常駐することができる。
【0028】
プロセッサ210は、好適なプログラムを通じてポータブルコンピュータ装置250に様々な機能を提供することができる。プロセッサ210は、例えば、ユーザインターフェイス214により提供されるユーザ入力信号に応答して、選択された資産のユーザ入力及び表示リストに応答して記憶装置212に記憶されたメディア資産のデータベースをナビゲートするためのデータベースエンジンを動作させることができる。プロセッサ210は、やはりプロセッサ210により動作される再生エンジンに資産情報を転送することにより、再生する(1又は複数の)資産のユーザ選択に応答し、このようにしてメディアコンテンツを再生できるようになる。プロセッサ210は、ポータブルコンピュータ装置250のその他の機能を制御するためのその他のプログラムを動作させることもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ210が、1又はそれ以上の接続されたアクセサリ(アクセサリ230など)との通信を管理するためのプロトコルデーモン及びその他のプログラムを実装し、これらのアクセサリの例については以下で説明する。
【0029】
電力マネジャ216は、ポータブルコンピュータ装置250に電力管理能力を提供する。例えば、電力マネジャ216は、バッテリ(明示せず)から配線217を介してアクセサリI/Oインターフェイス220へ、及びポータブルコンピュータ装置250のその他の構成要素へ電力を送達することができる(電力接続は図示せず)。電力マネジャ216は、アクセサリI/Oインターフェイス220及び配線219を介して電力を受け取り、受け取った電力をポータブルコンピュータ装置250の様々な構成要素へ送達することもできる。また、アクセサリ230から受け取った電力をバッテリへ送達し、これによりアクセサリI/Oインターフェイス220を介してバッテリを再充電できるようにすることもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ210上で、又は別個のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとして実行するプログラムコードにより生成された制御信号に応答して動作するプログラム可能回路又は制御可能回路を使用して、電力マネジャ216を実現することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、電力マネジャ216が、アクセサリI/Oインターフェイス220内のセンサ(明示せず)からの信号に応答する。このセンサは、接続されたアクセサリの種類を示す信号を生成することができ、電力マネジャ216は、この情報を利用して、例えば、バッテリからの電力又はアクセサリI/Oインターフェイス220から受け取った電力を分配するかどうかなどを決定することができる。電力マネジャ216は、利用可能な電源及び電力量に基づいてポータブルコンピュータ装置250の他の構成要素の電力消費量を調整すること、バッテリ内に蓄えられた電力をモニタすること、及び蓄えられた電力が最低レベルを下回った場合にユーザ警告を生成することなどの、その他の電力管理能力を提供することもできる。
【0031】
ネットワークインターフェイス218は、ポータブルコンピュータ装置250に音声及び/又はデータ通信能力を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ネットワークインターフェイス218が、(例えば、携帯電話技術、3G又はEDGEなどの高度データネットワーク技術、WiFi(IEEE 802.11ファミリの規格)、又はその他の移動体通信技術、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用して)無線音声及び/又はデータネットワークにアクセスするための無線周波数(RF)トランシーバ要素、GPS受信機要素、及び/又はその他の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェイス218が、無線インターフェイスに加えて、又はこれの代わりに、有線ネットワーク接続(イーサネットなど)を提供することができる。ネットワークインターフェイス218は、(アンテナ、変調器/復調器、エンコーダ/デコーダ、及びその他のアナログ及び/又はデジタル信号処理回路などの)ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組み合わせを使用して実現することができる。
【0032】
アクセサリI/Oインターフェイス220は、ポータブルコンピュータ装置250が様々なアクセサリと通信できるようにすることができる。例えば、アクセサリI/Oインターフェイス220は、コンピュータ、外部スピーカドック又はメディア再生ステーション、デジタルカメラ、(FM、AM及び/又は衛星などの)ラジオチューナ、車内娯楽システム、外部ビデオ装置、カードリーダ、ディスクリーダなどへの接続をサポートすることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセサリI/Oインターフェイス220が、複数のアクセサリへの接続をデイジーチェーン構成でサポートし、ポータブルコンピュータ装置250が複数のアクセサリとの同時通信を管理できるようにすることができる。これは、例えば、アクセサリI/Oインターフェイス220により提供される物理的通信ポートに複数の仮想ポートを関連付けることによって行うことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、アクセサリI/Oインターフェイス220が、iPod(登録商標)及びiPhone(登録商標)製品、並びに支援回路上で使用されるコネクタに対応する30ピンコネクタなどのコネクタを含むことができる。このコネクタは、電力及び接地のための接続、並びにユニバーサルシリアルバス(USB)、FireWire(IEEE 1394規格)、及び/又は汎用非同期受信機/送信機(UART)などの、様々な有線通信インターフェイスのための接続を提供することができる。このコネクタは、ポータブルコンピュータ装置250との間でアナログ及び/又はデジタルフォーマットで送信できるオーディオ及び/又はビデオ信号のための接続を提供することもできる。従って、アクセサリI/Oインターフェイス220は、複数の通信チャネルをサポートすることができ、所与のアクセサリは、これらのチャネルの一部又は全部を使用することができる。
【0034】
アクセサリ230は、コントローラ240、ユーザ入力装置242、オーディオ/ビデオ出力装置244、電力マネジャ246、電源248、及びPCD I/Oインターフェイス236を含むことができる。アクセサリは、その能力、複雑性、及びフォームファクタが広く異なることができる。様々なアクセサリは、図示していない構成要素を含むことができ、これらは、以下に限定されるわけではないが、固定又は取り外し可能記憶媒体を含む記憶装置(ディスク、フラッシュメモリなど)、レンズ、画像センサ、及び(アパーチャ、ズーム、露光時間、フレームレートなどの)これらの制御などのカメラ要素、及び音声を(単独で、又はビデオ記録との関連で)記録するためのマイクなどを含むことができる。
【0035】
コントローラ240は、アクセサリ230に関連する様々な動作を実行するためのプログラムコードを実行するマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含むことができる。例えば、アクセサリ230がサウンド及び/又はビデオシステムを内蔵する場合、コントローラ240により実行されるプログラムコードは、デジタルオーディオデコーディング、アナログ又はデジタルオーディオ処理などのためのプログラムを含むことができる。アクセサリ230がデジタルカメラを内蔵する場合、コントローラ240により実行されるプログラムコードは、ユーザが設定の調整、画像の取り込み、画像の表示、別の電子装置への画像データの転送などを行えるようにカメラを制御できるようにするプログラムを含むことができる。
【0036】
ユーザ入力装置242は、タッチパッド、タッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーボード、キーパッド、マイクなどの、ユーザが操作可能な制御機器を含むことができる。ユーザは、ユーザインターフェイス234の様々な入力制御機器を操作してアクセサリ230の機能を呼び出すことができ、このような機能は、ポータブルコンピュータ装置250と直接又は仲介物を介して、制御信号、データ、又はその他の通信をやりとりすることを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、アクセサリ230が、オーディオ/ビデオ出力装置244などの出力装置を提供することもできる。いくつかの実施形態では、オーディオ/ビデオ出力装置244が、スピーカ、及び/又は外部スピーカ又はヘッドホンを接続するための接続ポート、ビデオ画面、及び/又は外部ビデオ画面、インジケータライトを接続するための接続ポートなど、並びに(デジタル−アナログ又はアナログ−デジタル変換器、信号プロセッサなどの)補助電子装置を含むことができる。これらの構成要素を結合して、PCD I/Oインターフェイス250を介してオーディオ及び/又はビデオ信号を受け取ることができる。このような構成要素は、ユーザがアクセサリ230からの出力を見ること及び/又は聞くことを可能にすることができる。
【0038】
電力マネジャ246は、アクセサリ230の電力管理能力を提供することができる。例えば、電力マネジャ246を、電源248から電力を受け取るように構成することができる。いくつかの実施形態では、電源248が、(標準電気グリッドなどの)外部電源への接続を含むことができ、例えば、電源248は、アクセサリ230の内部又は外部のいずれに存在してもよいAC−DC変換器を含むことができる。他の実施形態では、電源248が、バッテリ又はその他のエネルギー貯蔵装置を含むことができる。電力マネジャ246は、電源248からアクセサリ230の様々な構成要素へ電力を送達することができる。また、いくつかの実施形態では、電力マネジャ246が、PCD I/Oインターフェイス236を介して上流のアクセサリへ電力を送達することができる。
【0039】
PCD I/Oインターフェイス236は、アクセサリ230がポータブルコンピュータ装置250と直接又は仲介物を介して通信できるようにすることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、PCD I/Oインターフェイス236が、USBインターフェイスを内蔵することができる。例えば、PCD I/Oインターフェイス236は、標準、ミニ、又はマイクロUSBポートを提供することができる。他の実施形態では、PCD I/Oインターフェイス236が、様々なipod(登録商標)製品で使用されているコネクタと嵌合する30ピンコネクタなどの、ポータブルコンピュータ装置に含まれるコネクタと直接嵌合できるコネクタを含むことができる。このようなコネクタを使用して、ポータブルコンピュータ装置250との間で電力をやりとりし、オーディオ及び/又はビデオ信号をアナログ及び/又はデジタルフォーマットで受け取り、USB、UART、及び/又はFireWireなどの様々なインターフェイスを介して情報を通信することができる。
【0040】
アクセサリ230は、ポータブルコンピュータ装置250と相互作用するいずれの電子装置であってもよい。いくつかの実施形態では、アクセサリ230が、ポータブルコンピュータ装置250の動作に対する遠隔制御、又は入力制御と出力制御の両方を含むことができる遠隔ユーザインターフェイス(表示画面など)を提供することができる。アクセサリ230は、ポータブルコンピュータ装置250の様々な機能を制御できるとともに、ポータブルコンピュータ装置250からメディアコンテンツを受け取り、(例えば、メディアコンテンツの種類に応じてオーディオスピーカ及び/又はビデオ画面を通じて)このようなコンテンツをユーザに提示することもできる。他の実施形態では、ポータブルコンピュータ装置250が、アクセサリ230の記憶媒体から記憶データを取り出すこと、アクセサリ230に内蔵されたカメラによって画像取り込み動作を開始することなどの、アクセサリ230の動作を制御することができる。上述したように、アクセサリ230とポータブルコンピュータ装置250の間の通信は、直接的なものであっても、又は仲介ソースを介したものであってもよく、仲介物の有無はアクセサリ230にとって透過的とすることができる。
【0041】
本明細書で説明するシステム構成及び構成要素は例示的なものであり、変形及び修正が可能であると理解されるであろう。ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリは、本明細書に明記していないその他の能力を有することもできる。例えば、このポータブルコンピュータ装置及びアクセサリに、携帯電話、全地球測位システム(GPS)、広帯域データ通信、インターネット接続性などを組み込むこともできる。
【0042】
様々なインターフェイスにおけるコネクタは、望む通りに相補的であっても、又はそうでなくてもよい。2つのコネクタが相補的でない場合、アダプタを提供して2つの装置を接続することができる。本明細書では、コネクタを、ピンを有するものとして、一般に構成要素を接続するための配線を有する従来の電子装置に関連する用語として説明していることがあるが、(光信号通信などの)その他の信号経路を代用できると理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、接続の一部を無線とすることができ、無線インターフェイスを提供する場合はコネクタを省くことができる。
【0043】
さらに、本明細書では、特定のブロックを参照してポータブルコンピュータ装置及びアクセサリを説明しているが、これらのブロックは、説明の便宜上定義するものであり、構成部品の特定の物理的配置を意味するためのものではないと理解されたい。さらに、これらのブロックは、物理的に異なる構成要素に対応する必要はない。ブロックは、プロセッサをプログラムすること、又は適当な制御回路を提供することによって様々な動作を実行するように構成することができ、様々なブロックは、最初の構成がどのように得られるかに応じて再構成可能であっても、又はそうでなくてもよい。本発明の実施形態は、回路とソフトウェアのあらゆる組み合わせを使用して実現される電子装置を含む様々な装置内で実現することができる。
【0044】
図3に、本発明の実施形態を組み入れることにより改善される電子システムを示す。この図は、電源310、アクセサリ330、及びポータブルコンピュータ装置350を含む。電源310は、壁コンセント、又は車のコンセントなどの他の電源に結合することができる。電源310は、アクセサリ330に電力を供給することができる。ポータブルコンピュータ装置350は、直接、或いはケーブル又はその他の電子経路を介してアクセサリ330に接続することができる。
【0045】
電源310により供給される電力を使用して、アクセサリ330及びポータブルコンピュータ装置350に給電することができる。電源310からの電力を使用して、ポータブルコンピュータ装置350の内部にあるバッテリ(図示せず)を充電することもできる。電源310により供給される電力は、効率的に管理されることが望ましい。従って、本発明の実施形態は、ポータブルコンピュータ装置350が電子システムの電力管理に関してアクセサリ330又はその他の電子装置と通信できるようにするコマンド及び支援回路を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリが、ポータブルコンピュータ装置からアクセサリへのプロトコルに従ってコマンド及びデータを交換することにより、接続された状態で通信することができ、本明細書ではこのプロトコルを「アクセサリプロトコル」とも呼ぶ。これらのコマンド及びデータは、関連するインターフェイスにより提供されるいずれかの有線又は無線伝送媒体を使用して通信することができる。
【0047】
アクセサリプロトコルは、ポータブルコンピュータ装置とこれに接続されたあらゆるアクセサリの間で交換されるメッセージのフォーマットを定義する。例えば、アクセサリプロトコルは、各メッセージ(本明細書ではコマンドとも呼ぶ)が、ヘッダ及び任意のペイロードを含むパケットで送信されるように指定することができる。ヘッダは、(開始インジケータ、パケット長、及び受信者が処理するコマンドを識別するコマンドコードなどの)基本情報を提供し、ペイロードは、コマンドに関連するいずれかのデータを提供し、その関連するデータの量はコマンドごとに異なることができ、コマンドの中には、可変長のペイロードを提供できるものもある。いくつかの実施形態では、いずれかの特定のコマンドコードが一方向でのみ有効であるようにコマンドを定義することができる。パケットは、当業で知られているようなエラー検出又はエラー訂正コードを含むこともできる。
【0048】
アクセサリプロトコルは、様々なクラスのアクセサリがサポートできる(又はサポートできない)一群の関連コマンドである複数の「専門用語」を定義することができる。1つの実施形態では、コマンドコードが、コマンドが属する専門用語を識別する第1のバイト、及び専門用語内の特定のコマンドを識別する第2のバイトを含むことができる。他のコマンド構造を使用することもできる。アクセサリプロトコル内で定義される全ての専門用語を、全てのアクセサリ、又はアクセサリを接続できる全てのポータブルコンピュータ装置がサポートする必要はない。
【0049】
いくつかの実施形態では、アクセサリプロトコルを使用する全てのアクセサリ及び全てのポータブルコンピュータ装置が、ポータブルコンピュータ装置と全てのアクセサリに共通のコマンドを含む少なくとも「一般的」な専門用語をサポートする。この一般的専門用語は、ポータブルコンピュータ装置及びアクセサリが互いに識別及び認証し合って、各々が(もしあれば)他のいずれの専門用語をサポートするかを含む、これらの装置のそれぞれの能力に関する一般情報を提供できるようにするコマンドを含むことができる。この一般的専門用語は、アクセサリが主張する識別情報及び能力をポータブルコンピュータ装置が認証するために(或いは逆もまた同様)使用できる認証コマンドを含むこともでき、認証に失敗した場合には、アクセサリ(又はポータブルコンピュータ装置)が一部の(又は全部の)コマンド又は専門用語を呼び出すのを阻止することができる。
【0050】
アクセサリプロトコルは、呼び出すべきポータブルコンピュータ装置の機能を示すコマンドをアクセサリが送信できるようにする単純な遠隔用語、ポータブルコンピュータ装置のユーザインターフェイスの全部又は一部をアクセサリ上で複製することに関するコマンド及びデータを通信する(これにより、より高度な遠隔制御をサポートする)ために使用できる遠隔ユーザインターフェイス用語、ユーザが、ポータブルコンピュータ装置を操作することによってチューナアクセサリを制御し、及び/又はアクセサリを操作することによってポータブルコンピュータ装置内のチューナを制御できるようにするチューナ用語、及びアクセサリがポータブルコンピュータ装置上にデータを記憶できるようにする記憶用語などの、他の様々な専門用語を含むこともできる。アクセサリプロトコルとともに、いずれかの専門用語又は専門用語の組み合わせ、或いは他のコマンド又は一群のコマンドを使用することができる。
【0051】
本発明の様々な実施形態では、これらのコマンドをパケットとして送信することができる。これらのパケットは、電力管理動作に関する情報を含むことができる。このようなパケットの例を以下の図に示す。
【0052】
図4は、本発明の実施形態が採用できる、コマンドを伝えるためのパケットフォーマットを示す図である。このパケットは、プリアンブル又は同期情報410を含み、この後にパケット開始フィールド420が続く。フィールド430では、パケットのロード長が識別される。フィールド440では、コマンドが属する専門用語が識別される。フィールド450では、コマンド自体が識別される。フィールド460ではコマンドデータが続く。フィールド470を使用して、チェックサム又はCRCを行うことができる。
【0053】
本発明の実施形態に含まれるコマンドには、具体的には設定コマンド及び取得コマンドという2つのタイプがある。設定コマンドは、受信装置に内部値を設定するように指示する。取得コマンドは、受信装置に情報を要求する。設定コマンドを採用するシステム内の動作例を以下の図に示す。
【0054】
図5は、設定コマンドを利用したときのアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及び情報の流れを示す図である。この例では、コマンドを受け取ったことを示す確認応答信号を採用する。また、この例では、設定コマンドが、アクセサリからポータブルコンピュータ装置へ、或いはポータブルコンピュータ装置からアクセサリへ移動することができる。
【0055】
動作510において、アクセサリが、設定コマンド及び対応するデータを送信することができる。動作515において、この設定コマンド及びデータをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作525において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作530において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作535において、ポータブルコンピュータ装置が、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。
【0056】
本発明の様々な実施形態では、受け取った確認中のコマンドを識別するように確認応答を構築することができる。例えば、ポータブルコンピュータ装置は、特定のコマンド及びデータを受け取ったことを識別する確認応答を送信することができる。本発明の他の実施形態では、動作510においてアクセサリにより送信される設定コマンド及びデータが、アクセサリに関連する識別番号を有することができる。この場合、動作525においてポータブルコンピュータ装置により送信される確認応答も、この識別番号を含むことができる。この識別番号を、カウンタ又はその他の機構を使用して追跡することができる。
【0057】
ここでも、一般に、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが設定コマンドを開始してもよい。従って、動作540において、ポータブルコンピュータ装置が設定コマンド及びデータを送信することができる。この設定コマンド及びデータを、動作545においてアクセサリが受け取ることができる。動作555において、アクセサリが確認応答を送信し、動作560において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作565において、アクセサリが、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。
【0058】
本発明の様々な実施形態では、通知を使用することができる。確認応答と通知は、前者が、コマンド及びデータを受け取ったことを示すのに対し、後者は、コマンド及びデータに基づいて動作が行われたことを示すという点で異なる。本発明の実施形態による典型的なシステムでは、ポータブルコンピュータ装置が数多くの通知を生成する。従って、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のトラフィックを減少させるために、アクセサリは、通知を登録することができる。すなわち、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が実行するいくつかの種類の動作についての通知を受け取ることを要求することができる。一方、典型的なシステムでは、通常、アクセサリは数多くの通知を生成しないので、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリからの通知を登録することはない。従って、アクセサリが、全ての通知をポータブルコンピュータ装置に提供することは一般的である。この例を以下の図に示す。
【0059】
図6は、確認応答と通知の両方を採用した場合のアクセサリとポータブルコンピュータ装置の間のコマンド及びデータの通信を示す図である。動作610において、アクセサリが通知を登録することができる。動作615において、ポータブルコンピュータ装置がこの登録を受け取ることができる。この登録により、ポータブルコンピュータ装置があるクラス又は種類の機能を実行したときにアクセサリが通知を受け取りたい旨をポータブルコンピュータ装置に知らせることができる。動作620において、アクセサリからポータブルコンピュータ装置へ設定コマンド及びデータを送信することができる。動作625において、この設定コマンド及びデータをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作630において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作635においてアクセサリがこれを受け取ることができる。動作640において、ポータブルコンピュータ装置が、設定コマンド及びデータに基づいて動作する。この動作が完了すると、動作645において、ポータブルコンピュータ装置が通知を送信することができる。動作650において、通知を受け取ることができる。この時点で、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置が装置自体を更新したと悟ることができ、動作620において送信されたコマンド及びデータに基づく態様で動作する。
【0060】
ここでも、通常、ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリの通知を登録することはないが、本発明のいくつかの実施形態ではこれを行うことができる。この例では、アクセサリが、動作ごとに通知を送信することができる。動作660において、ポータブルコンピュータ装置から設定コマンド及びデータが送信され、動作635においてアクセサリがこれを受け取ることができる。動作670において、アクセサリから確認応答が送信され、動作675において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作680において、アクセサリが、設定コマンド及びデータに基づいて動作することができる。この動作が完了すると、動作685において、アクセサリから通知が送信され、動作690において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。
【0061】
様々な状況では、一方の装置が、設定コマンド及びデータを使用してもう一方の装置に特定の態様で動作するように指示することにより、もう一方の装置がそのように動作することを確実にすることができる。時には、一方の装置が、もう一方の装置から機能パラメータに関する情報を取り出す必要がある場合がある。このような状況では、取得コマンドを使用することができる。設定コマンドと同様に、取得コマンドも、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが開始してもよい。これらのコマンドでは、要求された情報を戻すことが、確認応答機能と通知機能の両方の意味を含むので、確認応答又は通知は必要ない。以下の図に例を示す。
【0062】
図7は、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置を含む電子システムにおける、コマンドを取得して戻す流れを示す図である。動作710において、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置へ取得コマンドを送信し、動作715において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作730において、ポータブルコンピュータ装置が、要求されたデータを取り出すことができる。多くの場合、この動作は、レジスタから値を読み取るのと同じくらい容易である。動作740において、ポータブルコンピュータ装置が要求されたデータを戻し、動作745において、アクセサリがこれを受け取ることができる。
【0063】
ここでも、アクセサリ又はポータブルコンピュータ装置のいずれが取得コマンドを開始してもよい。従って、動作750において、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリに取得コマンドを提供することができる。動作755において、アクセサリが取得コマンド及びデータを受け取り、動作760において、要求されたデータを取り出すことができる。データを取り出した後、動作770において、アクセサリが要求されたデータを戻し、動作775において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。
【0064】
本発明の様々な実施形態では、特定の機能のために様々なコマンドを使用し、これらのコマンドを特定の方向で使用することができる。本発明の様々な実施形態が採用するいくつかのコマンド、これらの典型的な方向、及びこれらのペイロードを以下の図で一覧にする。
【0065】
図8は、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の電力を管理するために本発明の様々な実施形態が採用するコマンドを一覧にしたテーブルである。コマンドの典型的なペイロードであるという理由で、典型的な流れ方向も示している。これらのコマンドの各々については、以下の図でさらに詳細に説明する。
【0066】
図9は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源910、アクセサリ930、及びポータブルコンピュータ装置950を含む。電源910は、アクセサリ930及びポータブルコンピュータ装置950の両方に電力を供給することができる。このようなシステムでは、ポータブルコンピュータ装置950が、その内部バッテリをできるかぎり高速で充電したいと望むことができる。従って、ポータブルコンピュータ装置950は、アクセサリ930の動作に不要な全ての電流を使用したいと望む。
【0067】
アクセサリ930は、電源910の電流能力を特定することができる。本発明の様々な実施形態では、電源910により与えられる1又はそれ以上のピン又は信号線上の電圧レベル又は抵抗器の値のいずれかを読み取ることによってこれを行うことができる。本発明の特定の実施形態では、電源910が、USBタイプの接続を介して電力を供給することができ、USBデータ線上の電圧レベル又は抵抗器の値が電源910の電流能力を示す。本発明の他の実施形態では、識別抵抗器などの他の種類の識別を使用することもできる。例えば、電源910は、その電流能力に関する信号又はその他の指示を行うことができる。アクセサリ930は、この利用可能な電流から必要な動作電流を差し引くことができる。SetAvailableCurrentコマンドを使用して、正味の利用可能な電流をポータブルコンピュータ装置950へ送信することができる。このコマンドは、ポータブルコンピュータ装置950が使用すべき電流制限を含むことができる。アクセサリ930及びポータブルコンピュータ装置950が実行する動作を以下の図に示す。
【0068】
図10は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作1010において、アクセサリが、電源の電流能力を特定することができる。動作1020において、アクセサリが、電源の電流能力からアクセサリ自体の必要電流量を差し引いて正味電流を求めることができる。動作1030において、この正味電流を、SetAvailableCurrentコマンドの一部としてポータブルコンピュータ装置へ送信し、ポータブルコンピュータ装置は、動作1040においてこの設定コマンドを受け取ることができる。動作1050において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作1060において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作1070において、ポータブルコンピュータ装置が、利用可能な電流レベルを正味電流に設定することができる。この後、ポータブルコンピュータ装置は、動作1030において、アクセサリにより示された正味電流を超えない電流を引き出すことができる。この時点で、ポータブルコンピュータ装置は、この変更の通知をアクセサリに提供することができる。
【0069】
図11に、本発明の実施形態による、ポータブルコンピュータ装置が引き出す電流レベルを制御する方法を示す。動作1110において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作1120において、アクセサリが、外部電源から電力を受け取ることができる。動作1130において、アクセサリが、外部電源の電流能力を特定することができる。動作1140において、アクセサリが、外部電源の電流能力から必要な動作電流を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。ここでも、この動作により、アクセサリが正しく動作するのに十分な電力を有することを確実にすることができる。動作1150において、アクセサリが、正味電流能力と等しい限度の電流をポータブルコンピュータ装置が引き出すべきである旨を、接続を介してポータブルコンピュータ装置へ信号送信することができる。
【0070】
上記の例では、アクセサリが電源の電流能力を特定することができる。本発明の他の実施形態では、ポータブルコンピュータ装置が電源の電流能力を特定することができる。ポータブルコンピュータ装置は、電源により与えられる配線上の抵抗器の値又は電圧レベルを読み取るによってこれを行うことができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリが、これらのピンのパススルーとして機能する。これにより、ポータブルコンピュータ装置は、これらの配線上の抵抗器の値又は電圧レベルを直接読み取ることができるようになる。本発明の他の実施形態では、アクセサリが、これらの抵抗器の値又は電圧レベルを読み取り、この抵抗器の値又は電圧レベルをポータブルコンピュータ装置に転送することができる。以下の図に例を示す。
【0071】
図12は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。このシステムでは、ポータブルコンピュータ装置1250が、電源1210の電流能力を特定することができる。アクセサリ1230は、SetReserveCurrentコマンドを使用して、必要な動作電流をポータブルコンピュータ装置1250に通信することができる。このコマンドは、そのペイロード内に、アクセサリ1230が動作するのに必要な電流を含むことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1250は、電源1210の電流能力からアクセサリ1230が必要とする動作電流を減じた限度の電流を引き出すことができる。ここでも、この動作により、アクセサリ1230が十分な動作電流を有し、ポータブルコンピュータ装置1250によって電流不足に陥らないことを確実にする。
【0072】
図13に、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す。動作1310において、アクセサリが、その必要電流量を決定することができる。動作1320において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流能力を特定することができる。動作1330において、アクセサリが、その必要電流量をポータブルコンピュータ装置へ送信し、動作1340において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作1350において、確認応答が送信され、動作1360において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作1370において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引いて正味電流を求めることができる。動作1380において、ポータブルコンピュータ装置が、利用可能な電流レベルを正味電流に設定することができる。これに続き、動作1370において、ポータブルコンピュータ装置が、求めた正味電流に等しい限度の電流を引き出すことができる。この時点で、ポータブルコンピュータ装置がアクセサリへ通知を送信することができる。
【0073】
図14は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作1410において、ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立することができる。動作1420において、ポータブルコンピュータ装置が、外部電源電力の電流能力の指示をアクセサリから受け取ることができる。動作1430において、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリの必要電流量を示す指示をアクセサリから受け取ることができる。動作1440において、ポータブルコンピュータ装置が、外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めることができる。動作1450において、ポータブルコンピュータ装置が、動作1440で求めた正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0074】
いくつかのシステムでは、電源が、電流を第1のレベルで供給できることを示すことができる。しかしながら、電源をアクセサリ又はポータブルコンピュータ装置に接続するために使用されるケーブルが、電流をこの第1のレベルで供給できず、より低い第2のレベルでしか提供できない場合もある。このような状況では、ケーブルが、ポータブルコンピュータ装置が低い方の第2のレベルでのみ電流を引き出すべきである旨を示せることが望ましい。これをいかにして行うかについての例を以下の図に示す。
【0075】
図15は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この例では、電源1510が、ケーブル1560及びケーブル挿入部1565を介してポータブルコンピュータ装置1550に電力を供給することができる。ケーブル挿入部1565は、ポータブル装置1550のコネクタレセプタクル(図示せず)と嵌合する。
【0076】
電源1510は、電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を行うことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1550は、電流を第1のレベルで引き出すことができるというこの指示を読み取ることができる。次に、ケーブル1560は、ケーブル1560が電流をより低い第2のレベルでしか供給できない旨をポータブルコンピュータ装置1550に知らせる。ケーブル1560は、SetMaxCurrentコマンドを使用してこれを行うことができる。これに応じて、ポータブルコンピュータ装置1550は、第2のより低いレベルで電流を引き出し、これによりケーブル1560を保護することができる。これらの動作を示す略図を以下の図に示す。
【0077】
図16は、本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。動作1610において、ケーブルが、ケーブルの電流制限を決定することができる。動作1620において、この電流制限をポータブルコンピュータ装置へ送信することができる。動作1615において、ポータブルコンピュータ装置が、電源の電流制限を特定することができる。動作1625において、ポータブルコンピュータ装置が、これを電流制限として設定することができる。動作1630において、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルの電流制限を受け取ることができる。動作1640において、ポータブルコンピュータ装置が確認応答を送信し、動作1650において、ケーブルがこれを受け取ることができる。動作1660において、ポータブルコンピュータ装置の電流制限をケーブルのより低い電流制限に設定し、これによりケーブルを保護することができる。
【0078】
図17は、本発明の実施形態による、ケーブル及びポータブルコンピュータ装置の動作を示すフロー図である。動作1710において、ポータブルコンピュータ装置と電源の間の接続をケーブルを介して確立することができる。動作1720において、ポータブルコンピュータ装置が、電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を受け取ることができる。動作1730において、ポータブルコンピュータ装置が、ケーブルが電流をより低い第2のレベルでしか供給できない旨の指示を受け取ることができる。これに応じて、動作1740において、ポータブルコンピュータ装置が、より低い第2のレベルに等しい限度の電流を引き出すことができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態では、バッテリパックを使用してポータブルコンピュータ装置に電力を供給することができる。このような状況では、ポータブルコンピュータ装置の内部バッテリを充電するためにバッテリパックからの電力を使用しないことが望ましい場合がある。ポータブルコンピュータ装置に、バッテリパックからの電流を使用してその内部バッテリを充電させるのではなく、動作のみを行わせることにより、バッテリパックから内部バッテリへの電荷移動によって生じる電力損失が解消される。以下の図に例を示す。
【0080】
図18は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この例では、バッテリパック1870が、ケーブル1860及びケーブル挿入部1865を介してポータブルコンピュータ装置1850に電力を供給することができる。この例では、バッテリパック1870が、内部バッテリを充電しないようにというコマンドをポータブルコンピュータ装置1850へ送信することができる。同様に、バッテリパック1870は、ポータブルコンピュータ装置1850にその内部バッテリを充電するように指示するコマンドを送信することもできる。バッテリパックは、SetBatteryChargingコマンドを使用してこれを行うことができる。このコマンドのペイロードは、ポータブルコンピュータ装置1850がその内部バッテリを充電すべきかどうかを示すビットを含むことができる。ポータブルコンピュータ装置1850は、その内部バッテリを充電しないようにというコマンドを受け取った後、その回路を動作させるのに十分な電流を引き出すことはできるが、内部バッテリは充電しない。このシステムの要素が実行する動作の例を以下の図に示す。
【0081】
図19は、本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作を示す図である。動作1910において、内部バッテリを充電しないようにというコマンドがバッテリパックから送信され、動作1920において、ポータブルコンピュータ装置がこれを受け取ることができる。動作1930において、確認応答が送信され、動作1940において、バッテリパックがこれを受け取ることができる。動作1950において、ポータブルコンピュータ装置が、その回路をバッテリパックからの電力を使用して動作させることはできるが、内部バッテリは充電しない。この変更の通知を、ポータブルコンピュータ装置からバッテリパックへ送信することができる。
【0082】
図20は、本発明の実施形態による、バッテリパック及びポータブルコンピュータ装置の動作のフロー図である。動作2010において、ポータブルコンピュータ装置とバッテリパックの間の接続を確立することができる。動作2020において、ポータブルコンピュータ装置が、その回路を、バッテリパックからの電流を使用して内部バッテリを充電することなく動作させるようにというコマンドを受け取ることができる。これに応じて、ポータブルコンピュータ装置は、動作2030において、電流を引き出してその内部回路を動作させることはできるが、内部バッテリは充電しない。
【0083】
本発明の様々な実施形態では、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が、1つよりも多くの電力線を共有することができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間で、USB電源及びアクセサリ電源を共有することができる。このような状況では、アクセサリが、いずれの電源から電流を引き出すこともできる。この構成では、電源がUSB配線を介して電力を供給することができる。ポータブルコンピュータ装置は、アクセサリが必要電力量をUSB電源から受け取り、これにより残りのUSB電力をポータブルコンピュータ装置ために残しておくことを望むことができる。或いは、ポータブルコンピュータ装置は、全ての利用可能な電力をUSB配線から受け取り、アクセサリ電源を使用してアクセサリに電力を戻すことを望むこともできる。
【0084】
この理由として、ポータブルコンピュータ装置が引き出すことができる電流量に関する柔軟性が向上することが挙げられる。例えば、本発明の特定の実施形態では、電源が、例えば、2.0アンペアの電流を供給することができる。アクセサリは、その動作に0.2アンペアの電流を必要とすることができる。本発明の特定の実施形態では、アクセサリが、1.0アンペア又は2.0アンペアの電流を引き出すようにポータブルコンピュータ装置に指示することができる。ポータブルコンピュータ装置のために1.8アンペアを利用できるので、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置に1.0アンペアを引き出すように指示する。従って、ポータブルコンピュータ装置の内部バッテリは、1.8アンペア全体を受け取れる場合ほど高速に充電することができない。従って、ポータブルコンピュータ装置は、USB電源で利用可能な2.0アンペアを引き出し、アクセサリの供給線を使用してアクセサリに0.2アンペアを戻したいと望むことができる。この構成では、ポータブルコンピュータ装置の動作及びその内部バッテリを充電するために正味1.8アンペアが残る。この例を以下の図に示す。
【0085】
図21は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。電源2110は、アクセサリ2130及びポータブルコンピュータ装置2150の両方に電流を提供することができる。ポータブルコンピュータ装置2150及びアクセサリ2130は、第1の電力線2142及び第2の電力線2144を共有することができる。アクセサリ2130は、ポータブルコンピュータ装置2150に、いずれの電力線を使用すべきかを尋ねるコマンドを送信することができる。アクセサリ2130は、GetPrefPowerコマンドを使用してこれを行うことができる。このコマンドは、そのペイロード内に、第1の電力線を使用する場合に必要な電流、及び第2の電力線を使用する場合に必要となり得る電流を含むことができる。次に、ポータブルコンピュータ装置1250は、RetPerflPowerコマンドを使用して、アクセサリ1230に第1の電力線2142又は第2の電力線2144を使用するように指示することができる。このコマンドは、そのペイロード内で、使用する電源を識別する。
【0086】
詳細には、第1の電力線2142は、USB電源を伝えることができる。この電源は、アクセサリ2130内の電力マネジャ2134によって電源2110から引き出される。電力マネジャ2134は、この電力を、ポータブルコンピュータ装置2150内の電力制御部2154に電力線2142で供給することができる。電力制御部2154は、この電力を利用して、ポータブルコンピュータ装置2150内のバッテリ2152を配線2153を介して充電するとともに、他の回路の動作のための電流を供給することができる。バッテリ2152は、電力を配線2155で電力制御部2154へ戻すことができる。電力制御部2154は、このバッテリ電力をアクセサリ電力として第2の電力線2144で電力マネジャ2134に供給することができる。この構成では、アクセサリ2130が、USB電力から第1の電力線2142で直接給電を受けることもでき、或いはバッテリ2152を介して第2の電力線2144で電力を受け取ることもできる。この図の装置が実行する動作を以下の図に示す。
【0087】
図22は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2210において、アクセサリが、好ましい電力を取得するためのコマンド、すなわち、アクセサリが第1の電源から電流を引き出すことにより動作すべきか、それとも第2の電源から電流を引き出すことにより動作すべきかを送信することができる。動作2220において、このコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作2230において、ポータブルコンピュータ装置が好ましい電源を決定し、動作2240において、この情報をアクセサリへ送信することができる。動作2250において、アクセサリが好ましい電源を受け取り、動作2260において、その電源から電流を引き出すことができる。
【0088】
図23は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作2310において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作2320において、アクセサリが、第1の電源を使用してアクセサリに給電すべきか、それとも第2の電源を使用してアクセサリに給電すべきかを尋ねる要求をポータブルコンピュータ装置に行うことができる。動作2330において、アクセサリが、いずれの電源を使用してアクセサリに給電すべきかを示す指示を受け取ることができる。動作2340において、アクセサリが、指示された電源を使用してアクセサリに給電することができる。
【0089】
本発明の様々な実施形態では、アクセサリが、ポータブルコンピュータ装置から充電及び電力管理に関する情報を読み取ることが望ましい。1つのこのようなパラメータは、ポータブルコンピュータ装置が供給できる最大充電電流を含むことができる。この情報を、GetUltraHighPowerコマンドを使用して要求し、RetUltraHighPowerコマンドを使用して戻すことができる。この例を以下の図に示す。
【0090】
図24は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源2410、アクセサリ2430、及びポータブルコンピュータ装置2450を含む。アクセサリ2430は、GetCharginglnfoコマンドを使用して、充電情報を取り出すためのコマンドをポータブルコンピュータ装置2450へ送信することができる。ポータブルコンピュータ装置2450は、RetCharginglnfoコマンドを使用して、アクセサリ2430に充電情報を戻すことができる。これらの動作を以下の図に示す。
【0091】
図25は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2510において、アクセサリが、充電情報を取得するためのコマンドを送信することができる。動作2520において、この情報を取得するためのコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。次に、動作2530において、例えばレジスタからこの情報を読み取ることができる。動作2540において、充電情報が戻され、動作2550において、アクセサリがこれを受け取ることができる。この充電情報は、利用可能な電流制限、最大電流制限、内部バッテリの充電状態、及びその他のパラメータなどの、上述した充電情報を含むことができる。
【0092】
図26は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作のフロー図である。動作2610において、アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立することができる。動作2620において、充電情報を求める要求をポータブルコンピュータ装置へ送信することができる。動作2630において、ポータブルコンピュータ装置から充電情報を受け取ることができる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリ上の抵抗器の値を使用することによってアクセサリを識別することができる。例えば、アクセサリは、ポータブルコンピュータ装置と通信するために使用できる、その2又はそれ以上のピン間の規定値を有する抵抗器を含むことができる。この識別から、ポータブルコンピュータ装置内に1又はそれ以上のデフォルト値を設定することができる。時には、これらの値に規定値を上乗せ又は補完を行うことが望ましい場合もある。この例を以下の図に示す。
【0094】
図27は、本発明の実施形態による電子システムを示す図である。この図は、電源2710、アクセサリ2730、及びポータブルコンピュータ装置2750を含む。ポータブルコンピュータ装置2750は、アクセサリ2730上の抵抗器の識別符号を検出することができる。ポータブルコンピュータ装置2750は、この抵抗器の識別符号からいくつかのパラメータのデフォルト値を決定することができる。アクセサリ2730は、これらのデフォルト値に上乗せ又は補完を行うための1又はそれ以上のコマンドをポータブルコンピュータ装置2750へ送信することができる。これらの装置が実行する動作を以下の図に示す。
【0095】
図28は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示す図である。動作2810において、ポータブルコンピュータ装置が、アクセサリ上の識別抵抗器を読み取ることができる。動作2820において、ポータブルコンピュータ装置が、この識別抵抗器に基づいて様々なパラメータのデフォルト値を決定することができる。動作2830において、アクセサリが、このデフォルト値に補完又は上乗せを行うための1又はそれ以上のコマンドを送信することができる。動作2840において、このコマンドをポータブルコンピュータ装置が受け取ることができる。動作2850において、アクセサリへ確認応答が送信され、動作2860において、アクセサリがこれを受け取ることができる。動作2870において、ポータブルコンピュータ装置が、デフォルト値に補完又は上乗せを行うことができる。これらの変更の通知を、ポータブルコンピュータ装置からアクセサリに提供することができる。
【0096】
図29は、本発明の実施形態による、アクセサリ及びポータブルコンピュータ装置が実行する動作を示すフロー図である。動作2910において、ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立することができる。動作2920において、アクセサリの抵抗器の識別符号を読み取ることができる。動作2930において、ポータブルコンピュータ装置が、抵抗器の識別符号に基づいて1又はそれ以上のデフォルト値を決定することができる。動作2940において、ポータブルコンピュータ装置が、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正するためのコマンドをアクセサリから受け取ることができる。動作2950において、ポータブルコンピュータ装置が、1又はそれ以上のデフォルト値の組を修正することができる。
【0097】
本発明の実施形態についての上記の説明は、例示及び説明を目的として示したものである。網羅的であること、又は説明した厳密な形に本発明を限定することは意図しておらず、上記教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。これらの実施形態は、本発明の原理及びその実際の応用を最良に説明し、これにより当業者が様々な実施形態において、及び意図される特定の用途に適した様々な修正を行って本発明を最大限に利用できるようにするために選択して記載したものである。従って、本発明が、以下の特許請求の範囲に含まれる全ての修正物及び同等物を対象とすることを意図されたものであることが理解されよう。
【符号の説明】
【0098】
1110 アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立
1120 外部電源から電力を受け取り
1130 外部電源の電流能力を特定
1140 外部電源の電流能力からアクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を特定
1150 ポータブルコンピュータ装置が正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨を、接続を介してポータブルコンピュータ装置へ信号送信
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリを動作させる方法であって、
アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリによって外部電源から電力を受け取るステップと、
前記外部電源の電流能力を前記アクセサリによって特定するステップと、
前記アクセサリにより、前記外部電源の前記電流能力から前記アクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めるステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置が前記正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨を、前記アクセサリによって前記接続を介して前記ポータブルコンピュータ装置へ信号送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記外部電源が、交流電源に結合された電力変換器を有し、該電力変換器が、前記交流電源を直流電源に変換する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外部電源の前記電流能力が、前記アクセサリにより少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポータブルコンピュータ装置が前記アクセサリから前記信号送信を受け取ったことを確認応答する信号を、前記アクセサリによって前記ポータブルコンピュータ装置から受け取るステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセサリが、ドッキングステーションである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポータブルコンピュータ装置を動作させるであって、
前記ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリに給電する外部電源の電流能力の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置により、前記アクセサリの必要電流量を示す電力指示を前記アクセサリから受け取るステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置により、前記外部電源の前記電流能力から前記アクセサリの前記必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めるステップと、
前記正味電流能力に等しい限度の電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記外部電源が、交流電源に結合された電力変換器を有し、該電力変換器が、前記交流電源を直流電源に変換する、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外部電源の前記電流能力が、前記ポータブルコンピュータ装置により少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値が、前記外部電源により与えられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アクセサリが、ドッキングステーションである、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法であって、
前記ポータブルコンピュータ装置と電源の間の接続を、ケーブルを介して確立するステップと、
前記電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記より低い第2のレベルに等しい限度の電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の前記指示が、少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値によって提供される、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の前記指示が、前記ケーブルからのコマンドを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ケーブルからの前記コマンドが、最大電流制限を含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の前記指示を受け取ったことを示す確認応答を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記ケーブルに提供するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
内部回路及び内部バッテリを有するポータブルコンピュータ装置を動作させる方法であって、
前記ポータブルコンピュータ装置とバッテリパックの間の接続を確立するステップと、
前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるためのコマンドを前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるための電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記バッテリパックが供給できる最大電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって特定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記バッテリパックが供給できる最大電流が、前記ポータブルコンピュータ装置により少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるためのコマンドを受け取ったことを示す確認応答を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記バッテリパックへ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ポータブルコンピュータ装置が前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させている旨の通知を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記バッテリパックへ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
アクセサリを動作させる方法であって、
前記アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリに給電するために第1の電源を使用すべきか、それとも第2の電源を使用すべきかを尋ねる要求を、前記アクセサリによって前記ポータブルコンピュータ装置に行うステップと、
前記アクセサリに給電するためにいずれの電源を使用するかを示す指示を前記アクセサリによって受け取るステップと、
前記アクセサリにより、前記指示された電源を使用して前記アクセサリに給電するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記第1の電源を使用する場合、前記アクセサリを動作させるために必要な第1の電流を前記アクセサリによって決定するステップと、
前記第2の電源を使用する場合、前記アクセサリを動作させるために必要な第2の電流を前記アクセサリによって決定するステップと、
をさらに含み、
前記要求が、前記第1の電流及び前記第2の電流を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アクセサリに給電するために前記第1の電源を使用する場合、前記アクセサリ及び前記ポータブルコンピュータ装置が前記第1の電源から電流を引き出し、前記アクセサリに給電するために前記第2の電源を使用する場合、前記アクセサリが前記第2の電源から電流を引き出して、前記ポータブルコンピュータ装置が前記第1の電源から電流を引き出す、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の電源が、ユニバーサルシリアルバス電源であり、前記第2の電源が、アクセサリ電源である、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記アクセサリに給電するために前記ユニバーサルシリアルバス電源を使用する場合、前記アクセサリ及び前記ポータブルコンピュータ装置が前記ユニバーサルシリアルバス電源から電流を引き出し、前記アクセサリに給電するために前記アクセサリ電源を使用する場合、前記アクセサリが前記アクセサリ電源から電流を引き出して、前記ポータブルコンピュータ装置が前記ユニバーサルシリアルバス電源から電流を引き出し、前記アクセサリ電源が、前記ポータブルコンピュータ装置の内部にバッテリを含む、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項1】
アクセサリを動作させる方法であって、
アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリによって外部電源から電力を受け取るステップと、
前記外部電源の電流能力を前記アクセサリによって特定するステップと、
前記アクセサリにより、前記外部電源の前記電流能力から前記アクセサリの必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めるステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置が前記正味電流能力に等しい限度の電流を引き出すべきである旨を、前記アクセサリによって前記接続を介して前記ポータブルコンピュータ装置へ信号送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記外部電源が、交流電源に結合された電力変換器を有し、該電力変換器が、前記交流電源を直流電源に変換する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外部電源の前記電流能力が、前記アクセサリにより少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポータブルコンピュータ装置が前記アクセサリから前記信号送信を受け取ったことを確認応答する信号を、前記アクセサリによって前記ポータブルコンピュータ装置から受け取るステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセサリが、ドッキングステーションである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポータブルコンピュータ装置を動作させるであって、
前記ポータブルコンピュータ装置とアクセサリの間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリに給電する外部電源の電流能力の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置により、前記アクセサリの必要電流量を示す電力指示を前記アクセサリから受け取るステップと、
前記ポータブルコンピュータ装置により、前記外部電源の前記電流能力から前記アクセサリの前記必要電流量を差し引くことによって正味電流能力を求めるステップと、
前記正味電流能力に等しい限度の電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記外部電源が、交流電源に結合された電力変換器を有し、該電力変換器が、前記交流電源を直流電源に変換する、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外部電源の前記電流能力が、前記ポータブルコンピュータ装置により少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値が、前記外部電源により与えられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アクセサリが、ドッキングステーションである、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ポータブルコンピュータ装置を動作させる方法であって、
前記ポータブルコンピュータ装置と電源の間の接続を、ケーブルを介して確立するステップと、
前記電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の指示を前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記より低い第2のレベルに等しい限度の電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記電源が電流を第1のレベルで供給できる旨の前記指示が、少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値によって提供される、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の前記指示が、前記ケーブルからのコマンドを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ケーブルからの前記コマンドが、最大電流制限を含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ケーブルが電流をより低い第2のレベルで供給できる旨の前記指示を受け取ったことを示す確認応答を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記ケーブルに提供するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
内部回路及び内部バッテリを有するポータブルコンピュータ装置を動作させる方法であって、
前記ポータブルコンピュータ装置とバッテリパックの間の接続を確立するステップと、
前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるためのコマンドを前記ポータブルコンピュータ装置によって受け取るステップと、
前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるための電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって引き出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記バッテリパックが供給できる最大電流を前記ポータブルコンピュータ装置によって特定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記バッテリパックが供給できる最大電流が、前記ポータブルコンピュータ装置により少なくとも1つのユニバーサルシリアルバスデータピン上の抵抗器の値を読み取ることによって特定される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させるためのコマンドを受け取ったことを示す確認応答を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記バッテリパックへ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ポータブルコンピュータ装置が前記バッテリパックからの電流を使用して前記内部バッテリを充電することなく前記内部回路を動作させている旨の通知を、前記ポータブルコンピュータ装置によって前記バッテリパックへ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
アクセサリを動作させる方法であって、
前記アクセサリとポータブルコンピュータ装置の間の接続を確立するステップと、
前記アクセサリに給電するために第1の電源を使用すべきか、それとも第2の電源を使用すべきかを尋ねる要求を、前記アクセサリによって前記ポータブルコンピュータ装置に行うステップと、
前記アクセサリに給電するためにいずれの電源を使用するかを示す指示を前記アクセサリによって受け取るステップと、
前記アクセサリにより、前記指示された電源を使用して前記アクセサリに給電するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記第1の電源を使用する場合、前記アクセサリを動作させるために必要な第1の電流を前記アクセサリによって決定するステップと、
前記第2の電源を使用する場合、前記アクセサリを動作させるために必要な第2の電流を前記アクセサリによって決定するステップと、
をさらに含み、
前記要求が、前記第1の電流及び前記第2の電流を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アクセサリに給電するために前記第1の電源を使用する場合、前記アクセサリ及び前記ポータブルコンピュータ装置が前記第1の電源から電流を引き出し、前記アクセサリに給電するために前記第2の電源を使用する場合、前記アクセサリが前記第2の電源から電流を引き出して、前記ポータブルコンピュータ装置が前記第1の電源から電流を引き出す、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の電源が、ユニバーサルシリアルバス電源であり、前記第2の電源が、アクセサリ電源である、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記アクセサリに給電するために前記ユニバーサルシリアルバス電源を使用する場合、前記アクセサリ及び前記ポータブルコンピュータ装置が前記ユニバーサルシリアルバス電源から電流を引き出し、前記アクセサリに給電するために前記アクセサリ電源を使用する場合、前記アクセサリが前記アクセサリ電源から電流を引き出して、前記ポータブルコンピュータ装置が前記ユニバーサルシリアルバス電源から電流を引き出し、前記アクセサリ電源が、前記ポータブルコンピュータ装置の内部にバッテリを含む、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2013−516694(P2013−516694A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548003(P2012−548003)
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/049921
【国際公開番号】WO2011/084196
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.FireWire
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/049921
【国際公開番号】WO2011/084196
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.FireWire
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
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